JP6374048B2 - 流体機械の羽根車回転体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、流体機械を構成する回転体、例えば、圧縮機やタービンを構成する回転体を、繊維強化樹脂の複合材料によって製造する製造方法に関する。特に、複合材料の繊維強化樹脂が、不連続繊維を被覆した不連続繊維樹脂と、連続繊維を被覆した連続繊維樹脂との組み合わせからなり、これら繊維強化樹脂によって回転体を製造する製造方法に関する。
流体機械の中で、ハブの外周面に取り付けられた複数の翼からなり、流体にエネルギーを与えるものとして、送風機や圧縮機やポンプの羽根車があり、また、流体からエネルギーを受け取るものとして、水車やタービンの羽根車がある。
これら羽根車は、強度を確保しつつ、慣性モーメントをより一層低減するために繊維強化樹脂製によって形成されるものが知られている。
例えば、特許第3018853号公報(特許文献1)、および米国特許出願公開第2012/0124994号明細書及び図面(特許文献2)に示されている。
この特許文献1には、繊維強化樹脂製インペラについて開示されており、ターボチャージャ搭載車独自の異音の発生を抑えた、安価な繊維強化樹脂製インペラが示されている。
異音発生防止を目的として、インペラの軸穴の内面とシャフトの外面との間で形成される隙間を管理することで上記目的を達成している。特に、インペラの軸穴の内面と接触する背板側軸穴径管理部位と、ボス側軸穴径管理部位とにおける軸穴径と該軸穴に嵌合するシャフトのシャフト径との隙間関係を一定の範囲内とすることで異音の発生を防止することが示されている。
また。繊維強化樹脂製インペラの製造方法については、炭素繊維強化樹脂ペレットを用いて、所定の射出成型条件で成形することが開示されている。
また、特許文献2には、その文献の図1〜4にターボチャージャのコンプレッサ羽根車10が繊維強化樹脂によって形成され、軸方向に延びるハブ12の外周面にコンプレッサ翼26が複数枚取り付けられ、このコンプレッサ翼26の部分を、連続繊維38を含む樹脂で形成されることが示され、該連続繊維の方向が回転軸の径方向25に配向している場合(特許文献2の図2)、ハブ外周面の方向に沿った方向29に配向している場合(図3)、これらが組み合わせされた方向に配向される場合(図4)が示され、さらに、ハブ12は不連続繊維32で強化されて形成されることが示されている。
特許第3018853号公報 米国特許出願公開第2012/0124994号公報
しかし、前述の特許文献1は、繊維強化樹脂製インペラについて開示しているが、インペラの軸穴の内面とシャフトの外面との間で形成される隙間を管理することで異音の防止を図る技術である。また製造方法については、炭素繊維強化樹脂ペレットを用いて、所定の射出成型条件で成形することが開示されているだけであり、不連続繊維の繊維強化樹脂を用いて射出成形されることが示されているだけである。
連続繊維による繊維強化樹脂との組み合せによって製造することについては開示されていない。
また、特許文献2には、繊維強化樹脂製のターボチャージャのコンプレッサ羽根車について開示され、コンプレッサ翼26の部分は特定の方向に配向した連続繊維38を含んで構成され、ハブ12の部分は不連続繊維32を含んで形成されるものであるが、連続繊維を含む部分と、不連続繊維を含む部分とを具体的にどのような製造方法によって一体的な樹脂製品として製造するかについては開示されていない。
そこで、本発明はかかる技術的課題に鑑みてなされたものであり、流体にエネルギーを与える送風機や圧縮機やポンプ、または、流体からエネルギーを受け取る水車やタービン等の流体機械の回転体を、連続繊維樹脂と不連続繊維樹脂とを組み合わせたハイブリッド複合材料によって製造可能とするとともに、製造工数およびコストの増大を抑えた製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、かかる目的を達成るためになされたものであり、流体にエネルギーを与える送風機や圧縮機やポンプ、または、流体からエネルギーを受け取る水車やタービンを含む流体機械の回転体の製造方法において、
前記回転体の回転部分の一部を、連続繊維に樹脂を含浸したプリプレグからなる連続繊維樹脂によって予備成形する工程と、前記予備成形された予備成形品を、射出成形機の金型内に前記連続繊維樹脂の融点未満の温度域に管理してセットする工程と、その後、金型内に溶融した不連続繊維樹脂を射出して前記予備成形品を該不連続繊維樹脂と融着させる工程と、を備えたことを特徴とする。
かかる発明によれば、回転体の回転部分の一部を、連続繊維に樹脂を含浸したプリプレグからなる連続繊維樹脂によって成形するため、連続繊維の繊維による強度向上が得られるとともに、不連続繊維樹脂とのハイブリッド複合材によって形成されるため軽量化も達成できる。
また、プリプレグからなる連続繊維樹脂によって予備成形品を成形するため、シート状のプリプレグを重ねて、またテープ状のプリプレグを巻いて予備成形品を形成するため容易に形成できる。
また、射出成形機の金型内に前記連続繊維樹脂の融点未満の温度域に管理してセットするため、予備成形品の形状が変形することなく位置決めが確実になされるため、予備成形品のインサートが容易となる。
また、本発明において好ましくは、前記予備成形品を金型にセットするときの金型内の温度域を、金型内に射出される前記溶融した不連続繊維樹脂の熱量により、前記予備成形品に含浸された樹脂の表面が溶融される温度に管理するとよい。
これによって、金型内で、不連続繊維樹脂によって形成される流体機械の回転体の一部に又は回転体の内部に予備成形品を確実にインサートして成形することができる。
また、本発明において好ましくは、前記回転体が、スクロール圧縮機若しくはスクロール膨脹機を構成するスクロール回転体であり、スクロールラップの一部に前記プリプレグからなる連続繊維樹脂による予備成形品をインサートして成形するとよい。
このようにスクロールラップの一部に前記プリプレグからなる連続繊維樹脂による予備成形品をインサートすることで、スクロール回転体を軽量化しつつ、スクロールラップの倒れ込みを抑え、且つ圧縮室若しくは膨張室を形成する際に相手側のスクロールラップとの接触による摩耗を防止して耐久性を向上したスクロール回転体を簡単に製造できる。
また、本発明において好ましくは、前記プリプレグからなる連続繊維樹脂による予備成形品を、前記金型のスクロールラップの渦巻より大径若しくは小径に成形して、前記金型のスクロールラップの壁面に前記予備成形品をセットするとよい。
このように予備成形品を、金型のスクロールラップの渦巻より大径若しくは小径に成形することで、金型のスクロールラップを形成する壁面に予備成形品の変形力によって確実に装着できる。
