JP6354146B2 - 太陽電池用封止材 - Google Patents
太陽電池用封止材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6354146B2 JP6354146B2 JP2013257661A JP2013257661A JP6354146B2 JP 6354146 B2 JP6354146 B2 JP 6354146B2 JP 2013257661 A JP2013257661 A JP 2013257661A JP 2013257661 A JP2013257661 A JP 2013257661A JP 6354146 B2 JP6354146 B2 JP 6354146B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solar cell
- silane
- resin
- sealing material
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
Landscapes
- Sealing Material Composition (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Photovoltaic Devices (AREA)
Description
太陽電池モジュールにおいては上記各層間の高い密着性が要求される。封止材とガラスやフィルム等の上下保護材との密着性はもちろんのこと、他に封止材と太陽電池素子の表面に配置される電極との密着性や、薄膜型太陽電池においてはアルミニウム蒸着膜や銀蒸着膜等の金属薄膜、インジウムスズ酸化物や酸化亜鉛等の透明金属酸化物薄膜が素子に形成されるため、これら薄膜との密着性も要求される。
一方、封止材には、上記各部材との密着性の他に、太陽電池素子を保護するための強度、高温高湿等の過酷な環境に耐えるための耐熱性、耐湿性も要求される。これらの要求を満たす材料として、エチレン−酢酸ビニルアルコール共重合体樹脂(EVA樹脂)が最も一般的に使用されている。
そこで、EVA樹脂の代わりに、ポリエチレン等のポリオレフィンを使用した太陽電池用封止材が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載されたポリオレフィンを使用した封止材は、太陽電池素子を保護するための強度、高温高湿等の過酷な環境に耐えるための耐熱性、耐湿性も備える優れた封止材である。
さらなる改善が求められている。
ュール用封止材として要求される物性を有するとともに、ガラスや金属膜との高い密着性を有するポリオレフィン系の太陽電池モジュール用封止材を提供することにある。
(1)ポリエチレン系樹脂、シラン変性樹脂並びにメトキシ基、エトキシ基及びエポキシ基を有するシリコーンオリゴマーを含有する太陽電池用封止材、
(2)前記シラン変性樹脂が、シラン変性ポリエチレン系樹脂である(1)または(2)に記載の太陽電池用封止シート、及び
(3)上記(1)または(2)に記載の封止材を有する太陽電池モジュール。
本発明の封止材は、ポリエチレン系樹脂、シラン変性樹脂並びにメトキシ基、エトキシ基及びエポキシ基を有するシリコーンオリゴマーを含有する。
本発明に用いるポリエチレン系樹脂としては、具体的には、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、または直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。より具体的には、密度が0.850〜0.920g/cm3のポリエチレン系樹脂が好ましく、特には、密度が0.860〜0.890g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。また、密度が異なるポリエチレン系樹脂を組み合わせて用いてもかまわない。
該エチレン−α−オレフィンランダム共重合体は、α−オレフィン以外の単量体に基づく単量体単位を含有していてもよい。該単量体としては、例えば、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物(スチレンなど)、ポリエン化合物等が挙げられる。該単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体中の全単量体単位を100モル%とした場合、20モル%以下であり、15モル%以下であることがより好ましい。また、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体の立体構造、分岐、分岐度分布や分子量分布は、特に限定されるものではないが、例えば、長鎖分岐を有する共重合体は、一般に機械特性が良好であり、また、シートを成形する際の溶融張力(メルトテンション)が高くなりカレンダー成形性が向上するなどの利点がある。シングルサイト触媒を用いて重合された分子量分布の狭い共重合体は、低分子量成分が少なく原料ペレットのブロッキングが比較的起こり難いなどの利点がある。
