JP6364104B2 - 血管障害の治療装置及び方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2010年9月10日に出願された発明の名称「電気陽性神経血管内皮化デバイス(Electropositive Neurovascular Endothelialization Device)」の米国仮特許出願第61/381,770号に対する優先権及びその利益を主張する、2011年9月12日に出願された発明の名称「血管障害の治療装置及び方法(Devices and Methods for the Treatment of Vascular Defects」の米国特許出願第13/230,628号の一部継続出願である、2012年3月15日に出願された発明の名称「血管障害の治療装置及び方法(Devices and Methods for the Treatment of Vascular Defects)」の米国特許出願第13/421,122号の継続出願であり、上記の開示の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0002] 本発明は、概して医療デバイスに関し、より詳細には、血管障害を治療する拡張可能医療デバイス及び方法に関する。例えば、本発明は、動脈瘤を治療する拡張可能医療デバイス及び方法に関する。動脈瘤は、血管壁の弱体化に起因する血管の拡張である。拡張は、血管の弱体化した部分を膨張させ得る正常な血流によって作用する圧力によってもたらされる。場合によっては、この膨張によって、主血管又は親血管から嚢又は風船状ポリープが突出することになる。風船状の動脈壁が増殖し続けかつ/又は最終的に破裂することにより、患者に対して悲惨な結果がもたらされる可能性がある。従って、未破裂動脈瘤は、出血を防止するために治療されるべきである。さらに、破裂動脈瘤は、その後の破裂及び/又はさらなる損傷を回避するように治療することが可能である。
[0003] 動脈瘤の治療に使用されるいくつかの既知の医療デバイス及び治療方法は、動脈瘤の嚢に白金コイルを送達することを含む。白金コイルは、送達ワイヤから電解的に分離されており、従って、コイルに、動脈瘤に血栓作用をもたらす可能性がある電荷を誘起する。既知の処置では、動脈瘤の容積の約30%がコイルで充填される。しかしながら、こうした既知のデバイス及び方法には、約30%の再疎通率があることが多く、それは、血流が動脈瘤に再度戻り、コイルで充填された動脈瘤をさらに膨張させる可能性があることを意味する。さらに、こうした既知のデバイス及び方法は、患者に対する長期の処置時間と、それに対応して、患者の放射線照射線量の増大とを必要とする。さらに、こうしたデバイス及び方法では、親血管と動脈瘤の嚢との間の領域である動脈瘤の頸部は治療されない。
[0004] 別の既知の治療方法は、コイル及びステントの両方の使用を含む。コイルは、上述したように動脈瘤の嚢に送達され、ステントは、ステントの一部が動脈瘤の頸部の上に配置されるように親血管内に配置される。こうした処置にはいくつかの欠点がある。1つには、2つの別個のタイプのデバイス(すなわち、コイル及びステント)の送達は、より複雑な処置であり、それにより、患者の処置時間が長くなることが多い。ステントにより、血管のステント内狭窄がもたらされる可能性がある。さらに、患者が、処置後に抗凝固剤を無期限に服用することが必要である可能性がある。さらに、こうしたデバイス及び方法は、血管の分岐点に(すなわち、血管の隣接する分岐の間に)位置づけられた動脈瘤の治療には適していない。
[0005] 別の既知のデバイス及び治療方法は、動脈瘤の頸部に隣接する親血管に送達されるフローダイバータ(flow diverter)の使用を含む。一般に、フローダイバータは、血管から動脈瘤内へのさらなる血流を防止するために、親血管内の動脈瘤の頸部の上に配置
される。現行の処置では、動脈瘤から血流が適切に分流することを確実にするために、動脈瘤毎に2つ以上のフローダイバータが必要である。こうしたデバイス及び治療方法には、上述したステントの使用に類似する欠点がある。特に、フローダイバータにより、血管の狭窄がもたらされる可能性があり、患者は、処置の後に抗凝固剤を無期限に服用することが必要である可能性がある。さらに、既知のフローダイバータは、血管の分岐点に位置づけられた動脈瘤の治療には適していない。さらに、フローダイバータを使用して治療された患者の長期間の継続管理により、動脈瘤の再疎通率が上昇することが示されている。
[0006] 従って、本明細書に記載するように、風船型動脈瘤等の血管障害を治療する改善されたシステム、デバイス及び方法が必要とされている。
[0007] 本明細書には、例えば風船型動脈瘤等の血管障害を治療するデバイス及び方法が記載される。一実施形態では、装置は、挿入部分及び拡張可能インプラントを含む。拡張可能インプラントは、動脈瘤内で展開されるように構成され、かつ挿入部分に結合される。拡張可能インプラントは、第1部分と第1部分に結合された第2部分とを有している。拡張可能インプラントは、第1部分及び第2部分が実質的に直線状に位置合せされる第1形態と、第2部分が第1部分に少なくとも部分的に重なる第2形態との間で移行可能である。
第1形態にある一実施形態による医療デバイスの概略図である。 第2形態にある一実施形態による医療デバイスの概略図である。 第1形態にある一実施形態による医療デバイスの側面図である。 第2形態にある一実施形態による医療デバイスの側面図である。 動脈瘤内への挿入中の第1形態にある図3の医療デバイスの図である。 動脈瘤内への挿入中の第2形態にある図3の医療デバイスの図である。 動脈瘤内への挿入中の第3形態にある図3の医療デバイスの図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの図である。 一実施形態による部分的収縮形態にある医療デバイスの図である。 一実施形態による拡張形態にある図14の医療デバイスの図である。 第1部分が第2部分から間隔を空けて配置されている、一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図である。 一実施形態による収縮形態にある医療デバイスの一部の図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図である。 一実施形態による方法のフローチャートである。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図である。 図19Aの医療デバイスの概略図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図である。 収縮形態にある図21の医療デバイスの一部の図である。 異なる実施形態による収縮形態にある医療デバイスの一部の図である。 拡張形態にある図23の医療デバイスの一部の図である。 一実施形態による収縮形態にある医療デバイスの一部の図である。 部分的拡張形態にある図25の医療デバイスの一部の図である。 拡張形態にある図25の医療デバイスの一部の図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図28とは異なる図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図である。 図30とは異なる実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図である。 一実施形態による収縮形態にある医療デバイスの一部の図である。 拡張形態にある図33の医療デバイスの一部の図である。 図33の医療デバイスの一部の概略図である。 第1形態で示されかつ拡張可能インプラントの一部の概略図に結合されている、一実施形態による挿入デバイスの一部の概略図である。 第2形態で示されている、図35の挿入デバイス及び拡張可能インプラントの一部の概略図である。 拡張可能インプラントから取り外されて示されている、図35の挿入デバイスの一部の概略図である。 別の実施形態による挿入デバイスの一部の概略図である。 別の実施形態による挿入デバイスの一部の図である。 別の実施形態による、拡張可能インプラントに結合された挿入デバイスの一部の概略図である。 一実施形態による拡張可能インプラントを展開する方法を示すフローチャートである。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図である。 収縮形態にある図42の医療デバイスの一部の図である。 一実施形態による拡張形態にある医療デバイスの一部の図である。 収縮形態にある図44の医療デバイスの一部の図である。 動脈瘤内で部分的に展開されて示されている図44の医療デバイスの一部の図である。 一実施形態による挿入デバイスの概略図である。 一実施形態による挿入デバイスの概略図である。 一実施形態による挿入デバイスの概略図である。 一実施形態による挿入デバイスの概略図である。
[0054] 本明細書では、循環血管内に動脈瘤等の血管障害がある患者及び脳出血を含むその障害の影響がある患者を治療する医療デバイス及び治療方法を記載する。例えば、本明細書に記載するデバイス及び方法は、蛇行性であり、小径であり、及び/又は、他の理由でアクセスが困難である血管系に存在する血管障害を治療するのに有用であり得る。より具体的には、本明細書に記載するデバイス及び方法は、嚢状(風船型又はイチゴ型とも呼ばれる)動脈瘤、分岐部(bifurcate)動脈瘤、ろう、及び神経血管系の傷害を含む血管系の他の傷害を治療するのに有用であり得る。本明細書に記載する医療デバイス及び治療方法では、動脈瘤と動脈瘤膨隆が(例えば動脈瘤の頸部に)生じた親血管との間の開口部における内皮化を促進する一方で、出血事象を低減することができる。
[0055] 本明細書では、動脈瘤の容積のすべて又は実質的にすべてを占有する、及び/又は動脈瘤におけるあるいはそれに近接する内皮化を促進する医療デバイスのさまざまな実施形態について記載する。いくつかの実施形態では、医療デバイスは、電気陽性織材料又は編材料を含む拡張可能インプラントを含む。編組体(ブレード)又は織物を形成するフィラメント又はストランドは、デバイスに対する、従って障害部内の内皮細胞の増加及び/又は保持を促進するように構成されている。拡張可能インプラントは、管状又は他の送達拘束物(constraint)(例えばカテーテル又はカニューレ)から放出される時に、動脈瘤の嚢内で非直線状の所定の3次元形状を呈するように構成されている。電気陽性織材料又は編組材料は、特定の多孔率を有しており、拡張可能インプラントが拡張形態にある時、フィラメント又はストランドの間に複数の開口部を含む。こうした開口部は、血液環境において増加した内皮細胞をその部位に退避させるのに理想的である。材料の電気陽性により、血液及び体組織の負の電荷の存在下での内皮化が促進される。言い換えれば、(比較すると電気陰性である)血液及び組織の電荷に対する拡張可能インプラントの電気陽性は、障害部における内皮化を促進する環境を提供する。障害部内の内皮化により、最終的に、親血管から障害部を隔てることができる。例えば、動脈瘤の頸部の上の内皮層の成長及び発展により、動脈瘤を親血管から隔てることができ、障害部において流体力学を平衡させることができる。従って、本デバイスを、障害部の治癒及び再疎通の防止を促進するように構成することができ、それは、体内から、異常血流に抵抗しかつ障害をもたらした可能性がある血流圧を再分配する組織が生成されるためである。内皮化によって治癒する時、圧力は、治療後の障害部における再疎通を妨げるように、親血管に沿って均一に分配される。さらに、内皮化プロセスが完了すると、親血管内からの血液は隔てられた障害部にそれ以上アクセスすることができない。さらに、拡張可能インプラントの少なくとも一部を、インプラントが動脈瘤内で展開されると、その部分が親血管から動脈瘤への血液の流れを阻害するように、動脈瘤の頸部の上に配置することができる。従って、拡張可能インプラントは、動脈瘤の頸部の上における内皮層の成長及び発展に先立ってかつそれに加えて血流の阻害を提供する。
[0056] 本明細書に記載する医療デバイスは、挿入部分(例えばガイドワイヤ)と、例えばメッシュ状形態で織フィラメント又は編組フィラメントで形成された拡張可能インプラントと、を含むことができる。メッシュ及び編組体という用語は、本明細書では、各々、ワイヤあるいはポリマーの織られた又は編み組まれたフィラメント又はストランドの布又は材料を指すことができる。医療デバイスの拡張可能インプラントを、血管内に送達するために圧縮するか又は収縮するように構成することができる。いくつかの実施形態では、医療デバイスを、収縮形態又は圧縮形態にある間に、例えばマイクロカテーテル、カニューレ、送達チューブ又はシース等の送達デバイスを通して挿入することができる。いくつかの実施形態では、医療デバイスを、こうした送達デバイスを使用することなく展開することができる。
[0057] 医療デバイスの拡張可能インプラントは、神経血管系の狭い拘束部内及び/又は送達カテーテルの内腔内に適合することができる直径であるように、収縮形態又は圧縮形態を有することができる。医療デバイスの拡張可能インプラントを、例えば、圧縮しかつ拡張することができるストランドの構成(例えば、ストランド又はフィラメントのメッシュ又は編組体構成)で形成することができる。こうした材料としては、ニチノール、MP35N、ステンレス鋼、コバルトクロム、チタン、白金、タンタル、タングステンあるいはそれらの合金、又はポリエステル、ポリエチレン(PET)、ダクロン(Dacron)、PEEK、ベクトロン(vectron)及び縫合材料が挙げられ、それらは、Fort Wayne、IndianaのFort Wayne Metals、Grover Beach、CaliforniaのCalifornia Fine Wire Compan、他の金属製造業者、Somerville、New JerseyのEthicon Inc.、Cambridge、MassachusettsのGenzyme、Anderson、South CarolinaのPoly-Med, Inc.及び/又は他の医療グレード縫合糸及び繊維製造業者から入手可能である。拡張可能インプラントを、医療デバイスの挿入部分の上で及び/又はそれに沿って圧縮することができる。挿入部分は、例えばワイヤであり得る。いくつかの実施形態では、医療デバイスは、送達デバイスの内腔内に移動可能に配置可能な挿入部分を含む。挿入部分の遠位部分を、拡張可能インプラントに結合することができる。拡張可能インプラントを、障害部(例えば動脈瘤)内に配置されている間、又は挿入されている時、収縮形態から拡張形態に移行させることができる。
[0058] いくつかの実施形態では、拡張可能インプラントを、超弾性材料又は形状記憶材料(例えばニチノール等)のフィラメントで形成することができ、編組体又はメッシュを、拡張可能インプラントを医療デバイスの挿入部分に取り付ける前に事前に規定された形状にすることができる。こうした実施形態では、拡張可能インプラントが展開され拡張すると、付勢された所定形状を呈する。所定形状を、球の形状等の一般的な形状とすることができ、又は患者の体内の標的動脈瘤の形状に基づいて特別仕様の形状とすることができる。好適な材料については本明細書においてより詳細に記載する。
[0059] 本明細書に記載する医療デバイスは、(本明細書において「開口部」又は「細孔」とも呼ぶ)サイズが可変の穴を有する織メッシュ又は編組体で形成された1つ又は複数の拡張可能インプラントを含むことができる。言い換えれば、本デバイスは、特定の多孔率又は細孔密度を有する材料で形成される。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラントは、フィラメントの密度が変化するメッシュ又は編組体の部分を有することができ、相対的に低密度(すなわち、相対的に多孔率が高い)部分又はバンドによって間隔が空けられた間隔が密なフィラメント(すなわち、相対的に多孔率が低い)部分又はバンドを含むことができる。相対的に低密度の編組部分は、編組体において相対的に大きい開口部を有することができ、相対的に高密度の編組部分は、編組体において相対的に小さい開口部を有することができる。材料(例えば、内皮細胞等の体組織)を、拡張可能インプラントのメッシュの隙間に入る及び/又は付着するように促進することができる。例えば、相対的に高密度の編組部分を用いて、相対的に大きい内皮細胞の付着を促進することができ、相対的に低密度の編組部分を用いて、全体的な重量及び/又は患者に植え込まれる材料を低減することができる。相対的に低密度の部分はまた、拡張可能インプラントの最終的な形状を決めることができる。例えば、相対的に低密度の(より開放した)メッシュ又は編組体の部分により、インプラントの拡張の効果を決めることができる。
[0060] いくつかの実施形態では、送達カテーテル(例えばマイクロカテーテル)の内腔を通して医療デバイスを挿入することによって、医療デバイスを、血管系内の所望の治療部位に送達することができる。拡張可能医療デバイスを、収縮形態又は圧縮形態で送達カテーテルを通して挿入することができる。拡張可能医療デバイスの拡張可能インプラントを、送達カテーテルの遠位部を通して治療部位において(例えば動脈瘤の嚢内に)出して、拡張形態に移行させることができる。いくつかの実施形態では、送達カテーテルは、拡張可能インプラントを圧縮し又は収縮するために使用される。例えば、拡張可能インプラントを、付勢された拡張形態で形成することができ、拡張可能インプラントは、カテーテルの内腔内に配置されると圧縮される。拡張可能インプラントは、カテーテルの外側に出されると、その付勢された拡張形態を呈することができる。拡張形態では、拡張可能インプラントの第1部分は、拡張可能インプラントの第2部分に実質的に重なる。拡張可能インプラントの第1部分及び第2部分を、別個の構造とすることができ、又は単体のデバイスあるいは一体式に(monolithically)構成されたデバイスの部分とすることができる。
[0061] 本明細書に記載する拡張可能インプラント等の医療デバイスは、第1多孔質部材と、第1多孔質部材に結合された第2多孔質部材とを含むことができる。第1多孔質部材及び第2多孔質部材の各々は第1端部及び第2端部を含む。第1多孔質部材及び第2多孔質部材は、各々、血管を通して挿入される収縮形態と、動脈瘤の嚢によって規定された容積の少なくとも一部を占有する拡張形態と、を有する。いくつかの実施形態では、第1多孔質部材は、実質的に細長く、かつその拡張形態の方がその収縮形態より幅が広い。第2多孔質部材は、実質的に細長く、かつその拡張形態の方がその収縮形態より幅が広い。いくつかの実施形態では、例えば、第1多孔質部材及び第2多孔質部材の各々がそれらの拡張形態にある時、第1多孔質部材の幅の方が第2多孔質部材の幅より大きい。
[0062] いくつかの実施形態では、第1多孔質部材は、その収縮形態で第1容積を占有し、その拡張形態で第2のより大きい容積を占有するように構成されている。例えば、第1多孔質部材は、その拡張形態において、収縮形態にある第1多孔質部材の実質的に細長い形状より大きい容積を占有する、実質的に球形、長円形又は他の好適な形状を有することができる。第2多孔質部材を、その拡張形態で、第2多孔質部材の第1セグメントが第2多孔質部材の第2セグメントと重なるように、3次元配置に移行するか又は湾曲するように構成することができる。第2多孔質部材は、その拡張形態で、拡張形態にある第1多孔質部材を受け入れるように構成された内部領域を規定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第2多孔質部材は、第1多孔質部材を受け入れるように構成された開放内部領域を備えた実質的に球形状を有する。
