以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシン(遊技機)の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理(役構成や遊技状態の変移)および本実施形態で特徴的な処理を説明し、これらを実現するためのフローチャートを詳述する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方に位置し、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下部に位置し、メダル排出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。また、スロットマシン100は、ホールコンピュータ112と外部表示器(データカウンタ)114とを含む別体の外部装置110に接続され、外部表示器114は、遊技者が視認可能となるようにスロットマシン100の上方に配置されている。
前面下扉106の上部には操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130、演出スイッチ132等が配設されている。
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、メダル投入口124aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付け、前面下扉106の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)にメダルを送る。メダルセレクタには、メダルの投入が可能な投入期間外に投入されたメダルや規格外のメダルをメダル排出口108aに導くブロッカー(図示せず)と、投入期間内に投入された規格内のメダルの通過を検出する投入メダル検出部124bとが設けられている。ここで、メダル排出口108aに導かれたメダルは受け皿部108に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルの投入数である規定投入数を超えてメダルが投入されると、その規定投入数を超えた分のメダルが、所定枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)される。上記1遊技については後程詳述する。
また、ここでは、規定投入数は「3」または「2」に設定されている。なお、1遊技を実行するために必要なメダル数を、複数の規定投入数から任意に選択できる場合、その複数の規定投入数の中の最大のものを最大規定投入数といい、最小のものを最小規定投入数という。仮に、規定投入数が1〜3の間で選択可能な場合、最大規定投入数は「3」となり、最小規定投入数は「1」となる。
ベットスイッチ126は、クレジットされているメダルのうち規定投入数のメダルを投入(ベット)する、押圧式のボタンスイッチである。規定投入数以上のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ126を押圧すると、1遊技が開始可能となるとともに、クレジットされているメダルが規定投入数分だけ減枚される。
操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。また、スタートスイッチ128は、押圧操作を検出可能なボタンスイッチによって構成することも可能である。
前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136が設けられ、筐体102内の図柄表示窓136に対応した位置には、リールユニット134が設けられている。リールユニット134には、図3のリールの図柄配列に示すように、21に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された3つの回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、図柄表示窓136を通じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始する。
操作部設置台122の中央に位置するストップスイッチ130は、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチであり、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ130に係る3つのボタンスイッチを特にストップボタンスイッチとよび、その位置に応じて左から順にストップボタンスイッチ130a、ストップボタンスイッチ130b、ストップボタンスイッチ130cとする。
演出スイッチ132は、押圧式のボタンスイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。かかる演出スイッチ132は、主として演出中に用いられ、遊技者の操作によって演出態様を異ならせることができる。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部138が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ142が設けられる。
また、図2に示すように、前面上扉104の裏面における液晶表示部138の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ140が設けられている。さらに、筐体102内におけるリールユニット134の下方には、メダル排出口108aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)264が設けられている。メダル払出装置264は、メダルを貯留するメダル貯留部264aと、メダル貯留部264aに貯留されたメダルをメダル排出口108aから排出するための払出制御部264bと、メダル排出口108aから排出されるメダルを検出する払出メダル検出部264cとを備えている。具体的に払出制御部264bは、当該払出制御部264bの本体外装に回動可能に支持され、メダル貯留部264aから落下したメダルが上方より1枚ずつ嵌入するメダル嵌入孔を円周方向に複数配してなるディスク(図示せず)と、かかるディスクを回転するディスクモータ(図示せず)とを備え、このディスクを回転させて、メダル嵌入孔に嵌入したメダルを、押出機構を通じて1枚ずつ外部に排出するとともに、排出により空いたメダル嵌入孔に次のメダルを順次嵌入させることで、メダルを1枚ずつ連続排出する。
また、図1や図2では図示していないが、各回転リール134a、134b、134cの内側には、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに施された図柄のうち、図柄表示窓136に対応する(有効ラインの対象となり得る)各回転リール134a、134b、134cの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト144(図4参照)が設けられている。また、図柄表示窓136の裏面上部にも左リール134a、中リール134b、右リール134c全ての正面を直接照射するリール上方ライト146が設けられている。
また、図1に示すように、操作部設置台122において、図柄表示窓136とストップスイッチ130との間に設けられた段部122aの略水平面には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が設けられている。また、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158が設けられている。これらメインクレジット表示部152およびサブクレジット表示部156にはクレジット枚数が表示され、メイン払出表示部154およびサブ払出表示部158にはメダルの払出枚数が表示される。なお、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158には、演出に伴う様々な数値を表示することもできる。
