JP6366605B2 - 膜を用いない海水淡水化 - Google Patents

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Description

関連出願の参照
本願は、米国仮出願第61/740,780号(2012年12月21日出願)の利益を主張するものであり、それはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
連邦政府資金による研究開発の記載
本発明は、米国エネルギー省によって付与された協定番号DE−FG02−06ER15758、及び米国環境保護庁によって付与された契約番号EP−D−12−026の下で、政府の支援を受けて為された。政府は、本発明に一定の権利を有する。
本願は、一般的に水の淡水化のための装置、システム及び方法に関する。
真水に対する世界的需要は、急速に増している。湖、川及び帯水層を含む多くの従来の真水源は、急速に枯渇している。結果として、多くの地域において、真水は限りある資源となっている。実際に、国際連合は、世界人口の3分の2が、2025年までに水ストレスを受ける地域に暮らす可能性があると推定している。
現在、世界の水供給源のおおよそ97%が、海水として存在している。淡水化、すなわち塩分を含む水(例えば、海水)を真水に変えるプロセスは、人間が消費するまたはかんがいに適した真水の信頼できる供給源を提供する可能性を与える。残念ながら、蒸留及び逆浸透を含む既存の淡水化プロセスは、大量のエネルギーと専門のかつ高価な設備との両方が必要である。結果として、淡水化は、現在、ほとんどの従来の水源と比較して高価であり、多くの場合、世界の発展途上地域にとっては極めて高価である。それ故に、人間の水利用の総量のうちのごく少量のみが、現在、淡水化によって充足されている。水淡水化のためのよりエネルギー効率の良い方法は、特に水ストレスを受ける地域における、真水に対する増大する需要に対処するための可能性を与える。
水の淡水化のためのマイクロ流体装置及びシステムを開示する。
水の淡水化のためのマイクロ流体装置は、淡水化ユニットを備えることができる。淡水化ユニットは、希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルと流体的に接続された入口チャネルを備えることができる。希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルは、交点において入口チャネルから分岐することができる。淡水化ユニットは、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極をさらに備えることができる。電極は、希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルが入口チャネルから分岐するところの交点付近に電場勾配を生成するように構成できる。バイアスの印加を受けて、かつ塩水の流れの存在下において、電場勾配が、塩水中のイオンを濃縮出口チャネルに優先的に導くことができ、その一方で、脱塩水は、希薄出口チャネル内を流れる。
いくつかの実施形態では、マイクロ流体装置は、淡水化ユニットと流体的に分離された補助チャネルをさらに含むことができる。補助チャネルは、双極電極を介して淡水化ユニットと電気化学的に接続することができる。これらの場合では、双極電極は、淡水化ユニット及び補助チャネルの両方と電気化学的に接触するように構成できる。補助チャネル及び淡水化ユニットにわたるバイアスの印加を受けて、かつ塩水の流れの存在下において、電場勾配が、塩水中のイオンを淡水化ユニットの濃縮出口チャネルに優先的に導くことができ、その一方で、脱塩水は、希薄出口チャネル内を流れる。
いくつかの実施形態では、補助チャネルは、淡水化ユニットを備える。これらの実施形態では、マイクロ流体装置は、同一の構造であっても異なる構造であってもよい二つの淡水化ユニットを備えることができる。第一の淡水化ユニットと第二の淡水化ユニットとは、双極電極によって電気化学的に接続できる。第一の淡水化ユニット及び第二の淡水化ユニットにわたるバイアスの印加を受けて、かつ塩水の圧力推進による流れの存在下において、電場勾配が、塩水中のイオンを第一及び第二の淡水化ユニットの濃縮出口チャネルに優先的に導くことができ、その一方で、脱塩水は、第一及び第二の淡水化ユニットの希薄出口チャネル内を流れる。
本明細書に記述する複数個のマイクロ流体装置を組み合わせて浄水システムを形成できる。システムは、並列に配置または流体的に直列に接続された、本明細書に記述する複数個の装置を備えることができる。システムは、また、並列に配置及び流体的に直列に接続されたものの両方の複数個の装置を備えることができる。例えば、装置は、流体的に直列に接続された第二の一対の装置と並列に配置された、流体的に直列に接続された第一の一対の装置を含むことができる。そのようなシステムでは、複数個の装置は、単一面に(すなわち、二次元システムとして)製造してもよいし、三次元に製造してもよい。
水の塩分を低減させるための、本明細書に記述する装置及びシステムの使用方法も提供する。
水の淡水化のためのマイクロ流体装置を図示する概略図である。 図1Aに示すマイクロ流体装置の拡大部分を図示する概略図である 淡水化ユニットにわたって電位バイアスを印加するように構成された電源と組み合わされた、水の淡水化のためのマイクロ流体装置を図示する概略図である。 水の淡水化のためのマイクロ流体装置を図示する概略図である。装置は、双極電極によって電気化学的に接続された淡水化ユニット及び補助チャネルを含む。 水の淡水化のためのマイクロ流体装置を図示する概略図である。装置は、双極電極によって電気化学的に接続された二つの淡水化ユニットを含む。 水の淡水化のための浄水システムの概略図である。システムは、並列で動作するように構成された複数の淡水化ユニットを含む。 水の淡水化のための浄水システムの概略図である。システムは、並列で動作するように構成された複数の淡水化ユニットを含む。 水の淡水化のための浄水システムの概略図である。装置は、直列で動作するように構成された複数の淡水化ユニットを含む。 希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルが入口チャネルから分岐するところの交点付近におけるイオンの電気泳動的な方向転換を描写する概略図である。 図2に図示する装置を流れる海水におけるRu(bpy)2+(蛍光カチオントレーサ)の溶液の流れを図示する蛍光顕微鏡写真である。図8Aは、電位バイアスの印加前に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。図8Bは、電位バイアスの印加時に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。 図2に図示する装置を流れる海水におけるRu(bpy)2+(蛍光カチオントレーサ)の溶液の流れを図示する蛍光顕微鏡写真である。図8Aは、電位バイアスの印加前に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。図8Bは、電位バイアスの印加時に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。 図2に図示する装置を流れるNaSOにおけるRu(bpy)2+(蛍光カチオントレーサ)の溶液の流れを図示する蛍光顕微鏡写真である。図9Aは、電位バイアスの印加前に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。図9Bは、電位バイアスの印加時に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。 図2に図示する装置を流れるNaSOにおけるRu(bpy)2+(蛍光カチオントレーサ)の溶液の流れを図示する蛍光顕微鏡写真である。図9Aは、電位バイアスの印加前に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。図9Bは、電位バイアスの印加時に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。 図2に図示する装置を流れるNaClにおけるRu(bpy)2+(蛍光カチオントレーサ)の溶液の流れを図示する蛍光顕微鏡写真である。図10Aは、電位バイアスの印加前に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。図10Bは、電位バイアスの印加時に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。 図2に図示する装置を流れるNaClにおけるRu(bpy)2+(蛍光カチオントレーサ)の溶液の流れを図示する蛍光顕微鏡写真である。図10Aは、電位バイアスの印加前に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。図10Bは、電位バイアスの印加時に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。 図2に図示する淡水化ユニットの中における、5mm長の淡水化チャネルにおける距離の関数としての、(|V|/mでプロットされた)軸方向の電場強度のプロットである。測定値は、海水、NaCl及びNaSOの溶液について収集した。 図2に図示する装置を流れる、動作中の時間(秒)の関数としての、総電流(ナノアンペアでプロットされた、itot)のグラフである。 図1に図示する装置を流れる海水におけるRu(bpy)2+(蛍光カチオントレーサ)の溶液の流れを図示する蛍光顕微鏡写真である。図13Aは、電位バイアスの印加前に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。図13Bは、電位バイアスの印加時に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。 図1に図示する装置を流れる海水におけるRu(bpy)2+(蛍光カチオントレーサ)の溶液の流れを図示する蛍光顕微鏡写真である。図13Aは、電位バイアスの印加前に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。図13Bは、電位バイアスの印加時に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。 NaClにおいて起こる淡水化プロセスの数値シミュレーションのプロットである。図14Aは、淡水化中の装置内の正規化された塩分分布を描写する。図14Bは、陽極にわたる電場強度のプロットを示す。 NaClにおいて起こる淡水化プロセスの数値シミュレーションのプロットである。図14Aは、淡水化中の装置内の正規化された塩分分布を描写する。図14Bは、陽極にわたる電場強度のプロットを示す。
水の淡水化のためのマイクロ流体装置及びシステムを開示する。
水の淡水化のためのマイクロ流体装置は、淡水化ユニットを備えることができる。淡水化ユニットは、希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルと流体的に接続された入口チャネルを備えることができる。希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルは、交点において入口チャネルから分岐することができる。淡水化ユニットは、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極も備えることができる。電極は、希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルが入口チャネルから分岐するところの交点付近に電場勾配を生成するように構成できる。
淡水化ユニット(100)を備えた実施例の装置を、図1Aに概略図に図示する。淡水化ユニットは、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)と流体的に接続された入口チャネル(102)を含む。希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)は、交点(107)において入口チャネル(102)から分岐する。電極(108)が、交点(107)に近接して位置付けられる。電極(108)は、装置の運転中、電極に及びその下流にイオン枯渇領域(109)を形成するように構成され、その結果、交点付近に電場勾配が形成される。実施例の装置は、入口チャネル(102)の上流末端と流体的に接続された流体容器(110)、希薄出口チャネル(104)の下流末端と流体的に接続された流体容器(114)、及び濃縮出口チャネル(106)の下流末端と流体的に接続された流体容器(112)をさらに含む。
淡水化ユニット(100)におけるマイクロ流体チャネル(例えば、入口チャネル(102)、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106))の寸法は、いくつかの要因を考慮して、単独でかつ/または組み合わせにおいて選択できる。これらの要因には、淡水化ユニットにおけるマイクロ流体チャネルに対する電極のサイズ及び位置、装置の所望の流量、装置を使用して処理される塩水の塩分、並びに所望の塩分低減の程度が含まれる。