[0063] いくつかの実施形態では、本明細書に記載する拡張可能インプラント等の医療デバイスは、第1多孔質部材及び第2多孔質部材を含むことができる。第1多孔質部材及び第2多孔質部材の各々は第1端部及び第2端部を含む。第1多孔質部材及び第2多孔質部材は、各々、血管を通して挿入される収縮形態と、動脈瘤の嚢によって規定された容積の少なくとも一部を占有する拡張形態とを有する。第1多孔質部材及び第2多孔質部材は、各々、収縮形態では実質的に細長い。第1多孔質部材は、その拡張形態では、第2セグメントと重なるように構成されかつ内部領域を規定する第1セグメントを含む3次元形状を有している。第2多孔質部材は、第1多孔質部材及び第2多孔質部材の各々がそれらのそれぞれの拡張形態にある時、第1多孔質部材の内部領域に配置されるように構成されている。いくつかの実施形態では、第2多孔質部材を、第1多孔質部材と一体化して(integrally)又は一体式に形成することができる。いくつかの実施形態では、第2多孔質材料を、第1多孔質材料を形成するフィラメントと同じフィラメントを用いて織るか又は編み組むことができる。
[0064] いくつかの実施形態では、拡張可能インプラントは、超弾性形状記憶合金の繊維又は高分子繊維を含む編組チューブの形態である。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラントは、実質的に球形の輪郭に誘導する形状変形をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラントは、らせん状輪郭に誘導する形状変形をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、形状変形は、半径方向の拡張及び/又は軸方向の短縮への誘導を含むことができる。
[0065] 本明細書に記載する医療デバイスを使用して、動脈瘤の嚢によって規定される容積の少なくとも一部を占有し、及び/又は例えば脳出血に至る可能性がある動脈瘤への血流を阻止又は停止するように動脈瘤の頸部の内皮化を促進することができる。いくつかの実施形態では、ワイヤ又はポリマーフィラメントを用いて、拡張可能とすることができ、かつ動脈瘤における内皮細胞の付着を促進するようなサイズの穴を有することができる、織メッシュ又は編組ストランドを形成することができる。
[0066] 文脈上特に明確に指示されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する単数形「1つの(a、an)」及び「その(the)」は、複数の指示対象を含むことに留意されたい。従って、例えば「内腔」という用語は、単一の内腔又は内腔の組合せを意味するように意図されている。さらに、「近位」及び「遠位」という語は、医療デバイスを患者の体内に挿入する術者(例えば、外科医、医師、看護師、技術者等)に対してそれぞれ近づく方向及び離れる方向を指し、デバイスの先端(すなわち遠位端)は、最初に患者の体内に挿入される。従って、例えば、患者の体内に最初に挿入される端部は、医療デバイスの遠位端であり、患者の体の外側にあるか又は患者の体内に後に挿入される端部は、医療デバイスの近位端である。さらに、同様に識別される要素を説明するために使用する「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に明確にするためのものであり、優先順位、又はこうした数値の識別子を特許請求の範囲における特定の要素に関連付けなければならないことを意味するようには意図されていない。
[0067] 図1及び図2は、それぞれ第1形態及び第2形態にある、一実施形態による血管用医療デバイス100の概略図である。医療デバイスは、動脈瘤の治癒を促進するように構成されている。より詳細には、医療デバイスの少なくとも一部は、動脈瘤の嚢によって規定された容積の少なくとも一部を占有するように構成され、いくつかの実施形態では、医療デバイスの少なくとも一部は、動脈瘤の頸部の上における内皮細胞の付着を促進するように構成されている。動脈瘤頸部の上での内皮化が完了すると、親血管(すなわち、動脈瘤が形成されている血管)から動脈瘤頸部への血流が妨げられる。
[0068] 医療デバイス100は、挿入部分102及び拡張可能インプラント110を含むことができる。挿入部分102は、例えば拡張可能インプラント110の近位部分112等において拡張可能インプラント110に結合されている。いくつかの実施形態では、挿入部分102は、拡張可能インプラント110に取外し可能に結合される。このように、挿入部分102を、拡張可能インプラントを動脈瘤に送達した後に、拡張可能インプラント110から分離し、患者の血管系から取り除くことができる。挿入部分102は、例えば、ガイドワイヤ又はワイヤの遠位端部分であり得る。医療デバイス100を、(図1及び図2において破線で示す)カニューレ又はカテーテル104とともに用いて、例えば拡張可能インプラント110を動脈瘤に送達することができる。
[0069] 拡張可能インプラント110は、動脈瘤内(例えば、動脈瘤の嚢内)で展開されるように構成されている。拡張可能インプラント110は、第1部分120及び第2部分130を有している。図1に示すように、拡張可能インプラント110は、第1部分120及び第2部分130が実質的に直線状に位置合せされている第1形態を有している。拡張可能インプラント110は、その第1形態では、血管を通して挿入されるように構成されている。拡張可能インプラント110はまた、その第1形態にある時、動脈瘤の頸部を通して挿入されるようにも構成されている。
[0070] 拡張可能インプラント110は、その第1形態と、図2に示すような、第2部分130が第1部分120に少なくとも部分的に重なる第2形態との間で移行可能である。例えば、第2部分130を、第1部分120及び第2部分130の複数のセグメントが重なるように、複数回屈曲する、湾曲する及び/又はねじれるように構成することができる。さらに、第1部分120及び第2部分130の少なくとも一方を、それぞれ第1部分又は第2部分がそれ自体と重なるように複数回屈曲又は湾曲するように構成することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント110を、複数の第1部分及び複数の第2部分を有するものと理解することができる。言い換えれば、拡張可能インプラントは、動脈瘤の容積のすべて又は実質的にすべてを占有するようにその展開形態でそれ自体に連続的に重なることができる。
[0071] 拡張可能インプラント110は、その第2形態では、動脈瘤の嚢によって規定される容積の少なくとも一部を占有するように構成されている。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント110がその第2形態にある時、拡張可能インプラントの少なくとも一部は、動脈瘤の頸部の上に配置されるように構成されている。例えば、第2部分130が第1部分120に重なる拡張可能インプラント110の部分を、動脈瘤の頸部の上に配置されるように構成することができる。従って、動脈瘤頸部の上に配置された拡張可能インプラント110の部分は、密度が増大し(例えば、第1部分120又は第2部分130と個々に比較すると2倍の密度)、それは、血流が動脈瘤の嚢に入るのを制限するか又は防止するのに役立つ。動脈瘤頸部の上に配置された拡張可能インプラント110の部分は、動脈瘤頸部における内皮細胞の付着のための足場であり得る。例えば、動脈瘤頸部の上に配置された拡張可能インプラント110の部分を、本明細書においてより詳細に記載するように、多孔質メッシュを含むこと等により多孔質とすることができる。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント110の第1部分120及び第2部分130は、第2形態に付勢される。
[0072] 上述したように、いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント110の少なくとも一部は多孔質である。例えば、いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント110の少なくとも一部は、拡張可能インプラント110の壁又は層が複数の開口部又は隙間118を規定するようにメッシュ(例えば、織られた、編み組まれた又はレーザ切断された)材料を含み及び/又はそうしたメッシュ材料から構成され得る。より詳細には、いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント110の第1部分120及び第2部分130の少なくとも一方又は両方は、多孔質メッシュを含むことができる。多孔質メッシュは、拡張可能インプラント110がその第1形態にある時に第1多孔率を有し、拡張可能インプラントがその第2形態にある時に第2多孔率を有することができる。より詳細には、いくつかの実施形態では、多孔質メッシュは、拡張可能インプラントがその第1形態にある時より拡張可能インプラント110が第2形態にある時の方が高い多孔率を有することができる。例えば、1つ又は複数の個々の細孔又は開口部は、第1形態にある時より第2形態にある時の方が大きいため、多孔質メッシュの多孔率を上昇させることができる。例えば、多孔質メッシュを、第2形態で拡張することができ、それにより、メッシュのフィラメントの間の空間(従って、メッシュの1つ又は複数の開口部のサイズ)が増大する。言い換えれば、細孔開口部の総容積を増大させることができる。別の例では、拡張可能インプラント110がその第1形態に収縮された時に閉鎖していた1つ又は複数の開口部が、拡張可能インプラントがその第2形態に移行する時に再度開放するため、多孔質メッシュの多孔率を上昇させることができる。言い換えれば、開放した細孔の数を増大させることができる。
[0073] いくつかの実施形態では、第1部分120及び第2部分130は、同じか又は異なる多孔率のうちの1つを有することができる。例えば、第1部分120は、第2部分130の多孔率より高い多孔率を有することができる。別の例では、第2部分130は、第1部分120の多孔率より高い多孔率を有することができる。別の例では、第2部分130は、第1部分120の多孔率より高い多孔率を有することができる。さらに別の例では、第1部分120及び第2部分130は、拡張形態において実質的に等価な多孔率を有することができる。
[0074] いくつかの実施形態では、第1部分120及び第2部分130の少なくとも一方は、1つ、2つ、3つ又はそれより多くの層を含む。例えば、いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント110の第1部分120は、多孔質メッシュの第1層(図1又は図2には示さず)及び多孔質メッシュの第2層(図1又は図2には示さず)を含む。第1層及び第2層は、同じ多孔率を有することも異なる多孔率を有することも可能である。いくつかの実施形態では、第1層は第2層からずれている。従って、第1部分の多孔率は、第1層及び第2層の多孔率と、第1層が第2層からずれている様態とによって決まる。
[0075] いくつかの実施形態では、第1部分120又は第2部分130のうちの少なくとも一方等、拡張可能インプラント110の少なくとも一部は、例えばニチノール等の形状記憶材料を含むことができ、所望の形状を呈するように予備成形されることが可能である。従って、こうした実施形態では、拡張可能インプラント110の一部(例えば、第1部分120及び/又は第2部分130)を、拡張した第2形態に付勢し、拡張可能インプラントの一部を拘束するか又は圧縮することにより、収縮された第1形態に移行させることができる。
[0076] いくつかの実施形態では、第1部分120又は第2部分130のうちの少なくとも一方等、拡張可能インプラント110の少なくとも一部は、後により詳細に説明する電気陽性材料を含むことができる。
[0077] 拡張可能なインプラント110は、拡張形態にある時、種々の異なる形状、サイズ及び形態を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、拡張形態にある時、拡張可能インプラント110は実質的に球形であり得る。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント110は、実質的に螺旋状であり得る。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント110は、実質的に円形、ディスク状又はリング状であり得る。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント110は、患者の体内の標的動脈瘤の形状に基づく特別仕様の形状、例えば、撮像デバイスによって検出されるような標的動脈瘤の形状を原型とする形状であり得る。例えば、動脈瘤形状の画像を、血管造影図を用いて取得することができ、拡張可能インプラント110に対して、血管造影図に示される動脈瘤の形状を原型とすることができる。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント110は、外周又は外径が異なる複数の部分を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、拡張形態にある時、拡張可能インプラント110は、第1外周を有する第1部分、第2外周を有する第2部分、及び第3外周を有する第3部分を含むことができる。こうした実施形態では、第2外周を、第1外周及び第3外周の各々より小さくすることができる。
[0078] 医療デバイス100の一使用例では、カテーテル104を、血管内に挿入し、動脈瘤等、血管障害の近くの所望の部位に誘導することができる。拡張可能インプラント110は、治療部位に送達されるためにカテーテル104の細長い内腔内に挿入される。カテーテル104の遠位部分は、血管内で動脈瘤に隣接して配置される。拡張可能インプラント110は、カテーテルの内側の第1位置からカテーテルの外側の第2位置まで移動する。拡張可能インプラント110が第1位置にある時、第1部分120及び第2部分130の各々は第1形態にある。例えば、第1形態では、第1部分120及び第2部分130の各々を、カテーテル104の内腔内で圧縮するか収縮することができ、それらは実質的に直線状の形態である。
[0079] 拡張可能インプラント110を、拡張可能インプラント110がその第2位置に移動した時に動脈瘤の嚢に入ることができるように、動脈瘤と流体連通する血管の開口部に対して方向付けることができる。拡張可能インプラント110を、動脈瘤の嚢内に誘導されかつその中に配置されるように、挿入部分102を用いてその第1位置からその第2位置に移動させることができる。拡張可能インプラント110がその第2位置にある時、第1部分及び第2部分は各々第2形態を有する。例えば、第2形態では、第1部分120及び第2部分130の各々を、3次元形状に拡張することができる。第2形態にある第1部分120の3次元形状は、第2部分130の3次元形状と類似することも可能であり異なることも可能である。第2形態では、拡張可能インプラント110の第1部分120は、第2部分130に実質的に重なる。いくつかの実施形態では、第1部分及び第2部分の各々がそれらのそれぞれの第2形態にある時、第2部分130は、第1部分によって規定される内部領域内に配置される。
[0080] 第1部分120及び第2部分130を、同時に又は逐次それらのそれぞれの第2形態に移行させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1部分120がその第2形態に移行する前に、第2部分130がその第2形態に移行する。拡張可能インプラント110は、拡張可能インプラント110の壁が動脈瘤の壁の少なくとも一部に接触するように、かつ/又は拡張可能インプラントの一部が動脈瘤の頸部の上に配置されるように、付勢された拡張可能形態を呈することができる。拡張可能なインプラント110が動脈瘤の頸部の上にあることにより、親血管から動脈瘤嚢内へのさらなる血流を実質的に低減しかつ/又は防止することができ、それは、拡張可能インプラントが、親血管からの血流に対する物理的流れ阻害部(disruptor)として、かつ頸部/血管壁の内皮化を促進するための動脈瘤頸部における内皮細胞の付着のための足場として作用することができるためである。そして、挿入部分102を、拡張可能インプラント110の近位端から切り離し、カテーテル104を通して取り除くことができる。
[0081] 図3、図4、図5A、図5B及び図5Cは、一実施形態による医療デバイスを示す。医療デバイス200は、医療デバイス100に対して上述したものと同じ特徴及び機能のうちのすべて又はいくつかを含むことができる。医療デバイス200は、挿入部分202及び拡張可能インプラント210を含む。拡張可能インプラント210は、その近位端において挿入部分202の遠位端に取外し可能に結合されている。
[0082] 拡張可能インプラント210は第1部分220及び第2部分230を含む。図3及び図5Aに示すように、拡張可能インプラント210は、第1部分220及び第2部分230が実質的に直線状に位置合せされる、第1形態すなわち収縮形態を有する。このように、拡張可能インプラント210を、血管Vを通して動脈瘤A等の治療部位まで送達されるように、カテーテル204の内腔内に配置することができる。拡張可能インプラント210は、その第1形態では、図2に示すように第1幅Wを有する。図4並びに図5B及び図5Cに示すように、拡張可能インプラント210は、第2形態、すなわち拡張形態又は展開形態に移行可能である。挿入部分202は、拡張可能インプラント210を第1形態から第2形態に移行させるように構成されている。拡張可能インプラント210がその第2形態にある時、挿入部分202を、拡張可能インプラント210から切り離すことができる。
[0083] 拡張可能インプラント210は、その第2形態では、動脈瘤Aの嚢によって規定される容積の少なくとも一部を占有するように構成されている。従って、拡張可能インプラント210は、第2の拡張形態において、その第1幅Wより大きい第2幅Wを有する。例えば、拡張可能インプラント210は、その第1形態では実質的に幅が狭く細長いことが可能であり、その第2形態では3次元形状を呈することができる。図3〜図5Cに示す実施形態では、拡張可能インプラント210は、その第2形態で実質的に球形状を有する。拡張可能インプラント210は、その3次元形状が動脈瘤の形状のあらゆる不規則性に適応することができるように適合的であり得る。第2形態では、拡張可能インプラント210の第2部分230は、第1部分220に少なくとも部分的に重なる。拡張可能インプラント210の少なくとも一部は、拡張可能インプラントが動脈瘤Aの嚢内においてその第2形態にある時、動脈瘤Aの頸部Nの上に配置されるように構成されている。本明細書においてより詳細に記載するように、拡張可能インプラント210は、動脈瘤Aの頸部Nにおける内皮細胞の付着を促進するように構成されている。