また、筐体102内の任意の位置には、電源スイッチ148が設けられている。電源スイッチ148は、ロッカースイッチ等、押圧操作を検出可能なスイッチで構成され、当該スロットマシン100を管理する管理者側が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部124を通じたメダルの投入、ベットスイッチ126の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cが回転制御されるとともに当選役抽選が実行され、当選役抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じて、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選役に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、回転リール134a、134b、134cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ128の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、主として、制御基板によって制御されている。ここでは、制御基板の一例として、制御基板の機能を分担した、主制御基板200と、副制御基板202とを挙げて説明する。例えば、遊技の進行に関わるプログラムのうち、遊技に供する当選役の抽選やその入賞といったような、特に重要な処理を主制御基板200で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板202で実行している。また、図4に示したように、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。ただし、このような制限がなければ、電気的に双方向通信も技術的に可能である。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。ただし、メインRAM200cには不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてメインRAM200cの初期化処理を実行しない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選役抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態移行手段312、コマンド決定手段314、コマンド送信手段316、外部出力手段318等の機能部を有する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。ここで、ベットは、ベットスイッチ126の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部124を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。当選役抽選手段304は、メダルのベットおよびスタートスイッチ128の操作に基づき、小役、リプレイ役、および、ボーナス役を含む複数種類の当選役、ならびに、ハズレのうちいずれかを当選役抽選により決定する。
リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cを回転制御し、回転している回転リール134a、134b、134cにそれぞれ対応した複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ130の操作を有効化してから、当選役抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ130の操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ130の操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、回転リール134a、134b、134cを多彩な態様で回転させるリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。
判定手段308は、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役抽選で決定した当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたこと(入賞されたこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。状態移行手段312は、ボーナス役の当選や入賞に基づいて遊技状態を遷移させる。
コマンド決定手段314は、ベット手段302、当選役抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態移行手段312等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定する。コマンド送信手段316は、コマンド決定手段314が決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。外部出力手段318は、スロットマシン100の内部の状態を、信号(外部信号)により、ホールコンピュータ112を介して外部表示器114に出力する(以下、単に外部表示器114に出力と表現する)。
主制御基板200では、投入メダル検出部124b、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128およびストップスイッチ130から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、ベット手段302、当選役抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308が上述した種々の処理を実行する。また、主制御基板200には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が接続されており、払出制御手段310が両表示部152、154に対してメダルのクレジット枚数や払出枚数の表示を制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部258が接続されている。このリール駆動制御部258は、スタートスイッチ128の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される各回転リール134a、134b、134cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ262を駆動するとともに、ストップスイッチ130の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路260の検出信号に基づいて、ステッピングモータ262の駆動を停止する。
また、主制御基板200には、メダル払出装置264が接続されている。主制御基板200には払出メダル検出部264cの検出信号が入力されるようになっており、払出制御手段310は、その検出信号に応じてメダルの払出枚数を計数しながら払出制御部264bからのメダルの排出を制御する。
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の総数(例えば65536)内でループさせ(0〜65535)、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を生成(取得)する。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選役抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選役抽選手段304が当選役抽選を実行するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ132から検出信号を受信するとともに、当選役コマンドに基づいて液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部138に表示される画像データや、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ140から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。
演出は、上述したリール演出のような主制御基板200によって実行される演出と、副制御基板202によって実行される演出がある。副制御基板202によって実行される演出は、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選役抽選の結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。このような演出では、例えば、ボーナス遊技の当選を示唆する演出を複数遊技に亘って行い、遊技者の期待感を高めることができる。また、たとえ、いずれの当選役にも当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。
