JP6366123B2 - 挿入体システム - Google Patents

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本発明は、生体内に挿入される線状部分を有する挿入体を含むシステムに関し、特に、挿入体の生体内での誘導に関する。
生体内に挿入される線状部分を有する挿入体として例えばカテーテルが知られている。カテーテルは、疾病や事故等により組織の生理機能が障害されている場合に、その治療を目的として原因となる部位またはその近くに挿入される細い柔軟な管状の器具である。カテーテルは、カテーテルを介して患部に薬剤等を送る薬理的治療に用いられる。また、機械的な力、電気、超音波などを作用させるように構成されたカテーテルによる治療も知られている。さらに、血管の狭窄した部位に、カテーテルを通してステントと呼ばれる細い円筒状の金網を送り、その位置に留置し、血管の閉塞を防止する治療なども知られている。
カテーテルが挿入される空間(例えば血管)は狭く、カテーテルの大形化は難しい。よって、カテーテルを対象部位に到達させるために、カテーテル自体にカテーテルを駆動するための機構を実装することは困難である。
下記特許文献1には、ガイドワイヤを用いてカテーテルを対象部位に誘導する技術が開示されている。ガイドワイヤは、柔らかく細い針金状であり、これが血管等にあらかじめ挿入される。ガイドワイヤは、柔軟で屈曲が容易である一方、それ自身の軸線回りの回転については先端までよく伝達される。術者はこれを利用してガイドワイヤの進行方向を選択しつつ、これを対象部位まで送る。血管が分岐しているときのガイドワイヤが挿入されるべき枝の選択もガイドワイヤの回転を利用して行われる。また、ガイドワイヤの操作は、X線透視画像を観察しながら行われる。カテーテルには、ガイドワイヤを通すためのルーメンが設けられている。このルーメンにガイドワイヤを通し、ガイドワイヤに沿ってカテーテルを挿入し、対象部位に送る。
下記特許文献2には、磁力によりカテーテルを誘導する技術が開示されている。
特開2004−130110号公報 特開2010−179116号公報
ガイドワイヤを利用したカテーテルの挿入方法においては、ガイドワイヤとカテーテルが同時に挿入されているときがあり、全体として太くなる。よって、狭い又は細い部位に挿入することが難しい場合がある。また、ガイドワイヤの多くは、組織を傷つけないようにするために、また血管等の分岐において進入する枝を選択するために先端が丸まった形状となっている。この形状のために、ガイドワイヤ単体を挿入するときにも、狭い又は細い部位への挿入が難しい場合がある。さらに、ガイドワイヤを狭い又は細い部位に挿入する際、組織を損傷する可能性もある。
本発明は、カテーテル等の線状の部分を有する挿入体を狭い又は細い部位へと挿入可能とすること目的とする。
本発明に係る挿入体システムは、生体内に挿入される線状部分を有し、線状部分の外径が1mm以下である挿入体と、生体内の挿入体に対し音波を放射し、音波の放射圧を作用させて挿入体を誘導する放射圧生成手段とを有する。
生体内へ挿入体を挿入し、この挿入体に対し音波を放射して放射圧を作用させる。放射圧によって挿入体に力が作用し、挿入体の位置または姿勢が変化する。この位置または姿勢の変化を利用して、挿入体を誘導する。例えば、血管の分岐において、挿入体に音波による放射圧を作用させて選択すべき枝に向いた姿勢とし、その状態で挿入体を送り、選択すべき枝へと挿入する。
挿入体には、他の部分に比して音響抵抗を大きくする受波構造を設けることができる。受波構造は、例えば、挿入体の軸線に沿った長さ当たりの表面積が、挿入体の他の部分より大きくなる構造とできる。より具体的には、挿入体を太くする、平板形状とする、螺旋に巻いた形状とすることができる。また、受波構造は、例えば断面形状においてエッジまたは角部を有する形状とすることができる。受波構造以外の部分では、滑らかな表面の断面形状とする。より具体的には、長さ方向の大部分の範囲において円形断面の挿入体において、多角形の断面を有する部分を設けるようにできる。多角形の角の部分が音響抵抗を大きくし、放射圧による力が大きく作用する。