[0084] 図3に示す実施形態では、第1部分(又は部材)220は第1リボン状ストランドであり、第2部分(又は部材)230は、第1部分とは別個の第2リボン状ストランドである。他の実施形態では、拡張可能インプラントは、別個の部分ではなく、(例えば一体化して又は一体式に構成された)単一リボン状ストランドからの第1部分及び第2部分を含むことができる。第1部分220の第1端部222が第2部分230の第1端部232に結合されている。接着剤、機械的結合器、溶接部等又は上述したもののあらゆる組合せ等、第1部分220の第1端部222を第2部分230の第1端部232に結合するあらゆる好適な機構を使用することができる。例えば、第1端部222、232をバンド240によって結合することができる。バンド240を、挿入部分202の拡張可能インプラント210への結合に役立つように構成することも可能である。バンド240は、例えば、放射線不透過性マーカであるか、又は放射線不透過性マーカを含むことができる。
[0085] 第1部分220の第2端部224及び第2部分230の第2端部234には、各々、それぞれ放射線不透過性マーカ242、244が結合されている。放射線不透過性マーカ242、244は、治療部位への送達中に及び/又は植込みの後に、拡張可能インプラント210の撮像を容易にするように構成されている。マーカ242、244は、拡張可能インプラント210がその第2形態にある時に、動脈瘤Aの嚢内に完全に配置されるように構成されている。従って、マーカ242、244は、動脈瘤A又は血管Vの壁を穿刺せず、マーカ242、244は、動脈瘤頸部における内皮細胞の付着を妨げない。これはまた、マーカ242、244が動脈瘤の頸部に又はそれに近接して配置された時、親血管から血液はマーカの周囲で凝塊する傾向があり得るため、有益である。
[0086] 拡張可能部材210がその第1形態とその第2形態との間で移行する時、第1部分220及び第2部分230のうちの少なくとも一方もまた、第1形態と第2形態との間で移行可能である。第1部分又は部材220は、第1部分220が実質的に細長く第1幅を有する第1形態、すなわち収縮形態を有する。第1部分220は、第1部分220が第1幅より大きい第2幅を有する第2形態、すなわち拡張形態を有する。例えば、第1部分220は、実質的に直線状の細長い収縮形態から、拡張形態又は展開形態での多次元(例えば3次元)形状に移行可能であり得る。図4及び図5Cに示すように、第1部分220は、拡張形態で、拡張可能インプラント210に全体的に球形状を与える3次元形状を有することができる。第1部分220を、その第2形態、すなわち拡張形態に付勢することができる。
[0087] 第1部分又は部材220は、多孔質であり、例えば多孔質メッシュを含むか又は多孔質メッシュから構成され得る。多孔質メッシュを、少なくとも拡張可能インプラント210がその第2形態にある時に、フィラメントの一部の間に開口部又は隙間が存在するように、合わせて織られるか又は編み組まれるフィラメントを用いて形成することができる。例えば、多孔質メッシュは、複数の編組ワイヤを含むことができる。好適なメッシュ材料については、本明細書においてより詳細に記載する。多孔質メッシュは、第1部分220が第1形態にある時に第1多孔率を有することができ、第1部分220が第2形態にある時に第2多孔率を有することができる。例えば、第1部分220がその第1形態、すなわち収縮形態からその第2形態、すなわち拡張形態まで移行すると、メッシュは、メッシュの開口部のサイズが増大するように拡張することができ、従ってメッシュの多孔率が上昇する。多孔質メッシュは、メッシュが動脈瘤A内に配置された時に血塊形成及び内皮細胞の付着を促進する足場として作用するように構成されている。特に、内皮細胞は、メッシュの開口部に移動する。
[0088] 拡張可能インプラント210の第1部分220は、多孔質メッシュの第1層と多孔質メッシュの第2層とを含む。このように、第1部分220の密度は、第1層又は第2層のいずれかの個々の密度より高い。こうした二重密度構造は、例えば第1部分220の第1層及び第2層が動脈瘤Aの頸部Nの上に配置された時、動脈瘤A内への血流を制限するか又は妨げるのに役立つことができる。多孔質メッシュの第1層及び多孔質メッシュの第2層は、同じ多孔率を有することも異なる多孔率を有することも可能である。多孔質メッシュの第1層を、多孔質メッシュの第2層からずらすことができる。このように、第1部分220の全体的な多孔率は、第1層又は第2層のいずれかの個々の多孔率より高い。多孔質メッシュの第1層及び第2層を、互いにあらゆる好適な方法で結合することができる。例えば、第1部分220を、内部を通して細長い内腔を有する細長い管状メッシュを用いて形成することができる。こうした実施形態では、細長いメッシュを管状構造からリボン状構造に平坦化することができ、それにより、メッシュの第1側又は第1層は、メッシュの第2側又は第2層の上に又はそれに近接して配置され、従って二重密度又は二層メッシュ構造が形成される。
[0089] 拡張可能インプラント210の第2部分又は部材230を、第1部分220と同じに又は同様に構成することができ、同じか又は同様の方法で使用することができる。拡張可能部材210がその第1形態とその第2形態との間で移行する時、第2部分230もまた、第2部分が実質的に細長く第3幅を有する第1形態、すなわち収縮形態と、第2部材が第3幅より大きい第4幅を有する第2形態、すなわち拡張形態との間で移行可能である。例えば、第2部分230は、実質的に直線状の細長い収縮形態から、拡張形態での多次元(例えば3次元)形状に移行可能であり得る。図4及び図5Cに示すように、第2部分230は、拡張形態で、拡張可能インプラント210に全体的に球形状を与える3次元形状を有することができる。第2部分230を、その第2形態、すなわち拡張形態に付勢することができる。
[0090] 第2部分230は、多孔質であり、多孔質メッシュを含むか又は多孔質メッシュから構成され得る。多孔質メッシュを、拡張可能インプラント210の第1部分220に関して上述した多孔質メッシュと同じに又は同様に構成することができ、かつ同じか又は同様の方法で使用することができる。例えば、多孔質メッシュは、少なくとも拡張可能インプラント210がその第2形態にある時に多孔質である、フィラメントの織物又は編組体を含むことができる。さらに、第2部分230の多孔質メッシュは、第2部分230が第1形態にある時に第1多孔率を有し、第2部分230が第2形態にある時に第2多孔率を有することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラント210の第2部分230は、多孔質メッシュの第1層及び多孔質メッシュの第2層を含み、それらは同じ多孔率でも異なる多孔率でもあり得る。このように、第2部分230の総密度は、第1層又は第2層の個々の密度より高い。多孔質メッシュの第1層を、第2部分230の全体的な多孔率が第1層又は第2層のいずれかの個々の多孔率より高いように、多孔質メッシュの第2層からずらすことができる。第1部分220に関して上述したのと同様に、第2部分230の多孔質メッシュの第1層及び第2層を、リボン状構造に平坦化される一体式に構成された細長い管状メッシュから形成することができる。
[0091] 拡張可能インプラント210の第1部分220及び第2部分230は、同じサイズでも異なるサイズでもあり得る。例えば、図5Aに示すように、第1部分220は、その第1形態、すなわち収縮形態で、第1形態、すなわち収縮形態にある第2部分230の長さより短い長さを有することができる。このように、マーカ242、244は、動脈流Aの頸部Nを通して逐次導入され、これにより、拡張可能インプラント210をより幅の狭い頸部Nを通して導入することができる。別の例では、第1部分220及び第2部分230は、同じ幅でも異なる幅でもあり得る。いくつかの実施形態では、例えば、第1形態にある第1部分220の第1幅は、第1形態にある第2部分230の第3幅より幅が広い。第2形態にある第1部分220の第2幅もまた、第2形態にある第2部分230の第4幅より広い幅であり得る。別の例では、第2部分230の第4幅、すなわち拡張した幅を、第1部分220の第2幅、すなわち拡張した幅より大きくすることができる。いくつかの実施形態では、第1部分220の多孔質メッシュは、拡張可能インプラント210がその第2形態にある時に第1幅である多次元形状を有することができ、第2部分230の多孔質メッシュは、拡張可能インプラントがその第2形態にある時に第1幅より小さい第2幅である多次元形状を有することができる。
[0092] いくつかの実施形態では、例えば、第1部分220(又は第1部分の多孔質メッシュ)は、拡張可能インプラントがその第2形態で拡張する時、約8mmの幅を有することができ、第2部分230(又は第2部分の多孔質メッシュ)は、拡張可能インプラントがその第2形態で拡張する時、約9.5mmの幅を有することができる。従って、第1部分220が拡張形態で第2部分230より全体的なサイズが小さい実施形態では、第1部分220を、第2形態にある第2部分230によって形成された開放内部領域内に配置されるように構成することができる。
[0093] いくつかの実施形態では、医療デバイス200の変形が企図される。例えば、こうした実施形態では、拡張可能インプラントの第1部分は、内部を通して内腔を規定する第1管状メッシュを含むことができ、拡張可能インプラントの第2部分は、第1管状メッシュの内腔内に配置された第2管状メッシュを含むことができる。第1管状メッシュ構造及び第2管状メッシュ構造を、実質的にリボン状ストランドに形成することができる。従って、拡張可能インプラントは4層密度を有する。拡張可能インプラントは、第1部分及び第2部分によって形成されたストランドに加えて、さらなるリボン状ストランドを含むことができる。例えば、拡張可能インプラントは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ又は9つのストランドを含むことができ、ストランドの各々は、所望の数の層(例えば、2つ、4つ又はそれより多くの層)を有している。従って、所望の量の密度を有する拡張可能インプラントを形成することができる。上述したように、高密度構造は、親血管から動脈瘤内への血流を妨げるのに役立つ。拡張可能インプラントの各層又は部分は、他の層又は部分と密度が同じであることも異なることも可能である。さらに、拡張可能インプラントの各層又は部分は、他の層又は部分と多孔率が同じであることも異なることも可能である。
[0094] 図6は、医療デバイスの別の実施形態の一部を示す。医療デバイス300は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス300は、拡張可能インプラント310及び挿入部分又は部材(図6には示さず)を含む。拡張可能インプラント310は、拡張形態で示されており、拡張可能インプラント210に対して上述したものと同じか又は同様の方法で、拡張可能インプラントが実質的に細長い圧縮形態又は収縮形態と、拡張形態との間で移行することができる。拡張形態では、拡張可能インプラント310の第1部分320には、拡張可能インプラントの第2部分330が重なる。さらに、拡張可能インプラント310がその拡張形態にある時、第1部分320の少なくとも一部は、第2部分330によって規定される開放内部領域336内に配置される。
[0095] 拡張可能インプラント310は、多孔質メッシュのリボン状ストランドを含む。多孔質メッシュの少なくとも一部は、拡張可能インプラント310が拡張形態にある時、動脈瘤の頸部の上に配置されるように構成されている。多孔質メッシュは、拡張可能インプラント310が拡張形態にある時、複数回、屈曲し、湾曲し、及び/又はねじれて実質的に球形状になるように構成されている。多孔質メッシュを、拡張可能インプラント210の多孔質メッシュより幅が広いリボン状構造とすることができる。このように、拡張可能インプラント310の多孔質メッシュは、拡張可能インプラント210より長さが短いことが可能であるが、依然として、動脈瘤内において(かつ動脈瘤の頸部の上で)拡張可能インプラント210と同様の量の被覆率を提供することができる。多孔質メッシュは、拡張可能インプラント310の所望の密度及び多孔率に応じて、1つ、2つ又はそれより多くの層を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1放射線不透過性マーカ342が拡張可能インプラント310の第1端312に結合され、第2放射線不透過性マーカ344が拡張可能インプラントの第2端314に結合されている。拡張可能インプラント310は、放射線不透過性マーカ342、344が動脈瘤嚢内に完全に配置され、かつ多孔質メッシュが動脈瘤の頸部の上に配置されるように、動脈瘤内に完全に配置されるように構成されている。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカは、動脈瘤の側部に配置される(すなわち、動脈瘤の頸部から離れて配置される)ように構成されている。
[0096] 図7は、医療デバイスの別の実施形態を示す。医療デバイス400は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス400は、拡張可能インプラント410及び挿入部分又は部材402を含む。拡張可能インプラント410は、動脈瘤の嚢を占有するようなサイズであり、挿入部材402は、拡張可能インプラントの動脈瘤の嚢内への送達を容易にするように構成されている。拡張可能インプラント410は、拡張形態で示されており、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の方法で、圧縮形態又は収縮形態と拡張形態との間で移行することができる。
[0097] 拡張可能インプラント410は、動脈瘤内で360度らせん状又はリング状構造として拡張するように構成された多孔質メッシュの少なくとも1つのリボン状ストランドを含む。拡張形態では、拡張可能インプラント410の第1部分420には、拡張可能インプラントの第2部分(図7には示さず)が重なり、この第2部分には、拡張可能インプラントの第3部分450が重なる。このように、拡張可能インプラント410の少なくとも一部は、インプラント材料(例えば、先の実施形態で上述したような多孔質メッシュ)の2つ、3つ、4つ又はそれより多くの層を含み、それらを、高密度の流れ阻害部として機能するように動脈瘤内から動脈瘤の頸部の上に配置することができる。ある実施形態では、放射線不透過性マーカ442が拡張可能インプラント410に連結される。
[0098] 図8は、医療デバイスの別の実施形態を示す。医療デバイス500は、医療デバイス400に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス500は、拡張可能インプラント510及び挿入部分又は部材502を含む。医療デバイス500を、マイクロカテーテル504を用いて動脈瘤又は他の血管障害部まで送達することができる。拡張可能インプラント510は、動脈瘤の嚢によって規定される容積の少なくとも一部を占有するようなサイズであり、挿入部材502は、動脈瘤の嚢内への拡張可能インプラントの送達を容易にするように構成されている。拡張可能インプラント510は、拡張形態で示されており、先の実施形態において上述したものと同じか又は同様の方法で、圧縮形態又は収縮形態と拡張形態との間で移行することができる。
[0099] 拡張可能なインプラント510は、図8に示すように、動脈瘤内で実質的に環状又はディスク状構造として拡張するように構成された多孔質メッシュを含む。拡張形態では、拡張可能インプラント510の第1端部512は、拡張可能インプラントの第2端部514と係合し及び/又は重なっている。拡張可能インプラント510は、多孔質メッシュの第1密度を有する第1部分520と、多孔質メッシュの第2のより高密度を有する第2部分530とを含む。より詳細には、多孔質メッシュの織物又は編組体は、拡張可能インプラントの第1部分520より第2部分530の方が、密度が高い。拡張可能インプラント510は、第2部分530の少なくとも一部が動脈瘤の頸部の上に配置されるように、動脈瘤内(又は他の血管障害部)内に配置されるように構成されており、それは、密度が高いほど拡張可能インプラントへの内皮細胞の付着を促進するためである。拡張可能インプラント510は、少なくとも1つの放射線不透過性マーカ542を含み、それを、(図8に示すように)第1端部512及び/又は第2端部514のうちの一方の上に配置することができる。拡張可能インプラント510が、その拡張形態で、相対的に高密度である第2部分530が動脈瘤の頸部の上に配置されるように、動脈瘤内に配置されると、少なくとも1つの放射線不透過性マーカ542は、動脈瘤の嚢内に動脈瘤の頸部から離れて配置される。
[00100] 図9は、医療デバイスの別の実施形態を示す。医療デバイス600は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス600は、拡張可能インプラント610及び挿入部分又は部材602を含む。拡張可能インプラント610は、動脈瘤の嚢によって規定される容積の少なくとも一部を占有するようなサイズであり、挿入部材602は、拡張可能インプラントの動脈瘤の嚢内への送達を容易にするように構成されている。拡張可能インプラント610は、拡張形態で示されており、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の方法で、圧縮形態又は収縮形態と拡張形態との間で移行することができる。
[00101] 拡張可能インプラント610は、メッシュの少なくとも2つの層を有する多孔質メッシュのリボン状ストランドを含む。図9に示すように、拡張可能インプラント610は、動脈瘤内で実質的にらせん状又はコイル状構造として拡張するように構成されている。拡張可能インプラント610を、頸部における内皮細胞の付着を促進するためにインプラントの少なくとも一部が動脈瘤の頸部の上に配置されるように、動脈瘤内(又は他の血管障害部)内に配置することができる。図9に示すように、拡張可能インプラント610は、拡張可能インプラント610の端部に配置することができる少なくとも1つの放射線不透過性マーカ642を含む。挿入部材602を、放射線不透過性マーカにおいて拡張可能インプラントに取外し可能に結合することができる。
[00102] 図10は、医療デバイスの別の実施形態を示す。医療デバイス700は、医療デバイス600に対して上述したものと同一か又は同様の特徴及び機能を含む。例えば、医療デバイス700は、拡張可能インプラント710と、挿入部分又は部材702と、拡張可能インプラントの端部に結合された放射線不透過性マーカ742とを含む。拡張可能インプラント710は、管状又は丸い編組構造で形成された多孔質メッシュを含む。丸い編組構造は、例えば上述した平坦化したリボン状構造より高い柔軟性を拡張可能インプラント710に与えることができる。
[00103] 図11は、医療デバイスの別の実施形態を示す。医療デバイス800は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス800は、拡張可能インプラント810及び挿入部分又は部材802を含む。医療デバイス800を、マイクロカテーテル804を用いて動脈瘤又は他の血管障害部に送達することができる。拡張可能インプラント810は、動脈瘤の嚢の容積の少なくとも一部を占有するようなサイズであり、挿入部材802は、拡張可能インプラントのマイクロカテーテル804から動脈瘤の嚢内への送達を容易にするように構成されている。拡張可能インプラント810は、拡張形態で示されており、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の方法で、圧縮形態又は収縮形態と拡張形態との間で移行することができる。