本発明に用いるポリエチレン系樹脂は、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量が0〜70J/gであることが好ましい。より好ましくは、5〜70J/g、更に好ましくは、10〜65J/gである。該範囲内であれば、本発明の太陽電池封止材の柔軟性や透明性(全光線透過率)などが確保される為好ましい。また、結晶融解熱量が5J/g以上であれば、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難い為好ましい。
当該結晶融解熱量は、示差走査熱量計を用いて、JIS K7122に準じて加熱速度10℃/分で測定することができる。
本発明に用いるポリエチレン系樹脂の平均屈折率は、通常1.4800〜1.5000であり、中でも1.4810〜1.4990であることが好ましく、特に1.4820〜1.4980であることが好ましい。ポリエチレン系樹脂の組成比等を適宜調整することによって、平均屈折率をかかる好適な範囲とすることができる。当該平均屈折率は、JIS K7142に準拠して、温度23℃においてナトリウムD線(589nm)を光源として測定することができる。
上記ポリエチレン系樹脂は、1種であってもよいが2種以上の組み合わせであってもよい。封止材のポリエチレン樹脂の含有量は50〜85質量%が好ましい。含有量が50質量%未満だと成形性が悪くなる恐れがあり、85質量%を超えると接着性が悪くなる恐れがある。
本発明に用いるポリエチレン系樹脂の具体例としては、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「エンゲージ(Engage)」、「アフィニティー(Affinity)」、「インフューズ(Infuse)」、三井化学(株)製の商品名「タフマーA(TAFMER A)」、「タフマーP(TAFMER P)」、日本ポリエチレン(株)製の商品名「カーネル(Karnel)」等を例示することができる。
<シラン変性樹脂>
本発明に用いるシラン変性樹脂としては、シラン変性ポリエチレン系樹脂、シラン変性ポリプロピレン系樹脂、シラン変性エチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられるが、特にシラン変性ポリエチレン系樹脂が耐候性に優れるため好ましい。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、通常、ポリエチレン系樹脂と後述するビニルシラン化合物、及び後述するラジカル発生剤を高温(160℃〜220℃程度)で溶融混合し、グラフト重合することにより得ることができる。封止材のシラン変性樹脂の含有量は5〜20質量%が好ましい。含有量が5質量%未満だと接着性に劣る恐れがあり、20質量%を超えると成形性が悪くなる恐れがある。
前記シラン変性ポリエチレン系樹脂を得るために用いられるポリエチレン系樹脂は、前記に好適なポリエチレン系樹脂として例示したものと同様の組成や密度、MFR、結晶融解熱量、及び平均屈折率を有するものを用いることが好ましい。
また、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量は0〜70J/gであることが好ましい。より好ましくは、5〜70J/g、更に好ましくは、10〜65J/gである。平均屈折率は、通常1.4800〜1.5000であり、中でも1.4810〜1.4990であることが好ましく、特に1.4820〜1.4980であることが好ましい。
更に、ポリエチレン系樹脂がエチレン−α−オレフィンランダム共重合体である場合には、エチレンと共重合するα−オレフィンの含有量としては、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体中の全単量体単位に対して、通常、2モル%以上、好ましくは40モル%以下、より好ましくは3〜30モル%、更に好ましくは5〜25モル%である。α−オレフィンの含有量が前記の範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されるため透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難いため好ましい。
ビニルシラン化合物としては、前記ポリエチレン系樹脂とグラフト重合するものであれば特に限定されるものではないが、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、および、ビニルトリカルボキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種類のものを用いることができる。本発明においては、反応性、接着性や色調などの観点からビニルトリメトキシシランが好適に用いられる。
また、該ビニルシラン化合物の添加量は、特に限定されるものではないが、用いるポリエチレン系樹脂100質量部に対し、通常、0.01〜10.0質量部程度であり、0.3〜8.0質量部添加することがより好ましく、1.0〜5.0質量部添加することが更に好ましい。
ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−パーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、または、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。
また、該ラジカル発生剤の添加量は、特に限定されるものではないが、用いるポリエチレン系樹脂100質量部に対し、通常、0.01〜5.0質量部程度であり、0.02〜1.0質量部添加することがより好ましく、0.03〜0.5質量部添加することが更に好ましい。更に、該ラジカル発生剤の残存量は、本発明の太陽電池用多層体を構成する各樹脂層中に0.001質量%以下であり、ゲル分率が30%以下であることが好ましい。
本発明に用いるシラン変性ポリエチレン系樹脂や封止材中に含まれる他の樹脂中には、シラノール間の縮合反応を促進するシラノール縮合触媒を実質的に含有していないことが好ましい。該シラノール縮合触媒の具体例としては、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウテート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウテートなどが挙げられる。ここで、実質的に含有していないとは、樹脂100質量部に対して、0.05質量部以下、好ましくは0.03質量部以下である。
ここで、シラノール縮合触媒を実質的に含有していないことが好ましい理由は、本発明においては、シラノール架橋反応を積極的に進行させず、用いるポリエチレン系樹脂にグラフトされたシラノール基などの極性基と被着体(ガラス、各種プラスチックシート(コロナ処理などの表面処理を適宜施し、濡れ指数が50mN/m以上のものが好適に用いられる)、金属など)との水素結合や共有結合などの相互作用により接着性を発現させることを目的としている為である。
本発明に用いるシラン変性ポリエチレン系樹脂は、前述の通り、通常は前記ポリエチレン系樹脂をビニルシラン化合物及びラジカル発生剤を高温(160℃〜220℃程度)で溶融混合し、グラフト重合させて得られるものである。よって、本発明に用いるシラン変性ポリエチレン系樹脂の密度、及びMFRの好適な範囲については、前記ポリエチレン系樹脂の密度、及びMFRの好適な範囲と同様となる。
本発明に用いるシラン変性ポリエチレン系樹脂は、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量が0〜70J/gであることが好ましい。より好ましくは、5〜70J/g、更に好ましくは、10〜65J/gである。該範囲内であれば、本発明の太陽電池封止材の柔軟性や透明性(全光線透過率)などが確保される為好ましい。また、結晶融解熱量が5J/g以上であれば、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難い為好ましい。
本発明に用いるシラン変性ポリエチレン系樹脂の平均屈折率は、通常1.4800〜1.5000であり、中でも1.4810〜1.4990であることが好ましく、特に1.4820〜1.4980であることが好ましい。シラン変性ポリエチレン系樹脂を得る際に用いるポリエチレン系樹脂の平均屈折率を前記の範囲とすることによって、シラン変性ポリエチレン系樹脂の平均屈折率をかかる好適な範囲とすることができる。
このとき、前記ポリエチレン系樹脂及び前記シラン変性ポリエチレン系樹脂の各々の平均屈折率の差の絶対値が0.0100以下であることによって、本発明の太陽電池封止材が、ヘーズが小さく、特に透明性に優れたものとなるため好ましい。上記平均屈折率の差の絶対値は、より好ましくは0.0080以下、特に好ましくは0.0060以下である。
<メトキシ基、エトキシ基及びエポキシ基を有するシリコーンオリゴマー>
本発明で用いるメトキシ基、エトキシ基及びエポキシ基を有するシリコーンオリゴマーは単独で使用しても、封止材に金属膜との高い密着性を与えるが、上記シラン変性樹脂との併用により、封止材と金属膜との密着性を更に高める。
金属との密着性を向上させる材料の中で、該シリコーンオリゴマーを使用することで、上記シラン変性樹脂と混合してもゲル化等の問題が生じず、太陽電池用の封止材として好適な物性を維持しつつ、ガラス等との高い密着性と金属膜との高い密着性を両立させることができる。
なお、シリコーンオリゴマーとは、有機ケイ素化合物が2個以上縮合して−Si−O−Si−構造を形成し、無機物と反応する加水分解基であるアルコキシ基、及び有機官能基の両方を有する平均重合度が2から100程度の重合体である。
本発明で用いるメトキシ基、エトキシ基及びエポキシ基を有するシリコーンオリゴマーは、有機官能基として、更に、例えば、アミノ基、メタクリロキシ基等を有していてもよい。
該シリコーンオリゴマーは、封止材中に質量割合で1000〜100000ppm程度含まれていれば、金属等との密着性を充分に向上させることができる。
