JP6370356B2 - 文章読解学習用シート - Google Patents

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Description

本発明は、文章の読解を学習するための文章読解学習用シートに関する。
小学生、特に高学年の小学生は、文章の内容を読解することを学習する。(以下、文章の内容を読解することを「文章読解」、文章読解を学習する対象の文を「読解対象文章」という。)すなわち、読解対象文章において明示的な言語表現がなされておらずとも筆者が伝達しようとした内容を把握することを学習する。
文章読解の基礎として、読解対象文章の明示的な言語表現を正しく把握することが必要である。このために、非特許文献1に開示されたように、図解で構造を示すことが知られていた。
文章読解において、本質的部分は、読解対象文章に明示的な言語表現がなされていない部分の読解である。すなわち、物語文であれば登場人物(人間以外の生物であったり擬人化された非生物であったりすることもあるが、本明細書ではこれらを含めて「登場人物」という。)の気持を読解することである。
気持について、非特許文献1に示すような図式化された表現が知られておらず、この読解を補助する文章読解学習用シートはなかった。
白石範孝「図解で文章読解」
本発明は、図式化された表現によって、読解対象文章に明示的には表現されていない気持、ストーリーの読解を補助する文章読解学習用シートを提供することを課題とする。
気持は、読解対象文章に明示的に表現されることもある。明示的に表現されない場合においては、読解対象文章の一部(「段落」という)に暗示的に示される。気持は段落に明示的に表現された行動等の原因や結果であり、段落における明示的表現に基づいて導出することができるべきものである。してみれば、気持は、それを原因又は結果とする表現を含む1以上の段落と関連付けられる。本発明は、この関連付けを図式化して表現する。
図式化としては、段落が読解対象文章に表れる順番に並べられ、気持もその順番に合わせて並べられることが好ましい。学習者(小学生、特に高学年の小学生と考えられるが、これに限定せずに文章の読解を学習する者を「学習者」という。以下同じ。)が読解対象文章の流れに沿って登場人物の気持の変化を理解することが容易になるからである。
また、段落は、その前後の段落との間で、順接、逆接等の接続関係を有すると考えられる。しかし、読解対象文章によっては段落間でストーリーが飛躍し、接続関係が明白でない段落を含むことがある。かかる場合に、読解対象文章に含まれない補助的な文を仮想的な段落として補い、全ての段落間に接続関係があるようにして、その飛躍を解消することが好ましい。
学習者は、上記の特徴を有する本発明の文章読解学習用シートを使用しての文章読解を繰り返し練習することで、読解対象文章のストーリーと気持との対応を理解することに習熟し、文章読解能力に習熟することができるようになる。習熟のレベルに応じて、後述するストーリー記入領域及び気持記入領域のガイド(教師による事前記入)を調整することができる。特に、習熟度の高い学習者に向けては、ガイドをせずに自力で文章読解学習用シートに記入させることとしてもよい。
そこで、ストーリー記入領域及び気持記入領域を図式化し、学習者が記入して文章読解を練習できるとともに、習熟のレベルに応じて教師がガイドを事前記入できる文章読解学習用シートを提供する。
本発明の文章読解学習用シートは、
読解対象文章の一部である段落又はその要約を記入する段落記入領域を含むストーリー記入領域が順に並べられたストーリー表示部と、
登場人物の気持ち又は筆者の意見を記入する気持記入領域が順に並べられた気持表示部と、
前記気持記入領域の各々と前記ストーリー記入領域又は前記気持記入領域の1以上との因果関係を記入する因果関係表示部と、
を備えることを特徴とする。
この特徴によれば、ストーリー記入領域と気持記入領域とが読解対象文章の流れに沿って図式化される。また、ストーリーと気持ちとの対応を合わせて図式化することができる。
本発明の文章読解学習用シートは、
前記ストーリー記入領域は、読解対象文章に含まれない内容であって読解対象文章の流れを繋ぐ補助文を記入する補助文記入領域を含むことを特徴とする。
この特徴によれば、ストーリーの飛躍を補う補助文を記入することができる。
本発明の文章読解学習用シートは、
前記段落記入領域と前記補助文記入領域とが、峻別可能に描かれていることを特徴とする。
この特徴によれば、補助文についてそれが補助文であることが容易に理解できる。ガイドとして補助文記入領域に事前記入された場合には、学習者が補助文であることを理解する。学習者が自ら記入する場合には、そこに補助文を記入すべきことを理解する。
本発明の文章読解学習用シートは、
前記因果関係表示部は、前記ストーリー記入領域と前記気持記入領域との一方から他方に向かう矢印を記入するものであることを特徴とする。
この特徴によれば、登場人物が気持に基づいて行動したこと、事実に基づいて登場人物の気持が変化したことが、図式化されて表現される。
本発明の文章読解学習用シートは、
前記ストーリー表示部と前記気持表示部とが上下又は左右に並べて配され、前記因果関係表示部は上下又は左右の同位置にある前記気持記入領域と前記ストーリー記入領域との因果関係を記入するものであることを特徴とする。
この特徴によれば、学習者がストーリーと気持ちの対応を容易に理解又は記入することができる。
本発明の文章読解学習用シートは、
隣接する2の前記ストーリー記入領域の接続関係を記入する接続関係記入領域を備えることを特徴とする。
この特徴によれば、学習者がストーリーの流れを容易に理解又は記入することができる。
本発明の文章読解学習用シートは、
前記接続関係記入領域は、順接、逆接及び理由付けを含む所定の接続関係のうちの1を記入するものであることを特徴とする。
この特徴によれば、接続関係がパターン化され、ストーリーの流れについて、学習者の理解又は記入が容易になる。順接、逆接及び理由付けの他に時間経過(複数の原因のうちの1つと結果との関係にあるものを含む)を含むこととしてもよい。
本発明の文章読解学習用シートは、
1の読解対象文章について設計され、
前記段落記入領域、前記補助文記入領域及び前記気持記入領域のうちの一部又は全部が、前記読解対象文章について、予め記入されていることを特徴とする。
この特徴によれば、読解対象文章について、教師のガイドが記入され、学習者が読解に習熟することのできる文章読解学習用シートが提供される。
本発明の文章読解学習用シートによれば、図式化された表現によって、読解対象文章に明示的には表現されていない気持の読解を補助することができ、学習者の文章読解能力を向上させることができる。
図1は、文章読解学習用シートを示す図である。 図2は、読解対象文章を示す図である。(実施例1) 図3は、全ての内容が記入された状態を示す図である。(実施例1) 図4は、文章読解学習のために、教師により、ガイドが記入された状態を示す図である。(実施例1) 図5は、全ての内容が記入された状態の変形例を示す図である。(実施例1) 図6は、読解対象文章を示す図である。(実施例2) 図7は、全ての内容が記入された状態を示す図である。(実施例2) 図8は、文章読解学習のために、教師により、ガイドが記入された状態を示す図である。(実施例2) 図9は、読解対象文章を示す図である。(実施例3) 図10は、全ての内容が記入された状態を示す図である。(実施例3) 図11は、文章読解学習のために、教師により、ガイドが記入された状態を示す図である。(実施例3)
以下、本発明の文章読解学習用シートの構成、及び、学習における活用について説明する。
(文章読解学習用シートの構成)
図1に、文章読解学習用シート1を示す。文章読解学習用シート1は、紙材からなるシートの表面に図柄を印刷することで構成される。文章読解学習用シート1は、ストーリー表示部2、気持表示部3、及び因果関係表示部4を備える。ストーリー表示部2と気持表示部3とが平行に配置され、因果関係表示部4がストーリー表示部2と気持表示部3との間に設けられている。
ストーリー表示部2は、読解対象文章の内容を表示する部分であり、複数のストーリー記入領域21が並んで設けられている。隣接するストーリー記入領域21の間には接続関係記入領域22が設けられている。なお、接続関係記入領域22を4つの記号で表し、文字等を記入するための空白領域がないものとした。接続関係を表す記号に○をつけることで接続関係を記入することとなる。
気持表示部3は、登場人物の気持を表示する部分であり、複数の気持記入領域31が並んで設けられている。気持記入領域31は、因果関係表示部を挟んでストーリー記入領域21に対応する位置に設けられている。ただし、対応する位置でなく2つのストーリー記入領域21の間の位置とする等、任意に位置を決定してよい。
