JP6361859B2 - 針組立体 - Google Patents

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Description

本発明は針組立体に関し、詳しくは液体供給手段に接続するためのバックカヌラおよび連結部を備えた針組立体に関する。
従来、例えば歯科診療において麻酔薬を投与するため、当該麻酔薬を収容したシリンジやその他の液体供給手段の先端には、交換式の針組立体が装着されるようになっている。
そしてこのような針組立体は、上記液体供給手段と接続するために、後端に液体供給手段の蓋部に穿刺される穿刺部が形成されたバックカヌラと、当該バックカヌラを保持するハブとを備えている。
そして上記バックカヌラの穿刺部を液体供給手段の蓋部に貫通させることにより、該液体供給手段からバックカヌラに液体を供給するようになっている。
しかしながら、上記針組立体を液体供給手段から離脱させる際に蓋部より抜かれたバックカヌラが外部に露出し、使用者に誤穿刺されるおそれがあった。
このような問題に鑑み、本発明は誤穿刺を防止することが可能な針組立体を提供するものである。
すなわち請求項1の発明は、後端に液体供給手段の蓋部に穿刺される穿刺部が形成されたバックカヌラと、当該バックカヌラを保持するハブとを備え、
上記バックカヌラの穿刺部を液体供給手段の蓋部に貫通させることにより、該液体供給手段からバックカヌラに液体を供給するようにした針組立体において、
筒状を有して上記ハブの外周を囲繞するように設けられ、前進位置と後退位置とに移動可能であるとともに、液体供給手段の被連結部を後端側から見て時計回り方向に回転させることで螺合により連結される連結部を有するバックカバーを備え、
当該バックカバーに、前後方向に向けて形成したバック側前後方向溝と、当該バック側前後方向溝の後端側より後端側から見て反時計回り方向に連続するバック側周方向係止溝とを形成し、さらに上記ハブの外面に、上記バック側前後方向溝および上記バック側周方向係止溝に沿って移動するバック側係合突起を形成し、
上記バック側係合突起バック側周方向係止溝に沿って上記バック側前後方向溝へと移動する際の上記バックカバーの回転方向と、バックカバーの連結部より液体供給手段の被連結部を離脱させる際の液体供給手段の回転方向とがともに反時計回りとなるようにし、
上記バックカバーが前進位置に位置した状態では、上記連結部に上記液体供給手段の被連結部が連結されるとともに、バックカヌラの穿刺部が液体供給手段の蓋部を貫通し、さらに上記バック側係合突起バック側周方向係止溝に収容されて上記バックカバーの後退を阻止し、
上記バックカバーが上記ハブに対して反時計回りに回転されて上記バック側係合突起バック側周方向係止溝に沿って上記バック側前後方向溝に移動することで、上記バックカバーが後退位置へと移動可能となり、
そして上記バックカバーが後退位置に位置した状態では、上記バックカバーの後端部が上記バックカヌラの穿刺部よりも後方に突出して該穿刺部を覆うことを特徴としている。
上記請求項1の発明によれば、液体供給手段より針組立体を離脱させる際には、最初に上記バックカバーを後退位置に位置させてから、上記連結部と被連結部との連結状態を解除することができる。
これにより、液体供給手段を離脱させた際にはすでにバックカヌラがバックカバーによって覆われているため、バックカヌラによる誤穿刺を防止することができる。
本実施例にかかる針組立体の使用状態の外観図であって、(a)(b)はそれぞれ異なる角度から見た図を示す。 針組立体の使用後状態の外観図。 図1のIII―III(a)部およびIII―III(b)部における断面図。 図2のIV―IV部における断面図。 図1のV―V部における断面図。 図2のVI―VI部における断面図。 第2実施例にかかる針組立体の断面図であって、(a)は使用状態を、(b)は使用後状態をそれぞれ示す。
以下図示実施例について説明すると、図1、2に示す針組立体1は歯科治療の際に麻酔薬を収容したシリンジ等の図示しない液体供給手段に装着されて使用されるものであり、図1は当該針組立体1の使用状態を、図2は使用後状態をそれぞれ示している。
ここで、図1の(a)(b)はそれぞれ異なる角度から見た使用状態の針組立体1を示し、また図3〜図6は、図1、2における各部の断面図をそれぞれ示し、各図において、図示右方を前方または先端側、図示左方を後方または後端側と呼ぶこととする。
上記針組立体1は、前方に突出するフロントカヌラ2と、後方に突出するバックカヌラ3と、これらフロントカヌラ2およびバックカヌラ3を保持するハブ4と、当該ハブ4の前方に進退動可能に設けられたフロントカバー5(図2参照)と、上記ハブ4に設けられて上記フロントカバー5を覆うカバーガイド6と、上記ハブ4の後方に進退動可能に設けられたバックカバー7とを備えている。
さらに図1に示す針組立体1の使用状態においては、上記フロントカバー5が後退位置に位置するとともに、バックカバー7が前進位置に位置しており、上記フロントカヌラ2とバックカヌラ3が外部に露出した穿刺可能状態となっている。
一方、図2に示す針組立体1の使用後状態においては、上記フロントカバー5が前進位置に位置するとともに、バックカバー7が後退位置に位置しており上記フロントカヌラ2とバックカヌラ3がこれらの内部に収容されて誤穿刺が防止された状態となっている。
上記フロントカヌラ2およびバックカヌラ3は、それぞれステンレス等からなる針管によって構成され、フロントカヌラ2の先端およびバックカヌラ3の後端にはそれぞれ穿刺部2a、3aが形成されている。
そして上記ハブ4は略円柱状の部材となっており、その内部には前後に貫通する貫通孔4aが穿設され(図3参照)、当該貫通孔4aに上記フロントカヌラ2とバックカヌラ3とが接着保持されている。また上記貫通孔4aにおいてフロントカヌラ2の後端部とバックカヌラ3の先端部との間には若干の隙間が形成されている。
ここで、歯科用の針組立体1におけるフロントカヌラ2は、穿刺痛を低減するためにその直径は極力小径に設定され、かつ口腔内のいずれの位置にも穿刺できるよう、全長は極力長く設定されている。
このため、フロントカヌラ2の内部通路は小径となっており、流路抵抗が大きいことから、上記液体供給手段は高い供給圧力によって麻酔薬を送液しなければならない。
これに対し、上記バックカヌラ3は上記液体供給手段の先端部分に設けられた樹脂製の蓋部を貫通する目的で設けられていることから、その直径を小径とする必要はなく、流路抵抗を小さくすることができる。
以下、図3、図4を用いて、上記フロントカバー5およびカバーガイド6の構成およびその動作について説明する。図3はフロントカバー5が後退位置に位置した使用状態を、図4はフロントカバー5が前進位置に移動した使用後状態をそれぞれ示している。
上記ハブ4の先端には、上記フロントカヌラ2を保持する円柱状のフロント側内筒部11と、当該フロント側内筒部11を囲繞する円筒状のフロント側外筒部12とが形成され、これらフロント側内筒部11およびフロント側外筒部12の後方には略円盤状のフランジ部13が形成されている。
上記フロント側内筒部11とフロント側外筒部12との先端は略同じ位置に形成され、またフロント側内筒部11とフロント側外筒部12との間には所要の隙間が形成されている。
上記フロント側内筒部11の先端部には上記フロントカバー5との間に弾装される付勢手段としてのばね14の後端部が弾接し、また図3(b)に示すように、フロント側内筒部11の側面には、フロントカヌラ2を挟んで対向する位置に、キー溝11aが前後方向に向けて形成されている。
上記フロント側外筒部12は上記フランジ部13の直径よりも小径に形成され、また外周面には、フロントカヌラ2を挟んで対向する位置に、外方に向けてカバーガイド保持突起12aが突出している。
上記フロントカバー5は略円筒状に形成され、図2に示すように前進位置に位置すると、その先端がフロントカヌラ2の穿刺部2aよりも前方に突出し、これを覆うようになっている。
フロントカバー5は、図1に示すように後退位置に位置する際も上記カバーガイド6より若干突出し、かつ先端部がテーパ状に形成されている。これにより針組立体1を口腔内で使用した際において患者を傷つけないようになっている。
またフロントカバー5の内面の先端部もテーパ状に形成されており、当該テーパ形状の後端部には上記ばね14が後方から弾接している。これにより、フロントカバー5はばね14によって常時前方に付勢されるようになっている。
そしてフロントカバー5の後端部には、外周側に突出するフロント側係合突起5aと、後方に突出するキー5bとがそれぞれフロントカヌラ2を挟んで対向する位置に一対ずつ形成され、これらはフロントカヌラ2の軸方向を中心に所定角度だけ偏倚した位置に形成されている。
