上で述べた不利な点の観点から、本願の開示は、体液のような流体サンプルにおける分析物を電気化学的に測定する方法を記述する。この方法は、交流(AC)および/または、DC応答から導出された情報を使用することを含む発明の概念に基づく。各々は、バイオセンサや流体サンプルの態様についての特定の情報を提供するために設計された。例えば、低振幅信号のACブロックからの電流応答、形状や大きさ等の情報を、Hctや温度などの交絡変数を補正するために、または、バイオセンサの状態と、正確な結果を提供するためのその適合性を決定するために、使用することができる。代替的に、DC電位ブロックからの回復電流応答、形状や大きさ等の情報を、Hctおよび/または温度だけでなく、試薬の濡れ、および、サンプル拡散を補正するために使用することができる。したがって、流体サンプルにおける分析物濃度(または値)を測定する既知の方法と比較するとき、この発明の概念は、特定の利点、影響、特徴、そして、対象を提供する。
1つの態様において、電気化学的なバイオセンサに適用された流体サンプルの分析物濃度を測定し、決定し、計算し、または、そうでなければ予測するための電気化学的な分析法が、提供される。この方法は、少なくとも1つのDCブロックのテスト・シーケンスを流体サンプルに提供するステップを含むことができる。ここで、このテスト・ブロックは、サンプルやバイオセンサの異なる態様について特定の情報を引き出すように設計されている。ここで、DCブロックは、少なくとも1つの励起電位、および、少なくとも1つの回復電位を含み、電気化学的バイオセンサの電極システムの閉回路状態が、DCブロックの間維持される。
別の態様において、電気化学的なバイオセンサに適用された流体サンプルの分析物濃度を測定し、決定し、計算し、または、そうでなければ予測するための電気化学的分析方法が提供される。この方法は、少なくとも1つのACブロックと少なくとも1つのDCブロックとのテスト・シーケンスを流体サンプルに提供するステップを含むことができる。ここで、各々のテスト・ブロックは、サンプルやバイオセンサの異なる態様について特定の情報を引き出すように設計されている。
ACブロックに関して、それは、順次に、または、並列に同時に印加される低振幅信号のブロックでありえる。いくつかのインスタンスにおいては、ACブロックは、少なくとも2つの異なる低振幅信号を含む。例えば、ACブロックは、例えば、およそ10kHz、または、およそ20kHz、続いて、およそ1kHzまたはおよそ2kHzなどの、2つの周波数において2つのセグメントを含むことができる。他のインスタンスにおいては、このACブロックは、複数の低振幅信号を含む。例えば、ACブロックは、例えば、およそ10kHz、およそ20kHz、およそ10kHz、およそ2kHz、および、およそ1kHzなどの、4つの周波数において、5つのセグメントを持つことができる。代替的に、ACブロックは、例えば、およそ20kHz、およそ10kHz、およそ2kHz、および、およそ1kHzなどの、4つの周波数において、4つのセグメントを有することができ、代替的に、ACブロックは、およそ10kHz、およそ20kHz、およそ10kHz、およそ2kHz、および、およそ1kHzにおいて、同時に印加される4つの周波数を持つことができ、さらに交替的に、ACブロックは、所望の低振幅AC信号を同時に印加する多重周波数励起波形を持つことができる。
いくつかのインスタンスにおいては、ACブロックは、およそ500ミリ秒からおよそ1.5秒の間、印加される。他のインスタンスにおいては、ACブロックは、およそ100ミリ秒からおよそ300ミリ秒の間、印加される。
いくつかのインスタンスにおいては、1つのACブロックだけが、テスト・シーケンスの始めに、印加される。他のインスタンスにおいては、しかしながら、追加的なACブロックを採用することができ、その少なくとも1つのDCブロックの中で散らばっていることさえありえる。このように、ACブロックは、DCブロックの前に、DCブロックの後に、または、DCブロックの中で散らばって印加されることができる。
AC周波数は、順次印加されることができるが、それらは、また、同時追加(co−add)されることができ、組み合わせた周波数をAC周波数ごとに位相およびアドミタンス振幅情報を得るために、フーリエ変換を実行することによって、応答情報を得ることができる有限ブロック中で同時に印加することができる。
そのセグメントに関係なく、周波数およびそれらの期間、AC電流応答情報を、ACブロックの間の任意の時に得ることができる(すなわち、測定することができる)。いくつかのインスタンスにおいては、一連のAC電流応答測定を、テスト・シーケンスの初期に実行することができる。サンプルが適用された直後にされた測定は、拡散、温度、および、試薬可溶性によって、影響される。他のインスタンスにおいては、応答が安定し、最初の1秒の過渡応答を避けることができるように、十分なサンプルが印加されたあと、十分な時間においてAC測定を得ることができる。さらに他のインスタンスにおいては、AC応答電流情報は、およそ160,000/秒まで得ることができる。
いくつかのインスタンスにおいては、DCブロックは、連続的、単極性励起波形である(すなわち、電位は、閉回路において、DCブロックを通して印加され、コントロールされる)。これは、励起パルスの間で開放回路を使用するいくつかのパルス電流測定方法と対照的である。同様に、連続電流応答を収集することができ、それによって、雑音フィルタリングと信号強調などのより高度なデジタル信号処理方法の使用を可能にする。
いくつかのインスタンスにおいては、DCブロックは、ブドウ糖などの分析物を検出するために最適化される複数の短期間励起パルスと回復パルスを含み、その最適化は、パルス持続時間、前記励起パルスと回復パルスとの間の傾斜をつけられた移行、各々のパルスの間に測定される電流応答の数、および、どこで、各々のパルスにおいて電流応答測定がされるか、に関連する。
DCブロックに関して、それは、およそ0mVからおよそ+450mVの間で交流する電位において、少なくとも1つのパルスからおよそ10パルスを含むことができる。いくつかのインスタンスにおいては、DCブロックは、およそ0mVから+450mVへの単一の電位ステップでありえる。ここで、この電位は、減衰する電流応答を検出することができるように維持される。すなわち、DCブロックは、少なくとも1つの励起パルス、および、少なくとも1つの回復パルスを含む。ここで、パルスは、およそ0mVからおよそ+450mVの間で交流する。
パルスの数にかかわらず、各々のDCパルスが、およそ50ミリ秒からおよそ500ミリ秒までの間印加されることができる。代替的に、およそ+450mVにおける各々のDCパルスが、およそ250ミリ秒印加されることができ、そして、およそ0mVにおける各々のDCパルスは、およそ500ミリ秒間、印加されることができる。
いくつかのインスタンスにおいては、励起パルスおよび回復パルスは、電位の間で傾斜することを使用して上/下に移行の間コントロールされる。パルスは、容量電流応答を軽くするために効果的な、所定のレートでコントロールされる。一般的に、その傾斜率は、ほとんど理想的なポテンシャル移行によって提供されるピーク電流と比較して、ピーク電流においておよそ50%あるいはそれ以上の縮小を提供するように選択される。例えば、効果的な傾斜率は、およそ10mV/ミリ秒からおよそ50mV/ミリ秒であり得る。
パルスの数にかかわらず、電位およびそれらの期間、DC電流応答情報は、1つ以上のDCブロックの間のいつでも得ることができる。さらに、DC応答電流情報は、およそ160,000/秒まで得ることができる。
いくつかのインスタンスにおいては、1つのDCブロックだけが使用される。他のインスタンスにおいては、複数のDCブロックが使用される。例えば、第1のDCブロックは、ブドウ糖などの関心の分析物を検出するのに用いることができ、そして、第2のDCブロックは、交絡変数に関する情報を提供するために使用することができる。いくつかのインスタンスにおいては、第1のDCブロックおよび第2のDCブロックは、同一の傾斜率を持つ。他のインスタンスにおいて、前記第2のDCブロックは、第1のDCブロックと比較すると、異なる傾斜率を持つ。さらに、DCブロックは、少なくとも2つの異なる傾斜率を使用している波形でありえる。
いくつかのインスタンスにおいては、第2のDCブロックは、分析物を検出するのに用いられることができ、このように、第1のDCブロックから、結果を確認する。他のインスタンスにおいては、他のDCブロックは、サンプルにおけるケトン類などの他の電気活性分析物を測定するために、使用することができる。
代替的に、DCブロックは、スロー・ランプ・バイポーラ(SRBP)波形励起でありえる。いくつかのインスタンスにおいては、波形は、三角形励起でありえ、しかるに、別の例においては、それは、サイン波であるか台形励起でありえる。
さらに、代替的に、DCブロックは、複数の周波数を有する波形でありえ、電気工学分野の当業者によって、先に述べた低振幅ACブロックと対照的に、大振幅AC波形として、記述されることができる。
前述した観点から、ここに開示される測定方法の1つ以上を組み込まれた、電気化学的分析に関連して使用されるデバイス、装置およびシステムが、提供される。これらのデバイス、装置、および、システムは、アミノ酸、抗体、バクテリア、炭水化物、薬、脂質、マーカ、核酸、ペプチド、タンパク質、毒素、ウイルス、および、他の分析物を、それらの組合せと並んで含む分析物の濃度を決定するために、使用することができる。しかしながら、それらに限られるものではない。あるインスタンスにおいて、分析物は、ブドウ糖である。
これら、および、他の利点、効果、特徴および、本願発明の概念の対象物は、あとに続く説明からよりよくよく理解されているようになる。その記載において、添付の図面に対する参照が行われる。それは、本願発明の概念の実施形態の部分を形成する。そこでは、本願発明の概念の実施形態を図示するが、本願発明の概念の制限を行うものではない。
この方法、デバイス、装置およびシステムは、次に、以下に、添付の図面を参照して、より充分に記述される。本願発明の概念の実施形態が、すべてではないが、いくつかが示される。実際に、発明のコンセプトは、多くの異なる形で具体化することができ、そして、ここに述べられる実施形態に限られたものとして解釈されてはならない。むしろ、これらの例示的実施形態は、本願開示が適用可能な法的要求を満たすように、提供される。
同様に、多くの修正、そして、ここに記述される方法、デバイス、装置およびシステムの他の実施形態は、前述の記載および関連する図面に提示された教示に利益を有する、本願開示に関係する当業者には思い浮かぶであろう。したがって、本願発明の概念は、開示された特定の実施形態に制限されるものではないこと、および、修正や他の実施形態が、本願に添付された特許請求の範囲の中に含まれることを意図するものであることが理解されるべきである。特定の用語がここにおいて使用されるが、それらは、一般的、説明的な意味においてのみ使用されており、制限の目的のためではない。
