JP6362964B2 - 電子スピン共鳴測定装置、半導体装置、及び電子スピン共鳴の測定方法 - Google Patents
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Description
特許文献1の磁気共鳴測定装置は、計測されたインダクタンスの虚部が特徴的な変化傾向を示す周波数に基づいて、サンプルの物性値を特定している。
本発明の一見地に係る電子スピン共鳴測定装置は、磁場印加部と、インダクタ部と、発振回路形成部と、発振周波数計数部と、スペクトル取得部と、を備える。
磁場印加部は、測定対象物に対して第1方向に第1磁場を印加する。インダクタ部は、測定対象物に対して第2方向に第2磁場を印加する。第2磁場は交流磁場である。
発振回路形成部は、インダクタ部と接続されて発振回路を形成する。また、発振回路形成部は、素子パラメータを変化することにより第2磁場の周波数を変化させる。発振周波数計数部は、インダクタ部と発振回路形成部とにより形成される発振回路の発振周波数を計数する。発振回路の発振周波数は、第2磁場の周波数に対応する。
スペクトル取得部は、発振周波数と素子パラメータとを関連づけて、測定対象物の電子スピン共鳴スペクトルを取得する。電子スピン共鳴スペクトルは、発振周波数の素子パラメータについての関数として表現される。
インダクタ部は、第2磁場を発生する。発振回路形成部は、インダクタ部と接続されて発振回路を形成する。また、発振回路形成部は、素子パラメータを変化することにより第2磁場の周波数を変化させる。
また、上記の半導体装置においては、電子スピン共鳴スペクトルは、第2磁場の周波数に対応する発振回路の発振周波数の素子パラメータについての関数として表現される。
◎測定対象物に対して第1方向に第1磁場を印加するステップ。
◎素子パラメータを所定の範囲にて変化させながら第2磁場を測定対象物に対して第2方向に印加するステップ。
◎素子パラメータの各値における発振回路の発振周波数を計数するステップ。
◎発振周波数と素子パラメータとを関連づけて、電子スピン共鳴スペクトルを取得するステップ。
これにより、電子スピン共鳴測定装置において、電子スピン共鳴により影響される測定信号の測定感度を高めることなく、電子スピン共鳴スペクトルを取得できる。
これにより、測定対象物の電子スピン共鳴による影響を受けない場合の発振周波数の素子パラメータとしての関数(バックグラウンド関数)を取得できる。
(1)全体構成
第1実施形態に係る電子スピン共鳴測定装置100の構成について説明する。まず、電子スピン共鳴測定装置100の全体構成について、図1を用いて説明する。図1は、電子スピン共鳴測定装置の全体構成を示す図である。電子スピン共鳴測定装置100は、半導体装置1と、磁場印加部3と、素子パラメータ調整部5と、発振周波数計数部7と、制御部9と、を備える。
半導体装置1は、測定対象物Mに対して印加する第2磁場を発生する。第2磁場は、半導体装置1の1の主面上に形成されたインダクタ部11(図3)から発生する。従って、第2磁場は、半導体装置1の当該1の主面の法線方向に向けて発生する。
また、半導体装置1の構成の詳細については、後ほど詳しく説明する。
なお、第1磁場が発生する第1方向と第2磁場が発生(伝搬)する第2方向とは、垂直の関係にある場合に限られず、半導体装置1及び磁場印加部3の電子スピン共鳴測定装置100への収納効率などを考慮して、任意の角度としてもよい。
なお、制御部9の構成、及び、電子スピン共鳴スペクトルと発振周波数及び素子パラメータとの関係については、後ほど詳しく説明する。
次に、半導体装置1の構成について、図3を用いて説明する。図3は、半導体装置の構成を示す図である。半導体装置1は、インダクタ部11と、発振回路形成部13と、外部接続端子15と、を有する。半導体装置1において、インダクタ部11と、発振回路形成部13と、外部接続端子15とは、半導体プロセスなどを用いて、半導体基板の1の主面上に形成されている。
これにより、高周波信号についての高度な知識を必要とすることなく、測定対象物Mに対して周波数を変化した第2磁場を印加できる。その結果、電子スピン共鳴の測定が簡単になる。なお、発振回路形成部13の構成については、後ほど詳しく説明する。
これにより、電子スピン共鳴測定装置100において、素子パラメータ調整部5及び発振周波数計数部7を個別に備える必要がなくなる。すなわち、図4に示すように、制御部9と半導体装置1のみにより電子スピン共鳴測定装置100を構成できる。その結果、電子スピン共鳴測定装置100をさらに小規模化できる。
