JP6375679B2 - サーバ情報管理装置,サーバ情報管理プログラム,及びサーバ情報管理方法 - Google Patents

サーバ情報管理装置,サーバ情報管理プログラム,及びサーバ情報管理方法 Download PDF

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Description

本発明は、サーバ情報管理装置,サーバ情報管理プログラム,及びサーバ情報管理方法に関する。
データセンタは、例えば、ユーザからデータやサーバを預かり、インターネットへの接続回線や保守運用サービスなどを提供する施設として機能する。データセンタは、複数の業務システム(サーバ群)から構築され、各業務システムは、相互に通信可能に接続された複数種類のサーバ(ノード)を含む。例えば、各業務システムは、ウエブ(Web)サーバ,アプリケーション(AP)サーバ,データベース(DB)サーバからなる3階層構造を有する。なお、以下では、業務システムを構成する各サーバがWebサーバ,APサーバ,DBサーバのいずれであるかを示す情報のことを、「サーバ種別」または「サーバの属性」または「サーバの役割」という場合がある。また、上述した3種類のサーバ種別は、それぞれWeb,AP,DBと表記する。
上述のようなデータセンタでは、システムの大規模化に伴い、管理コストを低減する自動運用ソフトウェア(例えばRBA (run book automation))が用いられる。RBAのような管理ツールでは、操作対象サーバが業務システム単位や役割単位で認識され、認識された操作対象サーバの自動運用が種々のフローに従って実行される。各「フロー」は、運用の最小単位である「部品」を用いて作成される。「部品」としては、例えば「構成情報の抽出」を行なう部品や「サービス起動確認」を行なう部品が挙げられる。
図27は「フロー」の一例として業務システム単位に汎用化された正常稼働確認フローを示す。図27に示すフローは、「サーバ抽出」を行なう部品と「サービス起動確認」を行なう部品とを交互に配置して作成されている。そして、図27における3つの「サーバ抽出」部品はそれぞれWebサーバ,APサーバ,DBサーバを抽出し、抽出された各サーバについて「サービス起動確認」部品がサービス起動確認を行なう。
ところで、近年、システムのクラウド化に伴い、既存の業務システムに対するサーバの追加(導入)が頻繁に行なわれるようになっている。既存の業務システムにサーバが追加された場合、上述のようなフローを実行すべく、追加されたサーバの役割を判別する必要がある。このとき、追加サーバの役割の判別は、上述した管理ツールによって、以下のように行なうことが可能である。つまり、既存の業務システムにサーバが追加されると、管理ツールは、サーバの追加を検知し、追加されたサーバと他のサーバとの通信状況に基づき、追加されたサーバの役割を判別する。
特開2007−004337号公報 特開2008−305289号公報 特開2006−179007号公報 特開2001−195237号公報
上述したように、追加されたサーバの役割を、追加されたサーバと他のサーバとの通信状況に基づいて判別すると、図28を参照しながら以下に説明するような不具合が生じる場合がある。図28は当該不具合について説明する図である。図28に示す例では、管理サーバによって管理される業務サーバとして6台のサーバS1〜S6が備えられている。既存の業務システム(サーバ群)Aは、WebサーバS1,APサーバS2およびDBサーバS3から構成されている。また、既存のWebサーバS4およびDBサーバS6を有する業務システム(サーバ群)Bでは、APサーバS5を動的に追加すべくAPサーバS5のセットアップ作業が実行中であるとする。なお、この時点で、管理サーバは、サーバS5の追加を検知することは可能であるが、追加されるサーバS5の種別がAPであることや、サーバS5が業務システムに属していることは認識できていない。
追加サーバS5のセットアップ中には、図28の下段に示すように、追加サーバS5から他の業務システムAに属するAPサーバS2の情報を参照する通信が行なわれる場合がある。当該通信は、セットアップ済みのAPサーバS2における情報(環境等)を、追加サーバS5のセットアップの参考に用いる際に生じることがある。このような通信が生じると、追加されるAPサーバS5の通信状況に、当該サーバS5の属する業務システムBとは異なる業務システムAにおけるAPサーバS2との通信が混じり込む。その結果、通信状況から判定される追加サーバS5の役割と、他サーバの構成情報(役割等)から判定される追加サーバS5の役割との間に矛盾が発生する。
つまり、管理サーバは、業務システムBに追加されるサーバS5を、業務システムAに属するDBサーバと誤認して構成情報に登録してしまう。このため、管理サーバは、業務システムAに対する正常稼働確認フローを実行する際、図28の上段に示すように、業務システムBに属するAPサーバS5をDBサーバとして抽出し、誤認された追加サーバS5に対しフロー制御(サービス起動確認)を実行することになる。したがって、管理サーバは、業務システムAに対する正常稼働確認フローを正しく実行することができない。
また、このとき、追加サーバS5は、セットアップ中でありサービスを提供できない状態であるにもかかわらず、正常稼働確認フローの操作対象(DBサーバ)として抽出されてしまう。このため、たとえ追加サーバS5の役割等が正確に判別されたとしても、管理サーバは、サービスの提供を行なえないセットアップ中の追加サーバS5に対しフロー制御(例えばサービス起動確認)を実行し、追加サーバS5が異常状態(エラー)であると誤認するおそれがある。
一つの側面で、本発明は、業務システムに追加されるサーバの属性を正確に判別することを目的とする。
本件のサーバ情報管理装置は、検知部および第1特定部を有する。前記検知部は、管理対象のシステムへのサーバの追加を検知する。前記第1特定部は、追加を検知された追加サーバの通信状況としてのセットアップログファイルに含まれるセットアップ時の通信ログと、前記追加サーバに関する管理情報、前記追加サーバの通信先サーバに関する管理情報に基づき、前記追加サーバの属性を特定する。
業務システムに追加されるサーバの属性が正確に判別される。
本実施形態のサーバ情報管理装置(管理サーバ)のハードウェア構成例および機能構成例を示すブロック図である。 本実施形態の管理サーバの機能および動作を概略的に説明する図である。 本実施形態の分析処理部(第1特定部および第2特定部)による、送受信先サーバのサーバ種別および稼働状態を抽出する機能を説明する図である。 サーバ種別の決定理由を説明する図である。 サーバの稼働状態を説明する図である。 本実施形態のサーバ種別決定リストを説明する図である。 本実施形態の分析処理部(第1特定部)による、サーバを追加される業務システムのサーバ構成を判断する機能を説明する図である。 本実施形態における業務システムの稼働状況判定テーブルの一例を示す図である。 本実施形態の分析処理部(設定部)による、サーバ間の関係性情報を設定する機能を説明する図である。 本実施形態の管理サーバの第1動作例を説明する図である。 本実施形態の分析処理部(判断部)による、httpリクエスト結果による業務システムの状態判断を説明する図 本実施形態の分析処理部(判断部)による、ダイジェスト認証のリクエスト結果による業務システムの状態判断を説明する図である。 本実施形態の管理サーバの第2動作例を説明する図である。 本実施形態の管理サーバによる処理全体の概要を説明するフローチャートである。 本実施形態の管理サーバ(実行部)による、構成情報の最新化処理を説明するフローチャートである。 本実施形態の管理サーバ(実行部および分析処理部)による、汎用化されたフローの実行処理を説明するフローチャートである。 本実施形態の分析処理部(検知部)による、追加サーバの判断処理を説明するフローチャートである。 本実施形態の分析処理部による処理の概要を説明するフローチャートである。 本実施形態の分析処理部による、送受信先ノードのサーバ種別/稼働状態取り出し処理を説明するフローチャートである。 本実施形態の分析処理部(第1特定部)による、業務システム構成を特定する処理を説明するフローチャートである。 本実施形態の分析処理部(第1特定部,第2特定部,設定部)による、追加サーバのサーバ種別を特定する処理、および、追加サーバの属する業務システムを決定する処理を説明するフローチャートである。 本実施形態の分析処理部(第2特定部)による、業務システムの状態判定処理を説明するフローチャートである。 本実施形態の分析処理部(判断部および設定部)による、業務システムのサービス利用可能状態の判断処理を説明するフローチャートである。 本実施形態の分析処理部(判断部)による、業務システムのWebサーバの応答/無応答を判断する処理を説明するフローチャートである。 本実施形態の分析処理部(判断部)による、業務システムのサービス利用可能/不可能を判断する処理を説明するフローチャートである。 本実施形態における構成情報の関係を示すとともにフロー実行履歴およびサーバ種別決定リストを示す図である。 業務システム単位に汎用化された正常稼働確認フローを示す図である。 追加されたサーバの役割を追加されたサーバの通信状況に基づいて判別することで生じる不具合について説明する図である。
以下に、図面を参照し、本願の開示するサーバ情報管理装置,サーバ情報管理プログラム,及びサーバ情報管理方法の実施形態について、詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形例や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、各図は、図中に示す構成要素のみを備えるという趣旨ではなく、他の機能を含むことができる。そして、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
〔1〕本実施形態の管理サーバの基本的な構成/機能/動作
まず、図1,図2および図26を参照しながら、本実施形態のサーバ情報管理装置(以下「管理サーバ」という)1の基本的な構成/機能/動作について説明する。図1は、本実施形態の管理サーバ1のハードウェア構成例および機能構成例を示すブロック図である。図2は、本実施形態の管理サーバ1の機能および動作を概略的に説明する図である。図26は、本実施形態における構成情報の関係を示すとともにフロー実行履歴およびサーバ種別決定リスト23を示す図である。
図1に示すように、管理サーバ1は、複数(図中6台)のサーバS1〜S6を有する業務サーバ2を管理する。管理サーバ1は、PC(Personal Computer)等のコンピュータである。管理サーバ1は、少なくとも、CPU(Central Processing Unit),MPU(Micro-Processing Unit)等の処理部(プロセッサ)10と、RAM(Random Access Memory),HDD(Hard Disk Drive),SSD(Solid State Device)等の記憶部(メモリ)20とを有している。
処理部10は、記憶部20から所定のアプリケーションプログラム(サーバ情報管理プログラム)を読み出して実行することで、後述する実行部11および分析処理部12としての機能を果たす。さらに、分析処理部12は、後述する検知部121,第1特定部122,第2特定部123,設定部124,判断部125,抽出部126としての機能を果たす。
なお、前記所定のアプリケーションプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RWなど),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RWなど),ブルーレイディスク等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、処理部10は、当該記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置としての記憶部20に転送し格納して用いる。