とくに、他のように定義されない限り、ここで使用されるすべての技術的、科学的な用語は、本願開示が属する技術領域における当業者に共通に理解されるものと同一の意味を持つ。ここに記述されるものと同様であるか等しいいかなる方法および材料は、本願の方法、デバイス、装置およびシステムの実施またはテストにおいて使用することができるけれども、好適な方法および材料が、ここに、記述される。
さらに、不定冠詞「a」または「an」による要素への参照は、文脈が、1つであって、1つの要素のみであることを明らかに要求しない限り、複数の要素が存在するという可能性を排除しない。不定冠詞「a」または「an」は、したがって、通常、「すくなくとも1つ」を意味する。
[概要]
信頼できる方法で、分析物濃度を提供するACおよびDC電流応答から導出された情報を使用する測定分析物方法が、ここに開示される。これらの測定方法は、また、例えば、Hct、温度や、試薬の厚さにおける変化などの交絡変数の影響を減らすために使用することができる。それによって、より「真の」分析物濃度を提供する。
ここに開示された測定方法は、主に電流法(amperometry)を利用する。しかしながら、この方法は、(例えば、電量分析、ポテンシオメトリィーまたはボルタンメトリーなど)他の電気化学的な測定技術とともに使用することができると考えられる。例示的な電気化学測定方法に関するさらなる詳細が、例えば、米国特許第4,008,448号、第4,225,410号、第4,233,029号、第4,323,536号、第4,891,319号、第4,919,770号、第4,963,814号、第4,999,582号、第4,999,632号、第5,053,199号、第5,108,564号、第5,120,420号、第5,122,244号、第5,128,015号、第5,243,516号、第5,288,636号、第5,352,351号、第5,366,609号、第5,385,846号、第5,405,511号、第5,413,690号、第5,437,999号、第5,438,271号、第5,508,171号、第5,526,111号、第5,627,075号、第5,628,890号、第5,682,884号、第5,727,548号、第5,762,770号、第5,858,691号、第5,997,817号、第6,004,441号、第6,054,039号、第6254736号、第6,270,637号、第6,645,368号、第6,662,439号、第7,073,246号、第7,018,843号、第7,018,848号、第7,045,054号、第7,115,362号、第7,276,146号、第7,276,147号、第7,335,286号、第7,338,639号、第7,386,937号、第7,390,667号、第7,407,811号、第7,429,865号、第7,452,457号、第7,488,601号、第7,494,816号、第7,545,148号、第7,556,723号、第7,569,126号、第7,597,793号、第7,638,033号、第7,731,835号、第7,751,864号、第7,977,112号、第7,981,363号、第8,148,164号、第8,298,828号、第8,329,026号、第8,377,707号、および、第8,420,404号、ならびに、米国再発行特許第36268号、米国再発行特許第42560号、第42924号、および、第42953号などの中で開示される。
有利なことに、ここに記述される方法は、より、正確に、そして、速く、ブドウ糖濃度、特に血糖濃度などの分析物濃度を報告するために、SMBGデバイス、装置およびシステムに組み込むことができる。
さらに、この測定方法は、先進のマイクロプロセッサ・ベース・アルゴリズム、および、システム性能を劇的に向上する結果となるプロセスを使用してインプリメントすることができる。これらの測定方法は、また、10/10パフォーマンスなどのパフォーマンス向上を達成することができるアルゴリズムをつくる方法の柔軟性と数を提供する。ここに使われるように、「10/10パフォーマンス」は、測定されたbG値が、bG濃度>100mg/dLに対して実際のbG値のおよそ±10%内にあり、bG濃度<100mg/dLに対して実際のbG値のおよそ±10mg/dLにあることを意味する。
ここに開示される方法を実行するのに役立つことができる追加的な電気化学的な測定方法に関する詳細は、「バイオセンサ・アルゴリズムを構築に用いるスケーリング・データの方法ならびにデバイス、装置およびそれらを組み込むシステム」出願人ドケット番号第31518号、「分析物の電気化学的な測定をフェール・セーフにする方法ならびにデバイス、装置およびそれらを組み込むシステム」ドケット番号第31520号、「電気化学的な分析物測定において回復パルスからの情報を使用する方法およびデバイス、装置とそれらを組み込むシステム」ドケット番号第31522号、「分析物を電気化学的に測定するディスクリプタ・ベースの方法およびデバイス、装置とそれらを組み込むシステム」ドケット番号第31523号、および、「電気化学的な測定の間に高い酸化防止剤濃度を検出し、そこから分析物濃度をフェール・セーフにするする方法およびデバイス、装置とそれらを組み込むシステム」ドケット番号第31524号と題された同時出願中の特許出願の中に見ることができる。
[分析物測定デバイス、装置およびシステム]
本願発明の測定方法を記述する前に、そして、それに関連して、図1は、電気化学的なバイオセンサ20に有効に結合するテスト・メーター11(テスト要素としても知られる)などのデバイスを含む例示的な分析物測定システムを示す。メーター11およびバイオセンサ20は、バイオセンサ20に提供される1つ以上の流体サンプルの分析物の濃度を決定するように操作可能である。いくつかのインスタンスにおいては、そのサンプルは、例えば、全血、血漿、血清、尿または、唾液など体液サンプルであることができる。他のインスタンスにおいては、流体サンプルは、水性環境サンプルなどの1つ以上の電気化学的に反応性分析物の存在または濃度に対して検査される別のタイプのサンプルであることができる。
図1において、バイオセンサ20は、メーター11の接続端子14に取り外し可能に挿入される単一回使用テスト・ストリップである。いくつかのインスタンスにおいて、バイオセンサ20は、血糖テスト要素として構成される。ブドウ糖を電気化学的に測定する特徴と機能性を含む。他のインスタンスにおいては、バイオセンサ20は、例えば、アミノ酸、抗体、バクテリア、炭水化物、薬、脂質、マーカ、核酸、ペプチド、タンパク質、毒素、ウイルス、および、他の分析物など1つ以上の他の分析物を電気化学的に測定するように構成される。
メーター11は、ユーザーに、分析物濃度または他の試験結果を含む種々の情報を示すのに用いられる電子ディスプレイ16、および、ユーザー入力を受信するためのユーザ・インタフェース50を含む。メーター11は、信号をバイオセンサ20に印加し、バイオセンサ20に対して1つ以上の応答を測定するために、テスト信号を生成するために操作可能であるマイクロコントローラおよび関連テスト信号生成測定回路(図示せず)を更に含む。いくつかのインスタンスにおいて、メーター11は、血糖測定メーターとして構成することができ、小冊子「アキュチェックアビバ(登録商標)血糖測定メーター・オウナーのブックレット」(2007)で解説されるように、アキュチェックアビバ(登録商標)メーターの特徴および機能を含む。その一部分が、米国特許第645368号に開示されている。他のインスタンスにおいて、メーター11は、例えば、アミノ酸、抗体、バクテリア、炭水化物、薬、脂質、マーカ、核酸、タンパク質、ペプチド、毒素、ウイルス、および、他の分析物などの1つ以上の他の分析物を電気化学的に測定するように構成することができる。電気化学的な測定方法の用途に構成された例示的なメーターに関するさらなる詳細が、例えば、米国特許第4,720,372号、第4,963,814号、第4,999,582号、第4,999,632号、第5,243,516号、第5,282,950号、第5,366,609号、第5,371,687号、第5,379,214号、第5,405,511号、第5,438,271号、第5,594,906号、第6,134,504号、第6,144,922号、第6,413,213号、第6,425,863号、第6,635,167号、第6,645,368号、第6,787,109号、第6,927,749号、第6,945,955号、第7,208,119号、第7,291,107号、第7,347,973号、第7,569,126号、第7,601,299号、第7,638,095号、および、第8,431,408号、などの中で開示される。
当業者は、ここに記述される測定方法は、他の測定、デバイス、装置、システム、そして、例えば、病院テスト・システム、研究所テスト・システム、および、その他の環境において、使用することができることを理解する。
バイオセンサとメーターは、図1に示されるものに加えて、または、それらの代わりに、更なるおよび/または代替の属性と特徴を含むことができることが理解されるべきである。例えば、バイオセンサは、長方形の形状を有する単一回使用、使い捨て電気化学的テスト・ストリップの形であることができる。バイオセンサは、例えば、異なる構成、大きさ、または形状のテスト・ストリップ、非ストリップ・テスト要素、使い捨てのテスト要素、再使用可能テスト要素、マイクロ・アレイ、ラボ・オンチップ・デバイス、バイオ・チップ、バイオ・ディスク、バイオcds、または、他のテスト要素などの異なる形を含むことができることが理解される。電気化学的な測定方法の用途に構成された例示的なバイオセンサに関するさらなる詳細が、例えば、米国特許第5,694,932号、第5,762,770号、第5,948,695号、第5,975,153号、第5,997,817号、第6,001,239号、第6,025,203号、第6,162,639号、第6,245,215号、第6,271,045号、第6,319,719号、第6,406,672号、第6,413,395号、第6,428,664号、第6,447,657号、第6,451,264号、第6,455,324号、第6,488,828号、第6,506,575号、第6,540,890号、第6,562,210号、第6,582,573号、第6,592,815号、第6,627,057号、第6,638,772号、第6,755,949号、第6,767,440号、第6,780,296号、第6,780,651号、第6,814,843号、第6,814,844号、第6,858,433号、第6,866,758号、第7,008,799号、第7,063,774号、第7,238,534号、第7,473,398号、第7,476,827号、第7,479,211号、第7,510,643号、第7,727,467号、第7,780,827号、第7,820,451号、第7,867,369号、第7,892、849号、第8,180,423号、第8,298,401号、第8,329,026号、ならびに、米国再発行特許第42560号、第42924号、および、第42953号などの中で開示される。