因果関係表示部4は、ストーリー記入領域21に記入された内容と気持記入領域31に記入された内容との因果関係を表示する部分である。因果関係表示部4には、ストーリー記入領域21に記入された内容と気持記入領域31に記入された内容との一方が他方の原因である場合に一方から他方へ向かう矢印を表示(又は記入)する等、ストーリーと気持ちとの因果関係が表示される。
以上の構造により、ストーリーと気持とが平行に対応付けて表示され、読解対象文章のストーリーの流れが理解しやすくなるとともに、読解対象文章に明示的には表現されていない気持が図式化された表現さによって把握され、理解される。
(文章読解学習用シートの活用)
以下、具体的な物語文の実施例によって、文章読解学習用シート1の活用を示す。
図2に、本実施例に係る読解対象文章を示す。ストーリーの飛躍がない文章である。
図3に、ストーリー記入領域21、接続関係記入領域22、気持記入領域31及び因果関係表示部4に全ての内容が記入された状態の文章読解学習用シート1を示す。この状態を完成させようとする努力によって読解力が高まる。また、この状態の文章読解学習用シート1を見ることで、読解対象文章の理解が容易になる。
読解対象文章が段落に分けられて、ストーリー記入領域21に記入されている。ストーリー記入領域21は、全て、読解対象文章を段落分けし、各段落を要約した(又は要約せずにそのままの)文を記入したものである。本実施例において、ストーリー記入領域21は、全て、段落記入領域21aである。
接続関係記入領域22の4つの記号は、上から順に、順接、逆接、時間経過、理由付けを表している。そのいずれであるかが、〇によって示されている。ストーリーの進行が図式化されて示されている。また、物語文においては、逆接のところでストーリーに新たな展開があることが理解できる。
気持記入領域31には、登場人物(本実施例では「花子」のみ)の気持が記入されている。気持記入領域31はストーリー記入領域21に1対1に対応して設けられているが、全てのストーリー記入領域21に対応する気持を必ずしも考える必要はなく、空白であってもよい。
読解対象文章中の言葉、「じっとしていられなかった」「落ち着いて」「窓へ駆け寄った」「膝を抱えうずくまった」「輝くような美しい夕焼け」について気持ちとの対応があるので、これらの言葉を含む段落に係るストーリー記入領域21に対応する気持記入領域31に、気持が記入されている。
ここで、花子の気持ちが良いことを〇囲みの+で、悪いことを〇囲みの−で示している。必ずしも文章読解のために必要ではないが、気持ちの変化及びそれに基づくストーリーの流れの把握が容易となる。
因果関係表示部4には、対応するストーリー記入領域21と気持記入領域31とに記入された内容の因果関係が、原因から結果に向けた矢印として示されている。この矢印によって事実又は行動と気持との関係を把握することができ(又は読解して把握した関係を矢印として記入することができ)、読解力が高まる。
ここで、対応するストーリー記入領域21と気持記入領域31とに記入された内容の因果関係について、いずれが原因でいずれが結果であるかを厳密に解釈することは必要でない。例えば、ストーリー記入領域21に登場人物の行動が記入され気持記入領域31に登場人物の気持が記入されている場合に、「気持に基づいて行動した」と解釈することも「行動によって気持が読み取れる」と解釈することも可能な場合が多い。関係が存在することが理解されれば十分である。本実施例では、「行動によって気持が読み取れる」と解釈して矢印を記入している。(例えば符号41a、41bで示した矢印は、「気持に基づいて行動した」と解釈すれば逆向きである。)
また、ストーリー記入領域21に記入された「輝くような美しい夕焼け」と気持記入領域31に記入された「晴れ晴れとした気持」との間では、夕焼けが花子の気持と無関係の自然現象であるので、論理的には因果関係が存在しない。しかし、情景としての「夕焼け」によって物語文として表現された気持を読解することも重要である。
学習者が、図1に示した空白の文章読解学習用シート1と、図2に示した読解対象文章とから、自力で図3に示した全ての内容が記入された状態の文章読解学習用シート1を作成することができれば、読解力が高いといえる。一方、学習者の習熟度は個人差があり、自力で図3に示した全ての内容が記入された状態の文章読解学習用シート1を作成することができない学習者も多く存在する。
