JP6344685B2 - 介護技能学習支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、介護技能学習支援システム及び介護技能学習支援用プログラムに係り、詳しくは、介護施設等の職員の技能向上のために用いられる介護技能学習支援システム及び介護技能学習支援用プログラムに関する。
近年、日本では長寿命化が進んでおり、介護施設等における介護の需要が高まってきている。このような中、介護業界における人材は十分であるとはいえず、また、介護者を教育する余裕もなく、充実した人材を育成することができていないというのが実状である。
このような状況下、例えば、介護者が介護に必要な基本作法、知識、技術を学習することができるe−ラーニングシステムとして、介護に携わる者に必要な介護の基本作法、知識、技術を学ぶためのコンピュータを利用したシステムであって、複数のコンテンツから成る学習カリキュラムを学習者が画面を操作して、任意に選択しながら閲覧、学習できる介護の基本作法、知識、技術を学習する学習システムが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、このe−ラーニングシステムは、学習者が単独で学習するシステムであり、十分な効果は期待できない。
特開2009−86608号公報
本発明の課題は、学習者が効果的に学習することができると共に、指導者にとっても効率的かつ適正に学習者を評価できる介護技能学習支援システム及び介護技能学習支援用プログラムを提供することにある。
本発明者らは、介護者等の指導を効率的に行うべく鋭意研究した結果、その学習者の所属する施設の実際の作業現場における動作マニュアル動画(基本動作動画)を用いて学習することが学習者にとって非常に効果的であることを見出すと共に、指導者による学習者の実技撮影動画の評価においても、その動作マニュアル動画を用いることにより、効率的かつ適正に評価を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、学習者用端末と、指導者用端末とがネットワークを介して接続された介護技能学習支援システムであって、前記学習者用端末が、学習者の所属する施設で撮影された介護技能に関する動作マニュアル動画を含む学習コンテンツを取得する学習コンテンツ取得手段と、該動作マニュアル動画と同一の場所で撮影され、該動作マニュアル動画の動きに沿った学習者の実技撮影動画情報を送信する実技撮影動画送信手段とを備え、前記指導者用端末が、前記学習者の実技撮影動画情報を取得する実技動画取得手段と、前記動作マニュアル動画情報を取得するマニュアル動画取得手段とを備えた介護技能学習支援システムに関する。
好ましくは、指導者用端末が、学習者の実技撮影動画及び動作マニュアル動画を同時に表示できる動画情報を取得する同時表示動画取得手段を備えている。
好ましくは、さらに、学習者用端末が、学習進行状況情報を取得する学習状況取得手段を備え、指導者用端末が、学習者の学習評価結果を前記学習進行状況情報に記録する学習評価記録手段を備えている。
好ましくは、さらに、学習者用端末が、学習コンテンツに関する設問レポートを取得する設問レポート取得手段と、該設問レポートに対するテキスト文字情報からなる解答を送信する解答送信手段と、テキスト文字情報からなる設問レポートの解答が閾値以上のキーワードを含まない場合に、その通知を受信する一次解答結果受信手段とを備えている。
好ましくは、さらに、指導者用端末が、学習者用端末から設問レポートに対する解答の送信があった旨の通知を受信する解答通知受信手段と、テキスト文字情報からなる設問レポートの解答が閾値以上のキーワードを含むか否かを問い合わせる問合せ手段とを備えている。
また、本発明は、学習者用端末と、指導者用端末とがネットワークを介して接続された介護技能学習支援システムにおける、前記学習者用端末が実行するための学習者用端末制御プログラム及び前記指導者用端末が実行するための指導者用端末制御プログラムを含む介護技能学習支援用プログラムであって、前記学習者用端末制御プログラムが、学習者の所属する施設で撮影された介護技能に関する動作マニュアル動画を含む学習コンテンツを取得する学習コンテンツ取得ステップと、該動作マニュアル動画と同一の場所で撮影され、該動作マニュアル動画の動きに沿った学習者の実技撮影動画情報を送信する実技撮影動画送信ステップとを前記学習者用端末に実行させ、前記指導者用端末制御プログラムが、前記学習者の実技撮影動画情報を取得する実技動画取得ステップと、前記動作マニュアル動画情報を取得するマニュアル動画取得ステップとを前記指導者用端末に実行させる介護技能学習支援用プログラムに関する。