次に、発振回路形成部13の構成について、図5A及び図5Eを用いて説明する。図5Aは、容量可変キャパシタを含んだ発振回路形成部の一例を示す図である。図5Eは、可変抵抗を含んだ発振回路形成部の一例を示す図である。
図5Aに示すように、発振回路形成部13は、容量可変キャパシタ131と、発振持続部133と、電流制御部135と、を有する。容量可変キャパシタ131は、インダクタ部11と並列に接続されている。
電流制御部135によりインダクタ部11に流れる電流値を制御することにより、測定対象物Mにおける電子スピン共鳴現象が飽和することを抑制できる。その結果、より正確に電子スピン共鳴スペクトルを取得できる。なお、電流制御部135は、例えば、テール電流源である。
また、この場合、可変抵抗131’は、例えば、FET(Field Effect Transistor、電界効果トランジスタ)などにより形成できる。可変抵抗131’をFETなどのトランジスタにより形成することにより、FETなどのトランジスタ(のゲート電極やベース電極)に印加する電圧を素子パラメータ制御信号として変化することにより、可変抵抗131’の抵抗値を変化できる(すなわち、第2磁場の周波数を変化できる)。
次に、制御部9の構成について、図6を用いて説明する。図6は、制御部の構成を示す図である。本実施形態において、制御部9は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memoly)、ハードディスクなどの記憶装置と、各種インターフェースなどを備えたコンピュータである。また、以下に示す制御部9の各機能の一部又は全部は、コンピュータ上にて実行されるプログラムにより実現されていてもよい。また、制御部9の各機能の一部又は全部は、カスタムICなどにより実現されていてもよい。
素子パラメータ設定部91は、上記の発振回路形成部13の素子パラメータの設定値(素子パラメータ調整信号)を素子パラメータ調整部5に送信する。この結果、素子パラメータ調整部5は、素子パラメータ調整信号に基づいて、素子パラメータ制御信号を生成できる。
スペクトル取得部95は、発振周波数受信部93にて受信した発振周波数fと、素子パラメータ設定部91にて設定された素子パラメータとを関連づけて、測定対象物Mの電子スピン共鳴スペクトルを取得する。すなわち、スペクトル取得部95は、素子パラメータ調整信号の各信号値(素子パラメータ値)と、上記各信号値(素子パラメータ値)における上記の発振回路の発振周波数とを関連づけて、電子スピン共鳴スペクトルを取得する。これにより、スペクトル取得部95は、電子スピン共鳴スペクトルを、素子パラメータ値と発振周波数データとの集合体として取得できる。
I.電子スピン共鳴の測定原理
(i)電子スピン共鳴の原理
次に、本実施形態に係る電子スピン共鳴測定装置100の動作について説明する。まず、電子スピン共鳴の原理について、図7を用いて説明する。図7は、電子スピン共鳴の原理を示す模式図である。電子スピン共鳴は、測定対象物Mに磁場を印加する前と後において、測定対象物M中の不対電子の状態が変化することにより発生する。従って、以下においては、測定対象物Mに磁場を印加したときの不対電子の状態を説明しながら、電子スピン共鳴の原理を説明する。
このとき、より高いエネルギー準位E1とより低いエネルギー準位E2との差E1−E2は、第1磁場の磁界強度H1に比例することが知られている。すなわち、E1−E2=gβH1と表現されることが知られている。上記の式において、βは定数である。また、gは「g値」と呼ばれ、測定対象物Mに特有の定数である。従って、測定された電子スピン共鳴(スペクトル)からg値を算出することにより、測定対象物Mが同定できる。
次に、測定対象物Mにおいて発生した電子スピン共鳴の、インダクタ部11と発振回路形成部13とにより形成される発振回路の動作への影響について説明する。
図7に示すように、第1磁場のみが印加されているときの不対電子のエネルギー状態(またはスピン状態)は、第2磁場が印加されて電子スピン共鳴が発生したときの不対電子のエネルギー状態(スピン状態)から変化している。このような場合、測定対象物Mにおいては、磁化率が変化する。
L=(1+χr−jχi)L0
ここで、χiが十分に小さく無視できると仮定した場合、インダクタ部11のインダクタンスLは、L=(1+χr)L0と近似できる。
今、図5Aに示すような、容量可変キャパシタ131を含む発振回路形成部13を用いた場合の発振回路の発振周波数を考える。容量可変キャパシタ131のキャパシタンスをCとすると、電子スピン共鳴が発生していない場合の発振周波数fnは、以下のように表現される。
fn=1/(2π×(L0C)0.5)
fr=1/(2π×(LC)0.5)=1/(2π×(L0C)0.5×(1+χr)0.5)
すなわち、fr=fn/(1+χr)0.5
次に、電子スピン共鳴の影響を考慮した発振周波数と、発振回路形成部13における素子パラメータとの関係について説明する。電子スピン共鳴の影響を考慮した発振周波数と素子パラメータとの関係は、以下に示すχrの公知の解析式と、上記のfr=fn/(1+χr)0.5との式から導き出される。χrの公知の解析式は、以下のように表現される。
次に、本実施形態の電子スピン共鳴測定装置100における電子スピン共鳴スペクトルの取得方法について、図9Aを用いて説明する。図9Aは、電子スピン共鳴スペクトルの取得方法を示すフローチャートである。以下に説明する電子スピン共鳴スペクトルの取得方法においては、発振回路形成部13として、図5Aに示す容量可変キャパシタ131を含んだ発振回路形成部13を用いた例を説明する。すなわち、以下の例において、素子パラメータは、容量可変キャパシタ131のキャパシタンスC、または、素子パラメータ制御信号の電圧値である。
このとき、測定対象物M中の不対電子は、図7の(2)のような状態となっている。すなわち、測定対象物M中の不対電子が、不対電子のスピンの方向によって、より高いエネルギー準位E1に存在する不対電子と、より低いエネルギー準位E2に存在する不対電子とに分離される。
制御部9が全走査範囲にて素子パラメータを走査していないと判断した場合(ステップS7において「No」の場合)、素子パラメータ設定部91が素子パラメータの設定値を次の設定値に変更し(ステップS8)、ステップS4に戻る。
上記のようにしてバックグラウンド関数を取得することにより、バックグラウンド関数を、電子スピン共鳴測定装置100における実測値に基づいて取得できる。
上記の測定対象物Mの電子スピン共鳴による影響が少ない電子スピン共鳴スペクトルの部分を、「無影響スペクトル部分」と呼ぶことにする。
例えば、発振周波数fの実測値とバックグラウンド周波数fBとの差分により電子スピン共鳴スペクトルが表現されているときには、まず、電子スピン共鳴スペクトルとバックグラウンド関数の交点におけるキャパシタンスC0(電子スピン共鳴発生キャパシタンスC0と呼ぶことにする)を算出し、その後、電子スピン共鳴発生キャパシタンスC0におけるバックグラウンド周波数fBをバックグラウンド関数から算出することにより、当該算出されたバックグラウンド周波数fBを電子スピン共鳴角周波数νとして算出できる。
測定対象物Mのg値は、上記に説明した電子スピン共鳴が発生する条件を表す式hν=gβH1より算出できる。一方、電子スピン共鳴スペクトルの振幅は、バックグラウンド関数から電子スピン共鳴スペクトルの極大値及び/又は極小値までの高さ(差分)から算出できる。または、電子スピン共鳴スペクトルの極大値と極小値との高さ(差分)を2で除算して電子スピン共鳴スペクトルの振幅を算出してもよい。
上記の第1実施形態の効果は、以下のように記載できる。
電子スピン共鳴測定装置100(電子スピン共鳴測定装置の一例)は、磁場印加部3(磁場印加部の一例)と、インダクタ部11(インダクタ部の一例)と、発振回路形成部13(発振回路形成部の一例)と、発振周波数計数部7(発振周波数計数部の一例)と、スペクトル取得部95(スペクトル取得部の一例)と、を備える。
磁場印加部3は、測定対象物M(測定対象物の一例)に対して第1方向に第1磁場を印加する。インダクタ部11は、測定対象物Mに対して第2方向に第2磁場を印加する。第2磁場は交流磁場である。
発振回路形成部13は、インダクタ部11と接続されて発振回路を形成する。また、発振回路形成部13は、素子パラメータを変化することにより第2磁場の周波数を変化させる。発振周波数計数部7は、インダクタ部11と発振回路形成部13とにより形成される発振回路の発振周波数f(発振周波数の一例)を計数する。発振回路の発振周波数fは、第2磁場の周波数に対応する。
スペクトル取得部95は、発振周波数fと素子パラメータとを関連づけて、測定対象物Mの電子スピン共鳴スペクトルを取得する。電子スピン共鳴スペクトルは、発振周波数fの素子パラメータについての関数として表現される。
インダクタ部11は、第2磁場を発生する。発振回路形成部13は、インダクタ部11と接続されて発振回路を形成する。また、発振回路形成部13は、素子パラメータを変化することにより第2磁場の周波数を変化させる。
また、半導体装置1においては、電子スピン共鳴スペクトルは、第2磁場の周波数に対応する発振回路の発振周波数fの素子パラメータについての関数として表現される。
◎測定対象物に対して第1方向に第1磁場を印加するステップ。
◎素子パラメータを所定の範囲にて変化させながら第2磁場を測定対象物に対して第2方向に印加するステップ。
◎素子パラメータの各値における発振回路の発振周波数を計数するステップ。
◎発振周波数と素子パラメータとを関連づけて、電子スピン共鳴スペクトルを取得するステップ。
これにより、電子スピン共鳴測定装置100において、電子スピン共鳴により影響される測定信号の測定感度を高めることなく、電子スピン共鳴スペクトルを取得できる。
これにより、測定対象物Mの電子スピン共鳴による影響を受けない場合の発振回路の発振周波数の素子パラメータとしての関数(バックグラウンド関数)を取得できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)測定対象物についての他の実施形態
上記の第1実施形態においては、電子スピン共鳴スペクトルを測定する測定対象物Mは1種類であった。しかし、これに限られない。例えば、測定対象物Mに加えて、g値が既知である参照用試料をインダクタ部11が形成された半導体装置1の主面上に配置して、測定対象物Mの電子スピン共鳴スペクトルと、上記の参照用試料の電子スピン共鳴スペクトルとを同時に測定してもよい。
上記の第1実施形態においては、図5Aに示した発振回路形成部13に用いられる容量可変キャパシタ131はバラクタであった。しかし、これに限られず、上記の容量可変キャパシタ131は、デジタル制御キャパシタであってもよい。この場合、制御部9からのデジタル信号をアナログ変換することなく、容量可変キャパシタ131のキャパシタンスCを変化できる。
上記の第1実施形態においては、発振周波数計数部7により発振回路の発振周波数をそのまま測定していた。しかし、これに限られず、より高感度な測定方法を用いて発振周波数を測定してもよい。
例えば、図14に示すように、発振周波数計数部7が、固定周波数信号発生部71と、ミキサ部72と、周波数電圧変換部73と、ロックインアンプ74と、信号変換部75と、を有するように構成してもよい。図14は、他の実施形態の発振周波数計数部の構成を示す図である。
その結果、発振回路形成部13の素子パラメータは、ロックインアンプ74内部にて生成した参照信号に同期して変化する。また、これにより、発振回路の発振周波数(周波数変換電圧信号)には、参照信号に同期して変化する成分が含まれる。
また、素子パラメータを参照信号により変化させることにより、発振回路の発振周波数に参照信号に同期して変化する成分を含ませることができる。さらに、ロックインアンプ74が、発振回路の発振周波数に含まれる参照信号に同期して変化する成分を抽出することにより、発振周波数に含まれるノイズ成分による影響を極力減少して、発振周波数をより高感度に計数できる。
上記の第1実施形態においては、半導体装置1は、インダクタ部11と発振回路形成部13とを、それぞれ、1つだけ有していた。しかし、インダクタ部11と発振回路形成部13の個数は1つに限られない。
例えば、複数のインダクタ部11と発振回路形成部13とを半導体装置1に集積化して形成してもよい。この場合、1つのインダクタ部11と対応する発振回路形成部13との組により形成される複数の発振回路のそれぞれにおいて異なる発振周波数にて発振するよう、素子パラメータ制御信号を発振回路形成部13毎に異ならせてもよい。
1 半導体装置
11 インダクタ部
13 発振回路形成部
131 容量可変キャパシタ
1311a n型井戸
1311b p型井戸
1312、1312a、1312b 領域
1313 絶縁層
1314 ゲート電極
1315 空乏層
1316 第1出力電極
1317 第2出力電極
131’ 可変抵抗
133 発振持続部
135 電流制御部
15 外部接続端子
3 磁場印加部
5 素子パラメータ調整部
7 発振周波数計数部
71 固定周波数信号発生部