本実施形態では、副制御基板202における副制御基板202内で演出動画を処理しているが、液晶表示部138に表示される静止画や動画を含む画像は、データ容量やその表示に伴う処理負荷が膨大となるため、別途、液晶制御基板を介在させて演出動画を処理する場合もある。
上記の主制御基板200および副制御基板202を連動させることで、様々な遊技性を構築することができる。以下、主となる遊技態様を詳述する。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
スロットマシン100においては、複数の遊技状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態が遷移する。そして、主制御基板200では、状態移行手段312により管理される遊技状態に対応する複数の当選役抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選役抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の遊技状態(後述するボーナス役の成立有無に基づく遊技状態等)に応じて、対応する当選役抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選役抽選テーブルと現在の設定値に基づき、スタートスイッチ128の操作信号に応じて取得された当選役抽選乱数が当選役抽選テーブル内のいずれの当選役またはハズレに対応するか判定する。ここで、設定値は、遊技利益を得る容易性を段階的に示したものであり、その設定値の数値が高いほど、遊技利益を得易い。なお、設定値は、一般的に、ホール側管理者により少なくとも遊技開始時には決定されており、遊技者が、遊技中に設定値を取得および変更することはできないようになっている。
ここで、当選役抽選テーブルで抽出される当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役がある。このような当選役に対応する図柄組み合わせが、有効ライン上に揃った状態を表示または入賞といい、当選役に当選し、その当選役に対応する図柄組み合わせが表示されるまでの状態を内部当選状態とする。当選役のうちのリプレイ役は、そのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度1遊技を実行できる役であり、小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、状態移行手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態に移行させることができる当選役である。以下に、当選役および遊技者に付与される遊技利益について説明する。
図5は、有効ラインを説明するための説明図であり、図6は、当選役を説明するための説明図であり、図7は、遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
本実施形態において有効ラインは、図5に示すように5本ある。具体的に、図柄表示窓136に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール134a、中リール134b、右リール134cのそれぞれ中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを有効ラインA、左リール134aの上段、中リール134bの上段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを有効ラインB1、左リール134aの下段、中リール134bの下段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを有効ラインB2、左リール134aの上段、中リール134bの中段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを有効ラインC1、左リール134aの下段、中リール134bの中段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを有効ラインC2としてそれぞれ設定している。
また、本実施形態においては、当選役として、図6に示すように、当選役「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「ビッグボーナス(以下「BB」という)」が設けられている。このうち、当選役「リプレイ」が上記リプレイ役に相当し、当選役「ベル」、「スイカ」が上記小役に相当し、当選役「BB」が上記ボーナス役に相当する。
(リプレイ役)
当選役抽選の結果、当選役「リプレイ」に当選すると、図6に示した当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせである、左リール134aに記される「リプレイ」図柄が有効ライン上に表示可能となり、中リール134bに記される「リプレイ」図柄が同一の有効ライン上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイ」図柄が同一の有効ライン上に表示可能となり、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが同一の有効ライン上に表示されると、上記したように、遊技者によるベットを行わずして再度1遊技を実行できる。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ライン上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ライン上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ライン上にはないが、各回転リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、当選役に対応する図柄が各回転リール134a、134b、134c中に複数あり、いずれも各回転リール134a、134b、134cの引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ライン上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ライン上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選した当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ライン上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ライン上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。
そして、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ライン上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。具体的に、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4コマ分しか離隔していないので、停止制御によって必ず有効ライン上に表示することができる。このように、当選役「リプレイ」に当選すると、これら当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ライン上に表示されることとなる。このようにして、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、メダルを投入することなく次の1遊技を開始することが可能となる。
(小役)
また、当選役抽選の結果、当選役「ベル」に当選した場合には、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせである、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「ベル」図柄が有効ライン上に表示可能となり、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、当選役に対応した枚数(ここでは9枚)のメダルが遊技者に払い出される。ここで、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせを構成する「ベル」図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4つ分しか離隔していないので(図3および図6参照)、当選役「リプレイ」同様、上記の停止制御によって、必ず有効ライン上に表示することができる。