好ましくは、指導者用端末制御プログラムが、学習者の実技撮影動画及び動作マニュアル動画を同時に表示できる動画情報を取得する同時表示動画取得ステップを前記指導者用端末に実行させる。
好ましくは、さらに、学習者用端末制御プログラムが、学習進行状況情報を取得する学習状況取得ステップを前記学習者用端末に実行させ、指導者用端末制御プログラムが、学習者の学習評価結果を前記学習進行状況情報に記録する学習評価記録ステップを前記指導者用端末に実行させる。
好ましくは、さらに、学習者用端末制御プログラムが、学習コンテンツに関する設問レポートを取得する設問レポート取得ステップと、該設問レポートに対するテキスト文字情報からなる解答を送信する解答送信ステップと、テキスト文字情報からなる設問レポートの解答が閾値以上のキーワードを含まない場合に、その通知を受信する一次解答結果受信ステップとを前記学習者用端末に実行させる。
好ましくは、さらに、指導者用端末制御プログラムが、学習者用端末から設問レポートに対する解答の送信があった旨の通知を受信する解答通知受信ステップと、テキスト文字情報からなる設問レポートの解答が閾値以上のキーワードを含むか否かを問い合わせる問合せステップとを前記指導者用端末に実行させる。
本発明の介護技能学習支援システム及び介護技能学習支援用プログラムによれば、学習者が効果的に学習することができると共に、指導者にとっても効率的かつ適正に学習者を評価することができる。
本発明の介護技能学習支援システムの基本的なシステム構成を示す図である。 学習者用端末の動作及び学習支援方法のフローを示す図である。 指導者用端末の動作及び学習支援方法のフローを示す図である。 本発明のシステムにおける学習進行状況情報の表示画面例を示す図である。 本発明のシステムにおける学習コンテンツの表示画面例を示す図である。 本発明のシステムにおけるペーパーテスト(設問レポート)の表示画面例を示す図である。 本発明のシステムにおけるペーパーテストに解答を入力した状態の表示画面例を示す図である。 本発明のシステムにおける学習者用端末が受信するペーパーテスト一次不合格の通知の表示画面例を示す図である。 本発明のシステムにおける学習者用端末が受信するペーパーテスト本合格の通知の表示画面例を示す図である。 本発明のシステムにおける学習者用端末が受信するペーパーテスト不合格の通知の表示画面例を示す図である。 本発明のシステムの指導者用端末における管理画面の表示画面例を示す図である。 本発明のシステムの指導者用端末における、学習者端末から送信されたペーパーテストの解答を表示した表示画面例を示す図である。 本発明のシステムの指導者用端末における同時表示動画(動作マニュアル動画及び実技撮影動画)の表示画面例を示す図である。 本発明のシステムにおける学習進行状況情報の表示画面例を示す図である。
本発明の介護技能学習支援システムとしては、学習者用端末と、指導者用端末とがネットワークを介して接続されたシステムであって、前記学習者用端末が、学習者の所属する施設で撮影された介護技能に関する動作マニュアル動画を含む学習コンテンツを取得する学習コンテンツ取得手段と、該動作マニュアル動画と同一の場所で撮影され、該動作マニュアル動画の動きに沿った学習者の実技撮影動画情報を送信する実技撮影動画送信手段とを備え、前記指導者用端末が、前記学習者の実技撮影動画情報を取得する実技動画取得手段と、前記動作マニュアル動画情報を取得するマニュアル動画取得手段とを備えたシステムであれば特に制限されるものではなく、本発明の介護技能学習支援システムにおける介護とは、看護及び介助を含む概念である。
本発明のシステムにおいては、学習者用端末は、学習コンテンツ取得手段と、実技撮影動画送信手段とを備え、指導者用端末は、実技動画取得手段と、マニュアル動画取得手段とを備えている。本発明のシステムにおいては、学習者用端末は1つであってもよいが通常は複数であり、指導者用端末は、指導者の数に合わせて1つであってもよいし、複数であってもよい。
まず、学習者用端末の各手段について説明する。
学習コンテンツ取得手段は、サーバの記憶手段に記憶されている学習コンテンツ(図5参照)を取得する手段であり、かかる学習コンテンツ(学習教材)としては、学習者の所属する施設で撮影された介護技能に関する動作マニュアル動画を含み、その他、文字情報等による学習コンテンツを含んでいてもよい。
