本実施形態のカラオケ装置は、カラオケにおいてデュエットや合唱などを楽しむことのできるカラオケ投稿システムに利用されるものである。図1は、このカラオケ投稿システムの概要を説明するための図である。この図を用いてカラオケ投稿の流れを簡単に説明する。ここでは、歌唱音声の記録を行う場合について説明するが、実際には、カメラを使用して録画された映像が伴うこととなる。
まず、歌唱者は、カラオケボックスなど、カラオケシステムが設置される場所で演奏にあわせた歌唱が行われ歌唱音声が記録される(a)。カラオケシステムは、カラオケ装置(別称「コマンダ」)、カラオケ装置から出力される歌詞映像、背景映像が表示されるモニタ、操作者からの操作をカラオケ装置に伝えるリモコン装置にて構成されている。歌唱音声は、カラオケ装置に内蔵されたハードディスクなどの記録手段に第1投稿情報として記録される。
歌唱者は、記録された歌唱音声を確認するため、第1投稿情報の再生を行うこともできる(b)。歌唱者が希望する場合には、第1投稿情報は、ホスト装置上にアップロードされ、インターネットを介して公開することが可能となる(c)。公開された第1投稿情報は、この歌唱者と一緒に歌唱を希望する歌唱者によりカラオケシステムでダウンロードされる(d)。
ダウンロードされた第1投稿情報は、楽曲にあわせて再生することで内容を確認することもできる(e)。ダウンロードされた第1投稿情報は、楽曲と共にカラオケ装置にて再生され、歌唱者は予め記録された第1投稿情報とのデュエットを楽しむことができる。さらに、第1投稿情報と一緒に歌唱を行った歌唱者の歌唱音声は、第2投稿情報としてカラオケ装置に記録される(f)。記録された第2投稿情報は、第1投稿情報、並びに、楽曲と同期して再生することができ、歌唱者は自身の歌唱をデュエット形式で確認することができる(g)。
歌唱者は、新たな投稿として第2投稿情報をホスト装置にアップロードすることができる。第2投稿情報は、第1投稿情報と併せて再生することができるが、ホスト装置には第1投稿情報が保存されているため、第2投稿情報のみが送信される。第2投稿情報には、第1投稿情報と対応付けるため、第2投稿情報の識別情報が付与される(h)。
ホスト装置に保存された第1投稿情報、第2投稿情報は、ユーザからの要請により、PC(パーソナルコンピュータ)あるいはカラオケシステムにダウンロードされ、第1投稿情報、第2投稿情報、並びに楽曲情報に基づいて複数の歌唱者によるコラボレーションを楽しむことが可能となる(i)。以上、第1投稿情報と第2投稿情報に基づくコラボレーションについて説明したが、(d)、(f)〜(h)を繰り返し行うことで、複数人(2名以上)のコラボレーションが可能となる。
このように本実施形態のカラオケ投稿システムでは、その場に居合わせない相手ともデュエットや合唱を楽しむことができる。ここでは、歌唱音声についてのみ説明したが、本発明に適用する場合には、歌唱音声と一緒にカメラによる撮影、並びに、映像情報の記録がカラオケ装置にて実行されることとなる。
次に、歌唱の記録とあわせて、カメラ45による撮影を可能とするカラオケシステムの一実施形態について図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの構成を示す図である。本実施形態におけるカラオケシステムは、カラオケ装置2(コマンダ)と、リモコン装置1を含んで構成されている。なお、図2に示す例では、1台のカラオケ装置2に対して、リモコン装置1aとリモコン装置1b、2台のリモコン装置1が使用されている例である。これらリモコン装置1a、1bの構成は同一であるため、リモコン装置1として説明を行う。カラオケ装置2とリモコン装置1は、LAN100及びアクセスポイント110を利用してネットワークを形成するように接続されている。
カラオケボックスなどの店舗に設置されるカラオケ装置2は、楽曲を演奏するための演奏部として音響制御部25を備えている。また、カラオケ装置2は、ユーザからの各種入力を受け付ける操作部21を備える。カラオケ装置2は、操作部21からの入力を解釈してCPU30に伝達する操作処理部22を備える。また、カラオケ装置2は、各種情報を記憶する記憶部としてのHDD32(ハードディスク)を備える。カラオケ装置2は、LAN100に接続してネットワークに加入する通信手段としてのLAN通信部24を備えている。
