JP6355783B2 - 可撓性フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、可撓性フィルムの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、薄ガラスを含む可撓性フィルムの製造方法に関する。
近年、映像通信技術の発展により、フラットパネルディスプレイ(FPD:例えば、液晶表示素子、有機EL表示素子)の軽量・薄型化が進んでいる。従来、表示素子の基板には、ガラス基板が用いられている。ガラス基板は、透明性や耐溶剤性、ガスバリア性、耐熱性に優れる。しかし、ガラス基板を構成するガラス材の薄型化を図ると、軽量化されると同時に可撓性が向上するものの、耐衝撃性が不十分となり、ハンドリングが困難となる問題が生じる。薄型ガラス基板のハンドリング性を向上させるため、ガラス表面に樹脂層を形成させたガラス基板が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
ガラス基板は、通常、用途に応じて所定のサイズに分断して用いられる。ガラス基板を分断する方法としては、刃物を用いる方法、レーザー光を用いる方法等が挙げられる。しかし、刃物を用いてガラス基板を分断すると、分断面の平滑性が悪いという問題がある。また、樹脂層を有するガラス基板に対してレーザー光を用いる場合、樹脂とガラスとで適切な加工温度が異なることから、樹脂およびガラスの両方に適切な照射条件を設定することが困難となる。具体的には、ガラスを分断し得る照射条件とした場合には、樹脂層に焦げが生じて分断面の平滑性が低下し、樹脂層が焦げない程度の照射条件とした場合には、ガラスを適切に分断することができず、クラックが生じるという問題がある。
特開平11−329715号公報 特開2001−113631号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、薄ガラスおよび樹脂層を有する積層体を割断して、平滑な割断面を有し、かつ、薄ガラスの破損が抑制された可撓性フィルム(小片化された積層体)を製造する方法を提供することにある。
本発明の可撓性フィルムの製造方法は、厚さが100μm以下の薄ガラスと、該薄ガラスの片側または両側に配置された樹脂層とを備える積層体を割断することを含む、可撓性フィルムの製造方法であって、該樹脂層の外面側から溝を設ける工程と、該溝に沿って該積層体を割断する工程とを含む。
好ましい実施形態においては、上記薄ガラスには、溝を設けない。
好ましい実施形態においては、上記溝の樹脂層外面における幅が、0.01mm〜5mmである。
好ましい実施形態においては、上記溝が、刃物またはレーザー光を用いて形成される。
好ましい実施形態においては、上記積層体において、前記薄ガラスの厚みに対する前記樹脂層の総厚の比が、0.3〜4である。
本発明によれば、積層体の樹脂層の外面側から溝を設ける工程と、該溝に沿って該積層体を割断する工程とにより、平滑な割断面を有し、かつ、薄ガラスの破損(例えば、クラック)が抑制された可撓性フィルム(小片化された積層体)を製造することができる。
(a)は、本発明の好ましい実施形態に用いられる積層体の概略断面図である。(b)は、本発明の別の実施形態に用いられる積層体の概略断面図である。 (a)は、本発明の1つの実施形態における、樹脂層に設けられた溝を示す概略断面図である。(b)は、本発明の別の実施形態における、樹脂層に設けられた溝を示す概略断面図である。(c)は、本発明のさらに別の実施形態における、樹脂層に設けられた溝を示す概略断面図である。
A.積層体
本発明の可撓性フィルムの製造方法は、積層体を割断することを含む。図1(a)は、本発明の好ましい実施形態に用いられる該積層体の概略断面図である。この積層体100は、薄ガラス10と薄ガラス10の片側または両側(図示例では両側)に配置された樹脂層11、11’を備える。図1(b)は、本発明の別の好ましい実施形態に用いられる該積層体の概略断面図である。この積層体101は、薄ガラス10と樹脂層11、11’とが接着層12、12’を介して積層されている。
上記積層体の総厚は、好ましくは160μm以下であり、さらに好ましくは120μm以下であり、特に好ましくは50μm〜120μmである。
上記薄ガラスの厚み(d1)に対する上記樹脂層の総厚(d2)との比(d2/d1)は、好ましくは0.3〜4であり、より好ましくは0.5〜2.1である。このような範囲であれば、薄ガラスに生じる応力が適切に調整され、薄ガラスを十分に補強することができ、かつ、薄ガラスからの樹脂層の剥離を防止して、樹脂層に設けた溝(後述)に沿って安定に積層体を割断することができる。なお、上記積層体が上記薄ガラスの両側に樹脂層を備える場合、本明細書において「樹脂層の総厚」とはそれぞれの樹脂層の厚みの和を意味する。
A−1.薄ガラス
上記薄ガラスは、板状のものであれば、任意の適切なものが採用され得る。上記薄ガラスは、組成による分類によれば、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。また、アルカリ成分による分類によれば、無アルカリガラス、低アルカリガラスが挙げられる。上記薄ガラスのアルカリ金属成分(例えば、NaO、KO、LiO)の含有量は、好ましくは15重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%以下である。
上記薄ガラスの厚みは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは10〜100μmである。
上記薄ガラスの密度は、好ましくは2.3g/cm〜3.0g/cmであり、さらに好ましくは2.3g/cm〜2.7g/cmである。
上記薄ガラスの成形方法は、任意の適切な方法が採用され得る。代表的には、上記薄ガラスは、シリカやアルミナ等の主原料と、芒硝や酸化アンチモン等の消泡剤と、カーボン等の還元剤とを含む混合物を、1400℃〜1600℃の温度で溶融し、薄板状に成形した後、冷却して作製される。上記薄ガラスの薄板成形方法としては、例えば、スロットダウンドロー法、フュージョン法、フロート法等が挙げられる。これらの方法によって板状に成形された薄ガラスは、薄板化したり、表面と端部との平滑性を高めたりするために、必要に応じて、フッ酸等の溶剤により化学研磨されてもよい。
上記薄ガラスの表面には、易接着処理を施してもよい。易接着処理を施せば、薄ガラスと樹脂層との接着力を高めることができる。易接着処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理等の非接触式の表面処理、カップリング処理、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
上記カップリング処理に用いられるカップリング剤としては、例えば、アミノ系カップリング剤、エポキシ系カップリング剤、イソシアネート系カップリング剤、ビニル系カップリング剤、メルカプト系カップリング剤、(メタ)アクリロキシ系カップリング剤等が挙げられる。樹脂層を構成する樹脂が、エステル結合を有する場合、アミノ系カップリング剤、エポキシ系カップリング剤またはイソシアネート系カップリング剤が好ましく用いられる。樹脂層を構成する樹脂が、水酸基を有する場合、エポキシ系カップリング剤が好ましく用いられる。上記アミノ系カップリング剤は、好ましくはアミノ基を有するアルコキシシランまたはアミノ基を有するハロゲン化シランである。特に好ましくはアミノ基を有するアルコキシシランである。
A−2.樹脂層
上記樹脂層を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。該樹脂としては、例えば、ポリエーテルサルホン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;アクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリオレフィン系樹脂;ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミドアミド系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリサルホン系樹脂;ポリエーテルイミド系樹脂等が挙げられる。また、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂等の架橋性の樹脂を用いてもよい。
1つの実施形態においては、上記樹脂層は、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂を含む。このような樹脂を含むことにより、上記薄ガラスとの密着性に優れ、かつ靭性にも優れる樹脂層を形成することができる。このような樹脂層は、積層体を割断する際に薄ガラスから剥離しがたく、薄ガラスに生じるクラックを防止し得る。
Figure 0006355783

式(1)中、Rは炭素数6〜24の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または炭素数4〜14のシクロアルキレン基、または酸素原子であり、好ましくは炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数4〜12のシクロアルキレン基、または酸素原子であり、さらに好ましくは炭素数6〜18の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または炭素数5〜10のシクロアルキレン基、または酸素原子である。Rは炭素数6〜24の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキレン基、または水素原子であり、好ましくは炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、または水素原子である。