図2は、バイオセンサ420とメーター410との間の電気通信を提供するために動作的にメーター410と結合したバイオセンサ420を含む、例示的な分析物測定システムの簡略化した回路図400を示す。バイオセンサ420は、複合試薬およびサンプル422と接触している、作用電極422と対電極423を有するテスト・セル421を含む。作用電極422は、メーター410の増幅器414の負入力と電気通信している。対電極423は、仮想接地、または、メーター410の参照電位と電気通信している。
メーター410は、出力412においてテスト制御信号を生成し、出力するように動作可能であるマイクロコントローラ411を含む。テスト制御信号は、増幅器414の正入力にテスト電位を出力する増幅器413を駆動する。このテスト電位は、また、増幅器414の正入力と負入力との間の仮想的短絡のために、増幅器414の負入力においても、見られる。増幅器414の負入力に存在するテスト電位は、作用電極422に提供される。したがって、マイクロコントローラ411によるテスト制御信号出力は、作用電極422の電位に印加されるテスト電位をコントロールするように動作可能である。出力412で提供されるテスト制御信号、および、作用電極422に提供されるテスト電位は、ACコンポーネント、前処理コンポーネント、そして、励起電位および、閉回路回復電位を含むDCパルス・シーケンスなどの多くの特徴を含むことができる。それらの例が、以下にさらに記述される。
作用電極422に印加されるテスト電位は、増幅器414の負入力に提供される電流応答450を生成する。増幅器414は、I/Vコンバータとして構成され、マイクロコントローラ411の入力460に、電流応答450と比例している電圧を出力する。マイクロコントローラ411は、入力460における電圧を検出し、入力460に見られる電圧を、ゲイン抵抗415の値によって、割り算することによって電流応答450を決定する。電流応答450は、ACコンポーネント、前処理コンポーネント、および、励起電圧と閉じた回路回復電位とを含むDCパルス・シーケンスを含むテスト電位に対する応答を含むことができる。これらの例は、ここで以下にさらに記述される。
さらなる例示的な分析物測定システムは、簡略回路図400に図示されたものに加えて、または、それらに代わるものとして多くの特徴を含むことができることが理解される。例えば、マイクロコントローラ411は、また、例えば、図1に関連して図示され、上で記述されている1つ以上のデジタルメモリ、ディスプレイ、および/または、ユーザ・インタフェースなど、ならびに、それらに結びついたコントローラおよびドライバ回路など、メーター410の他のコンポーネントに、動作的に接続していることができる。図2において、出力412は、アナログ出力は、マイクロコントローラ412に内蔵されたD/A変換器に接続しており、そして、入力460は、マイクロコントローラ412に内蔵されたA/D変換器に接続しているアナログ入力である。他のインスタンスにおいては、出力412は、外部D/A変換器に接続されたデジタル出力であり得、そして、入力460は、外部A/D変換器に接続されたデジタル出力であり得る。図2において、テスト・セル421は、2電極テスト・セルである。しかしながら、他のテスト・セルは、3電極テスト・セル、または、他の電極システムでありえる。
図2において、テスト電位は、作用電極と対電極との間に電位差を提供するために作用電極に印加されることができる。代替的に、仮想接地以外のテスト電位、または、参照電位は、作用電極と対電極との間に電位差を提供するために対電極として提供することができる。前述の、および、他の種々の代替のテスト・セル、電極、および/または、サンプルと試薬との組み合わせとに接触して電極システムにテスト信号を印加し、それへの応答を測定するように動作可能な回路構成を、利用することができることが理解される。
[測定方法]
上記したように、ここに記述される測定方法は、少なくとも1つのACブロックや少なくとも1つのDCブロックを有するテスト・シーケンスに対するACやDC電流応答から導出された情報を使用することを含む発明の概念に基づいており、各々のブロックは、流体サンプルやバイオセンサの態様についての特定情報を提供するように設計されている。
本願方法は、一般に、体液などの流体サンプルに、制御されたパルス・シーケンスを有するDCブロックに関連する低振幅信号のACブロックを印加すること、および、ACおよびDC電流応答を測定することを含む。図3は、例示的なテスト・シーケンス、および、SMBGおよび他のテスト・システムと関連して使用することができる、それに対する応答を示す。このように、このテスト・シーケンスは、励起パルスと回復パルスの制御されたDCブロックが続く低振幅信号のACブロックを含む。
ACブロックに関して、それは、例えば、およそ2つのセグメントからおよそ10のセグメント、およそ3つのセグメントからおよそ9つのセグメント、およそ4つのセグメントからおよそ8つのセグメント、およそ5つのセグメントからおよそ7つのセグメントに、または、およそ6つのセグメントなどの、複数のACセグメントを含むことができる。他のインスタンスにおいては、ACブロックは、およそ2つのセグメント、およそ3つのセグメント、およそ4セグメント、およそ5セグメント、およそ6セグメント、およそ7セグメント、およそ8セグメント、およそ9セグメント、またはおよそ10セグメントを含むことができる。さらに他のインスタンスおいては、ACブロックは、10セグメント以上のセグメント、すなわち、およそ15セグメント、およそ20セグメント、または、およそ25のセグメントを持つことができる、さらに他のインスタンスにおいては、ACブロックは、1セグメントを含むことができる。ここで、そのセグメントは、同時に印加される複数の低振幅AC信号を有する。
当業者は、ACブロックのセグメントの数は、応答の複雑さ、測定を実行するのに利用可能である関連する周波数範囲と時間とによって制限されることを理解する。より高い周波数は、一般に、高帯域エレクトロニクス、および、より速いサンプリングを必要とする。しかるに、低い周波数は、より長くかかり、そして、典型的には、よりノイズが多い。したがって、セグメントの最大数は、これらのパラメータ、サンプルおよび環境、および/または、関心対象の交絡ファクタを識別するために必要な、最小限のカウントおよび周波数スパンを選ぶこと、を考慮したものである。
ここに使われるように、「およそ(about)」は、述べられた濃度、長さ分子量、pH、電位、時間フレーム、温度、電圧、または、ボリュームなどの値の統計学的に意味がある範囲の中であることを意味する。そのような値または範囲は、大きさのオーダが、典型的には、所定の値のまたは範囲の20%以内、より典型的には10%以内、そして、さらにより典型的には5%以内にあることであり得る。「およそ(about)」によって含まれる許容されるバリエーションは、検討中の特定のシステムに依存し、当業者には、すぐに理解される。
このACブロックの各々のセグメントの各々の信号の周波数は、およそ1kHzからおよそ20kHzまで、およそ2kHzからおよそ19kHzまで、およそ3kHzからおよそ18kHzまで、およそ4kHzからおよそ17kHzまで、およそ5kHzからおよそ16kHzまで、およそ6kHzからおよそ15kHzまで、およそ7kHzからおよそ14kHzまで、およそ8kHzからおよそ13kHzまで、およそ9kHzからおよそ12kHzまで、または、およそ10kHzからおよそ11kHzまで、であることができる。他のインスタンスにおいては、ACブロックの各々のセグメントの周波数は、およそ1kHz、およそ2kHz、およそ3kHz、およそ4kHz、およそ5kHz、およそ6kHz、およそ7kHz、およそ8kHz、およそ9kHz、およそ10kHz、およそ11kHz、およそ12kHz、およそ13kHz、およそ14kHz、およそ15kHz、およそ16kHz、およそ17kHz、およそ18kHz、およそ19kHz、または、およそ20kHzでありえる。さらに他のインスタンスおいては、ACブロックの各々のセグメントの各々の信号の周波数は、20kHzより大きい、すなわち、およそ30kHz、およそ40kHz、または、およそ50kHzことがあることがありえる。いくつかのインスタンスにおいては、そのセグメントの1つ以上が、同じ周波数を持つことができ、しかるに、他のインスタンスにおいては、各々のセグメントが、他のセグメントから異なる周波数を持つ。4つの周波数は、しかしながら、一般的に、十分である。使用される正確な周波数は、測定システムクロックの最大周波数の簡単な整数の割り算によってすぐに生成することができる。
ACブロックのセグメントにおける信号の最大周波数制限は、しかしながら、安価で、電池駆動のハンドヘルド器具に対して、およそ100kHzまでであり得る。それを越えると、アナログ帯域幅、サンプリング・レート、ストレージ、および、処理スピードに対する要求の増加が、急速に加算される。一方、典型的なバイオセンサ応答の虚部が、周波数とともに、ますますより小さくなる。低い周波数は、より長い期間を有し、そして、比較的正確にサンプルするのにより長い時間をかける。
ACブロックは、典型的には、少なくとも2つの異なる低振幅信号を含む。例えば、ACブロックは、例えば、およそ10kHz、または、およそ20kHz、続いて、およそ1kHzまたはおよそ2kHzなどの、2つの周波数においての2つのセグメントを含むことができる。他のインスタンスにおいては、このACブロックは、複数の低振幅信号を含む。例えば、ACブロックは、例えば、およそ10kHz、およそ20kHz、およそ10kHz、およそ2kHz、および、およそ1kHzなどの、4つの周波数において、5つのセグメントを持つことができる。代替的に、ACブロックは、例えば、およそ20kHz、およそ10kHz、およそ2kHz、および、およそ1kHzなどの、4つの周波数において、4つのセグメントを有することができ、代替的に、ACブロックは、およそ10kHz、およそ20kHz、およそ10kHz、およそ2kHz、および、およそ1kHzにおいて、同時に印加される4つの周波数を持つことができ、さらに交替的に、ACブロックは、所望の低振幅AC信号を同時に印加する多重周波数励起波形を持つことができる。このAC周波数は、順次印加されることができる、あるいは、結合され、同時に印加されることができ、そして、フーリエ変換を介して分析されることができる。
ACブロックは、およそ500ミリ秒からおよそ1.5秒、およそ600ミリ秒からおよそ1.25秒、およそ700ミリ秒からおよそ1000ミリ秒、または、およそ800ミリ秒からおよそ900ミリ秒の間、印加することができる。代替的に、ACブロックは、およそ500ミリ秒、およそ600ミリ秒、およそ700ミリ秒、およそ800ミリ秒、およそ900ミリ秒、およそ1000ミリ秒、およそ1.25秒、または、およそ1.5秒の間、印加することができる。特に、このACブロックは、およそ100ミリ秒からおよそ300ミリ秒の間、印加することができる。
しかしながら、当業者は、ACセグメントの数、周波数、期間、および、順序は、変化し得ることを理解する。
