JP6375133B2 - 曲面形状屋根の構築方法 - Google Patents
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Description
まず、側壁を構築し、次に、この側壁の上端に曲面屋根の下面を構成する鋼製屋根を床型枠として架設する。この床型枠は、水平面に対して傾斜しており、屋根の中心部に向かうに従って高くなっている。次に、この床型枠の直上に、この床型枠の中心から半径方向に直線状に延びる仮設梁を設ける。この仮設梁には、コンクリート圧送用配管が支持されている。
そして、仮設梁を回転させながら、この仮設梁に沿ってコンクリート圧送用配管を移動することで、コンクリート圧送用配管の先端を、床型枠の周縁部から中心部側に向かって同心円状に移動させながら、コンクリートを流し込む。
しかしながら、床型枠の曲率が大きくなると、このように流動性の低いコンクリートを流し込んでも、コンクリートが床型枠の下方側に流れてしまい、屋根部分の型枠がはらみ出すので、屋根の厚みを均一にすることが困難になる、という問題があった。
このように、上側型枠材の上部からコンクリートホースを挿入したので、作業員がコンクリートホースの筒先を視認しやすくなり、コンクリート打設作業の作業効率が向上する。また、屋根の鉄筋とコンクリートホースとが略平行になるので、コンクリートが鉄筋に衝突しにくくなり、コンクリートの分離を防止できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る曲面形状屋根の構築方法により構築された屋根1およびこの構築方法に用いられる型枠構造2の断面図である。なお、図1では、型枠構造2の上側型枠材20の表示を省略している。
図2は、図1の部分拡大断面図である。図3は、図2のA−A断面図である。図4は、型枠構造2の分解斜視図である。
この屋根1の内側の面を下面1A、外側の面を上面1Bとする。
また、屋根1の面内の水平方向をX方向とし、屋根1の面内でこのX方向に交差し周縁部から頂部に向かう方向をY方向とする。
大引材35は、略コの字形状の一対の溝形鋼36を背中合わせに配置したものである。この大引材35は、屋根の下面1Aの曲面形状を形成するものであり、所定間隔おきに配置される。
タイトフレーム11は、大引材35に沿って延びて、Y方向に沿って切断した断面視では、凹凸形状となっている。
デッキ材12は、Y方向に沿って切断した断面視では、凹凸形状となっている。
緊結金具14は、大引材35の下面に係合し、ナットを回転させることにより、大引材35とPコン13とを締め付ける。
上側型枠材20は、木製の面状の曲げ合板21と、この曲げ合板21の下面に配置された複数のPコン22と、曲げ合板21の上面に設けられてX方向に延びる複数本の角形鋼管23と、角形鋼管23の上に設けられてY方向に湾曲して延びる複数の木製の大引材24と、隣り合う2つの大引材24同士の間に配置されてPコン22に螺合された緊結金具25と、を備える。
緊結金具25は、隣り合う2つの大引材24の上面に係合し、ナットを回転させることにより、これら大引材24とPコン22とを締め付ける。
セパレータ40の両端には、ねじが設けられており、セパレータ40の両端は、Pコン13およびPコン22に螺合される。
ステップS1では、図6に示すように、支保工30を架設する。
ステップS2では、図6に示すように、支保工30の上に下側型枠材10を建て込む。
ここで、既に図4に示すように、大引材35の上面に凹凸形状のタイトフレーム11を溶接固定しておき、このタイトフレーム11上にデッキ材12を下方から上方に向かって順に溶接固定してゆくことで、下側型枠材10を建て込む。
ステップS4では、図6に示すように、コンクリート打設エリアPに上側型枠材20の一部を建て込む。
ここで、上側型枠材20の上部と下側型枠材10との隙間を隙間Dとする。また、上側型枠材20の隙間Dよりも下方の位置に、曲げ合板21を矩形状に切断して、開口部26を設けておく。
すなわち、作業員Qは、上側型枠材20の上部と下側型枠材10との隙間Dからコンクリートホース50を挿入し、このコンクリートホース50の先端からコンクリートCを吐出して、コンクリートCを打設する。このとき、作業員Rは、開口部26を通してバイブレータ51を挿入し、このバイブレータ51によりコンクリートCを一様に締め固める。
(1)屋根1のコンクリート躯体の下面を覆う下側型枠材10を設け、この下側型枠材10にセパレータ40を介して上側型枠材20を支持させて、下側型枠材10と上側型枠材20との間を屋根1のコンクリート躯体の厚さで保持する。そして、この状態で下側型枠材10と上側型枠材20との間にコンクリートを流し込む。このように、セパレータ40により下側型枠材10と上側型枠材20との間隔を保持したので、曲面形状屋根1の厚みを全体に亘って均一にできる。
D…隙間
P…コンクリート打設エリア
Q…作業員
R…作業員
1…屋根
1A…屋根の下面
1B…屋根の上面
2…型枠構造
3…スラブ筋
4…コンクリート体
10…下側型枠材
11…タイトフレーム(プレート)
12…デッキ材
13…Pコン
14…緊結金具
20…上側型枠材
21…曲げ合板
22…Pコン
23…角形鋼管
24…大引材
25…緊結金具
26…開口部
30…支保工
31…建地材
32…繋ぎ材
33…ブレース
34…ジャッキ
35…大引材(骨組部材)
36…溝形鋼
40…セパレータ
50…コンクリートホース
51…バイブレータ
Claims (2)
- コンクリート造の曲面形状の屋根の構築方法であって、
支保工を架設する工程と、
前記支保工に支持されて前記屋根の下面を覆う下側型枠材を建て込む工程と、
当該下側型枠材にセパレータを介して連結させることで、前記下側型枠材から所定間隔離れて前記屋根の上面を覆う上側型枠材の一部を建て込む工程と、
当該一部の上側型枠材の上部と前記下側型枠材との隙間からコンクリートを打設する工程と、を備え、
前記支保工を架設する工程では、前記屋根の下面の曲面形状を形成する複数の骨組部材を、所定間隔おきに架設し、
前記下側型枠材を建て込む工程では、前記骨組部材の上面に凹凸形状のプレートを取り付けておき、当該プレート上に凹凸形状のデッキ材を溶接固定することで、当該下側型枠材を建て込むことを特徴とする曲面形状屋根の構築方法。 - 前記コンクリートを打設する工程では、
前記一部の上側型枠材の上部と前記下側型枠材との隙間からコンクリートホースを挿入し、当該コンクリートホースの先端からコンクリートを吐出して、コンクリートを打設するとともに、
前記上側型枠材の前記隙間よりも下方の位置に開口部を設けて、当該開口部を通してバイブレータを挿入し、当該バイブレータによりコンクリートを一様に締め固めることを特徴とする請求項1に記載の曲面形状屋根の構築方法。
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