JP6372699B2 - 球殻海中構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、楕円球状の外殻部を構成し、海中に設けられる球殻海中構造物に関する。
従来、コンクリート構造物の構築方法として、工場でプレキャストコンクリート(PC)を製造したものを現場で組み立てる方法や、現場で型枠を組み立ててコンクリートを打設する方法により行われているのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
ところで、潜水艇など直径10m程度の小型の開口を有する鉄筋コンクリート造により構築される球殻型海中構造物が知られている。このような海中構造物では、ケーソン工法などで予め陸上の製作し易いドック等の場所で製作し、設置現場の海上まで船で牽引する方法がある。また、球殻型海中構造物を分割した大きさのものをドック等の場所で製作し、設置現場となる海上でこれら分割された構造体を水密性を確保した状態で組み立てて一体化させる構築方法もある。
特開2010−101033号公報
しかしながら、上述したような従来の球殻型海中構造物では、以下のような問題があった。
すなわち、例えば数100mとなる大スパンで大型の球殻型海中構造物を構築する場合には、完成体として上述したような陸上の製作ヤードで一度に製作することが困難であり、かつ海上輸送も難しいことから、海上でコンクリート打設等の作業を行うことによる施工となる。しかし、このような大型で球面を有する外殻部のコンクリート打設や仕上げ材を接合することを海上で施工すること自体が困難な作業であり、外殻部における水密性を確保するのが難しくなる等、外殻部として安定性が低下するという問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、安定した外殻部を構成することで大径の楕円球状の構造物を構築することができる海中構造物の海上施工システム、及び海上構築方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る球殻海中構造物は、海中に設けられ、内部空間を有する外殻部を備えた球殻海中構造物であって、メッシュ状に配置されたコンクリート製の躯体フレームと、該躯体フレームによって囲まれる部分に水密な状態で嵌合され、耐水圧性及び透明性を有する耐水圧板と、を備え、前記躯体フレームおよび前記耐水圧板によって楕円球状の前記外殻部が形成され、前記外殻部の内部には、上下方向に延びる前記外殻部の中心軸に沿う中央タワー部が設けられ、前記中央タワー部の上端および下端が前記外殻部に連結され、前記中央タワー部は、前記外殻部の中心軸に設けられるコア部と、該コア部の径方向外側に設けられる中央タワー外殻部と、を備え、前記中央タワー外殻部は、上下方向の多層構造をなしていることを特徴としている。
本発明では、コンクリート製の躯体フレームを外殻部の楕円球面に沿ってメッシュ状に配置し、さらに躯体フレームに囲まれる部分に耐水圧性を有する耐水圧板が水密な状態で嵌合しているので、座屈に強い安定した楕円球状の外殻部を設けることができる。
さらに、耐水圧板は透明性を有するので採光機能をもたせることができ、球殻海中構造物が海中に配置されていても、外殻部の全周にわたって海中からの自然光(太陽光)を外殻部の内部空間に取り入れることができ、外殻部の内部空間の有効利用を図ることができる。
また、本発明によれば、中央タワー部の上下両端が外殻部に対して一体的に接合され、外殻部の底部分から支持されるとともに、天端部分から吊り下げられた半吊り構造となる。このように中央タワー部を外殻部の中心軸上に設けることで、外殻部が水圧などの外力を受けた場合に生じる変形を拘束することができる。
さらに、本発明では、コア部を外殻部の中心軸上に設けることで、外殻部の外力による変形の拘束効果をより高めることができる。そのため、コア部の周囲に設けられる多層構造の中央タワー外殻部が外殻部による影響が少なくなり、構造上安定した領域となる。したがって、この多層構造部分には、住居や商業施設などを配置することができる。
また、本発明に係る球殻海中構造物は、前記外殻部の中心を通る水平面に沿う水平支持板が設けられ、該水平支持板は、前記中央タワー部と前記外殻部との間で接続されていることが好ましい。
この場合には、水平支持板が中央タワー部と外殻部とに接続され一体的に設けられているので、この水平支持板に外殻部が水平方向の水圧などの外力を受けた場合における座屈を防止する機能をもたせることができる。
また、本発明に係る球殻海中構造物は、前記躯体フレームは、三角格子状に形成されていることが好ましい。
