JP6352271B2 - 高効率ビデオコーディングに基づくスケーラブルコーディングのための動きフィールドアップサンプリング - Google Patents

高効率ビデオコーディングに基づくスケーラブルコーディングのための動きフィールドアップサンプリング Download PDF

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Description

本開示は、ビデオコーディングおよび圧縮、高効率ビデオコーディング(HEVC:high efficiency video coding)に基づくスケーラブルコーディング、ならびにHEVCに基づくマルチビューおよび3DVコーディングの分野に関する。
[0002]デジタルビデオ機能は、デジタルテレビジョン、デジタルダイレクトブロードキャストシステム、ワイヤレスブロードキャストシステム、携帯情報端末(PDA)、ラップトップまたはデスクトップコンピュータ、デジタルカメラ、デジタル記録デバイス、デジタルメディアプレーヤ、ビデオゲームデバイス、ビデオゲームコンソール、セルラー電話または衛星無線電話、ビデオ遠隔会議デバイスなどを含む、広範囲にわたるデバイスに組み込まれ得る。デジタルビデオデバイスは、MPEG−2、MPEG−4、ITU−T H.263、ITU−T H.264/MPEG−4,Part10,アドバンストビデオコーディング(AVC:Advanced Video Coding)、現在開発中の高効率ビデオコーディング(HEVC)規格によって定義された規格、およびそのような規格の拡張に記載されているビデオ圧縮技法など、ビデオ圧縮技法を実装する。ビデオデバイスは、そのようなビデオコーディング技法を実装することによって、デジタルビデオ情報をより効率的に送信、受信、符号化、復号、および/または記憶し得る。
[0003]ビデオ圧縮技法は、ビデオシーケンスに固有の冗長性を低減または除去するために空間的(イントラピクチャ)予測および/または時間的(インターピクチャ)予測を実行する。ブロックベースのビデオコーディングの場合、ビデオスライス(たとえば、ビデオフレーム、ビデオフレームの一部分など)が、ツリーブロック、コーディングユニット(CU:coding unit)および/またはコーディングノードと呼ばれることもあるビデオブロックに区分され得る。ピクチャのイントラコード化(I)スライス中のビデオブロックは、同じピクチャ中の隣接ブロック内の参照サンプルに対する空間的予測を使用して符号化される。ピクチャのインターコード化(PまたはB)スライス中のビデオブロックは、同じピクチャ中の隣接ブロック中の参照サンプルに対する空間的予測、または他の参照ピクチャ中の参照サンプルに対する時間的予測を使用し得る。ピクチャはフレームと呼ばれることがあり、参照ピクチャは参照フレームと呼ばれることがある。
[0004]空間的予測または時間的予測は、コーディングされるべきブロックの予測ブロックを生じる。残差データは、コーディングされるべき元のブロックと予測ブロックとの間のピクセル差分を表す。インターコード化ブロックは、予測ブロックを形成する参照サンプルのブロックを指す動きベクトルと、コード化ブロックと予測ブロックとの間の差分を示す残差データとに従って符号化される。イントラコード化ブロックは、イントラコーディングモードと残差データとに従って符号化される。さらなる圧縮のために、残差データは、ピクセル領域から変換領域に変換されて、残差変換係数が得られ得、その残差変換係数は、次いで量子化され得る。量子化変換係数は、最初は2次元アレイで構成され、変換係数の1次元ベクトルを生成するために走査され得、なお一層の圧縮を達成するために、エントロピー符号化が適用され得る。
[0005]スケーラブルビデオコーディング(SVC:scalable video coding)は、参照レイヤ(RL:reference layer)と呼ばれることがあるベースレイヤ(BL:base layer)と、1つまたは複数のスケーラブルエンハンスメントレイヤ(EL:enhancement layer)とが使用されるビデオコーディングを指す。SVCの場合、ベースレイヤは、ベースレベルの品質でビデオデータを搬送することができる。1つまたは複数のエンハンスメントレイヤは、より高い空間レベル、時間レベル、および/または信号対雑音SNRレベルをサポートするために追加のビデオデータを搬送することができる。エンハンスメントレイヤは、前に符号化されたレイヤに対して定義され得る。
[0006]たとえば、最下位レイヤはBLとして働き得、最上位レイヤはELとして働き得る。中間レイヤは、ELまたはRLのいずれか、あるいはその両方として働き得る。たとえば、中間にあるレイヤは、ベースレイヤまたは介在エンハンスメントレイヤ(intervening enhancement layer)など、それの下のレイヤのためのELであり、同時に、それの上の1つまたは複数のエンハンスメントレイヤのためのRLとして働き得る。
[0007]HEVC拡張では、ベースレイヤ中の対応するブロックを使用して、エンハンスメントレイヤ中の現在ブロックが予測され得る。たとえば、現在ブロックのシンタックス要素、動き情報(たとえば動きベクトル)またはモード情報(たとえばイントラモード)は、ベースレイヤ中の対応するブロックに基づき得る。たとえば、ベースレイヤ中のピクチャの動きベクトルは、現在ブロックの動きベクトルを予測するために使用され得る。
[0008]しかしながら、ベースレイヤとエンハンスメントレイヤは異なる解像度を有することができる。2つのレイヤが異なる空間解像度を有するとき、ある情報(たとえばベースレイヤの動きフィールド)は、HEVCコーディングユニットレベル設計によって容易にアクセス可能でないことがある。2つのレイヤが異なる空間解像度を有するときにスケーラブルビデオコーディングにおけるレイヤ間動き予測を可能にすることによって、本開示で説明する技法は、HEVCのブロックレベルモジュールの著しい変更なしにコーディング効率を改善し得る。
[0009]本開示のシステム、方法およびデバイスは、それぞれいくつかの発明的態様を有し、それらのうちの単一の態様が、本明細書で開示する望ましい属性を単独で担当するとは限らない。
[0010]一実施形態では、ビデオ情報をコーディングするように構成された装置は、メモリユニットと、メモリユニットと通信しているプロセッサとを含む。メモリユニットは、第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を記憶するように構成され、ここにおいて、第1の空間解像度は第2の空間解像度よりも小さい。ビデオ情報は、少なくとも、第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含む。プロセッサは、第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報をアップサンプリングするように構成される。プロセッサは、さらに、第1のレイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連するアップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを参照ピクチャリストに追加する。プロセッサは、レイヤ間参照ピクチャのアップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて第2のレイヤの少なくとも一部分を予測するようにさらに構成され得る。一実施形態では、ビデオエンコーダまたはデコーダは、時間動きベクトル予測(TMVP:temporal motion vector prediction)のために使用されるべきコロケートピクチャ(co-located picture)としてレイヤ間参照ピクチャの一部分を使用し得る。一実施形態では、動きフィールド情報のアップサンプリングは、コーディングツリーと、コーディングユニットと、予測ユニットと、モードと、イントラモードと、インターモードと、イントラ予測モードとのうちの少なくとも1つをアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連付けることを備え得る。
[0011]一実施形態では、動きフィールドアップサンプリングは、第1のレイヤのレイヤ間参照ピクチャ中の各4×4ブロックについて別個に実行され、各々が参照インデックスに関連付けられた、最高2つのベクトルが導出される。別の実施形態では、動きフィールドアップサンプリングは、第1のレイヤのレイヤ間参照ピクチャ中の各16×16ブロックについて別個に実行され、動きフィールド情報をアップサンプリングすることに関して、各々が参照インデックスに関連付けられた、最高2つの動きベクトルが導出される。
[0012]一実施形態では、第2のレイヤ中の各N×Nブロックについて、N×Nブロックの中心位置が、第1のレイヤ中のN×Nブロックに対応する一意の位置にマッピングされ、第2のレイヤ中のN×Nブロックの動きフィールド情報が、第1のレイヤ中のN×Nブロックに関連付けられたアップサンプリングされた動きフィールド情報から導出される。一実施形態では、Nは少なくとも16であり得る。一実施形態では、第2のレイヤ中の各N×Nブロックは、レイヤ間参照ピクチャ中の特定のコロケートN×Nブロックを有し、特定のN×Nブロックは、動きフィールド情報が特定のN×Nブロックのためにそこからアップサンプリングされる、第1のレイヤ中のコロケートブロックを有する。一実施形態では、第1のレイヤの動きフィールド情報は、HEVC動き圧縮に基づいてすでに圧縮されている。一実施形態では、中心位置をもつピクセルサンプルは、最初に、第2のレイヤ中で(たとえばエンハンスメントレイヤ中の現在ブロックのために)決定され、次いで、第1のレイヤ中の対応する位置(たとえばレイヤ間、ビュー間または参照ピクチャ)にマッピングされる。別の実施形態では、中心位置をもつピクセルサンプルは、最初に、第1のレイヤ中の対応するブロックのために決定され、次いで、第2のレイヤにマッピングされる。
[0013]一実施形態では、第1のレイヤのすべてのN×Nブロックが、第1の空間解像度に対する第2の空間解像度の比に等しい比でアップサンプリングされる。動きフィールド情報が、アップサンプリングされ、アップサンプリングされたブロックを含んでいる仮想ピクチャに関連付けられた後、第2のレイヤ(たとえばエンハンスメントレイヤ)中の各N×Nブロックの中心位置は、ブロックを仮想ピクチャ中の対応するブロックにマッピングするために直接使用される。中心位置を含んでいる対応するアップサンプリングされたブロックの動き情報のフルセットは、第2のレイヤ中のN×Nブロックのために再利用される。別の実施形態では、第2のレイヤ中のN×Nブロックの任意の位置(たとえばコーナー)が、ブロックをベースレイヤピクチャまたはアップサンプリングされたピクチャにマッピングするために使用される。一実施形態では、N×Nブロックが、第1のレイヤからの複数のアップサンプリングされたブロックと整合されたとき、参照インデックス選択および動きベクトル選択がさらに適用され得る。
[0014]一実施形態では、第1のレイヤブロックの最初の予測モードがイントラである場合、第1のレイヤのアップサンプリングの後、第1のレイヤブロックのためにイントラモードが保たれ、イントラブロックのために動きフィールドがアップサンプリングされない。別の実施形態では、最初の第1のレイヤ予測モードにかかわらず、アップサンプリングの後、アップサンプル動きフィールド情報とともに各ブロックにインター予測モードが割り当てられる。別の実施形態では、隣接ブロックの予測モードは、動きフィールド情報と予測モード情報とをアップサンプリングされたブロックに割り当てる際に考慮される。たとえば、一実施形態では、第1のレイヤ中の特定ブロックがイントラブロックである場合でも、特定のブロックの大部分の隣接ブロックがインター予測モードを有する場合、特定のブロックのためにインター予測モードが割り当てられる。
[0015]別の実施形態では、ビデオ情報を符号化する方法は、第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を受信することと、ここにおいて、第1の空間解像度は第2の空間解像度よりも小さく、ビデオ情報は、少なくとも、第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含み;第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報をアップサンプリングすることと;ビットストリーム中の第2のレイヤに関連付けられた少なくとも1つのシンタックス要素をシグナリングすることと;を含む。本方法は、第1のレイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連するアップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを参照ピクチャリストに追加することをさらに含み得る。本方法はまた、レイヤ間参照ピクチャのアップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて第2のレイヤの少なくとも一部分を予測することを含み得る。
[0016]別の実施形態では、ビデオ情報を復号する方法は、符号化ビデオビットストリームから抽出されたシンタックス要素を受信することと、ここにおいて、シンタックス要素は、第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を備え、第1の空間解像度は第2の空間解像度よりも小さく、ビデオ情報は、少なくとも、第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含み;第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報をアップサンプリングすることと;を含む。本方法は、第1のレイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連するアップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを追加することをさらに含み得る。本方法はまた、レイヤ間参照ピクチャのアップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて第2のレイヤの少なくとも一部分を予測することを含み得る。
[0017]別の実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、実行されたとき、第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を記憶することと、ここにおいて、第1の空間解像度は第2の空間解像度よりも小さく、ビデオ情報は、少なくとも、第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含み;第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報をアップサンプリングすることと;を装置に行わせるコードを含む。本装置は、第1のレイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連するアップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを参照ピクチャリストに追加することをさらに行わせ得る。本装置は、レイヤ間参照ピクチャのアップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて第2のレイヤの少なくとも一部分を予測することをさらに行わせ得る。
[0018]別の実施形態では、ビデオ情報をコーディングするように構成されたビデオコーディングデバイスは、第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を記憶するための手段と、ここにおいて、第1の空間解像度は第2の空間解像度よりも小さく、ビデオ情報は、少なくとも、第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含み;第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報をアップサンプリングするための手段と;を含む。本デバイスは、第1のレイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連するアップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを参照ピクチャリストに追加するための手段をさらに備え得る。本デバイスは、レイヤ間参照ピクチャのアップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて第2のレイヤの少なくとも一部分を予測するための手段をさらに備え得る。
本開示で説明する態様による技法を利用し得るビデオ符号化および復号システムの一例を示すブロック図。 本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオエンコーダの一例を示すブロック図。 本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオデコーダの一例を示すブロック図。 時間優先(time-first)コーディングを示す例示的な図。 マルチビュービデオコーディング(MVC:Multiview Video Coding)時間的予測およびビュー間予測構造を示す例示的な図。 クリーンランダムアクセス(CRA:clean random access)ピクチャとリーディングピクチャとを示す例示的な図。 HEVC設計を使用したビュー間/レイヤ動き予測の一例を示す図。 動きフィールドアップサンプリングを示す一例を示す図。 ビデオ情報をコーディングするための方法を示すフローチャート。
[0028]本明細書で説明するいくつかの実施形態は、HEVC(高効率ビデオコーディング)など、アドバンストビデオコーデックのコンテキストにおけるスケーラブルビデオコーディングのためのレイヤ間予測に関する。より詳細には、本開示は、HEVCのスケーラブルビデオコーディング(SVC)拡張におけるレイヤ間予測の性能の改善のためのシステムおよび方法に関する。以下の説明では、いくつかの実施形態に関係するH.264/AVC技法について説明し、HEVC規格および関係する技法についても説明する。いくつかの実施形態について、HEVCおよび/またはH.264規格のコンテキストにおいて本明細書で説明するが、本明細書で開示するシステムおよび方法が任意の好適なビデオコーディング規格に適用可能であり得ることを、当業者は諒解されよう。たとえば、本明細書で開示する実施形態は、以下の規格、すなわち、ITU−T H.261、ISO/IEC MPEG−1 Visual、ITU−T H.262またはISO/IEC MPEG−2 Visual、ITU−T H.263、ISO/IEC MPEG−4 Visual、およびそれのスケーラブルビデオコーディング(SVC)拡張とマルチビュービデオコーディング(MVC)拡張とを含む、(ISO/IEC MPEG−4 AVCとしても知られる)ITU−T H.264のうちの1つまたは複数に適用可能であり得る。
[0029]単に説明の目的で、本明細書で開示するいくつかの実施形態について、ただ2つのレイヤ(たとえば、ベースレイヤなどの下位レベルレイヤ、およびエンハンスメントレイヤなどの上位レベルレイヤ)を含む例を用いて説明する。そのような例は、複数のベースレイヤおよび/またはエンハンスメントレイヤを含む構成に適用可能であり得ることを理解されたい。さらに、説明を簡単にするために、以下の開示は、いくつかの実施形態に関して「フレーム」または「ブロック」という用語を含む。ただし、これらの用語は限定的なものではない。たとえば、以下で説明する技法は、ブロック(たとえば、CU、PU、TU、マクロブロックなど)、スライス、フレームなど、任意の好適なビデオユニットとともに使用され得る。
[0030]HEVCは、概して、多くの点で、前のビデオコーディング規格のフレームワークに従う。HEVCにおける予測のユニットは、いくつかの前のビデオコーディング規格におけるユニット(たとえば、マクロブロック)とは異なる。事実上、マクロブロックの概念は、いくつかの前のビデオコーディング規格において理解されているように、HEVC中に存在しない。マクロブロックは、考えられる利益の中でも、高いフレキシビリティを与え得る、4分木方式に基づく階層構造と置き換えられ得る。たとえば、HEVC方式内で、3つのタイプのブロック、すなわち、コーディングユニット(CU:Coding Unit)、予測ユニット(PU:Prediction Unit)、および変換ユニット(TU:Transform Unit)が定義される。CUは領域分割の基本ユニットを指し得る。CUはマクロブロックの概念に類似すると見なされ得るが、それは、最大サイズを制限せず、コンテンツ適応性を改善するために4つの等しいサイズのCUへの再帰的分割を可能にし得る。PUはインター/イントラ予測の基本ユニットと見なされ得、それは、不規則な画像パターンを効果的にコーディングするために、単一のPU中に複数の任意の形状区分を含んでいることがある。TUは変換の基本ユニットと見なされ得る。それは、PUとは無関係に定義され得るが、それのサイズは、TUが属するCUに制限され得る。3つの異なる概念へのブロック構造のこの分離は、各々がそれの役割に従って最適化されることを可能にし得、それによりコーディング効率が改善され得る。