記憶部20は、前記所定のアプリケーションプログラムを保存するほか、処理部10による処理に必要な各種情報等を保存する。例えば、記憶部20は、前記各種情報等として、後述する構成情報データベース21,フロー実行履歴データベース22,サーバ種別決定リスト23,稼働状況判定テーブル24,セットアップログ格納領域25を保存する。なお、以下では、業務システムの構成情報を格納する「構成情報データベース」をCMDB(Configuration Management DataBase;構成管理データベース)と表記する。
管理サーバ1の管理対象であるサーバS1〜S6のうち、サーバS1,S4の種別(属性,役割)はWebであり、サーバS2,S5の種別はAPであり、サーバS3,S6の種別はDBである。サーバS1〜S3は、既存の稼働中の業務システム(サーバ群)Aを構成している。サーバS4〜S6は、セットアップ中の業務システムBを構成している。
本実施形態の管理サーバ1による処理開始時点において、WebサーバS4およびDBサーバS6を配備済みの業務システムBに対し、APサーバ(追加サーバ)S5を追加する作業(セットアップ)が実行されているものとする。したがって、当該時点において、サーバS1〜S4,S6に係る構成情報等はCMDB21に既に設定されており、サーバS1〜S4,S6の属する業務システムは特定されている。しかし、追加サーバS5の種別は未だ特定されておらず、追加サーバS5に係る構成情報はCMDB21に未設定であり、追加サーバS5の属する業務システム(つまり業務システムA,Bのいずれに属するか)は未だ特定されていないものとする。
本実施形態の管理サーバ1の処理概要は、以下の通りである。つまり、「業務システム単位に汎用化されたフロー」(例えば図27参照)の「対象サーバ抽出」部品によって操作対象サーバが抽出されると、本実施形態の管理サーバ1は、大きく分けて以下の3つの処理(11)〜(13)を実行する。
(11)管理サーバ1は、「対象サーバ抽出」部品によって抽出される操作対象サーバが、「追加サーバ」であるか否かを自動的に判断する。
(12)管理サーバ1は、「追加サーバ」の種別(分析,役割)を特定し、「追加サーバ」の属する業務システムのサーバ構成を特定するとともに、「追加サーバ」の属する業務システム(サーバ群)を特定する。
(13)管理サーバ1は、「追加サーバ」の属する業務システムのサービス利用可能状態を把握する。
上述した処理(11)〜(13)を実行すべく、管理サーバ1は、以下のような機能を有している。以下、管理サーバ1における、実行部11および分析処理部12(検知部121,第1特定部122,第2特定部123,設定部124,判断部125,抽出部126)の基本的な機能/動作について、説明する。
実行部11は、例えば図27を参照しながら前述した正常稼働確認フロー等のフローを操作対象サーバに実行させるとともに、当該フローの実行履歴を記憶部20のフロー実行履歴DB22に格納する。実行部11は、CMDB21における構成情報を最新化すべく、管理対象の業務サーバ2から構成情報を定期的に自動収集する(図2の矢印a11,a12参照)。
なお、フローの実行履歴には、図26に示すように、操作ノード名(操作対象サーバのサーバ名),実行フロー名,フローの実行日付,フローの実行結果が含まれるほか、操作対象サーバ種別,操作対象サーバ総数が含まれる。
また、CMDB21には、図26に示すように、ある業務システムに属するサーバに係る構成情報が、サーバ毎に、当該業務システムの業務システム名に関連付けられて保存される。各サーバに係る構成情報には、以下のような情報(21)〜(23)が含まれる。
(21)サーバ種別: 例えばAP,Web,DB等のサーバ種別
(22)サーバ間の関係性情報: 例えば「IP(Internet Protocol)アドレス192.168.0.2のノードは、IPアドレス192.168.0.1のWebサーバおよびIPアドレス192.168.0.3のDBサーバと接続し、3階層構造を成す関係性にある」といった情報を、CMDB21上のリレーションとしてもつ。なお、図26中では、矢印a31,a32によって、サーバ間の関係性情報が示されている。
(23)業務システム情報: 3階層システム、セットアップ有無などの情報を、CMDB21上のリレーションとしてもつ。
また、CMDB21には、新規ノード検出時には、下記の構成情報(31)〜(33)が格納されている。
(31)ノード情報: IPアドレス
(32)システム情報: ハードウェア構成情報やインストール済みソフトウェアなど
(33)システム設定: Web同時アクセス数,認証ユーザ,DBセッション数など
分析処理部12は、記憶部20に予め格納されるサーバ種別決定リスト23や、フロー実行履歴に基づき、CMDB21に、サーバ間の関係性情報を格納する処理を行なう。なお、サーバ種別決定リスト23は、図6を参照しながら後述するごとく、送信先サーバ種別および受信元サーバ種別からサーバ種別を決定するために用いられるもので、サーバ種別AP,DB,Webのそれぞれについて作成される。なお、サーバ種別決定リスト23には、インストール済みソフトウェアの名称や、当該ソフトウェアが出力するセットアップログファイルの格納先(セットアップログ位置)や、稼働確認情報などが含まれる(図26参照)。
検知部121は、管理対象の業務システムへのサーバS5の追加を検知する、つまり、管理対象の業務システムにおいてサーバ追加が実行されていることを検知する。このとき、検知部121は、前述したように、実行フローの「対象サーバ抽出」部品によって操作対象サーバが抽出されると、当該操作対象サーバが追加サーバであるか否かを判断することで、追加サーバS5を検知する。なお、検知部121の詳細な機能/動作については、下記項目〔2−1〕において説明する。
第1特定部122は、検知部121によって追加を検知された追加サーバS5の通信状況と、追加サーバS5に関する管理情報と、追加サーバS5の通信先サーバに関する管理情報とに基づき、追加サーバS5の属性(役割/種別)を特定する。なお、追加サーバS5の通信先サーバ(通信先ノード)としては、追加サーバS5から情報を送信される送信先サーバ(送信先ノード)と、追加サーバS5へ情報を送信する受信元サーバ(受信元ノード)とがある。以下の説明では、送信先サーバ(送信先ノード)と受信元サーバ(受信元ノード)との2つをまとめて「通信先サーバ(通信先ノード)」または「送受信先サーバ(送受信先ノード)」という。
このとき、追加サーバS5の通信状況は、例えば、セットアップログファイルに含まれるセットアップ時の通信ログを含む。追加サーバS5に関する管理情報は、例えば、追加サーバS5へのインストール済みソフトウエア情報を含む。追加サーバS5の通信先サーバに関する管理情報は、送受信先サーバの構成情報を含む。
特に、第1特定部122は、下記2種類の手法で特定された追加サーバS5の属性(41)と属性(42)とが一致するか否かを判断し、当該2つの属性(41), (42)が一致する場合、当該属性(41), (42)を、追加サーバS5の属性として特定する。ここで、属性(41)は、追加サーバS5に関する構成情報に含まれる追加サーバS5へのインストール済みソフトウエア情報に基づき特定される追加サーバS5の属性(下記手順〔2−1−2〕参照)である。属性(42)は、追加サーバS5の通信状況および送受信先サーバに関する構成情報に基づき特定される追加サーバS5の属性(下記手順〔2−2−3〕の(71)〜(73)参照)である。
なお、第1特定部122の詳細な機能/動作については、下記項目〔2−1〕,〔2−2〕において、図3〜図7を参照しながら説明する。
第2特定部123は、第1特定部122によって特定された追加サーバS5の属性と当該追加サーバS5の送受信先サーバの属性および稼動状態と当該送受信先サーバに接続される既存サーバの属性および稼動状態(下記手順〔2−2−3〕の(74),(75))とに基づき、前記追加サーバの属する業務システムを特定する(下記手順〔2−2−4〕の(82)〜(84)参照)。なお、以下では、当該追加サーバS5の送受信先サーバに接続される既存サーバのことを、当該追加サーバS5に関連するという意味で、「関連サーバ」という。
特に、第2特定部123は、追加サーバS5の属性と送受信先サーバの属性および稼動状態と追加サーバS5の関連サーバの属性および稼動状態とに基づき、関連サーバを含む既存の業務システムが運用可能状態であるか否かを判断する。そして、第2特定部123は、既存の業務システムが運用可能状態であると判断した場合、当該既存の業務システムを追加サーバS5の属する業務システムとして特定する。このとき、第2特定部123は、例えば、記憶部20に予め保存されている稼働状況判定テーブル24を用いて、既存の業務システムが運用可能状態であるか否かの判断を行なう。なお、第2特定部123の詳細な機能/動作および稼働状況判定テーブル24については、下記項目〔2−2〕において、図3〜図8を参照しながら説明する。
設定部124は、第2特定部123によって特定された、追加サーバS5の属する業務システムおよび追加サーバS5の送受信先サーバと、追加サーバS5とを関連付け、追加サーバS5に関する管理情報(追加サーバS5の構成情報)として設定する(下記手順〔2−2−5〕参照)。なお、第2特定部123による業務システム特定時における設定部124の詳細な機能/動作については、下記項目〔2−2−5〕において、図9を参照しながら説明する。
判断部125は、第2特定部123によって特定された、追加サーバS5の属する業務システムがサービス利用可能状態であるか否かを判断する(下記手順〔2−3−1〕および〔2−3−2〕参照)。特に、判断部125は、当該業務システムに属するWebサーバが応答可能であり、且つ、当該業務システムに対するログインが可能である場合、サービスを利用可能な状態であると判断する。なお、判断部125の詳細な機能/動作については、下記項目〔2−3〕において、図11および図12を参照しながら説明する。
抽出部126は、判断部125によってサービス利用可能状態であると判断された場合、当該業務システムに属する追加サーバS5と当該追加サーバS5の送受信先サーバとを操作対象サーバとして抽出する(下記手順〔2−3〕および〔2−3−3〕参照)。抽出部126としての機能は、図27を参照しながら前述した正常稼働確認フローを成す「サーバ抽出」部品によって実現されてもよい。なお、抽出部126の詳細な機能/動作については、下記項目〔2−3〕において説明する。
設定部124は、判断部125によって業務システムがサービス利用可能状態であると判断された場合、追加サーバS5に関する構成情報における追加サーバS5の稼動状態を稼動可能に設定する。一方、サービス利用可能状態でないと判断された場合、設定部124は、追加サーバS5に関する構成情報における追加サーバS5の稼動状態に対する設定を行なわない、もしくは、当該稼働状態を稼動不可に設定する。なお、判断部125による判断結果に対する設定部124の詳細な機能/動作については、下記項目〔2−3〕において説明する。
なお、記憶部20におけるセットアップログ格納領域25には、下記項目〔2−2−1〕において説明するように、追加サーバと判断された操作対象サーバから、分析処理部12によって抽出されたセットアップログファイルが格納される(図2の矢印a13参照)。
〔2〕本実施形態の管理サーバの詳細な機能/動作
次に、図3〜図13を参照しながら、本実施形態の管理サーバ1の詳細な機能/動作について説明する。
〔2−1〕サーバ追加の自動判断
まず、実行部11が「業務システム単位に汎用化されたフロー」の「対象サーバ抽出」部品を実行すると、分析処理部12は、当該部品によって抽出された操作対象サーバが「追加されたサーバ」か否かを自動的に判断する。このとき、分析処理部12において、検知部121が、CMDB21における構成情報、および、フロー実行履歴DB22における実行履歴に基づき、以下の手順〔2−1−1〕〜〔2−1−4〕で、追加サーバ(本実施形態では図1,図2のサーバS5)を検知する。
〔2−1−1〕実行部11が自動収集によりノードを検出する。
