JP6349938B2 - 測定点情報提供装置、変動検出装置、方法およびプログラム - Google Patents

測定点情報提供装置、変動検出装置、方法およびプログラム Download PDF

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本発明は、変位を測定可能な測定点の情報をユーザに提供する測定点情報提供装置、地表や物体の変動を検出するための変動検出装置、測定点情報提供方法、変動検出方法、測定点情報提供用プログラムおよび変動検出用プログラムに関する。
地表や物体の変動を計算する技術の1つに、PS−InSAR(Permanent/Persistent Scatters Interferometric Synthetic Aperture Radar)と呼ばれる技術がある(例えば、非特許文献1および非特許文献2)。PS−InSARは、PS(Permanent/Persistent Scatters)特性を有する点に対して合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar:SAR)が取得したデータであるSARデータに、干渉(Interferometry)技術を適用して、地表上やある物体上の点における変位を測定する技術である。電波は、光波と異なり、雲や雨などを通過するため、天候や夜間に関係なく観測できるという特徴を有している。以下、PS−InSARにおいて変位を測定する地表上や物体上の点を、測定点という。なお、地表上や物体上の各点は、合成開口レーダの撮影視野の各分解能セルに対応している。
ここで、PS特性は、電波の散乱特性が時間経過によって変化しない特性である。植物や波などはPS特性を有さない例であるが、大抵の人工構造物はその多くの場所がPS特性を有している。しかし、PS−InSARにおいて、ある場所を測定点として用いるためには、PS特性に加えて、ある程度の後方散乱強度(以下、反射強度という)が必要である。これは、反射強度が弱いと雑音に信号が埋もれてしまうためである。このように測定点が限られてしまうことがPS−InSARの価値を低下させていた。
例えば、一面平板のような形状の箇所では、後方散乱が弱く、PS特性を有していても測定点にはなりにくいことが知られている。また、例えば、コーナーリフレクタ(Corner Reflector:CR)に用いられるような、正方形または直角二等辺三角形の板3枚をお互いが直角に向くようにつなぎ合わせたような形状の箇所(例えば、窓枠の四隅等)では、後方散乱が返ってきやすいことから、測定点に適していることが知られている。
また、本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、偏波特性の異なる複数の電波が反射して得られる散乱波の少なくとも3種類の偏波成分を測定した結果を測定位置ごとに偏波特性データとして予め記憶装置に記憶しておき、記憶された偏波特性データを用いて各測定位置にある物体が人工物か否かを判定する技術が記載されている。
また、例えば、非特許文献3には、多偏波SAR画像データの後方散乱係数とされる4つのデータであって、受信偏波の楕円方位角(ellipse orientation angle)ψ、受信偏波の楕円率角(ellipticity angle)χ、送信偏波の楕円方位角ψおよび送信偏波の楕円率角χの4つのデータの値の異なる3つのセット(例えば、HH偏波、HV偏波、VV偏波)を赤、緑、青に対応させて、多偏波SAR画像データの疑似カラー合成表示を行うことが記載されている。また、非特許文献3には、多偏波SAR画像データの利用例の1つとして、2つの対象物のコントラストを最大にする送受信条件を求めて、これにより、識別したい特定の対象物とその他の対象物との画素値の比を最大にして表示する例が示されている。
特許第5305985号公報
Alessandro Ferretti, Claudio Prati, and Fabio Rocca, "Nonliner subsidencd Rate Estimation Using Permanent Svatterers in Differntial SAR Interferometry", IEEE TRANSACTION ON GEOSCIENCE AND REMOTE SENSING, VOL.38, No.5, Sep 2000. Alessandro Ferretti, Claudio Prati, and Fabio Rocca, "Permanent Scatteres in SAR Interferometry", IEEE TRANSACTION ON GEOSCIENCE AND REMOTE SENSING, VOL.39, No.1, Jan 2001. 寛渕 哲也,"グランドトルースデータと光学センサ画像データで検証した災害観測手法としての多周波・多偏波SAR画像データの有用性",防災科学技術研究所研究報告 第63号,2002年6月.
ところで、実際のPS−InSAR処理では、決められた偏波方向のSAR画像だけを用いて、地表上または物体上の点(以下、地点という)における変位を測定している。具体的には、代表的な送受信偏波の組合せであるHH偏波、HV偏波、VH偏波、VV偏波の中から一つの送受信偏波の組合せを選び、選んだ送受信偏波の組合せによるSAR画像を、変動を検出したい期間の前後に渡る複数の時刻分取得して、変動検出のための演算処理が行われている。
ここで、H(Horizontal)偏波は、水平偏波すなわち電界の振動方向である偏波方向が水平面と平行である偏波を表している。また、V(Vertival)偏波は、垂直偏波すなわち偏波方向が水平面と垂直である偏波を表している。また、送受信偏波の組合せにおける最初のアルファベットは送信の偏波方向を表し、2つ目のアルファベットは受信の偏波方向を表わしている。したがって、HH偏波は、水平偏波の電波を送信して水平偏波の電波を受信することを表している。また、HV偏波は、水平偏波の電波を送信して垂直偏波の電波を受信することを表している。また、VH偏波は、垂直偏波の電波を送信して水平偏波の電波を受信することを表している。また、VV偏波は、垂直偏波の電波を送信して垂直偏波の電波を受信することを表している。
一般に、ある偏波方向の電磁波がある地点に照射され、その地点にある構造物に反射して戻ってくるとき、その地点にある構造物の形状や材質等によっては、偏波方向が回転して戻ってくる。そのときの偏波の回転角は、その地点にある構造物の形状や材質等によって異なり、事前に予測するのは困難である。
したがって、道路や鉄道、橋といった広い範囲に渡る人工構造物の歪みや剥がれ等による経年劣化を、PS点における微小な変動の検出により測定することを考えた場合に、1つの送受信偏波の組合せによるSAR画像を用いるだけでは、測定可能な点が少なく、十分な精度を得ることができないという問題があった。これは、好適な送受信偏波の組合せは場所ごとに異なるが、1つの送受信偏波の組合せによるSAR画像しか用いない場合には、他の送受信偏波の組合せによるSAR画像で反射強度が強い点があってもその点を測定点として用いることができないからである。
なお、特許文献1に記載されている技術は、散乱成分分析により人工物と自然物とを区別するために、測定位置ごとに少なくとも3種類の偏波成分を測定した結果である偏波特性データを用いているものである。そこには、偏波特性データを用いて、変位を測定可能な地点をいかに多くまたは見逃さずに検出して、その情報をユーザに提供しようといったことについては何ら考慮されていない。
また、非特許文献3に記載されている技術は、3種類の偏波成分による後方散乱強度の異なり具合を色相によって判別できるようにしよう、また、反射機構の異なる物質の差を画像上で強調して表示しようというものである。そこには、後方散乱係数を利用して、変位を測定可能な地点をいかに多くまたは見逃さずに検出して、その情報をユーザに提供しようといったことについては何ら考慮されていない。
ユーザに多くのまたは漏れのない測定可能な地点の情報を提供できれば、ユーザがその情報を基に測定点を指定することができ、その結果、変位を測定できる測定点を増やすことができる。また、変位を測定できる測定点が増えれば、変動検出の感度を上げることができ、検出精度の向上に寄与できるものと考えられる。また、測定可能な地点の情報と変動の検出結果とを照らし合わせれば、ある地点に対して変位がなかったのか測定不能なのかを判別できるなど、高感度かつより正確な検出結果が得られるものと考えられる。
そこで、本発明は、変動検出の感度を向上させることが可能な測定点情報提供装置、変動検出装置、測定点情報提供方法、変動検出方法、測定点情報提供用プログラムおよび変動検出用プログラムを提供することを目的とする。
本発明による測定点情報提供装置は、特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を入力するSAR画像組入力手段と、入力されたSAR画像組を用いて、対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定手段と、偏波組決定手段により決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報を含む測定点情報を生成する測定点情報生成手段と、測定点の候補を入力する測定点候補入力手段と、測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定手段と、測定点条件判定手段による判定結果を出力する判定結果出力手段とを備え、偏波組決定手段は、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定し、測定点情報生成手段は、偏波組決定手段による偏波組の決定結果に基づき、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成することを特徴とする。
また、本発明による変動検出装置は、特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力するSAR画像組入力手段と、測定点の候補を入力する測定点候補入力手段と、入力されたSAR画像組のうちの少なくとも1組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定手段と、偏波組決定手段により決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する測定点情報生成手段と、測定点情報に基づいて、入力された測定の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定手段と、測定点条件判定手段による判定結果を出力する判定結果出力手段と、測定点として適すると判定された候補、または出力後に測定点に指定された候補を測定点に用いて、測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、測定点における変位を測定する変位測定手段と、変位測定手段による測定結果を示す情報を出力する第1の出力手段と、測定点情報、または測定点情報に基づいて生成される、対象ピクセルに対応する地点が測定点に適するか否かもしくはどの程度測定点に適するかを示す情報を出力する第2の出力手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明による変動検出装置は、特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力するSAR画像組入力手段と、測定点の候補を入力する測定点候補入力手段と、入力されたSAR画像組のうちの少なくとも1組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定手段と、偏波組決定手段により決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する測定点情報生成手段と、測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定手段と、測定点条件判定手段による判定結果を出力する判定結果出力手段と、測定点条件判定手段によって測定点として適すると判定された候補を測定点に用いて、測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、測定点における変位を測定する変位測定手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明による測定点情報提供方法は、特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を入力し、測定点の候補を入力し、入力されたSAR画像組のうちの少なくとも1組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定し、偏波組決定手段により決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成し、測定点情報に基づいて、入力された測定の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定し、判定結果を出力することを特徴とする。