AC電流応答情報を、テスト・シーケンスの間のいつでも得ることができる。低周波数におけるインピーダンス結果は、電気化学的なセルがDC分極した後に得られる場合、分析物濃度によって影響され得る。いくつかのインスタンスにおいて、一連のAC電流応答測定を、テスト・シーケンスの初期に得られることができる。流体サンプルがバイオセンサに適用された直後にされた測定は、拡散、温度、および、試薬可溶性によって影響される、他のインスタンスにおいては、AC応答電流測定は、応答が安定し、最初の1秒の過渡応答を避けることができるように、十分なサンプルが印加されたあと、十分な時間において得ることができる。同様に、応答電流測定は、1つ以上の周波数において、行うことができる。それらの容量的な特性のために、周波数オクターブまたはディケードにより分離された複数のAC測定は、異なる感度またはより簡単な操作を提供することができる。
正確な測定は、5kHzを超える周波数において、より困難であり得る。しかし、真のインピーダンスに対して、より良い可視性を提供することができる。ここで20kHz、10kHz、2kHz、および、1kHzにおける周波数が使用された。加えて、これらの周波数は、測定エレクトロニクスを単純化するために、および、低い周波数(より大きい虚数インピーダンス)が安定するのにより長くかかるのを可能にするために、このシーケンスにおいて印加された。
電気化学的な測定方法における例示的なACブロックに関するさらなる詳細が、例えば、米国特許第7,338,639号、第7,390,667号、第7,407,811号、第7,417,811号、第7,452,457号、第7,488,601号、第7,494,816号、第7,597,793号、第7,638,033号、第7,751,864号、第7,977,112号、第7,981,363号、第8,148,164号、第8,298,828号、第8,377,707号、および、第8,420,404号などの中で開示される。
DCブロックに関して、典型的には、それは、およそ0mVと所定の正電位差との間で交流する定常的に印加される電位差、あるいは、従来のDC電気化学的な方法によって分析することができる他のよりゆっくり変化する電位差を含む。しかしながら、当業者は、応用電位差の範囲は、使用される分析物と試薬化学に依存して、異なることができ、また、異なることを理解する。
DCブロックは、例えば、およそ2パルスからおよそ10パルスまで、およそ3パルスからおよそ9パルスまで、およそ4パルスからおよそ8パルスまで、およそ5パルスからおよそ7パルスまで、あるいは、およそ6つのパルスなどの、複数のパルスを含むことができる。他のインスタンスにおいて、このDCブロックは、およそ2パルス、およそ3パルス、およそ4パルス、およそ5パルス、およそ6パルス、およそ7パルス、およそ8パルス、およそ9パルス、または、およそ10パルスを含むことができる。さらに他のインスタンスおいては、DCブロックは、10以上のパルス、すなわち、およそ15のパルス、およそ20のパルス、または、およそ25パルスを持つことができる。ここに使われるように、「パルス(pulse)」は、少なくとも1つの励起および/または1つの回復期間を意味する。しかしながら、パルスの数は、典型的には、テスト・シーケンスに対して使用可能時間により制限される。より短い期間は、電極表面から更に深くしらべ、試薬の厚さと拡散モディファイアーに対する感度を増加する。
DCブロックにおける各々のパルスの電位は、およそ0mVから450mV、およそ10mVから425mV、およそ15mVから400mV、およそ20mVから375mV、およそ25mVから350mV、およそ30mVから325mV、およそ35mVから300mV、およそ40mVから275mV、およそ45mVから250mV、およそ50mVから225mV、およそ75mVから200mV、およそ100mVから175mV、または、およそ125mVからおよそ150mVであることができる。他のインスタンスにおいては、DCブロックにおける各々のパルスの電位は、およそ1mV、およそ10mV、およそ15mV、およそ20mV、およそ25mV、およそ30mV、およそ35mV、およそ40mV、およそ45mV、およそ50mV、およそ60mV、およそ70mV、およそ80mV、およそ90mV、およそ100mV、およそ110mV、およそ120mV、およそ130mV、およそ140mV、およそ150mV、およそ160mV、およそ170mV、およそ180mV、およそ190mV、およそ200mV、およそ210mV、およそ220mV、およそ230mV、およそ240mV、およそ250mV、およそ260mV、およそ270mV、およそ280mV、およそ290mV、およそ300mV、およそ310mV、およそ320mV、およそ330mV、およそ340mV、およそ350mV、およそ360mV、およそ370mV、およそ380mV、およそ390mV、およそ400mV、およそ410mV、およそ420mV、およそ430mV、およそ440mV、または、およそ450mVであることができる。さらに他のインスタンスおいては、DCブロックの各々のパルスの電位は、450mVより高い、すなわち、およそ475mV、およそ500mV、およそ525mV、およそ550mV、およそ575mV、およそ600mV、およそ625mV、およそ650mV、およそ675mV、およそ700mV、およそ725mV、または、およそ750mVであることができる。さらに他のインスタンスおいては、励起パルス電位は、およそ+450mVより大きい、より小さい、または、等しいことがあり得る。いくつかのインスタンスにおいて、そのパルスの1つ以上が、同じ電位を持つことができ、しかるに、他のインスタンスにおいて、各々のパルスは、他のパルスと異なった電位を持つ。
上記したように、印加されたDC電位は、回復パルスを提供するために、励起パルスの間で、およそ0mVに固定することができる。このように、それを、一般に、連続的単極性励起波形にする。これは、正のDCパルスの間で開放回路の使用を定める既知の技術からのテスト信号シーケンスと対照的である。それによって、正のパルスの間の電流を収集し分析することの可能性を排除する。
その数に関係なく、各々のDCパルスが、およそ50ミリ秒からおよそ500ミリ秒まで、およそ60ミリ秒からおよそ450ミリ秒まで、およそ70ミリ秒からおよそ400ミリ秒まで、およそ80ミリ秒からおよそ350ミリ秒まで、およそ90ミリ秒からおよそ300ミリ秒まで、およそ100ミリ秒からおよそ250ミリ秒まで、およそ150ミリ秒からおよそ200ミリ秒まで、または、およそ175ミリ秒の間、印加することができる。代替的に、各々のパルスは、およそ50ミリ秒、およそ60ミリ秒、およそ70ミリ秒、およそ80ミリ秒、およそ90ミリ秒、およそ100ミリ秒、およそ125ミリ秒、およそ150ミリ秒、およそ175ミリ秒、およそ200ミリ秒、およそ225ミリ秒、およそ250ミリ秒、およそ275ミリ秒、およそ300ミリ秒、およそ325ミリ秒、およそ350ミリ秒、およそ375ミリ秒、およそ400ミリ秒、およそ425ミリ秒、およそ450ミリ秒、およそ475ミリ秒、または、およそ500ミリ秒の間、印加することができる。特に、+450mVにおける各々のDCパルスが、およそ250ミリ秒印加されることができるそして、0mVにおける各々のDCパルスは、およそ500ミリ秒間、印加されることができる。さらに、代替的に、各々のパルスは、およそ50ミリ秒より少ない間、または、500ミリ秒より多くの間印加されることができる。その期間は、十分に長くなければならない、または、充電電流を避けるのに十分に、ソフトな、始まりでなければならない。ともかく、パルス持続時間は、合理的な50/60Hzノイズ除去を可能にするのに十分長く印加されなければならないさらに、パルスの間の時間は、理想的には、電気化学的セルが放電し、そのプレ・パルス状態の近くに復帰するのを可能にするために、十分に長いものである。更にまた、動作電位は、メディエータおよび測定システムに依存する。この中の例は、NA派生酸化還元メディエータの原理実証を示す。
一般的に、各々のパルスの傾斜率は、ほとんど理想的なポテンシャル移行によって提供されるピーク電流と比較して、ピーク電流においておよそ50%あるいはそれ以上の縮小を提供するように選択される。いくつかのインスタンスにおいては、各々のパルスは、同じ傾斜率を持つことができる。他のインスタンスにおいては、いくつかのパルスは、同じ傾斜率を持つことができ、他のパルスは、異なる傾斜率を持つことができる。さらに他のインスタンスおいては、各々のパルスは、それ自身の傾斜率を持つ。例えば、有効な傾斜率は、およそ5mV/ミリ秒からおよそ75mV/ミリ秒まで、または、およそ10mV/ミリ秒からおよそ50mV/ミリ秒まで、15mV/ミリ秒からおよそ25mV/ミリ秒、または、およそ20mV/ミリ秒であることができる。代替的に、その傾斜率は、およそ5mV/ミリ秒、およそ10mV/ミリ秒、およそ15mV/ミリ秒、およそ20mV/ミリ秒、およそ25mV/ミリ秒、およそ30mV/ミリ秒、およそ35mV/ミリ秒、およそ40mV/ミリ秒、およそ45mV/ミリ秒、およそ50mV/ミリ秒、およそ55mV/ミリ秒、およそ60mV/ミリ秒、およそ65mV/ミリ秒、およそ70mV/ミリ秒、または、およそ75mV/ミリ秒であることができる。特に、その傾斜率は、およそ40mV/ミリ秒からおよそ50mV/ミリ秒までであることができる。
所与の酸化還元メディエータに対する励起電位を決定するために、選択された作用電極/対電極(WE−CE)電位ステップが印加された(例えば、3.5秒)後に固定時間測定された電流をプロットすることができる。いずれのケースにおいても、当業者は、電流−電位プラトー上で、楽に動作するように努力する。しかしながら、より高い電位が、常に、より良いということはない。それらは、関心対象物の分析物測定に、望ましくない影響を与える他の(すなわち、干渉する)反応を招くことがあり得るからである。
いくつかのインスタンスにおいては、テスト・シーケンスは、単一のDCブロックを含む。しかるに、他のインスタンスにおいては、そのテスト・シーケンスは、2つ以上のDCブロックを含む。
例示的なDCブロックは、およそ0mVとおよそ+450mVとの間で(複電流測定モードにおいて)、交流することができる(すなわち、パルス)。
ACブロックのように、当業者は、DCパルスの数、電位、期間、および、順序は、変化し得ることを理解する。