本発明の封止材には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤等の成分が例示される。これらの添加剤を含むことにより、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び酸化防止剤の含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ封止材中0.001〜5質量%であることが好ましい。
更に、本発明の封止材に用いられる他の成分としては上記以外に、核剤、架橋剤、分散剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、難燃剤等を挙げることができる。
次に、本発明の封止材について説明する。本発明の封止材は、上記の材料を含む封止材組成物を、従来公知の方法で成型加工して得られるものであり、好ましくはシート状としたものである。なお、本発明におけるシートとはフィルムも含む意味であり両者に差はない。
上記封止材組成物のシート化は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、すなわち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により行われる。こうして、上記封止材組成物をシート化することにより、本発明の太陽電池用封止材が得られる。
シート化された封止シートは単層でなくてもよい。封止シートの金属膜との密着性、ガラス等との密着性を向上させるためには、金属膜やガラス等との界面付近にシリコーンオリゴマーやシラン変性樹脂が存在すればよい。シリコーンオリゴマーやシラン変性樹脂を上記界面付近に偏って存在させることにより、高価なシリコンオリゴマー等の使用量を抑えることができ、より低コストで本発明の封止シートを製造することができる。特に、後述する薄膜型太陽電池モジュールの場合には、封止シートの電極と接する面は、透明前面基板とも接する構造になっているため、シランカップリング剤及び/又はシリコーンオリゴマーやシラン変性樹脂を電極側に偏らせて存在させることの効果が大きい。
本発明の太陽電池用封止材を用いた太陽電池モジュールの一例としては、薄膜型太陽電池モジュールが例示できる。一般的な薄膜型太陽電池モジュールは、入射光の受光面側から、ガラスやフィルム等の透明前面基板上に薄膜積層される太陽電池素子と、バックシートとも呼ばれる裏面保護層が、裏面封止層を介して積層されている。太陽電池素子は、透明基板側から順に、透明表面電極と、光電変換層と、金属膜からなる裏面電極とが順次配置される構成を含む3層以上の積層構造を有する。すなわち、裏面封止層の表面側は、透明前面基板と密着すると同時に、太陽電池素子の裏面電極とも密着している。
太陽電池モジュールは、例えば、上記の各層を形成する部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
本発明の封止材によって、ガラス及び金属膜等の密着向上の両立を図った結果、マトリックス樹脂を疎水性のオレフィン樹脂にしたままで、ガラスはもちろんのこと、上記のような金属膜からなる裏面電極と封止材との密着性も向上させたることが可能になった。その結果、モジュール端面の封止材と裏面電極との間からの水分進入を極限まで抑えることができ、このため、水分の存在による裏面電極の劣化が長期に渡り抑えられる。
<封止シートの評価>
実施例及び比較例の封止シートについて、ガラス密着強度及び電解銅箔、透明電極との密着強度を測定し、結果を表1に示した。なお、測定方法は以下に示す通りである。
幅150mm、長さ150mmの封止シートを太陽電池モジュール製造用の真空ラミネーターにて、幅150mm、長さ150mm、厚み3mmのガラス板と150℃で、15分間圧着し、JIS Z1707に従い15mm幅での剥離強度(単位:N/15mm幅)を測定した。
幅150mm、長さ150mm、厚み3mmのガラス、幅126mm、長さ126mm、厚み30μmの電解銅箔、幅150mm、長さ150mmの封止シートの順に積層して、真空ラミネーターにて、150℃で、15分間圧着し、積層体を製造した。そして、この積層体を温度85℃度湿度85%の恒温恒湿槽に 7日間保存後、取り出し、電解銅箔と封止シートとの密着強度を評価した。密着強度は上記ガラス密着強度と同様の方法で測定した。
幅150mm、長さ150mm、厚み3mmのガラスに酸化亜鉛を蒸着し、酸化亜鉛蒸層(透明電極層)を有するガラスを作成した。次に該透明電極層側に幅150mm、長さ150mmの封止シートを積層して、真空ラミネーターにて、150℃で、15分間圧着し、積層体(ガラス/透明電極層/封止シート)を製造した。そして、この積層体を温度85℃湿度85%の恒温恒湿槽に7日間保存後、取り出し、透明電極層と封止シートとの密着強度を評価した。密着強度は上記ガラス密着強度と同様の方法で測定した。
シリコーンオリゴマー1:メトキシ基、エトキシ基及びエポキシ基含有シリコーンオリゴマー(商品名「X―41−1053」、信越化学工業株式会社製)
シリコーンオリゴマー2:メトキシ、エトキシ基及びメルカプト基含有シリコーンオリゴマー(商品名「X―41−1805」、信越化学工業株式会社製)
<シランカップリング剤>
トリアジン系のシランカップリング剤(商品名「KBM−9659」、信越化学工業株式会社製)
