JP6355241B2 - 仕切弁用弁体 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に記載された仕切弁では、弁体の流路に直交する平面に沿って弁体の両側端に連なるV字状またはU字状の第1装着溝と、第1装着溝の上端部に連なる環状の第2装着溝を形成し、これら第1装着溝に合致する第1パッキンと第2装着溝に合致する第2パッキンとを一体にしたゴムパッキンを装着している。閉弁時にはゴムパッキンが弁箱の内壁面に押しつけられて閉弁状態を保つようにしている。さらに、ゴムパッキンを接着剤で第1装着溝と第2装着溝に固着してもよいとしている。
また、特許文献2に記載された仕切弁では、流路に弁体を位置させた際に水流でゴムパッキンが外れやすく、接着剤によってゴムパッキンを仕切弁に固定すれば固着性能が向上するが、ゴムパッキンから接着剤がはみ出さないように塗布することは困難であり、はみ出ると接着剤が上水に流出する不具合が生じる。
本発明によれば、弁本体にシール部材が一体に取り付けられて弁体を構成し、弁箱の流路を弁体が閉弁した状態で弁箱弁座を弁体の第一ライニング層と第二ライニング層でシールすることで流路をシールでき、しかもシール部材の第一ライニング層及び第二ライニング層は拡径突部が弁本体の拡径凹部に嵌合しているため流路の流体によって外れることがなく、しかもシール部材が流体中に溶出することを抑制し、シール部材は弁本体の一次面と二次面を貫通していないため、流体の漏出を防止できる。
弁箱の流路を流れる流体の抵抗の大きい箇所には大径突部を嵌合させ、流体の抵抗の小さい箇所には小径突部を嵌合させることで、シール部材の第一ライニング層と第二ライニング層が弁本体から離脱することを効率的に防止できる。
金型等を用いてシール部材として第一ライニング層と第二ライニング層を一体に形成できるため効率的な製造が行える。
図1は本発明の実施形態による弁体7を備えた仕切弁1を示すものである。図1に示す仕切弁1はソフトシール仕切弁であり、前後の配管に流路2が連結される弁箱3と、弁箱3の上部に開口部4を介して連設された弁体収容部5とを備えている。そして、仕切弁1は、開口部4を介して弁体収容部5と弁箱3との間で弁箱3の中心軸線に対して直交する上下方向に移動可能な弁体7と、弁体7に連結されていて回転することで弁体7を上下動可能に支持する弁棒8と、弁体収容部5の上部に設けていて弁棒8を回転操作する操作部9とを備えている。
図2〜図5に示すように、弁体7は、正面視で略楕円形板状に形成された金属製の弁本体15と、弁本体15の上部に形成されていて内部に雌ねじ部材12が収納されたコマ収容部11と、弁本体15の表面にゴムライニングされたシール部材16とを備えている。
弁本体15は、対向する一次面15a及び二次面15bと、弁箱3の流路2の弁箱弁座の形状に沿って円弧状に形成された底面15cとを有している。また、弁本体15の一次面15a及び二次面15bの間の上部側には、コマ収容部11の両側に所定幅を有する略円弧状の側面15dが形成されている。そして、弁本体15の両側面15dには弁箱3の内側面に形成された上下方向の案内溝(図示せず)に摺動可能に嵌合して上下動をガイドする案内レール17が形成されている。
なお、弁本体15において一次面15aに対向する二次面15bも同一形状を有しており、同様に上部側周縁凹溝21と大径凹部22とが形成されている。
そして、図8に示すように、図6の弁本体15のA−A線断面では、案内レール17,17間の肉厚形状が、中央孔19の周囲の肉厚部と一次面15a及び二次面15bにおける上部側周縁凹溝21に形成した大径凹部22間の肉厚部とを有している。
また、第二ライニング層28は底部凹溝24の円形凹溝24aと直線凹溝24bに嵌合する帯状の基層として円形基層29と直線基層30とを有している。円形基層29には小径の軸部29aと拡径した小径球体29bが突出形成され、直線基層30には比較的小径の軸部30aと拡径した大径球体30bが突出形成されている。小径球体29bと大径球体30bは、円形凹溝24aの小径凹部25と大径凹部22に嵌合する。
なお、第一ライニング層27の大径球体27cと第二ライニング層28の大径球体30bは同一径の球体としたが異なる径であってもよい。
そのため、本実施形態による弁体7は、弁本体15の対向する一次面15a及び二次面15bの上側に形成した上部側周縁凹溝21にシール部材16の第一ライニング層27を嵌合させ、底面15cの底部凹溝24に第二ライニング層28を嵌合させて一体化した。これら第一及び第二ライニング層27,28以外の部分は非ライニング面とされている。
図13において、予め金属で製作した弁本体15のコマ収容部11の上面を除いて、一次面15aと二次面15b、そして底面15cを覆うように例えば鋳物製の第一金型32と第二金型33を装着する。この状態で一次面15aと二次面15bに形成された上部側周縁凹溝21と底部凹溝24の領域に凹部空間34、35が形成されている。
その後、第一及び第二金型32,33を加熱することにより、各金型32、33内のゴムが弁本体15に加硫接着する。その後、各金型32、33を開いて弁体7を取り出すことができる。
また、第二ライニング層28は弁本体15の底部凹溝24に所定間隔で形成した円形凹溝24aの小径凹部25に小径球体29bが嵌合し、直線凹溝24bの大径凹部22に大径球体30bが嵌合しているため、流体によって弁本体15から離脱するおそれがなく堅固に保持される。特に第二ライニング層28は弁本体15の底面15cに形成されているため流体による抵抗が小さく、小径球体29bだけを設けても第二ライニング層28が離脱することはない。
また、弁本体15の上部側周縁凹溝21及び底部凹溝24に形成した拡径凹部について大径凹部22及び小径凹部25とし、シール部材16に形成した拡径突部について大径球体27c、30b及び小径球体29bとしたが、これらは球体形状に限定されるものではなく、直方体や立方体や多角柱等、適宜の形状の拡径凹部と拡径突部を採用できる。
この変形例を具体的に示すと、図14において、第一ライニング層27に設けた拡径突部として、複数の軸部27bからそれぞれ突出して拡径された複数の大径球体27cに代えて、互いに連結された例えば帯状の連結拡径部37を設けてもよい。この場合、弁本体15の上部側周縁凹溝21にも大径凹部22に代えて溶融したゴムを充填して連結拡径部37を形成可能な帯状の拡径凹部を形成するものとする。
このようなシール部材16であれば、第一ライニング層27または/及び第二ライニング層28の各軸部27b、29aに接続した連結拡径部37は、弁本体15の連続して形成した拡径凹部に嵌合することで一層の連結強度を備えることができるため、シール部材16が弁本体15から離脱することを一層確実に防止できる。
また、本発明は実施形態として内ねじ式の仕切弁を採用したが、これに代えて外ねじ式の仕切弁にも採用できる。
2 流路
3 弁箱
4 開口
7 弁体
8 弁棒
15 弁本体
16 シール部材
19 中央孔
21 上部側周縁凹溝
22 大径凹部
22b、25b 球状凹部
24 底部凹溝
25 小径凹部
27 第一ライニング層
28 第二ライニング層
27a、28a 基層
27c、30b 大径球体
29 円形基層
29b 小径球体
30 直線基層
37 連結拡径部
Claims (3)
- 弁箱の流路に対して交差する方向に昇降して前記流路を開閉する仕切弁用弁体において、
前記弁体は弁本体とシール部材とで形成され、
前記弁本体の上部周縁部に形成された上部側周縁凹溝と、
前記弁本体の底部に形成された底部凹溝と、
前記上部側周縁凹溝と底部凹溝にそれぞれ設けられていて奥部に形成された拡径凹部と、
前記上部側周縁凹溝に嵌合する第一ライニング層と、前記底部凹溝に嵌合する第二ライニング層と、前記第一ライニング層及び第二ライニング層に形成されていて前記拡径凹部に嵌合する拡径突部とからなるシール部材とを備え、
前記拡径突部は、前記第一ライニング層または/及び第二ライニング層に連結された軸部と、該軸部より拡径された球体部とを備えたことを特徴とする仕切弁用弁体。 - 弁箱の流路に対して交差する方向に昇降して前記流路を開閉する仕切弁用弁体において、
前記弁体は弁本体とシール部材とで形成され、
前記弁本体の上部周縁部に形成された上部側周縁凹溝と、
前記弁本体の底部に形成された底部凹溝と、
前記上部側周縁凹溝と底部凹溝にそれぞれ設けられていて奥部に形成された拡径凹部と、
前記上部側周縁凹溝に嵌合する第一ライニング層と、前記底部凹溝に嵌合する第二ライニング層と、前記第一ライニング層及び第二ライニング層に形成されていて前記拡径凹部に嵌合する拡径突部とからなるシール部材とを備え、
前記拡径突部は、大径突部と該大径突部より小径の小径突部とを備え、前記第一ライニング層には前記大径突部を形成し、前記第二ライニング層には前記小径突部を形成したことを特徴とする仕切弁用弁体。 - 前記第一ライニング層と第二ライニング層は一体に形成されている請求項1または2に記載された仕切弁用弁体。
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