JP6355921B2 - コカイン嗜癖の治療 - Google Patents

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Description

本明細書に引用されるすべての参考文献およびそれらの参考文献は、追加的または代替的な細部、特徴、および/または技術背景の教示に適したそれらの内容全体を参照によって本明細書に組み込むものとする。
関連出願の相互参照
2010年9月1日に出願された米国仮特許出願第61/379,095号明細書からの優先権を主張する本出願は、2001年11月5日に出願された米国仮特許出願第60/338,901号明細書の出願日の利益を主張する、2002年11月4日に出願された米国特許出願第10/287,153号明細書(放棄された)の分割出願である、2008年6月25日に出願された米国特許出願第12/145,792号明細書からの一部継続出願であり、これら明細書の内容全体は、参照によって本明細書に組み込むものとする。
本発明は、コカイン、アルコール、および類似の神経または精神刺激薬への嗜癖を予防、寛解、または治療するための組成物および方法に関する。そのような組成物および方法は、薬物使用の中止を容易にするために使用してもよく、アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤およびモノアミンオキシダーゼ阻害剤の組合せを含んでもよい;より具体的には、その治療は、そのように組み合わせた有効成分の1回用量単位を含むことができる。そのような組成物は、アルコール、コカイン、または刺激薬の使用に付随する快感経験を低減することになる。さらに、そのような組成物は、アルコール、コカイン、または刺激薬と共に使用すると、不快経験または嫌悪経験を生み出すことになる。つまり、そのような組成物には、物質乱用をしがちな被験体がそれらの使用を遵守することを促進しうる幾分強制的な特性がある。
コカイン、刺激薬、およびアルコールは、最も一般的に乱用される薬物と認識されている。精神疾患の診断および統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)(DSM−IV)によれば、問題になるアルコール摂取は、アルコール乱用とアルコール依存症に分類される。コカイン乱用および依存症は、米国で依然として重要な問題である。刺激薬は、覚醒および身体活動を高める傾向がある薬物である。このグループには、アンフェタミンなどの医薬品および「アッパー」または「スピード」と一般に呼ばれるストリートドラッグ、ならびにコカインが含まれる。具体的な例としては、コカイン、メタンフェタミン、アンフェタミン、メチルフェニデート、ニコチン、および「エクスタシー」として一層よく知られているMDMA(3,4−メチレンジオキシメタンフェタミン)が挙げられる。これらの物質に関する臨床的に重要な乱用または依存症は、診断および統計の手引き(DSM−IV)により以下のように分類される:アンフェタミン乱用(305.70)/アンフェタミン依存症(304.40);コカイン乱用(305.60)/コカイン依存症(304.20);フェンシクリジン乱用(305.90)/依存症(304.90);ニコチン依存症(305.1)(アメリカ精神医学会(Amperican Psychiatric Association),2000年)。
コカイン依存症は、医療、社会、および経済に対して負の効果を及ぼす 公共健康問題に発展している。例えば、最近では、コカイン関連の緊急処置室来診がほぼ50%増加した。コカイン嗜癖または依存症に、2005年には米国で約240万人が冒されていた。本発明の意味では、用語「嗜癖」は、冒された患者の「報酬」系と関連した強迫的な薬物摂取または乱用状態として定義することができる。コカイン嗜癖または依存症の治療は、ドーパミン作動性状態を低下させて、「報酬」効果の低減または減弱を促進することを標的にしている。行動介入は、コカイン嗜癖の治療の助けとなりうるが、これらの障害を治療するための承認医薬品は、何年もの研究にもかかわらず、まだ得られていない。
さらに、コカイン使用者は、コカインの連用に付随することが多い心理的不安および過度の興奮を緩和するためにアルコールを同時に飲む傾向がある。さらに、コカイン乱用者のほぼ90%がアルコール依存症でもあると思われる。コカインおよびアルコールの両方を摂取すると、代謝産物であるコカエチレンが形成されて、その依存性および毒性が強化されることが示唆されている。アルコールの乱用および依存症は、アルコールに関連した暴力、自動車事故、および死亡を含む慢性アルコール摂取の医学的帰結などの他の問題を一般にもたらす。
ドーパミン−ベータ−ヒドロラーゼ(DBH)阻害剤でもある、酵素アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ADLH)阻害剤のジスルフィラムが、コカイン使用の低減のための研究で効果的であることが報告されている(Carrollら Arch.Gen. Psychiatry 2004;29:1123−1128)。ただし、おそらく、これはすべての集団に適合しているわけではない(NichらAddict.Behavior 2004;29:1123−1128)。モノアミンオキシダーゼ(MAO)−B阻害剤であるセレギリンは、ドーパミン分解を阻止し、したがって、シナプスドーパミンレベルを増加させ、かつドーパミン再取り込みを阻害することが知られている(EbadiらJ.Neurosci.Res.2002年;67:285−289)。
ジスルフィラムおよびセレギリンは長年市販されているが、それらの組合せ使用について体系的に研究されることはなかった。使用が広く普及しているにもかかわらず、治療用リチウム上のジスルフィラムのインプラントを有する患者へのMAO阻害剤であるトラニルシプロミンの投与に付随した顕著な有害事象(一時的な精神錯乱)を含む一症例報告のみが文献としてある(Blansjaar,B.A.1995年 Am J Psychiatry 152:296.)。トラニルシプロミンがMAO−Aおよび−Bの阻害剤であることに注目されたい。セレギリンは、1日当たり10mg以下の低用量で酵素モノアミンオキシダーゼB(MAO−B)のみを選択的に阻害する。さらに、症例報告の被験体は、精神錯乱に寄与した可能性のある因子であるLiを治療レベル(血清中に0.7mM/L)で有していた。
アルコール断絶の促進を含む、アルコール依存症の治療のために提案されている薬物療法の1つは、アルコールの有毒代謝産物であるアセトアルデヒドの除去に関与する酵素である酵素アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)を阻害する薬剤の投与である。ALDH阻害剤の例としては、例えば、ジスルフィラム、コプリン、シアナミド、1−アミノシクロプロパノール(ACP)、ダイジン、セファロスポリン、抗糖尿病薬スルホニル尿素、メトロニダゾール、ならびに例えばS−メチルN,N−ジエチルジチオカルバメート、S−メチルΝ、Ν−ジエチルジチオカルバメートスルホキシド、およびS−メチルΝ,Ν−ジエチルチオカルバメートスルホキシドを含むALDH阻害活性を示すそれらの任意の代謝産物またはアナログが挙げられる。そのようなALDH阻害剤を服用する患者は、アルコールを摂取すると、軽度から重度の不快感を経験する。ALDH阻害剤を使用する治療の効果は、例えば経口形態でのALDH阻害剤の自己投与に対する、または追加の治療、例えばジスルフィラムのDEPO形態での投与に対する、患者自身の動機づけに依存する。実際、患者の薬剤服用遵守は、これらのタイプの治療に関しては重要な課題である。ジスルフィラム治療には、禁断維持/再発予防のために綿密な医療管理が必要であることが知られている。これが困難である理由の一部を以下の段落に記載する。
ALDHには複数形態が存在するが、ALDH−I(ALDH−2としても知られている)およびALDH−II(ALDH−1としても知られている)が、アセトアルデヒドの酸化を担う主要な酵素である。ALDH−Iは、ALDH−IIよりもアセトアルデヒドに対して高い親和性を有し、アルコール解毒に関与する主要酵素であると思われる[Keung,W.M.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:2198−2203(1998年)]。アジア人集団の50%が、ALDH−I中にこの酵素を不活化する変異を保持するという発見は、この集団におけるアルコール乱用率が低いことと合わせると、アルコール解毒を主として担うのはALDHのこのアイソザイムであるという主張を支持する。さらに、最近の研究によれば、セロトニン(5−HT)およびドーパミン(DA)などのモノアミン神経伝達物質の代謝にALDH−Iが関係している[Keung,W.M.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:2198−2203(1998年)]。
