JP6369020B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
車両の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6369020B2 JP6369020B2 JP2013265089A JP2013265089A JP6369020B2 JP 6369020 B2 JP6369020 B2 JP 6369020B2 JP 2013265089 A JP2013265089 A JP 2013265089A JP 2013265089 A JP2013265089 A JP 2013265089A JP 6369020 B2 JP6369020 B2 JP 6369020B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- control
- damping force
- coil
- vehicle
- speed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
Description
図1は実施例1の車両の制御装置を表すシステム概略図である。車両には、動力源であるエンジン1と、各輪に摩擦力による制動トルクを発生させるブレーキ20(以下、個別の輪に対応するブレーキを表示するときには右前輪ブレーキ:20FR、左前輪ブレーキ:20FL、右後輪ブレーキ:20RR、左後輪ブレーキ:20RLと記載する。)と、各輪と車体との間に設けられ減衰力を可変に制御可能なショックアブソーバ3(以下、S/Aと記載する。個別の輪に対応するS/Aを表示するときには右前輪S/A:3FR、左前輪S/A:3FL、右後輪S/A:3RR、左後輪S/A:3RLと記載する。)と、を有する。
実施例1の車両の制御装置にあっては、ばね上に生じる振動状態を制御するために、3つのアクチュエータを使用する。このとき、それぞれの制御がばね上状態を制御するため、相互干渉が問題となる。また、エンジン1によって制御可能な要素と、ブレーキ20によって制御可能な要素と、S/A3によって制御可能な要素はそれぞれ異なり、これらをどのように組み合わせて制御するべきかが問題となる。
例えば、ブレーキ20はバウンス運動とピッチ運動の制御が可能であるが、両方を行なうと減速感が強く運転者に違和感を与えやすい。また、S/A3はロール運動とバウンス運動とピッチ運動の全てを制御可能であるが、S/A3によって全ての制御を広い範囲で行う場合、S/A3の製造コストの上昇を招き、また、減衰力が高くなる傾向があることから路面側からの高周波振動が入力されやすく、やはり運転者に違和感を与えやすい。言い換えると、ブレーキ20による制御は高周波振動の悪化を招くことは無いが減速感の増大を招き、S/A3による制御は減速感を招くことは無いが高周波振動の入力を招くというトレードオフが存在する。
(1)エンジン1及びブレーキ20による制御を並行して行うことで、S/A3による制御量を抑制する。
(2)ブレーキ20の制御対象運動をピッチ運動に限定することで、ブレーキ20による制御での減速感を解消する。
(3)エンジン1及びブレーキ20による制御量を実際に出力可能な制御量よりも制限して出力することで、S/A3での負担を低減しつつ、エンジン1やブレーキ20の制御に伴って生じる違和感を抑制する。
(4)全てのアクチュエータによりスカイフック制御を行う。このとき、一般にスカイフック制御に必要とされるストロークセンサやばね上上下加速度センサ等を使用することなく、全ての車両に搭載されている車輪速センサを利用して安価な構成でスカイフック制御を実現する。
(5)S/A3によるばね上制御を行なう際、スカイフック制御のようなベクトル制御では対応が困難な高周波振動の入力に対し、新たにスカラー制御(周波数感応制御)を導入する。
(6)走行状態に応じて、S/A3が実現する制御状態を適宜選択することで、走行状況に応じた適切な制御状態を提供する。
以上が、実施例において構成した全体の制御システムの概要である。以下、これらを実現する個別の内容について、順次説明する。
尚、実施例1では、コントローラとして、3つのコントローラを備えた構成を示したが、各コントローラを全て一つの統合コントローラから構成してもよく特に限定しない。実施例1において3つのコントローラを備えた構成としたのは、既存の車両におけるエンジンコントローラとブレーキコントローラをそのまま流用してエンジン制御部1a及びブレーキ制御部2aとし、別途S/Aコントローラ3aを搭載することで実施例1の車両の制御装置を実現することを想定したものである。
エンジンコントローラ1aは、主に車輪速センサ5により検出された車輪速に基づいて、後述するばね上制振制御部101aのスカイフック制御に使用する各輪のストローク速度、バウンスレイト、ロールレイト及びピッチレイトを推定する第1走行状態推定部100と、エンジントルク指令であるエンジン姿勢制御量を演算するエンジン姿勢制御部101と、演算されたエンジン姿勢制御量に基づいてエンジン1の運転状態を制御するエンジン制御部102とを有する。尚、第1走行状態推定部100の推定処理内容については後述する。
エンジン姿勢制御部101は、スカイフック制御によりバウンス運動及びピッチ運動を抑制するばね上制御量を演算するばね上制振制御部101aと、前輪と後輪の接地荷重変動を抑制する接地荷重変動抑制制御量を演算する接地荷重制御部101bと、舵角センサ7や車速センサ8からの信号に基づいて運転者の達成したい車両挙動に対応するヨー応答制御量を演算するエンジン側ドライバ入力制御部101cとを有する。エンジン姿勢制御部101は、これら各制御部により演算された制御量が最小となるエンジン姿勢制御量を最適制御(LQR)により演算し、エンジン制御部102に対して最終的なエンジン姿勢制御量を出力する。このように、エンジン1によってバウンス運動及びピッチ運動を抑制することで、S/A3では、減衰力制御量を低減できるため、高周波振動の悪化を回避できる。また、S/A3はロール運動の抑制に注力できるため、効果的にロール運動を抑制することができる。