[00104] 拡張可能インプラント810は、第1部材820及び第2部材830を含む。第1部材820及び第2部材830は、拡張可能インプラント810の第1端部812及び拡張可能インプラントの第2端部814において結合されている。第1部材820及び第2部材830はまた、第1端部812と第2端部814との間の拡張可能インプラント810の少なくとも1つの中間部分において互いに結合されている。第1部材820及び第2部材830を、例えば放射線不透過性マーカ842、844、846を用いて結合することができる。結合の各場所は、拡張可能インプラントが動脈瘤内に送達され、動脈瘤の形状に適合するように動脈瘤内で拡張する時、拡張可能インプラント810の折れ曲がり箇所であるように構成されている。従って、拡張可能インプラント810を、例えば、動脈瘤の形状に応じて屈曲させるか又は折り曲げることがでないインプラントと比較して、動脈瘤内により密に詰め込むことができる。拡張可能インプラント810の第1部材820及び第2部材830のうちの少なくとも一方は、管状又は丸い編組構造から形成された多孔質メッシュを含む。
[00105] 図12は、医療デバイスの別の実施形態を示す。医療デバイス900は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス900は、拡張可能インプラント910及び挿入部分又は部材902を含む。拡張可能インプラント910は、動脈瘤の嚢を占有するようなサイズであり、挿入部材902は、マイクロカテーテル(図12には示さず)から動脈瘤の嚢内への拡張可能インプラントの送達を容易にするように構成されている。拡張可能インプラント910は、拡張形態で示されており、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の方法で、圧縮形態又は収縮形態と拡張形態との間で移行することができる。
[00106] 拡張可能インプラント910は、一連の狭窄部分930、932、934、936によって分離された一連の拡張可能部分920、922、924、926、928を含む。拡張可能部分920、922、924、926、928を、例えば球、ディスク、放物線等に類似するものを含む、あらゆる好適な多次元形状に拡張するように構成することができる。さらに、各拡張可能部分920、922、924、926、928は、別の拡張可能部分の拡張形状とは別個の拡張形状を有することができる。
[00107] 図12に示すように、拡張可能インプラント910がその拡張形態にある時、拡張可能部分920、922、924、926、928は、狭窄部分930、932、934、936より多孔質でありかつ密度が低い。各拡張可能部分920、922、924、926、928の密度及び/又は多孔率を、他の拡張可能部分920、922、924、926、928から変化させることができ、各拡張可能部分920、922、924、926、928の密度及び/又は多孔率を、それぞれの拡張可能部分の長さ及び/又は幅に沿って変化させることができる。例えば、第1拡張可能部分920を、第1狭窄部分930に近接して相対的に高密度及び/又は低多孔率とすることができ、第1拡張可能部分920の中間のより広い部分において相対的に低密度及び/又は高多孔率とすることができる。さらに、拡張可能部分920、922、924、926、928は、各々、拡張可能インプラント910がその収縮形態にある時より幅が大きいように構成されており、狭窄部分930、932、934、936は、各々、拡張可能部分920、922、924、926、928の幅より幅が狭いように構成されている。従って、拡張可能インプラント910は、動脈瘤の形状に適合するのに役立つように、狭窄部分930、932、934、936において屈曲し、湾曲し、及び/又は折れ曲がるように構成されている。
[00108] 拡張可能インプラント910がその拡張形態にある時、第1拡張可能部分920は、他の拡張可能部分922、924、926、928の幅より幅が大きいように構成されている。第1拡張可能部分920は、図12に示すように、拡張可能部分920、922、924、926、928の最も近位であり得る。第1拡張可能部分920は、拡張可能インプラント910が動脈瘤内でその拡張形態で配置された時、動脈瘤の頸部の上に配置されるように構成されている。このように、第1拡張可能部分920は、親血管から動脈瘤内への血液の流れを制限するのに役立つように、動脈瘤の頸部において流れ阻害部として作用するように構成されている。残りのより遠位の拡張可能部分922、924、926、928は、動脈瘤を閉塞するように動脈瘤内に詰め込まれるように構成されている。
[00109] 拡張可能インプラント910は、インプラントの第1端部912に結合された第1放射線不透過性マーカ942と、インプラントの第2端914に結合された第2放射線不透過性マーカ944とを含む。放射線不透過性マーカ942、944は、拡張可能インプラント910が動脈瘤内にその拡張形態で配置された時、動脈瘤の嚢内に完全に配置されるように構成されている。
[00110] 図13は、医療デバイスの別の実施形態を示す。医療デバイス1000は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス1000は、拡張可能インプラント1010及び挿入部分又は部材1002を含む。拡張可能インプラント1010は、動脈瘤の嚢を占有するようなサイズであり、挿入部材1002は、動脈瘤の嚢内への拡張可能インプラントの送達を容易にするように構成されている。拡張可能インプラント1010は、拡張形態で示されており、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の方法で、圧縮形態又は収縮形態と拡張形態との間で移行することができる。
[00111] 拡張可能インプラント1010は、第1多孔質部材1020及び第2多孔質部材1030を含む。第1多孔質部材1020は、拡張可能インプラント1010がその拡張形態にある時に多次元形状を有するように構成された多孔質メッシュを含む。従って、第1多孔質部材1020は、拡張形態で、収縮形態にある第1多孔質部材の第1幅より大きい第2幅を有する。第1多孔質部材1020を、例えば、図13に示すような放物線、球、ディスク等に類似するものを含む、あらゆる好適な多次元形状に拡張するように構成することができる。第1多孔質部材1020は、拡張可能部材1010が、親血管から動脈瘤内への血液の流れを阻害及び/又は停止するように動脈瘤の嚢内に配置された時、動脈瘤の頸部の上に配置されるように構成されている。さらに、第1多孔質部材1020の多孔質メッシュは、動脈瘤の頸部における内皮細胞の付着を促進するように構成されており、それは、動脈瘤の頸部の上で治癒するのに役立つことができる。
[00112] 第2多孔質部材1030は、拡張可能インプラント1010がその拡張形態にある時に多次元形状を有するように構成された多孔質メッシュを含む。従って、第2多孔質部材1030は、拡張形態で、収縮形態にある第2多孔質部材の第3幅より大きい第4幅を有する。第2多孔質部材1030を、例えば、図13に示すようなチューブ、球、ディスク、放物線等に類似するものを含む、あらゆる好適な多次元形状に拡張するように構成することができる。図13に示す実施形態では、第1多孔質部材1020の第2幅は、第2多孔質部材1030の第4幅より大きい。第2多孔質部材1030は、第1多孔質部材1020が第2多孔質部材1030と動脈瘤の頸部との間に配置されるように、動脈瘤の嚢内に配置されるように構成されている。第2多孔質部材1030は、動脈瘤を閉塞するように動脈瘤内に詰め込まれるように構成されている。
[00113] 放射線不透過性マーカ1044が、第1多孔質部材1020と第2多孔質部材1030との間に配置され、第1多孔質部材と第2多孔質部材とを結合するために使用され得る。拡張可能インプラント1010は、放射線不透過性マーカ1044において屈曲し、湾曲しかつ/又は折れ曲がるように構成されており、それは、拡張可能インプラント1010が動脈瘤の嚢の形状に適合するのに役立つことができる。別の放射線不透過性マーカ1042を、拡張可能インプラント1010の近接端部に配置することができ、挿入部分1002を拡張可能インプラントに結合するために使用することができる。放射線不透過性マーカ1042、1044は、拡張可能インプラント1010が動脈瘤内でその拡張形態で配置された時に、動脈瘤の嚢内に完全に配置されるように構成されている。
[00114] 図14及び図15は、医療デバイスの別の実施形態を示す。医療デバイス1100は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス1100は、第1多孔質部材1120と、第2多孔質部材1130と、第1多孔質部材1120及び第2多孔質部材1130に取外し可能に結合可能な挿入部分又は部材1102とを含む。
[00115] 第1多孔質部材1120は第1端部1122及び第2端部1124を有する。図14に示すように、第1多孔質部材1120は、血管を通して挿入されるように収縮形態を有する。第1多孔質部材1120は、その収縮形態で、実質的に細長く第1長さを有する。図15に示すように、第1多孔質部材1120は、動脈瘤の嚢を占有する拡張形態を有する。第1多孔質部材1120は、その拡張形態にある時、3次元形状を有し、開放内部領域1126を規定する。第1多孔質部材1120は、あらゆる好適な3次元形状を有することができる。例えば、図15に示すように、第1多孔質部材1120を、実質的に球形状に湾曲するように構成することができる。さらに、第1多孔質部材1120は、その拡張形態で、第2セグメントと重なるように構成された第1セグメントを含み、それは、例えば、多くの点で、拡張可能インプラント210及び310に関して上述したものと同様であり得る。例えば、第1多孔質部材1120は、第1多孔質部材1120のより高密度な部分を形成するように多孔質メッシュの第2セグメントと重なるように構成された第1セグメントを有するメッシュを含むことができる。
[00116] 第2多孔質部材1130は第1端部1132及び第2端部1134を有する。第2多孔質部材1130は、血管を通して挿入されるように収縮形態、すなわち第1形態(図14又は図15には示さず)を有する。第2多孔質部材1130は、その収縮形態では、実質的に細長く、第1多孔質部材の第1長さより短い第2長さを有し、かつ第1容積を占有するように構成されている。図14及び図15に示すように、第2多孔質部材1130は、動脈瘤の嚢の容積の少なくとも一部を占有するように拡張形態、すなわち第2形態を有する。第2多孔質部材1130は、その拡張形態にある時、3次元形状を有し、第1容積より大きい第2容積を占有するように構成されている。第2多孔質部材1130は、あらゆる好適な3次元形状を有することができる。例えば、図14及び図15に示すように、第2多孔質部材1130を、実質的にボール(例えば、球、丸形、長円形等)に拡張するように構成することができる。第2多孔質部材1130は、拡張形態では、多孔率が、第1多孔質部材1120の多孔率と同じであることも異なることも可能である。第2多孔質部材1130は、第1多孔質部材及び第2多孔質部材の各々が展開形態又は拡張形態にある時に第1多孔質部材1120の内部領域1126内に配置されるように構成されている。
[00117] 図14及び図15に示す実施形態では、第2多孔質部材1130は第1多孔質部材1120に結合されている。特に、第1多孔質部材1120の第1端部1122は、第2多孔質部材1130の第1端部1132に結合されている。第1多孔質部材1120及び第2多孔質部材1130のうちの少なくとも一方は、放射線不透過性マーカを含む。図14に示すように、第1放射線不透過性マーカ1142を、第1多孔質部材及び第2多孔質部材を合わせて結合するために、第1多孔質部材1120の第1端部1122及び第2多孔質部材1130の第1端部1132に配置することができる。第2多孔質部材1130の第2端部1134に、第2放射線不透過性マーカ1144を配置することができる。第1多孔質部材1120及び第2多孔質部材1130がそれらのそれぞれの拡張形態にある時、第2放射線不透過性マーカ1144は、第1多孔質部材1120によって規定される内部領域内に配置される。
[00118] 使用時、第1多孔質部材1120及び第2多孔質部材1130並びに第1放射線不透過性マーカ1142及び第2放射線不透過性マーカ1144は、動脈瘤内に完全に配置される。第2多孔質部材1130を、最初に動脈瘤内に挿入することができ、第2多孔質部材1130はその中でその拡張形態を呈することができる。次いで、第1多孔質部材1120を動脈瘤内に挿入することができ、それにより、第1多孔質部材は、その拡張形態に移行する際、第2多孔質部材1130の周囲で、湾曲するか、渦巻状に巻き付くか、又は他の方法で巻き付く。第1多孔質部材1120は、第1多孔質部材の一部が動脈瘤の頸部の上に配置されるように、動脈瘤内に配置されるように構成されている。例えば、第1セグメントが第2セグメントに重なる第1多孔質部材1120の相対的に高密度な部分を、動脈瘤頸部における内皮細胞の付着を促進するように、動脈瘤の頸部の上に配置することができる。第2多孔質部材1130は、細胞付着及び/又は血塊形成のために動脈瘤の嚢内に追加の多孔質メッシュを提供することによって、動脈瘤を閉塞するのに役立つことができる。従って、第2多孔質部材は、動脈瘤を通る血流がさらに阻止されるように動脈瘤の嚢の容積の一部を占有する。
[00119] 医療デバイス1100は、別個の第1多孔質部材1120及び第2多孔質部材1130をそれぞれ含むが、他の実施形態では、第1多孔質部材及び第2多孔質部材を異なるように構成することができる。例えば、図16を参照すると、医療デバイス1200の一実施形態が示されている。医療デバイス1200は、医療デバイス1100又は他の先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス1200は、第1多孔質部材1220と、第2多孔質部材1230と、第1多孔質部材及び第2多孔質部材に取外し可能に結合可能な挿入部分又は部材(図16には示さず)とを含む。第1多孔質部材1220及び第2多孔質部材1230の各々は、上述した第1多孔質部材1120及び第2多孔質部材1130それぞれと形状及び機能が同様であり得る。
[00120] しかしながら、図16に示す実施形態では、第2多孔質部材1230は、第1多孔質部材1220と一体式に構成されている。図16では、第1多孔質部材1220及び第2多孔質部材1230が拡張形態で示されているが、第2多孔質部材1230は、単に例示の目的で第1多孔質部材1220から間隔を空けて配置されて示されていることに留意するべきである。使用時、それらのそれぞれの展開形態又は拡張形態において、第2多孔質部材1230は、医療デバイス1100に関して図15において例示したものと同様の方法で、第1多孔質部材1220によって規定された内部領域1226内に配置される。さらに、医療デバイス1200は、2つの放射線不透過性マーカ1242、1244を含む。第1放射線不透過性マーカ1242は、第1多孔質部材1220の多孔質メッシュの端部に配置され、第2放射線不透過性マーカ1244は、第2多孔質部材1230の多孔質メッシュの反対側の端部に配置されている。
[00121] いくつかの実施形態では、医療デバイスは、拡張形態にある時に実質的に連続した外面を有する拡張可能インプラントを含む。図17A及び図17Bを参照すると、一実施形態による医療デバイス1300の一部が、それぞれ収縮形態及び拡張形態各で示されている。医療デバイス1300は、他の実施形態に対して本明細書に記載したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス1300は、収縮形態(例えば、血管を通して送達されるため)から拡張形態(例えば、動脈瘤内で展開されるため)に移行するように構成された拡張可能インプラント1310を含むことができる。拡張可能インプラント1310は、少なくとも第1部分1320及び第2部分1330を含み、追加の部分1340、1350、1360を含むことができる。拡張可能インプラント1310は、その拡張形態にある時、部分1320、1330、1340、1350、1360のうちの少なくとも2つの縁が重なるように、実質的に連続した外面を備える3次元形状(例えば実質的に球形状)を有する。例えば、図17Bに示すように、第1部分1320及び第2部分1330の縁は重なることができる。言い換えれば、拡張可能インプラント1310は、拡張可能インプラント1310の部分1320、1330、1340、1350、1360の縁の間に開口部又は空間がほとんど残らないか又はまったく残らないように、拡張形態に移行する。
[00122] 図18は、一実施形態による、本明細書に記載するように、医療デバイスを用いて動脈瘤内への血流を阻害し動脈瘤の治癒を促進する方法80を示すフローチャートである。方法80は、82において、カテーテルを血管の動脈瘤に隣接して配置するステップを含む。例えば、カテーテルの遠位部分を、血管から動脈瘤内への開口部に隣接して配置することができる。カテーテルは、医療デバイスの少なくとも一部を動脈瘤に送達するために受け入れるように構成することができる、細長い内腔を規定している。
[00123] 84において、任意選択的に、医療デバイスの拡張可能インプラントをカテーテル内に挿入する。拡張可能インプラントは第1部分及び第2部分を含み、それらの各々は、第1(例えば挿入又は収縮)形態及び第2(例えば展開又は拡張)形態を有している。第2形態では、第1部分は、第2部分に実質的に重なる。第1部分及び第2部分の各々は、多孔質メッシュも含む。多孔質メッシュは、第1形態では第1多孔率を有し、第2形態では第2多孔率を有する。第2多孔率を、例えば、第1多孔率より高くすることができる。拡張可能インプラントを、カテーテル内に挿入する前に第2形態に付勢することができる。拡張可能インプラントは、カテーテルの内腔内に配置される時、その第1形態にある。カテーテルが血管内に配置された後、カテーテルが血管内に導入される前、又はそれらの間のあらゆる時点で、拡張可能インプラントをカテーテル内に挿入することができる。
[00124] 86において、拡張可能インプラントを、任意選択的に、動脈瘤と流体連通している血管壁の開口部に方向付ける。このように、本明細書においてより詳細に記載するように、拡張可能インプラントを、カテーテルから出す時に動脈瘤の嚢に入るように方向付ける。
[00125] 88において、拡張可能インプラントを、カテーテルの内部の第1位置からカテーテルの外部の第2位置に移動させる。例えば、拡張可能インプラントを、カテーテルの内腔内部の第1位置から、カテーテルの外部の血管又は動脈瘤のうちの少なくとも一方における第2位置まで移動させることができる。上述したように、拡張可能インプラントは、カテーテルの内部のその第1位置にある時、その第1形態にある。拡張可能インプラントは、カテーテルの拘束の外部のその第2位置にある時、その第2形態に移行する。拡張可能インプラントの第2部分を、第1部分がその第2形態に移行する前に第2形態に移行させることができる。それらのそれぞれの第2形態では、第2部分を、第1部分によって規定される内部領域に配置することができる。例えば、第2部分を、多次元拡張形態を有するその第2形態に移行させることができ、その後、第1部分を、第2部分の周囲で多次元拡張形状に湾曲するその第2形態に移行させることができる。
