JP6345931B2 - 火災検知システム及び火災検知方法 - Google Patents

火災検知システム及び火災検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、監視カメラで撮像した監視領域の画像から火災初期における煙を検知する火災検知システム及び火災検知方法に関する。
従来、監視カメラで撮像した監視領域の画像に対し画像処理を施すことにより、火災を検知するようにした様々な火災検知システムが提案されている。
このような火災検知システムにあっては、火災発生に対する初期消火や避難誘導の観点から火災の早期発見が重要である。
このため従来システム(特許文献1)にあっては、画像から火災に伴う煙により起きる現象として、透過率又はコントラストの低下、輝度値の特定値への収束、輝度分布範囲が狭まって輝度の分散の低下、煙による輝度の平均値の変化、エッジの総和量の低下、低周波帯域の強度増加を導出し、これらを総合的に判断して煙の検出を可能としている。
特開2008−046916号公報 特開平7−245757号公報 特開2010−238028号公報
しかしながら、このような従来の火災に伴う煙の画像から火災を検知する火災検知システムにあっては、監視カメラの近くの小さな火災による煙と、遠くの大きな火災による煙が識別できず、このため遠くで発生した火災に対しては、検知感度が落ち、火災を検知するまでの時間遅れが大きくなるという問題がある。逆に監視カメラの近くで発生した非火災現象による煙を、火災による煙と誤認識してしまう。例えば監視カメラの直近で吸われたタバコの煙を、遠くにある大きな火災による煙と誤認識することがあった。
本発明は、煙の観測画像に基づき、距離によらず、一定の規模の火災を確実に検知可能とする火災検知システム及び火災検知方法を提供することを目的とする。
(火災検知システム)
本発明の火災検知システムは、
監視領域を撮影する撮像手段と、
撮像手段により撮影した画像から煙プルームが存在する画像を判定して煙プルームの太さを示す画素数と上昇速度を示す単位時間当りの画素数の変化である速度画素数を測定する測定手段と、
一定規模のモデル火災により発生する煙プルームの太さ及び上昇速度を基準太さ及び基準上昇速度として設定するモデル火災設定手段と、
測定手段で測定した煙プルームの太さを示す画素数及び上昇速度を示す速度画素数と、モデル火災設定手段で設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度との関係に基づいて火災を判定して警報を出力させる火災判定手段と、
を設けたことを特徴とする。
ここで、煙のプルーム(plume)とは、燃焼に伴う煙の上昇に伴って形成される筒状の煙範囲であり、火源の規模に応じた上昇速度と太さを有する。
(第1火災判定)
火災判定手段は、
基準太さの煙プルームが、測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数で撮像される第1火点距離を推定すると共に、測定手段で測定した上昇速度の速度画素数から第1火点距離における煙プルームの上昇速度を算出して推定し、
基準上昇速度の煙プルームが、測定手段で測定した上昇速度を示す速度画素数で撮像される第2火点距離を推定すると共に、測定手段で測定した煙プルームの太さを示す画素数から第2火点距離における煙プルームの太さを推定し、
推定した煙プルームの上昇速度が基準上昇速度に一致するか又は所定の誤差以内で、且つ、推定した煙プルームの太さが基準太さに一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災と判定し、それ以外に場合は非火災と判定する。
(第1火災判定の推定計算)
測定した煙プルームの太さを示す画素数をD、測定した煙プルームの上昇速度を示す速度画素数をU、煙プルームの基準太さをdr、煙プルームの基準上昇速度をur、撮像手段の垂直片側視野角をθA、撮像手段の水平片側視野角をθB、撮像手段の垂直片側画素数をA、撮像手段の水平片側画素数をBとした場合、
第1火点距離L1を、
L1=(B/D)(dr/tanθB
により算出して推定し、
算出した第1火点距離L1における煙上昇速度uを、
u=(U/A)(L1・tanθA
により算出して推定し、
第2火点距離L2を、
L2=(A/U)(ur/tanθA
により算出して推定し、
算出した第2火点距離L2における煙プルーム太さdを
d=(D/B)(L2・tanθB
により算出して推定する。
(第2火災判定)
火災判定手段は、
基準太さの煙プルームが、測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数で撮像される第1火点距離を推定すると共に、基準上昇速度の煙プルームが、測定手段で測定した上昇速度の速度画素数で撮像される第2の火点距離を推定し、
第1火点距離と第2火点距離が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定する。
(第2火災判定の推定計算)
測定した煙プルームの太さを示す画素数をD、測定した煙プルームの上昇速度を示す速度画素数をU、煙プルームの基準太さをdr、煙プルームの基準上昇速度をur、撮像手段の垂直片側視野角をθA、撮像手段の水平片側視野角をθB、撮像手段の垂直片側画素数をA、撮像手段の水平片側画素数をBとした場合、
火災判定手段は、第1火点距離L1と第2火点距離L2を、
L1=(B/D)(dr/tanθB
L2=(A/U)(ur/tanθA
により算出して推定する。
(第1及び第2火災判定後の処理)
また、火災判定手段は、火災を判定した後は、推定した火点距離L0に固定し、観測画像による煙プルームの太さを示す画素数Dと上昇速度を示す速度画素数Uから固定した火点距離L0で発生している煙プルームの太さdと上昇速度uを、
u=(U/A)(L0/tanθA
d=(D/B)(L0/tanθB
により算出して出力表示させる。
(第3火災判定)
モデル火災設定手段は、所定の火点距離で撮像されるモデル火災の煙プルームによる上昇速度を示す速度画素数と太さを示す画素数との比率を算出して基準比率として予め設定し、
火災判定手段は、測定手段で測定した煙プルームの太さを示す画素数と上昇速度を示す速度画素数との比率を測定比率として算出して、火災モデルの基準比率と比較し、測定比率と基準比率が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定する。
(第3火災判定の比率計算)
火災判定手段は、
測定した煙プルームの太さを示す画素数をD、上昇速度を示す速度画素数をUとした場合、両者の測定比率として(D/U)又は(U/D)を算出し、
モデル火災による所定の火点距離で撮像した煙プルームの太さを示す画素数をDr、上昇速度を示す速度画素数をUrとした場合の基準比率(Dr/Ur)又は(Ur/Dr)と比較し、
測定比率(D/U)と基準比率(Dr/Ur)が一致するか又は所定の誤差以内の場合又は測定比率(U/D)と基率比率(Ur/Dr)が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定する。
(煙プルームの存在確認)
測定手段は、撮像手段により撮影した画像から煙プルームの太さを示す画素数を測定し、撮像手段により所定の最大監視距離で撮像されるモデル火災による煙ブルームの太さを示す画素数以上の煙プルーム太さの画素数を測定した場合に、煙プルーム上昇速度の速度画素数を測定して判定手段に火災判定を行わせる。
(複数のモデル火災の設定と火災判定)
モデル火災設定手段は、火災規模の異なる複数のモデル火災で発生する煙プルームの基準上昇速度と基準太さを設定し、