ビデオコーディング規格
[0031]ビデオ画像、TV画像、静止画像、あるいはビデオレコーダまたはコンピュータによって生成された画像など、デジタル画像は、水平ラインおよび垂直ラインで構成されたピクセルからなり得る。単一の画像中のピクセルの数は一般に数万個である。各ピクセルは、一般に、ルミナンス情報とクロミナンス情報とを含んでいる。圧縮なしに、画像エンコーダから画像デコーダに搬送されるべき情報の量は、リアルタイム画像送信を不可能にするほど非常に大きい。送信されるべき情報の量を低減するために、JPEG、MPEGおよびH.263規格など、いくつかの異なる圧縮方法が開発された。
[0032]ビデオコーディング規格は、ITU−T H.261、ISO/IEC MPEG−1 Visual、ITU−T H.262またはISO/IEC MPEG−2 Visual、ITU−T H.263、ISO/IEC MPEG−4 Visual、およびそれのスケーラブルビデオコーディング(SVC)拡張とマルチビュービデオコーディング(MVC)拡張とを含む、(ISO/IEC MPEG−4 AVCとしても知られる)ITU−T H.264を含み、そのすべての全体が参照により組み込まれる。
[0033]さらに、新しいビデオコーディング規格、すなわち、高効率ビデオコーディング(HEVC)が、ITU−Tビデオコーディングエキスパートグループ(VCEG:Video Coding Experts Group)とISO/IECモーションピクチャエキスパートグループ(MPEG:Motion Picture Experts Group)とのジョイントコラボレーションチームオンビデオコーディング(JCT−VC:Joint Collaboration Team on Video Coding)によって開発されている。HEVCの最近のドラフトは、2013年8月9日現在、http://phenix.it-sudparis.eu/jct/doc_end_user/documents/12_Geneva/wg11/JCTVC-L1003-v34.zipから利用可能であり、その全体が参照により組み込まれる。HEVCドラフト10についての完全引用は、文書JJCTVC−L1003、Brossら、「High Efficiency Video Coding (HEVC) Text Specification Draft 10」、ITU−T SG16 WP3およびISO/IEC JTC1/SC29/WG11のジョイントコラボレーティブチームオンビデオコーディング(JCT−VC:Joint Collaborative Team on Video Coding)、第12回会合:ジュネーブ、スイス、2013年1月14日〜2013年1月23日である。
[0034]添付の図面を参照しながら新規のシステム、装置、および方法の様々な態様について以下でより十分に説明する。ただし、本開示は、多くの異なる形態で実施され得、本開示全体にわたって提示する任意の特定の構造または機能に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が周到で完全になり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように与えられる。本明細書の教示に基づいて、本開示の範囲は、本発明の他の態様とは無関係に実装されるにせよ、本発明の他の態様と組み合わされるにせよ、本明細書で開示する新規のシステム、装置、および方法のいかなる態様をもカバーするものであることを、当業者なら諒解されたい。たとえば、本明細書に記載の態様をいくつ使用しても、装置は実装され得、または方法は実施され得る。さらに、本発明の範囲は、本明細書に記載の本発明の様々な態様に加えてまたはそれらの態様以外に、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実施されるそのような装置または方法をカバーするものとする。本明細書で開示する任意の態様が請求項の1つまたは複数の要素によって実施され得ることを理解されたい。
[0035]本明細書では特定の態様について説明するが、これらの態様の多くの変形および置換は本開示の範囲内に入る。好適な態様のいくつかの利益および利点について説明するが、本開示の範囲は特定の利益、使用、または目的に限定されるものではない。むしろ、本開示の態様は、様々なワイヤレス技術、システム構成、ネットワーク、および伝送プロトコルに広く適用可能であるものとし、それらのいくつかを例として、図および好適な態様についての以下の説明において示す。発明を実施するための形態および図面は、本開示を限定するものではなく説明するものにすぎず、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲およびそれの均等物によって定義される。
[0036]添付の図面は例を示している。添付の図面中の参照番号によって示される要素は、以下の説明における同様の参照番号によって示される要素に対応する。

ビデオコーディングシステム
[0037]図1は、本開示で説明する態様による技法を利用し得る例示的なビデオコーディングシステム10を示すブロック図である。本明細書で使用し説明する「ビデオコーダ」という用語は、総称的にビデオエンコーダとビデオデコーダの両方を指す。本開示では、「ビデオコーディング」または「コーディング」という用語は、ビデオ符号化とビデオ復号とを総称的に指すことがある。
[0038]図1に示されているように、ビデオコーディングシステム10は、ソースデバイス12と宛先デバイス14とを含む。ソースデバイス12は符号化ビデオデータを生成する。宛先デバイス14は、ソースデバイス12によって生成された符号化ビデオデータを復号し得る。ソースデバイス12および宛先デバイス14は、デスクトップコンピュータ、ノートブック(たとえば、ラップトップなど)コンピュータ、タブレットコンピュータ、セットトップボックス、いわゆる「スマート」フォン、いわゆる「スマート」パッドなどの電話ハンドセット、テレビジョン、カメラ、ディスプレイデバイス、デジタルメディアプレーヤ、ビデオゲームコンソール、車内コンピュータなどを含む、広範囲にわたるデバイスを備え得る。いくつかの例では、ソースデバイス12および宛先デバイス14は、ワイヤレス通信のために装備され得る。
[0039]宛先デバイス14は、チャネル16を介してソースデバイス12から符号化ビデオデータを受信し得る。チャネル16は、ソースデバイス12から宛先デバイス14に符号化ビデオデータを移動することが可能な任意のタイプの媒体またはデバイスを備え得る。一例では、チャネル16は、ソースデバイス12が符号化ビデオデータを宛先デバイス14にリアルタイムで直接送信することを可能にする通信媒体を備え得る。この例では、ソースデバイス12は、ワイヤレス通信プロトコルなどの通信規格に従って符号化ビデオデータを変調し得、変調されたビデオデータを宛先デバイス14に送信し得る。通信媒体は、無線周波数(RF)スペクトルまたは1つまたは複数の物理伝送線路など、ワイヤレス通信媒体またはワイヤード通信媒体を備え得る。通信媒体は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、またはインターネットなどのグローバルネットワークなど、パケットベースネットワークの一部を形成し得る。通信媒体は、ソースデバイス12から宛先デバイス14への通信を可能にするルータ、スイッチ、基地局、または他の機器を含み得る。
[0040]別の例では、チャネル16は、ソースデバイス12によって生成された符号化ビデオデータを記憶する記憶媒体に対応し得る。この例では、宛先デバイス14は、ディスクアクセスまたはカードアクセスを介して記憶媒体にアクセスし得る。記憶媒体は、Blu−ray(登録商標)ディスク、DVD、CD−ROM、フラッシュメモリ、または符号化ビデオデータを記憶するための他の適切なデジタル記憶媒体など、様々なローカルにアクセスされるデータ記憶媒体を含み得る。さらなる例では、チャネル16は、ソースデバイス12によって生成された符号化ビデオを記憶する、ファイルサーバまたは別の中間記憶デバイスを含み得る。この例では、宛先デバイス14は、ストリーミングまたはダウンロードを介して、ファイルサーバまたは他の中間ストレージデバイスに記憶された符号化ビデオデータにアクセスし得る。ファイルサーバは、符号化ビデオデータを記憶することと、符号化ビデオデータを宛先デバイス14に送信することとが可能なタイプのサーバであり得る。例示的なファイルサーバとしては、(たとえば、ウェブサイトなどのための)ウェブサーバ、FTPサーバ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイス、およびローカルディスクドライブがある。宛先デバイス14は、インターネット接続を含む、任意の標準のデータ接続を介して符号化ビデオデータにアクセスし得る。例示的なタイプのデータ接続としては、ファイルサーバに記憶された符号化ビデオデータにアクセスするのに好適である、ワイヤレスチャネル(たとえば、Wi−Fi(登録商標)接続など)、ワイヤード接続(たとえば、DSL、ケーブルモデムなど)、またはその両方の組合せがあり得る。ファイルサーバからの符号化ビデオデータの送信は、ストリーミング送信、ダウンロード送信、またはその両方の組合せであり得る。
[0041]本開示の技法はワイヤレス適用例または設定に限定されない。本技法は、オーバージエアテレビジョン放送、ケーブルテレビジョン送信、衛星テレビジョン送信、たとえばインターネットを介したストリーミングビデオ送信(たとえば、動的適応ストリーミングオーバーHTTP(DASH:dynamic adaptive streaming over HTTP)など)、データ記憶媒体に記憶するためのデジタルビデオの符号化、データ記憶媒体に記憶されたデジタルビデオの復号、または他の適用例など、様々なマルチメディア適用例のいずれかをサポートするビデオコーディングに適用され得る。いくつかの例では、ビデオコーディングシステム10は、ビデオストリーミング、ビデオ再生、ビデオブロードキャスティング、および/またはビデオテレフォニーなどの適用例をサポートするために、一方向または双方向のビデオ送信をサポートするように構成され得る。
[0042]図1の例では、ソースデバイス12は、ビデオソース18と、ビデオエンコーダ20と、出力インターフェース22とを含む。場合によっては、出力インターフェース22は変調器/復調器(モデム)および/または送信機を含み得る。ソースデバイス12において、ビデオソース18は、ビデオキャプチャデバイス、たとえば、ビデオカメラ、以前にキャプチャされたビデオデータを含んでいるビデオアーカイブ、ビデオコンテンツプロバイダからビデオデータを受信するためのビデオフィードインターフェース、および/またはビデオデータを生成するためのコンピュータグラフィックスシステムなどのソース、あるいはそのようなソースの組合せを含み得る。
[0043]ビデオエンコーダ20は、キャプチャされたビデオデータ、以前にキャプチャされたビデオデータ、またはコンピュータ生成されたビデオデータを符号化するように構成され得る。符号化ビデオデータは、ソースデバイス12の出力インターフェース22を介して宛先デバイス14に直接送信され得る。符号化ビデオデータはまた、復号および/または再生のための宛先デバイス14による後のアクセスのために記憶媒体またはファイルサーバ上に記憶され得る。
[0044]図1の例では、宛先デバイス14は、入力インターフェース28と、ビデオデコーダ30と、ディスプレイデバイス32とを含む。場合によっては、入力インターフェース28は受信機および/またはモデムを含み得る。宛先デバイス14の入力インターフェース28は、チャネル16を介して符号化ビデオデータを受信する。符号化ビデオデータは、ビデオデータを表す、ビデオエンコーダ20によって生成された様々なシンタックス要素を含み得る。シンタックス要素は、ブロックおよび他のコード化ユニット、たとえば、ピクチャグループ(GOP:group of pictures)の特性および/または処理を記述し得る。そのようなシンタックス要素は、通信媒体上で送信されるか、記憶媒体上に記憶されるか、またはファイルサーバ上に記憶される符号化ビデオデータとともに含まれ得る。
[0045]ディスプレイデバイス32は、宛先デバイス14と一体化され得るかまたはその外部にあり得る。いくつかの例では、宛先デバイス14は、一体型ディスプレイデバイスを含み得、また、外部ディスプレイデバイスとインターフェースするように構成され得る。他の例では、宛先デバイス14はディスプレイデバイスであり得る。概して、ディスプレイデバイス32は復号ビデオデータをユーザに表示する。ディスプレイデバイス32は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、または別のタイプのディスプレイデバイスなど、様々なディスプレイデバイスのいずれかを備え得る。
[0046]ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、現在開発中の高効率ビデオコーディング(HEVC)規格など、ビデオ圧縮規格に従って動作し得、HEVCテストモデル(HM)に準拠し得る。代替的に、ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、代替的にMPEG−4,Part10,アドバンストビデオコーディング(AVC)と呼ばれるITU−T H.264規格など、他のプロプライエタリ規格または業界規格、あるいはそのような規格の拡張に従って動作し得る。ただし、本開示の技法は、いかなる特定のコーディング規格にも限定されない。ビデオ圧縮規格の他の例としてはMPEG−2およびITU−T H.263がある。
[0047]図1の例には示されていないが、ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、それぞれオーディオエンコーダおよびデコーダと統合され得、適切なMUX−DEMUXユニット、または他のハードウェアおよびソフトウェアを含んで、共通のデータストリームまたは別個のデータストリーム中のオーディオとビデオの両方の符号化を処理し得る。適用可能な場合、いくつかの例では、MUX−DEMUXユニットは、ITU H.223マルチプレクサプロトコル、またはユーザデータグラムプロトコル(UDP:user datagram protocol)などの他のプロトコルに準拠し得る。
[0048]この場合も、図1は一例にすぎず、本開示の技法は、符号化デバイスと復号デバイスとの間のデータ通信を必ずしも含むとは限らないビデオコーディング設定(たとえば、ビデオ符号化またはビデオ復号)に適用され得る。他の例では、データがローカルメモリから取り出されること、ネットワークを介してストリーミングされることなどが行われ得る。符号化デバイスは、データを符号化し、メモリに記憶し得、および/または、復号デバイスは、メモリからデータを取り出し、復号し得る。多くの例では、符号化および復号は、互いに通信しないが、メモリにデータを符号化し、および/またはメモリからデータを取り出して復号するだけであるデバイスによって実行される。
[0049]ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30はそれぞれ、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリート論理、ハードウェアなど、様々な好適な回路のいずれか、あるいはそれらの任意の組合せとして実装され得る。本技法が部分的にソフトウェアで実装されるとき、デバイスは、好適な非一時的コンピュータ可読記憶媒体にソフトウェアの命令を記憶し得、1つまたは複数のプロセッサを使用してその命令をハードウェアで実行して、本開示の技法を実行し得る。ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30の各々は1つまたは複数のエンコーダまたはデコーダ中に含まれ得、そのいずれも、それぞれのデバイスにおいて複合エンコーダ/デコーダ(コーデック)の一部として統合され得る。ビデオエンコーダ20および/またはビデオデコーダ30を含むデバイスは、集積回路、マイクロプロセッサ、および/またはセルラー電話などのワイヤレス通信デバイスを備え得る。
[0050]上記で手短に述べたように、ビデオエンコーダ20はビデオデータを符号化する。ビデオデータは1つまたは複数のピクチャを備え得る。ピクチャの各々は、ビデオの一部を形成する静止画像である。いくつかの事例では、ピクチャはビデオ「フレーム」と呼ばれることがある。ビデオエンコーダ20がビデオデータを符号化するとき、ビデオエンコーダ20はビットストリームを生成し得る。ビットストリームは、ビデオデータのコード化表現を形成するビットのシーケンスを含み得る。ビットストリームはコード化ピクチャと関連データとを含み得る。コード化ピクチャはピクチャのコード化表現である。
[0051]ビットストリームを生成するために、ビデオエンコーダ20は、ビデオデータ中の各ピクチャに対して符号化オペレーションを実行し得る。ビデオエンコーダ20がピクチャに対して符号化オペレーションを実行するとき、ビデオエンコーダ20は、一連のコード化ピクチャと関連データとを生成し得る。関連データは、シーケンスパラメータセットと、ピクチャパラメータセットと、適応パラメータセットと、他のシンタックス構造とを含み得る。シーケンスパラメータセット(SPS:sequence parameter set)は、ピクチャの0個以上のシーケンスに適用可能なパラメータを含んでいることがある。ピクチャパラメータセット(PPS:picture parameter set)は、0個以上のピクチャに適用可能なパラメータを含んでいることがある。適応パラメータセット(APS:adaptation parameter set)は、0個以上のピクチャに適用可能なパラメータを含んでいることがある。APS中のパラメータは、PPS中のパラメータよりも変化する可能性が高いパラメータであり得る。
[0052]コード化ピクチャを生成するために、ビデオエンコーダ20は、ピクチャを等しいサイズのビデオブロックに区分し得る。ビデオブロックはサンプルの2次元アレイであり得る。ビデオブロックの各々はツリーブロックに関連付けられる。いくつかの事例では、ツリーブロックは、最大コーディングユニット(LCU:largest coding unit)と呼ばれることがある。HEVCのツリーブロックは、H.264/AVCなど、以前の規格のマクロブロックに広い意味で類似し得る。しかしながら、ツリーブロックは、必ずしも特定のサイズに限定されるとは限らず、1つまたは複数のコーディングユニット(CU)を含み得る。ビデオエンコーダ20は、4分木区分(quadtree partitioning)を使用して、ツリーブロックのビデオブロックを、CUに関連付けられたビデオブロックに区分し得、したがって「ツリーブロック」という名前がある。
[0053]いくつかの例では、ビデオエンコーダ20はピクチャを複数のスライスに区分し得る。スライスの各々は整数個のCUを含み得る。いくつかの事例では、スライスは整数個のツリーブロックを備える。他の事例では、スライスの境界はツリーブロック内にあり得る。
[0054]ピクチャに対して符号化オペレーションを実行することの一部として、ビデオエンコーダ20は、ピクチャの各スライスに対して符号化オペレーションを実行し得る。ビデオエンコーダ20がスライスに対して符号化オペレーションを実行するとき、ビデオエンコーダ20は、スライスに関連付けられた符号化データを生成し得る。スライスに関連付けられた符号化データは「コード化スライス」と呼ばれることがある。
[0055]コード化スライスを生成するために、ビデオエンコーダ20は、スライス中の各ツリーブロックに対して符号化オペレーションを実行し得る。ビデオエンコーダ20がツリーブロックに対して符号化オペレーションを実行するとき、ビデオエンコーダ20はコード化ツリーブロックを生成し得る。コード化ツリーブロックは、ツリーブロックの符号化バージョンを表すデータを備え得る。
[0056]ビデオエンコーダ20がコード化スライスを生成するとき、ビデオエンコーダ20は、ラスタ走査順序に従って、スライス中のツリーブロックに対して符号化オペレーションを実行し得る(すなわち、そのツリーブロックを符号化し得る)。言い換えれば、ビデオエンコーダ20は、スライス中のツリーブロックの一番上の行にわたって左から右に進み、次いでツリーブロックの次の下の行にわたって左から右に進み、以下同様に進む、順序で、ビデオエンコーダ20がスライス中のツリーブロックの各々を符号化するまで、スライスのツリーブロックを符号化し得る。
[0057]ラスタ走査順序に従ってツリーブロックを符号化した結果として、所与のツリーブロックの上および左のツリーブロックは符号化されていることがあるが、所与のツリーブロックの下および右のツリーブロックはまだ符号化されていない。したがって、ビデオエンコーダ20は、所与のツリーブロックを符号化するとき、所与のツリーブロックの上および左のツリーブロックを符号化することによって生成された情報にアクセスすることが可能であり得る。しかしながら、ビデオエンコーダ20は、所与のツリーブロックを符号化するとき、所与のツリーブロックの下および右のツリーブロックを符号化することによって生成された情報にアクセスすることができないことがある。
[0058]コード化ツリーブロックを生成するために、ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックのビデオブロックに対して4分木区分を再帰的に実行して、ビデオブロックを徐々により小さいビデオブロックに分割し得る。より小さいビデオブロックの各々は異なるCUに関連付けられ得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックのビデオブロックを4つの等しいサイズのサブブロックに区分し、サブブロックのうちの1つまたは複数を、4つの等しいサイズのサブサブブロックに区分し得、以下同様である。1つの区分されたCUは、それのビデオブロックが、他のCUに関連付けられたビデオブロックに区分された、CUであり得る。1つの区分されていないCUは、それのビデオブロックが、他のCUに関連付けられたビデオブロックに区分されていない、CUであり得る。
[0059]ビットストリーム中の1つまたは複数のシンタックス要素は、ビデオエンコーダ20がツリーブロックのビデオブロックを区分し得る最大の回数を示し得る。CUのビデオブロックは形状が正方形であり得る。CUのビデオブロックのサイズ(すなわち、CUのサイズ)は、8×8ピクセルから、最大64×64以上のピクセルをもつツリーブロックのビデオブロックのサイズ(すなわち、ツリーブロックのサイズ)までに及び得る。
[0060]ビデオエンコーダ20は、z走査順序に従って、ツリーブロックの各CUに対して符号化オペレーションを実行し得る(すなわち、各CUを符号化し得る)。言い換えれば、ビデオエンコーダ20は、左上のCU、右上のCU、左下のCU、次いで右下のCUを、その順序で符号化し得る。ビデオエンコーダ20が、1つの区分されたCUに対して符号化オペレーションを実行するとき、ビデオエンコーダ20は、z走査順序に従って、当該区分されたCUのビデオブロックのサブブロックに関連付けられたCUを符号化し得る。言い換えれば、ビデオエンコーダ20は、左上のサブブロックに関連付けられたCU、右上のサブブロックに関連付けられたCU、左下のサブブロックに関連付けられたCU、次いで右下のサブブロックに関連付けられたCUを、その順序で符号化し得る。
[0061]z走査順序に従ってツリーブロックのCUを符号化した結果として、所与のCUの上、左上、右上、左、および左下のCUは符号化されていることがある。所与のCUの下および右のCUはまだ符号化されていない。したがって、ビデオエンコーダ20は、所与のCUを符号化するとき、所与のCUに隣接するいくつかのCUを符号化することによって生成された情報にアクセスすることが可能であり得る。しかしながら、ビデオエンコーダ20は、所与のCUを符号化するとき、所与のCUに隣接する他のCUを符号化することによって生成された情報にアクセスすることができないことがある。
[0062]ビデオエンコーダ20が、区分されていないCUを符号化するとき、ビデオエンコーダ20は、CUのために1つまたは複数の予測ユニット(PU)を生成し得る。CUの複数のPUの各々は、当該CUのビデオブロック内の異なるビデオブロックに関連付けられ得る。ビデオエンコーダ20は、CUの各PUのための予測ビデオブロックを生成し得る。PUの予測ビデオブロックはサンプルのブロックであり得る。ビデオエンコーダ20は、イントラ予測またはインター予測を使用して、PUのための予測ビデオブロックを生成し得る。
[0063]ビデオエンコーダ20がイントラ予測を使用してPUの予測ビデオブロックを生成するとき、ビデオエンコーダ20は、PUに関連付けられたピクチャの復号サンプルに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。ビデオエンコーダ20がイントラ予測を使用してCUのPUの予測ビデオブロックを生成する場合、CUはイントラ予測されたCUである。ビデオエンコーダ20がインター予測を使用してPUの予測ビデオブロックを生成するとき、ビデオエンコーダ20は、PUに関連付けられたピクチャ以外の1つまたは複数のピクチャの復号サンプルに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。ビデオエンコーダ20がインター予測を使用してCUのPUの予測ビデオブロックを生成する場合、CUはインター予測されたCUである。
[0064]さらに、ビデオエンコーダ20がインター予測を使用してPUのための予測ビデオブロックを生成するとき、ビデオエンコーダ20はPUの動き情報を生成し得る。PUの動き情報は、PUの1つまたは複数の参照ブロックを示し得る。PUの各参照ブロックは参照ピクチャ内のビデオブロックであり得る。参照ピクチャはPUに関連付けられたピクチャ以外のピクチャであり得る。いくつかの事例では、PUの参照ブロックはPUの「参照サンプル」と呼ばれることもある。ビデオエンコーダ20は、PUの参照ブロックに基づいて、PUのための予測ビデオブロックを生成し得る。
[0065]ビデオエンコーダ20がCUの1つまたは複数のPUのための予測ビデオブロックを生成した後、ビデオエンコーダ20は、CUのPUのための予測ビデオブロックに基づいて、CUの残差データを生成し得る。CUの残差データは、CUのPUのための予測ビデオブロック中のサンプルと、CUの元のビデオブロック中のサンプルとの間の差を示し得る。
[0066]さらに、1つの区分されていないCUに対して符号化オペレーションを実行することの一部として、ビデオエンコーダ20は、当該CUの残差データに対して再帰的な4分木区分を実行して、当該CUの残差データを、当該CUの複数の変換ユニット(TU)に関連付けられた残差データの1つまたは複数のブロック(すなわち、残差ビデオブロック)に区分し得る。CUの各TUは異なる残差ビデオブロックに関連付けられ得る。
[0067]ビデオエンコーダ20は、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに1つまたは複数の変換を適用して、TUに関連付けられた変換係数ブロック(すなわち、変換係数のブロック)を生成し得る。概念的に、変換係数ブロックは変換係数の2次元(2D)行列であり得る。
[0068]変換係数ブロックを生成した後、ビデオエンコーダ20は、変換係数ブロックに対して量子化プロセスを実行し得る。量子化は、概して、変換係数を表すために使用されるデータの量をできるだけ低減するために変換係数が量子化され、さらなる圧縮を実現する処理を指す。量子化プロセスは、変換係数の一部または全部に関連付けられたビット深度を低減し得る。たとえば、量子化中にnビットの変換係数がmビットの変換係数に切り捨てられることがあり、ここで、nはmよりも大きい。
[0069]ビデオエンコーダ20は、各CUを量子化パラメータ(QP:quantization parameter)値に関連付け得る。CUに関連付けられたQP値は、ビデオエンコーダ20が、CUに関連付けられた変換係数ブロックをどのように量子化するかを決定し得る。ビデオエンコーダ20は、CUに関連付けられたQP値を調整することによって、CUに関連付けられた変換係数ブロックに適用される量子化の程度を調整し得る。
[0070]ビデオエンコーダ20が変換係数ブロックを量子化した後、ビデオエンコーダ20は、量子化された変換係数ブロック中で変換係数を表すシンタックス要素のセットを生成し得る。ビデオエンコーダ20は、これらのシンタックス要素のうちのいくつかに、コンテキスト適応型バイナリ算術コーディング(CABAC:Context Adaptive Binary Arithmetic Coding)オペレーションなどのエントロピー符号化オペレーションを適用し得る。コンテンツ適応型可変長コーディング(CAVLC:content adaptive variable length coding)、確率間隔区分エントロピー(PIPE:probability interval partitioning entropy)コーディング、または他のバイナリ算術コーディングなど、他のエントロピーコーディング技法も使用され得る。
[0071]ビデオエンコーダ20によって生成されるビットストリームは、一連のネットワークアブストラクションレイヤ(NAL:Network Abstraction Layer)ユニットを含み得る。NALユニットの各々は、NALユニット中のデータのタイプの指示と、データを含んでいるバイトとを含んでいるシンタックス構造であり得る。たとえば、NALユニットは、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、コード化スライス、補足エンハンスメント情報(SEI:supplemental enhancement information)、アクセスユニット区切り文字、フィラーデータ、または別のタイプのデータを表すデータを含み得る。NALユニット中のデータは様々なシンタックス構造を含み得る。
[0072]ビデオデコーダ30は、ビデオエンコーダ20によって生成されたビットストリームを受信し得る。ビットストリームは、ビデオエンコーダ20によって符号化されたビデオデータのコード化表現を含み得る。ビデオデコーダ30がビットストリームを受信するとき、ビデオデコーダ30は、ビットストリームに対してパースオペレーションを実行し得る。ビデオデコーダ30がパースオペレーションを実行するとき、ビデオデコーダ30は、ビットストリームからシンタックス要素を抽出し得る。ビデオデコーダ30は、ビットストリームから抽出されたシンタックス要素に基づいて、ビデオデータのピクチャを再構成し得る。シンタックス要素に基づいてビデオデータを再構成するためのプロセスは、一般に、シンタックス要素を生成するためにビデオエンコーダ20によって実行されるプロセスとは逆であり得る。
[0073]ビデオデコーダ30が1つのCUに関連付けられたシンタックス要素を抽出した後、ビデオデコーダ30は、シンタックス要素に基づいて、当該CUの複数のPUのための予測ビデオブロックを生成し得る。さらに、ビデオデコーダ30は、当該CUの複数のTUに関連付けられた変換係数ブロックを逆量子化し得る。ビデオデコーダ30は、変換係数ブロックに対して逆変換を実行して、当該CUの複数のTUに関連付けられた残差ビデオブロックを再構成し得る。予測ビデオブロックを生成し、残差ビデオブロックを再構成した後、ビデオデコーダ30は、予測ビデオブロックと残差ビデオブロックとに基づいて、CUのビデオブロックを再構成し得る。このようにして、ビデオデコーダ30は、ビットストリーム中のシンタックス要素に基づいて、CUのビデオブロックを再構成し得る。