[00126] 医療デバイスは、拡張可能インプラントをその第1位置からその第2位置に移動させるように構成された挿入部分を含むことができる。挿入部分は、例えば、拡張可能インプラントの第1部分又は第2部分のうちの一方に結合されたワイヤであり得る。90において、挿入部分を任意選択的に、拡張可能インプラントから切り離す。例えば、挿入部分を、拡張可能インプラントが動脈瘤内に挿入された後等に、拡張可能インプラントの近位端部から切り離すことができる。92において、挿入部分を任意選択的に、カテーテルを通して血管から取り除く。
[00127] 拡張可能インプラントが動脈瘤又は他の標的血管障害部内に配置された後、拡張可能インプラントが動脈瘤内に適切に配置されているか否かを判断するために、患者の身体の動脈瘤を含む部分を(例えば、X線又は他の好適な撮像技法を用いて)撮像することができる。例えば、拡張可能インプラントは、X線を用いて可視である1つ又は複数の放射線不透過性マーカを含むことができる。別の例では、処置の後に動脈瘤の頸部の上での内皮細胞の付着及び/又は治癒の成功を確定するため、拡張可能インプラントの植込みの後の所望の時点で、患者に造影剤を静脈内投与することができる。造影剤が、動脈に隣接する親血管内では可視であるが、動脈瘤自体の中では可視でない場合、拡張可能インプラントは、動脈瘤内へのさらなる血流をうまく妨げるように作動している。造影剤が動脈瘤内で可視である場合、親血管からの血流は完全に妨げられておらず、医療関係者によってさらなる治療オプションが考慮される可能性がある。
[00128] 図19Aは、医療デバイスの別の実施形態の一部を示す。医療デバイス1400は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス1400は、拡張可能インプラント1410及び挿入部分又は部材(図19Aには示さず)を含む。拡張可能インプラント1410は、拡張形態で示されており、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の方法で、拡張可能インプラント1410が実質的に細長い圧縮形態又は収縮形態と、拡張形態との間で移行することができる。
[00129] 拡張可能インプラント1410は、多孔質メッシュのリボン状ストランドを含み、その長さに沿って花びら状部分又はセクション1425及び1427を含む。多孔質メッシュの少なくとも一部は、拡張可能インプラント1410が拡張形態にある時に動脈瘤の頸部の上に配置されるように構成されている。拡張可能インプラント1410は、花びら状部分1427を含む第1部分1420と、花びら状部分1425を含む第2部分1430とを含む。第2部分1430の花びら状部分1425は、第1部分1420の花びら状部分1427より大きく、それにより、拡張可能インプラント1410がその拡張形態に移行する時、第2部分の花びら状部分1425が、第1部分1420の花びら状部分1427に少なくとも部分的に重なる。拡張可能インプラント1410の展開中(例えば、その収縮形態からその拡張形態に移行する時)、第2部分1430の花びら状部分1425が最初に展開し、その後、第1部分1420の花びら状部分1427が、第2部分1430によって規定される内部領域内で少なくとも部分的に展開する。第2部分1430の花びら状部分1425を、拡張可能インプラント1410が拡張形態にある時に動脈瘤の頸部に配置されるようなサイズにしかつそのように構成することができる。第1部分1420の花びら状部分1427を、花びら状部分1425より直径の小さい固定物で形成することができ、拡張可能インプラント1410が拡張形態にある時、動脈瘤を実質的に充填し、第2部分1430を動脈瘤の頸部の適所に保持するようなサイズにしかつそのように構成することができる。例えば、第1部分1420の花びら状部分1427は、約2mm〜12mmの直径を有することができ、第2部分1430の花びら状部分1425は、第1部分1420の花びら状部分1427より約1mm大きい対応する直径を有することができる。例えば、第2部分1430の花びら状部分1425は、約3mm〜13mmであり得る。図19Bは、拡張形態にある拡張可能インプラント1410の概略図であり、第1部分1420の第2部分1430に対する位置関係を示す。
[00130] 先の実施形態に対して記載したように、第1放射線不透過性マーカ1442が、拡張可能インプラント1410の第1端部に結合され、第2放射線不透過性マーカ(図示せず)が、拡張可能インプラント1410の第2端部に結合されている。拡張可能インプラント1410は、放射線不透過性マーカが動脈瘤嚢内に完全に配置され、多孔質メッシュが動脈瘤の頸部の上に配置されるように、動脈瘤内に完全に配置されるように構成されている。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカは、動脈瘤の側部に配置される(すなわち、動脈瘤の頸部から離れて配置される)ように構成されている。
[00131] 図20は、医療デバイスの別の実施形態の一部を示す。医療デバイス1500は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス1500は、拡張可能インプラント1510及び挿入部分又は部材(図20には示さず)を含む。拡張可能インプラント1510は、拡張形態で示されており、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の方法で、拡張可能インプラント1510が実質的に細長い圧縮形態又は収縮形態と、拡張形態との間で移行することができる。
[00132] 先の実施形態と同様に、拡張可能インプラント1510は、多孔質メッシュのリボン状ストランドを含む。拡張可能インプラント1510が拡張形態にある時、多孔質メッシュの少なくとも一部は、動脈瘤の頸部の上に配置されるように構成され、多孔質メッシュの少なくとも別の部分は、動脈瘤の容積を実質的に充填する。拡張可能インプラント1510は、第1部分1520及び第2部分1530を含む。この実施形態では、第1部分1520及び第2部分1530の各々は、拡張可能インプラント1510がその拡張形態にある時、球を形成する。第1部分1520又は第2部分1530のうちの一方を、動脈瘤の頸部に配置されるように構成することができ、第1部分1520又は第2部分1530のうちの他方は、動脈瘤の容積を実質的に充填することができる。例えば、この実施形態では、拡張可能インプラント1510が拡張形態にある時、第1部分1520を、動脈瘤のドームに配置され、第2部分1530のための固定具としての役割を果たすように構成することができ、第2部分1530を、動脈瘤の頸部を横切って配置することができる。拡張可能インプラント1510はまた、先の実施形態に対して上述したように放射線不透過性マーカ(図示せず)を含むことも可能である。
[00133] 図21及び図22は、医療デバイスの別の実施形態の一部を示す。医療デバイス1600は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス1600は、拡張可能インプラント1610及び挿入部分又は部材(図示せず)を含む。拡張可能インプラント1610は、拡張形態で示されており、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の方法で、図22に示すような圧縮形態又は収縮形態と図21に示すような拡張形態との間で移行することができる。
[00134] 先の実施形態と同様に、拡張可能インプラント1610は、ディスク状構造の形態の第1部分1620と、(図19Aの実施形態に類似する)その長さに沿って花びら状部分又はセクションを含む第2部分1630とを含む、多孔質メッシュのリボン状ストランドを含む。第1部分1620のディスク状又は球状構造を、拡張可能インプラント1610の長さに沿ったさまざまな位置(例えば、中間、端部等)に配置することができる。多孔質メッシュの少なくとも一部は、拡張可能インプラント1610が拡張形態にある時に動脈瘤の頸部の上に配置されるように構成されている。この実施形態では、拡張可能インプラント1610が拡張形態にある時、第2部分1630の花びら状部分は、第1部分1620のディスク状構造に少なくとも部分的に重なる。例えば、拡張可能インプラント1610がその拡張形態にある時、第2部分1630の花びら状部分は、第1部分1620のディスク状又は球状構造によって規定される直径より大きい直径を規定することができる。拡張可能インプラント1610はまた、拡張可能インプラント1610の第1端部1612に結合された第1放射線不透過性マーカ1642と、拡張可能インプラント1610の第2端部(図示せず)に結合された第2放射線不透過性マーカ(図示せず)とを含むことも可能である。拡張可能インプラント1610は、拡張可能インプラント1610の第1端部1612に連結されたコネクタ1652を含み得る。
[00135] 拡張可能インプラント1610は、その拡張形態にある時、花びら状部分1625のうちの少なくとも2つの縁が(図17A及び図17Bの実施形態と同様に)互いに重なり、かつディスク状部分1620に少なくとも部分的に重なるように、実質的に連続した外形を備えた3次元形状(例えば実質的に球形状)を有する。拡張可能インプラント1610は、拡張可能インプラント1610の花びら状部分1625の間に開口部又は空間がほとんど残らないか又はまったく残らないように、拡張形態に移行することができる。
[00136] 図23及び図24は、医療デバイスの別の実施形態の一部を示す。医療デバイス1800は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス1800は、拡張可能インプラント1810及び挿入部分又は部材(図23及び図24には示さず)を含む。拡張可能インプラント1810は、図23に示すような収縮形態と図24に示すような拡張形態との間で移行することができる。
[00137] 図19Aの実施形態と同様に、拡張可能インプラント1810は、その長さに沿って花びら状部分又はセクション1825を含む多孔質メッシュのリボン状ストランドを含む。多孔質メッシュの少なくとも一部は、拡張可能インプラント1810が拡張形態にある時、動脈瘤の頸部の上に配置されるように構成されている。拡張可能インプラント1810は、その拡張形態にある時、図24に示すように花びら状部分1825のうちの少なくとも2つの縁が互いに重なるように、実質的に連続した外面を備えた3次元形状(例えば実質的に球形状)を有する。
[00138] この実施形態では、植込み可能インプラント1810が形成されると、多孔質メッシュのリボン状ストランドは、多方向式に成形固定具の周囲に巻き付けられる。例えば、メッシュの一部を図23においてCで示すように固定具の周囲に連続して巻き付けることができ、メッシュの一部を図23においてSで示すようにs字型に巻き付けることができる。こうした成形により、拡張可能インプラント1810がその拡張形態に移行すると、連続して巻き付けることにより形成された花びら状部分1825は互いに続き(各花びら状部分1825によって隣接する花びら状部分1825が折り畳まれ)、s字型に形成された花びら状部分1825は、個々に自己展開するか又は折り畳まれる。拡張可能インプラント1810の多方向の適当な成形により、拡張可能インプラント1810を、動脈瘤内で断片化して展開することができる。
[00139] この実施形態では、医療デバイス1800はまた、拡張可能インプラント1810の一部を放射線不透過性にするように、拡張可能インプラント1810の長さに沿って配置されたPTコイル又はPTストランド1835を含む。図23に示すように、PTストランド1835は、拡張可能インプラント1810の長さに沿ってかつ花びら状部分1825を横切って又はその中に配置される。PTストランド1835を、例えば、拡張可能インプラント1810の近位端部及び遠位端部に配置されたマーカバンド(図示せず)に結合することができる。いくつかの実施形態では、PTストランド1835を、拡張可能インプラント1810のメッシュ内に編み組むことができる。
[00140] 図25〜図27は、医療デバイスの別の実施形態の一部を示す。医療デバイス1900は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス1900は、拡張可能インプラント1910及び挿入部分又は部材(図25〜図27には示さず)を含む。拡張可能インプラント1910は、(図25に示すような収縮形態と、図26に示すような部分的拡張形態と、図27に示すような拡張形態との間で移行することができる。
[00141] 拡張可能インプラント1910は、第1部分1920(図25〜図27参照)と第2部分1930(図27のみに示す)とを含む多孔質メッシュのリボン状ストランドを含む。この実施形態では、第1部分1920及び第2部分1930は、合わせて展開することができる別個の構成要素である。先の実施形態に対して上述したように、第1部分1920は、その長さに沿ってディスク状部分1945を含み、第2部分1930は、花びら状部分1925を含む。拡張可能インプラント1910は、その拡張形態にある時、図27に示すように3次元形状(例えば実質的に球形状)を有する。
[00142] 医療デバイス1900の展開中、花びら状部分1925が拡張形態に移行し内部領域1936を規定するように、最初に第2部分1930を展開することができる。そして、図27に示すように、第1部分1920を、ディスク状部分1945が、第2部分1930の内部領域1936内で(図26及び図27に示すように)互いの上に折り畳まれるように展開することができる。言い換えれば、図27に示すように、拡張可能インプラント1910が拡張形態にある時、第2部分1930は、第1部分1920に少なくとも部分的に重なる。多孔質メッシュの少なくとも一部は、拡張可能インプラント1910が拡張形態にある時に動脈瘤の頸部の上に配置されるように構成されている。例えば、拡張可能インプラント1910がその拡張形態にある時、第2部分1930を、血流を阻害するように動脈瘤の頸部に配置することができ、第1部分1920は、動脈瘤を相対的に高速で閉塞するのに役立つことができる。この実施形態は、第1部分1920及び第2部分1930を別個の構成要素として示すが、代替実施形態では、第1部分1920及び第2部分1930を、単一メッシュ構成要素で形成することができる。
[00143] この実施形態では、医療デバイス1900は、医療デバイス1800に対して上述したものと同様の方法で、拡張可能インプラント1910の第1部分1920及び/又は第2部分1930の長さに沿って配置されたPTコイル又はPTストランド(図示せず)も含むことができる。PTストランドを、拡張可能インプラント1910の第1端部1912に配置された第1マーカバンド1942と、拡張可能インプラント1910の第2端部に配置された第2マーカバンド1944とに結合することができる。上述したように、PTストランドを、拡張可能インプラント1910のメッシュ内に編み組むことができる。図26及び図27に示すように、拡張可能インプラント1910はまた、後により詳細に記載するように(例えば図40の考察を参照)拡張可能部材1910を取外しデバイスに結合するために使用することができるコネクタ部材1952も含む。
[00144] 図28及び図29は、医療デバイスの別の実施形態を示す。医療デバイス2000は、先の実施形態に対して上述したものとまったく同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス2000は、拡張可能インプラント2010と、挿入部分又は部材2002と、拡張可能インプラント2010の第1端部2012に結合された第1放射線不透過性マーカ2042と、拡張可能インプラント2010の第2端部2014に結合された第2放射線不透過性マーカ2044とを含む。拡張可能インプラント2010は、収縮形態(図示せず)と図28及び図29に示すような拡張形態との間で移行することができる。
[00145] この実施形態では、拡張可能インプラント2010は、例えば図10及び図11に関して上述した管状構造に類似する、多孔質メッシュから形成された3つの管状又は丸いストランド2020、2030及び2015を含む。いくつかの実施形態では、ストランド2020、2030及び2015を編み組むことができる。代替実施形態では、ストランド2020、2030及び2015を、管状ストランドではなく多孔質メッシュのリボン状ストランドで形成することができる。拡張可能インプラント2010がその拡張形態にある時、図29に示すように、管状ストランド2020、2030及び2015の少なくとも一部は互いに重なることができる。拡張可能インプラント2010を、動脈瘤の容積を充填するために使用することができ、動脈瘤の容積を充填するために単独で又は別の拡張可能インプラントとともに使用することができる。
[00146] 管状メッシュは、例えば1mm管状メッシュであり得る。この実施形態では、管状ストランド2020、2030、2015を、拡張可能インプラント2010が、その拡張形態にある時に2次元形態を有するように熱成形することができる。この実施形態では、3つの管状ストランドが含まれるが、代替実施形態では、異なる数の管状ストランドを含めることができる。例えば、拡張可能インプラントを、1本〜10本の管状ストランドで形成することができる。管状ストランド2020、2030及び2015を、図29に示すマーカバンド2046等のマーカバンドで、それらの長さに沿ったさまざまな位置で互いに結合することができる。代替実施形態では、管状ストランドを、マーカバンドを用いるのではなく、合わせてねじるか又は合わせて編み組むことができる。いくつかの実施形態では、ストランドは互いに結合されない。
[00147] 図30は、管状構造を含む医療デバイスの別の実施形態を示す。医療デバイス2100は、先の実施形態に対して上述したものとまったく同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス2100は、拡張可能インプラント2110及び挿入部分又は部材2102を含む。図30には示さないが、医療デバイス2100はまた、拡張可能インプラント2110への端部に結合された放射線不透過性マーカも含むことができる。拡張可能インプラント2110は、収縮形態(図示せず)と図30に示すような拡張形態との間で移行することができる。
[00148] 拡張可能インプラント2110は、医療デバイス2000に対して上述した管状ストランドに類似する、多孔質メッシュから形成された3つの管状又は丸いストランド2120、2130及び2115を含む。拡張可能インプラント2110がその拡張形態にある時、図30に示すように、管状ストランド2120、2130及び2115の少なくとも一部は互いに重なることができる。この実施形態では、拡張可能インプラント2110が拡張形態にある時、管状ストランド2120、2130、2115を、3次元形態を有するように熱成形することができる。この実施形態では、3つの管状ストランドが含まれているが、代替実施形態では、異なる数の管状ストランドを含めることができる。例えば、拡張可能インプラントを、1本〜10本の管状ストランドで形成することができる。医療デバイス2000に対して上述したように、管状ストランド2120、2130及び2115を、マーカバンド(図示せず)を用いてそれらの長さに沿ったさまざまな位置で互いに結合することができ、又は合わせてねじるか又は合わせて編み組む等、他の結合方法を用いて結合することができる。いくつかの実施形態では、管状ストランドは互いに結合されない。
