以下、本発明の実施形態を図1〜図6を用いて説明する。そして、以下の説明では、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、各実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(画像形成装置の概要)
まず、図1を用いて、実施形態に係る複合機100の概要を説明する。図1は、実施形態に係る複合機100を示す図である。
図1に示すように、複合機100は、操作パネル1を有する。又、複合機100は、上部に原稿搬送部2と画像読取部3を有する。また、複合機100は、内部に、給紙部4a、搬送部4b、画像形成部4c、定着部4dを含む印刷部4を有する。
原稿搬送部2は、セットされた原稿を1枚ずつ読み取り位置に向けて連続的、自動的に搬送する。画像読取部3は、原稿搬送部2により搬送される原稿や、載置読取用コンタクトガラス(不図示)にセットされた原稿を読み取り、画像データを生成する。
操作パネル1は、印刷やスキャンに関する設定画面や各種メッセージを表示する表示パネル11(警告部に相当)、表示パネル11に対して設けられたタッチパネル部12、スタートキー13のようなハードキーを含む。そして、操作パネル1は、印刷ジョブや送信ジョブに関する設定(使用者の操作)を受け付ける。
給紙部4aは、印刷時、用紙を供給する。搬送部4bは、給紙部4aから送り出された用紙を画像形成部4cまで導く。画像形成部4cは、画像データに基づきトナー像を形成し、用紙に転写する。定着部4dは、トナー像が転写された用紙を加熱・加圧して、用紙にトナー像を定着させる。定着後の用紙は、排出トレイ101に排出される。
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図2を用いて、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図2は、実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、複合機100は、内部に制御部5(制御基板)を含む。制御部5は、装置の各部を制御する。制御部5は、CPU51、画像データに対し画像処理を行い、印刷や送信に用いる画像データを生成する画像処理部52、ROM61(例えば、フラッシュROM)、RAM62を含む。
また、複合機100には、大容量の記憶装置としてSSD7が設けられる。SSD7は制御部5と通信可能に接続される。記憶部6は、ROM61、SSD7のような不揮発性の記憶装置と、RAM62のような揮発性の記憶装置を含む。
CPU51は、中央演算処理装置である。CPU51は記憶部6に記憶されたデータ、プログラムを用いて、演算や処理を行う。具体的に、CPU51は、記憶部6の制御プログラムや制御用データに基づき複合機100の各部の制御を行う。
制御部5は、印刷部4(給紙部4a、搬送部4b、画像形成部4c、定着部4d)の各部と通信可能に接続される。制御部5は、適切に画像形成が行われるように、給紙、用紙搬送、トナー像の形成、転写、定着を行う印刷部4の各部を制御する。なお、制御部5とは別に、印刷部4の制御を実際に行うエンジン制御部を設け、実際の制御をエンジン制御部に行わせつつ、制御部5がエンジン制御部に動作指示を与えることにより印刷部4の動作が制御されるようにしてもよい。そして、制御部5は、画像読取部3が原稿を読み取って得られた画像データに基づき印刷部4に印刷を行わせることができる(コピー機能)。
又、制御部5には、通信部54(警告部に相当)が接続される。通信部54は、パーソナルコンピューターやサーバーのようなコンピューター200やFAX装置300と、ネットワークやケーブルを介して通信を行うためのインターフェイスである。制御部5は、通信部54がコンピューター200から受信した印刷用データ(画像データや印刷設定)に基づき印刷部4に印刷を行わせる(プリンター機能)。又、通信部54は、画像データをコンピューター200やFAX装置300に送信できる(送信機能)。
又、制御部5は、画像読取部3や原稿搬送部2と通信可能に接続される。制御部5は、画像読取部3や原稿搬送部2に動作指示を与え、画像読取部3や原稿搬送部2は、指示に応じて動作する。
又、制御部5は、操作パネル1の表示を制御する。また、制御部5は、操作パネル1と通信を行い、タッチパネル部12へのタッチや、スタートキー13のようなハードキーに対する操作によってなされた使用者の設定の内容を認識する。そして、制御部5は、使用者の設定に合うように、印刷部4、画像読取部3、原稿搬送部2を制御してジョブを実行させる。
また、複合機100には、主電源のON/OFFを行うための主電源スイッチMSが設けられる。なお、主電源スイッチMSは、操作パネル1に設けてもよい。主電源スイッチMSがONされると、商用電源と接続される電源装置PWは、複合機100への各部(制御部5の全体、操作パネル1、原稿搬送部2、画像読取部3、印刷部4、記憶部6、通信部54、各種センサーなど)への電力供給を開始する。電力供給開始により、制御部5は、起動処理用のプログラムやデータを記憶部6から読み出して起動処理を行う。これにより、複合機100は、通常モードで起動する。通常モードは、複合機100の全ての部分に電力を供給し、直ちに任意のジョブを行える状態である。
通常モードで予め定められた移行条件が満たされると、制御部5は、消費電力低減のため、複合機100を省電力モードとする。移行条件は適宜定めることができる。複合機100の起動、ジョブの終了、あるいは、操作パネル1で最後に操作がなされてから、操作パネル1への操作や通信部54のジョブデータ(プリントジョブや送信ジョブ)の受信のような複合機100への入力がなされないまま、予め定められた省電力モード移行時間が経過すると、制御部5は、移行条件が満たされたと判断する。また、操作パネル1に節電キーを設けておき、制御部5は、節電キーが操作されたとき移行条件が満たされたと判断してもよい。
移行条件が満たされると、制御部5は、複合機100のうち、予め定められた供給停止部分(例えば、制御部5の一部、操作パネル1の一部、原稿搬送部2、画像読取部3、印刷部4、記憶部6の一部)への電力供給を電源装置PWに停止させ、複合機100を省電力モードとする。省電力モード中に予め定められた解除条件が満たされると、制御部5は、複合機100を通常モードに戻す。操作パネル1への操作や通信部54のジョブデータの受信のような複合機100への入力があったことを解除条件とすることができる。そして、制御部5は、解除条件が満たされたとき、供給停止部分への電力供給を電源装置PWに再開させ、起動用のプログラムやデータを記憶部6から読み出し、供給停止部分を再び使用できる状態とする。
(SSD7)
次に、図3に基づき、本発明の実施形態に係る複合機100に搭載されるSSD7の概要を説明する。図3は、実施形態に係るSSD7を説明するための図である。
本実施形態の複合機100には、SSD7が搭載される。SSD7とデータの送受信を行うため、制御部5にはホストコントローラー55とインターフェイス部56が設けられる。ホストコントローラー55はCPU51に内蔵されていてもよい。インターフェイス部56はコネクターを含み、ケーブルを介して、SSD7に設けられたSSDインターフェイス71のコネクターと接続される。
ホストコントローラー55は、インターフェイス部56に接続されたSSD7を認識して、認識結果をCPU51に通知する。また、ホストコントローラー55は、SSD7からのデータの読み出しやSSD7へのデータの書き込みを制御する。具体的に、CPU51からの読み出し指示に基づき、ホストコントローラー55は、CPU51に指定されたSSD7の読み出し場所からデータを読み出す。また、CPU51からの書き込み指示に基づき、ホストコントローラー55は、CPU51に指定された書き込み場所へのデータの書き込みをSSD7に行わせる。
制御部5とSSD7は、SATA(Serial ATA)の規格に準拠したものを用いることができる。なお、SATAの以外の規格に準拠したものも複合機100に用いることができる。
SSD7は、SSDコントローラー70、SSDインターフェイス71、バッファメモリー72、フラッシュメモリー73を含む。フラッシュメモリー73には、NAND型のものを用いることができる。また、実際、フラッシュメモリー73のメモリーチップは複数設けられるが、便宜上、図3では、フラッシュメモリー73を1つのみ図示している。
そして、SSDコントローラー70は、ホストコントローラー55とやり取りをしつつSSD7の全機能の制御を行う。SSDコントローラー70は、バッファメモリー72とフラッシュメモリー73の動作を制御する。また、SSDコントローラー70は、論理アドレスと物理アドレスの変換や、データの誤りの検出や、誤りのあるデータの訂正の処理を担う。また、SSDコントローラー70は、フラッシュメモリー73のメモリーブロックごとの消去回数を記憶し、各メモリーブロックの書き換え回数が均等となるように、データの書き込みを行う。また、SSDコントローラー70は、不良が発生した領域を使用禁止にし、予備のブロックを代わりに割り当てる。
データをフラッシュメモリー73に書き込むとき、ホストコントローラー55(インターフェイス部56)から書き込むデータが送信される。SSDインターフェイス71は、ホストコントローラー55からのデータを受信する。SSDコントローラー70は、受信されたデータをまずは、バッファメモリー72に記憶させる。
そして、SSDコントローラー70は、バッファメモリー72に記憶されたデータに基づき、誤りの検出と誤り訂正のためのECC(Error Checking and Correction)符号が付されたデータをフラッシュメモリー73に記憶させる(書き込みさせる)。SSDコントローラー70に設けられたECC符号回路70aは、書き込むデータの各ブロックに付すECC符号を生成する。なお、データに対するECC符号の生成をホストコントローラー55に行わせてもよい。そして、SSDコントローラー70は、ECC符号が付されたデータをフラッシュメモリー73に書き込む。
データをフラッシュメモリー73から読み出すとき、SSDコントローラー70は、フラッシュメモリー73からデータを読み出し、バッファメモリー72にいったん記憶させる。このとき、SSDコントローラー70がECCによる誤り検出を行う。具体的に、SSDコントローラー70に設けられたECC符号回路70aが、ECC符号に基づき、読み出したデータの誤り検出と訂正を行う。SSDコントローラー70は、SSDインターフェイス71を介し、誤り検出処理を行ったデータ(誤りがあったときには訂正後のデータ)を制御部5(ホストコントローラー55)に送信する。
本実施形態のSSD7には、S.M.A.R.T.(Self−Monitoring Analysis and Reporting Technology、以下、「SMART」と略称。)機能が搭載されている。SSDコントローラー70は、予め定められた検査項目について検査を行う。そして、検査結果は、SMART情報i1としてSSD7に記憶される。
SMARTでは、ECCによる誤り検出回数(累計誤り検出回数)の項目が設けられている(C3(195)の項目ID)。制御部5は、SSD7に記憶されたSMART情報i1を参照して、ECCによる誤り検出回数を認識できる。なお、SSD7は、SMART情報機能を有するものでなくてはならない訳では無く、ECCによる誤り検出を行い、ECCによる誤り検出回数をデータとして記憶するものであればよい。このように、SSD7は、ECCによる誤り検出や誤り訂正を行う回路を含み、ECCによる誤り検出回数を記憶、更新する。
そして、SSD7は、各種データの記憶に用いられる。図3に示すように、SSD7には、SMART情報i1の他、プログラムP1や、制御用データD2や、画像データD3のような様々なデータを記憶させることができる。
例えば、SSD7には、主電源投入時や、省電力モードから通常モードへの復帰時での制御部5や、操作パネル1、原稿搬送部2、画像読取部3、印刷部4のような複合機100に含まれる部分の起動に用いるプログラムP1や制御用データD2を記憶させることができる。主電源投入時や、省電力モードから通常モードへの復帰時に、起動用のプログラムP1やデータがSSD7から読み出される。また、コピーや送信のようなジョブに関するプログラムP1や制御用データD2をSSD7に記憶させてもよい。また、各設定項目のデフォルトの設定値のようなデータをSSD7に記憶させてもよい。また、後の再利用のため、画像読取部3の読み取りで得られた画像データD3や、実行されたジョブの内容の複製データをSSD7に記憶させてもよい。また、コピーや送信ジョブのとき、画像読取部3の読み取りで得られた画像データD3を圧縮したデータの一時的な保管場所としてもSSD7を用いることができる。
また、SSD7の寿命について判断するため、制御部5は、予め定められた実行タイミングで寿命に関する判断処理(以下、「寿命判断処理」と称する。)を行う。寿命判断処理のとき、制御部5は、SMART情報i1に含まれるECCによる誤り検出回数(誤り検出回数を示す値)を取得する。そして、制御部5は、取得したECCによる誤り検出回数をECCによる誤り検出の履歴データD1として、記憶部6に不揮発的に記憶させる。履歴データD1は、記憶部6のうち、ROM61に記憶させるようにしてもよいし、SSD7に記憶させるようにしてもよい。これにより、各時点(各実行タイミング)でのECCによる累計誤り検出回数が記録される。
(寿命判断処理)
次に、図4、図5を用いて、寿命判断処理を説明する。図4は、実施形態に係る複合機100での寿命判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5は、実施形態に係る警告画面S1の一例を示す図である。
制御部5は、予め定められた実行タイミングでSSD7の寿命判断処理を行う。実行タイミングは適宜定めることができる。制御部5は、操作パネル1で設定された初期時点と、直前の寿命判断処理がなされた時点のうち、最も直近の時点から、制御部5がカウントする時間が一定値になるごとに、寿命判断処理を実行する。なお、時間カウントのため、計時部53が制御部5に設けられる。
制御部5がどのような時間をカウントするかは、適宜定めることができる。制御部5は、複合機100の主電源投入状態(主電源スイッチMSのON状態)の時間をカウントしてもよい。また、複合機100のモードが通常モードとなっている時間をカウントするようにしてもよい。制御部5は、カウントした時間が一定値になったとき、寿命判断処理の実行タイミングになったと判断し、寿命判断処理を行う。なお、制御部5は、寿命判断処理を行ったとき、カウント時間をリセットする(ゼロに戻す)。そして、カウントを再開する。
あるいは、制御部5は日時を基準に寿命判断処理を行うようにしてもよい。どのような日時に行うかは、曜日や、複合機100の主電源をONしている時間帯を考慮して適宜定めることができる。この場合、制御部5は、一日、数日、一週間、数週間、1ヶ月、数ヶ月に1回、モードや主電源のON/OFFといった複合機100の状態によらず、一定の実行間隔で、決まった時刻に寿命判断処理を行うことになる。
そして、図4のフローチャートは、予め定められた寿命判断処理の実行タイミングに到った時点である。
まず、制御部5は、SSD7に記憶されたSMART情報i1の中から、ECCによる誤り検出回数(累計回数を示す値)のデータを取得する(ステップ♯1)。そして、制御部5は、現時点のECCによる誤り検出回数を記憶部6(SSD7又はROM61)に追加記憶させ、履歴データD1に取得したECCによる誤り検出回数を含めさせる(ステップ♯2)。言い換えると、制御部5は、フロー開始時点(ステップ♯1)にSMART情報i1から読み出したECCによる誤り検出回数を履歴データD1に追加する。また、制御部5は、現時点のECCによる誤り検出回数に関連付けて、記憶日時のような関連情報を履歴データD1に追加させてもよい。そして、記憶部6は、制御部5の指示に基づいて履歴データD1を更新する。
制御部5は、履歴データD1から過去に記憶されたECCによる誤り検出回数を読み出す(ステップ♯3)。具体的には、現時点よりも1回前に行われた寿命判断処理時に記憶されたECCによる誤り検出回数を読み出す。
そして、制御部5は、過去の(前回の寿命判断処理時の)ECCによる誤り検出回数と取得した現時点のECCによる誤り検出回数に関する増加量を求める(ステップ♯4)。制御部5は、現時点のECCによる誤り検出回数を、履歴データD1のうち、現時点よりも1回前の寿命判断処理時に記憶されたECCによる誤り検出回数を減じることで、前回の寿命判断処理から現時点までの増加回数を増加量として求める。また、制御部5は、今回の寿命判断処理でのECCによる誤り検出回数を、前回の寿命判断処理でのECCによる誤り検出回数で除して得られる増加率を増加量として求めてもよい。
そして、制御部5は、求めた増加量が予め定められた閾値以上であるか否かを確認する(ステップ♯5)。SSD7の各セルの絶縁膜の劣化が進むと、ECCによる誤り検出回数の数が増加傾向を示す。この傾向に基づき、SSD7の寿命に関する警告を行うか否かを判断する。
閾値は適宜定めることができる。増加回数を増加量として求めるとき、超えるべきでは無く、バックアップをとり始めることが好ましい増加回数を閾値として定める。例えば、ECCによっては訂正できない誤りが生ずるまで、あるいは、読み出したデータに異常が生ずるまで、SSD7のデータの書き換えを繰り返し、SSD7をそのような状態としてから所定のタイミングに対応する期間内での増加回数の平均値を求める実験を行う。そして、実験で求めた平均値又は平均値から安全マージンを減じた値を閾値としてもよい。
また、増加率を増加量として求めるとき、超えるべきでは無く、バックアップをとり始めることが好ましい増加率を閾値として定める。例えば、ECCによっては訂正できない誤りが生ずるまで、あるいは、読み出したデータに異常が生ずるまで、SSD7のデータの書き換えを繰り返し、SSD7をそのような状態としてから所定のタイミングに対応する期間内での増加率の平均値を求める実験を行う。実験で求めた平均値又は平均値から安全マージンを減じた値を閾値としてもよい。
増加量として増加回数のみを求めるとき、制御部5は、求めた増加回数と増加回数に対して定められた閾値を比較する。増加量として増加率のみを求めるとき、制御部5は、求めた増加率と増加率に対して定められた閾値を比較する。そして、制御部5は、閾値以上であるかを確認する。
また、増加量として増加回数と増加率を求めるとき、制御部5は、増加回数と増加率に対してそれぞれ定められた閾値と、求めた増加回数と増加率それぞれについて閾値との比較を行う。そして、増加回数と増加率の両方が閾値以上のとき、制御部5は、閾値以上と判断する(ステップ♯5のYes)。これにより、増加回数と増加率の両方の観点から寿命の判断を行うことができる。なお、増加回数と増加率の何れか一方が閾値以上であれば、制御部5は、閾値以上と判断してもよい。
ステップ♯5でNoと判断するとき、SSD7はまだ健康(正常)な状態にあると考えてよいので、制御部5は、警告を行う部分に警告を行わせることなく本フローを終了させる(エンド)。
一方、ステップ♯5でYesと判断するとき、制御部5は、現時点が警告不要期間内であるか否かを確認する(ステップ♯6)。警告不要期間とは、SSD7のバックアップ処理がなされた時点から予め定められた猶予時間が経過するまでの期間である。猶予時間は、寿命判断処理の周期の数倍程度の時間としてもよいし、十数時間、数十時間、1日、数日、一週間、数週間のように、時間、日、週単位で定めてもよい。また、猶予時間は、操作パネル1で設定できるようにしてもよい。
判断処理の結果、実行タイミング間でのECCによる誤り検出回数の増加量が閾値以上でも、警告不要期間内であるとき(ステップ♯6のYes)、制御部5は、警告を行う部分にSSD7の寿命に関する警告を行わせないまま、本フローを終了させる(エンド)。
一方、警告不要期間外のとき(ステップ♯6のNo)、制御部5は、警告としてSSD7のデータのバックアップを促す警告画面S1を表示パネル11に表示させる(ステップ♯7)。
警告画面S1の一例を図5に示す。警告画面S1は、表示パネル11が表示している画面に重ねて表示される。警告画面S1はSSD7の寿命に関しての警告が含まれる画面である。具体的に、警告画面S1は、SSD7のデータのバックアップを促すための画面である。警告画面S1内には、バックアップ実行キーK1が配される。なお、閉じるキーK0が操作されると、制御部5は、警告画面S1を表示パネル11に消させる。また、バックアップ実行キーK1が操作されると、制御部5は、バックアップ設定画面(不図示)を表示パネル11に表示させる。そして、バックアップ設定画面での設定の後、制御部5はSSD7のデータのバックアップ処理を行う。
また、警告画面S1には、警告不要期間に関する猶予期間を設定するための猶予期間設定キーK2が設けられる(図5参照)。使用者は、猶予期間設定キーK2を操作すると表示される画面にて猶予期間を設定することができる。なお、操作パネル1で所定の操作を行うことにより、警告画面S1を経なくても、猶予期間の設定画面を表示させ、猶予期間を設定することができる。
そして、制御部5は、設定された猶予期間を記憶部6(SSD7又はROM61)に記憶させる。そして、制御部5は、バックアップ処理がなされた時点と、設定された猶予期間に基づき、現時点が警告不要期間内であるか否か判断する。
続いて、制御部5は、コンピューター200のディスプレイにSSD7のデータのバックアップを促す画面を表示させるためのデータである警告データを、予め定められたコンピューター200に向けて通信部54に送信させる(ステップ♯8)。具体的に、通信部54は、コンピューター200のディスプレイにSSD7のデータのバックアップを促すメッセージ(警告)を含む画面を表示させるためのデータを警告データとして送信する。この警告データを受けたコンピューター200は、SSD7のデータのバックアップを促す旨をディスプレイに表示させる。
どのようなコンピューター200に警告データを送信するかは、予め定めておくことができる。警告画面S1には、警告データの送信先を設定するための送信先設定キーK3が設けられる(図5参照)。使用者は、送信先設定キーK3を操作すると表示される送信先設定画面(不図示)にて送信先の宛先情報(アドレス)を設定することができる。なお、操作パネル1で所定の操作を行うことにより、警告画面S1を経なくても、送信先設定画面を表示させ、警告データの送信先を設定することができる。そして、制御部5は、設定された送信先の宛先情報(アドレス)を記憶部6(SSD7又はROM61)に記憶させる。制御部5は、記憶部6が記憶する送信先に警告データを送信する。
警告データの送信先(予め定められたコンピューター200のアドレス)として、社内の複合機100の管理責任者や、管理部門のコンピューター200を設定登録しておけば、SSD7のデータのバックアップや、SSD7の交換の必要性を、社内の管理担当者に知らせることができる。
また、デフォルトで(当初から)、複合機100(画像形成装置)の提供者(販売会社やリース元の会社)と、複合機100のメンテナンスを行う者(メンテナンスサービス提供会社)の何れか一方、又は、両方のコンピューター200を警告データの送信先として登録してもよい。制御部5は、複合機100の販売会社、リース元の会社、メンテナンスサービス提供会社の何れか又は複数のコンピューター200に向けて、警告データを通信部54に送信させる。これにより、SSD7がクラッシュしてデータが失われる前に、複合機100の関係者、提供者は、SSD7の交換を使用者に提案できる。
そして、制御部5は、主電源投入によって起動したときと、省電力モードから通常モードに復帰したときに、警告画面S1を表示する旨の設定値を記憶部6に記憶させる(フラグを立てる。ステップ♯9)。そして、本フローは終了する(エンド)
主電源投入によって起動したときと、省電力モードから通常モードに復帰したとき、制御部5は、警告画面S1を表示する旨の設定値が記憶部6に記憶されているか否かを確認する。そして、警告画面S1を表示する旨の設定値が記憶されているとき(値が警告画面S1を表示する旨を示すとき)、制御部5は、起動時、復帰時に上述の警告画面S1(図5参照)を表示パネル11に表示させる。
(SSD7のデータのバックアップ)
次に、図2、図6を用いて、実施形態に係る複合機100でのSSD7のデータのバックアップを説明する。図6は、実施形態に係るSSD7のデータのバックアップの流れの一例を示すフローチャートである。
まず、複合機100には、外付HDDや、半導体メモリー(USBメモリーやメモリーカードのような持ち運び可能な記憶媒体9(図2参照)を接続するための接続部8(図2参照)が設けられる。接続部8は、コネクターや通信回路や通信ソフトウェアを含み、記憶媒体9を接続するためのインターフェイスである。
そして、本実施形態の複合機100では、接続部8に接続された記憶媒体9に、SSD7に記憶されたデータを複製し記憶させることができる。言い換えると、SSD7のデータを記憶媒体9にバックアップすることができる。
上記の警告画面S1でバックアップ実行キーK1が操作され、スタートキー13の操作のようなバックアップの開始指示がなされたとき、制御部5は、SSD7のデータのバックアップを開始する。なお、警告画面S1を経なくても、SSD7のデータのバックアップの開始指示を行うこともできる。使用者は、操作パネル1で所定の操作を行うことにより、所望するときにSSD7のデータのバックアップを行える。
そして、図6のフローチャートのスタートは、バックアップ実行キーK1の操作後にバックアップの開始指示があったとき、又は、操作パネル1で所定の操作が行われたことにより、SSD7のデータのバックアップ(複製)を開始する時点である。
まず、制御部5は、接続部8に記憶媒体9が接続されているか否かを確認する(ステップ♯21)。接続されていないとき(ステップ♯21のNo)、制御部5は、表示パネル11に記憶媒体9を接続すべき旨のメッセージを表示させつつ(ステップ♯22)、記憶媒体9の接続の確認を続ける(ステップ♯22→ステップ♯21)。
接続されたとき(ステップ♯21のYes)、制御部5はSSD7のデータを複製し、複製したデータの記憶媒体9への書き込みを接続部8に行わせる(ステップ♯23)。なお、操作パネル1は、SSD7が記憶するデータのうち、複製するデータの指定を受け付けてもよい。制御部5は、SSD7の全データ、又は、複製が指定されたデータを複製して、記憶媒体9に記憶させる。
そして、制御部5は、SSD7のデータの複製が完了したか(バックアップ処理が完了したか)の確認を続ける(ステップ♯24、ステップ♯24のNo→ステップ♯24)。完了したとき(ステップ♯24のYes)、制御部5は、警告不要期間の開始時点を定めるため、バックアップ処理の完了日時を記憶部6(SSD7とROM61の何れか一方、又は、両方)に記憶させる(ステップ♯25)。
また、バックアップ処理によって警告不要期間が開始されるため、制御部5は、警告画面S1を主電源投入によって起動したときと、省電力モードから通常モードに復帰したときに警告画面S1を表示する旨の設定値が記憶部6に記憶されていれば、その設定値を抹消する(フラグを降ろす。ステップ♯26)。そして、本フローは終了する(エンド)。
このようにして、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)は、操作パネル1と、警告部(表示パネル11、通信部54)と、記憶部6と、制御部5とを含む。操作パネル1は、使用者の操作を受け付ける。警告部は、使用者に警告を行う。記憶部6は、ECCによる誤り検知を行う回路を備えECCによる誤り検出回数を記憶、更新し、データの記憶に用いられるSSD7を含む。制御部5は、SSD7と通信するためのインターフェイス部56を含む。また、制御部5は、予め定められた実行タイミングで、現時点のECCによる誤り検出回数をSSD7から取得し、取得したECCによる誤り検出回数を不揮発的に記憶部6に記憶させるとともに、過去のECCによる誤り検出回数と取得した現時点のECCによる誤り検出回数に基づき、実行タイミング間でのECCによる誤り検出回数の増加量を求め、求めた増加量が予め定められた閾値以上か否かを判断する判断処理を行う。そして、制御部5は、閾値以上のときSSD7の寿命に関する警告を警告部に行わせ、閾値未満のとき警告を警告部に行わせない。
これにより、実行タイミング間でのECCによる誤り検出回数の増加量に基づき、寿命が尽きつつあるか否かを判断する。そして、SSD7の寿命が短くなってきていて、クラッシュの発生の可能性が高くなりつつあり、データのバックアップ(複製)をしておくべきと判断できるとき、使用者に警告することができる。これにより、SSD7のデータのバックアップや、SSD7の交換の必要性を使用者に認識させることができる。
又、警告部は、操作パネル1に設けられた表示パネル11である。制御部5は警告としてSSD7のデータのバックアップを促す警告画面S1を表示パネル11に表示させる。これにより、使用者に、SSD7の寿命が尽きつつあることと、SSD7のデータのバックアップの必要性を知らせることができる。
又、制御部5は、主電源投入によって起動した時と、省電力モードから通常モードに復帰した時に、警告画面S1を表示パネル11に表示させる。これにより、画像形成装置(複合機100)の間近に使用者がいる可能性が高いタイミングで警告画面S1を表示させ、使用者にバックアップの必要性を知らせる画面を視認させることができる。
又、警告部(表示パネル11、通信部54)は、コンピューター200と通信を行う通信部54である。制御部5は、コンピューター200の画面にSSD7のデータのバックアップを促す画面を表示させるための警告データを、予め定められたコンピューター200に向けて通信部54に送信させる。
これにより、特定のコンピューター200の画面(ディスプレイ)にSSD7のデータのバックアップを促す画面を表示させることができる。従って、特定のコンピューター200の使用者にSSD7のデータのバックアップの必要性を知らせることができる。例えば、画像形成装置(複合機100)にジョブ(例えば、印刷ジョブ)に関するデータを送信する使用者や、社内の画像形成装置の管理者のコンピューター200が予め定められたコンピューター200として登録する。
又、制御部5は、画像形成装置(複合機100)の提供者と、画像形成装置のメンテナンスを行う者の何れか一方、又は、両方のコンピューター200に向けて、警告データを通信部54に送信させる。
画像形成装置(複合機100)を扱う業者(ディーラー)や画像形成装置のメンテナンスを行う業者のコンピューター200を予め定められたコンピューター200として登録しておくことにより、業者から積極的にSSD7の交換を働きかけることができる。従って、SSD7の故障によるデータ喪失という損害が生ずる前に、SSD7の交換を提案することができる。
又、画像形成装置(複合機100)は、記憶媒体9を接続するための接続部8を含む。接続部8に記憶媒体9が接続された状態で、操作パネル1にSSD7のデータのバックアップの開始指示がなされたとき、制御部5はSSD7のデータを複製して記憶媒体9に記憶させるバックアップ処理を行う。これにより、接続部8に接続された記憶媒体9にSSD7のデータを複製することができ、データのバックアップを容易に行うことができる。
データのバックアップをして間もない間は、すぐに警告を行う必要はない。また、使用者は、データのバックアップをしてからすぐの警告や、頻繁な警告を煩わしいと思う場合がある。そこで、制御部5は、バックアップ処理がなされてから予め定められた警告不要期間が終わるまで、警告部(表示パネル11、通信部54)にSSD7の寿命に関する警告を行わせない。これにより、使用者に煩わしさ、不快感を与えないようにすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。