以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、第1の実施の形態の画像表示システム10の構成を示す図である。この画像表示システム10は、車両(本実施の形態では、自動車)において用いられるものであり、車両の周辺の領域を示す画像を生成して車室内に表示する機能を有している。画像表示システム10のユーザ(代表的にはドライバ)は、この画像表示システム10を利用することにより、当該車両の周辺の様子をほぼリアルタイムに把握できる。
図に示すように、画像表示システム10は、複数のカメラ5、画像生成装置2、表示装置3、操作ボタン4及び物体検出装置7を備えている。複数のカメラ5はそれぞれ、車両の周辺を撮影して撮影画像を取得し、取得した撮影画像を画像生成装置2に入力する。画像生成装置2は、車両の周辺を示す撮影画像を用いて、表示装置3に表示するための表示画像を生成する。表示装置3は、画像生成装置2で生成された表示画像を表示する。操作ボタン4は、ユーザの操作を受け付ける。また、物体検出装置7は、車両の周辺の物体を検出する。
複数のカメラ5はそれぞれ、レンズと撮像素子とを備えており、車両の周辺を示す撮影画像を電子的に取得する。複数のカメラ5は、フロントカメラ5F、リアカメラ5B、左サイドカメラ5L、及び、右サイドカメラ5Rを含んでいる。これら4つのカメラ5F,5B,5L,5Rは、車両9において互いに異なる位置に配置され、車両9の周辺の異なる方向を撮影する。
図2は、4つのカメラ5F,5B,5L,5Rがそれぞれ撮影する方向を示す図である。フロントカメラ5Fは、車両9の前端に設けられ、その光軸5Faは車両9の前後方向に沿って前方に向けられる。リアカメラ5Bは、車両9の後端に設けられ、その光軸5Baは車両9の前後方向に沿って後方に向けられる。左サイドカメラ5Lは、左側の左サイドミラー93Lに設けられ、その光軸5Laは車両9の左右方向に沿って左側方に向けられる。また、右サイドカメラ5Rは、右側の右サイドミラー93Rに設けられ、その光軸5Raは車両9の左右方向に沿って右側方に向けられる。
これらのカメラ5のレンズには魚眼レンズなどの広角レンズが採用され、各カメラ5は180度以上の画角θを有している。このため、4つのカメラ5F,5B,5L,5Rを利用することで、車両9の全周囲を撮影することが可能である。
また、撮影対象となる車両9の周辺の領域のうち、図中においてハッチングで示す車両9の右前方、左前方、左後方、及び、右後方の領域OA1〜OA4は、隣接する2つのカメラ5で重複して撮影可能な「重複領域」となっている。具体的には、車両9の右前方の重複領域OA1は、右サイドカメラ5R及びフロントカメラ5Fで重複して撮影可能である。車両9の左前方の重複領域OA2は、フロントカメラ5F及び左サイドカメラ5Lで重複して撮影可能である。車両9の左後方の重複領域OA3は、左サイドカメラ5L及びリアカメラ5Bで重複して撮影可能である。また、車両9の右後方の重複領域OA4は、リアカメラ5B及び右サイドカメラ5Rで重複して撮影可能である。
図1に戻り、表示装置3は、例えば、液晶などの薄型の表示パネルを備えており、各種の情報や画像を表示する。表示装置3は、ユーザが表示パネルの画面を視認できるように、車両9のインストルメントパネルなどに配置される。表示装置3は、画像生成装置2と同一のハウジング内に配置されて画像生成装置2と一体化されていてもよく、画像生成装置2とは別体の装置であってもよい。また、表示装置3は、表示パネルに重ねてタッチパネル31を備えており、ユーザの操作を受け付けることが可能である。表示装置3は、表示する機能以外に、目的地までのルート案内を行うナビゲーション機能などの他の機能を有していてもよい。
操作ボタン4は、ユーザの操作を受け付ける操作部材である。操作ボタン4は、例えば、車両9のステアリングホイールに設けられており、主にドライバからの操作を受け付ける。ユーザは、この操作ボタン4、及び、表示装置3のタッチパネル31を介して画像表示システム10に対する各種の操作を行うことができる。操作ボタン4及びタッチパネル31のいずれかにユーザの操作がなされた場合は、その操作の内容を示す操作信号が画像生成装置2に入力される。
物体検出装置7は、車両9の周辺に存在する物体を検出する電子装置である。物体検出装置7は、ソナー制御部71と複数のクリアランスソナー72とを備えている。クリアランスソナー72は、超音波を発信し、その超音波が物体で反射した反射波を受信することで、車両9の周辺に存在する物体を検出する。また、クリアランスソナー72は、超音波を発信してから戻ってくるまでの時間に基づいて物体の距離を検出可能である。各クリアランスソナー72が検出した物体の距離は信号としてソナー制御部71に入力される。
図3は、複数のクリアランスソナー72が車両9に配置される位置を示す図である。車両9の前方には、4つのクリアランスソナー72が互いに異なる方向へ向けて配置されている。また、車両9の後方にも、4つのクリアランスソナー72が互いに異なる方向へ向けて配置されている。このようなクリアランスソナー72の配置により、物体検出装置7は、車両9の前方または後方に存在する物体を検出できる。
また、物体検出装置7のソナー制御部71は、各クリアランスソナー72からの信号に基づいて車両9に対する物体の方向を導出できる。ソナー制御部71は、2以上のクリアランスソナー72のそれぞれで検出された同一の物体までの距離に基づいて、当該物体の車両9に対する相対的な方向を導出する。ソナー制御部71は、クリアランスソナー72が物体を検出した場合は、検出結果として当該物体の方向を画像生成装置2に入力する。
図1に戻り、画像生成装置2は、各種の画像処理が可能な電子装置である。画像生成装置2は、画像取得部21と、画像生成部22と、画像調整部23と、画像出力部24とを備えている。
画像取得部21は、4つのカメラ5F,5B,5L,5Rでそれぞれ得られた撮影画像を取得する。画像取得部21は、アナログの撮影画像をデジタルの撮影画像に変換する機能などの画像処理機能を有している。画像取得部21は、取得した撮影画像に所定の画像処理を行い、処理後の撮影画像を画像生成部22に入力する。
画像生成部22は、仮想視点画像を生成するための画像処理を行うハードウェア回路である。画像生成部22は、4つのカメラ5で取得された4つの撮影画像の少なくとも1つを用いて、仮想視点からみた車両9の周辺を示す仮想視点画像を生成する。この仮想視点画像を生成する手法の詳細については後述する。
画像調整部23は、表示装置3で表示するための表示画像を生成する。画像調整部23は、画像生成部22で生成された仮想視点画像などを含む表示画像を生成する。
画像出力部24は、画像調整部23で生成された表示画像を表示装置3に出力して、表示画像を表示装置3に表示させる。これにより、仮想視点からみた車両9の周辺を示す仮想視点画像が表示装置3に表示される。
また、画像生成装置2は、制御部20と、操作受付部25と、信号受信部26と、記憶部27とをさらに備えている。制御部20は、例えば、CPU、RAM及びROMなどを備えたマイクロコンピュータであり、画像生成装置2の全体を統括的に制御する。
操作受付部25は、ユーザが操作を行った場合に操作ボタン4及びタッチパネル31から送出される操作信号を受信する。これにより、操作受付部25はユーザの操作を受け付ける。操作受付部25は、受信した操作信号を制御部20に入力する。