[00149] 図31は、管状構造を含む医療デバイスの別の実施形態を示す。医療デバイス2200は、先の実施形態に対して上述したものとまったく同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス2200は、拡張可能インプラント2210及び挿入部分又は部材2202を含む。図31には示さないが、医療デバイス2200はまた、図31に示す端部2212に結合された放射線不透過性マーカ2242等、拡張可能インプラント2210に対する端部に結合された放射線不透過性マーカも含むことができる。拡張可能インプラント2210は、収縮形態(図示せず)と図31に示すような拡張形態との間で移行することができる。
[00150] この実施形態では、拡張可能インプラント2210は、医療デバイス2000及び2100に対して上述した単一の管状構造に類似する、多孔質メッシュから形成された単一の管状又は丸い編組構造2215を含む。拡張可能インプラント2210がその拡張形態にある時、図31に示すように、管状構造2215の少なくとも第1部分は、管状構造2215の第2部分に重なることができる。この実施形態では、管状構造2215は2次元形状形態で形成され、管状構造は、医療デバイス2000及び2100より高い多孔率のメッシュで形成されている。例えば、管状構造2215を、3mmメッシュで形成することができる。
[00151] 図32及び図33は、医療デバイスの別の実施形態の一部を示す。医療デバイス2400は、先の実施形態に対して上述したものとまったく同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。医療デバイス2400は、拡張可能インプラント2410を含み、挿入部分又は部材(図32及び図33には示さず)を含むことができる。拡張可能インプラント2410は、図32に示すような収縮形態と図33に示すような拡張形態との間で移行することができる。
[00152] この実施形態では、拡張可能インプラント2410は、多孔質メッシュのリボン状ストランドで形成された第1部分2420を含み、花びら状部分2425と、例えば図28〜図30に関して上述した管状ストランドに類似する、多孔質メッシュから形成された管状又は丸いストランド2415の形態の第2部分2430とを含む。管状ストランド2415を、2次元形態又は3次元形態のいずれかとして熱成形することができる。いくつかの実施形態では、管状ストランド2415を編み組むことができる。
[00153] 拡張可能インプラント2410がその拡張形態にある時、第1部分2420の少なくとも一部(例えば花びら状部分2425)は、第2部分2430の管状ストランド2415に重なることができる。拡張可能インプラント2410が拡張形態にある時、拡張可能インプラント2410の少なくとも一部は、動脈瘤の頸部の上に配置されるように構成されている。花びら状部分2425及び管状ストランド2415を、各々種々の異なるサイズ(例えば直径)とすることができ、それにより、拡張可能インプラント2410がその拡張形態に移行すると、第2部分2410の花びら状部分2425は内部領域を規定し、第1部分2420の管状ストランド2415は、第2部分2430の内部領域を実質的に充填する。従って、拡張可能インプラント2010及び2110に対して上述したように、管状ストランド2415を、動脈瘤の容積を実質的に充填する充填材として使用することができる。
[00154] 第1部分2420及び第2部分2430を、第1部分2420及び第2部分2430の端部において及び/又は第1部分2420及び第2部分2430の各々の長さに沿った他の位置で、例えばマーカバンドを用いて互いに結合することができる。第1部分2420及び第2部分2430を、同じか又は実質的に同じ長さとすることができ、又は異なる長さとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第2部分2430を第1部分より長くすることができ、その逆も可能である。
[00155] 拡張可能インプラント2410はまた、拡張可能インプラント2410の概略図である図35に示すような拡張可能部材の第1端部2412に配置された第1放射線不透過性マーカバンド2442と、拡張可能インプラント2410の第2端2414に配置された第2放射線不透過性マーカバンド2444とを含む。拡張可能インプラント2410の概略図である図34に示すように、拡張可能部材2410はまた、後により詳細に記載するように、拡張可能部材を取外しデバイスに結合するために使用することができるコネクタ部材2452も含む。
[00156] 図35〜図37は、各々、患者の体内(例えば動脈瘤内)の所望の位置に、本明細書に記載するような拡張可能インプラント等のインプラントを挿入しそこで展開するために使用することができる、挿入デバイスの概略図である。挿入デバイス2554を、例えば本明細書に記載するカニューレ104等のカニューレとともに使用することができる。例えば、挿入デバイス2554を、本明細書に記載する挿入部分102の代りに使用することができ、後により詳細に記載するようにインプラントに解除可能に又は取外し可能に結合することができる。
[00157] 挿入デバイス2554は第1の細長い部材2556を含み、それは、第2の細長い部材2558を移動可能に配置することができる内腔2557を規定している。第1の細長い部材2556の遠位端部分に、マーカバンド2564が結合されている。第1の細長い部材2556の遠位端部分には、拡張可能結合部材2562もまた、例えば、マーカバンド2564と第1の細長い部材2556の外壁との間に拡張可能結合部材2562の一部を接着結合することにより、結合されている。拡張可能結合部材2562を、可変長さとすることができ、いくつかの実施形態では、例えば約1mm〜2mmの長さとすることができる。拡張可能結合部材2562を、例えばメッシュ材料及び/又は編組材料で形成することができる。
[00158] 第2の細長い部材2558を、例えばコアワイヤとすることができ、第2の細長い部材2558の遠位端部にはボール部材2560(「結合部材」とも呼ぶ)が配置されている。第2の細長い部材2558を、図35及び図37に示すようなボール部材2560が拡張可能結合部材2562の外側に配置される第1位置と、図36に示すようなボール部材2560が拡張可能結合部材2562によって規定された内部領域内に配置される第2位置との間で移動させることができる。ボール部材2560を円形状で示すが、代替実施形態では、ボール部材2560を、例えば卵形、楕円形、正方形、矩形、三角形又は(側面図に示すような)他の所望の形状等、他の形状とすることができる。
[00159] 拡張可能インプラント(例えば、本明細書に記載するような拡張可能インプラント)を患者の体内に挿入しそこで展開するために、拡張可能インプラントの近位端部分を、挿入デバイス2554の遠位端部分に結合することができる。特に、図35に示すように、拡張可能インプラント2510(「インプラント」とも呼ぶ)は、各々がインプラント2510の近位端部分2512に結合された外側マーカバンド2543及び内側マーカバンド2541を含むことができる。外側マーカバンド2543を使用してインプラント2510を保持することができ、内側マーカバンド2541を外側マーカバンド2543内に配置することができる。内側マーカバンド2541は、拡張可能結合部材2562及びボール部材2560を含む、挿入デバイス2554の遠位端部分を挿入することができるチャネルを提供することができる。そして、第2の細長い部材2558が近位方向に(図36における矢印Aの方向に)引っ張られ、それにより、図36に示すように、ボール部材2560が拡張可能結合部材2562内に押し込まれる。例えば、ボール部材2560が拡張可能結合部材2562内で近位方向に移動する際に、拡張可能結合部材2562を、図35に示すような収縮形態又は弛緩形態から、拡張可能結合部材2562が外側に撓曲するか又は拡張する、図36に示すような拡張形態まで移行させることができる。係止機構(図示せず)を用いて、第2の細長い部材2558を第1の細長い部材2556に対して適所に係止することができる。例えば、ハンドル(図示せず)を第2の細長い部材2558に結合することができ、ハンドルは、図36に示す位置で第2の細長い部材2558を係止することができる係止機構を含むことができる。拡張可能結合部材2562が図36に示すように拡張すると、インプラント2510は、挿入デバイス2554に結合されたまま維持される。
[00160] 挿入デバイス2554がインプラント2510に結合された状態で、インプラント2510の遠位端部分を、例えば挿入カニューレ又はカテーテル(図示せず)(例えば、上述したカニューレ102)内に挿入することができ、挿入カニューレを用いて、図1及び図2に関して上述したものと同様の方法で、インプラント2510を血管に挿入することができる。例えば、挿入デバイス2554が結合された状態のインプラント2510を、収縮形態に移行するように挿入カニューレ内に挿入することができる。そして、挿入カニューレを、インプラント2510を患者の体内の所望の位置(例えば動脈瘤)まで送達するように、患者の血管内に挿入することができる。所望の位置で、インプラント2510を、カニューレの遠位端から出して、上述したようにその拡張形態に移行させることができる。インプラント2510が展開されると、インプラント2510を挿入デバイス2554から取り外すことができる。特に、挿入デバイス2554をインプラント2510から取り外すために、第2の細長い部材2558が係止解除され遠位方向に(図37に示す矢印Bの方向に)移動し、それにより、ボール部材2560が、拡張可能遠位部材2562から出て遠位方向に移動して、拡張可能結合部材2562が、図37に示すようなその収縮形態又は弛緩形態に戻るように移行することができる。そして、挿入デバイス2554を近位方向に(図37に示す矢印Aの方向に)引っ張ることにより、挿入デバイス2554を取り除くことができる。
[00161] 図38は、本明細書に記載するような拡張可能インプラント等のインプラントを挿入し展開するために使用することができる挿入デバイスの別の実施形態の概略図である。挿入デバイス2654を、挿入デバイス2554に対して上述したように、カニューレとともに使用することができ、かつインプラントに解除可能に又は取外し可能に結合することができる。
[00162] 挿入デバイス2654は第1の細長い部材2656を含み、それは、第2の細長い部材2658を移動可能に配置することができる内腔2657を規定している。例えば結合要素2666の一部を第1の細長い部材2656の内壁に接着剤で貼り付けることにより、第1の細長い部材2656の遠位端部分に結合要素2666が結合される。結合要素2666は、例えば1本の縫合材料を含むことができ、さまざまな長さであり得る。例えば、結合要素2666は、いくつかの実施形態では、約1mm〜2mmの長さであり得る。第1の細長い部材2656はまた、第1の細長い部材2656の遠位端部分に結合されたマーカバンド2564に類似するマーカバンド2664も含むことができる。
[00163] 第2の細長い部材2658は、第2の細長い部材2658の遠位端に配置されたボール部材2660を含み、ボール部材2660が結合要素2666から間隔を空けて(例えば結合要素2666の遠位の位置に)配置される第1位置と、ボール部材2660が結合要素2666と接触して配置される第2位置との間で移動することができる。例えば、第2の細長い部材2658が第2位置にある時、ボール部材2660は、結合要素2666の長さに沿った位置に、結合要素2666と接触して配置され、それにより、図38に示すように、ボール部材2660と結合要素2666との間に締まりばめが生成される。
[00164] 患者の体内に本明細書に記載する拡張可能インプラント等の拡張可能インプラントを挿入しそこで展開するために、拡張可能インプラント(「インプラント」とも呼ぶ)の近位端部分を、挿入デバイス2654の遠位端部分に結合することができる。特に、インプラントは、各々がインプラントの近位端部分に結合された外側マーカバンド2643及び内側マーカバンド2641を含むことができる。先の実施形態と同様に、外側マーカバンド2643を用いてインプラントを保持することができ、内側マーカバンド2641を外側マーカバンド2643内に配置することができ、内側マーカバンド2641は、挿入デバイス2654の遠位端部分を挿入することができるチャネル2647を提供することができる。
[00165] 第2の細長い部材2658がその第1位置にあり(すなわち、ボール部材2660が結合要素2666から間隔を空けて配置され)、結合要素2666がその第1形態にある状態で、ボール部材2660及び結合要素2666が、内側マーカバンド2641を通して挿入され、インプラント内に配置される。そして、第2の細長い部材2658が近位方向に(図38における矢印Aの方向に)引っ張られ、それにより、第2の細長い部材2658はその第2位置(ボール部材2660が結合要素2666に接触している)まで移動し、結合要素2666は、図38に示すような第2形態に移行する。第2の細長い部材2658がその第2位置にあり、結合要素2666がその第2形態にある時、ボール部材2660と結合要素2666との間に締まりばめが生成される。この締まりばめは、インプラントを挿入デバイス2654に保持する。先の実施形態に対して上述したように、係止機構(図示せず)を用いて、第2の細長い部材2658を、第1の細長い部材2656に対して適所に係止することができる。例えば、ハンドル2655が、第2の細長い部材2658に結合され、図38に示すように、第2の細長い部材2658をその第2位置で係止することができる係止機構(図示せず)を含むことができる。
[0166] 挿入デバイス2654がインプラントに結合された状態で、インプラントの遠位端部分(図示せず)を、例えば挿入カニューレ(図示せず)(例えば上述したカニューレ102)内に挿入することができ、図1及び図2並びに図35〜図37に関して上述したものと同様の方法で、挿入カニューレを用いてインプラントを血管内に挿入することができる。例えば、挿入デバイス2654が結合された状態でのインプラントを、カニューレ内で遠位方向に引っ張ることにより、インプラントを収縮形態に移行させることができる。そして、カニューレを患者の血管内に挿入して、上述したように、例えば動脈瘤内等、患者の体内の所望の位置にインプラントを送達することができる。インプラントが展開される(例えば、カニューレの遠位端から出る)と、挿入デバイス2654を、先の実施形態に対して上述したものと同様の方法で、インプラントから取り外すことができる。特に、挿入デバイス2654をインプラントから取り外すために、第2の細長い部材2658は係止解除されて遠位方向に(図38における矢印Bの方向に)移動し、それにより、ボール部材2660が結合要素2666から離れるように(例えば遠位方向に)移動し、ボール部材2660と結合要素2666との間の締まりばめを除去する。そして、挿入デバイス2654を近位方向に(図38における矢印Aの方向に)引っ張ることにより、取り除くことができる。
[00167] 図39は、挿入デバイス2654に類似する挿入デバイス2754の一実施形態を示す。挿入デバイス2754は、挿入デバイス2654と同じか又は同様の特徴を含み、同じか又は同様に機能することができる。例えば、挿入デバイス2754を、上述したようにインプラントの展開に使用することができる。挿入デバイス2754は、第1の細長い部材2756を含み、それは、第2の細長い部材2758(例えばコアワイヤ)を移動可能に配置することができる内腔(図示せず)を規定している。例えば、結合要素2766の一部を第1の細長い部材2756の内壁に接着剤で貼り付けることにより、第1の細長い部材2756の遠位端部分に結合要素2766が結合される。結合要素2766を、さまざまな長さとすることができ、いくつかの実施形態では、例えば約1mm〜2mmの長さとすることができる。第1の細長い部材2756はまた、第1の細長い部材2756の遠位端部分に結合されたマーカバンド(図示せず)を含むことも可能である。
[00168] 第2の細長い部材2758の遠位端にはボール部材2760が配置され、第2の細長い部材2758を、図40に示すようなボール部材2760が結合要素2766から間隔を空けて(例えば結合要素2766の遠位に)配置される第1の位置と、ボール部材2760が、結合要素2762の長さに沿った位置で結合要素2766と接触して配置され、それによりボール部材2760と結合要素2766との間に締まりばめが生成される第2の位置との間で移動させることができる。挿入デバイス2654に対して上述したものと同じか又は同様の方法で、挿入デバイス2754を、インプラントを挿入し展開するために使用し、かつインプラントから取り外すことができる。
[00169] 図40は、本明細書に記載するような拡張可能インプラント等のインプラントを挿入し展開するために使用することができる挿入デバイスの別の実施形態の概略図である。例えば挿入デバイス2554に対して上述したように、挿入デバイス2854をカニューレとともに使用することができ、インプラントに解除可能に又は取外し可能に結合することができる。
[00170] 挿入デバイス2854は第1の細長い部材2856を含み、それは、第2の細長い部材2858を移動可能に配置することができる内腔2857を規定している。第2の細長い部材2856はまた、第1の細長い部材2756の遠位端部分に結合されたマーカバンド(図示せず)も含むことができる。第2の細長い部材2858の遠位端に、挿入ボール部材2860が配置されている。挿入デバイス2854を、本明細書に記載する拡張可能インプラントと同様の又は同じ拡張可能インプラント2810に結合することができる。拡張可能インプラント2810は、マーカバンド2842と、マーカバンド2842に結合されたコネクタ部材2852とを含む。コネクタ部材2852は、マーカバンド2842及び/又はインプラント2810に結合されたワイヤ2868と、ワイヤ2868に結合された(又は一体化してあるいは一体式に形成された)インプラントボール部材2870とを含む。ワイヤ2868及びインプラントボール部材2870は合わせて、いくつかの実施形態では例えば1.5mmであり得る長さLを有することができる。上で詳細に考察していないが、拡張可能インプラントの先の実施形態に対して上述したコネクタ部材1652、1952、2352及び2452は、コネクタ2852と同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。