また、当選役抽選の結果、当選役「スイカ」に当選すると、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせである、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「スイカ」図柄が有効ライン上に表示可能となり、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、当選役に対応した枚数(ここでは15枚)のメダルが遊技者に払い出される。ただし、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせを構成する「スイカ」図柄が、上記の停止制御によっても、有効ライン上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図6参照)。そのため、当選役「スイカ」に当選したとしても、所謂取りこぼしが生じることがあり、遊技者は、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ライン上に表示させられるとは限らない。
(ボーナス役)
また、当選役抽選の結果、当選役「BB」に当選すると、図6に示した当選役「BB」に対応する図柄組み合わせである、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「赤7」図柄が有効ライン上に表示可能となり、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、遊技状態がボーナス遊技状態に設定され、次の1遊技(以下、単に次遊技という)以降、メダルが所定枚数(例えば、297枚)払い出されるまで、ボーナス遊技状態にて遊技を実行することが可能となる。なお、各回転リール134a、134b、134cにおいては、それぞれ「赤7」図柄が、上記の停止制御によっても、有効ライン上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図6参照)。そのため、当選役「BB」に当選したとしても、遊技者は、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ライン上に表示させられるとは限らない。
なお、上述したいずれかの当選役に当選すると、それぞれの当選役に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされることとなる。このとき、小役に当選したものの、その小役に対応する図柄組み合わせを、その1遊技内で有効ライン上に表示させることができなかった場合には、当該1遊技の終了後に内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の当選の権利は小役に当選した1遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。また、リプレイ役である当選役「リプレイ」に対応する内部当選フラグが成立した場合には、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが必ず有効ライン上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。これらに対して、当選役「BB」に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。
(遊技状態の遷移)
ここで、BB内部当選フラグについて、遊技状態の遷移と合わせて具体的に説明する。BB内部当選フラグが成立すると、BB内部当選フラグの成立状況に応じて、図7の(1)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態が、ボーナス役である当選役「BB」に当選していないボーナス非成立遊技状態から、ボーナス遊技状態の準備状態に相当するボーナス成立遊技状態となり、ボーナス成立遊技状態に基づいて左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされる。このとき、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越され(ボーナス成立遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においても当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示させることが可能となる。そして、遊技者が、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示させると、図7の(2)に示すように、遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に移行する。また、ボーナス遊技状態において、メダルが所定枚数(例えば、297枚)を超えるメダルが払い出されると、図7の(3)に示すように、遊技状態が、ボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態に移行する。ただし、図7の(4)に破線の矢印で示すように、ボーナス非成立遊技状態における当選役「BB」が成立した遊技で、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示させた場合、ボーナス成立遊技状態を経由せず、直接、ボーナス遊技状態に移行する。
(当選役抽選テーブル)
図8は、当選役抽選乱数を判定する場合に用いられる当選役抽選テーブルを示す図であり、図8(a)は、上述したボーナス非成立遊技状態において用いられるボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルを示し、図8(b)は、ボーナス成立遊技状態において用いられるボーナス成立遊技状態用当選役抽選テーブルを示し、図8(c)は、ボーナス遊技状態において用いられるボーナス遊技状態用当選役抽選テーブルを示している。当選役抽選テーブルでは、いずれも複数の当選領域が区画されており、それぞれに当選役(遊技利益)が対応付けられる。例えば、図8(a)のボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルでは、当選領域1に当選役「リプレイ」が対応付けられ、当選領域2に当選役「ベル」が対応付けられ、当選領域3に当選役「スイカ」が対応付けられ、当選領域4に当選役「BB」が対応付けられ、当選領域5に「ハズレ」が対応付けられている。
また、各遊技状態によって抽選の対象となる当選役(遊技利益)が異なっている。例えば、図8(a)のボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルと、図8(b)のボーナス成立遊技状態用当選役抽選テーブルとを比較すると、前者は当選役「BB」の抽選を行っているのに対し、後者では当選役「BB」の抽選を行っていない。これは、後者では、既に当選役「BB」に当選しているので重ねて当選役「BB」を当選させることができないからである。また、後者では、前者に比べ、当選役「リプレイ」の当選確率を高く設定している。また、図8(c)のボーナス遊技状態用当選役抽選テーブルによれば、重ねて当選役「BB」の抽選を行わないとともに、当選役「リプレイ」や当選役「スイカ」の抽選も行われない。また、当選役「ベル」が高確率で当選するように設定されているので、図8(a)のボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルや図8(b)のボーナス成立遊技状態用当選役抽選テーブルと比べて、1遊技で獲得できる枚数の平均値を示す期待獲得枚数が高くなっている。
また、当選役抽選テーブルにおいて区画化された各当選領域には、それぞれ当選役に加え、所定の置数(当選領域の当選範囲を示す数値)が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を積算すると当選役抽選乱数の総数(65536)となる(ただし、当選役抽選乱数のとりうる範囲は0〜65535)。したがって、当選役それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選役抽選乱数の総数で除算した値となる。