上記キー5bは上記ハブ4のキー溝11aに係合することでフロントカバー5の回転防止手段を構成しており、図3(b)に示すように、フロントカバー5が後退位置に位置した際に、上記キー5bが上記ハブ4のキー溝11aに嵌合するようになっている。
上記カバーガイド6は略円筒状の部材となっており、その後端から順に、上記ハブ4のフロント側外筒部12と嵌合する大径部21と、上記フロントカバー5を収容する中径部22と、先端に形成された小径部23とが形成されている。
上記大径部21は、上記フロント側外筒部12に対して周方向に回転可能に嵌合しており、外周面には治療の際に使用者が保持するための複数の操作用突起21aが形成されている(図1、図2参照)。
また上記大径部21には、上記ハブ4に形成されたカバーガイド保持突起12aと係合するカバーガイド保持溝21bが、大径部21の周方向にむけて形成されている。
上記カバーガイド保持突起12aがカバーガイド保持溝21bに収容されると、カバーガイド6はハブ4に対して前後方向への移動が阻止され、一方カバーガイド6の周方向への回転は許容されるようになっている。
具体的には、図1に示す使用状態では、図1(a)に示すようにカバーガイド保持突起12aはカバーガイド保持溝21bの図示下方側に位置しており、この状態からカバーガイド6を時計回りに回転させることが可能となっている。
また上記カバーガイド保持溝21bには微小な突起21cが形成されており、使用者がカバーガイド6を回転させる際には、この突起21cを超えてカバーガイド保持突起12aを移動させるようになっている。
上記カバーガイド6の内面には、前後方向に向けて形成されたフロント側前後方向溝24と、当該フロント側前後方向溝24の後端部より周方向に連続して形成されたフロント側周方向係止部25とが形成され、上記フロント側前後方向溝24の前方にはフロントカバー5の後退を阻止するためのフロントカバー後退阻止部26が設けられている。そしてこれらはそれぞれフロントカヌラ2を挟んでそれぞれ一対ずつ設けられている。
上記フロント側前後方向溝24は、上記フロントカバー5のフロント側係合突起5aが通過可能な深さに形成されており、外面には貫通しないように形成されている。
このようにフロント側前後方向溝24を外面に貫通しないようにすることで、カバーガイド6を患者の口腔内に進入させた際に、貫通した溝によって形成された突起やエッジなどによって患者を傷つけないようにしている。
上記フロント側周方向係止部25は、カバーガイド6の上記大径部21と中径部22との境界に形成された段差によって構成され、図3(b)に示すように上記フロント側前後方向溝24の後端部と連続するように形成されている。
また上記フロント側周方向係止部25と上記ハブ4のフロント側外筒部12との間には、上記フロント側係合突起5aが位置可能な程度の隙間が形成されている。
上記小径部23の内径は上記フロントカバー5のフロント側係合突起5aが通過できないような径に設定され、図4に示すようにフロントカバー5が前進位置に位置した際には、上記フロント側係合突起5aが小径部23の後方の面に当接して、フロントカバー5のこれ以上の前進を阻止するようになっている。
また小径部23の外面はテーパ状に形成され、またフロントカバー5は後退位置において上記テーパ形状の部分が小径部23よりも若干前方に突出するようになっており、小径部23およびフロントカバー5の先端部によって一体的なテーパ形状を形成して、患者への傷を防止するようになっている。
上記フロントカバー後退阻止部26は、上記小径部23とフロント側前後方向溝24との間に位置し、略長方形に形成された貫通孔26aと、当該貫通孔26aの内部に突出する後退阻止突起26bとから構成されている。
上記貫通孔26aにおける前方の面は、上記小径部23の後端の面を構成しており、上述したように上記フロントカバー5のフロント側係合突起5aが後方から当接して、当該フロントカバー5の前進を阻止するものとなっている。
上記後退阻止突起26bは、上記貫通孔26aの後方の面より前方に向けて突出するように形成され、当該後退阻止突起26bの先端部と上記貫通孔26aの前方の面との間には、図4に示すように上記フロント側係合突起5aが収容されるようになっている。
また後退阻止突起26はその後端側の基部を起点に弾性変形するようになっており、かつその内面には、後方から前方に向けて傾斜する傾斜面26cが形成されている。
上記傾斜面26cには上記フロント側係合突起5aが当接するようになっており、フロント側係合突起5aが通過する間、上記後退阻止突起26が外方に移動するようになっている。
一方、後退阻止突起26bの外面側は、カバーガイド6の外面と面一もしくはそれよりも内面側に位置しており、針組立体1を口腔内で操作した際における患者への傷を防止するようになっている。
以下、上記構成について、フロントカバー5を後退位置から前進位置に位置させる際の動作について説明する。
まず使用状態において、フロントカバー5が後退位置に位置する際、図3に示すようにフロントカバー5の後端部に形成したフロント側係合突起5aは、上記カバーガイド6に形成したフロント側周方向係止部25に後方から当接しており、上記ばね14の付勢力にもかかわらずフロントカバー5の前進が阻止されている。
この状態から、上記カバーガイド6を図1の状態から時計回りに回転させると、フロント側係合突起5aが上記フロント側周方向係止部25に沿って相対的に移動するようになる。
ただし、実際には上記フロントカバー5のキー5bがハブ4のキー溝11aに係合しているため、フロントカバー5の回転は阻止されており、フロントカバー5のフロント側係合突起5aは移動せずにフロント側周方向係止部25が移動する。
次に、上記カバーガイド6の回転量は、上記カバーガイド6に形成したカバーガイド保持溝21bの周方向の長さ、すなわち上記ハブ4に形成したカバーガイド保持突起12aの移動量によって規定されている。
そしてカバーガイド保持突起12aが図1の状態からカバーガイド保持溝21bにおける他方の端部まで移動すると、カバーガイド6の上記フロント側前後方向溝24がフロント側係合突起5aと重合する位置まで移動する。
このようにしてフロント側前後方向溝24がフロント側係合突起5aの位置まで移動すると、当該フロント側係合突起5aはフロント側前後方向溝24に沿って前進可能となり、フロントカバー5は上記ばね14の付勢力によって前進位置へと前進する。
上記ばね14の付勢力によってフロントカバー5が前進すると、上記フロント側係合突起5aが上記フロント側前後方向溝24に沿って前進し、上記フロントカバー後退阻止部26における後退阻止突起26bの内面に形成された傾斜面26cに後方から当接する。
すると、フロント側係合突起5aによって後退阻止突起26bが外方に押圧され、これにより後退阻止突起26bの後端部側の基部が弾性変形して外方に移動し、上記フロント側係合突起5aの通過を許容する。
またフロント側係合突起5aは、後退阻止突起5aを通過した上記貫通孔26aの前方の面に当接して図4に示す前進位置に位置し、これによりこれ以上のフロントカバー5の前進が阻止される。
一方、フロント側係合突起5aが後退阻止突起26bを通過すると、当該後退阻止突起26bは弾性変形から復帰して再度内方に移動し、後退阻止突起26bの先端部が上記通過したフロント側係合突起5aの後方から当接可能な状態となることから、フロントカバー5の後退が阻止されることとなる。
次に、図4、図6を用いて上記バックカバー7の構成及びその動作について説明する。
上記ハブ4における上記フランジ部13の後方には、上記バックカヌラ3を保持する断面略十字型に形成されたバックカヌラ保持部31と、当該バックカヌラ保持部31より後方に突出する円柱状のバック側内筒部32と、当該バック側内筒部32を囲繞する円筒状のバック側外筒部33とが形成されている。
上記バックカヌラ保持部31およびバック側内筒部32の中央には上記貫通孔4aが形成されており、また上記バック側内筒部32およびバック側外筒部33はその後端部が略同じ位置に形成され、これらの間には所要の隙間が形成されている。
そして上記バック側外筒部33には、上記バックカヌラ3を挟んで対向する位置に一対のバック側係合突起33aが設けられており、上記外筒部よりも外部に突出するように形成されている。
当該バック側係合突起33aは上記バックカヌラ保持部31の後端部より後方に突出する腕部のさらに後端部に設けられており、上記腕部が弾性変形することで、上記バック側係合突起33aは上記内筒部に向けて移動するようになっている。
