以下、ウエハ情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態におけるウエハ情報処理装置1000のブロック図である。
ウエハ情報処理装置1000は、欠陥回転距離情報格納部101、変換部102、形状取得部103、及び出力部104を備える。
本実施の形態におけるウエハは、例えば円形のウエハである。ただし、エッジの一部にオリフラ(オリエンテーションフラット)部や、ノッチ部(図示せず)等の切り欠き部を有していても良い。ウエハのエッジとは、例えば、ウエハの周縁部である。ウエハの材質や組成等は問わない。
欠陥回転距離情報格納部101には、複数の欠陥回転距離情報が格納される。欠陥回転距離情報は、ウエハを回転させた場合の、回転角度と、回転角度に対応したウエハの距離情報とを対応づけて有する情報であって、エッジの欠陥部分に対応した情報である。欠陥回転距離情報は、例えば、欠陥部分の回転角度と距離情報とを有する情報と考えてもよい。
距離情報は、ウエハの回転中心からエッジまでの距離に関する情報である。距離情報は、例えば、ウエハの回転中心を一端とした予め指定された線分が、ウエハのエッジと重なる位置までの距離に関する情報である。距離情報は、例えば、ウエハの回転中心からエッジまでの距離である。距離情報は、例えば、ウエハの回転中心を一端とした予め指定された線分上に、この線分に沿って配置されたラインセンサ等のエッジを検出するためのセンサ(図示せず)を用いて取得されたエッジの位置に関する測定値や、その測定値を用いて取得された値である。
なお、距離情報は、エッジを検出するために用いられるセンサ(図示せず)の基準となる位置(例えば、0点)等から、エッジまでの位置を示す情報等としても良い。また、エッジを検出するために用いられるセンサの、エッジを検出した部分、例えば、エッジを検出した素子やその配列位置等を示す情報であってもよい。また、距離情報は、ウエハの回転中心からウエハのエッジまでの距離から、予め指定された距離を減算した距離の情報であっても良い。
エッジの欠陥部分とは、ウエハのエッジのバリやチッピング、ゴミ等の存在する部分である。チッピングとは、例えば、ウエハのエッジの割れや欠け等の欠損部である。
エッジの欠陥部分に対応した情報とは、例えば、ウエハのエッジに存在する欠陥部分の情報や、欠陥部分について取得された情報であることを意味している。エッジの欠陥部分に対応した回転角度と距離情報とを対応づけて有する情報とは、例えば、ウエハのエッジに存在する欠陥部分の距離情報と回転角度との対を有する情報や、ウエハのエッジに存在する欠陥部分において取得された距離情報と回転角度との対を有する情報である。
通常、欠陥回転距離情報格納部101には、一の欠陥部分に対して、複数の欠陥回転距離情報が対応づけられて格納されている。例えば、欠陥回転距離情報格納部101には、1または2以上の欠陥部分毎に、複数の欠陥回転距離情報がそれぞれ格納される。例えば、欠陥回転距離情報格納部101には、一の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報が、この欠陥部分を示す識別子である欠陥識別子と対応づけて格納される。欠陥回転距離情報格納部101には、複数のウエハについての欠陥回転距離情報が格納されていてもよい。この場合、欠陥回転距離情報は、ウエハの識別子であるウエハ識別子と、ウエハ内の欠陥を識別する欠陥識別子と対応づけられて欠陥回転距離情報格納部101に格納されていても良い。また、欠陥識別子が、異なるウエハの欠陥部分も識別可能な識別子である場合、欠陥回転距離情報は、欠陥識別子と対応づけられて欠陥回転距離情報格納部101に格納されていても良い。
欠陥回転距離情報格納部101に格納される欠陥回転距離情報がどのように取得されるものであるかは問わない。例えば、従来技術であるエッジ位置検出器(図示せず)等を用いて取得したウエハの回転角度と、この回転角度に対応する距離情報とを有する複数の回転距離情報を用いて取得された欠陥回転距離情報が、欠陥回転距離情報格納部101に蓄積される。
図2は、本実施の形態におけるウエハ情報処理装置1000の欠陥回転距離情報格納部101に格納される欠陥回転距離情報を取得するために用いられるエッジ位置検出器の一例を示す構成図である。
エッジ位置検出器5は、ウエハ10が載置されるターンテーブル52を回転させるためのターンテーブル回転機構53を備えており、ターンテーブル回転機構53は、電動機54により駆動される。ウエハ10のエッジ位置を検出する検出部55は、投光器55a及びセンサ55bを有する。センサ55bは、例えば光センサである。センサ55bは受光量に応じて出力が特定の関係を保ちながら連続的に変化するものであり、CCD(電荷結合素子)やPSD(Position Sensitive Detector)とよばれる入射光量に対して出力が直線的に変化するものが用いられる。検出部55のセンサ55bは、投光器55aから出射され、直下のウエハ10によって減量されて到達する光の量に応じた出力を発生する。この出力が、ウエハ10のエッジ位置を示すものとなる。エンコーダ56は、ターンテーブル52の回転角度に相当する電動機54の回転量を検出しデジタル信号を出力する。出力部57はセンサ55bの出力とエンコーダ56の出力とを1対のデータとしてターンテーブル52の一定回転角度毎に出力する。なお、出力部57はセンサ55bの出力を、ウエハ10の回転中心からエッジ11までの距離に換算して出力しても良い。ここでの出力は、外部の装置への送信や、記録媒体への蓄積や、表示等である。この具体例においては、この出力部57が、回転角度とセンサ55bの出力を、ウエハ10の回転中心からエッジ11までの距離に換算した距離情報との対を回転距離情報として、図示しない格納部等に蓄積するものとする。なお、センサ55bの出力がアナログ信号である場合には出力部57とセンサ55bとの間にA/D変換器等を設けておけばよい。
例えば、エッジ位置検出器5等が取得して出力した複数の回転距離情報から、ユーザが目視等により、距離情報の変化量が他の部分よりも大きい連続した回転距離情報、あるいは更にその前後に連続する回転距離情報を検出し、検出した複数の回転距離情報を、一の欠陥部分に対応した複数の欠陥回転距離情報として取得し、必要に応じて欠陥識別子等と対応づけて、欠陥回転距離情報格納部101に蓄積するようにしても良い。
連続した回転距離情報とは、例えば、連続した順番の複数の回転距離情報である。連続した回転距離情報とは、例えば、対応する回転角度が連続した順番を有している複数の回転距離情報である。回転距離情報とは、例えば、エッジ位置検出器5が取得した複数の回転距離情報から対応する回転角度の昇順または降順に沿って順番に取り出された回転距離情報である。連続した回転距離情報とは、例えば、対応する回転角度でソートして、ソートされた順番に取り出された回転距離情報である。あるいは、回転距離情報の取得順、あるいはその逆の順番で取り出された回転距離情報である。かかることは他においても同様である。
なお、回転角度の順番を考える場合においては、例えば、回転角度θは、適宜、回転角度θ+360×n(nは正または負の整数)として扱うようにしてもよい。
また、欠陥部分においては、ウエハの他の円周部分に比べて距離情報の変化量がきわめて大きくなることを利用して、図示しない情報処理装置等や、ウエハ情報処理装置1000が有している図示しない処理部等が、エッジ位置検出器5等が取得して出力した回転距離情報を用いて、エッジの欠陥部分を検出しても良い。例えば、エッジ位置検出器5等が取得して出力した回転距離情報について、情報処理装置等が、距離情報の値の変化率が、予め指定された一定の値よりも高い値となった部分を、欠陥部分の両端として検出し、検出した範囲内の回転角度に対応づけられた複数の回転距離情報を、複数の欠陥回転距離情報として取得するようにしてもよい。そして、取得した複数の欠陥回転距離情報を、必要に応じて欠陥識別子等と対応づけて、欠陥回転距離情報格納部101に蓄積するようにしても良い。予め指定された一定の値とは、例えば、ウエハの回転中心が、ウエハの中心からずれていることによる距離情報の変化の最大値等である。
