JP6322082B2 - 注射針保護装置 - Google Patents
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このような注射器にあっては、図15(a)に示すように、薬液が収容された注射器本体部100の先端部に螺子部100aが形成されている。一方、針収容部材101に収容された針部101bには、前記螺子部100aと螺合する螺子部(図示せず)が形成されている。
そして、図15(b)に示すように、針収容部材101に収容された針部101bを、前記螺子部100aに螺合する。続いて、図15(c)に示すように、前記針収容部材101の外カバー101aを外すことにより、前記針部101bを露出させる。その後、図15(d)に示すように、前記針部101bから内カバー101cを取り外し、注射針101dを露出させる。
これにより、注射器本体部100への注射針101dの装着が了する。患者は身体の所定の部位に前記注射針101dを刺し、注射器本体部100を操作することによって、注射を実行する。
即ち、内カバー101cを注射針101dに装着し、その後、外カバー101a内に針部101bを収容し、前記外カバー101aを回転させることにより、針収容部材101(針部101b)を注射器本体部100から取り外し、注射の一連の操作が完了する。尚、取り外された針収容部材101は廃棄物として処理される。
一方、前記注射器本体部100内には、薬液が所定回数分収容されており、注射を再び実行する際には、新たな注射針の着脱が行われる。
しかしながら、前記針収容部材101にあっては、内カバー101cを注射針101dに装着する際、誤って、患者自身の手を刺してしまう虞があった。
このような注射針保護装置にあっては、内カバーを設ける必要がなく、前記遮蔽体を移動させることにより、注射針が遮蔽される状態になされるため、患者自身の手を誤って刺してしまうことを防止することができる。
しかしながら、このような遮蔽体とニードルハブとの間にロック部材が設けられた、前記遮蔽体とニードルハブとの間の相対的な移動を禁止する注射針保護装置にあっては、注射針を注射器本体部に装着した後に前記ロック部材のロックを解除し、遮蔽体とニードルハブとの間の相対的な移動を可能な状態にする必要がある。また、注射器使用後においては、ロック部材のロックを動作状態とした後に、注射針を注射器本体部から取り外す等の操作を行う必要がある。
このように、ロック部材によるロックを動作状態、あるいは非動作状態になすための操作が必要であり、その操作が煩雑であり、また、患者がその操作を忘れ、注射針が患者自身の手を誤って刺す虞がある。
また、前記ロック部材が不用意に解除されることは、注射針を注射器本体部に装着する際のほか、使用済み注射器を破棄処理する際にも起こり得、注射針が廃棄処理者の手等を刺す虞がある。
また、前記螺合する方向と反対方向に回動させることによって、前記ロック部材が前記開口部に係止された状態になされる。いわゆる前記ロック動作状態が解除された状態からロック動作状態になすことができる。
更に言えば、注射針保護装置を注射器本体部に対して回動させる着脱操作のみで、ロック部材の動作状態を解除状態、あるいはロック状態になすことができ(ロックのための特別な操作を行う必要がなく)、患者の操作忘れによる事故を防止することができる。
また、前記ロック部材が遮蔽筒の開口部に係止されているため、注射針保護装置を注射器本体部に着脱する際、あるいは、注射針保護装置を廃棄処理する際に、前記ロックが不用意に解除され、注射針が遮蔽されている状態から注射針が露出する状態に変化し、患者あるいは廃棄処理者の手等を刺すという事故を防止することができる。
更に、前記ロック部材は、合成樹脂材料により形成されていることが望ましい。
図1に示すように、この注射針保護装置1は、注射器本体部Aの先端部に着脱自在に取り付けられる。注射針保護装置1が注射器本体部Aの先端部に装着されることにより、注射器として用いられる。
この注射針保護装置1の内部には注射針2が収容されており、注射針保護装置1を注射器本体部Aに装着することによって、注射針保護装置1のロック部材5のロック動作が解除され、遮蔽筒4によって注射針2を遮蔽している状態から、注射針2が露出する状態になされるように構成されている。
特に、前記注射針保護装置1を注射器本体部Aに回動(螺合)させることにより、ロック部材によるロック動作状態を解除、あるいはロック動作状態になすように構成されている。
この注射器本体部Aの内部構造は、従来の注射器本体部の内部構造と変わらないため、その内部構造の説明は省略する。
前記ロック部材5は、ニードルハブ3の外周面から出没することにより、ニードルハブ3と遮蔽筒4の相対移動を禁止あるいは移動を可能とする、ロック部材として機能する。
このニードルハブ3は、図5に示すように、有底円筒状に形成され、ニードルハブ3の先端側に形成された底部31と、円筒状の本体部32と、前記本体部32の周面に軸線l1と平行に、かつ180度の間隔で形成された2つのガイド突起33とを備えている。
また、このニードルハブ3は、前記本体部32の周面であって、前記2つのガイド突起33の間に形成された、ロック部材5の被係止部53を外部に突出させる開口部34を備えている。この開口部34は、180度の間隔で形成された2つの開口部として形成されている。
前記注射針2は、図4に示すように,略中間部が前記貫通孔31bに固定される。前記注射針2の後端部側は、前記ニードルハブ3の内部に突出し、注射器本体部Aに注射針保護装置1が装着された際、カートリッジaの栓部に刺し込まれ、前記カートリッジaの薬液を導出できるように構成されている。
前記ニードルハブ3の開放端部には、注射器本体部Aの先端部に形成された係合突起63(図10参照)に係合する係合突起36が形成されている。前記係合突起36は、前記ニードルハブ3を注射器本体部Aの先端部に螺合させた際、前記螺合の終了領域において係合突起63を乗越えるように形成されている。前記前記係合突起36が係合突起63を乗越えることにより、いわゆるクリック感が得ることができ、使用者は螺合の終了、及び後に述べるロックの解除あるいはロック動作になされたことを認識することができる。
この遮蔽筒4は円筒状に形成され、その内周面には軸線l2と平行に、かつ180度の間隔で形成された2つのガイド溝41が形成されている。前記ガイド溝41内に、前記ガイド突起33が収容され、前記ニードルハブ3と遮蔽筒4が回動することなく、相対的に移動(摺動)するように構成されている。
この2つのガイド溝41は、前記遮蔽筒4の一端側(先端側)から他端側(後端側)近傍までに延設されている。また、前記遮蔽筒4の他端側(後端側)には、前記ニードルハブ3の移動を規制する、内周面から突出した移動規制部43が設けられている。この移動規制部43は、前記遮蔽筒4の他端側(後端側)から前記ニードルハブ3が脱落するのを防止する機能を有している。
即ち、前記2つの係止開口部42は180度の間隔をもって形成され、前記ロック部材5の被係止部53が、図4(a)に示すように、前記ニードルハブ3の開口部34から突出した際、前記係止開口部42の側壁部に係止されるように形成されている。
前記ロック部材5は、図4に示すように、ニードルハブ3の外周面から出没することにより、遮蔽筒4の係止開口部42の側壁部に係止され、あるいは係止が解除される。これにより、ニードルハブ3と遮蔽筒4の相対移動を禁止、あるいは相対移動を可能とする。
このロック部材5は、円筒状に形成された本体部51と、前記本体部51の先端側周面から突出し、一方向(先端部側からみて時計方向)に円弧状に延設された舌状部52と、前記舌状部52の先端部が外方向に屈曲した被係止部53とを備えている。
また、前記本体部51の後端側周面には、前記注射器本体Aの先端部に形成されたロック解除部62と係合し、本体部51及び舌状部52に回転を与える係合突起54が形成されている。
図10に示すように、注射器本体部Aの軸筒6は円筒状に形成され、先端部6A、中間部6B、後端部6Cから構成されている。
前記先端部6Aの外周面には、前記ニードルハブ3の雌螺子部35と螺合する雄螺子部61が形成されている。
また前記先端部6Aの内周面には、ロック解除部62が形成されている。具体的には、ロック解除部62は、先端部6Aの内周面から内方に突出した、180度の間隔をもって形成された2つの突起である。
そして、このロック部材5の回動によって、遮蔽筒4の係止開口部42の側壁部に係止されているロック部材5の被係止部53を、ニードルハブ3内の方向に後退させ、係止開口部42と係止開口部42との係止を解除し、前記ニードルハブに対して遮蔽筒を移動可能な状態になすように構成されている。
即ち、注射器本体部Aの軸筒6に前記ニードルハブ3を螺合する際の回動によって、ロック部材5のロック状態を解除するように構成されている。
即ち、使用者は、前記軸筒60の雄螺子部61と前記ニードルハブ3の雌螺子部35とを回動させた際、ロック部材5によるロック状態は解除されたこと、あるいはロック部材5によるロック状態になされたことを、係合突起63が係合突起36を乗越える際のクリック感で確認することができる。
また、前記軸筒6の後端部6Cには、操作部6bが螺合する雌螺子部65が形成されている。この操作部6bは、注射器本体部A内に収容されたカートリッジaの後端部を押圧し、薬液を吐出するピストン機構が設けられている(図1参照)。
尚、前記軸筒6の中間部6B及び後端部6Cの周面の一部に開口部6B1、6C1が形成され、内部に収容されるカートリッジaを外部から視認できるようになされている。
まず、ニードルハブ3の貫通孔31bに注射針2を嵌通し、保持部31aに注射針2を装着する。このニードルハブ3の後端部からロック部材5を挿入し、底部31の後面側の保持部31cに、ロック部材5の本体部51を取り付ける。
このとき、前記ロック部材5は弾性を有するため、舌状部52の外径を縮小してニードルハブ3の後端部から底部31に向けて挿入される。
そして、保持部31aにロック部材5の本体部51が取り付けられ、ロック部材5の被係止部53が、ニードルハブ3の開口部34に位置すると、舌状部52の外径が拡がり、ロック部材5の被係止部53が、ニードルハブ3の開口部34から外方へ突出する。これにより、ロック部材5はニードルハブ3内に取り付けられる。
このとき、前記ロック部材5の被係止部53は、遮蔽筒4の内周面によって押され、舌状部52の外径を縮小するため、ニードルハブ3の外周面から突出することはない。
そして、ニードルハブ3の本体部32の後端面が遮蔽筒4の移動規制部43に当接するまで、ニードルハブ3は挿入される。前記ロック部材5の被係止部53が遮蔽筒4の係止開口部42に位置すると舌状部52の外径が拡がり、ロック部材5の被係止部53がニードルハブ3の開口部34を介して、前記係止開口部42の側壁に係止される。
これにより、遮蔽筒4の内部にニードルハブ3が取り付けられ、注射針保護装置1の組立てが完了する。
即ち、この組み立てられた注射針保護装置1、言い換えれば使用前の注射針保護装置1にあっては、ニードルハブ3に対する遮蔽筒43の前後方向の相対的な移動は、ロック部材5によって規制されるため、ニードルハブ3が不用意に移動して、注射針2が突出する等の事故を防止することができる。
まず、注射器本体部Aの軸筒6の中間部6Bのスプリング掛け用突起64に、スプリング7の一端部を係止し、前記スプリング7を注射器本体部Aに装着する。また、前記注射器本体部A内部にカートリッジaを収納すると共に、前記注射器本体部Aの後端部に操作部bを装着する。
この螺合の動作中は、図11(a)、図12に示すように、ロック部材5の被係止部53が、ニードルハブ3の開口部34を介して、前記係止開口部42の側壁に係止されるため、前記遮蔽筒4に対するニードルハブ3の移動は規制される。即ち、この螺合の動作中に注射針2が突出することはない。
このとき、図13に示すように、注射針保護装置1の回動(ロック解除部62の回動)によって、前記ロック部材5は捻られ、その外径が縮小し、前記ロック部材5の被係止部53と係止開口部42の側壁との係止が解除される。
即ち、前記ロック部材5の被係止部53は遮蔽筒4内に収容され、前記遮蔽筒4に対するニードルハブ3の移動が許容される状態(ロック解除状態)になされる。
前記ニードルハブ3に対する遮蔽筒4の後退は、前記ガイド突起33がガイド溝41内を摺動するため、回転することなく、直線状に後退する。
そして、注射針2を使用者の所定の部位Hに刺した後、操作部bを操作することにより、カートリッジaから所定量の薬液を導出することができる。その後、注射針2を使用者の所定の部位Hから抜くことにより、前記ニードルハブ3に対して、スプリング7の反発力により遮蔽筒4は前進し、遮蔽筒4内に注射針2は収容される。
その結果、前記ロック部材5は弾性力(復元力)により初期の状態に復元し、前記ロック部材5の被係止部53が係止開口部42内に進入し、係止開口部42の側壁に係止される。即ち、前記遮蔽筒4に対するニードルハブ3の移動が規制(禁止)される状態(ロック動作状態)になされる。
前記注射器本体部Aからの注射針保護装置1の取り外し、及び廃棄にあっては、ニードルハブ3の移動が規制(禁止)される状態になされるため、ニードルハブ3が不用意に移動することがなく、注射針2が突出する等の事故を防止することができる。
更に言えば、注射針保護装置1を注射器本体部Aから取り外す操作のみで、ロック部材をロック動作状態になすことができ、(ロックのための特別な操作を行う必要がなく)、患者の操作忘れによる事故を防止することができる。
また、上記実施形態あっては、ロック解除部として突起とし、前記突起に係合する部材としてロック部材に係合突起を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、ロック解除部を凹部とし、前記凹部に係合する部材としてロック部材に係合突起を形成しても良く、あるいはロック解除部を突起とし、前記突起に係合する部材としてロック部材に凹部を形成しても良い。
2 注射針
3 ニードルハブ
31 底部
32 本体部
33 ガイド突起
34 開口部
35 雌螺子部
36 係合突起
4 遮蔽筒
41 ガイド溝
42 係止開口部(開口部)
43 移動規制部
5 ロック部材
51 本体部
52 舌状部
53 被係止部
54 係合突起
6 注射器本体部の軸筒
6A 軸筒先端部
6B 軸筒中間部
6C 軸筒後端部
61 雄螺子部
62 ロック解除部
63 係合突起
64 スプリング掛け用突起
A 注射器本体部
a カートリッジ
b 操作部
Claims (4)
- 薬液が収容されたカートリッジが収容された注射器本体部の先端部に、着脱自在に取り付けられる、内部に注射針が収容された注射針保護装置であって、
有底円筒状に形成され、底部に注射針が取り付けられると共に、内周面に注射器本体部の先端部に形成された雄螺子部と螺合する雌螺子部が形成されたニードルハブと、
円筒状に形成され、周面に開口部が形成されると共に、内部に前記ニードルハブが移動可能に収容され、前記注射針を覆う状態と注射針を露出した状態になす遮蔽筒と、
前記ニードルハブ内に収容されると共に一端部がニードルハブの外部に突出し、前記遮蔽筒の開口部に係止されることにより、ニードルハブと前記遮蔽筒との間の相対移動を禁止するロック部材と、
前記注射器本体部の先端部に形成されたロック解除部と、
を備え、
前記注射器本体部の先端部に形成された雄螺子部とニードルハブの雌螺子部とを螺合する方向に回動させることにより、前記注射器本体部の先端部に設けられたロック解除部により、前記ロック部材による前記開口部の係止が解除され、前記ニードルハブに対して遮蔽筒が移動可能な状態になされ、
かつ、前記螺合する方向と反対方向に回動させることによって、前記ロック部材が前記開口部に係止された状態になされ、前記ニードルハブに対して遮蔽筒の移動が規制される状態になされることを特徴とする注射針保護装置。 - 前記ロック部材は弾性部材で形成され、
前記螺合する方向と反対方向に回動させた際、前記ロック部材の復元力によって、前記ロック部材の一端部がニードルハブの外部に突出し、前記開口部に係止された状態になされ、前記ニードルハブに対して遮蔽筒の移動が規制される状態になされることを特徴とする請求項1記載の注射針保護装置。 - 前記ロック部材は弾性部材で形成されると共に、
円筒状に形成された本体部と、
前記本体部から突出して、一方向に円弧状に延設された舌状部と、
前記舌状部の先端部に外方向に屈曲して形成された、前記開口部に係止される被係止部と、
前記本体部から突出して形成された、前記注射器本体の先端部に形成されたロック解除部と係合する係合突起と、を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の注射針保護装置。 - 前記ロック部材は、合成樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された注射針保護装置。
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