火災判定手段は、測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数及び上昇速度の速度画素数、モデル火災設定手段により複数のモデル火災の何れかに設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度との関係に相当する場合に火災を判定する。
また、火災判定手段は、測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数及び煙上昇速度の速度画素数が、モデル火災設定手段により複数のモデル火災の何れか1つに設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度に相当した場合に予報警報を行い、予報警報を行ったときよりも火災規模の大きいモデル火災に設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度に相当した場合に本警報を行う。
(方法)
本発明は、火災検知方法に於いて、
監視領域を撮影する撮像手段により撮影した画像から煙プルームが存在する画像を判定して前記煙プルームの太さを示す画素数と上昇速度を示す単位時間当りの画素数の変化である速度画素数を検出する測定ステップと、
一定規模のモデル火災により発生する煙プルームの太さと上昇速度を太さ基準値及び基準上昇速度として設定するモデル火災設定ステップと、
測定ステップで検出した煙プルームの太さを示す画素数及び煙上昇速度を示す速度画素数と、モデル火災設定ステップで設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度との関係に基づいて火災を判定して警報を出力させる火災判定ステップと、
を設けたことを特徴とする。
本発明による火災検知方法の他の特徴は、火災検知システムの場合と基本的に同じになる。
(基本的な効果)
本発明の火災検知システムは、監視領域を撮影する撮像手段により撮影した画像から煙プルームが存在する画像を判定して煙プルームの太さを示す画素数と上昇速度を示す単位時間当りの画素数の変化である速度画素数を測定手段で測定し、また、モデル火災設定手段により、一定規模のモデル火災により発生する煙プルームの太さ及び上昇速度を基準太さ及び基準上昇速度として設定し、火災判定手段により、測定手段で測定した煙プルームの太さを示す画素数及び上昇速度を示す速度画素数と、モデル火災設定手段で設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度との関係に基づいて火災を判定して警報を出力させるようにしたため、モデル火災として設定した一定規模の火災による煙の観測画像から、距離に依存することなく火災を検知して警報を出力することを可能とし、遠くの火災であっても検知感度を落とすことなく確実に検知可能とし、また近くで発生したタバコの煙等の非火災現象を火災と誤判定してしまうことを防止可能とする。
(第1火災判定1:による効果)
また、第1火災判定として、火災判定手段は、基準太さの煙プルームが、測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数で撮像される第1火点距離を推定すると共に、測定手段で測定した上昇速度の速度画素数から第1火点距離における煙プルームの上昇速度を算出して推定し、また、基準上昇速度の煙プルームが、測定手段で測定した上昇速度を示す速度画素数で撮像される第2火点距離を推定すると共に、測定手段で測定した煙プルームの太さを示す画素数から第2火点距離における煙プルームの太さを推定し、推定した煙プルームの上昇速度が基準上昇速度に一致するか又は所定の誤差以内で、且つ、太さ推定した煙プルームの太さが基準太さに一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外に場合は非火災と判定するようにしたため、モデル火災として設定した一定規模の火災による煙であれば、火点まで距離によらず、モデル火災に相当する火災と判定して警報することを可能とする。
(第2火災判定による効果)
また、火災判定手段は、基準太さの煙プルームが、測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数で撮像される第1火点距離を推定すると共に、基準上昇速度の煙プルームが、測定手段で測定した上昇速度の速度画素数で撮像される第2火点距離を推定し、第1火点距離と第2火点距離が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定するようにしたため、同様に、モデル火災として設定した一定規模の火災による煙であれば、火点まで距離の距離によらず、モデル火災に相当する火災と判定して警報することを可能とする。また、煙プルーム太さ及び上昇速度の測定画素数と火災モデルによる煙プルーム基準太さ及び基準上昇速度の関係から第1及び第2火点距離を推定して比較判定することから、第1火災判定に比べ、処理を簡単して高速処理を可能とする。
(第1又は第2火災判定後の処理による効果)
また、火災判定手段は、火災を判定した後は、推定した火点距離に固定し、観測画像による煙プルームの太さを示す画素数と上昇速度を示す速度画素数から固定した火点距離で発生している煙プルームの太さと上昇速度を算出して出力表示させるようにしたため、火災を判定した後は、そのときに推定した火点距離に火災が発生しているとして火点距離を固定し、固定した火点距離で発生している煙プルームの太さと上昇速度を火災報知設備等に出力して表示させることで、火災の進展状況を把握可能とする。
(第3火災判定による効果)
また、モデル火災設定手段は、所定の火点距離で撮像されるモデル火災の煙プルームによる煙上昇速度を示す速度画素数と太さを示す画素数との比率を算出して基準比率として予め設定し、火災判定手段は、測定手段で測定した煙プルームの太さを示す画素数と上昇速度を示す速度画素数との比率を測定比率として算出して、火災モデルの基準比率と比較し、測定比率と基準比率が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定するようにしたため、同様に、モデル火災として設定した一定規模の火災による煙であれば、火点まで距離の距離によらず、モデル火災に相当する火災と判定して警報することを可能とする。
また、測定した煙プルーム太さの画素数と上昇速度の速度画素数の測定比率を算出して、火災モデルによる煙プルーム基準太さの画素数と基準上昇速度の速度画素数との基準比率と比較判定する簡単な処理で済むとから、第1火災判定及び第2火災判定に比べ、更に処理を簡単して高速処理を可能とする。
(煙プルームの存在確認による効果)
また、測定手段は、撮像手段により撮影した画像から煙プルームの太さを示す画素数を測定し、撮像手段により所定の最大監視距離で撮像されるモデル火災による煙ブルームの太さを示す画素数以上の煙プルーム太さの画素数を測定した場合に、煙プルーム上昇速度の速度画素数を測定して判定手段に火災判定を行わせるようにしたため、想定したモデル火災による煙プルーフの太さ未満の非火災現象による煙プループによる火災判定を抑止し、処理負担を低減可能とする。
(複数のモデル火災の設定と火災判定による効果)
