JP6369690B2 - 標識灯システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、発光素子と、発光素子の点灯状態を制御する点灯制御回路とを有する標識灯を備えた標識灯システムに関する。
従来、例えば空港の滑走路や誘導路などに配置される標識灯として電球式の標識灯を用い、これら標識灯と、既存の定電流電源装置とにより構成される標識灯システムとして、日常点検およびメンテナンスにおいて、不点灯(異常点灯)の標識灯の発見を容易にするため、定電流電源装置で標識灯の点灯状態を監視しているものがある。この監視システムは、電球式標識灯の不点灯要因である電球フィラメントの断線を利用している。すなわち、標識灯入力には定電流電源装置に接続された可飽和装置であるゴム被覆絶縁トランスがあり、電球式標識灯の場合、このゴム被覆絶縁トランスの二次側に接続されるのは電球フィラメントであるため、フィラメント断線での不点灯によりゴム被覆絶縁トランスの二次側が開放状態となることから、この断線によりゴム被覆絶縁トランスの二次側が開放されるときに、ゴム被覆絶縁トランスが飽和するまで高電圧が生じ、この高電圧によって生じる一次側の電圧波形歪を定電流電源装置に設けられた検出回路により検出することで、標識灯の不点灯(負荷断芯)を監視している。
近年、標識灯は、省エネルギー化などの観点から電球式からLED式へと置換されてきている。標識灯の電球式からLED式に置換するにあたり、多くの場合において更新の必要がない配線およびゴム被覆絶縁トランスなどのインフラや定電流電源装置は既存のまま運用される。このため、標識灯の負荷断芯監視システムも既存のまま使用できることが望まれる。LED式標識灯であっても、電球式標識灯と同様に電流電源装置からゴム被覆絶縁トランスを介し接続する構成となるため、既存インフラでの使用は問題ないものの、標識灯入力に点灯制御回路が必要となり、単にLEDの不点灯では電球式標識灯のフィラメント断線のように入力開放には至らない。
そこで、例えば点灯制御回路とLED負荷となる灯器とが別筐体であって、一つの点灯制御回路に対して複数のLED灯器を直列に接続する標識灯システムでは、点灯制御回路から別信号線を用いてシステム上位に対して異常を伝達する構成がある。しかしながら、このシステムの場合、1つの点灯制御回路に対して複数のLED灯器を直列に接続できるようにしており、設置の便宜上、その数に幅が持たされているとともに、点灯制御回路とLED灯器との距離が数百メートルにおよび、ケーブルによる電圧低下が生じるため、点灯制御回路の出力電圧が設置環境によって変動することから、点灯制御回路側でLED灯器の接続台数を把握することが容易でなく、仮にLEDが短絡故障した場合、点灯制御回路側から見てLEDが故障しているのか、LED灯器が接続されていないのかを判別することができない。したがって、LEDの短絡故障を点灯制御回路の自己監視によって検出することができない。
特開2012−204204号公報
本発明が解決しようとする課題は、発光素子の短絡故障を定電流電源装置に報知する標識灯システムを提供することである。
実施形態の標識灯システムは、定電流電源装置と、可飽和装置と、標識灯とを有する。定電流電源装置は、電力波形を監視することで発光素子が異常点灯状態であるかどうかを検出する検出回路を備える。可飽和装置は、定電流電源装置の出力端間に少なくとも1つ直列に接続される。標識灯は、直列に接続される少なくとも1つの発光素子と、点灯制御回路と、開放装置とを有する。点灯制御回路は、点灯回路と、負荷調整回路と、制御部と、電圧検出回路とを有する。点灯回路は、発光素子を点灯させる。負荷調整回路は、可飽和装置の出力側の高圧側と低圧側との間を開閉する。制御部は、負荷調整回路の開閉を制御する。電圧検出回路は、出力電圧を検出する。そして、点灯制御回路は、点灯回路により発光素子の点灯状態を制御するとともに、電圧検出回路により検出した出力電圧が所定値以下に低下したときに制御部により負荷調整回路を開放させる。開放装置は、点灯制御回路の入力電圧により動作され、この入力電圧が所定電圧以上となったときに可飽和装置と点灯制御回路との接続を開放する。
本発明によれば、点灯制御回路の出力電圧が所定値以下に低下したときには、発光素子の短絡故障と判断して制御部が負荷調整回路を開放することで上昇した点灯制御回路の入力電圧により開放装置が動作して可飽和装置と点灯制御回路との接続を開放し、定電流電源装置の検出回路により検出する電力波形に歪を発生させることができるので、発光素子の短絡故障を定電流電源装置に報知することが期待できる。
一実施形態の標識灯を備えた標識灯システムを示す回路図である。
以下、一実施形態の構成を図1を参照して説明する。
図1において、標識灯10は、交流の定電流電力を供給する定電流電源装置(CCR)11から定電流電力を供給する給電ラインに一次側が直列に接続された、例えば可飽和装置としてのゴム被覆絶縁トランスなどの少なくとも1つの絶縁トランス12の二次側に接続されている。なお、図1には1つの絶縁トランス12のみを示し、他は省略している。そして、標識灯10は、これら定電流電源装置11および絶縁トランス12とともに、標識灯システムを構成している。
そして、標識灯10は、絶縁トランス12の二次側に遮断器である開放装置14を介して入力端子が接続され、点灯制御回路15により、この入力端子に入力される定電流電力を所定の点灯電力に変換して発光素子16に供給する。また、この標識灯10は、発光素子16とともに、図示しない反射鏡および/またはレンズなどにより構成される光学系部、この光学系部からの光を外部へと透光するガラスなどの図示しない出射部、および、点灯制御回路15などが、図示しない筐体に一体的に内包されて構成される。
開放装置14は、ブレーカ(漏電ブレーカ)とも呼ばれ、点灯制御回路15の入力側に接続された駆動素子としての駆動コイル14aと、この駆動コイル14aに所定電圧V1以上の電圧が印加されることで物理的に引き離される接点部14bとを備えた常閉の機械式ラッチ(機械式スイッチ)である。この開放装置14は、例えば絶縁トランス12の二次側と標識灯10(点灯制御回路15)の入力端子の高圧側との間に挿入されている。この開放装置14は、標識灯システムの通電時および非通電時のそれぞれにおいて、接点部14bの開状態および閉状態がそれぞれ機械的に保持されるようになっている。
点灯制御回路15は、発光素子16を点灯制御するもので、入力端子(開放装置14)に対して一次側が直列に接続される(第1および第2の)電流トランス(変流トランス)すなわちカレントトランス21,22の二次側に接続されている。すなわち、この点灯制御回路15は、開放装置14の後段、すなわち二次側に接続されている。これらカレントトランス21,22は、絶縁トランス12から入力される定電流電力の電流値を所定の電流値に変換する。また、カレントトランス21の二次側には、開放装置14を動作させるための駆動コイル14aが接続され、この駆動コイル14aの後段に、点灯制御回路15が接続されている。そして、点灯制御回路15は、カレントトランス21の二次側に、交流の定電流電力を整流する整流回路24、負荷調整回路25、保護回路26および平滑回路27などが接続されている。
負荷調整回路25は、電圧検出回路である主電圧検出回路30で検出される電圧などに基づいて、例えばCPU(マイコン)によって構成された制御部35によりフィードバック制御され、発光素子16に供給する電力の電圧を制御する。この負荷調整回路25は、絶縁トランス12の二次側であるカレントトランス21の二次側の高圧側と低圧側との間に接続されて電流の一部をバイパスさせるための例えば半導体スイッチであり、制御部35からバッファ回路36を介して供給された主電圧制御信号であるH/L信号によりスイッチングされて高圧側と低圧側とを短絡/開放することで、発光素子16への印加電圧が所定値を超えないように定電圧化している。
主電圧検出回路30は、点灯制御回路15(点灯回路31)の出力電圧である主電圧を検出し、この検出した主電圧(この主電圧に対応する値)を制御部35に入力し、制御部35は負荷調整回路25の出力電圧を、バッファ回路36を介して調整する。
点灯回路31は、発光素子16を点灯させるものである。ここで、標識灯10の場合、色度規格が規定されており、LEDなどの発光素子16は、波高値が変わると色度が変化する特性を有するため、点灯回路31は、発光素子16の調光段階に応じて一般的にPWM(パルス幅変調)制御を行い、発光素子16の調光段階に拘らず、発光素子16への入力電流の波高値(ピーク値)は一定としている。すなわち、本実施形態において、この点灯回路31は、スイッチング素子を備え、このスイッチング素子が制御部35によってバッファ回路38を介して開閉されることで発光素子16の点灯時間のデューティ比を変え、発光素子16を所定の光度(光度範囲)で点灯させる。
