以下に、本発明の実施の形態にかかる光ノード装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる光ノード装置の構成例を示す図である。光ノード装置であるノード(Node)1は、光受信増幅部1100、波長分波部1200、波長合波部1300,2300、光送信増幅部1400,2400、接続状態判定部10および機器設定部20を備えている。波長分波部1200は光出力部である。
光受信増幅部1100は、波長分割多重された信号光であるWDM(Wavelength Division Multiplexing)信号光を受信し、これを増幅して出力する。波長分波部1200は、光受信増幅部1100から出力されたWDM信号光を波長ごとの信号光に分波して出力する。波長合波部1300および2300は、波長分波部1200から出力された信号光のうち、任意の波長の信号光を受信して合波し、合波後の信号光、すなわち波長分割多重された信号光を出力する。光送信増幅部1400は、波長合波部1300から出力された信号光を増幅して出力する。光送信増幅部2400は、波長合波部2300から出力された信号光を増幅して出力する。接続状態判定部10は、波長分波部1200で分波された各波長の信号光が正しい接続先に出力されているか否かを判定する。機器設定部20は、ノード1内の各部の設定を変更する。なお、図1においては機器設定部20と機器設定部20により設定が変更される各部とを接続する信号線の記載を省略している。
図1に示した光受信増幅部1100、波長分波部1200、波長合波部1300、波長合波部2300、光送信増幅部1400および光送信増幅部2400の接続について詳しく説明する。
光受信増幅部1100が備えている光コネクタ1112と波長分波部1200が備えている光コネクタ1211とは光パッチコード11で接続されている。波長分波部1200が備えている光コネクタ1212aと波長合波部1300が備えているコネクタ1311aとは光パッチコード12aにて接続されている。波長合波部1300が備えている光コネクタ1312と光送信増幅部1400が備えている光コネクタ1411とは光パッチコード13にて接続されている。波長分波部1200が備えている光コネクタ1212bと波長合波部2300が備えている光コネクタ2311bとは光パッチコード12bにて接続されている。波長合波部2300が備えている光コネクタ2312と光送信増幅部2400が備えている光コネクタ2411とは光パッチコード23にて接続されている。なお、図1では、波長合波部と光送信増幅部のペアを2組(波長合波部1300と光送信増幅部1400の組、波長合波部2300と光送信増幅部2400の組)としているが、3組以上としてもよい。また、波長分波部を複数備える構成としてもよい。
光受信増幅部1100、波長分波部1200、波長合波部1300、波長合波部2300、光送信増幅部1400および光送信増幅部2400の動作を説明する。ここでは、各部の接続関係が図1に示した場合の例について説明する。
光受信増幅部1100について説明する。光受信増幅部1100は、伝送路からのWDM信号光を光コネクタ1111経由で受信すると、まず、光カプラ1101がWDM信号光をPD(Photodiode)1121と光増幅器1131へ分岐する。PD1121は光カプラ1101から入力されたWDM信号光を光電変換して光レベル検出部1141へ出力し、光レベル検出部1141が光レベルを確認する。光レベル検出部1141は、PD1121から流れる電流を計測する電流センサで構成されており、光レベルに応じた電流値を計測し、計測値を光レベルの確認結果とする。光レベル検出部1141は確認結果である光レベルを接続状態判定部10へ出力する。光増幅器1131は伝送路の損失によりレベル低下したWDM信号光を増幅補償する。光カプラ1102は、光増幅器1131から出力されたWDM信号光をPD1122と光コネクタ1112へ分岐する。光カプラ1102から光コネクタ1112へ分岐されたWDM信号光は光パッチコード11を介して出力される。PD1122は光カプラ1102から入力されたWDM信号光を光電変換して光レベル検出部1142へ出力し、光レベル検出部1142が光レベルを確認する。光レベル検出部1142は確認結果である光レベルを接続状態判定部10へ出力する。
波長分波部1200について説明する。波長分波部1200は、光受信増幅部1100から入力されたWDM信号光を波長ごとの信号光に分波し、各波長の信号光を指定されたポートから出力する。具体的には、波長分波部1200は、光受信増幅部1100で増幅されたWDM信号光を光パッチコード11経由で受信すると、まず、光カプラ1201が受信したWDM信号光をPD1222と波長選択スイッチ1231へ分岐する。波長選択スイッチは、WSS DEMUX(Wavelength Selective Switch Demultiplexer)とも呼ばれる。PD1222は光カプラ1201から入力されたWDM信号光を光電変換して光レベル検出部1242へ出力し、光レベル検出部1242が光レベルを確認する。光レベル検出部1242は確認結果である光レベルを接続状態判定部10へ出力する。WSS DEMUX1231は、入力されたWDM信号光を任意のポート(ポート1212a〜1212i)へ任意の波長を選択して出力する。WSS DEMUX1231は、ポートごとに、透過させる波長の設定が可能である。初期状態では、いずれの波長も透過させない設定となっており、全ての信号光をブロックする。なお、図1では、波長分波部1200のport1〜port9がポート1212a〜1212iに対応している。また、光カプラ1201は、WSS DEMUX1231からWDM信号光が入力されると、入力されたWDM信号光を光コネクタ1211と波長可変フィルタ1232へ分岐する。波長可変フィルタ1232は、選択した任意波長の信号光を透過させる光モジュールである。波長可変フィルタ1232が透過させる波長の設定は変更可能である。波長可変フィルタ1232は、光カプラ1201から入力されたWDM信号光のうち、透過させる波長に設定されている波長の信号光をPD1221へ出力する。PD1221は波長可変フィルタ1232から入力されたWDM信号光を光電変換して光レベル検出部1241へ出力し、光レベル検出部1241が光レベルを確認する。光レベル検出部1241は確認結果である光レベルを接続状態判定部10へ出力する。