テトラエチルチオペルオキシジカルボニックジアミド、ビス−ジエチルチオカルバモイルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、Cronetal(商標)、Abstenil(商標)、Stopetyl(商標)、Contrain(商標)、Antadix(商標)、Anietanol(商標)、Exhoran(商標)、エチルチウラド(ethyl thiurad)、Antabuse(商標)、Etabuse(商標)、RO−スルフィラム、Abstinyl(商標)、Thiuranide(商標)、Esperal(商標)、Tetradine(商標)、Noxal(商標)、Tetraeti(商標)[Swift,上記]としても知られるジスルフィラムは、ALDH−IIの強力な不可逆的阻害剤であるが、ALDH−Iの阻害はほんのわずかである。最近の研究では、ジスルフィラムによるALDH−Iの阻害がその代謝産物、例えばS−メチル−N,N−ジエチルチオカルバメートスルホキシド)(DETC−MeSO)を介して間接的に起こることが示唆されている[Yourickら,Alcohol 4:463(1987年);Yourickら,Biochem.Pharmacol.38:413(1989年);Hartら,Alcohol 7:165(1990年);Madanら,Drug Metab.Dispos.23:1153−1162(1995年)]。ジスルフィラムを服用している間にアルコールを摂取すると、アルデヒドの蓄積がもたらされ、それによって、頻脈、潮紅、発汗、呼吸困難、悪心嘔吐(まとめてジスルフィラムまたはジスルフィラム−エタノール反応としても知られる)が誘発される。
ジスルフィラムは何十年間も米国において入手可能であったが、多くの場合、患者はジスルフィラム処置療法を遵守するのに苦労する。遵守し難い1つの理由は、患者がジスルフィラムを服用し続けるための動機づけが欠如していること、すなわち、自己動機づけ(すなわち、ジスルフィラムを服用することを積極的に促すこと)以外にないことである。別の理由は、患者がジスルフィラム療法の間にアルコールを摂取すると起こる不快感のためである[McRaeら,上記;Swift,R.M.,上記;Kick,S.,上記]。実際、ジスルフィラムは、禁酒を長期間維持するのに有用であると証明されていない[Kick,上記]。近年になって、ジスルフィラムはコカイン嗜癖に治療用途があることが見出された。いくつかの外来患者臨床試験において、ジスルフィラムがコカイン乱用および再発を低減することが示された((Carroll,Fentonら,2004年);(Carroll,Nichら,1998年);(George,Chawarskiら2000);(Petrakis,Carrollら,2000年))。ジスルフィラムは、食品医薬品局(Food and Drug Administration)から,アルコール依存症治療用に承認されている。アルコール依存症におけるこの薬物の効果は、エタノール摂取の後にアセトアルデヒドレベルが増加すると、嫌悪感を経験するためである。ジスルフィラムはまた、ドーパミンをノルエピネフリンに変換する酵素であるドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ(DBH)を阻害し、それによって、シナプスドーパミンレベルがノルエピネフリンに比べて増大する(Karamanakos,Pappasら2001)。ジスルフィラムおよびコカインに関する以前の研究は、ジスルフィラムが、鼻腔内のコカインに由来する「神経過敏」および「妄想症」の評点を増加させることを見出した(Hameedi,Rosenら,1995年)(McCance−Katz,Kostenら,1998年)。より最近の研究において、(Baker,Jatlowら,2007年)は、ジスルフィラム治療が、コカインに関係した嫌悪経験を増大させることに加えて、「高揚」感を減弱することを報告した(Baker,Jatlowら,2007年)。別の可能性は、ジスルフィラムが、酵素DBHの阻害によって、ドーパミンのノルエピネフリンへの変換を阻止し、それによって、アンフェタミンが放出するドーパミンを増加させることにより、脳におけるドーパミン量を増加させうることである(Karamanakos,Pappasら,2001年)。コカインとアルコールの同時乱用は、ますます一般的になっているので、薬物療法的手法にとって困難な臨床的課題になっている。アルコール乱用もしくはコカイン乱用のいずれかまたはその両方を治療することにかかわる課題は、効果および薬剤服用遵守のいずれかである。
コプリン(N5−(ヒドロキシシクロプロピル)−L−グルタミン)は、その活性代謝物である1−アミノシクロプロパノール(ACP)を介してALDHを阻害することが示されている。米国特許第4,076,840号明細書は、アルコール依存症の治療のための、コプリンを含むシクロプロピルベンズアミドの合成および使用について記載している。ラットの研究では、コプリンはエタノール消費を効果的に抑制し、ジスルフィラムと比較して、ALDHのより強力な阻害剤であることが示された[Sinclairら,Adv.Exp.Med.Biol.132:481−487(1980年);米国特許第4,076,840号明細書]。
シアナミドは、ジスルフィラムより低毒性である、アルコール感受性を高める薬剤として記載されている[Ferguson,Canad.M.A.J.74:793−795(1956年);Reilly,Lancet 911−912(1976年)]。シアナミドはALDH−IおよびALDH−IIのいずれもインビトロで阻害することができないが、シアナミド異化の反応生成物はインビボで両アイソザイムを阻害するため、シアナミドは反応種を介してALDHを阻害することが示されている[DeMasterら,Biochem.Biophys.Res.Com.107:1333−1339(1982年)]。シアナミドはアルコール依存症の治療のために使用されているが、米国では承認されていない。クエン酸塩加カルシウムシアナミドは、Temposil(商標)、Dipsane(商標)、およびAbstem(商標)として他の国々で市販されており、プレーンシアナミドは、スペインでColme(商標)として市販されている[米国特許第6,255,497号明細書を参照のこと]。
ダイジンは、元々は、アルコール乱用治療のための古代中国の薬草から精製された、ALDH−Iの選択的かつ強力な可逆的阻害剤である。そのアナログとしては、ダイゼイン−7−0−[ω−カルボキシノニル]エーテル(デクゼイン)、ダイゼイン−7−0−[ω−カルボキシヘキシル]エーテル(ヘプゼイン)、ダイゼイン−7−0−[ω−カルボキシペンチル]エーテル(ヘクスゼイン)、ダイゼイン、プエラリン、およびジカルボキシメチル−ダイゼインが挙げられる[Keung,Chemico−Bio.Int.130−132:919−930(2001年)]。米国特許第5,204,369号明細書;同第5,886,028号明細書;同第6,121,010号明細書;および同第6,255,497号明細書は、これらの化合物を使用する、アルコール依存症または乱用を治療するための方法について記載している。
ALDH阻害剤を使用する療法に関連した主な課題の1つは、患者にレジメンを確実に遵守させることである。出願人の知るところでは、この課題に十分に対処する薬物療法を提案する教示はない。例えば、国際公開第99/21540号パンフレットは、D1および/またはD5受容体に結合し、ドーパミンを模倣する化合物と組み合わせてジスルフィラムを投与することにより、哺乳動物において、習慣性物質への渇望を低減させることについて記載している。しかしながら、国際公開第99/21540号パンフレットは、治療の成功にとって重要である、患者にレジメンを確実に遵守させるための薬物療法について提案していない。
アルコール依存症またはコカイン嗜癖を治療するために提案された別の薬物療法は、モノアミンオキシダーゼ(MAO)の阻害を含むものである。MAOは、エピネフリン、ノルエピネフリン、セロトニン、およびドーパミンを含む、種々のモノアミンの酸化を触媒する。MAOは、2つのアイソザイムであるA(MAOA)およびB(MAOB)として存在する鉄含有酵素である。種々の刊行物が、MAOB阻害剤を使用する、アルコール依存症の治療について記載している[例えば、国際公開第92/21333号パンフレット、国際公開第96/37199号パンフレット]。国際公開第96/35425号パンフレットは、5−TH1A受容体の部分アゴニストと組み合わせて選択的MAOB阻害剤を使用する、アルコール依存症の治療について論述している。国際公開第00/71109号パンフレットは、アルコール離脱症状を治療する第2の薬物と組み合わせてMAOB阻害剤であるデスメチルセレギリンを使用する、アルコール離脱症状の治療について論述している。米国特許第6,239,181号明細書は、MAOB阻害剤であるセレギリンの投与により、アルコールニューロパシーに付随した症状を緩和する方法について記載している。しかしながら、上記の参考文献のいずれも、ALDH阻害剤を使用する療法における、MAOB阻害剤の使用を教示も提案もしていない。さらに、これらの参考文献のいずれも、MAOB阻害剤には、患者に他の療法を確実に遵守させる持続的効果があることを教示していない。