ブレーキコントローラ2aは、車輪速センサ5により検出された車輪速に基づいて、各輪のストローク速度及びピッチレイト等を推定する第2走行状態推定部200と、推定されたストローク速度及びピッチレイトに基づいてスカイフック制御に基づくブレーキ姿勢制御量を演算するスカイフック制御部201(詳細については後述する。)と、演算されたブレーキ姿勢制御量に基づいてブレーキ20の制動トルクを制御するブレーキ制御部202とを有する。尚、実施例1では、第1走行状態推定部100及び第2走行状態推定部200における推定処理として同じ推定処理を採用しているが、車輪速から推定する処理であれば他の推定処理を用いてもよい。このように、ブレーキ20によってピッチ運動を抑制することで、S/A3では、減衰力制御量を低減できるため、高周波振動の悪化を回避できる。また、S/A3はロール運動の抑制に注力できるため、効果的にロール運動を抑制することができる。
S/Aコントローラ3aは、運転者の操作(ステアリング操作、アクセル操作及びブレーキペダル操作等)に基づいて所望の車両姿勢を達成するドライバ入力制御を行うドライバ入力制御部31と、各種センサの検出値(主に車輪速センサ5の車輪速センサ値)に基づいて走行状態を推定する第3走行状態推定部32と、推定された走行状態に基づいてばね上の振動状態を制御するばね上制振制御部33と、推定された走行状態に基づいてばね下の振動状態を制御するばね下制振制御部34と、ドライバ入力制御部31から出力されたショックアブソーバ姿勢制御量と、ばね上制振制御部33から出力されたばね上制振制御量と、ばね下制振制御部34から出力されたばね下制振制御量とに基づいて、S/A3に設定すべき減衰力を決定し、S/Aの減衰力制御を行う減衰力制御部35とを有する。尚、実施例1では、第1走行状態推定部100,第2走行状態推定部200及び第3走行状態推定部32における推定処理として同じ推定処理を採用しているが、車輪速から推定する処理であれば他の推定処理を用いてもよく特に限定しない。
まず、各フィードバック制御系に設けられた共通する構成である第1,第2,第3走行状態推定部について説明する。実施例1では、第1走行状態推定部100,第2走行状態推定部200及び第3走行状態推定部32における推定処理として同じ推定処理を採用している。よって、各推定部内における処理は共通であるため、代表して第3走行状態推定部32における推定処理を説明する。尚、これら各走行状態推定部は、車輪速を用いた状態推定であれば別々の推定モデルを備えていてもよく、特に限定しない。
ここで、基準車輪速演算部300について説明する。図6は実施例1の基準車輪速演算部の構成を表すブロック図である。基準車輪速とは、各車輪速のうち、種々の外乱が除去された値を指すものである。言い換えると、車輪速センサ値と基準車輪速との差分は、車体のバウンス挙動、ロール挙動、ピッチ挙動又はばね下上下振動によって発生したストロークに応じて変動した成分と関連がある値であり、実施例では、この差分に基づいてストローク速度を推定する。
VFL=(V−Tf/2・γ)cosδf+(Vx+Lf・γ)sinδf
VFR=(V+Tf/2・γ)cosδf+(Vx+Lf・γ)sinδf
VRL=(V−Tr/2・γ)cosδr+(Vx−Lr・γ)sinδr
VRR=(V+Tr/2・γ)cosδr+(Vx−Lr・γ)sinδr
尚、車両に横滑りが発生してない通常走行時を仮定すると、車体横速度Vxは0を入力すればよい。これをそれぞれの式においてVを基準とする値に書き換えると以下のように表される。この書き換えにあたり、Vをそれぞれの車輪に対応する値としてV0FL、V0FR、V0RL、V0RR(第1車輪速に相当)と記載する。
(式2)
V0FL={VFL−Lf・γsinδf}/cosδf+Tf/2・γ
V0FR={VFR−Lf・γsinδf}/cosδf−Tf/2・γ
V0RL={VRL+Lr・γsinδr}/cosδr+Tr/2・γ
V0RR={VRR+Lf・γsinδf}/cosδr−Tr/2・γ
V0F=(V0FL+V0FR)/2
V0R=(V0RL+V0RR)/2
これにより、ロールに基づく外乱を除去した第2車輪速V0F、V0Rが得られる。
(式3)
VbFL=VbFR=VbRL=VbRR={Lr/(Lf+Lr)}V0F+{Lf/(Lf+Lr)}V0R
基準車輪速再配分部304では、(式1)に示す車体プランビューモデルのVにVbFL(=VbFR=VbRL=VbRR)をそれぞれ代入し、最終的な各輪の基準車輪速VFL、VFR、VRL、VRRを算出し、それぞれタイヤ半径r0で除算して基準車輪速ω0を算出する。
スカイフック制御とは、S/A3のストローク速度とばね上速度の関係に基づいて減衰力を設定し、ばね上を姿勢制御することでフラットな走行状態を達成するものである。ここで、スカイフック制御によってばね上の姿勢制御を達成するには、ばね上速度をフィードバックする必要がある。今、車輪速センサ5から検出可能な値はストローク速度であり、ばね上に上下加速度センサ等を備えていないことから、ばね上速度は推定モデルを用いて推定する必要がある。以下、推定モデルの課題及び採用すべきモデル構成について説明する。
(推定式1)
Ms・ddz2=−Ks(z2−z1)−Cs(dz2−dz1)
この関係式をラプラス変換して整理すると下記のように表される。
(推定式2)
dz2=−(1/Ms)・(1/s2)・(Cs・s+Ks)(dz2−dz1)
ここで、dz2−dz1はストローク速度(Vz_sFL、Vz_sFR、Vz_sRL、Vz_sRR)であることから、ばね上速度はストローク速度から算出できる。しかし、スカイフック制御によって減衰力が変更されると、推定精度が著しく低下するため、コンベ車両モデルでは大きな姿勢制御力(減衰力変更)を与えられないという問題が生じる。