波長合波部1300について説明する。波長分波部1200で分波され、ポート1212aより出力された波長λ1の信号光は光パッチコード12aを介して波長合波部1300のポート1311aへ入力される。波長合波部1300では、まず、WSS MUX(Wavelength Selective Switch Multiplexer)1331がポート1311a〜1311iの各々から入力された各波長の信号光を合波して出力する。WSS MUX1331の各ポートは、透過させる波長の設定が可能である。初期状態では、いずれの波長も透過させない設定となっており、全ての信号光をブロックする。ここでは、波長λ1の信号光がポート1311aから入力されるようにWSS MUX1331が設定されているものとする。WSS MUX1331から出力された合波後のWDM信号光は波長可変反射フィルタ1332に入力される。波長可変反射フィルタ1332は選択した任意波長の信号光を反射させ、選択した波長とは異なる波長の信号光を透過させることが可能な光モジュールである。波長可変反射フィルタ1332は、初期状態では、全ての波長を透過させる設定となっている。ここでは初期状態とする。波長可変反射フィルタ1332は、WSS MUX1331から出力された合波後のWDM信号光の全ての波長を透過させる。光カプラ1301は、波長可変反射フィルタ1332を透過したWDM信号光である波長λ1の信号光をPD1321と光コネクタ1312へ分岐する。PD1321は光カプラ1301から入力された波長λ1の信号光を光電変換して光レベル検出部1341へ出力し、光レベル検出部1341が光レベルを確認する。光レベル検出部1341は確認結果である光レベルを接続状態判定部10へ出力する。なお、図1では、波長合波部1300のport1〜port9がポート1311a〜1311iに対応している。波長合波部1300と同じ構成である波長合波部2300の動作も同様である。波長合波部2300の詳細動作については説明を省略する。
光送信増幅部1400について説明する。光送信増幅部1400は、波長合波部1300で合波されたWDM信号光を光パッチコード13経由で受信すると、まず、光カプラ1401が受信したWDM信号光をPD1421と光増幅器1431へ分岐する。PD1421は光カプラ1401から入力されたWDM信号光を光電変換して光レベル検出部1441へ出力し、光レベル検出部1441が光レベルを確認する。光レベル検出部1441は確認結果である光レベルを接続状態判定部10へ出力する。光増幅器1431は伝送路送信前にWDM信号光を増幅する。光増幅器1431で増幅されたWDM信号光は光カプラ1402によりPD1422と光コネクタ1412へ分岐される。PD1422は光カプラ1402から入力されたWDM信号光を光電変換して光レベル検出部1442へ出力し、光レベル検出部1442が光レベルを確認する。光レベル検出部1442は確認結果である光レベルを接続状態判定部10へ出力する。光送信増幅部1400と同じ構成である光送信増幅部2400の動作も同様である。光送信増幅部2400の詳細動作については説明を省略する。
接続状態判定部10の動作について説明する。接続状態判定部10は、波長分波部1200が備えている光レベル検出部1241で確認された光レベルを閾値と比較し、比較結果に基づいて、波長分波部1200で分波された各波長の信号光が正しい接続先に出力されているか否か、すなわち、波長分波部1200のポートと波長合波部1300または2300のポートとを接続する光パッチコードが正しく接続されているか否かを判定する。光レベル検出部1241で確認された光レベルは、WSS DEMUX1231がポートへ出力した後、途中で反射して戻ってきた信号光のレベルである。WSS DEMUX1231がポートへ出力した後に反射して戻ってくる信号光のレベルは、どこで反射したかにより変化する。そのため、接続状態判定部10は、光レベル検出部1241で確認された光レベルから、反射した位置の違いを判別できる。光パッチコードの接続が間違っている場合、出力した信号光が反射する位置が正しく接続されている場合と異なる、または、反射されないため、接続状態判定部10は、光レベル検出部1241で確認された光レベルに基づいて、光パッチコードの接続が正しいか否かを判定できる。
接続状態判定部10は、2種類の閾値を保持している。保持している2種類の閾値をPth_AおよびPth_Bとする。これらの閾値の間には、Pth_A<Pth_Bという関係が成り立つ。一つ目の閾値Pth_Aは、波長分波部1200から出力した信号光が波長合波部の波長可変反射フィルタで反射されたか否かを判定するための閾値である。光レベル検出部1241で確認された光レベルをPとした場合、接続状態判定部10は、P>Pth_Aの場合に信号光が波長合波部の波長可変反射フィルタで反射されたと判定する。二つ目の閾値Pth_Bは、光パッチコードの未接続、すなわち、光パッチコードがコネクタから外れた状態を検出するための閾値である。図1に示した構成の場合、光パッチコードがコネクタから外れた状態では、WSS DEMUX1231がポート1212a〜1212iへ出力した信号光は出力したポートまたは光パッチコードの未接続側の端部で反射する。そのため、WSS DEMUX1231から出力され、出力したポートまたは光パッチコードの未接続側の端部で反射して戻ってきた信号光の光レベルは、波長合波部1300または2300まで到達し、波長可変反射フィルタ1332または2332で反射して戻ってきた光レベルと比較して、大きな値となる。接続状態判定部10は、光レベル検出部1241で確認された光レベルPが閾値Pth_B以上の場合、すなわち、Pth_B≦Pの場合、光パッチコードがコネクタから外れた状態と判定する。