また、例えば、図示しない情報処理装置等が、エッジ位置検出器5等が取得した回転距離情報に対して2階微分等を行って距離情報の値の変化率の変化が大きい位置、例えば、距離情報の値の変化率についての変化率が、予め指定された閾値よりも高い位置を、欠陥部分の両端の位置として検出するようにし、検出した回転角度で挟まれた部分を欠陥部分と判断して、この部分に対応する回転距離情報を欠陥回転距離情報として取得して、欠陥回転距離情報格納部101に蓄積するようにしても良い。ここでの位置とは、例えば回転角度である。
なお、上記において、ユーザによる目視等に応じて欠陥回転距離情報を取得する際や、情報処理装置(図示せず)等が欠陥回転距離情報を取得する際においては、例えば、ウエハのオリフラ部やノッチ部等の切り欠き部に対応した連続した回転距離情報は、欠陥回転距離情報として取得しないようにする。欠陥回転距離情報として取得しない、ということは、切り欠き部に対応した連続した回転距離情報を検出しないことと考えてもよい。切り欠き部に対応した連続した回転距離情報を、欠陥回転距離情報として取得しないようにする方法等は問わない。通常、ウエハにおいては、切り欠き部の距離(回転角度の範囲)は、欠陥部分より長く、その長さも既知の値であるため、例えば、予め指定された長さ、もしくは長さ以上の距離情報の変化量が大きい部分を検出しないようにすることで、切り欠き部に対応する回転距離情報を、欠陥回転距離情報として取得しないようにすることができる。
なお、ここでの蓄積とは、一時記憶も含む概念である。欠陥回転距離情報格納部101は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。かかることは、以下の格納部等においても同様である。
変換部102は、複数の欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行う。例えば、変換部102は、複数の欠陥回転距離情報に含まれる回転角度と対応づけられた連続した複数の距離情報に対して、フーリエ変換を行う。変換部102は、例えば、一の欠陥部分に対応した連続した複数の欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行う。また、変換部102は、例えば、2以上の欠陥部分にそれぞれ対応した連続した複数の欠陥回転距離情報について、欠陥部分毎にフーリエ変換を行う。変換部102は、例えば、1または2以上の欠陥識別子にそれぞれ対応づけられた複数の欠陥回転距離情報について、欠陥識別子毎にそれぞれ個別にフーリエ変換を行う。欠陥回転距離情報を用いてフーリエ変換を行うことは、欠陥回転距離情報の一部だけ、例えば距離情報だけを用いてフーリエ変換を行うことと考えてもよい。変換部102が行うフーリエ変換は、例えば、離散フーリエ変換である。回転角度と対応づけられた距離情報に対してフーリエ変換を行うということは、回転角度に応じて変化する距離情報の波形に対してフーリエ変換を行うことと考えてもよい。変換部102が取得するフーリエ変換結果は、例えば、空間周波数毎の虚部(虚数部)と実部(実数部)のそれぞれの係数の値である。なお、フーリエ変換については公知技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、連続した欠陥回転距離情報とは、例えば、連続した順番の複数の欠陥回転距離情報である。連続した欠陥回転距離情報とは、具体的には、対応する回転角度が連続した順番を有している複数の欠陥回転距離情報である。連続した欠陥回転距離情報とは、例えば、複数の欠陥回転距離情報から、この欠陥回転距離情報が有する回転角度の昇順または降順に沿って順番に取り出された欠陥回転距離情報である。連続した欠陥回転距離情報とは、例えば、対応する回転角度でソートして、ソートされた順番に取り出された欠陥回転距離情報である。また、エッジ位置検出器5等が距離情報を取得した取得順、あるいはその逆の順番で取り出された欠陥回転距離情報であってもよい。かかることは他の連続した距離情報等においても同様である。
また、連続した複数の距離情報とは、例えば、対応づけられている回転角度の順番が連続した複数の距離情報である。回転角度の順番とは、回転角度の昇順または降順である。連続した距離情報とは、例えば、複数の欠陥回転距離情報から、この欠陥回転距離情報が有する回転角度の昇順または降順に沿って順番に取り出された距離情報である。
変換部102は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。変換部102の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
形状取得部103は、変換部102が複数の欠陥回転距離情報について取得したフーリエ変換の結果(以下、フーリエ変換結果と称す)を用いて、この複数の欠陥回転距離情報に対応するエッジの欠陥部分についての形状関連情報を取得する。形状取得部103は、例えば、変換部102が1または2以上の欠陥部分にそれぞれ対応する複数の欠陥回転距離情報について取得したフーリエ変換の結果を用いて、各欠陥部分についての形状関連情報を取得する。
形状関連情報とは、欠陥部分の形状に関する情報である。ここでの形状とは、例えば、欠陥部分のエッジの平面形状である。形状関連情報は、例えば、欠陥部分の形状の属性値や、形状の特徴を示す情報である。形状関連情報は、例えば、欠陥部分の形状を特定可能な情報であっても良い。形状関連情報は、例えば、欠陥部分の単なる幅や深さ、高さ、面積、位置等の情報は含まなくても良い。形状関連情報は、例えば、欠陥部分の凹凸を示す情報である。また、形状関連情報は、欠陥部分の大きさの偏りを示す情報である。また、形状関連情報は、欠陥部分の形状のなめらかさを示す情報である。また、形状関連情報は、形状の種類を示す情報である。形状関連情報の例については後述する。
フーリエ変換結果を用いて形状関連情報を取得するということは、例えば、フーリエ変換結果が、予め指定された条件を満たすか否かを判断し、その判断結果に応じた形状関連情報を取得することである。なお、判断結果に応じた形状関連情報を取得するということは、例えば、判断結果に応じて、形状関連情報を取得しない場合も含むことと考えてもよい。形状取得部103が取得する取得関連情報は、例えば、予め指定された条件と、その条件により判断される判断結果との組み合わせにより決定される。
なお、取得する形状関連情報は、例えば、形状関連情報を取得するための条件や判断結果等と対応づけて予め図示しない格納部等に蓄積しておき、判断結果等に応じて適宜読み出すようにすればよい。
形状取得部103は、例えば、一の欠陥部分について取得したフーリエ変換結果を用いて、一の形状関連情報を取得しても良いし、複数の形状関連情報を取得するようにしてもよい。形状取得部103は、例えば、一の欠陥部分について取得したフーリエ変換結果について、複数の異なる予め指定された条件を用いた判断処理をそれぞれ行って、複数の形状関連情報を取得してもよい。異なる条件を用いた判断処理により得られた形状関連情報は、異なる形状関連情報であってもよいし、重複する形状関連情報であっても良い。
形状取得部103は、例えば、フーリエ変換結果として得られた1または2以上の空間周波数と対応づけられた実部(実数部)の係数の値と、虚部(虚数部)の係数の値との一方または両方を用いて、形状関連情報を取得する。例えば、形状取得部103は、一の欠陥部分について取得されたフーリエ変換結果の1または2以上の予め指定された空間周波数の実部の値が、予め指定された第一の条件を満たした場合、第一の形状関連情報を取得し、予め指定された第二の条件を満たした場合、第二の形状関連情報を取得する。また、いずれの条件も満たさなかった場合、形状関連情報を取得しない。
形状関連情報は、例えば、欠陥部分の形状に関する情報である。形状関連情報は、例えば、欠陥部分の形状を示す1または2以上の属性値であってもよい。また、形状関連情報は、例えば、欠陥部分の形状の1または2以上の特徴を示す情報であってもよい。また、形状関連情報は、欠陥部分の形状の傾向や、欠陥部分の形状を推定する情報であっても良い。形状関連情報は、例えば、形状に関する文字列の情報である。