(推定式3)
dz2=−(1/Ms)・(1/s2)・{(Cs+Cv)・s+Ks}(dz2−dz1)
ただし、
dz2・(dz2−dz1)≧0のとき Cv=Csky・{dz2/(dz2−dz1)}
dz2・(dz2−dz1)<0のとき Cv=0
すなわち、Cvは不連続な値となる。
dz2=−(1/s)・{1/(s+Csky/Ms)}・{(Cs/Ms)s+(Ks/Ms)}(dz2−dz1)
この場合、擬似微分項{(Cs/Ms)s+(Ks/Ms)}には不連続性が生じず、{1/(s+Csky/Ms)}の項はローパスフィルタで構成できる。よって、フィルタ応答が安定し、適切な推定精度を得ることができる。尚、ここで、アクティブスカイフックモデルを採用しても、実際にはセミアクティブ制御しかできないことから、制御可能領域が半分となる。よって、推定されるばね上速度の大きさはばね上共振以下の周波数帯で実際よりも小さくなるが、スカイフック制御において最も重要なのは位相であり、位相と符号との対応関係が維持できればスカイフック制御は達成され、ばね上速度の大きさは他の係数等によって調整可能であることから問題はない。
以上の関係式から、xsB、xsR、xsP、xsWの微分dxsB等は以下の式で表される。
dxsB=1/4(Vz_sFL+Vz_sFR+Vz_sRL+Vz_sRR)
dxsR=1/4(Vz_sFL−Vz_sFR+Vz_sRL−Vz_sRR)
dxsP=1/4(−Vz_sFL−Vz_sFR+Vz_sRL+Vz_sRR)
dxsW=1/4(−Vz_sFL+Vz_sFR+Vz_sRL−Vz_sRR)
dB=GB・dxsB
dR=GR・dxsR
dP=GP・dxsP
以上から、各輪のストローク速度に基づいて、実際の車両におけるばね上の状態推定が達成できる。
次に、ばね上制振制御部101a,スカイフック制御部201及びばね上制振制御部33において実行されるスカイフック制御構成について説明する。スカイフック制御では、上述のように車輪速に基づいて推定されたばね上状態を目標ばね上状態となるように制御する。言い換えると、車輪速変化はばね上状態に対応して変化するものであり、バウンス,ロール,ピッチといったばね上状態を目標ばね上状態に制御する場合、検出された車輪速の変化が目標ばね上状態に対応する車輪速変化となるように制御するものである。
実施例1の車両の制御装置にあっては、ばね上姿勢制御を達成するアクチュエータとして、エンジン1と、ブレーキ20と、S/A3の三つを備えている。このうち、エンジンコントローラ1aにおけるばね上制振制御部101aでは、バウンスレイトとピッチレイトの2つを制御対象とし、ブレーキコントローラ2aにおけるスカイフック制御部201においてはピッチレイトを制御対象とし、S/Aコントローラ3aにおけるスカイフック制御部33aでは、バウンスレイト、ロールレイト、ピッチレイトの3つを制御対象とする。
FB=CskyB・dB
ロール方向のスカイフック制御量は、
FR=CskyR・dR
ピッチ方向のスカイフック制御量は、
FP=CskyP・dP
となる。
(バウンス方向のスカイフック制御量FB)
バウンス方向のスカイフック制御量FBは、ばね上制振制御部101aにおいてエンジン姿勢制御量の一部として演算される。また、スカイフック制御部33aにおいてS/A姿勢制御量の一部として演算される。
(ロール方向のスカイフック制御量FR)
ロール方向のスカイフック制御量FRは、スカイフック制御部33aにおいてS/A姿勢制御量の一部として演算される。
(ピッチ方向のスカイフック制御量FP)
ピッチ方向のスカイフック制御量FPは、ばね上制振制御部101aにおいてエンジン姿勢制御量の一部として演算される。また、スカイフック制御部201においてブレーキ姿勢制御量として演算される。また、スカイフック制御部33aにおいてS/A姿勢制御量の一部として演算される。
ここで、ブレーキピッチ制御について説明する。一般に、ブレーキ20については、バウンスとピッチの両方を制御可能であることから、両方を行うことが好ましいとも言える。しかし、ブレーキ20によるバウンス制御は4輪同時に制動力を発生させるため、制御優先度が低い方向にも関わらず、制御効果が得にくい割には減速感が強く、運転者にとって違和感となる傾向があった。そこで、ブレーキ20についてはピッチ制御に特化した構成とした。図8は実施例1のブレーキピッチ制御を表す制御ブロック図である。車体の質量をm、前輪の制動力をBFf、後輪の制動力をBFr、車両重心点と路面との間の高さをHcg、車両の加速度をa、ピッチモーメントをMp、ピッチレイトをVpとすると、以下の関係式が成立する。
m・a・Hcg=Mp
Mp=(BFf+BFr)・Hcg
ここで、ピッチレイトVpが正、つまり前輪側が沈み込んでいるときには制動力を与えてしまうと、より前輪側が沈み込み、ピッチ運動を助長してしまうため、この場合は制動力を付与しない。一方、ピッチレイトVpが負、つまり前輪側が浮き上がっているときには制動ピッチモーメントが制動力を与えて前輪側の浮き上がりを抑制する。これにより、運転者の視界を確保し、前方を見やすくすることで、安心感、フラット感の向上に寄与する。以上から、
Vp>0(前輪沈み込み)のとき Mp=0
Vp≦0(前輪浮き上がり)のとき Mp=CskyP・Vp
の制御量を与えるものである。これにより、車体のフロント側の浮き上がり時のみ制動トルクを発生させるため、浮き上がりと沈み込み両方に制動トルクを発生する場合に比べて、発生する減速度を小さくすることができる。また、アクチュエータ作動頻度も半分で済むため、低コストなアクチュエータを採用できる。