かかる学習者の読解力を高めるため、図1に示したものと図3に示したものとの中間の一部の内容が記入された文章読解学習用シート1が有効である。教師が事前に一部の内容(又はそのヒント)を記入するものである。教師が記入する内容を「ガイド」と呼ぶ。いかなる内容のガイドとするかは、学習者の習熟度、得意/不得意分野等に基づいて教師が決定すべきものであり、普遍的な基準があるものではない。以下、一例を示す。
図4に、文章読解学習のために、教師により、ガイドが記入された状態の文章読解学習用シート1を示す。ストーリー表示部2については全てが記入されている。気持表示部3については、一部の気持記入領域31に「じっとしていられなかった」「落ち着いて」「窓へ駆け寄った」「膝を抱えうずくまった」「輝くような美しい夕焼け」のストーリー表示部2に示された言葉のみが記入され、その言葉に対応する気持を記入すべきことが示されている。
学習者は、ストーリー表示部2に示された言葉を参考にして、気持記入領域31に気持を記入する。ストーリー表示部2に示された言葉が記入されていない気持記入領域31は空欄でよい。
学習者は、また、記入した気持記入領域31について、対応する段落記入領域21aとの因果関係を因果関係表示部4に記入する。
以上により、学習者は、読解対象文章の言葉(ストーリー表示部2に示された言葉)から登場人物の気持を推測することと、気持と行動又は事実との因果関係を考えて読解することとを体験することができる。
なお、一部の気持記入領域31にストーリー表示部2に示された言葉のみを記入して気持を推測して記入すべき気持記入領域31を示したが、他の方法でもよい。例えば、気持を推測して記入する必要のない気持記入領域31に×印をつけて気持を推測して記入すべき気持記入領域31を示してもよい。この場合、ストーリー表示部2に示された言葉を学習者に示さないこととなり、学習者は気持ちとの対応がある言葉を読解対象文章から拾い出す作業をも体験することとなる。(より習熟度の高い学習者に向けたガイドとなる。)
以上詳細に説明したように、本実施例の文章読解学習用シート1は、ストーリー記入領域21を並べたストーリー表示部2、気持記入領域31を並べた気持表示部3、及び因果関係表示部4を備え、ストーリー表示部2と気持表示部3とが平行に配置され(本実施例では縦書きの文章が見やすいように上下に配置したが、例えば文章を横書きし左右に配置してもよい)、因果関係表示部4がストーリー表示部2と気持表示部3との間に設けられている。その結果、ストーリー記入領域21、気持記入領域31及び因果関係表示部4に正しく記入することで、読解対象文章の読解に役立つ図式化がなされる。
また、ストーリー記入領域21、気持記入領域31及び因果関係表示部4の記入の一部を教師がガイドとして事前に記入し、学習者が完成させるようにすることで、学習者の習熟レベルに対応した指導が可能となる。
なお、本実施例(図3)に示したストーリー記入領域21、気持記入領域31及び因果関係表示部4の記入は、必ずしも唯一の正解ではない。学習者による読解が示されているものであれば他のものでもよい。例えば図5に示したストーリー記入領域21、気持記入領域31及び因果関係表示部4の記入としてもよい。1の気持記入領域31が複数のストーリー記入領域21との間で因果関係を有するものである。気持の変化によってストーリーの展開が変化していることをより詳細に示したものである。図3において符号41a、41bで示した矢印について、「気持を発生させた事実から気持へ」及び「気持からそれに基づく行動へ」の因果関係を別々の矢印で表現している。
図6に、本実施例に係る読解対象文章を示す。以下の2か所において、ストーリーの飛躍があり、読解に困難がある。
(1) ねずみが「いいえ、ぼくはだいじょうぶです。」と答えたこと:なぜヤマアラシの助けを断るのか。
(2) ヤマアラシがにこにこしていたこと:なぜ助けを断られたのににこにこしているのか。
本実施例は、ストーリーに飛躍がある場合の補助文記入領域21bの活用を示すものである。他の点については実施例1と同様であり、詳細な説明を省略する。
図7に、ストーリー記入領域21、接続関係記入領域22、気持記入領域31及び因果関係表示部4に全ての内容が記入された状態の文章読解学習用シート1を示す。この状態を完成させようとする努力によって読解力が高まる。また、この状態の文章読解学習用シート1を見ることで、読解対象文章の理解が容易になる。
読解対象文章が段落に分けられて、ストーリー記入領域21に記入されている。ストーリー記入領域21は、多くが、読解対象文章を段落分けし、各段落を要約した(又は要約せずにそのままの)文を記入した段落記入領域21aである。本実施例においては、ストーリー記入領域21の一部が、読解対象文章に含まれない内容を記入した補助文記入領域21bである。
段落記入領域21aは実線で、補助文記入領域21bは破線で描かれている。このように、段落記入領域21aと補助文記入領域21bとが峻別でき、学習者に把握できることが好ましい。実際の文章読解学習用シートの使用に当たっては、全てのストーリー記入領域21が同様に印刷されているので、教師が段落記入領域21a又は補助文記入領域21bの一方に峻別のための追記をする(例えば、破線を印刷し、教師が破線の間を結んで実線にする)ことができる。
接続関係記入領域22、気持記入領域31及び因果関係表示部4は、実施例1と同様である。ただし、本実施例では登場人物として「ねずみ」と「ヤマアラシ」の2名が存在する。
図8に、文章読解学習のために、教師により、ガイドが記入された状態の文章読解学習用シート1を示す。ストーリー表示部2については段落記入領域21aが記入され、補助文記入領域21bが空白である。補助文記入領域21bを記入すべきことが示されている。気持表示部3については、1つの気持記入領域31に「困ったような笑顔」とのみ記入されており、その気持記入領域31を記入すべきことが示されている。
記入すべき領域は、ストーリーの飛躍箇所を補い、その原因となる気持を示すものである。
学習者は、ストーリーの飛躍箇所のつじつまを合わせることを考えて、補助文記入領域21bに補助文を、気持記入領域31に気持を、それぞれ記入する。
以上により、学習者は、読解対象文章のストーリーの飛躍を説明することができるだけの深さで読解することを体験することができる。
以上詳細に説明したように、本実施例の文章読解学習用シート1は、補助文記入領域21bが設けられている。その結果、ストーリーの飛躍を補ってスムーズに流れる構造となる。補助文記入領域21bに正しく記入することで、読解対象文章の深い読解に役立つ図式化がなされる。
実施例1及び2では、物語文において、ストーリーと気持とを対応させて読解を補助する例を示した。本発明の文章読解学習用シートは、物語文以外にも活用可能である。
物語文に限定せずに一般の文への適用を考えると、「ストーリー」は「時間(timeline)」と、「気持」は「好み(preference)」と、一般化される。時間と好みを対応させることで読解を補助することができる。
例えば、論説文においては、「時間」は「根拠事実(原因及び結果)」であり、「好み」は「意見」である。根拠事実と意見とを対応させて読解(特に意見を正しく理解すること)を補助することができる。
本実施例は、物語文以外の文章への適用として、論説文の例を示すものである。以下、論説文に特有の点を説明する。他の点は実施例1及び2と同様であり、詳細な説明を省略する。
図9に、本実施例に係る読解対象文章を示す。論説文である。
図10に、ストーリー記入領域21、接続関係記入領域22、気持記入領域31及び因果関係表示部4に全ての内容が記入された状態の文章読解学習用シート1を示す。論説文では、物語文において登場人物の気持を推測したように「読解対象文章に明示的な記述がない内容を推測する」ことが不要であることも多い。具体的には、意見も読解対象文章に明示されているものである。すなわち、図に示すように読解対象文章の記述に従ってストーリー記入領域21に順次に記入し、意見が記述されている段落に対応して意見を気持記入領域31に記入することが可能である。
すなわち、ストーリー記入領域21に読解対象文章に従って順次に記入すると、根拠事実及び意見が記入される。ストーリー記入領域21に意見が記述されている段落に対応して気持記入領域31に意見が記入される。各々のストーリー記入領域21について、対応する気持記入領域31の有無によって意見であるか根拠事実であるかを把握することができる。なお、意見についてはストーリー記入領域21に記入せずに気持記入領域31のみに記入することも考えられる。この場合も、意見の記入されたストーリー記入領域21の有無のみの相違であり、図10と実質的に同等である。
各々の段落について、根拠事実であるか意見であるかを厳密に定めることは困難である。例えば、根拠事実に基づいて論理的に必然の内容が記載された段落は、根拠事実の補強説明と把握することも、根拠事実に基づく主張(意見)と把握することも可能である。むしろ、筆者の意図が現われた段落であるか否かを判断することが読解の中で重要な場合もある。
段落の内容相互の関係は、論理的にツリー構造となっている。本実施例ではストーリー記入領域21の記入におけるインデントでツリー構造を示した。ツリー構造の下位のノードが上位のノードよりも深くインデントされている。これに替えて、接続関係記入領域22にツリー関係を表す記号を配することや、因果関係表示部4にツリーを描くことによることとしてもよい。
以上のように、論説文ではストーリー記入領域21と気持記入領域31との対応が容易に理解できることが多く、気持記入領域31とストーリー記入領域21との因果関係を図式化せずに読解できることが多い。そこで、本実施例では、因果関係表示部4において気持記入領域31相互の関係を示す。意見相互の展開が図式化される。上下に配置されていない気持記入領域31とストーリー記入領域21との因果関係が示されているが、論説文においては本実施例のように文章中の順番を遡る因果関係も多く見られる。なお、論説文において因果関係表示部4にいかなる矢印を記入するかは、指導目的に応じて設計してよい。
図11に、文章読解学習のために、教師により、ガイドが記入された状態の文章読解学習用シート1を示す。ストーリー表示部2については「人工林では一定の期間がたつと、新たな苗木が植えられる。」と記入されていたストーリー記入領域21について「二酸化炭素吸収量が高いわけ?」とされ、学習者に問いかけて記入を促す形となっている。これは、「新たな苗木が二酸化炭素を多く吸収するので人工林は二酸化炭素を多く吸収することとなる」との論理の理解を求めるものとなっている。
また、気持表示部3については「二酸化炭素の吸収という観点から見るとどうであろうか。」と記入されていた気持記入領域31について「「どうであろうか」と書いて、本当に言いたいことは?」とされ、学習者に問いかけて記入を促す形となっている。これは、「効用が少ない」というとらえ方に対し、「効用がある」との意見である(単純に問いかけているものではない)ことの理解を求めるものとなっている。
以上により、学習者は、読解対象文章の筆者の論理を正しく説明することができるだけの深さで読解することを体験することができる。
以上詳細に説明したように、本実施例の文章読解学習用シート1は、因果関係表示部4において気持記入領域31(意見)相互の関係を示すことができる。その結果、読解対象文章の筆者の論理を示す構造となる。論理の要部であるストーリー記入領域21及び/又は気持記入領域31に正しく記入することで、読解対象文章の深い読解に役立つ図式化がなされる。
読解対象文章に明示的には表現されていない気持(意見を含む)の読解を補助する文章読解学習用シートである。多くの教育機関における利用が考えられる。
1 文章読解学習用シート
2 ストーリー表示部
21 ストーリー記入領域
21a 段落記入領域
21b 補助文記入領域
22 接続関係記入領域
3 気持表示部
31 気持記入領域
4 因果関係表示部
41 矢印

Claims (3)

  1. 読解対象文章の一部である段落又はその要約の記入された段落記入領域を含むストーリー記入領域が順に並べられ、隣接する2の前記ストーリー記入領域の接続関係の記入された接続関係記入領域を備えたストーリー表示部と、
    登場人物の気持ち記入された気持記入領域が順に並べられた気持表示部と、
    前記気持記入領域の各々と前記ストーリー記入領域との因果関係の記入された因果関係表示部と、
    を備え、
    全ての前記接続関係記入領域は、順接、逆接及び理由付けを含む所定の接続関係のうちの1を表す矢印形状の記号の記入されたものであり、
    前記ストーリー表示部、前記因果関係表示部及び前記気持表示部が、この順に上下又は左右に並べて配され、
    前記因果関係表示部は、前記ストーリー記入領域と前記気持記入領域との一方から他方に向かう上下方向又は左右方向の矢印の記入されたものである、
    ことを特徴とする、文章読解学習用シート。
  2. 前記ストーリー記入領域は、読解対象文章に含まれない内容であって読解対象文章の流れを繋ぐ補助文の記入された補助文記入領域を含むことを特徴とする、請求項1に記載の文章読解学習用シート。
  3. 前記段落記入領域と前記補助文記入領域とが、峻別可能に描かれていることを特徴とする、請求項2に記載の文章読解学習用シート。
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