2種類の閾値の決定方法を説明する。2種類の閾値のうち、信号光が波長可変反射フィルタで反射されたか否か判定するための閾値Pth_Aは、例えば、光パッチコードが正しく接続され、波長可変反射フィルタが信号光を反射している状態を作り出し、この状態で光レベル検出部1241が検出した光レベルに基づき、この光レベルを示す値よりも小さな値に決定する。また、光パッチコードがコネクタから外れている状態を検出するための閾値Pth_Bは、例えば、光パッチコードが未接続の状態を作り出し、この状態で光レベル検出部1241が検出した光レベルに基づき、この光レベルを示す値よりも小さい値に決定する。
機器設定部20は、波長分波部1200が備えているWSS DEMUX1231および波長可変フィルタ1232の設定、波長合波部1300が備えているWSS MUX1331および波長可変反射フィルタ1332の設定、波長合波部2300が備えているWSS MUX2331および波長可変反射フィルタ2332の設定を変更する。すなわち、機器設定部20は、WSS DEMUX1231について、入力されたWDM信号光のどの波長をどのポートから出力するかの設定を変更する。機器設定部20は、WSS MUX1331について、どのポートがどの波長を透過させるかの設定を変更する。機器設定部20は、波長可変フィルタ1232について、どの波長を透過させるかの設定を変更する。機器設定部20は、波長可変反射フィルタ1332および2332について、どの波長を反射させるかの設定を変更する。
機器設定部20は、光パッチコードの接続が正しいか否かを接続状態判定部10が判定する際、接続が正しいか否かの判定が可能となるように、波長分波部1200が備えているWSS DEMUX1231および波長可変フィルタ1232、波長合波部1300が備えているWSS MUX1331および波長可変反射フィルタ1332、波長合波部2300が備えているWSS MUX2331および波長可変反射フィルタ2332の設定を変更する。例えば、使用する信号光の波長をλ1とし、この波長の信号光を波長分波部1200のWSS DEMUX1231のポート1212aから出力し、波長合波部1300のWSS MUX1331のポート1311aへ入力させたい場合、すなわち、光パッチコードが波長分波部1200のWSS DEMUX1231のポート1212aと波長合波部1300のWSS MUX1331のポート1311aとを接続している状態が正しい接続の場合、機器設定部20は、波長分波部1200のWSS DEMUX1231のポート1212aが波長λ1の信号光を透過させるように設定する。また、機器設定部20は、波長合波部1300のWSS MUX1331のポート1311aが波長λ1の信号光を透過させるように設定する。さらに、機器設定部20は、波長分波部1200の波長可変フィルタ1232が波長λ1の信号光を透過させるように設定するとともに、波長合波部1300の波長可変反射フィルタ1332が波長λ1の信号光を反射するように設定する。この場合、光パッチコードが正しく接続されていれば、波長λ1の信号光は波長分波部1200のWSS DEMUX1231のポート1212aから出力されて波長合波部1300のWSS MUX1331のポート1311aへ入力される。そして、波長合波部1300の波長可変反射フィルタ1332は、ポート1311aから入力された波長λ1の信号光を反射する。このように、光パッチコードが正しく接続されている場合、波長λ1の信号光は、正しく接続された光パッチコードを介して波長合波部1300に入力した後に反射する。このケースでは、WSS MUX1331での光損失が発生する。一方、光パッチコードがコネクタから抜けているケースではWSS MUX1331での光損失が発生しない。そのため、光パッチコードの接続が正しい場合、光パッチコードがコネクタから抜けている場合と比較して、波長分波部1200の光レベル検出部1241で検出される光レベルの方が低くなる。
上述したように、接続状態判定部10は、光レベル検出部1241で確認された光レベルに基づいて、光パッチコードが正しく接続されているか否かを判定する。しかし、図1に示したように、波長分波部1200のWSS DEMUX1231から出力される信号光を受け取る波長合波部は複数存在し、さらに、各波長合波部への入力先となるポートも波長合波部ごとに複数存在する。そのため、詳細については後述するが、機器設定部20が、波長分波部1200が備えているWSS DEMUX1231および波長可変フィルタ1232、波長合波部1300が備えているWSS MUX1331および波長可変反射フィルタ1332、波長合波部2300が備えているWSS MUX2331および波長可変反射フィルタ2332の設定を適宜変更する。一方、接続状態判定部10は、機器設定部20により上記各部の設定変更が行われると、光レベル検出部1241で確認された光レベルを上記2種類の閾値と比較し、光パッチコードが正しく接続されているか否かを判定する。
接続状態判定部10および機器設定部20の動作について、図2を参照しながら詳しく説明する。図2は、接続状態判定部10が波長分波部1200で分波された各波長の信号光が正しい接続先に出力されているか否かを判定する、接続性確認動作手順の一例を示すフローチャートである。この接続性確認動作は、波長分波部1200と波長合波部1300とを接続する光パッチコード、または、波長分波部1200と波長合波部2300とを接続する光パッチコードが新たに追加された場合に実行する。動作の開始条件は、例えば、光パッチコードを接続する作業者が接続性確認動作の開始を指示する操作を行った場合とするが、その他の条件としてもよい。開始条件を複数設けておいてもよい。