コカイン嗜癖はMOAB阻害剤またはDBH阻害剤のいずれかを用いて治療されているが、これらの別個の薬物の組合せを含む治療は報告されていない。したがって、本発明は、コカイン乱用に対する新規組合せジスルフィラム/セレギリンカプセル治療を提供する。ジスルフィラムおよびセレギリンはそれぞれ、コカイン嗜癖の前臨床および臨床研究において、単剤活性を示しており、それぞれは潜在的に優遇的(complimentary)な機序を介して作用する。組合せジスルフィラム/セレギリン(ジスルフィラム単独またはセレギリン単独にまさる)の利点は、機序的相乗作用に起因し得る。単剤にまさる組合せの利点は、特に、物質乱用障害の治療において、アドヒアランスの具体的な課題がある場合に、処方レジメンの遵守が改善されることに起因し得る。例えば、ジスルフィラム/セレギリン組合せ剤のセレギリン成分は、患者が協力的な場合に効果的になりうる、ジスルフィラムへのアドヒアランスを高め得る。
したがって、本発明の目的は、コカインに対する嗜癖を治療または軽減するための適切な組合せ組成物および方法を提供することである。
本明細書で開示される本発明の態様は、モノアミンオキシダーゼ(MOAB)阻害成分とアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)阻害成分との組合せを含む、刺激薬作用制御組成物を含む。
本明細書で開示される本発明の態様は、モノアミンオキシダーゼ(MOAB)阻害成分とアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)阻害成分とのコカイン治療用組合せを含む組成物を含む。
本明細書で開示される本発明の態様は、モノアミンオキシダーゼ(MOAB)阻害成分としてのセレギリンとアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)阻害成分とのコカイン治療用組合せを含む組成物を含む。
本明細書で開示される本発明の別の態様は、モノアミンオキシダーゼ(MOAB)阻害成分としてのセレギリンとアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)阻害成分とのコカイン治療用組合せを含む組成物であって、単位投与剤形に製剤化される組成物を含む。
本明細書で開示される本発明の態様は、モノアミンオキシダーゼ(MOAB)阻害成分としてのセレギリンとアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)阻害成分との組合せを含む、遵守促進コカイン治療用組成物であって、単位投与剤形に製剤化される組成物を含む。
本発明のさらなる態様は、アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤が、アルデヒドデヒドロゲナーゼ−1の活性を阻害または低減する活性を含む1回投与量単位組成物を含む。
本発明の別の態様は、ジスルフィラム、コプリン、シアナミド、1−アミノシクロプロパノール、ダイジン、セファロスポリン、抗糖尿病薬スルホニル尿素、メトロニダゾール、およびアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害活性を示すそれらの代謝産物またはそのアナログから選択されるアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤を提供する。
本発明のさらなる態様は、アルデヒドデヒドロゲナーゼがジスルフィラム、またはアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害活性を示すその代謝産物もしくはアナログであるコカイン治療用組成物を提供する。
本発明のさらなる態様は、約500mg、約250mg、約125mg、および約60mgのジスルフィラムからなる群から選択されるジスルフィラム量を含む組成物を提供する。
本発明のさらなる態様は、約20mg以下、約15mg以下、約10mg以下、約5mg以下、約2.5mg以下、および約1mg以下のセレギリンからなる群から選択されるセレギリン量を含む組成物を提供する。
本発明の別の態様は、モノアミンオキシダーゼ阻害剤Bのセレギリンおよびアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤のジスルフィラムを含む組成物を提供する。
さらに、本発明は、治療有効量のセレギリンおよび約60mg〜約250mgのジスルフィラムを投与することにより、アルコール依存症を治療するための組成物を提供する;または、セレギリンの治療有効量は約5mg〜約10mgを含む。
本発明の態様は、モノアミンオキシダーゼ(MOAB)阻害成分とアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)阻害成分との組合せを含む組成物を投与することによる、コカイン嗜癖の治療を含む。
本発明の態様は、モノアミンオキシダーゼ(MOAB)阻害成分とアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)阻害成分との組合せを含む組成物であって、単位投与剤形に製剤化される組成物を投与することによる、コカイン嗜癖の治療を含む。
本発明の態様は、モノアミンオキシダーゼ(MOAB)阻害成分としてのセレギリンと、ジスルフィラム、コプリン、シアナミド、1−アミノシクロプロパノール、ダイジン、セファロスポリン、抗糖尿病薬スルホニル尿素、メトロニダゾール、およびアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害活性を示すそれらの代謝産物またはアナログから選択されるアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)阻害成分との組合せを含む組成物を投与することによる、コカイン嗜癖の治療を含む。
本明細書で開示されるさらなる態様は、その治療を必要とする患者のコカイン嗜癖を予防、治療、または軽減するための方法であって、モノアミンオキシダーゼB阻害剤成分であるセレギリンおよびアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤成分を含む組成物を治療有効量の1回用量投与するステップを含む方法を含む;具体的にはアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤がアルデヒドデヒドロゲナーゼ−Iを阻害する方法。
さらに、本発明の態様は、その治療を必要とする患者のコカイン嗜癖を予防、治療、または軽減するための方法であって、アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤がジスルフィラム、コプリン、シアナミド、1−アミノシクロプロパノール、ダイジン、セファロスポリン、抗糖尿病薬スルホニル尿素、メトロニダゾール、またはアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害活性を示すそれらの代謝産物またはアナログを含む方法を含む。
本発明のさらなる態様は、その治療を必要とする患者のコカイン嗜癖を予防、治療、または軽減するための方法であって、アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤が、ジスルフィラム、またはアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害活性を示すそれらの代謝産物もしくはアナログである方法を提供する。
本発明のさらなる態様は、その治療を必要とする患者のコカイン嗜癖を予防、治療、または軽減するための方法であって、前記患者に投与される1日当たりのジスルフィラム量が、約500mg、約250mg、約125mg、および約60mgからなる群から選択される方法を提供する。
本発明のさらなる態様は、その治療を必要とする患者のコカイン嗜癖およびアルコール乱用の両方を予防、治療、または軽減するための方法であって、モノアミンオキシダーゼB阻害剤がセレギリンである方法を提供する。
治療を必要とする患者のコカイン嗜癖およびアルコール乱用の両方を予防、治療、または軽減するための方法であって、前記患者に投与される1日当たりのセレギリン量が、0.03μg〜15mg、0.05μg〜10mg、0.15μg〜5mg、1.0μg〜2.5mg、10μg〜2.5mg、0.10μg〜2.5mgのセレギリンを含む方法の別の態様。
本発明の別の態様は、モノアミンオキシダーゼ阻害剤Bがセレギリンであり、アルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤がジスルフィラムである治療方法を提供する。