ビデオエンコーダ
[0074]図2は、本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオエンコーダの一例を示すブロック図である。ビデオエンコーダ20は、本開示の技法のいずれかまたはすべてを実行するように構成され得る。一例として、インター予測モジュール121およびアップサンプリングモジュール130は、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実行するように構成され得る。ただし、本開示の態様はそのように限定されない。いくつかの例では、本開示で説明する技法は、ビデオエンコーダ20の様々な構成要素間で共有され得る。いくつかの例では、追加としてまたは代わりに、プロセッサ(図示せず)が、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実行するように構成され得る。
[0075]説明の目的で、本開示では、HEVCコーディングのコンテキストにおいてビデオエンコーダ20について説明する。しかしながら、本開示の技法は、他のコーディング規格または方法にも適用可能であり得る。
[0076]ビデオエンコーダ20は、ビデオスライス内のビデオブロックのイントラコーディングおよびインターコーディングを実行し得る。イントラコーディングは、所与のビデオフレームまたはピクチャ内のビデオの空間的冗長性を低減または除去するために空間的予測に依拠する。インターコーディングは、ビデオシーケンスの隣接フレームまたはピクチャ内のビデオの時間的冗長性を低減または除去するために時間的予測に依拠する。イントラ(I)モードは、いくつかの空間ベースのコーディングモードのいずれかを指し得る。単方向予測(Pモード)または双予測(Bモード)などのインターモードは、いくつかの時間ベースのコーディングモードのいずれかを指し得る。
[0077]図2の例では、ビデオエンコーダ20は複数の機能構成要素を含む。ビデオエンコーダ20の機能構成要素は、予測モジュール100と、残差生成モジュール102と、変換モジュール104と、量子化モジュール106と、逆量子化モジュール108と、逆変換モジュール110と、再構成モジュール112と、フィルタモジュール113と、復号ピクチャバッファ114と、エントロピー符号化モジュール116とを含む。予測モジュール100は、インター予測モジュール121と、動き推定モジュール122と、動き補償モジュール124と、イントラ予測モジュール126と、アップサンプリングモジュール130とを含む。他の例では、ビデオエンコーダ20は、より多数の、より少数の、または異なる機能構成要素を含み得る。さらに、動き推定モジュール122と動き補償モジュール124は、高度に統合され得るが、図2の例では、説明の目的で別々に表されている。
[0078]ビデオエンコーダ20はビデオデータを受信し得る。ビデオエンコーダ20は、様々なソースからビデオデータを受信し得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、ビデオソース18(図1)または別のソースからビデオデータを受信し得る。ビデオデータは一連のピクチャを表し得る。ビデオデータを符号化するために、ビデオエンコーダ20は、ピクチャの各々に対して符号化オペレーションを実行し得る。ピクチャに対して符号化オペレーションを実行することの一部として、ビデオエンコーダ20は、ピクチャの各スライスに対して符号化オペレーションを実行し得る。スライスに対して符号化オペレーションを実行することの一部として、ビデオエンコーダ20は、スライス中のツリーブロックに対して符号化オペレーションを実行し得る。
[0079]ツリーブロックに対して符号化オペレーションを実行することの一部として、予測モジュール100は、ツリーブロックのビデオブロックに対して4分木区分を実行して、ビデオブロックを徐々により小さいビデオブロックに分割し得る。より小さいビデオブロックの各々は異なるCUに関連付けられ得る。たとえば、予測モジュール100は、ツリーブロックのビデオブロックを4つの等しいサイズのサブブロックに区分し、サブブロックのうちの1つまたは複数を、4つの等しいサイズのサブサブブロックに区分し得、以下同様である。
[0080]CUに関連付けられたビデオブロックのサイズは、8×8サンプルから、最大64×64以上のサンプルをもつツリーブロックのサイズまでに及び得る。本開示では、「N×N(NxN)」および「N×N(N by N)」は、垂直寸法および水平寸法に関するビデオブロックのサンプル寸法、たとえば、16×16(16x16)サンプルまたは16×16(16 by 16)サンプルを指すために互換的に使用され得る。概して、16×16ビデオブロックは、垂直方向に16個のサンプルを有し(y=16)、水平方向に16個のサンプルを有する(x=16)。同様に、N×Nブロックは、概して、垂直方向にN個のサンプルを有し、水平方向にN個のサンプルを有し、ここで、Nは非負整数値を表す。
[0081]さらに、ツリーブロックに対して符号化オペレーションを実行することの一部として、予測モジュール100は、ツリーブロック用の階層的な4分木データ構造を生成し得る。たとえば、ツリーブロックは、4分木データ構造のルートノードに対応し得る。予測モジュール100が、ツリーブロックのビデオブロックを4つのサブブロックに区分する場合、ルートノードは、4分木データ構造中に4つの子ノードを有する。子ノードの各々は、サブブロックのうちの1つに関連付けられたCUに対応する。予測モジュール100が、サブブロックのうちの1つを4つのサブサブブロックに区分する場合、サブブロックに関連付けられたCUに対応するノードは、4つの子ノードを有し得、そのそれぞれは、サブサブブロックのうちの1つに関連付けられたCUに対応する、
[0082]4分木データ構造の各ノードは、対応するツリーブロックまたはCUのシンタックスデータ(たとえば、シンタックス要素)を含み得る。たとえば、4分木の中のノードは、そのノードに対応するCUのビデオブロックが4つのサブブロックに区分される(すなわち、分割される)かどうかを示すスプリットフラグを含み得る。CUのためのシンタックス要素は、再帰的に定義され得、CUのビデオブロックがサブブロックに分割されるかどうかに依存し得る。それのビデオブロックが区分されていないCUは、4分木データ構造におけるリーフノードに対応し得る。コード化ツリーブロックは、対応するツリーブロック用の4分木データ構造に基づくデータを含み得る。
[0083]ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックの区分されていない各CUに対して符号化オペレーションを実行し得る。ビデオエンコーダ20が、区分されていないCUに対して符号化オペレーションを実行するとき、ビデオエンコーダ20は、区分されていないCUの符号化表現を表すデータを生成する。
[0084]CUに対して符号化オペレーションを実行することの一部として、予測モジュール100は、CUの1つまたは複数のPUの中で、CUのビデオブロックを区分し得る。ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、様々なPUサイズをサポートし得る。特定のCUのサイズが2N×2Nであると仮定すると、ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、2N×2NまたはN×NのPUサイズと、2N×2N、2N×N、N×2N、N×N、2N×nU、nL×2N、nR×2N、または同様の対称PUサイズでのインター予測とをサポートし得る。ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、2N×nU、2N×nD、nL×2N、およびnR×2NのPUサイズに対する非対称区分をもサポートし得る。いくつかの例では、予測モジュール100は、CUのビデオブロックの辺と直角に交わらない境界に沿って、CUのPUの間でCUのビデオブロックを区分するように、ジオメトリック(geometric)区分を実行し得る。
[0085]インター予測モジュール121は、CUの各PUに対してインター予測を実行し得る。インター予測は時間圧縮を実現し得る。PUに対してインター予測を実行するために、動き推定モジュール122はPUの動き情報を生成し得る。動き補償モジュール124は、動き情報と、CUに関連付けられたピクチャ以外のピクチャ(すなわち、参照ピクチャ)の復号サンプルとに基づくPUのための予測ビデオブロックを生成し得る。本開示では、動き補償モジュール124によって生成された予測ビデオブロックは、インター予測ビデオブロックと呼ばれることがある。
[0086]スライスは、Iスライス、Pスライス、またはBスライスであり得る。動き推定モジュール122および動き補償モジュール124は、PUがIスライス中にあるか、Pスライス中にあるか、Bスライス中にあるかに応じて、CUのPUに対して異なるオペレーションを実行し得る。Iスライス中では、すべてのPUがイントラ予測される。したがって、PUがIスライス中にある場合、動き推定モジュール122および動き補償モジュール124は、PUに対してインター予測を実行しない。
[0087]PUがPスライス中にある場合、PUを含んでいるピクチャは、「リスト0」と呼ばれる参照ピクチャのリストに関連付けられる。リスト0中の参照ピクチャの各々は、他のピクチャのインター予測のために使用され得るサンプルを含んでいる。動き推定モジュール122が、Pスライス中のPUに関して動き推定オペレーションを実行するとき、動き推定モジュール122は、PUのための参照ブロックについて、リスト0中の参照ピクチャを探索し得る。PUの参照ブロックは、PUのビデオブロック中のサンプルに最も密接に対応するサンプルのセット、たとえば、サンプルのブロックであり得る。動き推定モジュール122は、様々なメトリックを使用して、参照ピクチャ中のサンプルのセットがどの程度密接にPUのビデオブロック中のサンプルに対応するかを決定し得る。たとえば、動き推定モジュール122は、絶対差分和(SAD:sum of absolute difference)、2乗差分和(SSD:sum of square difference)、または他の差分メトリックによって、参照ピクチャ中のサンプルのセットがどの程度密接にPUのビデオブロック中のサンプルに対応するかを決定し得る。
[0088]Pスライス中のPUの参照ブロックを識別した後、動き推定モジュール122は、参照ブロックを含んでいる、リスト0中の参照ピクチャを示す参照インデックスと、PUと参照ブロックとの間の空間変位を示す動きベクトルとを生成し得る。様々な例において、動き推定モジュール122は動きベクトルを異なる精度に生成し得る。たとえば、動き推定モジュール122は、1/4サンプル精度、1/8サンプル精度、または他の分数のサンプル精度で、動きベクトルを生成し得る。分数のサンプル精度の場合、参照ブロック値は、参照ピクチャ中の整数位置のサンプル値から補間され得る。動き推定モジュール122は、PUの動き情報として参照インデックスと動きベクトルとを出力し得る。動き補償モジュール124は、PUの動き情報によって識別された参照ブロックに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。
[0089]PUがBスライス中にある場合、PUを含んでいるピクチャは、「リスト0」および「リスト1」と呼ばれる参照ピクチャの2つのリストに関連付けられ得る。いくつかの例では、Bスライスを含んでいるピクチャは、リスト0とリスト1の組合せである、リストの組合せに関連付けられ得る。
[0090]さらに、PUがBスライス中にある場合、動き推定モジュール122は、PUについての単方向予測または双方向予測を実行し得る。動き推定モジュール122が、PUについての単方向予測を実行するとき、動き推定モジュール122は、PUのための参照ブロックについて、リスト0またはリスト1の参照ピクチャを探索し得る。動き推定モジュール122は、次いで、参照ブロックを含んでいる、リスト0またはリスト1中の参照ピクチャを示す参照インデックスと、PUと参照ブロックとの間の空間変位を示す動きベクトルとを生成し得る。動き推定モジュール122は、PUの動き情報として、参照インデックスと、予測方向インジケータと、動きベクトルとを出力し得る。予測方向インジケータは、参照インデックスが、リスト0中の参照ピクチャを示すか、リスト1中の参照ピクチャを示すかを示し得る。動き補償モジュール124は、PUの動き情報によって示された参照ブロックに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。
[0091]動き推定モジュール122が、PUについての双方向予測を実行するとき、動き推定モジュール122は、PUのための参照ブロックについて、リスト0中の参照ピクチャを探索し得、また、PUのための別の参照ブロックについて、リスト1中の参照ピクチャを探索し得る。動き推定モジュール122は、次いで、参照ブロックを含んでいる、リスト0およびリスト1中の参照ピクチャを示す参照インデックスと、参照ブロックとPUとの間の空間変位を示す動きベクトルとを生成し得る。動き推定モジュール122は、PUの動き情報としてPUの参照インデックスと動きベクトルとを出力し得る。動き補償モジュール124は、PUの動き情報によって示された参照ブロックに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。
[0092]いくつかの例では、動き推定モジュール122は、PUの動き情報のフルセットをエントロピー符号化モジュール116に出力しない。そうではなく、動き推定モジュール122は、別のPUの動き情報を参照して、PUの動き情報をシグナリングし得る。たとえば、動き推定モジュール122は、PUの動き情報が、隣接PUの動き情報と十分に類似していると決定し得る。この例では、動き推定モジュール122は、PUに関連付けられたシンタックス構造において、PUが隣接PUと同じ動き情報を有することをビデオデコーダ30に示す値を示し得る。別の例では、動き推定モジュール122は、PUに関連付けられたシンタックス構造において、隣接PUと動きベクトル差分(MVD:motion vector difference)とを識別し得る。動きベクトル差分は、PUの動きベクトルと、示される隣接PUの動きベクトルとの間の差分を示す。ビデオデコーダ30は、示される隣接PUの動きベクトルと、動きベクトル差分とを使用して、PUの動きベクトルを決定し得る。第2のPUの動き情報をシグナリングするときに第1のPUの動き情報を参照することによって、ビデオエンコーダ20は、より少数のビットを使用して、第2のPUの動き情報をシグナリングすることが可能であり得る。
[0093]CUに対して符号化オペレーションを実行することの一部として、イントラ予測モジュール126は、CUのPUに対してイントラ予測を実行し得る。イントラ予測は空間圧縮を実現し得る。イントラ予測モジュール126がPUに対してイントラ予測を実行するとき、イントラ予測モジュール126は、同じピクチャ中の他のPUの復号サンプルに基づいて、PUの予測データを生成し得る。PUの予測データは、予測ビデオブロックと様々なシンタックス要素とを含み得る。イントラ予測モジュール126は、Iスライス、Pスライス、およびBスライス中のPUに対してイントラ予測を実行し得る。
[0094]PUに対してイントラ予測を実行するために、イントラ予測モジュール126は、複数のイントラ予測モードを使用して、PUの予測データの複数のセットを生成し得る。イントラ予測モジュール126が、イントラ予測モードを使用してPUの予測データのセットを生成するとき、イントラ予測モジュール126は、イントラ予測モードに関連付けられた方向および/または勾配で、隣接PUのビデオブロックからPUのビデオブロックにわたって、サンプルを延ばし得る。隣接PUは、PU、CU、およびツリーブロックについて左から右、上から下の符号化順序を仮定すると、PUの上、右上、左上、または左にあり得る。イントラ予測モジュール126は、PUのサイズに応じて、様々な数のイントラ予測モード、たとえば、33個の方向性イントラ予測モードを使用し得る。
[0095]予測モジュール100は、PUについての、動き補償モジュール124によって生成された予測データ、またはPUについての、イントラ予測モジュール126によって生成された予測データの中から、PUの予測データを選択し得る。いくつかの例では、予測モジュール100は、予測データのセットのレート/ひずみメトリックに基づいて、PUの予測データを選択する。
[0096]予測モジュール100が、イントラ予測モジュール126によって生成された予測データを選択する場合、予測モジュール100は、PUの予測データを生成するために使用されたイントラ予測モード、すなわち、選択されたイントラ予測モードをシグナリングし得る。予測モジュール100は、選択されたイントラ予測モードを様々な方法でシグナリングし得る。たとえば、選択されたイントラ予測モードは、隣接PUのイントラ予測モードと同じであることがあり得る。言い換えれば、隣接PUのイントラ予測モードは現在PUに対して最確モードであり得る。したがって、予測モジュール100は、選択されたイントラ予測モードが隣接PUのイントラ予測モードと同じであることを示すために、シンタックス要素を生成し得る。
[0097]図9に関して以下でさらに説明するように、予測モジュール100によって実行される予測は、ベースビュー/レイヤの(たとえばアップサンプリングモジュール130によって決定される)アップサンプリングされた動きフィールド情報に少なくとも部分的に基づき得る。さらに、予測モジュール100はまた、図9に関して以下でより詳細に説明する、アップサンプリングされた動きフィールド情報をベースビュー/レイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連付けること、および/またはインター予測参照ピクチャをインター予測のための参照ピクチャリストに追加することなど、現在(たとえばエンハンスメント)ビュー/レイヤを予測することに関与する他のステップを実行し得る。
[0098]予測モジュール100がCUのPUの予測データを選択した後、残差生成モジュール102は、CUのビデオブロックからCUのPUの予測ビデオブロックを差し引くことによって、CUの残差データを生成し得る。CUの残差データは、CUのビデオブロック中のサンプルの異なるサンプル成分に対応する、2D残差ビデオブロックを含み得る。たとえば、残差データは、CUのPUの予測ビデオブロック中のサンプルのルミナンス成分と、CUの元のビデオブロック中のサンプルのルミナンス成分との間の差分に対応する、残差ビデオブロックを含み得る。さらに、CUの残差データは、CUのPUの予測ビデオブロック中のサンプルのクロミナンス成分と、CUの元のビデオブロック中のサンプルのクロミナンス成分との間の差分に対応する、残差ビデオブロックを含み得る。
[0099]予測モジュール100は、4分木区分を実行して、CUの残差ビデオブロックをサブブロックに区分し得る。各分割されていない残差ビデオブロックは、CUの異なるTUに関連付けられ得る。CUのTUに関連付けられた残差ビデオブロックのサイズおよび位置は、CUのPUに関連付けられたビデオブロックのサイズおよび位置に基づくことも基づかないこともある。「残差4分木」(RQT:residual quad tree)として知られる4分木構造は、残差ビデオブロックの各々に関連付けられたノードを含み得る。CUのTUは、RQTのリーフノードに対応し得る。
[0100]変換モジュール104は、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに1つまたは複数の変換を適用することによって、CUの各TUのための1つまたは複数の変換係数ブロックを生成し得る。変換係数ブロックの各々は、変換係数の2D行列であり得る。変換モジュール104は、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに様々な変換を適用し得る。たとえば、変換モジュール104は、離散コサイン変換(DCT)、方向性変換、または概念的に同様の変換を、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに適用し得る。
[0101]変換モジュール104が、TUに関連付けられた変換係数ブロックを生成した後、量子化モジュール106は、変換係数ブロック中の変換係数を量子化し得る。量子化モジュール106は、CUに関連付けられたQP値に基づいて、CUのTUに関連付けられた変換係数ブロックを量子化し得る。
[0102]ビデオエンコーダ20は、様々な方法でQP値をCUに関連付け得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、CUに関連付けられたツリーブロックに対してレートひずみ分析を実行し得る。レートひずみ分析では、ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックに対して符号化オペレーションを複数回実行することによって、ツリーブロックの複数のコード化表現を生成し得る。ビデオエンコーダ20がツリーブロックの異なる符号化表現を生成するとき、ビデオエンコーダ20は、異なるQP値をCUに関連付け得る。ビデオエンコーダ20は、最小のビットレートおよびひずみメトリックを有するツリーブロックのコード化表現で所与のQP値がCUに関連付けられるとき、所与のQP値がCUに関連付けられることをシグナリングし得る。
[0103]逆量子化モジュール108および逆変換モジュール110は、それぞれ、変換係数ブロックに逆量子化と逆変換とを適用して、変換係数ブロックから残差ビデオブロックを再構成し得る。再構成モジュール112は、再構成された残差ビデオブロックを、予測モジュール100によって生成された1つまたは複数の予測ビデオブロックからの対応するサンプルに追加して、TUに関連付けられた再構成されたビデオブロックを生成し得る。このようにCUの各TUのためのビデオブロックを再構成することによって、ビデオエンコーダ20は、CUのビデオブロックを再構成し得る。
[0104]再構成モジュール112がCUのビデオブロックを再構成した後、フィルタモジュール113は、CUに関連付けられたビデオブロックにおけるブロッキングアーティファクトを低減するためにデブロッキングオペレーションを実行し得る。1つまたは複数のデブロッキングオペレーションを実行した後、フィルタモジュール113は、復号ピクチャバッファ114にCUの再構成されたビデオブロックを記憶し得る。動き推定モジュール122および動き補償モジュール124は、再構成されたビデオブロックを含んでいる参照ピクチャを使用して、後続のピクチャのPUに対してインター予測を実行し得る。さらに、イントラ予測モジュール126は、復号ピクチャバッファ114中の再構成されたビデオブロックを使用して、CUと同じピクチャの中の他のPUに対してイントラ予測を実行し得る。
[0105]エントロピー符号化モジュール116は、ビデオエンコーダ20の他の機能構成要素からデータを受信し得る。たとえば、エントロピー符号化モジュール116は、量子化モジュール106から変換係数ブロックを受信し得、予測モジュール100からシンタックス要素を受信し得る。エントロピー符号化モジュール116がデータを受信するとき、エントロピー符号化モジュール116は、1つまたは複数のエントロピー符号化オペレーションを実行して、エントロピー符号化データを生成し得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、コンテキスト適応型可変長コーディング(CAVLC)オペレーション、CABACオペレーション、変数間(V2V:variable-to-variable)レングスコーディングオペレーション、シンタックスベースコンテキスト適応型バイナリ算術コーディング(SBAC:syntax-based context-adaptive binary arithmetic coding)オペレーション、確率間隔区分エントロピー(PIPE)コーディングオペレーション、または別のタイプのエントロピー符号化オペレーションをデータに対して実行し得る。エントロピー符号化モジュール116は、エントロピー符号化データを含むビットストリームを出力し得る。
[0106]データに対してエントロピー符号化オペレーションを実行することの一部として、エントロピー符号化モジュール116はコンテキストモデルを選択し得る。エントロピー符号化モジュール116がCABACオペレーションを実行している場合、コンテキストモデルは、特定の値を有する特定のビンの確率の推定値を示し得る。CABACのコンテキストでは、「ビン」という用語は、シンタックス要素の2値化されたバージョンのビットを指すために使用される。
[0107]アップサンプリングモジュール130は、空間解像度を増加させるために、予測モード情報および/または動きフィールド情報など、ピクセル情報と非ピクセル情報とを含む、ビデオデータをスケーリングまたはリサンプリングし得る。いくつかの実施形態では、ベースビュー/レイヤのビデオデータは、エンハンスメントビュー/レイヤの空間解像度を一致させるためにアップサンプリングされ得る。アップサンプリングモジュール130はまた、ベースレイヤピクチャが参照ピクチャリスト中に挿入される前に、ベースレイヤピクチャのベースビュー/レイヤビデオデータをアップサンプリングするためにビデオエンコーダ20の1つまたは複数の他の機能構成要素と協調し得る。

ビデオデコーダ
[0108]図3は、本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオデコーダの一例を示すブロック図である。ビデオデコーダ30は、本開示の技法のいずれかまたはすべてを実行するように構成され得る。一例として、動き補償モジュール162およびアップサンプリングモジュール170は、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実行するように構成され得る。ただし、本開示の態様はそのように限定されない。いくつかの例では、本開示で説明する技法は、ビデオデコーダ30の様々な構成要素間で共有され得る。いくつかの例では、追加としてまたは代わりに、プロセッサ(図示せず)が、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実行するように構成され得る。
[0109]図3の例では、ビデオデコーダ30は複数の機能構成要素を含む。ビデオデコーダ30の機能構成要素は、エントロピー復号モジュール150と、予測モジュール152と、逆量子化モジュール154と、逆変換モジュール156と、再構成モジュール158と、フィルタモジュール159と、復号ピクチャバッファ160とを含む。予測モジュール152は、動き補償モジュール162と、イントラ予測モジュール164と、アップサンプリングモジュール170とを含む。いくつかの例では、ビデオデコーダ30は、図2のビデオエンコーダ20に関して説明した符号化パスとは概して逆の復号パスを実行し得る。他の例では、ビデオデコーダ30は、より多数の、より少数の、または異なる機能構成要素を含み得る。
[0110]ビデオデコーダ30は、符号化ビデオデータを備えるビットストリームを受信し得る。ビットストリームは複数のシンタックス要素を含み得る。ビデオデコーダ30がビットストリームを受信するとき、エントロピー復号モジュール150は、ビットストリームに対してパースオペレーションを実行し得る。ビットストリームに対してパースオペレーションを実行した結果として、エントロピー復号モジュール150は、ビットストリームからシンタックス要素を抽出し得る。パースオペレーションを実行することの一部として、エントロピー復号モジュール150は、ビットストリーム中のエントロピー符号化シンタックス要素をエントロピー復号し得る。予測モジュール152、逆量子化モジュール154、逆変換モジュール156、再構成モジュール158、およびフィルタモジュール159は、ビットストリームから抽出されたシンタックス要素に基づいて復号ビデオデータを生成する再構成オペレーションを実行し得る。
[0111]上記で説明したように、ビットストリームは一連のNALユニットを備え得る。ビットストリームのNALユニットは、シーケンスパラメータセットNALユニット、ピクチャパラメータセットNALユニット、SEI NALユニットなどを含み得る。ビットストリームに対してパースオペレーションを実行することの一部として、エントロピー復号モジュール150は、シーケンスパラメータセットNALユニットからのシーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセットNALユニットからのピクチャパラメータセット、SEI NALユニットからのSEIデータなどを抽出しエントロピー復号するパースオペレーションを実行し得る。
[0112]さらに、ビットストリームのNALユニットはコード化スライスNALユニットを含み得る。ビットストリームに対してパースオペレーションを実行することの一部として、エントロピー復号モジュール150は、コード化スライスNALユニットからコード化スライスを抽出し、エントロピー復号する、パースオペレーションを実行し得る。コード化スライスの各々は、スライスヘッダとスライスデータとを含み得る。スライスヘッダは、スライスに関するシンタックス要素を含んでいることがある。スライスヘッダ中のシンタックス要素は、スライスを含んでいるピクチャに関連付けられたピクチャパラメータセットを識別するシンタックス要素を含み得る。エントロピー復号モジュール150は、スライスヘッダを復元するために、コード化スライスヘッダ中のシンタックス要素に対して、CABAC復号オペレーションなどのエントロピー復号オペレーションを実行し得る。
[0113]コード化スライスのNALユニットからスライスデータを抽出することの一部として、エントロピー復号モジュール150は、スライスデータ中のコード化CUからシンタックス要素を抽出するパースオペレーションを実行し得る。抽出されたシンタックス要素は、変換係数ブロックに関連付けられたシンタックス要素を含み得る。エントロピー復号モジュール150は、次いで、シンタックス要素のうちのいくつかに対してCABAC復号オペレーションを実行し得る。
[0114]エントロピー復号モジュール150が、区分されていないCUに対してパースオペレーションを実行した後、ビデオデコーダ30は、区分されていないCUに対して再構成オペレーションを実行し得る。区分されていないCUに対して再構成オペレーションを実行するために、ビデオデコーダ30はCUの各TUに対して再構成オペレーションを実行し得る。CUの各TUについて再構成オペレーションを実行することによって、ビデオデコーダ30は、CUに関連付けられた残差ビデオブロックを再構成し得る。
[0115]TUに対して再構成オペレーションを実行することの一部として、逆量子化モジュール154は、TUに関連付けられた変換係数ブロックを逆量子化(inverse quantize)、すなわち、逆量子化(de-quantize)し得る。逆量子化モジュール154は、HEVCのために提案された、またはH.264復号規格によって定義された逆量子化処理と同様の様式で、変換係数ブロックを逆量子化し得る。逆量子化モジュール154は、量子化の程度を決定し、同様に、逆量子化モジュール154が適用すべき逆量子化の程度を決定するために、変換係数ブロックのCUのためにビデオエンコーダ20によって計算された量子化パラメータQPを使用し得る。
[0116]逆量子化モジュール154が変換係数ブロックを逆量子化した後、逆変換モジュール156は、変換係数ブロックに関連付けられたTUのための残差ビデオブロックを生成し得る。逆変換モジュール156は、TUのための残差ビデオブロックを生成するために、変換係数ブロックに逆変換を適用し得る。たとえば、逆変換モジュール156は、変換係数ブロックに、逆DCT、逆整数変換、逆カルーネンレーベ変換(KLT:Karhunen-Loeve transform)、逆回転変換、逆方向変換、または別の逆変換を適用し得る。いくつかの例では、逆変換モジュール156は、ビデオエンコーダ20からのシグナリングに基づいて、変換係数ブロックに適用すべき逆変換を決定し得る。そのような例では、逆変換モジュール156は、変換係数ブロックに関連付けられたツリーブロックの4分木のルートノードにおいてシグナリングされた変換に基づいて、逆変換を決定し得る。他の例では、逆変換モジュール156は、ブロックサイズ、コーディングモードなど、1つまたは複数のコーディング特性から逆変換を推論し得る。いくつかの例では、逆変換モジュール156はカスケード逆変換を適用し得る。
[0117]いくつかの例では、動き補償モジュール162は、補間フィルタに基づく補間を実行することによって、PUの予測ビデオブロックを改良し得る。サブサンプル精度をもつ動き補償のために使用されるべき補間フィルタのための識別子が、シンタックス要素中に含まれ得る。動き補償モジュール162は、PUの予測ビデオブロックの生成中にビデオエンコーダ20によって使用された同じ補間フィルタを使用して、参照ブロックのサブ整数サンプルについての補間値を計算し得る。動き補償モジュール162は、受信されたシンタックス情報に従って、ビデオエンコーダ20によって使用された補間フィルタを決定し、その補間フィルタを使用して予測ビデオブロックを生成し得る。
[0118]PUが、イントラ予測を使用して符号化される場合、イントラ予測モジュール164は、PUのための予測ビデオブロックを生成するためにイントラ予測を実行し得る。たとえば、イントラ予測モジュール164は、ビットストリーム中のシンタックス要素に基づいて、PUのためのイントラ予測モードを決定し得る。ビットストリームは、PUのイントラ予測モードを決定するためにイントラ予測モジュール164が使用し得るシンタックス要素を含み得る。
[0119]いくつかの事例では、シンタックス要素は、イントラ予測モジュール164が別のPUのイントラ予測モードを使用して現在PUのイントラ予測モードを判断するべきであることを示し得る。たとえば、現在PUのイントラ予測モードは隣接PUのイントラ予測モードと同じであることがあり得る。言い換えれば、隣接PUのイントラ予測モードは現在PUに対して最確モードであり得る。したがって、この例では、ビットストリームは、PUのイントラ予測モードが隣接PUのイントラ予測モードと同じであることを示す、小さいシンタックス要素を含み得る。イントラ予測モジュール164は、次いで、イントラ予測モードを使用して、空間的に隣接するPUのビデオブロックに基づいて、PUの予測データ(たとえば、予測サンプル)を生成し得る。
[0120]上記で説明したように、予測モジュール152によって実行された予測は、ベースビュー/レイヤのアップサンプリングされた動きフィールド情報に少なくとも部分的に基づき得る。さらに、予測モジュール152はまた、図9に関して以下でより詳細に説明する、アップサンプリングされた動きフィールド情報をベースビュー/レイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連付けること、および/またはインター予測参照ピクチャをインター予測のための参照ピクチャリストに追加することなど、現在(たとえばエンハンスメント)ビュー/レイヤを予測することに関与する他のステップを実行し得る。
[0121]アップサンプリングモジュール170は、空間解像度を増加させるために、予測モード情報および/または動きフィールド情報など、ピクセル情報と非ピクセル情報とを含む、ビデオデータをスケーリングまたはリサンプリングし得る。いくつかの実施形態では、ベースビュー/レイヤのビデオデータは、エンハンスメントビュー/レイヤの空間解像度を一致させるためにアップサンプリングされ得る。アップサンプリングモジュール170はまた、ベースレイヤピクチャが参照ピクチャリスト中に挿入される前に、ベースレイヤピクチャのベースビュー/レイヤビデオデータをアップサンプリングするためにビデオデコーダ30の1つまたは複数の他の機能構成要素と協調し得る。
[0122]再構成モジュール158は、適用可能なとき、CUのTUに関連付けられた残差ビデオブロックとCUのPUの予測ビデオブロックとを使用して、すなわち、イントラ予測データまたはインター予測データのいずれかを使用して、CUのビデオブロックを再構成し得る。したがって、ビデオデコーダ30は、ビットストリーム中のシンタックス要素に基づいて、予測ビデオブロックと残差ビデオブロックとを生成し得、予測ビデオブロックと残差ビデオブロックとに基づいて、ビデオブロックを生成し得る。
[0123]再構成モジュール158がCUのビデオブロックを再構成した後、フィルタモジュール159は、CUに関連付けられたブロッキングアーティファクトを低減するためにデブロッキングオペレーションを実行し得る。フィルタユニット159が、CUに関連付けられたブロッキングアーティファクトを低減するためにデブロッキングオペレーションを実行した後、ビデオデコーダ30はCUのビデオブロックを復号ピクチャバッファ160に記憶し得る。復号ピクチャバッファ160は、後続の動き補償、イントラ予測、および図1のディスプレイデバイス32などのディスプレイデバイス上での提示のために、参照ピクチャを与え得る。たとえば、ビデオデコーダ30は、復号ピクチャバッファ160中のビデオブロックに基づいて、他のCUのPUに対してイントラ予測オペレーションまたはインター予測オペレーションを実行し得る。

マルチビュービデオコーディング
[0124]マルチビュービデオコーディング(MVC)はH.264/AVCの拡張である。典型的なMVC復号順序(たとえば、ビットストリーム順序)を図4に示す。図400は、アクセスユニット401、402および403と、ビュー411、412および413と、コード化ピクチャ421、422および423とを含む。簡潔のために、図4に示されているすべてのアクセスユニット、ビューおよびコード化ピクチャが標示されているとは限らない。図4に示されている復号順序構成は時間優先コーディングと呼ばれる。各アクセスユニット(たとえば、垂直カラムT0、T1、...T8)は、1つの出力時間インスタンスのためのすべてのビュー(たとえば、S0、S1、...S7)のコード化ピクチャを含んでいるように定義される。アクセスユニットの復号順序は出力または表示順序と同じでないことがある。
[0125]マルチビュービデオコーディングのための(各ビュー内のピクチャ間予測とビュー間予測の両方を含む)典型的なMVC予測構造を図5に示す。図500は、アクセスユニット501、502および503と、ビュー511、512および513と、コード化ピクチャ521、522、523および524とを含む。簡潔のために、図5に示されているすべてのアクセスユニット、ビューおよびオブジェクトが標示されているとは限らない。予測は矢印(たとえば矢印531および532)によって示され、ここで、各矢印の終点の(pointed-to)オブジェクトは、予測参照のために、関連する矢印の始点の(point-from)オブジェクトを使用する。MVCでは、ビュー間予測が視差動き補償(disparity motion compensation)によってサポートされる。視差動き補償は、H.264/AVC動き補償のシンタックスを使用するが、異なるビュー(たとえば、異なる行S0...S7など)中のピクチャが参照ピクチャとして使用されることを可能にする。
[0126]複数のビューのコーディングもMVCによってサポートされる。MVCの1つの利点は、MVCエンコーダが3Dビデオ入力として3つ以上のビューをとることができ、MVCデコーダがそのようなマルチビュー表現を復号することができることである。したがって、MVCデコーダをもつレンダラ(renderer)は、3つ以上のビューをもつ3Dビデオコンテンツを予想し得る。
[0127]MVCでは、同じアクセスユニット中の(たとえば、同じ時間インスタンスをもつ)ピクチャ間でビュー間予測が可能になる。非ベースビューのうちの1つの中のピクチャをコーディングするとき、ピクチャが異なるビュー中にあるが同じ時間インスタンスを有する場合、そのピクチャは参照ピクチャリストに追加され得る。ビュー間予測参照ピクチャは、任意のインター予測参照ピクチャとまったく同様に、参照ピクチャリストの任意の位置に入れられ得る。

HEVC技法
[0128]1.参照ピクチャリスト構成
[0129]一般に、Bピクチャの第1または第2の参照ピクチャリストについての参照ピクチャリスト構成は、2つのステップ、すなわち、(1)参照ピクチャリストの初期化と、(2)参照ピクチャリストの並べ替え(修正)とを含む。参照ピクチャリスト初期化は、POC(ピクチャの表示順序に整合する、ピクチャオーダーカウント(Picture Order Count))値の順序に基づいて、(復号ピクチャバッファまたはDPBとしても知られる)参照ピクチャメモリ中の参照ピクチャをリストに入れる明示的メカニズムである。参照ピクチャリスト並べ替えメカニズムは、参照ピクチャリスト初期化中にリストに入れられたピクチャの位置を任意の新しい位置に修正するか、または参照ピクチャメモリ中の任意の参照ピクチャが初期化リスト中に存在しない場合、そのピクチャを任意の位置に入れることができる。
[0130]参照ピクチャリスト並べ替え/修正後、いくつかのピクチャが、リストの下の非常に遠い位置に入れられ得る。ただし、ピクチャの位置が、リストのアクティブ参照ピクチャの数を超える場合、ピクチャは、最終参照ピクチャリストのエントリとは見なされない。アクティブ参照ピクチャの数は、各リストについてスライスヘッダ中でシグナリングされ得る。参照ピクチャリスト(たとえば、利用可能な場合、RefPicList0およびRefPicList1)が構成された後、任意の参照ピクチャリスト中のピクチャを識別するために参照インデックスが使用され得る。
[0131]2.TMVP
[0132]HEVCのコーディング効率を改善するために時間動きベクトル予測(TMVP)が使用される。TMVPは、復号ピクチャバッファ中の、より詳細には、参照ピクチャリスト中のフレームの動きベクトルにアクセスする。
[0133]インター予測スライスでは、TMVPがコード化ビデオシーケンス全体のためにイネーブルされる(たとえば、シーケンスパラメータセット中のsps_temporal_mvp_enable_flagが1に設定される)とき、TMVPが現在スライスのためにイネーブルされるかどうかを示すために、slice_temporal_mvp_enable_flagがスライスヘッダ中でシグナリングされる。TMVPが現在スライスのためにイネーブルにされるとき、現在ピクチャがBスライスである場合、コロケートピクチャがRefPicList0からであるかRefPicList1からであるかを示すために、collocated_from_l0_flagがスライスヘッダ中でシグナリングされる。
[0134]参照ピクチャリストが識別された後、リスト中のピクチャ中のピクチャを識別するために、スライスヘッダ中でシグナリングされるcollocated_ref_idxが使用される。次いで、コロケートピクチャをチェックすることによって、コロケート予測ユニット(PU)が識別される。このPUを含んでいるコーディングユニット(CU)の右下PUの動き、またはこのPUを含んでいるCUの中心PU内の右下PUの動きのいずれかが使用される。
[0135]3.HEVCにおけるランダムアクセス
[0136]HEVCにおけるネットワークアブストラクションレイヤ(NAL)ユニットタイプによって識別され得る4つのピクチャタイプがある。これらは、瞬時復号リフレッシュ(IDR:instantaneous decoding refresh)ピクチャ、クリーンランダムアクセス(CRA)ピクチャ、時間レイヤアクセス(TLA:temporal layer access)ピクチャ、およびIDRピクチャ、CRAピクチャまたはTLAピクチャでないコード化ピクチャである。
[0137]IDRおよびコード化ピクチャは、H.264/AVC仕様において使用されるピクチャタイプと同様のピクチャタイプである。CRAおよびTLAのピクチャタイプはHEVCにおいて新しく、H.264/AVC仕様において利用可能でない。CRAピクチャは、IDRピクチャを挿入することよりも効率的である方法で、ビデオシーケンスの中央の任意のランダムアクセスポイントから始まる復号を可能にするピクチャタイプである。HEVCでは、これらのCRAピクチャから開始するビットストリームも適合(conforming)ビットストリームである。TLAピクチャは、有効な時間レイヤ切替えポイントを示すために使用され得るピクチャタイプである。以下のセクションでは、CRAおよびTLAピクチャについてさらに詳細に説明する。
[0138]ブロードキャスティングおよびストリーミングなど、ビデオアプリケーションでは、ユーザは、最小遅延で、異なるチャネル間で切り替えることと、ビデオブロードキャストまたはストリームの特定の部分にジャンプすることとをしばしば望む。この特徴は、ビデオビットストリーム中で一定の間隔でランダムアクセスピクチャを有することによって可能にされ得る。H.264/AVCとHEVCの両方において指定されているIDRピクチャは、ランダムアクセスのために使用され得る。しかしながら、IDRピクチャはコード化ビデオシーケンスを開始し、復号ピクチャバッファ(DPB)を常にクリーンにするので、復号順序でIDRに後続するピクチャは、IDRピクチャより前に復号されたピクチャを参照として使用することができない。したがって、ランダムアクセスのためのIDRピクチャに依存するビットストリームは、著しくより低いコーディング効率(たとえば、6%)を有することがある。コーディング効率を改善するために、HEVCにおけるCRAピクチャは、復号順序でCRAピクチャに後続するが、出力順序でCRAピクチャに先行するピクチャが、CRAピクチャより前に復号されたピクチャを参照として使用することを可能にする。
[0139]CRAピクチャを中心とする典型的な予測構造を図6に示す。図600は、前のピクチャグループ(GOP)601と、現在のGOP602と、次のGOP603とを示す。図600において、ピクチャ611および612は前のGOP601に属し、ピクチャ621〜628は現在のGOP602に属し、ピクチャ631および632は次のGOP603に属する。図5に関して説明したように、予測は矢印(たとえば矢印641および642)によって示され、ここで、各矢印の終点のピクチャは、予測参照のために、関連する矢印の始点のピクチャを使用する。24のPOCを有するCRAピクチャ(すなわちピクチャ628)は、現在のGOP602に属し、現在のGOP602は、復号順序でCRAピクチャに後続するが、出力順序でCRAピクチャに先行する(17〜23のPOCを有する)他のピクチャ621〜627を含んでいる。これらのピクチャ(たとえばピクチャ621〜627)は、CRAピクチャ(たとえばピクチャ628)のリーディングピクチャと呼ばれ、現在のCRAピクチャの前のIDRピクチャまたはCRAピクチャから復号が始まる場合に正しく復号され得る。しかしながら、リーディングピクチャは、このCRAピクチャからのランダムアクセスが行われたときに正しく復号されないことがあり、したがって、これらのリーディングピクチャ復号は一般にランダムアクセス中に廃棄される。
[0140]復号がどこで始まるかに応じて利用可能ではないことがある参照ピクチャからの誤り伝搬を防ぐために、復号順序と出力順序の両方でCRAピクチャに後続する、(図6に示されている)次のGOP603中のすべてのピクチャは、復号順序または出力順序のいずれかで(リーディングピクチャを含む)CRAピクチャに先行するいかなるピクチャも参照として使用しない。
[0141]同様のランダムアクセス機能が、リカバリーポイントSEIメッセージをもつH.264/AVCにおいてサポートされる。H.264/AVCデコーダ実装形態はその機能をサポートすることもまたはサポートしないこともある。HEVCでは、CRAピクチャで開始するビットストリームは適合ビットストリームと見なされる。ビットストリームがCRAピクチャで開始するとき、CRAピクチャの先行ピクチャは、利用不可能な参照ピクチャを指すことがあり、したがって正しく復号されないことがある。しかしながら、HEVCは、開始CRAピクチャのリーディングピクチャが出力されず、したがって「クリーンランダムアクセス」という名称があることを規定している。ビットストリーム適合要件の確立のために、HEVCは、非出力リーディングピクチャを復号するために利用不可能な参照ピクチャを生成するための復号プロセスを規定している。しかしながら、適合デコーダ実装形態は、復号プロセスがビットストリームの開始から実行されるときと比較して、それが同等の出力を生成し得る限り、その復号プロセスに従う必要はない。
[0142]HEVCでは、適合ビットストリームはIDRピクチャをまったく含んでいないことがあり、したがって、コード化ビデオシーケンスのサブセットまたは不完全なコード化ビデオシーケンスを含んでいることがある。
[0143]IDRピクチャおよびCRAピクチャのほかに、他のタイプのランダムアクセスポイントピクチャ、たとえば、BLAがある。ランダムアクセスポイントピクチャの主要なタイプの各々について、ランダムアクセスポイントピクチャがシステムによってどのように潜在的に扱われ得るかに応じて、サブタイプがあり得る。ランダムアクセスポイントピクチャの各サブタイプは異なるNALユニットタイプを有し得る。
[0144]4.HEVCにおける動き圧縮
[0145]より小さい復号ピクチャバッファ(DPB)が必要とされる方法でデコーダが実装されることを可能にするために、16×16ブロックラスタ走査順序の場合のピクチャの各ブロックが、RefPicList0のための同じ第1の動きベクトル(利用可能な場合)とRefPicList1のための同じ第2の動きベクトル(利用可能な場合)とを仮説的に含んでいる方法で動きフィールドを圧縮するように、動き圧縮がHEVCに導入される。動き圧縮は、DPBサイズが著しく減少され得るように、すべての時間参照ピクチャに適用される。
[0146]本開示では、16×16ブロックの各々は「整合(aligned)16×16ブロック」と呼ばれる。しかしながら、現在のHEVC仕様では、動きフィールドは、整合16×16ブロック内の任意の4×4ブロックにアクセスするとき、整合16×16ブロック内の左上コーナーブロックの動きベクトルが使用される方法で、リアルタイムで行われる。現在のHEVC仕様の下でのこの設計は、動き圧縮をリアルタイム処理するためにCUレベルプロセスを必要とするが、スマートデコーダはピクチャレベルでそれを行い得る。

JCT−3VにおけるMV−HEVC
[0147]マルチビューHEVC(MV−HEVC)に対して上述のHEVC概念を実装するために、HEVCのマルチビュー拡張、コーディングユニットレベル変化またはより低いレベル変化が必要とされ得る。
[0148]1.MV−HEVCにおけるランダムアクセス
[0149]HEVCのランダムアクセス概念はマルチビューおよび3DV拡張に拡張される。ランダムアクセスポイントアクセスユニットならびにランダムアクセスビューコンポーネントの詳細な定義は、その全体が参照により組み込まれる、MV−HEVCワーキングドラフト仕様、JCT3V−A1004に記載されている。さらに、ランダムアクセスポイントアクセスユニットならびにランダムアクセスビューコンポーネントの詳細な定義も、MV−HEVCワーキングドラフト仕様:JCT3V−A1004(その全体が参照により組み込まれる、Gerhard Tech、Krzysztof Wenger、Ying Chen、Miska Hannuksela、「MV-HEVC Working Draft 1」、JCT3V−A1004、ITU−T SG 6WP3とISO/IEC JTC1/SC29/WG11とのジョイントコラボレーティブチームオン3Dビデオコーディング拡張開発、第1回会合:ストックホルム、スウェーデン、2012年7月16〜20日)中にある。
[0150]ビューコンポーネントがランダムアクセスポイントであるか否かは、ビューコンポーネントのNALユニットタイプに依存する。そのタイプが、ランダムアクセスポイントピクチャのためのHEVC基本仕様において定義されているタイプに属する場合、現在ビューコンポーネントはランダムアクセスポイントビューコンポーネント(または簡単のために、現在ビューのランダムアクセスポイントピクチャ)である。
[0151]ランダムアクセス機能は、時間次元(したがってシングルビューのための)におけるいくつかの予測がHEVC基本仕様と同様に無効にされるかまたは制約されるかのいずれかである方法で時間的予測のみに適用される。しかしながら、ランダムアクセスポイントビューコンポーネントのためのビュー間予測は、H.264/MVCにおけるアンカーピクチャと同様に、コーディング効率を改善することが依然として可能であり、典型的である。ランダムアクセスポイント(RAP)ビューコンポーネントは、それがビュー間予測を使用する場合、PまたはBピクチャであり得る。
[0152]この概念は、以下で説明するように、HEVCのスケーラブル拡張または「HEVC向け」マルチスタンダードコーデックに拡張される。
[0153]2.ビュー間参照ピクチャセット
[0154]ビデオパラメータセット(VPS:video parameter set)中でシグナリングされるビュー依存性に基づいて、ビュー間参照ピクチャセットが作成され得る。現在ピクチャの場合、同じアクセスユニット中にあり、(VPS中でシグナリングされる)依存ビューに属するピクチャがビュー間参照ピクチャセットを形成する。ビュー間参照ピクチャセット中のピクチャが、現在ピクチャの参照ピクチャリストに追加されるために使用され得る。

高レベルシンタックス専用(HLS専用)HEVCベーススケーラブルコーディング
[0155]HLS専用HEVCでは、2つの空間レイヤが同じ空間解像度を有する場合、それはMV−HEVCと同様にサポートされ得、TMVPは、コロケートピクチャが異なるビューからであるときでも有効である。(可能なアップサンプリング/フィルタ処理の後の)ベースレイヤピクチャが参照ピクチャとして参照ピクチャリスト中に追加されることに留意されたい。

レイヤ間/ビュー動き予測
[0156]現在のHEVC設計では、参照ピクチャリスト中の参照レイヤ/ビューピクチャをコロケートピクチャとして使用することによって、レイヤ間/ビュー動き予測が有効であり得る。HEVC設計を使用したビュー間/レイヤ動き予測の一例を図7に示す。図700は、現在ビュー/レイヤ710(たとえばエンハンスメントレイヤ)中のピクチャ701〜703と、参照ビュー/レイヤ720(たとえばベースレイヤ)中のピクチャ704〜706とを示す。現在ピクチャ703は、現在ビュー710中のPOC0に等しいPOCを有する。ベースビュー/レイヤピクチャ706は、(スライスヘッダ中のシンタックス要素によって)コロケートピクチャとしてシグナリングされ、MVとして示される、このピクチャ中のコロケートブロックの動きベクトルが、現在予測ユニット(PU)の動きベクトルを予測するための候補(たとえば予測MV)として使用される。この場合、ベースビュー/レイヤ720中のピクチャ706は、参照ピクチャリスト中だけでなく、コロケートピクチャ(たとえば、collocated_from_l0_flagに等しいXをもつ、RefPicListX[collocated_ref_idx])として、参照ピクチャリスト中にもある。
[0157]しかしながら、マルチビューの場合、コロケートPUは、HEVCにおいて定義されている方法を使用するのではなく、視差ベクトル(disparity vector)を使用することによって配置され得る。別の実施形態では、ビュー間動き予測は、コロケートPUにアクセスすることに関して、視差ベクトルに対して透過的に、したがってHEVCと同様の方法で実行され得る。

異なる空間解像度を有する複数のレイヤ
[0158]以下の実施形態では、2つのレイヤが、コーディングユニットレベル変化または低レベル変化なしに異なる空間解像度を有するときに、スケーラブルビデオコーディングにおけるレイヤ間動き予測をサポートするためのデバイス、システム、および方法について説明する。
[0159]一実施形態では、ベースビュー/レイヤピクチャの動きフィールドは、テクスチャ(すなわちサンプルピクセル)と動きベクトルの両方を含むレイヤ間参照ピクチャが、修正なしに、HEVC時間動きベクトル予測設計によって透過的に使用され得るように、アップサンプリングされ、ベースビュー/レイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連付けられる。たとえば、ベースビュー/レイヤピクチャの動きフィールドは動きベクトルのセットであり得、各動きベクトルはベースビュー/レイヤピクチャ中のピクセルに対応する。動きフィールドアップサンプリングは、レイヤ間参照ピクチャが参照ピクチャセットまたは参照ピクチャリストに追加される前に、ピクチャレベルで実行され得る。たとえば、アップサンプリングされた動きフィールドは、アップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連するレイヤ間参照ピクチャに記憶され得る。そのようなレイヤ間参照ピクチャは、標準時間参照ピクチャとしてすべての必要な情報を含み得、したがって、参照ピクチャリストに追加され、エンハンスメントビュー/レイヤのインター予測のために使用され得る。レイヤ間参照ピクチャは、1つまたは複数の参照リストに追加されるか、またはそのリスト中の別のピクチャと入れ替わることができる。一実施形態では、動きフィールドのアップサンプリングは、両方が同じ空間アスペクト比に従ってアップサンプリングされるような、ベースビュー/レイヤピクチャのアップサンプリングに一致する。
[0160]動きフィールドアップサンプリングはまた、アップサンプリングされたコーディングツリー、コーディングユニットおよび予測ユニットがHEVC設計に準拠するような、コーディングツリー、コーディングユニットおよび予測ユニットアップサンプリングを含み得る。動きフィールドアップサンプリングはまた、アップサンプリングされたモードが、HEVC設計に準拠する方法でコーディングユニットに関連付けられるような、モード、たとえば、イントラ/インター、イントラ予測モードのアップサンプリングを含み得る。言い換えれば、モードは、ベースビュー/レイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャにも関連付けられる。
[0161]動きフィールドアップサンプリングは、ターゲットレイヤ間参照ピクチャの各4×4ブロックが別個に実行され、各々が参照インデックスに関連付けられた、最高2つの動きベクトルが導出されるように、実行され得る。代替的に、アップサンプリングは、ターゲットレイヤ間参照ピクチャの各16×16ブロックが別個に実行され、各々が参照インデックスに関連付けられた、最高2つの動きベクトルが導出されるように、実行され得る。
[0162]ピクチャの各現在N×N(たとえば、Nが、4または16、あるいは一般に任意のサイズに等しい)ブロックについて、ブロックの中心位置は、ベースレイヤピクチャの一意の位置にマッピングされ、マッピングされた位置をカバーするベースレイヤのN×Nブロックの動き情報は、その動き情報を導出するために直接使用される。中心位置をもつこのピクセルサンプルは、最初に、現在フレーム(たとえば、EL)中で決定され、レイヤ間/ビュー間ブロックまたは参照ピクチャ中の対応する位置またはコロケート位置にマッピングされ得る。代替的に、中心位置をもつピクセルサンプルは、レイヤ間/ビュー間の対応するブロックまたはコロケートブロックのために決定され、現在(たとえば、EL)ブロックにマッピングされ得る。空間解像度に応じて、これらの2つの手法により、異なる動きフィールドマッピングが生じ得る。
[0163]16×16が使用されるとき、動きフィールドは、各16×16が、RefPicListX(Xは0または1に等しい)に対応する、最大で1つの動きベクトルを有するように、HEVCに記載されているように、16×16のグラニュラリティにすでに圧縮されている。一実施形態では、中心ピクセルのマッピング中に、マッピングされたピクセル位置がサブペル(sub-pel)位置にあるとき、それは右および下の整数サンプル位置に丸められる。マッピングされた中心ピクセルは、さらに、垂直成分と水平成分の両方について1だけシフトされ得る。一実施形態では、現在N×Nブロックの任意の位置(たとえばブロックの任意のコーナー)がベースレイヤピクチャにマッピングされるために選択される。代替的に、現在N×Nブロックの外部の任意の位置がベースレイヤピクチャにマッピングされるために選択され得る。
[0164]別の実施形態では、すべてのベースレイヤN×Nブロックが、2つのレイヤの空間解像度比に等しい比でアップサンプリングされる。たとえば、Nが4に等しく、比が1.5である場合、アップサンプリングされた構造(たとえば図8の図800に示されているアップサンプリングされたベースレイヤピクチャ802)において、各アップサンプリングされたブロック804、たとえば、6×6ブロックは、動き情報のフルセットと、RefPicListX(Xは0または1に等しい)に対応する、最大で1つの動きベクトルとを含んでいる。ベースレイヤ動き構造がアップサンプリングされた後、ピクチャの各現在N×Nブロックについて、中心位置は、アップサンプリングされたブロック、たとえば、6×6ブロックを含んでいる仮想ピクチャ中で直接使用される。中心位置を含んでいるアップサンプリングされたブロックの動き情報のフルセットは、現在N×Nブロック(たとえば図8に示されている現在レイヤ806中のブロック808)のために再利用される。図8の現在レイヤ806において、破線は、アップサンプリングされた6×6ブロック(たとえばブロック804)のエッジがどこにあるかを示す。一実施形態では、現在N×Nブロックの任意の位置(たとえばブロックの任意のコーナー)がベースレイヤピクチャにマッピングされるために選択される。N×Nブロックが、ベースレイヤからの複数のアップサンプリングされたブロック(たとえば図8に示されているブロック810)と整合され(align)得るとき、参照インデックス選択および動きベクトル選択がさらに適用され得る。
[0165]別の実施形態では、動きフィールドマッピング中に、ベースレイヤブロックの予測モードおよび隣接ブロックの予測モードは、アップサンプリングされたフレーム中の任意のブロックについて、そのブロックがイントラ予測ユニットに属するかインター予測ユニットに属するかが知られるように、設定され得る。
[0166]一実施形態では、ベースレイヤブロックの最初の予測モードがイントラである場合、ベースレイヤアップサンプリングの後、イントラモードが保たれ、イントラブロックのために動きフィールドがアップサンプリングされない。コーダは、ベースレイヤブロックの予測モードがイントラ予測モードであるかどうかを検査し得る。たとえば、図2のビデオエンコーダ20の予測モジュール100はそのような検査を実行し得る。ベースレイヤブロックの予測モードがイントラであると決定された場合、動きフィールド情報のアップサンプリングはスキップされ得る。一方、ベースレイヤブロックの予測モードがイントラでないと決定された場合、ベースレイヤブロックの動きフィールドは(たとえば図2のビデオエンコーダ20のアップサンプリングモジュール130によって)アップサンプリングされ、ベースレイヤブロックのアップサンプリングされた動きフィールドに少なくとも部分的に基づいて、現在ブロックの予測値が決定される。上記で説明したように、現在ブロックの予測値の決定は、図2のビデオエンコーダ20の予測モジュール100によって実行され得る。
[0167]代替的に、最初のベースレイヤ予測モードにかかわらず、ベースレイヤアップサンプリングの後、アップサンプリングされた動きフィールドをもつすべてのブロックのためにインター予測モードが割り当てられる。いくつかの実施形態では、ベースレイヤブロックの動きフィールドは、ベースレイヤ予測モードにかかわらず、(たとえば図2のビデオエンコーダ20のアップサンプリングモジュール130によって)アップサンプリングされる。そのような実施形態では、インター予測モードは、アップサンプリングされた動きフィールドを有するすべてのブロックに割り当てられ得る。ベースレイヤブロックのアップサンプリングされた動きフィールドに少なくとも部分的に基づいて、現在ブロックのための予測値が決定され得る。現在ブロックの予測値の決定は、図2のビデオエンコーダ20の予測モジュール100によって実行され得る。
[0168]動きフィールドアップサンプリング中に、動きフィールドを割り当てる前に、現在ブロック予測モードに加えて、ネイバーブロック予測モードが考慮され得る。予測モードは、隣接ブロックに関連付けられた最も一般的なモードである予測モードに変換され得る。
[0169]いくつかの実施形態では、アップサンプリングされた動きフィールドに関連付けられたアップサンプリングされたビデオブロックの予測モードは、アップサンプリングされたビデオブロックに空間的に隣接する少なくとも1つの隣接ビデオブロックの予測モードに基づいて決定され得る。たとえば、現在ブロックがイントラブロックであるが、それの周囲のネイバーブロックの大部分がインター予測モードを有する場合、現在ブロックのモードはインターとして設定され得、アップサンプリングされた動きフィールドはこの現在ブロックのために割り当てられる。別の例では、ネイバーブロックのうちの少なくとも1つがインター予測ブロックである場合、現在ブロック予測モードもインター予測ブロックとして設定され得、アップサンプリングされた動きフィールドも割り当てられる。ベースレイヤブロックのアップサンプリングされた動きフィールドに少なくとも部分的に基づいて、現在ブロックのための予測値が決定され得る。上記で説明したように、現在ブロックの予測モードと予測値との決定は、図2のビデオエンコーダ20の予測モジュール100によって実行され得る。
[0170]1つの代替として、さらに、アップサンプリングされたピクチャ中の現在ブロックが、イントラコーディングされる(元のピクチャ中の)ブロックの少なくとも1つのピクセルに対応する場合、現在ブロックはイントラコーディングされると見なされる。
[0171]一実施形態による、ビデオ情報をコーディングするための例示的な方法900を図9に示す。方法900は、限定はしないが、インター予測モジュール121、アップサンプリングモジュール130、動き補償モジュール162またはアップサンプリングモジュール170を含む、ビデオエンコーダ20またはビデオデコーダ30の1つまたは複数の構成要素によって実行され得る。いくつかの実施形態では、本明細書で説明するステップのうちの1つまたは複数を実装するために他の構成要素が使用され得る。たとえば、方法900は、図4〜図8に関して説明したアクションのうちの1つまたは複数を実行するために使用され得る。方法900のステップについて、コーダによって実行されるものとして説明するが、そのようなステップは、エンコーダ(たとえばビデオエンコーダ20)またはデコーダ(たとえばビデオデコーダ30)によって実行され得る。
[0172]方法900はステップ901において開始する。ステップ905において、第1のレイヤ(たとえばベースレイヤ)に関連付けられた動きフィールド情報をアップサンプリングする。動きフィールド情報は、たとえば、特定の第1のレイヤに関連付けられた動きベクトルのセットを含むことができ、インター方向、参照インデックスまたは動き推定に関連する他の情報をも含み得る。本明細書で説明するアップサンプリングは、スケーリング、リサンプリング、または他の同様の技法であり得る。たとえば、動きフィールド情報のアップサンプリングは第1のレイヤのテクスチャピクチャのアップサンプリングに一致し得、その結果、両方が同じ空間アスペクト比に従ってアップサンプリングされるようになっている。
[0173]ステップ910において、コーダは、第1のレイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連するアップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを追加する。レイヤ間参照ピクチャは、単に参照ピクチャリストに追加されるか、または参照ピクチャリスト中の既存の参照ピクチャと入れ替わり得る。
[0174]ステップ915において、コーダは、レイヤ間参照ピクチャのアップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて第2のレイヤの少なくとも一部分を予測する。たとえば、コーダは、時間動きベクトル予測(TMVP)のためにレイヤ間参照ピクチャを使用し得る。たとえば、参照ピクチャリストに追加されたレイヤ間参照ピクチャを使用して、第2のレイヤ中の特定のコーディングユニットまたは予測ユニットが予測され得る。方法900はステップ920において終了する。
[0175]上記の説明では、ブロック構造は一例として使用されていることがある。しかしながら、本明細書で説明する技法、デバイス、および方法は、ピクセルに対して使用され得、隣接ブロックに関連付けられた情報を利用するのではなく、隣接ピクセルが利用され得る。

実装
[0176]現在レイヤ中の1つのブロックがベースレイヤ中の複数のブロックに対応するとき、参照インデックスと動きベクトル情報とを導出するための追加の技法がある。現在N×Nブロックが、ベースレイヤからの複数のアップサンプリングされたブロックとコロケートされたとき、以下で説明するように、いくつかの方法のうちのいずれか1つまたは複数が採用され得る。
[0177]1.参照インデックス変換
[0178]ベースレイヤ参照ピクチャリストとエンハンスメントレイヤ参照ピクチャリストが(各エントリのPOC値に関して)必ずしも同じであるとは限らないので、両方が同じPOC値をもつピクチャに対応する場合、ベースレイヤの参照インデックスrIdxBがエンハンスメントレイヤの参照インデックスrIdxEに変換される。rIdxEが存在しない場合、ベースレイヤブロックは、特定のRefPicList0またはRefPicList1方向のために利用不可能であると見なされる。
[0179]また、ベースレイヤにおけるRefPicListX(Xは0または1に等しい)に関係する参照インデックスをエンハンスメントレイヤにおけるRefPicListY(Yは1−Xに等しい)に関係する参照インデックスに変換したとき、同様の動作が実行され得る。
[0180]別の実施形態では、rIdxEが存在しない場合、POC距離に基づいて、にスケーリングされるべきベースレイヤブロック中のMVのために、(たとえば、最小参照インデックスをもつ)時間参照ピクチャが選択され得る。さらに、rIdxBは、ELのために有効であるベースレイヤ中の別の参照インデックスに変換され得る。さらに、この問題を回避するために、ビットストリームに関するエンコーダ制約が課され得る。
[0181]別の実施形態では、ベースレイヤブロックが双方向であり、参照インデックスrIdxBのうちの1つが有効でない場合、MVは、動きフィールド全体を利用不可能にするのではなく、有効な参照インデックスを用いて単方向であるように変換され得る。
[0182]以下の説明では、参照インデックスはすでに変換されたと見なされ得る。
[0183]2.インター方向ベースの選択
[0184]一実施形態では、インター方向によって、MV選択に関する優先度があらかじめ定義され得る。たとえば、現在スライスタイプがBスライスである場合、優先度は、双方向MVをもつブロックに与えられ得、これは、双方向予測であるブロックが、現在N×Nブロックを予測するために選択される可能性が高くなることを意味する。
[0185]3.ロケーション優先度ベースの選択
[0186]別の実施形態では、方向に関する優先度、たとえば、(i)最初に上、次いで左、(ii)最初に下、次いで右、または(iii)最初に上、次いで右が、あらかじめ定義され得る。第1の方向境界において現在N×Nブロックと交差するすべてのアップサンプリングされたブロックが第1に選択される。次いで、第2の方向境界において現在N×Nブロックと交差するブロックが次に選択される。動き情報のフルセットは現在N×Nブロックの動き情報であるように設定される。
[0187]4.時間距離ベースの選択
[0188]一実施形態では、アップサンプリングされたブロックのうち、現在ピクチャに最も近いPOC距離をもつ参照ピクチャを有するアップサンプリングされたブロックが、N×Nブロックの動き情報のフルセットを与えるために選択される。この動作は、RefPicList0またはRefPicList1のいずれかに対応する、各予測方向について別個に行われ得る。
[0189]別の実施形態では、最も近いPOC距離を有する同じ参照ピクチャを指す参照インデックスを含んでいる複数のアップサンプリングされたブロックがある場合、動きベクトルをさらに導出するために、以下の動作、すなわち、(1)動きベクトルの平均が最終動きベクトルとして導出される、(2)動きベクトルの媒体が最終動きベクトルとして導出される、が適用され得る。一実施形態では、媒体動作のために最高3つの動きベクトルのみが選択される。
[0190]5.仮想動きベクトル生成
[0191]別の実施形態では、1つのアップサンプリングされたブロックが、RefPicListX(Xは0または1に等しい)に対応する参照インデックスおよびMVを含んでいるが、RefPicListY(Yは1−Xに等しい)に対する利用可能な参照インデックスを含んでおらず、他のブロックが、RefPicListYに対応する参照インデックスおよびMVを含んでいるとき、これらの2つのブロックの動きベクトルは、双予測動き情報のフルセットを形成するために使用され得る。
[0192]さらに、1つのアップサンプリングされたブロックが、RefPicListX(Xは0または1に等しい)に対応する参照インデックスおよびMVを含んでいるが、RefPicListY(Yは1−Xに等しい)に対する利用可能な参照インデックスを含んでおらず、他のブロックが、RefPicListY中の1つの参照ピクチャと同じであるピクチャ以外の、RefPicListXに対応する参照インデックス(refIdxXB)およびMVを含んでいるとき、他のブロックの動きベクトルは、双予測動き情報のフルセットを形成するために使用され、refIdxXBはrefIdxYB’に変換され、refIdxYB’は、RefPicListX中のrefIdxXBによって識別されたピクチャに対応する。
[0193]本明細書で開示する情報および信号は、多種多様な技術および技法のいずれかを使用して表され得る。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
[0194]本明細書で開示する実施形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈されるべきではない。
[0195]本明細書で説明した技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。そのような技法は、汎用コンピュータ、ワイヤレス通信デバイスハンドセット、またはワイヤレス通信デバイスハンドセットおよび他のデバイスにおける適用例を含む複数の用途を有する集積回路デバイスなど、様々なデバイスのいずれかにおいて実装され得る。モジュールまたは構成要素として説明した特徴は、集積論理デバイスに一緒に、または個別であるが相互運用可能な論理デバイスとして別々に実装され得る。ソフトウェアで実装した場合、本技法は、実行されたとき、上記で説明した方法のうちの1つまたは複数を実行する命令を含むプログラムコードを備えるコンピュータ可読データ記憶媒体によって、少なくとも部分的に実現され得る。コンピュータ可読データ記憶媒体は、パッケージング材料を含むことがあるコンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。コンピュータ可読媒体は、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュメモリ、磁気または光学データ記憶媒体など、メモリまたはデータ記憶媒体を備え得る。本技法は、追加または代替として、伝搬信号または電波など、命令またはデータ構造の形態でプログラムコードを搬送または伝達し、コンピュータによってアクセスされ、読み取られ、および/または実行され得るコンピュータ可読通信媒体によって、少なくとも部分的に実現され得る。
[0196]プログラムコードは、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、または他の等価の集積回路またはディスクリート論理回路など、1つまたは複数のプロセッサを含み得るプロセッサによって実行され得る。そのようなプロセッサは、本開示で説明する技法のいずれかを実行するように構成され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。したがって、本明細書で使用する「プロセッサ」という用語は、上記の構造、上記の構造の任意の組合せ、または本明細書で説明した技法の実装に好適な他の構造または装置のいずれかを指す。さらに、いくつかの態様では、本明細書で説明した機能は、符号化および復号のために構成された専用のソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュール内に提供されるか、あるいは複合ビデオエンコーダ/デコーダ(コーデック)に組み込まれ得る。また、本技法は、1つまたは複数の回路または論理要素において完全に実装され得る。
[0197]本開示の技法は、ワイヤレスハンドセット、集積回路(IC)またはICのセット(たとえば、チップセット)を含む、多種多様なデバイスまたは装置において実装され得る。本開示では、開示する技法を実行するために構成されたデバイスの機能的態様を強調するために様々な構成要素、モジュール、またはユニットについて説明したが、それらの構成要素、モジュール、またはユニットは、必ずしも異なるハードウェアユニットによる実現を必要とするとは限らない。むしろ、上記で説明したように、様々なユニットが、好適なソフトウェアおよび/またはファームウェアとともに、上記で説明した1つまたは複数のプロセッサを含めて、コーデックハードウェアユニットにおいて組み合わせられるか、または相互動作可能なハードウェアユニットの集合によって与えられ得る。
[0198]本発明の様々な実施形態について説明した。これらおよび他の実施形態は以下の特許請求の範囲内に入る。
以下に本願発明の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
ビデオ情報をコーディングするように構成された装置であって、
第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を記憶するように構成されたメモリユニットと、ここで、前記第1の空間解像度は前記第2の空間解像度よりも小さく、前記ビデオ情報は、少なくとも、前記第1のレイヤに関連する動きフィールド情報を含み、
前記メモリユニットと通信しているプロセッサと、
を備え、前記プロセッサは、
前記第1のレイヤに関連付けられた前記動きフィールド情報をアップサンプリングすることと、
前記第1のレイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連する前記アップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを参照ピクチャリストに追加することと、
前記レイヤ間参照ピクチャの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて前記第2のレイヤの少なくとも一部分を予測することと、
を行うように構成された、装置。
[C2]
前記レイヤ間参照ピクチャは、時間動きベクトル予測(TMVP)のために使用されるコロケートピクチャとして使用される、C1に記載の装置。
[C3]
動きフィールドアップサンプリングは、前記第1のレイヤ中の各4×4ブロックについて別個に実行される、C1に記載の装置。
[C4]
前記第2のレイヤ中の各N×Nブロックについて、中心位置は、前記第1のレイヤ中のN×Nブロックに対応する一意の位置にマッピングされ、前記第2のレイヤ中の前記N×Nブロックの動きフィールド情報は、前記第1のレイヤ中の前記N×Nブロックに関連付けられた前記アップサンプリングされた動きフィールド情報から導出され、
Nは少なくとも16であり、
前記第2のレイヤ中の各N×Nブロックは、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のコロケートN×Nブロックを有し、前記特定のN×Nブロックは、前記動きフィールド情報が前記特定のN×Nブロックのためにそこからアップサンプリングされる、前記第1のレイヤ中のコロケートブロックを有する、
C1に記載の装置。
[C5]
前記第1のレイヤの前記動きフィールド情報は、HEVC動き圧縮に基づいてすでに圧縮されている、C4に記載の装置。
[C6]
前記動きフィールド情報の前記アップサンプリングは、コーディングツリーと、コーディングユニットと、予測ユニットと、モードと、イントラモードと、インターモードと、イントラ予測モードとのうちの少なくとも1つを前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連付けることを備える、C1に記載の装置。
[C7]
前記プロセッサは、前記動きフィールド情報をアップサンプリングすることに関連して、各々が参照インデックスに関連付けられた、最高2つの動きベクトルを導出するようにさらに構成された、C1に記載の装置。
[C8]
前記第1のレイヤの前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャ中のすべてのブロックのためにインター予測モードが割り当てられる、C1に記載の装置。
[C9]
前記第1のレイヤのすべてのN×Nブロックは、前記第1の空間解像度に対する前記第2の空間解像度の比に等しい比でアップサンプリングされる、C1に記載の装置。
[C10]
前記第1のレイヤ中のコロケートブロックがイントラブロックであり、前記コロケートブロックの大部分の隣接ブロックがインター予測モードを有する場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、割り当てられたインター予測モードを有する、C4に記載の装置。
[C11]
前記第1のレイヤ中の前記特定のブロックの前記コロケートブロックがイントラブロックである場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、利用可能な動きフィールド情報を有しない、C4に記載の装置。
[C12]
前記第1のレイヤ中の前記特定のブロックの前記コロケートブロックが、イントラコーディングされる前記第1のレイヤ中のブロックに属する少なくとも1つのピクセルを有する場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、利用可能な動きフィールド情報を有しない、C4に記載の装置。
[C13]
ビデオ情報を符号化する方法であって、前記方法は、
第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を受信することと、ここで、前記第1の空間解像度は前記第2の空間解像度よりも小さく、前記ビデオ情報は、少なくとも、前記第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含む、
前記第1のレイヤに関連付けられた前記動きフィールド情報をアップサンプリングすることと、
前記第1のレイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連する前記アップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを参照ピクチャリストに追加することと、
前記レイヤ間参照ピクチャの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて前記第2のレイヤの少なくとも一部分を予測することと、
ビットストリーム中で前記第2のレイヤに関連付けられた少なくとも1つのシンタックス要素をシグナリングすることと、
を備える、方法。
[C14]
前記レイヤ間参照ピクチャは、時間動きベクトル予測(TMVP)のために使用されるコロケートピクチャとして使用される、C13に記載の方法。
[C15]
動きフィールドアップサンプリングは、前記第1のレイヤ中の各4×4ブロックについて別個に実行される、C13に記載の方法。
[C16]
前記第2のレイヤ中の各N×Nブロックについて、中心位置は、前記第1のレイヤ中のN×Nブロックに対応する一意の位置にマッピングされ、前記第2のレイヤ中の前記N×Nブロックの動きフィールド情報は、前記第1のレイヤ中の前記N×Nブロックに関連付けられた前記アップサンプリングされた動きフィールド情報から導出され、
Nが少なくとも16であり、
前記第2のレイヤ中の各N×Nブロックは、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のコロケートN×Nブロックを有し、前記特定のN×Nブロックは、前記動きフィールド情報が前記特定のN×Nブロックのためにそこからアップサンプリングされる、前記第1のレイヤ中のコロケートブロックを有する、C13に記載の方法。
[C17]
前記第1のレイヤの前記動きフィールド情報は、HEVC動き圧縮に基づいてすでに圧縮されている、C13に記載の方法。
[C18]
前記動きフィールド情報の前記アップサンプリングは、コーディングツリーと、コーディングユニットと、予測ユニットと、モードと、イントラモードと、インターモードと、イントラ予測モードとのうちの少なくとも1つを前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連付けることを備える、C13に記載の方法。
[C19]
前記動きフィールド情報をアップサンプリングすることに関連して、各々が参照インデックスに関連付けられた、最高2つの動きベクトルを導出することをさらに備える、C13に記載の方法。
[C20]
前記第1のレイヤの前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャ中のすべてのブロックのためにインター予測モードが割り当てられる、C13に記載の方法。
[C21]
前記第1のレイヤのすべてのN×Nブロックは、前記第1の空間解像度に対する前記第2の空間解像度の比に等しい比でアップサンプリングされる、C13に記載の方法。
[C22]
前記第1のレイヤ中のコロケートブロックがイントラブロックであり、前記コロケートブロックの大部分の隣接ブロックがインター予測モードを有する場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、割り当てられたインター予測モードを有する、C16に記載の方法。
[C23]
前記第1のレイヤ中の前記特定のブロックの前記コロケートブロックがイントラブロックである場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、利用可能な動きフィールド情報を有しない、C16に記載の方法。
[C24]
前記第1のレイヤ中の前記特定のブロックの前記コロケートブロックが、イントラコーディングされる前記第1のレイヤ中のブロックに属する少なくとも1つのピクセルを有する場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、利用可能な動きフィールド情報を有しない、C16に記載の方法。
[C25]
ビデオ情報を復号する方法であって、前記方法は、
符号化ビデオビットストリームから抽出されたシンタックス要素を受信することと、ここで、前記シンタックス要素は、第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を備え、前記第1の空間解像度は前記第2の空間解像度よりも小さく、前記ビデオ情報は、少なくとも、前記第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含み、
前記第1のレイヤに関連付けられた前記動きフィールド情報をアップサンプリングすることと、
前記第1のレイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連する前記アップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを参照ピクチャリストに追加することと、
前記レイヤ間参照ピクチャの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて前記第2のレイヤの少なくとも一部分を予測することと、
を備える、方法。
[C26]
前記レイヤ間参照ピクチャは、時間動きベクトル予測(TMVP)のために使用されるコロケートピクチャとして使用される、C25に記載の方法。
[C27]
動きフィールドアップサンプリングは、前記第1のレイヤ中の各4×4ブロックについて別個に実行される、C25に記載の方法。
[C28]
前記第2のレイヤ中の各N×Nブロックについて、中心位置は、前記第1のレイヤ中のN×Nブロックに対応する一意の位置にマッピングされ、前記第2のレイヤ中の前記N×Nブロックの動きフィールド情報は、前記第1のレイヤ中の前記N×Nブロックに関連付けられた前記アップサンプリングされた動きフィールド情報から導出され、
Nは少なくとも16であり、
前記第2のレイヤ中の各N×Nブロックは、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のコロケートN×Nブロックを有し、前記特定のN×Nブロックは、前記動きフィールド情報が前記特定のN×Nブロックのためにそこからアップサンプリングされる、前記第1のレイヤ中のコロケートブロックを有する、
C25に記載の方法。
[C29]
前記第1のレイヤの前記動きフィールド情報は、HEVC動き圧縮に基づいてすでに圧縮されている、C25に記載の方法。
[C30]
前記動きフィールド情報の前記アップサンプリングは、コーディングツリーと、コーディングユニットと、予測ユニットと、モードと、イントラモードと、インターモードと、イントラ予測モードとのうちの少なくとも1つを前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連付けることを備える、C25に記載の方法。
[C31]
前記動きフィールド情報をアップサンプリングすることに関連して、各々が参照インデックスに関連付けられた、最高2つの動きベクトルを導出することをさらに備える、C25に記載の方法。
[C32]
前記第1のレイヤの前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャ中のすべてのブロックのためにインター予測モードが割り当てられる、C25に記載の方法。
[C33]
前記第1のレイヤのすべてのN×Nブロックは、前記第1の空間解像度に対する前記第2の空間解像度の比に等しい比でアップサンプリングされる、C25に記載の方法。
[C34]
前記第1のレイヤ中のコロケートブロックがイントラブロックであり、前記コロケートブロックの大部分の隣接ブロックがインター予測モードを有する場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、割り当てられたインター予測モードを有する、C28に記載の方法。
[C35]
前記第1のレイヤ中の前記特定のブロックの前記コロケートブロックがイントラブロックである場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、利用可能な動きフィールド情報を有しない、C28に記載の方法。
[C36]
前記第1のレイヤ中の前記特定のブロックの前記コロケートブロックが、イントラコーディングされる前記第1のレイヤ中のブロックに属する少なくとも1つのピクセルを有する場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、利用可能な動きフィールド情報を有しない、C28に記載の方法。
[C37]
実行されたとき、装置に、
第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を記憶することと、ここで、前記第1の空間解像度が前記第2の空間解像度よりも小さく、前記ビデオ情報は、少なくとも、前記第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含み、
前記第1のレイヤに関連付けられた前記動きフィールド情報をアップサンプリングすることと、
前記第1のレイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連する前記アップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを参照ピクチャリストに追加することと、
前記レイヤ間参照ピクチャの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて前記第2のレイヤの少なくとも一部分を予測することと、
を行わせるコードを備える非一時的コンピュータ可読媒体。
[C38]
前記レイヤ間参照ピクチャは、時間動きベクトル予測(TMVP)のために使用されるコロケートピクチャとして使用される、C37に記載の媒体。
[C39]
前記動きフィールド情報の前記アップサンプリングは、コーディングツリーと、コーディングユニットと、予測ユニットと、モードと、イントラモードと、インターモードと、イントラ予測モードとのうちの少なくとも1つを前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連付けることを備える、C37に記載の媒体。
[C40]
前記第1のレイヤ中の特定ブロックがイントラブロックである場合において、前記特定のブロックの大部分の隣接ブロックがインター予測モードを有する場合、前記特定のブロックのためにインター予測モードが割り当てられる、C37に記載の媒体。
[C41]
ビデオ情報をコーディングするように構成されたビデオコーディングデバイスであって、前記ビデオコーディングデバイスは、
第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を記憶するための手段と、ここで、前記第1の空間解像度は前記第2の空間解像度よりも小さく、前記ビデオ情報は、少なくとも、前記第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含み、
前記第1のレイヤに関連付けられた前記動きフィールド情報をアップサンプリングするための手段と、
前記第1のレイヤのアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連する前記アップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを参照ピクチャリストに追加するための手段と、
前記レイヤ間参照ピクチャの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて前記第2のレイヤの少なくとも一部分を予測するための手段と、
を備える、ビデオコーディングデバイス。
[C42]
前記レイヤ間参照ピクチャは、時間動きベクトル予測(TMVP)のために使用されるコロケートピクチャとして使用される、C41に記載のデバイス。
[C43]
前記動きフィールド情報の前記アップサンプリングは、コーディングツリーと、コーディングユニットと、予測ユニットと、モードと、イントラモードと、インターモードと、イントラ予測モードとのうちの少なくとも1つを前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連付けることを備える、C41に記載のデバイス。
[C44]
前記第1のレイヤ中の特定ブロックがイントラブロックである場合において、前記特定のブロックの大部分の隣接ブロックがインター予測モードを有する場合、前記特定のブロックのためにインター予測モードが割り当てられる、C41に記載のデバイス。