形状関連情報は、例えば、エッジの欠陥部分の凹凸を示す情報である。凹凸を示す情報とは、例えば、欠陥部分が、凹形状であるか凸形状であるかを示す情報である。凹形状とは、例えば、ウエハ内側に向かってくぼんだ形である。凸形状とは、例えば、ウエハの外側に向かって突起した形である。凸形状は、ウエハの外側に向かってふくらんでいる形と考えてもよい。凹形状の欠陥部分とは、例えば、チッピング等である。また、凸形状の欠陥部分とは、例えばバリ等である。なお、エッジがウエハの内側に向かって凸となる形状を有している欠陥部分を、凹形状の欠陥部分と考えてもよい。
また、形状関連情報は、例えば、エッジの欠陥部分のなめらかさを示す情報であってもよい。なめらかさを示す情報は、具体的には、欠陥部分のエッジがなめらかな形状であるか否かを示す情報である。欠陥部分がなめらかな形状であるということは、例えば、欠陥部分に変動幅の大きな起伏が少ないことである。欠陥部分がなめらかな形状であるということは、例えば、欠陥部分に角がないことと考えてもよい。欠陥部分がなめらかな形状であるということは、例えば、欠陥部分が、曲線で構成されることと考えてもよい。
また、形状関連情報は、例えば、エッジの欠陥部分の角の多さを示す情報と考えてもよい。角の多さを示す情報は、角が予め指定された閾値以上あるか否かを示す情報であっても良い。
また、形状関連情報は、例えば、エッジの欠陥部分の形状の種類を示す情報であっても良い。形状の種類を示す情報は、例えば、欠陥部分がp(pは3以上の整数)角形形状であること、あるいはp角形形状でないことを示す情報である。また、形状の種類を示す情報は、例えば、欠陥部分が、折り返し数が予め指定された数以上のジグザグ型であることを示す情報であってもよい。形状の種類は、形状の分類と考えてもよい。
また、欠陥部分の凹凸を示す形状関連情報は、例えば、エッジの欠陥部分の大きさの偏りを示す情報であってもよい。偏りを示す情報は、単に偏りがあるか否かを示す情報であっても良いし、どの位置に偏りがあるかを示す情報であっても良い。また、偏りがないことを示す情報であっても良い。
ここでの欠陥部分の大きさとは、例えば、欠陥部分の、理想的なウエハに対して異なる部分の大きさである。理想的なウエハとは、例えば、本来のウエハや、設計上のウエハである。例えば、欠陥部分が凹形状である場合、欠陥部分の大きさは、欠陥部分における本来のウエハに対して欠けている部分、あるいは不足している部分の大きさである。例えば、欠陥部分が凸形状である場合、欠陥部分の大きさは、欠陥部分における本来のウエハに対して突起した部分やふくらんだ部分の大きさである。
欠陥部分の大きさの偏りとは、例えば、欠陥部分の面積の偏りや、欠陥部分のウエハの回転中心方向における距離の、ウエハの回転方向における分布の偏りである。欠陥部分の面積とは、欠陥部分の大きさと同様に、例えば、欠けている部分あるいは不足している部分の面積である。欠陥部分の大きさの偏りは、例えば、欠陥部分の深さまたは高さのウエハの回転方向における偏りと考えてもよい。欠陥部分の大きさの偏りを示す形状関連情報は、例えば、複数の欠陥部分を対応する回転角度の範囲の中心で分割した場合に、分割されたいずれの側の欠陥部分の面積や、深さまたは高さが大きいかを示す情報である。
また、形状関連情報は、例えば、欠陥部分の面積や深さまたは高さの、ウエハの回転方向におけるばらつきを示す情報であってもよい。例えば、形状関連情報は、欠陥部分に対応する複数の距離情報のばらつきを示す情報であってもよい。
以下、形状取得部103が、変換部102が一の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報について取得したフーリエ変換結果を用いて、この一の欠陥部分についての形状関連情報を取得する処理について、例を挙げて説明する。なお、形状取得部103は、例えば、以下に述べる処理のいずれか一つのみを行うようにしても良いし、これらの処理の2以上を組み合わせて行うようにしても良い。また、これらの処理をどのような順番で実行するようにしても良い。また、形状取得部103は、複数の欠陥部分のそれぞれについて、形状関連情報を取得するようにしてもよい。
(1)欠陥部分の凹凸を示す欠陥関連情報を取得
形状取得部103は、一の欠陥部分に対応するフーリエ変換結果の空間周波数1に対応する実部の値が正の値であるか負の値であるかに応じて、この欠陥部分の凹凸を示す形状関連情報を取得する。実部の値とは、フーリエ変換結果の実部の係数の値である。かかることは以下においても同様である。例えば、形状取得部103は、フーリエ変換結果の空間周波数1に対応する実部の値が正の値であれば、この欠陥部分が凹形状であることを示す形状関連情報、例えば「凹形状」等の形状関連情報を取得する。また、例えば、形状取得部103は、フーリエ変換結果の空間周波数1に対応する実部の値が負の値であれば、この欠陥部分が凸形状あることを示す形状関連情報、例えば「凸形状」等の形状関連情報を取得する。
この場合の、正の値であるか負の値であるかに応じて形状関連情報を取得するとは、正の値であるか否かに応じて形状関連情報を取得することや、負の値であるか否かに応じて形状関連情報を取得することも含むと考えてもよい。例えば、形状取得部103は、フーリエ変換結果の空間周波数1に対応する実部の値が正の値であるか否かを判断し、正の値であれば、凹形状であることを示す形状関連情報を取得し、正の値でなければ、凹形状ないことを示す形状関連情報を取得するか、あるいは、形状関連情報を取得しないようにしてもよい。
図3は、形状取得部103が欠陥部分の凹凸を示す欠陥関連情報を取得する処理を説明するための、凹形状、即ちウエハの内側に向かってくぼんだ形状の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報の一サンプルを示すグラフ(図3(a))、凸形状、即ちウエハの外側に向かって突起した形状の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報の一サンプルを示すグラフ(図3(b))、図3(a)に示した欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行って得られた虚部と実部の係数を空間周波数毎にプロットしたグラフ(図3(c))、図3(b)に示した欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行って得られた虚部と実部の係数を空間周波数毎にプロットしたグラフ(図3(d))である。
なお、図3(a)、図3(b)において用いられた欠陥関連情報は、説明の便宜上に作成された欠陥関連情報であり、必ずしも実際の欠陥部分を正確に示すものではないものとする。かかることは、後述する図4(a)、図4(b)、図5(a)から図5(c)、図6(a)、図6(b)においても同様である。
図3(a)及び図3(b)において、縦軸は、ウエハの距離情報を示している。なお、ここでの距離情報は、例えば、ウエハの回転中心から、予め指定された距離だけ離れた位置を原点0とした場合のウエハのエッジまでの距離を示している。距離情報の単位は、距離を表すものであればどのような単位であっても良い。また、横軸は、回転角度を示しており、右側に向かって値が大きくなるものとする。また、回転角度の単位は、角度を表すものであればどのような単位であっても良い。例えば、ここでの回転角度は、距離情報の取得順番を示す値と考えてもよい。ここでは説明の便宜上、欠陥部分の一端に対応する回転角度を、0として示している。かかることは、後述する図4から図6においても同様である。図3(c)及び図3(d)において、縦軸は、フーリエ変換結果である虚部と実部とのそれぞれの係数の値を示し、横軸は、空間周波数を示している。図3(c)及び図3(d)の、空間周波数0の時の値はオフセット成分である。図3(c)及び図3(d)において、丸でプロットされた値は、実部を示し、四角でプロットされた値は、虚部を示している。かかることは以下においても同様である。