また、本発明による変動検出方法は、特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力し、測定点の候補を入力し、入力されたSAR画像組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定し、定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成し、測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定し、判定結果を出力し、測定点として適すると判定された候補、または出力後に測定点に指定された候補を測定点に用いて、測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、測定点における変位を測定し、測定点における変位の測定結果を示す情報とともに、測定点情報、または測定点情報に基づいて生成される、対象ピクセルに対応する地点が測定点に適するか否かもしくはどの程度測定点に適するかを示す情報を出力することを特徴とする。
また、本発明による変動検出方法は、特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力し、測定点の候補を入力し、入力されたSAR画像組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定し、決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成し、測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定し、判定により測定点として適さないと判定された場合に、その旨を出力し、判定により測定点として適すると判定された場合に、当該候補を測定点に用いて、測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、測定点における変位を測定してもよい。
また、本発明による測定点情報提供用プログラムは、コンピュータに、特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を入力するSAR画像組入力処理、測定点の候補を入力する測定点候補入力処理、入力されたSAR画像組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定処理偏波組決定処理で決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する測定点情報生成処理、測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定処理、および測定点条件判定処理による判定結果を出力する判定結果出力処理を実行させることを特徴とする。
また、本発明による変動検出用プログラムは、コンピュータに、特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力するSAR画像組入力処理、測定点の候補を入力する測定点候補入力処理、入力されたSAR画像組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定処理、偏波組決定処理で決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する測定点情報生成処理、測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定処理、測定点条件判定処理による判定結果を出力する判定結果出力処理、測定点として適すると判定された候補、または出力後に測定点に指定された候補を測定点に用いて、測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、測定点における変位を測定する変位測定処理、測定点における変位の測定結果を示す情報を出力する第1の出力処理、および測定点情報、または測定点情報に基づいて生成される、対象ピクセルに対応する地点における地点が測定点に適するか否かもしくはどの程度測定点に適するかを示す情報を出力する第2の出力処理を実行させることを特徴とする。
また、本発明による変動検出用プログラムは、コンピュータに、特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力するSAR画像組入力処理、測定点の候補を入力する測定点候補入力処理、入力されたSAR画像組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定処理、偏波組決定処理で決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する測定点情報生成処理、測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定処理、測定点条件判定処理による判定結果を出力する判定結果出力処理、および測定点条件判定処理で測定点として適すると判定された候補を測定点に用いて、測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、測定点における変位を測定する変位測定処理を実行させてもよい。
本発明によれば、変位を測定可能な地点をより多くまたは見逃さずに検出して、その情報をユーザに提供するので、その情報を測定点の指定や測定結果の分析に利用することによって、変動検出の感度を向上させることができる。
第1の実施形態の観測システムの構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態の測定点情報提供装置1の構成例を示すブロック図である。 SAR画像組入力手段101が入力するSAR画像組の例を示す説明図である。 偏波を説明するための説明図である。 第1の実施形態の測定点情報提供装置1の動作の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態の測定点情報提供装置1の構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態の測定点情報提供装置1の動作の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態の観測システムの構成例を示す構成図である。 変動検出装置5の構成例を示すブロック図である。 変動検出手段105の一例を示すブロック図である。 変動検出手段105の他の例を示すブロック図である。 第3の実施形態の変動検出装置5の動作の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態の変動検出装置5の動作の他の例を示すフローチャートである。 第4の実施形態の変動検出装置5の構成例を示すブロック図である。 第4の実施形態の変動検出装置5の動作の一例を示すフローチャートである。 変動検出手段105の他の例を示すブロック図である。 変動検出手段105の他の例を示すブロック図である。 本発明の概要を示すブロック図である。
実施形態1.
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の観測システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す観測システムは、測定点情報提供装置1と、人工衛星や航空機等の飛翔体2に搭載された合成開口レーダ3とを備える。また、図1において、符号4は合成開口レーダ3によるSAR画像の撮影視野(撮影領域)を表している。
本実施形態において、合成開口レーダ3は、略同一場所に対して、略同一時刻に、HH偏波、HV偏波、VH偏波、VV偏波の4種類の送受信偏波の組合せ(以下、基本4偏波組という)による散乱波を観測できる多偏波観測モードを有する。このような多偏波観測モードは、例えば、合成開口レーダ3が少なくとも1つの送信機と2つの受信機とを備え、送信機がH偏波とV偏波の電波パルスを交互に送信し、2つの受信機(H偏波に対応した受信機とV偏波に対応した受信機)がそれぞれの電波パルスの後方散乱エコーを同時に受信することにより実現できる。このようにして、基本4偏波組による反射強度および相対位相を測定する。ここで、「略同一場所」および「略同一時刻」の「略」の範囲は、校正機能により観測データが同一場所および同一時刻で観測されたとみなせるデータに校正可能な範囲であれば特に問わないが、実際は上記送信機における電波パルスの1周期分の照射場所のずれおよび照射時刻のずれを指す場合が多い。
本発明では、略同一場所に対して、略同一時刻に観測された基本4偏波組による観測データから生成されるSAR画像またはそれと同等の情報をSAR画像組という。
一般に、SAR画像と呼ばれる情報には、各ピクセルが対応する地点における、受信電界の振幅または反射強度を示す情報と、受信したパルスの位相を示す情報である位相情報とが含まれる。なお、反射強度の平方根が受信電界の振幅である。以下、本発明では、受信電界の振幅を示す情報も反射強度を示す情報として扱うものとする。したがって、SAR画像は、各ピクセルに対応づけられるデータ(画素情報とも呼ばれる)として、当該ピクセルに対応する地点における反射強度および位相を示す情報を少なくとも有する画像であると換言できる。SAR画像において、各ピクセルに対応づけられるデータは、SARデータと呼ばれる。本発明では、SARデータを、反射強度を示す情報と、位相を示す情報とを含む情報と定義する。合成開口レーダ3は、SARデータを生成するための信号処理で、照射時刻のずれや場所のずれに対して所定の校正処理を行ってもよい。また、SAR画像には、付随する情報として、送信および受信に用いた偏波の情報や、観測時間や、入射角や、軌道の情報といった観測条件が含まれていてもよい。
また、SAR画像組は、略同一場所に対して、略同一時刻に観測された基本4偏波組による観測データから生成されるSAR画像またはそれと同等の情報を有するものであれば、データ構造は特に問わない。例えば、SAR画像組は、各々が基本4偏波組のいずれかの送受信偏波の組合せに対応した4枚のSAR画像であってもよいし、各ピクセルに、基本4偏波組による4つのSARデータ(例えば、4種の反射強度および位相の情報)が対応づけられた1枚のSAR画像であってもよい。