動作マニュアル動画は、1つの視点から撮影されたものであってもよいが、複数の視点から撮影された動画情報であることが好ましい。また、動作マニュアル動画以外の学習コンテンツも、その学習者が所属する施設における手順等に沿ったものであることが好ましく、これにより、今まで行ってきた手順等をそのまま変更することなく、効率的に教育することが可能となる。なお、学習コンテンツの内容は指導者端末から適宜編集できるように構成されていることが好ましい。
介護技能としては、入浴介助、食事介助、排泄介助等の技能を例示することができ、その施設独自のものを採用することもできる。取得された学習コンテンツはモニタ等に表示され、学習者はこの表示された学習コンテンツを用いて学習を行う。
本発明においては、その学習者が日常的に使用している施設(実際の作業現場)で撮影された動作マニュアル動画により学習することができるので、学習者にとっては非常にわかりやすく、また、学習した内容を実践にそのまま生かすことができ、非常に効果的に学習を行うことができる。特に応用力がまだ備わっていない初心者にとっては、同じ作業現場の動作マニュアル動画による学習により、より理解が深まると共に、指導者に対する質問も減少し、指導者の負担を軽減することにもなる。また、教育課程の大半が学習者の自習によって行われるので、指導者の教育・指導時間を大幅に短縮することができる。
実技撮影動画送信手段は、学習者の実技撮影動画情報をサーバに送信する手段であり、実技撮影動画送信手段における、「動作マニュアル動画と同一の場所で撮影された実技撮影動画情報」とは、動作マニュアル動画と同一作業場所で行われた実技が撮影された動画情報のことを意味し、必ずしも撮影装置の設置位置(撮影視点)が同じことまでを意味するものではないが、指導者が同じ角度からの動画を見ながら実技撮影動画の評価を行うことができることから、撮影装置の設置位置も同じであることが好ましい。例えば、作業場所に撮影装置固定手段を配置しておくことにより、容易に同じ撮影視点からの撮影を行うことができる。具体的に学習者は、動作マニュアル動画と同じ現場で、動作マニュアル動画に沿った自己の動きをビデオカメラ等の撮影装置を用いて撮影し、その実技撮影動画情報を送信する。
続いて、指導者用端末の各手段について説明する。
実技動画取得手段は、例えば学習者用端末から送信された学習者の実技撮影動画情報をサーバを介して取得する手段であり、また、マニュアル動画取得手段は、例えばサーバの記憶手段に記憶されている動作マニュアル動画情報を取得する手段であり、これらの動画情報はサーバで編集されたものであってもよい。
実技撮影動画情報の取得は、学習者用端末からの送信を受けたサーバから自動的に送信されるものであってもよいし、サーバから送信を受け付けた旨の通知があった場合に指導者用端末からサーバに要求して取得するものであってもよい。また、動作マニュアル動画情報は、実技撮影動画情報の取得に伴ってサーバから自動的に取得されるものであってもよいし、指導者用端末からサーバに要求して取得するものであってもよい。指導者用端末は、学習者の実技撮影動画と共に学習者の学習に用いられた動作マニュアル動画を取得することができるので、学習者の実技撮影動画を評価する際、動作マニュアル動画を同時再生させることができ、これにより、効率的かつ適正に評価を行うことができる。なお、学習コンテンツにおける動作マニュアル動画が各工程毎に分割されている場合には、この各工程毎の動画情報を取得する構成であってもよいし、一連のものに編集された動画情報を取得する構成であってもよい。
指導者用端末は、学習者の実技撮影動画及び動作マニュアル動画を同時に表示できる動画情報(図13参照)を取得する同時表示動画取得手段を備えていることが好ましい。すなわち、同時表示動画取得手段は、実技動画取得手段及びマニュアル動画取得手段の機能を兼ね備えた手段である。指導者はこの同時に表示される動画を比較しながら、学習者の実技撮影動画の評価を行うことができる。この場合、学習者から送信された実技撮影動画は、サーバの動画編集手段により、動画マニュアル動画と同時に表示されるような動画データに編集され、この編集された動画情報を取得する。動画情報の取得は、実技撮影動画情報の取得に伴ってサーバから自動的に取得されるものであってもよいし、指導者用端末からサーバに要求して取得するものであってもよい。これにより、学習者の実技撮影動画及び学習者の学習に用いられた動作マニュアル動画を同時に並べてモニタ等の表示手段に表示することができるので、学習者の実技撮影動画を評価する際に、例えば、両者の動きの違いを正確に把握でき、また、動作マニュアルと比較した学習者の作業時間の長短を一目で理解することができる等、より効率的かつ適正に評価を行うことができる。
本発明の介護技能学習支援システムにおいては、学習者用端末が、サーバの記憶手段に記憶されている学習進行状況情報(図4参照)を取得する学習状況取得手段を備えると共に、指導者用端末が、学習者の学習評価結果を前記学習進行状況情報に記録する学習評価記録手段を備えていることが好ましい。これにより、学習者は自己の学習進行状況を確認すると共に、当該学習進行状況情報における未修学の学習工程における学習コンテンツを取得して効果的に学習を行うことができる。なお、指導者用端末にも学習状況取得手段を設け、各学習者の学習進行状況を確認できるように構成することが好ましい。学習進行状況情報を指導者及び学習者が共有することにより、学習者にとっては、努力の結果が一目でわかるようになり、また、指導者(教育担当者、施設管理者等)にとっては、昇進、昇格、昇給、職場異動等の人事評価をより適正かつ公平に行うことが可能となり、学習者(施設職員等)の技能向上に対するさらなる意欲の向上を図ることができる。
さらに、本発明の介護技能学習支援システムにおいては、学習者用端末が、学習コンテンツに関する設問レポートを取得する設問レポート取得手段と、該設問レポートに対するテキスト文字情報からなる解答を送信する解答送信手段と、テキスト文字情報からなる設問レポートの解答が閾値以上のキーワードを含まない場合に、その通知を受信する一次解答結果受信手段とを備えていることが好ましい。
学習コンテンツ学習終了後、学習者が学習者用端末を操作することにより、学習者用端末はサーバに設問レポート(ペーパーテスト)を要求し、該設問レポートを取得する。また、学習者は学習者用端末を操作し、この設問レポートの解答(テキスト文字情報)を入力し、解答をサーバに送信する。また、この送信された解答は、自動的に又は指導者端末からの要求により、サーバのキーワード達成判定手段により、キーワード数が閾値(例えば、60%)に達しているか否かが判定され、不合格の場合に、学習者用端末は一次不合格の旨の通知を受信する。一次不合格の旨を通知した学習者は再度解答に挑戦し、再び解答を送信する。
他方で、指導者用端末は、学習者用端末から設問レポートに対する解答の送信があった旨の通知をサーバから受信する解答通知受信手段と、テキスト文字情報からなる設問レポートの解答が閾値以上のキーワードを含むか否かをサーバに問い合わせる問合せ手段とを備えていることが好ましい。
サーバは、学習者用端末から解答の送信があった場合に指導者用端末へ通知する。設問レポートの解答の具体的な内容は、かかる通知と共に指導者用端末が取得する構成であってもよいし、キーワードが閾値に達していた場合(一次合格と判定された場合)に、指導者用端末が取得する構成であってもよい。この通知に応じて、自動的又は指導者端末からの要求により、設問レポートの解答が閾値(例えば、60%)以上のキーワードを含むか否かをサーバに問い合わせる。この問い合わせに応じてサーバでは、キーワード達成判定手段により、キーワードが閾値(例えば、60%)に達しているか否かを判定し、一次不合格の場合に、学習者用端末に一次不合格の旨を通知する。
これにより、指導者は、合格の可能性の極めて低い解答内容を閲覧することなく、学習者に再提出を求めることが可能となる一方、合格の可能性のある解答のみを閲覧することができるので、非常に効率よく評価を行うことができる。
上記のような各手段を備える介護技能学習支援システムの学習支援の流れとしては、学習者が、動作マニュアル動画を含む学習コンテンツを学習した後、設問レポートに対する解答(ペーパーテスト)を行い、合格した場合に、実技動画の撮影を行ってその評価を受ける(実技動画テスト)という順序が好ましい。また、本発明のシステムは、実技テスト予約手段を備えていることが好ましく、実技動画テストに続いて実際の現場で指導者がテストを行うことにより、より確実に技能の向上を図ることができる。
ここで、サーバは、記憶手段と、配信手段とを備え、好ましくは動画編集手段と、キーワード達成判定手段とを備えている。記憶手段は、学習進行状況情報、動画情報、学習コンテンツ、設問レポート等を記憶する手段であり、配信手段は、自動的に又は端末(学習者用端末又は指導者用端末)の要求に応じて、上記記憶手段に記憶された情報等を配信する。
動画編集手段は、記憶手段に記憶された学習コンテンツにおける動作マニュアル動画と、学習者用端末から送信されてきた学習者の実技撮影動画とを同時に表示できるように編集する手段であり、好ましくは、指導者用端末のモニター上で縦又は横方向に並べて表示されるよう編集する。