場合によっては、入口チャネル(102)、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)の寸法は、希薄出口チャネルの断面積と濃縮出口チャネルの断面積との合計が、入口チャネルの断面積と実質的に等しくなるように選択される。この文脈において、実質的に等しいとは、希薄出口チャネルの断面積と濃縮出口チャネルの断面積との合計が、例えば、入口チャネルの断面積の15%以内(例えば、入口チャネルの断面積の10%以内、または入口チャネルの断面積の5%以内)にあることを意味し得る。いくつかの実施形態では、希薄出口チャネルと濃縮出口チャネルとは、実質的に同等の断面寸法を有する。これは、希薄出口チャネルの高さ及び幅が、濃縮出口チャネルの高さ及び幅と実質的に同等(例えば、15%以内、10%以内または5%以内)であることを意味する。
淡水化ユニット(100)におけるマイクロ流体チャネル(例えば、入口チャネル(102)、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106))の寸法は、さまざまな断面形状を有するように製造できる。いくつかの実施形態では、淡水化ユニットにおけるマイクロ流体チャネル(例えば、入口チャネル、希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネル)は、実質的に正方形または矩形の断面形状を有する。
いくつかの実施形態では、入口チャネル(102)の幅は、約1000μm以下(例えば、約900μm以下、約800μm以下、約750μm以下、約700μm以下、約600μm以下、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約250μm以下、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、約75μm以下、または約50μm以下)である。いくつかの実施形態では、入口チャネル(102)の幅は、少なくとも約1μm(例えば、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約25μm、少なくとも約50μm、少なくとも約75μm、少なくとも約100μm、少なくとも約150μm、少なくとも約200μm、少なくとも約250μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、少なくとも約500μm、少なくとも約600μm、少なくとも約700μm、少なくとも約750μm、少なくとも約800μm、少なくとも約900μm、または少なくとも約1000μm)である。
入口チャネル(102)の幅は、前述の任意の最小寸法から任意の最大寸法までの範囲であってもよい。例えば、入口チャネル(102)の幅は、約1000μmから約1μmまでの範囲(例えば、約750μmから約5μm、約500μmから約10μm、約250μmから約20μm、または約150μmから約25μm)であってもよい。
いくつかの実施形態では、入口チャネル(102)の高さは、約50μm以下(例えば、約45μm以下、約40μm以下、約35μm以下、約30μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下、約9μm以下、約8μm以下、約7.5μm以下、約7μm以下、約6μm以下、約5μm以下、約4μm以下、約3μm以下、約2.5μm以下、または約2μm以下)である。いくつかの実施形態では、入口チャネル(102)の高さは、少なくとも約1μm(例えば、少なくとも約2μm、少なくとも約2.5μm、少なくとも約3μm、少なくとも約4μm、少なくとも約5μm、少なくとも約6μm、少なくとも約7μm、少なくとも約7.5μm、少なくとも約8μm、少なくとも約9μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約25μm、少なくとも約30μm、少なくとも約35μm、少なくとも約40μm、または少なくとも約45μm)である。
入口チャネル(102)の高さは、前述の任意の最小寸法から任意の最大寸法までの範囲であってもよい。例えば、入口チャネル(102)の高さは、約50μmから約1μmまでの範囲(例えば、約45μmから約1μm、約40μmから約1μm、約35μmから約1μm、約30μmから約1μm、約25μmから約1μm、または約20μmから約1μm)であってもよい。
いくつかの実施形態では、希薄出口チャネル(104)の幅は、約500μm以下(例えば、約450μm以下、約400μm以下、約350μm以下、約300μm以下、約250μm以下、約200μm以下、約150μm以下、約125μm以下、約100μm以下、約75μm以下、約50μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下、約5μm以下、または約1μm以下)である。いくつかの実施形態では、希薄出口チャネル(104)の幅は、少なくとも約0.5μm(例えば、少なくとも約1μm、少なくとも約2.5μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約25μm、少なくとも約50μm、少なくとも約75μm、少なくとも約100μm、少なくとも約150μm、少なくとも約200μm、少なくとも約250μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、または少なくとも約450μm)である。
希薄出口チャネル(104)の幅は、前述の任意の最小寸法から任意の最大寸法までの範囲であってもよい。例えば、希薄出口チャネル(104)の幅は、約500μmから約0.5μmまでの範囲(例えば、約400μmから約1μm、約250μmから約1μm、約150μmから約5μm、または約80μmから約10μm)であってもよい。
いくつかの実施形態では、希薄出口チャネル(104)の高さは、約50μm以下(例えば、約45μm以下、約40μm以下、約35μm以下、約30μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下、約9μm以下、約8μm以下、約7.5μm以下、約7μm以下、約6μm以下、約5μm以下、約4μm以下、約3μm以下、約2.5μm以下、または約2μm以下)である。いくつかの実施形態では、希薄出口チャネル(104)の高さは、少なくとも約1μm(例えば、少なくとも約2μm、少なくとも約2.5μm、少なくとも約3μm、少なくとも約4μm、少なくとも約5μm、少なくとも約6μm、少なくとも約7μm、少なくとも約7.5μm、少なくとも約8μm、少なくとも約9μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約25μm、少なくとも約30μm、少なくとも約35μm、少なくとも約40μm、または少なくとも約45μm)である。
希薄出口チャネル(104)の高さは、前述の任意の最小寸法から任意の最大寸法までの範囲であってもよい。例えば、希薄出口チャネル(104)の高さは、約50μmから約1μmまでの範囲(例えば、約45μmから約1μm、約40μmから約1μm、約35μmから約1μm、約30μmから約1μm、約25μmから約1μm、または約20μmから約1μm)であってもよい。
いくつかの実施形態では、濃縮出口チャネル(106)の幅は、約500μm以下(例えば、約450μm以下、約400μm以下、約350μm以下、約300μm以下、約250μm以下、約200μm以下、約150μm以下、約125μm以下、約100μm以下、約75μm以下、約50μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下、約5μm以下、または約1μm以下)である。いくつかの実施形態では、濃縮出口チャネル(106)の幅は、少なくとも約0.5μm(例えば、少なくとも約1μm、少なくとも約2.5μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約25μm、少なくとも約50μm、少なくとも約75μm、少なくとも約100μm、少なくとも約150μm、少なくとも約200μm、少なくとも約250μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、または少なくとも約450μm)である。
濃縮出口チャネル(106)の幅は、前述の任意の最小寸法から任意の最大寸法までの範囲であってもよい。例えば、濃縮出口チャネル(106)の幅は、約500μmから約0.5μmまでの範囲(例えば、約400μmから約1μm、約250μmから約1μm、約150μmから約5μm、または約80μmから約10μm)であってもよい。
いくつかの実施形態では、濃縮出口チャネル(106)の高さは、約50μm以下(例えば、約45μm以下、約40μm以下、約35μm以下、約30μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下、約9μm以下、約8μm以下、約7.5μm以下、約7μm以下、約6μm以下、約5μm以下、約4μm以下、約3μm以下、約2.5μm以下、または約2μm以下)である。いくつかの実施形態では、濃縮出口チャネル(106)の高さは、少なくとも約1μm(例えば、少なくとも約2μm、少なくとも約2.5μm、少なくとも約3μm、少なくとも約4μm、少なくとも約5μm、少なくとも約6μm、少なくとも約7μm、少なくとも約7.5μm、少なくとも約8μm、少なくとも約9μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約25μm、少なくとも約30μm、少なくとも約35μm、少なくとも約40μm、または少なくとも約45μm)である。
濃縮出口チャネル(106)の高さは、前述の任意の最小寸法から任意の最大寸法までの範囲であってもよい。例えば、濃縮出口チャネル(106)の高さは、約50μmから約1μmまでの範囲(例えば、約45μmから約1μm、約40μmから約1μm、約35μmから約1μm、約30μmから約1μm、約25μmから約1μm、または約20μmから約1μm)であってもよい。
淡水化ユニット(100)におけるマイクロ流体チャネル(例えば、入口チャネル(102)、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106))の長さは、変えることができる。淡水化ユニットにおけるマイクロ流体チャネルの長さは、装置の全体設計及び他の運転上のいくつかの検討事項を考慮して個別に選択できる。いくつかの実施形態では、入口チャネル(102)、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)の各々の長さは、少なくとも約0.1cm(例えば、少なくとも約0.2cm、少なくとも約0.3cm、少なくとも約0.4cm、少なくとも約0.5cm、少なくとも約0.6cm、少なくとも約0.7cm、少なくとも約0.8cm、少なくとも約0.9cm、少なくとも約1cm、少なくとも約2cm、少なくとも約2.5cm、少なくとも約3cm、少なくとも約4cm、少なくとも約5cm、またはそれよりも長い)である。淡水化ユニットにおけるマイクロ流体チャネルは、形状が実質的に線形であってもよいし、流体流路の長さに沿った一つ以上の非線形領域(例えば、湾曲領域、らせん領域、角のある領域、またはそれらの組み合わせ)を有してもよい。
図1Aを再び参照すると、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)は、交点(107)において入口チャネル(102)から分岐する。交点における希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)の互いに対する向きは、変えることができる。装置において希薄出口チャネル(104)と濃縮出口チャネル(106)との間に形成される角度は、いくつかのパラメータを考慮して選択できる。これらのパラメータには、淡水化ユニットにおけるマイクロ流体チャネルに対する電極のサイズ及び位置、装置の所望の流量、装置を使用して処理される塩水の塩分、並びに所望の塩分低減程度が含まれる。
いくつかの場合では、交点(107)における希薄出口チャネル(104)と濃縮出口チャネル(106)との間に形成される角度は、約90度以下(例えば、約85度以下、約80度以下、約75度以下、約70度以下、約65度以下、約60度以下、約55度以下、約50度以下、約45度以下、約40度以下、約35度以下、約30度以下、約25度以下、約20度以下、約15度以下、またはそれ以下)である。
電極(108)は、金属(例えば、金、プラチナまたはチタン)、金属合金、金属酸化物または導電性カーボンなどの任意の適切な導体材料から製造できる。電極(108)は、淡水化ユニット(100)と電気化学的に接触するように構成される。これは、電極(108)が、淡水化ユニットのマイクロ流体チャネル内に存在する溶液の一つ以上の成分とのファラデー反応に関与できることを意味する。例えば、電極(108)は、電極の表面が淡水化ユニットのマイクロ流体チャネル内に存在する流体と直接接触するように構成できる。装置は、電極(108)が装置の運転中に陽極、陰極または陽極及び陰極のいずれかとして機能できるように構成できる。