また、カラオケ装置2は、モニタ41に対して歌詞映像、背景映像を表示させる映像再生手段を備える。この映像再生手段は、映像情報に基づいて映像を再生する映像再生部29、再生する映像を一時的に蓄積するビデオRAM28、再生された映像に対する歌詞テロップの重畳、映像効果を付与する映像制御部31を備えて構成される。
さらに、このカラオケ装置2では、外部に接続されるモニタ41以外に、タッチパネルモニタ33に対して各種情報を表示することを可能としている。タッチパネルモニタ33は映像制御部31から入力された映像情報を表示する表示部35と、タッチ入力された位置を操作処理部22に出力するタッチパネル34が重畳されて構成されている。このタッチパネルモニタ33は、カラオケ装置2の操作部、あるいは、リモコン装置1のタッチパネルモニタ11などと同様、入力部として機能する。ユーザは、タッチパネルモニタ33にて楽曲を選択することで、直接カラオケ装置2に予約をさせるなど、カラオケ装置2に対する各種操作を行うことが可能である。
さらに、カラオケ装置2は、各構成を統括して制御するためのCPU30、各種プログラムを実行するにあたって必要となる情報を一時記憶するためのメモリ27を備えて構成される。
このような構成にてカラオケ装置2は、各種処理を実行することとなるが、カラオケ装置2の主な機能として、楽曲予約処理、楽曲再生処理などを実行可能としている。楽曲予約処理は、ユーザからの指定に基づいて楽曲を指定、予約するための処理であってリモコン装置1と連携して実行される。ユーザの操作により、リモコン装置1などの入力部で指定された予約情報をメモリ27中の予約テーブルに登録する。楽曲再生処理は、予約された楽曲を再生させる処理であって、楽曲演奏処理と歌詞再生処理とが同期して実行される処理である。
楽曲演奏処理は、楽曲情報に含まれる演奏情報に基づき、音響制御部25に演奏を実行させる処理である。音響制御部25にて演奏された楽曲は、マイクロホン44a、44bから入力される歌唱音声と一緒にスピーカ42から放音される。歌詞再生処理は、楽曲情報に含まれる歌詞情報をモニタ41に表示させることで歌唱補助を行う処理である。この歌詞再生処理で表示される歌詞に、背景映像を重畳させて表示させる背景映像表示処理を実行することとしてもよい。
カラオケ装置2には、歌唱の様子を撮影するための撮像手段としてカメラ45が接続されている。カメラ45からのカメラ映像は、映像入出力を担う映像制御部31を介して、記録手段としてのHDD32に記録、そして、モニタ41にリアルタイム表示することが可能である。
一方、リモコン装置1は、歌唱する楽曲を選択する選曲処理を実行可能とし、予約情報などカラオケ装置2に対して各種指示を送信可能としている。また、リモコン装置1は、カラオケ装置2あるいはインターネット上に接続されたホスト装置5から各種情報を受信し、ユーザに対して各種情報を提供することも可能である。本実施形態では、ユーザから各種指示を受け付けるユーザインターフェイスとして、操作部17と、タッチパネルモニタ11を備えている。タッチパネルモニタ11は、表示部11aとタッチパネル11bを有して構成され、表示部11aに各種インターフェイスを表示するとともに、ユーザからのタッチ入力を受付可能としている。
さらにリモコン装置1は、楽曲検索に必要とされるデータベース、各種プログラム、並びに、プログラム実行に伴って発生する各種情報を記憶する記憶部として、メモリ14、そして、これら構成を統括して制御するためのリモコン側制御部を備えて構成される。リモコン側制御部には、CPU15、タッチパネルモニタ11に対して表示する映像を形成する映像制御部13、表示する映像情報を一時的に蓄えるビデオRAM12、タッチパネルモニタ11あるいは操作部17からの入力を解釈してCPU15に伝える操作処理部18が含まれている。
また、リモコン装置1は、無線LAN通信部16によって、アクセスポイント110と無線接続されることで、LAN100によって構成されるネットワークに接続される。なお、各リモコン装置1は、特定のカラオケ装置2に対して事前に対応付けされている。リモコン装置1から出力される各種命令は、対応付けされたカラオケ装置2にて受信されることとなる。
このようなリモコン装置1の構成により、ユーザからの各種入力をタッチパネルモニタ11、あるいは、操作部17から受付けるとともに、映像情報をタッチパネルモニタ11の表示により各種情報を提供することで、カラオケ装置2に対して楽曲予約などの各種指示を行うことが可能とされている。
図3は、本実施形態のトップ画面、すなわち、リモコン装置1を起動した直後の画面を示す図である。本実施形態では、リモコン装置1の表示部11aに表示を行うことで、リモコン装置1を操作するユーザに対して各種情報が提供される。