また。モデル火災設定手段は、火災規模の異なる複数のモデル火災で発生する煙プルームの基準上昇速度と基準太さを設定し、火災判定手段は、測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数及び上昇速度の速度画素数と、モデル火災設定手段により複数のモデル火災毎に設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度との関係に基づいて火災を判定するようにしたため、想定される火災規模のモデル火災を複数設定して火災を判定可能とし、例えば、大小2段階の火災規模のモデル火災設定し、規模の小さいモデル火災に相当する火災の判定により予報警報(プリアラーム)を行い、規模の大きいモデル火災に相当する火災の判定で本警報を行うことを可能とし、火災の早期発見を可能とする。
本発明の火災検知システムを設置した監視領域を示した説明図 火災により発生する煙をモデル化して示した説明図 アルバートによる天井流の実験式を説明する説明図 煙の高さと上昇速度の関係を示したグラフ図 発熱量と上昇速度の関係を示したグラフ図 プルーム太さと煙上昇速度の関係を示したグラフ図 本発明による火災検知システムの実施形態を示したブロック図 煙プルーフの上昇速度と撮像した画素数の関係を監視カメラの垂直領域監視について示した説明図 煙プルーフの太さと撮像した画素数の関係を監視カメラの水平領域監視について示した説明図 異なる観測結果に対する第1火災判定プロセスによる推定計算値を一覧で示した説明図 第1火災判定プロセスを含む火災検知処理示したフローチャート 異なる観測結果に対する第2火災判定プロセスによる推定計算値を一覧で示した説明図 第2火災判定プロセスを含む火災件処理を示したフローチャート 異なる観測結果に対する第3火災判定プロセスによる推定計算値を一覧で示した説明図 第3火災判定プロセスを含む火災検知処理を示したフローチャート 複数のモデル火災を設定するプルーム太さと煙上昇速度の関係を示したグラフ図
[火災検知システムの概要]
図1は本発明による火災検知システムを設置した監視領域を示した説明図である。
図1に示すように、監視領域16には撮像手段として機能する監視カメラ10を設置し、監視領域16を撮像して観測画像を得ている。
監視領域16で火災が発生して火点18から煙が噴き上げた場合、監視カメラ10で撮像した監視領域16の観測画像は伝送路を介して管理人室などに設置した画像処理装置12に伝送され、画像処理により火点18から吹き上げる煙20の観測画像を処理して火災を判断し、火災検知信号を火災報知設備14へ送って火災警報を出力するようにしている。
[検出原理]
(煙プルーム)
図2は、図1示したように、火災により発生する煙をモデル化して示した説明図である。
図2(A)に示すように、火災の初期段階においては、煙の上昇に伴って筒状の煙範囲となる煙プルーム24が形成され、火源から適当な高さまでは煙プルーム24の太さ(径)はほぼ一定と考えられる。なお、以下の説明で煙プルームを単にプルームという場合がある。
また、火災により発生する煙の上昇速度は、火災の規模にほぼ比例する。初期火災にあっては火点の温度は比較的低いため煙の上昇速度も遅く、拡大した火災では火点温度は高く、煙の上昇速度は速くなる。
また図2(B)に示すように、煙の揺らぎによって団塊に分かれた煙プルーム24a〜24fが上昇すると考えることができ、団塊に分かれた例えば煙プルーム24aの単位時間毎の位置を求めることで、煙プルームの上昇速度が測定可能となる。
本発明は、初期火災で想定される煙上昇速度と太さをもつ煙プルームを発生するモデル火災を想定し、監視カメラ10で撮像した観測画像から、モデル火災の煙プルームに相当する煙プルームの存在を推定して火災を判定し、これにより監視カメラ10からの火点18の距離によらずに火災を判定することを可能とする。
本実施形態にあっては、火災と判定するモデル火災の煙プルームを特定するパラメータとして、上昇速度u=3.5(m/s)と太さd=0.3(m)を基準値として設定する。
(煙プルームの上昇速度)
本発明で想定するモデル火災における煙プルーム24の上昇速度は、アルパート(Alpart)による天井流の実験式から設定する。このアルパートの実験式は、1972年5月18日、米国、フィラディルフィアで開催されたNational Fire Protection Association の年次会合の76番目の論文「天井設置された火災感知器の時間応答の計算(Calculation of Response Time of Ceiling−Mounted Fire Detectors)」として発表されている。
図3は、アルパートによる天井流の実験式を説明するための火災モデルを示し、火点から上昇する煙の速度を求めるため、アルパートのモデルによるシミュレーションを行う。アルパートのモデルは、火源の発熱量をQ (kW)としたとき、高さH(m)の点における煙の上昇速度uH (m/s)とすると、次式の関係が得られる。
H=0.95・(Q/H)1/3
いま、モデル火災としてQ=50 (kW) を取り上げる。このモデル火災の火源から上昇する煙の速度は火点からの高さにより変化し、図4(A)のグラフ及び図4(B)の表に示すように、煙の速度は火点から高くなるほど上昇速度は小さくなっていく。火源の熱により形成された煙プルームが、周囲の空気を巻き込んで太くなると同時に温度を下げていき、結果、上昇速度も小さくなっていく。
次に、高さ1mにおける、火災の発熱量による上昇速度の変化を求める。火災の発熱量による上昇速度は、図5(A)のグラフ及び図5(B)の表に示すように、発熱量が大きくなるに従い、上昇速度が増していく。
本発明においては、煙プルームが一定の円筒状となる部分に着目し、その煙の上昇速度と太さを求めることにより、火源の大きさ(火災規模)を推定する。いま、煙プルームの下端から高さ1mまでに着目すると、モデル火災であるQ=50kWの煙プルームの上昇速度は3.5 (m/s)となる。
なお、煙プルームの着目点は下端から1mに限定されず、煙プルームの代表となる適当な高さでよいが、天井付近では上昇気流が妨げられ、水平方向への気流となることから、プルーム下端から適当な高さ、例えば天井高の1/2までに着目することが望ましい。
(煙プルームの太さ)
火災は自然拡大していくに従い、次第に煙プルームの太さは大きくなり、火点の温度は高くなっていく。例えば、木材が何らかの熱源により燻焼状態となったときを考える。燻焼領域が拡大するに従い、発生する煙プルームは太くなっていき、並行して火点温度は高くなり、それに連れて煙の上昇速度は大きくなっていく。その一例を図6に示す。
図6に示すように、煙上昇速度が3.5(m/s)のときの煙プルームの太さは0.3(m)である。
したがって、本実施例では、モデル火災として、プルーム太さ0.3(m)、煙上昇速度3.5( m/s)を想定し、観測画像から推定したプルーム太さと煙上昇速度からモデル火災に相当すると判定された場合、火災を検知して警報する。
[火災検知システム]
(火災検知システムの機能構成)
図7は本発明による火災検知システムの機能構成の概略を示したブロック図である。図7に示すように、火災検知システムは、監視カメラ10と画像処理装置12で構成され、画像処理装置12は、そのハードウェアとしてCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等で構成される。
画像処理装置12は、CPUによるプログラムの実行により実現される機能として、測定手段として機能する測定部28、モデル火災設定手段として機能するモデル火災設定部30、火災判定手段として機能する火災判定部32を設けている。また、伝送部26は監視カメラ10で撮像した画像データを受信する適宜の伝送インタフェースが使用される。
撮像手段として機能する監視カメラ10は、伝送部26の伝送制御により動画像データとして、例えば毎秒30フレームとなる監視領域の画像データを伝送し、画像処理装置12に設けた図示しないメモリに記憶する。本実施形態にあっては、例えば垂直画素数が1000ピクセルで水平画素数が1400ピクセルの解像度をもつ監視カメラ10を使用する。