キーワード達成判定手段は、例えば、テキスト文字情報からなる解答において、テキスト検索を行うことにより、所定キーワードの存在数を検知し、予め設定されたキーワードの数又は割合(閾値)に達したか否かを判定する手段である。閾値は適宜設定することができ、例えば、10個、20個といった数で設定することができ、また、すべての解答キーワードのうちの50%や60%といった割合で設定することもできる。
また、本発明の介護技能学習支援用プログラムは、学習者用端末と、指導者用端末とがネットワークを介して接続された介護技能学習支援システムにおける、前記学習者用端末が実行するための学習者用端末制御プログラム及び前記指導者用端末が実行するための指導者用端末制御プログラムを含むプログラムであって、学習者用端末に当該端末における各手段の行う処理を実行させ、指導者用端末に当該端末における各手段の行う処理を実行させるものである。
例えば、学習者用端末には学習者用端末制御ソフトウェアがインストールされ、指導者用端末には指導者用端末制御ソフトウェアがインストールされており、これらのソフトウェアが一体的に介護技能学習支援用ソフトウェアとして構成される。
以下、本発明を実施するための一形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に、本発明の介護技能学習支援システムの基本的なシステム構成を示す。図1に示すように、介護技能学習支援システムおいては、学習者用端末10と、指導者用端末20と、サーバ30とが、ネットワークを介して接続されている。なお、図1では、学習者用端末10は1つしか示していないが、通常は、複数の学習者用端末が接続されている。
本発明における端末10,20及びサーバ30は、一般的に普及しているPCを用いて構成することができる。具体的に例えば、端末10,20及びサーバ30は、ソフトウェアを実行するためのCPUを備えた制御部と、ソフトウェアや各種データを記憶するためのメモリ部と、当該端末をネットワークに接続させるためのネットワークインターフェース部と、モニタを接続するためのモニタインターフェース部等を備えている。
図1に示すように、学習用端末10は、学習状況取得手段と、学習コンテンツ取得手段と、設問レポート取得手段と、設問レポートの解答を送信する解答送信手段と、設問レポートの解答が一次合格レベルに達していない場合(一次不合格の場合)にその旨の通知を受ける一次解答結果受信手段と、動作マニュアル動画に沿った自己の実技撮影動画を送信する実技撮影動画送信手段とを備えている。
一方、指導者用端末20は、学習状況取得手段と、学習者から送られてきた設問レポートや実技撮影動画の評価(合格)を学習進行状況情報に記録する学習評価記録手段と、学習者用端末から設問レポートに対する解答の送信があった旨の通知を受ける解答通知受信手段と、設問レポートの解答が一次合格レベルに達しているかどうかを問い合わせる問合せ手段と、学習者の実技撮影動画及び動作マニュアル動画を同時に表示できる動画情報を取得する同時表示動画取得手段とを備えている。
サーバ(学習支援装置)30は、学習進行状況情報、動作マニュアル動画を含む学習コンテンツ、設問レポート等を記憶する記憶手段と、学習者の設問レポートに対する解答のキーワード数が閾値(例えば、60%)に達しているか否かを判定するキーワード達成判定手段と、記憶手段に記憶された学習コンテンツにおける動作マニュアル動画、及び学習者用端末から送信されてきた学習者の実技撮影動画とを同時に表示できるように編集する動画編集手段とを備えている。
以上のような構成の介護技能学習支援システムの動作及び学習支援方法について説明する。ここで、図2は、学習者用端末の動作及び学習支援方法のフローを示す図であり、図3は、指導者用端末の動作及び学習支援方法のフローを示す図である。
図2に示すように、学習者は、まず、学習者用端末でシステムにログインし(ステップ1)、例えば図4に示すような自らの学習進行状況情報を取得する(ステップ2)。図4に示すように、学習進行状況情報は種々の学習項目と共に、職務年数に応じて受講すべき各レベル(L1〜L4)に分かれている。図4では、「1.サービス提供のための準備」〜「4.移動・移乗介助、体位変換」のレベル1の学習が完了した状態を示している。すなわち、当該箇所には「合格」等の学習評価が表示され、現在の状況及び今後受講すべき学習コンテンツが一目でわかるようになっている。本実施の形態では、これから「5.入浴介助」の「L1」の学習を行う場合を例にとって説明する。
「5.入浴介助」の「L1」をクリックすると、例えば図5に示すような学習コンテンツを取得することができる(ステップ3)。図5に示すように、学習コンテンツは、文字及び動画(動作マニュアル動画)からなり、学習者は、この学習コンテンツを繰り返し学習し、設問レポート(ペーパーテスト)に備える。