接続性確認動作では、まず、機器設定部20が、サービス波長以外の波長の中から新たに使用する1つの波長を選択する(ステップS1)。サービス波長とは、既にユーザに割り当てられ、ユーザに使用されている波長である。よって、ステップS1において、機器設定部20は、未使用の波長の中の1つを選択する。例えば、ノード1が適用される光通信システムに割り当てられている波長がλ1〜λ8であり、かつ波長λ1およびλ2が既に使用されている場合、機器設定部20は、未使用状態のλ3〜λ8の中から一つの波長λx(x=3〜8)を選択する。
次に、機器設定部20が、波長分波部1200の波長可変フィルタ1232の設定を変更し、ステップS1で選択した波長λxを透過させるようにする(ステップS2)。機器設定部20は、さらに、波長分波部1200のWSS DEMUX1231の設定を変更し、ステップS1で選択した波長λxを特定ポートから出力させるようにする(ステップS3)。ここで、特定ポートとは、光パッチコードを新たに接続するポートである。特定ポートの情報は、例えば、光パッチコードを接続する作業者が接続性確認動作の開始を指示する操作を行う際に、作業者から取得する。すなわち、作業者に特定ポートの情報を入力させる。作業者は、例えば、PC(Personal Computer)を接続するためのインタフェースをノード1が有している場合、作業者はPCを使用して特定ポートの情報を入力する。機器設定部20に特定ポートの情報を入力させるためのインタフェースを設けてもよい。
なお、これらのステップS1〜S3の処理は、厳密には、接続性確認動作ではない。これらのステップS1〜S3は、光パッチコードを新たに追加するための機器の初期設定に該当する。
次に、接続状態判定部10が、光レベル検出部1241で検出された光レベルPを上述した閾値Pth_Bと比較することにより、コネクタ抜けが発生しているか否かを判定する(ステップS4)。接続状態判定部10は、光レベルPが閾値Pth_B以上の場合(ステップS4:Yes)、コネクタ抜け、すなわち、波長λxの信号光を出力するWSS DEMUX1231のポート(ポート1212a〜1212i)、または、この信号光を受信するWSS MUX(WSS MUX1331,2331)のポート(ポート1311a〜1311i,2311a〜2311i)に光パッチコードが接続されていないと判断する(ステップS13)。コネクタ抜けが発生している場合、上述したように、WSS DEMUX1231から出力された信号光は、WSS MUXに到達することなく、WSS MUXWSS DEMUX1231のポートまたは光パッチコードの未接続側の端部で反射する。そのため、光レベル検出部1241で検出された光レベルPは、信号光がWSS MUXに到達してから波長可変反射フィルタで反射した場合よりも大きい。
光レベルPが閾値Pth_B未満の場合(ステップS4:No)、光パッチコードのコネクタ抜けは発生しておらず、光パッチコードはコネクタに接続されている状態である。しかし、光パッチコードを接続しているコネクタ、すなわちポートが間違っている可能性があるため、接続状態判定部10および機器設定部20は、図2に示したステップS5〜S16を実行し、光パッチコードを接続しているポートが正しいか否かを判定する。
ステップS5では、機器設定部20が、波長λxの信号光を未使用の波長合波部を探索する。図2では、探索対象の波長合波部の数を8としているが、図1に示した構成の場合、探索対象の波長合波部は波長合波部1300および2300の2つとなる。なお、機器設定部20は、ノード1内の各波長合波部のポートの設定、波長可変反射フィルタの設定を行っているため、どの波長合波部がどの波長の信号光を使用しているかの情報を保持している。機器設定部20は、波長λxの信号光を使用していない波長合波部を発見した場合(ステップS5:Yes)、発見した波長合波部(以下、波長合波部#nとする)の波長可変反射フィルタが波長λxの信号光のみを反射するように、この波長可変反射フィルタを設定する(ステップS6)。このとき、機器設定部20は、発見した波長合波部#nの情報を記憶する。次に、機器設定部20は、波長合波部#nで使用されていないポートを探索する(ステップS7)。機器設定部20は、ノード1内の各波長合波部のポートの設定、波長可変反射フィルタの設定を行っているため、どの波長合波部のどのポートが使用されているかの情報を保持している。機器設定部20は、波長合波部#nで使用されていないポート(以下ポート#mとする)を発見した場合(ステップS7:Yes)、発見したポート#mが波長λxの信号光を透過させるよう、波長合波部#nを設定する(ステップS8)。このとき、機器設定部20は、発見したポート#mの情報を記憶する。
次に、接続状態判定部10が、光レベル検出部1241で確認された光レベルPが上述した閾値Pth_Aよりも大きいか否かを確認する(ステップS9)。P≦Pth_Aの場合(ステップS9:No)、接続状態判定部10は、上記のステップS7で発見したポート#mには光パッチコードが接続されていないと判断する。この場合、機器設定部20が、上記ステップS7で発見したポート#mの設定を初期化する。すなわち、機器設定部20は、上記ステップS5で発見した波長合波部の設定を変更し、ポート#mが波長λxの信号光を透過させないようにする(ステップS14)。そして、ステップS7に戻り、使用されていない他のポートを探索する(ステップS7)。以下、上記ステップS5で発見した波長合波部#nの全ての未使用ポートについてステップS8、S9およびS14を実行するか、ステップS9での判定が「Yes」となるまで、ステップS8、S9およびS14の処理を繰り返し実行する。上記ステップS5で発見した波長合波部の全ての未使用ポートについてステップS8、S9およびS14を実行した場合、上記ステップS6で設定を変更した波長可変反射フィルタを初期状態、すなわち、全ての波長の信号光を透過させる設定に戻す(ステップS15)。そして、ステップS5に戻り、機器設定部20が、波長λxの信号光を未使用の波長合波部を再度探索する。ノード1が備えている全ての波長合波部について、波長λxの信号光を未使用か否かの確認を実施した場合、ステップS5〜S15に示した処理のループを終了する。そして、接続状態判定部10は、波長分波部1200側、すなわちWSS DEMUX1231側の接続異常と判断する(ステップS16)。