次に、減速感低減処理について説明する。この処理は、ブレーキ姿勢制御量演算部334内で行なわれる上記制限値による制限に対応する処理である。2乗処理部3342aでは、ピッチレイト信号を2乗処理する。これにより符号を反転させると共に、制御力の立ち上がりを滑らかにする。ピッチレイト2乗減衰モーメント演算部3342bでは、2乗処理されたピッチレイトに2乗処理を考慮したピッチ項のスカイフックゲインCskyPを乗算してピッチモーメントMpを演算する。目標減速度算出部3342cでは、ピッチモーメントMpを質量m及び車両重心点と路面との間の高さHcgにより除算して目標減速度を演算する。
次に、ばね上制振制御部内における周波数感応制御処理について説明する。実施例1では、基本的に車輪速センサ5の検出値に基づいてばね上速度を推定し、それに基づくスカイフック制御を行うことでばね上制振制御を達成する。しかしながら、車輪速センサ5では十分に推定精度が担保出来ないと考えられる場合や、走行状況や運転者の意図によっては積極的に快適な走行状態(車体フラット感よりも柔らかな乗り心地)を担保したい場合もある。このような場合には、スカイフック制御のようにストローク速度とばね上速度の符号の関係(位相等)が重要となるベクトル制御では僅かな位相ずれによって適正な制御が困難となる場合があることから、振動特性のスカラー量に応じたばね上制振制御である周波数感応制御を導入することとした。
車両振動系重み設定部353では、フワ領域、ヒョコ領域及びブル領域の各周波数帯の振動が実際に車両に伝播される重みを設定する。人間感覚重み設定部354では、フワ領域、ヒョコ領域及びブル領域の各周波数帯の振動が乗員に伝播される重みを設定する。
スカラー量演算部356では、ヒルベルト変換処理部352により算出された各周波数帯のスカラー量に重み決定手段355において算出された重みを乗算し、最終的なスカラー量を出力する。ここまでの処理は、各輪の車輪速センサ値に対して行なわれる。
これに対し、周波数感応制御のようにベクトルではなくスカラー量に基づいて制御する場合、図13に示すような路面にあってはフワ領域の比率が小さいことから低い減衰力が設定されることになる。これにより、ブル領域の振動の振幅が大きい場合であっても十分に振動伝達特性が減少するため、高周波振動の悪化を回避することができるものである。以上から、例え高価なセンサ等を備えてスカイフック制御を行ったとしても位相推定精度が悪化することで制御が困難な領域では、スカラー量に基づく周波数感応制御によって高周波振動を抑制できるものである。
次に、S/A側ドライバ入力制御部について説明する。S/A側ドライバ入力制御部31では、舵角センサ7や車速センサ8からの信号に基づいて運転者の達成したい車両挙動に対応するドライバ入力減衰力制御量を演算し、減衰力制御部35に対して出力する。例えば、運転者が旋回中において、車両のノーズ側が浮き上がると、運転者の視界が路面から外れやすくなることから、この場合にはノーズ浮き上がりを防止するように4輪の減衰力をドライバ入力減衰力制御量として出力する。また、旋回時に発生するロールを抑制するドライバ入力減衰力制御量を出力する。
ここで、S/A側ドライバ入力制御によって行われるロール抑制制御について説明する。図14は実施例1のロールレイト抑制制御の構成を表す制御ブロック図である。横加速度推定部31b1では、舵角センサ7により検出された前輪舵角δfと、車速センサ8により検出された車速VSPに基づいて横加速度Ygを推定する。この横加速度Ygには、車体プランビューモデルに基づいて以下の式より算出される。
Yg=(VSP2/(1+A・VSP2))・δf
ここで、Aは所定値である。
次に、ばね下制振制御部の構成について説明する。図7(a)のコンベ車両において説明したように、タイヤも弾性係数と減衰係数を有することから共振周波数帯が存在する。ただし、タイヤの質量はばね上の質量に比べて小さく、弾性係数も高いため、ばね上共振よりも高周波数側に存在する。このばね下共振成分により、ばね下においてタイヤがバタバタ動いてしまい、接地性が悪化するおそれがある。また、ばね下でのバタつきは乗員に不快感を与えるおそれもある。そこで、ばね下共振によるバタつきを抑制するために、ばね下共振成分に応じた減衰力を設定するものである。
次に、減衰力制御部35の構成について説明する。図17は実施例1の減衰力制御部の制御構成を表す制御ブロック図である。飽和度変換部35aでは、ドライバ入力制御部31から出力されたドライバ入力減衰力制御量と、スカイフック制御部33aから出力されたS/A姿勢制御量と、周波数感応制御部33bから出力された周波数感応減衰力制御量と、ばね下制振制御部34から出力されたばね下制振減衰力制御量と、走行状態推定部32により演算されたストローク速度が入力され、これらの値を等価粘性減衰係数に変換する。そして、ストローク速度と、等価粘性減衰係数Ceと、このストローク速度における減衰係数最大値Cemax及び最小値Ceminとに基づいて飽和度DDS(%)を以下の式により算出する。
DDS=((Ce−Cemin)/(Cemax−Cemin))×100
次に、飽和度調停部35bの調停内容について説明する。実施例1の車両の制御装置にあっては、4つの制御モードを有する。第1に一般的な市街地などを走行しつつ適度な旋回状態が得られる状態を想定したスタンダードモード、第2にワインディングロードなどを積極的に走行しつつ安定した旋回状態が得られる状態を想定したスポーツモード、第3に低車速発進時など、乗り心地を優先して走行する状態を想定したコンフォートモード、第4に直線状態の多い高速道路等を高車速で走行する状態を想定したハイウェイモードである。
スポーツモードでは、ドライバ入力制御部31によるドライバ入力制御を優先しつつ、スカイフック制御部33aによるスカイフック制御とばね下制振制御部34によるばね下制振制御とを実施する。
コンフォートモードでは、周波数感応制御部33bによる周波数感応制御を行いつつ、ばね下制振制御部34によるばね下制振制御を優先する制御を実施する。
ハイウェイモードでは、ドライバ入力制御部31によるドライバ入力制御を優先しつつ、スカイフック制御部33aによるスカイフック制御にばね下制振制御部34によるばね下制振制御の制御量を加算する制御を実施する。
以下、これら各モードにおける飽和度の調停について説明する。
図19は実施例1のスタンダードモードにおける飽和度調停処理を表すフローチャートである。
ステップS1では、S/A姿勢飽和度k2がばね下制振飽和度k4より大きいか否かを判断し、大きいときはステップS4に進んで飽和度としてk2を設定する。
ステップS2では、周波数感応制御部33bにおいて説明したフワ領域、ヒョコ領域及びブル領域のスカラー量に基づいて、ブル領域のスカラー量比率を演算する。
ステップS3では、ブル領域の比率が所定値以上か否かを判断し、所定値以上の場合は高周波振動による乗り心地悪化が懸念されることからステップS4に進み、飽和度として低い値であるk2を設定する。一方、ブル領域の比率が上記所定値未満の場合は飽和度を高く設定しても高周波振動による乗り心地悪化の心配が少ないことからステップS5に進んでk4を設定する。
図20は実施例1のスポーツモードにおける減衰係数調停処理を表すフローチャートである。
ステップS11では、ドライバ入力制御により設定された4輪のドライバ入力飽和度k1に基づいて4輪減衰力配分率を演算する。右前輪のドライバ入力飽和度をk1fr、左前輪のドライバ入力飽和度をk1fl、右後輪のドライバ入力飽和度をk1rr、左後輪のドライバ入力飽和度をk1rl、各輪の減衰力配分率をxfr、xfl、xrr、xrlとすると、
xfr=k1fr/(k1fr+k1fl+k1rr+k1rl)
xfl=k1fl/(k1fr+k1fl+k1rr+k1rl)
xrr=k1rr/(k1fr+k1fl+k1rr+k1rl)
xrl=k1rl/(k1fr+k1fl+k1rr+k1rl)
により算出される。
ステップS13では、ばね下制振飽和度k4がドライバ入力飽和度k1より大きいか否かを判断し、大きいと判断した場合はステップS15に進み、第1飽和度kとしてk4を設定する。一方、ばね下制振飽和度k4がドライバ入力飽和度k1以下であると判断した場合はステップS14に進み、第1飽和度kとしてk1を設定する。
ステップS17では、4輪のドライバ入力飽和度k1の最大値がばね下制振飽和度k4となり、かつ、減衰力配分率を満たす飽和度を第1飽和度kとして演算する。言い換えると、減衰力配分率を満たしつつ飽和度が最も高くなる値を演算する。
ステップS18では、4輪のドライバ入力減衰係数k1がいずれもk4以上となる範囲で減衰力配分率を満たす飽和度を第1飽和度kとして演算する。言い換えると、ドライバ入力制御によって設定される減衰力配分率を満たし、かつ、ばね下制振制御側の要求をも満たす値を演算する。
図21は実施例1のコンフォートモードにおける飽和度調停処理を表すフローチャートである。
ステップS30では、周波数感応飽和度k3がばね下制振飽和度k4より大きいか否かを判断し、大きいと判断した場合はステップS32に進んで周波数感応飽和度k3を設定する。一方、周波数感応飽和度k3がばね下制振飽和度k4以下であると判断した場合はステップS32に進んでばね下制振飽和度k4を設定する。
図22は実施例1のハイウェイモードにおける飽和度調停処理を表すフローチャートである。尚、ステップS11からS18までは、スポーツモードにおける調停処理と同じであるため、説明を省略する。
ステップS40では、ステップS18までで調停された第1飽和度kにスカイフック制御によるS/A姿勢飽和度k2を加算して出力する。
次に、上記各走行モードを選択するモード選択処理について説明する。図24は実施例1の飽和度調停部において走行状態に基づくモード選択処理を表すフローチャートである。
ステップS50では、舵角センサ7の値に基づいて直進走行状態か否かを判断し、直進走行状態と判断された場合にはステップS51に進み、旋回状態と判断された場合にはステップS54に進む。
ステップS51では、車速センサ8の値に基づいて高車速状態を表す所定車速VSP1以上か否かを判断し、VSP1以上と判断された場合にはステップS52に進んでスタンダードモードを選択する。一方、VSP1未満と判断された場合にはステップS53に進んでコンフォートモードを選択する。
ステップS54では、車速センサ8の値に基づいて高車速状態を表す所定車速VSP1以上か否かを判断し、VSP1以上と判断された場合にはステップS55に進んでハイウェイモードを選択する。一方、VSP1未満と判断された場合にはステップS56に進んでスポーツモードを選択する。
飽和度調停部35bは、調停された飽和度をストローク速度に応じて抑制する飽和度制限部35b1を有する。この飽和度制限処理が行われた飽和度が制御信号変換部35cに出力される。ここで、飽和度制限処理について説明する。図25は実施例1のストローク速度に対する制御力の関係を表す特性図である。横軸をストローク速度とし、縦軸を制御力とし、S/A3の減衰力特性として最も低減衰力側減衰特性をSoft、最も高減衰力側減衰特性をHardとして記載している。S/A3はこのSoftとHardに挟まれた領域(減衰力可変領域)内で減衰特性を変更することで減衰力を制御する。尚、制御力とは減衰力に比例する値であり、減衰力を大きくすれば、それだけ姿勢制御を行う制御力が大きくなり、減衰力が小さければ、それだけ姿勢制御を行う制御力が小さくなる。
(式5)
よって、駆動力によるピッチモーメントを各輪の発生力に換算すると、以下の関係式が成立する。
(式6)
エンジントルク制御量には制限値が設定されていることを考慮して、1輪の減衰力−ストローク速度線図上に上記関係をプロットすると、低ストローク速度域ΔS1(例えば、0.05m/s以下)においてアクティブ制御ループを描く。
次に、飽和度制限の解除について説明する。上述したように、ストローク速度が低い領域では飽和度を制限することで車両挙動の安定化及び乗り心地性能の向上を図っている。しかし、車両が旋回する場合には初期減衰力を確保する必要がある。特に、ばね上のロール挙動はS/A3によって最も効率よく安定化できるものであり、ストローク速度が低い場面であってもしっかりとした減衰力を確保することで過度のロール発生を抑制する必要がある。そこで、旋回時、すなわち旋回が予測される場面であるロールレイト発生時には、上記飽和度の制限を解除することとした。よって、飽和度制限部35b1は、ロールレイト検出部35b2により検出されたロールレイトに基づいて飽和度の制限を解除する。これにより、旋回初期に減衰力を高めることができ、過度のロール発生を抑制することができる。
次に、減衰力可変ショックアブソーバS/A3において行われるサーボ制御処理について説明する。図29は実施例1の指令電流値に基づくサーボ制御部の構成を表す制御ブロック図である。サーボ制御部35c1は、コイルZ1のインピーダンスRestmや最大電流値Imaxを推定する推定部Y1と、制御信号変換部35cにおいて変換された指令電流値Icmdと、電流センサZ2により検出されたコイルZ1に通電している実電流値Ireと、推定されたインピーダンスRestmに基づいてデューティ比を演算し、デューティ制御を行うサーボ制御部Y2とを有する。サーボ制御部Y2からデューティ比に応じたスイッチングが行われると、電源BATの電圧Vbatが作用したコイルZ1にデューティ比に応じた電流が流れ、この実電流に応じた減衰力が発生する。
dU=dQ+dW
の関係に基づいてコイル温度が推定される。ここで、dUはS/A3の内部エネルギー変化、dQはストローク速度、オイル粘性、実電流値から推定される発熱量、dWは外部への放出熱量である。
図31はコイル温度とインピーダンスとの関係を表す特性図である。この特性図に示すように、コイル温度が所定温度まではほぼ一定であるが、所定温度以上の領域では、ほぼ線形にコイル温度が上昇するほどインピーダンスが増大する関係を有する。この特性図に基づいてコイル温度からコイルZ1のインピーダンスRestmを推定する。
Imax=Vbat/Restm
この最大電流値Imaxは、現在のコイルZ1の発熱状態等に基づくインピーダンスRestmと、電源BATの状態(他の負荷が駆動している場合や劣化による電圧低下等)に基づく実電圧とに基づいて算出される値である。言い換えると、コイルZ1には、どのようなデューティ比を出力したとしてもImax以上の電流を流すことができない。よって、この場合には、指令電流値が最大電流値Imaxよりも大きいときは、最大電流制限値としてIcmdmaxを設定する。
フィードフォワード成分
DutyFF=kFF×Icmd
フィードバック成分
DutyFB=kFB1×(Icmd−Ire)+kFB2×∫(Icmd−Ire)dt
Duty=DutyFF+DutyFB
ここで、kFFはフィードフォワードゲイン、kFB1はフィードバック比例ゲイン、kFB2はフィードバック積分ゲインである。これら各種ゲインは、推定されたインピーダンスRestmが大きいほどゲインが大きくなるように補正される。
図30は指令電流が変更された場合の実電流変化を表すタイムチャートである。指令電流Icmdが変更されると、指令電流に応じたフィードフォワード成分と、指令電流Icndと実電流Ireとの偏差に応じたフィードバック成分とに基づくデューティ比Dutyが設定される。このとき、予め設定されたゲインを固定とした場合、通常のコイル温度であればインピーダンスRが大きくなることもないため、点線P1で示すように良好な追従性を確保できる。しかしながら、コイル温度が上昇し、インピーダンスRestmが大きくなると、同じDutyであってもゲイン不足により指令電流値Icmd通りの実電流Ireが得られるまでに時間がかかり、十分な応答性を確保できないという問題がある。この問題は、特にドライバ入力制御のように運転者の操舵に対してロール抑制制御のときに、車体がロールする前に応答よく減衰力を高める要求から遅れてしまう際に、運転者に違和感を与えやすいことは、飽和度制限の解除処理において説明した通りである。そこで、サーボ制御部Y2では、インピーダンスRestmに応じて各種ゲインを補正することとした。
図30の一点鎖線P2は指令電流値Icmdに対して実電流Ireが追従してこない場合を表すタイムチャートである。上述したように、最大電流値Imaxが指令電流値Icmdよりも低い場合、どのようにDutyを大きく設定したとしても、指令電流値Icmdを得ることができない場合や、追従までにかなり時間がかかる場合がある。これは、コイル温度の上昇に伴うインピーダンスRestmの上昇や、電源BATの電圧低下によって生じうる。この場合、所望の減衰力を得ることができない時間が長く、ある程度の減衰力を出していたとしても、十分な姿勢制御を達成できない。そこで、指令電流値Icmdを最大電流値Imaxに置換して最大電流制限値Icmdmaxを設定することとした。
(1)車両のばね上挙動の変化を抑制する減衰力制御量を演算するスカイフック制御部33a(減衰力制御量演算手段)と、コイルZ1に流れる電流に応じた減衰力を出力するS/A3(減衰力可変ショックアブソーバ)と、減衰力制御量に基づいてコイルZ1に流す指令電流値Icmdを出力する制御信号変換部35c(指令電流演算手段)と、コイルZ1の実電流を検出する電流センサZ2(電流検出手段)と、指令電流値Icmdと実電流値Ireと予め設定されたゲインとに基づいてコイルZ1に対するデューティ比Duty(電流制御量)を出力するサーボ制御部Y2(サーボ制御手段)と、S/A3のストローク速度を検出する第3走行状態推定部32(ストローク速度検出手段)と、実電流値Ireとストローク速度とに基づいてS/A3の熱収支を演算し、該熱収支に基づいてコイルZ1の温度を推定するインピーダンス推定部Y1(コイル温度推定手段)と、コイル温度が大きいほどゲインを大きくするサーボ制御部Y2(ゲイン補正手段)と、を備えた。