上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂の重合度は、好ましくは10〜6000、さらに好ましくは20〜5000、特に好ましくは50〜4000である。
上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂のガラス転移温度は、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上、特に好ましくは180℃〜350℃である。
上記樹脂層の厚みは、好ましくは1μm〜60μm、より好ましくは10μm〜50μmであり、さらに好ましくは20μm〜40μmである。樹脂層が上記薄ガラスの両側に配置される場合、それぞれの樹脂層の厚みは同一であってもよく異なっていてもよい。好ましくは、それぞれの樹脂層の厚みは同一である。さらに、それぞれの樹脂層は、同一の樹脂で構成されてもよく、異なる樹脂で構成されてもよい。好ましくは、それぞれの樹脂層は、同一の樹脂で構成される。したがって、最も好ましくは、それぞれの樹脂層は、同一の樹脂で同一の厚みになるように構成される。このような構成であれば、加熱処理されても、薄ガラスの両面に熱応力が均等に掛かるため、反りやうねりがきわめて生じ難くなる。
上記樹脂層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤、補強剤等が挙げられる。樹脂層に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
B.積層体の製造方法
上記積層体の製造方法は、上記構成の積層体を製造し得る限りにおいて、任意の適切な製造方法を採用し得る。上記薄ガラスに樹脂層を形成させる方法としては、例えば、上記樹脂を含む溶液を薄ガラスに塗工して形成する方法、上記樹脂を含む樹脂層と薄ガラスとを接着層を介して積層する方法等が挙げられる。
上記樹脂を含む溶液を塗工して形成する方法においては、代表的には、上記樹脂を含む溶液(以下、樹脂溶液ともいう)を上記薄ガラスの片側または両側に塗布して塗布層を形成し、該塗布層を乾燥させることにより、樹脂層が形成される。
上記塗布層形成の際に使用される溶媒としては、例えば、ケトン系溶媒、ハロゲン系溶媒、芳香族系溶媒、ジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
上記樹脂溶液の塗布方法としては、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティング法;フレキソ印刷等の凸版印刷法、ダイレクトグラビア印刷法、オフセットグラビア印刷法等の凹版印刷法、オフセット印刷法等の平版印刷法、スクリーン印刷法等の孔版印刷法等の印刷法が挙げられる。
乾燥方法としては、任意の適切な乾燥方法(例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥)が採用され得る。例えば、加熱乾燥の場合には、乾燥温度は代表的には90℃〜200℃であり、乾燥時間は代表的には1〜10分である。
塗布層を乾燥させた後、熱処理を行ってもよい。熱処処理方法としては、任意の適切な熱処理方法が採用され得る。代表的には、熱処理温度は90℃〜300℃であり、熱処理時間は5〜45分である。
樹脂層と薄ガラスとを接着層を介して積層する方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体的には、薄ガラスの片側または両側に接着剤を塗布し、薄ガラスと樹脂フィルムとを貼り合わせた後、接着剤を硬化させる方法が挙げられる。また、支持基材上に形成させた樹脂溶液からなる塗布層(すなわち、半乾燥状態の塗布層)と薄ガラスとを接着剤を介して貼り合わせた後に、熱処理(塗布層の乾燥・硬化、接着剤の硬化)を行い、支持基材を剥離して、積層体を得てもよい。
上記接着剤としては、例えば、エポキシ基、グリシジル基、オキセタニル基等の環状エーテル基を有する樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等を含む接着剤が挙げられる。
上記接着剤の硬化方法としては、例えば、熱硬化、活性エネルギー線硬化等が挙げられる。活性エネルギー線硬化により接着剤を硬化させることが好ましい。活性エネルギー線硬化により接着剤を硬化させれば、樹脂層の膨張を抑制することができ、表面が平滑な積層体を得ることができる。
上記接着剤は、任意の適切なその他の成分をさらに含み得る。その他の成分としては、紫外線硬化剤等の硬化剤、光増感剤、カップリング剤等が挙げられる。
上記のように接着剤を硬化することより、接着層が形成される。接着層の厚みは、好ましくは0.1μm〜20μmであり、より好ましくは0.1μm〜10μmである。
C.可撓性フィルムの製造方法
本発明の可撓性フィルムの製造方法は、上記積層体の樹脂層に外面側から直線状の溝を設ける工程を含む。上記可撓性フィルムは、溝が設けられた積層体を、後工程において、該溝に沿って割断することにより得られる。溝の長さおよび本数は、所望とする可撓性フィルムの形状に応じて、任意の適切な長さおよび本数に設定され得る。溝は、樹脂層の面内における一方の端部から他方の端部まで延びていることが好ましい。また、上記積層体が薄ガラスの両面に樹脂層を備える場合、該積層体の両面に溝を設けることができる。
上記溝の形成方法としては、例えば、刃物を用いる方法、レーザー光を用いる方法等が挙げられる。刃物としては、任意の適切な形状を有する刃物が用いられ得、例えば、円盤状の丸刃物、刃先が直線状の平刃物等が用いられ得る。
上記レーザー光は、好ましくは波長が400nm以下または1.5μm以上の光を含み、より好ましくは360nm以下または5μm以上の光を含み、さらに好ましくは360nm以下または8μm以上の光を含み、特に好ましくは360nm以下または8μm〜12μmの光を含む。
上記レーザー光としては、任意の適切なレーザー光を採用し得る。レーザー光としては、例えば、エキシマレーザー、COレーザー、YAGレーザー、UVレーザー等が挙げられる。
レーザー光の照射条件(出力条件、移動速度、回数)は、樹脂層を構成する樹脂の種類、溝の深さ等に応じて任意の適切な条件を採用し得る。出力条件は、UVレーザーを用いる場合、代表的には1W〜10Wであり、好ましくは3W〜7Wであり、さらに好ましくは3W〜5Wである。移動速度は、UVレーザーを用いる場合、代表的には1mm/秒〜500mm/秒であり、好ましくは100mm/秒〜400mm/秒である。回数は、代表的には2〜10回である。
上記樹脂層に溝を設ける工程は、上記薄ガラスと樹脂層とを積層した後に行ってもよく、薄ガラスと樹脂層とを積層する前に行ってもよい。薄ガラスと樹脂層とを積層する前に行う具体的な方法としては、樹脂層を形成する樹脂フィルムに溝を設け、溝が設けられた樹脂フィルムを薄ガラスに積層する方法が挙げられる。なお、薄ガラスの両面に樹脂層を形成し、その後、レーザー光を用いて溝を設ける場合は、表裏同時に溝を設けることができる。
図2(a)は、本発明の1つの実施形態による、樹脂層に設けられた溝を示す概略断面図である。図2(a)に示すように、薄ガラスには、溝が設けられていないことが好ましい。すなわち、該溝の深さは、上記積層体が接着層を備えない場合は、上記樹脂層の厚み以下であることが好ましい。また、上記積層体が接着層を備える場合、該溝の深さは、上記樹脂層と接着層との合計厚み以下であることが好ましく、上記樹脂層と接着層との合計厚み以下であり、かつ、樹脂層の厚みより厚いことがより好ましい。薄ガラスに溝が設けられていなければ、割断面を平滑に割断することができ、かつ、薄ガラスに生じるクラックを防止することができる。また、レーザー光により溝を形成する場合、樹脂層のみをレーザー光の照射対象とするため、樹脂層に適した照射条件に設定することができる。その結果、樹脂層の焦げを抑えることができ、平滑な割断面を得ることができる。さらに、上記溝が接着層にまで達していれば、積層体の割断が容易となり、作業性よく安定に可撓性フィルムを得ることができる。
上記積層体が接着層を備えない場合、上記溝の深さは、上記樹脂層の厚みに対して、好ましくは70%〜100%であり、より好ましくは80%〜100%であり、さらに好ましくは90%〜100%である。上記積層体が接着層を備える場合、上記溝の深さは、上記樹脂層と接着層との合計厚みに対して、好ましくは80%〜100%であり、より好ましくは85%〜95%であり、さらに好ましくは90%〜92%である。
上記溝の樹脂層外面における幅aは、好ましくは0.01mm〜5mmであり、より好ましくは0.5mm〜2mmである。このような範囲であれば、割断方向が面内でうねらず、安定して積層体を割断することができる。
上記積層体の両面から溝を入れる場合、対となる溝の深さ方向に延びる中心線B、B’のズレbは、好ましくは2.5mm以下であり、より好ましくは1mm以下であり、さらに好ましくは0.25mm以下であり、特に好ましくは0mmである。
上記溝の断面視形状は、図2(a)に示すように三角形であってもよく、図2(b)に示すように矩形であってもよく、図2(c)に示すように台形であってもよい。好ましくは三角形または矩形であり、より好ましくは三角形である。
上記のようにして樹脂層の外面側から溝を設けた後、上記積層体を上記溝に沿って割断し、小片化された積層体(可撓性フィルム)を得る。より具体的には、例えば、上記溝が設けられた部分を凸点として、上記積層体を屈曲させることにより、該積層体を割断する。薄ガラスの端部にのみ微小な(例えば、長さ3mm程度の)切り込みを入れた後に、積層体を割断してもよい。このようにすれば、切り込みがきっかけとなり、容易に積層体を割断することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、厚みは、アンリツ社製のデジタルマイクロメーター「KC−351C」を用いて測定した。溝の幅およびズレは顕微鏡(OLYMPUS社製、商品名「MX61L」)で観察して測定した。溝の深さは、溝を設けた部分を割断した上で、割断面をSEM(日立製作所社製、商品名「S−3000N」)で観察して測定した。
[実施例1]
PETフィルム(東レ社製、商品名「ルミラーT60」、厚み:25μm)に、接着剤(ダイセル化学工業社製のエポキシ樹脂系接着剤、商品名「セロキサイド2021P」100重量部と、東亜合成社製の商品名「OXT221」10重量部と、アデカ社製の商品名「SP−170」3重量部と、メチルエチルケトン100重量部との混合液)を塗布し乾燥させ、接着層(厚み:5μm)を形成した。PET(樹脂層)/接着層フィルムをカップリング剤(信越化学工業社製、商品名「KBM−403」)により両面がカップリング処理された薄ガラス(厚み:30μm)の両面に貼り付け、UV光(1000mJ/cm以上)により接着層を硬化させた。
このようにして得られた積層体の両面の樹脂層に、NTカッター(登録商標)を用いて、溝を設けた。溝の幅は、1mm以下であり、両面の溝の深さ方向に延びる中心線のズレは0.5mm以下であった。溝の深さは25μmとし、該溝は接着層にまで達していた。
その後、上記溝に沿って、積層体を割断し、可撓性フィルムを得た。可撓性フィルムの割断面は平滑であり、また、薄ガラスにクラックは生じなかった。
[実施例2]
厚み30μmの薄ガラスに代えて、厚み50μmの薄ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にして、可撓性フィルムを得た。可撓性フィルムの割断面は平滑であり、また、薄ガラスにクラックは生じなかった。
[実施例3]
厚み30μmの薄ガラスに代えて、厚み100μmの薄ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にして、可撓性フィルムを得た。可撓性フィルムの割断面は平滑であり、また、薄ガラスにクラックは生じなかった。
[実施例4]
(樹脂溶液の調整)
攪拌装置を備えた反応容器中、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール7.65重量部、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール12.35重量部、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.444重量部、p−ターシャリーブチルフェノール0.022重量部を1M水酸化ナトリウム溶液185重量部に溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド14.4重量部をクロロホルム246重量部に溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温で120分間攪拌した。その後、重合溶液を静置分離してポリマーを含んだクロロホルム溶液を分離し、ついで酢酸水で洗浄し、イオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過し、減圧下で乾燥することで、白色のポリマーを得た。得られたポリマー10重量部をシクロペンタノン90重量部に溶かした10重量%の樹脂溶液aを調製した。
(接着剤の調製)
末端水酸基変性されたポリエーテルサルホン(住友化学社製、商品名「スミカエクセル 5003P」)10重量部をシクロペンタノン90重量部に加熱して溶かし、10重量%の溶液を得た。得られた溶液に、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成社製、商品名「アロンオキセタン OXT−221」)0.6重量部、1、2−ジメチルイミダゾール0.4重量部、およびエポキシ末端カップリング剤(信越化学工業社製、商品名「KBM403」)2.5重量部を添加し、接着剤bを得た。
(薄ガラス)
薄ガラス(厚み:50μm)の片面表面をメチルエチルケトンで洗浄後、コロナ処理を行い、エポキシカップリング剤(信越化学工業社製、商品名「KBM403」)2%水溶液を塗布し、100℃で10分間乾燥させた。同様の処理を薄ガラスのもう一方の面についても行った。
(積層体の製造)
その後、上記樹脂溶液aを、溶剤透過性を有するPET(東レ株式会社製、商品名「ルミラー」、厚み:75μm)基材上に塗布し、90℃で8分間溶剤を揮発させて塗布層を形成させた。
上記のように処理した薄ガラスと上記PET基材上に形成された塗布層との間に上記接着剤bを供給しながら、薄ガラスと塗布層とを貼り合わせた。このような操作を薄ガラスの両面に行って、積層体(PET基材/塗布層/接着剤/薄ガラス/接着剤/塗布層/PET基材)を得た。
得られた積層体に、90℃で4分間、130℃で4分間、150℃で4分間の熱処理を行った。
その後、両面のPET基材を剥離して、さらに150℃で12分間の熱処理を行い、総厚み115μmの積層体(樹脂層(30μm)/接着層(2.5μm)/薄ガラス(50μm)/接着層(2.5μm)/樹脂層(30μm))を得た。
(積層体の割断)
このようにして得られた積層体の両面の樹脂層に、NTカッター(登録商標)を用いて、溝を設けた。溝の幅は、1mm以下であり、両面の溝の深さ方向に延びる中心線のズレは0.5mm以下であった。溝の深さは30μmとし、該溝は接着層にまで達していた。
その後、上記溝に沿って、積層体を割断し、可撓性フィルムを得た。可撓性フィルムの割断面は平滑であり、また、薄ガラスにクラックは生じなかった。
[実施例5]
実施例4と同様にして積層体を製造した。
得られた積層体の両面の樹脂層に、UVレーザー(COHERENT社製、商品名「Talisker」)を用いてレーザー光(波長:355nm)を照射して、溝を設けた。レーザー光の照射条件は、出力4W、周波数200kHz、移動速度200mm/秒、照射回数5往復とした。溝の幅は、1mm以下であり、両面の溝の深さ方向に延びる中心線のズレは0mmであった。溝の深さは32.5μmとし、該溝はガラス層表面にまで達していた。
その後、上記溝に沿って、積層体を割断し、可撓性フィルムを得た。可撓性フィルムの割断面は平滑であり、また、薄ガラスにクラックは生じなかった。
[実施例6]
PET(樹脂層)/接着層フィルムを薄ガラスの片面に積層した以外は、実施例1と同様にして可撓性フィルムを得た。可撓性フィルムの割断面は平滑であり、また、薄ガラスにクラックは生じなかった。
なお、溝の幅は、1mm以下であった。溝の深さは25μmとし、該溝は接着層にまで達していた。
その後、上記溝に沿って、積層体を割断し、可撓性フィルムを得た。可撓性フィルムの割断面は平滑であり、また、薄ガラスにクラックは生じなかった。
[比較例1]
厚み30μmの薄ガラスに代えて、厚み50μmの薄ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にして、積層体を得た。
得られた積層体には溝を設けず、該積層体を、ハサミにより完全に分断して、可撓性フィルムを得た。
得られた可撓性フィルムの分断面近傍において、薄ガラスに長さ1mm程度のクラックが生じた。
[比較例2]
実施例4と同様にして積層体を得た。
得られた積層体には溝を設けず、該積層体に、COレーザー(COMNET社製)を用いてレーザー光(波長:10600nm、)を照射し完全に分断して、可撓性フィルムを得た。レーザー光の照射条件は、出力30W、移動速度200mm/秒、照射回数10往復とした。
得られた可撓性フィルムは、分断面において樹脂層が焦げ付き、平滑な分断面を形成していなかった。
[比較例3]
厚み30μmの薄ガラスに代えて、厚み200μmの薄ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にして、積層体を得た。
得られた積層体の両面の樹脂層に、NTカッター(登録商標)を用いて、溝を設けた。溝の幅は、1mm以下であり、両面の溝の深さ方向に延びる中心線のズレは1mmであった。溝の深さは25μmとし、該溝は接着層にまで達していた。
その後、積層体を割断したが、溝に沿って割断することができず、薄ガラスに割れが生じた。
実施例1〜6から明らかなように、本発明によれば、割断面が平滑で、かつ、薄ガラスにクラック等の破損を抑制して、積層体を割断することができる。
本発明の製造方法により得られる積層体は、表示素子、太陽電池または照明素子に用いられ得る。表示素子としては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等が挙げられる。照明素子としては、例えば、有機EL素子等が挙げられる。
10 薄ガラス
11、11’ 樹脂層
12、12’ 接着層
100、101 積層体

Claims (2)

  1. 厚さが100μm以下の薄ガラスと、該薄ガラスの片側または両側に配置された樹脂層とを備える積層体を割断することを含む、可撓性フィルムの製造方法であって、
    該樹脂層の外面側から溝を設ける工程と、
    該溝に沿って該積層体を割断する工程とを含み、
    該薄ガラスには、溝を設けず、
    該溝の樹脂層外面における幅が、0.01mm〜5mmであり、
    該溝の断面視形状が三角形または台形であり、
    該積層体において、該薄ガラスの厚みに対する該樹脂層の総厚の比が、0.3〜4である、
    可撓性フィルムの製造方法。
  2. 前記溝が、刃物またはレーザー光を用いて形成される、請求項1に記載の可撓性フィルムの製造方法。
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