また、上記ステップS9においてPth_A<Pと判断した場合(ステップS9:Yes)、接続状態判定部10は、上記ステップS5で発見された波長合波部#nおよび上記ステップS7で発見されたポート#mが、新たに追加された光パッチコードの接続先の波長合波部およびポートと一致しているか否かを確認する(ステップS10)。機器設定部20は、ノード1内の波長分波部のポート設定、各波長合波部のポートの設定を行っているため、新たに追加された光パッチコードの接続先の波長合波部およびポートの情報を保持している。そのため、接続状態判定部10は、機器設定部20で保持されている、新たに追加された光パッチコードの接続先の波長合波部およびポートの情報と、上記ステップS5で発見された波長合波部および上記ステップS7で発見されたポート#mとを比較する。接続状態判定部10は、上記ステップS5で発見された波長合波部および上記ステップS7で発見されたポート#mが、新たに追加された光パッチコードの接続先の波長合波部およびポートと一致している場合(ステップS10:Yes)、新たに追加された光パッチコードの接続先が正しいと判断する(ステップS11)。例えば、波長分波部1200のポート1212bと波長合波部2300のポート2311aとを光パッチコードで新たに接続する場合、接続状態判定部10は、上記ステップS5で波長合波部2300が発見され、かつ上記ステップS7でポート2311aが発見された場合、上記ステップS10において正常接続と判断する。接続状態判定部10は、上記ステップS5で発見された波長合波部および上記ステップS7で発見されたポート#mが、新たに追加された光パッチコードの接続先の波長合波部およびポートと一致していない場合(ステップS10:No)、新たに追加された光パッチコードの接続先が間違っていると判定する(ステップS12)。
接続状態判定部10および機器設定部20が以上のように動作することにより、光パッチコードが正しく接続されているか否かを知ることができる。接続状態判定部10は、光パッチコードが正しく接続されているか否かの判定結果、すなわち、上記ステップS11,S12,S13,S16で示した判定結果を、光パッチコードを接続する作業者に通知する。例えば、PCを接続するためのインタフェースをノード1が有している場合には、判定結果をノード1に接続されたPCへ出力して作業者に通知する。
つづいて、ノード1において光パッチコードの接続正常性を確認する動作の具体例を説明する。ここでは、(1)光パッチコードが正しく接続されている場合、(2)光パッチコードがコネクタから抜けている場合、(3)光パッチコードの接続先ポートが間違っている場合、(4)光パッチコードの接続先波長合波部が間違っている場合、に分けて説明する。
(1)光パッチコードが正しく接続されている場合の動作
光パッチコードが正しく接続されている場合の動作を説明する。ここでは、光パッチコードが波長分波部1200のport2(ポート1212b)と波長合波部2300のport2(ポート2311b)に接続されている状態を正しい接続状態とする。
機器設定部20は、波長分波部1200の波長可変フィルタ1232の波長透過設定を波長λ2とする。すなわち、機器設定部20は、波長λ2の信号光を透過させるよう、波長可変フィルタ1232を設定する。また、機器設定部20は、波長λ2の信号光をport2(ポート1212b)へ透過するよう、WSS DEMUX1231を設定する。光パッチコード12bが正しく接続された場合、光パッチコード12bを介して波長合波部2300のport2(ポート2311b)へ波長λ2の信号光が入力される。機器設定部20は、ポート2311bが波長λ2の信号光を透過するよう、WSS MUX2331を設定する。また、機器設定部20は、波長λ2の信号光を反射するよう、波長可変反射フィルタ2332を設定する。これにより、波長分波部1200のポート1212bから出力され、光パッチコード12bを介して波長合波部2300のポート2311bへ入力した波長λ2の信号光は波長可変反射フィルタ2332で反射され、WSS MUX2331、光パッチコード12b、WSS DEMUX1231の順番に戻っていく。光カプラ1201は、波長可変反射フィルタ2332で反射された波長λ2の信号光を波長可変フィルタ1232と光コネクタ1211へ分岐する。波長可変フィルタ1232は波長λ2の信号光を透過し、PD1221は波長λ2の信号光の光パワーを光電変換して光レベル検出部1241へ出力する。光レベル検出部1241は、波長λ2の信号光のレベルをP_1[dBm]として認識し、このレベルP_1を接続状態判定部10へ出力する。
接続状態判定部10は、光レベル検出部1241から受け取ったレベルP_1を上述した2種類の閾値Pth_AおよびPth_Bと比較し、比較結果に基づいて、光パッチコードが正しく接続されているか否かを判定する。このケースでは、光パッチコードが正しく接続されている場合を想定しているため、Pth_A<P_1<Pth_Bとなり、接続状態判定部10は、光パッチコード12bが正しく接続されていると判定する。
(2)光パッチコードがコネクタから抜けている場合(例えば図3に示した状態)の動作