飛翔体2には、合成開口レーダ3を含む合成開口レーダシステムが搭載されている。合成開口レーダシステムは、例えば、合成開口レーダ3と、信号処理手段と、合成開口レーダ3による観測の結果得られたSAR画像組を時系列に沿って記憶する記憶手段と、要求に応じて記憶されているSAR画像組またはその時系列データを所定のフォーマットで出力するSAR画像出力手段とを含む。
また、図2は、本実施形態の測定点情報提供装置1の構成例を示すブロック図である。図2に示す測定点情報提供装置1は、SAR画像組入力手段101と、最適偏波組検出手段102と、測定点情報記憶手段103と、偏波回転処理手段104と、測定点情報出力手段107とを備える。
SAR画像組入力手段101は、ユーザが指定した特定領域をその撮影視野に含む少なくとも1組のSAR画像組であって、略同一場所に対して取得された観測データから生成されるSAR画像組を少なくとも1組入力する。以下、特定領域を、関心領域(Region of Interest:ROI)と呼ぶ場合がある。
図3は、SAR画像組入力手段101が入力するSAR画像組の例を示す説明図である。SAR画像組入力手段101は、例えば、図3に示される観測時刻の異なるn組(例えば、数十組)のSAR画像組のうちの任意の1組を入力してもよいし、これらから選択した2組以上のSAR画像組を入力してもよい。
SAR画像組入力手段101は、例えば、飛翔体2に搭載されている合成開口レーダシステムのSAR画像出力手段が出力するSAR画像組またはSAR画像組の時系列データを直接受信して、SAR画像組を入力してもよい。そのような場合、SAR画像組入力手段101は、有線または無線による通信ネットワークを介して合成開口レーダシステムに接続し、所定のフォーマットに従って所望するSAR画像組またはSAR画像組の時系列データを要求し、その応答として送信されるSAR画像組またはSAR画像組の時系列データを受信してもよい。なお、SAR画像組入力手段101は、一般的なファイル入力手段であって、ユーザが所定の方法で合成開口レーダシステムに接続して取得したSAR画像組やSAR画像組の時系列データやそれらを所定のフォーマットに変換したものなどを、ユーザ操作に応じて入力してもよい。
最適偏波組検出手段102は、SAR画像組入力手段101によって入力された少なくとも1組のSAR画像組を用いて、対象ピクセルについて、最適な送受信偏波の組合せである最適偏波組を検出する。本実施形態の最適偏波組検出手段102は、後述する偏波回転処理手段104が提供する偏波回転処理を利用して、ピクセルごとに、最適偏波組を検出する。なお、最適偏波組の検出に用いるSAR画像組は、どの時刻のSAR画像組であってもよい。ここで、対象ピクセルは、例えば、関心領域に対応する画像領域に含まれる各ピクセルであったり、ユーザが指定されたピクセルである。
例えば、最適偏波組検出手段102は、入力されたSAR画像組の中から最適偏波組の検出処理に用いるSAR画像組を1組決定し、決定した1組のSAR画像組を用いて、各ピクセルに対して、偏波回転処理により、予め定めておいた最適偏波組の各候補による反射強度を算出する。そして、各候補の反射強度の算出結果に基づいて、当該ピクセルにおける最適偏波組を決定してもよい。
ここで、偏波回転処理は、偏波合成とも呼ばれる処理であり、基本4偏波組によるSARデータ(特に、反射強度と相対位相)から、任意の送受信偏波の組合せによる反射強度を求める処理である。合成開口レーダによって略同一場所および略同一時刻に観測されたHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波による反射強度と相対位相とを用いると、撮影視野4の各分解能セルの完全な散乱行列を求めることができ、この散乱行列から各分解能セルの完全な偏波特性を計算することができる。ここで、分解能セルは、合成開口レーダが後方散乱を観測する地表の単位区画であり、SAR画像におけるピクセルに相当する。この分解能セルは、合成開口レーダの地上分解能より定まる。各ピクセルの完全な偏波特性が求まれば、それを基に任意の送受信偏波の組合せによる反射強度を求めることができる。
SARデータから得られるこのような情報の例として、ポラリメトリックSARデータが挙げられる。ポラリメトリックSARデータは、散乱波の散乱時の変化位相を表現したデータである。
以下、偏波回転処理について簡単に説明する。平面波の偏波の一般的表現は楕円偏波であり、図4に示されるように角度χと角度ψで記述できる。ここで、角度χは楕円の丸みを表し、角度ψは長軸の水平方向からの角度を表している。また、散乱波の偏波ベクトルqは、送信アンテナの偏波ベクトルqと散乱行列Sを用いて以下の式(1)のように表される。
Figure 0006349938
散乱行列Sは、2×2の複素行列であり、入射偏波ベクトルと散乱偏波ベクトルを対応づけている。また、散乱行列Sの要素Sjiは偏波iの入射波に対する偏波jの散乱波の電界の大きさと位相の変化を表している。この散乱行列Sの各要素は、基本4偏波組のSARデータに相当する。
を受信アンテナの偏波ベクトルとすると、受信電界の複素振幅Vと散乱パワー(反射強度)Pは以下の式(2)のように表される。なお、左肩のtは転置行列を表し、右肩の*は複素共役を表している。
V=q Sq
P=VV ・・・(2)
散乱行列Sが求まれば、qとqで規定される任意の送受信偏波の組合せについてその応答(受信電界の複素振幅Vや散乱パワーP)を計算できる。
なお、偏波ベクトルの代わりにストークスベクトルを用いて入射波と散乱波との対応関係を求めることも可能である。例えば、入射波のストークスベクトルGと、散乱波のストークスベクトルGとは、以下の式(3)に示すような関係にある。
P=G FG ・・・(3)
ここで、Fは、ストークス行列と呼ばれる4×4の実行列である。また、ストークスベクトルGとGとはそれぞれ、以下の式(4)に示される4つのストークスパラメータG,G,G,Gからなる4次元ベクトルである。なお、aとaはそれぞれ、電界ベクトルの水平成分Eの振幅と、垂直成分Eの振幅である。また、δは、Eの位相δとEの位相δの差(δ−δ)である。なお、偏波ベクトルが複素数表現であるのに対して、ストークスベクトルは実数表現である。詳細は省略するが、ストークス行列Fの要素は、散乱行列Sの要素から周知の関係に従って求められる。
=a +a
=a −a
=2acosδ ,
=2asinδ ・・・(4)
このような散乱行列Sまたはストークス行列Fから任意の送受信偏波の組合せに対する散乱強度を求める方法には、例えば、次のような方法がある。
まず、求めたい送受信偏波の組における送受信アンテナのストークスベクトルG,Gの各要素を、次の式(5)に示すように楕円偏波のχとψで記述する。
=1.0 ,
=cos(2χ)cos(2ψ) ,
=cos(2χ)sin(2ψ) ,
=sin(2χ) ・・・(5)
なお、χ=0°は直線偏波、|χ|=45°は円偏波、χ<0は右回り、χ>0は左回りの偏波を表す。また、ψ=0°は水平偏波、ψ=90°垂直偏波を表す。χの変域は−45°から45°まで、ψの変域は0°から180°までである。例えば、χ=0°かつψ=0°は直線の水平偏波を表し、χ=35°かつψ=90°は左回り楕円で長軸が水平方向の偏波を表す。
次に、対象とするターゲットエリアのピクセルのストークス行列Fを各要素ごとに平均し、平均ストークス行列F’を求める。
次に、送信アンテナのストークスベクトルGと、受信アンテナのストークスベクトルGと、求めた平均ストークス行列Fとを、上述の式(3)に代入(ただし、FをF’とする)して散乱パワーPを求める。なお、ストークス行列を平均ストークス行列F’とするのは、コヒーレントな電波を用いて面状に分布する対象を計測した場合に生じるスペックルノイズを低減するためである。ここで、複数の対象ストークス行列Fを加算平均して散乱パワーPを求めることにより、複数の対象からの散乱パワーPを加算平均することができる。
なお、上述したような偏波特性および任意の送受信偏波の組による散乱パワーPを求める方法は、例えば、上述した非特許文献3にも記載されている。
送受信偏波を変化させると、偏波によってターゲットの散乱強度が変化する。最適偏波組検出手段102は、このような偏波回転処理を利用して、予め定めておいた最適偏波組の各候補のうち最も強い反射強度が得られた候補の送受信偏波の組合せを、最適偏波組として検出してもよい。
最適偏波組の候補とする送受信偏波の組合せは、特に限定されない。すなわち、送信波および受信波に対して、それぞれ偏波の回転角が0〜180度の範囲に含まれる偏波を任意に設定できる。ここで、偏波の回転角は、水平偏波の偏波角度を0度としたときの当該偏波の偏波角度である。なお、偏波の回転角は、図4に示される角度ψに相当し、例えばH偏波であれば0度、V偏波であれば90度となる。また、回転角の0度と180度とは同じ偏波を表わしている。最適偏波組の候補は、例えば、送信および受信の直線偏波を0度(水平)から180度まで+5度ずつ回転させたものの組合せであってもよい。送信偏波の回転角をαとし、受信偏波の回転角をαとし、それらの組合せを{α,α}と表現すると、上記例の場合、最適偏波組の候補={{{0,0},...,{0,175}},{{5,0},...,{5,175}},・・・,{{175,0},...,{175,175}}}となる。
また、最適偏波組検出手段102は、2組以上のSAR画像組を用いる場合には、各SAR画像組を用いて各候補について反射強度を求め、反射強度の平均が最も高い候補や、反射強度の平均が所定値以上で反射強度のばらつきが最も小さい候補を最適偏波組に選んでもよい。
また、最適偏波組検出手段102は、全ての候補に対して反射強度を求めた結果、いずれの候補も反射強度が所定値以上とならなかった場合には、当該ピクセルは測定点には適さないとして、最適偏波組なしとしてもよい。
また、例えば、最適偏波組検出手段102は、最適偏波組を求める際に、まず変動が生じていないとされる期間中に撮影された2組以上のSAR画像組を用いて、PS特性を有するか否かを判定してもよい。最適偏波組検出手段102は、例えば、基本4偏波組のいずれかの送受信偏波の組による上記期間中の相対位相の変化幅が所定値以上であった場合には、PS特性を有していないとして、上記反射強度に基づく判定の如何にかかわらず、当該ピクセルは測定点には適さないとして、最適偏波組なしとしてもよい。
また、最適偏波組検出手段102は、最適偏波組の検出時間を短縮したい場合には、例えば、最適偏波組を、予め定めておいた最適偏波組の候補の中で所定の閾値以上の反射強度となる送受信偏波の組合せとしてもよい。そのような場合、最適偏波組検出手段102は、例えば、複数設けられた最適偏波組の候補に対して、所定の順番で偏波回転処理により反射強度を求め、最初に反射強度が所定の閾値以上となった候補を、当該ピクセルにおける最適偏波組としてもよい。以下では、最適偏波組における送受信偏波の回転角の組合せを、最適回転角組と称する場合がある。最適偏波組検出手段102による最適偏波組の決定は、最適回転角組を決定していると言うことも可能である。
最適偏波組検出手段102は、そのようにして得た各ピクセルにおける最適偏波組を示す情報を含む測定点情報を生成し、後述する測定点情報記憶手段103に記憶する。最適偏波組を示す情報は、例えば、送信偏波の回転角と、受信偏波の回転角とを含む情報であってもよい。なお、最適偏波組なしが検出された場合、最適偏波の組を示す情報には、その旨を示す情報が登録される。
測定点情報は、PS−InSARにおける測定点に関する情報であって、例えば、ピクセルまたはピクセルが対応する地点の位置情報と、最適偏波組を示す情報と対応づけた情報であってもよい。また、測定点情報は、位置情報と、最適偏波組を示す情報とに加えて、検出の際に求めた最適偏波組による反射強度(反射強度の平均を含む)や、偏波特性を示す情報(散乱行列Sやストークス行列F等)を含んでいてもよい。また、さらに、最適偏波組の検出日時や、検出に用いたSAR画像組の情報を含んでいてもよい。
測定点情報記憶手段103は、測定点情報を記憶する。
偏波回転処理手段104は、偏波回転処理を提供する手段であり、少なくとも1組のSAR画像組を用いて、指定されたピクセルにおける、指定された送受信偏波の組合せによる反射強度を算出する。
測定点情報出力手段107は、測定点情報記憶手段103に記憶されている測定点情報を出力する。測定点情報出力手段107は、例えば、測定点情報記憶手段103に記憶されている測定点情報を基に、対象ピクセルに対応する各地点が測定点に適するか否か、またはどの程度測定点に適するかを示す情報を作成し、出力してもよい。
例えば、測定点情報出力手段107は、入力されたSAR画像組と、測定点情報とを基に回転SAR画像を生成し、生成した回転SAR画像を、対象ピクセルに対応する各地点がどの程度測定点に適するかを示す情報として出力してもよい。
ここで、回転SAR画像は、少なくとも対象とされたピクセルに対応づけて、当該ピクセルの最適偏波組によるSARデータである回転SARデータを少なくとも保持する画像である。なお、回転SAR画像は、通常のSAR画像と違って、ピクセルごとに送受信偏波の組合せが異なりうる画像である。各ピクセルが最適偏波組によるSARデータを保持する回転SAR画像を出力することで、出力先で、各ピクセルの最適偏波組による反射強度画像を表示することができる。
なお、測定点情報出力手段107は、画像のデータ構造にとらわれずに、少なくとも対象ピクセルについて、当該ピクセルまたは当該ピクセルに対応する地点の位置情報と、当該ピクセルにおける最適偏波組を示す情報と、回転SARデータとを含む情報を生成して、出力してもよい。そのような場合には、出力先で、必要な情報を選択して画像形式にして表示してもよい。
また、測定点情報出力手段107は、各ピクセルの偏波特性を示す情報(散乱行列Sやストークス行列F等)を含む情報を生成し、出力してもよい。これにより、出力先で任意の時刻における回転SARデータを生成できる。
本実施形態において、SAR画像組入力手段101は、例えば、データ入力装置と、プログラムに従って動作する情報処理装置とによって実現される。また、最適偏波組検出手段102および偏波回転処理手段104は、例えば、プログラムに従って動作する情報処理装置によって実現される。また、測定点情報記憶手段103は、例えば、記憶装置によって実現される。また、測定点情報出力手段107は、例えば、データ出力装置と、プログラムに従って動作する情報処理装置とによって実現される。
次に、本実施形態の動作を説明する。図5は、本実施形態の測定点情報提供装置1の動作の一例を示すフローチャートである。図5は、関心領域に対応するSAR画像の画像領域に含まれる全てのピクセルを対象に、最適偏波組を求めて、その結果得られる測定点情報を提供する測定点情報提供装置1の動作の例が示されている。
本例では、まず、ユーザに、関心領域を決定させる(ステップS101)。例えば、測定点情報提供装置1は、関心領域を指定するための関心領域指定画面等のユーザインタフェースを有し、該ユーザインタフェースを介して、ユーザに関心領域の情報を入力させてもよい。関心領域の情報は、例えば、中心地点の緯度経度および半径等であってもよい。また、例えば、合成開口レーダ3の撮影視野4をマッピングした地図等を表示して、その地図上で関心領域の範囲等を指定させてもよい。本例では、関心領域に対応するSAR画像の画像領域に含まれる全てのピクセルを対象ピクセルとする。
次に、SAR画像組入力手段101は、関心領域をその撮影視野に含むSAR画像組を1組以上、入力する(ステップS102)。
次に、最適偏波組検出手段102は、入力されたSAR画像組を用いて偏波回転処理を行うことにより、対象ピクセルの最適偏波組を検出する(ステップS103)。また、最適偏波組検出手段102は、検出された対象ピクセルの最適偏波組を示す情報を含む測定点情報を生成し、測定点情報記憶手段103に記憶する。
最後に、測定点情報出力手段107は、測定点情報記憶手段103に記憶された測定点情報を出力する(ステップS104)。測定点情報出力手段107は、例えば、ユーザからの要求にしたがって、測定点情報を出力してもよい。また、測定点情報出力手段107は、測定点情報に代えてまたは測定点情報に加えて、測定点情報に基づいて生成した回転SAR画像を出力してもよい。
以上のように、本実施形態によれば、PS−InSARを行う前に、変位を測定可能な測定点群を検出して、その情報をユーザに提供できるので、ユーザは、特定の送受信偏波の組合せによるSAR画像を見ただけでは見つけられないような測定点を容易に知ることができる。また、例えば、ユーザがその情報を基に測定点を指定したり、PS−InSARを行って得た変位の情報と照らし合わせたりすれば、高感度かつより正確な検出結果が得られる。
なお、上記説明では、測定点情報提供装置1が、偏波回転処理手段104を備える例を示しているが、最適偏波組検出手段102における最適偏波組の候補を、HH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波の基本4偏波組のみとする場合には、偏波回転処理手段104を省略してもよい。
そのような場合には、最適偏波組検出手段102は、入力された少なくとも1組のSAR画像組を用いて、ピクセルごとに、基本4偏波組の中から最適偏波組を検出(選択)すればよい。最適偏波組検出手段102は、例えば、1つのSAR画像組を用いて、当該SAR画像組に含まれる対象ピクセルの基本4偏波組によるSARデータの各々により示される反射強度を比較して、基本4偏波組の中から最も反射強度の強い偏波組を選び、選んだ偏波組を最適偏波組としてもよい。なお、複数のSAR画像組を用いる場合も同様に、SAR画像組に含まれる対象ピクセルの基本4偏波組によるSARデータの各々により示される反射強度の平均が最も高い偏波組や、反射強度の平均が所定値以上で反射強度のばらつきが最も小さい偏波組を選んでもよい。
実施形態2.
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態の測定点情報提供装置1の構成例を示すブロック図である。図6に示す測定点情報提供装置1は、図2に示す第1の実施形態の測定点情報提供装置1と比べて、測定点情報出力手段107の代わりに、測定点候補入力手段108と、測定点条件判定手段109と、判定結果出力手段110とを備えている点が異なる。
測定点候補入力手段108は、関心領域内においてユーザが特に変位を測定したい地点(測定点)の候補を1つ以上入力する。測定点候補入力手段108は、例えば、測定点の候補を指定するための測定点候補指定画面等のユーザインタフェースを有し、該ユーザインタフェースを介して、ユーザに測定点の候補の情報を入力させてもよい。測定点の候補の情報は、例えば、地表における位置を示す情報(緯度経度等)であってもよいし、取得したSAR画像組に含まれるSAR画像におけるピクセル座標であってもよい。なお、本例の測定点情報提供装置1は、地表における位置とSAR画像におけるピクセル位置との対応関係を示す情報を保持しているものとする。
本実施形態では、指定された測定点の候補に対応するピクセルを対象ピクセルとする。
測定点条件判定手段109は、入力された測定点の候補が、測定点として適するか否かを判定する。測定点条件判定手段109は、指定された測定点の候補とされた地点(以下、候補点という)または当該候補点に対応するピクセルに対応づけられている測定点情報を参照し、当該候補点に対応するピクセルである対象ピクセルの最適偏波組によるSARデータ(反射強度や位相の情報)を基準にして、当該候補点において変位を測定できるか否かを判定する。なお、測定点条件判定手段109は、具体的には、測定点情報に基づいて、当該候補点が測定点として好適とされる所定の条件を満たしているか否かを判定すればよい。なお、当該候補点に対応する測定点情報が測定点情報記憶手段103に登録されていない場合、測定点条件判定手段109は、最新のSAR画像組を用いて対象ピクセルについて最適偏波組を検出する処理をするよう、最適偏波組検出手段102に要求してもよい。
測定点条件判定手段109は、例えば、測定点情報によって示される当該候補点における最適偏波組を示す情報に、最適偏波組なしの旨が登録されている場合には、当該候補点は測定点に適さないと判定してもよい。
また、例えば、測定点条件判定手段109は、測定点情報によって示される当該候補点における最適偏波組による反射強度が所定の値以上であれば、当該候補点は測定点として適すると判定してもよい。
判定結果出力手段110は、測定点条件判定手段109による判定結果を出力する。
本実施形態において、測定点候補入力手段108は、例えば、データ入力装置と、プログラムに従って動作する情報処理装置とによって実現される。また、測定点条件判定手段109は、プログラムに従って動作する情報処理装置によって実現される。また、判定結果出力手段110は、例えば、データ出力装置と、プログラムに従って動作する情報処理装置とによって実現される。
次に、本実施形態の動作を説明する。図7は、本実施形態の測定点情報提供装置1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS101〜S102の処理は、図5に示した例と同じであるため、説明を省略する。
本例では、SAR画像組入力手段101が関心領域をその撮影視野に含むSAR画像組を1組以上入力すると(ステップS102)、測定点候補入力手段108が、ユーザに、測定点の候補を1つ以上、指定させる(ステップS201)。
次に、最適偏波組検出手段102は、入力された少なくとも1組のSAR画像組を用いて偏波回転処理を行うことにより、測定点の候補とされた地点(候補点)に対応する対象ピクセルの最適偏波組を検出する(ステップS202)。また、最適偏波組検出手段102は、検出された対象ピクセルの最適偏波組を示す情報を含む測定点情報を生成し、測定点情報記憶手段103に記憶する。
次に、測定点条件判定手段109は、測定点情報に基づいて、指定された候補点が、測定点の条件としてあらかじめ定めておいた条件を満たすか否かを判定する(ステップS203)。ここでは、測定点条件判定手段109は、当該候補点に対応する対象ピクセルの最適偏波組によるSARデータを基準に、当該候補点が測定点に適するか否かを判定する。
最後に、判定結果出力手段110が、測定点条件判定手段109による判定結果を出力する(ステップS204)。
以上のように、本実施形態によれば、PS−InSARを行う前に、ユーザが変位を測定したい地点が測定点に適するか否かを容易に知ることができるので、ユーザは、効率よく変動の検出処理を行うことができる。例えば、ユーザは、変動を検出したい個所がある程度定まっている場合に、その個所やその付近の地点を指定して測定点として適するか否かを判定させ、その結果に基づいて測定点を指定してもよい。このとき、当該地点における最適偏波組の情報に基づいて、当該地点に対応するSARデータとして、変動を検知したい期間の前後の時刻における最適偏波組によるSARデータに相当する情報を入力してPS−InSARを行うことで、高精度に変動を検出できる。なお、変動を検出したい期間の前後の時刻における最適偏波組によるSARデータに相当する情報は、当該時刻におおける基本4偏波組のSARデータを用いて、上記の偏波回転処理等を行うことにより生成できる。
実施形態3.
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図8は、本実施形態の観測システムの構成例を示す構成図である。図8に示す観測システムは、図1に示す第1の実施形態と比べて、測定点情報提供装置1に代えて、変動検出装置5を備えている点が異なる。
また、図9は、変動検出装置5の構成例を示すブロック図である。図9に示すように、変動検出装置5は、図2に示した第1の実施形態の測定点情報提供装置1の構成要素(SAR画像組入力手段101、最適偏波組検出手段102、測定点情報記憶手段103、偏波回転処理手段104および測定点情報出力手段107)に加えて、さらに変動検出手段105と、検出結果出力手段106とを備えている。
本実施形態において、SAR画像組入力手段101は、少なくとも観測時間の異なる2組以上のSAR画像組を入力する。ここで入力されるSAR画像組には、ユーザが指定した、変動を検出したい時間区間の前後の時刻に対応するSAR画像組が少なくとも含まれる。以下、ユーザが指定した変動を検出したい時間区間の前後の時刻を指定時刻という場合がある。なお、時間区間は1つとは限らない。また、SAR画像組入力手段101が入力する2組以上のSAR画像組を、略同一場所に対して、観測時刻の異なる観測データから生成されるSAR画像組の集合という意味で「SAR画像組系列」という場合がある。
SAR画像組入力手段101は、例えば、図3に示されるような、観測時刻の異なるn組(例えば、数十組)のSAR画像組からなるSAR画像組系列を入力してもよい。
変動検出手段105は、測定点情報記憶手段103に記憶されている測定点情報と、入力されたSAR画像組系列とに基づいて、少なくとも対象ピクセルに対応する地点における変動を検出する。ここで、対象ピクセルは、例えば、関心領域に対応する画像領域に含まれる各ピクセルまたは関心領域内において特に変位を測定したい地点(測定点)として指定されたピクセルである。
検出結果出力手段106は、変動検出手段105による検出結果を出力する。
なお、最適偏波組検出手段102、測定点情報記憶手段103、偏波回転処理手段104および測定点情報出力手段107は、第1の実施形態と同様でよい。
以下、本実施形態の変動検出手段105についてさらに詳しく説明する。図10は、変動検出手段105の一例を示すブロック図である。図10に示す変動検出手段105Aは、回転SARデータ生成手段151と、変位測定手段152Aとを含む。
回転SARデータ生成手段151は、測定点情報記憶手段103に記憶されている測定点情報によって示される対象ピクセルの最適偏波組と、入力されたSAR画像組系列に含まれる指定時刻のSAR画像組とに基づいて、対象ピクセルの各々に対して、少なくとも2つの異なる時刻に対応する回転SARデータを生成する。
なお、回転SARデータは、上述したように、ある時刻(ここでは指定時刻に含まれる各時刻)における当該ピクセルの最適偏波組によるSARデータである。
回転SARデータ生成手段151は、例えば、偏波回転処理手段104が提供する偏波回転処理を利用して、対象ピクセルについて、指定時刻(より具体的には、指定時刻に含まれる各時刻)に対応する回転SARデータを生成してもよい。以下、回転SARデータ生成手段151が生成する対象ピクセルの指定時刻に対応する回転SARデータを、対象ピクセルについての観測時刻の異なる観測データから生成される回転SARデータの集合という意味で、対象ピクセルの「回転SARデータ系列」という場合がある。
回転SARデータ生成手段151は、例えば、対象ピクセルの各々に対して、SAR画像組系列に含まれる指定時刻のSAR画像組を用いて、指定時刻に含まれる時刻ごとに、最適偏波組を指定した偏波回転処理を行うことにより、各対象ピクセルについての回転SARデータ系列を生成できる。
なお、回転SARデータは、最適偏波組が基本4偏波組のいずれかである場合には、入力されたSAR画像組に含まれるSARデータをそのまま利用してもよい。
変位測定手段152Aは、対象ピクセルについての回転SARデータ系列を用いて、対象ピクセルに対応する地点の変位を測定する。変位測定手段152Aは、より具体的には、対象ピクセルについての回転SARデータ系列をPS−InSAR処理に用いて、対象ピクセルに対応する地点における、変動による位相差を算出する。PS−InSAR処理では、比較対象とされた対象ピクセルのSARデータ間に現れる位相差のうち、高さによる位相差を除去して、変動による位相差を求めることにより、対象ピクセルに対応する地点における変位を測定できる。
例えば、n組のSAR画像組を含むSAR画像組系列が入力され、そのn組のSAR画像組が取得された各時刻が指定時刻として指定された場合、変位測定手段152Aには、1つの対象ピクセルにつき、t1〜tnの時刻にそれぞれ対応するn個の回転SARデータを含む回転SARデータ系列が入力される。
そのような場合に、例えば、変位測定手段152Aは、最初の時刻とそれ以降の各時刻間に現れる位相差の最大値や、隣り合った時刻間に現れる位相差の累計値等を、対象ピクセルの指定時刻間における変位を示す情報として出力してもよい。具体的には、時刻t1に対応する回転SARデータと、時刻t2〜tnの各々に対応する回転SARデータ間に現れる位相差を求め、求めた位相差の最大値を、対象ピクセルの指定時刻間における変位を示す情報として出力してもよい。また、例えば、変位測定手段152Aは、時刻t1に対応する回転SARデータと時刻t2に対応する回転SARデータ間に現れる位相差,時刻t2に対応する回転SARデータと時刻t3に対応する回転SARデータ間に現れる位相差,・・・,時刻t(n−1)に対応する回転SARデータと時刻tnに対応する回転SARデータ間に現れる位相差を求め、求めた位相差の累計値(ただし、2πを上限とする)を、対象ピクセルの指定時刻間における変位を示す情報として出力してもよい。
このような場合、検出結果出力手段106は、変位測定手段152Aから出力される各対象ピクセルの指定時刻間における変位を示す情報を、各対象ピクセルに対応する地点における変動の検出結果を示す情報として出力してもよい。
また、検出結果出力手段106は、変位測定手段152Aから出力される各対象ピクセルの指定時刻間における変位を示す情報を基に、差分干渉画像を生成して表示してもよい。差分干渉画像は、少なくとも対象ピクセルの各々に対応づけて、当該ピクセルが対応する地点における変動による位相差の情報または該位相差の大きさに応じた画素情報を保持する画像である。これにより、出力先で、差分干渉画像の表示において、各画素を、当該画素に対応する地点における変位量に応じて色分け等できる。検出結果出力手段106は、生成する差分干渉画像において、対象ピクセル以外のピクセルについては、測定対象外もしくは変位なしの旨の情報を保持させてもよい。
また、図11は、変動検出手段105の他の例を示すブロック図である。図11に示す変動検出手段105Bは、回転SARデータ生成手段151と、回転SAR画像生成手段153Bと、変位測定手段152Bとを含む。
回転SARデータ生成手段151は、図10に示した変動検出手段105Aの回転SARデータ生成手段151と同様である。
回転SAR画像生成手段153Bは、生成された各対象ピクセルについての回転SARデータ系列を統合して、指定時刻の各時刻に対応する回転SAR画像を生成する。
なお、回転SAR画像生成手段153Bは、各回転SAR画像において、対象ピクセル以外のピクセルについては、無効の旨や反射強度をゼロとした回転SARデータを保持させてもよいし、例えば、SAR画像組系列に含まれる当該時刻の基本4偏波組のいずれか1つの送受信偏波の組によるSARデータを選び、それを保持させてもよい。
変位測定手段152Bは、生成された複数時刻に対応する回転SAR画像を用いて、少なくとも対象ピクセルに対応する地点における変位を測定し、測定結果を表す差分干渉画像を生成する。変位測定手段152Bは、例えば、複数時刻に対応するSAR画像を用いたPS−InSAR処理と同様の処理を行えばよい。
なお、上述した変位測定手段152Aでは、入力データが、ピクセル単位のデータである回転SARデータ系列であり、出力データが、ピクセル単位の測定結果を示す情報であったのに対して、変位測定手段152Bでは、入力データが、画像単位のデータである回転SAR画像であり、出力データが、画像単位の測定結果である差分干渉画像である点が異なる。このように、変位測定手段への入出力データのフォーマットを選べることができる。
本実施形態において、変動検出手段105は、例えば、プログラムに従って動作する情報処理装置によって実現される。また、検出結果出力手段106は、例えば、データ出力装置と、プログラムに従って動作する情報処理装置とによって実現される。
次に、本実施形態の動作を説明する。図12は、本実施形態の変動検出装置5の動作の一例を示すフローチャートである。図12には、関心領域に対応するSAR画像の画像領域に含まれる全てのピクセルについて変位測定を行って対象物の歪み等を検出する変動検出装置5の動作の例が示されている。本例では、変動検出装置5が、変動検出手段105として、図10に示される変動検出手段105Aを備えている場合を例に用いて説明する。なお、以下では、ステップS101は、図5および図7に示した例と同じであるため、説明を省略する。
また、本例では、関心領域に対応するSAR画像の画像領域に含まれる全てのピクセルを対象ピクセルとする。
本例では、ユーザに、関心領域を決定させると(ステップS101)、次に、SAR画像組入力手段101が、関心領域を含む領域に対して異なる時刻に取得されたSAR画像組を含むSAR画像組系列を入力する(ステップS301)。
次に、最適偏波組検出手段102は、入力されたSAR画像組系列に含まれる少なくとも1組のSAR画像組を用いて、対象ピクセルの各々について偏波回転処理を行うことにより、各対象ピクセルの最適偏波組を検出する(ステップS302)。また、最適偏波組検出手段102は、得られた各対象ピクセルの最適偏波組を示す情報を含む測定点情報を生成し、測定点情報記憶手段103に記憶する。
次に、測定点情報出力手段107は、測定点情報記憶手段103に記憶された測定点情報を出力する(ステップS104)。測定点情報出力手段107は、例えば、ユーザからの要求にしたがって、測定点情報を出力してもよい。また、測定点情報出力手段107は、測定点情報に代えてまたは測定点情報に加えて、測定点情報に基づいて生成した回転SAR画像を出力してもよい。
次に、変動検出手段105の回転SARデータ生成手段151は、測定点情報によって示される各対象ピクセルの最適偏波組と、SAR画像組系列に含まれる指定時刻に対応するSAR画像組とに基づいて、各対象ピクセルの回転SARデータ系列を生成する(ステップS303)。
次に、変動検出手段105の変位測定手段152Aは、生成された各対象ピクセルの回転SARデータ系列を用いて、対象ピクセルごとにPS−InSAR処理を行うことにより、各対象ピクセルに対応する地点における変位を測定する(ステップS304)。ここで、変位測定手段152Aは、例えば、測定の結果得られた各対象ピクセルの指定時刻間における変位を示す情報を出力する。なお、対象ピクセルによっては反射強度が小さくて位相差の情報が得られないなど測定点の条件を満たさず、測定不能を示す情報が得られる場合がある。
最後に、検出結果出力手段106は、ステップS304で得られた情報を基に差分干渉画像を生成し、生成した差分干渉画像を、関心領域における変動の検出結果を示す情報として出力する(ステップS305)。
なお、ステップS104の処理は、ステップS303以降に行ってもよい。例えば、ステップS305による差分干渉画像の出力と併せて、測定点情報や回転SAR画像を出力してもよい。
また、図13は、本実施形態の変動検出装置5の動作の他の例を示すフローチャートである。図13には、関心領域に対応するSAR画像の画像領域に含まれる全てのピクセルについて変位測定を行って対象物の歪み等を検出する変動検出装置5の動作の例が示されている。本例では、変動検出装置5が、変動検出手段105として、図11に示される変動検出手段105Bを備えている場合を例に用いて説明する。なお、ステップS101〜S303までの処理は、図12に示した例と同じであるため、説明を省略する。
また、本例でも、関心領域に対応するSAR画像の画像領域に含まれる全てのピクセルを対象ピクセルとする。
本例では、変動検出手段105の回転SARデータ生成手段151が、各対象ピクセルの回転SARデータ系列を生成すると(ステップS303)、回転SAR画像生成手段153Bが、指定時刻に含まれる時刻ごとに、各対象ピクセルの回転SARデータ系列に含まれる当該時刻に対応する回転SARデータを統合して、指定時刻に対応する回転SAR画像を生成する(ステップS401)。
次に、変動検出手段105の変位測定手段152Bは、生成された指定時刻に対応する回転SAR画像を用いて、PS−InSAR処理を行うことにより、差分干渉画像を生成する(ステップS402)。
最後に、検出結果出力手段106は、少なくとも関心領域における変動の検出結果を示す情報として、ステップS402で得られた差分干渉画像を出力する(ステップS403)。
以上のように、本実施形態によれば、ユーザは、関心領域に含まれる各ピクセルが測定点に適するか否かを知ることができる上に、関心領域に含まれる全ての測定可能な地点を使って変動を検出できる。このことは、本発明によって変動検出の感度が向上したことに他ならない。また、変動検出結果を差分干渉画像として出力すれば、関心領域内で変動があった地点が即座にわかるなど検出結果の視認性を高めることができる。
また、図12や図13に示した方法のように、変動検出結果を差分干渉画像として出力すれば、関心領域内で変動があった地点が即座にわかるなど検出結果の視認性を高めることができる。また、測定点情報に代えてまたは測定点情報に加えて、回転SAR画像を出力すれば、ユーザは、差分干渉画像と回転SAR画像とを比較することにより、PS−InSARを行って得た検出結果をより正確に分析できるようになる。
また、図13に示した方法によれば、複数の時刻に対応したSAR画像を入力して差分干渉画像を出力するような既存のPS−InSAR処理を利用することができる。
実施形態4.
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図14は、本実施形態の変動検出装置5の構成例を示すブロック図である。図14に示す変動検出装置5は、図6に示した第2の実施形態の測定点情報提供装置1の構成要素(SAR画像組入力手段101、最適偏波組検出手段102、測定点情報記憶手段103、偏波回転処理手段104、測定点候補入力手段108、測定点条件判定手段109および判定結果出力手段110)に加えて、変動検出手段105と、検出結果出力手段106とを備えている。
変動検出手段105および検出結果出力手段106は、基本的には第3の実施形態と同様である。なお、本実施形態における変動検出手段105は、測定点条件判定手段109によって測定点として適すると判定された候補点を測定点に用いて、当該測定点における変動を検出する。
本実施形態では、測定点が決定される前までは、指定された測定点の候補に対応するピクセルを対象ピクセルとし、測定点が決定された後は、決定された測定点に対応するピクセルを対象ピクセルとする。
本実施形態において、測定点条件判定手段109は、ユーザから指定された測定点の候補とされた地点である候補点が、測定点に適するか否かを判定し、測定点として適すると判定した場合に、当該候補点を測定点に設定する。また、測定点条件判定手段109は、候補点が測定点に適さないと判定した場合に、判定結果出力手段110にその旨を出力させる。なお、測定点条件判定手段109は、候補点が測定点に適するか否かにかかわらず、判定結果出力手段110に判定結果を出力させて、当該候補点を測定点として用いるか否かをユーザに確認してもよい。
図15は、本実施形態の変動検出装置5の動作の一例を示すフローチャートである。図15には、関心領域内のユーザが指定した地点について変位測定を行って対象物の歪み等を検出する変動検出装置5の動作の例が示されている。なお、以下では、変動検出装置5が、変動検出手段105として、図10に示される変動検出手段105Aを備えている場合を例に用いて説明する。なお、以下では、ステップS101およびS301の処理は、図12および図13に示した例と同じであるため、説明を省略する。
本例では、SAR画像組入力手段101が関心領域を含む領域に対して異なる時刻に取得されたSAR画像組を含むSAR画像組系列を入力すると(ステップS301)、次に、測定点候補入力手段108が、ユーザに、関心領域内において特に変位を測定したい地点(測定点)の候補を1つ以上、指定させる(ステップS201)。
次に、最適偏波組検出手段102は、入力された少なくとも1組のSAR画像組を用いて偏波回転処理を行うことにより、指定された候補点に対応するピクセルの最適偏波組を検出する(ステップS202)。また、最適偏波組検出手段102は、検出された当該ピクセルの最適偏波組を示す情報を含む測定点情報を生成し、測定点情報記憶手段103に記憶する。
次に、測定点条件判定手段109は、測定点情報に基づいて、指定された候補点が、測定点の条件としてあらかじめ定めておいた条件を満たすか否かを判定する(ステップS203)。なお、ステップS201からS203までの処理は、図7に示した第2の実施形態における動作例と同様である。
ステップ203の判定の結果、指定された候補点が測定点の条件を満たさない場合には、判定結果出力手段110を介してユーザにその旨を出力する(ステップS501のNo,ステップS502)。なお、この後は、他の測定点の候補を指定させるため、ステップS201に戻ってもよい。
一方、指定された候補点が測定点の条件を満たす場合には、当該候補点を測定点に設定する(ステップS503)。以下、本例において、対象ピクセルといった場合は、当該測定点に対応するピクセルを指す。
次に、変動検出手段105の回転SARデータ生成手段151は、測定点情報によって示される対象ピクセルの最適偏波組と、SAR画像組系列に含まれる指定時刻に対応するSAR画像組とに基づいて、対象ピクセルについての回転SARデータ系列を生成する(ステップS504)。
次に、変動検出手段105の変位測定手段152Aは、生成された対象ピクセルの回転SARデータ系列を用いてPS−InSAR処理を行うことにより、対象ピクセルに対応する地点(測定点の候補として指定された地点)における変位を測定する(ステップS505)。そして、変位測定手段152Aは、例えば、測定の結果得られた対象ピクセルの指定時刻間における変位を示す情報(指定時刻に含まれる時刻間における位相差の最大値や累計値等)を出力する。なお、対象ピクセルによっては最適偏波組であっても反射強度が小さい、またはPS特性を有していないなど測定点の条件を満たさず、測定不能を示す情報が出力される場合がある。
最後に、検出結果出力手段106は、指定された地点における変動の検出結果を示す情報として、ステップS505で得られた情報を出力する(ステップS506)。検出結果出力手段106は、例えば、変位測定手段152Aから得られた対象ピクセルの指定時刻間における変位を示す情報に基づいて、指定された地点における変動の有無を判定して、その結果(変動有無)とともにステップS106で得られた情報を出力してもよい。
測定点の候補が複数ある場合は、ステップS202からステップS506またはS502までの処理を繰り返し行う。
以上のように、本実施形態によれば、ユーザが指定した地点における変動を検出できる可能性を高めることができる。なぜなら、変動検出装置5が当該地点に対応するピクセルの最適偏波組を求めた上で、複数時刻における当該地点の最適偏波組によるSARデータである回転SARデータ系列を生成して、PS−InSAR処理を行うからである。例えば、1つの送受信偏波の組合せによるSARデータを用いるのみの場合、当該地点は該送受信偏波の組による反射強度が小さく測定点として処理できない可能性がある。それに対して、本発明によれば、そのような地点であっても、他に反射強度の大きい送受信偏波の組合せがあれば、その送受信偏波の組合せを用いて当該地点における変位を測定できる。このことは、本発明によって変動検出の感度が向上したことに他ならない。
また、さらに本実施形態によれば、最適偏波組によっても当該地点を測定点として処理できない場合には、その旨をユーザに出力することにより、他の付近の地点を代替させるといったことができる。このことは、本発明によって変動検出の感度がさらに向上したことに他ならない。
また、ユーザは、測定点の指定が容易かつより確実にできるので、対象とする物体または地表の変動をより精密に検出できる。
また、このようにして測定点の指定が容易かつより確実になることによって、ビル、道路、橋等の人口構造物の劣化診断や、地盤沈下測定、地殻変動測定等の土地起伏の変化診断などがより精密に行えるという効果が得られる。
なお、上記第3および第4の実施形態でも、最適偏波組の候補を任意に設定できる場合を例に用いて説明したが、例えば、最適偏波組の候補を、HH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波の基本4偏波組のみとしてもよい。そのような場合には、変動検出装置5は、偏波回転処理手段104を省略できる。
なお、その場合において、変動検出手段105は、測定点情報に基づき、必要に応じてSAR画像組系列に含まれる指定時刻における対象ピクセルの基本4偏波組によるSARデータの中から該対象ピクセルの最適偏波組によるSARデータを選択的に用いて、対象ピクセルに対応する地点における変動を検出すればよい。
図16および図17は、最適偏波組の候補を、HH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波の基本4偏波組のみとした場合の変動検出手段105の構成例を示すブロック図である。図16に示す変動検出手段105Cは、変位測定手段152Cを含む。
変位測定手段152Cは、図10に例示した変動検出手段105Aの変位測定手段152Aと基本的に同じであるが、対象ピクセルについての回転SARデータ系列を用いる代わりに、SAR画像組系列に含まれる指定時刻における対象ピクセルの基本4偏波組によるSARデータを用いる点が異なる。変位測定手段152Cは、例えば、SAR画像組系列に含まれる指定時刻における対象ピクセルの基本4偏波組によるSARデータが入力されると、測定点情報に基づいて、各時刻につき最適偏波組によるSARデータを選択して、対象ピクセルに対応する地点における変位を測定する。
なお、変位測定手段152Cは、測定点情報に基づき、SAR画像組系列に含まれる指定時刻における当該ピクセルの最適偏波組によるSARデータを選択して用いる点以外は、上述した変位測定手段152Aと同様である。
また、図17に示す変動検出手段105Dは、回転SAR画像生成手段153Dと、変位測定手段152Bとを含む。
回転SAR画像生成手段153Dは、図11に例示した第1の実施形態の変動検出手段105の回転SAR画像生成手段153Bと基本的に同じであるが、対象ピクセルについての回転SARデータ系列を用いる代わりに、SAR画像組系列に含まれる指定時刻における対象ピクセルの基本4偏波組によるSARデータを用いる点が異なる。回転SAR画像生成手段153Dは、例えば、SAR画像組系列に含まれる指定時刻における対象ピクセルの基本4偏波組によるSARデータが入力されると、時刻ごとに、測定点情報に基づいて、対象ピクセルの各々に対して最適偏波組によるSARデータを選択し、それらを統合して、指定時刻に対応する回転SAR画像を生成する。
なお、回転SAR画像生成手段153Dは、測定点情報に基づき選択したSAR画像組系列に含まれる指定時刻における当該ピクセルの最適偏波組によるSARデータを用いる点以外は、上述した回転SAR画像生成手段153Bと同様である。
また、上記各実施形態では、測定点情報を記憶する手段として、測定点情報提供装置1および変動検出装置5が、測定点情報記憶手段103を備える例を示したが、測定点情報記憶手段103を省略することも可能である。そのような場合には、最適偏波組検出手段102から直接、測定点情報出力手段107や測定点条件判定手段109や変動検出手段105に、測定点情報を出力すればよい。
次に、本発明の概要について説明する。図18は、本発明の概要を示すブロック図である。図18に示すように、本発明による測定点情報提供装置または変動検出装置は、SAR画像組入力手段601と、偏波組決定手段602と、測定点情報生成手段603とを備えている。
SAR画像組入力手段601(例えば、SAR画像組入力手段101)は、特定領域(関心領域)を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を入力する。
偏波組決定手段602(例えば、最適偏波組検出手段102)は、入力されたSAR画像組を用いて、対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する。
測定点情報生成手段603(例えば、最適偏波組検出手段102)は、偏波組決定手段602により決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報を含む測定点情報を生成する。
このような特徴的要素を備えているので、変位を測定可能な地点をより多くまたは見逃さずに検出でき、したがって、その情報をユーザに提供したり、測定点の指定や測定結果の分析に利用することにより、変動検出の感度を向上させることができる。
また、図示省略しているが、本発明による測定点情報提供装置は、さらに、測定点情報生成手段602が生成した測定点情報、または測定点情報に基づいて生成される、対象ピクセルに対応する地点が測定点に適するか否かもしくはどの程度測定点に適するかを示す情報を出力する測定点情報出力手段(例えば、測定点情報出力手段107)を備えていてもよい。
また、測定点情報出力手段は、入力されたSAR画像組と、測定点情報とに基づいて、対象ピクセルに対応する地点がどの程度測定点に適するかを示す情報として、少なくとも対象ピクセルに対応づけて、当該ピクセルの決定された偏波組による反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持する回転SAR画像を生成して、出力してもよい。
また、図示省略しているが、本発明による測定点情報提供装置は、さらに、測定点の候補を入力する測定点候補入力手段(例えば、測定点候補入力手段108)と、測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定手段(例えば、測定点条件判定手段109)と、測定点条件判定手段による判定結果を出力する判定結果出力手段(例えば、判定結果出力手段110)とを備え、偏波組決定手段602は、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定し、測定点情報生成手段603は、偏波組決定手段602による偏波組の決定結果に基づき、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの該偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成してもよい。
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
また、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力するSAR画像組入力手段(例えば、SAR画像組入力手段101)と、入力されたSAR画像組のうちの少なくとも1組を用いて、対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定手段(例えば、最適偏波組決定手段102)と、偏波組決定手段により決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報を含む測定点情報を生成する測定点情報生成手段(例えば、最適偏波組決定手段102)と、測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、対象ピクセルに対応する地点における変位を測定する変位測定手段(例えば、変動検出手段105、特に変位測定手段152A、変位測定手段152B、変位測定手段152C)と、変位測定手段による測定結果を示す情報を出力する第1の出力手段(例えば、検出結果出力手段106)と、測定点情報、または測定点情報に基づいて生成される、対象ピクセルに対応する地点が測定点に適するか否かもしくはどの程度測定点に適するかを示す情報を出力する第2の出力手段(例えば、測定点情報出力手段107)とを備えたことを特徴とする変動検出装置。
(付記2)関心領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力するSAR画像組入力手段(例えば、SAR画像組入力手段101)と、測定点の候補を入力する測定点候補入力手段(例えば、測定点条件判定手段108)と、入力されたSAR画像組のうちの少なくとも1組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定手段(例えば、最適偏波組決定手段102)と、偏波組決定手段により決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの決定された偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する測定点情報生成手段(例えば、最適偏波組決定手段102)と、測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定手段(例えば、測定点条件判定手段109)と、測定点条件判定手段による判定結果を出力する判定結果出力手段(例えば、判定結果出力手段110)と、測定点条件判定手段によって測定点として適すると判定された候補を測定点に用いて、測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、測定点における変位を測定する変位測定手段(例えば、変動検出手段105、特に変位測定手段152A、変位測定手段152B、変位測定手段152C)とを備えたことを特徴とする変動検出装置。
(付記3)偏波組決定手段は、対象ピクセルの各々に対して、予め定められている偏波組の候補の中から、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する付記1または付記2に記載の変動検出装置。
(付記4)偏波組の候補が、HH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波の4種類である付記1から付記3のいずれかに記載の変動検出装置。
(付記5)偏波組の候補が、偏波回転角が0度〜180度のいずれかである送信偏波と、偏波回転角が0度〜180度のいずれかである受信偏波との組合せの集合である付記1から付記3のいずれかに記載の変動検出装置。
(付記6)指定された点を画像領域に含む少なくともSAR画像組を1組以上用いて、当該点における任意の送受信偏波の組合せによる反射強度を算出する偏波回転処理手段と、対象ピクセルの各々に対して、偏波回転処理手段を利用して、入力されたSAR画像組から、少なくとも2つの時刻に対応する回転SARデータであって、それぞれ対応する時刻における当該ピクセルの決定された偏波組による反射強度および位相を示す情報を含む回転SARデータを生成する回転SARデータ生成手段とを備え、偏波組決定手段は、対象ピクセルの各々に対して、偏波回転処理手段を利用して、入力されたSAR画像のうちの少なくとも1組のSAR画像組から、予め定められている偏波組の各候補の反射強度を算出し、算出した各候補の反射強度に基づいて偏波組を決定し、変位測定手段は、対象ピクセルの各々に対して、回転SARデータ生成手段によって生成された当該ピクセルの少なくとも2つの時刻に対応する回転SARデータに基づいて、当該ピクセルに対応する地点における変位を測定する付記1から付記5のいずれかに記載の変動検出装置。
(付記7)偏波組決定手段によって決定された偏波組と、入力されたSAR画像組とに基づいて、少なくとも2つの時刻に対応する回転SAR画像であって、それぞれが少なくとも対象ピクセルの各々に対応づけて、対応する時刻における当該ピクセルの決定された偏波組による反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持する回転SAR画像を生成する回転SAR画像生成手段を備え、変位測定手段は、回転SAR画像生成手段によって生成された少なくとも2つの時刻に対応する回転SAR画像を用いて、対象ピクセルの各々に対して、当該ピクセルに対応する地点における変位を測定する付記6に記載の変動検出装置。
(付記8)変位測定手段による変位の測定結果に基づき、少なくとも対象ピクセルの各々に対応づけて、当該ピクセルが対応する地点における変動による位相差を示す情報または該位相差の大きさに応じた画素情報を保持する画像である差分干渉画像を生成する差分干渉画像生成手段を備えた付記1から付記7のいずれかに記載の変動検出装置。
本発明は、測定点の情報取得用途や、変動検出用途や、PS−InSARを利用する用途に限らず、ある点における電波の散乱波における反射強度および位相を示す情報に基づく当該点における位相の変化を利用するものであれば、好適に適用可能である。
1 測定点情報提供装置
2 飛翔体
3 合成開口レーダ
4 撮影視野
5 変動検出装置
101 SAR画像組入力手段
102 最適偏波組検出手段
103 測定点情報記憶手段
104 偏波回転処理手段
105、105A、105B、105C、105D 変動検出手段
106 検出結果出力手段
107 測定点情報出力手段
108 測定点候補入力手段
109 測定点条件判定手段
110 判定結果出力手段
151 回転SARデータ生成手段
152A、152B、152C 変位測定手段
153B、153D 回転SAR画像生成手段
601 SAR画像組入力手段
602 偏波組決定手段
603 測定点情報生成手段

Claims (11)

  1. 特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を入力するSAR画像組入力手段と、
    入力されたSAR画像組を用いて、対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定手段と、
    前記偏波組決定手段により決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報を含む測定点情報を生成する測定点情報生成手段と
    測定点の候補を入力する測定点候補入力手段と、
    前記測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定手段と、
    前記測定点条件判定手段による判定結果を出力する判定結果出力手段とを備え
    前記偏波組決定手段は、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定し、
    前記測定点情報生成手段は、前記偏波組決定手段による偏波組の決定結果に基づき、少なくとも前記対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの前記偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する
    ことを特徴とする測定点情報提供装置。
  2. 前記測定点情報生成手段が生成した測定点情報、または前記測定点情報に基づいて生成される、対象ピクセルに対応する地点が測定点に適するか否かもしくはどの程度測定点に適するかを示す情報を出力する測定点情報出力手段を備えた
    請求項1に記載の測定点情報提供装置。
  3. 前記測定点情報出力手段は、入力されたSAR画像組と、測定点情報とに基づいて、対象ピクセルに対応する地点がどの程度測定点に適するかを示す情報として、少なくとも対象ピクセルに対応づけて、当該ピクセルの決定された偏波組による反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持する回転SAR画像を生成して、出力する
    請求項2に記載の測定点情報提供装置。
  4. 特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力するSAR画像組入力手段と、
    測定点の候補を入力する測定点候補入力手段と、
    入力されたSAR画像組のうちの少なくとも1組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定手段と、
    前記偏波組決定手段により決定された偏波組に基づいて、少なくとも前記対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの前記偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する測定点情報生成手段と、
    前記測定点情報に基づいて、入力された測定の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定手段と、
    前記測定点条件判定手段による判定結果を出力する判定結果出力手段と、
    測定点として適すると判定された候補、または前記出力後に測定点に指定された候補を測定点に用いて、前記測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、前記測定点における変位を測定する変位測定手段と、
    前記変位測定手段による測定結果を示す情報を出力する第1の出力手段と、
    前記測定点情報、または前記測定点情報に基づいて生成される、前記対象ピクセルに対応する地点が測定点に適するか否かもしくはどの程度測定点に適するかを示す情報を出力する第2の出力手段とを備えた
    ことを特徴とする変動検出装置。
  5. 特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力するSAR画像組入力手段と、
    測定点の候補を入力する測定点候補入力手段と、
    入力されたSAR画像組のうちの少なくとも1組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定手段と、
    前記偏波組決定手段により決定された偏波組に基づいて、少なくとも前記対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの前記偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する測定点情報生成手段と、
    前記測定点情報に基づいて、入力された測定の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定手段と、
    前記測定点条件判定手段による判定結果を出力する判定結果出力手段と、
    前記測定点条件判定手段によって測定点として適すると判定された候補を測定点に用いて、前記測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、前記測定点における変位を測定する変位測定手段とを備えた
    ことを特徴とする変動検出装置。
  6. 特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を入力し、
    測定点の候補を入力し、
    入力されたSAR画像組のうちの少なくとも1組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定し、
    定された偏波組に基づいて、少なくとも前記対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの前記偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成し、
    前記測定点情報に基づいて、入力された測定の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定し、
    前記判定結果を出力する
    ことを特徴とする測定点情報提供方法。
  7. 特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力し、
    測定点の候補を入力し、
    入力されたSAR画像組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定し、
    定された偏波組に基づいて、少なくとも前記対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの前記偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成し、
    前記測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの前記偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定し、
    前記判定結果を出力し、
    測定点として適すると判定された候補、または前記出力後に測定点に指定された候補を測定点に用いて、前記測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、前記測定点における変位を測定し、
    前記測定点における変位の測定結果を示す情報とともに、前記測定点情報、または前記測定点情報に基づいて生成される、前記対象ピクセルに対応する地点が測定点に適するか否かもしくはどの程度測定点に適するかを示す情報を出力する
    ことを特徴とする変動検出方法。
  8. 特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力し、
    測定点の候補を入力し、
    入力されたSAR画像組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定し、
    決定された偏波組に基づいて、少なくとも前記対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの前記偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成し、
    前記測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの前記偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定し、
    前記判定により測定点として適さないと判定された場合に、その旨を出力し、
    前記判定により測定点として適すると判定された場合に、当該候補を測定点に用いて、前記測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、前記測定点における変位を測定する
    ことを特徴とする変動検出方法。
  9. コンピュータに、
    特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を入力するSAR画像組入力処理、
    測定点の候補を入力する測定点候補入力処理、
    入力されたSAR画像組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定処理
    前記偏波組決定処理で決定された偏波組に基づいて、少なくとも対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの前記偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する測定点情報生成処理
    前記測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定処理、および
    前記測定点条件判定処理による判定結果を出力する判定結果出力処理
    を実行させるための測定点情報提供用プログラム。
  10. コンピュータに、
    特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力するSAR画像組入力処理、
    測定点の候補を入力する測定点候補入力処理、
    入力されたSAR画像組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定処理、
    前記偏波組決定処理で決定された偏波組に基づいて、少なくとも前記対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの前記偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する測定点情報生成処理、
    前記測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定処理、
    前記測定点条件判定処理による判定結果を出力する判定結果出力処理、
    測定点として適すると判定された候補、または前記出力後に測定点に指定された候補を測定点に用いて、前記測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、前記測定点における変位を測定する変位測定処理、
    前記測定点における変位の測定結果を示す情報を出力する第1の出力処理、および
    前記測定点情報、または前記測定点情報に基づいて生成される、前記対象ピクセルに対応する地点における地点が測定点に適するか否かもしくはどの程度測定点に適するかを示す情報を出力する第2の出力処理
    を実行させるための変動検出用プログラム。
  11. コンピュータに、
    特定領域を含む撮影視野内の分解能セルに対応するピクセルの各々に対応づけて、略同一時刻に合成開口レーダが観測した送受信偏波の組合せがHH偏波、HV偏波、VH偏波およびVV偏波である基本4偏波組による観測データから生成される反射強度および位相を示す情報を少なくとも保持するSAR画像組を2組以上入力するSAR画像組入力処理、
    測定点の候補を入力する測定点候補入力処理、
    入力されたSAR画像組を用いて、入力された測定点の候補に対応するピクセルである対象ピクセルの各々に対して、反射強度が所定値以上または最も強い偏波組を決定する偏波組決定処理、
    前記偏波組決定処理で決定された偏波組に基づいて、少なくとも前記対象ピクセルの決定された偏波組を示す情報と、当該対象ピクセルの前記偏波組による反射強度を示す情報とを含む測定点情報を生成する測定点情報生成処理、
    前記測定点情報に基づいて、入力された測定点の候補が測定点として適するか否かを、当該候補に対応するピクセルの決定された偏波組による反射強度を少なくとも用いて判定する測定点条件判定処理、
    前記測定点条件判定処理による判定結果を出力する判定結果出力処理、および
    前記測定点条件判定処理で測定点として適すると判定された候補を測定点に用いて、前記測定点情報と、入力されたSAR画像組とに基づいて、前記測定点における変位を測定する変位測定処理
    を実行させるための変動検出用プログラム。
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