信号受信部26は、画像生成装置2とは別に車両9に設けられる他の装置から送出される信号を受信して、制御部20に入力する。信号受信部26は、物体検出装置7から送出される検出結果を示す信号の他、シフトセンサ91から送出される信号を受信することが可能となっている。
シフトセンサ91は、車両9の変速装置のシフトレバーの位置であるシフトポジションを検出し、そのシフトポジションを示す信号を画像生成装置2に送出する。この信号に基づいて、制御部20は、車両9の進行方向が前方あるいは後方のいずれであるかを判定できる。
記憶部27は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、各種の情報を記憶する。記憶部27は、ファームウェアとしてのプログラム27aや、画像生成部22が仮想視点画像を生成するために用いる各種のデータを記憶する。
制御部20の各種の機能は、記憶部27に記憶されたプログラム27aの実行(プログラム27aに従ったCPUの演算処理)によって実現される。図中に示す画像制御部20aは、プログラム27aの実行により実現される機能部の一部である。
画像制御部20aは、仮想視点画像を生成する画像生成部22、及び、表示画像を生成する画像調整部23を制御する。例えば、画像制御部20aは、画像生成部22を制御して、車両9の状態やユーザの操作に応じた仮想視点画像を画像生成部22に生成させる。
<1−2.仮想視点画像の生成>
次に、画像生成部22が、仮想視点からみた車両9の周辺の様子を示す仮想視点画像を生成する手法について説明する。図4は、画像生成部22が仮想視点画像を生成する手法を説明する図である。画像生成部22は、仮想視点画像の生成に仮想の立体的な投影面TSを用いることで、現実に近い臨場感のある仮想視点画像を生成する。
フロントカメラ5F、リアカメラ5B、左サイドカメラ5L、及び、右サイドカメラ5Rは、車両9の前方、後方、左側方及び右側方をそれぞれ示す4つの撮影画像SF,SB,SL,SRを取得する。これら4つの撮影画像SF,SB,SL,SRには、車両9の全周囲のデータが含まれている。
画像生成部22は、これら4つの撮影画像SF,SB,SL,SRに含まれるデータ(画素の値)を、仮想的な三次元空間における立体的な曲面である投影面TSに投影する。投影面TSは、例えば、略半球状(お椀形状)をしており、その中心領域(お椀の底部分)は車両9の位置となる車両領域R0として定められている。
また、投影面TSにおける車両領域R0の外側の領域である投影領域R1は、車両9の周辺の領域に相当する。画像生成部22は、撮影画像SF,SB,SL,SRに含まれるデータをこの投影面TSの投影領域R1に投影する。撮影画像SF,SB,SL,SRに含まれるデータの位置と、この投影面TSの位置とは予め対応関係が定められている。この対応関係を示すテーブルデータは記憶部27に記憶されている。
このように投影面TSの投影領域R1に撮影画像のデータを投影すると、次に、画像生成部22は、車両9の三次元形状を示すポリゴンのモデルを仮想的に構成する。この車両9のモデルは、投影面TSが設定される三次元空間における車両9の位置である車両領域R0に配置される。
次に、画像生成部22は、画像制御部20aの制御により、三次元空間に対して仮想視点VPを設定する。この仮想視点VPは、視点位置と視線方向とで規定される。画像生成部22は、任意の視点位置、かつ、任意の視線方向の仮想視点VPを3次元空間に設定できる。
次に、画像生成部22は、投影面TSのうち、設定した仮想視点VPからみて所定の視野角に含まれる領域に投影されたデータを画像として切り出す。また、画像生成部22は、設定した仮想視点VPに応じて車両9のモデルに関してレンダリングを行い、その結果となる二次元の車両像90を、切り出した画像に対して重畳する。これにより、画像生成部22は、仮想視点VPからみた車両9及び車両9の周辺の領域を示す仮想視点画像CPを生成する。
例えば図4に示すように、視点位置を車両9の直上、視線方向を直下とした仮想視点VPaを設定した場合には、車両9及び車両9の周辺を俯瞰する仮想視点画像(俯瞰画像)CPaを生成できる。また、視点位置を車両9の左後方、視線方向を車両9の前方とした仮想視点VPbを設定した場合には、車両9の左後方からみた車両9及び車両9の周辺を示す仮想視点画像CPbを生成できる。
本実施の形態の画像生成部22は、このような仮想視点VPの視点位置を、車両9の外部のみならず、車両9の車室内に設定することも可能である。したがって、車両9の車室内におけるドライバの位置を視点位置とする仮想視点VPを設定した場合は、車両9のドライバの視点からみた車両9の周辺を示す臨場感のある仮想視点画像(ドライバ視点画像)を生成できる。
ところで、図4の説明では、4つの撮影画像SF,SB,SL,SRの全てを用いて仮想視点画像を生成しているが、少なくとも1つの撮影画像を用いれば仮想視点画像を生成できる。画像生成部22は、4つの撮影画像SF,SB,SL,SRから選択される1以上3以下の撮影画像(少なくとも1つの撮影画像)を用いて仮想視点画像を生成することが可能である。この場合、画像生成部22は、選択された撮影画像のみを投影面TSに投影する。
また、前述のように、車両9の周辺の領域には、隣接する2つのカメラ5で重複して撮影可能な重複領域OA1〜OA4が存在する(図2参照。)。したがって、車両9の位置及び車両9の周辺の領域に相当する投影面TSには、この重複領域OA1〜OA4に対応する「重複部分」が存在する。このような投影面TSの重複部分は、2つの撮影画像と対応することになる。
図5は、投影面TSの部分と4つ撮影画像SF,SB,SL,SRとの対応関係を示す図である。なお、図5では、説明のため、仮想の投影面TSにおける車両9の位置(車両領域R0)に、実際の車両9の形状を示している(以降の投影面TSを示す図においても同様。)。
フロントカメラ5Fの撮影画像SFは、投影面TSにおける車両9の前方に相当する部分AFに対応している。リアカメラ5Bの撮影画像SBは、投影面TSにおける車両9の後方に相当する部分ABに対応している。左サイドカメラ5Lの撮影画像SLは、投影面TSにおける車両9の左側方に相当する部分ALに対応している。さらに、右サイドカメラ5Rの撮影画像SRは、投影面TSにおける車両9の右側方に相当する部分ARに対応している。なお、図中では、投影面TSにおける部分AF,AB,AL,ARの範囲を矢印で示している。
したがって、投影面TSには、2つの撮影画像に対応する4つの重複部分L1〜L4が存在している。車両9の右前方の重複部分L1は、右サイドカメラ5Rの撮影画像SR及びフロントカメラ5Fの撮影画像SFに対応する。車両9の左前方の重複部分L2は、フロントカメラ5Fの撮影画像SF及び左サイドカメラ5Lの撮影画像SLに対応する。車両9の左後方の重複部分L3は、左サイドカメラ5Lの撮影画像SL及びリアカメラ5Bの撮影画像SBに対応する。さらに、車両9の右後方の重複部分L4は、リアカメラ5Bの撮影画像SB及び右サイドカメラ5Rの撮影画像SRに対応する。投影面TSのこれらの重複部分L1〜L4は、車両9の周辺の重複領域OA1〜OA4(図2参照。)にそれぞれ対応することになる。