光パッチコードがコネクタから抜けている場合の動作を説明する。ここでは、光パッチコードが波長分波部1200のport2(ポート1212b)と波長合波部2300のport2(ポート2311b)に接続されている状態が正しい接続状態であるのに対して、光パッチコード12bが波長分波部1200のポート1212bまたは波長合波部2300のポート2311bから抜けている状態とする。
機器設定部20は、波長分波部1200の波長可変フィルタ1232の波長透過設定を波長λ2とする。すなわち、機器設定部20は、波長λ2の信号光を透過させるよう、波長可変フィルタ1232を設定する。また、機器設定部20は、波長λ2の信号光をport2(ポート1212b)へ透過するよう、WSS DEMUX1231を設定する。光パッチコード12bの片端の接続が外れている場合、波長分波部1200のポート1212bから出力された波長λ2の信号光は、波長合波部2300のポート2311bへは入力されず、WSS DEMUX1231へ反射される。波長合波部2300のポート2311bへ入力されずにWSS DEMUX1231へ反射された波長λ2の信号光は、光カプラ1201により、波長可変フィルタ1232と光コネクタ1211へ分岐される。波長可変フィルタ1232は波長λ2の信号光を透過し、PD1221は波長λ2の信号光の光パワーを光電変換して光レベル検出部1241へ出力する。光レベル検出部1241は、波長λ2の信号光のレベルをP_2[dBm]として認識し、このレベルP_2を接続状態判定部10へ出力する。なお、このケースでは、信号光がコネクタ端で反射しており、波長合波部2300での損失を受けないことからP_2>P_1となる。
接続状態判定部10は、光レベル検出部1241から受け取ったレベルP_2を上述した2種類の閾値Pth_AおよびPth_Bと比較し、比較結果に基づいて、光パッチコードが正しく接続されているか否かを判定する。このケースでは、光パッチコードがコネクタから外れている場合を想定しているため、Pth_B<P_2となり、接続状態判定部10は、光パッチコード12bが正しく接続されておらず、かつコネクタが外れていると判定する。
(3)光パッチコードの接続先ポートが間違っている場合(例えば図4に示した状態)の動作
光パッチコードの接続先ポートが間違っている場合の動作を説明する。ここでは、光パッチコードが波長分波部1200のport2(ポート1212b)と波長合波部2300のport2(ポート2311b)に接続されている状態が正しい接続状態であるのに対して、光パッチコード12bが波長合波部2300のport3(ポート2311c)に誤って接続されている状態とする。
機器設定部20は、波長分波部1200の波長可変フィルタ1232の波長透過設定を波長λ2とする。すなわち、機器設定部20は、波長λ2の信号光を透過させるよう、波長可変フィルタ1232を設定する。また、機器設定部20は、波長λ2の信号光をport2(ポート1212b)へ透過するよう、WSS DEMUX1231を設定する。光パッチコード12bが波長合波部2300のポート2311cに誤って接続されている場合、波長λ2の信号光は波長合波部2300のポート2311bへ入力されない。そのため、機器設定部20が、ポート2311bが波長λ2の信号光を透過するように、WSS MUX2331を設定し、かつ、波長λ2の信号光を反射するように、波長可変反射フィルタ2332を設定しても、波長λ2の信号光は波長可変反射フィルタ2332で反射されない。すなわち、光パッチコードが誤って接続されているポート2311cは波長λ2の信号光を透過させる設定とされていないため、波長λ2の信号光は波長可変反射フィルタ2332へ出力されない。よって、WSS MUX2331、光パッチコード12b、WSS DEMUX1231の順番に戻っていく波長λ2の信号光は存在しない。このケースにおいて、光レベル検出部1241は、波長λ2の信号光のレベルをP_3[dBm]として認識し、レベルP_3を接続状態判定部10へ出力する。
接続状態判定部10は、光レベル検出部1241から受け取ったレベルP_3を上述した2種類の閾値Pth_AおよびPth_Bと比較し、比較結果に基づいて、光パッチコードが正しく接続されているか否かを判定する。このケースでは、光パッチコードの接続先が間違っている場合を想定しているため、P_3≦Pth_Aとなり、接続状態判定部10は、光パッチコード12bの接続先が間違っていると判定する。
つづいて、光パッチコードが本来接続すべきポートとは異なるポートに誤接続されている場合の、誤接続箇所特定動作について説明する。ここでは、光パッチコードが波長分波部1200のport2(ポート1212b)と波長合波部2300のport2(ポート2311b)に接続されている状態が正しい接続状態であるのに対して、光パッチコード12bが波長合波部2300のport3(ポート2311c)に誤って接続されている場合の動作を説明する。
接続状態判定部10が光パッチコードの接続先が波長合波部2300のポート2311bではないと判断した場合、機器設定部20は、波長合波部2300のポート2311bの設定を初期化し、ポート2311bが波長λ2を透過させないようにする。また、機器設定部20は、波長可変反射フィルタ2332の状態も初期状態に戻す。次に、機器設定部20は、ポート2311cが波長λ2の信号光を透過させるよう、波長合波部2300のWSS MUX2331の設定を変更するとともに、波長λ2の信号光を反射するよう、波長可変反射フィルタ2332を設定する。これにより、波長λ2の信号光は波長可変反射フィルタ2332において反射され、WSS MUX2331、光パッチコード12b、SS DEMUX1231の順番に戻っていく。光カプラ1201は、波長可変反射フィルタ2332で反射された波長λ2の信号光を波長可変フィルタ1232と光コネクタ1211へ分岐する。波長可変フィルタ1232は波長λ2の信号光を透過し、PD1221は波長λ2の信号光の光パワーを光電変換して光レベル検出部1241へ出力する。光レベル検出部1241は、波長λ2の信号光のレベルをP_1[dBm]として認識し、このレベルP_1を接続状態判定部10へ出力する。