一通り学習を終えると、ペーパーテストを受けることができる。すなわち、すべての動作マニュアル動画を再生した後でないとペーパーテストを受講できないようになっている。まず、図6に示すような設問レポートを取得する(ステップ4)。続いて、図7に示すように、学習者は、取得した設問レポートにテキスト文字情報からなる解答を入力し、かかる解答を送信する(ステップ5)。
この送信された解答は、サーバのキーワード達成判定手段により判定が行われ(ステップ6)、一次合格レベルに達していない場合(一次不合格の場合)は、例えば図8に示すような「正解率60%以下です」といった通知が学習用端末に届くので、学習者は改めて学習を行い、設問レポートの解答を再び行う(ステップ5)。
一次合格した解答は指導者により添削を受け(ステップ7)、例えば図9に示すように、指導者の添削によって本合格となると、次のステップに進む。なお、不合格の場合は、図10に示すように、不合格である旨の通知が学習用端末に届くので、学習者は改めて学習を行い、設問レポートの解答を再び行う(ステップ5)。
次のステップでは、学習者は、学習コンテンツに含まれている動作マニュアル動画に示される入浴介助作業を模倣して行った自己の実技を撮影して、かかる撮影した実技動画を送信する(ステップ8)。この実技動画テストに合格すると(ステップ9)、その学習工程(「5.入浴介助」の「L1」の学習)が修了となる(図14参照)。なお、この実技動作テストの後に、指導者が直接実技場面を見て添削する本実技テスト等を設けてもよい。
一方、指導者は、図3に示すように、まず、指導者用端末でシステムにログインし(ステップ1)、例えば図11に示すような管理画面を閲覧し、学習者から設問レポートの解答があったことを確認する(ステップ2)。続いて、例えば図12に示すような設問レポートの解答を表示すると共に、正誤チェックボタンをクリックして、解答が一次合格レベルに達しているか否かをサーバに問い合わせる(ステップ3)。この時、サーバでは、キーワード判定手段が、解答に含まれるキーワード数をチェックし、閾値以上のキーワードを含む場合には一次合格と判定し、指導者に(必要に応じて学習者にも)その旨を通知する(ステップ4)。一次合格レベルに達していない場合(不合格の場合)は、上記のように、一次不合格の旨が学習用端末に通知される(図8参照)。指導者は、一次合格の解答を添削し、図9又は図10に示すような学習者に設問レポートの合否を通知する(ステップ5)。
続いて、例えば図11に示すような管理画面で実技撮影動画の受信を確認すると、実技撮影動画を受信する。本実施の形態では、実技撮影動画はサーバにおいて、動作マニュアル動画と同時表示できるような動画情報に編集されており、例えば図13に示すような同時表示動画情報を取得する(ステップ6)。なお、実技撮影動画及び動作マニュアル動画を別々に取得する構成であってもよいことは上述の通りである。指導者は、同時表示動画により、動作マニュアル動画と比較しつつ、学習者の実技撮影動画を評価できるので、より効率的かつ適正な評価を行うことができる。図13においては、実技者(テスト登録動画)が、動作マニュアル動画(正解動画)と異なる動作をしており、実施者が誤った動作をしていることを一目で把握することができる。なお、図13においては、動作マニュアル動画は、2方向から撮影された動画が上下に表示されている。
この評価において、指導者が合格と判定した場合には(ステップ7)、入浴介助のL1が合格である旨を学習進行状況情報に記録し(ステップ8)、図14に示すように、学習進行状況情報に反映される。この際、必要に応じてその旨を学習者用端末に送信してもよい。これにより、学習者は、他の学習項目や次のレベルの学習を行うことができる。なお、指導者が不合格と判定した場合には、その旨を学習者用端末に送信し、学習者は再度実技動画テストを受ける(ステップ6)。
介護技能学習支援システム及び介護技能学習支援用プログラムによれば、介護者等を効率的に育成することができ、産業上非常に有用である。
10 学習者用端末
20 指導者用端末
30 サーバ(学習支援装置)

Claims (8)

  1. 学習者用端末と、指導者用端末とがネットワークを介して接続された介護技能学習支援システムであって、
    前記学習者用端末が、
    学習者の所属する施設で撮影された介護技能に関する動作マニュアル動画を含む学習コンテンツをサーバから取得する学習コンテンツ取得手段と、