保護回路26は、負荷調整回路25の開放による点灯制御回路15の入力電圧の上昇により動作して発光素子16および点灯回路31を入力電圧から切り離して保護するものである。この保護回路26は、負荷調整回路25と平滑回路27との間の接続を開閉する保護接点41と、この保護接点41の開閉を制御する開回路42および閉回路43と、保護接点41の二次側である平滑回路27の入力側の電圧(この電圧に対応する電圧)を検出する電圧検出回路44と、保持素子としての保持コンデンサ45とを備えている。そして、この保護回路26は、閉回路43が保護接点41の一次側電圧により動作されて保護接点41を閉じるとともに、電圧検出回路44により検出した保護接点41の二次側電圧である主電圧が開放装置14の駆動コイル14aが動作する所定電圧V1よりも低い所定電圧V2以上となったときに開回路42が動作されて保護接点41を開くようになっている。すなわち、この保護回路26は、点灯制御回路15の入力電圧が所定電圧V2以上となったときに保護動作を行う。また、保持コンデンサ45は、開回路42の動作電圧を平滑回路27とともに所定時間保持するものである。
平滑回路27は、整流回路24で整流された定電流電力を平滑する、例えば平滑コンデンサである。この平滑回路27には、主電圧から第1の制御電圧である15Vの動作電圧を生成する(第1の)制御電源回路としての15V電源回路47と、この15V電源回路47から第2の制御電圧である5Vの動作電圧を生成する(第2の)制御電源回路としての5V電源回路48とが接続されているとともに、これら制御電圧(これら制御電圧に対応する電圧)を検出する制御電圧検出回路49が接続されている。15V電源回路47からは、15Vの動作電圧が供給され、5V電源回路48からは5Vの動作電圧(Vcc)が例えば制御部35に供給される。さらに、制御電圧検出回路49は、検出した制御電圧(これら制御電圧に対応する値)を制御部35に入力するようになっている。
また、カレントトランス22の二次側には、定電流電源装置11の入力電流(入力電流の実効値)、あるいはこの定電流電源装置11の入力電流に対応する電流(電流の実効値)を検出する電流検出回路51が増幅回路52を介して接続されている。この電流検出回路51は、例えば15V電源回路47から電源が供給されている。そして、この電流検出回路51で検出された定電流電力の電流値が増幅回路52を介して制御部35に入力され、制御部35はこの電流値に応じて点灯回路31を制御する。なお、この電流検出回路51により検出される入力電流は、例えば2.8A〜6.6Aを通常動作範囲として発光素子16の調光に使用する。
発光素子16としては、標識灯10の設置場所に応じて、例えば白色、赤色、緑色、青色、黄色などの所定の色の光を発するLEDなどの半導体発光素子が用いられる。本実施形態では、複数の発光素子16が互いに直列に接続され、発光素子16全体として発光ユニット(灯体)を構成している。図1においては、発明をより明確にするために発光素子16を2つ図示しているが、以下、発光素子16は2つに限定されるものではなく、3つ以上を直列に接続してもよいし、1つのみで用いてもよい。この発光素子16がLEDの場合には、複数のLED素子を基板に実装して蛍光体を含む封止部材で覆うCOB(Chip On Board)方式、LED素子が搭載された接続端子付きのSMD(Surface Mount Device)パッケージを基板に実装する方式など、いずれを用いてもよい。なお、発光素子16は、砲弾型のLEDであってもよい。
定電流電源装置11は、例えば図示しないサイリスタなどの制御素子の位相制御により、複数の調光段階に対応して複数段階、例えば5段階の定電流を出力可能となっている。そして、この定電流電源装置11は、出力電力波形、すなわち絶縁トランス12の一次側の電力波形(電圧波形または電流波形)を監視し、この電力波形の波形歪に基づいて発光素子16が異常点灯状態であるかどうかを検出する検出回路55を備えている。この検出回路55は、LED式などの発光素子16を用いる標識灯10に置き換える以前の、従来用いていた電球式の標識灯の断芯を検出するための回路をそのまま適用したものである。なお、以下、異常点灯状態とは、全ての発光素子16が完全に点灯しない状態(不点灯状態)、一部(所定数以上)の発光素子16が点灯しない状態(一部不点灯状態)、および、発光素子16が所定の光度範囲よりも小さい光度で点灯した状態(暗点灯状態)などの正しく点灯していない状態などの、各種の状態を含むものとする。
次に、一実施形態の動作を説明する。
絶縁トランス12では、定電流制御装置11から供給される高圧の一次側電源を低圧の二次側電源に変換して各標識灯10の点灯制御回路15に(カレントトランス21,22を介して)供給する。電源供給された各標識灯10の点灯制御回路15では、保護回路26の保護接点41の一次側電圧により閉回路43が動作して保護接点41を閉じ、電源が点灯回路31側に供給される。そして、制御部35が定電流電源装置11からの入力電流と発光素子16に流す電流(マージンを含む)との対応を示す制御テーブルを予め記憶しており、この制御テーブルを参照して電流検出回路51で検出した入力電流に応じてPWM信号を設定し(バッファ回路38を介して)、点灯回路31の動作を制御することで、発光素子16の点灯電流を制御して発光素子16を入力電流に応じた所定の調光点灯状態で点灯させる。このとき、制御部35では、主電圧検出回路30で検出した主電圧により発光素子16の点灯状態を監視し、この検出した主電圧に応じて(バッファ回路36を介して)負荷調整回路25に信号を出力してこの負荷調整回路25を開閉することで、発光素子16に供給される電流値を各調光段階で一定となるように制御する。例えば、発光素子16は、周囲環境に応じて設定された定電流電源装置11からの出力電流の段階に対応して調光される。本実施形態では、例えば発光素子16は、100%、25%、5%、1%および0.2%の5段階のいずれかに調光される。
ここで、定電流電源装置11の出力電力波形に生じた歪を介して異常点灯状態(不点灯状態など)を検出する構成の場合、発光素子16を用いた(LED式などの)標識灯10では、供給電源側と発光素子16との間に点灯制御回路15が介在するので、発光素子16の異常が直接判断しにくく、点灯制御回路15側での措置が必要となる。したがって、発光素子16の異常点灯時に従来の電球(白熱ランプ)と同様な条件を発生させるためには、点灯制御回路15の入力側を開放して、電球式の標識灯の断芯と同様の状態を作り出すことが必要となる。また、標識灯10の異常点灯は、発光素子16自体の故障だけでなく、点灯制御回路15の故障も要因として考えられるため、どちらの場合においても点灯制御回路15の入力側を開放して、電球式の標識灯の断芯と同様の状態を作り出すことが必要となる。この場合、点灯制御回路15からの信号などによる直接制御では、点灯制御回路15の故障時に信号制御ができなくなり異常点灯状態になっても開放装置14を動作することができない。
そこで、本実施形態の標識灯システムでは、発光素子16がショート(短絡)による故障(短絡故障)によって異常点灯状態となった場合に、制御部35によって負荷調整回路25の動作を停止させてこの負荷調整回路25を開放させ、点灯制御回路15の入力電圧を意図的に上昇させる。
すなわち、発光素子16がショート(短絡)した場合、発光素子16に供給される主電圧が低下する。したがって、制御部35は、主電圧検出回路30により検出した主電圧が所定値、例えば全ての発光素子16が正常点灯したときの出力電圧の50%以下に低下した場合(換言すれば、半数以上の発光素子16が短絡故障した場合)に、上記の発光素子16のショート(短絡)による故障で不点灯状態であるものと判断し、(バッファ回路36を介して)負荷調整回路25に信号を出力して負荷調整回路25の動作を停止させて開放する。この結果、点灯制御回路15の入力電圧が上昇し、保護回路26の電圧検出回路44により検出された電圧が所定電圧V2となると、開回路42が保護接点41を開放し、点灯回路31および発光素子16を入力電圧から切り離す。そして、入力電圧がさらに上昇して所定電圧V1となると、駆動コイル14aが接点部14bを引き離し、開放装置14が絶縁トランス12の二次側を物理的に開放する。なお、保護回路26の開回路42は、保持コンデンサ45および平滑回路27により動作が保持されるので、少なくとも開放装置14の開放動作まで保護接点41の開状態が維持される。
このように、上記一実施形態では、発光素子16からなる発光ユニットに対して点灯制御回路15が1対1で対応する標識灯10を用いた標識システムにおいて、絶縁トランス12の二次側の開放電圧を利用する。すなわち、標識灯10では、正常動作中に、点灯制御回路15の制御部35が、負荷調整回路25により入力の開放、短絡をスイッチング制御して発光素子16の点灯に最適な電圧に調整しているので、主電圧検出回路30により検出した出力電圧により発光素子16の短絡故障(異常)を制御部35が検出したとき(主電圧が所定値以下に低下したとき)には、制御部35が負荷調整回路25の動作を停止させることにより、点灯制御回路15の入力電圧を上昇させて開放装置14を動作させ、入力側を物理的に開放する。このとき、カレントトランス21を設けているので、絶縁トランス12の二次側で開放装置14への適正な動作電圧を供給することができる。