接続状態判定部10は、光レベル検出部1241から受け取ったレベルP_1を上述した2種類の閾値Pth_AおよびPth_Bと比較し、Pth_A<P_1<Pth_Bであると判定する。本来光パッチコードが接続されていないはずのポート2311cから波長λ2の信号光が戻ってきているため、接続状態判定部10は、光パッチコードがポート2311cに誤接続されていると判定する。
(4)光パッチコードの接続先波長合波部が間違っている場合(例えば図5に示した状態)の動作
光パッチコードの接続先合波部が間違っている場合の動作を説明する。ここでは、光パッチコードが波長分波部1200のport2(ポート1212b)と波長合波部2300のport2(ポート2311b)に接続されている状態が正しい接続状態であるのに対して、光パッチコード12bが波長合波部3300のport1(ポート3311a)に誤って接続されている状態とする。
機器設定部20は、波長分波部1200の波長可変フィルタ1232の波長透過設定を波長λ2とする。すなわち、機器設定部20は、波長λ2の信号光を透過させるよう、波長可変フィルタ1232を設定する。また、機器設定部20は、波長λ2の信号光をport2(ポート1212b)へ透過するよう、WSS DEMUX1231を設定する。光パッチコード12bが波長合波部3300のポート3311aに誤って接続されている場合、波長λ2の信号光は波長合波部2300のポート2311bへ入力されない。そのため、機器設定部20が、ポート2311bが波長λ2の信号光を透過するように、WSS MUX2331を設定し、かつ、波長λ2の信号光を反射するように、波長可変反射フィルタ2332を設定しても、波長λ2の信号光は波長可変反射フィルタ2332で反射されない。よって、WSS MUX2331、光パッチコード12b、WSS DEMUX1231の順番に戻っていく波長λ2の信号光は存在しない。このケースにおいて、光レベル検出部1241は、波長λ2の信号光のレベルをP_4[dBm]として認識し、レベルP_4を接続状態判定部10へ出力する。
接続状態判定部10は、光レベル検出部1241から受け取ったレベルP_4を上述した2種類の閾値Pth_AおよびPth_Bと比較し、比較結果に基づいて、光パッチコードが正しく接続されているか否かを判定する。このケースでは、光パッチコードの接続先が間違っている場合を想定しているため、P_4≦Pth_Aとなり、接続状態判定部10は、光パッチコード12bの接続先が間違っていると判定する。
つづいて、光パッチコードが本来接続すべき波長合波部とは異なる波長合波部、すなわち、間違った方路へ接続されている場合の、誤接続箇所特定動作について説明する。ここでは、光パッチコードが波長分波部1200のport2(ポート1212b)と波長合波部2300のport2(ポート2311b)に接続されている状態が正しい接続状態であるのに対して、光パッチコード12bが波長合波部3300のport1(ポート3311a)に誤って接続されている場合の動作を説明する。
接続状態判定部10が光パッチコードの接続先が波長合波部2300のポート2311bではないと判断した場合、機器設定部20は、波長合波部2300のポート2311bの設定を初期化し、ポート2311bが波長λ2を透過させないようにする。また、機器設定部20は、波長可変反射フィルタ2332の状態も初期状態に戻す。次に、機器設定部20は、ポート2311cが波長λ2の信号光を透過させるよう、波長合波部2300のWSS MUX2331の設定を変更するとともに、波長λ2の信号光を反射するよう、波長可変反射フィルタ2332を設定する。
光パッチコード12bが波長合波部3300のポート3311aに誤って接続されている場合、波長λ2の信号光は波長合波部2300のポート2311cへ入力されない。そのため、機器設定部20が、ポート2311cが波長λ2の信号光を透過するように、WSS MUX2331を設定し、かつ、波長λ2の信号光を反射するように、波長可変反射フィルタ2332を設定しても、波長λ2の信号光は波長可変反射フィルタ2332で反射されない。よって、WSS MUX2331、光パッチコード12b、WSS DEMUX1231の順番に戻っていく波長λ2の信号光は存在しない。このケースにおいて、光レベル検出部1241は、波長λ2の信号光のレベルをP_5[dBm]として認識し、レベルP_5を接続状態判定部10へ出力する。
接続状態判定部10は、光レベル検出部1241から受け取ったレベルP_5を上述した2種類の閾値Pth_AおよびPth_Bと比較し、比較結果に基づいて、光パッチコードが正しく接続されているか否かを判定する。このケースでは、光パッチコードの接続先が間違っている場合を想定しているため、P_5≦Pth_Aとなり、接続状態判定部10は、光パッチコード12bの接続先が間違っていると判定する。
この場合、機器設定部20は、上記と同様の手順で波長合波部2300の設定を変更する。具体的には、波長λ2の信号光を透過させるポートがポート2311dとなるよう、波長合波部2300のWSS MUX2331の設定を変更する。また、接続状態判定部10は、光レベル検出部1241から受け取ったレベルを上述した2種類の閾値Pth_AおよびPth_Bと比較し、光パッチコードが正しく接続されているか否かを判定する。以下同様にして、機器設定部20および接続状態判定部10は、波長合波部2300のポート2311e〜2311iの中に光パッチコードが誤接続されているポートが存在しないか確認する。波長合波部2300のポートの中に光パッチコードが誤接続されているポートが存在しない場合、接続状態判定部10は、光パッチコードの誤接続先が波長合波部2300とは異なる波長合波部であると判断する。この場合、接続状態判定部10および機器設定部20は、波長合波部2300以外の波長合波部を対象として、同様の処理を行う。例えば、接続状態判定部10および機器設定部20は、波長合波部3300を対象として同様の処理を行う。以下、接続状態判定部10および機器設定部20が波長合波部3300を対象として同様の処理を行う場合を説明する。