上記バックカバー7は筒状の部材となっており、上記ハブ4のバックカヌラ保持部31およびバック側外筒部33に沿って前後方向に摺動するとともに、周方向に回転可能となっている。そして図2に示すように後退位置に位置した際には、その後端がバックカヌラ3の穿刺部3aよりも後方に突出してこれを覆うようになっている。
バックカバー7の後端部には、図示しない液体供給手段に設けられた被連結部と連結される連結部41が形成されており、内面に形成された雌ねじ部41aと、外面に形成されたロック部41bとから構成されている。これに対し、図示しない液体供給手段の被連結部には、上記雌ねじ部41aに螺合する雄ねじ部と、上記ロック部41bに係合するロック部が設けられている。
上記連結部41に液体供給手段の被連結部を連結するためには、液体供給手段を時計回りに回転させる。これにより、上記雌ねじ部41aに雄ねじ部が螺合し、また上記ロック部41bが係合するようになっている。
一方、針組立体1から液体供給手段を離脱させるため、連結部41より液体供給手段の被連結部を離脱させるには、液体供給手段を反時計回りに回転させてバックカバー7の雌ねじ部41aより雄ねじ部を離脱させればよい。
なお、このような連結部41は従来公知であり、本実施例の連結部41をその他の形状を有する被連結部を有する液体供給手段に対応した連結部としてもよい。
そしてバックカバー7には、前後方向に向けて形成されたバック側前後方向溝42と、当該バック側前後方向溝42の後端部に連続して形成されたバック側周方向係止部43と、バック側前後方向溝42の前方に設けられたバックカバー前進阻止部44とが設けられている。そしてこれらは上記バックカヌラ3を挟んだ位置にそれぞれ一対設けられている。
上記バック側前後方向溝42には上記ハブ4に形成されたバック側係合突起33aが移動するようになっており、また上記カバーガイド6に形成したフロント側前後方向溝24とは異なり、バックカバー7の内面から外面に貫通していてもよい。
上記バック側周方向係止部43は、図1(b)に示すように上記バック側前後方向溝42の後端部より周方向に連続して形成され、バック側係合突起33aの幅に合わせて溝状に形成されている。
また図1(b)においてバック側周方向係止部43はバック側前後方向溝42の後端部より図示上方に向けて形成され、バックカバー7を反時計回りに回転させると、バック側係合突起33aが上記バック側周方向係止部43に沿って相対的に移動するようになっている。
さらに上記バック側周方向係止部43には、バック側係合突起33aに隣接した位置に突起43aが形成されており、意図せずにバックカバー7が回転するのを阻止するようになっている。
上記バックカバー前進阻止部44は、上記バック側前後方向溝42に対して前方に所定距離だけ離隔した位置に形成されたバックカバー7を貫通する貫通孔44aと、当該貫通孔と上記バック側前後方向溝42との間に形成された前進阻止部44bとから構成されている。
上記貫通孔44aは上記バック側係合突起33aがほぼ隙間なく嵌合するような形状に形成され、その前方の面にバック側係合突起33aが後方から当接することで、バックカバー7のこれ以上の後退を阻止するようになっている。
また上記貫通孔44aによれば、上記バック側係合突起33aが収容されることにより、当該バック側係合突起33aが外部より視認できるようになっている(図2参照)。
上記前進阻止部44bは上記貫通孔44aの後方の面を構成し、バック側係合突起33aが前方から当接することにより、バックカバー7の前進を阻止するようになっている。
さらに、前進阻止部44bの内周面には、後方から前方に向けて内面側に突出する傾斜面44cが形成され、この傾斜面44cには上記バックカバー7が後退する際に上記ハブ4のバック側係合突起33aが当接するようになっている。
以下、上記構成について、バックカバー7を前進位置から後退位置に位置させる際の動作について説明する。
図1に示す使用状態において、バックカバー7が前進位置に位置した状態では、図5に示すように上記バック側係合突起33aは上記バック側周方向係止部43に収容され、バックカバー7の後退が阻止されている。
このようにバック側係合突起33aがバック側周方向係止部43に収容された状態から、上記バックカバー7を図1の状態から反時計回りに回転させると、バック側係合突起33aが上記バック側周方向係止部43に沿ってバック側前後方向溝42の後端部まで相対的に移動する。
その状態から使用者がバックカバー7を後退させると、バック側係合突起33aはバック側前後方向溝42に対して相対的に前進し、当該バック側係合突起33aは上記バックカバー前進阻止部44の傾斜面44cに後方から当接する。
すると、バック側係合突起33aがその先端側の基部より弾性変形して上記バック側内筒部32に向けて内方に移動し、上記傾斜面44cを通過する。傾斜面44cを通過すると、バック側係合突起33aが外方に再度移動し、上記貫通孔44aに収容される。
上記貫通孔44aにバック側係合突起33aが収容されると、当該貫通孔44aの前方の面によってバックカバー7のこれ以上の後退が阻止され、バックカバー7が後退位置に位置し、また上記前進阻止部44bによってバックカバー7の再度の前進が阻止される。
以下、上記構成を有する針組立体1の使用方法について説明する。
最初に、上記針組立体1は図示しないケーシングの内部に収容された状態で搬送され、当該ケーシングは上記カバーガイド6およびフロントカヌラ2を覆うフロント側ケーシングと、上記バックカバー7およびバックカヌラ3を覆うバック側ケーシングとから構成されている。
使用者は上記ケーシングのうちバック側ケーシングを取り外し、上記バックカバー7およびバックカヌラ3を露出させる。この際、針組立体1は図1に示す使用状態となっており、バックカバー7は前進位置に保持されている。
この状態で、使用者は上記バックカバー7に形成された連結部41に液体供給手段の被連結部を連結する。これにより、バックカヌラ3が液体供給手段の蓋部を貫通して、液体供給手段からバックカヌラ3に麻酔薬が供給可能な状態となる。
続いて、使用者は上記ケーシングのうちフロント側ケーシングを取り除いて、カバーガイド6およびフロントカヌラ2を露出させる。このときフロントカバー5は後退位置に保持されている。
使用者は上記ハブ4のフランジ部13やカバーガイド6の操作用突起21aを把持して、上記フロントカヌラ2を患者の口腔内に穿刺し、上記液体供給手段を操作して麻酔薬の投与を行う。
その際、患者の口腔内に進入する部分、すなわちカバーガイド6の外周面には突起が極力形成されていないため、これらの突起によって患者が傷ついてしまうのを防止することができる。
また、上記フロント側係合突起6aは外部に露出していないことから、針組立体1を把持する使用者が誤ってフロント側係合突起6aに触れ、フロントカバー5を誤作動させることがないようになっている。
使用者が患者に対して麻酔薬の投与を終了したら、使用者は上記カバーガイド6をハブ4に対して時計方向に回転させ、これによりフロントカバー6が後退位置より前進位置に移動し、使用状態から使用後状態となる。
カバーガイド6を回転させる際、上記カバーガイド保持突起12aによってカバーガイド保持溝21bに形成した突起21cを乗り越えさせなければならず、それまでの間に意図せずカバーガイド6が回転してフロントカバー5が誤作動してしまうのが防止されている。
これにより、フロントカバー6の先端がフロントカヌラ2の穿刺部2aよりも前方に突出することとなり、フロントカヌラ2による誤穿刺が防止されることとなる。
またフロントカバー5が前進位置に位置すると、上記フロント側係合突起5aがフロント側前後方向溝24の前方に設けられたフロント側収容部26に収容され、フロントカバー5は上記前進位置に位置するとともに、再度の後退が阻止されることとなる。
このようにしてフロントカバー5が前進位置に位置したら、続いて使用者は液体供給手段が接続されたままの状態で、バックカバー7を前進位置から後退位置へと後退させ、使用状態から使用後状態とする。
具体的には、使用者は図1の状態からバックカバー7を反時計回りに回転させ、バック側係合突起33aがバック側前後方向溝42の後端部に位置したら、バックカバー7を後方に移動させる。
バックカバー7を回転させる際、使用者は上記バック側係合突起33aによってバック側周方向係止部43に形成した突起21cを乗り越えさせなければならず、それまでの間に意図せずバックカバー7が回転して後退してしまうことが防止されている。
またバックカバー7が後退位置に位置すると、上記バック側係合突起33aが貫通孔44aに収容されることとなり、使用者は当該バック側係合突起33aを外部より視認することでバックカバー7が確実に後退位置に位置していることを確認することができる。
このようにしてバックカバー7が後退位置に位置したら、使用者はバックカバー7の連結部41に連結されている液体供給手段を反時計回りに回転させ、これにより連結部41のロック部41bおよび雌ねじ部41aから、被連結部のロック部および雄ねじ部を離脱させることができる。
このようにして液体供給手段が離脱すると、すでにバックカバー7は後退位置に位置して図2に示す使用後状態となっていることから、上記バックカヌラ3は上記バックカバー7に収容されており、その後のバックカヌラ3による誤穿刺を防止することが可能となっている。
その後、本実施例の針組立体1は廃棄されるが、上述したようにフロントカバー5は前進位置が維持され、またバックカバー7も後退位置が維持されているため、廃棄された針組立体1からフロントカヌラ2やバックカヌラ3が露出するという事故も防止できる。
図7は第2実施例にかかる針組立体1を示し、特にバックカバー7の(a)使用状態と(b)使用後状態をそれぞれ示している。なお本実施例において上記第1実施例と共通する構成については説明を省略するものとする。
まず、本実施例のハブ4には第1実施例と同様、上記バックカヌラ保持部31、バック側内筒部32、バック側外筒部33が形成され、バック側外筒部33には1つのバック側係合突起33aが形成されている。
そして本実施例のバックカバー7は、連結部41を有する筒状部51と、当該筒状部51の前方に設けられて収縮位置と伸長位置とに変位可能な筒状の伸縮部52とから構成されている。
上記筒状部51は、その先端部分が使用状態において上記ハブ4の外筒部を囲繞するように設けられており、使用状態においてハブ4と筒状部51とのぐらつきが防止されるようになっている。
また上記筒状部51には、使用状態において上記ハブ4のバック側係合突起33aと重合する位置に貫通孔51aが形成されており、当該貫通孔51aにおける前方の端面には上記バック側係合突起33aが当接するようになっている。
そして上記筒状部51には上記貫通孔51aの内部に突出するように操作スイッチ51bが設けられており、当該操作スイッチ51bを外方から内方に向けて押圧すると、当該操作スイッチ51bによって上記バック側係合突起が内方に向けて移動し、上記貫通孔51aの端面との係合状態が解除されるようになっている。
上記伸縮部52は樹脂製で蛇腹状を有しており、その先端が上記ハブ4のフランジ部13の後端部に接着等の方法で固定され、後端は上記筒状部51の先端に固定されている。
上記伸縮部52は、樹脂もしくは金属製のばね部52aと一体的に形成されており、このため使用状態における収縮位置では、上記筒状部51を後方に向けて付勢するようになっている。
またこのばね部52aを有することにより、伸縮部52が伸長位置に位置した場合に、伸縮部52の伸長位置を維持するとともにその形状を維持し、上記バックカヌラ3が上記筒状部51より再度露出してしまうのを防止するようになっている。
上記構成を有する針組立体の使用方法を説明すると、(a)に示す使用状態では、上記伸縮部52が収縮位置に位置しており、第1実施例における使用状態と同様、上記連結部41に上記液体供給手段の被連結部を連結して、バックカヌラ3の穿刺部3aが液体供給手段の蓋部を貫通するようになっている。
そして液体供給手段を針組立体1から離脱させる際には(b)に示す使用後状態とする。具体的には、使用者は上記操作スイッチ51bを操作して、上記ハブ4に形成されたバック側係合突起33aが筒状部51に形成された貫通孔51aより離脱させる。
すると、上記伸縮部52のばね部52aの付勢力および操作者の操作によって、筒状部51を後退させることができ、伸縮部52を伸長位置まで変位させ、これにより上記バックカバー7の後端部を上記バックカヌラ3の穿刺部3aよりも後方に突出させる。
その結果、第1実施例の針組立体1と同様、上記穿刺部3aがバックカバー7によって覆われて使用者への誤穿刺が防止され、この状態で上記筒状部51に設けた連結部41より液体供給手段を離脱させる。
1 針組立体 2 フロントカヌラ
3 リヤカヌラ 4 ハブ
5 フロントカバー 5a フロント側係合突起
6 カバーガイド 7 バックカバー
24 フロント側前後方向溝 25 フロント側周方向係止部
33a バック側係合突起 41 連結部
42 バック側前後方向溝 43 バック側周方向係止部

Claims (4)

  1. 後端に液体供給手段の蓋部に穿刺される穿刺部が形成されたバックカヌラと、当該バックカヌラを保持するハブとを備え、
    上記バックカヌラの穿刺部を液体供給手段の蓋部に貫通させることにより、該液体供給手段からバックカヌラに液体を供給するようにした針組立体において、
    筒状を有して上記ハブの外周を囲繞するように設けられ、前進位置と後退位置とに移動可能であるとともに、液体供給手段の被連結部を後端側から見て時計回り方向に回転させることで螺合により連結される連結部を有するバックカバーを備え、
    当該バックカバーに、前後方向に向けて形成したバック側前後方向溝と、当該バック側前後方向溝の後端側より後端側から見て反時計回り方向に連続するバック側周方向係止溝とを形成し、さらに上記ハブの外面に、上記バック側前後方向溝および上記バック側周方向係止溝に沿って移動するバック側係合突起を形成し、
    上記バック側係合突起バック側周方向係止溝に沿って上記バック側前後方向溝へと移動する際の上記バックカバーの回転方向と、バックカバーの連結部より液体供給手段の被連結部を離脱させる際の液体供給手段の回転方向とがともに反時計回りとなるようにし、
    上記バックカバーが前進位置に位置した状態では、上記連結部に上記液体供給手段の被連結部が連結されるとともに、バックカヌラの穿刺部が液体供給手段の蓋部を貫通し、さらに上記バック側係合突起バック側周方向係止溝に収容されて上記バックカバーの後退を阻止し、
    上記バックカバーが上記ハブに対して反時計回りに回転されて上記バック側係合突起バック側周方向係止溝に沿って上記バック側前後方向溝に移動することで、上記バックカバーが後退位置へと移動可能となり、
    そして上記バックカバーが後退位置に位置した状態では、上記バックカバーの後端部が上記バックカヌラの穿刺部よりも後方に突出して該穿刺部を覆うことを特徴とする針組立体。
  2. 上記バックカバーに、上記液体供給手段に形成されたロック部と係合するロック部を設け、
    上記バックカバーが後退位置に位置した状態で、バックカバーに対して液体供給手段が回転することにより上記ロック部とロック部とが離脱することを特徴とする請求項1に記載の針組立体。
  3. 上記ハブに先端に穿刺部が形成されたフロントカヌラを設けるとともに、当該ハブに対し上記フロントカヌラを露出させた後退位置と先端がフロントカヌラよりも前方に突出した前進位置とに移動可能に設けられたフロントカバーと、上記フロントカバーを前方に付勢する付勢手段とを設け、
    上記付勢手段および上記フロントカバーの少なくとも一部を収容するカバーガイドを、上記ハブおよび上記フロントカバーに対して
    周方向に回転可能に設け、
    さらに上記カバーガイドに、前後方向に向けて形成したフロント側前後方向溝と、当該フロント側前後方向溝の後端側より後端側から見て時計回り方向に連続するフロント側周方向係止部とを設け、上記フロントカバーにフロント側係合突起を設け、
    上記バック側係合突起上記バック側周方向係止部に沿って上記バック側前後方向溝へと移動する際の上記ハブに対するバックカバーの回転方向と、上記フロント側係合突起がフロント側周方向係止部に沿って上記フロント側前後方向溝へと移動する際の上記カバーガイドに対するフロントカバーの回転方向とがともに反時計回りとなるようにし、
    フロントカバーが後退位置に位置する際には上記フロント側係合突起がフロント側周方向係止部に収容されてフロントカバーの前進が阻止され、上記カバーガイドに対してフロントカバーが反時計回りに回転して上記フロント側係合突起が上記フロント側周方向係止部に沿って移動して上記フロント側前後方向溝へ移動すると、当該フロント側係合突起が上記フロント側前後方向溝に沿って前方へ移動可能となることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の針組立体。
  4. 上記バック側前後方向溝の前方に、上記バック側係合突起を収容する収容部を形成するとともに、当該収容部をバックカバーの内部から外部に貫通するように形成して、上記バック側係合突起が収容部に形成された際に当該バック側係合突起を外部より視認可能とすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の針組立体。
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