淡水化ユニットに対する電極(108)の位置及び寸法は、いくつかの要因を考慮して選択できる。これらの要因には、淡水化ユニットにおけるマイクロ流体チャネルのサイズ及び構成、装置の所望の流量、装置を使用して処理される塩水の塩分、並びに所望の塩分低減程度が含まれる。電極(108)は、電極(108)を装置内に組み込み、かつイオンを、入口チャネル(102)を通して濃縮出口チャネル(106)に優先的に流すのに適した電場勾配の形成に対応できる限り、さまざまな二次元または三次元形状を有することができる。ある特定の実施形態では、電極(108)は、入口チャネル(102)の底と実質的に同一平面上にある導電面(例えば、線形、矩形パッドまたは正方形パッド)であり、交点(107)の近接において入口チャネルの底に組み込まれる。他の実施形態では、電極(108)は、交点(107)の近接において入口チャネルの底にまたはその内部に製造された導電面(例えば、線形、矩形パッドまたは正方形パッド)であり、入口チャネルの底から入口チャネル内に延伸する。これらの実施形態では、電極は、入口チャネルの底から、入口チャネルの底から最大距離に位置付けられた、入口チャネル内の電極の表面または縁部までの距離として測定された高さを有すると言うことができる。
図1Aを再び参照すると、電極(108)は、電極(108)に及びその下流にイオン枯渇領域(109)を形成し、装置の運転中に希薄出口チャネル(104)内に延伸するように、交点(107)に近接して位置付けることができる。イオン枯渇領域(109)は、濃縮出口チャネル(106)の一部分内に任意的に延伸することができる。いくつかの実施形態では、電極(108)は、希薄出口チャネル(104)の開口の上流における入口チャネル(102)の底内に位置付けられる。
例示として、図1Bは、図1Aに示す装置の交点(107)の拡大図を図示する。電極(108)が、入口チャネル(102)の底内に位置付けられる。淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面は、希薄出口チャネル(104)の開口のおおよそ±50μm上流または下流(希薄出口チャネルの開口から電極の下流縁部までの距離として測定された、130)に位置付けられる。
ある特定の実施形態では、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面は、希薄出口チャネル(104)の開口の上流、かつ希薄出口チャネルの開口の約500μm以内(例えば、約400μm以内、約300μm以内、約250μm以内、約200μm以内、約150μm以内、約100μm以内、約90μm以内、約80μm以内、約75μm以内、約70μm以内、約60μm以内、約50マイクロ以内、約40μm以内、約30μm以内、約25μm以内、約20μm以内、または約10μm以内)に位置付けられる。
いくつかの実施形態では、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面は、希薄出口チャネル(104)の開口の下流に、かつ希薄出口チャネルの開口の約100μm以内(例えば、約90μm以内、約80μm以内、約75μm以内、約70μm以内、約60μm以内、約50μm以内、約40μm以内、約30μm以内、約25μm以内、約20μm以内、約10μm以内、または約5μm以内)に位置付けられる。淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面が希薄出口チャネル(104)の開口の下流に位置付けられる場合には、電極の長さは、(以下に論じるように)淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の少なくとも一部が、希薄出口チャネル(104)の開口を越えて入口チャネル内に延伸する(すなわち、電極の一部が希薄出口チャネルの上流位置になければならない)のに十分な長さでなければならない。
再び図1Bを参照すると、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面は、幅(入口チャネルを流れる流体の方向と垂直の軸に沿う、電極の表面の一方の側面から他方の側面までの距離として測定される、132)、及び長さ(入口チャネルを流れる流体の方向と平行の軸に沿う、電極の表面の一方の側面から他方の側面までの距離として測定される、134)を有することができる。例示として、図1Bの実施例の装置では、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、希薄出口チャネル(104)の幅(50μm)とほぼ等しく、長さ(134)は約100μmである。
いくつかの実施形態では、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、希薄出口チャネル(104)の幅の少なくとも約50%(例えば、希薄出口チャネルの幅の少なくとも約60%、希薄出口チャネルの幅の少なくとも約70%、希薄出口チャネルの幅の少なくとも約75%、希薄出口チャネルの幅の少なくとも約80%、希薄出口チャネルの幅の少なくとも約90%、希薄出口チャネルの幅の少なくとも約90%、少なくとも希薄出口チャネルの幅、希薄出口チャネルの幅の少なくとも約105%、または希薄出口チャネルの幅の少なくとも約110%)である。いくつかの実施形態では、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、希薄出口チャネル(104)の幅の約150%未満(例えば、希薄出口チャネルの幅の約140%未満、希薄出口チャネルの幅の約130%未満、希薄出口チャネルの幅の約125%未満、希薄出口チャネルの幅の約120%未満、希薄出口チャネルの幅の約110%未満、希薄出口チャネルの幅の約105%未満、または希薄出口チャネルの幅未満)である。
淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、前述の任意の最小寸法から任意の最大寸法までの範囲であってもよい。例えば、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、希薄出口チャネル(104)の幅の約50%から希薄出口チャネルの幅の約150%までの範囲(例えば、希薄出口チャネルの幅の約75%から希薄出口チャネルの幅の約125%、希薄出口チャネルの幅の約90%から希薄出口チャネルの幅の約110%、または希薄出口チャネルの幅の約95%から希薄出口チャネルの幅の約105%)であってもよい。ある特定の実施形態では、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、希薄出口チャネル(104)の幅とほぼ等しい。
いくつかの実施形態では、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、入口チャネル(102)の幅の少なくとも約25%(例えば、入口チャネルの幅の少なくとも約30%、入口チャネルの幅の少なくとも約40%、入口チャネルの幅の少なくとも約45%、入口チャネルの幅の少なくとも約50%、入口チャネルの幅の少なくとも約55%、または入口チャネルの幅の少なくとも約60%)である。いくつかの実施形態では、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、入口チャネル(102)の幅の約75%未満(例えば、入口チャネルの幅の約60%未満、入口チャネルの幅の約55%未満、入口チャネルの幅の約50%未満、入口チャネルの幅の約45%未満、または入口チャネルの幅の約40%未満)である。
淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、前述の任意の最小寸法から任意の最大寸法までの範囲であってもよい。例えば、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、入口チャネル(102)の幅の約25%から入口チャネルの幅の約75%の範囲(例えば、希薄出口チャネルの幅の約30%から希薄出口チャネルの幅の約70%、希薄出口チャネルの幅の約40%から希薄出口チャネルの幅の約60%、または希薄出口チャネルの幅の約45%から希薄出口チャネルの幅の約55%)であってもよい。ある特定の実施形態では、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、入口チャネル(102)の幅の約50%である。
いくつかの実施形態では、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、約600μm以下(例えば、約500μm以下、約450μm以下、約400μm以下、約350μm以下、約300μm以下、約250μm以下、約200μm以下、約150μm以下、約125μm以下、約100μm以下、約75μm以下、約50μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下、約5μm以下、または約1μm以下)である。いくつかの実施形態では、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、少なくとも約0.5μm(例えば、少なくとも約1μm、少なくとも約2.5μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約25μm、少なくとも約50μm、少なくとも約75μm、少なくとも約100μm、少なくとも約150μm、少なくとも約200μm、少なくとも約250μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、少なくとも約450μm、または少なくとも約500μm)である。
淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、前述の任意の最小寸法から任意の最大寸法までの範囲であってもよい。例えば、淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の幅(132)は、約600μmから約0.5μmの範囲(例えば、約400μmから約1μm、約250μmから約1μm、約150μmから約5μm、または約80μmから約10μm)であってもよい。
淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の長さ(134)は、変えることができる。いくつかの実施形態では、電極(108)の表面の長さ(134)は、少なくとも約10μm(例えば、少なくとも約15μm、少なくとも約20μm、少なくとも約25μm、少なくとも約50μm、少なくとも約75μm、少なくとも約100μm、少なくとも約150μm、少なくとも約200μm、少なくとも約250μm、少なくとも約300μm、少なくとも約400μm、少なくとも約450μm、または少なくとも約450μm)である。いくつかの実施形態では、電極(108)の表面の長さ(134)は、約500μm未満(例えば、約400μm未満、約300μm未満、約250μm未満、約200μm未満、または約100μm未満)である。
淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の表面の長さ(134)は、前述の任意の最小寸法から任意の最大寸法までの範囲であってもよい。例えば、電極(108)の表面の長さ(134)は、約10μmから約500μmの範囲(例えば、約25μmから約250μm、または約50μmから約150μm)であってもよい。
淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極(108)の高さも、変えることができる。電極(108)の高さは、淡水化ユニットにおけるマイクロ流体チャネルの高さを含むいくつかの要因を考慮して選択できる。いくつかの場合では、電極(108)の高さは、おおよそゼロ(すなわち、電極は入口チャネルの底と実質的に同一平面上にある)。いくつかの実施形態では、電極(108)の高さは、約1μm未満(例えば、約900nm未満、約800nm未満、約750nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、または約100nm未満)である。
図1Cに示すように、電源(140)を、淡水化ユニットにわたって電位バイアスを印加するように構成できる。塩水(120)の流れは、入口チャネル(102)から開始し、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)に流れることができる。電位バイアスを印加すると、イオン枯渇領域(109)及びそれに続いて電場勾配が、交点(107)の近接における電極(108)付近に形成される。結果として、塩水中のイオンが、濃縮出口チャネル(106)内に優先的に導かれ、その結果、ブライン(122)が濃縮出口チャネルの中を流れる。脱塩水(すなわち、入口チャネル内に導き入れられる塩水であって、より少ない塩を含有する水、124)は、希薄出口チャネル(104)内を流れる。
いくつかの実施形態では、マイクロ流体装置は、淡水化ユニットと流体的に分離された補助チャネルをさらに含むことができる。淡水化ユニット(100)及び補助チャネル(202)を備えた実施例の装置を、図2に概略図に図示する。淡水化ユニットは、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)と流体的に接続された入口チャネル(102)を含む。希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)は、交点(107)において入口チャネル(102)から分岐する。装置は、淡水化ユニット(100)と流体的に分離された補助チャネル(202)も含む。