測定部28は、監視カメラ10により撮影した観測画像から煙プルームが存在する観測画像を判定して煙プルームの太さd(m)を示す画素数D(pxl)と上昇速度u(m/s)を示す単位時間当りの画素数の変化である速度画素数U(pxl/s)を測定する。
測定部28による煙プルーム太さを示す画素数D(pxl)の測定は、監視カメラ10で撮像した観測画像に対しゾーベルフィルタの適用等により輪郭線抽出処理を施して煙プルーム輪郭線を抽出して2値化し、その横幅を示す画素数を検出する。
また測定部28による煙プルームの上昇速度を示す速度画素数U(pxl/s)の測定は、監視カメラで撮像した観測画像から図2(B)に示したように団塊に分かれた特定の煙プループの輪郭線抽出で生成した輪郭2値化画像を対象に、特定位置あるいは重心位置の単位時間毎の位置変化から移動した画素数を検出する処理等を行う。
また、煙プルームが存在する観測画像の中の背景画像を除去するため、測定部28は、火災のない状態で撮像した背景画像に所定の輪郭線抽出処理を施して背景輪郭線画像を生成して予め記憶しておき、煙プルームが存在する輪郭線画像との差分をとることで、背景輪郭線を除去して煙プルームの輪郭線画像を生成して、煙プルームの太さと上昇速度を測定する。なお、背景輪郭線画像は適宜更新して背景の変化に追従させる。
モデル火災設定部30は、一定規模のモデル火災により発生する煙プルームの所定の太さと上昇速度を、基準太さdr(m)及び基準上昇速度ur(m/s)として設定する。
本実施形態では、モデル火災として例えば火源の発熱量が50(kW)となる規模のモデル火災を想定し、このモデル火災により発生する煙プルームにつき、
基準太さdr=0.3(m)
基準上昇速度ur=3.5(m/s)
を設定する。
火災判定部32は、測定部28で測定した煙プルームの太さd(m)を示す画素数D(pxl)及び煙上昇速度u(m/s)を示す速度画素数U(pxl/s)と、モデル火災設定部30で設定した煙プルームの基準太さdr(m)及び基準上昇速度ur(m/s)との関係に基づいて火災を判定して警報を出力させる。
火災判定部32による火災判定プロセスは、後述するように、第1乃至第3となる3つのプロセスがある。
(観測画像からの煙上昇速度の検出)
図8は、煙プルームの上昇速度と撮像した速度画素数の関係を監視カメラの垂直監視領域について示した説明図である。
図8に示すように、監視カメラ10の垂直片側視野角θAを例えばθA=45°、監視カメラ10の垂直方向の画素数を1000ピクセルとして、半角垂直範囲の画素数A=500ピクセルで監視するものとする。なお、画素数の単位はピクセルとする以外に、(pxl)とする場合がある。
監視カメラ10により監視距離L=30(m)で半角垂直範囲30(m)を500ピクセルで監視する場合、1ピクセルあたりの監視高さは
30(m)/500(pxl)=6(cm/pxl)
となる。また、同様に、監視カメラ10からカメラから3m離れた地点での1ピクセルあたりの監視高さは
3(m)/500(pxl)=0.6(cm/pxl)
となる。
いま、監視カメラ10からの監視距離30(m)にモデル火災による太さd=0.3(m)で上昇速度3.5(m/s)の煙プルーム24が存在したとすると、監視カメラ10により撮像した観測画像から検出した煙プルーム24の上昇速度3.5(m/s)は、
3.5(m/s)/6(cm/pxl)=58(pxl/s)
で観測されることとなる。
また、同じ火災が距離3(m)の地点で発生した場合の煙プルーム24の上昇速度3.5(m/s)は、
3.5(m/s)/6(cm/pxl)=583(pxl/s)
で観測されることとなる。
この関係から任意の火点距離L(m)にある上昇速度u(m/s)の煙プルーム24を、監視カメラ10で撮像した場合の観測画像における煙プルームの上昇速度を示す速度画素数U(pxl/s)との間には次の関係式が成立する。
U/A=u/(L・tanθA) (式1)
この関係式から、煙プルーム24における上昇速度u(m/s)に対応した速度画素数U(pxl/s)が監視カメラ10の観測画像から検出できれば、垂直半角画素数A=500(pxl)、垂直片側視野角θA=45°が定数で与えられることから、火点距離Lを
L=(A/U)(u/tanθA) (式2)
として推定することができる。
しかしながら、煙の上昇速度は火災の規模と共に変化し、火災拡大に従って速度は大きくなる。このためモデル火災を判定するため、上昇速度u=3.5(m/s)に対応して火点距離L=30(m)で設定した速度画素数U=58(pxl/s)を閾値とした場合には、より近い距離におけるより遅い上昇速度の火災と見間違う可能性がある。
例えばタバコ等の煙にあっては、u=0.2(m/s)の煙上昇速度を示すときがあり、この煙が監視カメラ10から1.7(m)の地点にあった場合、監視カメラ10で観測される上昇速度u=0.2(m/s)に対応した速度画素数Uは閾値と同じ58(pxl/s)となり、検知すべきモデル火災の規模に達してしまうことになる。これを防止するため、煙プルーム24の太さを判断要素に加える。
(観測画像からの煙プルーム太さの検出)
図9は、煙プルームの太さと撮像した画素数の関係を監視カメラの水平監視領域視について示した説明図である。
火災の初期段階においては、煙の上昇に伴って形成される筒状の煙範囲となる煙プルーム24は、ほぼ一定の太さと考えられる。これを利用し、監視カメラ10で撮像した観測画像におけるプルーム太さd(m)の画素数D(pxl)を測定することにより、火点までの距離を推定する。
いま、検知すべき煙プルーム24の太さdを30(cm)として、監視距離30(m)に存在した場合を考える。ここで、監視カメラ10の水平方向の画素数を1400(pxl)とすると、半角水平範囲の画素数Bは700(pxl)となり、距離30(m)での視野は
30・(700/500)=42(m)
となり、このため水平半角視野角θBは、
θB=tan-1(42/30)=54.5(°)
となる。
したがって、30(m)の監視距離Lから見た煙プルーム24の太さd=0.3(m)に対応した画素数D(pxl)は、
D=700(pxl)・(0.3m/42m)=5(pxl)
となる。
また、同じ煙プルーム24が3(m)の監視距離Lにある場合、煙プルーム24の太さd=0.3(m)に対応した画素数D(pxl)は、
D=700(pxl)・(0.3m/4.2m)=50(pxl)
となる。
この関係から任意の火点距離L(m)にある太さd(m)の煙プルーム24を、監視カメラ10で撮像した場合の観測画像における煙プルームの太さを示す画素数D(pxl)との間には次の関係式が成立する。
D/B=d/(L・tanθB) (式3)
この関係式から、煙プルーム24における太さd(m)に対応した画素数D(pxl)が監視カメラ10の観測画像から検出できれば、水平半角画素数B=500(pxl)、片側視野角θB=54.5°が定数で与えられることから、火点距離Lを
L=(B/D)(d/tanθB) (式4)
として推定することができる。
しかしながら、煙プルームの太さは監視距離によって変化し、このためモデル火災を判定するため、煙プルームの太さd=0.3(m)に対応して火点距離L=30(m)で設定した画素数D=5(pxl)を閾値とした場合には、より近い距離におけるタバコの喫煙による煙と見間違う可能性がある。
そこで本発明にあっては、初期火災で想定される基準上昇速度ur=3.5(m/s)と基準太さdr=0.3(m)をもつ煙プルームを発生するモデル火災を想定し、監視カメラ10で撮像した観測画像から測定した煙プルームの速度画素数U(pxl/s)と太さ画素数D(pxl)から各々の上昇速度u(m/s)と太さd(m)を算出し、これに基づきモデル火災の煙プルームに相当する煙プルームの存在を推定して火災と判定する。
[第1火災判定プロセス]
図7に示した画像処理装置12の火災判定部32は、次の手順に従った第1火災判定プロセスにより火災を判定する。
(手順1)
火災判定部32は、モデル火災設定部30でモデル火災として設定した基準太さdr(m)の煙プルームが、測定部28で測定した煙プルーム太さd(m)の画素数D(pxl)で撮像される第1火点距離L1を推定すると共に、測定部28で測定した上昇速度u(m/s)から速度画素数U(pxl/s)の第1火点距離L1における上昇速度u(m)を算出して推定する。
(手順2)
火災判定部32は、モデル火災設定部30でモデル火災として設定した基準上昇速度ur=3.5(m/s)の煙プルームが、測定部28で測定した上昇速度u(m/s)を示す速度画素数U(pxl/s)で撮像される第2火点距離L2を推定すると共に、測定部28で測定した煙プルームの太さを示す画素数D(pxl)から第2火点距離L2における煙プルームの太さd(m)を推定する。
(手順3)
火災判定部32は、手順1で推定した上昇速度u(m/s)が基準上昇速度ur=3.5(m/s)に一致するか又は所定の誤差以内で、且つ、手順2で推定した煙プルーム太さd(m)が基準太さdr=0.3(m)に一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災と判定し、それ以外に場合は非火災と判定する。
ここで、手順2の推定計算は、測定した煙プルームの太さを示す画素数をD、測定した煙プルームの上昇速度を示す速度画素数をU、煙プルームの基準太さをdr、煙プルームの基準上昇速度をur、監視カメラ10の垂直片側視野角をθA、水平片側視野角をθB、監視カメラ10の垂直片側画素数をA、監視カメラ10の水平片側画素数をBとした場合、第1火点距離L1を、
L1=(B/D)(dr/tanθB) (式5)
により算出して推定し、算出した第1火点距離L1における煙プルームの上昇速度uを、
u=(U/A)(L1・tanθA) (式6)
により算出して推定する。
また第2火点距離L2を、
L2=(A/U)(ur/tanθA) (式7)
により算出して推定し、算出した第2火点距離L2における煙プルームの太さdを
d=(D/B)(L2・tanθB) (式8)
により算出して推定する。
[第1火災判定プロセスの具体例]
第1火災判定プロセスによる火災判定の具体例を第1乃至第3ケースについて説明する。
(第1ケース)
煙プルームの太さを示す画素数D=14(pxl)、上昇速度を示す速度画素数U=115(pxl/s) と観測された場合、第1手順により、第1火点距離L1と、第1火点距離L1における煙プルームの上昇速度uを、前記(式5)(式6)から
L1=(700/14)(0.3/1.40)=10.7(m)
u=(115/500)(15・1)=3.45(m/s)
として算出して推定する。
続いて第2手順により、第2火点距離L2と、第2火点距離L2における煙プルームの太さdを、(式7)(式8)から
L2=(500/115)(3.5/1)=15.2(m)
d=(14/700(15.2・1.40)=0.42(m)
として算出して推定する。
続いて手順3により、手順1で推定した上昇速度u=3.45(m/s)は基準上昇速度ur=3.5(m/s)にほぼ一致し(所定の誤差範囲内)、且つ、手順2で推定した太さd=0.42(m)は基準太さdr=0.3(m)にほぼ一致することから、モデル火災に相当する煙プルームの存在を推定して火災を判定する。
(第2ケース)
煙プルームの太さを示す画素数D=7(pxl)、煙上昇速度を示す速度画素数U=17(pxl/s) と観測された場合であり、次の算出結果が得られる。
L1=(700/7)(0.3/1.40)=21.4(m)
u =(17/500)(30・1)=1.02(m/s)
L2=(500/17)(3.5/1)=100(m)
d =(14/700(100・1.40)=1.4(m)
このケースの火炎はモデル火炎と比較して煙上昇速度uのわりにプルーム太さdが異常に大きく、火災によるプルームではないと判定できる。これは例えば劇場用スモーク等が想定される。
(第3ケース)
煙プルームの太さを示す画素数D=25(pxl)、煙上昇速度を示す速度画素数U=58(pxl/s) と観測された場合であり、次の算出結果が得られる。
L1=(700/25)(0.3/1.40)=5.7(m)
u =(17/500)(8・1) =0.93(m/s)
L2=(500/58)(3.5/1)=15.2(m)
d =(14/700(15.2・1.40)=0.76(m)
このケースの火炎はモデル火炎と比較してプルーム太さdのわりに煙上昇速度uが小さく、火災によるプルームではないと判定できる。これは監視カメラ10の近くで観測した例えばタバコの煙であると推察することができる。
以上の第1乃至第3ケースの結果をまとめて一覧表示すると図10の(A)乃至(C)に示すようになる。
[第1火災判定プロセスを含む火災検知処理]
図11は、第1火災判定プロセスを含む火災検知処理を示したフローチャートである。図11に示すように、まずステップS1(以下「ステップ」は省略)でモデル火災に対応した煙プルームの基準太さdr、煙プルームの基準上昇速度ur、監視カメラ10の垂直片側視野角θA、監視カメラ10の水平片側視野角θB、垂直片側画素数A及び水平片側画素数Bを定数として設定する。
続いてS2に進み、監視カメラ10で撮像した観測画像から煙プルームの太さ画素数Dを測定し、S2で例えば監視カメラ10の最大監視距離30(m)にモデル火災が存在した場合の煙プルームの閾値画素数Dth=7(pxl)以上か否か判別し、閾値画素数Dth=7(pxl)以上であればS4に進み、監視カメラ11の観測画像に基づき煙プルームの上昇速度画素数Dを測定する。
続いてS5に進み、前述した手順1に従って第1火点距離L1での煙プループの上昇速度uを算出する。続いてS6に進み、前述した手順2に従って第2火点距離L2での煙プルームの太さdを算出する。
続いてS7に進み、算出した煙上昇速度uと基準上昇速度urを比較すると共に算出した太さdと基準太さdrを比較し、S8で両者が一致するか又は誤差が所定範囲内の場合、モデル火災に相当する火災と判断し、S9で外部に火災検知信号を送信して火災報知設備14から火災警報を出力させる。
[第2火災判定プロセス]
図7に示した画像処理装置12の火災判定部32は、次の手順に従った第2火災判定プロセスにより火災を判定する。
(手順1)
火災判定部32は、モデル火災設定部30でモデル火災として設定した基準太さdr(m)の煙プルームが、測定部28で測定した煙プルーム太さd(m)の画素数D(pxl)で撮像される第1火点距離L1を推定する。
(手順2)
火災判定部32は、モデル火災設定部30でモデル火災として設定した基準上昇速度ur=3.5(m/s)の煙プルームが、測定部28で測定した上昇速度u(m/s)を示す速度画素数U(pxl/s)で撮像される第2火点距離L2を推定する。
(手順3)
火災判定部32は、手順2で推定した第1火点距離L1と第2火点距離L2が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外に場合は非火災と判定する。
ここで、手順1及び手順2の推定計算は、測定した煙プルームの太さを示す画素数をD、測定した煙プルームの上昇速度を示す速度画素数をU、煙プルームの基準太さをdr、煙プルームの基準上昇速度をur、監視カメラ10の垂直片側視野角をθA、監視カメラ10の水平片側視野角をθB、監視カメラ10の水平片側画素数をA、監視カメラ10の水平片側画素数をBとした場合、第1火点距離L1を、