この場合には、海中から受ける外力を楕円球状の外殻部の全周にわたってバランスよく伝達させることができ、球殻海中構造物として安定した構造を実現することができる。
また、本発明に係る球殻海中構造物は、前記外殻部には、浮力を調整することが可能なバラストが設けられ、バラスト量を変更することで前記外殻部が上下移動することが好ましい。
このように構成することで、例えば外殻部の上部の一部分のみを海上に浮上させた状態、全体が海中に潜水させた状態、或いは外殻部の下部の一部分のみを海中に潜らせた状態などバラストの重量バランスを調整することで、球殻海中構造物を上下移動させることが可能であり、海中における任意の高さとすることができる。
本発明の球殻海中構造物によれば、安定した外殻部を構成することで大径の楕円球状の構造物を構築することができる効果を奏する。
本発明の実施の形態による球殻海中構造物の全体構成を示した側面図である。 図1に示す球殻海中構造物の内部空間の構成を示す縦断面図である。 (a)は球殻海中構造物の施工状態を示す斜視図であって海上施工システムの概要を示す図、(b)は(a)の外殻部を詳細に示した図である。 耐水圧板の構成を示す平面図である。 躯体製造ユニットを模式的に示した縦断面図である。 海上で海上施工システムを用いた施工状態を示す縦断面図である。 海上施工システムを用いた施工手順を示す上面図であって、(a)、(b)は同一レベルにおける施工状態を示す図、(c)は(a)、(b)よりも上方レベルにおける施工状態を示す図である。 (a)〜(c)は、海上施工システムを用いた施工手順を示した縦断面である。 構築された球殻海中構造物の上下方向の移動状態を説明するための側面図である。
以下、本発明の実施の形態による球殻海中構造物について、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による球殻海中構造物は、海中に設けられる球状(楕円球状)の海中構造物(以下、球殻海中構造物10という)を構築するための各種施工ユニット等の装置を備えている。球殻海中構造物10は、住空間、オフィス空間、商業施設、公園等のレクリエーション施設等の備えたいわゆる「潜水都市」として利用される構造物である。
球殻海中構造物10は、内部空間Rを形成する球状の外殻部11と、外殻部11内の内部空間Rの平面視中央に上下方向に沿って配置される中央タワー部12と、外殻部11の下方に連結されたバラスト13と、が設けられている。なお、球殻海中構造物10として、例えば直径が500mの大きさの構造物が想定される。
球殻海中構造物10は、外殻部11の上部の一部分のみを海上に浮上させた状態、全体が海中に潜水させた状態、或いは外殻部11の下部の一部分のみを海中に潜らせた状態などバラスト13の重量バランスを調整することで海中における任意の高さとなるように上下移動可能に設けられている。
球殻海中構造物10は、外殻部11が耐水性及び透明性を有する外壁を構成し、内部空間Rに海水が浸水しないように全周にわたって水密な構造をなしている。そのため、外殻部11の内部空間Rには、外殻部11の全周から外側の海中又は海上より自然光(太陽光)が採光されるようになっている。
球殻海中構造物10の内部空間Rは、上述した中央タワー部12と、その外側の大空間部14と、からなる。球殻海中構造物10の上部には、内部空間Rへの出入口となるエントランス部15が設けられている。
中央タワー部12は、外殻部11の直径に相当する高さ(例えば500m)を有する多層階からなる建造物であり、例えばホテル、商業施設、コンベンション施設、レジデンス、オフィス、共同住宅・社宅、研究所・実験室などを設けることができる。大空間部14には、例えば前記エントランス部15、スーパー、エレベータ、深海プロムナード、空中歩廊、空中パーク、深海公園などの施設を配置することができる。また、球殻海中構造物10には、当該球殻構造物10を維持管理するための機械室、制御室なども設けられている。
外殻部11は、三角形格子状のメッシュ構造をなす躯体フレーム16と、躯体フレーム16によって囲まれる部分に水密に嵌合される耐水圧板17と、を備えている。
躯体フレーム16は、高強度で錆が発生しにくい材料、カーボン繊維、アラミド繊維等に樹脂を含浸させ任意形状に成型した補強筋等の樹脂筋16Bを混合した連続繊維補強樹脂16Aからなる複合構造によって形成されている。樹脂コンクリート16Aとしては、紫外線硬化樹脂が採用されている。躯体フレーム16は、外殻部11の下側から上側に向けて所定高さのスパン毎に順次コンクリートを打設することによって製造され、全体として一体的に形成されている。