補助チャネル(202)は、例えば、単一のマイクロ流体チャネルを備えることができる。これらの実施形態では、補助チャネルの寸法(例えば、高さ、幅及び長さ)は、変えることができる。補助チャネル(202)の寸法は、装置の全体設計及び他の運転上のいくつかの検討事項を考慮して選択できる。補助チャネル(202)は、形状が実質的に線形であってもよいし、流体流路の長さに沿った一つ以上の非線形領域(例えば、湾曲領域、らせん領域、角のある領域、またはそれらの組み合わせ)を有してもよい。補助チャネル(202)は、一つ以上の分岐点を任意的に有することができる。補助チャネル(202)は、補助チャネルに接続して装置の運転を促進するための追加の要素、例えば、電極、流体入口、流体出口、流体容器、弁、ポンプ、及びそれらの組み合わせをさらに含むことができる。
補助チャネル(202)は、双極電極を介して淡水化ユニット(100)と電気化学的に接続することができる。これらの実施形態では、双極電極は、淡水化ユニット(100)及び補助チャネル(202)の両方と電気化学的に接触するように構成される。これは、双極電極の第一の表面が、淡水化ユニットのマイクロ流体チャネル内に存在する溶液の一つ以上の成分とのファラデー反応に関与でき、かつ双極電極の第二の表面が、補助チャネル内に存在する溶液の一つ以上の成分とのファラデー反応に関与できることを意味する。装置は、双極電極が、装置の運転中に、淡水化ユニットと電気化学的に接触する陽極、及び補助チャネルと電気化学的に接触する陰極を含むように構成できる。あるいは、装置は、双極電極が、装置の運転中に、淡水化ユニットと電気化学的に接触する陰極、及び補助チャネルと電気化学的に接触する陽極を含むように構成できる。
例示として、図2に図示する実施例の装置を再び参照すると、双極電極(204)は、補助チャネル(202)と淡水化ユニット(100)を電気化学的に接続する。双極電極の第一の表面(206)は、淡水化ユニット(100)と電気化学的に接触し、交点(107)に近接して位置付けられる。双極電極の第一の表面(206)は、装置の運転中に、双極電極の表面に及びその下流にイオン枯渇領域(109)を形成するように構成され、その結果、交点付近に電場勾配が形成される。双極電極の第二の表面(208)は、補助チャネル(202)と電気化学的に接触する。
双極電極の第一の表面(206)は、第一の淡水化ユニットに関する前述の電極(108)の表面と、淡水化ユニット内の同じ位置を占有し、同じ寸法を有することができる。
図2を再び参照すると、実施例の装置は、入口チャネル(102)の上流末端と流体的に接続された流体容器(110)、希薄出口チャネル(104)の下流末端と流体的に接続された流体容器(114)、濃縮出口チャネル(106)の下流末端と流体的に接続された流体容器(112)、並びに補助チャネル(202)の末端と流体的に接続された流体容器(210及び212)をさらに含む。
電源は、補助チャネル(202)及び淡水化ユニット(100)にわたって電位バイアスを印加するように構成できる。塩水(120)の流れは、入口チャネル(102)から開始し、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)に流れることができる。電位バイアスを印加すると、イオン枯渇領域(109)及びそれに続いて電場勾配が、交点(107)の近接における双極電極の第一の表面(206)付近に形成される。結果として、塩水中のイオンは濃縮出口チャネル(106)内に優先的に導かれ、その結果、ブライン(122)が濃縮出口チャネルの中を流れる。脱塩水(124)は、希薄出口チャネル(104)内を流れる。
いくつかの実施形態では、補助チャネルは、淡水化ユニットを備えることができる。これらの実施形態では、マイクロ流体装置は、同一の構造であっても異なる構造であってもよい二つの淡水化ユニットを備えることができる。二つの淡水化ユニットを備える実施例の装置を、図3に図示する。装置は、双極電極(310)によって第二の淡水化ユニット(302)と電気化学的に接続された第一の淡水化ユニット(100)を含む。第一の淡水化ユニット(100)は、第二の淡水化ユニット(302)と流体的に分離される。
第一の淡水化ユニット(100)は、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)と流体的に接続された入口チャネル(102)を含む。希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)は、交点(107)において入口チャネル(102)から分岐する。第二の淡水化ユニット(302)は、希薄出口チャネル(306)及び濃縮出口チャネル(308)と流体的に接続された入口チャネル(304)を含む。希薄出口チャネル(306)及び濃縮出口チャネル(308)は、交点(307)において入口チャネル(304)から分岐する。
双極電極(310)は、第一の淡水化ユニット(100)と第二の淡水化ユニット(302)を電気化学的に接続する。双極電極の第一の表面(312)は、第一の淡水化ユニット(100)と電気化学的に接触し、交点(107)に近接して位置付けられる。双極電極の第一の表面(312)は、装置の運転中に、双極電極の表面の下流にイオン枯渇領域(109)を形成するように構成され、その結果、第一の淡水化ユニットとの交点付近に電場勾配が形成される。双極電極の第二の表面(314)は、第二の淡水化ユニット(302)と電気化学的に接触し、第二の淡水化ユニットの交点(307)に近接して位置付けられる。双極電極の第二の表面(314)は、装置の運転中に、双極電極の表面の下流にイオン枯渇領域(309)を形成するように構成され、その結果、第二の淡水化ユニットとの交点付近に電場勾配が形成される。実施例の装置は、第一及び第二の淡水化ユニットの入口チャネルの上流末端と流体的に接続された流体容器(110及び320)、第一及び第二の淡水化ユニットの希薄出口チャネルの下流末端と流体的に接続された流体容器(114及び322)、並びに第一及び第二の淡水化ユニットの濃縮出口チャネルの下流末端と流体的に接続された流体容器(112及び324)をさらに含む。
第二の淡水化ユニット(302)、並びに第二の淡水化ユニットを構成するすべての要素(例えば、入口チャネル(304)、希薄出口チャネル(306)及び濃縮出口チャネル(308))は、第一の淡水化ユニットに関する前述の部材と同じ寸法を有し、相対的に配置することができる。双極電極の第一の表面(312)及び双極電極の第二の表面(314)は、第一の淡水化ユニットに関する前述の電極(108)の表面と、それぞれの淡水化ユニット内に同じ位置を占有し、同じ寸法を有することができる。
電源を、第一の淡水化ユニット(100)及び第二の淡水化ユニット(302)にわたって電位バイアスを印加するように構成できる。塩水(120及び330)の流れは、第一及び第二の淡水化ユニットの入口チャネルから開始し、第一及び第二の淡水化ユニットの希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルに流れることができる。電位バイアスを印加すると、イオン枯渇領域(109及び309)及びそれに続いて電場勾配が、第一の淡水化ユニットの交点(107)の近接における双極電極の第一の表面(312)付近、及び第二の淡水化ユニットの交点(307)の近接における双極電極の第二の表面(314)付近に形成される。結果として、塩水中のイオンが、第一及び第二の淡水化ユニットの濃縮出口チャネル(106及び308)内に優先的に導かれ、その結果、ブライン(122及び334)が第一及び第二の淡水化ユニットの濃縮出口チャネルの中を流れる。脱塩水(124及び332)は、第一及び第二の淡水化ユニットの希薄出口チャネル(104及び306)内を流れる。
本明細書に記述するマイクロ流体装置は、装置の機能を促進するための一つ以上の追加の構成要素(例えば、圧力計、弁、圧力入口、ポンプ、流体容器、センサ、電極、電源、及びそれらの組み合わせ)をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、装置は、装置の入口チャネルへの流入量を調節するように構成されたポンプ、弁、流体容器、またはそれらの組み合わせを含む。
装置は、装置のマイクロ流体チャネルの一つ以上の中を流れる流体の塩分を測定するように構成された塩分濃度計を含むことができる。例えば、いくつかの場合では、装置は、希薄出口チャネルの中を流れる流体の塩分を測定するように構成された塩分濃度計を含むことができる。塩分濃度計は、任意の適切な手段によって流体の塩分を測定できる。例えば、塩分濃度計は、流体の電気伝導性、比重、屈折率、またはそれらの組み合わせを測定できる。
特定の実施形態では、装置は、希薄出口チャネルの中を流れる流体の塩分を測定するように構成された塩分濃度計、及び装置の入口チャネルへの流入量を調節するように構成されたポンプ、弁、流体容器、またはそれらの組み合わせを含む。装置は、入口チャネルに接続されており、希薄出口チャネルの中を流れる流体の塩分に応じて装置の入口チャネル内への流体の流れを調整するポンプ及び/または弁を動作するように構成された信号処理回路またはプロセッサをさらに含むことができる。
システム
本明細書に記述する複数個のマイクロ流体装置を組み合わせて浄水システムを形成できる。
浄水システムは、本明細書に記述する任意の数の装置を備えることができる。浄水システム内に組み込まれる装置の数は、いくつかの要因を考慮して選択できる。これらの要因には、システムの全体設計、システムの所望のスループット、システムを使用して処理される塩水の塩分、及び所望の塩分低減程度が含まれる。
いくつかの場合では、システム内の装置の二つ以上の入口チャネルが、システム内の複数の装置の入口チャネル内への塩水の流れを促進するように共通の水入口と流体的に接続される。同様に、システム内の装置の二つ以上の希薄出口チャネルが、システム内の複数の装置の希薄出口チャネルからの脱塩水の収集を促進するように共通の水出口と流体的に接続できる。
システムは、並列に配置された本明細書に記述する複数個の装置を備えることができる。本明細書に記述するシステムの文脈において、二つの装置は、第一のシステム内の装置の希薄出口チャネルまたは濃縮出口チャネルのいずれかから流れた流体が、その後、第二のシステム内の装置の入口チャネル内を流れない場合に、システム内において並列に配置されたものとして記述され得る。
実施例として、図4は、並列に配置された第一の淡水化ユニット(402)及び第二の淡水化ユニット(404)を含む浄水システム(400)の概略図である。実施例の装置は、第一及び第二の淡水化ユニットの両方と流体的に分離された補助チャネル(406)をさらに含む。第一の双極電極(408)が、補助チャネル(406)と第一の淡水化ユニット(402)とを電気化学的に接続する。第二の双極電極(410)が、補助チャネル(406)と第二の淡水化ユニット(404)とを電気化学的に接続する。実施例のシステムは、補助チャネルと第一及び第二の淡水化ユニットとの間に電位バイアスを印加することによって動作できる。
図5は、並列に配置された二つの装置を含む第二の実施例の浄水システム(500)を図示する。システム(500)は、第一の双極電極(506)によって第一の補助チャネル(504)と電気化学的に接続された第一の淡水化ユニット(502)を含む第一の装置を備える。システム(500)は、第一の装置に対して並列に配置された第二の装置をさらに備える。第二の装置は、第二の双極電極(512)によって第二の補助チャネル(510)と電気化学的に接続された第二の淡水化ユニット(508)を含む。図5に図示するように、電源が、第一の補助チャネル(504)及び淡水化ユニット(502)と、第二の補助チャネル(510)及び淡水化ユニット(508)との両方にわたる電位バイアスを印加するように構成できる。
システムは、流体的に直列に接続された本明細書に記述する複数個の装置を備えることができる。本明細書に記述するシステムの文脈において、二つの装置は、第一のシステム内の装置の希薄出口チャネルまたは濃縮出口チャネルのいずれかから流れた流体が、その後、第二のシステム内の装置の入口チャネル内を流れる場合に、システム内において流体的に直列に接続されたものとして記述され得る。
実施例として、図6は、流体的に直列に接続された二つの装置を含む浄水システム(600)の概略図である。システム(600)は、第一の淡水化ユニットの希薄出口チャネルが第二の淡水化ユニットの入口チャネルと流体的に接続するように、流体的に直列に接続された第一の淡水化ユニット(602)及び第二の淡水化ユニット(604)を含む。実施例の装置は、第一及び第二の淡水化ユニットの両方と流体的に分離された補助チャネル(606)をさらに含む。第一の双極電極(608)が、補助チャネル(606)と第一の淡水化ユニット(602)とを電気化学的に接続する。第二の双極電極(610)が、補助チャネル(606)と第二の淡水化ユニット(604)とを電気化学的に接続する。実施例のシステムは、補助チャネルと第一及び第二の淡水化ユニットとの間に電位バイアスを印加することによって動作できる。
所望に応じて、システムは、並列に配置及び流体的に直列に接続されたものの両方の複数個の装置を含有できる。例えば、装置は、流体的に直列に接続された第二の一対の装置と並列に配置された、流体的に直列に接続された第一の一対の装置を含むことができる。
製造方法
本明細書に記述するマイクロ流体装置及びシステムは、非導電性であり、装置またはシステムのマイクロ流体チャネルを流れる水溶液に適した任意の基板材料から製造できる。例えば、装置またはシステムは、全体または一部において、ガラス、シリコンまたはそれらの組み合わせから製造できる。装置またはシステムは、また、全体または一部において、ポリマー及び/またはプラスチックからも製造できる。例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート;PET)ポリウレタン、ポリカーボネート、ハロゲン化ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル及び/もしくはフッ素化ポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、ポリアクリル酸塩及び/もしくはポリメタクリル酸(例えば、ポリメチルメタクリレート;PMMA)、シリコーン(例えば、ポリジメチルシロキサン;PDMS)、熱硬化性樹脂(例えば、ベークライト)、もしくは共重合体、混合物並びに/またはそれらの組み合わせから製造できる。装置またはシステムは、また、全体または一部において、セラミック(例えば、窒化ケイ素、炭化ケイ素、チタニア、アルミナ、シリカなど)からも製造できる。
特定の実施形態では、装置またはシステムは、全体または一部において、光硬化性エポキシ樹脂から製造される。特定の実施形態では、装置またはシステムは、全体または一部において、PDMSから製造される。
本明細書に記述するマイクロ流体装置及びシステムは、当技術分野において公知のさまざまな微細加工技術を使用して製造できる。マイクロ流体装置の微細加工に適切な方法は、例えば、ポリマー基板のリソグラフィ、エッチング、エンボス加工、ロールツーロール製造、ラミネート加工、印刷、及び成形を含む。微細加工プロセスは、下記するプロセス(または、同様のプロセス)の一つ以上を伴うことができる。装置またはシステムの種々の部分を種々の方法を使用して製造し、その後、共に組み立ててまたは結合して最終的なマイクロ流体装置またはシステムを形成できる。適切な製造方法は、いくつかの要因を考慮して選択できる。これらの要因には、装置またはシステムの形成に使用される基板(複数可)の性質、性能要件、及び装置またはシステムを作るマイクロ流体特徴の寸法が含まれる。
リソグラフィは、基板材料を選択的に変化させるための光または電子ビームなどの他のエネルギー形態の使用を伴う。典型的には、ポリマー材料または前駆体(例えば、フォトレジスト、耐光性材料)を基板にコーティングし、これを光または他のエネルギー形態に選択的にさらす。フォトレジストに応じて、フォトレジストの露出領域が、残存するまたは「現像」として一般に公知のその後の処理ステップにおいて溶解する。このプロセスによって、基板上にフォトレジストのパターンが生じる。いくつかの実施形態では、フォトレジストは、成形プロセスにおけるマスタとして使用される。いくつかの実施形態では、ポリマー前駆体が、フォトレジストを伴う基板上に注がれ、重合され(すなわち、硬化され)、そして剥がされる。結果生じたポリマーは、入口及び出口用の穴をドリルされた後、別の平坦基板に結合または接着される。
いくつかの実施形態では、フォトレジストは、エッチングプロセスのためのマスクとして使用される。例えば、シリコン基板上にフォトレジストをパターニングした後、深部反応性イオンエッチング(DRIE)プロセスまたは当技術分野において公知の他の化学エッチングプロセス(例えば、プラズマエッチング、KOHエッチング、HFエッチングなど)を使用して、チャネルを基板にエッチングできる。次に、フォトレジストを除去し、当技術分野において公知の任意の結合手順の一つ(例えば、陽極接合、接着結合、直接ボンディング、共晶接合など)を使用して、基板を別の基板に結合できる。複数のリソグラフィ及びエッチングステップ、並びにドリルでの穴開けなどの機械加工ステップを含ませることができる。フォトレジストの熱分解を用いて炭素電極を適当な位置に製造してもよい。
いくつかの実施形態では、PMMAなどのポリマー基板を、エンボス加工プロセスのために、加熱して、種型に対してプレスできる。種型は、リソグラフィ及び機械加工を含むさまざまなプロセスによって形成できる。その後、ポリマー基板を別の基板と結合してマイクロ流体装置またはシステムを形成できる。必要に応じて、機械加工プロセスを含ませることができる。
装置及びシステムは、射出成形法を使用しても製造できる。射出成形法では、溶融高分子または金属もしくは合金を、適切な鋳型内に注入し、冷却及び凝固できる。鋳型は、通常、成形品を取り外しできるように二つの部分からなる。それ故に、製造された部分を結合して装置またはシステムを得ることができる。
いくつかの実施形態では、装置またはシステムの形成に、犠牲エッチングを使用できる。リソグラフィ技術を使用して、基板上に材料をパターニングできる。次に、この材料を、異なる化学的性質を持つ別の材料によって覆ってもよい。この材料は、リソグラフィ及びエッチングプロセス、または別の適切な機械加工プロセスを受けることができる。次に、第一の材料を選択的に除去する化学薬品に基板をさらすことができる。このようにして、エッチングプロセスの前に第一の材料が存在していたところに空洞を残して、第二の材料にチャネルを形成できる。
いくつかの実施形態では、マイクロチャネルは、レーザ加工またはCNC加工によって基板に直接に機械加工することができる。所望に応じて、いくつかの層を機械加工し、その後、共に結合させて最終的な装置またはシステムを得ることができる。
電極並びに他の電気装置コンポーネントを、当技術分野において公知の多数の適切な方法を使用して基板材料上に及び/またはその内部に適切な導体材料をパターニングすることによって、装置及びシステム内に製造できる。
一つ以上の実施形態では、導体材料は、一つ以上の金属を含む。適切な金属の非限定的な例は、Sn、Zn、Au、Ag、Ni、Pt、Pd、Al、In、Cu、またはそれらの組み合わせを含む。他の適切な導体材料は、金属酸化物及び導電性非金属(例えば、グラファイトなどの炭素誘導体)を含む。導体材料は、真空蒸着プロセス(例えば、陰極アーク蒸着、電子ビーム物理蒸着、蒸発蒸着、パルスレーザ蒸着、またはスパッタ堆積)を使用して蒸着させることができる。導体材料は、スクリーン印刷、インクジェット印刷であってもよい導電性インクの形態でも提供できるし、さもなければ、電気装置構成要素を形成するように基板材料の表面に蒸着してもよい。導電性インクは、通常、樹脂または接着剤と、Sn、Zn、Au、Ag、Ni、Pt、Pd、Al、In、Cu、グラファイト粉末、カーボンブラックなどの一つ以上の粉末導体材料、または他の導電性金属もしくは金属合金とを混合することによって形成される。実施例は、炭素系インク、銀インク及びアルミニウムインクを含む。
本明細書に記述する装置またはシステムにおいて、電極などの電気装置構成要素を形成するときに、好ましくは、一つ以上の導体材料が、薄膜として蒸着または塗布される。ある特定の実施形態では、導電層は、薄い金属または炭素膜であり、その厚さは、約50μm未満(例えば、約40μm未満、約30μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約15μm未満、約10μm未満、約5μm未満、約1μm未満、約900nm未満、約800nm未満、約750nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、または約250nm)である。
使用方法
本明細書に記述するマイクロ流体装置及びシステムを使用して、水の塩分を低減できる。水の塩分の低減は、本明細書に記述する装置またはシステムの淡水化ユニットの中に塩水を流し、淡水化ユニットの交点に近接して位置付けられた電極においてファラデー反応を起こすことによって行うことができる。ファラデー反応によって、塩水中のイオンを淡水化ユニットの希薄出口チャネルから離し、淡水化ユニットの濃縮出口チャネルの方に導く電場勾配が生成される。その結果、希薄出口チャネルに流入する水の塩分が、入口チャネルに流入する塩水の塩分よりも低くなる。
いくつかの実施形態では、水の塩分を低減させる方法は、本明細書に記述する装置の入口チャネルまたは本明細書に記述するシステムの水入口に塩水を流すことと、電位バイアスを印加することによって、装置の淡水化ユニットまたはシステムの淡水化ユニット内の塩水中のイオンの流れに影響を与える電場勾配を生成することと、装置の希薄出口チャネルまたはシステムの水出口から水を収集することと、を含む。これらの方法では、装置の希薄出口チャネルまたはシステムの水出口から収集された水は、装置の入口チャネルまたはシステムの水入口を流れる塩水よりも低い電気伝導性を有することができる。
いくつかの実施形態では、電場勾配を生成するために印加される電位バイアスは、約1Vよりも大きい(例えば、約2Vよりも大きい、約2.5Vよりも大きい、約3Vよりも大きい、約4Vよりも大きい、約5Vよりも大きい、約6Vよりも大きい、約7Vよりも大きい、約8Vよりも大きい、または約9Vよりも大きい)。いくつかの実施形態では、電場勾配を生成するために印加される電位バイアスは、約10V未満(例えば、約9V未満、約9V未満、約8V未満、約7V未満、約6V未満、約5V未満、約4V未満、約3V未満、約2.5V未満、または約2V未満)である。
電場勾配を生成するために印加される電位バイアスは、前述の任意の最小電圧から任意の最大電圧までの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、電場勾配を生成するために印加される電位バイアスは、約1Vから約10Vの範囲(例えば、約1Vから約7V、約2Vから約7V、または約2.5から約5V)である。
いくつかの実施形態では、装置の淡水化ユニットを流れる塩水の流量、またはシステムの各淡水化ユニットを流れる塩水の流量は、毎分約0.01から約1μlの範囲(例えば、毎分約0.05から約0.5μl、または毎分約0.1から約0.5μl)である。適切な流量は、さまざまな要因を考慮して選択できる。これらの要因には、装置またはシステムの構造、装置またはシステムを使用して処理される塩水の塩分、及び所望の塩分低減程度が含まれる。
本明細書に記述する装置、システム及び方法を使用して、任意の測定可能な濃度の溶解塩化ナトリウムを有する塩水の塩分を低減させることができる。塩水は、海水(例えば、約4S/mから約6S/mの導電率を有する塩水)であってもよい。塩水は、汽水(例えば、約0.05S/mから約4S/mの導電率を有する塩水)であってもよい。ある特定の実施形態では、塩水の導電率は、約0.05S/mよりも大きい(例えば、約0.1S/mよりも大きい、約0.5S/mよりも大きい、約1.0S/mよりも大きい、約2.0S/mよりも大きい、約2.5S/mよりも大きい、約3.0S/mよりも大きい、約3.5S/mよりも大きい、約4.0S/mよりも大きい、約4.5S/mよりも大きい、約5.0S/mよりも大きい、または約5.5S/mよりも大きい)。
本明細書に記述する装置、システム及び方法を使用して、様々な程度で塩水の塩分を低減させることができる。塩分低減の程度は、装置またはシステムの構造、及び装置またはシステムを使用して処理される塩水の塩分を含むいくつかの要因に応じて決めることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記述する装置、システム及び方法を使用して淡水化される水(例えば、装置の希薄出口チャネルまたはシステムの水出口から収集される水)の導電率は、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約90%を超えない(例えば、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約80%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約75%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約60%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約50%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約40%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約30%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約25%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約20%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約10%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約5%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約1%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約0.5%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約0.1%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約0.05%を超えない、装置またはシステム内に流れ込む塩水の導電率の約0.01%を超えない、またはそれ以下である)。
いくつかの場合では、本明細書に記述する装置、システム及び方法を使用して淡水化される水(例えば、装置の希薄出口チャネルまたはシステムの水出口から収集される水)の導電率は、約2.0S/m未満(例えば、約1.75S/m未満、約1.5S/m未満、約1.25S/m未満、約1.0S/m未満、約0.75S/m未満、約0.5S/m未満、約0.25S/m未満、約0.1S/m未満、約0.05S/m未満、約0.01S/m未満、約0.005S/m未満、約0.001S/m未満、約5.0×10−4S/m未満、約1.0×10−4S/m未満、約5.0×10−5S/m未満、約1.0×10−5S/m未満、またはそれ以下)である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記述する装置、システム及び方法を使用して淡水化される水(例えば、装置の希薄出口チャネルまたはシステムの水出口から収集される水)は、飲料水である(例えば、水は約0.05S/mから約0.005S/mの導電率を有する)。いくつかの実施形態では、本明細書に記述する装置、システム及び方法を使用して淡水化される水(例えば、装置の希薄出口チャネルまたはシステムの水出口から収集される水)は、超純水である(例えば、水は約0.005S/mから約5.5×10−6S/mの導電率を有する)。
所望に応じて、水は、塩水の塩分における所望の低減を達成するために、本明細書に記述する装置、システム及び方法を使用して複数回処理できる。
本明細書に記述する装置及びシステムを使用して、従来の淡水化方法よりも大きいエネルギー効率で水を淡水化できる。いくつかの場合では、本明細書に記述する装置及びシステムを使用して、約5000mWh/L未満(例えば、少なくとも約4000mWh/L、少なくとも約3000mWh/L、少なくとも約2500mWh/L、少なくとも約2000mWh/L、少なくとも約1500mWh/L、少なくとも約1000mWh/L、少なくとも約900mWh/L、少なくとも約800mWh/L、少なくとも約750mWh/L、少なくとも約700mWh/L、少なくとも約600mWh/L、少なくとも約500mWh/L、少なくとも約400mWh/L、少なくとも約300mWh/L、少なくとも約250mWh/L、少なくとも約200mWh/L、少なくとも約100mWh/L、少なくとも約90mWh/L、少なくとも約80mWh/L、少なくとも約75mWh/L、少なくとも約70mWh/L、少なくとも約60mWh/L、少なくとも約50mWh/L、少なくとも約40mWh/L、少なくとも約30mWh/L、少なくとも約25mWh/L、少なくとも約20mWh/L、少なくとも約15mWh/L、もしくは少なくとも約10mWh/L、または少なくとも約5mWh/L)のエネルギー効率で水を淡水化できる。いくつかの実施形態では、本明細書に記述する装置及びシステムを使用して、前述の任意の最小値から約1mWh/Lの範囲(例えば、少なくとも約1000mWh/Lから約1mWh/L、少なくとも約500mWh/Lから約1mWh/L、少なくとも約100mWh/Lから約1mWh/L、少なくとも約75mWh/Lから約1mWh/L、または少なくとも約50mWh/Lから約1mWh/L)のエネルギー効率で水を淡水化できる。
いくつかの場合では、塩水は、本明細書に記述する装置及びシステムで淡水化する前に前処理されない。他の実施形態では、塩水は、淡水化する前に処理してもよい。例えば、淡水化する前の塩水から多価陽イオン(例えば、Ca2+、Mg2+、またはそれらの組み合わせ)を除去することによって、長い運転時間にわたる装置またはシステム内の沈殿物形成を低減させることができる。したがって、いくつかの実施形態では、塩水を前処理、例えば、塩水を適切なイオン交換樹脂と接触させることによって、溶液中の溶解多価陽イオンのレベルを低減させることができる。必要に応じて、塩水を、例えば、沈殿及び/または濾過によって、細片を除去するようにも前処理できる。所望に応じて、塩水は、淡水化する前に消毒もできる。
所望に応じて、特定の最終的用途のために、水を、本明細書に記述する装置及びシステムを用いた淡水化に続いてさらに処理できる。例えば、水に、フッ化ナトリウム、フルオロケイ酸またはフルオロケイ酸ナトリウムなどの適切なフッ化塩を追加してフッ素を添加してもよい。また、水は、本明細書に記述する装置及びシステムを用いた淡水化に続いて、イオン交換樹脂を通すか、かつ/またはpHを調整するように処理してもよい。
[実施例]
[実施例1]
マイクロ流体双極電極装置を使用した淡水化
単一の双極電極(BPE)によってつながれた淡水化ユニット及び補助チャネルを備えたマイクロ電気化学セルを使用して、圧力駆動流(PDF)の存在下で局所的に生成された電場勾配に沿って海水を淡水化した。海水淡水化は、並列の淡水化ユニットと補助チャネルとの間に電位バイアスを印加して、双極電極の陽極における塩素の酸化を駆動することによって達成した。陰極では、水の還元が起こって電流の流れを援助する。
BPEの陽極における塩素の酸化によって、イオン枯渇領域及びそれに続いて電場勾配が生じる。電場勾配は、イオンが淡水化ユニットを通り、分岐マイクロチャネル内に流れるように導き、そしてブラインストリームを作り出し、一方で、脱塩された水は、圧力駆動流の流量が制御されているときには前方に流れ続けた。それ故に、海水淡水化は、塩分のあるストリーム及び淡水化ストリームの両方を作り出すように、圧力駆動流の流量を制御することによって達成できた。
材料及び方法
マイクロ流体装置の製造
当技術分野において公知の微細加工法を使用して、PDMS−石英ハイブリッドマイクロ流体装置を用意した。マイクロ流体装置の構造を、図2に概略図に図示する。装置は、単一の双極電極によってつながれた淡水化ユニット及び補助チャネルを備える。
熱分解されたフォトレジスト炭素電極を、石英スライド(1インチ(約2.54cm)×1インチ(約2.54cm))上に製造した。フォトレジストを、3500rpmで45秒間、スライド上でスピンコーティングし、その後、100℃で1分間、熱板上でソフトベークして過剰な溶媒を除去した。次に、装置を、前述のパターン化マスクを用いて紫外線ランプにさらし、電極(100μm幅、6.3mm長)設計を示した。次に、過剰フォトレジストを現像によって除去した。次に、装置を、100立方センチメートル毎分で連続的に流れる、5%Hと95%Nとの成形ガスを用いる石英チューブ炉に設置して、フォトレジストを熱分解した。熱分解後、装置を室温に冷却した。
100μm幅の入口チャネル並びに50μm幅の希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルを有するPDMS淡水化ユニット(5.0mm長及び22μm高)を、シリコンウェーハ上にパターン化されたSU−8フォトレジスト鋳型を使用して、補助チャネル(5.0mm長、22μm高、100μm幅)と平行に製造した。淡水化ユニットと補助チャネルとの間の分離(中心間)は、6.0mmであった。PDMSチャネルを、エタノールですすいで、N下で乾燥させた。次に、PDMS及び石英−電極表面を、空気プラズマに15秒間さらし、最終的に、二つの部分を、希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルが入口チャネルから分岐するところの交点に位置合わせされたBPEと共に結合させた。次に、PDMS−石英マイクロ流体装置を、65℃で5分間、炉に置いて、不可逆的結合を促した。
淡水化の評価
テキサス州ポートアランサスから収集した海水を使用して淡水化を評価した。マイクロ流体チャネルの詰まりを防ぐために、試料を収集する前に、海水試料を簡単な沈殿プロセスに供した。海水にカチオン(20μΜRu(bpy)2+)トレーサを加え、淡水化中に淡水化ユニットを通るイオンの移動を蛍光モニタリングした。
入口チャネルと流体的に接続された流体容器(110、V)と、濃縮出口チャネルと流体的に接続された流体容器(112、V)及び希薄出口チャネルと流体的に接続された流体容器(114、V)との間の、溶液の高さを異ならせた。このようにして、右から左への圧力駆動流(PDF)を起動した。
結果
Pt駆動電極を使用して、Etot=3.0Vを容器212及び210に印加し、一方で、流体容器110、112及び114は接地した。電位バイアスによって、BPE(204)の両極間に十分に大きな電位差が作り出され、BPE陽極(206)及び陰極(208)における水の酸化及び還元を駆動した。それぞれ、式1及び式2を参照されたい。さらに、BPE陽極に塩素酸化(206、式3)が発生し、塩素が生成されたときにBPE付近にイオン枯渇領域を直接もたらした。
(式1) 2HO−4e←→O+4H
(式2) 2HO+2e←→H+2OH
(式3) 2Cl−2e←→Cl(2)
さらに、水の酸化(式1)によって電気発生されたHが、海水中に存在し得る重炭酸塩及びホウ酸塩を中和し、さらに、イオン枯渇領域(109)及びその後に形成される電場勾配の強度に寄与し得る。右から左へのPDFによって、海水及び、それ故に、海水中に存在するイオンが、希薄出口チャネル(104)及び濃縮出口チャネル(106)が入口チャネル(102)から分岐するところの交点に形成された電場勾配の方に輸送された。
概して、荷電種の濃度の低減をもたらす任意のファラデー反応(または、ファラデー反応に続く均一系反応)は、イオン枯渇領域をもたらす。塩素を生じる塩素酸化は、そのようなファラデー反応の例である。Hを生じる水の酸化、およびそれに続く溶液中のH及びアニオンの均一系反応は、ファラデー反応に続くそのような均一系反応の例である。イオン枯渇領域は、高溶液抵抗の局所領域である。電位バイアスが印加されると、イオン枯渇領域は、高電場の局所領域にもなる。以下に論じるように、この上昇した電場によって、流体の流れストリーム(例えば、水)からのイオンの分離を促すことができる。
帯電した検体の電気泳動速度(Uep)は、式4に従い決定される。式中、μepは、検体の電気泳動移動度であり、Vは、局所電場強度である。
(式4) Uep=μep
希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルが入口チャネルから分岐するところの交点付近に双極電極の陽極によって形成されたイオン枯渇領域付近を除く、図2に描写する装置のすべての領域において、水及びすべての溶存種の輸送は、PDFによって制御される。結果として、すべての中性種及びイオンは、概して装置の中を流れる流体の方向(すなわち、右から左)に移動する。しかしながら、イオンが、交点付近に電極によって形成された局所電場勾配に近づくと、それらは電場強度の増大に伴うUepの増大を受ける。カチオンの場合には、この勾配は、図7に描写するように、イオンの局所電気泳動速度(Uep)が流体の平均対流速度(PDF)を超えた結果として、接地された容器の方にブラインストリームにおいてカチオンの向きを変える。マイクロチャネルにおける電気的中性を維持するために、アニオンも、ブラインストリームに向きを変える。
装置のマイクロチャネルを通るイオン種の流れを、装置を流れるRu(bpy)2+(蛍光カチオントレーサ)の流れを観察することによってモニタした。図8A及び図8Bは、電位バイアスの印加前(図8A)及び印加後(図8B)に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。図8Aに示すように、電位バイアスが印加されていないときには、イオンは、入口チャネル(702)を通り、希薄出口チャネル(704)及び濃縮出口チャネル(706)の両方に流れた。電位バイアスを印加すると、イオン枯渇領域及びそれに続いて電場勾配が、希薄出口チャネル(704)と濃縮出口チャネル(706、図8B)との交点(710)付近のBPE陽極(708)付近に形成される。結果として、蛍光カチオントレーサRu(bpy)2+を含むイオンは、濃縮出口チャネル(706)内に導かれる。脱塩された水(蛍光カチオントレーサRu(bpy)2+の欠如の故に顕微鏡写真において非蛍光である)は、希薄出口チャネル(704)に流入する。これらの結果は、カチオン及びアニオンの両方が濃縮出口チャネル(706)に流入することを実証する。3.0Vの開始時の印加によって、BPE陽極付近に酸化環境が作り出され、これは炭素陽極の部分溶解を引き起こす。
イオン枯渇領域の形成が、装置内を流れる流体の脱イオン化をもたらすことを確認するために、塩素イオンを欠く溶液を使用して同様の実験を行った。すべての塩素イオンが溶液から除去されると、当業者は、BPE陽極がイオン枯渇領域及び局所電場勾配の形成を(塩素イオンを含有する塩水の場合のようには)促すことを予期しないであろう。対照実験では、NaSOの溶液を装置に流した。図9Aに示すように、3.0Vの印加前には、BPE陽極付近に、同様の蛍光強度が観察された。3.0Vの印加時、BPE陽極付近における蛍光強度のいかなる低減も観察されなかった(図9B)。この発見事項は、海水淡水化に伴うBPE陽極付近に形成されたイオン枯渇領域の結果と一致した。