上記のシリコーンオリゴマー及びシランカップリング剤は、以下の方法でマスターバッチ化した。
ポリエチレン系樹脂として、エチレン−オクテンランダム共重合体(ダウ・ケミカル(株)製、商品名:エンゲージ8200、MFR:5)を95質量部とシラン変性樹脂として、シラン変性ポリエチレン系樹脂(三菱化学(株)製、商品名:リンクロンXLE815N、MFR:0.5)を5質量部とマスターバッチ(A)を5質量部の割合で混合した樹脂組成物をTダイを備えた40mmφ単軸押出機を用いて設定温度200℃で溶融混練し、20℃のキャストロールとの間にキャストし急冷製膜することによりエンボスが付与された厚みが0.5mmのシート状の封止材(以下、単にシートと略する)を得た。得られたシートを用いて、評価した結果を表1に示す。
比較例1
ポリエチレン系樹脂として、エチレン−オクテンランダム共重合体(ダウ・ケミカル(株)製、商品名:エンゲージ8200、MFR:5)を100質量部とマスターバッチ(A)を5質量部の割合で混合した樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様に封止シートを作製した。
ポリエチレン系樹脂として、エチレン−オクテンランダム共重合体(ダウ・ケミカル(株)製、商品名:エンゲージ8200、MFR:5)を95質量部とシラン変性樹脂として、シラン変性ポリエチレン系樹脂(三菱化学(株)製、商品名:リンクロンXLE815N、MFR:0.5)を5質量部の割合で混合した樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様に封止シートを作製した。
比較例3
実施例1において、マスターバッチ(A)をマスターバッチ(B)に変更したこと以外は実施例1と同様に封止シートを作製した。
比較例4
実施例1において、マスターバッチ(A)をマスターバッチ(C)に変更したこと以外は実施例1と同様に封止シートを作製した。
Claims (3)
- ポリエチレン系樹脂50〜95質量%、シラン変性樹脂5〜20質量%並びにメトキシ基、エトキシ基及びエポキシ基を有するシリコーンオリゴマーを0.1〜10質量%含有する太陽電池用封止材。
- 前記シラン変性樹脂が、シラン変性ポリエチレン系樹脂である請求項1に記載の太陽電池用封止材。
- 請求項1または2に記載の封止材を有する太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013257661A JP6354146B2 (ja) | 2013-12-13 | 2013-12-13 | 太陽電池用封止材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013257661A JP6354146B2 (ja) | 2013-12-13 | 2013-12-13 | 太陽電池用封止材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015115513A JP2015115513A (ja) | 2015-06-22 |
JP6354146B2 true JP6354146B2 (ja) | 2018-07-11 |
Family
ID=53529037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013257661A Active JP6354146B2 (ja) | 2013-12-13 | 2013-12-13 | 太陽電池用封止材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6354146B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2017134784A1 (ja) * | 2016-02-03 | 2018-04-12 | 三菱電機株式会社 | 太陽電池モジュール及びその製造方法 |
CN108807579B (zh) * | 2018-06-08 | 2020-01-21 | 汉能新材料科技有限公司 | 薄膜封装方法和器件、薄膜封装系统、太阳能电池 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011187822A (ja) * | 2010-03-10 | 2011-09-22 | Dainippon Printing Co Ltd | 太陽電池モジュール用充填材組成物、太陽電池モジュール用充填材及び太陽電池モジュール |
EP2644652A4 (en) * | 2010-11-26 | 2015-06-03 | Lg Chemical Ltd | IMPACTS COMPOSITION AND PHOTOVOLTAIC MODULE |
JP6036047B2 (ja) * | 2011-09-16 | 2016-11-30 | 大日本印刷株式会社 | 易接着性裏面保護シート及びそれを用いた太陽電池モジュール |
JP2013165264A (ja) * | 2012-01-13 | 2013-08-22 | Mitsubishi Plastics Inc | 外観が良好な太陽電池モジュール及びその製造方法 |
-
2013
- 2013-12-13 JP JP2013257661A patent/JP6354146B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015115513A (ja) | 2015-06-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10566480B2 (en) | Sealing material for solar cell modules, and manufacturing method thereof | |
JP5276167B2 (ja) | ガラス/ポリオレフィンフィルム積層構造を作製する方法 | |
JP6078967B2 (ja) | 太陽電池モジュール用封止材シート | |
WO2012029464A1 (ja) | 太陽電池封止材及びそれを用いて作製された太陽電池モジュール | |
JP5589498B2 (ja) | 太陽電池モジュール用充填材組成物及び太陽電池モジュール用充填材 | |
KR101925422B1 (ko) | 열가소성 폴리올레핀 코폴리머 라미네이션 필름, 라미네이트 구조물 및 그의 제조방법 | |
WO2011162324A1 (ja) | 太陽電池封止材用樹脂組成物、及びそれを用いた太陽電池封止材と太陽電池モジュール | |
JP2011153286A (ja) | 太陽電池封止材用樹脂組成物 | |
JP2012195561A (ja) | 太陽電池モジュール用封止材シート | |
JP5759875B2 (ja) | 太陽電池封止材及びそれを用いて作製された太陽電池モジュール | |
JP2011187822A (ja) | 太陽電池モジュール用充填材組成物、太陽電池モジュール用充填材及び太陽電池モジュール | |
JP2010226052A (ja) | 太陽電池モジュール | |
JP6354146B2 (ja) | 太陽電池用封止材 | |
JP6255694B2 (ja) | 太陽電池モジュール用の封止材 | |
JP5862084B2 (ja) | 太陽電池封止材用樹脂組成物、及び太陽電池封止材、並びにそれを用いた太陽電池モジュール | |
JP2012233079A (ja) | 太陽電池モジュール用封止材組成物及びそれを用いた封止材 | |
JP6003481B2 (ja) | 封止材シート及びその製造方法 | |
JP5720181B2 (ja) | 太陽電池モジュール用充填材 | |
JP6427871B2 (ja) | 太陽電池モジュール | |
TW201903113A (zh) | 用於密封劑膜之具有磷酸三烯丙酯的非極性乙烯類組合物 | |
JP6197531B2 (ja) | 封止材組成物及びそれを用いた太陽電池モジュール用封止材シート | |
JP2010226045A (ja) | 樹脂封止シート及びそれを用いた太陽電池モジュール | |
KR102358370B1 (ko) | 실란-그래프트된 폴리올레핀을 포함하는 다층 어셈블리 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20160407 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20160408 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161027 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170823 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170905 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171106 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180109 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180302 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180327 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180405 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180515 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180528 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6354146 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |