JP6356988B2 - トンネル - Google Patents

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Description

本発明は、列車が高速で走行するトンネルに関する。
列車がトンネルに突入すると、トンネル内の空気が圧縮されて圧縮波が生じる。この圧縮波はトンネル内を伝搬し、トンネルの反対側の出口から放射される。このとき、列車の速度が大きくなったり、トンネルの断面積に対する列車の断面積が大きい場合、出口から放射される圧縮波が大きくなり、周囲に衝撃音や振動を及ぼすことがある。
これに対し、トンネルの入口に、線路が設けられた路盤を覆うフード状の緩衝工を設けることが行われている。緩衝工に、多数の孔を形成することで、列車がトンネルに突入する際の圧縮波の形成を抑制する。
また、非特許文献1、特許文献1には、高速列車がトンネル内に突入する際やトンネル内を走行する際に発生し伝搬する圧縮波を減衰する装置が開示されている。この装置は、トンネルと連通する空洞を配置し、この空洞とトンネルとを連絡路で連結する構成を有している。この構成において、空洞と連絡路とがトンネル内の圧力変動に対するレゾネータとして機能し、トンネル内を伝搬する圧縮波を減衰する。
杉本信正著、「ヘルムホルツ共鳴器を分布させた管内の非線形音波の伝播とその抑制」、非線形音響研究会資料、1991年8月23日 特許第3126165号公報(図1〜図4)
しかしながら、緩衝工を設置する場合、トンネルの入口に大きなスペースが必要であり、設置コストもかかる。
また、非特許文献1および特許文献1に開示された構成では、トンネルとは別に、空洞および連結路を地盤中に構築しなければならない。このため、施工の難易度が高まり、当然コストが大幅に増える。
さらに、リニアモーターカー等、今まで以上に高速度で走行する列車の場合、発生する圧縮波は大幅に大きくなる。
列車の走行速度の向上に伴う圧縮波の増大に対応するには、緩衝工や、非特許文献1および特許文献1における空洞および連結路を、より大型化しなければならず、上記問題は顕著なものとなる。
そこでなされた本発明の目的は、低コストで圧縮波低減効果を高めることのできるトンネルを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、列車が走行するトンネルであって、前記トンネルの外殻をなす筒状の覆工体と、前記覆工体内に設けられ、前記覆工体内を列車走行空間とレゾネータ形成空間とに区画する区画壁と、前記区画壁に、前記覆工体の軸方向に間隔を空けて複数形成され、前記レゾネータ形成空間を前記列車走行空間側に連通させる開口部と、を備え、前記開口部および前記レゾネータ形成空間は、前記列車走行空間を前記列車が走行することによって生じる圧縮波を低減させることを特徴とする。
この構成によれば、トンネルの覆工体内にレゾネータ形成空間を設けるようにした。これにより、列車がトンネル内に突入する際やトンネル内を走行する際に発生し、トンネル内を伝搬する圧縮波を低減することができる。
レゾネータ形成空間は、覆工体内に区画壁を設けることで形成したので、トンネルとは別に、緩衝工や空洞、連結路を設ける必要がない。
さらに、レゾネータ形成空間に連通する開口部を、覆工体の軸方向に間隔を空けて複数形成したので、圧縮波は、各開口部を介してレゾネータ形成空間内で共鳴する。これにより、圧縮波は、覆工体内を軸方向に伝播していく際に、段階的に低減されていく。
また、前記区画壁は、前記覆工体内を上下に区画し、前記区画壁の上面を前記列車の走行路を設置するための路盤であり、前記区画壁の下方が前記レゾネータ形成空間とされているようにしてもよい。
これにより、トンネルの覆工体において、路盤の下方空間を有効利用することができる。また、レゾネータ形成空間を設置するために覆工体を大型化する必要もなく、低コストでレゾネータを備えたトンネルを構築できる。
また、前記レゾネータ形成空間は、前記覆工体の軸方向に間隔をあけて設けられた1以上の仕切壁により複数に仕切られ、前記仕切壁で仕切られた複数の前記レゾネータ形成空間のそれぞれは、少なくとも1つの前記開口部を備えているようにしてもよい。
これにより、開口部およびレゾネータ形成空間からなるレゾネータが、覆工体の軸方向に沿って多段に設置されたこととなる。これにより、圧縮波は、覆工体内を軸方向に伝播していく際に、段階的に低減されていく。
また、前記レゾネータ形成空間は、前記覆工体の軸方向に連続して形成され、1つの前記レゾネータ形成空間に、複数の前記開口部が形成されているようにしてもよい。
これによっても、圧縮波は、各開口部を介してレゾネータ形成空間内で共鳴することで、覆工体内を軸方向に伝播していく際に、段階的に低減されていく。また、レゾネータ形成空間を覆工体の軸方向に連続して形成することで、大きな容積の共鳴空間を確保することができ、圧縮波低減効果を増大させることができる。
また、前記区画壁に対して前記レゾネータ形成空間側に、前記区画壁と前記覆工体とを結び、前記レゾネータ形成空間を、前記覆工体の軸方向に直交する断面で複数に仕切る側壁が設けられているようにしてもよい。
これにより、複数のレゾネータ形成空間を並接することができる。したがって、大きな容積の共鳴空間を確保することができ、圧縮波低減効果を増大させることができる。
また、前記開口部の前記覆工体の軸方向における設置間隔、前記開口部の径、前記レゾネータ形成空間の容積を、前記覆工体の軸方向において互いに異ならせても良い。
これにより、トンネル内に、様々な周波数の圧縮波に対して低減効果を有するレゾネータを設けることができる。
本発明によれば、トンネルの覆工体内に、圧縮波を低減するレゾネータを備えるので、低コストで圧縮波低減効果を高めることができる。
本実施形態に係るトンネルの構成を示す図であって、トンネルの軸方向に直交する断面図である。 図1のトンネルの軸方向に沿った断面図である。 トンネルの斜視断面図である。 トンネルの変形例を示す図であって、レゾネータ形成空間を軸方向に連続させ、複数の開口部を備えた例を示す断面図である。 トンネルの変形例を示す図であって、路盤の下方全体をレゾネータ形成空間とした場合の断面図である。 トンネルの変形例を示す図であって、路盤の下方に、複数のレゾネータ形成空間を並設した構成を示す断面図である。 トンネルの変形例を示す図であって、互いに隣接するレゾネータ形成空間どうしを連通させた構成を示す断面図である。 トンネルの変形例を示す図であって、NATM工法による覆工体を備えるトンネルを示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明によるトンネルを実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るトンネルの構成を示す図であって、トンネルの軸方向に直交する断面図である。図2は、図1のトンネルの軸方向に沿った断面図である。図3は、トンネルの斜視断面図である。
本実施形態に係るトンネル10は、列車が走行するものである。
図1〜図3に示すように、トンネル10は、その外殻をなす覆工体11と、覆工体11内に設けられた路盤(区画壁)20と、を備えている。
覆工体11は、例えば、シールド工法により地山中に構築されたものである。覆工体11は、コンクリート製、鋼製等のセグメントを複数接合することで、断面視円形の筒状に形成されている。
路盤20は、覆工体11の下部に、ほぼ水平に形成されている。路盤20は、プレキャストコンクリート、ハーフプレキャストコンクリート、現場打ちコンクリート等により形成されている。
この路盤20により、覆工体11内の空間が上下に区画されている。そして、覆工体11内において、路盤20よりも上方は列車走行空間Sとされ、路盤20上に図示しない列車の走行路を構成する軌条等が敷設されている。
覆工体11内において、路盤20よりも下方に、レゾネータ形成空間Rが形成されている。路盤20よりも下方の空間は、レゾネータ形成空間R以外に、電気、通信、上水道、下水道等のライフラインを収納する空間、緊急時の避難路等として利用することもできる。
路盤20の下側には、側壁32が設けられている。側壁32は、路盤20と覆工体11とを鉛直方向に結び、覆工体11の軸方向に連続して形成されている。この実施形態では、側壁32は、覆工体11の幅方向中央部に、間隔を空けて2枚が設置されている。この側壁32により、路盤20の下方の空間は、幅方向に3つに仕切られている。そして、互いに隣接する側壁32,32と、その上方の路盤20と、下方の覆工体11とに囲まれる空間が、レゾネータ形成空間Rとされている。
ここで、レゾネータ形成空間Rの上方に位置する路盤20の一部20rと、その両側の側壁32は、予め一体に成形された門型のカルバート等のコンクリート成形体36により形成しても良い。このようなコンクリート成形体36を、覆工体11の軸方向に連続して設置することで、レゾネータ形成空間Rを容易に形成することができる。
路盤20には、レゾネータ形成空間Rを列車走行空間S側に連通させる開口部31が形成されている。この開口部31は、レゾネータ形成空間Rの幅方向両側に位置する側壁32,32の間に配置されている。
このような開口部31は、路盤20に、覆工体11の軸方向に間隔を空けて複数形成されている。
互いに隣接する側壁32,32間には、覆工体11の軸方向に間隔をあけて1以上の仕切壁33が設けられている。これにより、互いに隣接する側壁32と、その上方の路盤20と、下方の覆工体11とに囲まれた空間は、仕切壁33によって、覆工体11の軸方向に沿って複数に仕切られている。このようにして、レゾネータ形成空間Rは、覆工体11の軸方向に複数形成されている。
そして、仕切壁33で軸方向に仕切られることで形成された複数のレゾネータ形成空間Rのそれぞれは、少なくとも1つの開口部31を備えている。
このようにして形成されたそれぞれのレゾネータ形成空間Rと、開口部31とにより、列車走行空間Sを列車が走行することによって生じる圧縮波を低減させるヘルムホルツ型のレゾネータ30が形成されている。
そして、ヘルムホルツ型のレゾネータ30が、覆工体11の軸方向に沿って多段に設置されたこととなる。
このようなヘルムホルツ型のレゾネータ30においては、路盤20の下方のレゾネータ形成空間R内の空気をバネとし、開口部31内の容積をマスとする。このようなヘルムホルツ型のレゾネータ30は、レゾネータ30の共振周波数を中心とする周波数で圧縮波を減衰する。
また、レゾネータ30により、トンネル内10を走行する列車の断面積に対し、列車の走行によって圧縮波の影響を受けるトンネル10内の空間の断面積を大きくすることができる。これによって、圧縮波が低減される。
さらに、列車がトンネル10内に突入することによって発生した圧縮波の一部は、レゾネータ30に伝搬する。開口部31を通過し、レゾネータ30のレゾネータ形成空間Rに到達したときの断面膨張により、圧縮波の圧縮波が軽減される。
上記開口部31の容積と、開口部31の設置ピッチは、ホルムヘルツ型のレゾネータ30において減衰する圧縮波の卓越周波数に応じて、適宜設定する。
上述したトンネル10は、覆工体11内を列車走行空間Sとレゾネータ形成空間Rとに区画する路盤20を設けるとともに、路盤20に、レゾネータ形成空間Rを列車走行空間S側に連通させる開口部31を形成した。これら開口部31およびレゾネータ形成空間Rは、列車走行空間Sを列車が走行することによって生じる圧縮波を低減させるヘルムホルツ型のレゾネータ30を構成する。
これにより、列車がトンネル10内に突入する際やトンネル10内を走行する際に発生し、トンネル10内を伝搬する圧縮波を、レゾネータ30により低減することができる。
しかも、レゾネータ形成空間Rは、覆工体11内に路盤20を設けることで形成したので、トンネル10とは別に、緩衝工や空洞、連結路を設ける必要がない。したがって、低コストで、レゾネータ30を備えたトンネル10を構築することができる。
また、緩衝工や空洞、連結路を設けるスペースが確保できない場合であっても、トンネル10にレゾネータ30を備えることが可能となる。
さらに、レゾネータ形成空間Rに連通する開口部31を、覆工体11の軸方向に間隔を空けて複数形成したので、圧縮波は、各開口部31を介してレゾネータ形成空間R内で共鳴する。これにより、圧縮波は、覆工体11内を軸方向に伝播していく際に、段階的に低減されていく。したがって、トンネル10は、高い圧縮波低減能力を有したものとなる。
また、このように開口部31を軸方向に複数形成することにより、それぞれの開口部31を通してレゾネータ形成空間Rで圧縮波の低減が図られるが、複数の開口部31(レゾネータ30)間での多重反射による分散効果により、圧縮波の圧力勾配を低減することができる。
また、路盤20の下方がレゾネータ形成空間Rとされているので、トンネル10の覆工体11において、路盤20の下方空間を有効利用することができる。また、レゾネータ形成空間Rを設置するために覆工体11を大型化する必要もなく、この点においても、低コストでレゾネータ30を備えたトンネル10を構築できる。
そして、路盤20の下方にレゾネータ形成空間Rを形成することで、レゾネータ形成空間Rを大きく確保することができる。その結果、大規模な断面膨張による圧縮波の低減が可能となるとともに、超低周波音の低減が可能となる。
さらに、レゾネータ形成空間Rは、覆工体11の軸方向に間隔をあけて設けられた1以上の仕切壁33により複数に仕切られ、仕切壁33で仕切られた複数のレゾネータ形成空間Rのそれぞれは、少なくとも1つの開口部31を備えている。
これにより、開口部31およびレゾネータ形成空間Rからなるヘルムホルツ型のレゾネータ30が、覆工体11の軸方向に沿って多段に設置されたこととなる。これにより、圧縮波は、覆工体11内を軸方向に伝播していく際に、段階的に低減されていく。
上記実施形態で示したトンネル10に設けたレゾネータ30における圧縮波低減効果について確認したので、その結果を以下に示す。
ヘルムホルツ型のレゾネータの共鳴周波数F(Hz)は、以下の式(1)に示す通りである。
F=c/2π×(S/(L+1.57r)・V)1/2 ・・・(1)
ここで、c:音速(340m/s)、r:開口部31の半径、S:開口部31の断面積、L:開口部31の長さ、V:レゾネータ形成空間Rの容積である。
r=0.4m、L=0.6m、V=192m(レゾネータ形成空間Rの断面積32m、レゾネータ形成空間Rの軸方向長さ6m)とすると、上式(1)において、共鳴周波数Fは、F=約2.5Hzとなる。これにより、トンネル10における圧縮波において、2.5Hzを中心周波数とする超低周波音を低減することができる。
なお、トンネル10における圧縮波において、開口部軸方向の断面積、長さを変化させること、また、損失を考慮した共鳴特性の調整をすることにより、5Hz以下の超低周波音を低減することができる。
また、上記検討例のように、レゾネータ形成空間Rの軸方向長さを6mとした場合、長さ3,000mのトンネル10であれば、最大500個のレゾネータ30を備えることができる。
したがって、上記実施形態の構成によれば、超低周波を共鳴周波数とするヘルムホルツ型のレゾネータ30を、トンネル10内に多数備えることができ、高い圧縮波低減効果を備えると言える。
リニアモーターカー等、今まで以上に高速度で走行する列車の場合、発生する圧縮波は大幅に大きくなる。圧縮波の圧力上昇(Δp/p)の大きさは、
Δp/p=γχM/(1−M
となることが知られている。ここで、Δpは最大圧力、pは大気圧、γは比熱比、χは
トンネル断面積に対する列車の断面積の比、M:列車のマッハ数である。
例えば、時速500km/hで走行する列車の場合、音速を340m/sとすると、マッハ数M=0.41となる。さらに、p=101,325Pa、γ=1.4、χ=0.
12とすると、Δp/p=0.033となる。
また、ヘルムホルツ型のレゾネータにおいて、十分な圧縮波低減効果を得るには、以下の式(2)に示す結合定数κを10程度とするのが好ましいとされている。
κ=V/2εAD ・・・(2)
ここで、Aはトンネル10(列車走行空間S)の断面積、Dは開口部31の設置間隔、εは音圧比である。
音圧比εは、
ε=Δp/p×((γ+1)/2γ)
であり、Δp:最大圧力、p:大気圧、γ:比熱比、である。
ここで、Δp/p=0.033、比熱比γ=1.4とすると、ε=0.029となる。
V:レゾネータ形成空間Rの容積V=192m、トンネル10の断面積A=74m、開口部31の設置間隔D(=レゾネータ形成空間Rの軸方向長さ)=6mとすると、上式(2)において、κ=7.5となる。これにより、ヘルムホルツ型の上記レゾネータ30において、十分な圧縮波低減効果が得られる。
(その他の実施形態)
なお、本発明のトンネルは、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、レゾネータ形成空間Rを、仕切壁33により覆工体11の軸方向に沿って複数に仕切るようにしたが、これに限らない。
図4に示すように、レゾネータ形成空間Rは、覆工体11の軸方向に連続して形成され、1つのレゾネータ形成空間Rに、複数の開口部31が形成されているようにしてもよい。
このような構成であっても、圧縮波は、各開口部31を介してレゾネータ形成空間R内で共鳴する。したがって、圧縮波は、覆工体11内を軸方向に伝播していく際に、段階的に低減されていく。また、レゾネータ形成空間Rを、覆工体11の軸方向に連続して形成することで、大きな容積の共鳴空間を確保することができ、圧縮波低減効果を増大させることができる。
また、このように仕切壁33を設けずに、レゾネータ形成空間Rを、覆工体11の軸方向に連続して形成することで、レゾネータ形成空間Rを、緊急時の避難路等として利用することもできる。
また、図5に示すように、路盤20の下方の空間全体をレゾネータ形成空間Rとしても良い。
これにより、レゾネータ形成空間Rの容積を増大させることができる。これにより、圧縮波低減効果を増大させることができる。
さらに、図6に示すように、路盤20の下方の空間全体をレゾネータ形成空間Rとしつつ、路盤20に対してレゾネータ形成空間R側に、路盤20と覆工体11とを結び、レゾネータ形成空間Rを、覆工体11の軸方向に直交する断面で複数に仕切る側壁32が設けられているようにしてもよい。
これにより、複数のレゾネータ形成空間Rを並接することができる。これにより、圧縮波低減効果を増大させることができる。
さらには、図7に示すように、側壁32に、覆工体11の軸方向に直交する断面方向で側壁32を挟んで互いに隣接するレゾネータ形成空間Rどうしを連通させる連通口37が形成されているようにしてもよい。
このようにして、並接されたレゾネータ形成空間Rを連通口37によって連通することで、レゾネータ形成空間Rの容積を増大させることができる。これにより、圧縮波低減効果を増大させることができる。
また、開口部31は、例えばトンネル10の入口、出口に近い場合、あるいはトンネル10の出入口から遠い場合等、トンネル10内の位置に応じて、開口部31の開口面積、開口部31の設置ピッチ等を異ならせても良い。
また、複数のレゾネータ形成空間Rの容積も、トンネル10内で様々に異ならせても良い。
このようにすることで、様々な周波数の圧縮波を低減することが可能となる。
また、上記実施形態では、レゾネータ形成空間Rを、路盤20の下方に形成するようにしたが、これに限らない。仕切壁を覆工体11の上部に天井板のごとく設け、トンネル10内の上部にレゾネータ形成空間Rを形成しても良い。また、仕切壁を覆工体11の側部に側壁板のごとく設け、トンネル10内の側部にレゾネータ形成空間Rを形成しても良い。
さらに、上記したような構成は、トンネル10に限らず、立坑にも同様にして適用することが可能である。
加えて、覆工体11は、シールド工法に限らず、図8に示すように、NATM(New Austrian Tunneling Method)工法によって構築したものであっても良い。この場合、覆工体は、地山を掘削した掘削孔の内周面にコンクリートを吹き付けることによって形成された覆工コンクリート(覆工体)91となる。そして、覆工コンクリート91内に、路盤20を設ける。路盤20の上方は列車走行空間Sとされ、路盤20の下方はレゾネータ形成空間Rとされる。この路盤20に開口部31を形成することで、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができるレゾネータ30を備えたトンネル10を構成することができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
10 トンネル
11 覆工体
20 路盤(区画壁)
20r 一部
30 レゾネータ
31 開口部
32 側壁
33 仕切壁
36 コンクリート成形体
37 連通口
91 覆工コンクリート(覆工体)
R レゾネータ形成空間
S 列車走行空間

Claims (5)

  1. 列車が走行するトンネルであって、
    前記トンネルの外殻をなす、断面視円形の筒状の覆工体と、
    前記覆工体内に設けられ、前記覆工体内を列車走行空間とレゾネータ形成空間とに区画する区画壁と、
    前記区画壁に、前記覆工体の軸方向に間隔を空けて複数形成され、前記レゾネータ形成空間を前記列車走行空間側に連通させる開口部と、を備え、
    前記区画壁は、前記覆工体内を上下に区画し、前記区画壁の上面を前記列車の走行路を設置するための路盤であり、
    前記区画壁の下方が前記レゾネータ形成空間とされ、前記開口部および前記レゾネータ形成空間は、前記列車走行空間を前記列車が走行することによって生じる圧縮波を低減させ
    前記区画壁に対して前記レゾネータ形成空間側に、前記区画壁と前記覆工体とを結び、前記レゾネータ形成空間を、前記覆工体の軸方向に直交する断面で複数に仕切る側壁が設けられていることを特徴とするトンネル。
  2. 前記レゾネータ形成空間は、前記覆工体の軸方向に間隔をあけて設けられた1以上の仕切壁により複数に仕切られ、
    前記仕切壁で仕切られた複数の前記レゾネータ形成空間のそれぞれは、少なくとも1つの前記開口部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル。
  3. 前記レゾネータ形成空間は、前記覆工体の軸方向に連続して形成され、1つの前記レゾネータ形成空間に、複数の前記開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル。
  4. 前記開口部の前記覆工体の軸方向における設置間隔、前記開口部の径、前記レゾネータ形成空間の容積を、前記覆工体の軸方向において互いに異ならせたことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のトンネル。
  5. 前記側壁には、前記覆工体の軸方向に直交する断面方向で前記側壁を挟んで互いに隣接する前記レゾネータ形成空間どうしを連通させる連通口が形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のトンネル。
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