躯体フレーム16は、水圧が大きくなる外殻部11の下方に向かうに従って幅寸法と梁成(梁高寸法)が大きくなるように設定され、例えば、上部において幅寸法2.5m、梁成3mとされ、上下方向の中間部において幅寸法6m、梁成16.5mとされ、下部において幅寸法10m、梁成30mとされる。
耐水圧板17は、図4に示すように、所定の耐圧性を有するアクリル板により平面視で正三角形状に形成されている。耐水圧板17は、例えば略3mの厚さをなし、図1及び図2に示す躯体フレーム16によって囲まれる部分(被嵌合部分)対して想定される水圧に耐え得るように水密に嵌合されている。
耐水圧板17の表面には、繊維強化プラスチック(FRP)製の補強リブ18が三角格子状に取り付けられている。補強リブ18は、水圧を受けた場合の座屈補強であり、このリブ高寸法は例えば略1.5mに設定されている。
中央タワー部12は、図2に示すように、外殻部11の上下方向に延びる中心軸Oに沿って設けられるコア部21(支持柱)と、中央タワー部12の外殻を構成する中央タワー外殻部22と、を備えている。
コア部21は、鉄筋コンクリート造であり、上下方向に沿って一定の円形断面により形成され、例えば周知のスリップフォームを用いることで連続的に施工され、施工中において外殻部11の高さよりも高くなるように構築される。コア部21は、上下両端が外殻部11に対して一体的に接合され、外殻部11の底部分から支持されるとともに、天端部分から吊り下げられた半吊り構造となっている。コア部21を外殻部11の中心軸O上に設けることで、外殻部11が水圧などの外力を受けた場合に生じる変形を拘束できるようになっている。
中央タワー外殻部22は、鉄骨または炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から構成される骨組み構造であって、コア部21から径方向の外側に離れた位置に配置されている。中央タワー外殻部22は、上端及び下端の両側から上下方向の中心に向うに従い漸次、水平断面積が小さくなるようにくびれた形状となっている。
外殻部11と中央タワー部12との間に形成される大空間部14には、外殻部11の中心軸Oを通る水平面に沿って通路部19(水平支持板)が形成されている。この通路部19は、中央タワー部12と外殻部11同士の間を接続し、外殻部11が水平方向の水圧などの外力を受けた場合における座屈防止の機能をもたせている。
なお、球殻海中構造物10において、例えば中央タワー部12の頂部や通路部19に制振装置(図示省略)を設けておくことで、日常時の波による振動を抑制するように制御するようにしてもよい。
図6に示すように、バラスト13は、外殻部11の海中における浮上位置を制御する機能と、波による外殻部11の振動を制御する機能と、を有している。バラスト13は、中空球形状をなし、外殻部11の底面から上下方向に複数(ここでは3つ)が連結されている。各バラスト13の内部には砂と空気とが所定の割合で充填されており、その砂と空気との割合を調整することにより浮力が変動される構成となっている(図9参照)。つまり、球殻海中構造物10を海中の所定深度まで降下させる場合にはバラスト13内の砂の割合を増やすとともに空気量を減らして浮力を低下させ、上昇させる場合にはバラスト13内の砂の割合を減らすとともに砂量を増やして浮力を増大させればよい。
なお、バラスト13の形状、大きさ、数量は、球殻海中構造物10の大きさ、重量、必要浮力などの条件に合せて任意に設定することができる。
次に、球殻海中構造物10を構築するための海上施工システム1の構成について、図面に基づいて詳細に説明する。
図3、図6、及び図7に示すように、海上施工システム1は、外殻部11と中央タワー部12とをほぼ同時に上昇させることで球殻海中構造物10を構築していくものである。
海上施工システム1は、コア部21に沿って上下移動可能に設けられた案内ガイド3と、案内ガイド3に設けられ外殻部11の躯体フレーム16を施工するための一対の躯体製造ユニット4と、案内ガイド3に設けられ外殻部11の耐水圧板17を施工するための一対の仕上げユニット5と、外殻部11の断面形状を記憶するとともに、案内ガイド3、躯体製造ユニット4、及び仕上げユニット5を制御する制御部(図示省略)と、を備えている。
案内ガイド3は、平面視で十字型に配置された角形鋼管からなり、その十字部分の中心部でコア部21に挿通させつつ保持する保持部33が設けられ、保持部33によってコア部21を中心に回転自在に、かつコア部21に沿って上昇自在に設けられている。案内ガイド3は、平面視で保持部33を挟んだ両側に直線上に延在する一対の第1張出アーム31、31と、一対の第1張出アーム31、31に対して上面視で直交する方向に延在するとともに、保持部33を挟んだ両側に直線上に延在する第2張出アーム32、32と、を有している。各張出アーム31、32は、保持部33側の端部のみが保持部33によって支持されている。