すなわち、金型の渦巻き状の外周壁面よりも自然状態における渦巻き径が大径となるようにプリフォームし、縮径した状態で金型内の渦巻き状の外周壁面に保持されるようにし、また逆に、渦巻き状の内周壁面よりも自然状態における渦巻き径が小径となるようにプリフォームし、拡径した状態で渦巻き状の内周壁面に保持されるように構成することで、別途位置決め用の治具などを用いずとも、安定した状態で金型内に保持させることが可能となる。
また、本発明において好ましくは、前記プリプレグからなる連続繊維樹脂による予備成形品のラップ根本部に位置する箇所に設けられた当接部を、前記金型のスクロールラップを成形するキャビティの入口部に当接してスクロールラップの壁面に沿うように前記予備成形品を位置決めし、該入口部側から不連続繊維樹脂を供給するとよい。
このように、前記プリプレグからなる連続繊維樹脂による予備成形品のラップ根本部に位置する箇所に設けられた当接部を、前記金型のスクロールラップを成形するキャビティの入口部に当接してスクロールラップの壁面に沿うように前記予備成形品を位置決めするので、スクロールラップの内周壁面または外周壁面に沿った位置に確実に予備成形品をセットできる。
さらに、金型のスクロールラップを成形するキャビティの入口部側から不連続繊維樹脂を供給するので、該不連続繊維樹脂の充填に伴って、予備成形品がラップ高さ方向に伸ばされるため、予備成形品のしわの発生を防止できる。
また、本発明において好ましくは、前記金型への不連続繊維樹脂の射出後に、冷却してから製品を取り出す工程を更に有するとともに、製品として取り出した後に、スクロール回転体をマスタースクロールと組み合わせて回転させて、製品寸法を仕上げる仕上げ工程を有しているとよい。
このように、マスタースクロールとの組み合わせによる仕上げ工程によって、製品寸法の精度が向上するため、スクロールラップの一部にプリプレグからなる連続繊維樹脂による予備成形品をインサートしても、インサートの位置決めや、射出条件の管理を高めなくてもよいので、製造がコストを低減できる。
また、本発明において好ましくは、前記回転体が、回転軸に取り付けられるハブ部と、該ハブ部の外周面に設けられる複数枚の翼部とを備えてなる羽根車回転体であり、該ハブ部を前記プリプレグからなる連続繊維樹脂による予備成形品をインサートして成形するとよい。
このように、回転体が羽根車においても適用可能であり、該羽根車を構成するハブを、プリプレグからなる連続繊維樹脂による予備成形品をインサートして成形することによって、製造が簡単化するとともに、軽量化および強度を有した羽根車を製造できる。
プリプレグ(Pre−preg)とは、前もって樹脂を含浸したという意味であり、樹脂を浸み込ませた中間材料のことをいう。従って、連続繊維に樹脂を含浸したプリプレグによってハブ部が構成されるため、連続繊維の強化樹脂材からなるハブ部の製造が容易となる。
また、本発明において好ましくは、前記ハブ部は、回転軸に直角方向の面に沿って連続繊維を複数方向に配向されるプリプレグシートを回転軸方向に積層して成形するとよい。
連続繊維は回転軸に直角方向の面において交差するように複数方向に配向されるので、遠心応力や周方向応力に対して、連続繊維が強度を高める方向に作用してハブ部の強度を向上することができ、高い耐久性を実現できる。
また、本発明において好ましくは、前記ハブ部は、さらに、回転軸の周りに連続繊維を周方向に配向するようにプリプレグテープを巻き付けて成形するとよい。
このように、円周方向に連続繊維を配向するため、ハブ部に作用する回転軸からの回転力および翼部からの翼部の倒れによる応力、さらに、圧縮機の圧縮空気による加熱による熱応力等に対してハブ全体の強度向上を達成することができる。
また、円周方向の連続繊維を配向するために、プリプレグUDテープ(一方向テープ、Uni−Directional tape)を、回転軸回りに巻きつけるようにして設置することで簡単に予備成形品を製造できる。
また、本発明において好ましくは、前記回転軸が、前記翼部とともに前記不連続繊維樹脂によって一体成形されるとよい。
このように、羽根車回転体の回転軸を、翼部の成形とともに、射出成形によって一体に成形することで、回転軸の羽根車回転体への取り付け作業を別途行わずに済み、羽根車を備えた圧縮機やタービンの組立工数を低減できる。
また、本発明において好ましくは、前記金型への不連続繊維樹脂の射出後に、冷却してから製品を取り出す工程を更に有し、該冷却工程において、前記連続繊維樹脂と不連続繊維樹脂との冷却による収縮量の差異を解消するように、前記連続繊維樹脂と不連続繊維樹脂とに対応する金型温度制御をするとよい。
このように、前記金型への不連続繊維樹脂の射出後に、冷却してから製品を取り出す工程を更に有し、該冷却工程において、連続繊維樹脂と不連続繊維樹脂とに対応する金型面の温度を制御して、冷却時のそれぞれの樹脂の収縮量の差異を解消することで、製品の反りを防止できる。
本発明によれば、流体にエネルギーを与える送風機や圧縮機やポンプ、または、流体からエネルギーを受け取る水車やタービン等の流体機械の回転体を、連続繊維樹脂と不連続繊維樹脂とを組み合わせたハイブリッド複合材料によって製造可能として、軽量化および強度を確保した複合材製の回転体を得ることができる。
また、プリプレグからなる予備成形品を、冷間状態(融点未満の温度)で金型内にセットしてインサートして、射出成形によって製品化することで、複雑な形状の回転体においても、軽量化および強度を確保した複合材製の回転体を、製造工数およびコストの増大を抑えて製造することができる。
本発明の第1実施形態を示し、スクロール回転体を有するスクロール圧縮機の全体構成を示す要部断面図である。 図1のスクロール回転体(固定スクロールおよび旋回スクロール)の拡大斜視図である。 固定スクロールおよび旋回スクロールの概略横断面図である。 図2のA−A、A'−A'断面図である。 スクロール回転体の製造方法を示す説明図である。 スクロール回転体の製造方法を示す説明図である。 スクロール回転体の製造方法を示す説明図である。 スクロール回転体の製造方法を示す説明図である。 スクロール回転体の製造方法を示す説明図である。 図5CのC部の拡大説明図である。 スクロール回転体の製造手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態を示す製造方法のフローチャートである。 本発明の第2実施形態の説明図である。 本発明の第3次施形態を示し、金型の温度制御を示す概略構成図である。 本発明の第4実施形態を示し、羽根車回転体を有する遠心圧縮機の全体構成を示す要部断面図である。 ハブ部を背面側より見た背面視(図11の矢印Z方向視)の説明図である。 円盤プリプレグシート部材を構成する連続繊維の配向を示す説明である。 羽根車回転体の製造方法を示す説明図である。 羽根車回転体の製造方法を示す説明図である。 羽根車回転体の製造方法を示す説明図である。 羽根車回転体の製造方法を示す説明図である。 羽根車回転体の製造方法を示す説明図である。 本発明の第5実施形態を示す説明図である。 本発明の第6実施形態を示す説明図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(第1実施形態)
第1実施形態は、流体機械の回転体として、スクロール圧縮機またはスクロール膨脹機を構成するスクロール回転体を例として説明する。特に、スクロール圧縮機のスクロール回転体について説明する。
図1は、スクロール圧縮機1の要部断面である。スクロール圧縮機1は、外殻を構成するハウジング3を備え、該ハウジング3内に、クランク軸5がメイン軸受7及びサブ軸受9によって、その回転中心軸線L回りに回転自在に支持されている。メイン軸受7とサブ軸受9との間に、環状のメカニカルシール11が設置されて、ハウジング3内を大気とシールしている。
また、クランク軸5の一端側(図1において左側)は、ハウジング3を貫通して一端側から突出している。クランク軸5の他端側(図1において右側)は、クランク軸5の回転中心軸線Lより所定距離だけ偏心したクランクピン13が一体に設けられている。
クランクピン13には、ドライブブッシュ15、フローティングブッシュ17、及びドライブ軸受19を介して、旋回スクロール21が旋回駆動されるようになっている。
ハウジング3内には、前記旋回スクロール21の他に、固定スクロール23が配置されている。固定スクロール23は、図2で示すように、略円板状の固定端板25と、固定端板25の一面に垂直に立設される固定側ラップ27からなる。固定側ラップ27は、平面視においてインボリュート曲線(伸開線)に沿った渦巻き状に形成されており、そのスクロール内周端部には、他のスクロール区間よりも厚肉に形成された厚肉区間が形成されている。
また、固定側ラップ27のチップ面29には、チップシール29aが埋設されている。また、固定スクロール23の略中心位置には、圧縮された作動ガスを固定端板25の裏側に吐出するための吐出口25Aが形成されている。
旋回スクロール21は、図2のように、略円板状の旋回端板31と、旋回端板31の一面に垂直に立設される旋回側ラップ33からなる。旋回側ラップ33は、固定側ラップ27の形状を径方向に180度反転させたものとなっており、その他については、吐出口25Aが設けられていないことを除いて前記固定側ラップ27と略共通の形状となっている。また、旋回側ラップ33のチップ面35には、チップシール35aが埋設されている。
固定スクロール23および旋回スクロール21は、その中心が旋回半径だけ離間するとともに、固定側ラップ27および旋回側ラップ33の位相が180°ずらされた状態で噛合されて組み付けられている。これにより、固定側ラップ27と旋回側ラップ33との間で密閉空間である圧縮室37が画定される。
吸入口39から導入された作動ガスは、図1の吸入チャンバー41を介して圧縮室37に導入される。そして、旋回スクロール21は自転せずに180°の位相のズレを保ったまま旋回(公転旋回)することで、圧縮室37の体積が徐々に減少し、これに伴って、圧縮室37内に封入されている作動ガスが圧縮されていく。そして、圧縮された高圧ガスは、前記吐出口25Aから吐出チャンバー43を介して外部へ吐出されるようになっている。なお、旋回スクロール21の自転を阻止するための自転阻止機構45が設けられている。
以上のスクロール圧縮機1の固定スクロール23および旋回スクロール21はともに樹脂によって形成されている。
図4は、固定スクロール23および旋回スクロール21の断面形状を示し、固定側ラップ27および旋回側ラップ33の少なくともいずれか一方には、連続繊維47に樹脂を含浸した少なくとも1層以上のプリプレグを積層することで形成されるプリプレグシート部材49がインサートされて、連続繊維部51を形成している。
一方、図4で示すように、固定側ラップ27および旋回側ラップ33におけるプリプレグシート部材49以外の旋回端板31や固定端板25の部分は、短繊維若しくは長繊維の不連続繊維53を樹脂で被覆した不連続繊維樹脂によって不連続繊維部55を形成している。
なお、プリプレグとは、既に説明したが、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸した成形中間品であり、一般にシート状をなしている。
本発明の不連続繊維樹脂及び続繊維樹脂における繊維材料及びマトリックス樹脂材料としては次の材料を用いる。
強化繊維としては、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、高強度ポリエステル繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維などの各種の無機繊維及び有機繊維、またはこれらを組み合わせたものを用いることができる。中でも比強度および比弾性に優れる点から炭素繊維が特に好ましい。
また、本発明のマトリックス樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィンや、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルニトリル、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、液晶ポリマーなどの結晶性樹脂、スチレン系樹脂の他や、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレートなどの非晶性樹脂、その他、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール(レゾール型)樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。なお、これらの共重合体、変性体、および/または、これらの2種以上をブレンドした樹脂などを適用しても良い。
繊維の長さとしては、平均繊維長が0.5〜1mm程度の短繊維、または1〜10mm程度の長繊維が用いられて成形される。そして成形後にこれら短繊維、長繊維の配向は一定性を有せずに任意の方向に配向されて不連続性を有している。
これに対して前述した連続繊維樹脂は、繊維長さが10mmを超えて、繊維の配向が一定の方向性を有して連続して配列されているものである。
本実施形態のスクロール回転体としての固定スクロール23及び旋回スクロール21を構成する連続繊維樹脂としては、具体的には繊維が炭素繊維もしくはガラス繊維であり、マトリックス樹脂がポリアミド、変性ポリアミド、もしくはポリエーテルエーテルケトン等の組み合わせである。
また、不連続繊維樹脂としては、具体的には、繊維が炭素繊維もしくはガラス繊維で、その長さが0.5〜9mmの長繊維であり、マトリックス樹脂としては、ポリアミド、変性ポリアミド、もしくはポリエーテルエーテルケトン等の組み合わせである。
図2は、本実施形態における固定スクロール及び旋回スクロールにおけるスクロール部の概略横断面図である。
連続繊維部51は、固定側ラップ27及び旋回側ラップ33ともにその腹面側ラップ面27a、33aにのみ形成されるか、又は固定側ラップ27及び旋回側ラップ33ともにその背面側ラップ面27b、33bにのみ形成されている。
図3に示す実施形態では、連続繊維部51が固定側ラップ27及び旋回側ラップ33の腹面側ラップ面27a、33aだけに形成されている例を示す。
なお、連続繊維部51は、プリプレグシート部材49をインサートする位置に応じて配置できるため、腹面側ラップ面27a、33aにのみ、または、背面側ラップ面27b、33bにのみ形成されているだけでなく、両面側に配置してもよい。
この図3のように、固定側ラップ27及び旋回側ラップ33ともにその腹面側ラップ面27a、33aにのみ、連続繊維部51が形成されると、旋回スクロール21の公転旋回時に連続繊維部51が形成されたラップ面(図2、3の腹面側ラップ面27a、33a)と不連続繊維部55が形成されたラップ面(図2、3の背面側ラップ面27b、33b)とが接触するように構成された樹脂製のスクロール圧縮機1が提供される。
このように、旋回スクロール21の公転旋回時に連続繊維部51が形成されたラップ面(図2、3の腹面側ラップ面27a、33a)と不連続繊維部55が形成されたラップ面(図2、3の背面側ラップ面27b、33b)とが接触するように構成されるため、不連続繊維部55側の樹脂の方がより摩耗し易く構成されている。このように、不連続繊維部55の方が連続繊維部51よりも優先的に摩耗する構成とすることで、連続繊維部51の連続繊維47が摩耗によって切断するのを防ぐことができる。連続繊維部51は不連続繊維部55と比べて高い強度を発揮することが要求されるため、このような構成はスクロール部材の耐久性を向上させる上で効果的である。
連続繊維部51の連続繊維47の配向は、固定側ラップ27及び旋回側ラップ33の高さ方向、周方向、それらを組み合わせた方向、その他任意の方向でもよく、連続繊維部51をインサートする箇所に応じて設定可能である。
また、連続繊維部51をラップ面に形成することで、連続繊維部51をラップ面ではなくラップ部の内部に形成する場合と比べて、プリプレグシート部材49を金型の空洞部内に保持する際の位置決めを容易に行うことができるため、製造性に優れている。
次に、以上の固定スクロール23、および旋回スクロール21の製造方法について図5A〜5E、図6、7を参照して説明する。
全体の製造工程の流れは、図7のフローチャートに示すように、開始するとまずステップS1において、プリプレグシートカッティングし、プリプレグシート部材49を所定の形状にカットする。次にステップ2において、カッティングしたプリプレグシート部材49をインサートする形状に予備成形する。次にステップS3において、予備成形したプリプレグシート部材49を金型内にセットする。このセットの際には、プリプレグシート部材49に予熱を加えて、セットし易くするが、融点以下の冷間でセットする。その後、ステップS4で、不連続繊維としての長繊維を樹脂で被覆したペレットを、射出成形機に供給して溶融樹脂として型内に射出充填し保圧し冷却する。そして、次のステップS5において、金型を開放して製品を取り出す。
次に、前記フローチャートの流れに沿った工程について、より詳細に説明する。
先ず、図5A(フローチャートのステップS1に相当)に示すように、プリプレグシート素材を所定枚数積層することで形成されるプリプレグシート原材を所定の形状にカットする。カット形状はインサートされるプリプレグシート部材49の展開形状であり、略長方形状をしており、長さH2はラップ全長に相当し、高さH1はラップ高さに相当する。また、突出部Vは、図5Aのラップ根本部に位置する箇所に設けられる屈曲部(当接部)56に相当する箇所を示している。
次に、図5B(フローチャートのステップS2に相当)に示すように、カットしたプリプレグシート部材49をローラ58等によって渦巻き状にプリフォーム(予備成形品)60を形成する。
プリプレグシート部材49を用いて、カットおよびローラ等で予備成形品を成形するため、簡単に予備成形品を製造できる。
次に、図5C(フローチャートのステップS3に相当)に示すように、渦巻き状にプリフォームしたプリプレグシート部材49を金型(可動金型64及び固定金型62)内に画定される空洞部70の所定位置に配置する。この時の空洞部70は、プリプレグシート部材49に含まれる樹脂の融点よりも低い温度雰囲気下にあり、含有樹脂が溶融することでプリプレグシート部材49が変形してしまうことがないように管理されている。
このため、予備成形品の形状が変形することなく位置決めできるので、インサート成形が容易となる。
空洞部70は、スクロール回転体の端板部(固定スクロール23の固定端板25及び旋回スクロール21の旋回端板31)に相当する第1キャビティ70aと、スクロール回転体のラップ部(固定スクロール23の固定側ラップ27及び旋回スクロール21の旋回側ラップ33)に相当する第2キャビティ(スクロールラップを成形するキャビティ)70bと、に区分される。
この図5Cに示すように、プリフォームされたプリプレグシート部材49は、ラップに相当する第2キャビティ70bの外周壁面71aに沿うようにして空洞部70に保持されている。
なお、図5Cにおける右側の図は、可動金型64及び固定金型62の縦断面図、左側の図は、可動金型64をB−B方向から視認した平断面図である。
図5CのC部の拡大図を図6に示す。
プリプレグシート部材49は、屈曲部56がプリフォームされた状態で金型内の空洞部70の第2キャビティ70bに挿入される。そして、屈曲部56の一面56aが空洞部70を画定する壁面71cの一部と当接した状態で、空洞部70に保持される。この時、空洞部70はプリプレグシート部材49に含まれる樹脂の融点よりも低い温度雰囲気下にあり、含有樹脂が溶融することでプリプレグシート部材49が変形してしまうことがないようになっている。
このようにプリプレグシート部材49を空洞部70に保持させる際に、プリフォームされた屈曲部56を位置決めに利用することで、別途位置決め用の治具などを用いずとも、プリプレグシート部材49を安定した状態で空洞部70内に保持させることが出来るため、製造性に優れている。
さらに、図6示すように屈曲部56の他面側56bから溶融樹脂が射出されるため、屈曲部56の一面56aで位置決めされたプリプレグシート部材49が、射出される溶融樹脂によって動いたり変形したりすることなく安定した状態で空洞部70に保持される。よって、出来上がり品の固定スクロール23(旋回スクロール21)は、寸法精度が高く、不良品率も低い。
次に、図5D(フローチャートのステップS4に相当)に示すように、可動金型64を固定金型62に向かって移動させて、固定金型62を締切る。そして、空洞部70を密閉した状態で、固定金型62側からスプルー62aを介して空洞部70に向かって溶融樹脂60Aを射出する。射出する溶融樹脂60Aには、上述した10mm未満の長さの不連続繊維53が含まれている。射出された溶融樹脂60Aに含まれている不連続繊維53は空洞部70において任意の方向に配向される。射出された溶融樹脂60Aの熱量によって、プリプレグシート部材49に含まれる樹脂の表面が溶融されて、プリプレグシート部材49が溶融樹脂と融着してインサートされる。
従って、プリフォームされたプリプレグシート部材49を金型にセットするときの金型内の空洞部70内の温度域は、前述したようにプリプレグシート部材49に含まれる樹脂の融点よりも低い温度雰囲気下にあるとともに、金型内に射出される溶融樹脂60Aの熱量により、プリプレグシート部材49に含まれる樹脂の表面が溶融される温度に管理される。これは、予め適切な温度に計算等によって求めて管理されている。
その後に、図5E(フローチャートのステップS5に相当)に示すように、溶融樹脂60Aを硬化させた後に、可動金型64を固定金型62から離して完成したスクロール回転体(固定スクロール23及び旋回スクロール21)を取り出す。射出される溶融樹脂60Aが熱可塑性樹脂の場合は、空洞部70を冷却することで溶融樹脂60Aを硬化させる。射出される溶融樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、空洞部を加熱することで溶融樹脂を硬化させてもよい。硬化した溶融樹脂60Aは、スクロール回転体の不連続繊維部55を構成する。また、硬化したプリプレグシート部材49は、スクロール回転体の連続繊維部51を構成する。
このように第1実施形態では、不連続繊維部55は、プリフォームされたプリプレグシート部材49が固定金型62と可動金型64とで形成された空洞部70の所定位置に保持された状態で、空洞部70に不連続繊維53を含有する溶融樹脂60Aを射出することで形成されたものである。このような実施形態によれば、プリフォームされたプリプレグシート部材49をインサートとする所謂インサート成形によって樹脂製のスクロール回転体(固定スクロール23および旋回スクロール21)を製造することができる。
また上述したように、プリプレグシート部材49を第2キャビティ70bの外周壁面71aに沿うように保持させることで、背面側ラップ面27b、33bに連続繊維部51が形成されたスクロール回転体(固定スクロール23および旋回スクロール21)を形成することができる。
プリプレグシート部材49を第2キャビティ70bの外周壁面71aと内周壁面71bとの中間に保持する場合と比べて、プリプレグシート部材49の位置決めを容易に行うことができる。
例えば、プリプレグシート部材49を、可動金型64内の第2キャビティ70bを画定する渦巻き状の外周壁面71aよりも自然状態における渦巻き径が大径となるようにプリフォームし、該プリプレグシート部材49を縮径した状態で空洞部70に保持されるように構成することで、別途位置決め用の治具などを用いずとも、プリプレグシート部材49を安定した状態で空洞部70に保持させることが可能となる。
また、プリプレグシート部材49を、第2キャビティ70bの内周壁面71bに沿うように保持させることで、腹面側ラップ面27a、33aに連続繊維部51が形成されたスクロール部材(固定スクロール23および旋回スクロール21)を形成することができる。この場合においても、上述した場合と同様に、プリプレグシート部材49を第2キャビティ70bの外周壁面71aと内周壁面71bとの中間に保持する場合と比べて、プリプレグシート部材49の位置決めを容易に行うことができる。
例えば、プリプレグシート部材49を可動金型64内の第2キャビティ70bを画定する渦巻き状の内周壁面71bよりも自然状態における渦巻き径が小径となるようにプリフォームし、該プリプレグシート部材49を拡径した状態で空洞部70に保持されるように構成することで、別途位置決め用の治具などを用いずとも、プリプレグシート部材49を安定した状態で空洞部70に保持させることが可能となる。
また、本実施形態では、図6のように、ラップ根本部に相当する空洞部70の入口部に当接するように、プリプレグシート部材49に屈曲部56を設けて、金型の空洞部70の壁面に沿ってプリプレグシート部材49を位置決めするので、安定した状態で空洞部70内に保持させることが出来るため、製造性に優れている。
さらに、図6に示すように屈曲部56の他面側56bから溶融樹脂が射出されるため、屈曲部56の一面56aで位置決めされたプリプレグシート部材49が、射出される溶融樹脂によって動いたり変形したりすることなく安定した状態で空洞部70に保持される。さらに、不連続繊維樹脂の充填に伴って、プリプレグシート部材49がラップの高さ方向に伸ばされるため、しわの発生が防止される。よって、出来上がり品の固定スクロール23(旋回スクロール21)は、寸法精度が高く、不良品率も低い。
(第2実施形態)
次に、図8、9を参照して第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、射出成形後に取り出されたスクロール回転体のラップ部を、研磨加工して寸法精度を高めるものである。
図8のフローチャートに示すように、ステップS11〜S15は、第1実施形態のステップS1〜S5と同様であり、ステップS16が追加されたものである。
このステップS16は成形品の仕上げ工程であり、取り出された成形品の寸法仕上げを行う。
図9に示すように、固定側ラップ27および旋回側ラップ33の少なくともいずれか一方と、固定側ラップ27および旋回側ラップ33におけるラップ面の仕上がり形状に対応して形成された渦巻き状の砥石面84a、84bを有するマスタースクロール80とが摺動自在に噛合された状態で、両者を相対的に旋回させることで行われる。
すなわち、マスタースクロール80の外周側に配向されている砥石面84aは、スクロール部材の腹面側ラップ面27a、33aの仕上がり形状に対応した渦巻き状に形成されている。一方、マスタースクロール80の内周側に配向されている砥石面84bは、スクロール部材の背面側ラップ面27b、33bの仕上がり形状に対応した渦巻き状に形成されている。そして、両者を相対的に旋回させることで、スクロール部材のラップ面がマスタースクロール80の砥石面84a、84bによって仕上がり形状に研磨加工されるようになっている。
このような実施形態によれば、固定側ラップ27および旋回側ラップ33の少なくともいずれか一方と、マスタースクロール80とを相対的に旋回させることでラップ面を研磨加工することができるため、製品の寸法精度が向上するため、プリプレグシート部材49のインサート精度や、不連続繊維樹脂の射出成形精度を高く要求しなくてよいため、製造コスト低減が達成でき製造性に優れている。
(第3実施形態)
次に、図10を参照して第3実施形態について説明する。
図10のように、ラップ部分を成形する金型の第2キャビティ70b内においては、連続繊維樹脂が形成される連続繊維部51側と接する面91Aと、不連続繊維部55側と接する面91Bとの部分に、それぞれ金型温度を制御する金型温度調整手段93が設けられている。
例えば、電気ヒータ95A、95Bが、それぞれの面に沿って埋め込まれている。連続繊維樹脂のマトリックス樹脂の熱膨脹係数と、不連続繊維樹脂のマトリックス樹脂の線膨脹係数とを基に、可動金型64内への不連続繊維樹脂の射出後に、連続繊維樹脂と不連続繊維樹脂との冷却による収縮量の差異を解消するように金型の温度を制御する制御装置97が設けられている。
制御装置97によって、熱収縮率が大きい樹脂材料を用いている方の冷却を緩やかに低下させるように、ヒータで加熱して、冷却速度を制御している。
このように、金型(可動金型64、固定金型62)への不連続繊維樹脂の射出後に、冷却してから製品を取り出す工程において、連続繊維樹脂と不連続繊維樹脂とに対応する金型の第2キャビティ70bの壁面温度を制御して、冷却時のそれぞれの樹脂の収縮量の差異を解消するので、固定側ラップ27および旋回側ラップ33の反りを防止できる。
すなわち、旋回端板31に垂直に立設される旋回側ラップ33の垂直度、および固定端板25に垂直に立設される固定側ラップ27の垂直度を正確に製造できるため、製品の品質の向上が図れる。
(第4実施形態)
次に、図11を参照して第4実施形態について説明する。
第1実施形態から第3実施形態までは、前述のようにスクロール回転体の例として説明したが、第4実施形態以降は、羽根車回転体を例として説明する。
図11は、流体機械の羽根車101を示し、該羽根車101は、エンジンに設けられる排気ターボ過給機の遠心圧縮機の羽根車を例として示すものである。
図11において、排気ターボ過給機の遠心圧縮機(コンプレッサ)103は、エンジンの排ガスによって駆動される図示しないタービンロータの回転力が、回転軸105を介して伝達されるようになっている。
この遠心圧縮機103は、回転軸105の回転軸線Mを中心として回転可能に羽根車101がコンプレッサハウジング109内に支持されている。圧縮される前の吸気ガス、例えば空気を羽根車101に導く吸気通路111が回転軸線M方向に、且つ同心軸状に円筒形状に延びている。そして、該吸気通路111に繋がる吸気口113が吸気通路111の端部に開口している。
羽根車101の外側には回転軸線Mと直角方向に延びるディフューザ115が形成され、該ディフューザ115の外周側には渦巻状の空気通路117が設けられている。この渦巻状の空気通路117は、コンプレッサハウジング109の外周部分を形成している。
また、羽根車101には、回転軸線Mを中心に回転駆動されるハブ部119と、該ハブ部119の外周面上に複数枚の翼部121とが設けられている。ハブ部119の内周穴120には金属製の回転軸105が圧入嵌合して結合されている。
また、翼部121は、回転駆動されることによって、空気を吸気口113から吸込み、吸気通路111を通った空気を圧縮するものであり、形状については特に限定するものではない。このため、短翼と長翼とが植設されるスプリッタブレードであってもよい。
また、翼部121には、上流側の縁部である前縁121aと、下流側の縁部である後縁121bと、径方向外側の縁部である外周縁(外周部)121cとがそれぞれ形成され、この外周縁121cは、コンプレッサハウジング109のシュラウド部123によって覆われた側縁の部分をいう。そして、外周縁121cは、シュラウド部123の内表面の近傍を通過するように配置されている。
コンプレッサ103の羽根車101は、回転軸105の回転駆動力によって、回転軸線Mを中心として回転駆動される。そして、吸気口113から外部の空気が引き込まれて、羽根車101の複数枚の翼部121間を流れて、主に動圧が上昇されたけ後に、径方向外側に配置されたディフューザ115に流入して、動圧の一部が静圧に変換されて圧力が高められて渦巻状の空気通路117を通って排出される。そして、内燃機関に加圧された空気が供給されるようになっている。
羽根車101は、前述のように、回転軸105に取り付けられて回転されるハブ部119と、該ハブ部119の外周面上に設けられ複数枚の翼部121とから成っており、この翼部121は、短繊維若しくは長繊維の不連続繊維122を樹脂で被覆した不連続繊維樹脂によって不連続繊維部129を形成している。
また、ハブ部119は、連続繊維124(124a、124b)に樹脂を含浸した少なくとも1層以上のプリプレグを積層することで形成されたプリプレグシート部材125a、及びプリプレグテープ部材125bがインサートされて形成された連続繊維部151によって形成されている。
この不連続繊維部129および連続繊維部151は既に第1実施形態で説明した不連続繊維部55および連続繊維部51と同様であり、マトリックス樹脂および繊維材料についても前記例示したものが用いられる。
図11に示すように羽根車101のハブ部119の部分は、連続繊維124(124a、124b)に樹脂を含浸した少なくとも1層以上のプリプレグを積層することで形成されるプリプレグシート部材125a、プリプレグテープ部材125bがインサートされた連続繊維部151によって形成されている。
ハブ部119の背板131の部分は、円盤状に形成されたプリプレグシート部材125aによって形成されている。そして、この円盤状に形成されたプリプレグシート部材125aは、例えば炭素繊維が、図13のL1〜L4で示す直線状の連続繊維124aの方向、つまりそれぞれ45°方向に交差するように4方向に配向されて形成されている。
網の目状に織られて形成されているか、または、織られていなくてもプリプレグ素材シートを複数枚重ねて、円盤状のプリプレグシート部材125aを形成する際に、プリプレグ素材シートにおける繊維の配向がそれぞれ45°方向に交差するようにして重ね合わせてもよい。
なお、配向については、少なくとも45°方向に4方向配置されていればよく、これより狭い角度で交差する繊維がさらに配置されて、4方向以上の配向を有していてもよい。
また、背板131以外のハブ部119の部分は、図13のL5で示す周方向の連続繊維124bの方向に配向される。周方向の連続繊維124bに樹脂を含浸した少なくとも1層以上のプリプレグテープからなるプリプレグテープ部材を回転軸105の周りに巻き付けて形成される。
このように、不連続繊維を含む樹脂と、連続繊維を含む樹脂とを組み合わせて羽根車101が形成されるため、軽量で高強度の羽根車を形成できる。
さらに、背板131を構成する、円盤状のプリプレグシート部材125aは、連続繊維は回転軸105に直角方向の面において少なくともそれぞれ45°に交差して4方向の配向を有しているので、遠心応力や周方向応力に対して、連続繊維が強度を高める方向に作用して背板131、さらにはハブ部119全体の強度を向上することができ、高い耐久性を実現できる。
図12は、図11のハブ部119の背板131を矢印Z方向から見た背面視図を示す。図12のように、ハブ部119の中心側では回転軸105からの回転力が作用するため周方向応力が大きく現れ、中央部分では遠心力による径方向応力が大きく現れ、外周側では翼の付け根での翼の倒れ込みによる影響で周方向応力が大きく現れる。このように、種々の方向の応力が混在するため、強度確保の上で、回転軸105の直角面において少なくとも45°に交差するように4方向の配列を有することによって、背板131の強度確保を効果的に行うことができる。
特に、背板131の外周はハブ部119の外径が最も大きくなる形状が多いため、この背板131部分を連続繊維部151で補強して強度を高めることはハブ部119全体の強度向上に効果的である。
次に、このような羽根車101の製造方法について図14A〜14Eを参照して説明する。
製造方法の主な流れは、図7のフローチャートで既に説明したものと同様である。
図14A(フローチャートのステップS1に相当)に示すように、まず、プリプレグ素材シートを複数枚、繊維方向が所定方向を指向するように重ね合わせて形成されたプリプレグシート部材125から、所定の径の円盤状のプリプレグシート部材125aにカッティングする。背板131の形状に沿った径を1枚若しくは複数枚切り出す。
また同時に、回転軸105の周りに巻き付けて、周方向に連続繊維が配向されるように、連続繊維124に樹脂を含浸した少なくとも1層以上のプリプレグテープからなるプリプレグテープ部材125bを準備する。
なお、プリプレグシート部材125aは、具体的には、連続した炭素繊維に熱可塑性樹脂を含浸してシート状になったプリプレグ素材シート(例えば厚さ15〜500μm)を複数枚、繊維方向が所定方向を指向するように重ね合わせて、ある程度の厚み(例えば0.5〜4.5mm)を有したシート部材として形成したものである。
次に、図14B(フローチャートのステップS2に相当)に示すように、ハブ部119をプリフォーム(予備成形)する。
まず、プリプレグテープ部材125bを回転軸に相当する治具の周りに巻きつける。次に、機械加工によって、ハブ部119の外形形状に合うように切断して形状を整える。次に、前述の円盤状のプリプレグシート部材125aによって形成された背板131の部分を回転軸に相当する治具に挿入する。次に、背板131の円盤状のプリプレグシート部材125aの部分と、背板131以外のプリプレグテープ部材125bの部分とを重ね合わせて、ホットプレスで一体化して、プリフォーム(予備成形品)110を製造する。
このプリフォームは、別工程で製造しても、次の金型へのセット時に射出成形機128の金型130(可動金型130a、固定金型130b)内にて、前記背板131の部分と、それ以外の部分とを重ね合わせてセットし、背面側から減圧するとともに、可動金型130aを可動して型締めして型内でプリフォーム(予備成形)してもよい(図14Cの図面は金型内でのプリフォームする場合の概要を示す)。
次に、図14C(フローチャートのステップS3に相当)に示すように、金型130内、または別工程でプリフォームされた連続繊維樹脂で形成されたハブ部119を、金型130内にセットする。このセットの際には、金型内の温度が連続繊維樹脂のマトリックス樹脂の融点以下の温度にしておくことで、金型内でプリフォームの形状が変形せずに位置決めが確保できので、インサート成形が可能になる。
次に、図14D(フローチャートのステップS4に相当)に示すように、可動金型130aを固定金型130bに向かって移動させて、固定金型130bを締切る。そして、密閉した状態で、固定金型130b側からスプルー132を介して空洞部に向かって溶融樹脂134を射出する。射出する溶融樹脂134には、上述した10mm未満の長さの不連続繊維122が含まれている。
射出された溶融樹脂134に含まれている不連続繊維122は、空洞部において任意の方向に配向される。
そして、最後に、図14E(フローチャートのステップS5に相当)に示すように、溶融樹脂134を硬化させた後に、可動金型130aを固定金型130bから離して完成した羽根車101の回転体を取り出す。
なお、射出される溶融樹脂134が熱可塑性樹脂の場合は、空洞部を冷却することで溶融樹脂134を硬化させる。射出される溶融樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、空洞部を加熱することで溶融樹脂を硬化させてもよい。硬化した溶融樹脂134は、スクロール回転体の不連続繊維部129を構成する。また、硬化したプリプレグシート部材125aは、ハブ部119の背板131の連続繊維部151を構成し、硬化したプリプレグテープ部材125bは、ハブ部119の背板131部分以外の連続繊維部151を構成する。
このように、不連続繊維部129が、プリフォームされたハブ部119が金型130a、130b内の空洞部の所定位置に保持された状態で、空洞部に不連続繊維122を含有する溶融樹脂134を射出することで、羽根車101が形成される。
ハブ部119はプリプレグシート部材125aを回転軸方向に積層して形成されるとともに、プリプレグテープ部材125bを回転軸周りに巻きつけて形成されるため、ハブ部119の連続繊維樹脂による製造が容易となる。
また、翼部121に対しては、長繊維の不連続繊維樹脂による射出成形で製造するため、翼部121の複雑な形状に対しても、製造可能となり、強度を確保した翼部121の製造が容易に行われる。
(第5実施形態)
次に、図15を参照して第5実施形態について説明する。
図15に示すように、ハブ部133を構成する連続繊維樹脂の繊維の配向が、全て回転軸105の回転軸線Mに対して直角方向に向いたプリプレグシート部材125aによって形成されるものである。
製造方法は、図14Bのプリフォームの作成の際に、ハブ部119の全体、すなわち軸方向の全体を、回転軸方向に複数の径の異なる円盤状のプリプレグシート部材125aを積層して形成する。このため、製造が容易となる。
また、直線状の連続繊維124aは回転軸105に直角方向の面において少なくともそれぞれ45°に交差して4方向の配向を有している。
円盤状のプリプレグシート部材125aは、遠心応力や周方向応力に対して、連続繊維124aが強度を高める方向に作用して背板131、さらにはハブ部119全体の強度を向上することができ、高い耐久性を実現できる。
(第6実施形態)
次に、図16を参照して第6実施形態について説明する。
図16に示すように、回転軸135は、ハブ部136の先端部136aと翼部121と不連続繊維122によって金型内の射出成形時に一体成形されて一体回転軸を形成している。
このように、回転軸135とハブ部136とを一体成形されて一体化することによって、回転軸の羽根車への圧入等による取り付け作業を別途行わずに済み、羽根車を備えた圧縮機やタービンの組立工数を低減できる。
本発明によれば、流体機械の回転体、特にスクロール回転体や羽根車を、連続繊維樹脂と不連続繊維樹脂とを組み合わせたハイブリッド複合材料によって製造可能として、軽量化および強度を確保した複合材製の回転体を得ることができるので、送風機や圧縮機やポンプ、または、水車やタービン等の流体機械の回転体の樹脂化に対して適している。
1 スクロール圧縮機(流体機械)
23 固定スクロール(スクロール回転体)
21 旋回スクロール(スクロール回転体)
27 固定側ラップ(スクロールラップ)
33 旋回側ラップ(スクロールラップ)
27a、33a 腹面側ラップ面
27b、33b 背面側ラップ面
49 プリプレグシート部材
47、124(124a、124b) 連続繊維
51、151 連続繊維部
53、122 不連続繊維
55、130 不連続繊維部
56 屈曲部(当接部)
60、110 プリフォーム(予備成形品)
62、130b 固定金型
64、130a 可動金型
80 マスタースクロール
84a、84b 砥石面
101 羽根車(羽根車回転体)
103 遠心圧縮機(流体機械)
105、135 回転軸
119、133、136 ハブ部
120 内周穴
121 翼部
125 プリプレグ部材(プリプレグ)
125a、49 プリプレグシート部材
125b プリプレグテープ部材
130 金型
131 背板
135 回転軸
L1〜L4 直線状連続繊維の配向
L5 円周方向連続繊維の配向

Claims (5)

  1. 回転軸に取り付けられるハブ部と、該ハブ部の外周面に設けられる複数枚の翼部とを含む、遠心流体機械の羽根車回転体の製造方法であって、
    連続繊維に樹脂を含浸した連続繊維樹脂からなるプリプレグ部材を予備成形することで前記ハブ部に相当する部分を形成する予備成形工程と、
    前記羽根車回転体の前記ハブ部に相当する空間を有する第1キャビティ、及び、前記第1キャビティと連通する第2キャビティであって前記羽根車回転体の前記翼部に相当する空間を有する第2キャビティ、を含む空洞部を内部に画定する金型、を準備する準備工程と、
    前記予備成形された前記プリプレグ部材を、前記連続繊維に含浸された前記樹脂の融点未満の温度域に管理されている前記金型内の前記第1キャビティにセットするセット工程と、
    その後、前記金型内に溶融した不連続繊維樹脂を射出して前記プリプレグ部材を該不連続繊維樹脂と融着させる射出工程と、を備え
    前記プリプレグ部材は、
    前記連続繊維が複数方向に配向されるプリプレグシート部材と、
    前記連続繊維が長手方向に沿って配向されるプリプレグテープ部材と、を含み、
    前記予備成形工程は、
    少なくとも1枚の前記プリプレグシート部材を積層して、前記ハブに相当する部分の内、前記ハブの背板に相当する部分を形成する工程と、
    前記回転軸の周りに前記連続繊維を配向するように、前記回転軸に前記プリプレグテープ部材を巻き付けて、前記ハブに相当する部分の内、前記背板に相当する以外の部分を形成する工程と、
    前記背板に相当する部分と、前記背板に相当する以外の部分とを一体化する工程と、を含む
    流体機械の羽根車回転体の製造方法。
  2. 回転軸に取り付けられるハブ部と、該ハブ部の外周面に設けられる複数枚の翼部とを含む、遠心流体機械の羽根車回転体の製造方法であって、
    連続繊維に樹脂を含浸した連続繊維樹脂からなるプリプレグ部材を予備成形することで前記ハブ部に相当する部分を形成する予備成形工程と、
    前記羽根車回転体の前記ハブ部に相当する空間を有する第1キャビティ、及び、前記第1キャビティと連通する第2キャビティであって前記羽根車回転体の前記翼部に相当する空間を有する第2キャビティ、を含む空洞部を内部に画定する金型、を準備する準備工程と、
    前記予備成形された前記プリプレグ部材を、前記連続繊維に含浸された前記樹脂の融点未満の温度域に管理されている前記金型内の前記第1キャビティにセットするセット工程と、
    その後、前記金型内に溶融した不連続繊維樹脂を射出して前記プリプレグ部材を該不連続繊維樹脂と融着させる射出工程と、を備え
    前記プリプレグ部材は、前記連続繊維が複数方向に配向されるプリプレグシート部材を含み、
    前記予備成形工程は、複数の径の異なる前記プリプレグシート部材を前記回転軸の方向に沿って積層することで前記ハブに相当する部分の全体を形成する工程を含む
    流体機械の羽根車回転体の製造方法。
  3. 前記回転軸が、前記翼部とともに前記不連続繊維樹脂によって一体成形される請求項2記載の流体機械の羽根車回転体の製造方法。
  4. 前記プリプレグ部材を前記金型の前記第1キャビティ内にセットするときの前記金型内の温度域を、前記金型内の前記空洞部に射出される前記溶融した不連続繊維樹脂の熱量により、前記連続繊維に含浸された前記樹脂の表面が溶融される温度に管理する請求項1乃至3の何れか1項に記載の流体機械の羽根車回転体の製造方法。
  5. 前記射出工程の後に、前記金型内から前記羽根車回転体を取り出す工程を更に有するとともに、該取り出す工程において、前記連続繊維樹脂と不連続繊維樹脂との冷却による収縮量の差異を解消するように、前記連続繊維樹脂と不連続繊維樹脂とに対応する金型温度制御する請求項1乃至4の何れか1項に記載の流体機械の羽根車回転体の製造方法。
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