本実施形態のカラオケシステムは、各リモコン装置1のタッチパネルモニタ11から認証情報(後述するユーザ識別情報やパスワード)を入力することで、ログインすることが可能となっている。特に、本実施形態のカラオケシステムでは、複数のユーザをログインさせることを可能としており、ログインしたユーザ(ログインユーザ)に関する情報は画面上方に常時表示される。ログインしたユーザの分身像(アバター)を表示するためのログインユーザ欄103が設けられている。なお、分身像としては、人、キャラクターを模した像の他、図形や記号など各種形態を採用することができる。
また、アカウントを有していないユーザのためのゲストアイコン102、ユーザを切り替えるためのユーザ切り替えスイッチ101が表示されている。ログインしたユーザは、ログインユーザ欄103に表示される分身像を選択、あるいは、ユーザ切り替えスイッチ101を操作することで、自分のユーザ情報を利用した各種サービスを受けることが可能となる。また、アカウントを有していないユーザは、ゲストアイコン102を操作することで、選曲など一般的なサービスを受けることが可能となっている。なお、ユーザの切り替えの際には、パスワードなどを使用した認証を行うこととしてもよいが、認証を行うことなく簡易に切り替えることとしてもよい。
図4は、ユーザ毎にホスト装置5に記憶されているユーザ情報を説明するための図である。本実施形態では、ユーザ情報として、個人情報、マイうたテーブル、マイアーティストテーブル、履歴テーブルといった、ユーザに関する各種情報を含んで構成される。ユーザ情報は、ホスト装置5の記憶部51において記憶管理されている。ユーザ情報には、ユーザがログインするための認証情報(ユーザ識別情報とパスワード)が含まれている。個人情報には、ユーザ名(実際の名前に限ったものでなく、ニックネームであってもよい)、性別、年齢、うた年齢、総合歌唱評価情報などを含んで構成される。これら各種情報は、リモコン装置1、あるいは、インターネットなどのネットワークに接続された図示しないパーソナルコンピュータ、携帯情報端末などを使用し、ログインして設定することも可能である。
個人情報中に記録されている総合歌唱評価情報は、歌唱者が過去の歌唱時に行った歌唱評価処理において算出された個別歌唱評価情報の平均である。すなわち、総合歌唱評価情報は、ユーザの歌唱力を示す情報ということができる。なお、この総合歌唱評価情報の算出は、個別歌唱評価情報の平均を取る以外に、個別歌唱評価情報に対し、歌唱評価処理を行ってからの経過日時による重み付けを行い算出すること等、各種形態を採用することが可能である。あるいは、楽曲のジャンル毎に算出することで、各ジャンルに対する得手、不得手を判別可能としてもよい。
マイうたテーブルは、ユーザによって登録された楽曲を記憶するテーブルであって、楽曲識別情報、音高調整値、楽曲別歌唱評価情報などを含んで構成されている。ユーザは、このマイうたテーブルに基づいて、過去に登録したお気に入りの楽曲を呼び出して予約、演奏することが可能となる。その際、登録した音高調整値を利用することで、自分の歌唱にあった音高で演奏(再生)を行うこともできる。楽曲別歌唱評価情報は、歌唱者が過去の歌唱時に行った歌唱評価処理において算出された個別歌唱評価情報を楽曲別に集計した値であり、本実施形態では、該当する楽曲について算出された個別歌唱評価情報の平均を使用している。なお、この楽曲別歌唱評価情報についても、各種形態を採用することが可能であり、例えば、過去の最高値とすることや、歌唱評価処理を行ってからの経過日時による重み付けを行い算出すること等が考えられる。
マイアーティストテーブルは、ユーザによって登録されたアーティスト(歌手)を記憶するテーブルであって、歌手識別情報を含んで構成されている。ユーザは、このマイアーティストテーブルに基づいて、登録したお気に入りのアーティストの楽曲(持ち歌、あるいは、関連楽曲)を呼び出して予約、演奏することが可能となる。
履歴テーブルは、ユーザが過去に演奏した楽曲に関する各種情報を記録した情報であって、本実施形態では、過去に当該ユーザが予約することで演奏された楽曲について、楽曲の楽曲識別情報、演奏した日時を示す歌唱日時、歌唱時に行われた歌唱評価処理の結果である個別歌唱評価情報などを含んで構成されている。ユーザは、この履歴テーブルに基づいて、過去に演奏した楽曲を呼び出して再度歌唱することが可能である。