第1張出アーム31、31は、それぞれの先端に躯体製造ユニット4が設けられている。また、第2張出アーム32、32は、それぞれの先端に前記仕上げユニット5が設けられている。
つまり、躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5は、コア部21に保持される保持部33から張出アーム31、32で支持されており、コア部21を中心にして水平面内で回転移動できる構成となっている。
第1張出アーム31及び第2張出アーム32は、それぞれ鞘管構造をなし、軸方向(長さ方向X、Y)に伸縮自在に設けられている。つまり、各張出アーム31、32の先端に設けられる躯体製造ユニット4および仕上げユニット5が、それぞれ張出アーム31、32の伸縮によって上面視で径方向に沿って移動自在となっている。
張出アーム31、32の軸方向(長さ方向X、Y)における躯体製造ユニット4および仕上げユニット5の位置は、詳しくは後述するが、外殻部11の施工位置に対応して移動することになる。
第1張出アーム31及び第2張出アーム32は、それぞれの内部が中空になっており、長さ方向X、Yの全体にわたって資材搬送路34が設けられている。資材搬送路34は、躯体製造ユニット4および仕上げユニット5のそれぞれの内部を貫通している。躯体製造ユニット4および仕上げユニット5の径方向の外側の突出端31a、32aが外殻部11の径方向の外側に突出しており、その突出端31a、32aが開口部となっている。また、それら突出端31a、32aの開口上端部には、外殻部11の外側と資材搬送路34内との間で例えば球殻構造物10を構築するための資材を受け渡し可能なクレーン等の第1揚重設備35が設けられている。
第1揚重設備35は、球殻海中構造物10の施工中において、突出端31a、32aの下方における外殻部11の外方の海上に資材を搬送する資材台船8を配置しておき、この資材台船8上から資材を吊り上げ、案内ガイド3の資材搬送路34内に送り込むために設けられている。
また、コア部21の上端21aには、このコア部21をコンクリート打設により上方に延長するために使用する第2揚重設備36が設けられている。第2揚重設備36は、コア部21の延長とともに盛り替え可能に設置されている。
さらに、図6に示すように、第1張出アーム31及び第2張出アーム32の下面には、長さ方向X、Y(図3参照)に水平移動自在な走行クレーン等からなる第3揚重設備37が設けられている。具体的に第3揚重設備37は、外殻部11の内部空間Rにおける資材搬送に使用することができ、中央タワー部12、とくに中央タワー外殻部22を設置するために設けられている。
第3揚重設備37は、各張出アーム31、32の下面にその長さ方向X、Yに沿って走行レール(図示省略)が設けられ、その走行レールに案内されて移動可能となっている。
4本の張出アーム31、32を支持する保持部33には、コア部21を使用して上昇可能な例えば周知のジャンプアップ機構等の上昇装置(図示省略)が設けられている。この上昇装置は、所定の高さで案内ガイド3を上昇させる。具体的に上昇装置は、案内ガイド3の保持部33や躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5とともに、前述の制御部によって制御され、保持部33によるコア部21に対する保持状態が解除されたときに上昇装置が駆動して、案内ガイド3を上昇させる機構となっている。なお、上昇した位置において、再び保持部によってコア部21に対して保持される。
躯体製造ユニット4は、図5に示すように、躯体フレーム16の断面形状に合わせて移動可能、かつ姿勢変更可能に設けられた移動式型枠41を有し、移動式型枠41内にコンクリートを充填して躯体フレーム16を製造する構成となっている。具体的に躯体製造ユニット4は、上面視で外殻部11の周方向に沿う所定長さに設けられる前記移動式型枠41と、樹脂コンクリート16Aと樹脂筋16Bとを混合する混合部(図示省略)と、該混合部で混合された混合コンクリート16Cを移動式型枠41内に打設するコンクリート打設口42と、を備えている。
移動式型枠41は、躯体フレーム16の一部分を打設可能な形状に形成された型枠であり、打設後の養生機能も備えている。
移動式型枠41は、上面視で外殻部11の接線を中心にして矢印E方向(図7参照)に回転自在に設けられている。また、移動式型枠41は、構築に伴って変化する外殻部11の周方向の曲率に対応できる構成となっている。