図3(a)に示すように、ウエハの欠陥部分の形状が凹形状である場合、図3(c)に示すように、実部の空間周波数1に対応する値(図3(c)の点31の値)が正の値となることがわかる。
一方、図3(b)に示すように、ウエハの欠陥部分の形状が凸形状である場合、図3(d)に示すように、実部の空間周波数1に対応する値(図3(d)の点32の値)が負の値となることがわかる
従って、フーリエ変換結果の実部の空間周波数1の値の正負によって、欠陥部分の凹凸を示す形状関連情報を取得することが可能となることがわかる。
(2)欠陥部分の偏りを示す欠陥関連情報を取得
形状取得部103は、一の欠陥部分に対応するフーリエ変換結果の空間周波数1に対応する虚部の値が正の値であるか負の値であるかに応じて、この欠陥部分の大きさの偏りを示す形状関連情報を取得する。虚部の値とは、フーリエ変換結果の虚部の係数の値である。かかることは以下においても同様である。大きさの偏りとは、上述したように、欠陥部分の面積の偏りや、欠陥部分のウエハの回転中心に向かう方向における距離の分布の偏りである。欠陥部分の一の部分に大きさの偏りがあるということは、例えば、欠陥部分の、この一の部分の大きさが、同じ欠陥部分の他の部分よりも大きいことを意味すると考えてもよい。例えば、偏りがある部分の深さまたは高さが、他の部分よりも深いまたは高いことを意味すると考えてもよい。例えば、大きさの偏りを示す形状関連情報は、欠陥部分を対応する回転角度の範囲の中心で分割した場合に、いずれの側の欠陥部分の面積や、距離等が大きいかを示す情報である。
例えば、形状取得部103は、一の欠陥部分に対応するフーリエ変換結果の空間周波数1に対応する虚部の値が負の値である場合、欠陥部分の大きさが、フーリエ変換の対象となった複数の欠陥回転距離情報の列の先頭側に偏っていることを示す形状関連情報、例えば、「先頭側に偏りあり」等の形状関連情報を取得する。また、虚部の値が正の値である場合に、欠陥部分の大きさが、フーリエ変換の対象となった欠陥回転距離情報の列の後尾側に偏っていることを示す形状関連情報、例えば、「後尾側に偏りあり」等の形状関連情報を取得する。また、虚部の値が0である場合、大きさに偏りがないことを示す形状関連情報、例えば、「偏りなし」等の形状関連情報を取得する。複数の欠陥回転距離情報の列の先頭側とは、例えば、フーリエ変換に用いられた連続した複数の距離情報の列のうちの、先頭側の距離情報を有する複数の欠陥回転距離情報である。また、複数の欠陥回転距離情報の列の後尾側とは、例えば、フーリエ変換に用いられた連続した複数の距離情報の列のうちの、後尾側の距離情報を有する複数の欠陥回転距離情報である。
なお、ウエハの回転角度の取り方と、フーリエ変換において用いられる連続した距離情報との配列順との関係が予め指定されている場合、形状取得部は、大きさの偏りを示す形状関連情報として、欠陥部分の偏りが、右側にあるか左側にあるかを示す形状関連情報や、欠陥部分の偏りが、欠陥部分の回転角度の小さい側にあるか回転角度の大きい側にあるかを示す形状関連情報を取得するようにしてもよい。また、例えば、変換部102が、複数の欠陥回転距離情報を、対応する回転角度の小さいものから順番に用いてフーリエ変換を行って取得したフーリエ変換結果を用いて、欠陥部分の大きさの偏りを示す形状関連情報を取得する場合、形状取得部103は、虚部の値が負であれば、回転角度の小さい側に欠陥部分の大きさの偏りが存在し、虚部の値が正であれば、回転角度の大きい側に欠陥部分の大きさの偏りが存在していることを示す形状関連情報を取得しても良い。
また、この場合の、正の値であるか負の値であるかに応じて形状関連情報を取得するとは、正の値であるか否かに応じて形状関連情報を取得することや、負の値であるか否かに応じて形状関連情報を取得することや、値が0であるか否かに応じて形状関連情報を取得することも含むと考えてもよい。例えば、形状取得部103は、フーリエ変換結果の空間周波数1に対応する虚部の値が正の値であるか否かを判断し、正の値であれば、欠陥部分の大きさが、欠陥回転距離情報の列の先頭側に偏っていることを示す形状関連情報を取得し、正の値でなければ、先頭側に偏っていないことを示す形状関連情報を取得形状関連情報を取得するか、あるいは、形状関連情報を取得しないようにしてもよい。
図4は、形状取得部103が欠陥部分の偏りを示す欠陥関連情報を取得する処理を説明するための、凹形状であり、かつ、大きさが回転角度の小さい側に偏っている一の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報のサンプルを示すグラフ(図4(a))、凹形状であり、かつ、大きさが偏っていない一の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報のサンプルを示すグラフ(図4(b))、凹形状であり、かつ、大きさが回転角度の大きい側に偏っている一の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報のサンプルを示すグラフ(図4(c))、図4(a)に示した欠陥回転距離情報を、対応する回転角度の小さいものから順に用いてフーリエ変換を行って得られた虚部と実部の係数を空間周波数毎にプロットしたグラフ(図4(d))、図4(b)に示した欠陥回転距離情報を、対応する回転角度の小さいものから順に用いてフーリエ変換を行って得られた虚部と実部の係数を空間周波数毎にプロットしたグラフ(図4(e))、図4(c)に示した欠陥回転距離情報を、対応する回転角度の小さいものから順に用いてフーリエ変換を行って得られた虚部と実部の係数を空間周波数毎にプロットしたグラフ(図4(f))である。
図4(a)から図4(c)の縦軸及び横軸は、図3(a)と同様である。また、図4(d)から図4(f)の縦軸及び横軸は図3(c)と同様である。
図4(a)に示すように、ウエハの欠陥部分の大きさが回転角度の小さい側に偏っている場合、図4(d)に示すように、虚部の空間周波数1に対応する値(図4(d)の点41の値)が負の値となることがわかる。
また、図4(b)に示すように、ウエハの欠陥部分の大きさが回転角度の中央側にある場合、図4(e)に示すように、虚部の空間周波数1に対応する値(図4(e)の点42の値)が0となることがわかる。
また、図4(c)に示すように、ウエハの欠陥部分の大きさが回転角度の大きい側に偏っている場合、図4(e)に示すように、虚部の空間周波数1に対応する値(図4(f)の点43の値)が正の値となることがわかる。
従って、フーリエ変換結果の虚部の空間周波数1の値が正であるか負であるかによって、欠陥部分の凹凸を示す形状関連情報を取得することが可能となることがわかる。
なお、ここでは、欠陥部分が、凹形状である場合を例に挙げて説明したが、欠陥部分が、凸形状である場合についても同様の処理により、偏りを示す形状関連情報を取得することができる。
なお、形状取得部103は、虚部の空間周波数1に対応する値が0であるか否かを判断し、判断結果に応じた偏りを示す形状関連情報を取得するようにしても良い。例えば、形状取得部103は、判断結果が0であれば、偏りがないことを示す形状関連情報を取得し、0でなければ、偏りがあることを示す形状関連情報を取得するようにしても良い。
(3)欠陥部分の形状の種類を示す欠陥関連情報を取得
形状取得部103は、一の欠陥部分に対応するフーリエ変換結果の空間周波数1に対応する実部の値が、空間周波数0に対応する実部の値よりも大きい値であるか小さい値であるかに応じて、この欠陥部分の形状の種類を示す形状関連情報を取得する。例えば、形状取得部103は、上記の(1)において、欠陥部分が凹形状であることを示す形状関連情報を取得した場合、フーリエ変換結果の空間周波数1に対応する実部の値が、空間周波数0に対応する実部の値よりも小さければ、この欠陥部分の形状の種類が三角形であることを示す形状関連情報、例えば「三角形」等の形状関連情報を更に取得する。ここでの三角形は、略三角形も含むものと考えてもよい。また、例えば、形状取得部103は、フーリエ変換結果の空間周波数1に対応する実部の値が、空間周波数0に対応する実部の値よりも大きければ、この欠陥部分の形状の種類が、三角形ではないことを示す欠陥形状情報、例えば、「三角形以外」等の形状関連情報を取得する。あるいは、この場合は、形状関連情報を取得しないようにしても良い。