図5は、このユーザ情報の送受信の様子を示した図である。カラオケ店舗に来店したユーザは、自己のユーザ識別情報とパスワードで構成された認証情報を入力、あるいは、リモコン装置1などに設けられたICカードリーダでICカードに記憶されている認証情報を読み取らせることで認証処理(S101)を実行する。カラオケ装置2あるいはリモコン装置1は、認証情報をホスト装置5に送信し(S102)、認証情報を受信したホスト装置5は記憶部51に記憶されたデータベースから、該当するユーザのユーザ情報を抽出し(S121)、問い合わせのあったカラオケ装置2あるいはリモコン装置1に対して送信する(S122)。
ユーザ情報を受信したカラオケ装置2側では(S103)、受信したユーザ情報に基づいて、楽曲予約処理、楽曲再生処理など各種サービス処理を提供する(S104)。ユーザによりログアウトが要求される(S105)とサービス処理を中断し、サービス処理中に発生した各種履歴(ログ)、あるいは、ユーザによる設定変更を反映したユーザ情報をホスト装置5に送信する(S106)。ここで、ユーザ情報は、全ての情報を送信することの他、更新された差分だけを送信してもよい。ユーザ情報を受信したホスト装置5では(S123)、受信したユーザ情報に基づいて記憶部51に記憶されたデータベースの更新を実行する(S124)。
以上、あるユーザが認証処理(ログイン処理)してから、ログアウトするまでの流れを説明したが、本実施形態のカラオケ装置2、リモコン装置1は、認証された複数人(認証ユーザ)が同時にログインした状態で使用することが可能となっている。図3で説明したユーザインターフェイスを用いることで、サービスを提供するユーザ(以下、「アクティブユーザ」という)を切り替えて使用することが可能となっている。
図6は、本実施形態のアクティブユーザトップ画面を示す図である。この図に示されるように、複数人がログインした状態ではログインユーザ欄103にログインしたユーザの分身像103a〜103e(本実施形態では顔部分)が表示される。またログインユーザ欄103中、右端に背景がハイライト(白色)で示されるユーザは、アクティブユーザ103e(Aさん)であって、図に示す状態では、このアクティブユーザ103eに対するサービス、すなわち、アクティブユーザ103eのユーザ情報を利用したサービスが実行されている状態となっている。このアクティブユーザトップ画面では、「曲を探す」を選択することで、歌手名、楽曲名に基づく検索を行うことができる。
図7は、リモコン装置1において実行される選曲処理を示すフロー図である。なお、選曲処理は、リモコン装置1のみならず、カラオケ装置2において実行可能としてもよい。その場合、カラオケ装置2のタッチパネルモニタ33に、リモコン装置1と同様の画面表示を行い、ユーザによる楽曲の指定を受け付けることとなる。リモコン装置1のタッチパネルモニタ11を使用して楽曲の指定が行われた場合(S201:Yes)、タッチパネルモニタ11には、指定した楽曲の詳細を確認するための楽曲確認画面が表示される(S202)。
図8には、本実施形態の楽曲確認画面が示されている。アクティブユーザとして楽曲を選択した場合、この楽曲確認画面にて、予約を行う楽曲に間違いがないか、楽曲名、歌手名、歌い出しなどを表示してユーザに確認させる。本実施形態の楽曲確認画面には、投稿情報と一緒に歌唱する、あるいは、投稿情報を作成する(本明細書において「コラボ」(コラボレーションの略)と称する。)ためのコラボ設定欄106が設けられている。コラボ設定欄106の右下に表示されている変更ボタンを操作することで、図9に示すコラボ設定用の子画面107が表示され、予約する楽曲に対し、コラボに関する設定を行うことが可能である。
コラボ設定用の子画面107にはコラボ設定のオン、オフボタン、すなわち、投稿情報と一緒に歌唱するか否かを設定するためのボタン、コラボを行う際、使用する投稿情報を選択するための子画面へ遷移するボタン、コラボ時において、動画撮影を行うか否かを設定するためのオン、オフボタンが表示されている。