[00171] 患者の体内に拡張可能インプラント2810を挿入しそこで展開するために、拡張可能インプラント2810は最初に挿入デバイス2854に結合される。特に、第2の細長い部材2858が遠位方向に(図40における矢印Bの方向に)移動し、それにより、挿入ボール部材2860が第1の細長い部材2856の遠位端から外側に配置される。そして、図40に示すように、インプラントボール部材2870が第1の細長い部材2856の遠位端内に挿入される。そして、第2の細長い部材2858が近位方向に(図40における矢印Aの方向に)移動し、それにより、図40に示すように、挿入ボール部材2860が第1の細長い部材2856の内腔2857内でインプラントボール部材2870を係止し又は閉じ込める。例えば、挿入ボール部材2860及びインプラントボール部材2870の各々は、第1の細長い部材2856の内腔2857の半分より大きい直径を有することができ、それにより、インプラントボール部材2870が内腔2857内に配置され、挿入ボール部材2860が内腔2857内に近位方向に移動すると、インプラントボール部材2860を内腔2857から出るように引き戻すことができない。
[00172] インプラントボール部材2870が第1の細長い部材2856の内腔2857内に閉じ込められると、拡張可能インプラント2810は挿入デバイス2854に保持される。先の実施形態に対して上述したように、係止機構(図示せず)を用いて、第2の細長い部材2658を第1の細長い部材2856に対してこの位置で係止することができる。挿入デバイス2854が拡張可能インプラント2810に結合されると、拡張可能インプラント2810の遠位端部分を、例えば挿入カニューレ(図示せず)(例えば上述したカニューレ102)内に挿入することができ、挿入カニューレを用いて、先の実施形態に関して上述したものと同様の方法で、インプラント2810を血管内に挿入することができる。拡張可能インプラント2810が展開された後、先の実施形態に対して上述したものと同様の方法で、挿入デバイス2854を拡張可能インプラント2810から取り外すことができる。特に、挿入デバイス2854を拡張可能インプラント2810から取り外すために、第2の細長い部材2858は係止解除され遠位方向に(矢印Bの方向に)移動し、それにより、挿入ボール部材2860が第1の細長い部材2856から出て遠位方向に移動して、インプラントボール部材2870を解放(un-trap)する。そして、第1の細長い部材2856及び第2の細長い部材2858を近位方向に引っ張ることにより、挿入デバイス2854を取り除くことができる。
[00173] 図41は、本明細書に記載する挿入デバイスを用いて動脈瘤内で拡張可能インプラントを展開する方法を示すフローチャートである。本方法は、2982において、挿入デバイスの遠位端部分を拡張可能インプラントの近位端部分に結合するステップを含む。例えば、挿入デバイスを、本明細書に記載するような挿入デバイスとすることができ、拡張可能インプラントを、本明細書に記載するような拡張可能インプラントとすることができる。挿入デバイスは、内腔を規定する第1の細長い部材と、少なくとも部分的に第1の細長い部材の内腔内に移動可能に配置された第2の細長い部材とを含むことができる。結合は、第2の細長い部材を第1の細長い部材に対して近位方向に移動させ、それにより、第2の細長い部材の遠位端における第1の結合部材が、第1の細長い部材又は拡張可能インプラントの少なくとも一方の第2結合部材と係合し、拡張可能インプラントの一部を挿入デバイスに固定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、第2結合部材を第1の細長い部材に配置することができ、第2の細長い部材を第1の細長い部材に対して近位方向に移動させることにより、第2結合部材が収縮形態から拡張形態に移行する。いくつかの実施形態では、第2結合部材は拡張可能インプラントに配置され、第2の細長い部材を近位方向に移動させる前に、第2結合部材は第1の細長い部材の遠位端を通して挿入され、それにより、第2結合部材が第1の細長い部材の内腔内に配置される。
[00174] 2984において、拡張可能インプラントが収縮形態にありかつ挿入デバイスに結合されている間に、拡張可能インプラントを患者の血管内に挿入することができる。例えば、本明細書に記載するようなカニューレを用いて、拡張可能インプラントを収縮形態まで移行させることができる。2986において、拡張可能インプラントが動脈瘤内で拡張形態に移行するように、拡張可能インプラントを動脈内で展開することができる。例えば、拡張可能インプラントを、その拡張形態まで移行することができるように、カニューレの外側に移動させることができる。2988において、挿入デバイスを拡張可能インプラントから分離することができ、2990において、挿入デバイスを患者の血管から取り除くことができる。
[00175] 図42及び図43は、医療デバイスの別の実施形態の一部を示す。医療デバイス3000は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス3000は、拡張可能インプラント3010及び挿入部分又は部材3002を含む。拡張可能インプラント3010は、図43に示すような収縮形態と図42に示すような拡張形態との間で移行することができる。
[00176] 拡張可能インプラント3010は、単一構成要素として形成された第1部分3020及び第2部分3030を含む多孔質メッシュのリボン状ストランドを含む。この実施形態では、拡張可能インプラント3010が拡張形態にある時、第2部分3030は、内部領域3036を規定するボール状構造を形成し、第1部分3020を、内部領域3036内で展開することができる。特に、医療デバイス3000の展開中、第2部分3030を、動脈内のボール状構造に拡張することができるように最初に展開することができ、次いで、図42に示すように第2部分3030を実質的に充填するように、第1部分3020を内部領域3036内で展開することができる。
[00177] 図44〜図46は、医療デバイスの別の実施形態の一部を示す。医療デバイス3100は、先の実施形態に対して上述したものと同じか又は同様の特徴及び機能を含むことができる。例えば、医療デバイス3100は、拡張可能インプラント3110及び挿入部分又は部材3102を含む。拡張可能インプラント3110は、図45に示すような収縮形態と図44に示すような拡張形態との間で移行することができる。
[00178] 拡張可能インプラント3110は、単一メッシュ構成要素で形成された第1部分3130、第2部分3120及び第3部分3115を含む多孔質メッシュのリボン状ストランドを含む多層インプラントの一例である。こうした実施形態は、インプラントが小型送達カテーテルに適合することができるが、材料の3つ以上の層を有し生体内で層を形成することにより高い流れの阻害を有することができるという点で、望ましい可能性がある。例えば、この実施形態では、拡張可能インプラント3110が拡張形態にある時、第2部分3120を第3部分3115内で拡張させることができ、第1部分3130を第2部分3120内で拡張することができる。特に、図46に示すように、動脈瘤A内での展開中、最初に、拡張可能インプラント3110がその収縮形態に移行するように、医療デバイス3100を、送達カテーテル3104内に挿入することができる。展開場所では、拡張可能インプラント3110を、送達カテーテル3104の外側に移動させて動脈瘤内で展開することができる。展開中、第3部分3115を最初に展開することができ、第2部分3120を、第3部分3115によって規定された内部領域内で展開することができ、第1部分3130を、第2部分3120によって規定された内部領域内で展開することができる。図46は、第3部分3115及び第2部分3120が展開され第1部分3130が依然としてカテーテル3104内にある、拡張可能インプラント3110を示す。いくつかの実施形態では、挿入部分3102を第2部分3120に結合することができ、それにより、挿入部分3102の取外し中(例えば、拡張可能インプラント3110が動脈瘤内で展開された後)、インプラントのいかなる部分も血管V内で延在するか又は垂れ下がるのを回避するために、第2部分内部で取外しを行うことができる。
[00179] 図47は、本明細書に記載するような拡張可能インプラント等、インプラントを挿入し展開するために使用することができる挿入デバイスの別の実施形態の概略図である。先の実施形態に対して記載したように、挿入デバイス3254をカニューレ又はカテーテルとともに使用することができ、インプラントに解除可能に又は取外し可能に結合することができる。
[00180] 挿入デバイス3254は、第1の細長い部材3256を含み、それは、第2の細長い部材3258を移動可能に配置することができる内腔3257を規定している。第1の細長い部材3256は、第1の細長い部材3256の遠位端部に結合された内側マーカバンド3265を含む。この実施形態では、図47に示すように、第2の細長い部材3258の遠位端部分3267は先細りになっている。挿入デバイス3254はまた、挿入デバイス3254の近位端部分に配置されたハンドル3255も含む。
[00181] 挿入デバイス3254を、本明細書に記載する拡張可能インプラントと類似するか又はそれと同じである拡張可能インプラント3210に結合することができる。拡張可能インプラント3210は、マーカバンド3242とマーカバンド3242に結合されたコネクタ部材3252とを含む。コネクタ部材3252を、例えば上述したコネクタ部材2852と同様とするか又は同じとすることができる。例えば、コネクタ部材3252は、マーカバンド3242に結合されたワイヤ3268と、ワイヤ3268に結合された(又は一体式に又は一体化して形成された)インプラントボール部材3270とを含む。
[00182] 患者の体内に拡張可能インプラント3210を挿入しそこで展開するために、拡張可能インプラント3210は最初に挿入デバイス3254に結合される。特に、この実施形態では、第2の細長い部材3258が近位方向に(図47における矢印Aの方向に)移動し、それにより、先細りの遠位端部分3267が内腔3257内で近位方向に移動する。これにより、インプラントボール部材3270を、第1の細長い部材3256の内腔3257内に挿入することができる。そして、第2の細長い部材3258が遠位方向に(図47における矢印Bの方向に)移動し、それにより、第2の細長い部材3256の先細りの遠位端部分3267が挿入ボール部材3270と係合し、第1の細長い部材3256の内腔3257内で先細りの遠位端部分3267と内側マーカバンド3265との間でインプラントボール部材3270を閉じ込めるか又は押し込む。
[00183] インプラントボール部材3270が第1の細長い部材3256の内腔3257内で係止されるか又は押し込められると、拡張可能インプラント3210は挿入デバイス3254に保持される。先の実施形態に対して上述したように、ハンドル3255に結合された係止機構(図示せず)を用いて、第2の細長い部材3258を第1の細長い部材3256に対してこの位置で係止することができる。挿入デバイス3254が拡張可能インプラント3210に結合されると、拡張可能インプラント3210を、例えば挿入カニューレ(図示せず)(例えば上述したカニューレ102)内に挿入して、拡張可能インプラント3210を収縮形態に移行させることができ、挿入カニューレを用いて、先の実施形態に関して上述したものと同様の方法で、インプラントを血管内に挿入することができる。
[00184] 拡張可能インプラント3210が、例えば動脈瘤内で展開された後、挿入デバイス3254を拡張可能インプラント3210から取り外し、患者の体内から取り除くことができる。特に、挿入デバイス3254を拡張可能インプラント3210から取り外すために、この実施形態では、第2の細長い部材3258は、ハンドル3255から係止解除され、近位方向に(矢印Aの方向に)に移動し、それにより、先細りの遠位端部分3267が近位方向に移動してインプラントボール部材3270から係合解除する。先細りの遠位端部分3267が近位方向に移動すると、インプラントボール部材3270は第1の細長い部材3256の内腔3257から自由に出ることができる。そして、挿入デバイス3254を、近位方向に引っ張ることによって取り除くことができる。
[00185] 図48は、本明細書に記載するような拡張可能インプラント等、インプラントを挿入し展開するために使用することができる挿入デバイスの別の実施形態の概略図である。先の実施形態に対して記載したように、挿入デバイス3354をカニューレ又はカテーテルとともに使用することができ、インプラントに解除可能に又は取外し可能に結合することができる。
[00186] 挿入デバイス3354は第1の細長い部材3356を含み、それは、第2の細長い部材3358を移動可能に配置することができる内腔3357を規定している。第1の細長い部材3356は、図48に示すように先細りの遠位端部分3392を含む。代替実施形態では、第1の細長い部材3356は、先の実施形態と同様に一定の直径を有することができる。第1の細長い部材3356はまた、先細りの遠位端部分3392に結合された外側マーカバンド3364も含む。図48に示すように、第2の細長い部材3358の遠位端に、挿入ボール部材3360が配置されている。先の実施形態に対して上述したように、挿入デバイス3354はまた、挿入デバイス3354の近位端部分に配置されたハンドル(図示せず)を含むことができる。
[00187] 挿入デバイス3354を、本明細書に記載する拡張可能インプラントに類似するか又は同じである拡張可能インプラント3310に結合することができる。拡張可能インプラント3310は、拡張可能インプラント3310の近位端部分のマーカバンド3342と、マーカバンド3342に結合されたコネクタ部材3352とを含む。コネクタ部材3352を、例えば上述したコネクタ部材2852と同様か又は同じとすることができる。例えば、コネクタ部材3352は、マーカバンド3342に結合されたワイヤ3368と、ワイヤ3368に結合された(又は一体式にあるいは一体化して形成された)インプラントボール部材3370とを含む。この実施形態では、図48に示すように、挿入ボール部材3360はインプラントボール部材3370より大きく、その側部に溝穴3371を規定しており、インプラント3310が挿入デバイス3354に結合された時にコネクタ部材3352のワイヤ3368を配置することができる。
[00188] 患者の体内に拡張可能インプラント3310を挿入しそこで展開するために、拡張可能インプラント3310は最初に挿入デバイス3354に結合される。特に、この実施形態では、第2の細長い部材3358が遠位方向に(図48の矢印Bの方向に)移動し、それにより、挿入ボール部材3360が第1の細長い部材3356の内腔3357を出て遠位方向に移動する。インプラントボール部材3370を、第1の細長い部材3356の内腔3357内に挿入することができ、ワイヤ3368を、挿入ボール部材3360の溝穴3371内に配置することができる。そして、第2の細長い部材3358が近位方向に(図48における矢印Aの方向に)移動し、それにより、挿入ボール部材3360及びインプラントボール部材3370が第1の細長い部材3356の内腔3357内に移動し、図48に示すように、インプラントボール部材3370は、第1の細長い部材3356の内腔3357内に挿入ボール部材3360を係止するか又は閉じ込める。
[00189] インプラントボール部材3370が第1の細長い部材3356の内腔3357内に閉じ込められると、拡張可能インプラント3310は挿入デバイス3354に結合される。先の実施形態に対して上述したように、ハンドル(図示せず)に結合された係止機構(図示せず)を用いて、第2の細長い部材3358を第1の細長い部材3356に対してこの位置で係止することができる。挿入デバイス3354が拡張可能インプラント3310に結合されると、拡張可能インプラント3310を例えば挿入カニューレ(図示せず)に挿入して、拡張可能インプラント3310を収縮形態に移行させることができる。先の実施形態に関して上述したものと同様の方法で、挿入カニューレを用いて、インプラント3310を血管内に挿入することができる。
[00190] 拡張可能インプラント3310が例えば動脈内で展開された後、挿入デバイス3354を、拡張可能インプラント3310から取り外し、患者の体内から取り除くことができる。特に、挿入デバイス3354を拡張可能インプラント3310から取り外すために、この実施形態では、第2の細長い部材3358は、ハンドル3355から係止解除され、遠位方向に(図48において矢印Bの方向に)移動し、それにより、挿入ボール部材3360は遠位方向に移動して、インプラントボール部材3370が第1の細長い部材3356の内腔3357の外側に自由に移動することができるようにする。そして、挿入デバイス3354を、近位方向に引っ張ることによって取り除くことができる。
[00191] 図49は、本明細書に記載するような拡張可能インプラント等の拡張可能インプラントを挿入し展開するために使用することができる挿入デバイスの別の実施形態の概略図である。先の実施形態に対して記載したように、挿入デバイス3454をカニューレ又はカテーテルとともに使用することができ、インプラントに解除可能に又は取外し可能に結合することができる。
[00192] 挿入デバイス3454は、第1の細長い部材3456を含み、それは、第2の細長い部材3458を移動可能に配置することができる内腔3457を規定している。第1の細長い部材3458は、図49に示すような先細りの遠位端部3492を含むが、代替実施形態では一定の直径を有することができる。第1の細長い部材3456はまた、先細りの遠位端部分3492に結合された外側マーカバンド3464も含む。図49に示すように、第2の細長い部材3458の遠位端には、プランジャ又はバンパ部材3494が配置されている。先の実施形態に対して上述したように、挿入デバイス3454はまた、挿入デバイス3454の近位端部分に配置されたハンドル(図示せず)を含むことができる。
[00193] 挿入デバイス3454を、本明細書に記載する拡張可能インプラントに類似するか又はそれと同じ拡張可能インプラント3410に結合することができる。拡張可能インプラント3410は、拡張可能インプラント3410の近位端部分におけるマーカバンド3442と、マーカバンド3442に結合されたコネクタ部材3452とを含む。コネクタ部材3452を、例えば上述したコネクタ部材2852と同様であるか又はそれと同じにすることができ、コネクタ部材3452は、マーカバンド3468に結合されたワイヤ3468とワイヤ3442に結合された(又は一体式にあるいは一体化して形成された)インプラントボール部材3470とを含む。
[00194] 患者の体内に拡張可能インプラント3410を挿入しそこで展開するために、拡張可能インプラント3410は最初に挿入デバイス3454に結合される。特に、この実施形態では、第2の細長い部材3458が遠位方向に(図49における矢印Bの方向に)移動し、それにより、挿入プランジャ部材3494が第1の細長い部材3456の内腔3457を出て遠位方向に移動する。そして、インプラントボール部材3470を第1の細長い部材3456の内腔3457に挿入することができる。そして、第2の細長い部材3458が遠位方向に(図49における矢印の方向に)移動し、それにより、図49に示すように、プランジャ部材3494が第1の細長い部材3456の内腔3457内で挿入ボール部材3470を係止し又は閉じ込める。
[00195] インプラントボール部材3470が第1の細長い部材3456の内腔3457内に閉じ込められると、ハンドル(図示せず)に結合された係止部材(図示せず)を用いて、第2の細長い部材3458を第1の細長い部材3456に対してこの位置で係止することができる。挿入デバイス3454が拡張可能インプラント3410に結合されると、拡張可能インプラント3410を、例えば挿入カニューレ(図示せず)に挿入して、拡張可能インプラント3410を収縮形態に移行させることができる。先の実施形態に対して上述したものと同様に、挿入カニューレを用いてインプラント3410を血管内に挿入することができる。
[00196] 拡張可能インプラント3410が例えば動脈瘤内で展開された後、挿入デバイス3454を、拡張可能インプラント3410から取り外し、患者の体内から取り除くことができる。特に、挿入デバイス3454を拡張可能インプラント3410から取り外すために、この実施形態では、第2の細長い部材3458がハンドルから係止解除され、遠位方向に(図49における矢印Bの方向に)移動し、それにより、プランジャ部材3494が遠位方向に移動して、インプラントボール部材3470が第1の細長い部材3456の内腔3457の外側に自由に移動することができるようにする。そして、挿入デバイス3454を、近位方向に引っ張ることによって取り除くことができる。
[00197] 図50は、本明細書に記載するような拡張可能挿入物等の挿入物を挿入し展開するために使用することができる挿入デバイスの別の実施形態の概略図である。先の実施形態に対して記載したように、挿入デバイス3554をカニューレ又はカテーテルとともに使用することができ、インプラントに解除可能に又は取外し可能に結合することができる。
[00198] 挿入デバイス3554は、第1の細長い部材3556を含み、それは、第2の細長い部材3558を移動可能に配置することができる内腔3557を規定している。第1の細長い部材3558は、図50に示すような先細りの遠位端部分3592を含むが、代替実施形態では一定の直径を有することができる。第1の細長い部材3556はまた、先細りの遠位端部分3592に結合された外側マーカバンド3564も含む。図50に示すように、第2の細長い部材3558の遠位端には、挿入ボール部材3560が配置される。この実施形態では、挿入デバイス3554はまた、細長い係止部材3596も含む。係止部材3596は、その長さに沿って一定の直径又は外周を有することができ、又は先細りであり得る。例えば、係止部材3596の遠位端部分は、係止部材3596の近位端部分より小さい直径を有することができる。後により詳細に記載するように、係止部材3596は、挿入ボール部材3560とともに使用されて、インプラントボール部材3570を挿入デバイス3554に係止する。先の実施形態に対して上述したように、挿入デバイス3554はまた、挿入デバイス3554の近位端部分に配置されたハンドル(図示せず)も含むことができる。
[00199] 先の実施形態と同様に、挿入デバイス3554を、本明細書に記載する拡張可能インプラントに類似するか又はそれと同じ拡張可能インプラント3510に結合することができる。拡張可能インプラント3510は、近位端部分におけるマーカバンド3542と、マーカバンド3542に結合されたコネクタ部材3552とを含む。コネクタ部材3552を、例えば上述したコネクタ部材と同様とするか又は同じとすることができ、コネクタ部材3552は、マーカバンド3542に結合されたワイヤ3568と、ワイヤ3568に結合された(又は一体式にあるいは一体型に形成された)インプラントボール部材3570とを含む。
[00200] 患者の体内に拡張可能インプラント3510を挿入しそこで展開するために、拡張可能インプラント3510は挿入デバイス3554に結合される。特に、この実施形態では、係止部材3596が近位方向に(図50における矢印Aの方向に)移動し、それにより、係止部材3596の遠位端部分が挿入ボール部材3560の近位に配置される。これによりインプラントボール部材3570を、第1の細長い部材3556の内腔3557内に挿入することができる。言い換えれば、挿入ボール部材3560及びインプラントボール部材3570を各々、係止部材3596が近位方向に移動して挿入ボール部材3560を係止解除した時、インプラントボール部材3570が内腔3557内に配置されている間にインプラントボール部材3570を内腔3557の内外に移動させることができるようなサイズとする(例えば各々直径を有する)ことができる。インプラントボール部材3570が第1の細長い部材3556の内腔3557内に配置された後、係止部材3596を遠位方向に(図50における矢印Bの方向に)移動させることができ、それにより、係止部材3596の遠位端部分が、第1の細長い部材3556の内壁と挿入ボール部材3560との間に押し込められる。係止部材3596がこの位置になると、図50に示すように、インプラントボール部材3570は、第1の細長い部材3556の内腔3557内に保持されるか又は閉じ込められる。
[00201] インプラントボール部材3570が第1の細長い部材3556の内腔3557内に閉じ込められると、ハンドル(図示せず)に結合された係止機構(図示せず)を用いて、係止部材3596を第1の細長い部材3556に対して適所に係止することができる。挿入デバイス3554が拡張可能インプラント3510に結合されると、拡張可能インプラント3510を、例えば挿入カニューレ(図示せず)内に挿入して、拡張可能インプラント3510を収縮形態に移行させることができる。先の実施形態に対して上述したものと同様の方法で、挿入カニューレを用いてインプラント3510を血管内に挿入することができる。
[00202] 拡張可能インプラント3510が、例えば動脈瘤内で展開された後、挿入デバイス3554を、拡張可能インプラント3510から取り外し、患者の体内から取り除くことができる。特に、拡張可能インプラント3510から挿入デバイス3554を取り外すために、この実施形態では、係止部材3596がハンドルから係止解除され、近位方向に(図50における矢印Aの方向に)移動し、それにより、係止部材3596の遠位端部分が挿入ボール部材3560から離れるように近位方向に移動し、インプラントボール部材3570が、第1の細長い部材3556の内腔3557から外側に自由に移動することができるようにする。そして、挿入デバイス3554を、近位方向に引っ張ることによって取り除くことができる。
[00203] 本明細書に記載した挿入デバイス(例えば、2554、2654、2754、2854、3254、3354、3454、3554)を用いて、本明細書に記載したような拡張可能インプラントを送達することができる。例えば、本明細書に記載した拡張可能インプラントのいずれも、例えば挿入デバイス2554、2654及び2754等の挿入デバイスに拡張可能インプラントを結合するために使用することができる拡張可能インプラントの近位端部分に結合された、外側マーカバンド及び内側マーカバンドを含むことができる。さらに、本明細書に記載した拡張可能インプラントのいずれも、例えば挿入デバイス2854、3254、3354、3454及び3554等の挿入デバイスに結合されるように構成されたワイヤ及びボール部材を含む、上述したようなコネクタ部材(例えば1652、1952、2452、2852、3252、3352、3452、3552)を含むことができる。
[00204] 本明細書に記載した種々のデバイスを、例えば延伸充填チューブDFT(登録商標)を含む、定義された目的に対して好適なあらゆる材料から作製することができる。DFTは、ワイヤ、ケーブル又はリボンとして入手可能である。DFTは、2つ以上の材料の所望の物理的属性及び機械的属性を結合して、拡張可能インプラントに使用することができる、単一のワイヤ又はリボンシステムにするように開発された、金属と金属との複合材料である。
[00205] 編組体又はメッシュ(例えば拡張可能インプラント)用のフィラメント又はワイヤとしては、例えば、MP35N、ステンレス鋼、ニチノール、コバルトクロム、チタン、白金、タンタル、タングステンあるいはそれらの合金、又はポリエステル、ポリエチレン(PET)、ダクロン(Dacron)、PEEK、ベクトロン(vectron)及び縫合材料等の材料のフィラメントが挙げられる。各ストランドは、直径が0.0005インチ〜0.010インチ、例えば約0.002インチであり得る。いくつかの実施形態では、メッシュ又は編組体の外側材料を、体温で超弾性であるニチノールで形成することができ、内側材料を放射線不透過性とすることができ、又は別法として、追加の放射線不透過性を提供するように、編組体に白金ワイヤを含めることができる。例えば、いくつかの実施形態では、拡張可能インプラントはメッシュ材料内に織られた放射線不透過性材料を含むことができ、それにより、拡張可能インプラントを、放射性ダイ(die)を使用することなく非常に可視とすることができる。
[00206] 好適な材料を、それらの電気陽性に基づいて選択することができる。例えば、拡張可能インプラントとしては、以下の表1に列挙するチタン、タングステンあるいは別の材料又はそれらのあらゆる組合せを挙げることができる。使用時、拡張した拡張可能インプラントの電気陽性材料は、血管障害部内にかつ血液中に電気的に好都合な領域を生成し、その後、血液、流体又は組織を含む障害部の領域は、内皮化が発生するように予め処置される。
[00207] いくつかの実施形態では、本明細書に記載した拡張可能インプラントを、管状の編組体、又は(メッシュ、織物又は布を形成する)織フィラメントのシートで形成することができる。フィラメントは、ワイヤあるいはポリマー又は他の好適な材料であり得る。拡張可能インプラントを、編組ワイヤ(例えばNiTiワイヤ)とすることができ、拡張可能インプラントは、ワイヤタイプ及びワイヤサイズの混合物(例えば、NiTi及び白金ワイヤ、並びに例えば0.00125インチワイヤで編み組まれた0.001インチワイヤ)を含むことができる。拡張可能インプラントを、ポリマーファイバ、又は混合されたポリマーファイバ及び金属ワイヤで作製することも可能である。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラントを、1種又は複数種の生体吸収性材料で形成することができる。
[00208] 本明細書に記載した拡張可能インプラントを、例えば破裂動脈瘤又は未破裂動脈瘤において展開することができるように、1種又は複数種の柔軟な軟質材料で形成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載したような拡張可能インプラントを、可変の剛性を有するように1種又は複数種の材料で形成することができる。例えば、拡張可能インプラントの第1部分を第1材料で形成することができ、拡張可能インプラントの第2部分を、第1材料とは異なる第2材料で形成することができ、又は第1材料は第2材料と異なる厚さを有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、拡張可能インプラントの遠位端部分を第1材料で形成することができ、拡張可能インプラントの近位端部分を、第1材料とは異なる第2材料で形成することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能インプラントの近位端部分を、拡張可能インプラントの遠位端部分を形成する第2材料より高い剛性を提供する第1材料で形成することができる。こうした実施形態は、インプラントの相対的に軟質な遠位端部分を動脈瘤内で展開することができ、相対的に剛質の近位端部分が、例えば動脈瘤の頸部におけるインプラントの支持に役立つようにより大きい構造を提供することができるように、望ましい可能性がある。
[00209] 拡張可能インプラントのメッシュを、限定されないが編組、ウィービング、溶接又はレーザ切断を含む種々の異なる形態によって作製することができる。メッシュは、例えば約0.5cmから約70cmの範囲の作動長さを有することができる。いくつかの実施形態では、メッシュは、長さを30cmとすることができる。いくつかの実施形態では、メッシュは、直径を約0.5mm〜60mmとすることができる。いくつかの実施形態では、メッシュは、拡張した時、直径を最大約10mm(例えば、外側多孔質部材又は部分は約9.5mm、内側多孔質部材又は部分は約8mm)とすることができる。メッシュは、単一の密度を有することができ、又は2つ以上の密度を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、可変密度の数を、約2から約10の範囲とすることができる。例えば、第1密度を約100PPIとすることができ、第2密度を約40PPI(PPI=ピック/インチ)とすることができる。編組パターンを、あらゆる好適なパターン、例えば1目1本取り(one-over-one)配置又は1目2本取り(two-over-one)配置等とすることができる。メッシュのストランド数を、約4ストランドから約288ストランドの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ストランド数は約48ストランドである。市販の編組機を用いて、編組体に対して4、8、16、24、32、64、72、96、128、144、192及び288の公倍数のストランドが利用可能である。
[00210] 単一の拡張可能インプラントが、同じサイズのワイヤ又は2つの異なるワイヤサイズの組合せを含むことができる。例えば、拡張可能インプラントは、0.001インチの24本のワイヤ及び0.005インチの24本のワイヤを有することができる。ワイヤが太いほど、拡張可能インプラントにさらなる強度を与えることができ、ワイヤが細いほど密度を提供することができる。さらに、拡張可能インプラントのメッシュを作製するために、ワイヤ数、ワイヤ径、編組角度又はインチ当りの横糸数(pick per inch)のあらゆる組合せを用いることができる。
結論
[00211] 本発明のさまざまな実施形態について上述したが、それらは、限定としてではなく単に例として提示されていることが理解されるべきである。上述した方法及びステップが、所定の順序で行われる所定の事象を示す場合、この開示の利益を有する当業者は、所定のステップの順序を変更することができ、こうした変更は本発明の変形形態によることを理解するであろう。さらに、ステップのうちのいくつかを、可能な場合は並列プロセスで同時に実施することができるとともに、上述したように逐次実施することができる。例えば、拡張可能インプラントを、動脈瘤に隣接して配置するのと同時にカテーテル内に挿入することができる。
[00212] 実施形態を、特に示し記載したが、形態及び細部のさまざまな変更を行うことができることが理解されよう。例えば、さまざまな実施形態を、特定の特徴及び/又は構成要素の組合せを有するものとして記載したが、本明細書に記載した実施形態のうちのいずれかからのいずれかの特徴及び/又は構成要素のあらゆるコンビネーション又はサブコンビネーションを有する他の実施形態が可能である。さまざまな構成要素の具体的な構成もまた変更することができる。
[00213] 例えば、本明細書に例示し記載した実施形態(例えば医療デバイス1010)は、1つ又は複数の多孔質部材又は部分(例えば多孔質部材1020、1030)を含むが、他の実施形態では、あらゆる好適な数の多孔質部材又は部分を含めることができる。例えば、いくつかの実施形態では、医療デバイス1010は、第1端部及び第2端部を有し、かつ第1多孔質部材1020及び第2多孔質部材1030のうちの少なくとも一方に結合された、第3多孔質部材(図示せず)を含むことも可能である。第1多孔質部材1020及び第2多孔質部材1030と同様に、第3多孔質部材は、血管を通して挿入されるための収縮形態と、動脈瘤の嚢を占有するための拡張形態とを有することができる。第3多孔質部材は、実質的に細長く、かつその拡張形態においてその収縮形態における幅より大きい幅を有することができる。
[00214] 別の例では、例示し記載した医療デバイスの放射線不透過性マーカを、医療デバイスの拡張可能インプラントに異なるように配置することができる。さらに、さまざまな構成要素のサイズ及び具体的な形状は、本明細書に記載するような機能を依然として提供しながら、示した実施形態とは異なることが可能である。

Claims (11)

  1. 動脈瘤内に配置されるように構成された拡張可能なインプラントであって、前記インプラントは、
    収縮構成及び拡張構成を有する第1編組であって、前記収縮構成において、前記第1編組は送達デバイス内に収容されるように構成され、前記第1編組は管状編組から形成され、前記管状編組は、前記管状編組の対向する側壁が互いに向かって押し付けられるようにその長手方向軸の少なくとも一部に沿って平坦化され、前記拡張構成において、前記第1編組は、前記インプラントの中心長手方向軸に沿って折り畳まれて前記中心長手方向軸に沿って互いに積み重ねられた複数のディスクを形成する既定の形状をとる、第1編組と、
    収縮構成及び拡張構成を有する第2編組であって、前記収縮構成において、前記第2編組は、送達デバイス内に収容されるように構成され、かつ、前記第1編組の遠位の位置に前記中心長手方向軸に沿って配置され、前記拡張構成において、前記第2編組は、前記第1編組の積み重ねられた複数の前記ディスクを取り囲む既定の3次元形状を形成する複数の花びら状部分を有する、第2編組と、を備えるインプラント。
  2. 前記インプラントが拡張構成にあって前記動脈瘤内に配置される場合、前記第2編組の前記花びら状部分は、前記動脈瘤の壁に接触して、それによって球形層を形成するように構成され、前記1編組は、前記球形層によって規定された内部領域内に配置される、請求項1に記載のインプラント。
  3. 前記インプラントが拡張構成にあって前記動脈瘤内に配置される場合、前記花びら状部分の少なくとも1つが前記動脈瘤の頸部上に配置されるように構成される、請求項1又は2に記載のインプラント。
  4. 前記第1編組及び前記第2編組は単一の連続的な編組から形成される、請求項1〜のいずれか1項に記載のインプラント。
  5. 前記第1編組及び前記第2編組は、別個の分離した編組から形成される、請求項1〜のいずれか1項に記載のインプラント。
  6. 前記第1編組及び前記第2編組は、別個の分離した編組であり、前記インプラントは、前記第1編組及び前記第2編組を通って延在する白金(PT)ストランドをさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のインプラント。
  7. 前記第1編組の近位部分は、コネクタ部材を介して送達デバイスに着脱自在に連結されるように構成される、請求項1〜のいずれか1項に記載のインプラント。
  8. 前記管状編組は第1管状編組であり、前記第2編組は、前記第2編組の対向する側壁が互いに向かって押し付けられるようにその長手方向軸の少なくとも一部に沿って平坦化された第2管状編組から形成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインプラント。
  9. 前記第1編組及び前記第2編組は、単一の連続的な編組から形成され、前記インプラントは、前記第1編組及び前記第2編組を通って延在する白金(PT)ストランドをさらに含む、請求項1〜4、7又は8のいずれか1項に記載のインプラント。
  10. 前記第1編組及び前記第2編組の各々は超弾性合金の繊維を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインプラント。
  11. 前記第1編組及び前記第2編組の各々は延伸充填チューブ(DFT)ワイヤを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインプラント。
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