仮想視点画像は、このような投影面TSに投影されたデータを切り出して生成されることから、仮想視点画像においても重複領域OA1〜OA4に対応する「重複部分」が含まれることになる。なお以下では、仮想視点画像の重複部分に関して、対応する投影面TSの重複部分L1〜L4と同一の符号を用いる。画像生成部22は、投影面TSの重複部分L1〜L4のデータについては、対応する2つの撮影画像のデータを任意に用いることができる。すなわち、仮想視点画像の重複部分L1〜L4は、2つの撮影画像のデータを任意に用いて生成される。
<1−3.動作モード>
次に、画像表示システム10の動作モードについて説明する。図6は、画像表示システム10の動作モードの遷移を示す図である。画像表示システム10は、通常モードM0、俯瞰モードM1、周回モードM2、及び、手動モードM3の4つの動作モードを有している。これらの動作モードは、車両9の状態やユーザの操作に応じて制御部20の制御により切り替えられる。
通常モードM0は、画像生成装置2の機能が利用されない動作モードである。表示装置3がナビゲーション機能を有している場合は、通常モードM0においては、表示装置3はナビゲーション機能に基づく地図画像などを表示する。
一方、俯瞰モードM1、周回モードM2、及び、手動モードM3は、画像生成装置2の機能を利用し、画像生成装置2で生成された仮想視点画像を含む表示画像を表示装置3で表示する動作モードである。したがって、これらの動作モードでは、ユーザは、表示装置3に表示された表示画像を確認することで、車両9の周辺の様子をほぼリアルタイムに把握できる。
俯瞰モードM1は、車両9の直上の視点から車両9の周辺を俯瞰する仮想視点画像である俯瞰画像を表示する動作モードである。図7は、俯瞰モードM1で表示される、俯瞰画像CP1を含む表示画像DPの一例を示す図である。図に示すように、この表示画像DPは、俯瞰画像CP1とともに、カメラ5の位置からみた車両9の周辺を示す仮想視点画像であるカメラ視点画像CP2を含んでいる。このカメラ視点画像CP2の仮想視点VPは、車両9の進行方向に基いて選択される。車両9の進行方向が前方の場合はフロントカメラ5Fの光軸5Faと同様の仮想視点VPが設定され、車両9の進行方向が後方の場合はリアカメラ5Bの光軸5Baと同様の仮想視点VPが設定される。車両9の進行方向は、シフトセンサ91から送出される信号に基いて画像制御部20aが判定する。ユーザは、このような俯瞰画像CP1とカメラ視点画像CP2とを確認することで、車両9の周囲全体の様子と車両9の進行方向の様子とを把握できることになる。
これに対して、周回モードM2、及び、手動モードM3は、ドライバの視点からみた車両9の周辺を示す仮想視点画像であるドライバ視点画像を表示する動作モードである。図8は、このようなドライバ視点画像CP3を含む表示画像DPの一例を示す図である。図に示すように、このドライバ視点画像CP3は、ドライバの視点からみた車両9の周辺の被写体の像に、ドライバの視点からみた車両9の内装を示す車両像90が重畳された臨場感のある画像となる。ユーザは、このようなドライバ視点画像CP3を確認することで、車両9の周囲の様子を自分と同様の視点から確認でき、車両9の周辺の様子を直感的に把握できることになる。
周回モードM2は、車両9の周囲を周回するように車両9の周辺の様子を示すアニメーションを行う動作モードである。画像制御部20aの制御により、周回モードM2では、ドライバ視点画像CP3の仮想視点の視線方向が車両9の周囲を周回するように自動的、かつ、連続的に変更される。この周回モードM2を利用することで、ユーザは車両9の周囲全体を確認することができる。
一方、手動モードM3は、ユーザが、ドライバの視点からみた任意の方向の車両9の周辺の様子を確認するための動作モードである。手動モードM3では、ユーザの操作に応じて、ドライバ視点画像CP3の仮想視点の視線方向が連続的に変更される。この手動モードM3を利用することで、ユーザは車両9の周辺の任意の領域を確認することができる。
図6に示すように、画像表示システム10が起動すると、まず、その動作モードが周回モードM2となる。この周回モードM2の場合は、仮想視点の視線方向が車両9の周囲を略一周する。このような仮想視点の視線方向の周回が完了すると、動作モードは通常モードM0に切り替えられる。また、通常モードM0において、ユーザが操作ボタン4を長押した場合(一定時間以上継続して押圧した場合)は、動作モードは周回モードM2に切り替えられる。
また、通常モードM0において、ユーザが操作ボタン4を1回のみ押した場合、あるいは、車両9のシフトポジションがリバースとなった場合は、動作モードは俯瞰モードM1に切り替えられる。また、俯瞰モードM1において、ユーザが操作ボタン4を押した場合は、動作モードは通常モードM0に切り替えられる。
また、通常モードM0において、ユーザが操作ボタン4を2回連続して押した場合、あるいは、物体検出装置7が車両9の周辺の物体を検出した場合は、動作モードは手動モードM3に切り替えられる。また、手動モードM3において、ユーザが操作ボタン4を押した場合は、動作モードは通常モードM0に切り替えられる。
<1−4.立体物への対応>
ところで、車両9の周辺の重複領域OA1〜OA4のいずれかに立体物(鉛直方向に所定以上の長さのある物体)が存在する場合において、仮想視点画像の重複部分を一般的な手法によって生成したときには、立体物の像(以下、「立体物像」という。)を仮想視点画像に正しく含ませることができないことがある。以下、この原理について説明する。
図9は、車両9の左前方の重複領域OA2に立体物8が存在している状況を示している。この立体物8は、フロントカメラ5F及び左サイドカメラ5Lの双方において撮影することが可能である。
図10は、図9に示す状況下においてフロントカメラ5Fで得られた撮影画像SFのみを、投影面TSに投影した様子を示している。また、図11は、図9に示す状況下において左サイドカメラ5Lで得られた撮影画像SLのみを、投影面TSに投影した様子を示している。
図10に示すように、フロントカメラ5Fの撮影画像SFに含まれる立体物8に係る立体物像OP1は、車両9の位置から左方向に延びるように、投影面TSの重複部分L2に投影される。一方、図11に示すように、左サイドカメラ5Lの撮影画像SLに含まれる立体物8に係る立体物像OP2は、車両9の位置から前方に延びるように、投影面TSの重複部分L2に投影される。このように同一の立体物8に係る2つの立体物像OP1,OP2は、投影面TSにおいて互いに異なる方向に延びることになる。
一般に、仮想視点画像の重複部分の生成に関しては、対応する2つの撮影画像を所定の割合でブレンドする手法(以下、「ブレンド手法」という。)、及び、対応する2つの撮影画像を境界線で繋ぎ合わせる手法(以下、「境界接合手法」という。)のいずれかが採用される。
図9に示す状況下において得られた2つの撮影画像SF,SLを用いて、仮にブレンド手法を採用する場合を想定する。この場合には、図12に示すように、投影面TSの重複部分L2においては、2つの撮影画像SF,SLが所定の割合でブレンドされる。このため、撮影画像SFの立体物像OP1、及び、撮影画像SLの立体物像OP2の双方が薄くぼやけてしまう。また、立体物像OP1と立体物像OP2とでは延びる方向が異なるため、これらは重なり合わない。したがって、この投影面TSのデータを切り出して生成される仮想視点画像においては、ぼやけた状態の2つの立体物像OP1,OP2が含まれることになる。ユーザが、このような仮想視点画像を視認した場合には、車両9の左前方に半透明の2つの物体が存在すると誤解する可能性がある。