コラボを行うことが指定された場合(S203:Yes)、リモコン装置1は、指定したユーザのユーザ情報を参照し、楽曲確認画面で指定されている楽曲の楽曲別歌唱評価情報があるか否かを確認する(S204)。楽曲別歌唱評価情報がある場合(S204:Yes)、楽曲別歌唱評価情報を抽出し(S205)、抽出した楽曲別歌唱評価情報を含んだ選択依頼情報をホスト装置5に送信する(S207)。一方、楽曲別、歌唱評価情報がない場合、すなわち、指定されている楽曲について、過去に歌唱評価処理が行われていない場合には、総合歌唱評価情報を抽出し(S206)、抽出した総合歌唱評価情報を含んだ選択依頼情報をホスト装置5に送信する(S207)。このように本実施形態では、ユーザが以前に歌唱したことが無い等を事情として、楽曲別の歌唱評価情報(楽曲別歌唱評価情報)が存在しない場合、他の楽曲の歌唱評価処理により形成された歌唱評価情報(総合歌唱評価情報)を使用することとしている。なお、個別歌唱評価情報をジャンル毎に集計してジャンル別歌唱評価情報を使用することも可能である。楽曲確認画面で指定した楽曲と同じジャンルのジャンル別歌唱評価情報を使用することで、当該ジャンルにおけるユーザの歌唱能力に基づく、投稿情報の選択を行うことが可能となる。
図11(B)には、投稿情報を選択するため、ホスト装置5に送信する選択依頼情報のデータ構成が示されている。選択依頼情報には、楽曲確認画面で指定されている楽曲識別情報と、楽曲別歌唱評価情報(もしくは、総合歌唱評価情報)が含まれている。ホスト装置5は、カラオケ装置2から受信した選択依頼情報に基づいて、歌唱するユーザに適切な投稿情報の候補を選択する。
図12は、ホスト装置5で実行する選択処理のフロー図を示したものであり、図13は、選択処理の概要を説明するための模式図である。ホスト装置5は、カラオケ装置2から選択依頼情報を受信した場合(S301:Yes)、選択依頼情報に含まれる楽曲識別情報に対応する投稿情報を対象として、投稿情報の歌唱評価情報が所定条件を満たす投稿情報を抽出する(S302)。本実施形態では、現在、楽曲を指定しているユーザ(歌唱ユーザ)と、同程度の歌唱能力を有するユーザにより投稿された投稿情報を抽出対象としている。図13は、楽曲確認画面で指定されている楽曲ついて投稿された投稿情報の歌唱評価情報と、歌唱ユーザの歌唱評価情報(選択依頼情報に含まれる楽曲別歌唱評価情報、もしくは、総合歌唱評価情報)の関係を示したものである。同程度の歌唱能力を有するユーザにより投稿された投稿情報を抽出対象とするため、本実施形態では、歌唱ユーザの歌唱評価情報に対し、所定の閾値範囲(この例では±10)の範囲内に入る歌唱評価情報を有する投稿情報を抽出対象としている。図13の例では、Fさん、Gさん、Jさん、Kさん、Mさん、Nさんにより投稿された投稿情報が抽出対象となり、Hさん、Lさんにより投稿された投稿情報は抽出対象外となる。
本実施形態では、このように所定の閾値範囲に入る歌唱評価情報を有する投稿情報を抽出対象としているが、投稿情報を抽出するための所定条件は各種形態を採用することが考えられる。例えば、人気楽曲の場合、図13の例のように±10の閾値範囲とした場合、投稿情報の抽出件数が膨大になることが考えられる。そのような場合、閾値範囲(この例では±5)に縮小することで、投稿情報の抽出件数を少なくすることとしてもよい。このような閾値範囲の縮小は、投稿情報の抽出件数が所定数未満になるまで継続して行うこととしてもよい。
ホスト装置5は、抽出された投稿情報について、その関連情報をリモコン装置1に送信する(S303)。図11(C)には、投稿関連情報のデータ構成が示されている。本実施形態では、投稿関連情報として、投稿情報を示す投稿識別情報、投稿時に撮像された映像から抽出したサムネイル画像、投稿ユーザ名、投稿日を含んで構成されている。図7の選曲処理に戻り、候補となる投稿情報の関連情報を受信(S208)したリモコン装置1は、投稿情報の関連情報を表示して、使用する投稿情報の選択をユーザに促す(S209)。
図10には、歌唱確認画面のコラボ設定時における子画面108が示されている。この子画面108は、投稿情報を選択するための画面であって、図9のコラボ設定用の子画面107において、投稿情報を選択する子画面へ推移するボタンを操作することで表示される。この子画面には、ホスト装置5から受信した投稿関連情報に含まれるサムネイル画像、投稿を行ったユーザのユーザ名、投稿日が表示される。子画面108上での投稿情報の順番は、歌唱ユーザの歌唱評価情報に近い順に表示することで、ユーザは自分の歌唱能力のより近い投稿情報を選びやすくすることが可能である。なお、子画面108上での投稿情報の順番は、このような順番のみならず、投稿日の新しい順番、あるいは、使用回数の多い順番(この場合、投稿関連情報には使用回数が必要)等、適宜形態を使用することが可能である。あるいは、ユーザにより指定された項目で並べ替えることとしてもよい。