72 ミキサ部
73 周波数電圧変換部
74 ロックインアンプ
75 信号変換部
9 制御部
91 素子パラメータ設定部
93 発振周波数受信部
95 スペクトル取得部
97 同定部
A 定数
C キャパシタンス
C0 電子スピン共鳴発生キャパシタンス
E1 より高いエネルギー準位
E2 より低いエネルギー準位
Ea エネルギー
H1 磁界強度
L、L0 インダクタンス
M 測定対象物
S 空間
f、fr、fn発振周波数
fB バックグラウンド周波数
fLO、fOSC、fref 周波数
ν、ν1、ν2電子スピン共鳴角周波数
ω0 電子スピン共鳴角速度
Claims (11)
- 測定対象物に対して第1方向に第1磁場を印加する磁場印加部と、
前記測定対象物に対して第2方向に交流磁場である第2磁場を印加するインダクタ部と、
前記インダクタ部と接続されて発振回路を形成し、素子パラメータを変化することにより前記第2磁場の周波数を変化させる発振回路形成部と、
前記第2磁場の周波数に対応する前記発振回路の発振周波数を計数する発振周波数計数部と、
前記発振周波数と前記素子パラメータとを関連づけて、前記発振周波数の前記素子パラメータについての関数として表現される前記測定対象物の電子スピン共鳴スペクトルを取得するスペクトル取得部と、
を備える電子スピン共鳴測定装置。 - 前記発振回路形成部は容量可変キャパシタを含み、前記素子パラメータは前記容量可変キャパシタのキャパシタンスである、請求項1に記載の電子スピン共鳴測定装置。
- 前記発振回路形成部は可変抵抗を含み、前記素子パラメータは前記可変抵抗の抵抗値である、請求項1又は2に記載の電子スピン共鳴測定装置。
- 前記インダクタ部と前記発振回路形成部とにより形成される前記発振回路は電圧制御発振器であり、前記素子パラメータは電圧である、請求項1〜3のいずれかに記載の電子スピン共鳴測定装置。
- 前記第1磁場は所定の強度を有する直流磁場である、請求項1〜4のいずれかに記載の電子スピン共鳴測定装置。
- 前記インダクタ部と前記発振回路形成部とは、同一の半導体装置上に形成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の電子スピン共鳴測定装置。
- 測定対象物に対して第1方向に第1磁場を印加し第2方向に交流磁場である第2磁場を印加することにより、前記測定対象物において発生する電子スピン共鳴のスペクトルである電子スピン共鳴スペクトルを測定する電子スピン共鳴測定装置に用いられる半導体装置であって、
前記第2磁場を発生するインダクタ部と、
前記インダクタ部と接続されて発振回路を形成し、素子パラメータを変化することにより前記第2磁場の周波数を変化させる発振回路形成部と、を備え、
前記電子スピン共鳴スペクトルは、前記第2磁場の周波数に対応する前記発振回路の発振周波数の前記素子パラメータについての関数として表現される、半導体装置。 - 前記発振回路形成部は、キャパシタンスが印加する電圧により調整可能なバラクタを含む、請求項7に記載の半導体装置。
- 交流磁場である第2磁場を発生するインダクタ部と、前記インダクタ部と接続されて発振回路を形成し素子パラメータを変化することにより前記第2磁場の周波数を変化させる発振回路形成部と、を備える電子スピン共鳴測定装置における電子スピン共鳴の測定方法であって、
測定対象物に対して第1方向に第1磁場を印加するステップと、
前記素子パラメータを所定の範囲にて変化させながら前記第2磁場を前記測定対象物に対して第2方向に印加するステップと、
前記素子パラメータの各値における前記発振回路の発振周波数を計数するステップと、
前記発振周波数と前記素子パラメータとを関連づけて、前記発振周波数の前記素子パラメータについての関数として表現される前記測定対象物の電子スピン共鳴スペクトルを取得するステップと、
を含む電子スピン共鳴の測定方法。 - 前記第2磁場が前記測定対象物に印加されていないときの前記発振周波数と前記素子パラメータとの関係を表現するバックグラウンド関数を取得するステップをさらに含む、請求項9に記載の電子スピン共鳴の測定方法。
- 前記電子スピン共鳴スペクトルと前記バックグラウンド関数との交点を算出して前記測定対象物の電子スピン共鳴角周波数を算出するステップをさらに含む請求項10に記載の電子スピン共鳴の測定方法。
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