コンクリート打設口42は、移動式型枠41の上方に延びる圧送管46の口部に位置し、混合コンクリート16Cが移動式型枠41内に向けて排出される構成となっている。
また、躯体製造ユニット4には、移動式型枠41内に打設した混合コンクリート16Cに向けて照射する紫外線照射部45が設けられている。つまり、打設されたコンクリートが紫外線硬化型樹脂であることから、打設後に紫外線照射部45によって紫外線を照射することで、硬化速度を上げることができ、施工の効率化を図ることができる。
図3に示す仕上げユニット5は、耐水圧板17を躯体フレーム16に対して嵌合させる機能と、止水施工を行う機能と、が備えられている。
制御部は、案内ガイド3によって躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5を外殻部11の施工位置に移動させ、躯体製造ユニット4において移動式型枠41内に混合コンクリート16Cを打設し、仕上げユニット5において躯体フレーム16によって囲まれる部分に耐水圧板17を嵌合させるように制御する。また、制御部は、前記上昇装置と案内ガイド3を連動させるように制御する。
次に、上述した構成からなる海上施工システムを用いた海上構築方法について、図面に基づいて詳細に説明する。
図3及び図8(a)〜(c)に示すように、本実施の形態による球殻海中構造物10の海上構築方法は、躯体製造ユニット4における移動式型枠41を外殻部11の所定位置に位置決めする第1工程と、移動式型枠41内に混合コンクリート16Cを打設して躯体フレーム16を製造する第2工程と、製造された躯体フレーム16によって囲まれる被嵌合部分に仕上げユニット5を配置し、当該被嵌合部分に耐水圧板17を水密に嵌合する第3工程と、を有している。
そして、躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5を外殻部11の形状に沿って案内ガイド3によって所定位置に移動させつつ、上記の第1工程、第2工程、及び第3工程を行うように制御部で制御する構成となっている。
先ず、図6に示す外殻部11の底盤部11Aを、図示しない陸上の製作ヤード(ドック)で製作する。このときの製作では、作業足場を組んで底盤部11Aの鉄筋をセットするとともに型枠を設置し、コンクリートを打設する一般的な製造方法により底盤部11Aの三角格子状の躯体フレーム16を製造する。さらにその躯体フレーム16によって囲まれた部分に所定の厚さを有する耐水圧板17(図1参照)を水密に嵌合してこの底盤部11Aが完成となる。また、この底盤部11Aの内部空間Rには、底盤部11Aの高さと略同等の高さまで鉄筋コンクリート造のコア部21を構築しておく。
次いで、製造された底盤部11Aに対して、同じ製作ヤードにおいて上述した構成の海上施工システム1を組み込んでおく。すなわちコア部21に案内ガイド3を取り付け、躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5を装備しておく。さらに、同時に第1揚重設備35、第2揚重設備36、及び第3揚重設備37を設置する。
その後、陸上で製造された底盤部11Aを船で牽引することにより海上の現場へ輸送し、その現場に配置する。このとき、外殻部11の底盤部11Aの底面には3つのバラスト13が設けられ、底盤部11Aの一部が海上に浮き上がるように浮力調整されている。そして、底盤部11Aが所定の高さで海上に配置されたら、底盤部11Aより上の外殻部11の施工を行う。
海上施工システム1を使用した海上における施工では、図7(a)、(b)に示すように、躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5を案内ガイド3を回転させることにより間欠的に周方向に移動させ、一対の躯体製造ユニット4ではコンクリート打設・養生によって躯体フレーム16を製造し、仕上げユニット5では既に製造されている躯体フレーム16に対して耐水圧板17を水密に嵌合する施工が行われる。つまり、1つの躯体製造ユニット4で半周(180°)の範囲を移動させることで、2つの躯体製造ユニット4によって全周の躯体フレーム16を製造することができる。ここで、打設した混合コンクリート16Cに対して、図5に示す紫外線照射部45により紫外線を照射して、樹脂コンクリートと樹脂筋を早期に硬化させる。
また、躯体製造ユニット4に対して周方向に90°回転した位置に配置される仕上げユニット5においても、1つの仕上げユニット5で半周(180°)の範囲を間欠的に移動させることで、2つの仕上げユニット5によって全周の耐水圧板17を設置することができる。
なお、このとき各ユニット4、5で使用する樹脂コンクリートや樹脂筋、耐水圧板17等の資材は、各ユニット4、5の突出端31a、32aに設けられる第1揚重設備35によって海上の資材台船8より吊り上げられ各ユニット4、5で使用できるように外殻部11内に搬入される。
また、図8(a)〜(c)に示すように、外殻部11の施工とほぼ同時に、中央タワー部12の施工も第2揚重設備36及び第3揚重設備37を使用して構築する。具体的には、第2揚重設備36を使用してコア部21の上端において、上述したスリップフォームを用いてコンクリート打設により上方に延長する。また、張出アーム31、32の下面に沿って水平走行する第3揚重設備37を使用して、鉄骨またはFRP構造からなる中央タワー外殻部22を立ち上げる。なお、これら中央タワー部12に使用する資材に関しても、第1揚重設備35を使用して資材台船8より外殻部11内に搬入する。
次に、1スパン分の高さの施工が完了したら、上述したジャンプアップ機構等の上昇装置(図示省略)により次に構築する外殻部11の1スパン分の高さ分だけ案内ガイド3とともに躯体製造ユニット4及び仕上げユニット5を上昇させて盛り替える。
ここで、外殻部11が球状であり上面視で外殻部11の外径が異なるため、案内ガイド3の上昇と共に、張出ガイド31、32を適宜な長さに伸縮させ、躯体製造ユニット4および仕上げユニット5が外殻部11の所定位置に配置されるように制御される。例えば図7(c)に示す外殻部11は図7(a)、(b)に示す外殻部11に対して大径となるので、張出アーム31、32が伸張される。
このように所定のスパン高さによる施工を繰り返すことで、球状の外殻部11とともに中央タワー部12も形成され、本実施の形態の球殻構造物10が構築される。
このように本実施の形態では、図6に示すように、躯体製造ユニット4における移動式型枠41を外殻部11の所定位置に位置決めした後、移動式型枠41内にコンクリートを打設して躯体フレーム16を製造し、製造された躯体フレーム16によって囲まれる被嵌合部分に仕上げユニット5を配置し、被嵌合部分に耐水圧板17を水密に嵌合する施工工程を制御部7の制御によって自動的に行うことができる。そのため、全体形状が曲面(曲線)をなす球殻海中構造物10の外殻部11を海上で効率よく構築することができる。
しかも、躯体製造ユニット4と仕上げユニット5とが案内ガイド3によって同時に移動することができるので、躯体フレーム16の構築と同一の高さ(レベル)で同じタイミングで耐水圧板17の施工を完了することができる。
なお、構築された球殻海中構造物10は、図9に示すように、状況に応じてバラスト13のバラスト量を調整して浮力を変えて海中において上下移動が可能となっている。例えば、通常時S1は、球殻海中構造物10の上部の一部が海上に出る程度の位置で保持させる。また、台風時S2などで海が荒れて海面付近で波や風の影響が大きい場合には、バラスト13の浮力を通常時S1よりも小さくして球殻海中構造物10を完全に海中に潜水させておくことができる。また、球殻海中構造物10のメンテナンス時S3には、バラスト13の浮力を通常時S1よりも大きくして例えば球殻海中構造物10の上半分以上の部分が海上に出るようにすることができる。
次に、上述した球殻海中構造物10の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態では、図1及び図2に示すように、コンクリート製の躯体フレーム16を外殻部11の球面に沿ってメッシュ状に配置し、さらに躯体フレーム16に囲まれる部分に耐水圧性を有する耐水圧板17が水密な状態で嵌合しているので、座屈に強い安定した楕円球状の外殻部11を設けることができる。
さらに、耐水圧板17は透明性を有するので採光機能をもたせることができ、球殻海中構造物10が海中に配置されていても、外殻部11の全周にわたって海中からの自然光(太陽光)を外殻部11の内部空間Rに取り入れることができ、外殻部11の内部空間Rの有効利用を図ることができる。
また、本実施の形態では、中央タワー部12の上下両端が外殻部11に対して一体的に接合され、外殻部11の底部分から支持されるとともに、天端部分から吊り下げられた半吊り構造となる。このように中央タワー部12を外殻部11の中心軸O上に設けることで、外殻部11が水圧などの外力を受けた場合に生じる変形を拘束することができる。
また、本実施の形態では、コア部21を外殻部11の中心軸O上に設けることで、外殻部11の外力による変形の拘束効果をより高めることができる。そのため、コア部21の周囲に設けられる多層構造の中央タワー外殻部22が外殻部11による影響が少なくなり、構造上安定した領域となる。したがって、この多層構造部分には、住居や商業施設などを配置することができる。
さらに、通路部19が中央タワー部12と外殻部11とに接続され一体的に設けられているので、この通路部19に外殻部11が水平方向の水圧などの外力を受けた場合における座屈を防止する機能をもたせることができる。
また、本実施の形態では、躯体フレーム16が三角格子状に形成されていることから、海中から受ける外力を楕円球状の外殻部11の全周にわたってバランスよく伝達させることができ、球殻寒中構造物1として安定した構造を実現することができる。
上述のように本実施の形態による球殻海中構造物では、安定した外殻部11を構成することで大径の楕円球状の構造物を構築することができる。
以上、本発明による球殻海中構造物の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であり、また上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
例えば、本実施の形態では、外殻部の中心を通る水平面に沿う水平支持板として、通路部19を設ける構成としているが、通路部の用途に限定されることはない。また、この水平支持板を省略することも可能である。
また、本実施の形態では、躯体フレーム16が三角格子状に形成されているが、メッシュ状に配置されていれば良いのであって、三角格子状であることに制限されることはない。
また、本実施の形態では、躯体製造ユニット4で打設するコンクリートとして、樹脂コンクリートと樹脂筋を混合した混合コンクリート16Cを採用しているが、このような材料に限定されることはなく、通常の鉄筋コンクリートをなすセメント系コンクリートや鉄筋であってもかまわない。なお、鉄筋を使用する場合には、躯体製造ユニット4に鉄筋を配筋するための設備を備えることが好ましい。
また、案内ガイド3の構成は本実施の形態に制限されるものではなく、他の構成としてもよい。例えば、本実施の形態では、張出アーム31、32を鞘管状で長さ方向X、Yに伸縮可能とし、これにより躯体製造ユニット4や仕上げユニット5が外殻部11の半径方向に移動することができる構成となっているが、これに代えて、例えば躯体製造ユニット4や仕上げユニット5が張出アーム31、32に案内されて移動する構成であっても良い。
また、本実施の形態では、外殻部11の形状として球体を対象としているが、縦横比が異なる楕円球であっても良い。
1 海上施工システム
3 案内ガイド
4 躯体製造ユニット
5 仕上げユニット
7 制御部
10 球殻海中構造物
11 外殻部
12 中央タワー部
13 バラスト
14 大空間部
16 躯体フレーム
17 耐水圧板
18 補強リブ
19 通路部(水平支持板)
21 コア部
22 中央タワー外殻部
31 第1張出アーム
32 第2張出アーム
33 保持部
34 資材搬送路
35 第1揚重設備
36 第2揚重設備
37 第3揚重設備
41 移動式型枠
42 コンクリート打設口

Claims (4)

  1. 海中に設けられ、内部空間を有する外殻部を備えた球殻海中構造物であって、
    メッシュ状に配置されたコンクリート製の躯体フレームと、
    該躯体フレームによって囲まれる部分に水密な状態で嵌合され、耐水圧性及び透明性を有する耐水圧板と、
    を備え、
    前記躯体フレームおよび前記耐水圧板によって楕円球状の前記外殻部が形成され
    前記外殻部の内部には、上下方向に延びる前記外殻部の中心軸に沿う中央タワー部が設けられ、
    前記中央タワー部の上端および下端が前記外殻部に連結され、
    前記中央タワー部は、前記外殻部の中心軸に設けられるコア部と、該コア部の径方向外側に設けられる中央タワー外殻部と、を備え、
    前記中央タワー外殻部は、上下方向の多層構造をなしていることを特徴とする球殻海中構造物。
  2. 前記外殻部の中心を通る水平面に沿う水平支持板が設けられ、
    該水平支持板は、前記中央タワー部と前記外殻部との間で接続されていることを特徴とする請求項に記載の球殻海中構造物。
  3. 前記躯体フレームは、三角格子状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の球殻海中構造物。
  4. 前記外殻部には、浮力を調整することが可能なバラストが設けられ、
    バラスト量を変更することで前記外殻部が上下移動することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の球殻海中構造物。
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