機器設定部20は、波長合波部3300のWSS MUX3331に対し、ポート3311aが波長λ2の信号光を透過させるように設定するとともに、波長λ2の信号光を反射するよう、波長可変反射フィルタ3332を設定する。これにより、波長λ2の信号光は波長可変反射フィルタ3332において反射され、WSS MUX3331、光パッチコード12b、WSS DEMUX1231の順番に戻っていく。光カプラ1201は、波長可変反射フィル32332で反射された波長λ2の信号光を波長可変フィルタ1232と光コネクタ1211へ分岐する。波長可変フィルタ1232は波長λ2の信号光を透過し、PD1221は波長λ2の信号光の光パワーを光電変換して光レベル検出部1241へ出力する。光レベル検出部1241は、波長λ2の信号光のレベルをP_11[dBm]として認識し、このレベルP_11を接続状態判定部10へ出力する。
接続状態判定部10は、光レベル検出部1241から受け取ったレベルP_11を上述した2種類の閾値Pth_AおよびPth_Bと比較し、Pth_A<P_11<Pth_Bであると判定する。本来光パッチコードが接続されていないはずの波長合波部3300のWSS MUX3331のポート3311aから波長λ2の信号光が戻ってきているため、接続状態判定部10は、光パッチコードが波長合波部3300のWSS MUX3331のポート3311aに誤接続されていると判定する。
以上のように、本実施の形態の光ノード装置において、波長分波部1200は、波長合波部1300,2300,3300へ出力した後に反射して戻ってきた信号光のレベルを検出する光レベル検出部1241を備え、波長合波部1300,2300,3300は、設定された波長の信号光を反射する波長可変反射フィルタを備える。接続状態判定部10は、光レベル検出部1241で検出した光レベルに基づいて、波長分波部1200と波長合波部1300,2300,3300とを接続する光パッチコードの接続が正しいか否かを判定する。これにより、光パッチコードの正常接続と異常接続の判別を高精度に行うことができる。また、波長合波部1300,2300,3300が波長可変反射フィルタを備え、波長分割多重された信号光の中の特定の波長を反射させてモニタするようにしたので、装置を小型化することができる。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2の光ノード装置の構成例を示す図である。実施の形態2のノード装置であるノード1aは、図1に示した実施の形態1のノード1の波長分波部1200を波長分波部1200aに置き換えたものである。波長分波部1200aは、実施の形態1で説明した波長分波部1200のWSS DEMUX1231を光スプリッタ1251に置き換えたものである。光スプリッタ1251は光出力部である。ノード1aの光スプリッタ1251以外の構成は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
光スプリッタ1251は光受信増幅部1100から入力されたWDM信号光をポート1212a〜1212iへ分配する。
図7は、接続状態判定部10が波長分波部1200aで分波された各波長の信号光が正しい接続先に出力されているか否かを判定する、接続性確認動作手順の一例を示すフローチャートである。図7に示したフローチャートは図2に示したフローチャートに含まれていたステップS3を削除したものである。なお、削除したステップS3は、波長分波部1200が備えているWSS DEMUX1231の設定を行うステップであり、WSS DEMUX1231を光スプリッタ1251に置き換えた構成のノード1aでは不要である。
本実施の形態の光ノード装置の動作と実施の形態1の光ノード装置の動作の違いは、上記のステップS3を実行するか否かである。ただし、WSS DEMUX1231と光スプリッタ1251では挿入損失が異なること、光スプリッタ1251の未接続ポートは光が全反射することから、ノード1の接続状態判定部10が保持している閾値とノード1aの接続状態判定部10が保持している閾値とは異なる。各閾値は、光スプリッタ1251の挿入損失などを考慮して決定する。
このように、光スプリッタで波長分波部を実現した場合にも、実施の形態と同様の構成および手順により、光パッチコードの正常接続と異常接続の判別を行うことができる。
なお、実施の形態1,2では、接続状態判定部10と機器設定部20を別構成としたが、1つの構成にまとめてもよい。また、3つ以上の構成に分けてもよい。
図8は、接続状態判定部10および機器設定部20を実現するハードウェア構成の一例を示す図である。接続状態判定部10および機器設定部20は、CPU(Central Processing Unit)、システムLSI(Large Scale Integration)などのプロセッサ101と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成されるメモリ102と、により実現することが可能である。接続状態判定部10および機器設定部20は、それぞれに対応するプログラムをプロセッサ101が実行することにより実現される。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。