    該動作マニュアル動画と同一の場所で撮影され、該動作マニュアル動画の動きに沿った学習者の実技撮影動画情報を送信する実技撮影動画送信手段と、
    前記学習コンテンツに関する設問レポートを取得する設問レポート取得手段と、
    該設問レポートに対するテキスト文字情報からなる解答を送信する解答送信手段と、
    テキスト文字情報からなる設問レポートの解答が閾値以上のキーワードを含まない場合に、その通知を受信する一次解答結果受信手段とを備え、
    前記指導者用端末が、
    前記学習者の実技撮影動画情報を取得する実技動画取得手段と、
    前記動作マニュアル動画情報を前記サーバから取得するマニュアル動画取得手段とを備えた
    ことを特徴とする介護技能学習支援システム。
  2. 指導者用端末が、
    学習者の実技撮影動画及び動作マニュアル動画を同時に表示できる動画情報を取得する同時表示動画取得手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の介護技能学習支援システム。
  3. さらに、学習者用端末が、
    学習進行状況情報を取得する学習状況取得手段を備え、
    指導者用端末が、
    学習者の学習評価結果を前記学習進行状況情報に記録する学習評価記録手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の介護技能学習支援システム。
  4. さらに、指導者用端末が、
    学習者用端末から設問レポートに対する解答の送信があった旨の通知を受信する解答通知受信手段と、
    テキスト文字情報からなる設問レポートの解答が閾値以上のキーワードを含むか否かを問い合わせる問合せ手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の介護技能学習支援システム。
  5. 学習者用端末と、指導者用端末とがネットワークを介して接続された介護技能学習支援システムにおける、前記学習者用端末が実行するための学習者用端末制御プログラム及び前記指導者用端末が実行するための指導者用端末制御プログラムを含む介護技能学習支援用プログラムであって、
    前記学習者用端末制御プログラムが、
    学習者の所属する施設で撮影された介護技能に関する動作マニュアル動画を含む学習コンテンツをサーバから取得する学習コンテンツ取得ステップと、
    該動作マニュアル動画と同一の場所で撮影され、該動作マニュアル動画の動きに沿った学習者の実技撮影動画情報を送信する実技撮影動画送信ステップと
    前記学習コンテンツに関する設問レポートを取得する設問レポート取得ステップと、
    該設問レポートに対するテキスト文字情報からなる解答を送信する解答送信ステップと、
    テキスト文字情報からなる設問レポートの解答が閾値以上のキーワードを含まない場合に、その通知を受信する一次解答結果受信ステップとを
    前記学習者用端末に実行させ、
    前記指導者用端末制御プログラムが、
    前記学習者の実技撮影動画情報を取得する実技動画取得ステップと、
    前記動作マニュアル動画情報を前記サーバから取得するマニュアル動画取得ステップとを
    前記指導者用端末に実行させる
    ことを特徴とする介護技能学習支援用プログラム。
  6. 指導者用端末制御プログラムが、
    学習者の実技撮影動画及び動作マニュアル動画を同時に表示できる動画情報を取得する同時表示動画取得ステップを前記指導者用端末に実行させることを特徴とする請求項記載の介護技能学習支援用プログラム。
  7. さらに、学習者用端末制御プログラムが、
    学習進行状況情報を取得する学習状況取得ステップを前記学習者用端末に実行させ、
    指導者用端末制御プログラムが、
    学習者の学習評価結果を前記学習進行状況情報に記録する学習評価記録ステップを前記指導者用端末に実行させる
    ことを特徴とする請求項又は記載の介護技能学習支援用プログラム。
  8. さらに、指導者用端末制御プログラムが、
    学習者用端末から設問レポートに対する解答の送信があった旨の通知を受信する解答通知受信ステップと、
    テキスト文字情報からなる設問レポートの解答が閾値以上のキーワードを含むか否かを問い合わせる問合せステップとを前記指導者用端末に実行させる
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか記載の介護技能学習支援用プログラム。
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