L1=(B/D)(dr/tanθB) (式9)
により算出して推定し、また第2火点距離L2を、
L2=(A/U)(ur/tanθA) (式10)
により算出して推定する。
[第2火災判定プロセスの具体例]
第2火災判定プロセスによる火災判定の具体例を第1乃至第3ケースについて説明する。
(第1ケース)
煙プルームの太さを示す画素数D=14(pxl)、煙上昇速度を示す速度画素数U=115(pxl/sec) と観測された場合、第1手順及び第2手順により、第1火点距離L1と第2火点距離L2を、(式9)(式10)から
L1=(700/14)(0.3/1.40)=10.7(m)
L2=(500/115)(3.5/1)=15.2(m)
として算出する。
続いて手順3により、第1火点距離L1と第2火点距離L2はほぼ一致することから(所定の誤差範囲内)、モデル火災の煙プルームに相当する煙プルームの存在を推定して火災を判定する。
(第2ケース)
煙プルームの太さを示す画素数D=7(pxl)、煙上昇速度を示す速度画素数U=17(pxl/sec) と観測された場合であり、次の算出結果が得られる。
L1=(700/7)(0.3/1.40)=21.4(m)
L2=(500/17)(3.5/1)=102.9(m)
このケースの火炎は第1火点距離L1と第2火点距離L2が大きく相違していることから、火災によるプルームではないと判定できる。
(第3ケース)
煙プルームの太さを示す画素数D=25(pxl)、煙上昇速度を示す速度画素数U=58(pxl/sec) と観測された場合であり、次の算出結果が得られる。
L1=(700/25)(0.3/1.40)=5.7(m)
L2=(500/58)(3.5/1)=30.2(m)
このケースの火炎も第1火点距離L1と第2火点距離L2が大きく相違していることから、火災によるプルームではないと判定できる。
以上の第1乃至第3ケースの結果をまとめて一覧表示すると図12の(A)乃至(C)に示すようになる。
[第2火災判定プロセスを含む火災検知処理]
図13は、第2火災判定プロセスを含む火災検知処理を示したフローチャートである
図13に示すように、まずS11でモデル火災に対応した煙プルームの基準太さdr、基準上昇速度ur、監視カメラ10の垂直片側視野角θA、監視カメラ10の水平片側視野角θB、垂直片側画素数A及び水平片側画素数Bを定数として設定する。
続いてS12に進み、監視カメラ10で撮像した観測画像から煙プルームの太さ画素数Dを測定し、S13で例えば監視カメラ10の最大監視距離30mにモデル火災が存在した場合の煙プルームの閾値画素数Dth=7(pxl)以上か否か判別し、閾値画素数Dth=7(pxl)以上であればS14に進み、監視カメラ10の観測画像に基づき煙プルームの上昇速度を示す速度画素数Uを測定する。
続いてS15に進み、前述した手順1に従って第1火点距離L1を算出する。続いてS16に進み、前述した手順2に従って第2火点距離L2を算出する。
続いてS17に進み、算出した第1火点距離L1と第2火点距離L2を比較し、S18で両者が一致するか又は誤差が所定範囲内の場合にモデル火災に相当する火災と判断し、S19で外部に火災検知信号を送信して火災報知設備14から火災警報を出力させる。
[第3火災判定プロセス]
図7に示した画像処理装置12の火災判定部32は、次の手順に従った第3火災判定プロセスにより火災を判定する。
この第3火災判定プロセスに先立ち、図7のモデル火災設定部30は、所定の火点距離、例えば図8及び図9に示した火点距離L=30mで撮像されるモデル火災の煙プルームによる基準煙上昇速度ur=3.5(m/s)を示す速度画素数Ur=58.3(pxl)と、煙プルームの基準太さdr=0.3(m)を示す画素数Dr=5(pxl)から基準比率(Dr/Ur)=0.086を算出して予め設定する。
(手順1)
火災判定部32は、測定部28で測定した煙プルームの太さを示す画素数D(pxl)と上昇速度を示す速度画素数U(pxl/s)との比率を測定比率(D/U)として算出する。
(手順2)
火災判定部32は、手順1で算出した測定比率(D/U)と基準比率(Dr/Ur)とを比較し、測定比率(D/U)と基準比率(Dr/Ur)が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定する。
この第3火災判定プロセスは、逆の比率を計算して比較しても良い、この場合は手順1で測定比率(U/D)を算出し、手順2で基準比率(Ur/Dr)と比較し、両者が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定する。
[第3火災判定プロセスの具体例]
第3火災判定プロセスによる火災判定の具体例を第1乃至第3ケースについて説明する。
(第1ケース)
煙プルームの太さを示す画素数D=9(pxl)、煙上昇速度を示す速度画素数U=115(pxl/sec) と観測された場合、第1手順により測定比率(D/U)として
(D/U)=9/115=0.078
を算出し、基準比率(Dr/Ur)=0.086と比較する。この場合、両者はほぼ一致することから(所定の誤差範囲内)、モデル火災の煙プルームに相当する煙プルームの存在を推定して火災と判定する。
(第2ケース)
煙プルームの太さを示す画素数D=7(pxl)、煙上昇速度を示す速度画素数U=17(pxl)と観測された場合であり、次の測定比率を算出して基準比率(Dr/Ur)=0.086と比較する。
(D/U)=7/17=0.412
このケースの火炎は両者の比率が大きく相違していることから、火災によるプルームではないと判定できる。
(第3ケース)
煙プルームの太さを示す画素数D=25(pxl)、煙上昇速度を示す速度画素数U=58(pxl/sec) と観測された場合であり、次の測定比率を算出して基準比率(Dr/Ur)=0.086と比較する。
(D/U)=25/58=0.431
このケースの火炎も両者の比率が大きく相違していることから、火災によるプルームではないと判定できる。
以上の第1乃至第3ケースの結果をまとめて一覧表示すると図14に示すようになる。なお、図14は逆の測定比率(U/D)の場合も合わせて示している。
[第3火災判定プロセスを含む火災検知処理]
図15は、第3火災判定プロセスを含む火災検知処理を示したフローチャートである
図15に示すように、まずS21でモデル火災に対応した煙プルームの基準太さ画素数Dr、基準上昇速度の速度画素数Ur、基準比率(Dr/Ur)を定数として設定する。なお、基準比率(Dr/Ur)は、モデル火災設定部30が、所定の火点距離で撮像されるモデル火災の煙プルームによる基準煙上昇速度を示す速度画素数Urと、煙プルームの基準太さを示す画素数Drとの比率として予め算出した値を定数として設定する。
続いてS22に進み、監視カメラ10で撮像した観測画像から煙プルームの太さを示す画素数Dを測定し、S23で例えば監視カメラ10の最大監視距離30mにモデル火災が存在した場合の煙プルームの閾値画素数Dth=5(pxl)以上か否か判別し、閾値画素数Dth=5(pxl)以上であればS24に進み、監視カメラ10の観測画像から煙プルームの上昇速度を示す速度画素数Uを測定する。
続いてS25に進み、測定比率(D/U)を算出し、S26で予め設定した基準比率(Dr/Ur)と比較し、S27で両者が一致するか又は誤差が所定範囲内の場合、モデル火災に相当する火災と判断し、S28で外部に火災検知信号を送信して火災報知設備14から火災警報を出力させる。
[複数のモデル火災の設定による火災判定]
本実施例では、一定規模のモデル火災を想定し、このモデル火災で発生するプルームの太さを0.3(m)、煙上昇速度を3.5(m/s)に設定し、観測画像から推定したプルーム太さと煙上昇速度からモデル火災に相当すると判定された場合、火災を検知している。
これに対し本発明の他の実施形態として、火災規模の異なるモデル火災を複数想定し、各モデル火災で発生するプルームの太さと煙上昇速度を設定して、観測画像から推定したプルーム太さと煙上昇速度から何れかのモデル火災に相当すると判定された場合に、火災と判断するようにしても良い。
この複数のモデル火災を設定は、図16のプルームの太さと上昇速度の関係を示すグラフにおいて、例えば第1モデル火災として煙プルームの太さを0.3(m)、煙上昇速度を3.5(m/s)となるP1点の火災を設定し、これと比例関係にある火災規模が半分となる第2のモデル火災として、プルーム太さ0.15(m)、煙上昇速度を1.75(m/s)となるP2点の火災を設定する。
このような2つのモデル火災を設定した火災判定プロセスにより、規模の小さい第2モデル火災に相当する火災の判定により予報警報(プリアラーム)を行い、規模の大きい第1モデル火災に相当する火災の判定で本警報を行うことを可能とし、火災の早期発見を可能とする。
複数のモデル火災の設定は、更に、煙プルームの太さを0.075(m)、煙上昇速度を0.075(m/s)のP3点の火災を設定した更に小さな規模のモデル火災、煙プルームの太さを0.6(m)、煙上昇速度を7.0(m/s)のP4点の火災を設定した更に大きな規模のモデル火災を加えてもよい。
この場合、各モデル火災による火災判定では、モデル火災と測定火災に一致した場合に加え、両者の誤差が所定範囲内の場合にも火災と判定しており、この火災と判定する誤差範囲を図16の領域100の範囲内に設定することで、火災を確実に検知すると共に、領域100を外れたプルーフ状のものは非火災と判定することかできる。
この領域100は、例えば煙プルームの太さd=0.05(m)〜0.6(m)で、上昇速度u=0.5(m/s)〜10.5(m/s)となる範囲内に設定する。
また、複数のモデル火災を設定した場合の火災検知処理における図11、図13及び図15のS3,S13,S23のそれぞれにおける閾値画素数Dthは、規模の最も小さいモデル火災の所定監視距離、例えば30(m)で観測される煙プループの太さを示す画素数を使用する。
[火災を判定した後の処理]
図7の実施形態に示した火災判定部32にあっては、推定した上昇速度が基準上昇速度に一致するか又は所定の誤差以内で、且つ、推定した煙プルーム太さが基準太さに一致するか又は所定の誤差以内の場合にモデル火災に相当するとして火災を判定しているが、火災を判定した後は、そのときに推定した火点距離L0に火災が発生しているとして、火点距離L0は再計算せずに固定し、観測画像による煙プルームの太さを示す画素数Dと上昇速度を示す速度画素数Uから固定した火点距離L0で発生している煙プルームの太さdと上昇速度uを、前記式3及び式4を変形した
u=(U/A)(L0/tanθA
d=(D/B)(L0/tanθB
により算出して火災報知設備14に出力して表示させ、火災の進展状況を把握可能とする。
〔本発明の変形例〕
(監視カメラ)
上記の実施形態にあっては、説明を簡単にするため監視カメラの垂直片側視野角θAを45°とした場合を例にとっているが、適宜の片側視野角に適用できる。また、監視カメラの垂直及び水平の画素数も(1000×1400)ピクセルに限定されず、適宜の解像度のものが使用できる。また、監視カメラの最大監視距離も監視領域の状況に応じて適宜に設定することになる。
(画像処理装置)
上記の実施形態にあっては、監視カメラと画像処理装置を分離配置して伝送路により接続しているが、両者を一体化した装置としても良い。
(その他)
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:監視カメラ
12:画像処理装置
14:火災報知設備
15:撮像領域
16:監視領域
18:火点
20:煙
24:煙プルーム
26:伝送部
28:測定部
30:モデル火災設定部
32:火災判定部

Claims (15)

  1. 監視領域を撮影する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮影した画像から煙プルームが存在する画像を判定して前記煙プルームの太さを示す画素数と上昇速度を示す単位時間当りの画素数の変化となる速度画素数を検出する測定手段と、
    一定規模のモデル火災により発生する煙プルームの太さ及び上昇速度を基準太さ及び基準上昇速度として設定するモデル火災設定手段と、
    前記測定手段で検出した煙プルームの太さを示す画素数及び上昇速度を示す速度画素数と、前記モデル火災設定手段で設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度との関係に基づいて火災を判定して警報を出力させる火災判定手段と、
    を設けたことを特徴とする火災検知装置。
  2. 請求項1記載の火災検知装置に於いて、
    前記火災判定手段は、
    前記基準太さの煙プルームが、前記測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数で撮像される第1火点距離を推定すると共に、前記測定手段で測定した上昇速度の速度画素数から前記第1火点距離における上昇速度を算出して推定し、
    前記基準上昇速度の煙プルームが、前記測定手段で測定した上昇速度を示す速度画素数で撮像される第2火点距離を推定すると共に、前記測定手段で測定した煙プルームの太さを示す画素数から前記第2火点距離における煙プルームの太さを推定し、
    前記推定した上昇速度が前記基準上昇速度に一致するか又は所定の誤差以内で、且つ、前記推定した煙プルーム太さが前記基準太さに一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外に場合は非火災と判定することを特徴とする火災検知装置。
  3. 請求項2記載の火災検知装置に於いて、
    測定した煙プルームの太さを示す画素数をD、測定した煙プルームの上昇速度を示す速度画素数をU、煙プルームの前記基準太さをdr、煙プルームの前記基準上昇速度をur、前記撮像手段の垂直片側視野角をθA、前記撮像手段の水平片側視野角をθB、前記撮像手段の垂直片側画素数をA、前記撮像手段の水平片側画素数をBとした場合、
    前記火災判定手段は、前記第1火点距離L1を、
    L1=(B/D)(dr/tanθB
    により算出して推定し、
    算出した前記第1火点距離L1における煙プルームの上昇速度uを、
    u=(U/A)L1・tanθA
    により算出して推定し、
    前記第2火点距離L2を、
    L2=(A/U)(ur/tanθA
    により算出して推定し、
    算出した前記第2火点距離L2における煙プルームの太さdを
    d=(D/B)L2・tanθB
    により算出して推定することを特徴とする火災検知装置。
  4. 請求項1記載の火災検知装置に於いて、
    前記火災判定手段は、
    前記基準太さの煙プルームが、前記測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数で撮像される第1火点距離を推定すると共に、前記基準上昇速度の煙プルームが、前記測定手段で測定した上昇速度の速度画素数で撮像される第2火点距離を推定し、