Clの酸化が電場勾配の形成及び淡水化に重要であることを確認するために、淡水化ユニットを、50mS/cmのNaCl溶液で満たした。この場合には、Cl酸化のみが、枯渇領域の形成に寄与できる。図10Aは、電位バイアスがない場合を示し、ここでは装置に蛍光発光が観察されない。3.0Vバイアスの印加時、[Ru(bpy)2+は、ブラインストリームに向きを変え(図10B)、Clが、淡水化プロセスにおける決定的な要因であることを示唆する。
海水、NaSO及びNaCl中の電場勾配の測定値によって、CI含有溶液の存在下でのみ局所電場勾配が形成されることが確認される(図11)。図11から、上昇した電場が、CI酸化が起こるところの海水及びNaClの存在下でのみ観察された。NaSO溶液では、上昇した電場強度は観察されなかった。
この分離プロセスの間の導電率の測定は、両極性パルス法を使用して実行した。5回の個々の試験から得られた淡水化ストリームにおける平均導電率は、37.5±2.5mS/cmであった。このことは、供給された海水(50mS/cm)から約25±5%の塩が除去されたことを示す。
図12は、時間に対する、装置の中を流れる総電流(itot)の代表的なプロットを示す。装置の定常状態動作電流は、20nAであった。3.0Vの電位バイアスで淡水化プロセスを駆動すると、装置は、60nWのみの電力消費において動作した。
希薄出口チャネルを流れる流体流量は、非帯電ビーズ及び蛍光染料を使用して測定できた。希薄出口チャネルを流れる流体流量の測定も、3.0V駆動電位を停止した後、すべての物質輸送がPDFに起因した場合に蛍光トレーサの移動を追跡することによって行うことができた。入口から出口までの総流量は、おおよそ0.08μL/分であった。分岐したストリームの各々を通る流れは、約0.04μL/分であった。より高い流体流量では、イオン枯渇領域は、希薄出口チャネルの所まで遠く延伸しない。その結果、淡水化プロセスの効率が低下し、イオンが、装置の運転中に、希薄出口チャネル内に流れ始める。
60nWで動作する装置を使用して、25mWh/Lのエネルギー効率が達成された。このエネルギー効率は、この与えられた分離における理論的な最低効率の丁度1.5倍である。これは、いかなる最新技術の海水淡水化技術よりも優れている。例えば、逆浸透は、通常、おおよそ5Wh/Lのエネルギー効率で実行され、理論的には分離に1.0Wh/Lが要求されるが、おおよそ2.0Wh/Lの最大エネルギー効率を達成した。逆浸透と比較したマイクロ流体装置のこの優れた効率は、これらの逆浸透エネルギー効率が、(多くの場合、より小型のもので行われる同じプロセスにおいて観察される効率よりも優れている、)エネルギー回収装置を組み込む工業用淡水化施設の効率に対応することを考慮すると、特に顕著である。
装置規模の縮小は、通常、エネルギー効率の低減を招く。結果として、これらの装置は、小型の淡水化使用において極めて競争力があると思われる。さらに、必要な機器がより少なく、かつ装置の運転に3.0V電源のみしか要求されないため、これらの装置は、水ストレス地域に使用できる。さらに、BPEが直接電気接続を必要としないため、簡単な電源を使用して並列に配置された多数の装置を同時に動作させることが可能である。
水の淡水化に加えて、添付の特許請求の範囲の装置、システム及び方法は、同時に、水を消毒することもできる。陽極における塩素酸化によって、塩素及び電場勾配が生成される。次に、塩素が水と反応して、一般の水の消毒剤である次亜塩素酸塩を含有する次亜塩素酸が生成され得る。十分な濃度のこの消毒剤が淡水化ストリーム内を流れる場合には、真水利用に意図される水は、淡水化だけでなく、消毒もされ、その結果、後処理要求が少なくなる。
添付の特許請求の範囲の装置、システム及び方法は、特許請求の範囲のいくつかの態様の例証として意図される、本明細書に記述する特定の装置、システム及び方法によってその範囲を限定されない。機能的に等しい任意の装置、システム及び方法が、特許請求の範囲の範囲内にあると意図される。本明細書に示し、記述するものに加えた、装置、システム及び方法の様々な変更が、添付の特許請求の範囲の範囲内にあると意図される。さらに、本明細書に開示する特定の代表的な装置、システム及び方法ステップのみを具体的に記述したが、装置、システム及び方法ステップの他の組み合わせも、具体的に列挙しなくても、添付の特許請求の範囲の範囲内にあると意図される。それ故に、ステップ、要素、構成要素または構成部品の組み合わせが、本明細書に明示的またはそれほど明示的ではなく言及され得る。しかしながら、ステップ、要素、構成要素及び構成部品の他の組み合わせも、明示的に記載していないが、本発明に含まれる。
[実施例2]
マイクロ流体電極装置を使用した淡水化
マイクロ流体装置の製造
PDMS−ガラスハイブリッドマイクロ流体装置を、当技術分野において公知の微細加工法を使用して用意した。マイクロ流体装置の構造を、図1に概略図に図示する。装置は、淡水化ユニット及び単一電極を備える。
PtでコーティングされたTi電極を、スライドガラス(1インチ(約2.54cm)×1インチ(約2.54cm))上に製造した。フォトレジストを、3500rpmで45秒間、スライド上でスピンコーティングし、その後、100℃で1分間、熱板上でソフトベークして過剰な溶媒を除去した。次に、装置を、前述のパターン化マスクを用いて紫外線ランプにさらし、電極(100μm幅、6.3mm長)設計を示した。次に、過剰フォトレジストを現像によって除去し、ベアガラスを露出させた。次に、装置を、Tiの最初の10nmが蒸着されるように電子ビーム真空室内に設置した。次に、100nmのPtを蒸着してPt電極を形成した。次に、アセトン浴内のリフトオフによって、過剰フォトレジスト及び蒸着金属を除去した。
100μm幅の入口チャネル並びに50μm幅の希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルを持つPDMS淡水化ユニット(5.0mm長及び22μm高)を、シリコンウェーハ上にパターン化されたSU−8フォトレジストモールドを使用して製造した。PDMSチャネルを、エタノールですすいで、N下で乾燥させた。次に、PDMS及びガラス−電極表面を、空気プラズマに15秒間さらし、最終的に、二つの部分を、希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルが入口チャネルから分岐するところの交点に位置合わせされた電極と共に結合させた。次に、PDMS−ガラスマイクロ流体装置を、65℃で5分間、炉に置いて、不可逆的結合を促した。
淡水化の評価
テキサス州ポートアランサスから収集した海水を使用して淡水化を評価した。マイクロ流体チャネルの詰まりを防ぐために、試料を収集する前に、海水試料を簡単な沈殿プロセスに供した。海水にカチオン(20μΜRu(bpy)2+)トレーサを加え、淡水化中に淡水化ユニットを通るイオンの移動を蛍光モニタリングした。
入口チャネルと流体的に接続された流体容器(110、V)と、濃縮出口チャネルと流体的に接続された流体容器(112、V)及び希薄出口チャネルと流体的に接続された流体容器(114、V)と間の、溶液の高さを異ならせた。このようにして、右から左への圧力駆動流(PDF)を起動した。
結果
Ptワイヤー対電極及び微細加工されたPt駆動電極を使用して、電極108と流体容器110、112及び114との間に1.4Vバイアスを印加した。流体容器は接地した。電位バイアスによって、電極と溶液との間に、塩素酸化を駆動し、イオン枯渇領域及び局所電場勾配を作り出す十分に大きな電位差が作り出された。
装置のマイクロチャネルを流れるイオン種の流れを、装置を流れるRu(bpy)2+(蛍光カチオントレーサ)の流れを観察することによってモニタした。図13A及び図13Bは、電位バイアスの印加前(図13A)及び印加後(図13B)に取られた装置の蛍光顕微鏡写真である。図13Aに示すように、電位バイアスが印加されていないときには、イオンは、入口チャネル(702)を通り、希薄出口チャネル(704)及び濃縮出口チャネル(706)の両方に流れた。1.4Vの電位バイアスを印加すると、イオン枯渇領域及びそれに続いて電場勾配が、希薄出口チャネル(704)と濃縮出口チャネル(706、図13B)との交点(710)付近のBPE陽極(708)付近に形成される。結果として、蛍光カチオントレーサRu(bpy)2+を含むイオンが、濃縮出口チャネル(706)内に導かれる。(蛍光カチオントレーサRu(bpy)2+の欠如の故に顕微鏡写真において非蛍光である)脱塩された水は、希薄出口チャネル(704)内を流れる。これらの結果は、カチオン及びアニオンの両方が濃縮出口チャネル(706)内を流れることを実証する。炭素陽極とは異なり、これらのPt陽極は、溶解しない。
[実施例3]
淡水化シミュレーション
マイクロ流体装置の製造
前述の実施例に加えて、数値シミュレーションを使用して淡水化をモデル化した。計算法を使用して、図10Bの実施例1に類似する50mS/cmのNaCl溶液の淡水化をモデルした。シミュレートしたシステムの三次元形状は、100μm幅の入口チャネル並びに50μm幅の希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルを有する(5.0mm長及び22μm高)。コンピュータモデルは、淡水化チャネル内の初期の流れ、並びに局所イオン濃度及び局所電場の分布をシミュレートした。Clの酸化が、陽極において発生する唯一のファラデー反応であると想定した。モデルは、並列処理による数値スキームに基づいて開発され、最新の高性能計算プラットフォーム(スーパーコンピュータ)における直接的な実施を可能にする。
モデルは、流体力学、物質移行、電荷搬送、及び静電問題を表す式に基づく。液体が非圧縮性であり、局所流速場(v)がナビエ・ストークス式によって表され得ると想定される。
Figure 0006366605
式中、ρ及びηは、液体の質量密度及び動粘性係数であり、pは、静水圧である。Na及びClの濃度における時空間変化は、バランス式によって決定される。
Figure 0006366605
Figure 0006366605
式中、nは、種濃度であり、Dは、バルク流体における拡散係数であり、Φは、局所電位である。F、R及びTは、それぞれ、ファラデー定数、モル気体定数及び温度を表す。vは流速、rは、陽極におけるファラデー反応に起因する、Cl濃度の低減を表す電気化学反応項である。
種の局所濃度及び局所電位は、ポアソン式によって関係づけられる。
Figure 0006366605
式中、qは、素電荷であり、ε及びεは、真空誘電率及び絶縁定数である。流体力学的問題(式S−1)は、種の輸送問題(式S−2及びS−3)並びに静電問題(式S−4)から分断することができると想定した。すなわち、流体の密度及び粘度は、イオン強度と無関係である。
式S−1の直接数値解法の代わりに、低レイノルズ数流れのシミュレーションを、格子ボルツマン法(LBM)を用いて実行した。LBMでは、線形衝突演算子を用いてボルツマン式の離散化バージョンを解く。方法は、離散時間ステップ中に、空間格子に制限され、離散速度cで移動する架空粒子の分布関数の時間発展を追跡することによって、流体力学的現象をシミュレートする。粒子分布関数f(r,t)は、速度c、位置r及び時間tにおいて粒子を発見する確率を表す。各時間ステップは、個々のストリーミング及び衝突ステップに分割される。速度cは、一つのストリーミングステップにおいて、粒子が格子リンクに沿ってある格子ノードからその隣接ノードに移動するように選択される。その後、粒子分布関数fが、離散的衝突演算子に従い再分配される。粒子分布関数の一次及び二次モーメントから、局所流体密度p(r,t)及び速度v(r,t)が得られる。
Figure 0006366605
Figure 0006366605
固液界面においてスリップのない境界条件を、ハーフウェイバウンスバック法を適用して実施した。通例、LBMモデルは、DxQyとして指定される。式中、xは、格子次元であり、yは、所与の格子ノードから単一の立方格子に位置する(ノードそれ自体を含む)その隣接ノードまでの格子リンクの数を指す。この作業では、D3Q19格子を使用した。この格子は、各格子ノードに18のリンクを持ち、四次元面心超立方格子を三次元空間に投影することによって得ることができる。同じD3Q19格子を、輸送方程式(式S−2及びS−3)並びにポアソン式(式S−4)の数値解法にも使用したことが留意されるべきである。
輸送方程式を、空間格子の隣接ノード間の種流束の特定に基づく数値的アプローチを用いて解いた。隣接ノード間の流束の対称的な構築によって、厳密な局所質量−電荷の保存が保証される。その手法では、流束は、外部場と荷電種濃度及び流体流速の両方とをつなぐ基本的な力動的対象である。式S−2及びS−3を解くために、以下の境界条件を与えた。(i)チャネル壁と垂直の流束が、両方の荷電種(Na及びCl)においてゼロ、(ii)陽極表面と垂直のNaの流束がゼロ、そして(iii)陽極表面と垂直のCIの流束、すなわちjCIがこの表面にわたる所与の電流密度から決定された。
Figure 0006366605
式中、IBPEは、陽極を流れる電流であり、SBPEは、溶液と接触するBPE陽極の表面積である。
ポアソン式(式S−4)を、D3Q19格子に適応させた下方緩和有限差分法によって解いた。具体的には、電位の最新の局所値を、隣接する格子ノードにおけるその値を考慮することによって決定するために、重量係数ωは、それぞれ、最近接する及びその次に最近接するノードについて、
Figure 0006366605
である。0.25の下方緩和係数を使用して、BPEに近い領域における電位の計算中の数値安定性を保証した。
この研究では、物理的パラメータについて以下の値を想定してシミュレーションを実行した。ρ=1.023×10kg/m、η=0.966mPa・s、T=298.16K、DCl=2.032×10−9/s、DNa=1.334×10−9/s、ε=78。BPEを流れる電流をIBPE=50nAと想定し、淡水化チャネル中の溶液と接触する陽極表面積(SBPE)を、SBPE=82μm×50μm(陽極幅×長さ)と想定した。陽極の電位を、0.9Vと想定し、外部から印加された電圧(3V)と塩素酸化及び水の還元(1.3V及び0.8V)の標準電位の合計との差異から決定した。淡水化チャネルの入口容器におけるCl及びNaの濃度を、3.3121×1026イオン/mと想定し、これは0.55Mのモル濃度に対応する。
結果
これらの数値シミュレーションは、淡水化のために提案されたメカニズムと一致した。シミュレーションは、陽極におけるCl酸化という想定に基づく50mS/cmのNaCl溶液の淡水化である図10Bの実施例1に対応する結果に酷似する。図14Aは、陽極に近い関心のある領域におけるシミュレートした塩分の分布を、淡水化チャネル入口におけるその値によって正規化して示す。結果は、淡水化された出口において塩分が20%低減したことを示す。図14Bは、陽極にわたる電場勾配のシミュレートした発生を示し、これは塩素酸化に起因する電場強度の明らかな増大を示す。
本明細書に使用される「備える」という用語及びその変形は、「含む」という用語及びその変形と同義であるとして使用され、開かれた、非限定的な用語である。「備える」及び「含む」という用語を、様々な実施形態を記述するために本明細書に使用したが、「から本質的になる」及び「からなる」という用語を、本発明のより具体的な実施形態を提供するために、「備える」及び「含む」の代わりに使用でき、開示もされる。ここに留意する以外に、明細書及び特許請求の範囲に使用される形状、寸法などを表すすべての数は、特許請求の範囲の範囲に関する均等物の原理の応用を制限するようには企図されず、最低限、有効数字の数及び通常の四捨五入の手法を考慮して解釈されるものとすると理解される。
他に定義されない限り、本明細書に使用されるすべての技術及び科学用語は、開示した発明に属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に引用される刊行物及びそれらが引用される内容は、参照により具体的に組み込まれる。

Claims (47)

  1. マイクロ流体装置であって、
    (a)希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルと流体的に接続された入口チャネルを備えており、前記希薄出口チャネル及び前記濃縮出口チャネルが交点において前記入口チャネルから分岐する、淡水化ユニットと、
    (b)前記交点に近接した前記淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極と
    を備えており、
    前記電極が、前記交点付近に電場勾配を生成するようにファラデー反応を起こすように構成される、
    マイクロ流体装置。
  2. 前記電極が陽極を含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記電極が陰極を含む、請求項1に記載の装置。
  4. 前記入口チャネルの幅が、1000μmから1μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記入口チャネルの幅が、500μmから10μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記入口チャネルの幅が、150μmから25μmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記入口チャネルの高さが、50μm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記入口チャネルの高さが、50μmから1μmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記入口チャネルの高さが、20μmから1μmである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記希薄出口チャネルの幅が、500μmから0.5μmである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記希薄出口チャネルの幅が、80μmから10μmである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記希薄出口チャネルの高さが、50μm以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記希薄出口チャネルの高さが、50μmから1μmである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記希薄出口チャネルの高さが、20μmから1μmである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記濃縮出口チャネルの幅が、500μmから0.5μmである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 前記濃縮出口チャネルの幅が、80μmから10μmである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記濃縮出口チャネルの高さが、50μm以下である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
  18. 前記濃縮出口チャネルの高さが、50μmから1μmである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の装置。
  19. 前記濃縮出口チャネルの高さが、20μmから1μmである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記希薄出口チャネルの断面積と前記濃縮出口チャネルの断面積との合計が、前記入口チャネルの断面積と実質的に等しい、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
  21. 前記入口チャネルと流体的に接続された、流体入口、流体容器、またはそれらの組み合わせをさらに備える、請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置。
  22. 前記希薄出口チャネルと流体的に接続された、流体出口、流体容器、またはそれらの組み合わせをさらに備える、請求項1〜21のいずれか一項の装置。
  23. 前記濃縮出口チャネルと流体的に接続された、流体出口、流体容器、またはそれらの組み合わせをさらに備える、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 前記交点における前記希薄出口チャネルと前記濃縮出口チャネルとの間に形成される角度が、60度以下である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 前記淡水化ユニットと流体的に分離された補助チャネルをさらに備える、請求項1〜24のいずれか一項に記載の装置。
  26. 前記電極が、前記淡水化ユニット及び前記補助チャネルを電気化学的に接続する双極電極を含む、請求項25に記載の装置。
  27. 前記双極電極が、前記淡水化ユニットと電気化学的に接触する陽極、及び前記補助チャネルと電気化学的に接触する陰極を備える、請求項25または26に記載の装置。
  28. 前記双極電極が、前記淡水化ユニットと電気化学的に接触する陰極、及び前記補助チャネルと電気化学的に接触する陽極を備える、請求項25または26に記載の装置。
  29. 前記補助チャネルが、希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルと流体的に接続された入口チャネルを備え、前記希薄出口チャネル及び前記濃縮出口チャネルが、交点において前記入口チャネルから分岐する、
    第二の淡水化ユニットと、
    前記第二の淡水化ユニットと電気化学的に接触する電極と
    を備え、
    前記電極が、前記希薄出口チャネル及び前記濃縮出口チャネルが前記入口チャネルから分岐する前記交点付近に電場勾配を生成するように構成される、
    請求項25〜28のいずれか一項に記載の装置。
  30. 前記補助チャネル及び前記淡水化ユニットにわたる電位バイアスを印加するように構成された電源をさらに備える、請求項25〜29のいずれか一項に記載の装置。
  31. 請求項1〜30のいずれか一項に定義された複数個の装置を備える、浄水システム。
  32. 前記複数個の装置の前記入口チャネルが水入口と流体的に接続され、前記複数個の装置の前記希薄出口チャネルが水出口と流体的に接続される、請求項31に記載のシステム。
  33. 流体的に直列に接続された複数個の前記装置を備える、請求項31または32に記載のシステム。
  34. 並列に配置された複数個の前記装置を備える、請求項31〜33のいずれか一項に記載のシステム。
  35. 水の塩分を低減させる方法であって、
    (a)請求項1〜30のいずれか一項に定義された前記装置の前記入口チャネル、または請求項31〜34のいずれか一項に定義された前記システムの前記水入口を流れるように塩水を供給することと、
    (b)電位バイアスを印加することによって、請求項1〜30のいずれか一項に定義された前記装置の前記淡水化ユニット、または請求項31〜34のいずれか一項に定義された前記システムの前記淡水化ユニットを流れるイオンの流れに影響を与える電場勾配を生成することと、
    (c)請求項1〜30のいずれか一項に定義された前記装置の前記希薄出口チャネル、または請求項31〜34のいずれか一項に定義された前記システムの前記水出口から水を収集することと
    を含み、
    請求項1〜30のいずれか一項に定義された前記装置の前記希薄出口チャネル、または請求項31〜34のいずれか一項に定義された前記システムの前記水出口から収集された前記水の電気伝導性が、前記塩水よりも低い、
    方法。
  36. 前記塩水が海水を含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記塩水が汽水を含む、請求項35に記載の方法。
  38. 前記収集された水の導電率が、前記塩水の導電率の80%を超えない、請求項35〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記収集された水の導電率が、前記塩水の導電率の50%を超えない、請求項35〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記収集された水の導電率が、前記塩水の導電率の10%を超えない、請求項35〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記収集された水の導電率が、0.1S/m未満である、請求項35〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記収集された水の導電率が、0.05S/mから0.005S/mである、請求項35〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記収集された水の導電率が、0.005S/mから5.5×10−6S/mである、請求項35〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 印加される電位バイアスの範囲が、1Vから10Vである、請求項35〜43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 請求項1〜30のいずれか一項に定義された前記装置の前記淡水化ユニット、または請求項31〜34のいずれか一項に定義された前記システムの各淡水化ユニットを流れる前記塩水の流量の範囲が、毎分0.01から1μlである、請求項35〜44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 水の塩分を低減させる方法であって、
    (a)希薄出口チャネル及び濃縮出口チャネルと流体的に接続された入口チャネルを備えており、前記希薄出口チャネル及び前記濃縮出口チャネルが交点において前記入口チャネルから分岐する淡水化ユニットに塩水を流すことと、
    (b)前記交点に近接して位置付けられた電極においてファラデー反応を起こして電場勾配を生成することと
    を含み、
    前記電場勾配が、前記塩水中のイオンを前記希薄出口チャネルから離すように導く、方法。
  47. 前記ファラデー反応が、塩化物の塩素への酸化を含む、請求項46の方法。
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