Claims (26)

  1. ビデオ情報を符号化する方法であって、前記方法は、
    第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を受信することと、ここで、前記第1の空間解像度は前記第2の空間解像度よりも小さく、前記ビデオ情報は、少なくとも、前記第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含む、
    アップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを生成することと、前記アップサンプリングされた動き情報は、前記第1のレイヤのテクスチャピクチャに関連付けられたアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連し、前記レイヤ間参照ピクチャを生成することは、
    前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの一部分がイントラコーディングされるかどうかを決定することと、
    (i)前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされないとの決定に基づいて、イントラコーディングされない前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの前記一部分に関連付けられた第1の動きフィールド情報をアップサンプリングすること、ここで、前記レイヤ間参照ピクチャの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報は、前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの前記一部分に関連付けられた前記アップサンプリングされた第1の動きフィールド情報を含む、または(ii)前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされるとの決定に基づいて、イントラコーディングされる前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの前記一部分のために動きフィールド情報をアップサンプリングすることをしないこと、のうちの1つを実行することと、
    ここにおいて、前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされないと決定されたとき、前記テクスチャピクチャの前記一部分に対応する、前記第1のレイヤの前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャ中のブロックに対し、インター予測モードが割り当てられ、
    前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされると決定され、前記ブロックに隣接する少なくとも1つの隣接ブロックの予測モードがインター予測モードであるとき、前記ブロックに対し、(a)インター予測モードと、(b)前記少なくとも1つの隣接ブロックの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報と、が割り当てられ、
    を備え、
    前記レイヤ間参照ピクチャの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて前記第2のレイヤの少なくとも一部分を予測することと、
    ビットストリーム中で前記第2のレイヤに関連付けられた少なくとも1つのシンタックス要素をシグナリングすることと、
    を備える、方法。
  2. ビデオ情報を復号する方法であって、前記方法は、
    符号化ビデオビットストリームから抽出されたシンタックス要素を受信することと、ここで、前記シンタックス要素は、第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を備え、前記第1の空間解像度は前記第2の空間解像度よりも小さく、前記ビデオ情報は、少なくとも、前記第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含み、
    アップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを参照ピクチャリストに追加することと、前記アップサンプリングされた動き情報は、前記第1のレイヤのテクスチャピクチャに関連付けられたアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連し、ここで、前記レイヤ間参照ピクチャを追加することは、
    前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの一部分がイントラコーディングされるかどうかを決定することと、
    (i)前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされないとの決定に基づいて、イントラコーディングされない前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの前記一部分に関連付けられた第1の動きフィールド情報をアップサンプリングすること、ここで、前記レイヤ間参照ピクチャの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報は、前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの前記一部分に関連付けられた前記アップサンプリングされた第1の動きフィールド情報を含む、または(ii)前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされるとの決定に基づいて、イントラコーディングされる前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの前記一部分のために動きフィールド情報をアップサンプリングすることをしないこと、のうちの1つを実行することと、
    ここにおいて、前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされないと決定されたとき、前記テクスチャピクチャの前記一部分に対応する、前記第1のレイヤの前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャ中のブロックに対し、インター予測モードが割り当てられ、
    前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされると決定され、前記ブロックに隣接する少なくとも1つの隣接ブロックの予測モードがインター予測モードであるとき、前記ブロックに対し、(a)インター予測モードと、(b)前記少なくとも1つの隣接ブロックの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報と、が割り当てられ、
    を備え、
    前記レイヤ間参照ピクチャの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて前記第2のレイヤの少なくとも一部分を予測することと、
    を備える、方法。
  3. 前記レイヤ間参照ピクチャは、前記第2のレイヤの前記一部分を予測するために使用されるべき時間動きベクトルを決定するために使用されるコロケートピクチャとして使用される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記動きフィールドアップサンプリングは、前記第1のレイヤ中の各4×4ブロックについて別個に実行される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第2のレイヤ中の各N×Nブロックについて、中心位置は、前記第1のレイヤ中のN×Nブロックに対応する一意の位置にマッピングされ、前記第2のレイヤ中の前記N×Nブロックの動きフィールド情報は、前記第1のレイヤ中の前記N×Nブロックに関連付けられた前記アップサンプリングされた動きフィールド情報から導出され、Nは16であり、前記第2のレイヤ中の各N×Nブロックは、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のコロケートN×Nブロックを有し、前記特定のN×Nブロックは、前記動きフィールド情報が前記特定のN×Nブロックのためにそこからアップサンプリングされる、前記第1のレイヤ中のコロケートブロックを有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1のレイヤの前記動きフィールド情報は、前記テクスチャピクチャ中の各16×16ブロックが同じ動きベクトルに関連付けられるようにHEVC動き圧縮に基づいてすでに圧縮されている、請求項1に記載の方法。
  7. 前記動きフィールド情報の前記アップサンプリングは、HEVCコーディングツリーと、HEVCコーディングユニットと、HEVC予測ユニットと、イントラ予測モードと、インター予測モードとのうちの少なくとも1つを前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連付けることを備える、請求項1に記載の方法。
  8. 前記動きフィールド情報をアップサンプリングすることに関連して、各々が前記参照ピクチャリスト中の参照ピクチャを示す参照インデックスに関連付けられた、最高2つの動きベクトルを導出することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第1のレイヤの前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャ中のすべてのブロックのためにインター予測モードが割り当てられる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第1のレイヤのすべてのN×Nブロックは、前記第1の空間解像度に対する前記第2の空間解像度の比に等しい比でアップサンプリングされる、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第1のレイヤ中の前記特定のブロックの前記コロケートブロックがイントラブロックである場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、利用可能な動きフィールド情報を有しない、請求項5に記載の方法。
  12. 前記第1のレイヤ中の前記特定のブロックの前記コロケートブロックが、イントラコーディングされる前記第1のレイヤ中のブロックに属する少なくとも1つのピクセルを有する場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、利用可能な動きフィールド情報を有しない、請求項5に記載の方法。
  13. 実行されたとき、装置に、請求項1、3−12のうちのいずれか一項にしたがった方法を実行させるコードを備える非一時的コンピュータ可読媒体。
  14. ビデオ情報をコーディングするように構成された装置であって、
    第1の空間解像度を有する第1のレイヤと、第2の空間解像度を有する対応する第2のレイヤとに関連付けられたビデオ情報を記憶するように構成されたメモリユニットと、ここで、前記第1の空間解像度は前記第2の空間解像度よりも小さく、前記ビデオ情報は、少なくとも、前記第1のレイヤに関連付けられた動きフィールド情報を含み、
    前記メモリユニットと通信しているプロセッサと、
    を備え、前記プロセッサは、
    アップサンプリングされた動きフィールド情報を含むレイヤ間参照ピクチャを参照ピクチャリストに追加することと、前記アップサンプリングされた動き情報は、前記第1のレイヤのテクスチャピクチャに関連付けられたアップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連し、前記プロセッサは、
    前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの一部分がイントラコーディングされるかどうかを決定することと、
    (i)前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされないとの決定に基づいて、イントラコーディングされない前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの前記一部分に関連付けられた第1の動きフィールド情報をアップサンプリングすること、ここで、前記レイヤ間参照ピクチャの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報は、前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの前記一部分に関連付けられた前記アップサンプリングされた第1の動きフィールド情報を含む、または(ii)前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされるとの決定に基づいて、イントラコーディングされる前記第1のレイヤの前記テクスチャピクチャの前記一部分のために動きフィールド情報をアップサンプリングすることをしないこと、のうちの1つを実行することと、
    によって、前記レイヤ間参照ピクチャを追加するように構成され、ここにおいて、
    前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされないと決定されたとき、前記テクスチャピクチャの前記一部分に対応する、前記第1のレイヤの前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャ中のブロックに対し、インター予測モードが割り当てられ、
    前記テクスチャピクチャの前記一部分がイントラコーディングされると決定され、前記ブロックに隣接する少なくとも1つの隣接ブロックの予測モードがインター予測モードであるとき、前記ブロックに対し、(a)インター予測モードと、(b)前記少なくとも1つの隣接ブロックの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報と、が割り当てられ、
    前記レイヤ間参照ピクチャの前記アップサンプリングされた動きフィールド情報に基づいて前記第2のレイヤの少なくとも一部分を予測することと、
    を行うように構成された、装置。
  15. 前記レイヤ間参照ピクチャは、前記第2のレイヤの前記一部分を予測するために使用されるべき時間動きベクトルを決定するために使用されるコロケートピクチャとして使用される、請求項14に記載の装置。
  16. 前記レイヤ間参照ピクチャは、前記第2のレイヤの前記一部分を予測するために使用されるべき時間動きベクトルを決定するために使用されるコロケートピクチャとして使用される、請求項2に記載の方法。
  17. 前記動きフィールドアップサンプリングは、前記第1のレイヤ中の各4×4ブロックについて別個に実行される、請求項2に記載の方法。
  18. 前記第2のレイヤ中の各N×Nブロックについて、中心位置は、前記第1のレイヤ中のN×Nブロックに対応する一意の位置にマッピングされ、前記第2のレイヤ中の前記N×Nブロックの動きフィールド情報は、前記第1のレイヤ中の前記N×Nブロックに関連付けられた前記アップサンプリングされた動きフィールド情報から導出され、Nは16であり、前記第2のレイヤ中の各N×Nブロックは、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のコロケートN×Nブロックを有し、前記特定のN×Nブロックは、前記動きフィールド情報が前記特定のN×Nブロックのためにそこからアップサンプリングされる、前記第1のレイヤ中のコロケートブロックを有する、請求項2に記載の方法。
  19. 前記第1のレイヤの前記動きフィールド情報は、前記テクスチャピクチャ中の各16×16ブロックが同じ動きベクトルに関連付けられるようにHEVC動き圧縮に基づいてすでに圧縮されている、請求項2に記載の方法。
  20. 前記動きフィールド情報の前記アップサンプリングは、HEVCコーディングツリーと、HEVCコーディングユニットと、HEVC予測ユニットと、イントラモードと、インターモードとのうちの少なくとも1つを前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャに関連付けることを備える、請求項2に記載の方法。
  21. 前記動きフィールド情報をアップサンプリングすることに関連して、各々が前記参照ピクチャリスト中の参照ピクチャを示す参照インデックスに関連付けられた、最高2つの動きベクトルを導出することをさらに備える、請求項2に記載の方法。
  22. 前記第1のレイヤの前記アップサンプリングされたテクスチャピクチャ中のすべてのブロックのためにインター予測モードが割り当てられる、請求項2に記載の方法。
  23. 前記第1のレイヤのすべてのN×Nブロックは、前記第1の空間解像度に対する前記第2の空間解像度の比に等しい比でアップサンプリングされる、請求項2に記載の方法。
  24. 前記第1のレイヤ中の前記特定のブロックの前記コロケートブロックがイントラブロックである場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、利用可能な動きフィールド情報を有しない、請求項18に記載の方法。
  25. 前記第1のレイヤ中の前記特定のブロックの前記コロケートブロックが、イントラコーディングされる前記第1のレイヤ中のブロックに属する少なくとも1つのピクセルを有する場合、前記レイヤ間参照ピクチャ中の特定のブロックは、利用可能な動きフィールド情報を有しない、請求項18に記載の方法。
  26. 実行されたとき、装置に、請求項2、16−25のうちのいずれか一項にしたがった方法を実行させるコードを備える非一時的コンピュータ可読媒体。
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