この場合の、大きい値であるか小さい値であるかに応じて形状関連情報を取得するとは、大きい値であるか否かに応じて形状関連情報を取得することや、小さい値であるか否かに応じて形状関連情報を取得することも含むと考えてもよい。
図5は、形状取得部103が欠陥部分の形状の種類を示す欠陥関連情報を取得する処理を説明するための、凹形状であり、かつ形状の種類が三角形である一の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報の一サンプルを示すグラフ(図5(a))、凹形状であり、かつ形状の種類が四角形である一の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報の一サンプルを示すグラフ(図5(b))、図5(a)に示した欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行って得られた虚部と実部の係数を空間周波数毎にプロットしたグラフ(図5(c))、図5(b)に示した欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行って得られた虚部と実部の係数を空間周波数毎にプロットしたグラフ(図5(d))である。
図5(a)及び図5(b)の縦軸及び横軸は、図3(a)と同様である。また、図5(c)及び図5(d)の縦軸及び横軸は、図3(c)と同様である。
図5(a)に示すように、ウエハの欠けている部分の形状が三角形である場合、図5(c)に示すように、実部の空間周波数1に対応する値(図5(c)の点51の値)が、実部の空間周波数0に対応する値(図5(c)の点52の値)よりも小さい値となることがわかる。
一方、図5(b)に示すように、ウエハの欠けている部分の形状が四角形である場合、図5(d)に示すように、実部の空間周波数1に対応する値(図5(d)の点53の値)が、実部の空間周波数0に対応する値(図5(d)の点54の値)よりも大きい値となることがわかる。
なお、ここでは図示していないが、欠陥部分の形状が五角形以上の多角形である場合も、同様に、実部の空間周波数1に対応する値が、実部の空間周波数0に対応する値よりも大きい値となる。
従って、フーリエ変換結果の実部の空間周波数1の値が、実部の空間周波数の値より、大きい値であるか小さい値であるかに応じて、欠陥部分の形状の種類を示す形状関連情報を取得することが可能となることがわかる。
ただし、上記のように、空間周波数0の実部の値と空間周波数1の実部の値とにより、凹形状である欠陥部分の形状の種類を判断することは、欠陥部分の形状が比較的に単純な形状であれば精度良く判別が可能であるが、欠陥部分の形状が複雑である場合、不正確な判別結果が得られる場合がある。このため、欠陥部分の形状が複雑な場合やより高精度の判別結果を取得したい場合等においては、この処理は行わなず、以下に示す(4)の処理を行うことが好ましい。
(4)欠陥部分のなめらかさを示す欠陥関連情報を取得
形状取得部103は、一の欠陥部分に対応するフーリエ変換結果の、空間周波数2以上の予め指定された範囲の3以上の空間周波数にそれぞれ対応する実部の値の分布状況に応じて、この欠陥部分のなめらかさを示す形状関連情報を取得する。予め指定された範囲の3以上の空間周波数とは、連続した3以上の空間周波数である。予め指定された範囲とは、例えば、空間周波数2から空間周波数k(kは3以上10以下の整数)までの間の、3以上の連続した空間周波数を有する範囲である。例えば、予め指定された範囲は、空間周波数2から空間周波数6までの範囲であっても良いし、空間周波数3から空間周波数5までの範囲であっても良い。好ましくは空間周波数2から空間周波数10までの範囲である。分布状況とは、例えば、実部の値の減少状況や増加状況、実部の値の変化量(例えば、実部の値を微分して得られた値)の減少状況や増加状況である。あるいは、実部の値におけるばらつきの有無の状況等であっても良い。例えば、分布状況は、予め指定された範囲内の実部の値が、これらの実部の値を用いて作成されたなめらかな近似曲線の近傍に存在するか否かを示すものであってもよい。
例えば、形状取得部103は、一の欠陥部分に対応するフーリエ変換結果の、予め指定された範囲の連続する3以上の空間周波数にそれぞれ対応する連続する3以上の実部の値についての変化率が、単調増加または単調減少であるか否かに応じて、この欠陥部分のなめらかさを示す形状関連情報を取得する。
連続する3以上の実部の値の変化率が単調増加するということは、例えば、連続する3以上の実部において、各実部間の値の変化率が単調増加することを意味する。同様に、連続する3以上の実部の値の変化率が単調減少するということは、例えば、連続する3以上の実部において、各実部間の値の変化率が単調減少することを意味する。変化率は、ここでは、変化量と考えてもよい。
形状取得部103は、例えば、欠陥部分について取得した変化率の全てが単調増加である場合、または全てが単調減少である場合、形状取得部103は、欠陥部分の形状がなめらかな形状であることを示す形状関連情報、例えば、「なめらか」等の形状関連情報を取得する。また、例えば、単調増加でなければ、「なめらかでない」等の形状関連情報を取得する、あるいは、なめらかさについての形状関連情報を取得しない。
例えば、形状取得部103は、欠陥部分について上記の(1)で取得した形状関連情報が、欠陥部分がウエハの内側に向かって凹であることを示すものであった場合、変化率が単調増加であれば、欠陥部分の形状がなめらかな形状であることを示す形状関連情報を取得する。また、例えば、単調増加でなければ、なめらかな形状でないことを示す形状関連情報を取得するか、形状関連情報を取得しない。
また、例えば、形状取得部103は、欠陥部分について上記の(1)で取得した形状関連情報が、欠陥部分がウエハの外側に向かって凸であることを示すものであった場合、変化率が単調減少であれば、欠陥部分の形状がなめらかな形状であることを示す形状関連情報を取得する。また、例えば、単調減少でなければ、なめらかな形状でないことを示す形状関連情報を取得するか、形状関連情報を取得しない。
形状取得部103が、どのように、連続した三以上の空間周波数とそれぞれ対応づけられた実部の値の変化率が単調増加(または単調減少)であるか否かを判断してもよい。例えば、形状取得部103は、連続した三以上の空間周波数とそれぞれ対応づけられた連続した三以上の実部の値を微分して得られた値が、単調増加しているか否かを判断することで変化率が単調増加していることを判断する。空間周波数と対応づけられた連続した三以上の実部の値を微分して得られた値は、連続した三以上の実部を空間周波数毎にプロットして得られるグラフや関数の傾きと考えてもよい。微分して得られた値が単調増加しているか否かは、例えば、連続した2つの空間周波数にそれぞれ対応する実部について取得した二つの微分値において、空間周波数の値が大きいほうの値のほうが、常に大きい値であるかを判断することで判断可能である。同様に、例えば、形状取得部103は、連続した空間周波数と対応づけられた三以上の実部の値を微分して得られた値が、単調減少しているか否かを判断して、変化率が単調減少しているか否かを判断する。微分して得られた値が単調減少しているか否かは、例えば、連続した2つの空間周波数にそれぞれ対応する実部について取得した二つの微分値において、空間周波数の値が大きいほうの値のほうが、常に小さい値であるかを判断することで判断可能である。
また、形状取得部103は、例えば、三以上の連続した空間周波数とそれぞれ対応づけられた三以上の実部の値を2階微分して得られた値が、全て正であれば、変化率が単調増加であると判断して、欠陥部分がなめらかな形状であることを示す形状関連情報を取得する。また、例えば、全てが正でなければ、変化率が単調増加でないと判断して、欠陥部分がなめらかな形状であることを示す形状関連情報を取得しないようにしてもよい。
また、形状取得部103は、例えば、連続した三以上の空間周波数とそれぞれ対応づけられた三以上の実部の値を2階微分して得られた値が、全て負であれば、変化率が単調減少であると判断して、欠陥部分がなめらかな形状であることを示す形状関連情報を取得する。また、例えば、全てが負でなければ、変化率が単調減少でないと判断して、欠陥部分がなめらかな形状であることを示す形状関連情報を取得しないようにしてもよい。
あるいは、形状取得部103は、例えば、三以上の連続した空間周波数とそれぞれ対応づけられた三以上の実部の値を2階微分して得られた値の全てが正、または全てが負である場合、即ち全ての符号が同じ符号である場合、欠陥部分がなめらかな形状であることを示す形状関連情報を取得する。また、例えば、全ての符号が同じ符号でない場合、欠陥部分がなめらかな形状であることを示す形状関連情報を取得しないようにしてもよい。
図6は、形状取得部103が欠陥部分のなめらかさを示す欠陥関連情報を取得する処理を説明するための、凹形状であり、かつ平面形状が半円形状である一の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報の一サンプルを示すグラフ(図6(a))、凹形状であり、かつ形状が五角形である一の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報の一サンプルを示すグラフ(図6(b))、図6(a)に示した欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行って得られた虚部と実部の係数を空間周波数毎にプロットしたグラフ(図6(c))、図6(b)に示した欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行って得られた虚部と実部の係数を空間周波数毎にプロットしたグラフ(図6(d))である。
図6(a)及び図6(b)の縦軸及び横軸は、図3(a)と同様である。また、図6(c)及び図6(d)の縦軸及び横軸は、図3(c)と同様である。
図6(a)に示すように、ウエハの欠陥部分の形状が凹形状であって、かつ、欠けている部分の形状が半円形状のようななめらかな形状である場合、図6(c)に示すように、実部の空間周波数2から空間周波数10までの範囲の実部の値も、下に凸となるようなだらかに単調減少する。この場合、隣接する空間周波数間における実部の値の変化量は、グラフの接線の傾きとなり、その傾きは空間周波数2から空間周波数10までの範囲(図6(c)の範囲61)においては単調増加することがわかる。従って、このフーリエ変換結果の所定の範囲、ここでは例えば、空間周波数2から空間周波数10までの範囲の実部の値について2階微分を行うと、その値が、全て正の値となる。
一方、図6(b)に示すように、ウエハの欠陥部分の形状が凹形状であって、欠けている部分の平面形状が五角形である場合のように、なめらかな形状でない場合、図6(d)に示すように、実部の空間周波数2から空間周波数10までの範囲(図6(d)の範囲62)の実部の値は、下に凸となるが、図6(c)のようになだらかに単調減少しないようになる。このため、この範囲における隣接する空間周波数間における実部の値の変化量、即ちグラフの傾きは単調増加とはならない。従って、このフーリエ変換結果の所定の範囲、ここでは例えば、空間周波数2から空間周波数10までの範囲の実部の値について2階微分を行うと、その値が、全て正の値とはならない。
従って、一の欠陥部分の形状が、凹形状である場合、この欠陥部分に対応するフーリエ変換結果の、上述したような予め指定された範囲の連続する3以上の空間周波数に対応する連続する3以上の実部の値の変化率が、単調増加であるか否かに応じて、この欠陥部分のなめらかさを示す形状関連情報を取得することが可能となることがわかる。
なお、一の欠陥部分の形状が、凸形状である場合、この欠陥部分に対応するフーリエ変換結果の空間周波数1以降の範囲においては、図3(d)に示すように、実部の値は上に凸となるため、欠陥部分が凸形状である場合には、上述したような空間周波数2以上の予め指定された範囲の連続する3以上の空間周波数に対応する連続する3以上の実部の値の変化率が、単調減少あるか否かに応じて、この欠陥部分のなめらかさを示す形状関連情報を取得することが可能となる。
また、ここでは、実部の値の変化率が単調増加するか否かにより、欠陥部分がなめらかな形状であるか否かを示す形状関連情報を取得する例について示したが、形状取得部103は、例えば、一の欠陥部分に対応するフーリエ変換結果の空間周波数が2以上の範囲の3以上の実部の値を用いて近似曲線を取得し、近似曲線との距離が閾値以上離れた実部の値が、上述したような予め指定された範囲に存在しない場合に、例えば、なめらかな形状であることを示す形状関連情報を取得し、存在する場合には、なめらかな形状でないことを示す形状関連情報を取得するようにしてもよい。
形状取得部103は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。形状取得部103の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
出力部104は、形状取得部103が取得した形状関連情報を出力する。出力部104は、例えば、形状取得部103が取得した形状関連情報を、形状関連情報の取得元となった欠陥回転距離情報に対応する欠陥識別子やウェハ識別子等を対応づけて出力しても良い。
ここでの出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクタを用いた投影、プリンタへの印刷、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
出力部104は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部104は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
次に、ウエハ情報処理装置1000の動作の一例について図7のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、形状取得部103が、上述した(1)、(2)及び(4)の処理を行う場合の例について説明する。
(ステップS101)変換部102は、一の欠陥部分に対応する複数の欠陥回転距離情報を、欠陥回転距離情報格納部101から読み出す。例えば、変換部102は、予め指定された一の欠陥識別子と対応づけられた欠陥回転距離情報を読み出す。
(ステップS102)変換部102は、ステップS101で読み出した複数の欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行う。ここでは、例えば、対応する回転角度の値の昇順でソートした複数の欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行う。変換部102は、例えば、フーリエ変換結果として取得した実部の係数の値と虚部の係数の値とを空間周波数と対応づけて、図示しない格納部に蓄積する。
(ステップS103)形状取得部103は、ステップS102で取得したフーリエ変換結果から、空間周波数1に対応する実部の値を取得する。
(ステップS104)形状取得部103は、ステップS103で取得した値が、正であるか否かを判断する。正である場合、ステップS105に進み、正でない場合、ステップS106に進む。
(ステップS105)形状取得部103は、欠陥部分が凹形状であることを示す形状関連情報を取得する。取得した形状関連情報は、例えば、欠陥回転距離情報を読み出す際に用いた欠陥識別子等と対応づけて、図示しない格納部に蓄積する。そして、ステップS108に進む。
(ステップS106)形状取得部103は、ステップS103で取得した値が、負であるか否かを判断する。負である場合、ステップS107に進み、負でない場合、ステップS108に進む。
(ステップS107)形状取得部103は、欠陥部分が凸形状であることを示す形状関連情報を取得する。取得した形状関連情報は、例えば、欠陥回転距離情報を読み出す際に用いた欠陥識別子等と対応づけて、図示しない格納部に蓄積する。そして、ステップS108に進む。
(ステップS108)形状取得部103は、ステップS102で取得したフーリエ変換結果から、空間周波数1に対応する虚部の値を取得する。
(ステップS109)形状取得部103は、ステップS108で取得した値が負であるか否かを判断する。負である場合、ステップS110に進み、負でない場合、ステップS111に進む。
(ステップS110)形状取得部103は、フーリエ変換に用いられた欠陥回転距離の先頭側、ここでは例えば、対応する回転角度の小さい側、に欠陥部分の大きさが偏っていることを示す形状関連情報を取得する。例えば、欠陥部分に対応する回転角度の範囲の中心に対して、先頭側(例えば、対応する回転角度が小さい側)のほうが、回転角度の範囲の中心に対して後尾側(例えば、対応する回転角度が大きい側)よりも大きさ(例えば、面積)が大きいことを示す形状関連情報を取得する。取得した形状関連情報は、例えば、欠陥回転距離情報を読み出す際に用いた欠陥識別子等と対応づけて、図示しない格納部に蓄積、例えば追記する。そして、ステップS114に進む。
(ステップS111)形状取得部103は、ステップS108で取得した値が正であるか否かを判断する。正である場合、ステップS112に進み、正でない場合、ステップS113に進む。
(ステップS112)形状取得部103は、フーリエ変換に用いられた欠陥回転距離の後尾側、ここでは例えば、対応する回転角度の小さい側、に欠陥部分の大きさが偏っていることを示す形状関連情報を取得する。取得した形状関連情報は、例えば、欠陥回転距離情報を読み出す際に用いた欠陥識別子等と対応づけて、図示しない格納部に蓄積、例えば追記する。そして、ステップS114に進む。
(ステップS113)形状取得部103は、欠陥部分に大きさの偏りがないことを示す形状関連情報を取得する。取得した形状関連情報は、例えば、欠陥回転距離情報を読み出す際に用いた欠陥識別子等と対応づけて、図示しない格納部に蓄積、例えば、追記する。そして、ステップS114に進む。
(ステップS114)形状取得部103は、ステップS102で取得したフーリエ変換結果の、空間周波数2以上の、予め指定された範囲の連続した3以上の空間周波数にそれぞれ対応する実部の値について、2階微分を行う。予め指定された範囲は、例えば、空間周波数2から空間周波数10までの範囲である。
(ステップS115)形状取得部103は、ステップS114で取得した2階微分の結果の値が、全て正、あるいは全て負の、いずれか一方であるか否かを判断する。いずれか一方である場合、ステップS116に進み、いずれでもない場合、ステップS117に進む。
(ステップS116)形状取得部103は、欠陥部分がなめらかな形状であることを示す形状関連情報を取得する。取得した形状関連情報は、例えば、欠陥回転距離情報を読み出す際に用いた欠陥識別子等と対応づけて、図示しない格納部に蓄積、例えば追記する。そして、ステップS118に進む。
(ステップS117)形状取得部103は、欠陥部分がなめらかな形状でないことを示す形状関連情報を取得する。取得した形状関連情報は、例えば、欠陥回転距離情報を読み出す際に用いた欠陥識別子等と対応づけて、図示しない格納部に蓄積、例えば追記する。そして、ステップS118に進む。
(ステップS118)出力部104は、形状取得部103が取得した形状関連情報を出力する。例えば、形状関連情報を図示しないモニタに表示したり、図示しない格納部等に蓄積する。そして、処理を終了する。
なお、図7のフローチャートにおいては、ステップS120において、2階微分の値が、全て正、または全て負のいずれかであるか否かを判断したが、この処理の前に、形状取得部103が、ステップS114と同様に、欠陥部分について凹形状であることを示す形状関連情報を取得済みであるか否かを判断し、取得済みである場合には、2階微分の値が全て正であるか否かを判断するようにしてもよい。さらに、取得済みでない場合には、形状取得部103が、欠陥部分について凸形状であることを示す形状関連情報を取得済みであるか否かを判断し、取得済みである場合には、2階微分の値が全て負であるか否かを判断するようにしてもよい。
また、複数の欠陥部分について形状関連情報を取得して出力する場合、図7のフローチャートで示した処理を、各欠陥部分に対してそれぞれ行うようにすればよい。
以下、本実施の形態におけるウエハ情報処理装置1000の具体的な動作の一例について説明する。
図8は、欠陥回転距離情報格納部101に格納されている複数の欠陥回転距離情報を管理する欠陥回転距離情報管理表である。欠陥回転距離情報管理表は、「欠陥ID」と、「回転角」と、「距離」という属性を有している。「欠陥ID」は欠陥識別子である。「回転角」は、回転角度である。「距離」は距離情報である。欠陥回転距離情報管理表の一のレコード(行)の「回転角」の属性値と、「距離」の属性値との対が、一の欠陥回転距離情報を示している。なお、ここでは、θn(nは、1以上の整数)は、ウエハを、予め指定された一定の角度ずつn回回転させた場合の回転角度を示している。ただし、ここでは、説明の便宜上、各欠陥部分の一端についての距離情報を取得した際の回転角度をそれぞれθ1として表している。また、xan、及びxbnは、n回回転させた場合に取得される距離情報である。ここでは、距離情報xan、及びxbnとして、上述した図3(a)等と同様に、ウエハの回転中心からウエハのエッジまでの距離から、予め指定された距離を減算した値を用いている。なお、ここでの欠陥回転距離情報は、説明の便宜上用意された欠陥距離情報である。なお、欠陥回転距離情報格納部101にどのように欠陥回転距離情報が蓄積されたかは、ここでは説明は省略する。
図9は、欠陥回転距離情報格納部101に格納されている欠陥ID「F001」と対応づけられた欠陥回転距離情報を示すグラフ(図9(a))、欠陥ID「F002」と対応づけられた欠陥回転距離情報を示すグラフ(図9(b))、欠陥ID「F001」と対応づけられた欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行って得られた虚部と実部の係数を空間周波数毎にプロットしたグラフ(図9(c))、欠陥ID「F002」と対応づけられた欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行って得られた虚部と実部の係数を空間周波数毎にプロットしたグラフ(図9(d))である。
図9(a)及び図9(b)において、縦軸は距離情報、横軸は回転角度を示している。また、図9(c)及び図9(d)において、縦軸は、フーリエ変換結果である虚部と実部とのそれぞれの係数の値を示し、横軸は、空間周波数を示している。
図8に示した欠陥回転距離情報管理表で管理されている欠陥ID「F001」と対応づけられた欠陥回転距離情報をグラフで示すと、図9(a)のようになる。また、図8に示した欠陥回転距離情報管理表で管理されている欠陥ID「F002」と対応づけられた欠陥回転距離情報をグラフで示すと、図9(b)のようになる。これらのグラフは、例えば、各「欠陥ID」が示す欠陥のおおよその形状を示すものと考えてもよい。
ここで、例えば、欠陥回転距離情報管理表で管理されている全ての欠陥部分について、それぞれ形状関連情報を取得する指示をユーザ等から、図示しない受付部等を介して受け付けたとする。
変換部102は、図8に示した欠陥回転距離情報管理表から、「欠陥ID」が「F001」である全てのレコードを検出し、検出した全てのレコードの「回転角」の属性値と、「距離」の属性値との対である欠陥回転距離情報を読み出す。
変換部102は、読み出した欠陥回転距離情報を回転角度の昇順にソートしたものを用いて、フーリエ変化を行う。そして、フーリエ変換により得られた実部の係数と虚部の係数とをそれぞれ空間周波数と対応づけた情報を、欠陥ID「F001」と対応づけて、図示しない格納部に蓄積する。このフーリエ変換結果を、グラフで示したものが、図9(c)である。
次に、形状取得部103は、変換部102が欠陥ID「F001」に対応する欠陥回転距離情報について取得したフーリエ変換結果から、空間周波数1の実部の値を取得する。具体的には、図9(c)の点91に対応する値を取得する。そして、取得した値が正であるか負であるかを判断する。ここでは、図9(c)に示すように、空間周波数1に対応する値が、正であるため、形状取得部103は、「欠陥ID」が「F001」である欠陥部分の形状関連情報として、凹形状であることを示す欠陥関連情報を取得する。ここでは例えば、「凹形状」という欠陥関連情報を取得する。形状取得部103は、取得した欠陥関連情報を、欠陥ID「F001」と対応づけて図示しない格納部に蓄積する。
図9(a)に示すように、欠陥ID「F001」が示す欠陥部分は、ウエハの内側に向かってくぼんだ形状であるため、適切な欠陥関連情報が取得されたことがわかる。
次に、形状取得部103は、変換部102が欠陥ID「F001」に対応する欠陥回転距離情報について取得したフーリエ変換結果から、空間周波数1の虚部の値を取得する。具体的には、図9(c)の点92に対応する値を取得する。そして、取得した値が負であるか判断する。負であれば、欠陥ID「F001」に対応する欠陥部分が、回転角度の小さい側に大きさが偏っていることを示す形状関連情報を取得する。ここでは、図9(c)の示すように値が負ではないため、形状取得部103は、更に、取得した値が正であるか否かを判断する。ここでは正であるため、形状取得部103は、欠陥ID「F001」に対応する欠陥部分が、回転角度の大きい側に大きさが偏っていることを示す形状関連情報、例えば、「回転角度大側に偏り」等を取得する。形状取得部103は、取得した欠陥関連情報は、欠陥ID「F001」と対応づけて、上記と同様の図示しない格納部に追記する。
図9(a)に示すように、欠陥ID「F001」が示す欠陥部分は、欠陥部分が、回転角度の大きい側に大きさが偏っているため、適切な欠陥関連情報が取得されたことがわかる。
次に、形状取得部103は、変換部102が欠陥ID「F001」に対応する欠陥回転距離情報について取得したフーリエ変換結果から、空間周波数2から空間周波数10までの連続した実部の値を取得する。そして、取得した実部の値を用いて2階微分を行う。そして、各空間周波数について得られた2階微分の結果を示す値が全て正であるか否かを判断する。ここでは、全てが正であったとすると、形状取得部103は、欠陥部分の形状がなめらかな形状であることを示す形状関連情報、例えば、「なめらかな形状」という形状関連情報を取得する。そして、形状取得部103は、取得した欠陥関連情報を、欠陥ID「F001」と対応づけて図示しない格納部に追記する。
図9(a)に示すように、欠陥ID「F001」が示す欠陥部分は角のないなめらかな形状であるため、適切な欠陥関連情報が取得されたことがわかる。
なお、2階微分の結果の全てが正でないと判断された場合、更に、全てが負であるか否かを判断し、負であれば、形状取得部103は、上記と同様に、なめらかな形状であることを示す形状関連情報を取得する。また、全てが負でもなかった場合、形状取得部103は、なめらかな形状でないことを示す形状関連情報を取得する。
更に、ウエハ情報処理装置1000は、「F001」以外の「欠陥ID」が示す欠陥部分についても同様の処理を行う。
具体的には、変換部102は、上記と同様に、図8に示した欠陥回転距離情報管理表から、「欠陥ID」が「F002」に対応する欠陥回転距離情報を読出し、フーリエ変換を行う。
欠陥ID「F002」に対応する欠陥回転距離情報をグラフで示したものが図9(d)である。
また、この欠陥ID「F002」に対応する欠陥回転距離情報をフーリエ変換した結果をグラフで示したものが図9(d)である。
次に、形状取得部103は、フーリエ変換結果の空間周波数1に対応する実部の値が正であるか判断する。ここでは正であるため、形状取得部103は、「凹形状」という形状関連情報を取得し、欠陥ID「F002」と対応づけて、図示しない格納部に蓄積する。
次に、形状取得部103は、フーリエ変換結果の空間周波数1に対応する実部の値が正であるか判断する。ここでは正であるため、欠陥部分が、回転角度の大きい側に大きさが偏っていることを示す、「回転角度大側に偏り」という形状関連情報を取得し、欠陥ID「F002」と対応づけて、上記と同様の図示しない格納部に追記する。
更に、形状取得部103は、フーリエ変換結果から、空間周波数2から空間周波数10までの連続した実部の値を取得し、取得した実部の値を用いて2階微分を行う。そして、各空間周波数について得られた2階微分の結果を示す値が全て正であるか否かを判断する。ここでは、全てが正でないと判断されたとする。このため、更に、各空間周波数について得られた2階微分の結果を示す値が全て負であるか否かを判断する。ここでは、全てが負でないと判断されたとする。つまり、この空間周波数の範囲では、空間周波数に対応する値の変化率は、単調減少でも、単調増加でもないと判断されたこととなる。
このため、形状取得部103は、欠陥部分がなめらかな形状でないことを示す「なめらかでない形状」という形状関連情報を取得し、欠陥ID「F002」と対応づけて、上記と同様の図示しない格納部に追記する。
例えば、図9(c)と図9(d)とを比べると、図9(d)のほうが、空間周波数2から空間周波数10までの実部の値がばらついており、このばらつきによって、なめらかさに関して異なる形状関連情報が取得された結果となっている。
そして、ウエハ情報処理装置1000による、全ての欠陥部分について、形状関連情報を取得する処理が終了したとする。
出力部104は、形状取得部103が取得して図示しない格納部に蓄積した形状関連情報を、「欠陥ID」と対応づけて、モニタ等に出力、具体的には表示する。
図10は、形状関連情報の表示例を示す図である。
このように、欠陥形状について形状関連情報を出力することで、例えば、ユーザは欠陥部分の形状を把握することができる。例えば、欠陥部分の形状によって、ウエハの割れが発生しやすい場合があるため、形状を把握することで、不適切なウエハを、その後のプロセスから除外すること等の適切な処置が可能となる。
以上、本実施の形態によれば、複数の欠陥回転距離情報についてフーリエ変換を行うたことにより得られた結果を用いて、欠陥部分の形状に関する情報を取得するようにしたことにより、ウエハのエッジに存在する欠陥部分の形状に関する情報を適切に取得することができる。例えば、本実施の形態によれば、欠陥部分の形状をグラフ化してユーザが目視等で判断する必要がないため、欠陥部分の形状の検出を自動化することが可能となる。
また、例えば、高価な光学機器を用いる必要がなく、また、複雑な演算処理等が不要であるため、安価にかつ高速に、欠陥部分の検出を行うことができる。
なお、上記実施の形態において、出力部104が、予め指定された1以上の形状関連情報を形状取得部103が取得したか否かを判断し、判断結果に応じた出力を行うようにしても良い。例えば、予め指定された1以上の形状関連情報を形状取得部103が取得した場合や、取得できなかった場合に、出力部104が、警告等を出力しても良い。あるいは、例えば、予め指定された1以上の形状関連情報を形状取得部が取得した場合や、取得できなかった場合に、出力部104が、検査済みであることを示す情報等を出力するようにしてもよい。このようにすることで、適切ではない欠陥部分やウエハを検出することが可能となる。
なお、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、格納部(例えば、ハードディスクやメモリ等の記録媒体)にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。また、上記実施の形態におけるウエハ情報処理装置を、コンピュータ等を用いてソフトウェアにより実現するようにしてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。