    前記第1火点距離と前記第2火点距離が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定することを特徴とする火災検知装置。
  5. 請求項4記載の火災検知装置に於いて、
    測定した煙プルームの太さを示す画素数をD、測定した煙プルームの上昇速度を示す速度画素数をU、煙プルームの前記基準太さをdr、煙プルームの前記基準上昇速度をur、前記撮像手段の垂直片側視野角をθA、前記撮像手段の水平片側視野角をθB、前記撮像手段の垂直片側画素数をA、前記撮像手段の水平片側画素数をBとした場合、
    前記火災判定手段は、前記第1火点距離L1と前記第2火点距離L2を、
    L1=(B/D)(dr/tanθB
    L2=(A/U)(ur/tanθA
    により算出して推定することを特徴とする火災検知装置。
  6. 請求項3又は5記載の火災検知装置に於いて、前記火災判定手段は、火災を判定した後は、推定した火点距離L0に固定し、前記観測画像による煙プルームの太さを示す画素数Dと上昇速度を示す速度画素数Uから前記固定した火点距離L0で発生している煙プルームの太さdと上昇速度uを、
    u=(U/A)(L0/tanθA
    d=(D/B)(L0/tanθB
    により算出して出力表示させることを特徴とする火災検知装置。
  7. 請求項1記載の火災検知装置に於いて、
    前記モデル火災設定手段は、所定の火点距離で撮像されるモデル火災の煙プルームによる上昇速度を示す速度画素数と前記煙プルーム太さを示す画素数との比率を算出して基準比率として予め設定し、
    前記火災判定手段は、前記測定手段で測定した煙プルームの太さを示す画素数と上昇速度を示す速度画素数との比率を測定比率として算出して、前記火災モデルの基準比率と比較し、前記測定比率と前記基準比率が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定することを特徴とする火災検知装置。
  8. 請求項7記載の火災検知装置に於いて、
    前記火災判定手段は、
    測定した煙プルームの太さを示す画素数をD、上昇速度を示す速度画素数をUとした場合、両者の測定比率として(D/U)又は(U/D)を算出し、
    前記モデル火災による煙プルームの基準太さ画素数をDr、基準上昇速度の速度画素数をUrとした場合の前記基準比率(Dr/Ur)又は(Ur/Dr)と比較し、
    前記測定比率(D/U)と前記基準比率(Dr/Ur)が一致するか又は所定の誤差以内の場合又は前記測定比率(U/D)と前記基率(Ur/Dr)が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定することを特徴とする火災検知装置。
  9. 請求項1記載の火災検知装置に於いて、前記測定手段は、前記撮像手段により撮影した画像から煙プルーム太さの画素数を測定し、前記撮像手段による最大監視距離で撮像される前記モデル火災による煙ブルーム太さの画素数以上の煙プルーム太さの画素数を測定した場合に、前記煙プルーム上昇速度の速度画素数を測定して前記判定手段に火災判定を行わせることを特徴とする火災検知装置。
  10. 請求項1記載の火災検知装置に於いて、
    前記モデル火災設定手段は、火災規模の異なる複数のモデル火災で発生する煙プルームの基準上昇速度と基準太さを設定し、
    前記火災判定手段は、前記測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数及び煙上昇速度の速度画素数、前記モデル火災設定手段により前記複数のモデル火災の何れかに設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度に相当する場合に火災を判定することを特徴とする火災検知装置。
  11. 請求項10記載の火災検知装置に於いて、
    前記火災判定手段は、前記測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数及び煙上昇速度の速度画素数が、前記モデル火災設定手段により前記複数のモデル火災の何れか1つに設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度に相当した場合に予報警報を行い、前記予報警報を行ったときよりも火災規模の大きいモデル火災に設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度に相当した場合に本警報を行うことを特徴とする火災検知装置。
  12. 監視領域を撮影する撮像手段により撮影した画像から煙プルームが存在する画像を判定して前記煙プルームの太さを示す画素数と上昇速度を示す単位時間当りの画素数の変化である速度画素数を検出する測定ステップと、
    一定規模のモデル火災により発生する煙プルームの太さと上昇速度を基準太さ及び基準上昇速度として設定するモデル火災設定ステップと、
    前記測定ステップで検出した煙プルームの太さを示す画素数及び煙上昇速度を示す画素数と、前記モデル火災設定ステップで設定した煙プルームの基準太さ及び基準上昇速度との関係に基づいて火災を判定して警報を出力させる火災判定ステップと、
    を設けたことを特徴とする火災検知方法。
  13. 請求項12記載の火災検知方法に於いて、
    前記火災判定ステップは、
    前記基準太さの煙プルームが、前記測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数で撮像される第1火点距離を推定すると共に、前記測定手段で測定した上昇速度の速度画素数から前記第1火点距離における上昇速度を算出して推定し、
    前記基準上昇速度の煙プルームが、前記測定手段で測定した上昇速度を示す画素数で撮像される第2火点距離を推定すると共に、前記測定手段で測定した煙プルームの太さを示す画素数から前記第2火点距離における煙プルームの太さを推定し、
    前記推定した上昇速度が前記基準上昇速度に一致するか又は所定の誤差以内で、且つ、前記推定した煙プルーム太さが前記基準太さに一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外に場合は非火災と判定することを特徴とする火災検知方法。
  14. 請求項12記載の火災検知方法に於いて、
    前記火災判定ステップは、
    前記基準太さの煙プルームが、前記測定手段で測定した煙プルーム太さの画素数で撮像される第1火点距離を推定すると共に、前記基準上昇速度の煙プルームが、前記測定手段で測定した上昇速度の速度画素数で撮像される第2火点距離を推定し、
    前記第1火点距離と前記第2火点距離が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定することを特徴とする火災検知方法。
  15. 請求項12記載の火災検知方法に於いて、
    前記モデル火災設定ステップは、所定の火点距離で撮像されるモデル火災の煙プルームによる煙上昇速度を示す画素数と前記煙プルーム太さを示す画素数との比率を算出して基準比率として予め設定し、
    前記火災判定ステップは、前記測定手段で測定した煙プルームの太さを示す画素数と上昇速度を示す速度画素数との比率を測定比率として算出して、前記火災モデルの基準比率と比較し、前記測定比率と前記基準比率が一致するか又は所定の誤差以内の場合に火災を判定し、それ以外の場合は非火災と判定することを特徴とする火災検知装置。
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