このような当選役に対応付けられる置数には、設定値に関係なく(設定値に拘わらず)共通する1の置数が対応付けられているもの(共通)と、複数の設定値それぞれに置数が対応付けられているもの(設定別)とがある。例えば、図8(a)のボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルにおいて、当選役「リプレイ」は、設定値に関係なく、その置数は「8978」であるのに対し、当選役「スイカ」は、設定値が「1」の場合、置数が「180」となり、設定値が「6」の場合、置数が「250」となっている。ここでは、上述したように、設定値の数値が高いほど、一般に遊技利益を得易くなっている。例えば、図8(a)の例では、設定値が「1」の場合、当選役「スイカ」は置数/総数=180/65536=0.27%の確率で当選し、当選役「BB」は150/65536=0.23%の確率で当選するのに対し、設定値が「6」の場合、当選役「スイカ」は250/65536=0.38%の確率で当選し、当選役「BB」は200/65536=0.31%の確率で当選する。このように、設定値の数値が高いほど、当選役「スイカ」や当選役「BB」が当選し易くなり、遊技を有利に進行できることが理解できる。
(当選役抽選)
上述したように、当選役抽選手段(当選領域判定手段)304は、スタートスイッチ128の操作(所定の契機)に基づいて当選役抽選を行う。具体的に、当選役抽選手段304は、設定値と、その時点の遊技状態とに基づいて、当該当選役抽選テーブルから予め定められた順に当選役(当選領域)に対応付けられた置数を参照し、置数の範囲に当選役抽選乱数が含まれるか否か判定する。例えば、設定値が「1」に設定され、遊技状態がボーナス非成立遊技状態である場合に、乱数発生器200dが当選役抽選乱数として「51558」を生成したとする。
当選役抽選手段304は、その時点の遊技状態(ボーナス非成立遊技状態)に基づいて、図8(a)のボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルを参照し、設定値「1」であることに基づいて、ボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルにおける当選領域の番号が大きい方から順に置数を取得する。当選役抽選手段304は、まず、当選領域5「ハズレ」の設定値「1」の置数である「49228」を取得し、その置数「49228」を当選役抽選乱数「51558」から減算して減算値「2330」を導出する。かかる減算値は0未満ではないので、当選役抽選手段304は、引き続き、当選領域4の当選役「BB」の設定値「1」の置数である「150」を取得し、その置数「150」を減算値「2330」から減算して減算値「2180」を導出する。かかる減算値は0未満ではないので、当選役抽選手段304は、当選領域3の当選役「スイカ」の設定値「1」の置数である「180」を取得し、その置数「180」を減算値「2180」から減算して減算値「2000」を導出する。かかる減算値は0未満ではないので、当選役抽選手段304は、当選領域2の当選役「ベル」における、設定値に関係ない共通の置数である「7000」を取得し、その置数「7000」を減算値「2000」から減算して減算値「−5000」を導出する。ここで、減算値が0未満となると、当選役抽選手段304は、その時点の当選領域に対応付けられた当選役「ベル」を抽選結果とする。ここでは、当選領域判定手段として遊技利益を抽選により決定する当選役抽選手段304を挙げて説明したが、かかる抽選の手順は、遊技利益や演出を抽選により決定する様々な他の抽選においても適用できる。また、当選領域を参照する順は、その番号が大きい順に限られない。
また、ここでは、当選役抽選手段304が、設定値、および、その時点の遊技状態に基づいて、当選役抽選テーブルにおける複数の当選領域から、順次、置数を取得し、その置数を、当選役抽選乱数(初回)から、または、前回の減算値(初回以外)から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選役を抽選結果とする例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、加算を利用する手法を用いてもよい。例えば、当選役抽選手段304は、設定値、および、その時点の遊技状態に基づいて、当選役抽選テーブルにおける複数の当選領域から、順次、置数を取得し、その置数を順次積算し、毎回、同一の当選役抽選乱数から減算して、その減算値が0未満の場合に、その時点の当選領域に対応付けられた当選役を抽選結果としてもよい。
このような当選役抽選テーブルは、メインROM200bに記憶されている。当選役抽選手段304は、その時点の遊技状態の当選役抽選テーブルを示すアドレスを参照し、そのアドレスの記憶数値である置数を読み出す。以下、メインROM200bの記憶領域に着目して当選役抽選について詳述する。
図9は、メインROM200bにおける図8(a)のボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルの記憶態様を示した説明図である。本実施形態では、当選役抽選テーブルの当選領域の番号が大きい方から順に置数を取得するので、ここでは、当選領域5の「ハズレ」、当選領域4の当選役「BB」、当選領域3の当選役「スイカ」、当選領域2の当選役「ベル」、当選領域1の当選役「リプレイ」といった順に置数が配されている。
(設定識別情報)
ただし、上述したように、置数には、設定値に関係なく(設定値に拘わらず)共通する1の置数が対応付けられているもの(共通)と、複数の設定値それぞれに置数が対応付けられているもの(設定別)とがある。そこで、メインROM200bでは、具体的な置数が記憶されている記憶領域より前の情報領域に、複数の設定値それぞれに置数が対応付けられているか(下位3bitが111b)、または、設定値に関係なく共通する1の置数が対応付けられているか(下位3bitが000b)を示す設定識別情報が記憶されている。なお、本実施形態において、数値の語尾に「b」が付されている場合、その数値が2進数であることを示し、「h」が付されている場合、その数値が16進数であることを示し、何ら付されていない場合、その数値が10進数であることを示す。
そして、当選役抽選手段304は、情報領域に記憶されている設定識別情報に基づいて、すなわち、下位3bitが111bになっているか否かに基づいて置数を参照する。例えば、図9の例において、当選役抽選手段304は、「ハズレ」を示すアドレス(1000h)の記憶数値を読み出し、その記憶数値の下位3bitが111bになっているか否か判定する。ここでは、下位3bitが111bになっているので、当選役抽選手段304は、かかる設定識別情報が設定別であることを把握する。
なお、ここでは、各設定値に対応付けられる置数は、設定値の低い順に配置している。すなわち、設定値「1」に対応する置数、設定値「2」に対応する置数、設定値「3」に対応する置数、設定値「4」に対応する置数、設定値「5」に対応する置数、設定値「6」に対応する置数の順に記憶されている。ここでは、情報領域の記憶数値の下位3bitが111bになっているので、当選役抽選手段304は、設定値が「1」であることに基づいて、設定識別情報が記憶されているアドレス1000hの直後のアドレス1001hと1002hとに記憶された2byte分の置数「49228」を取得する。
また、当選役抽選手段304が、図9の例において、当選役「ベル」を示すアドレス(101Bh)の記憶数値を読み出したとする。このとき、設定識別情報が示される下位3bitが000bになっているので、当選役抽選手段304は、かかる設定識別情報が共通であることを把握する。なお、共通の置数は、設定識別情報が記憶されたアドレスの次のアドレス(すなわち、設定値「1」の置数の記憶領域に相当するアドレス)に記憶されている。ここでは、情報領域の記憶数値の下位3bitが000bになっているので、当選役抽選手段304は、設定識別情報が記憶されているアドレス101Bhの直後のアドレス101Chと101Dhに記憶された2byte分の置数「7000」を取得する。
(記憶単位情報)
ところで、スロットマシン100では、多様な遊技性が求められ、それに伴って、当選役抽選テーブルにおける当選役や、他の抽選テーブルにおける演出の数が増加傾向にある。また、スロットマシン100では、上述したように、遊技の進行に際し、遊技者の有利度合いを異にする複数の遊技状態が設けられており、その遊技状態毎に抽選テーブルを準備すると抽選テーブルのために膨大な記憶容量が必要となる。一方、不正防止等の観点から、メインROM200bの配置や総合的な記憶容量は制限されており、限られた記憶容量内での各抽選テーブルの効率的な配置が望まれている。ここで、抽選テーブルの置数の記憶容量(データ長)に着目すると、置数は、総数(ここでは65536)未満の数値で表されるので、少なくとも、その記憶容量は2byte以下で表すことができる。しかし、置数が小さい場合、例えば、置数が1byteで表すことができる場合であっても、一律に2byteの記憶容量を占有するとしてしまうと、上位の1byte分の記憶容量を無駄に費やすこととなってしまう。
そこで、本実施形態では、置数の記憶容量を制限して、メインROM200bにおける抽選テーブルの占有領域の低減を図る。具体的に、置数の記憶単位として、所定の第1上限数(例えば255)以下の置数を記憶できる第1記憶単位(例えば1byte)と、第1上限数より大きい第2上限数(65535)以下の置数を記憶できる第2記憶単位(例えば2byte)とを準備し、メインROM200bにおける置数が記憶されている記憶領域より前の情報領域に、上述した設定識別情報とともに、その置数が第1記憶単位(1byte)で記憶されているか(上位1bitが1b)、または、第2記憶単位(2byte)で記憶されているか(上位1bitが0b)を示す記憶単位情報も記憶する。そして、当選役抽選手段304は、設定識別情報のみならず、記憶単位情報にも基づいて、すなわち、上位1bitが1bになっているか否かに基づいて置数を参照する。
ここでは、置数が記憶されている記憶領域より前に設定識別情報を記憶する情報領域があることを利用し、設定識別情報が占有する下位3bit以外の空き領域に記憶単位情報を記憶する。したがって、記憶単位情報および設定識別情報は合わせて1byteで表され、記憶単位情報の追加によっては、記憶領域は増大しない。
こうして、置数の記憶パターンは、設定値に関係ない共通な置数と、設定値それぞれに対応付けられた置数とがあり、それぞれに対して、1byte(第1記憶単位)で表される置数と、2byte(第2記憶単位)で表される置数とがあるので、4つのパターンが存在することになる。そして、その記憶容量は、共通、1byte(第1記憶単位)のパターンで1byteとなり、共通、2byte(第2記憶単位)のパターンで2byteとなり、設定別、1byte(第1記憶単位)のパターンで6byteとなり、設定別、2byte(第2記憶単位)のパターンで12byteとなる。
このような当選役抽選テーブルでは、同一の当選役の置数は、設定値によって異ならせる場合があるものの、その数値自体は大凡類似する数値となる。したがって、置数を1byteで表せる場合、設定別の置数全てを1byteで表せることができることが多く、メインROM200bにおける抽選テーブルの占有領域を効率的に低減することが可能となる。
ただし、設定値それぞれに置数が対応付けられる場合、その数値が設定により1byteで記憶できる置数(例えば200)と、2byteでしか記憶できない置数(例えば400)とが混在する場合が生じ得る。この場合、設定別の置数それぞれに記憶単位情報を対応させるとすると、記憶単位情報が不要に増大してしまう。
そこで、本実施形態においては、複数の設定値それぞれに置数が対応付けられている場合、かかる複数の置数の記憶単位は、複数の設定値それぞれに対応付けられた置数のうち最大となる置数を記憶できる記憶単位に統一する。すなわち、設定別の置数のうち、1つでも2byteでしか記憶できない置数が存在する場合、その当選役の置数は全て2byteで記憶する。こうして、複雑な処理を行うことなく、1の記憶単位情報によって規則的に置数を参照することができる。
なお、ここでは、置数の記憶単位として、所定の第1上限数(例えば255)以下の置数を記憶できる1byteと、第1上限数より大きい第2上限数(65535)以下の置数を記憶できる2byteとを準備する例を挙げて説明したが、その記憶単位の種類や大きさに制限はなく、例えば、1byte、2byte、3byteといった3つの記憶単位等、様々な記憶単位を準備することもできる。ただし、本実施形態では、メインROM200bにおける置数が記憶されている記憶領域より前の情報領域を、設定識別情報が3bitの記憶容量が占有しているので、記憶単位の種類は5bitで表現できる32種類以下であることが望ましい。
図10は、当選役抽選手段304の具体的な当選役抽選の処理を説明するための説明図である。例えば、上記のように、設定値が「1」に設定され、遊技状態がボーナス非成立遊技状態であるとする。この場合、Aレジスタには図10(a)のように、設定値「1」に対応する「0000 0000b」が記憶されている。なお、Aレジスタの値は、「0000 0000b」が設定値「1」に対応し、「0000 0001b」が設定値「2」に対応し、「0000 0010b」が設定値「3」に対応し、「0000 0011b」が設定値「4」に対応し、「0000 0100b」が設定値「5」に対応し、「0000 0101b」が設定値「6」に対応する。
そして、乱数発生器200dが当選役抽選乱数として「51558」を生成したとする。当選役抽選手段304は、その時点の遊技状態(ボーナス非成立遊技状態)に基づいて、図8(a)のボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルの当選領域の番号が大きい当選領域5「ハズレ」を参照すべく、図10(b)のように、HLレジスタにボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルの先頭アドレスである1000hを設定する。
続いて、当選役抽選手段304は、図10(c)のように、HLレジスタで示されるアドレス1000hの記憶数値(ここでは00000111b)を読み出し、その上位1bitに基づいて、当該当選領域の記憶単位を判断する。ここでは、上位1bitが「0b」なので、記憶単位は2byteであると判断される。続いて、当選役抽選手段304は、図10(d)のように、読み出した記憶数値(00000111b)と、Aレジスタの設定値(00000000b)との論理積(AND演算)を行い、その結果に基づいて置数を読み出すアドレスを特定する。具体的に、置数を読み出すアドレスは、HLレジスタの記憶数値+1に、論理積の結果×記憶単位のbyte数に相当する値を加算した値となる。ここでは、論理積が00000000bとなるので、アドレスは、1000h+1+(00000000b×2(byte))=1001hとなる。ここで、論理積の結果を2で乗算する例を挙げたが、同数を加算したり、2進数で桁を上げるビットシフトを行うことによっても2の乗算と同じ処理を実現できる。
そして、当選役抽選手段304は、図10(e)のように、アドレス1001hをHLレジスタに設定し、記憶単位である2byte分の記憶数値、すなわち、HLレジスタで示されるアドレス1001hの記憶数値(ここでは01001100b)と、HLレジスタで示されるアドレスの次のアドレス1002hの記憶数値(ここでは11000000b)とを合わせた2byte分の置数(1100000001001100b=49228)を読み出してDEレジスタに設定する。また、当選役抽選手段304は、アドレス1000hの記憶数値(ここでは00000111b)の下位3bitが111bであることに基づいて、次の当選領域へのオフセット値として、2(記憶単位)×6(設定別)=12を導出しておく。
ここでは、置数を読み出すアドレスを、HLレジスタで示されるアドレスの記憶数値と、Aレジスタの設定値との論理積を行って特定している。これは以下の理由からである。HLレジスタで示されるアドレスは、設定識別情報によって変化する。例えば、設定識別情報として下位3bitが111bであれば、複数の設定値それぞれに置数が対応付けられているので、Aレジスタの設定値に応じてアドレスを導出しなければならず、設定識別情報として下位3bitが000bであれば、設定値に関係なく共通する1の置数が対応付けられているのでアドレスは1に特定できる。ただし、設定値に関係なく共通する1の置数が対応付けられている置数のアドレスは、複数の設定値それぞれに置数が対応付けられている場合の設定値「1」の置数のアドレスと等しくなるように、すなわち、設定識別情報の直後のアドレスに配置されている。したがって、HLレジスタで示されるアドレスの記憶数値と、Aレジスタの設定値との論理積を行ったとしても、設定値「1」の場合と、共通の場合とで、いずれも結果が00000000bとなるが、記憶位置が等しいので問題は生じない。なお、HLレジスタで示されるアドレスの記憶数値には、記憶単位情報も含まれているが、Aレジスタの上位1bitが0bであるため、記憶単位情報に拘わらず(0b、1bどちらであっても)、論理積を行った結果は、上位1bitが0bとなり、特定すべきアドレスに影響が及ぶことはない。
こうして、当選役抽選手段304は、当選領域5の「ハズレ」の設定値「1」の置数である「49228」を取得することができ、その置数「49228」を当選役抽選乱数「51558」から減算して減算値「2330」を導出する。かかる減算値は0未満ではないので、当選役抽選手段304は、引き続き、図8(a)のボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルにおいて次に当選領域の番号が大きい当選領域4の当選役「BB」を参照すべく、図10(f)のように、ボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルの先頭アドレスである1000hに、1(情報領域分)と、オフセット値「12(Ch)」とを加算した100DhをHLレジスタに設定する。
続いて、当選役抽選手段304は、図10(g)のように、HLレジスタで示されるアドレス100Dhの記憶数値(ここでは10000111b)を読み出し、その上位1bit(1b)に基づいて、記憶単位は1byteであると判断する。次に、当選役抽選手段304は、図10(h)のように、読み出した記憶数値(10000111b)と、Aレジスタの設定値(00000000b)との論理積を行い、その結果に基づいて置数を読み出すアドレスを、100Dh+1+(00000000b×1(byte))=100Ehに設定する。そして、当選役抽選手段304は、図10(i)のように、アドレス100EhをHLレジスタに設定し、記憶単位である1byte分の記憶数値、すなわち、HLレジスタで示されるアドレス100Ehの記憶数値(ここでは10010110b=150)を置数として読み出してDEレジスタに設定する。ただし、ここではDEレジスタの上位8bitをすべて0bに設定する。また、当選役抽選手段304は、アドレス100Dhの記憶数値(ここでは10000111b)の下位3bitが111bであることに基づいて、次の当選領域へのオフセット値として、1(記憶単位)×6(設定別)=6を導出しておく。
こうして、当選役抽選手段304は、当選領域4の当選役「BB」の設定値「1」の置数である「150」を取得することができ、その置数「150」を減算値「2330」から減算して減算値「2180」を導出する。かかる減算値は0未満ではないので、当選役抽選手段304は、引き続き、図8(a)のボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルにおいて次に当選領域の番号が大きい当選領域3の当選役「スイカ」を参照すべく、図10(j)のように、当選領域4の先頭アドレスである100Dhに、1(情報領域分)と、オフセット値「6」とを加算した1014hを設定する。
続いて、当選役抽選手段304は、図10(k)のように、HLレジスタで示されるアドレス1014hの記憶数値(ここでは10000111b)を読み出し、その上位1bit(1b)に基づいて、記憶単位は1byteであると判断する。次に、当選役抽選手段304は、図10(l)のように、読み出した記憶数値(10000111b)と、Aレジスタの設定値(00000000b)との論理積を行い、その結果に基づいて置数を読み出すアドレスを、1014h+1+(00000000b×1(byte))=1015hに設定する。そして、当選役抽選手段304は、図10(m)のように、アドレス1015hをHLレジスタに設定し、記憶単位である1byte分の記憶数値、すなわち、HLレジスタで示されるアドレス1015hの記憶数値(ここでは10110100b=180)を置数として読み出してDEレジスタに設定する。ただし、ここでもDEレジスタの上位8bitをすべて0bに設定する。また、当選役抽選手段304は、アドレス1014hの記憶数値(ここでは10000111b)の下位3bitが111bであることに基づいて、次の当選領域へのオフセット値として、1(記憶単位)×6(設定別)=6を導出しておく。
こうして、当選役抽選手段304は、当選領域3の当選役「スイカ」の設定値「1」の置数である「180」を取得することができ、その置数「180」を減算値「2180」から減算して減算値「2000」を導出する。かかる減算値は0未満ではないので、当選役抽選手段304は、引き続き、図8(a)のボーナス非成立遊技状態用当選役抽選テーブルにおいて次に当選領域の番号が大きい当選領域2の当選役「ベル」を参照すべく、図10(n)のように、当選領域3の先頭アドレスである1014hに、1(情報領域分)と、オフセット値「6」とを加算した101Bhを設定する。
続いて、当選役抽選手段304は、図10(o)のように、HLレジスタで示されるアドレス101Bhの記憶数値(ここでは00000000b)を読み出し、その上位1bit(0b)に基づいて、記憶単位は2byteであると判断する。次に、当選役抽選手段304は、図10(p)のように、読み出した記憶数値(00000000b)と、Aレジスタの設定値(00000000b)との論理積を行い、その結果に基づいて置数を読み出すアドレスを、101Bh+1+(00000000b×2(byte))=101Chに設定する。そして、当選役抽選手段304は、図10(q)のように、アドレス101ChをHLレジスタに設定し、記憶単位である2byte分の記憶数値、すなわち、HLレジスタで示されるアドレス101Chの記憶数値(ここでは01011000b)と、HLレジスタで示されるアドレスの次のアドレス101Dhの記憶数値(ここでは00011011b)とを合わせた2byte分の置数(0001101101011000b=7000)を読み出してDEレジスタに設定する。また、当選役抽選手段304は、アドレス101Bhの記憶数値(ここでは00000000b)の下位3bitが000bであることに基づいて、次の当選領域へのオフセット値として、2(記憶単位)×1(共通)=2を導出しておく。
こうして、当選役抽選手段304は、当選領域2の当選役「ベル」の設定値「1」の置数である「7000」を取得することができ、その置数「7000」を減算値「2000」から減算して減算値「−5000」を導出する。ここで、減算値が0未満となると、当選役抽選手段304は、その時点の当選領域に対応付けられた当選役「ベル」を抽選結果とする。
従来、置数が1byteで表すことができる場合であっても、一律に2byteの記憶容量を占有していたので、上位の1byte分の記憶容量を無駄に費やしていたところ、本実施形態では、置数が1byteで表すことができる場合に1byteの記憶容量しか占有しなくなるので、メインROM200bにおける抽選テーブルの占有領域の低減を図ることが可能となる。
以下、主制御基板200における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図11は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップボタンスイッチ130a、130b、130c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各回転リール134a、134b、134cが回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ126の操作、または、メダル投入部124へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド決定手段314は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS300)
次に、当選役抽選手段304は、スタートスイッチ128に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ128の操作待ち状態に移行する。ここで、当選役抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選役抽選乱数から、スタートスイッチ128が操作された時点における1の当選役抽選乱数を取得する。そして、当選役抽選手段304は、図8に示した複数の当選役抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選役抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選役抽選乱数が、決定した当選役抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選役またはハズレを抽選結果として決定する。また、コマンド決定手段314は、スタートスイッチ128の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選役抽選の抽選結果(当選役またはハズレ)や遊技状態に関する情報等を含む当選役コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された当選役コマンドを副制御基板202に送信する。また、状態移行手段312は、ボーナス非成立遊技状態において当選役「BB」に当選したことに基づき遊技状態をボーナス非成立遊技状態からボーナス成立遊技状態へ移行させる。かかる抽選処理S300の当選役抽選については後程詳述する。
(ステップS400)
スタートスイッチ128が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ262を駆動して左リール134a、中リール134b、右リール134cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始し、左リール134a、中リール134b、右リール134cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。また、リール制御手段306は、リール演出を実行する場合もある。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cを有効化し、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受け付けると、その操作に対応する回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれか)を停止制御する。また、コマンド決定手段314は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、コマンド送信手段316は、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、図5(a)に示した有効ライン上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド決定手段314は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせや、有効ライン上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、状態移行手段312は、ボーナス成立遊技状態において当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたことに基づき、遊技状態をボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態へ移行させる。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ライン上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ライン上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、状態移行手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態へ移行させる。このように、払出制御手段310は、有効ライン上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該1遊技を終了する。また、コマンド決定手段314は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
(抽選処理S300)
図12は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理、特に、当選役抽選について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS301)
まず、当選役抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当選役抽選テーブルの先頭アドレスを、当選領域参照アドレス(変数)に設定する。
(ステップS302)
続いて、当選役抽選手段304は、当選領域参照アドレスが示す情報領域の記憶数値を読み出し、その上位1bitの記憶単位情報に基づいて、当該当選領域の記憶単位を判断するとともに、その下位3bitの設定識別情報に基づいて、当該当選領域が共通か設定別かを判断する。
(ステップS303)
次に、当選役抽選手段304は、記憶単位情報(1(第1記憶単位)か2(第2記憶単位)か)および設定識別情報(1(共通)か6(設定別)か)に応じ、それらを乗算して、次の当選領域へのオフセット値を導出する。
(ステップS304)
続いて、当選役抽選手段304は、当選領域参照アドレスが示す情報領域から読み出した記憶数値と、現在の設定値との論理積(AND演算)を行い、その結果に基づいて置数を読み出すアドレスを特定する。
(ステップS305)
次に、当選役抽選手段304は、記憶単位情報が1bであるか否か、すなわち、記憶単位が1byteであるか否か判定する。その結果、記憶単位情報が1bであれば、ステップS306に移行し、記憶単位情報が1bでなければ(0bであれば)、ステップS307に移行する。
(ステップS306)
上記ステップS305において記憶単位情報が1bであると判定されれば、当選役抽選手段304は、当選領域参照アドレスに、1と、論理積の結果(置数を読み出すアドレス)とを加算し、その加算したアドレスの記憶数値を1byteの置数として抽出する。
(ステップS307)
上記ステップS305において記憶単位情報が1bではないと判定されれば、当選役抽選手段304は、当選領域参照アドレスに、1と、論理積の結果(置数を読み出すアドレス)に2を乗じた値とを加算し、その加算したアドレスの記憶数値を2byteの置数として抽出する。
(ステップS308)
続いて、当選役抽選手段304は、抽出された置数を減算値(初回は当選役抽選乱数)から減算し、新たに減算値を導出する。
(ステップS309)
次に、当選役抽選手段304は、減算値が0未満であるか否か判定する。その結果、減算値が0未満であれば、ステップS310に移行し、減算値が0未満でなければ(0以上であれば)、ステップS311に移行する。
(ステップS310)
上記ステップS309において減算値が0未満であると判定されれば、当選役抽選手段304は、現時点の当選領域参照アドレスに対応する当選領域の当選役を、抽選結果とし、当該抽選処理(S300)を終了する。
(ステップS311)
上記ステップS309において減算値が0未満ではないと判定されれば、当選役抽選手段304は、現在の当選領域参照アドレスに、1(情報領域分)と、導出されたオフセット値とを加算し、新たに当選領域参照アドレスを導出して、ステップS302からを繰り返す。
ここでは、置数が1byteで表すことができる場合に1byteの記憶容量しか占有しなくなるので、メインROM200bにおける抽選テーブルの占有領域の低減を図ることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、当選領域判定手段としての当選役抽選手段304が当選役抽選テーブルを用いて当選役(遊技利益)を抽選する例を挙げて説明したが、当選領域判定手段が対象とする抽選テーブルは、かかる当選役抽選テーブルに限らず、当選領域の当選範囲を示す置数を用いる様々な抽選テーブルを対象とすることができる。また、上述した実施形態では、当選領域判定手段としての当選役抽選手段304が主制御基板200においてメインROM200bを用いる例を挙げて説明したが、副制御基板202においてサブROM202bを用いて抽選してもよい。また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上述した実施形態においては、遊技利益としてボーナス遊技を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、ストップスイッチの操作態様が、複数の操作態様のうちの所定の操作態様(正解操作態様)であること、すなわち、所定の操作順(打順)または所定の操作タイミングあるいはこれらの組み合わせであることが入賞条件として設定された遊技利益が大きい選択当選役と他の当選役とが重複した選択当選種別が当選役抽選により決定したときに、演出制御手段334が、その選択当選役の入賞条件となる正解操作態様を報知する補助演出を行うことで、当該選択当選役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ライン上に容易に表示させることができる、所謂、AT(アシストタイム)を実行するAT演出状態や、リプレイ役の当選確率が通常遊技より高くなるように設定してメダルの消費を抑えることで、メダルの消費に対する当選役の抽選機会を増やす、RT(リプレイタイム)遊技や、上記のATとRT遊技が同時に進行されるART遊技を設けてもよい。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。