また、図9に示す状況下において得られた2つの撮影画像SF,SLを用いて、仮に境界接合手法を採用する場合を想定する。この場合には、図13に示すように、投影面TSの重複部分L2においては、境界線BLより右側の部分にフロントカメラ5Fの撮影画像SFが用いられ、境界線BLより左側の部分に左サイドカメラ5Lの撮影画像SLが用いられる。これにより、投影面TSには、撮影画像SFの立体物像OP1及び撮影画像SLの立体物像OP2の大部分が含まれなくなる。したがって、この投影面TSのデータを切り出して生成される仮想視点画像においては、立体物像の大部分が消失することになる。
図14は、図13に示す投影面TSのデータを切り出して生成された重複部分L2を含むドライバ視点画像CP31を示す図である。図に示すように、ドライバ視点画像CP31の重複部分L2においては、立体物像OP2の下部のわずかな一部分のみが含まれており、立体物8に係る立体物像の大部分が消失している。したがって、ユーザが、このようなドライバ視点画像CP31を視認した場合には、車両9の周辺に物体が存在しないと誤解する可能性がある。特にドライバ視点画像CP31は、車両9のドライバの視点からみた臨場感のある画像であるため、このようにユーザが誤解する可能性が高い。
前述のように、周回モードM2及び手動モードM3においては、仮想視点の視線方向を連続的に変更しながらドライバ視点画像を表示する。したがって、周回モードM2及び手動モードM3においては、静止したドライバ視点画像を単純に表示する場合よりも、臨場感がさらに高くなる。このため、周回モードM2及び手動モードM3において表示されるドライバ視点画像を確認することで、ユーザは車両9の周辺の様子を完全に把握できると感じる傾向がある。このため、周回モードM2及び手動モードM3において、図14に示すようなドライバ視点画像CP31が表示されると、車両9の周辺に物体が存在しないとユーザが誤解する可能性がさらに高くなる。
このような問題に対応するため、本実施の形態の画像表示システム10は、周回モードM2及び手動モードM3においては、仮想視点画像を生成する際に一つのカメラ5の撮影画像のみを用いるようにしている。
図15は、フロントカメラ5Fの撮影画像SFのみを用いて生成したドライバ視点画像CP32を示す図である。図15に示すドライバ視点画像CP32の仮想視点の視線方向は、図14に示すドライバ視点画像CP31と同一となっており、重複部分L2を含んでいる。このドライバ視点画像CP32は、図10に示す投影面TSのデータを切り出して生成される。図15に示すように、このドライバ視点画像CP32の重複部分L2には、立体物8に係る立体物像OP1の全体が正しく含まれている。
また、図16は、左サイドカメラ5Lの撮影画像SLのみを用いて生成したドライバ視点画像CP33を示す図である。図16に示すドライバ視点画像CP33の仮想視点の視線方向も、図14に示すドライバ視点画像CP31と同一となっており、重複部分L2を含んでいる。このドライバ視点画像CP33は、図11に示す投影面TSのデータを切り出して生成される。図16に示すように、このドライバ視点画像CP33の重複部分L2にも、立体物8に係る立体物像OP2の全体が正しく含まれている。
このように一つのカメラ5の撮影画像のみを用いてドライバ視点画像を生成することで、ドライバ視点画像の重複部分には一つのカメラ5の撮影画像のみが用いられる。これにより、上述したブレンド手法や境界接合手法を採用した場合の問題が解消され、車両9の周辺の重複領域に存在する立体物に係る立体物像をドライバ視点画像に正しく含ませることができる。その結果、周回モードM2及び手動モードM3において、重複領域に存在する立体物についてユーザが誤認することを防止できる。
なお、立体物像をドライバ視点画像の重複部分に正しく含ませるためには、仮想視点画像の全体ではなく、仮想視点画像の少なくとも重複部分に一つのカメラ5の撮影画像のみを用いるようにすればよい。ただし、本実施の形態の画像表示システム10では、重複部分を含む仮想視点画像の全体に一つのカメラ5の撮影画像のみを用いることで、仮想視点画像における撮影画像同士の境界という概念自体を無くすようにしている。仮想視点画像における撮影画像同士の境界では立体物の像が消失あるいは分断されることが多いことから、この境界に対応する位置に存在する立体物についてユーザが誤認する可能性がある。このため、画像表示システム10では、このように仮想視点画像中における撮影画像同士の境界自体を無くすことで、境界に対応する位置に存在する立体物についてユーザが誤認することを確実に防止することができる。
<1−5.周回モード>
次に、周回モードM2について詳細に説明する。前述のように、周回モードM2は、車両9の周囲を周回するように車両9の周辺の様子を示すアニメーションを行う動作モードである。周回モードM2では、画像制御部20aが、ドライバ視点画像の仮想視点の視線方向を車両9の周囲を周回するように連続的に変更する。
図17から図20は、周回モードM2における仮想視点VPの視線方向の遷移を示す図である。これらの図に示すように、画像制御部20aは、仮想視点VPの視点位置を車両9のドライバの位置に固定する。その一方で、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を、初期方向となる方向D11から最終方向となる方向D22まで左向きに連続的に変更する。これにより、仮想視点の視線方向が車両9の周囲を左回りで略一周することになる。
なお、周回モードM2において、ユーザが表示装置3のタッチパネル31に触れた場合は、仮想視点VPの視線方向の変更が中断される。そして、ユーザがタッチパネル31に再び触れた場合には、仮想視点VPの視線方向の変更が再開されるようになっている。
周回モードM2では、このように画像制御部20aが仮想視点の視線方向を連続的に変更しながら、画像生成部22がドライバ視点画像を連続的に生成する。図21から図24は、周回モードM2において画像生成部22が生成するドライバ視点画像の例を示す図である。ドライバ視点画像C11〜C22は、仮想視点VPの視線方向が方向D11〜方向D22の場合に生成されたものにそれぞれ相当する。
図17に示すように、画像制御部20aは、まず、仮想視点VPの視線方向を、重複部分L1にある変更線TL1近傍の方向D11(初期方向)に設定する。そして以降、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を左向きに連続的に変更する。
これにより、仮想視点VPの視線方向は、方向D11から方向D12を経由して、重複部分L2にある変更線TL2近傍の方向D13に移動する。このように仮想視点VPの視線方向が変更線TL1から変更線TL2までの間を移動する期間は、画像生成部22は、フロントカメラ5Fの撮影画像SFのみを用いてドライバ視点画像を生成する。
図21に示すように、仮想視点VPの視線方向が方向D11〜方向D13の場合に生成されるドライバ視点画像C11〜C13においては、フロントカメラ5Fの撮影画像SFのみが用いられている。したがって、ドライバ視点画像C11に含まれる重複部分L1や、ドライバ視点画像C12に含まれる重複部分L2にも一つの撮影画像SFのみが用いられる。これにより、重複領域OA1,OA2に存在する立体物についてユーザが誤認する
ことを防止できる。
続いて、図18に示すように、仮想視点VPの視線方向は、変更線TL2を超えて方向D14に移動する。画像生成部22は、このように仮想視点VPの視線方向が変更線TL2を超えた時点で、ドライバ視点画像に用いる撮影画像を、フロントカメラ5Fの撮影画像SFから左サイドカメラ5Lの撮影画像SLに切り替える。
仮想視点VPの視線方向は、その後、方向D14から方向D15を経由して、重複部分L3にある変更線TL3近傍の方向D16に移動する。このように仮想視点VPの視線方向が変更線TL2から変更線TL3までの間を移動する期間は、画像生成部22は、左サイドカメラ5Lの撮影画像SLのみを用いてドライバ視点画像を生成する。
図22に示すように、仮想視点VPの視線方向が方向D14〜方向D16の場合に生成されるドライバ視点画像C14〜C16においては、左サイドカメラ5Lの撮影画像SLのみが用いられている。したがって、ドライバ視点画像C14に含まれる重複部分L2や、ドライバ視点画像C16に含まれる重複部分L3にも一つの撮影画像SLのみが用いられる。これにより、重複領域OA2,OA3に存在する立体物についてユーザが誤認することを防止できる。
続いて、図19に示すように、仮想視点VPの視線方向は、変更線TL3を超えて方向D17に移動する。画像生成部22は、このように仮想視点VPの視線方向が変更線TL3を超えた時点で、ドライバ視点画像に用いる撮影画像を、左サイドカメラ5Lの撮影画像SLからリアカメラ5Bの撮影画像SBに切り替える。
仮想視点VPの視線方向は、その後、方向D17から方向D18を経由して、重複部分L4にある変更線TL4近傍の方向D19に移動する。このように仮想視点VPの視線方向が変更線TL3から変更線TL4までの間を移動する期間は、画像生成部22は、リアカメラ5Bの撮影画像SBのみを用いてドライバ視点画像を生成する。
図23に示すように、仮想視点VPの視線方向が方向D17〜方向D19の場合に生成されるドライバ視点画像C17〜C19においては、リアカメラ5Bの撮影画像SBのみが用いられている。したがって、ドライバ視点画像C17に含まれる重複部分L3や、ドライバ視点画像C19に含まれる重複部分L4にも一つの撮影画像SBのみが用いられる。これにより、重複領域OA3,OA4に存在する立体物についてユーザが誤認することを防止できる。
続いて、図20に示すように、仮想視点VPの視線方向は、変更線TL4を超えて方向D20に移動する。画像生成部22は、このように仮想視点VPの視線方向が変更線TL4を超えた時点で、ドライバ視点画像に用いる撮影画像を、リアカメラ5Bの撮影画像SBから右サイドカメラ5Rの撮影画像SRに切り替える。
仮想視点VPの視線方向は、その後、方向D20から方向D21を経由して、変更線TL1近傍の方向D22(最終方向)に移動する。このように仮想視点VPの視線方向が変更線TL4から変更線TL1までの間を移動する期間は、画像生成部22は、右サイドカメラ5Rの撮影画像SRのみを用いてドライバ視点画像を生成する。
図24に示すように、仮想視点VPの視線方向が方向D20〜方向D22の場合に生成されるドライバ視点画像C20〜C22においては、右サイドカメラ5Rの撮影画像SRのみが用いられている。したがって、ドライバ視点画像C20に含まれる重複部分L4や、ドライバ視点画像C22に含まれる重複部分L1にも一つの撮影画像SRのみが用いられる。これにより、重複領域OA4,OA1に存在する立体物についてユーザが誤認することを防止できる。
次に、周回モードM2における画像表示システム10の動作の流れについて説明する。図25は、周回モードM2における画像表示システム10の動作の流れを示す図である。
動作モードが周回モードM2となると、まず、画像制御部20aが仮想視点VPの視線方向を、初期方向となる方向D11に設定する(ステップS11)。なお、この初期方向は一例であり、方向D11以外の方向を初期方向としてもよい。
次に、車両9に設けられた4つのカメラ5のそれぞれが車両9の周辺を撮影する。そして、画像取得部21が、4つのカメラ5でそれぞれ得られた4つの撮影画像SF,SB,SL,SRを取得する(ステップS12)。
次に、画像制御部20aが、4つの撮影画像SF,SB,SL,SRのうちから、ドライバ視点画像に使用する一つの撮影画像を選択する(ステップS13)。画像制御部20aは、その時点の仮想視点VPの視線方向に応じて一つの撮影画像を選択する。仮想視点VPの視線方向と選択する撮影画像との対応関係は、図17から図20を用いて説明した通りである。この対応関係を示すデータは、記憶部27などに予め記憶される。
次に、選択された一つの撮影画像を用いて、画像生成部22がドライバ視点画像を生成する(ステップS14)。そして、画像調整部23が生成されたドライバ視点画像を含む表示画像DPを生成し、画像出力部24がこの表示画像DPを表示装置3に出力する(ステップS15)。これにより、ドライバ視点画像を含む表示画像DPが、表示装置3に表示される。
次に、画像制御部20aが、仮想視点VPの視線方向を左向きに所定角度だけ変更する(ステップS17)。そして、上記ステップS12〜S15と同様の処理が繰り返される。
このような処理(ステップS12〜S15,S17)が、所定の周期(例えば、1/30秒周期)で時間的に連続して繰り返される。これにより、画像制御部20aが仮想視点VPの視線方向を連続的に変更しながら、画像生成部22がドライバ視点画像を連続的に生成することになる。その結果、表示装置3において、車両9の周囲を周回するように車両9の周辺の様子を示すアニメーションが表示されることになる。
このような処理により、仮想視点VPの視線方向が車両9の周囲を略一周して最終方向である方向D22となると(ステップS16にてYes)、周回モードM2における画像表示システム10の動作が終了する。
<1−6.手動モード>
次に、手動モードM3について詳細に説明する。前述のように、手動モードM3は、ユーザが、ドライバの視点からみた任意の方向の車両9の周辺の様子を確認するための動作モードである。手動モードM3では、画像制御部20aが、ユーザの操作に応じてドライバ視点画像の仮想視点の視線方向を連続的に変更する。
図26は、手動モードM3において、ドライバ視点画像が表示装置3に表示されている様子を示す図である。ユーザ6は、このような表示装置3に表示されたドライバ視点画像を視認しつつ、タッチパネル31に対してフリック操作(指をタッチしたまま移動させる操作)を行うことができる。
このようなフリック操作がなされると、フリック操作の向きとは逆向きに、フリック操作の操作量に応じた期間、ドライバ視点画像の仮想視点の視線方向が連続的に変更される。その結果、表示装置3に表示されるドライバ視点画像が、フリック操作の向きにスクロールすることになる。
例えば、図26の上部に示すように、仮想視点VPの視線方向が方向D13の場合(図17参照。)のドライバ視点画像C13が、表示装置3に表示されている状態を想定する。
この場合において、ユーザ6が、タッチパネル31に対して右向きにフリック操作を行った場合は、仮想視点VPの視線方向が方向D13から左向きに連続的に変更される。これにより、表示装置3に表示されるドライバ視点画像が、フリック操作の向きである右向きにスクロールする。そして最終的に、仮想視点VPの視線方向が、例えば方向D14(図18参照。)まで変更される。その結果、図26の下部に示すように、仮想視点VPの視線方向が方向D14の場合のドライバ視点画像C14が、表示装置3に表示されることになる。
手動モードM3においても、画像生成部22は、一つのカメラ5の撮影画像のみを用いてドライバ視点画像を生成する。図26の上部に示すドライバ視点画像C13ではフロントカメラ5Fの撮影画像SFのみが用いられる。一方、図26の下部に示すドライバ視点画像C14では左サイドカメラ5Lの撮影画像SLのみが用いられる。このように手動モードM3においても、仮想視点VPの視線方向に応じた一つの撮影画像が選択されて、ドライバ視点画像の生成に用いられる。
また、このようにドライバ視点画像が一つのカメラ5の撮影画像のみを用いて生成されるため、当然に、ドライバ視点画像の重複部分には一つのカメラ5の撮影画像のみが用いられる。図26の上部に示すドライバ視点画像C13に含まれる重複部分L2には、フロントカメラ5Fの撮影画像SFのみが用いられる。また、図26の下部に示すドライバ視点画像C14に含まれる重複部分L2には、左サイドカメラ5Lの撮影画像SLのみが用いられる。これにより、手動モードM3においても、重複領域に存在する立体物についてユーザが誤認することを防止できる。
次に、手動モードM3における画像表示システム10の動作の流れについて説明する。図27は、手動モードM3における画像表示システム10の動作の流れを示す図である。
動作モードが手動モードM3となると、まず、画像制御部20aが仮想視点VPの視線方向を設定する(ステップS21)。
ユーザが操作ボタン4を2回連続して押すことによって動作モードが手動モードM3となった場合は、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を車両9の前後方向に沿って前方となる方向D12(図17参照。)に設定する。これにより、ドライバの実際の視線の方向と仮想視点VPの視線方向とが一致するため、この後に生成されるドライバ視点画像において示される領域が車両9の周辺のいずれの領域であるかをユーザが直感的に把握できる。
一方、物体検出装置7が車両9の周辺の物体を検出したことによって動作モードが手動モードM3となった場合は、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を、物体検出装置7で検出された物体の方向に設定する。これにより、ユーザは、この後に生成されるドライバ視点画像を視認することで、検出された物体の様子を速やかに把握できる。ドライバ視点画像は一つのカメラ5の撮影画像のみを用いて生成されるため、検出された物体が重複領域に存在する立体物の場合であっても、ユーザは当該物体を正しく把握できる。
仮想視点VPの視線方向が設定されると、次に、画像取得部21が、4つのカメラ5でそれぞれ得られた4つの撮影画像SF,SB,SL,SRを取得する(ステップS22)。そして、画像制御部20aが、4つの撮影画像SF,SB,SL,SRのうちから、その時点の仮想視点VPの視線方向に応じて、ドライバ視点画像に使用する一つの撮影画像を選択する(ステップS23)。
次に、選択された一つの撮影画像を用いて、画像生成部22がドライバ視点画像を生成する(ステップS24)。そして、画像調整部23が生成されたドライバ視点画像を含む表示画像DPを生成し、画像出力部24がこの表示画像DPを表示装置3に出力する(ステップS25)。これにより、ドライバ視点画像を含む表示画像DPが、表示装置3に表示される。
次に、画像制御部20aが、ユーザのフリック操作がなされてドライバ視点画像のスクロールが必要であるか否かを判断する(ステップS26)。ドライバ視点画像のスクロールが必要である場合は、画像制御部20aが、仮想視点VPの視線方向をフリック操作の向きとは逆向きに変更する(ステップS27)。そして、上記ステップS22〜S25と同様の処理が繰り返される。
このような処理(ステップS22〜S27)が、フリック操作の操作量に応じた期間、所定の周期(例えば、1/30秒周期)で時間的に連続して繰り返される。これにより、画像制御部20aが仮想視点VPの視線方向を連続的に変更しながら、画像生成部22がドライバ視点画像を連続的に生成する。その結果、表示装置3において表示されるドライバ視点画像がスクロールすることになる。
また、ドライバ視点画像のスクロールが不要である状態で、ユーザが操作ボタン4を押した場合は(ステップS28にてYes)、手動モードM3における画像表示システム10の動作が終了する。
以上のように、画像表示システム10の画像生成装置2は、車両9の異なる位置に配置された複数のカメラ5で得られた複数の撮影画像を取得する画像取得部21と、複数の撮影画像の少なくとも1つを用いて仮想視点からみた車両9の周辺を示す仮想視点画像を生成する画像生成部22とを備えている。また、画像生成装置2の画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を変更する。画像制御部20aが仮想視点VPの視線方向を連続的に変更する場合は、画像生成部22は重複部分を含む仮想視点画像に一つのカメラ5の撮影画像のみを用いる。このため、現実の車両9の周辺の重複領域に存在する立体物の像を仮想視点画像に正しく含ませることができる。したがって、仮想視点の視線方向を連続的に変更する場合に、重複領域に存在する立体物についてユーザが誤認することを防止できる。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の画像表示システム10の構成及び動作は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
第1の実施の形態では、周回モードM2において、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を一つの向き(左向き)にのみ変更していた。これに対して、第2の実施の形態では、画像制御部20aは、ドライバ視点画像に用いる撮影画像を切り替える時点で、仮想視点VPの視線方向を連続的に変更する向きとは逆の向きに一旦戻すようになっている。ドライバ視点画像は重複部分を含むため、換言すれば、画像制御部20aは、ドライバ視点画像の重複部分に用いる撮影画像を切り替える時点で、仮想視点VPの視線方向を連続的に変更する向きとは逆の向きに一旦戻すようになっているとも言える。
図28から図31は、第2の実施の形態の周回モードM2における仮想視点VPの視線方向の遷移を示す図である。これらの図に示すように、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を、初期方向となる方向D31から最終方向となる方向D42まで変更する。画像制御部20aは、原則として、仮想視点VPの視線方向を左向きに連続的に変更する。ただし、画像制御部20aは、ドライバ視点画像に用いる撮影画像を切り替える時点で、重複部分の範囲内で左向きとは逆の右向きへ仮想視点VPの視線方向を戻すようにしている。このように画像制御部20aが仮想視点の視線方向を変更している状態で、画像生成部22はドライバ視点画像を連続的に生成することになる。
図28に示すように、画像制御部20aは、まず、仮想視点VPの視線方向を方向D31に設定する。この方向D31は、投影面TSにおけるフロントカメラ5Fの撮影画像SFが対応する部分(以下、「フロント部分」という。)AFの右側端部AFaの近傍の方向である。方向D31は、重複部分L1の右側端部の近傍の方向であるとも言える。そして、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を方向D31から左向きに連続的に変更する。なお以下、投影面TSの領域に関して「右側」「左側」という場合は、仮想視点VPの視点位置からみた場合の向きとする。