本願の方法において、ACおよび/またはDC応答電流情報を、およそ2,000/秒からおよそ200,000/秒において、およそ3,000/秒からおよそ190,000/秒において、およそ4,000/秒からおよそ180,000/秒において、およそ5,000/秒からおよそ170,000/秒において、およそ6,000/秒からおよそ160,000/秒において、およそ7,000/秒からおよそ150,000/秒において、およそ8,000/秒からおよそ140,000/秒において、およそ9,000/秒からおよそ130,000/秒において、およそ10,000/秒からおよそ120,000/秒において、およそ15,000/秒からおよそ110,000/秒において、およそ20,000/秒からおよそ100,000/秒において、およそ30,000/秒からおよそ90,000/秒において、およそ40,000/秒からおよそ80,000/秒において、およそ50,000/秒からおよそ70,000/秒において、または、およそ60,000/秒において、得る(すなわち、測定または記録する)ことができる。いくつかのインスタンスにおいては、ACおよび/またはDC応答電流情報を、およそ100/秒からおよそ200/秒において、およそ200/秒からおよそ300/秒において、およそ300/秒からおよそ400/秒において、およそ400/秒からおよそ500/秒において、およそ500/秒からおよそ600/秒において、およそ600/秒からおよそ700/秒において、およそ700/秒からおよそ800/秒において、およそ800/秒からおよそ900/秒において、およそ1,000/秒からおよそ1,500/秒において、およそ1,500/秒からおよそ2,000/秒において、およそ2,000/秒からおよそ2,500/秒において、およそ2,500/秒からおよそ3,000/秒において、およそ3,000/秒からおよそ3,500/秒において、およそ3,500/秒からおよそ4,000/秒において、およそ4,000/秒からおよそ4,500/秒において、およそ4,500/秒からおよそ5,000/秒において、およそ5,000/秒からおよそ5,500/秒において、およそ5,500/秒からおよそ6,000/秒において、およそ6,000/秒からおよそ6,500/秒において、およそ6,500/秒からおよそ7,000/秒において、およそ7,000/秒からおよそ7,500/秒において、およそ7,500/秒からおよそ8,000/秒において、およそ8,000/秒からおよそ8,500/秒において、およそ8,500/秒からおよそ9,000/秒において、およそ9,000/秒からおよそ9,500/秒において、およそ9,500/秒からおよそ10,000/秒において、およそ10,000/秒からおよそ20,000/秒において、およそ20,000/秒からおよそ30,000/秒において、およそ30,000/秒からおよそ40,000/秒において、およそ40,000/秒からおよそ50,000/秒において、およそ50,000/秒からおよそ60,000/秒において、およそ60,000/秒からおよそ70,000/秒において、およそ70,000/秒からおよそ80,000/秒において、およそ80,000/秒からおよそ90,000/秒において、およそ90,000/秒からおよそ100,000/秒において、およそ100,000/秒からおよそ110,000/秒において、およそ110,000/秒からおよそ120,000/秒において、およそ120,000/秒からおよそ130,000/秒において、およそ130,000/秒からおよそ140,000/秒において、およそ140,000/秒からおよそ150,000/秒において、およそ150,000/秒からおよそ160,000/秒において、およそ160,000/秒からおよそ170,000/秒において、およそ170,000/秒からおよそ180,000/秒において、およそ180,000/秒からおよそ190,000/秒において、または、およそ200,000/秒において、得ることができる。他のインスタンスにおいては、ACおよび/またはDC応答電流情報を、およそ100/秒、およそ200/秒、およそ300/秒、およそ400/秒、およそ500/秒、およそ600/秒、およそ700/秒、およそ800/秒、およそ900/秒、およそ1,000/秒、およそ1,250/秒、およそ1,500/秒、およそ1,750/秒、およそ2,000/秒、およそ2,225/秒、およそ2,500/秒、およそ2,750/秒、およそ3,000/秒、およそ3,250/秒、およそ3,500/秒、およそ3,750/秒、およそ4,000/秒、およそ4,250/秒、およそ4,500/秒、およそ4,750/秒、およそ5,000/秒、およそ5,250/秒、およそ5,500/秒、およそ5,750/秒、およそ6,000/秒、およそ6,250/秒、およそ6,500/秒、およそ7,000/秒、およそ7,250/秒、およそ7,500/秒、およそ7,750/秒、およそ8,000/秒、およそ8,250/秒、およそ8,500/秒、およそ8,750/秒、およそ9,000/秒、およそ9,250/秒、およそ9,500/秒、およそ9,750/秒、およそ10,000/秒、およそ15,000/秒、およそ20,000/秒、およそ25,000/秒、およそ30,000/秒、およそ35,000/秒、およそ40,000/秒、およそ45,000/秒、およそ50,000/秒、およそ55,000/秒、およそ60,000/秒、およそ65,000/秒、およそ70,000/秒、およそ75,000/秒、およそ80,000/秒、およそ85,000/秒、およそ90,000/秒、およそ95,000/秒、およそ100,000/秒、およそ105,000/秒、およそ110,000/秒、およそ115,000/秒、およそ120,000/秒、およそ125,000/秒、およそ130,000/秒、およそ135,000/秒、およそ140,000/秒、およそ145,000/秒、およそ150,000/秒、およそ155,000/秒、およそ160,000/秒、およそ165,000/秒、およそ170,000/秒、およそ175,000/秒、およそ180,000/秒、およそ185,000/秒、およそ190,000/秒、およそ195,000/秒、または、およそ200,000/秒において、まで得ることができる。さらに他のインスタンスにおいては、ACおよび/またはDC応答電流情報を、200,000/秒より多くにおいて、得ることができる。
一緒にとると、少なくとも1つのACブロックおよび少なくとも1つのDCブロックは、サンプルに印加されるテスト・シーケンスを抱合する。図3に図示されるように、したがって、例示的なテスト・シーケンスは、(1)異なる周波数における複数のACセグメントのACブロック、および、(2)同様に短い期間(例えば、およそ50−500ミリ秒)の回復パルスにより分離される短い期間(例えば、およそ50−500ミリ秒)のおよそ450mVのパルスのDCブロックを含むことができる。その間、およそ0mVの回復電位の閉回路が適用される。
換言すると、したがって、例示的なテスト・シーケンスは、任意の順序で実行されることができる3つのブロックを含むことができる。第1のACブロックは、流体サンプルが検出され、バイオセンサの上で確認された後、始めることができる。初期の1秒は、試薬溶解のダイナミクスと反応力のダイナミクスをモニターするための10kHzの小さな振幅AC波形である。これの後に、4つの150ミリ秒の、20kHz、10kHz、2kHzおよび、1kHzのACセグメントが続く。第2のブロックは、DCパルスのシリーズでありえる。ここで、正の印加電位差は、拡散限界電流を誘発するために十分な振幅と期間のものである。これらのパルスは、拡散限界電流を誘発するためには十分な振幅でなく、セルがそのプレ・パルス状態の近くに帰るのを可能にするのには十分長いより小さい電位差でインタレースされる。第3のブロックは、また、SRBPなどのDCパルスのシリーズであることができる。
電流応答情報は、テスト・シーケンスから収集され、ACおよびDCブロックに対する電流応答を含む。いくつかのインスタンスにおいては、電流応答情報は、ACおよびDC測定に対する単一共用信号経路を含むシステム設計を単純化するためにDCおよびAC測定に対するA/Dサンプリング・レートで、収集することができる。共通デジタル・オーディオ・サンプリングレート範囲は、およそ44.1kHzからおよそ192kHzまでを含む。しかし、それらに制限されるものではない。この範囲におけるA/D変換器は、種々の商業的な半導体供給元からすぐに利用できる。
ACブロックに対する電流応答情報は、インピーダンス、アドミタンスおよび位相値、または、以下で詳細に記述される他の複素パラメータを決定するのに使用することができる。同様に、DCブロックへの電流情報は、分析物濃度、または、以下で詳細に記述される他の複素パラメータを決定するために使用することができる。
図4−図5に示されるように、1つのトレースは、印加されたDC電位を図示し、他のトレースは、それぞれ、ACおよびDC電流応答を図示する。上記したように、印加されたDC電位は、回復パルスを提供するために、パルスの間で、およそ0mVに固定することができる。このように、それを、一般に、連続的励起波形にする。これは、正のDCパルスの間で開放回路の使用を定め、それによって、正の励起パルスの間の電流を収集し分析することの可能性を排除する既知の技術からのテスト・シーケンスと対照的である。ここに使われるように、「回復パルス」は、関心分析物(例えば、ブドウ糖)の電気化学反応が無くなり、それによって、システムが、別のさらに正のDCパルスとの後続する問合せの前に固定された出発点に戻るのを可能にする、十分に長い回復期の間印加されるおよそゼロ電位パルスを意味する。
本願発明の概念の部分として、DCブロックにおける回復応答は、特に、Hctおよび温度に関係するユニークな情報コンテンツを含むことが認められた。更にまた、この情報は、値を提供し、SMBGデバイス、装置、および、システムの正確さと性能をさらに洗練するために利用することができる。
図4に戻って、パルスDCブロックへの応答は、試薬の濡れ、サンプル拡散および試薬に関する分離、安定したブドウ糖輸送勾配の確立、および、縮小可能分析物と結びついたキネティクスなどの他の重要なプロセスに関するリアルタイム情報と並んで、Hctと温度情報とを符号化する。図示されたDCブロックは、時間に関して、これらのプロセスの短い、異なったストローブを提供する。各々の正のDCパルスは、異なった電流シグネチャを生成し、それは、時間におけるその位置のために、必ずしも他のようではない。
重要なことに、各々の閉回路回復電圧パルスは、ブドウ糖の電気化学反応が無くなり、それによって、システムが、別のDCパルスとの後続する問合せの前に共通の出発点に戻るのを可能にする、十分に長い回復期を提供する。
正のDCパルスからの電流の減衰の形状として、ブドウ糖、Hct、そして、温度(ならびに、上記した他のバイオセンサ・プロセス)に関する情報を符号化すると、回復パルスの形状は、また、ユニークである。各々の回復パルスは、負の電流レスポンスを複電流測定システムがどのように所定の参照状態に戻るかを記述する異なった、時間順序の情報を符号化する成長率で生成する。回復パルスの間の電流成長率は、単に近隣する正のCパルスと結びついた電流減衰の鏡像ではない。ブドウ糖反応が、ブドウ糖での電気化学反応を開始することができず、継続することができない電位の大きさを選択することによって無くなったからである。ここに開示される例示的な測定方法は、SMBGデバイス、装置および、システムの正確さと性能を改善するために、回復電流応答によって符号化されるHct、温度、および、他の交絡変数に関連するユニークな情報コンテンツを使用する。