したがって、この開放により電球式の標識灯の断芯と同様の状態を作り出すことで、この絶縁トランス12の一次側の電力波形(電圧波形、あるいは電流波形)、すなわち定電流電源装置11の出力電力波形に歪を生じさせ、定電流電源装置11の検出回路55がこの波形歪を検出することにより、発光素子16の短絡故障による異常を検出回路55により検出可能であるとともに、定電流電源装置11に標識灯10の異常を報知することができる。この結果、既存の定電流電源装置11と電球式の標識灯を設置した空港に対し、既存の定電流電源装置11、電源ラインなどの各種インフラ、および、検出回路55を用いる断芯監視システムの更新を行うことなく、電球式の標識灯からLED式の標識灯10への置換が可能になる。
具体的に、発光素子16を2つ以上直列に接続した発光ユニットに対して、点灯制御回路15では、主電圧検出回路30により検出した出力電圧が全ての発光素子16の正常点灯時の出力電圧の50%以下に低下したときに、制御部35により負荷調整回路25を開放させるので、半数以上の発光素子16が短絡故障した場合に検出回路55によって確実に検出できる。
さらに、負荷調整回路25は、点灯制御回路15の入力側に位置しているので、点灯制御回路15内の他の回路の動作条件などの影響を受けにくく、発光素子16の短絡故障時に確実に開放できる。
そして、発光素子16が短絡故障した際、点灯制御回路15の保護で絶縁トランス12の二次側を遮断させるための手段として、ヒューズやリレーなどを用いることが考えられるものの、ヒューズは、定電流電源装置11を用いた定電流回路においては、過電流による遮断ができないため使用できず、リレーは、保持状態、復帰において電力を必要とし、また、自己復帰する可能性があり、別途の保護回路などが必要になる。そこで、通電時および非通電時のそれぞれにおいて開状態および閉状態が機械的に保持される開放装置14を用いることで、電子回路を必要とせず、点灯制御回路15の故障時などでも開放装置14が自動動作して発光素子16の短絡故障による標識灯10の異常点灯状態(不点灯状態など)を検出回路55によって確実に検出できるとともに、例えば発光素子16の故障などの場合、発光素子16を交換するなどして復帰する際には、開放装置14の接点部14bを手動でオン状態とする必要があり、開放装置14の自己復帰の可能性がない。したがって、別途の保護回路などが不要で、標識灯10をより小型化できる。
なお、上記一実施形態において、負荷調整回路25は、整流回路24の後段、すなわち二次側に接続したが、例えば整流回路24の前段に接続してもよい。すなわち、負荷調整回路25は、点灯制御回路15の入力側に位置していればよい。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 標識灯
11 定電流電源装置
12 可飽和装置としての絶縁トランス
14 開放装置
15 点灯制御回路
16 発光素子
25 負荷調整回路
30 電圧検出回路である主電圧検出回路
31 点灯回路
35 制御部
55 検出回路

Claims (2)

  1. 電力波形を監視することで発光素子が異常点灯状態であるかどうかを検出する検出回路を備えた定電流電源装置と;
    この定電流電源装置の出力端間に直列に接続される少なくとも1つの可飽和装置と;
    直列に接続される少なくとも1つの発光素子と、
    この発光素子を点灯させる点灯回路と、
    前記可飽和装置の出力側の高圧側と低圧側との間を開閉する負荷調整回路と、
    この負荷調整回路の開閉を制御する制御部と、
    出力電圧を検出する電圧検出回路とを有し、
    前記点灯回路により前記発光素子の点灯状態を制御するとともに、前記電圧検出回路により検出した出力電圧が所定値以下に低下したときに前記制御部により前記負荷調整回路を開放させる点灯制御回路と、
    この点灯制御回路の入力電圧により動作され、この入力電圧が所定電圧以上となったときに前記可飽和装置と前記点灯制御回路との接続を開放する開放装置と
    を備えた標識灯と;
    を具備していることを特徴とする標識灯システム。
  2. 前記標識灯は、発光素子が2つ以上直列に接続され、
    前記点灯制御回路は、前記電圧検出回路により検出した出力電圧が正常時の出力電圧の50%以下に低下したときに、前記制御部により前記負荷調整回路を開放させる
    ことを特徴とする請求項1記載の標識灯システム。
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