仮想視点VPの視線方向は、方向D31から方向D32を経由して、フロント部分AFの左側端部AFbの近傍の方向D33に移動する。この方向D33は、重複部分L2の左側端部の近傍の方向であるとも言える。このように仮想視点VPの視線方向がフロント部分AFを移動する期間において、画像生成部22は、フロントカメラ5Fの撮影画像SFのみを用いてドライバ視点画像を連続的に生成する。
これにより、車両9の右前方の重複領域OA1(重複部分L1に対応する領域)に向いたドライバ視点画像、車両9の前方に向いたドライバ視点画像、及び、車両9の左前方の重複領域OA2(重複部分L2に対応する領域)に向いたドライバ視点画像が順次に生成される。このようにして生成されたドライバ視点画像は、表示装置3において表示される。
続いて、図29に示すように、仮想視点VPの視線方向がフロント部分AFの左側端部AFbに達した時点で、画像生成部22は、ドライバ視点画像に用いる撮影画像を、フロントカメラ5Fの撮影画像SFから左サイドカメラ5Lの撮影画像SLに切り替える。
また、このように画像生成部22がドライバ視点画像に用いる撮影画像を切り替えた時点で、画像制御部20aは、図中の矢印A1に示すように、重複部分L2の範囲内で右向きへ仮想視点VPの視線方向を戻す。そして、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を、方向D33よりも右側となる方向D34に設定する。この方向D34は、投影面TSにおける左サイドカメラ5Lの撮影画像SLが対応する部分(以下、「左サイド部分」という。)AFの右側端部ALaの近傍の方向である。方向D34は、重複部分L2の右側端部の近傍の方向であるとも言える。そして、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を方向D34から左向きに連続的に変更する。
仮想視点VPの視線方向は、方向D34から方向D35を経由して、左サイド部分ALの左側端部ALbの近傍の方向D36に移動する。この方向D36は、重複部分L3の左側端部の近傍の方向であるとも言える。このように仮想視点VPの視線方向が左サイド部分ALを移動する期間において、画像生成部22は、左サイドカメラ5Lの撮影画像SLのみを用いてドライバ視点画像を連続的に生成する。
これにより、車両9の左前方の重複領域OA2(重複部分L2に対応する領域)に向いたドライバ視点画像、車両9の左側方に向いたドライバ視点画像、及び、車両9の左後方の重複領域OA3(重複部分L3に対応する領域)に向いたドライバ視点画像が順次に生成される。このようにして生成されたドライバ視点画像は、表示装置3において表示される。
前述のように、画像生成部22がドライバ視点画像に用いる撮影画像を撮影画像SLに切り替えた時点で、画像制御部20aは、重複部分L2の右側端部の近傍の方向まで右向きに仮想視点VPの視線方向を戻した。このため、仮想視点VPの視線方向は、重複部分L2を2度にわたって移動することになる。
その結果、車両9の左前方の重複領域OA2(重複部分L2に対応する領域)に向いたドライバ視点画像は、2度にわたって生成される。つまり、フロントカメラ5Fの撮影画像SFのみを用いた重複領域OA2に向いたドライバ視点画像と、左サイドカメラ5Lの撮影画像SLのみを用いた重複領域OA2に向いたドライバ視点画像とが生成されることになる。このように、同一の重複領域OA2に向いたドライバ視点画像が異なる撮影画像を用いて2度にわたって生成されて表示されるため、死角になりやすい重複領域OA2をユーザが十分に確認することができる。
続いて、図30に示すように、仮想視点VPの視線方向が左サイド部分ALの左側端部ALbに達した時点で、画像生成部22は、ドライバ視点画像に用いる撮影画像を、左サイドカメラ5Lの撮影画像SLからリアカメラ5Bの撮影画像SBに切り替える。
また、このように画像生成部22がドライバ視点画像に用いる撮影画像を切り替えた時点で、画像制御部20aは、図中の矢印A2に示すように、重複部分L3の範囲内で右向きへ仮想視点VPの視線方向を戻す。そして、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を、方向D36よりも右側となる方向D37に設定する。この方向D37は、投影面TSにおけるリアカメラ5Bの撮影画像SBが対応する部分(以下、「リア部分」という。)ABの右側端部ABaの近傍の方向である。方向D37は、重複部分L3の右側端部の近傍の方向であるとも言える。そして、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を方向D37から左向きに連続的に変更する。
仮想視点VPの視線方向は、方向D37から方向D38を経由して、リア部分ABの左側端部ABbの近傍の方向D39に移動する。この方向D39は、重複部分L4の左側端部の近傍の方向であるとも言える。このように仮想視点VPの視線方向がリア部分ABを移動する期間において、画像生成部22は、リアカメラ5Bの撮影画像SBのみを用いてドライバ視点画像を連続的に生成する。
これにより、車両9の左後方の重複領域OA3(重複部分L3に対応する領域)に向いたドライバ視点画像、車両9の後方に向いたドライバ視点画像、及び、車両9の右後方の重複領域OA4(重複部分L4に対応する領域)に向いたドライバ視点画像が順次に生成される。このようにして生成されたドライバ視点画像は、表示装置3において表示される。
前述のように、画像生成部22がドライバ視点画像に用いる撮影画像を撮影画像SBに切り替えた時点で、画像制御部20aは、重複部分L3の右側端部の近傍の方向まで右向きに仮想視点VPの視線方向を戻した。このため、仮想視点VPの視線方向は、重複部分L3を2度にわたって移動することになる。
その結果、車両9の左後方の重複領域OA3(重複部分L3に対応する領域)に向いたドライバ視点画像は、2度にわたって生成される。つまり、左サイドカメラ5Lの撮影画像SLのみを用いた重複領域OA3に向いたドライバ視点画像と、リアカメラ5Bの撮影画像SBのみを用いた重複領域OA3に向いたドライバ視点画像とが生成されることになる。このように、同一の重複領域OA3に向いたドライバ視点画像が異なる撮影画像を用いて2度にわたって生成されて表示されるため、死角になりやすい重複領域OA3をユーザが十分に確認することができる。
続いて、図31に示すように、仮想視点VPの視線方向がリア部分ABの左側端部ABbに達した時点で、画像生成部22は、ドライバ視点画像に用いる撮影画像を、リアカメラ5Bの撮影画像SBから右サイドカメラ5Rの撮影画像SRに切り替える。
また、このように画像生成部22がドライバ視点画像に用いる撮影画像を切り替えた時点で、画像制御部20aは、図中の矢印A3に示すように、重複部分L4の範囲内で右向きへ仮想視点VPの視線方向を戻す。そして、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を、方向D39よりも右側となる方向D40に設定する。この方向D40は、投影面TSにおける右サイドカメラ5Rの撮影画像SRが対応する部分(以下、「右サイド部分」という。)ARの右側端部ARaの近傍の方向である。方向D40は、重複部分L4の右側端部の近傍の方向であるとも言える。そして、画像制御部20aは、仮想視点VPの視線方向を方向D40から左向きに連続的に変更する。
仮想視点VPの視線方向は、方向D40から方向D41を経由して、右サイド部分ARの左側端部ARbの近傍の方向D42に移動する。この方向D42は、重複部分L1の左側端部の近傍の方向であるとも言える。このように仮想視点VPの視線方向が右サイド部分ARを移動する期間において、画像生成部22は、右サイドカメラ5Rの撮影画像SRのみを用いてドライバ視点画像を連続的に生成する。
これにより、車両9の右後方の重複領域OA4(重複部分L4に対応する領域)に向いたドライバ視点画像、車両9の右側方に向いたドライバ視点画像、及び、車両9の右前方の重複領域OA1(重複部分L1に対応する領域)に向いたドライバ視点画像が順次に生成される。このようにして生成されたドライバ視点画像は、表示装置3において表示される。
前述のように、画像生成部22がドライバ視点画像に用いる撮影画像を撮影画像SRに切り替えた時点で、画像制御部20aは、重複部分L4の右側端部の近傍の方向まで右向きに仮想視点VPの視線方向を戻した。このため、仮想視点VPの視線方向は、重複部分L4を2度にわたって移動することになる。
その結果、車両9の右後方の重複領域OA4(重複部分L4に対応する領域)に向いたドライバ視点画像は、2度にわたって生成される。つまり、リアカメラ5Bの撮影画像SBのみを用いた重複領域OA4に向いたドライバ視点画像と、右サイドカメラ5Rの撮影画像SRのみを用いた重複領域OA4に向いたドライバ視点画像とが生成されることになる。このように、同一の重複領域OA4に向いたドライバ視点画像が異なる撮影画像を用いて2度にわたって生成されて表示されるため、死角になりやすい重複領域OA4をユーザが十分に確認することができる。
なお、最終方向となる方向D42(重複部分L1の左側端部の近傍の方向)は、初期方向となる方向D31(重複部分L1の右側端部の近傍の方向)よりも左側となる。このため、仮想視点VPの視線方向は、重複部分L1も2度にわたって移動することになる。
したがって、車両9の右前方の重複領域OA1(重複部分L1に対応する領域)に向いたドライバ視点画像も、2度にわたって生成される。つまり、フロントカメラ5Fの撮影画像SFのみを用いた重複領域OA1に向いたドライバ視点画像と、右サイドカメラ5Rの撮影画像SRのみを用いた重複領域OA1に向いたドライバ視点画像とが生成されることになる。このように、同一の重複領域OA1に向いたドライバ視点画像が異なる撮影画像を用いて2度にわたって生成されて表示されるため、死角になりやすい重複領域OA1をユーザが十分に確認することができる。
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
上記実施の形態では、周回モードM2では、仮想視点VPの視点位置が車両9のドライバの位置に固定されていた。これに対して、仮想視点VPの視点位置を車両9の外部に設定し、車両9の周囲を周回するようにこの仮想視点VPの視線方向を連続的に変更してもよい。この場合は、例えば、図32に示すように、画像制御部20aは、仮想視点VPを車両9の外部に設定する。そして、この仮想視点VPの視点位置を車両9の周囲を略一周するように移動させつつ、仮想視点VPの視線方向を車両9の近傍に向くように連続的に変更する。
このように画像制御部20aが仮想視点VPの視線方向を連続的に変更しながら、画像生成部22が仮想視点画像を連続的に生成することで、例えば、図33に示すような仮想視点画像C31〜C35が生成される。この場合も、仮想視点VPの視線方向に応じた一つのカメラ5の撮影画像のみを仮想視点画像の生成に用いることで、車両9の周辺の重複領域に存在する立体物に係る立体物像を仮想視点画像に正しく含ませることができる。
また、上実施の形態では、重複部分を含む仮想視点画像の全体に一つのカメラ5の撮影画像のみを用いていた。これに対して、仮想視点画像の少なくとも重複部分に一つのカメラ5の撮影画像のみを用いるようにし、仮想視点画像の他の部分は当該部分に対応する領域を撮影するカメラ5の撮影画像を用いるようにしてもよい。この場合において、例えば、仮想視点VPを図32に示すように変更する場合は、図34に示すような合成画像である仮想視点画像C41〜C45が生成される。この場合も、仮想視点画像の重複部分L1〜L4には一つのカメラ5の撮影画像のみが用いられるため、車両9の周辺の重複領域に存在する立体物に係る立体物像を仮想視点画像に正しく含ませることができる。
また、上記実施の形態では、周回モードM2において、ユーザが表示装置3のタッチパネル31に触れた場合は、仮想視点VPの視線方向の変更が中断されていた。これに対して、周回モードM2において、ユーザが表示装置3のタッチパネル31に触れた場合は、その時点の仮想視点VPの視線方向を維持したまま、動作モードが手動モードM3に切り替えられるようにしてもよい。
また、上記第1の実施の形態において説明したドライバ視点画像に用いる撮影画像を切り替えるための変更線TL1〜TL4の位置は一例である。投影面TSの重複部分の範囲内であればいずれの位置に変更線を設定してよい。もちろん、重複部分の右側あるいは左側の端部に変更線を設定することも可能である。
また、上記第2の実施の形態では、周回モードM2において、ドライバ視点画像に用いる撮影画像を切り替える時点で、連続的に変更する向きとは逆の向きに仮想視点VPの視線方向を戻すようにしていた。これに対して、手動モードM3においても同様に、ドライバ視点画像に用いる撮影画像を切り替える時点で、連続的に変更する向きとは逆の向きに仮想視点VPの視線方向を戻すようにしてもよい。
また、上記第2の実施の形態では、ドライバ視点画像に用いる撮影画像を切り替える時点で、仮想視点VPの視線方向が重複部分の端部の近傍の方向まで戻されていた。この仮想視点VPの視線方向を戻す先となる方向は、重複部分の範囲内であればいずれの方向であってもよい。
また、上記実施の形態では、クリアランスソナー72を含む物体検出装置7が車両9の周辺に存在する物体の方向を検出していた。これに対して、例えば、レーダーによる物体検出や、撮影画像に基づく物体認識などの他の手法によって、車両9の周辺に存在する物体の方向を検出してもよい。
また、周回モードM2において仮想視点VPの視線方向を変更する向きは、上記実施の形態で説明した向きとは、逆向きであってもよい。
また、上記実施の形態において一つのブロックとして説明した機能は必ずしも単一の物理的要素によって実現される必要はなく、分散した物理的要素によって実現されてよい。また、上記実施の形態で複数のブロックとして説明した機能は単一の物理的要素によって実現されてもよい。また、車両内の装置と車両外の装置とに任意の一つの機能に係る処理を分担させ、これら装置間において通信によって情報の交換を行うことで、全体として当該一つの機能が実現されてもよい。
また、上記実施の形態においてプログラムの実行によってソフトウェア的に実現されると説明した機能の全部又は一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよく、ハードウェア回路によって実現されると説明した機能の全部又は一部はソフトウェア的に実現されてもよい。また、上記実施の形態において一つのブロックとして説明した機能が、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。