以下、本発明に係る受電装置、受電方法及び電力伝送システムの実施形態(以下、「本実施形態」という)について、図面を参照して説明する。本実施形態の電力伝送システム50は、1次側としての送電装置10と2次側としての受電装置20とを含む構成である(図1参照)。
本実施形態の送電装置10は、送電装置10に設けられた所定の載置面(不図示)上に物体(例えば受電装置20又は金属異物MTB)が載置(搭載)されたことを検知し、この物体との間の認証処理が成功し、更に、載置された物体が金属異物MTBではないことを検知した場合に、受電装置20に対して非接触で電力を送電(伝送)する。受電装置20は、送電装置10から送電(伝送)された電力を用いて充電池の一例としてのバッテリに充電する。
なお、以下の説明において、非接触充電では、1次側とは電力を送電する側を示し、2次側とは電力を受電して充電する側を示す。また、電力を供給する処理を「給電」と記載し、電力を充電池(バッテリ)にためる処理を「充電」と記載し、特段の説明が無い限り、両者を使い分けて説明する。
図1は、本実施形態の電力伝送システム50のシステム構成の一例を示すブロック図である。送電装置10は、例えばクレードル等の充電台であり、具体的には、コントロールCPU(Central Processing Unit)11と、給電IC(Integrated Circuit)12と、ドライブ回路13と、インバータ回路14と、LPF(Low Pass Fileter)15と、搭載検知回路16と、共振用コンデンサ17と、異物検知回路18と、送電コイルTxCとを含む構成である。
また、受電装置20は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末等のデータ通信機器であり、具体的には、受電コイルRxCと、共振用コンデンサ21と、整流平滑回路22と、DC(Direct Current)/DC23と、チャージャ24と、給電IC25と、定電流回路26と、2つのタイマー回路TM1,TM2とを含む構成である。
(送電装置の構成)
コントロールCPU11は、送電装置10を構成する各部の動作を全体的に統括するための制御処理、送電装置10を構成する各部との間の信号処理、その信号処理結果を用いた判断処理(例えば、搭載検知、認証完了の判断、給電の停止、給電の停止時におけるリセット処理、異物検知)、又は各部への指示処理を行う。また、コントロールCPU11は、送電装置10におけるインピーダンスを監視している。
給電IC12は、コントロールCPU11からの指示に応じて、送電装置10から受電装置20への電力の送電(給電)処理と、送電装置10と受電装置20との間の認証処理とを主に制御し、例えばドライブ回路13の動作に必要な電圧をドライブ回路13に供給する。また、送電電流制御部の一例としての給電IC12は、送電装置10の載置面に金属異物MTBが載置されたことがコントロールCPU11により判断された場合には、所定期間(具体的には、図7に示す時刻t1〜t5)にわたって間欠的な送電電流の出力周期を増加させ、例えば5[ミリ秒]から100[ミリ秒]に切り替える(図7参照)。
なお、以下の説明において、送電装置10の所定の載置面の近くには、送電コイルTxCが配設され、受電装置20が載置面に接近すると、送電コイルTxCと受電コイルRxCとの間で電力の送電が開始される前に、送電装置10と受電装置20との間で認証処理が行われる。
また、給電IC12は、包絡線検波部12aを有し(図9(A)参照)、後述する搭載検知回路16からの出力(即ち包絡線検波部12aの出力を示す検波電圧V3)を搭載検知回路16に供給する。搭載検知回路16の詳細な回路構成例については、図9(A)及び(B)を参照して後述する。なお、後述するように、異物検知回路18への動作指示はコントロールCPU11から与えられるが、給電IC12から与えられても良い。
なお、本実施形態では、コントロールCPU11と給電IC12とは別々に構成されているが、どちらか一方が他方に含まれた構成としても良い。言い換えると、給電IC12はコントロールCPU11の内部に含まれるように構成されても良いし、コントロールCPU11は給電IC12の内部に含まれるように構成されても良い。
また、受電装置20が送電装置10の所定の載置面上に載置されたことが搭載検知回路16により判断された後、受電装置20の定電流回路26が動作する期間(具体的には、図6に示す時刻t1〜t3)に流れる定電流に基づいて、電流値が連続的に一定となる送電電流Iが送電装置10において流れる。このため、給電IC12は、この連続的な送電電流Iに所定の認証信号を重畳させた伝送信号を送電コイルTxCから送電させる。給電IC12は、認証信号としては、例えば所定の信号をASK(Amplitude Shift Keying )又はFSK(Frequency Shift Keying)を施して生成する。なお、給電IC12は、所定の信号にASKやFSKを施して認証信号を生成する以外に、送電装置10であることを識別させるための所定のIDを認証信号として用いても良い。これにより、給電IC12は、簡易に認証信号を生成することができる。
ドライブ回路13は、直流電源又は商用の交流電源からの電流(送電電流I)に応じて、インバータ回路14を動作させるためのクロック信号(言い換えると、インバータ回路14がDC信号をAC(Alternative Current)信号に変換する際に用いるDC信号(矩形波)の周波数を決定するための信号)を生成してインバータ回路14に出力する。なお、ドライブ回路13は、インバータ回路14の内部に含まれるように構成されても良い。
インバータ回路14は、送電電流IのDC信号をAC信号に変換してLPF15に出力する。
LPF15は、インバータ回路14の出力(送電電流IのAC信号)の低周波成分(例えばDC成分)を遮断して共振用コンデンサ17に出力する。なお、LPF15の出力は、電圧に変換されて、入力電圧V7として搭載検知回路16に供給される。
載置検知部の一例としての搭載検知回路16は、図2(B)に示す搭載検知区間に対応する第1所定時間Td1の間では、受電装置20又は金属異物MTB(図7参照)が所定の載置面上に載置されたか否かを判断し、所定の条件(即ち、後述する出力電圧V6の値の条件)が成立した場合に、受電装置20又は金属異物MTB(図7参照)が所定の載置面上に載置されたことを検知する。ここで、搭載検知回路16の詳細な回路構成例について、図9(A)及び(B)を参照して説明する。
図9(A),(B)は、搭載検知回路16の回路構成の一例を示す図である。搭載検知回路16は、図9(A)に示す第1搭載検知回路部16aと図9(B)に示す第2搭載検知回路部16bとを含む構成である。図9(A)に示す第1搭載検知回路部16aは、増幅器と2つの抵抗(例えば抵抗値R1=49.9[kΩ]の抵抗と抵抗値R2=7.5[kΩ]の抵抗)とが直列に接続された構成である。
図9(A)において、LPF15の出力としての入力電圧V7は、2つの抵抗の抵抗値R1,R2の分圧比によって、電圧V_DETINとして給電IC12の包絡線検波部12aに入力される。包絡線検波部12aでは、電圧V_DETINの包絡線が検波され、検波出力としての電圧V_DETOUTが検波電圧V3として第2搭載検知回路部16bに入力される。検波電圧V3と入力電圧V7との関係は、例えば数式(1)により示される。
図9(B)において、検波電圧V3は、抵抗(例えば抵抗値R3=7.5[kΩ])を介してコンパレータCMPの反転入力端子に入力され、電源電圧が降圧された基準電圧V4が2つの抵抗の抵抗値R6,R5との分圧比によって、基準分圧電圧V5がコンパレータCMPの非反転入力端子に入力される。コンパレータCMPと抵抗(例えば抵抗R4=7.5[kΩ])とによって、第2搭載検知回路部16bは、出力電圧V6に関する情報を給電IC12に出力する。
ここで、図9(B)において、基準分圧電圧V5と基準電圧V4との関係は、例えば数式(2)により示されるが、抵抗値R6,R5との分圧比をk1とすると(数式(3)参照)、数式(4)により示される。また、基準分圧電圧V5と出力電圧V6との関係は、例えば数式(5)により示される。数式(5)において、k2は抵抗値R4,R3の比率を示す(数式(6)参照)。
また、図9(A)において、抵抗値R1,R2との分圧比をk1とすると(数式(7)参照)、数式(1)は数式(8)により示されるので、出力電圧V6と入力電圧V7との関係は数式(9)により示される。
このように、搭載検知回路16は、数式(9)により算出された出力電圧V6に関する情報を給電IC12に出力する。給電IC12は、出力電圧V6が例えば1.1を超える場合には(V6>1.1)、スタンバイ状態(即ち、送電装置10の載置面には何も載置されていない状態)であると判定し、一方、出力電圧V6が例えば1.0未満である場合には(V6≦1.0)、搭載検知状態(即ち、送電装置10の載置面には受電装置20又は受電装置20以外の物体の一例としての金属異物が載置された状態)であると判定する。
なお、以下の説明では、搭載検知状態には、厳密には搭載されていなくても載置面に接近している状態が含まれても良いとする。
なお、載置検知部の一例としての搭載検知回路16は、受電装置20が送電装置10の載置面に載置された場合には、後述する受電装置20の定電流回路26が動作する期間(具体的には、図6に示す時刻t1〜t3)に流れる定電流に基づいて送電装置10のインピーダンスが小さくなるように変化するので、例えばコントロールCPU11から得られるインピーダンスの監視値に応じて、搭載検知状態(即ち、送電装置10の載置面には受電装置20又は受電装置20以外の物体の一例としての金属異物が載置された状態)であると判定しても良い。
また、搭載検知回路16は、LPF15の出力に相当する入力電圧V7を用いて、スタンバイ状態又は搭載検知状態のいずれであるかを判定しても良い。但し、入力電圧V7は包絡線検波部12aにより包絡線検波が施されていない電圧であるため、搭載検知回路16は、LPF15の出力に相当する入力電圧V7を用いて、スタンバイ状態又は搭載検知状態のいずれであるかを判定するよりも、出力電圧V6を用いることで、スタンバイ状態又は搭載検知状態のいずれであるかを高精度に判定することができる。
共振用コンデンサ17は、例えば2つのコンデンサが並列接続された構成であり、送電コイルTxCとの間で共振作用を起こす。共振用コンデンサ17のコンデンサの容量値は、送電コイルTxCのインダクタンス値とで共振周波数が定められるように設定されている。
異物検知回路18は、直流電源からの直流電流又は商用の交流電源(不図示)からの交流電流が整流された直流電流を示す送電電流Iを監視しており、コントロールCPU11又は給電IC12からの指示に応じて、例えば図2(B)に示す異物検知区間に対応する第2所定時間Td2の間では、後述する受電装置20のタイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時する間(具体的には図6に示す時刻t3〜t4)の送電電流Iの監視結果をコントロールCPU11に出力する。
コントロールCPU11は、異物検知回路18における送電電流Iの監視結果と、コントロールCPU11自身で判断する送電装置10と受電装置20との間の認証完了の有無(言い換えると認証処理の成否)とを基に、送電装置10の載置面に受電装置20以外の金属異物が載置されたか否かを判定する。なお、コントロールCPU11と異物検知回路18とにより、異物載置判断部が構成される。
また、異物検知回路18は、送電電流Iを監視する場合に限らず、他のパラメータ(例えば温度)を監視し、温度の監視結果をコントロールCPU11に出力しても良い。この場合、コントロールCPU11は、異物検知回路18における温度の監視結果と所定の温度閾値との比較結果を基に、送電装置10の載置面に受電装置20以外の金属異物が載置されたか否かを判定する。
送電コイルTxCは、LPF15の出力に応じた間欠的な送電電流I若しくは連続的な送電電流Iに応じた電力(送電電力)、又はLPF15の出力に応じた間欠的な送電電流I若しくは連続的な送電電流Iに応じた電力(送電電力)に所定の認証信号が重畳された伝送信号を非接触で送電する。
(受電装置の構成)
受電コイルRxCは、受電装置20が送電装置10の載置面に接近した場合又は載置面に載置された場合に、送電コイルTxCから送電された電力の信号又は伝送信号を非接触で受電する。送電コイルTxCからの非接触な電力の送電によって受電コイルRxCに誘起された電圧(誘起電圧)が共振用コンデンサ21を介して整流平滑回路22に入力される。
共振用コンデンサ21は、例えば2つのコンデンサが並列接続された構成であり、受電コイルRxCとの間で共振作用を起こす。共振用コンデンサ21のコンデンサの容量値は、受電コイルRxCのインダクタンス値とで共振周波数が定められるように設定されている。
整流平滑回路22は、整流回路と平滑回路とを含む構成であり、受電コイルRxCにおいて受電された電力の信号又は伝送信号に対して整流処理及び平滑処理を行う。図2(B)に示すように、受電装置20が送電装置10の載置面に接近すると、送電装置10における送電電流Iは増加するので、整流平滑回路22の出力(例えば整流平滑出力電圧V2)が増加する。
DC/DC23は、不図示のスイッチング素子を有し、給電IC25からの動作制御信号に応じて、オン又はオフを切り替える。例えば、DC/DC23は、オン状態である場合には、整流平滑回路22の出力を基に、送電装置10から送電された電力を充電池の一例としてのバッテリに充電するために必要な所定の直流電圧、又は受電装置20のシステム(コンピュータシステム)の動作に必要な所定の直流電圧に変圧(降圧)する。一方、DC/DC23は、オフ状態である場合には、整流平滑回路22の出力が入力されない。
チャージャ24は、DC/DC23により変圧(降圧)された直流電圧に従って、バッテリを充電したり、受電装置20のシステムを動作させたりする。
給電IC25は、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1の計時を開始した後、送電装置10から送電された伝送信号に含まれる電力の信号と認証信号とに分離する。また、認証部の一例としての給電IC25は、認証信号を用いて、送電装置10と受電装置20との間の認証処理を行う。
また、給電IC25は、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1を計時した後(言い換えると、第1所定時間Td1の計時を終了した後)であって、タイマー回路TM2に対して第2所定時間Td2の計時を指示し、更に、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2の計時を開始した後、DC/DC23をオフ状態に切り替えることで、受電コイルRxCとDC/DC23との間を非導通状態(オフ状態)に切り替える。
一方、給電IC25は、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時した後(言い換えると、第2所定時間Td2の計時を終了した後)、DC/DC23をオン状態に切り替えることで(図2(B)参照)、送電装置10から送電された電力を用いて、受電コイルRxCとの間が導通状態(オン状態)となったDC/DC23を介して、チャージャ24に対しバッテリへの充電を行わせる。
定電流回路26は、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1を計時する間、タイマー回路TM1からの動作制御信号を受けることで、所定の定電流が流れる(図5参照)。ここで、定電流回路26の回路構成例について、図5を参照して説明する。
図5は、定電流回路26の構成例を示す図である。図5に示す定電流回路26は、例えば第1トランジスタ素子FT1と定電流素子CT1と第2トランジスタ素子FT2と270[Ω]の抵抗値を有する抵抗とが直列接続された回路と、第3トランジスタ素子FT3と10[Ω]の抵抗値を有する抵抗とが直列接続された回路とが並列接続された構成である。第2トランジスタ素子FT2と第3トランジスタ素子FT3とは、各々のゲート端子が接続されたカレントミラー回路を構成する。
タイマー回路TM1は、送電装置10と受電装置20との間の認証処理のために、一定期間(例えば第1所定時間Td1)において、定電流回路26を動作させる。定電流回路26が動作すると受電装置20には定電流が流れるので、定電流が流れることによって、受電装置20が接近した又は載置面に載置された送電装置10のインピーダンスが小さくなるように変化し、送電装置10における送電電流Iが大きくなる。これにより、認証信号と電力の波形(例えば矩形波)との相違が鮮明になり、受電装置20の給電IC25は、電力の信号と認証信号とを高精度に分離することができ、認証処理を簡易に行うことができる。
図5において、整流平滑出力電圧V2が一定値を超えると、タイマー回路TM1は動作を開始することができる。このため、タイマー回路TM1は、第1所定時間Td1の計時を開始し、定電流回路26をオンさせるための動作制御信号を第1トランジスタ素子FT1のゲート端子に入力させる。
第1トランジスタ素子FT1は、タイマー回路TM1からの動作制御信号がHi(ハイ)又はLo(ロー)のいずれかであるかに応じて、定電流回路26の動作のオン又はオフを切り替えるためのスイッチング素子である。
タイマー回路TM1が第1所定時間Td1の計時を開始してから、第1所定時間Td1の計時が終了するまでの期間、又は送電装置10と受電装置20との間の認証処理が成功するまでの期間では、タイマー回路TM1からの動作制御信号はHi状態となるので、定電流回路26は動作し、270[ミリA]の定電流が流れる。一方、第1所定時間Td1の計時が終了した後、又は送電装置10と受電装置20との間の認証処理が成功した後では、タイマー回路TM1からの動作制御信号はLo状態となるので、定電流回路26は動作を停止し、定電流は流れない。
図2(A)は、受電装置20の2つのタイマー回路TM1,TM2、定電流回路26、DC/DC23の接続関係の一例を示す図である。図2(B)は、送電装置10における搭載検知区間及び異物検知区間の説明図である。図2(B)の横軸は時間を示し、図2(B)の縦軸は送電装置10における送電電流Iの大きさを示す。図2(B)に示す点線は、搭載検知閾値Ith1を示す。搭載検知閾値Ith1は、送電装置10の載置面に何かしらの物体(例えば受電装置20又は金属異物MTB)が載置されたか否かを判定するために設けられた閾値である。
タイマー回路TM1が第1所定時間Td1を計時する前(言い換えると、受電コイルRxCが送電コイルTxCに接近する前)では、送電装置10における送電電流は間欠的な電流であり、この送電電流の大きさは、送電装置10から受電装置20に電力が送電された場合にタイマー回路TM1を動作させる(言い換えると、整流平滑出力電圧V2が一定値を超える)程度の大きさである。
タイマー回路TM1は、整流平滑出力電圧V2が一定値を超えると、第1所定時間Td1の計時を開始して第1所定時間Td1を計時する。上述したように、タイマー回路TM1は、第1所定時間Td1を計時する間、定電流回路26の動作をオンさせるための動作制御信号を定電流回路26に出力する。本実施形態では、第1所定時間Td1は、例えば1[秒]であり、送電装置10の載置面に受電装置20又は金属異物が搭載されたか否かが判定される搭載検知区間としての役割を有する。
なお、第1所定時間Td1の開始タイミングは、送電装置10の送電コイルTxCに受電装置20の受電コイルRxCが接近した時(図2(A)に示す時刻t0参照)、又は送電装置10の載置面に受電装置20が載置された時である(図6に示す時刻t1参照)。
タイマー回路TM2は、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1の計時を終了した時(図2(A)又は図6に示す時刻t3参照)、又は送電装置10と受電装置20との間の認証処理が成功した時(図6に示す時刻t2参照)、第2所定時間Td2の計時を開始して第2所定時間Td2を計時する。本実施形態では、第2所定時間Td2は、例えば0.5[秒]であり、送電装置10の載置面に搭載された物体が異物であるか否かが判定される異物検知区間としての役割を有する。
次に、受電装置20の2つのタイマー回路TM1,TM2、定電流回路26及びDC/DC23の第1所定時間Td1、第2所定時間Td2が計時される間又はその前後の動作について、図3(A)、図3(B)及び図4を参照して説明する。
図3(A)は、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1を計時する間の動作例を示す説明図である。図3(B)は、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1を計時し終えた後であってタイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時する間の動作例を示す説明図である。図4は、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1を計時し終えた後であって、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時し終えた後の動作例を示す説明図である。
図3(A)において、整流平滑出力電圧V2が一定値を超えると、タイマー回路TM1は動作を開始する。タイマー回路TM1が第1所定時間Td1を計時する間では、タイマー回路TM1から定電流回路26の動作をオンさせるための動作制御信号が定電流回路26に入力されるので、定電流回路26に定電流が流れる(図5参照)。
図3(B)において、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1の計時を終えた後であって、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時する間では、定電流回路26の動作がオフ状態であるため、整流平滑出力側から見れば定電流回路26側の(入力)インピーダンスが高くなり、整流平滑出力の電流(整流平滑出力電流)はDC/DC23に入力される。しかし、給電IC25は、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時する間では、DC/DC23をオフ状態に切り替える。このため、受電装置20ではバッテリが充電されない。
図4では、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2の計時を終えた後、給電IC25はDC/DC23をオン状態に切り替える。このため、整流平滑出力電流は、DC/DC23を介してチャージャ24側に流れるので、受電装置20ではバッテリが充電される。
(受電装置が送電装置の載置面上に載置される場合の電力伝送システムの動作)
次に、受電装置20が送電装置10の載置面上に載置される通常動作時の送電装置10の時系列的な動作手順について、図6を参照して説明する。図6は、受電装置が送電装置の載置面上に載置される通常動作時の送電装置における送電電流の監視、搭載検知、認証完了の各動作の一例を示すタイムチャートである。
図6では、時刻t1(言い換えると、受電装置20が送電装置10の載置面上に載置されたことが検知された時刻)までは、送電装置10には、搭載検知閾値Ith1に満たない間欠的な送電電流Iが流れる(間欠送電)。間欠送電時の間欠的な送電電流Iの電流値は、受電装置20のタイマー回路TM1を起動させて送電装置10と受電装置20との間の認証処理を実行させるために必要な電流値であるという第1の役割と、受電装置20が送電装置10の載置面上に載置されたか否かの検知を開始させるための電流値であるという第2の役割とを有する。
また、ユーザによって受電装置20はいつのタイミングで送電装置10の載置面上に載置されるかが送電装置10は予測することができないので、送電装置10は、受電装置20が載置面上に載置されたことを検知する前では、連続的な送電電流Iを流す場合に比べて、間欠的な送電電流Iを流すことで送電装置10における消費電力の増大を抑制することができる。
給電IC12は、搭載検知回路16の出力電圧V6を基にして受電装置20又は金属異物MTBが送電装置10の載置面上に載置されたことを判定した場合(時刻t1参照)、給電IC12から所定の搭載検知割込み信号が出力される。搭載検知割込み信号の出力と同期するように、受電装置20では整流平滑出力電圧V2が一定値を超えるので、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1(例えば1[秒])の計時を開始する。
タイマー回路TM1が第1所定時間Td1を計時する間、送電装置10と受電装置20との間では認証処理が行われ、更に、受電装置20では定電流回路26が動作することで定電流が流れるので、送電装置10のインピーダンスが小さくなるように変化し、送電装置10における送電電流Iの電流値は間欠送電時の電流値よりも大きくなる。
送電装置10と受電装置20との間の認証処理が成功した場合(時刻t2参照)には、給電IC12から所定の認証完了割込み信号が出力される。認証完了割込み信号の出力と同期するように、受電装置20では給電IC25の指示により第2タイマー回路TM2が第2所定時間Td2(例えば0.5[秒])の計時を開始する。なお、給電IC25は、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1の計時を終了した場合に(時刻t3参照)、タイマー回路TM2の第2所定時間Td2(例えば0.5[秒])の計時を開始させても良い。
図6では、受電装置20が送電装置10の載置面上に載置される例が示されるため、送電装置10と受電装置20との間の認証処理が成功し、更に、第2タイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時する間では、定電流回路26は動作しないので、送電装置10における送電電流Iは搭載検知閾値Ith1を下回る。なお本実施形態では、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時する間(異物検知区間)では、搭載検知閾値Ith1は、異物が送電装置10の載置面上に載置されたか否かを判定するための異物検知閾値としての役割を有する。
タイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時する間では(時刻t3〜t4参照)、定電流回路26の動作はオフ状態であり、定電流回路26の動作がオン状態のときに比べて送電装置10のインピーダンスは大きくなるように変化するので、送電装置10における送電電流Iは搭載検知閾値Ith1未満となる。
このため、送電装置10は、金属異物MTBではなく受電装置20が載置面上に載置されたことを判定することができるので、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2の計時を終えた後、送電装置10では、一定の電流値を有する連続的な送電電流Iが流れる(時刻t4以降、連続送電)。
なお、図6において、送電装置10と受電装置20との間の認証処理は時刻t1〜t2の間に限定されず、時刻t4以降の連続的な送電電流Iが流れる場合に行われても良い。
(金属異物が単独で送電装置の載置面上に載置される場合の電力伝送システムの動作)
次に、金属異物MTBが単独で送電装置10の載置面上に載置される場合の送電装置10の時系列的な動作手順について、図7を参照して説明する。図7は、金属異物MTBが単独で送電装置10の載置面上に載置される場合の送電装置10における送電電流の監視、搭載検知、認証完了、異物検知の各動作の一例を示すタイムチャートである。図7の説明では、図6の説明と重複する内容の説明は簡略化又は省略し、異なる内容について説明する。
図7では、時刻t1において給電IC12は、搭載検知回路16の出力電圧V6を基にして受電装置20又は金属異物MTBが送電装置10の載置面上に載置されたことを判定することができるので、図6と同様に、送電装置10における送電電流Iの大きさは間欠送電時の送電電流Iの大きさより大きくなる。しかし、図7では金属異物MTBが送電装置10の載置面上に載置される場合の動作例が示されているので、送電装置10から認証信号が受電装置20に伝送されず、送電装置10と受電装置20との間の認証処理は失敗する。即ち、図7の時刻t1の時点では、認証完了割込み信号は給電IC12から出力されない。
そこで、送電装置10の給電IC12は、時刻t1から所定の期間(例えば時刻t1〜t5までの5[秒]の間)では、受電装置20が載置面に載置された場合に認証処理を成功し易くするために、時刻t1までの間欠送電時(間欠送電(5ms))の送電電流Iの出力周期(例えば5[ミリ秒])を増加させるように送電電流Iの出力周期(例えば100[ミリ秒])に切り替える(間欠送電(100ms))。
但し図7では、送電装置10のコントロールCPU11又は給電IC12は、時刻t1の時点では、送電装置10と受電装置20との間の認証処理が失敗しても、間欠送電(100ms)の期間(時刻t1〜t5)が終了するまでは、金属異物MTBが検知されたと判定しない。
時刻t1から所定の期間が経過して時刻t5になっても、送電装置10と受電装置20との間の認証処理が成功しない場合には、送電装置10のコントロールCPU11は、異物検知回路18からの出力を基に、時刻t1の時点で載置面に載置された物体は受電装置20ではなく金属異物MTBであると検知する。この場合には、給電IC12から所定の異物検知割込み信号が出力される。
時刻t5以降では、送電装置10のコントロールCPU11又は給電IC12は、出力周期100[ミリ秒]の間欠的な送電電流Iの出力を停止し、時刻t1以前のように出力周期5[ミリ秒]の間欠的な送電電流Iの出力に戻すように切り替える。但し、金属異物MTBが送電装置10の載置面上に載置されているために、送電装置10のインピーダンスが低下してしまい、時刻t5以降の送電電流Iは、時刻t1以前の送電電流Iに比べて大きくなる。
なお、図7に示す送電装置10の動作は、金属異物MTBが単独で送電装置10の載置面に載置される場合又は接近する場合の動作に限らず、受電装置20と非常に大きな金属異物MTBとがともに載置面に載置される場合又は接近する場合の動作に適用しても良い。受電装置20の受電コイルRxCに対して大きな金属異物MTBが受電装置20とともに載置されたり接近したりすると、認証信号が受電装置20に伝送されずに認証処理が失敗する可能性が高いためである。
(金属異物と受電装置とが送電装置の載置面上に載置される場合の電力伝送システムの動作)
次に、金属異物MTBと受電装置20とがともに送電装置10の載置面上に載置される場合の送電装置10の時系列な動作手順について、図8を参照して説明する。図8は、金属異物MTBと受電装置20とがともに送電装置10の載置面上に載置される場合の送電装置10における送電電流の監視、搭載検知、認証完了、異物検知の各動作の一例を示すタイムチャートである。図8の説明では、図6の説明と重複する内容の説明は簡略化又は省略し、異なる内容について説明する。
図8では、図7とは異なり、受電装置20の受電コイルRxCに対して小さい金属異物MTBが受電装置20とともに載置された場合又は接近した場合であるため、認証信号が受電装置20に伝送されて認証処理が成功する例が示されている。
更に図8の異物検知区間(時刻t3〜t4参照)では、受電装置20の定電流回路26の動作はオフ状態であるが、送電装置10の近くに金属異物MTBがあるため、送電装置10のインピーダンスは図6に示す異物検知区間(時刻t3〜t4参照)におけるインピーダンスよりも小さくなるように変化する。このため、図8の異物検知区間(時刻t3〜t4参照)における送電電流Iは、異物検知閾値としての役割を有する搭載検知閾値Ith1よりも大きい。
ただ図8では、送電装置10と受電装置20との間の認証処理が成功するので、受電装置20とともに金属異物MTBが送電装置10に載置されたり接近したりすると、送電装置10から連続送電によって大きな電力が送電されてしまい、金属異物MTBが発熱してしまい、実運用を考慮すると好ましくない。
そこで図8では、図6とは異なり、送電装置10の連続送電による金属異物MTBの発熱を抑制するために、給電IC12は、所定の認証割込み信号を出力してから所定の期間(例えば2.5[秒](=時刻t2〜t6までの0.5[秒]+時刻t6〜t7までの2.0[秒]))が経過すると、連続的な送電電流Iに応じた電力の送電(連続送電)を停止する(時刻t7参照)。時刻t2〜t6までの0.5[秒]は、例えばタイマー回路TM2が計時する第2所定時間Td2に対応する。時刻t6〜t7までの2.0[秒]は、送電装置10が一時的に連続送電を行うための所定猶予期間である。
つまり、給電IC12は、上述した2.5[秒]のうち前半の0.5[秒]では、金属異物MTBが載置されたか否かの一次的な判定を行い、後半の2.0[秒]では、金属異物MTBが載置されたか否かの二次的な判定を行う。時刻t7以降では、送電装置10のコントロールCPU11は、異物検知回路18からの出力を基に、時刻t1の時点で載置面に載置された物体は受電装置20と金属異物MTBとであると検知する。この場合には、給電IC12から所定の異物検知割込み信号が出力される。
時刻t7以降では、送電装置10のコントロールCPU11又は給電IC12は、時刻t4〜t7における連続的な送電電流Iの出力を停止し、時刻t1以前のように間欠的な送電電流Iの出力に戻すように切り替える。但し、金属異物MTBが送電装置10の載置面上に載置されているために、送電装置10のインピーダンスが低下してしまい、時刻t7以降の送電電流Iは、時刻t1以前の送電電流Iに比べて大きくなる。
以上により、本実施形態の電力伝送システム50では、送電装置10は、受電装置20のタイマー回路TM1の動作に必要最小限の間欠的な送電電流に応じた電力を非接触で送電し、受電装置20が所定の載置面上に載置されたことを検知する。受電装置20は、間欠的な送電電流に応じた電力を送電装置10から非接触で受電し、受電される電力に応じた誘起電圧(整流平滑出力電圧V2)が一定値を超えた場合に、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1を計時する間、タイマー回路TM1からの動作制御信号に応じて、定電流回路26において所定の定電流が流れる。また、送電装置10は、受電装置20において所定の定電流が流れたことで送電装置10のインピーダンスの変化に応じて、受電装置20が所定の載置面上に載置されたことを検知する。
これにより、電力伝送システム50では、送電装置10は、受電装置20のタイマー回路TM1の動作に必要最小限の間欠的な送電電流に応じた電力を非接触で送電するので消費電力の増大を抑制することができる。また、受電装置20は、送電装置10に接近した場合に、間欠的な送電電流に応じた電力を基にしてタイマー回路TM1が第1所定時間Td1を計時する間は定電流が流れるので、受電装置20に定電流が流れることによって送電装置10におけるインピーダンスの変化が大きくなることで、受電装置20が送電装置10の載置面に載置されたことを送電装置10に対して認識させることができる。
また、電力伝送システム50では、送電装置10は、受電装置20が所定の載置面上に載置されたことを検知した後、受電装置20において生じる所定の定電流に基づいて連続的な送電電流に応じた電力の信号に所定の認証信号を重畳した伝送信号を送電コイルTxCから送電する。また、受電装置20は、タイマー回路TM1が第1所定時間Td1の計時を開始した後、送電装置10から送電された伝送信号を基に、送電装置10との間で認証処理を行うので、受電装置20における認証信号の分離精度を向上することができ、送電装置10との間で高精度な認証処理を行うことができる。
また、電力伝送システム50では、受電装置20は、第1所定時間Td1の計時後又は送電装置10との間の認証が成功した後で、更に、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時し終えた後、第2所定時間Td2の間に送電装置10への載置物が受電装置20であることが送電装置10において判断されると送電コイルTxCから連続的な送電電流に応じた電力が送電されるので、受電コイルRxCとDC/DC23との間を導通させることで、DC/DC23を介したバッテリへの充電を安全に行うことができる。
また、電力伝送システム50では、送電装置10は、送電コイルTxCへの送電電流の大きさと、受電装置20との間の認証の成否との両方を基に、所定の載置面に受電装置20以外の金属異物MTBが載置されたことを検知することができ、更に、金属異物MTBが所定の載置面上に載置されたことを判断した後、所定期間にわたって間欠的な送電電流の出力周期を増加させるので、受電装置20との間の認証において伝送信号に含まれる認証信号の検知精度を向上させることができ、認証を効率的に行うことができる。
また、電力伝送システム50は、送電装置10は、受電装置20との間の認証が所定期間において失敗した場合には、間欠的な送電電流の出力周期を減少させるので、受電装置20又は金属異物MTBが載置面に載置されることを検知するまでの間に出力する送電電流の消費電力の増大を抑制することができる。
また、電力伝送システム50では、送電装置10は、出力周期が増加した後の送電電流が所定の異物検知閾値未満となった場合には、載置面に対して受電装置20が載置された可能性が高いために、間欠的な送電電流の出力周期を減少させることで消費電力の増大を抑制することができる。
また、電力伝送システム50では、送電装置10は、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時する間に送電コイルTxCへの送電電流の大きさが所定の搭載検知閾値Ith1(異物検知閾値)を超える場合には、送電装置10におけるインピーダンスが低下したと考えられるので、載置面に受電装置20以外の金属異物MTBが載置されたことを検知することができる。
また、電力伝送システム50では、送電装置10は、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時してから所定猶予期間(例えば2秒)が経過するまでの間の送電コイルTxCへの送電電流が搭載検知閾値Ith1(異物検知閾値)を超える場合には、送電装置10におけるインピーダンスが低下したままの状態が継続していると考えられるので、載置面に受電装置20以外の金属異物MTBが載置されたことを高い確度で検知することができる。また、送電装置10は、金属異物MTBが所定の載置面上に載置されたことを判断した場合に、タイマー回路TM2が第2所定時間Td2を計時してからの連続的な送電電流から間欠的な送電電流に切り替えるので、消費電力の増大を抑制することができる。
最後に、本発明に係る受電装置、受電方法及び電力伝送システムの構成、作用、効果について説明する。
本発明の一実施形態は、間欠的な送電電流に応じた電力を送電装置から非接触で受電する受電コイルと、前記受電コイルで受電される電力に応じた誘起電圧が所定値を超えた場合に、第1所定時間を計時する第1タイマー回路と、前記第1タイマー回路が前記第1所定時間を計時する間、前記第1タイマー回路からの動作制御信号に応じて、所定の定電流が流れる定電流回路と、を備える、受電装置である。
この構成によれば、受電装置は、間欠的な送電電流に応じた電力を送電装置から非接触で受電し、受電される電力に応じた誘起電圧が所定値を超えた場合に、第1タイマー回路が第1所定時間を計時する間、第1タイマー回路からの動作制御信号に応じて、定電流回路において所定の定電流が流れる。
これにより、受電装置は、送電装置に接近した場合に、受電装置の第1タイマー回路の動作に必要最小限の間欠的な送電電流に応じた電力を基にして第1タイマー回路が第1所定時間を計時する間は定電流が流れるので、受電装置に定電流が流れることによって送電装置におけるインピーダンスの変化を大きくなり、受電装置が送電装置の載置面に載置されたことを送電装置に対して認識させることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記第1タイマー回路が前記第1所定時間の計時を開始した後、前記所定の定電流に基づく連続的な送電電流に応じた電力の信号に所定の認証信号が重畳された伝送信号を基に、前記送電装置との間で認証する認証部、を更に備える、受電装置である。
この構成によれば、受電装置は、第1タイマー回路が第1所定時間の計時を開始した後、所定の定電流に基づいて送電装置からの連続的な送電電流に応じた電力の信号に所定の認証信号が重畳された伝送信号を基に、送電装置との間で認証するので、受電装置における認証信号の分離精度を向上することができ、送電装置との間で高精度な認証処理を行うことができる。
また、本発明の一実施形態は、前記誘起電圧を所定の直流電圧に変圧する直流変圧部と、前記第1所定時間の計時後又は前記送電装置との間の認証が成功した後、第2所定時間を計時する第2タイマー回路と、を更に備え、前記第2タイマー回路が前記第2所定時間を計時する間、前記受電コイルと前記直流変圧部との間は非導通である、受電装置である。
この構成によれば、受電装置は、第1所定時間の計時後又は送電装置との間の認証が成功した後、第2タイマー回路が第2所定時間を計時する間を、送電装置への載置物が金属異物か受電装置かを送電装置に判断させる異物検知区間として、この異物検知区間では受電コイルと直流変圧部との間を非導通にさせることで、受電装置における充電の開始を保留させることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記誘起電圧を所定の直流電圧に変圧する直流変圧部と、前記第1所定時間の計時後又は前記送電装置との間の認証が成功した後、第2所定時間を計時する第2タイマー回路と、前記受電コイルにより受電された電力を基に、充電池を充電する充電制御部と、を更に備え、前記充電制御部は、前記第2タイマー回路が前記第2所定時間を計時した後、前記送電コイルから連続的に送電される電力を基に、前記受電コイルとの間が導通となった前記直流変圧部を介して、前記充電池に充電させる、受電装置である。
この構成によれば、受電装置は、第1所定時間の計時後又は送電装置との間の認証が成功した後で、更に、第2タイマー回路が第2所定時間を計時し終えた後、第2所定時間の間に送電装置への載置物が受電装置であることが判断されると送電コイルから連続的な送電電流に応じた電力が送電されるので、受電コイルと直流変圧部との間を導通させることで、直流変圧部を介した充電池への充電を安全に行うことができる。
また、本発明の一実施形態は、受電装置における受電方法であって、間欠的な送電電流に応じた電力を送電装置から非接触で受電コイルにおいて受電するステップと、前記受電コイルにより受電された電力に応じた誘起電圧が所定値を超えた場合に、第1タイマー回路において第1所定時間を計時するステップと、前記第1タイマー回路が前記第1所定時間を計時する間、前記第1タイマー回路からの動作制御信号に応じて、定電流回路において所定の定電流が流れるステップと、を有する、受電方法である。
この方法によれば、受電装置は、間欠的な送電電流に応じた電力を送電装置から非接触で受電し、受電される電力に応じた誘起電圧が所定値を超えた場合に、第1タイマー回路が第1所定時間を計時する間、第1タイマー回路からの動作制御信号に応じて、定電流回路において所定の定電流が流れる。
これにより、受電装置は、送電装置に接近した場合に、受電装置の第1タイマー回路の動作に必要最小限の間欠的な送電電流に応じた電力を基にして第1タイマー回路が第1所定時間を計時する間は定電流が流れるので、受電装置に定電流が流れることによって送電装置におけるインピーダンスの変化を大きくなり、受電装置が送電装置の載置面に載置されたことを送電装置に対して認識させることができる。
また、本発明の一実施形態は、送電装置と受電装置とを含む電力伝送システムであって、前記送電装置は、間欠的な送電電流に応じた電力を非接触で送電する送電コイルと、前記受電装置が所定の載置面上に載置されたことを検知する載置検知部と、を備え、前記受電装置は、前記送電コイルから送電された電力を受電する受電コイルと、前記受電コイルにより受電された電力に応じた誘起電圧が所定値を超えた場合に、第1所定時間を計時する第1タイマー回路と、前記第1タイマー回路が前記第1所定時間を計時する間、前記第1タイマー回路からの動作制御信号に応じて、所定の定電流が流れる定電流回路と、を備え、前記載置検知部は、前記所定の定電流に基づく前記送電装置におけるインピーダンスの変化に応じて、前記受電装置が前記所定の載置面上に載置されたことを検知する、電力伝送システムである。
この構成では、送電装置は、受電装置の第1タイマー回路の動作に必要最小限の間欠的な送電電流に応じた電力を非接触で送電し、受電装置が所定の載置面上に載置されたことを検知する。受電装置は、間欠的な送電電流に応じた電力を送電装置から非接触で受電し、受電される電力に応じた誘起電圧が所定値を超えた場合に、第1タイマー回路が第1所定時間を計時する間、第1タイマー回路からの動作制御信号に応じて、定電流回路において所定の定電流が流れる。また、送電装置は、受電装置において所定の定電流が流れたことで送電装置のインピーダンスの変化に応じて、受電装置が所定の載置面上に載置されたことを検知する。
これにより、電力伝送システムでは、送電装置は、受電装置の第1タイマー回路の動作に必要最小限の間欠的な送電電流に応じた電力を非接触で送電するので消費電力の増大を抑制することができる。また、受電装置は、送電装置に接近した場合に、間欠的な送電電流に応じた電力を基にして第1タイマー回路が第1所定時間を計時する間は定電流が流れるので、受電装置に定電流が流れることによって送電装置におけるインピーダンスの変化が大きくなることで、受電装置が送電装置の載置面に載置されたことを送電装置に対して認識させることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記送電装置は、前記受電装置が前記所定の載置面上に載置されたことが前記載置検知部により検知された後、前記所定の定電流に基づく連続的な送電電流に応じた電力の信号に所定の認証信号を重畳した伝送信号を前記送電コイルから送電し、前記受電装置は、前記第1タイマー回路が前記第1所定時間の計時を開始した後、前記送電コイルから送電された前記伝送信号を基に、前記送電装置との間で認証する認証部、を更に備える、電力伝送システムである。
この構成によれば、電力伝送システムでは、送電装置は、受電装置が所定の載置面上に載置されたことを検知した後、受電装置において生じる所定の定電流に基づいて連続的な送電電流に応じた電力の信号に所定の認証信号を重畳した伝送信号を送電コイルから送電する。また、受電装置は、第1タイマー回路が第1所定時間の計時を開始した後、送電装置から送電された伝送信号を基に、送電装置との間で認証を行うので、受電装置における認証信号の分離精度を向上することができ、送電装置との間で高精度な認証処理を行うことができる。
また、本発明の一実施形態は、前記受電装置は、前記誘起電圧を所定の直流電圧に変圧する直流変圧部と、前記第1所定時間の計時後又は前記送電装置との間の認証が成功した後、第2所定時間を計時する第2タイマー回路と、前記受電コイルにより受電された電力を基に、充電池を充電する充電制御部と、を更に備え、前記送電装置は、前記第2所定時間が経過した後、連続的な送電電流に基づく電力を非接触で前記送電コイルから送電し、前記充電制御部は、前記第2タイマー回路が前記第2所定時間を計時した後、前記送電コイルから送電される電力を基に、前記受電コイルとの間が導通となった前記直流変圧部を介して、前記充電池に充電させる、電力伝送システムである。
この構成によれば、電力伝送システムでは、受電装置は、第1所定時間の計時後又は送電装置との間の認証が成功した後で、更に、第2タイマー回路が第2所定時間を計時し終えた後、第2所定時間の間に送電装置への載置物が受電装置であることが送電装置において判断されると送電コイルから連続的な送電電流に応じた電力が送電されるので、受電コイルと直流変圧部との間を導通させることで、直流変圧部を介した充電池への充電を安全に行うことができる。
また、本発明の一実施形態は、前記送電装置は、前記送電コイルへの送電電流の大きさと、前記受電装置との間の認証の成否とを基に、前記所定の載置面に前記受電装置以外の金属異物が載置されたことを検知する異物載置判断部と、前記金属異物が前記所定の載置面上に載置されたことが前記異物載置判断部により判断された後、所定期間にわたって前記間欠的な送電電流の出力周期を増加させる送電電流制御部と、を更に備える、電力伝送システムである。
この構成によれば、電力伝送システムでは、送電装置は、送電コイルへの送電電流の大きさと、受電装置との間の認証の成否との両方を基に、所定の載置面に受電装置以外の金属異物が載置されたことを検知することができ、更に、金属異物が所定の載置面上に載置されたことを判断した後、所定期間にわたって間欠的な送電電流の出力周期を増加させるので、受電装置との間の認証において伝送信号に含まれる認証信号の検知精度を向上させることができ、認証を効率的に行うことができる。
また、本発明の一実施形態は、前記送電電流制御部は、前記送電装置と前記受電装置との間の認証が前記所定期間において失敗した場合に、前記間欠的な送電電流の出力周期を減少させる、電力伝送システムである。
この構成によれば、電力伝送システムは、送電装置は、受電装置との間の認証が所定期間において失敗した場合には、間欠的な送電電流の出力周期を減少させるので、受電装置又は金属異物が載置面に載置されることを検知するまでの間に出力する送電電流の消費電力の増大を抑制することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記送電電流制御部は、前記出力周期が増加した後の前記送電電流が所定の異物検知閾値未満となった場合には、前記間欠的な送電電流の出力周期を減少させる、電力伝送システムである。
この構成によれば、電力伝送システムでは、送電装置は、出力周期が増加した後の送電電流が所定の異物検知閾値未満となった場合には、載置面に対して受電装置が載置された可能性が高いために、間欠的な送電電流の出力周期を減少させることで消費電力の増大を抑制することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記受電装置は、前記第1所定時間の計時後又は前記送電装置との間の認証が成功した後、第2所定時間を計時する第2タイマー回路、を更に備え、前記異物載置判断部は、前記第2タイマー回路が前記第2所定時間を計時する間の前記送電コイルへの送電電流の大きさが所定の異物検知閾値を超える場合に、前記所定の載置面に前記受電装置以外の金属異物が載置されたことを検知する、電力伝送システムである。
この構成によれば、電力伝送システムでは、送電装置は、第2タイマー回路が第2所定時間を計時する間に送電コイルへの送電電流の大きさが所定の異物検知閾値を超える場合には、送電装置におけるインピーダンスが低下したと考えられるので、載置面に受電装置以外の金属異物が載置されたことを検知することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記異物載置判断部は、前記第2タイマー回路が前記第2所定時間を計時してから所定猶予期間が経過するまでの間の前記送電コイルへの送電電流が前記異物検知閾値を超える場合に、前記所定の載置面に前記受電装置以外の金属異物が載置されたことを検知し、前記送電電流制御部は、前記金属異物が前記所定の載置面上に載置されたことが前記異物載置判断部により判断された場合に、前記第2タイマー回路が前記第2所定時間を計時してからの前記連続的な送電電流から前記間欠的な送電電流に切り替える、電力伝送システムである。
この構成によれば、電力伝送システムでは、送電装置は、第2タイマー回路が第2所定時間を計時してから所定猶予期間が経過するまでの間の送電コイルへの送電電流が異物検知閾値を超える場合には、送電装置におけるインピーダンスが低下したままの状態が継続していると考えられるので、載置面に受電装置以外の金属異物が載置されたことを高い確度で検知することができる。また、送電装置は、金属異物が所定の載置面上に載置されたことを判断した場合に、第2タイマー回路が第2所定時間を計時してからの連続的な送電電流から間欠的な送電電流に切り替えるので、消費電力の増大を抑制することができる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。