さらに、本発明の態様は、組成物が経口的、親らしく(parentally)、または経皮的に投与される方法を提供する;カプセル剤、錠剤、または経皮パッチとしての形態で治療がなされうる。
本発明の態様は、患者がヒトである、コカイン嗜癖の治療を提供する。
本発明の別の態様は、治療有効量のセレギリンと一緒に1回投与量に製剤化された治療有効量のアルデヒドデヒドロゲナーゼ阻害剤の自己投与を含む治療レジメンに対する患者の遵守を高める方法を提供する。
1回投与量のセレギリンおよびジスルフィラムを自己投与する治療的処置のさらなる態様は、コカイン依存症と考えられる患者に向けられる。
コカイン嗜癖治療の重要な態様はヒト患者を含む。
コカイン依存症の精神薬理療法は、効果的な薬物療法をすぐに生み出しうる急速に発展している研究分野である。精神薬理療法は、コカイン依存症の根底にある病態生理学を治療するために薬物を使用する、薬物をベースとした療法を含む。コカインにより急性的に活性化され、慢性的な調節異常になる、報酬関連の脳回路に関する研究の拡大により、コカイン依存症の神経生物学的特徴を明らかにすることが容易となったため、臨床的アウトカムを改善する顕著な可能性を有する薬理学的戦略をもたらしつつある。コカイン依存症は、様々な薬理学的手法に応答しうる異なる臨床的要素を有する多面的な障害である。この障害に対する薬理学的戦略には、多幸症の遮断、禁断症状および抑鬱気分症状の軽減、渇望の寛解、およびコカイン依存症患者では損なわれるように見える前頭前野皮質の機能の向上が含まれる。予備的研究により、報酬関連回路に反対の作用を有する複数の薬物の効果が報告されているので、1つの薬物では、コカイン依存症のこれらの多様な要素を治療するのに十分ではないことがある。
ジスルフィラムなどのドーパミン作動性薬剤は、ドーパミンをノルエピネフリンに変換するドーパミン−ベータ−ヒドロラーゼを間接的に阻害する。しかしながら、男性はコカイン使用の減少を経験するが、女性はそうではないことがNich96により報告されているので、性差があり得る。モノアミンオキシダーゼ(MAO)−B酵素阻害剤であるセレギリンは、ドーパミン分解を担う分解酵素を阻止して、ドーパミンのシナプスにおける存在量を増加させ、さらに、ドーパミン放出を促進し、その再取り込みを阻害するアンフェタミン効果を有する。
ジスルフィラムおよびセレギリンは、他の適応(それぞれ、アルコール依存症およびパーキンソン病)に対してFDAにより承認されているので、市販製品からの有効成分を新しい医薬品および治療法に組み入れることは、安全性の問題が予想されないので、この組成物に、新規化学成分を開発するよりも高い成功確率を与える。また、各単剤が活性を有するという事実は、組合せが効果を消失しうるリスクをさらに低減する。
ジスルフィラムは、いくつかの外来患者臨床試験において、コカイン乱用および再発を低減することが示されている(Carroll,K.2004年 Arch Gen Psychiatry 61:264;Carroll,K.M.1998年 Addiction 93:713;George,T.P.2000年 Biol Psychiatry 47:1080;Petrakis,I.L.2000年 Addiction 95:219)。具体的には、ジスルフィラムはアルコール依存症の治療に対してFDAから承認されており、この場合には、作用機序が十分理解されている嫌悪剤である。アルコール嫌悪剤として、ジスルフィラムがアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼを阻害し、それによって、エタノール摂取後のアセトアルデヒドレベルが増加する。アセトアルデヒドの増加により、不快症状から毒性に至る一連の臨床反応がもたらされる。ジスルフィラムがコカイン使用を減少させる機序については、ほとんど知られていない。ジスルフィラムおよびコカインに関する以前の研究から、ジスルフィラムが鼻腔内のコカインに由来する「神経過敏」および「妄想症」の評点を増加させることがわかった(Hameedi,F.A.1995年 Biol Psychiatry 37:560;McCance−Katz,E.F.1998年 Biol Psychiatry 43:540)。嫌悪経験の増加に加えて、ジスルフィラムは、コカイン由来の「高揚」感も減弱する(Baker,J.R.2007年 Drug Alcohol Depend 87:202)。これらの結果から、アルコール摂取の減少は、一部のコカイン乱用患者において有益となりうるが、ジスルフィラムは、併存症のアルコール乱用の減少とは独立して、コカイン使用に効果があることがわかる。ジスルフィラムがコカイン摂取を不快にさせる、またはコカイン「高揚」を減弱させる機序は知られていないが、これらの効果は、ドーパミンをノルエピネフリンに変換する酵素であるドーパミンβ−ヒドロキシラーゼ(DBH)の阻害に関係していることがあり、この阻害によって、ジスルフィラムは、ノルエピネフリンに比べてシナプスドーパミンを増加させうる(Karamanakos,P.N.2001年 Pharmacol Toxicol 88:106)。
経口仲介(mediation)としてのセレギリンは、コカイン乱用の治療で顕著な効果を示している。経口セレギリン(Eldepryl(登録商標)−Deprenyl(登録商標)の純粋異性体)は、ドーパミンのレベルおよび伝達を増加させるので、パーキンソン病の治療に対してFDAから承認されている。経口セレギリンはまた、統合失調症の陰性症状の治療のために研究されている。セレギリンはモノアミンオキシダーゼタイプB(MAO−B)の不可逆的阻害剤であり、さらに、代謝産物の/−アンフェタミンおよび/−メタンフェタミンに関連する他の作用も有している(Yasar,S.1996年 J Neural Transm Suppl 48:61)。セレギリンは1日2回(朝食時および昼食時)5mgを投与される。除放(CR)製剤はPharmaveneにより開発され、コカイン作用に対して試験されたが、FDAから承認されず、利用可能ではない。MAO−Bの不可逆的阻害は持続効果があるので、セレギリンのCR型は、MAO−B阻害よりもむしろ副作用(代謝産物の/−アンフェタミンおよび/−メタンフェタミンにおそらく由来する睡眠障害など)を軽減するように設計された。動物試験からのデータをまとめると、0.001〜1.0mg/kgにおける1000倍の投与量範囲にわたり、乱用の可能性がない安全な薬剤としてのセレギリンの記録が支持される(Yasar & Bergman,1994;Yasarら,1994年)。ヒトへのセレギリンの投与を含む臨床試験が、1日当たり10mg〜60mgの範囲の投与量を使用して行なわれた。例えば、大うつ病(60mg×3週間)(Sunderlandら,1994年)、非定型うつ病(20mg×6週間)(Quitkinら,1984年)、アルツハイマー病(10および40mg)(Tariotら,1987年)、ニコチン依存症(10mg×4週間)(Houtsmullerら,2002年)、およびコカイン依存症(20および40mg×10日)(Houtsmullerら,2004年)である。
いくつかの小規模試験により、コカイン投与への自覚的応答に対するセレギリンの効果が実証された。8被験体を含む試験から、セレギリン(CR製剤10mg)による治療が、曲線下面積として測定される、コカイン投与後の自己報告による「高揚」感および「刺激」感の減少と関連することがわかった(Newton,T.F.1999年 Psychiatry Res 87:101)。1日当たりセレギリン10mgが経口により処置され、その後に急性コカイン注入された被験体をPETスキャニングする試験から、セレギリンが、大脳辺縁系構造におけるグルコース利用の正常化を伴って、自覚的多幸感を40%減少させることがわかった(Bartzokis,G.1999年 Neuropsychopharmacology 20:582)。コカイン依存症の134被験体についての未公表の二重盲検無作為化試験(Bridgeら,1999年,未公表NIH/NIDA Study Report−reviewed in Elkashef,A.2006年 Drug Alcohol Depend 85:191)では、セレギリン10mgCRが、尿中ベンゾイルエクゴニン(BE)、自己報告、および改善観察の合成スコアを使用する事後解析によって統計的に有意な効果を示した(p=0.12)(Elkashef,A.2006年,同書)。
経皮用セレギリンは、GIのMAO−A解毒および肝臓の初回通過代謝を回避するために開発されたもので、うつ病治療に対してFDAの承認が得られている(Emsam(登録商標))。経皮用セレギリンは、急性投与例のプラセボと比較して、「コカイン高揚」を顕著に減弱することが見出された(Houtsmuller,E.J.2004年 Psychopharmacology (Berl) 172:31)。経皮用セレギリンを使用するその後の試験では、自覚的応答の変化がそれほど一致していないことが示された(Harris,D.S.2009年 BMC Clin Pharmacol 9:13)。より最近では、経皮用セレギリンの効果を評価する大規模な多機関二重盲検プラセボ対照試験が、300のコカイン依存症被験体について行なわれたが、プラセボにまさる有意な効果は示されなかった(Elkashef,A.2006年,同書)。興味あることには、著者は、否定的な結果に対する他の説明がある中で、禁断期間中にコカインの代わりとなる役割を果たしうる/−アンフェタミンおよび/−メタンフェタミンを含むセレギリン代謝産物の生成が異なるために、経皮用セレギリンが経口用セレギリンCRほど効果的ではない可能性を示唆した(Elkashef,A.,2006年 同書;Yasar,S.2005年 Psychopharmacology(Berl)182:95)。
一実施形態では、MAOB阻害剤は、セレギリン(Jumex(登録商標)、Jumexal(登録商標)、Carbex(登録商標)、Eldepryl(登録商標)、Movergan(登録商標);Aptapryl(登録商標)、Anipryl(登録商標);Eldeprine(登録商標);Plurimen(登録商標))、デスメチルセレギリン、パルギリン(Eudatin(登録商標)、Supirdyl(登録商標)、Eutonyl(登録商標))[米国特許第3,155,584号明細書]、ラサギリン[R(+)N−プロパルギル−ラミノインダン(laminoindan)]、3−N−フェニルアセチルアミノ−2,5−ピペル(piper)−イジネジオン(idinedione)、カルボキシアゾン(caroxyazone)、AGN−1135[国際公開第92/21333号パンフレット]、MDL 72195[国際公開第92/21333号パンフレット]、J 508[国際公開第92/21333号パンフレット]、ラザベミド[国際公開第00/45846号パンフレット]、ミラセミド[国際公開第00/45846号パンフレット]、IFO[国際公開第00/45846号パンフレット]、モフェギリン(mofegiline)[国際公開第00/45846号パンフレット]、および5−(4−(4,4,4−トリフルオロブトキシ)フェニル)−3−(2−メトキシエチル)−l,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン[国際公開第00/45846号パンフレット]からなる群から選択される。別の実施形態では、MAOB阻害剤のプロドラッグまたは代謝産物が考えられる。前記代謝産物は、その未代謝形態と同じかまたはより優れた選択性のMAOB阻害剤活性を実質的に有するべきである。
MAOB阻害剤のプロドラッグは、インビボで代謝されて活性阻害剤になる、誘導体化されたMAOB阻害剤である。本発明のプロドラッグは、誘導体化されていないMAOB阻害剤と同じかより優れた治療係数を実質的に有することが好ましい。例えば、本発明の有用なプロドラッグは、薬物吸収の改善をもたらす薬物の生体膜透過の改善;薬物作用時間の延長、例えば、プロドラッグからの親薬物の持続放出および/または薬物の初回通過代謝の低減;薬物作用のターゲティング;薬物の水溶解度および安定性の改善(例えば、静脈製剤、眉等);局所的薬物送達の改善(例えば、皮膚および眼への薬物送達);薬物(例えば、ペプチド)の化学的および/または酵素的安定性の改善;または薬物による副作用の低減が可能である。プロドラッグの製造方法は、当技術分野で容易に知ることができる。
本明細書で使用される用語、本発明の「MAOB阻害剤」またはその代謝産物は、それらの化合物の薬学的に許容される塩を含む。本発明の方法による、有用なMAOB阻害剤の薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される試薬から調製された塩である。一実施形態では、前記薬学的に許容される塩は塩酸塩である。
MAOBおよびMAOAの活性を評価するための当技術分野で公知の方法は、本発明のMAOB阻害剤を選択するために使用することができる。例えば、血液試料を採取し、放射標識されたベンジルアミンまたはフェニルエチルアミンを使用して血小板MAO活性を測定することができる(すなわち、MAOB阻害活性の評価)[Murphy,D.L,ら,Psychopharm.62:129−132(1979年);Murphy,D.Lら,Biochem.Med.16:254−265(1976年);これらすべては、参照により本明細書に組み込まれる]。一実施形態では、MAOB活性は、治療前のMAOB酵素活性と比較して、80%超低下する。好ましい実施形態では、MAOB活性は、治療前のMAOB活性と比較して、90%超または95%超低下する。
MAOA阻害活性は、例えば、血液の血漿中または脳脊髄液(CSF)中の3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルグリコール(MHPG)または5−ヒドロキシインドール酢酸(5−HIAA)のレベルを、ガスクロマトグラフ質量分析法(gc−ms)を使用して測定することにより評価することができる[Murphy,D.Lら,Clinical Pharmacology in Psychiatry,3rd Series.,Eds.Dahl,Gram,Paul,and Potter,Springer−Verlag:1987年;Major,L.F.ら,J.Neurochem.39:229−231(1979年);Jimerson,D.C.ら,Biomed.Mass.Spectrom.8:256−259(1981年);これらすべては、参照により本明細書に組み込まれる]。一実施形態では、MAOB阻害剤の投与後、血漿MHPGレベルは、血漿MHPGの治療前レベルの45%未満の低下であるべきではない。好ましい実施形態では、MAOB阻害剤の投与後、血漿のMHPGレベルまたはCSFの5−HIAAレベルは、それぞれMHPGレベルまたは5−HIAAレベルの治療前レベルの80%超の低下であるべきではない。
本発明のALDH阻害剤は、ALDHのいくつかのアイソザイム、例えば、ALDH−IおよびALDH−IIの1つまたは複数の活性を阻害することができる化合物である。一実施形態によれば、ALDHはアルコール代謝に関与する。本発明のALDH阻害剤としては、例えば、ジスルフィラム、コプリン、シアナミド、1−アミノシクロプロパノール(ACP)、ダイジン、セファロスポリン、抗糖尿病薬スルホニル尿素、メトロニダゾール、およびALDH阻害活性を示すそれらの任意の代謝産物またはアナログが挙げられる。別の実施形態では、ALDH阻害剤はジスルフィラムまたはそのALDH阻害代謝産物である。そのような代謝産物としては、例えば、S−メチルN,N−ジエチルジチオカルバメート、S−メチルΝ,Ν−ジエチルジチオカルバメートスルホキシド、およびS−メチルΝ,Ν−ジエチルチオカルバメートスルホキシドが挙げられる。
本明細書で使用される用語、本発明の「ALDH阻害剤」またはその代謝産物は、それらの化合物の薬学的に許容される塩を含む。
物質乱用としてのコカイン嗜癖という本発明に記載の用語は、渇望、薬物探索、および自己投与を含み、薬物乱用は、コカ葉、コカペースト、コカインからクラックに及ぶ薬物形態に関係している。本発明に記載の用語「アルコール依存症」は、下記に記載のように、アルコール乱用およびアルコール依存症を含む。
用語「アルコール乱用」は、精神疾患の診断および統計の手引き(DSM−IV)に定義されている。臨床的に顕著な障害または苦痛をもたらす不適応パターンのアルコール摂取としてのアルコール乱用。症状としては、12か月の期間内に起こる下記の1つまたは複数が挙げられる:(1)職場、学校、または家での主要な役割義務が果たせなくなるアルコール摂取の反復;(2)身体的に危険な状態でのアルコール摂取の反復;(3)アルコール関連の法律問題の反復;および(4)物質の効果により引き起こされるかまたは悪化する、持続的または反復的社会問題または対人関係問題があるにもかかわらずアルコール摂取を継続すること[McRaeら,上記;Swift,R.M.,上記;Kick,S.,上記]。
乱用の症状が下記の3つ以上を伴う場合、アルコール依存症になる:(1)以下のいずれかにより定義される耐性:(a)酩酊または所望の作用を得るためには著しく大量のアルコールを必要とすること、または(b)同量のアルコールの継続的な摂取により作用が著しく低下すること;(2)以下のいずれかにより示される禁断症状:(a)アルコールに特有の禁断症候群、または(b)禁断症状を軽減または回避するためのアルコール摂取;(3)意図したものより長期間にわたる、より大量のアルコール摂取;(4)飲酒を減らすかまたは制御するための持続的な願望またはその努力の失敗;(5)アルコールの入手、アルコールの摂取、またはその作用からの回復に必要な活動に過大な時間を費やすこと;(6)飲酒による、重要な社会的、職業的、またはレクリエーション的活動の放棄または低下;および(7)アルコールにより引き起こされるかまたは悪化する、持続的または反復的な身体的または心理的問題があるにもかかわらず摂取を継続すること[McRaeら,上記;Swift,R.M.,上記;Kick,S.,上記]。
アルコール乱用または依存症は、消化不良または心窩部痛、頭痛、下痢、睡眠障害、疲労、原因不明の体重減少、明白な栄養失調、容易な挫傷、平均赤血球容積の増加、トランスアミナーゼレベルの上昇(特に、アラニントランスアミナーゼよりも高いアスパラギン酸トランスアミナーゼレベル)、y−グルタミルトランスフェラーゼレベルの上昇、鉄欠乏性貧血、肝腫、黄疸、クモ状血管腫、腹水、および末梢性浮腫を含む他の症状もまたもたらしうる。アルコール乱用または依存症に関連した行動症状には、職場または学校の常習的欠席、易怒性の増加、人間関係問題、言語的または身体的虐待、およびうつ病が含まれる[McRaeら,上記;Swift,R.M.,上記;Kick,S.,上記]。
本発明によれば、コカインもしくはアルコールまたはその両方への嗜癖の発症の治療または予防を受ける患者は、アルコール依存症に罹患しやすいかもしくは罹患している、またはアルコール依存症のために治療されているかもしくは再発を受けやすい、小児および成人を含むヒトでありうる。本発明のALDH阻害剤もしくはその活性代謝産物を使用する治療に応じるのが困難であるかまたはその治療に応じるように勧誘されている患者は、小児および成人を含むヒトでありうる。
治療する医師は、患者の応答に基づいて治療を強化、縮小、または中断する方法を知っている。アルコール依存症患者または再発する可能性のあるアルコール依存症患者の改善は、その療法がMAOB阻害剤の同時投与を含まなかった場合の患者と比較して、本発明の方法に従って、患者による禁断の増加を観察することにより評価することができる。ALDH阻害剤の自己投与の遵守における改善は、その療法がMAOB阻害剤の同時投与を含まなかった患者と比較して、本発明の方法に従って、患者がALDH阻害剤を服用する期間の増加を観察することにより評価することができる。
本発明の組成物の有効量を患者に提供するために、任意の適切な投与ルートを使用することができる。例えば、口腔、経口、頬、鼻、肺、膣、舌、舌下、直腸、非経口、経皮、眼内、静脈内、動脈内、心臓内 筋肉内、腹腔内、皮内、皮下、舌下、鼻腔内、筋肉内、および脊髄内投与等が、適切な場合に使用することができる。本明細書で使用される非経口という用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、髄腔内、損傷内、および頭蓋内の注射または点滴手法を含む。本発明の好ましい一態様によれば、投与ルートは経口ルートである。
組成物は、単位投与剤形で好都合に提供することができ、薬学技術分野で周知の任意の方法により調製することができる。投与剤形としては、当技術分野で周知の徐放性製剤を含む、錠剤、分割錠、コーティング錠、丸剤、カプレット、カプセル剤(例えば、硬カプセル)、トローチ剤、糖衣錠、粉末、エアゾール剤、坐剤、非経口投与薬、分散液、懸濁液、溶液、経皮パッチ等が挙げられる。好ましい一実施形態では、投与剤形は分割錠または経皮パッチである。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,192,550号明細書は、1つまたは複数の細孔を備えた外壁を含むセレギリン用投与剤形について記載しており、この外壁はセレギリンを通さないが、外部流体に対しては透過性がある。この投与剤形には、経口、舌下、頬側投与への適用可能性がありうる。
本発明の組成物は、これらに限定されないが、カプセル剤、錠剤、ならびに水性懸濁液および溶液を含む、経口的に許容される任意の投与剤形で経口投与することができる。経口用途用の錠剤の場合には、通常使用される担体はラクトースおよびコーンスターチを含む。典型的には、ステアリン酸マグネシウムなどの平滑剤も添加される。カプセル形態の経口投与の場合には、有用な希釈剤はラクトースおよび乾燥コーンスターチを含む。水性懸濁液を経口投与する場合には、有効成分(すなわち、ALDH阻害剤および/またはMAOB阻害剤)は、乳化剤および懸濁化剤と組み合わせる。所望により、特定の甘味料および/または調味料および/または着色料を添加することができる。
本発明の組成物は、例えば無菌注射用水性または油性懸濁液として、無菌注射用調製物の形態とすることができる。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤(例えば、Tween80など)および懸濁化剤を使用して、当技術分野で公知の手法に従って製剤化することができる。無菌注射用調製物は、例えば1,3−ブタンジオールの溶液として、非経口的に許容される無毒な希釈剤または溶媒の無菌注射用溶液または懸濁液とすることもできる。使用可能な許容される媒体および溶媒の中には、マンニトール、水、リンゲル液、および等張食塩水がある。さらに、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒として従来通りに使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性不揮発性油を使用することができる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、例えばオリーブ油またはヒマシ油、特にそれらのポリオキシエチル化型において薬学的に許容される天然油であるので、注射剤の調製に有用である。これらの油溶液または懸濁液は、Ph.Helvまたは類似のアルコールなどの長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含有することも可能である。
セレギリン経皮パッチを含む経皮パッチを作製する方法は当技術分野で記載されている[例えば、米国特許第4,861,800号明細書;同第4,868,218号明細書;同第5,128,145号明細書;同第5,190,763号明細書;および同第5,242,950号明細書;ならびに欧州特許出願公開第A−404807号明細書、欧州特許出願公開第A−509761号明細書、欧州特許出願公開第A−593807号明細書、および欧州特許出願公開第A−5509761号明細書を参照されたい。これらのすべては参照により本明細書に組み込まれる]。
本発明の組成物はまた、直腸投与のための坐薬の形態で投与することができる。これらの組成物は、本発明の化合物と、室温では固体であるが直腸温では液体になるため、直腸で融解して有効成分を放出することになる適切な非刺激性賦形剤とを混合することにより調製することができる。このような物質としては、これらに限定されないが、ココアバター、密蝋、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
本発明の組成物は、鼻のエアロゾルまたは吸入剤によって投与することができる。このような組成物は、医薬製剤の技術分野で周知の手法に従って調製されるものであり、ベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当技術分野で公知の他の可溶化剤もしくは分散剤を使用して、生理食塩水溶液として調製することができる。
例えば医師が週に1回定期的に患者を評価して、症状に改善があったか否か、また本発明の組成物の投与量を調整する必要があるか否かを判定することができる。
本発明の方法によれば、セレギリンなどのMAOB阻害剤を、ALDH阻害剤を含む組成物に含むことができる。あるいは、MAOB阻害剤を、ALDH阻害剤を含む組成物と同時に、またはALDH阻害剤による患者の治療中にいつでも投与することができる。
「治療有効量」などの上記の種々の用語は、上記投与量および投与頻度スケジュールに包含される。一般に、MAOB阻害剤の治療有効量は、患者において、MAOB活性は阻害されるが、MAOA活性は若干低下するかまたはまったく低下しない量である。若干の活性低下は、好ましくは約30%未満の活性低下、より好ましくは約20%未満の活性低下、およびより一層好ましくは約10%未満の活性低下を含む。一実施形態では、セレギリンの投与量は1日当たり15mg以下の量である。別の実施形態では、パルギリンの投与量は1日当たり30mg以下である。
本明細書を通して、単語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変化形は、記述された整数または整数群を包含するが、他のいかなる整数または整数群も除外するものではないことを意味すると理解されよう。
本発明は、ジスルフィラムとセレギリンとを組み合わせる、コカイン乱用のための新規治療を含み、それぞれの薬剤は、特にセレギリンの場合に口を介して(po)投与されると、コカイン使用を低減する単剤活性を示してきた。ジスルフィラムおよびセレギリンは相補的な機序を介して作用する可能性があり、その機序が、固定用量で1日1回の組合せ剤が急性および慢性のコカイン乱用に対して相加的または相乗的効果を奏し得るか否かを調査する動機となる。単剤としてのジスルフィラムおよびセレギリンの活性に基づいて、組合せ剤は、以下を含む、コカイン嗜癖の治療に対していくつかの有益な可能性のある効果を提供しうる:1)コカインがもたらす多幸感作用の低減;2)コカインがもたらす不快感作用の増強;3)コカイン乱用者に欠損していると思われる正常な報酬シグナルの更新;および4)コカイン過剰摂取の間に起こる陰性症状の緩和。
固定用量で1日1回の組合せには、アドヒアランス(嗜癖障害を治療する際の課題である)を高め、かつ個々の成分に必要な用量よりも低用量で効果を達成する可能性がある。ジスルフィラムおよびセレギリンが互いの代謝に影響を与え得る、およびジスルフィラムが(ドーパミンベータ−ヒドロキシラーゼ(DBH)の阻害によって)、シナプスドーパミンの増加に関する、セレギリンおよび特定のセレギリン代謝産物(すなわち、/−アンフェタミンおよび/−メタンフェタミン)の活性を強化し得るため、固定用量の組合せ剤の開発には薬物動態研究が必要である。
ジスルフィラムおよびセレギリンの組合せ:ジスルフィラムおよびセレギリンは、相乗効果的機序を介して作用する可能性がある。それらの機序および関与する代謝経路の複雑さによって、特定の神経行動学的作用または薬物−薬物相互作用を予測することが困難になっている。セレギリンはノルアドレナリン作動性およびドーパミン作動性の伝達を増加させる;両方とも、不可逆的に、かつその代謝産物;/−アンフェタミンおよび/−メタンフェタミンの作用を介してMAO−Bを阻害することによるものである。コカインに対するジスルフィラム単剤活性の機序がDBH阻害と関係しているか否かにかかわらず、ジスルフィラムのDBH阻害は、セレギリンにより増大したドーパミン作動性作用を調節しかつ恐らく増強することが予想される。組合せ剤は、以下のことを含む、コカイン嗜癖の治療に対していくつかの有益である可能性のある効果を提供しうる:1)コカインがもたらす多幸感作用の低減;2)コカインがもたらす不快感作用の増強;3)コカイン乱用者に欠損していると思われる正常な報酬シグナルの更新;および4)コカイン過剰摂取の間に起こる陰性症状の緩和。
MOAB阻害剤およびDBH阻害剤の組合せによるコカイン嗜癖の治療:コカイン嗜癖患者は、cGMPジスルフィラム/セレギリン−CRカプセル製剤を投与され、薬物動態および薬力学的相互作用(1〜2年)を評価されることになる:1日1回投与のために好ましいカプセル製剤は、速放性(IR)のセレギリン5を1日2回(朝食時および昼食時に服用)ならびにジスルフィラム250mgを1日4回の薬物動態(PK)プロフィールを模倣するように意図される。1日1回投与は、コカイン乱用患者のアドヒアランスを最適化する臨床的に重要な特徴である。さらに、本発明の治療は、コカイン乱用に臨床効果を示したが、もはや入手可能ではないセレギリン−SR(Pharmaveneによる)の薬物動態プロフィールを再現する。
ジスルフィラムが1日1回投与であるのに対し、セレギリンは1日2回投与であるが、除放製剤は、1日1回の投与が可能であり、単剤としてコカインに効果を示している製剤に生物学的に類似の一定レベルで各有効成分を送達することになる。製剤化されたジスルフィラム/セレギリン;プラセボ/セレギリン;ジスルフィラム/プラセボ調製物は、ヒト治療用の人工胃液および小腸液を使用するインビトロ溶出試験により試験することができる。さらに、顕著な食物効果(Eldepryl(登録商標)の添付文書によると、食物により吸収が3〜4倍増加する)があるので、胃の水性環境でミセルを形成し、食物の存在下または非存在下のいずれでも一定の吸収となる製剤技術を使用することが好ましいと考えられる。
薬物動態レベルでは、セレギリンおよびジスルフィラムは、1つまたは両方の薬物の血漿レベルを変化させうる共通の代謝経路を共有する。ジスルフィラムの代謝は複雑であり、少なくとも4つのP−450酵素(CYP3A4、CYP1A2、CYP2A6、およびCYP2D6)が関与する(Madan,A.ら1998年 Alcohol Clin EXP Res 22(6):1212)。セレギリンの代謝は、CYP2B6、CYP2C9、およびCYP3A4/5を含むいくつかのCYP−450酵素が関与する。セレギリンおよびその代謝産物のN−デスメチルセレギリンは両方とも、CYP2D6、CYP2C19、およびCYP2B6を濃度依存的に阻害した(Emsam(登録商標)の処方情報)。
本発明の主要な目的は、以下の実施例において論述されるように、安全性の懸念または混乱させる効果を生み出しうるいかなる可能な薬物−薬物相互作用も、患者の譫妄を回避するが患者の薬剤服用遵守を高め、かつ効果的であるが無毒なレジメンを介して回避することができる治療を提供することである。
実施例A:
薬物−薬物相互作用の可能性がある場合、試験組合せ製剤は、FDAが承認した速放性(IR)のセレギリン5の1日2回およびジスルフィラム250mg製品の用量に比べて用量を20%低減することができる。
実施例B:
コカイン使用者におけるジスルフィラム/セレギリン−CRの1回単位用量の医療組成物は、安全性および耐容性ならびに毎日の同時投与に対する応答に基づいて選択される。別個の有効成分の本発明の組合せを含む組成物による治療プロトコールは、場合によっては、医師が適切と考える、ある用量のジスルフィラムまたはセレギリンのいずれかで最初に患者を治療することができる単独療法段階の試験段階を提供する。約3〜5日後に、治療は別の有効成分に切り替えてもよい。合計7〜10日間の単独療法の後に、患者は、単独療法の効果に基づいた1回用量のジスルフィラム/セレギリン−CRによる毎日のレジメンに入る。予防措置として、各薬物の血漿レベルを、毎日、毎週、および後半には毎月の規則的な間隔で測定して、治療期間を通して患者をモニターする。血小板のMAO−B活性および血漿のDBH活性を、有効な酵素阻害の指標として治療期間を通して同様にアッセイする。治療の一部として、自覚応答および生理応答を収集するプロトコールを用意する。さらに、本発明の組成物の各投与の前、最中、および後に、生理学的モニタリング(心拍数、血圧)および自覚的測定(気分状態特性尺度(Profile of Mood States)[POMS]および可視的アナログ尺度(Visual Analogue Scale)[VAS])を行うことができる。モノアミン作動性機能の任意選択の評価項目が、プロラクチン、HVA、および尿中HMPGを含めて得られる。
実施例C:
1回単位用量のジスルフィラム/セレギリン−CR組合せの効果は、必要に応じて数週間にわたってモニターして、コカイン依存症と診断された患者を評価することができる。最良の結果は、尿中ベンゾイルエクゴニン(BE);コカイン使用の自己報告および療法に対するアドヒアランスを測定する本発明の治療の下で、コカイン使用者に関する外来患者二重盲検無作為化試験を行なうことにより得られる。具体的には、コカイン使用は、各患者訪問時の尿中BEレベルにより確認されるコカイン非使用日数の週平均割合を評価して決定される。嗜癖重症度指数(Addiction Severity Index)および簡略物質渇望尺度(Brief Substance Craving Scale)などの他の評価項目は、副次的エンドポイントになる。
例えば週に一度医師が定期的に患者を評価して、症状に好転があったか否か、また本発明の組成物の投与量を調整する必要があるか否かを判定することができる。
本発明の方法によれば、ALDH阻害剤を含む組成物にMAOB阻害剤を含むことができる。あるいは、MAOB阻害剤を、ALDH阻害剤を含む組成物と同時に、またはALDH阻害剤による患者の治療中に1回投与量としていつでも投与することができる。
「治療有効量」などの上記の種々の用語は、上記投与量および投与頻度スケジュールに包含される。一般に、MAOB阻害剤の治療有効量は、患者において、MAOB活性は阻害されるが、MAOA活性は若干低下するかまたはまったく低下しない量である。若干の活性低下は、好ましくは約30%未満の活性低下、より好ましくは約20%未満の活性低下、およびより一層好ましくは約10%未満の活性低下を含む。一実施形態では、セレギリンの投与量は1日当たり15mg以下の量である。別の実施形態では、セレギリンの投与量は1日当たり5mg以下の量である。別の実施形態では、パルギリンの投与量は1日当たり30mg以下である。
実施例1
この試験は、1日当たり250mgに一定に維持されたジスルフィラム投与量と組み合わせるセレギリン成分に関して有効用量範囲を調べることである。14日間の試験系列では、患者は、覚醒時に毎日、例えば1mgのセレギリンから始めて、一連のセレギリン投与量の増量系列の1つと組み合わせて、250mgのジスルフィラムを服用する。払うべき唯一の食事上の注意は、アルコールおよび未加工のチーズを回避することであった。14日後、治療患者に有害反応がない場合に、その系列の次のセレギリン用量を、次の14日間、250mgのジスルフィラムと組み合わせて投与することができる。
上記に概説されたプロトコールは、以下のセレギリン投与量を適用する患者の治療で継続される:1mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、および60mg。有害な副作用がこれらの組合せのいずれにおいても認められない場合、対象患者は、ジスルフィラム250mg/セレギリン60mgで6か月間治療を続けることができ、その後、組合せのセレギリン成分の投与量を、さらに6か月間、10mgに漸減し、最終的に、継続して毎日5mgの用量に漸減することができる。これらの組合せのいずれにおいても望ましくない副作用に遭遇しなかった場合、連続血液化学、全血球計算、および肝機能検査(治療プロトコールの開始前に、これらすべては行われる)を、セレギリン60mgと組み合わせて、毎日ジスルフィラム250mgを6か月間継続した後に行い、さらにセレギリン5mgと組み合わせてジスルフィラム250mgで6か月間の後に行う。すべての検査は予想レベルに留まった。
実施例2
患者の状態を判定するこのような予備検査および他の検査に基づいて、患者は、ジスルフィラム250mgおよびセレギリン5mgを含む毎日の薬物レジメンを受けることができる。その結果、薬物の効果は、生活および刺激薬に対する姿勢が顕著に変化することにより示されうる。このレジメンでわずか1週間後でも、患者は、彼の日常活動または仕事に通常は妨げになる心配事および注意散漫の程度がはるかに低下することを見出すことがある。数か月の期間にわたる、ジスルフィラムおよびセレギリンの組合せ治療は、ジスルフィラムまたはセレギリンの単独治療よりも明確に優れた効果を示すであろう。
治療有効投与量であれば、治療患者の刺激薬に対する衝動は効果的に鎮静化するであろう。したがって、薬物または刺激薬へ通常は戻るのに対して、治療患者は回復を維持し、さらに、指導医師または医療専門家への訪問が少なくて済む自己治療を維持することが期待される。治療投与量は個々人の症状および体重/サイズにより影響を受けるので、実際の治療レジメンの前にまさにその患者を含めた一連の用量範囲実験を行って、医学的に許容される用量のコカインで誘発した場合、セレギリンがジスルフィラム−刺激薬(コカイン)反応を阻害するか否か、またはいかなるレベルで阻害するかを見出すことができる。あるいは、レジメンは、標準化された投与量−体重データまたはチャートから調整することができる。
実施例3:
有効投与量を決定するために、例えば、セレギリン5mgを、用量低減(すなわち、250mg、125mg、100mg、75mg、60mg、および50mg)のジスルフィラムと一緒に14日間投与する実験試験系列の後に、医学的に許容される用量のコカインを1回投与した。抗刺激薬作用を有する、ジスルフィラムの最小レベルを、治療投与に向けてセレギリン5mgと組み合わせて使用した。
これらのプロトコール例は、ジスルフィラムとセレギリンとの組合せ治療の薬理学的効果および安全性を実証することができる。効果の観点では、セレギリンとジスルフィラムとの組合せは、コカイン依存症患者が嗜癖に関連した活動を再開するのを思いとどまらせるだけでなく、より肯定的で、ほとんど強迫的ではない考え方に患者の姿勢を向けさせることにもなる。これらの変化が観察されるセレギリンの用量は、予想レベルよりはるかに低く、ジスルフィラムのような嫌悪剤の同時投与に特異的であることがある。さらに、嫌悪剤による刺激薬渇望の療法には、このような嗜癖に苦しむ患者にとってそれ自体ユニークな精神的問題があり、セレギリンは、常習的な習慣を中止することに関する相反する感情を緩和し、薬物からの早期回復の状態に極めて共通する慢性不安に対して顕著な効果を有しているように見えることがある。本発明によれば、常用量のジスルフィラムに加えて、比較的低投与量のセレギリンにより、治療に対する患者のアドヒアランスおよび反応が改善して、薬物依存が軽減または除去されるであろう。
実験例
1日当たり250mgに一定に維持されたジスルフィラム投与量と組み合わせるセレギリン成分に関して有効用量範囲を判定するための試験を行った。単剤として、セレギリンは安全でかつ耐容性がよく、概ね高い治療係数および幅広い有効用量範囲を有することが知られている。14日プロトコールでは、対象患者は、覚醒時に毎日、一連のセレギリン投与量の増量系列の1つと組み合わせて、250mgのジスルフィラムを服用した。払うべき唯一の食事上の注意は、アルコールおよび未加工のチーズを回避することであった。14日後、有害反応がなかった場合、その系列の次のセレギリン用量を、次の14日間、250mgのジスルフィラムと組み合わせて投与した。
このプロトコールは以下のセレギリン投与量で継続した:10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、および60mg。有害な副作用はこれらの組合せのいずれにおいても認められなかった。この試験の完了後、被験体は、ジスルフィラム250mg/セレギリン60mgを6か月間継続し、その後、組合せのセレギリン成分の投与量を、さらに6か月間、10mgに漸減し、最終的に、継続して毎日5mgの用量に漸減した。有害な副作用はこれらの組合せのいずれにおいても認められなかった。連続血液化学、全血球計算、および肝機能検査、これらすべては試験プロトコールの開始前、セレギリン60mgと組み合わせて、ジスルフィラム250mgを6か月間継続した後に再度、さらにセレギリン5mgと組み合わせてジスルフィラム250mgで6か月間の後に行われたが、すべて予想レベルに留まった。
本明細書を通して、単語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変化形は、記述された整数または整数群を包含するが、他のいかなる整数または整数群も除外するものではないことを意味すると理解されよう。
好ましい実施形態に関する記述
本発明を好ましい実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の精神または範囲から逸脱することなく、種々の変更および/または修正を本発明になすことができることは容易に認識するであろう。本明細書に引用された文献はすべて、その内容全体が本明細書に組み込まれるものとする。
現在予測または予期できない種々の代替、修正、変更、またはその改良が、当業者によって今後なされてもよいが、これらもまた、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。

Claims (10)

  1. 患者のコカイン嗜癖を求めに応じて予防、治療または軽減するための組成物であって、
    (i)モノアミンオキシダーゼ(MOAB)阻害成分としてのセレギリン;および
    (ii)ジスルフィラム、または、S−メチルN,N−ジエチルジチオカルバメート、S−メチルΝ,Ν−ジエチルジチオカルバメートスルホキシド、およびS−メチルΝ,Ν−ジエチルチオカルバメートスルホキシドからなる群から選択されるジスルフィラムの代謝産物;
    の治療有効量の組み合わせを含むことを特徴とする組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物が、単位投与剤形に製剤化されたことを特徴とする組成物。
  3. 請求項1または2に記載の組成物が、
    約500mg、約250mg、約125mg、約60mg、約30mgのジスルフィラムからなる群から選択されるジスルフィラム;または
    約500mg、約250mg、約125mg、約60mg、約30mgのジスルフィラムからなる群から選択されるジスルフィラムの量と等価の前記ジスルフィラムの代謝産物の量;
    を含むことを特徴とする組成物。
  4. 請求項1乃至の何れか1項に記載の組成物が、約15mgまたは未満、約10mgまたは未満、約5mgまたは未満、約2.5mgまたは未満、約1mgまたは未満のセレギリンからなる群から選択されるセレギリン量を含むことを特徴とする組成物。
  5. 請求項1または2に記載の組成物が、
    (i)1日あたりの治療有効量である1mg−10mgのセレギリンおよび
    (ii)1日あたりの治療有効量である60mg−250mgのジスルフィラム、または、60mg−250mgのジスルフィラムと等価の前記ジスルフィラムの代謝産物の量;
    を含むことを特徴とする組成物。
  6. 請求項1乃至の何れか1項に記載の組成物が、さらに薬学的に許容される賦形剤または担体を含むことを特徴とする組成物。
  7. 請求項1乃至の何れか1項に記載の組成物において、前記組成物が、経口的に、非経口的に、または経皮的に投与されることを特徴とする組成物。
  8. 請求項1乃至の何れか1項に記載の組成物において、前記組成物が、カプセル剤、錠剤、または経皮パッチとして投与されることを特徴とする組成物。
  9. 請求項1乃至の何れか1項に記載の組成物において、前記患者がヒトであることを特徴とする組成物。
  10. 患者のコカイン嗜癖を求めに応じて予防、治療または軽減するための医薬品の製造における、(i)モノアミンオキシダーゼB阻害剤成分としての1mg−10mgのセレギリンおよび(ii)60mg−250mgのジスルフィラムを含む組成物の使用。
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