ゼロに近い、および、非ゼロ正および負の電位の大きさは、また、追加的実施形態において、回復パルスとして使用することができること、すべてのパルスの大きさ、期間および形状が、図示された例示的な実施形態から変化することが理解される。ここに開示される例示的な実施形態は、採用されることができるAC信号の数、時間におけるその位置、または、振幅/周波数を制限しないことが、また、理解される。そして、図4の中で図示され、以下に更に詳細に議論される例示的なテスト信号におけるなど、テスト・シーケンスのパルスDCブロックの中においてAC信号を散在させることを制限しない。更にまた、ここに開示される例示的な実施形態は、DCパルスの数、長さ、または、大きさを制限しない。
図4は、電気化学的なテスト・セルの電極システムに提供することができる例示的なテスト・シーケンス500を示す。グラフの垂直軸501は、ボルト(V)における作用電極電位を意味する。作用電極電位は、作用電極に印加される電位、または、作用電極と、電位またはテスト信号が印加される電極または電極にかかわらずカウンターまたは照合電極などの別の電極との間の電位差を指すことができることが理解されるべきである。グラフの水平軸502は、秒における時間を意味する。テスト・シーケンス500は、時間=0において、または、それ以後に印加される。これは、サンプル充分性発見電極および信号を使用して、または、他の方法を通して決定することができるように、テスト・セルに十分なサンプルが存在する時間である。
テスト・シーケンス500は、1つ以上のACセグメント、前処理テスト・セグメント、または、それらの組合せを含むことができる信号成分510(またはブロック)から始める。信号成分510は、また、電気化学反応を引き起こさないように、しかし、試薬水和と反応速度のキネティクスを可能にするように選択されるインキュベーション信号成分を含むことができる。そのようなインキュベーション・コンポーネントは、例えば、開放回路状態、0mV電位、実質的0mV平均電位、または、関心対象の特定の反応を駆動するのに必要な電位より少ない非ゼロ電位などの非0ボルト電位を含むことができる。
いくつかのインスタンスにおいては、信号成分510は、1つ以上のACシーケンス、電気化学的なテスト・セルの電極システムに提供された周波数を含む。例えば、信号成分510のACセグメントは、およそ、時間=0秒から、およそ、時間=1.2秒印加される10kHzのセグメント、およそ、時間=1.2秒から、およそ、時間=1.3秒印加される20kHzのセグメント、およそ、時間=1.3秒から、およそ、時間=1.4秒印加される10kHzのセグメント、およそ、時間=1.4秒から、およそ、時間=1.5秒印加される2kHzのセグメント、および、およそ、時間=1.5秒から、およそ、時間=1.6秒印加される1kHzのセグメントを含む。代替的に、信号成分510のACセグメントと周波数は、およそ1.5秒間印加される10kHzの信号を含み、およそ0.2秒間印加される20kHzの信号が続き、およそ0.2秒間印加される10kHzの信号が続き、およそ0.2秒間印加される2kHzの信号が続き、およそ0.2秒間印加される1kHzの信号が続く。
上記したように、信号成分510は、1つ以上の前処理信号を含むことができる。いくつかのインスタンスにおいては、信号成分510は、およそ時間=0秒に開始し、およそ200−600ミリ秒間印加され、そして、およそ100mVの、または、より大きい振幅を有する正のDC前処理パルスを含む。他のインスタンスにおいては、信号成分510は、およそ時間=0秒に開始し、およそ500ミリ秒間印加され、そして、およそ450mVの振幅を有する正のDC前処理パルスを含むことができる。さらに他のインスタンスおいては、信号成分510は、およそ2mV/ミリ秒の傾斜率を含む2サイクル三角形電位波形を含むことができる。
このように、信号成分510は、前処理信号成分と並んで、1つ以上のACセグメントの組合せを含むことができる。いくつかのインスタンスにおいて、信号成分510は、1つ以上のAC信号成分を含み、1つ以上の前処理信号成分が続く。他のインスタンスにおいては、信号成分510は、1つ以上の前処理信号成分を含み、1つ以上のAC信号成分が続く。
信号成分510の後に、パルスDCシーケンス520(またはブロック)が、電極システムに印加される。パルス・シーケンス520は、パルス521の励起電位に増加される作用電極電位から始まる。パルス521から、作用電極電位は、パルス522の回復電位まで減少する。電位522から、作用電極電位は、パルス523−532の電位に、順次、増減する。図4に示されるように、パルス間の傾斜率は、容量電流応答を軽減するために効果的な所定のレートにおいて起こるようにコントロールされる。いくつかのインスタンスにおいて、その傾斜率は、信号立ち上がり時間が、所定の目標率または範囲にしたがって意図的にコントロールされることよりはむしろ、駆動回路のネイティブ特性によって決定される、実質的に矩形波励起によって提供されるピーク電流と比較して、ピーク電流において50%あるいはそれ以上の縮小を提供するように選択される。
パルス521、523、525、527、529および531は、テスト・セル中で電気化学反応を引き起こすために効果的な励起電位を電気化学的テスト・セルに提供し、容量充電電流応答および複数の交絡変数に起因している他の電流応答情報にたたみ込まれることができる関連したファラデー電流応答を生成する傾斜率制御励起電圧パルスの例である。また、図4に示されるように、励起電圧パルスは、作用電極と、およそ130ミリ秒の期間のおよそ450mVの対電極との間の電位差を提供する。示された励起電圧は、特定の分析物反応を駆動するように選択される。この場合、これは、ブドウ糖の酵素媒介反応である。励起電位パルスの大きさと期間は、使用されるメディエータの特定の活性化電位、または、関心対象の特定の反応を引き起こすのに必要な電位に依存して変化することができることが理解されるべきである。
パルス522、524、526、528、530および532は、テスト・セルを電流を放電し、より速くテスト・セル状況を励起電圧パルスとの後続する問合せのために共通の出発点に回復するように制御するために、テスト・セルの閉回路状態が維持される間に、電気化学的テスト・セルの作用電極に電位を提供する閉回路回復電圧パルスの例である。閉回路回復電位パルスは、また、励起電位パルスと同じ、または、同様の方法でコントロールされた傾斜率であり得る。図4に示されるように、回復電圧パルスは、作用電極とおよそ0mVの対電極との間の電位差を提供する。これは、電極システムが閉回路状態に維持される期間のおよそ280ミリ秒である。
いくつかのインスタンスにおいて、閉回路回復パルスによって提供されるDC電位の大きさ、および、その期間は、その下でテスト・セルが、プレ励起状態に回復することができる電位、および、所望の応答を提供するのに必要な時間に依存して変化することができる。したがって、いくつかの実施形態は、所与のメディエータの活性化電位より小さい非ゼロ電位を有する回復電圧パルスを含むことができる。いくつかのインスタンスは、関心対象の特定の反応を駆動するために必要な電位より小さい非ゼロ電位を有する回復電圧パルスを含む。他のインスタンスは、特定された試薬システムに対する最少酸化還元電位より小さい非ゼロ電位を有する回復電圧パルスを含む。さらに他のインスタンスは、およそ0mVの平均電位を有する回復電圧パルスを含むが、しかし、およそ0mVより大きいパルス部分、および、およそ0mVより小さい部分を有する。さらに他のインスタンスは、前述の非ゼロ電位のいずれかにしたがって、平均電位を有する回復電圧パルスを含む。しかし、これらは、非ゼロ平均より大きい部分、および、非ゼロ平均より小さい部分を有する。
図5は、図4のテスト信号500に応答して、テスト・セルによって生成される応答信号600を示す。グラフ600の垂直軸601は、μAにおける作用電極の電流を意味する。グラフ600の水平軸602は、秒における時間を意味する。電流応答600は、信号成分510への応答を含む、応答成分610から始まる。いくつかのインスタンスにおいて、応答成分610は、それから、インピーダンス、アドミタンスと位相角を決定することができるAC電流応答を含む。そのような測定は、図4に関連して上述されたものなど1つ以上のACブロック・セグメントまたはコンポーネントに対して実行することができる。いくつかのインスタンスにおいて、信号成分610は、前処理信号成分を含むが、ACセグメントを含まず、応答成分610の測定は、実行されない。他のインスタンスにおいて、信号コンポーネント610は、前述の、および/または、他のコンポーネントの組合せを含む。
応答成分610の後に、応答信号600は、指数的に減衰する励起電流応答621、623、625、627、629と631のシーケンスを含む。それらは、それぞれ、励起パルス521、523、525、527、529と531に応答して生成される。励起電流応答621、623、625、627、629および631は、容量電極充電および複数の交絡変数に起因している電流応答情報に関連する容量充電電流応答と並んで、テスト・セルの電気化学反応に関連するファラデー電流応答成分を含む。電流応答622、624、626、628、630および632は、回復電位を印加する閉回路状態で維持されるとき、テスト・セルの放電および複数の交絡変数に起因している電流応答情報に関する回復電流応答を含む。
電流応答621−632は、それとともにたたみ込まれた交絡変数の追加的情報と並んで、テストされている流体サンプルに存在することができる関心対象の分析物の濃度に関係がある情報を含む。したがって、ここに記述される本願発明の概念は、それにより、電流応答621−631と結びついた情報を、1つ以上の交絡変数に対する補償、または、感度を減少させることによって、強化した正確さ、精度、繰返し性および信頼性を有する関心対象の分析物の濃度を決定するのに用いることができる方法に取り込むことができる。いくつかの交絡変数は、試薬膜厚における変化、サンプル温度、サンプルHct、試薬濡れ、および、他の間の反応キネティクスを含む、分析物濃度決定にインパクトを与え得る。本願開示は、ここに開示される方法が、そのような交絡変数を補償する、または、減少した感度を示す分析物濃度決定を実行するのに利用することができることを示す。
図6は、図4−図5に図示された信号の部分700で更に詳細を示す。閉回路回復電位522は、たとえば、およそ45mV/ミリ秒の傾斜率でレート制御ランプ電位752の上で、励起電位523に上昇する。他の実施形態は、電流応答に対する容量充電の効果の寄与を減少するのに効果的である異なる率で、パルスの間の傾斜率を制御する。
ランプ電位752の傾斜率は、電流応答762の上の容量充電の効果を減少するために効果的である。これは、ランプ電位752と励起電位523に応答して、生成する。電流は、励起電位523がおよそ100ミリ秒の測定期間にわたって達成され、励起電位523が、ランプ電位753にわたって、閉回路回復電位522に下降を始めるポイントで終了したあと、およそ30ミリ秒を開始して測定される。同様の電流測定は、励起電流応答621、625、627、629および631に対してなされる。平均電流測定は、連続積分、離散積分、サンプリングまたは他の平均算出技術を使用して実行することができることが理解される。連続した電流測定は、コトレル分析その他の技術を使用して、それから分析物濃度を計算することができる有効電流減衰曲線を構成するために使用することができる。図6において、ランプ電位753は、ランプ電位752と実質的に同じ傾斜率を持つようにコントロールされる。他のインスタンスにおいては、ランプ電位753は、異なる率でコントロールされることができ、または、アクティブなコントロールなしでシステム定義済みの率に移行するのが可能にされることができる。
傾斜率に関連して、電位が印加されるときに、高ピーク応答を観察することができることを、図6に見ることができる(電位がおよそ0mVまで降下するときの電流応答と並んで電位が+450mVに上昇するときのグラフ上の描かれる初期電流応答762を参照)。測定メーターまたはシステムのコンポーネントを保護するため、および/または、電気化学反応に対する干渉を妨げるために、所期に観察された電流応答、および/または、最後に観察された電流応答をシャントすることが必要でありえる。センサ電流が、最大許容入力電流を上回ることがあり得るとき、I−V増幅器が飽和状態になるのを防ぐために、シャント・スイッチは閉じることができた。代替的に、または、追加的に、電流レスポンスの傾斜した部分を除外し、図6で示すような測定ウィンドウ750からの応答情報を使用することが必要でありえる。
電流応答621−632などの電流応答は、したがって、サンプル・ブドウ糖濃度、サンプル・ヘマトクリット、サンプル温度、並びに、試薬の試薬濡れ、サンプル拡散および試薬に関する分離、安定したブドウ糖輸送メカニズムの確立、および、縮小可能分析物と結びついたキネティクスなどプロセスに関する情報に関連するユニークな時間順序の情報を符号化する。パルス・シーケンス520のようなパルス・シーケンスは、時間に関して、これらのプロセスの短い、異なったストローブを提供し、そして、サンプル・ブドウ糖濃度、サンプルHct、サンプル温度、および、他のファクタに関連するユニークな時間順序の情報を含む電流応答を生成する。発明者は、ここに開示された方法の多くの予想外の利点を、Hctと温度とがシステマティックに変化する間に、血糖の種々の濃度を分析するために、パルス・シーケンス520などのパルス・シーケンスが使用された実験を通して、示した。
図7Aは、(1)複数の低振幅信号を含むACブロック(ラベル付けされたACブロック)、(2)0mVにおける緩和電位によって短い+450mVパルスを含むDCブロック(DCブロック1とラベル付けされた)、ここで、メディエータは、印加電位によって酸化しない、および、(3)ゆっくり傾斜をつけられた2つの異なる傾斜率のバイポーラ電位(SRBP)を含む第2のDCブロック(DCブロック2とラベル付けされた)の別の例示的なテスト・シーケンスを示す。より詳細には、図7Bに示されるように、このACブロックは、4つの周波数、すなわち、10kHz、20kHz、10kHz、2kHzおよび、1kHzにおいて異なる5つのセグメントを含む。ACブロックに対する電流応答情報は、以下で詳細に記述されるように、アドミタンスと位相値または他の複素パラメータを決定するのに使用することができる。いくつかのインスタンスにおいて、bG決定などの分析物濃度決定は、ACブロックからの電流応答情報、および、DCブロック1からの電流応答情報に基づいて実行される。DCブロック2からの電流応答情報は、しかしながら、ブドウ糖フェール・セーフを構成するために使用することができる。
図7A−Bに示される第2のDCブロックは、SRBP励起シーケンスに関する研究から生じた。理論的には、電極にメディエータの電気化学反応を起こさせるのに十分な電位を有する任意のDC励起は、ブドウ糖などの分析物を量的に測定するのに使用することができる電流応答を生成する。この電流レスポンスは、また、変化するヘマトクリット、および、温度によって影響を受ける。この研究は、追加的なユニークな情報が得られることができたかどうかを決定するSRBPテスト・シーケンスの価値を評価し、励起パルス情報と結合した回復パルス情報の使用がパフォーマンスを向上させるのに用いられることができることと全く同様に、分析物測定システム性能や能力を向上させるのに用いられた。
使用される周波数において、図7Bの中の第1のACブロックへの電流応答は、ブドウ糖に関する情報を含まない。信号の振幅が、試薬−分析物システムに対する酸化還元電位より下であるからである。しかし、それは、Hct、温度、および、他の要因に関する情報を含む符号化する。これらは、DCテスト・ブロックから導出された血糖(bG)読み取りを補正するのに使用することができる。DCブロック1への電流応答は、主として、例えば、フェニレンジアミン(PDA;既知のbGメディエータ・システムの部分)の量に対応する。これは、存在するブドウ糖の量に比例している。これとは対照的に、DCブロック2への電流応答は、例えば、PDAと並んで、キノンジイミン(QDI;また、bGメディエータ・システムの部分)のレベルについて定量的情報を提供する。DCブロック1のように、+450mVおよび−450mVにおける電流応答は、PDAに対応し、存在するブドウ糖の量に比例している。しかしながら、SRBPは、また、負−および正−進行する電位傾斜の間に、より低い、ミッドレンジの印加電位におけるQDIの検出を可能にする。
図8は、変化するHctおよび定常的な温度に対する上述のパルス・シーケンス520に対する励起電流応答および回復電流応答の例示的なシステマティックな変化の効果を示す。電流応答シーケンスが、およそ29.5%、40.5%、54%、および、69.5%の変化をするHct濃度、およそ530mg/dLの一定のブドウ糖濃度、そして、およそ25°Cの一定の温度を有する4つのテスト・サンプルに対して、図示される。励起電位パルス521、523、525、527、529および531に対する励起電流応答の大きさと減衰率は、サンプルHctと共に、時間に関して実質的に一定であるような態様で変化する。各々のHctにおいて、電流応答801、803、805、807、809および811は、パルス・シーケンス520の各々のパルスに対して、実施的に一貫した大きさと減衰率を示す。パルス・シーケンス520の各々のパルスの中で、電流応答801、803、805、807、809および811の大きさは、Hctと逆関係で変化する。
回復電位パルス522、524、526、528、530および532に対する回復電流応答の大きさと成長率は、また、可観測関係を示す。閉回路回復電位パルス522、524、526、528、530および532に対する回復電流応答802、804、806、808および810は、各Hctに対する各々のパルスの内、および、パルスにわたっての両方において相当する開始時の大きさを有する。しかし、異なる成長率を持ち、結果として、電流応答クロスオーバーとなる。Hctが変化すると、電流応答802、804、806、808および810は、Hctに依存して異なる率で増大する。前述した電流応答特性と関係は、また、およそ33mg/dLの一定のブドウ糖濃度を持つサンプルを使用した実験において示される。しかし、さもなければ、実質的に、上述のものにしたがう。
比較的として、図9は、変化する温度、一定のHct、および、一定の糖濃度に対するパルス・シーケンス520への電流応答の例示的なシステマティックな変化の効果を示す。電流応答が、6.5°C、12.5°C、24.6°C、32.4°Cおよび43.7°Cの変化する温度、およそ41%の一定のHct、そして、およそ535mg/dLの一定のブドウ糖濃度を有する5つのテスト・サンプルに対して図示される。パルス521523、525、527、529および531の正DC電位に対する電流応答は、時間に関して連続したパルスに対する相対的な減少を示す。電流応答901、903、905、907、909および911の大きさは、サンプル温度の各々に対してパルス全体で連続して減少する。更にまた、パルス全体にわたる減少の量は、サンプル温度に依存して変化する。
回復電位パルス522、524、526、528、530および532に対する回復電流応答の大きさと成長率は、また、可観測関係を示す。522、524、526、528、530および532に対する回復電流応答は、パルス全体にわたって、実質的に一貫した大きさを示し、各々のパルス内で、異なる順序の開始値と減少する成長率を有するが、クロスオーバーを示さない。前述した電流応答特性と関係は、また、およそ33mg/dLの一定のブドウ糖濃度を持つサンプルを使用した実験において示された。しかし、さもなければ、実質的に、上述のものにしたがう。
この研究から、励起電流応答および閉回路回復応答からの情報を使用するいくつかの電流決定方法が、次に、記述され、ここにおけて、サンプル温度、サンプルHct、または両方における変化を補償、または、それらに対する無感受性増加することが開示される。特定の方法にしたがって、電流値が、ここに記述されるようなパルス・シーケンスに対する電流応答から決定され、コトレル方程式にしたがって分析物濃度を計算するのに使用される。
1つの例において、電流は、1つの励起電流応答における最後の測定ポイント、および、1つの閉回路回復応答の組合せに基づいて決定された。サンプル温度における変化およびサンプルHctにおける変化に対して補償された、および、これらに対する感度が減少された、この電流決定は、励起電流応答情報のみに基づく電流決定に対して相対するものである。
同様に、この測定方法は、試薬の厚さにおける変化を補償する、または、それに対する無感受性を増加するのに、または、試薬の厚さにおける変化に対する分析物測定無感受性を増加するのに使用することができる。実験のシリーズで中で・例示的な方法が示される。その結果が、図10−図14に示される。その実験は、変化する試薬膜厚に対して上でここに開示されるそものと同様に、DC励起パルスおよび閉回路回復パルスのシーケンスを含むテスト信号に対する作用電極電流レスポンスを測定した。
図10は、作用電極電位が、大きさにおいておよそ+450mV、期間においておよそ130ミリ秒の励起電位パルスと、および、大きさにおいておよそ0mV、期間においておよそ280ミリ秒の閉回路回復電位パルスとの間で傾斜しているDCパルス・シーケンスに対する電流応答を示す。電流応答測定は、各々の励起電圧パルスのこの100ミリ秒の間に行われた。電流応答1410−1416は、およそ4.4μmの試薬膜厚が、およそ45g/m2の湿ったコート重量の適用によって提供されたテスト要素に印加された励起電位パルスの最後の100ミリ秒の間に測定された平均電流を表す。電流応答1420−1426は、およそ5.5μmの試薬膜厚が、およそ5.5g/m2の湿ったコート重量の適用によって提供されたバイオセンサに印加された励起電位パルスの最後の100ミリ秒の間に測定された平均的電流を表す。
図10は、さらに、電流デルタ(Δ)1430−1436を示す。これらは、電流応答測定1410−1416と対応する電流測定1420−1426との間でパーセント・デルタを示す。電流応答1434により示されるように、およそ5.2%の電流応答デルタがサンプル検出の後およそ3.7秒に達成された。これとは対照的に、サンプル投与の前、および、その後で維持され印加されたおよそ450mVの一定DC電位に対するその対応する電流応答デルタは、サンプル検出の後の5秒もの遅くまで、およそ8%の上に留まった。同様に、サンプル投与の後およそ3秒に印加され、その後維持されたおよそ450mVのステップDC電位に対する電流応答デルタは、サンプル検出の後の5秒もの遅くまで、およそ8%の上に留まった。
図11は、図10のものに類似しているが、サンプルが検出された後、直ぐに印加が開始された10の励起電位パルスに対するDCパルス・シーケンスに対する電流応答を示す。電流応答1510−1519は、およそ4.4μmの試薬膜厚を有するテスト要素に印加された励起電位パルスの最後の100ミリ秒の間に測定された平均的電流を表す。電流応答1520−1529は、およそ5.5μmの試薬膜厚を有するテスト要素に印加された励起電位パルスの最後の100ミリ秒の間に測定された平均的電流を表す。電流デルタ1530−1539は、試薬膜厚による電流デルタは、まず最初に図10のものと比較可能であるが、サンプル検出の後およそ3.7秒において、およそ3.9%に減少することを図示する。
図12は、およそ450mV、期間においておよそ500ミリ秒の前処理電位1610が、サンプル検出において作用電極に印加されたテスト・シーケンスを示す。サンプル検出の後のおよそ1秒、そこで、電位は、大きさにおいておよそ450mV、期間においておよそ130ミリ秒の励起電位パルスと、大きさにおいておよそ0mV、期間においておよそ280ミリ秒の閉回路回復電位パルスとの間で作用電極が傾斜しているDCパルス・シーケンス1620が印加された。図12は、さらに、電流デルタ1630−1635を示す。これらは、およそ4.4のμm、および、5.5μmの試薬膜厚に対する励起電位パルスの最後の100ミリ秒の間に測定された平均的電流の間の違いを示す。ここでおよそ2%の電流応答デルタがサンプル検出の後およそ3.7秒に達成された。
図12に関連して使用されたものと同様の前処理パルスを含んでいる更なる実験が、後続する励起パルスと同じ極性によるパルスは、試薬の厚さにおける変化に対する電流測定デルタを減少させるために効果的だったことを明らかにした。この実験は、また、そのような電流デルタの減少は、前処理パルスの大きさが増加するとともに、増加したことを明らかにした。
図13は、そこで、2サイクル三角前処理波形171が、−450mVの電位と+450mVとの間で交流し、期間のおよそ1800ミリ秒であり、サンプル検出について作用電極に印加されたテスト・シーケンスを示す。サンプル検出の後およそ200ミリ秒に開始して、DCパルス・シーケンス172は、印加され、そこで、作用電極電位は、大きさにおいておよそ+450mV、期間においておよそ130ミリ秒の励起電位パルスと、大きさにおいておよそ0mV、期間においておよそ280ミリ秒の閉回路回復電位パルスと、の間で傾斜している。
図14は、図13のテスト・シーケンスに対応する電流応答および電流応答デルタのグラフを示す。電流応答1710−1715は、およそ4.4μmの試薬膜厚を有するテスト要素に印加された励起電位パルスの最後の100ミリ秒の間に測定された平均的電流を表す。電流応答1720−1725は、およそ5.5μmの試薬膜厚を有するテスト要素に印加された励起電位パルスの最後の100ミリ秒の間に測定された平均的電流を表す。電流デルタ1730−1735は、乾いた膜厚のための電流デルタは、図10−図11のものより初期には低く、そして、サンプル検出の後およそ0.8%およそ3.7秒に減少することを図示する。
特許、特許出願、特許出願の出版物のすべて、および、他のここに引用した出版物は、ここに、参照により、まるで完全に述べられたように組み込まれる。本願発明は、現在、最も実際的であると考えられること、および、好適な実施形態と関連して記述された。しかしながら、本願発明は、説明するために提示されたものであり、開示された実施形態に限定することを意図するものではない。したがって、当業者は、本願発明は、すべての修正と代替的構成を、添付の請求項に記載したように本願発明の要旨および範囲の中に包含すること意図するものであることを理解する。番号づけされた実施形態が、以下に記述される。
1. 流体サンプルにおける分析物を電気化学的に測定する方法であって、
該方法は、電気的テスト・シーケンスを電気化学的バイオセンサに印加するステップであって、該バイオセンサは、電極システムと、該電極システムとの電気通信における試薬と、前記試薬とコンタクトする流体における前記流体サンプルが前記バイオセンサに提供される前記流体サンプルにコンタクトするように構成されるレセプタクルと、を備え、前記テスト・シーケンスは、少なくとも2つのブロックであって、各々のブロックが、テスト・シーケンスに対する応答情報を生成するように構成され、1つのブロックは、交流(AC)ブロックであり、別のブロックは、直流(DC)ブロックであり、前記DCブロックが少なくとも1つの回復電位を含む、ブロックを備え、前記電極システムの閉回路状態が、DCブロックの間維持される、ステップと、
前記テスト・シーケンスへの前記応答から前記情報を測定するステップであって、該情報は前記少なくとも1つの回復電位からの情報を含む、ステップと、
前記情報を使用して前記流体サンプルの分析物濃度を決定するステップであって、該決定するステップは、少なくとも部分的には、前記少なくとも1つの回復電位からの前記情報に基づいている、ステップと、
のステップを含む、方法。
2. 前記ACブロックは、前記DCブロックの前に、前記DCブロックの後に、または、前記DCブロックの中で散らばって印加される、実施形態1の方法。
3. 前記ACブロックは、前記DCブロックの前に、印加される実施形態1の方法。
4. 前記ACブロックは、少なくとも2つの異なる周波数の多重周波数励起波形かを含む、実施形態1の方法。
5. 前記ACブロックの周波数は、およそ10kHz、およそ20kHz、およそ10kHz、およそ2kHz、および、およそ1kHzであり、各々の周波数は、およそ0.5秒から、およそ1.5秒の間、印加される、実施形態4の方法。
6. DCブロックは、励起電圧と、前記少なくとも1つの回復電位との間で交替するパルス・シーケンスを備え、
前記決定するステップは、前記励起電流レスポンスおよび前記回復電流レスポンスの前記情報に基づいて実効電流を決定することと、前記実効電流に基づいて前記分析物濃度を決定すること、とを含む、
実施形態1の方法。
7. 前記パルス・シーケンスは、少なくとも1つのパルスからおよそ10のパルスを含み、前記励起パルスは、およそ+450mVにあり、前記回復パルスは、およそ0mVにあり、各々のパルスは、およそ50ミリ秒からおよそ500ミリ秒間、印加される、実施形態6の方法。
8. およそ+450mVにおける各々の励起パルスは、およそ250ミリ秒印加され、およそ0mVにおける各々の回復パルスは、印加されるおよそ500ミリ秒間、実施形態7の方法。
9. 励起パルスと回復パルスとの間の傾斜率は、所定の範囲の中にあるようにコントロールされ、前記傾斜率は、およそ10mV/ミリ秒からおよそ50mV/ミリ秒である、実施形態6ないし8のいずれか1つに記載の方法。
10. 前記テスト・シーケンスへの前記応答の前記情報は、電流レスポンス、期間、形状、および、大きさからなるグループから選択される、実施形態1の方法。
11. 前記回復電位から得られる前記情報から、少なくとも1つの交絡変数によって、前記分析物濃度の上への影響を補正するステップを更に含む実施形態1の方法。
12. 前記その少なくとも1つの交絡変数は、ヘマトクリット、温度、および、試薬の厚みにおける変化からなるグループから選択される、実施形態11の方法。
13. 前記テスト・シーケンスは、前記DCブロックの前に印加される前処理電位を更に備える、実施形態1の方法。
14. 前記前処理電位は、正のDCパルスを備える、実施形態13の方法。
15. 前記前処理電位は、三角波形を備える、実施形態13の方法。
16. 前記分析物濃度は、ブドウ糖濃度である、実施形態1の方法。
17. 前記テスト・シーケンスは、第2のDCブロックであって、該第2のDCブロックは前記第1のDCブロックの波形とは別個の波形を有する、第2のDCブロックを更に備える実施形態1の方法。
18. 前記第2のDC波形は、三角形励起、サイン波励起、および、台形励起からなるグループから選択されている、実施形態17の方法。
19. 流体サンプルにおける分析物を電気化学的に測定する方法であって、該方法は、
電気的テスト・シーケンスを電気化学的バイオセンサに印加するステップであって、該バイオセンサは、電極システムと、該電極システムとの電気通信における試薬と、前記試薬とコンタクトする流体における前記流体サンプルが前記バイオセンサに提供される前記流体サンプルにコンタクトするように構成されるレセプタクルと、を備え、前記テスト・シーケンスは、前記テスト・シーケンスに対する応答情報を生成するように構成された少なくとも1つの直流(DC)を備え、前記DCブロックが、少なくとも1つの回復電位を含み、ここで、前記電極システムの閉回路状態が、DCブロックの間維持される、ステップと、
前記少なくとも1つの回復電位からの情報を含む、前記テスト・シーケンスへの前記応答からの情報を測定するステップと、
前記情報を使用して前記流体サンプルの分析物濃度を決定するステップであって、該決定するステップは、少なくとも部分的には、前記少なくとも1つの回復電位からの前記情報に基づいている、ステップと、
のステップを含む、方法。
20. 前記DCブロックは、およそ1つのパルスからおよそ10パルスのパルス・シーケンスを備え、励起パルスは、およそ+450mVにあり、および、前記少なくとも1つの回復パルスは、およそ0mVにあり、各々のパルスは、およそ50ミリ秒からおよそ500ミリ秒間、印加される、実施形態19の方法。
21. およそ+450mVにおける各々の励起パルスが、およそ250ミリ秒間印加され、およそ0mVにおける各々の回復パルスが、およそ500ミリ秒間印加され、前記励起パルスと回復パルスとの間の傾斜率が、所定の範囲の中にあるようにコントロールされ、前記傾斜率は、およそ10mV/ミリ秒からおよそ50mV/ミリ秒である、実施形態20の方法。
22. 実施形態1ないし21のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成された分析物濃度測定デバイス。
23. 前記デバイスは、血糖値メーターである、実施形態22のデバイス。
24. 実施形態1ないし21のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成された、分析物濃度決定システム。
25. 前記システムは、自己モニタリング血糖(SMBG)システムである、実施形態24のデバイス。