本実施形態では、サムネイル画像に重畳して表示されているプレビューボタンを操作することで、投稿情報を試聴することが可能となっている。プレビューボタンを操作した場合、リモコン装置1は、操作されたサムネイル画像に対応する投稿識別情報をホスト装置5に送信し、ホスト装置5からプレビュー用の動画情報を受信して再生を行う。ユーザは、子画面108に表示された各種情報を参考として、投稿情報を選択することが可能である。選択された投稿情報は、太枠表示される(図10では、Gさんの投稿情報が選択された状態となっている。)。この状態で、決定ボタンを操作することで、歌唱時に使用する投稿情報が決定される。
リモコン装置1は、投稿情報が選択された場合(S208:Yes)、カラオケ装置2に対し、予約情報を送信する(S211)。図11(E)には、本実施形態で使用する予約情報のデータ構成が示されている。予約情報は、指定した楽曲の楽曲識別情報、楽曲を指定したユーザのユーザ識別情報、動画撮影のオン、オフを示す動画撮影指定情報、選択した投稿情報を示す投稿識別情報を含んで構成されている。カラオケ装置2では、リモコン装置1から送信された予約情報を受信して、楽曲予約処理を実行する。なお、選曲処理において、コラボ指定されなかった場合(S203:No)、予約情報中には動画撮影指定情報、投稿識別情報は含まれない。
図14には、本実施形態の楽曲予約処理を示すフロー図が示されている。カラオケ装置2は、リモコン装置1などから予約情報を受け取った場合(S401:Yes)、受け取った予約情報を、カラオケ装置2のメモリ27に記憶管理する予約テーブルに登録する(S402)。その際、予約情報中に投稿情報の指定がある、すなわち、予約情報が投稿識別情報を含んでいる場合(S403:Yes)、指定されている投稿情報をホスト装置5からダウンロードする(S404)。このように本実施形態では、楽曲の再生前に、必要な投稿情報をダウンロードしておくことで、投稿情報のダウンロードを待つ必要が無く、迅速に楽曲の再生を開始することが可能となっている。また、ダウンロードする投稿情報は、歌唱補助区間のみとすることとしてもよい。ダウンロード容量を削減し、ダウンロード時間の短縮化、ホスト装置5の負荷削減を図ることが可能となる。なお、投稿情報の取得は、このようなダウンロード形態の他、楽曲再生時にホスト装置5からストリーミング配信することとしてもよい。
図11(D)には、本実施形態の投稿情報のデータ構成が示されている。投稿情報は、投稿情報を識別するための投稿識別情報、投稿情報の作成に使用された楽曲を示す楽曲識別情報、歌唱音声情報と歌唱映像情報を含んだ歌唱動画情報、歌唱時、歌唱処理を行うことで算出された歌唱評価情報を含んで構成されている。なお、本実施形態では、歌唱の様子を撮影した歌唱映像情報を含んでいるが、投稿情報は、歌唱音声情報のみを使用することとしてもよい。
図15には、本実施形態の楽曲再生処理を示すフロー図が示されている。楽曲再生処理が開始されると、カラオケ装置2内のメモリ27に記憶している予約テーブルを参照し、次に再生させる楽曲の有無が判定される(S501)。予約テーブル中、次に再生させる楽曲がある場合(S502:Yes)、予約情報中のコラボに関する設定が読み出される。本実施形態では、コラボに関する設定に基づき、(1)コラボを行わない再生形態、(2)投稿情報と一緒に歌唱する再生形態(動画撮影あり)、(3)投稿情報と一緒に歌唱する形態(動画撮影なし)の何れかの再生形態で楽曲再生処理が行われる。
(1)コラボを行わない再生形態は、予約時にコラボ指定がない場合(S503:No)の再生形態であり、この場合、楽曲情報を再生開始する(S515)。図11には、本実施形態で使用する各種情報のデータ構成が示されている。図11(A)は、本実施形態で使用する楽曲情報のデータ構成を示したものである。楽曲情報は、楽曲情報に関連する各種情報であるメタ情報と、演奏等、各種処理を実行する実情報を有している。メタ情報には、楽曲情報を識別するための楽曲識別情報、曲名、歌手名、作詞者名、作曲者名、ブロック情報を有している。ブロック情報は、演奏情報の時間進行に対応したブロックを規定した情報である。ブロックは、演奏情報を所定時間毎に区切る形態の他、小節位置やひとまとまりのフレーズ位置で区切る形態など、各種形態を採用することが考えられる。
楽曲情報の実情報には、演奏情報、歌詞情報、基準音高情報が含まれている。演奏情報は、MIDI規格に基づいて電子楽器用の制御情報、あるいは、実際の演奏を録音した圧縮音声情報等で構成され、カラオケの伴奏音を演奏するための情報である。歌詞情報は、歌唱補助のため、演奏情報に同期して表示される情報であり、演奏に同期して表示された歌詞の色替えを行うように構成してもよい。基準音高情報は、歌唱評価処理(採点)に使用される情報であり、演奏情報と同様、MIDI規格に基づいて規定された制御情報である。この基準音高情報は、マイクロホン44a、44bから入力される歌唱音声信号の音高と比較する歌唱評価処理にも使用することが可能である。
再生された楽音は、マイクロホン44a、44bから入力される歌唱音声と一緒にスピーカ42から放音される。楽曲の再生が終了した場合(S516:Yes)、楽曲再生処理の頭に戻って次の楽曲の再生を実行する。
(2)投稿情報と一緒に歌唱する再生形態(動画撮影あり)の場合(S504:Yes)、楽曲情報と、予約情報中の投稿識別情報に対応する投稿情報中の歌唱動画情報を同期して再生開始する(S505)。この再生形態では、楽曲の再生中、録画処理と歌唱評価処理とを実行する(S506)。録画処理は、マイクロホン44a、44bから入力される歌唱音声を録音するとともに、カメラ45からの映像を録画する処理である。なお、録画処理に代え、マイクロホン44a、44bから入力される歌唱音声を録音する録音処理のみとすることも可能である。歌唱評価処理は、マイクロホン44a、44bから入力される歌唱音声と、楽曲情報に含まれる基準音程情報を比較すること等によって、ユーザの歌唱評価処理を行う。歌唱評価処理では、歌唱力を示す点数やランク等の歌唱評価情報が算出され、投稿情報に含めて送信されることとなる。
図16には、(2)の再生形態におけるモニタ41の様子が示されている。モニタ41には、投稿情報中の歌唱動画情報を再生する投稿表示領域402と、カメラ45で撮影されている映像を表示する撮像表示領域401が隣り合わせで表示される。なお、撮像表示領域401は、左右反転させた映像とすることで、歌唱しているユーザは鏡を見ているような状態となり、モニタ41を見たときの違和感が抑制されている。また、モニタ41には歌詞表示403が重畳表示され、歌唱するユーザの歌唱補助が行われる。
録画処理、歌唱評価処理は、楽曲の再生が終了する(S507:Yes)まで継続され、楽曲の再生終了後、歌唱動画情報、歌唱評価情報が生成される。ユーザは、これら歌唱動画情報を確認するためプレビュー処理を選択することが可能である(S509)。プレビュー処理(S510)は、楽曲情報の再生に同期して、今回の楽曲再生処理で生成された歌唱動画情報と、投稿情報中の歌唱動画情報とを再生させる処理である。なお、今回の楽曲再生処理で生成された歌唱動画情報は、ちょうど、図16で説明した撮像表示領域401を左右反転した正像として再生される。
ユーザは、生成した歌唱動画情報を投稿情報としてホスト装置5にアップロードすることが可能である。投稿情報をアップロードすることが選択された場合(S511:Yes)、カラオケ装置2は、生成された録画情報と録音情報を含めて投稿情報を形成し、通信手段としてのLAN通信部24を介し、投稿情報をホスト装置5にアップロードするアップロード処理(S512)を実行する。アップロードされる投稿情報には、図11(D)に示すように、楽曲識別情報、歌唱動画情報、歌唱評価情報が含まれる。なお、投稿識別情報は、ホスト装置5で事後的に付与されることになる。
(3)投稿情報と一緒に歌唱する再生形態(動画撮影無し)の場合(S504:No)、楽曲情報と、予約情報中の投稿識別情報に対応する投稿情報を同期して再生開始する(S513)。楽曲情報と投稿情報の再生は、(2)の再生形態と同様であり、ユーザは投稿情報にあわせて歌唱を楽しむことが可能である。楽曲の再生が終了した場合(S514:Yes)、楽曲再生処理の頭に戻って次の楽曲の再生を実行する。
以上、本実施形態のカラオケ装置2では、歌唱ユーザの歌唱評価情報に対して所定条件を満たす歌唱評価情報を一緒に再生することで、例えば、同じ程度の歌唱力を有するユーザによって投稿された投稿情報と一緒に歌唱を楽しむことが可能である。なお、本実施形態では、カラオケ装置2について説明したが、カラオケ装置2で実行可能なカラオケプログラム、あるいは、各種情報処理装置で実行可能なカラオケプログラムとして提供することも可能である。
なお、本実施形態では、歌唱ユーザの歌唱評価情報と同程度の歌唱力の投稿情報を抽出することとしているが、歌唱力のレベルをユーザに選択させる形態も考えられる。この場合、コラボ設定の子画面107などにおいて、自己の歌唱力に対する歌唱力のレベルをユーザに指定させ、指定されたレベルに応じて、図13に示す閾値範囲をシフトすることで、自己の歌唱力に対するレベルに応じた投稿情報を抽出することが可能である。このように、投稿情報を抽出するための所定条件は、各種形態を採用することが考えられる。また、本実施形態では、ユーザに対して抽出された投稿情報の候補の中から選択させる形態としているが、ホスト装置5側で、1つの投稿情報に決定する形態としてもよい。なお、その際の決定条件は、最も歌唱ユーザの歌唱評価情報に近いものを選択する、あるいは、ランダムに選択するなど、任意形態を採用することが可能である。
また、本実施形態において、投稿情報に付与される歌唱評価情報は、歌唱全体を通じての評価となっているが、歌唱評価情報は、経時的に記録する形態としてもよい。その場合、例えば、楽曲情報中のブロック情報で規定されたブロック毎に算出することが考えられる。このように歌唱評価情報を経時的な形態とした場合、次のように投稿情報を抽出する形態が考えられる。
図13で説明したように、本実施形態では、閾値範囲内に歌唱評価情報を有する投稿情報を選択することとしている。このような選択処理(一次選択処理)の後、さらに経時的な歌唱評価情報を使用して、投稿情報を選択する2次選択処理を実行することとしてもよい。図17には、楽曲確認画面で指定されている楽曲について、当該楽曲に関する歌唱ユーザの歌唱評価情報、すなわち、楽曲を指定している歌唱ユーザの過去の歌唱により得られた歌唱評価情報と、投稿情報の歌唱評価情報(この例では第1の投稿ユーザと第2の投稿ユーザ)の経時的変化が示されている。なお、第1の投稿ユーザと第2の投稿ユーザの楽曲を通じての歌唱評価情報は、略同じとしている。
本実施形態では、歌唱ユーザの歌唱評価情報に第1の閾値を設け、この第1の閾値を下回った区間を歌唱ユーザの不得手区間として定義している。二次選択処理では、歌唱ユーザの不得手区間に着目し、この不得手区間において上手く歌唱できている投稿情報を選択対象とすることとしている。本実施形態では、第2の閾値を設け、不得手区間において、第2の閾値よりも高い歌唱評価情報を有する投稿情報を選択することとしている。したがって、図17の例では、第1の投稿ユーザによる投稿情報が選択されることになる。第1の投稿ユーザによる投稿情報と、第2の投稿ユーザによる投稿情報は、楽曲を通じての歌唱評価は略同じであるが、第1の投稿ユーザによる投稿情報を使用することで、不得手区間において、歌唱ユーザの歌唱を補助することが可能となる。
なお、図17の例では、第2の閾値よりも高い歌唱評価情報を有する投稿情報を選択対象としたが、選択の基準は、第2の閾値に代え、不得手区間における歌唱評価情報同士を比較し、選択することとしてもよい。ここでは、2つの投稿情報の選択について説明したが、さらに多くの投稿情報が対象となる場合においても同じように二次選択処理を行うことが可能である。投稿情報選択の子画面108では、二次選択処理で選択された投稿情報のみを選択対象とする、あるいは、二次選択処理で選択された投稿情報を優先して表示することが考えられる。あるいは、二次選択処理において1つの投稿情報を決定し、ユーザに選択させることなく、楽曲再生処理で使用する形態としてもよい。
また、経時的な歌唱評価情報を使用する場合、楽曲再生処理では、経時的な歌唱評価情報の大小により、音量制御処理を行うことも考えられる。図18は、楽曲再生処理中に実行する音量制御処理を説明するための図である。再生する楽曲について、歌唱するユーザの歌唱評価情報と、投稿ユーザの投稿情報に付された歌唱評価情報が取得できている場合、歌唱評価情報の高低関係を使用して、音量制御を行うことが可能である。図18中、歌唱ユーザの歌唱評価情報が高い区間を区間Mとし、投稿ユーザの歌唱評価情報が高い区間を区間Tとしている。区間Mにおいては、投稿情報(歌唱動画情報)の再生音量に対して、マイクロホン44a、44bから入力される歌唱音声の音量を大きくする。一方、区間Tにおいては、マイクロホン44a、44bから入力される歌唱音声に対して、投稿情報(歌唱動画情報)の再生音量を大きくする。このような音量制御処理を行うことで、得意な区間を際立たせて聴取させることが可能であり、互いにカバーしながら歌唱を行うことが可能となる。
なお、音量の制御は、投稿情報(歌唱動画情報)の音量のみを制御する、マイクロホン44a、44bから入力された歌唱音声の音量のみを制御する、あるいは、両方を制御する形態が考えられる。また、音量制御は、歌唱ユーザの歌唱評価情報に対する投稿ユーザの歌唱評価情報の差分に基づいて行うこととしてもよい。