また、挿入体の先端部に、前後の部分より曲げ剛性の低い部分を設けることができる。挿入体の軸線方向に沿って前方および後方より曲げ剛性が低い部分を設けることで、この部分より前方に音波による放射圧が作用したとき、挿入体が屈曲しやすくなる。曲げ剛性を低くするために、例えば、直径を前後の部分より細くすることや、前後の部分より柔軟性のある材料を採用することができる。
また、挿入体は、その先端部が屈曲しているものとすることができる。屈曲していることにより、先端部が、根元部の軸線に対してずれ、放射圧を受けたとき、挿入体を軸線回りに回転させる力が働く。これにより、先端部の向く方向を変えることができる。
挿入体システムは、挿入体の位置および姿勢を観測するための観測手段を更に有するようにできる。挿入体の位置および姿勢を観測することにより、より確実に挿入体の誘導を行うことができる。
観測手段は、超音波画像を取得し、表示する超音波画像装置とすることができる。そして、挿入体システムが、挿入体の誘導のための音波の放射タイミングと、超音波画像表示のための超音波の放射タイミングを、これらの音波と超音波が干渉しないよう制御する統合制御部を有するようにできる。
放射圧生成手段により放射される音波の周波数と、超音波画像装置により放射される超音波の周波数が異なるようにすることができる。
超音波画像装置は、生体内に対して超音波を送受波する観測プローブを有するものとでき、放射圧生成手段は、生体内に音波を放射する誘導プローブを有するものとできる。そして、挿入体システムが、誘導プローブと観測プローブの位置および姿勢を取得する三次元測量機を有するようにできる。
放射圧生成手段は、パルス波の音波を放射するものとでき、パルス波の長さと送信間隔を変更することができる。
挿入体はカテーテルであってよい。
挿入体システムは、生体内に挿入される管状体を更に有し、挿入体は、この管状体の管内を延びるようにすることができる。挿入体は、管状体内では、管状体に案内されて挿入され、例えば細い挿入体であっても確実に送ることができる。挿入体は、管状体から出た後は、音波により誘導される。
本発明の他の態様に係る挿入体は、生体内に放射された音波を受け、音波の放射圧によって誘導される挿入体であって、挿入体は生体内に挿入される線状部分を有し、線状部分の外径が1mm以下であり、線状部分の先端部に、他の部分に比して音響抵抗を大きくする受波構造を有する。受波構造は、螺旋状に巻かれた螺旋部とすることができる。また、受波構造は、断面形状がエッジを有するエッジ断面部とすることができる。
本発明の更に他の態様に係る挿入体は、生体内に放射された音波を受け、音波の放射圧によって誘導される挿入体であって、挿入体は生体内に挿入される線状部分を有し、線状部分の外径が1mm以下であり、挿入体の先端には挿入体の軸線方向に直交する平面内で、全方向に膨らんだ立体的膨出部、または挿入体の軸線を含む一つの平面内で膨らんだ平面的膨出部を設けることができる
本発明の更に他の態様に係る挿入体は、生体内に放射された音波を受け、音波の放射圧によって誘導される挿入体であって、挿入体は生体内に挿入される線状部分を有し、線状部分の外径が1mm以下であり、線状部分の先端部に、前後の部分より曲げ剛性の低い部分を有する。
本発明の更に他の態様に係る挿入体は、生体内に放射された音波を受け、音波の放射圧によって誘導される挿入体であって、挿入体は生体内に挿入される線状部分を有し、線状部分の外径が1mm以下であり、線状部分の先端部が屈曲している。
本発明によれば、挿入体の誘導にガイドワイヤを使用しないので、狭い又は細い部位にも挿入体を挿入することができる。また、ガイドワイヤによる組織の損傷も防止できる。
本実施形態のカテーテルシステムの概略構成を示す図である。 超音波によるカテーテルの誘導についての説明図である。 誘導ビームの他の例を示す図である。 カテーテルの一例を示す図である。 カテーテルの他の例を示す図である。 カテーテルのさらに他の例を示す図である。 カテーテルのさらに他の例を示す図である。 カテーテルのさらに他の例を示す図である。 カテーテルのさらに他の例を示す図である。 カテーテルのさらに他の例を示す図である。 カテーテルのさらに他の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1は、挿入体システムの概略構成を示す図である。この実施形態における挿入体は、血管に挿入されるカテーテル10であり、当該システムを以下カテーテルシステム12と記す。カテーテルシステム12は、更にカテーテル10を誘導するための誘導装置14を含む。カテーテル10は、断面形状が長さ方向にわたって一様で、柔軟材料からなる管状体である。断面形状は、例えば円形とすることができる。また、カテーテルの外径は、1mm以下のものとすることができる。
カテーテル10は、生体16外から生体内へと挿入され、生体内の血管18内を延びる。カテーテル10は、単独で血管18内に挿入されてもよいが、カテーテル10の外径より大きな内径を有する管状のガイドチューブ20と共に挿入されてもよい。ガイドチューブ20を利用する場合には、カテーテル10はガイドチューブ20内に延び、カテーテル10とガイドチューブで二重管を構成する。カテーテル10が細いと、単独で血管内を長い距離挿入することが難しいので、より太いガイドチューブ20と共に血管に挿入すると有利である。ガイドチューブ20が所定の位置まで送られたら、例えば血管18の内径が細い部分に達したら、その後は、カテーテル10だけを挿入する。ガイドチューブ20をまず挿入し、その後カテーテル10をガイドチューブ20に沿って挿入してもよく、またガイドチューブ20内にカテーテル10を配した状態でこれら一体に挿入し、所定の位置まで挿入した後、カテーテル10のみを更に挿入するようにしてもよい。
図1には、血管18の分岐した部分が示されている。分岐点18tより手前の部分を符号18aで示し、分岐点18tより奥の部分を符号18b,18cで示す。図1に示す例では、ガイドチューブ20は血管の分岐点18tから間隔をあけた手前の位置まで延びており、カテーテル10は、分岐点18tの直前まで延びている。
生体表面22には、音波、好ましくは超音波を生体内に送信するプローブ24が当接している。以降、プローブ24から送信される音波は超音波であるとして説明する。プローブ24により送信された超音波がカテーテル10に達すると、超音波の放射圧がカテーテル10に作用してカテーテル10を動かす放射力が生じる。この放射力を利用してカテーテル10を誘導することができる。以降、プローブ24を、カテーテル10を誘導するためのプローブという意味で誘導プローブ24と記す。
誘導プローブ24は超音波振動子(不図示)を備え、超音波振動子は、送信制御部26の制御により駆動されて振動し、超音波ビームを放射する。このビームは、拡散するビームでもよいが、指向性が強くほとんど広がらないビーム、またはカテーテル10の付近に収束するビームとすることができる。誘導プローブ24と、これを制御する送信制御部26は、生体16内のカテーテル10に対し超音波を放射し、超音波の放射圧を作用させてカテーテル10を誘導する放射圧生成手段として機能する。
誘導プローブ24と送信制御部26は誘導装置14に含まれる。誘導装置14は、更に生体16内、特にカテーテル10の位置および姿勢を観測するための手段を含む。この手段は、例えば、超音波画像を取得する超音波画像装置28とすることができる。カテーテル10の位置とは、カテーテル10の代表点(例えば先端)の座標であり、姿勢とはカテーテル10の中心軸線(特に先端付近の中心軸線)が延びる方向と向きである。位置と姿勢によりカテーテル10の配置が表される。
超音波画像装置28は、生体16内に対し超音波を送受する観測プローブ30と、観測プローブ30に備わる超音波振動子を制御する送受信制御部32と、受信信号に基づき送受信制御部32で生成された超音波画像を表示する表示部34を含む。送受信制御部32と表示部34は、一つの筐体内に配置されて、一体の超音波画像装置本体36を構成するようにできる。また、送受信制御部32と表示部34を別体とすることができ、さらに送受信制御部32に対して表示部34を可動とし、その向きを変えられるようにもできる。
観測プローブ30は、生体16内に超音波を送信し、生体16内で反射した反射波を受信する。観測プローブ30は、超音波ビームを走査することができ、走査したビームの反射波を受信することにより超音波画像を取得する。走査は、1次元であってもよく、2次元であってもよい。1次元の走査により断層画像を得ることができ、2次元走査を行えば立体画像を取得することができる。取得した画像を表示部34に表示することにより、カテーテル10の位置及び姿勢を観測することができる。
超音波画像による観測は、X線画像による観測に比して放射線被曝がない点で有利である。また、X線画像に比べて血管などの組織をより鮮明に映すことができる。また、カテーテルは、X線画像では写らない樹脂製が一般的であるが、超音波画像では樹脂と体液の音響インピーダンスの差が大きいことにより、鮮明に映し出される。
誘導装置14は、更に誘導プローブ24から放射される超音波と、観測プローブ30から放射される超音波を統合的に制御する統合制御部38を有するようにできる。統合制御部38は、例えば、2個のプローブ24,30の超音波を放射するタイミングを制御して、これらの超音波が干渉しないようにする。
誘導装置14は、更に誘導プローブ24と、観測プローブ30の位置及び姿勢を取得する三次元測量機40を有するようにできる。三次元測量機40は、例えば赤外線トラッカとすることができる。誘導プローブ24と観測プローブ30のそれぞれにリフレクタまたはマーカを取り付け、照射された赤外線がリフレクタによって反射された反射光を受光して、これに基づき、それぞれのプローブ24,30の位置および姿勢を取得する。プローブの位置とは、プローブの代表点(例えば、取り付けられたリフレクタ)の座標であり、姿勢とはプローブの中心軸線の延びる方向と向きである。2個のプローブ24,30の位置および姿勢に基づき、それぞれのプローブが生成する超音波ビームの方向と向きを把握することができる。統合制御部38は、2個のプローブ24,30の位置および姿勢に基づき、それぞれのプローブ24,30が生成する超音波ビームの位置関係を把握するようにできる。そして、表示部34において、観測プローブ30で取得された超音波画像上に、誘導プローブ24が生成したカテーテル誘導のための超音波ビームを模したマークを重畳して表示を行うようにできる。超音波ビームを模したマークは、例えば、超音波ビームの軸線を表す直線とすることができる。
図1に示された送信制御部26、送受信制御部32、表示部34および統合制御部38のブロックは機能ごとに記載したものであり、物理的な構成を限定するものではない。各部を全てを又は一部を一体に設けてもよく、別個に設けてもよい。
図2は、超音波によるカテーテル10の誘導の様子を示す図である。物体に対し超音波を放射すると、物体に超音波の放射圧が作用し、超音波放射力(以下、放射力と記す。)と呼ばれる力が発生する。カテーテル10に向けて超音波を放射することにより、放射力によってカテーテル10を動かすことができる。図2(a)には、カテーテル10の先端が血管の分岐点18tに達した状態が示されている。このとき、誘導プローブ24からカテーテル10の先端付近に向けて超音波ビームを放射すると、放射力によってカテーテル10の先端が移動する。誘導プローブ24から放射される超音波ビームを以降、誘導ビーム42と記す。
図2(b)は、誘導ビーム42によってカテーテル10の先端が移動した状態の一例を示している。誘導ビーム42を、その軸線がカテーテル10と交差するように、カテーテル10に向けて放射すると、カテーテル10には誘導ビーム42の向きに放射力が発生し、カテーテル10は、この向きに移動する。誘導ビーム42をカテーテル10の先端部に向けて放射すると、図2(b)に示すようにカテーテル10の先端が曲げられる。これにより、カテーテル10の先端は、分岐後の血管の一方である血管18bに向く。誘導ビーム42をカテーテル10のより広い範囲に放射するようにした場合には、カテーテル10はカテーテルの軸線に交差する方向に並進する。この並進によって、カテーテル10の先端を、分岐後の一方の血管18bの入口に対向するよう制御することができる。このように、誘導ビーム42によって、カテーテル10の位置または姿勢を変えることができる。
誘導ビーム42により屈曲した、または並進したカテーテル10を、血管18に沿って更に送ると、カテーテル10の先端は、図2(c)に示すように血管18bに進入する。このようにして、カテーテル10を、分岐した一方の血管18bへと誘導することができる。カテーテル10を、もう一方の血管18cに誘導したい場合は、誘導ビーム42を図2とは反対側(図中下側)から放射すればよい。
誘導ビームの軸線を、カテーテル10に交差しないようにしてその側方を通るようにした場合、カテーテル10に、誘導ビームから離れる方向、つまり誘導ビームに対して側方に放射力を発生させることができる。例えば、図2において、紙面に直交する方向から分岐点18tのやや上の位置に向けて誘導ビームを放射すると、カテーテル10には、誘導ビームから離れる方向である下向きの放射力が発生する。これを利用すれば、誘導プローブ24を、図において分岐点18tの上方に配置できず、上方から誘導ビームを放射できない場合でも、カテーテル10を下方の血管18bに向けることができる。
観測プローブ30から放射される超音波ビームは、走査されているのでカテーテル10に作用する時間が短く、カテーテル10を動かすには至らない。したがって、カテーテル10の位置および姿勢を観測しながらカテーテル10の誘導をすることができる。
図3は、超音波ビームの他の例を示す図である。前出の誘導ビーム42は、超音波を連続的に放射して得たものであるが、これに替えて、誘導ビームを、音波または超音波のパルス波を間隔をあけて繰り返し放射したものとすることができる。繰り返し放射されるパルス波からなる誘導ビーム43の一例が図3に示されている。一つのパルス波の長さはLであり、その送信間隔(繰り返し周期)はTである。送信制御部の制御により、パルス波の長さLと送信間隔Tを変更することができる。パルス波の長さLと送信間隔Tを制御することにより、カテーテル10を、カテーテル10の屈曲に関する固有振動数付近で加振してカテーテル10の振幅を大きくすることができる。大きく屈曲させることにより、大きく曲がった血管内の誘導が容易になる。また、カテーテル10の振動を利用して、血管を損傷させる治療を行うこともできる。
図3は、がん組織等の治療の対象組織Cにカテーテル10を挿入し、パルス波からなる誘導ビーム43をカテーテル10に放射している状態を示している。図3(b)は、図3(a)のカテーテル10の先端部分を拡大した図である。誘導ビーム43のパルス波の長さL、送信間隔Tを調節し、カテーテル10の先端を共振させる。図3(b)に示されるように、共振したカテーテル10の先端が血管壁を損傷させ、薬剤が対象組織Cに浸透しやすくすることができる。カテーテル10が共振状態となったかは、超音波画像装置28による観測により確認することができる。超音波画像装置28により取得された超音波画像を観察しつつ、パルス波の長さLおよび送信間隔Tを調整する。
カテーテル10の先端を効果的に曲げるために、先端部の音響抵抗を大きくし、より大きな放射力が発生するようにすることができる。また、カテーテル10の柔軟性を高め、同じ放射力でより大きく曲がるようにすることもできる。
カテーテル10の先端部の音響抵抗を大きくするには、例えば、カテーテルの長さ当たりの表面積を先端部で、他の部分より大きくすればよい。表面積を大きくしたことにより、カテーテルの長さ当たりの発生する放射力が大きくなる。
図4には、カテーテルの一例であるカテーテル10Aが示されている。カテーテル10Aは、先端部にカテーテル10Aの軸線に直交する平面内において全方向に膨らんだ立体的膨出部44を有している。この立体的膨出部44により、カテーテル10Aの軸線方向(Z方向)の長さ当たりの、誘導ビーム42が作用する面積が増加する。これにより、カテーテル10Aの立体的膨出部44以外の部分である軸部46より、立体的膨出部44に発生する長さ当たりの放射力が大きくなり、直径が一様なカテーテルよりも大きく曲がるものとなる。軸部46の断面形状は、外径1mm以下の円形とすることができる。立体的膨出部44の概形は、例えば球、回転楕円体とすることができる。
図5には、先端部で表面積を大きくしたカテーテルの他の例であるカテーテル10Bが示されている。カテーテル10Bは、先端部にカテーテル10Bの軸線を含む一つの平面内で膨らんだ平面的膨出部48,50を有している。図5においては、平面的膨出部48はXZ平面内においてX方向に膨出し、平面的膨出部50は−X方向に膨出している。平面的膨出部48,50は、半円形や弓形の平板形状とすることができる。これにより、カテーテル10Bの軸部46より、平面的膨出部48,50に発生する長さ当たりの放射力が大きくなり、直径が一様なカテーテルよりも大きく曲がるようになる。軸部46の断面形状は、外径1mm以下の円形とすることができる。また、平面的膨出部を複数組み合わせて配置することもできる。例えば、XZ平面内に配置される平面的膨出部と、YZ平面内に配置される平面的膨出部を組み合わせるようにしてもよい。
図6には、先端部で表面積を大きくしたカテーテルの更に他の例であるカテーテル10Cが示されている。カテーテル10Cは、先端に、螺旋状に巻かれた螺旋部52を有している。カテーテル10Cを構成する線状材の直径は、螺旋部52においても軸部46と同一にできる。線状材の外径は例えば1mm以下とすることができる。螺旋部52を設けたことで、カテーテル10Cの軸線方向(Z方向)の長さ当たりの表面積が、先端部において大きくなる。これにより、螺旋部52以外の軸部46より、螺旋部52に発生する長さ当たりの放射力が大きくなり、直径が一様なカテーテルよりも大きく曲がるようになる。
図7には、先端部の音響抵抗を大きくする他の例が示されている。カテーテル10Dは、全長にわたって外径がほぼ一様であるが、先端部において、その断面形状がエッジ55を有するエッジ断面部54を有する。エッジ断面部54以外の軸部46の断面は、円形、楕円形などの滑らかな形状とすることができる。軸部46の断面形状は、例えば外径1mm以下の円形とすることができる。エッジ55を有する断面形状は、例えば断面形状を多角形とすることにより達成される。断面における多角形の各頂点がエッジ55となる。図7に示す例では、ひねりを加えることにより、エッジ55を螺旋に形成している。これにより、誘導ビーム42をどの方向から受けても同様の放射力を発生させることができる。ひねりを加えず、エッジ55が軸線方向(Z方向)に沿って延びるようにすることもできる。エッジ55部分を回り込む超音波は、円弧など滑らかな部分に沿って通過する場合に比べて大きな抵抗を受ける。このため、エッジ断面部54に発生する長さ当たりの放射力は、軸部46に比べて大きくなり、断面形状が一様な場合に比べて大きくカテーテルを曲げることができる。
図8,9には、カテーテルの先端部を曲がりやすくするための他の例が示されている。先端部を曲がりやすくするために、先端からやや離れた位置に、曲げ剛性の低い部分を設けている。図8のカテーテル10Eでは、先端からやや離れた位置に径の細い小径部56を設けている。カテーテル10Eは、一様の材質で構成されているが、小径部56は、他の部分に対して外径が小さくなっており、曲げ剛性が低い。このため、小径部56より先の部分(先端部)に放射力が発生すると、一様な外径の場合に比べて先端部がより大きく曲がる。なお、カテーテル10Eでは小径部56を2箇所設けたが、その数は1箇所でも3箇所以上でもよい。カテーテル10Eの、小径部56以外の部分の外径は、1mm以下とすることができる。
図9のカテーテル10Fは、外径は一様であるが、先端からやや離れた位置に、他の部分より柔らかい材料で形成された柔軟部58を有している。柔軟部58は、他の部分に比べて曲げ剛性が低い。このため、柔軟部58より先の部分(先端部)に放射力が発生すると、一様な材料の場合に比べて先端部がより大きく曲がる。なお、カテーテル10Fでは柔軟部58を2箇所設けたが、その数は1箇所でも3箇所以上でもよい。カテーテル10Fの外径は1mm以下とすることができる。
図10,11に示すカテーテル10G,10Hは、カテーテルを曲げることによって、所望の向きに向けるのではなく、軸線回りに回転させることによって、向きを制御するものである。図10に示すカテーテル10Gは、カテーテル10の軸線方向(Z方向)に対し、角度θで曲げられている屈曲先端部60を有する。屈曲先端部60以外の部分である軸部46と屈曲先端部60が含まれる平面に交差する方向に放射力が作用するように誘導ビームを放射すると、カテーテル10Gが軸線回りに回動し、先端が図中の矢印のように旋回する。この旋回によりカテーテル10Gの先端部の向きを変えることができる。このカテーテル10Gは、少なくとも屈曲先端部60およびこれに続く軸部46の一部分に関し、誘導ビームを受けてもたわまず、先端が旋回する程度に剛性の高い材料で構成することが好ましい。カテーテル10Gを構成する線状材は、外径1mm以下の円形断面のものとすることができる。図11に示すカテーテル10Hは、前記のカテーテル10Gに対して、先端に膨出部62を付加したものである。膨出部62は、図4のカテーテル10Aに設けられたものと同じ、または類似の立体的な形状としてもよく、あるいは図5のカテーテル10Bに設けられたものと同じ、または類似の平面的な形状としてもよい。膨出部62を設けることで、より大きな放射力が発生し、カテーテル10Hをより容易に旋回させることができる。カテーテル10Hの膨出部62以外の部分の断面形状は、外径1mm以下の円形断面とすることができる。
挿入体を生体内に挿入する場合には、以下のようにする。
挿入体を生体内へ挿入する。次に、生体内の挿入体に対し音波を放射し、放射された音波の放射圧により挿入体の位置または姿勢を変化させる。そして、位置または姿勢が変化した挿入体を更に挿入する。
または、次のように挿入することができる。まず、挿入体を生体内へ挿入する。次に、生体内の挿入体に対し音波を放射し、放射された音波の放射圧により挿入体の位置または姿勢を変化させて、挿入体の挿入方向を選択する。そして、挿入体を選択された方向に更に挿入する。
または、次のように挿入することができる。まず、挿入体を生体内へ挿入する。次に、生体内の挿入体に対し音波を放射し、放射された音波の放射圧により挿入体の位置または姿勢を変化させて挿入体を誘導する。
挿入体を挿入する過程において、挿入体の位置および姿勢を観測するようにできる。
以上に述べたカテーテルシステム12においては、誘導プローブ24、すなわち放射圧生成手段を1個備えていたが、複数備えるようにすることもできる。また、体外から超音波を送信する例を挙げたが、プローブを体内、例えば食道や胃に挿入し、そこから超音波送信をするようにもできる。体内、体外に配置されたプローブを組み合わせて使用することもできる。
10 カテーテル、12 カテーテルシステム、14 誘導装置、16 生体、20 ガイドチューブ、24 誘導プローブ、30 観測プローブ、40 三次元測量機、44 立体的膨出部、48,50 平面的膨出部、52 螺旋部、54 エッジ断面部、56 小径部、58 柔軟部、60 屈曲先端部。

Claims (5)

  1. 生体中の血管内に挿入される線状部分を有し、前記線状部分の外径が1mm以下である挿入体としてのカテーテルと、
    前記生体の表面に当接されて、前記生体外から前記生体内に挿入された前記線状部分の先端部または前記先端部の側方に対し指向性をもった超音波ビームである誘導ビームを放射するプローブであって、前記誘導ビームの放射圧を作用させることによって前記線状部分の前記先端部を、前記血管の分岐点において分岐後の一方の血管へ誘導する誘導プローブと、
    前記誘導プローブによる前記誘導ビームの放射を制御する誘導用送信制御部と、
    を有する、挿入体システム。
  2. 請求項1に記載の挿入体システムであって、前記カテーテルは、前記線状部分の前記先端部が屈曲している、挿入体システム。
  3. 請求項1または2に記載の挿入体システムであって、さらに、
    前記生体の表面に当接されて、前記血管内に挿入された前記カテーテルを含む領域に対し観測用超音波ビームを送受する観測プローブと、
    前記観測プローブによる超音波の送受を制御し、前記観測プローブが受信した受信信号に基づき超音波画像データを生成する観測用送受信制御部と、
    前記超音波画像データに基づき、前記カテーテルの位置および姿勢を示す超音波画像を表示する表示部と、
    前記誘導用送信制御部と前記観測用送受信制御部を統合して制御する統合制御部と、
    を有する、挿入体システム。
  4. 請求項3に記載の挿入体システムであって、
    前記統合制御部は、
    前記誘導ビームと前記観測用超音波ビームが干渉しないように、前記誘導用送信制御部による前記誘導ビームの放射タイミングと、前記観測用送受信制御部による前記観測用超音波ビームの放射タイミングを制御する、
    挿入体システム。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の挿入体システムであって、生体内に挿入される管状体を更に有し、前記カテーテルは管状体の管内を延びる、挿入体システム。
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