実行部11は、スケジューリングによって、管理対象の業務サーバ2(サーバS1〜S6)の構成情報について定期的な自動収集を実行することで(図2の矢印a11,a12参照)、CMDB21における構成情報を常に最新状態に保っている。定期的な自動収集によって新たなノードが検出されると、CMDB21には、上述した構成情報(31)〜(33)が格納される。ここでは、ノード情報(31)であるIPアドレスとしては、例えば、192.168.0.4が格納される。
〔2−1−2〕分析処理部12(第1特定部122)が操作対象サーバ種別のノードを抽出する。
実行部11によってフローが実行されると、分析処理部12は、操作対象サーバを絞り込むために、構成情報の「インストール済みソフトウェア」に基づき、業務サーバ2に含まれる各サーバS1〜S6の「サーバ種別」を特定する。そして、分析処理部12は、「インストール済みソフトウェア」に基づいて特定したサーバ種別を参照し、「対象サーバ抽出」部品が要求するサーバ種別(例えばAP)のノード(サーバ)を抽出する。分析処理部12は、「対象サーバ抽出」部品が要求するサーバ種別のノードを抽出できない場合、別のサーバ種別(例えばAP以外のWebまたはDB)のノードを抽出する。全てのサーバ種別についてノードを抽出できない場合、分析処理部12は、抽出処理を終了する。
〔2−1−3〕分析処理部12(検知部121)が、手順〔2−1−2〕で抽出したノードが追加サーバか否かを判断する。
分析処理部12(検知部121)は、手順〔2−1−2〕で抽出した操作対象ノードについて、以下の4つの条件(51)〜(54)の全てが満たされている場合、手順〔2−1−2〕で抽出した操作対象ノードが追加サーバであると判断することができる。なお、操作対象ノードが追加サーバである場合、分析処理部12は、項目〔2−2〕以降の処理を実行する。一方、操作対象ノードが追加サーバでない場合、分析処理部12は、項目〔2−2〕以降の処理を実行することなく、実行部11が、操作対象ノードに対し通常のフロー制御を行なう。
(51)抽出した操作対象ノードの構成情報に「業務システム」の設定がない場合、かつ
(52)抽出した操作対象ノードの構成情報に「サーバ種別」の設定がない場合、かつ
(53)抽出した操作対象ノードがフロー実行履歴に「操作ノード名」として記録されていない場合、かつ
(54)抽出した操作対象ノードについての「実行結果」がフロー実行履歴に記録されていない場合。
〔2−1−4〕分析処理部12がCMDB21にサーバ種別を設定する。
分析処理部12は、操作対象ノードが追加サーバである場合、手順〔2−1−2〕で抽出した操作対象ノード(追加サーバ)について、「インストール済みソフトウェア」に基づいて特定したサーバ種別をCMDB21に設定する。
〔2−2〕業務システムのサーバ構成およびサーバ種別の分析
検知部121が追加サーバを検知した場合、分析処理部12は、当該追加サーバのセットアップログファイルとCMDB21における構成情報とを解析することによって、当該追加サーバのサーバ種別と当該追加サーバの属する一の業務システムとを抽出する。また、分析処理部12は、抽出した業務システムのサーバ間の関係性を確認し、セットアップログに基づき特定した「サーバ種別」および「業務システム」が正しいことを確認する。そして、分析処理部12は、確認した「サーバ種別」を、構成情報におけるソフトウェア情報と、セットアップログにおける通信状況(通信ログ)と、CMDB21に格納されている業務システムのサーバ構成情報とに基づき確定する。この後、分析処理部12(設定部124)は、確定したサーバ間の関係性情報と追加サーバに関する情報をCMDB21に設定する。なお、設定の際の追加サーバの状態は「不明」として登録設定される。
なお、通常、業務システムとして構築される3階層構造では、セットアップ時に、WebサーバはAPサーバに、APサーバはDBサーバに、DBサーバはAPサーバに対し接続およびデータ送受信を行なう。セットアップログには、各サーバの接続先つまり/データの送受信先のノード情報(IPアドレス)が記録される。例えば、IPアドレス192.168.0.4の追加サーバ(APサーバ)のセットアップログには、“To 192.168.0.3 SQL(Structured Query Language)発行”や“From 192.168.0.1 レスポンス”が記録される。ここで、前者のログは、当該追加サーバの送信先サーバのIPアドレスが192.168.0.3(DBサーバ)であることを示す。また、後者のログは、当該追加サーバの受信元サーバのIPアドレスが192.168.0.1(Webサーバ)であることを示す。
分析処理部12(第1特定部122および第2特定部123)は、以下の手順〔2−2−1〕〜〔2−2−5〕で、当該追加サーバのサーバ種別を特定するとともに、追加サーバの属する一の「業務システム」を特定する。
〔2−2−1〕分析処理部12が追加サーバのセットアップログを抽出する。
つまり、分析処理部12は、業務システム構成を判断するために、手順〔2−1−3〕で追加サーバであると判断されたノード(操作対象サーバ)から、当該ノードのセットアップログファイルを抽出する(図2の矢印a13参照)。抽出されたセットアップログファイルは、記憶部20におけるセットアップログ格納領域25に格納される。
〔2−2−2〕分析処理部12が、CMDB21から、追加サーバと送受信関係にある送受信先ノードの「サーバ種別」等を抽出する。つまり、分析処理部12は、以下の手順(61)〜(64)で、手順〔2−2−1〕で抽出したセットアップログを解析し、送信先/受信元ノードの「サーバ種別」および「稼働状態」をCMDB21から抽出する。
(61)分析処理部12は、追加サーバのセットアップログから、送信先/受信元ノードの情報(IPアドレス)を抽出する(図3の矢印a21およびa22参照)。
(62)分析処理部12は、手順(61)で抽出したノード情報に基づき、CMDB21から送信先/受信元ノードの「サーバ種別」および「稼働状態」を抽出する(図3の矢印a21およびa22参照)。図3に示す例では、送信先ノードの「サーバ種別」および「稼働状態」としてそれぞれ「DB」および「稼働中」が抽出され、受信元ノードの「サーバ種別」および「稼働状態」としてそれぞれ「Web」および「稼働中」が抽出される。
(63)分析処理部12は、手順(62)で抽出した送信先/受信元ノードの「サーバ種別」および「稼働状態」を、後述する手順〔2−2−4〕で用いるために、記憶部20の所定領域等に記録する。「サーバ種別」および「稼働状態」の情報が構成情報に設定されていない場合、分析処理部12は、「サーバ種別」および「稼働状態」を「不明」として記録する。
なお、図3は、本実施形態の分析処理部12(第1特定部122および第2特定部123)による、送受信先サーバのサーバ種別および稼働状態を抽出する機能を説明する図である。図3に示すCMDBの構成情報においては、項目〔2−1〕で検知された追加サーバについて、手順〔2−1−2〕で抽出されたサーバ種別(AP)が、手順〔2−1−4〕で設定されている。また、図3に示すCMDBの構成情報においては、稼働中の業務システムに属するサーバS1,S2,S3に係る情報も設定されている。
ここで、図4を参照しながら、サーバ種別を決定する理由について説明するとともに、図5を参照しながら、サーバの稼働状態について説明する。
図4に示すように、対象サーバの「サーバ種別」がWebサーバ,APサーバ,DBサーバのいずれであるかは、サーバ種別決定リスト23(図6を参照しながら後述)内のソフトウェア情報や、サーバ間の関係性によって決定される。対象サーバにソフトウェアがインストールされていないなどの理由で「サーバ種別」が未決定の場合、対象サーバの「サーバ種別」は「不明」に設定される。
また、図5に示すように、サーバの稼働状態「不明」は、セットアップ中などの理由で、稼働状態の判定ができていない状態である(追加サーバについては、稼働状態が確認されるまで稼働状態は「不明」となる)。稼働状態「稼働可能」には、3つの状態「稼働中」,「停止中」,「メンテナンス中」がある。稼働状態「稼働中」は、サーバが、決められた役割(DBまたはAPまたはWeb)を果たしている状態である。稼働状態「停止中」は、サーバが、決められた役割(DBまたはAPまたはWeb)を果たしていない状態である。稼働状態「メンテナンス中」は、ユーザが何らかの理由でメンテナンスを行なっている状態である。
〔2−2−3〕分析処理部12が、通信ログに基づき、業務システム構成を判断する。つまり、分析処理部12(第1特定部122)は、以下の手順(71)〜(75)で、手順〔2−2−1〕で抽出されたセットアップログの通信ログを解析し、追加先の業務構成、つまり追加サーバを追加される業務システムのサーバ構成を判断する。
なお、以下では、図7を参照しながら、手順(71)〜(75)について説明する。図7は、本実施形態の分析処理部12(第1特定部122)による、追加サーバを追加される業務システムのサーバ構成(業務システム構成)を判断する機能を説明する図である。図7においては、運用中の業務システムA(図2参照)に、追加サーバとしてのAPサーバS5(図2参照)を追加する例が示されている。
(71)分析処理部12は、追加サーバのセットアップログにおける通信ログから当該追加サーバの送受信先ノードの通信方向情報D1,D2(図7参照)を抽出する。
(72)分析処理部12は、CMDB21から送受信先ノードの「サーバ種別」を抽出する。このとき、分析処理部12は、通信方向情報D1に基づき、受信元ノード(IPアドレス192.169.0.1)のサーバ種別「Webサーバ」を抽出する(図7の矢印A1,A3参照)。また、分析処理部12は、通信方向情報D2に基づき、送信先ノード(IPアドレス192.169.0.3)のサーバ種別「DBサーバ」を抽出する(図7の矢印A2,A4参照)。
(73)分析処理部12は、上記手順(72)で抽出した、送受信先ノードのサーバ種別をキーとして、サーバ種別決定リスト23を検索することで、通信宛先および通信方向から、「サーバ間の関係性」を判断する。これにより、追加サーバを追加される業務システムの階層構造(3階層など)と追加サーバのサーバ種別とが判断される(図7の矢印A5,A6)。図7に示す例では、追加サーバのサーバ種別はAPサーバであると判断され(矢印A7参照)、追加サーバを追加される業務システムは、Webサーバ,APサーバ,DBサーバから成る3階層構造であると判断される。
(74)分析処理部12は、送受信先ノードと関係のあるノードのうち、追加サーバと同じサーバ種別のノード(既存サーバ,関連サーバ)を、CMDB21から抽出するとともに、当該ノードの稼働状態を取得する。図7に示す例では、IPアドレス192.168.0.2のAPサーバS2が関連サーバとして抽出され、当該APサーバS2の稼働状態(稼働中)が取得される。
(75)分析処理部12は、上記手順(73)で判断された追加サーバの「サーバ種別」と、上記手順(74)で取得した関連サーバの「稼働状態」とを、後述する手順〔2−2−4〕で用いるために、記憶部20の所定領域等に記録する。通信方向情報に基づき送受信先ノードを判断できない場合や、追加サーバを追加される業務システムの階層構造を判断できない場合、分析処理部12は、追加サーバの「サーバ種別」および関連サーバの「稼働状態」を「不明」として記録する。
以上のような手順により、追加サーバに対するデータの通信方向と、追加サーバの通信相手先ノードの情報とに基づいて、追加サーバの「サーバ種別」および「サーバ間の関係性」を自動判別でき、ひいては追加サーバの属する業務システム構成を自動判断することができる。
図7に示す例では、APサーバを操作対象の「追加サーバ」とした場合に、「追加サーバ」は、DBサーバS3に対して送信し、WebサーバS1から受信している。このような情報をサーバ種別決定リスト23と照合し、「追加サーバ」は、3階層構造の業務システムのうちの「APサーバ」であると判断することができる。さらに、送受信相手のWebサーバS1およびDBサーバS3は、APサーバS2と関係を持っていることがCMDB21から抽出することができる。
なお、手順(73)で用いられるサーバ種別決定リスト23には、図6に示すような情報が格納されている。図6は、本実施形態のサーバ種別決定リスト23を説明する図である。サーバ種別決定リスト23は、送信先サーバ種別および受信元サーバ種別からサーバ種別を決定するために用いられるものである。図6に示すように、サーバ種別決定リスト23には、サーバ種別に、当該サーバ種別のサーバの送受信先となるサーバの送信先サーバ種別および受信元サーバ種別が対応付けられて保存されている。例えば図7に示すように、サーバ種別「AP」には、送信先サーバ種別「DB」および受信元サーバ種別「Web」が対応付けられる。また、サーバ種別決定リスト23には、インストール済みソフトウェアの名称,バージョン,パッチレベル,セットアップログファイルの格納先などの情報も含まれる。このようなサーバ種別決定リスト23は、サーバ種別AP,DB,Webのそれぞれについて作成される。ソフトウェア情報は、必要な分だけ繰り返し記録されている。
〔2−2−4〕分析処理部12(第1特定部122および第2特定部123)は、以下の手順(81)〜(84)で、追加サーバの「サーバ種別」を確定するとともに、追加サーバの属する業務システムを判断する。その際、上記手順〔2−2−2〕の(63)で記録された送信先/受信元ノードの「サーバ種別」および「稼働状態」と、手順〔2−2−3〕の(75)で記録された追加サーバの「サーバ種別」および関連サーバの「稼働状態」とが用いられる。
(81)分析処理部12(第1特定部122)は、上記手順〔2−2−3〕の(73)で抽出された「サーバ種別」と、上記手順〔2−1−2〕で「インストール済みソフトウェア」に基づき決定された「サーバ種別」とが一致するか否かを判断する。これらの「サーバ種別」が一致しない場合、通信ログに基づいて判断される業務システム(追加サーバの属性)と、CMDB21の構成情報に基づいて判断される業務システム(追加サーバの属性)との間に矛盾がある。このため、分析処理部12は、上記手順〔2−1−2〕から再実行する。例えば、操作対象サーバをサーバ種別APに絞って上述の手順を実行した結果、「サーバ種別」が不一致の場合、分析処理部12は、操作対象サーバを、AP以外のサーバ種別DBまたはWebに絞って、上述の手順を再実行する。
(82)分析処理部12(第2特定部123)は、上記手順(81)で2つの「サーバ種別」が一致すると判断された場合、つまり上記矛盾がなくなった場合、「追加サーバ」が属している業務システムの状態を判断する。その際、矛盾の無い追加サーバの「サーバ種別」と、上記手順〔2−2−2〕の(63)で記録された送信先/受信元ノードの「サーバ種別」および「稼働状態」と、上記手順〔2−2−3〕の(75)で記録された追加サーバの「サーバ種別」および関連サーバの「稼働状態」とが用いられる。上記手順(82)での判断は、図8に示す業務システムの稼働状況判定テーブル24を用いて実行される。
(83)分析処理部12(第2特定部123)は、上記手順(82)で既存の業務システムの運用状態が運用不可であると判断した場合、「追加サーバ」は既存のシステムに属さないと判断し、「追加サーバ」のCMDB21への反映を行なわない。
(84) 分析処理部12(第2特定部123)は、上記手順(82)で既存の業務システムの運用状態が運用可能であると判断した場合、送受信先サーバの属する既存の「業務システム」(例えば業務システムA)をCMDB21から抽出し、「追加サーバ」の属し先「業務システム」とする。
ここで、上記手順(82)での判断、つまり業務システムの状態判定は、図8に示す業務システムの稼働状況判定テーブル24を用いて実行される。図8は、本実施形態における業務システムの稼働状況判定テーブル24の一例を示す図である。なお、図8では、上記手順〔2−1−2〕で「インストール済みソフトウェア」に基づき決定された追加サーバの「サーバ種別」が「AP」である場合の稼働状況判定テーブル24が示されている。また、「サーバ種別」が「DB」または「Web」である場合の稼働状況判定テーブル24も、同様に作成されている。
分析処理部12(第2特定部123)は、手順〔2−1−2〕で決定された追加サーバの「サーバ種別」と、手順〔2−2−2〕で抽出された送信先/受信元ノードの「サーバ種別」および「稼働状態」と、手順〔2−2−3〕で抽出された追加サーバの「サーバ種別」および関連サーバの「稼働状態」とをキーにして、テーブル24を検索する。これによって、分析処理部12(第2特定部123)は、追加サーバを追加される既存の業務システムの運用状態(運用不可か運用可能か)を判断する。
図8に示す稼働状況判定テーブル24では、下記条件(91)と下記条件(92)との両方を満たす場合、追加サーバの属する既存の「業務システム」の運用状態は「運用可能」状態であると判断される(図8の太線枠参照)。それ以外の場合、追加サーバの属する既存の「業務システム」の運用状態は「運用不可」状態であると判断される。
(91)上記手順〔2−2−2〕で抽出された送信先サーバおよび受信元サーバのうち、いずれかの「サーバ種別」に「不明」以外の運用可能なサーバ種別が設定されており、且つ、「稼働状態」に「稼働可能」状態が設定されていること。
(92)上記手順〔2−2−3〕で抽出された同種の「サーバ種別」の関連サーバの「稼働状態」に「稼働可能」状態が設定されていること。
なお、同種の「サーバ種別」の関連サーバの「稼働状態」が「稼働可能」状態ではない場合、「業務システム」全体が「稼働可能状態ではない」と判断でき、「業務システム」は「運用不可」の状態であると判断することができる。
以上のようにして、送受信先ノードの「サーバ種別」や「サーバ間の関係性」などに基づき、「追加サーバ」の属する業務システムを、「追加サーバ」が稼働する前に自動で判断することができる。
〔2−2−5〕分析処理部12(設定部124)がCMDB21へサーバ間の関係性情報を設定する。つまり、分析処理部12(設定部124)は、上記手順〔2−2−4〕の(84)において「追加サーバ」の属し先業務システムを判断できた場合、図9に示すように、以下の手順(101)〜(103)で、判断結果をCMDB21の構成情報に反映する。図9は、本実施形態の分析処理部12(設定部124)による、サーバ間の関係性情報を設定する機能を説明する図である。
(101) 「追加サーバ」の稼働状態を「不明」に設定する(図9の符号(1)参照)。なお、「追加サーバ」の稼働状態は、下記項目〔2−3〕の手順〔2−3−3〕で設定される。
(102) 上記手順〔2−2−2〕で判断された送受信先サーバと手順〔2−2−3〕で判断された「追加サーバ」とを関係付ける(図9の矢印(2)参照)。
(103) 上記手順〔2−2−4〕の(84)で判断された属し先の「業務システム」と「追加サーバ」とを関係付ける(図9の矢印(3)参照)。
〔2−2−6〕本実施形態の管理サーバの第1動作例
図10は、本実施形態の管理サーバ1の第1動作例を説明する図である。
図10に示す例においても、図28に示す例と同様、追加サーバS5から他の業務システムAに属するAPサーバS2の情報を参照する通信が行なわれる場合がある。このような通信が生じると、追加されるAPサーバS5の通信状況に、当該サーバS5の属する業務システムBとは異なる業務システムAにおけるAPサーバS2との通信が混じり込む。その結果、通信状況から判定される追加サーバS5の役割と、他サーバの構成情報(役割等)から判定される追加サーバS5の役割との間に矛盾が発生する場合がある。
このため、図28に示す例では、業務システムBに追加されるサーバS5を、DBサーバS5と誤認するとともに、業務システムAに属するものと誤認して構成情報に登録してしまう。
これに対し、本実施形態の管理サーバ1を用いた場合、図10に示すように、通信ログを含むセットアップログ、および、CMDB21の構成情報を用いた解析を行なうことにより、上述したような矛盾を回避することができる。したがって、管理サーバ1は、業務システムAにサーバS1,S2,S3が属するとともに、業務システムBにサーバS4,S5,S6が属するものと正しく判断することができる。これにより、実行部11は、業務システムAに対する正常稼働確認フローを実行する際、図10の上段に示すように、業務システムAに属するサーバS1,S2,S3を操作対象サーバとして抽出し、業務システムAに対する正常稼働確認フローを正しく実行することができる。
〔2−3〕業務システムの状態把握
ところで、上述のようにして追加サーバの役割(属性,サーバ種別)および追加サーバの属する業務システムが特定されると、セットアップ中の追加サーバを含む業務システムがサービス利用不可能な状態でユーザに提供される場合がある。このような場合、実行部11は、サービス利用不可能な状態の追加サーバを、操作対象サーバとして抽出することがある。このため、実行部11は、サービスの提供を行なえないセットアップ中の追加サーバに対しフロー制御(例えばサービス起動確認)を実行し、追加サーバが異常状態(エラー)であると誤認するおそれがある。
そこで、本実施形態では、分析処理部12(判断部125)が、業務システムを成すWebサーバの「システム情報」を用いて、当該Webサーバにhttp(hypertext transfer protocol)リクエストを発行し、総合的に業務システムの状態を判断する。これによって、分析処理部12は、業務システムがサービス利用可能状態であるか否かを把握する。
ここで、業務システムのサービス利用可能状態とは、個々のサーバのセットアップが完了し、ユーザがWebサーバにログインして業務システムを利用することができる状態である。ただし、複数のサーバから業務システムが構成されている場合には、業務システムを停止させることなく、サーバの追加を行なう場合がある。このような場合には、ログインの確認だけでは、追加されたサーバの稼働状態を確認することはできない。したがって、稼働状態の確認を可能にすべく、稼働確認用部品からログインを実行し当該部品からの要求が追加サーバのみに到達するようにネットワークを事前に設定する操作を行なう。
追加サーバ(業務システム)がサービス利用可能な状態である場合、設定部124が、CMDB21における追加サーバのステータスを利用可能状態(稼働可能)に設定する。そして、抽出部126(「対象サーバ抽出」部品)が、当該業務システムに属するサーバを操作対象サーバとして抽出する。
追加サーバ(業務システム)がサービス利用不可能な状態である場合、設定部124が、CMDB21における追加サーバのステータスを利用不可能状態に設定する。この場合、抽出部126(「対象サーバ抽出」部品)は、当該業務システムに属するサーバを操作対象サーバとして抽出しない。
分析処理部12(判断部125および設定部124)は、以下の手順〔2−3−1〕〜〔2−3−3〕で、業務システムがサービス利用可能状態であるか否かを判断するとともに、当該判断結果をCMDB21に設定する。
〔2−3−1〕分析処理部12(判断部125)が、業務システムのWebサーバが応答するか否かを判断する。つまり、分析処理部12は、業務システムの状態を確認するために、手順〔2−2−3〕で導いた「業務システム構成」に基づきWebサーバの情報をCMDB21から取得する。そして、分析処理部12は、取得したWebサーバの「システム情報」を用い、実行部11からhttpリクエストをWebサーバに対し発行し、その結果から業務システムの状態を、図11に示すように解析する。
図11は、本実施形態の分析処理部12(判断部125)による、httpリクエスト結果による業務システムの状態判断(業務システムのWebサーバの応答/無応答を判断する機能)を説明する図である。図11に示すように、httpリクエスト結果としては、例えば、コード2xx, 3xx, 4xx, 5xxのいずれかが取得される。ここで、コード2xxは、「成功」を意味し、Webサーバからの応答があって業務システムはサービス利用可能な状態であることを示す。コード3xxは、「リダイレクション」を意味し、Webサーバからの応答がなく業務システムは代替えの業務サービス利用可能な状態であることを示す。コード4xxは、「クライアント・エラー」を意味し、Webサーバからの応答がなく業務システムは無効(サービス停止中)であることを示す。コード5xxは、「サーバ・エラー」を意味し、Webサーバからの応答がなく業務システムは無効(サービス停止中)であることを示す。
〔2−3−2〕分析処理部12(判断部125)が、業務システムがサービス利用可能な状態であるか否かを判断する。上述した手順〔2−3−1〕において、追加サーバの属する業務システムを成すWebサーバが応答するか否かは、httpリクエスト結果コード2xxが取得されるか否かによって判断可能である。Webサーバが応答可能である場合、分析処理部12は、実行部11により稼働確認用部品からダイジェスト認証のhttpリクエストを実施し、その結果から業務システムの状態を、図12に示すように解析する。分析処理部12で認証が成功すれば、分析処理部12は、業務システム(Webサーバ)へのログインを行なえたと判断することができ、業務システムがサービス利用可能な状態であると判断することができる。
図12は、本実施形態の分析処理部12(判断部125)による、ダイジェスト認証のリクエスト結果による業務システムの状態判断(業務システムへのログイン可能/不可能を判断する機能)を説明する図である。図1に示すように、httpリクエスト結果としては、例えば、コード2xx, 4xx, 5xxのいずれかが取得される。ここで、コード2xxは、「成功」を意味し、ログインに成功し業務システムはサービス利用可能な状態であることを示す。コード4xxは、「クライアント・エラー」を意味し、ログインに失敗し業務システムはサービス利用不可能な状態であることを示す。コード5xxは、「サーバ・エラー」を意味し、ログインに失敗し業務システムはサービス利用不可能な状態であることを示す。
〔2−3−3〕分析処理部12(設定部124)が、業務システム情報をCMDB21に設定する。上述した手順〔2−3−2〕で業務システムがサービス利用可能であると判断されると、当該業務システムのセットアップが完了したと判断することが可能になる。これにより、業務システム向けフローで抽出した追加サーバは、操作対象ノードとして扱うことができる。そこで、分析処理部12は、手順〔2−1−3〕で判断された追加ノードの「業務システム情報」と、手順〔2−2−3〕で導出された送受信先ノードの「業務システム情報」とに、Webサーバのノード名を、業務システムの識別子である業務システム名(例えば業務システム_192.168.0.1)として設定する。これにより、抽出部126(「対象サーバ抽出」部品)は、当該業務システムに属するサーバを操作対象サーバとして抽出する。
〔2−3−4〕本実施形態の管理サーバの第2動作例
図13は、本実施形態の管理サーバ1の第2動作例を説明する図である。
本実施形態の管理サーバ1によれば、図13に示すように、図10に示す第1動作例と同様、業務システムAにサーバS1〜S3が属し業務システムBにサーバS4〜S6が属すると正しく判断することができる。さらに、本実施形態の管理サーバ1では、追加サーバS5がセットアップ中である場合、当該追加サーバS5の属する業務システムBがサービス利用不可能な状態であることが認識される。つまり、分析処理部12は、リクエスト応答解析によって追加サーバS5が運用不可であることを認識し、追加サーバS5の属する業務システムBが運用不可であることを構成情報のステータスに設定し、矛盾を回避することができる。
したがって、図13の上段に示すように、実行部11が、セットアップ中の追加サーバS5を含む業務システムBに対する正常稼働確認フローを実行しようとしても、業務システムBに属するサーバは、操作対象サーバとして抽出されることがない。このため、実行部11がサービスの提供を行なえないセットアップ中の追加サーバに対しフロー制御を実行することを確実に抑止することができる。
上述したように、本実施形態の管理サーバ1では、追加サーバがサービス利用可能な業務システムに属したか否かを自動的に判断することができる。そして、業務システムがサービス利用可能状態になった時点で、追加サーバへのネットワーク的経路が有効となり、業務システムのサービスを利用することが可能になる。これにより、CMDB21の構成情報から操作対象サーバを動的に抽出して動作する、汎用的な業務システム向けフローに、業務システムを適用することが可能になる。
〔3〕本実施形態の管理サーバの具体的な動作
次に、図14〜図25を参照しながら、本実施形態の管理サーバ1の具体的な動作について説明する。
まず、図14に示すフローチャート(ステップS10〜S16)に従って、本実施形態の管理サーバ1による処理全体の概要について説明する。
図14に示すように、本実施形態の管理サーバ1においては、実行部11が、スケジューリングによって、管理対象の業務サーバ2(サーバS1〜S6)の構成情報を自動収集する(ステップS10;矢印A11参照)。これにより、CMDB21における構成情報が常に最新状態に保たれる。
そして、実行部11が、運用操作を行ない(ステップS11)、「対象サーバ抽出」部品を実行させると、特定のサーバ種別の操作対象サーバがCMDB21から抽出される(ステップS12;矢印A12参照)。このとき、分析処理部12(検知部121)が、操作対象ノードが追加サーバであるか否かを判断することで、追加サーバを検知する(ステップS13)。
操作対象ノードが追加サーバでない場合(ステップS13の「無」ルート)、実行部11が、操作対象ノードに対し通常のフロー制御を行なう(ステップS14;矢印A13参照)。一方、操作対象ノードが追加サーバである場合(ステップS13の「有」ルート)、分析処理部12が、追加サーバのサーバ種別や追加サーバの属する業務システムの特定を行なった上で、特定した業務システムのサービス利用が可能か否かを判断する(ステップS15)。
特定した業務システムのサービス利用が可能である場合(ステップS15の「利用可」ルート)、実行部11が、操作対象ノードに対し通常のフロー制御を行なう(ステップS14;矢印A13参照)。一方、特定した業務システムのサービス利用が不可能である場合(ステップS15の「利用不可」ルート)、実行部11は、操作対象ノードに対するフロー制御を行なうことなく、次の運用操作を行なう(ステップS16)。
〔3−1〕サーバ追加の自動判断処理
ついで、図14〜図17を参照しながら、上記項目〔2−1〕で説明した、サーバ追加の自動判断処理について、より具体的に説明する。
〔3−1−1〕CMDBの最新化処理
まず、図15に示すフローチャート(ステップS20)に従って、本実施形態の管理サーバ1(実行部11)による、構成情報(CMDB21)の最新化処理について説明する。つまり、管理サーバ1では、実行部11が、スケジューリングによって、記憶部20に記憶される自動収集プログラムを実行する(ステップS20)。これにより、上記手順〔2−1−1〕で前述した通り、管理対象の業務サーバ2(サーバS1〜S6)の構成情報について定期的な自動収集が実行され、CMDB21における構成情報が常に最新状態に保たれる。
〔3−1−2〕汎用化されたフローの実行処理
次に、図16に示すフローチャート(ステップS21〜S28)に従って、本実施形態の管理サーバ1(実行部11および分析処理部12)による、汎用化されたフローの実行処理について説明する。
実行部11が運用操作を行ない「対象サーバ抽出」部品が実行されると、分析処理部12は、構成情報に含まれるインストール済みソフトウェア情報に基づき、特定のサーバ種別の操作対象サーバをCMDB21から抽出する(ステップS21;上記手順〔2−1−2〕参照)。つまり、手順〔2−1−2〕で前述した通り、分析処理部12は、インストール済みソフトウェア情報に基づいて特定したサーバ種別を参照し、「対象サーバ抽出」部品が要求するサーバ種別のサーバを抽出する。
分析処理部12は、抽出した操作対象サーバの全情報(ノード情報,システム情報)をCMDB21内から取得する(ステップS22)。そして、分析処理部12(検知部121)は、取得したノード(操作対象サーバ)が追加サーバであるか否かを判断する処理を実行する(ステップS23)。ステップS23の判断処理については、下記項目〔3−1−3〕において、図17を参照しながら後述する。
ステップS23の判断処理の結果、操作対象サーバが追加サーバでない場合(ステップS24のNOルート)、実行部11は、操作対象サーバに対するフロー処理を実行し(ステップS27)、フロー実行履歴DB22に操作ノード名や実行結果などを保存し(ステップS28)、処理を終了する。一方、操作対象ノードが追加サーバである場合(ステップS24のYESルート)、分析処理部12は、追加サーバのサーバ種別や追加サーバの属する業務システムの特定を行なった上で、特定した業務システムのサービス利用が可能か否かを判断する処理を実行する(ステップS25)。ステップS25の判断処理については、下記項目〔3−〕および〔3−〕において、図18〜図25を参照しながら後述する。
ステップS25の判断処理の結果、操作対象サーバの属する業務システムがサービス利用可能状態である場合(ステップS26のYESルート)、実行部11は、操作対象サーバに対するフロー処理を実行し(ステップS27)、フロー実行履歴DB22に操作ノード名や実行結果などを保存し(ステップS28)、処理を終了する。一方、操作対象サーバの属する業務システムがサービス利用不可能状態である場合(ステップS26のNOルート)、実行部11は、操作対象サーバに対するフロー処理を実行することなく、処理を終了する。
〔3−1−3〕追加サーバの判断処理
次に、図17に示すフローチャート(ステップS30〜S40)に従って、本実施形態の分析処理部12(検知部121)による、追加サーバの判断処理について説明する。当該追加サーバの判断処理は、上記手順〔2−1−3〕で説明した処理に相当し、図16のステップS23の判断処理に対応する処理である。
分析処理部12は、操作対象ノードについてCMDB21内に「業務システム」が設定されているか否かを判定する(ステップS30)。「業務システム」が設定されている場合、つまり上記条件(51)を満たさない場合(ステップS31のNOルート)、分析処理部12は、操作対象ノードが追加サーバではないと判断し(ステップS40)、処理を終了する。
「業務システム」が設定されていない場合、つまり上記条件(51)を満たす場合(ステップS31のYESルート)、分析処理部12は、操作対象ノードについてCMDB21内に「サーバ種別」が設定されているか否かを判定する(ステップS32)。「サーバ種別」が設定されている場合、つまり上記条件(52)を満たさない場合(ステップS33のNOルート)、分析処理部12は、操作対象ノードが追加サーバではないと判断し(ステップS40)、処理を終了する。
「サーバ種別」が設定されていない場合、つまり上記条件(51)および(52)を満たす場合(ステップS33のYESルート)、分析処理部12は、操作対象ノードについての「操作ノード名」がフロー実行履歴に記録されているか否かを判定する(ステップS34)。「操作ノード名」が記録されている場合、つまり上記条件(53)を満たさない場合(ステップS35のNOルート)、分析処理部12は、操作対象ノードが追加サーバではないと判断し(ステップS40)、処理を終了する。
「操作ノード名」が記録されていない場合、つまり上記条件(51)〜(53)を満たす場合(ステップS35のYESルート)、分析処理部12は、操作対象ノードについての「実行結果」がフロー実行履歴に記録されているか否かを判定する(ステップS36)。操作対象ノードについての「実行結果」が記録されている場合、つまり上記条件(54)を満たさない場合(ステップS37のNOルート)、分析処理部12は、操作対象ノードが追加サーバではないと判断し(ステップS40)、処理を終了する。
「実行結果」が記録されていない場合、つまり上記条件(51)〜(54)の全てを満たす場合(ステップS37のYESルート)、分析処理部12は、CMDB21に操作対象ノードのサーバ種別を設定する(ステップS38)。そして、分析処理部12は、操作対象ノードが追加サーバであると判断し(ステップS39)、処理を終了する。
〔3−2〕業務システムのサーバ構成およびサーバ種別の分析処理
〔3−2−1〕分析処理部による処理の概要
次に、図18に示すフローチャート(ステップS100〜S500)に従って、本実施形態の分析処理部12による処理の概要、具体的には図16のステップS25の処理の概要について説明する。ここで、図16のステップS25の処理は、前述した通り、追加サーバの属する業務システムを特定した上で特定した業務システムがサービス利用可能かを判断する処理である。
まず、分析処理部12は、上記手順〔2−2−1〕で前述した通り、操作対象サーバである追加サーバから、当該追加サーバのセットアップログファイルを抽出し取得する(ステップS100)。
この後、分析処理部12は、送受信先ノードのサーバ種別/稼働状態取り出し処理を実行し(ステップS200)、追加サーバのサーバ種別を特定するとともに業務システム構成を特定する処理を実行する(ステップS300)。そして、分析処理部12は、追加サーバの属する業務システムを決定する処理を実行してから(ステップS400)、業務システムがサービス利用可能状態であるか判断する処理を実行する(ステップS500)。
ステップS200の処理は、上記手順〔2−2−2〕で説明した処理に相当し、ステップS200の処理については、下記手順〔3−2−2〕において、図19を参照しながら後述する。
ステップS300の処理は、上記手順〔2−2−3〕で説明した処理に相当し、ステップS300の処理については、下記手順〔3−2−3〕において、図20を参照しながら後述する。
ステップS400の処理は、上記手順〔2−2−4〕および〔2−2−5〕で説明した処理に相当し、ステップS400の処理については、下記手順〔3−2−4〕および〔3−2−5〕において、図21および図22を参照しながら後述する。
ステップS500の処理は、上記項目〔2−3〕で説明した処理に相当し、ステップS500の処理については、下記項目〔3−3〕において、図23〜図25を参照しながら後述する。
〔3−2−2〕送受信先ノードのサーバ種別/稼働状態取り出し処理
次に、図19に示すフローチャート(ステップS201〜S217)に従って、本実施形態の分析処理部12による、送受信先ノードのサーバ種別/稼働状態取り出し処理(図18のステップS200)について説明する。図19に示す処理は、上記手順〔2−2−2〕で説明した処理に相当する。
分析処理部12は、追加サーバのセットアップログから、追加サーバの送信先ノードの情報(IPアドレス)を取得する(ステップS201)。そして、分析処理部12は、取得した送信先ノード情報に基づき、送信先ノードの全情報(ノード情報,システム情報)をCMDB21から取得する(ステップS202)。
この後、分析処理部12は、送信先ノードにCMDB21内の「サーバ種別」が設定されているか否かを判定する(ステップS203)。「サーバ種別」が設定されていない場合(ステップS204のNOルート)、分析処理部12は、送信先ノードのサーバ種別を「不明」として認識する(ステップS205)。
サーバ種別を「不明」として認識した後、または、「サーバ種別」が設定されている場合(ステップS204のYESルート)、分析処理部12は、送信先ノードの「稼働状態」が設定されているか否かを判定する(ステップS206)。「稼働状態」が設定されていない場合(ステップS207のNOルート)、分析処理部12は、送信先ノードの稼働状態を「不明」として認識する(ステップS208)。
稼働状態を「不明」として認識した後、または、「稼働状態」が設定されている場合(ステップS207のYESルート)、分析処理部12は、追加サーバの受信元ノードについても、同様の処理を行なう。
つまり、分析処理部12は、追加サーバのセットアップログから、追加サーバの受信元ノードの情報(IPアドレス)を取得する(ステップS209)。そして、分析処理部12は、取得した受信元ノード情報に基づき、受信元ノードの全情報(ノード情報,システム情報)をCMDB21から取得する(ステップS210)。
この後、分析処理部12は、受信元ノードにCMDB21内の「サーバ種別」が設定されているか否かを判定する(ステップS211)。「サーバ種別」が設定されていない場合(ステップS212のNOルート)、分析処理部12は、受信元ノードのサーバ種別を「不明」として認識する(ステップS213)。
サーバ種別を「不明」として認識した後、または、「サーバ種別」が設定されている場合(ステップS212のYESルート)、分析処理部12は、受信元ノードの「稼働状態」が設定されているか否かを判定する(ステップS214)。「稼働状態」が設定されていない場合(ステップS215のNOルート)、分析処理部12は、受信元ノードの稼働状態を「不明」として認識する(ステップS216)。
稼働状態を「不明」として認識した後、または、「稼働状態」が設定されている場合(ステップS215のYESルート)、分析処理部12は、ステップS201〜S216の処理によって得られた、送受信ノードの「サーバ種別」および「稼働状態」に関する情報を記録する(ステップS217;上記手順(63)参照)。「サーバ種別」および「稼働状態」が設定されている場合には、設定内容が記録される一方、「サーバ種別」および「稼働状態」が設定されていない場合には、「不明」が記録される。
以上の処理によって、分析処理部12は、追加サーバのセットアップログを解析し、CMDB21から、追加サーバと送受信関係にある送受信先ノードの「サーバ種別」および「稼動状態」を抽出して記録する。
〔3−2−3〕業務システム構成を特定する処理
次に、図20に示すフローチャート(ステップS301〜S311)に従って、本実施形態の分析処理部12(第1特定部122)による、業務システム構成(業務システムのサーバ構成)を特定する処理(図18のステップS300)について説明する。図20に示す処理は、上記手順〔2−2−3〕で説明した処理に相当する。
分析処理部12は、追加サーバのセットアップログにおける通信ログから、当該追加サーバの送受信先ノードおよび通信方向情報(図7のD1,D2参照)を取り出す(ステップS301)。また、分析処理部12は、送受信先ノード情報に基づき、CMDB21から送受信先ノードの「サーバ種別」を取り出す(ステップS302)。
この後、分析処理部12は、サーバ種別決定リスト23(図6参照)に、ステップS302で抽出した送受信先ノードの「サーバ種別」と一致する「送信先サーバ種別」および「受信元サーバ種別」に対応付けられたサーバ種別情報が存在するか否かを判定する(ステップS303)。このようなサーバ種別情報が存在する場合(ステップS304のYESルート)、分析処理部12は、検索したサーバ種別情報を、追加サーバの「サーバ種別」として取り出す(ステップS305;上記手順(73)参照)。
例えば、上記手順〔−2−3〕で図6および図7を参照しながら前述したように、サーバ種別決定リスト23の一つにおいては、サーバ種別「AP」に、送信先サーバ種別「DB」と受信元サーバ種別「Web」とが対応付けられている。このとき、ステップS302で抽出された送信先ノードおよび送受信先ノードの「サーバ種別」がそれぞれDBサーバおよびWebサーバである場合、当該サーバ種別決定リスト23に、送受信先ノードの「サーバ種別」と一致するサーバ種別「AP」が存在することになる。したがって、サーバ種別「AP」が追加サーバのサーバ種別として抽出される。これにより、追加サーバを追加される業務システムが3階層構造であり、追加サーバのサーバ種別がAPサーバであることが判断される。
追加サーバの「サーバ種別」を取り出した後、分析処理部12は、CMDB21の構成情報から、追加サーバの送受信先ノードと関連するノードのリストを作成する(ステップS306)。そして、分析処理部12は、作成したリストに、追加サーバの「サーバ種別」と同じ「サーバ種別」のノード(以下「既存サーバ」または「関連サーバ」という)が存在するか否かを判定する(ステップS307)。
関連サーバが存在する場合(ステップS308のYESルート)、分析処理部12は、ステップS305で取り出された追加サーバの「サーバ種別」と、関連サーバの「稼働状態」と、追加サーバと送受信先サーバとの関係性とに関する情報を記録する(ステップS309;上記手順(75)参照)。ここで、関連サーバの「稼働状態」は、関連サーバのIPアドレス等に基づき、CMDB21から読み出される。また、追加サーバと送受信先サーバとの関係性は、追加サーバを追加される業務システムの構造や、当該業務システムを成すサーバ種別に関する情報である。なお、関連サーバの「サーバ種別」は、ステップS305で取り出された追加サーバの「サーバ種別」と同一であるので、関連サーバの「サーバ種別」の記録は行なっていない。
一方、関連サーバが存在しない場合(ステップS308のNOルート)、分析処理部12は、ステップS305で取り出された追加サーバの「サーバ種別」と、上記関係性とに関する情報を記録するとともに、関連サーバの「稼働状態」に「不明」を記録する(ステップS310;上記手順(75)参照)。
また、ステップS303で上述したサーバ種別情報が存在しないと判定された場合(ステップS304のNOルート)、分析処理部12は、追加サーバの「サーバ種別」や関連サーバの「稼働状態」や追加サーバと送受信先サーバとの関係性に「不明」を記録する(ステップS311;上記手順(75)参照)。
以上の処理によって、分析処理部12は、追加サーバの「サーバ種別」および「サーバ間の関係性」を自動判別でき、ひいては追加サーバの属する業務システム構成を自動判断することができる。
〔3−2−4〕追加サーバのサーバ種別を特定する処理、および、追加サーバの属する業務システムを決定する処理
次に、図21に示すフローチャート(ステップS401〜S410)に従って、本実施形態の分析処理部12(第1特定部122,第2特定部123,設定部124)による、追加サーバのサーバ種別を特定する処理、および、追加サーバの属する業務システムを決定する処理(図18のステップS400)について説明する。図21に示す処理は、上記手順〔2−2−4〕および〔2−2−5〕で説明した処理に相当する。
分析処理部12は、図20のステップS305で抽出された追加サーバの「サーバ種別」と図16のステップS21で決定された追加サーバの「サーバ種別」とが一致するか否かを判定する(ステップS401)。ここで、図20のステップS305で抽出された「サーバ種別」は、ステップS309またはS310で記録されており、上記手順(73)で抽出し上記手順(75)で記録された「サーバ種別」に相当する。また、図16のステップS21で決定された「サーバ種別」は、上記手順〔2−1−2〕で特定される「サーバ種別」に相当する。
ステップS401による判定結果が不一致である場合(ステップS402のNOルート)、上記手順(81)で前述した通り、通信ログに基づいて判断される業務システム(追加サーバの属性)と、CMDB21の構成情報に基づいて判断される業務システム(追加サーバの属性)との間に矛盾がある。このため、分析処理部12は、図16のステップS21から再実行する(ステップS403)。例えば、操作対象サーバをサーバ種別APに絞って判定処理を実行した結果、「サーバ種別」が不一致の場合、分析処理部12は、操作対象サーバを、AP以外のサーバ種別DBまたはWebに絞って、図16のステップS21以降の処理を再実行する。
ステップS401による判定結果が一致である場合(ステップS402のYESルート)、つまり上記矛盾がなくなった場合、分析処理部12は、上記手順(82)で前述した通り、「追加サーバ」が属している業務システムの状態を判定する(ステップS404)。ステップS404での業務システムの状態判定処理については、下記項目〔3−2−5〕において、図22を参照しながら後述する。
分析処理部12は、ステップS404での判定処理結果を受け、業務システムが運用可能な状態であるか否かを判定する(ステップS405)。業務システムが運用不可能な状態である場合(ステップS406のNOルート)、分析処理部12は、上記手順(83)で前述した通り、「追加サーバ」は既存のシステムに属さないと判断し、「追加サーバ」のCMDB21への反映を行なうことなく処理を終了する。
業務システムが運用可能な状態である場合(ステップS406のYESルート)、分析処理部12は、上記手順(84)で前述した通り、追加サーバの送受信先サーバが属する既存の業務システムをCMDB21から抽出し、「追加サーバ」の属し先「業務システム」とする(ステップS407)。
この後、分析処理部12は、CMDB21の追加サーバの稼働状態を「不明」に設定する(ステップS408;上記手順(101)および図9の符号(1)参照)。この追加サーバの稼働状態は、図23のステップS506で設定される。
また、分析処理部12は、図19に示すフローチャートで判断された送受信先サーバと、図20に示すフローチャートで判断された追加サーバとを、CMDB21上で関係付ける(ステップS409;上記手順(102)および図9の矢印(2)参照)。
さらに、分析処理部12は、ステップS407で抽出された追加サーバの属し先の「業務システム」と、当該追加サーバとを、CMDB21上で関係付ける(ステップS410;上記手順(103)および図9の矢印(3)参照)。
〔3−2−5〕業務システムの状態判定処理
次に、図22に示すフローチャート(ステップS411〜S427)に従って、本実施形態の分析処理部12(第2特定部123)による、業務システムの状態判定処理(図21のステップS404)について説明する。図22に示す処理は、上記手順〔2−2−4〕で説明した、図8に示す稼働状況判定テーブル24による状態判定処理に相当する。
分析処理部12は、図22に示すフローチャートに従って、下記3種類の情報(111)〜(113)に基づき、図8に示す稼働状況判定テーブル24において業務システムの運用状態が「運用可能」状態(図8の太線枠の状態)になるか否かを判断する。つまり、上記手順〔2−2−4〕で前述した通り、上記条件(91)と上記条件(92)との両方を満たす場合、追加サーバの属する既存の「業務システム」の運用状態は「運用可能」状態であると判断される(図8の太線枠参照)。それ以外の場合、追加サーバの属する既存の「業務システム」の運用状態は「運用不可」状態であると判断される。
(111) 図16のステップS21で決定された追加サーバの「サーバ種別」(上記手順〔2−1−2〕の結果)
(112) 図19のステップS217で記録された送信先/受信元ノードの「サーバ種別」および「稼働状態」(上記手順〔2−2−2〕の結果)
(113) 図20のステップS309〜S311で記録された追加サーバの「サーバ種別」および関連サーバの「稼働状態」(上記手順〔2−2−3〕の結果)
まず、分析処理部12は、送信先サーバに「不明」以外のサーバ種別が設定されているか否かを判定する(ステップS411)。「不明」以外のサーバ種別が設定されている場合(ステップS412のYESルート)、分析処理部12は、送信先サーバが稼働可能状態であるか否かを判定する(ステップS413)。稼働可能状態である場合(ステップS414のYESルート)、分析処理部12は、状態フラグに1を設定してから(ステップS415)、ステップS417の処理に移行する。一方、サーバ種別に「不明」が設定されている場合(ステップS412のNOルート)、または、送信先サーバが稼働可能状態でない場合(ステップS414のNOルート)、分析処理部12は、状態フラグに0を設定してから(ステップS416)、ステップS417の処理に移行する。
また、分析処理部12は、受信元先サーバに「不明」以外のサーバ種別が設定されているか否かを判定する(ステップS417)。「不明」以外のサーバ種別が設定されている場合(ステップS418のYESルート)、分析処理部12は、受信元サーバが稼働可能状態であるか否かを判定する(ステップS419)。稼働可能状態である場合(ステップS420のYESルート)、分析処理部12は、状態フラグの値に1を加算してから(ステップS421)、ステップS422の処理に移行する。一方、サーバ種別に「不明」が設定されている場合(ステップS418のNOルート)、または、受信元サーバが稼働可能状態でない場合(ステップS420のNOルート)、分析処理部12は、ステップS422の処理に移行する。
そして、分析処理部12は、状態フラグの値が1以上であるか否かを判定し(ステップS422)、1以上である場合(ステップS423のYESルート)、関連サーバが稼働可能状態であるか否かを判定する(ステップS424)。稼働可能状態である場合(ステップS425のYESルート)、分析処理部12は、業務システムの運用状態は運用可能状態であると判断し(ステップS426)、処理を終了する。一方、状態フラグの値が0である場合(ステップS423のNOルート)、または、関連サーバが稼働可能状態でない場合(ステップS425のNOルート)、分析処理部12は、業務システムの運用状態は運用不可状態であると判断し(ステップS427)、処理を終了する。
上述した手順〔3−2−4〕および〔3−2−5〕の処理によって、分析処理部12は、送受信先ノードの「サーバ種別」や「サーバ間の関係性」などに基づき、追加サーバの属する業務システムを、「追加サーバ」が稼働する前に自動で判断することができる。
〔3−3〕業務システムの状態把握処理
次に、図23に示すフローチャート(ステップS501〜S506)に従って、本実施形態の分析処理部12(判断部125および設定部124)による、業務システムのサービス利用可能状態の判断処理について説明する。図23に示す処理は、上記項目〔2−3〕や上記手順〔2−3−3〕で説明した処理に相当する。
分析処理部12は、操作対象ノードの「サーバ間の関係性」情報に基づき、CMDB21からWebサーバの全情報(ノード情報,システム情報)を取得する(ステップS501)。この後、分析処理部12は、Webサーバが応答可能か否かを判断する(ステップS502)。ステップS502での判断処理については、下記項目〔3−3−1〕において、図24を参照しながら後述する。
ステップS502による判断処理の結果、Webサーバが応答可能である場合(ステップS503のYESルート)、分析処理部12は、業務システム(Webサーバ)へのログインが可能か否か、つまりは業務システムのサービスが利用可能か否かを判断する(ステップS504)。ステップS504での判断処理については、下記項目〔3−3−2〕において、図25を参照しながら後述する。
ステップS504による判断処理の結果、業務システムへのログインが可能である場合、つまり業務システムのサービスが利用可能である場合(ステップS505のYESルート)、分析処理部12は、上記手順〔2−3−3〕で前述した処理を実行する(ステップS506)。つまり、分析処理部12は、CMDB21において、図17に示すフローチャートで判断された追加ノードの「業務システム情報」と、図20に示すフローチャートで導出された送受信先ノードの「業務システム情報」とに、Webサーバのノード名を設定する。これにより、抽出部126(「対象サーバ抽出」部品)は、当該業務システムに属するサーバを操作対象サーバとして抽出することが可能になる。
なお、ステップS502による判断処理の結果、Webサーバの応答が無い場合(ステップS503のNOルート)、分析処理部12は処理を終了する。同様に、ステップS504による判断処理の結果、業務システムへのログインが不可能である場合、つまり業務システムのサービスが利用不可能である場合(ステップS505のNOルート)、分析処理部12は処理を終了する。
〔3−3−1〕Webサーバの応答/無応答を判断する処理
次に、図24に示すフローチャート(ステップS511〜S519)に従って、本実施形態の分析処理部12(判断部125)による、業務システムのWebサーバの応答/無応答を判断する処理(図23のステップS502)について説明する。図24に示す処理は、上記手順〔2−3−1〕で説明した処理に相当する。
分析処理部12は、まず、Webサーバのシステム情報におけるWebポートやアクセスURL(Uniform Resource Locator)からhttpリクエスト文字列を組み立てる(ステップS511)。そして、分析処理部12は、組み立てたhttpリクエストをWebサーバに発行する(ステップS512)。分析処理部12は、httpリクエストの発行に伴い、当該httpリクエストの結果コード(図11参照)を取得し、その結果コードが2xx, 3xx, 4xx, 5xxのいずれであるかに基づき、Webサーバの応答/無応答を判断する(ステップS513〜S519)。
つまり、分析処理部12は、結果コードが2xxの場合、Webサーバは応答可能な状態であると判断する(ステップS513,S514,S518)。一方、分析処理部12は、結果コードが3xx, 4xx, 5xxのいずれかである場合、Webサーバは応答不可能な状態(無応答)であると判断する(ステップS513,S515〜S517,S519)。
〔3−3−2〕業務システムへのログイン可能/不可能を判断する処理
次に、図25に示すフローチャート(ステップS521〜S529)に従って、本実施形態の分析処理部12(判断部125)による、業務システムのサービス利用可能/不可能を判断する処理(図23のステップS504)について説明する。図25に示す処理は、上記手順〔2−3−2〕で説明した処理に相当する。なお、図25に示す処理において、分析処理部12は、業務システムへのログイン可能/不可能を判断することで、業務システムのサービスが利用可能か否かを判断している。
分析処理部12は、まず、稼働確認用部品から、追加サーバに対してのみリクエストが届くよう、ネットワーク機器を設定する(ステップS521)。また、分析処理部12は、サーバ種別決定リスト23の稼働確認情報から、httpリクエスト文字列を組み立てる(ステップS522)。そして、分析処理部12は、組み立てたhttpリクエストによって、ダイジェスト認証を実施する(ステップS523)。分析処理部12は、ダイジェスト認証に伴い、当該httpリクエストの結果コード(図12参照)を取得し、その結果コードが2xx, 4xx, 5xxのいずれであるかに基づき、業務システム(Webサーバ)へのログインが可能か否かを判断する(ステップS524〜S529)。
つまり、分析処理部12は、結果コードが2xxの場合、業務システムへのログインが可能で、業務システムのサービスが利用可能な状態であると判断する(ステップS524,S525,S528)。一方、分析処理部12は、結果コードが4xx, 5xxのいずれかである場合、業務システムへのログインが不可能で、業務システムのサービスが利用不可能な状態であると判断する(ステップS526,S527,S529)。
〔4〕本実施形態の効果
本実施形態の管理サーバ1によれば、業務システムで追加サーバを検知すると、追加サーバのセットアップ時通信ログや、追加サーバのインストール済みソフトウェア情報や、追加サーバの送受信先サーバの構成情報に基づき追加サーバの種別が特定される。このとき、追加サーバへのインストール済みソフトウエア情報に基づき特定される追加サーバのバ種別と、追加サーバの通信ログや送受信先サーバの構成情報に基づき特定される追加サーバの種別とが一致する場合に、追加サーバの種別が特定される。したがって、業務システムに動的に追加されるサーバのサーバ種別を、正確に且つ自動的に判別することができる。
図28を参照しながら前述したように、業務システムでは、サーバが動的に追加される際、業務システム上、関係のないサーバからの通信(環境の参照など)が追加サーバの通信ログに混じり込むことがある。これにより、実際に追加したサーバの役割や、追加したサーバの属する業務システムを誤認することがある。
これに対して、本実施形態の管理サーバ1では、追加されたサーバのセットアップログと、CMDB21の構成情報とを解析することで、追加されたサーバの役割が正確に判断され、追加されたサーバの属する一つの業務システム構成が特定される。そして、特定された業務システム構成のサーバ間の関係性を判断することにより、動的に追加されたサーバの属する業務システムを、矛盾なく自動判断することができる。
また、追加サーバがサービスを提供できない状態でCMDB21の構成情報に登録されると、サービス提供ができない状態でも追加サーバに対してもフローが実行されてしまうおそれがあった。
これに対して、本実施形態の管理サーバ1では、動的に追加されたサーバの属する業務システムの運用状態が正確に把握され、業務システムが運用可能(サービス利用可能)な状態である場合にのみ追加サーバに対しフロー制御が実行される。したがって、業務システムが運用不可(サービス利用不可)の状態では、追加サーバを含む業務システムへのフロー制御を抑制することができ、追加サーバが異常状態(エラー)であると誤認することを確実に抑止することができる。
さらに、本実施形態によれば、データセンタ等の管理/運用業務において、自動運用の操作対象サーバについて、業務システムの状態を把握し、業務システムを構成するサーバを自動的に認識することができる。これにより、人手による管理作業を行なう必要がなくなり、データセンタ等の管理コストを低減することができる。また、例えば図27に示すようなフローにおいて、サーバ追加等のメンテナンスを考慮して実装する必要がないため、フローの作成/メンテナンスに要するコストも低減することができる。
〔5〕その他
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形、変更して実施することができる。
〔6〕付記
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
管理対象のシステムへのサーバの追加を検知する検知部と、
追加を検知された追加サーバの通信状況、前記追加サーバに関する管理情報、および、前記追加サーバの通信先サーバに関する管理情報に基づき、前記追加サーバの属性を特定する第1特定部と、を備える、サーバ情報管理装置。
(付記2)
前記第1特定部は、前記追加サーバに関する管理情報に含まれる前記追加サーバへのインストール済みソフトウエア情報に基づき特定される前記追加サーバの属性と、前記追加サーバの通信状況および前記通信先サーバに関する管理情報に基づき特定される前記追加サーバの属性と、が一致するか否かを判断し、当該2つの属性が一致する場合、当該属性を、前記追加サーバの属性として特定する、付記1記載のサーバ情報管理装置。
(付記3)
前記第1特定部によって特定される前記追加サーバの属性と前記通信先サーバの属性および稼動状態と前記通信先サーバに接続される既存サーバの属性および稼動状態とに基づき、前記追加サーバの属するサーバ群を特定する第2特定部と、
前記第2特定部によって特定される前記サーバ群および前記通信先サーバと、前記追加サーバとを関連付け、前記追加サーバに関する管理情報として設定する設定部とを、さらに備える、付記1または付記2に記載のサーバ情報管理装置。
(付記4)
前記第2特定部は、前記追加サーバの属性と前記通信先サーバの属性および稼動状態と前記既存サーバの属性および稼動状態とに基づき前記既存サーバを含む既存サーバ群が運用可能状態であると判断した場合、当該既存サーバ群を前記追加サーバの属するサーバ群として特定する、付記3記載のサーバ情報管理装置。
(付記5)
前記第2特定部によって特定された前記サーバ群がサービス利用可能状態であるか否かを判断する判断部と、
前記判断部によって前記サービス利用可能状態であると判断された場合、前記サーバ群に属する前記追加サーバおよび前記通信先サーバを操作対象として抽出する抽出部と、をさらに備える、付記3または付記4に記載のサーバ情報管理装置。
(付記6)
前記設定部は、前記サービス利用可能状態であると判断された場合、前記追加サーバに関する管理情報における前記追加サーバの稼動状態を稼動可能に設定する、付記5記載のサーバ情報管理装置。
(付記7)
前記判断部は、前記サーバ群に属するウエブサーバが応答可能であり、且つ、前記サーバ群に対するログインが可能である場合、前記サービスを利用可能な状態であると判断する、付記5または付記6に記載のサーバ情報管理装置。
(付記8)
前記検知部は、前記管理対象のシステムに属する複数のサーバの中から操作対象として抽出された操作対象サーバが、前記追加サーバであるか否かを判断することで、前記追加サーバを検知する、付記1〜付記7のいずれか一項に記載のサーバ情報管理装置。
(付記9)
管理対象のシステムへのサーバの追加を検知し、
追加を検知された追加サーバの通信状況、前記追加サーバに関する管理情報、および、前記追加サーバの通信先サーバに関する管理情報とに基づき、前記追加サーバの属性を特定する、
処理をコンピュータに実行させる、サーバ情報管理プログラム。
(付記10)
前記追加サーバに関する管理情報に含まれる前記追加サーバへのインストール済みソフトウエア情報に基づき特定される前記追加サーバの属性と、前記追加サーバの通信状況および前記通信先サーバに関する管理情報に基づき特定される前記追加サーバの属性と、が一致するか否かを判断し、当該2つの属性が一致する場合、当該属性を、前記追加サーバの属性として特定する、
処理を前記コンピュータに実行させる、付記9記載のサーバ情報管理プログラム。
(付記11)
前記追加サーバの属性と前記通信先サーバの属性および稼動状態と前記通信先サーバに接続される既存サーバの属性および稼動状態とに基づき、前記追加サーバの属するサーバ群を特定し、
前記サーバ群および前記通信先サーバと、前記追加サーバとを関連付け、前記追加サーバに関する管理情報として設定する、
処理を前記コンピュータに実行させる、付記9または付記10に記載のサーバ情報管理プログラム。
(付記12)
前記追加サーバの属性と前記通信先サーバの属性および稼動状態と前記既存サーバの属性および稼動状態とに基づき前記既存サーバを含む既存サーバ群が運用可能状態であると判断した場合、当該既存サーバ群を前記追加サーバの属するサーバ群として特定する、
処理を前記コンピュータに実行させる、付記11記載のサーバ情報管理プログラム。
(付記13)
前記サーバ群がサービス利用可能状態であるか否かを判断し、
前記サービス利用可能状態であると判断された場合、前記サーバ群に属する前記追加サーバおよび前記通信先サーバを操作対象として抽出する、
処理を前記コンピュータに実行させる、付記11または付記12に記載のサーバ情報管理プログラム。
(付記14)
前記サービス利用可能状態であると判断された場合、前記追加サーバに関する管理情報における前記追加サーバの稼動状態を稼動可能に設定する、
処理を前記コンピュータに実行させる、付記13記載のサーバ情報管理プログラム。
(付記15)
前記サーバ群に属するウエブサーバが応答可能であり、且つ、前記サーバ群に対するログインが可能である場合、前記サービスを利用可能な状態であると判断する、
処理を前記コンピュータに実行させる、付記13または付記14に記載のサーバ情報管理プログラム。
(付記16)
前記管理対象のシステムに属する複数のサーバの中から操作対象として抽出された操作対象サーバが、前記追加サーバであるか否かを判断することで、前記追加サーバを検知する、
処理を前記コンピュータに実行させる、付記9〜付記15のいずれか一項に記載のサーバ情報管理プログラム。
(付記17)
コンピュータが、
管理対象のシステムへのサーバの追加を検知し、
追加を検知された追加サーバの通信状況、前記追加サーバに関する管理情報、および、前記追加サーバの通信先サーバに関する管理情報に基づき、前記追加サーバの属性を特定する、サーバ情報管理方法。
(付記18)
前記コンピュータが、
前記追加サーバに関する管理情報に含まれる前記追加サーバへのインストール済みソフトウエア情報に基づき特定される前記追加サーバの属性と、前記追加サーバの通信状況および前記通信先サーバに関する管理情報に基づき特定される前記追加サーバの属性と、が一致するか否かを判断し、当該2つの属性が一致する場合、当該属性を、前記追加サーバの属性として特定する、付記17記載のサーバ情報管理方法。
(付記19)
前記コンピュータが、
前記追加サーバの属性と前記通信先サーバの属性および稼動状態と前記通信先サーバに接続される既存サーバの属性および稼動状態とに基づき、前記追加サーバの属するサーバ群を特定し、
前記サーバ群および前記通信先サーバと、前記追加サーバとを関連付け、前記追加サーバに関する管理情報として設定する、付記17または付記18に記載のサーバ情報管理方法。
(付記20)
前記コンピュータが、
前記追加サーバの属性と前記通信先サーバの属性および稼動状態と前記既存サーバの属性および稼動状態とに基づき前記既存サーバを含む既存サーバ群が運用可能状態であると判断した場合、当該既存サーバ群を前記追加サーバの属するサーバ群として特定する、付記19記載のサーバ情報管理方法。
1 管理サーバ(サーバ情報管理装置,コンピュータ)
2 業務サーバ
10 処理部(プロセッサ)
11 実行部
12 分析処理部
121 検知部
122 第1特定部
123 第2特定部
124 設定部
125 判断部
126 抽出部
20 記憶部(メモリ)
21 CMDB(構成情報データベース)
22 フロー実行履歴データベース
23 サーバ種別決定リスト
24 稼働状況判定テーブル
25 セットアップログ格納領域
S1,S4 Webサーバ
S2 APサーバ
S3,S6 DBサーバ
S5 APサーバ(追加サーバ)

Claims (10)

  1. 管理対象のシステムへのサーバの追加を検知する検知部と、
    追加を検知された追加サーバの通信状況としてのセットアップログファイルに含まれるセットアップ時の通信ログと、前記追加サーバに関する管理情報、前記追加サーバの通信先サーバに関する管理情報に基づき、前記追加サーバの属性を特定する第1特定部と、を備える、サーバ情報管理装置。
  2. 前記第1特定部は、前記追加サーバに関する管理情報に含まれる前記追加サーバへのインストール済みソフトウエア情報に基づき特定される前記追加サーバの属性と、前記追加サーバの通信状況および前記通信先サーバに関する管理情報に基づき特定される前記追加サーバの属性と、が一致するか否かを判断し、当該2つの属性が一致する場合、当該属性を、前記追加サーバの属性として特定する、請求項1記載のサーバ情報管理装置。
  3. 前記第1特定部によって特定される前記追加サーバの属性と前記通信先サーバの属性および稼動状態と前記通信先サーバに接続される既存サーバの属性および稼動状態とに基づき、前記追加サーバの属するサーバ群を特定する第2特定部と、
    前記第2特定部によって特定される前記サーバ群および前記通信先サーバと、前記追加サーバとを関連付け、前記追加サーバに関する管理情報として設定する設定部とを、さらに備える、請求項1または請求項2に記載のサーバ情報管理装置。
  4. 前記第2特定部は、前記追加サーバの属性と前記通信先サーバの属性および稼動状態と前記既存サーバの属性および稼動状態とに基づき前記既存サーバを含む既存サーバ群が運用可能状態であると判断した場合、当該既存サーバ群を前記追加サーバの属するサーバ群として特定する、請求項3記載のサーバ情報管理装置。
  5. 前記第2特定部によって特定された前記サーバ群がサービス利用可能状態であるか否かを判断する判断部と、
    前記判断部によって前記サービス利用可能状態であると判断された場合、前記サーバ群に属する前記追加サーバおよび前記通信先サーバを操作対象として抽出する抽出部と、をさらに備える、請求項3または請求項4に記載のサーバ情報管理装置。
  6. 前記設定部は、前記サービス利用可能状態であると判断された場合、前記追加サーバに関する管理情報における前記追加サーバの稼動状態を稼動可能に設定する、請求項5記載のサーバ情報管理装置。
  7. 前記判断部は、前記サーバ群に属するウエブサーバが応答可能であり、且つ、前記サーバ群に対するログインが可能である場合、前記サービスを利用可能な状態であると判断する、請求項5または請求項6に記載のサーバ情報管理装置。
  8. 前記検知部は、前記管理対象のシステムに属する複数のサーバの中から操作対象として抽出された操作対象サーバが、前記追加サーバであるか否かを判断することで、前記追加サーバを検知する、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のサーバ情報管理装置。
  9. 管理対象のシステムへのサーバの追加を検知し、
    追加を検知された追加サーバの通信状況としてのセットアップログファイルに含まれるセットアップ時の通信ログと、前記追加サーバに関する管理情報、前記追加サーバの通信先サーバに関する管理情報に基づき、前記追加サーバの属性を特定する、
    処理をコンピュータに実行させる、サーバ情報管理プログラム。
  10. コンピュータが、
    管理対象のシステムへのサーバの追加を検知し、
    追加を検知された追加サーバの通信状況としてのセットアップログファイルに含まれるセットアップ時の通信ログと、前記追加サーバに関する管理情報、前記追加サーバの通信先サーバに関する管理情報に基づき、前記追加サーバの属性を特定する、サーバ情報管理方法。
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