コイル温度は、全ての熱外乱の結果系として考えられるコイルインピーダンスと密接に関係することから、コイル温度が大きいほどゲインを大きくすることで、減衰力制御の制御性を向上できる。また、熱収支モデルに基づいてコイル温度を推定するため、全ての熱外乱を考慮した上で精度の高いコイル温度を推定できる。
このように、ドライバ入力に対し先行して車両挙動を抑制するような制御の場合、応答性の問題が特に顕著となる。そこで、ドライバ入力制御に対してゲイン補償を行うことで、よりばね上挙動を安定化できる。
よって、別途ストロークセンサ等を用いることなく、既存の車輪速センサ5を用いてストローク速度を検出できるため、コストアップを招くことなく、精度の高い温度推定が実現できる。
1a エンジンコントローラ(エンジン制御部)
2 ブレーキコントロールユニット
2a ブレーキコントローラ(ブレーキ制御部)
3 S/A(減衰力可変ショックアブソーバ)
3a S/Aコントローラ
5 車輪速センサ
6 一体型センサ
7 舵角センサ
8 車速センサ
20 ブレーキ
31 ドライバ入力制御部
32 走行状態推定部
33 ばね上制振制御部
33a スカイフック制御部
33b 周波数感応制御部
34 ばね下制振制御部
35 減衰力制御部
331 第1目標姿勢制御量演算部
332 エンジン姿勢制御量演算部
333 第2目標姿勢制御量演算部
334 ブレーキ姿勢制御量演算部
335 第3目標姿勢制御量演算部
336 ショックアブソーバ姿勢制御量演算部
Claims (3)
- 車両のばね上挙動の変化を抑制する減衰力制御量を演算する減衰力制御量演算手段と、
コイルに流れる電流に応じた減衰力を出力する減衰力可変ショックアブソーバと、
前記減衰力制御量に基づいて前記コイルに流す指令電流値を出力する指令電流演算手段と、
前記コイルの実電流値を検出する電流検出手段と、
前記指令電流値と前記実電流値と前記指令電流値に応じたフィードフォワードゲイン及び前記指令電流値と実電流値との偏差に応じたフィードバックゲインとに基づいて前記コイルに対する電流制御量を出力するサーボ制御手段と、
前記減衰力可変ショックアブソーバのストローク速度を検出するストローク速度検出手段と、
前記実電流値と前記ストローク速度とオイル粘性と外部への放出熱量とに基づいて前記減衰力可変ショックアブソーバの熱収支を演算し、該熱収支に基づいて前記コイルの温度を推定するコイル温度推定手段と、
前記コイル温度が大きいほど前記フィードフォワードゲイン及びフィードバックゲインを大きくするゲイン補正手段と、
を備えたことを特徴とする車両の制御装置。 - 車両のばね上挙動の変化を抑制する減衰力制御量を演算する減衰力制御量演算手段と、
コイルに流れる電流に応じた減衰力を出力する減衰力可変ショックアブソーバと、
前記減衰力制御量に基づいて前記コイルに流す指令電流値を出力する指令電流演算手段と、
前記コイルの実電流値を検出する電流検出手段と、
前記指令電流値と前記実電流値と予め設定されたゲインとに基づいて前記コイルに対する電流制御量を出力するサーボ制御手段と、
車輪速を検出する車輪速検出手段と、
前記車輪速に基づいて前記減衰力可変ショックアブソーバのストローク速度を検出するストローク速度検出手段と、
前記実電流値と前記ストローク速度とオイル粘性と外部への放出熱量とに基づいて前記減衰力可変ショックアブソーバの熱収支を演算し、該熱収支に基づいて前記コイルの温度を推定するコイル温度推定手段と、
前記コイル温度が大きいほど前記ゲインを大きくするゲイン補正手段と、
を備えたことを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1または2に記載の車両の制御装置において、
操舵角を検出する舵角検出手段を有し、
前記減衰力制御量演算手段は、操舵角に基づいて運転者の達成したい車両挙動に対応するドライバ入力減衰力制御量を演算することを特徴とする車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013265089A JP6369020B2 (ja) | 2013-12-24 | 2013-12-24 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013265089A JP6369020B2 (ja) | 2013-12-24 | 2013-12-24 | 車両の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015120413A JP2015120413A (ja) | 2015-07-02 |
JP6369020B2 true JP6369020B2 (ja) | 2018-08-08 |
Family
ID=53532489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013265089A Active JP6369020B2 (ja) | 2013-12-24 | 2013-12-24 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6369020B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6620052B2 (ja) * | 2016-03-29 | 2019-12-11 | 株式会社ショーワ | サスペンション制御装置およびサスペンション装置 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2898852B2 (ja) * | 1993-09-03 | 1999-06-02 | 日産ディーゼル工業株式会社 | 減衰力制御装置 |
JPH10119529A (ja) * | 1996-10-18 | 1998-05-12 | Tokico Ltd | サスペンション制御装置 |
JP4603561B2 (ja) * | 2007-02-27 | 2010-12-22 | 本田技研工業株式会社 | アライメント変更制御装置 |
JP2009062032A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-03-26 | Honda Motor Co Ltd | 減衰力可変ダンパの制御装置 |
JP6070044B2 (ja) * | 2011-10-26 | 2017-02-01 | 日産自動車株式会社 | サスペンション制御装置 |
EP2799304B1 (en) * | 2011-12-28 | 2017-04-19 | Nissan Motor Co., Ltd | Vehicle control device |
-
2013
- 2013-12-24 JP JP2013265089A patent/JP6369020B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015120413A (ja) | 2015-07-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5310924B1 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP5733431B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP5741718B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP5741719B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP5783270B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP5713121B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP5733430B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP5804088B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP2013193717A (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
WO2015098217A1 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6010939B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP5998492B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6369020B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP5817849B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP5737432B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
WO2013161537A1 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP5310926B1 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP5737433B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2015077815A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP5929923B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP5737431B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP5737430B2 (ja) | 車両の制御装置および車両の制御方法 | |
JP5807684B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP2013193716A (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JPWO2013115007A1 (ja) | 車両の制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160926 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170519 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170530 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170726 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20171212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180208 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180612 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180625 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6369020 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |