JP6344469B2 - プログラム生成装置、プログラム生成方法およびプログラム - Google Patents

プログラム生成装置、プログラム生成方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、プログラム生成装置、プログラム生成方法およびプログラムに関する。
所望の画像処理を実行する画像処理プログラムを、遺伝的プログラミングによって自動生成する技術が注目されている。この技術は、入力画像と処理結果の画像(目標画像)とを用いて、画像処理のための部分プログラム(例えば、画像フィルタのプログラム)を組み合わせて生成される画像処理プログラムを、遺伝的プログラミングによって最適化していくものである。
これに関連する技術として、例えば、処理プログラムの生成処理において、遺伝的プログラミングに用いられる適応度が、処理プログラムにおけるノード数が大きいほど小さい値をとるように算出される技術が提案されている。
また、画像処理手順を生成する技術の例として、適応度の高い画像処理手順同士を交配させるようにした技術が提案されている。
特開2006−178857号公報 国際公開第2006/001107号
青木紳也、長尾智晴、「木構造画像変換の自動構築法ACTIT」、情報メディア学会誌Vol.53,No.6、1999年6月20日、p.888−894
遺伝的プログラミングによって画像処理プログラムを自動生成する上記の処理では、プログラム生成処理に要する時間が長いという問題がある。例えば、上記処理では、選択し得る部分プログラムが多数用意されているほど、高品質な画像処理を実現できる可能性が高まる。その反面、処理の過程で算出される適応度が高い値に収束するまでに要する時間が長くなる可能性も高まり、その結果、プログラム生成処理が終了するまでの時間が長くなる可能性も高まる。
1つの側面では、本発明は、画像処理プログラムの生成時間を短縮可能なプログラム生成装置、プログラム生成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
1つの案では、画像処理プログラムに含まれる部分プログラムの組み合わせを遺伝的プログラミングによって決定することで画像処理プログラムを生成するプログラム生成装置が提供される。このプログラム生成装置は、情報記録部および確率設定部を有する。情報記録部は、部分プログラムが複数組み合わされた個体を進化させる進化処理が実行されるたびに、進化前の個体と進化後の個体との間で数が変化した部分プログラムと、進化前の個体および進化後の個体のそれぞれを基に算出された適応度の差分とを示す情報を、記憶部に記録する。確率設定部は、所定期間に記憶部に蓄積された情報に基づいて、適応度の増加に貢献した貢献度を部分プログラムごとに判定し、判定された貢献度が高いほど設定値が高くなるように部分プログラムごとに選択確率を設定する。そして、プログラム生成装置は、確率設定部によって部分プログラムごとに選択確率が設定された後、進化処理を実行する際に、突然変異により進化後の個体へ組み込む部分プログラムを設定された選択確率にしたがって選択する。
また、1つの案では、上記のプログラム生成装置と同様の処理が実行されるプログラム生成方法が提供される。
さらに、1つの案では、上記のプログラム生成装置と同様の処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
1つの側面では、画像処理プログラムの生成時間を短縮できる。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
第1の実施の形態に係るプログラム生成装置の構成例および処理例を示す図である。 画像処理プログラムの生成処理手順の参考例を示す図である。 画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。 画像処理装置が備える処理機能の構成例を示すブロック図である。 フィルタセットデータベースに登録される情報の例を示す図である。 適応度変化テーブルの第1の例を示す図である。 適応度変化テーブルの第2の例を示す図である。 適応度変化の第1の登録処理例を示す図である。 適応度変化の第2の登録処理例を示す図である。 進化過程での画像フィルタの増減の例を示す図である。 適応度変化の第3の登録処理例を示す図である。 適応度変化の第4の登録処理例を示す図である。 適応度変化の累積ヒストグラムの例を示す。 選択確率の他の設定処理例を示す図である。 プログラム生成処理手順の例を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る画像処理装置の処理機能の構成例を示すブロック図である。 選択モードの設定処理について示す図である。 第3の実施の形態におけるプログラム生成処理手順の例を示すフローチャートである。 選択モード設定処理手順の例を示すフローチャートである。 画像フィルタのグループ化の例を示す図である。 第4の実施の形態における突然変異処理手順の例を示すフローチャートである。 第4の実施の形態における選択モード設定処理手順の例を示すフローチャートである。 画像フィルタのグループ化の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係るプログラム生成装置の構成例および処理例を示す図である。プログラム生成装置1は、生成処理部1a、情報記録部1b、確率設定部1cおよび記憶部1dを有する。なお、図1では、記憶部1dはプログラム生成装置1の外側に示されているが、記憶部1dは、プログラム生成装置1に内蔵された記憶装置の記憶領域として実現される。
生成処理部1aは、遺伝的プログラミングによって画像処理プログラムを生成する。生成される画像処理プログラムは、それぞれが画像処理を実行するための部分プログラムが組み合わされることで実現される。生成処理部1aは、画像処理プログラムに含めるべき部分プログラムの組み合わせを、遺伝的プログラミングによって決定する。
画像処理プログラムに組み込むことが可能な複数の部分プログラムは、例えば、記憶部1dにあらかじめ記憶されている。生成処理部1aは、例えば、記憶された部分プログラムをランダムに選択して組み合わせた個体を、所定数だけ生成する。そして、生成した個体を進化させ、適応度の低い個体を淘汰していくことで、部分プログラムの組み合わせが最適化された個体を判別し、その個体を最終的な画像処理プログラムとして出力する。
個体を進化させる進化処理としては、例えば、2つの親個体の間で部分プログラムを入れ替える交叉処理や、親個体に含まれる部分プログラムを他の部分プログラムに置き換える突然変異処理がある。これらのうち、突然変異処理において子個体に新たに組み込む部分プログラムは、初期状態では、あらかじめ記憶された部分プログラムの中からランダムに(すなわち、同じ確率で)選択される。そして、後述するように、部分プログラムごとに選択確率が設定された後は、設定された選択確率にしたがって選択される。
情報記録部1bは、生成処理部1aによって進化処理が実行されるたびに、進化前の個体と進化後の個体との間で数が変化した部分プログラムと、進化前の個体および進化後の個体のそれぞれを基に算出された適応度の差分とを示す情報を、記憶部1dに記録する。図1では、情報記録部1bによって記憶部1dに記録される情報を、「増減情報2a」と表す。
例えば、図1に示すように、進化処理3_1において、親個体4_1から子個体5_1が生成されたとする。親個体4_1は、部分プログラム#1〜#4を含み、子個体5_1は、部分プログラム#1,#3〜#5を含むものとする。すなわち、親個体4_1が子個体5_1に進化する過程で、部分プログラム#2が削除され、部分プログラム#5が新たに組み込まれたとする。
この場合、情報記録部1bは、例えば、進化の前後で数が変化した部分プログラムとして、部分プログラム#2,#5を示す情報を増減情報2aに記録する。図1の例では、増減情報2aにおいて、部分プログラム#2に対応付けて数値“−1”が記録され、部分プログラム#5に対応付けて数値“+1”が記録されている。これは、進化によって部分プログラム#2が1つ減少し、部分プログラム#5が1つ増加したことを示す。なお、情報記録部1bは、進化によって数が増加した部分プログラム#5についての情報だけを増減情報2aに記録してもよい。
また、進化処理3_1では、親個体4_1を基に算出された適応度より、子個体5_1を基に算出された適応度の方が“0.1”だけ大きかったものとする。この場合、情報記録部1bは、例えば、進化の前後での適応度の差分を示す情報として、数値“+0.1”を増減情報2aに記録する。なお、適応度の差分を示す情報は、例えば、進化によって適応度が増加した場合のみ増減情報2aに記録されてもよい。
確率設定部1cは、所定期間に情報記録部1bによって記憶部1dに記録された情報に基づいて、適応度の増加に貢献した貢献度を部分プログラムごとに判定する。そして、判定された貢献度が高いほど設定値が高くなるように、部分プログラムごとに選択確率を設定する。
例えば、確率設定部1cは、図1に示すように、n回の進化処理3_1〜3_nが実行された期間に記録された増減情報2aに基づいて、貢献度を部分プログラムごとに判定する。そして、その判定結果に基づいて、部分プログラムごとの選択確率を設定情報2bに設定する。
生成処理部1aは、確率設定部1cによって設定情報2bが設定された後、進化処理を実行する際には、突然変異により進化後の個体へ組み込む部分プログラムを、設定情報2bに設定された選択確率にしたがって選択する。例えば、生成処理部1aは、(n+1)回目の進化処理3_(n+1)において、親個体4_(n+1)に対して突然変異処理を施して子個体5_(n+1)を生成する際に、子個体5_(n+1)へ新たに組み込む部分プログラムを、ランダムではなく、設定情報2bに設定された選択確率にしたがって選択する。これにより、設定された選択確率が高い部分プログラムほど、突然変異により子個体に対して新たに組み込まれる可能性が高くなる。
ここで、確率設定部1cは、所定期間に記憶部1dに記録された増減情報2aに基づいて、適応度の増加に対する部分プログラムの貢献度を次のような方法で推定することができる。例えば、進化の前後に適応度が増加したときに、その進化の前後で個体中の数が増加した部分プログラムについては、適応度が増加したことに貢献している可能性が高いと推定できる。また、進化の前後に適応度が増加したときに、進化後に増加した数が多い部分プログラムほど、適応度の増加に対する貢献度が低いと推定することもできる。また、進化の前後に適応度が減少したときに、その進化の前後で個体中の数が増加した部分プログラムについては、適応度が増加したことに貢献している可能性が低いと推定することもできる。
確率設定部1cは、このような方法で判定した貢献度を基に、貢献度が高いほど設定値が高くなるように、部分プログラムごとに選択確率を設定する。これにより、その後の突然変異の処理の際に、適応度の増加に貢献する可能性が高い部分プログラムほど、子個体に対して新たに組み込まれる可能性が高くなる。その結果、生成された子個体を基に算出される適応度が増加する可能性も高まる。そして、このような進化処理が繰り返されることで、適応度が高い値に収束しやすくなり、学習が促進される。したがって、生成される画像処理プログラムの品質を維持したまま、プログラム生成処理に要する時間が短縮される可能性が高まる。
また、遺伝的プログラミングによる画像処理プログラムの生成処理では、選択し得る部分プログラムをあらかじめ多数用意しておくほど、生成される画像処理プログラムによる画像処理の品質を向上できる可能性が高まる。その反面、適応度が収束しにくくなり、プログラム生成処理に要する時間が長くなる可能性も高まる。
本実施の形態のプログラム生成装置1によれば、選択し得る部分プログラムの数が多くなった場合でも、学習が進むうちに、それらの部分プログラムの中から適応度の増加に貢献する可能性が高い部分プログラムが選択されやすくなる。これにより、適応度が高い値に収束しやすくなり、学習が促進される。したがって、高品質の画像処理を実現する画像処理プログラムを、短時間で生成できる可能性が高まる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態に係る画像処理装置について説明する。第2の実施の形態に係る画像処理装置は、図1に示したプログラム生成装置の処理機能と、この処理機能によって生成された画像処理プログラムを実行して画像処理を行う機能とを備える。
以下の説明では、まず、図2を用いて、遺伝的プログラミングによる画像処理プログラムの生成処理の基本的な手順を示す参考例について説明し、その後に、第2の実施の形態の画像処理装置について説明する。
図2は、画像処理プログラムの生成処理手順の参考例を示す図である。
画像処理プログラムの生成処理の前に、1つ以上の学習データ50が用意される。学習データ50には、入力画像51と、入力画像51に対して画像処理を施したときの目標画像52とが含まれる。入力画像51は、例えば、カメラによって被写体を撮像することによって得られる。
遺伝的プログラミングによる画像処理プログラムの生成処理では、個体は、1つ以上の部分プログラムを組み合わせて構成される。例えば、図2の左上に示すように、個体は木構造で定義される。
個体に組み込むことが可能な複数の部分プログラムも、あらかじめ用意される。以下、個体に組み込まれる部分プログラムの例として、画像フィルタを想定するが、部分プログラムは画像フィルタに限るものではなく、他の種類の画像処理を行うプログラムを用いることもできる。なお、図2の左上において、“F”は画像フィルタを示し、“I”は入力端子を示し、“O”は出力端子を示す。
遺伝的プログラミングによる画像処理プログラムの生成処理は、例えば、次のように実行される。まず、複数の初期個体による個体群61が生成される(ステップS11)。各初期個体のノードには、あらかじめ用意された複数の画像フィルタの中から画像フィルタがランダムに選択されて組み込まれる。次に、生成された個体群61の中から、ランダムに2つの親個体が取り出される(ステップS12)。
次に、これら2つの親個体に対して進化過程の処理が施されることで、2つ以上の子個体が生成される(ステップS13)。進化過程では、2つの親個体に対して交叉処理および突然変異処理が行われる。2つの親個体に対して、それぞれ異なる交叉処理や突然変異処理が行われることで、3つ以上の子個体が生成されてもよい。
次に、進化過程を経て生成された子個体、および元の親個体のそれぞれについて、適応度が計算される(ステップS14)。この処理では、対象の個体それぞれを用いた画像処理が、学習データ50の各入力画像51に対して実行され、実行後の画像と対応する目標画像52とが比較されることで適応度が計算される。複数の学習データ50が存在する場合、個体それぞれについて、複数の学習データ50を用いて得られた適応度の平均値が算出される。
ここで、いずれかの個体の適応度が所定の閾値以上であった場合には、その個体が最終的な画像処理プログラムとして出力され、プログラム生成処理が終了する。一方、すべての個体の適応度が所定の閾値未満であった場合には、生成された各子個体および元の2つの親個体を含む個体群62の中から、生存選択が行われる(ステップS15)。この生存選択では、個体群62の中から、算出された適応度が最大の個体が選択される。さらに、個体群62内の残りの個体の中から、所定の方法で個体が1つ選択される。例えば、残りの個体の中から、適応度に応じた確率で個体が選択される。
このような生存選択によって選択された2つの個体は、個体群61に含まれる個体のうち、親個体として取り出された2つの個体と入れ替えられる(ステップS16)。これにより、個体群61に含まれる個体が次世代の個体へ変更される。そして、適応度が所定の閾値以上となる個体が出現するまで、同様の処理が繰り返される。
ところで、上記の手順により生成される画像処理プログラムの用途の例としては、FA(Factory Automation)分野において、製品を撮像した画像に画像処理を施して所望の効果を得るという用途が考えられる。例えば、製品の外観を撮像した画像に画像処理を施して、欠陥が生じた箇所を抽出する、位置合わせを行う箇所を抽出するといった用途が考えられる。
このような用途では、被写体となる製品の変更や改良、それに伴う撮像環境の変化などに応じて、画像処理アルゴリズムの再構築の必要が生じる場合がある。このため、画像処理アルゴリズムの構築の容易性が求められている。また、照明条件の変化や被写体の形状、位置姿勢のバラツキ等の撮像環境の変化に対するロバスト性が高い画像処理アルゴリズムを構築することが求められている。
遺伝的プログラミングを利用することで、入力画像51とこれに対応する目標画像52とをあらかじめ用意しておくだけで、このような用途で使用可能な画像処理プログラムを容易に生成することができる。また、それぞれ撮像環境が異なる入力画像51と目標画像52のペア(学習データ50)を複数用意しておくことで、撮像環境の変化に対するロバスト性が高い画像処理アルゴリズムを自動生成することもできる。
しかしながら、遺伝的プログラミングによる画像処理プログラムの生成処理では、その処理時間が長いという問題がある。特に、選択し得る画像フィルタが多く用意されているほど、高品質な画像処理を実現できる可能性が高まる反面、学習が収束しにくくなり、処理時間が長くなる可能性が高まる。
処理時間が長くなる要因としては、要素フィルタの進化過程で画像フィルタがランダムに選択されることが考えられる。例えば、画像フィルタがランダムに選択されると、所望の画像処理を実現するために適切ではない画像フィルタが選択される可能性があり、その場合には進化後の個体に基づく適応度が低下する可能性がある。このような事態が多く発生すると、無駄な進化過程を多数回経ることになり、学習の進行が遅くなってしまう。
そこで、第2の実施の形態に係る画像処理装置では、上記のようなプログラム生成手順に対して、進化過程で、適応度の増加に貢献する可能性が高い画像フィルタが選択されやすくなるような処理手順が追加される。これにより、生成される画像処理プログラムによる画像処理の品質を維持しつつも、プログラム生成処理に要する時間を短縮する。また、選択可能な画像フィルタを多くした場合でも、プログラム生成処理に要する時間が増大する可能性を低減する。
以下、第2の実施の形態に係る画像処理装置の詳細について説明する。
図3は、画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。画像処理装置100は、例えば、図3に示すようなコンピュータとして実現される。
画像処理装置100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。またプロセッサ101は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
プロセッサ101には、バス109を介して、RAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
RAM102は、画像処理装置100の主記憶装置として使用される。RAM102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、プロセッサ101による処理に必要な各種データが格納される。
バス109に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、読み取り装置106、ネットワークインタフェース107および通信インタフェース108がある。
HDD103は、画像処理装置100の補助記憶装置として使用される。HDD103には、OSプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、SSD(Solid State Drive)などの他の種類の不揮発性記憶装置を使用することもできる。
グラフィック処理装置104には、表示装置104aが接続されている。グラフィック処理装置104は、プロセッサ101からの命令にしたがって、画像を表示装置104aの画面に表示させる。表示装置としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
入力インタフェース105には、入力装置105aが接続されている。入力インタフェース105は、入力装置105aから出力される信号をプロセッサ101に送信する。入力装置105aとしては、キーボードやポインティングデバイスなどがある。ポインティングデバイスとしては、マウス、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
読み取り装置106には、可搬型記録媒体106aが脱着される。読み取り装置106は、可搬型記録媒体106aに記録されたデータを読み取ってプロセッサ101に送信する。可搬型記録媒体106aとしては、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどがある。
ネットワークインタフェース107は、ネットワーク107aを介して他の装置との間でデータの送受信を行う。
通信インタフェース108は、接続された外部デバイスとの間でデータの送受信を行う。本実施の形態では、通信インタフェース108には、外部デバイスとしてカメラ108aが接続されており、通信インタフェース108は、カメラ108aから送信された画像データをプロセッサに送信する。
以上のようなハードウェア構成によって、画像処理装置100の処理機能を実現することができる。
図4は、画像処理装置が備える処理機能の構成例を示すブロック図である。画像処理装置100は、画像取得部111、学習処理部112、画像処理部113、プログラム記憶部130、フィルタセット記憶部140、学習データ記憶部150および適応度変化記憶部160を有する。
画像取得部111および学習処理部112の処理は、例えば、画像処理装置100のプロセッサ101が所定のプログラムを実行することで実現される。プログラム記憶部130、フィルタセット記憶部140および学習データ記憶部150は、例えば、画像処理装置100のHDD103の記憶領域として実現される。適応度変化記憶部160は、例えば、画像処理装置100のRAM102の記憶領域として実現される。
画像取得部111は、撮像された画像のデータをカメラ108aから取得し、学習処理部112または画像処理部113に出力する。
学習処理部112は、遺伝的プログラミングにより画像処理プログラムを生成し、生成された画像処理プログラムをプログラム記憶部130に保存する。
画像処理部113の処理は、プログラム記憶部130に保存された画像処理プログラムを、画像処理装置100のプロセッサ101が実行することで実現される。画像処理部113は、カメラ108aによって撮像された画像のデータを画像取得部111を介して取得し、取得した画像のデータに対して画像処理を施す。処理後の画像は、例えば表示装置104aに表示される。
フィルタセット記憶部140は、学習処理部112によって選択可能な画像フィルタのプログラムを、複数記憶する。また、フィルタセット記憶部140は、各画像フィルタに対応付けた選択確率を記憶する。
学習データ記憶部150は、それぞれ入力画像および目標画像の各データを含む学習データを、1つ以上記憶する。学習データに含まれる入力画像は、例えば、画像処理装置100に接続されたカメラ108aによって撮像された画像であってもよい。
適応度変化記憶部160には、後述する適応度変化テーブルが記憶される。適応度変化テーブルは、図1に示した増減情報2aの一例であり、進化過程における親個体と子個体との間で数が変化した部分プログラムと、親個体および子個体のそれぞれを基に算出された適応度の差分とを示す情報を保持する。
学習処理部112は、学習制御部121、画像処理部122、適応度算出部123、適応度変化登録部124および選択確率設定部125を有する。なお、学習制御部121、画像処理部122および適応度算出部123は、図1に示した生成処理部1aの一例である。また、適応度変化登録部124は、図1に示した情報記録部1bの一例であり、選択確率設定部125は、図1に示した確率設定部1cの一例である。
学習制御部121は、学習処理部112でのプログラム生成処理を統合的に制御する。
画像処理部122は、プログラム生成処理の過程で生成された個体に基づく画像処理を、学習データ記憶部150に記憶された入力画像に対して施す。
適応度算出部123は、画像処理部122による入力画像に対する処理が実行されたとき、処理後の画像と、学習データ記憶部150に記憶された対応する目標画像とを比較して、適応度を算出する。
適応度変化登録部124は、進化過程における親個体と子個体との間で数が変化した部分プログラムと、親個体および子個体のそれぞれを基に算出された適応度の差分とを判定する。適応度変化登録部124は、それらの判定結果に基づく情報を適応度変化記憶部160に登録する。
選択確率設定部125は、所定期間において適応度変化記憶部160に登録された情報に基づいて、フィルタセット記憶部140に登録された画像フィルタごとに選択確率を算出する。選択確率設定部125は、算出した選択確率を画像フィルタに対応付けてフィルタセット記憶部140に設定する。
図5は、フィルタセットデータベースに登録される情報の例を示す図である。フィルタセットデータベース(DB)141は、図1に示した設定情報2bの一例であり、図4のフィルタセット記憶部140に記憶される。
フィルタセットデータベース141には、画像処理プログラムに組み込むことが可能な画像フィルタごとに、レコードが登録されている。各レコードには、対応する画像フィルタのプログラムコードと、選択確率とが登録される。選択確率の欄には、初期状態では、全画像フィルタに対して同じ値(例えば、数値“1”を登録された画像フィルタの数で除算した値)が設定される。
次に、適応度変化記憶部160に登録される適応度変化テーブルについて、2つの例を示す。
図6は、適応度変化テーブルの第1の例を示す図である。図6に示す適応度変化テーブル151には、進化過程の前後で、個体に含まれる数が減少した画像フィルタと増加した画像フィルタとのペアごとに、レコードが登録されている。例えば、図6において、“F1−>F2”に対応するレコードは、進化過程の前後で画像フィルタF1の数が減少し、画像フィルタF2の数が増加したことを示す。このようなケースとしては、例えば、親個体に含まれていた画像フィルタF1が、子個体において画像フィルタF2に入れ替えられるケースなどが考えられる。
また、各レコードには、進化後の子個体を基に算出された適応度から、進化前の親個体を基に算出された適応度を減算した値に基づいて算出される適応度変化が記録される。適応度変化の値としては、例えば、上記の減算値がそのまま記録されてもよいし、あるいは、後述するように、上記の増減値を、進化の過程での画像フィルタの増減数によって規格化した値が記録されてもよい。また、適応度変化の値は、例えば、進化過程の処理が実行されるたびに、対応するレコードに記録される。
図7は、適応度変化テーブルの第2の例を示す図である。図7に示す適応度変化テーブル152には、図6の例とは異なり、画像フィルタごとにレコードが登録され、各レコードに適応度変化が記録される。適応度変化の値は、例えば、対応する画像フィルタの数が進化後に増加した場合に、対応するレコードに登録される。また、適応度変化の値は、さらに、対応する画像フィルタの数が進化後に減少した場合にも、対応するレコードに登録されてもよい。
次に、上記の適応度変化テーブル151,152のいずれかを用いた、適応度変化登録部124による適応度変化の登録処理例について説明する。まず、図8,図9を用いて、進化の前後で画像フィルタが入れ替わる場合での適応度変化の登録処理例について説明する。
図8は、適応度変化の第1の登録処理例を示す図である。図8において、親個体71aは、画像フィルタF1,F3,F5を含み、親個体71bは、画像フィルタF2,F3,F4,F6を含む。そして、親個体71aと親個体71bとの間で交叉が行われることで、親個体71a,71bに対応する子個体(図示せず)がそれぞれ生成されるものとする。図8では例として、親個体71aに含まれる画像フィルタF3と、親個体71bに含まれる画像フィルタF4との間で交叉が行われるものとする。
また、親個体71aに基づいて算出された適応度の値が“0.5”であり、親個体71aに対応する子個体に基づいて算出された適応度の値が“0.7”であったとする。さらに、親個体71bに基づいて算出された適応度の値が“0.6”であり、親個体71bに対応する子個体に基づいて算出された適応度の値が“0.3”であったとする。
この図8のケースでは、親個体71aの進化の前後では、画像フィルタF3が1つ減少し、画像フィルタF4が1つ増加し、適応度が“0.2”だけ増加する。そこで、適応度変化登録部124は、例えば、図6の適応度変化テーブル151における“F3−>F4”に対応するレコードに、適応度変化の値として“0.2”を登録する。
また、図8のケースでは、親個体71bの進化の前後では、画像フィルタF4が1つ減少し、画像フィルタF3が1つ増加し、適応度が“0.3”だけ減少する。そこで、適応度変化登録部124は、例えば、図6の適応度変化テーブル151における“F4−>F3”に対応するレコードに、適応度変化の値として“−0.3”を登録する。
図9は、適応度変化の第2の登録処理例を示す図である。図9において、親個体72は、画像フィルタF1,F3,F5を含む。そして、親個体72に対して突然変異が行われることで、親個体72に対応する子個体(図示せず)が生成されるものとする。図9では例として、親個体72に含まれる画像フィルタF1が、突然変異により画像フィルタF2に置き換えられるものとする。また、親個体72に基づいて算出された適応度の値が“0.4”であり、親個体72に対応する子個体に基づいて算出された適応度の値が“0.5”であったとする。
この図9のケースでは、親個体72の進化の前後では、画像フィルタF1が1つ減少し、画像フィルタF2が1つ増加し、適応度が“0.1”だけ増加する。そこで、適応度変化登録部124は、例えば、図6の適応度変化テーブル151における“F1−>F2”に対応するレコードに、適応度変化の値として“0.1”を登録する。
なお、図7の適応度変化テーブル152が用いられる場合、図7,図8のケースでは、例えば、次のような登録処理が行われる。まず、一例として、進化前後で数が増加した画像フィルタについてのみ適応度変化が登録されるものとする。図8のケースでは、適応度変化登録部124は、画像フィルタ“F4”に対応するレコードに、適応度変化の値として“0.2”を登録し、画像フィルタ“F3”に対応するレコードに、適応度変化の値として“−0.3”を登録する。また、図9のケースでは、適応度変化登録部124は、画像フィルタ“F2”に対応するレコードに、適応度変化の値として“0.1”を登録する。
これに加えて、進化前後で数が減少した画像フィルタについても適応度変化が登録されてもよい。この場合、進化前後で数が減少した画像フィルタは、進化前後での適応度の変化に対する貢献度が低いと考えられることから、適応度変化の値としては、例えば、進化前後での適応度の変化量の正負を逆転した値が登録される。図8のケースでは、例えば、適応度変化登録部124はさらに、画像フィルタ“F3”に対応するレコードに、適応度変化の値として“−0.2”を登録し、画像フィルタ“F4”に対応するレコードに、適応度変化の値として“0.3”を登録する。また、図9のケースでは、例えば、適応度変化登録部124はさらに、画像フィルタ“F1”に対応するレコードに、適応度変化の値として“−0.1”を登録する。
以上の図8,図9の例は、進化の前後で画像フィルタが1つずつ入れ替わるという単純なケースであった。しかしながら、実際の進化過程では、例えば交叉により、進化の前後で2以上の画像フィルタが増加または減少する場合があり得る。例えば、進化の前後で画像フィルタが2つ増加し、適応度が“0.2”だけ増加した場合、増加した2つの画像フィルタは、適応度が“0.2”だけ増加することに対してそれぞれ1/2の割合で貢献したと推定することができる。適応度変化登録部124は、進化の前後での画像フィルタの増減数を加味して適応度変化の値を算出してもよい。
以下の説明では、まず、図10に進化過程での画像フィルタの増減の例を示し、図10の例を用いた場合の適応度変化の登録処理例について、図11,図12を用いて説明する。
図10は、進化過程での画像フィルタの増減の例を示す図である。図10の表81は、個体の進化前後での構成および適応度の変化の例を示す。表81の例では、親個体は、3つの画像フィルタF1と、2つの画像フィルタF2と、2つの画像フィルタF3と、3つの画像フィルタF4とを含む。また、この親個体の進化により生成された子個体は、2つの画像フィルタF1と、3つの画像フィルタF2と、2つの画像フィルタF3と、1つの画像フィルタF4と、3つの画像フィルタF5とを含む。また、親個体に基づいて算出された適応度は“0.5”であり、子個体に基づいて算出された適応度は“0.7”であるとする。
適応度変化登録部124は、進化過程で表81のような個体の構成変化があった場合に、進化前後での個体内の画像フィルタの数の差分を抽出する。表81に基づく差分は、図10の表82に示すように抽出される。すなわち、進化の前後で、画像フィルタF1は1つ減少し、画像フィルタF2は1つ増加し、画像フィルタF4は2つ減少し、画像フィルタF5は3つ増加している。また、画像フィルタF3の増減数は“0”である。
図11は、適応度変化の第3の登録処理例を示す図である。この図11では、図7の適応度変化テーブル152に対して適応度変化を登録する場合を想定する。
図11(A)は、進化前後で増加した画像フィルタだけに注目した場合の例を示す。図10の表82に示したように、進化により画像フィルタF2は1つ増加し、画像フィルタF5は3つ増加している。そこで、適応度変化登録部124は、適応度変化テーブル152のレコードのうち、画像フィルタF2,F5にそれぞれ対応するレコードに、適応度変化を登録する。図11(A)の例では、適応度変化登録部124は、画像フィルタF2,F5にそれぞれ対応するレコードに、進化前後での適応度の増加量“0.2”をそのまま登録している。
図11(B)は、図11(A)の例に加えて、進化前後で減少した画像フィルタにも注目した場合の例を示す。図10の表82に示したように、進化により画像フィルタF1は1つ減少し、画像フィルタF4は2つ減少している。そこで、適応度変化登録部124は、適応度変化テーブル152のレコードのうち、画像フィルタF1,F4にそれぞれ対応するレコードにも、適応度変化を登録する。図11(B)の例では、適応度変化登録部124は、画像フィルタF1,F4にそれぞれ対応するレコードに、進化前後での適応度の増加量の正負を逆転した値“−0.2”を登録している。
図11(C)は、進化前後での画像フィルタの増減数に基づいて適応度変化を規格化した場合の例を示す。なお、図11(C)の例では、図11(B)と同様に、進化前後で増加した画像フィルタだけでなく、減少した画像フィルタに対応するレコードも適応度変化の登録対象とされている。
適応度変化登録部124は、例えば、進化前後で数が増加した画像フィルタに対応する適応度変化を、次の式(1)にしたがって算出する。
“適応度変化”=“適応度の増加量”/(“増加した画像フィルタの種類の数”ד該当画像フィルタの増加数”) ・・・(1)
例えば、画像フィルタF2に対応する適応度変化は、(0.7−0.5)/(2×1)=0.1と算出される。
また、適応度変化登録部124は、例えば、進化前後で数が減少した画像フィルタに対応する適応度変化を、次の式(2)にしたがって算出する。
“適応度変化”=(−1)ד適応度の増加量”/(“減少した画像フィルタの種類の数”ד該当画像フィルタの減少数”) ・・・(2)
例えば、画像フィルタF1に対応する適応度変化は、(−1)×(0.7−0.5)/(2×1)=−0.1と算出される。
この図11(C)の例のように、進化前後での画像フィルタの増減数に基づいて適応度変化を規格化することで、図11(A),(B)の例と比較して、進化による適応度の変化量に対する各画像フィルタの影響度合いを、登録する適応度に正確に反映させることができる。その結果、画像フィルタごとの選択確率に対して、適応度の増加に対する貢献度を正確に反映できるようになり、プログラム生成処理に要する時間を短縮できる可能性を高めることができる。
図12は、適応度変化の第4の登録処理例を示す図である。この図12では、図6の適応度変化テーブル151に対して適応度変化を登録する場合を想定する。
図12(A)〜(C)に示す各表においては、縦方向に並列する画像フィルタは、進化前後で数が減少した画像フィルタを示し、横方向に並列する画像フィルタは、進化前後で数が増加した画像フィルタを示す。また、図12(A)〜(C)における左側の表は、画像フィルタの増加数または増減数を示し、右側の表は、適応度変化を示す。
右側の表においては、縦方向に並列した画像フィルタと、横方向に並列した画像フィルタとの組み合わせにより、適応度変化テーブル151における1つのレコードが示される。例えば、縦方向における画像フィルタF1と、横方向における画像フィルタF2との組み合わせは、適応度変化テーブル151における“F1−>F2”に対応するレコード(すなわち、画像フィルタF1の数が減少し、画像フィルタF2の数が増加したことに対応するレコード)を示す。
図12(A)は、数が減少した画像フィルタと数が増加した画像フィルタとの組み合わせに対応するレコードに適応度変化を登録する場合の例を示す。図10の表82に示したように、進化により画像フィルタF2,F5が増加し、画像フィルタF1,F4が減少している。そこで、適応度変化登録部124は、適応度変化テーブル151のレコードのうち、“F1−>F2”,“F4−>F2”,“F1−>F5”,“F4−>F5”にそれぞれ対応するレコードに、適応度変化を登録する。
この図12(A)の例では、その左側の表に示すように、画像フィルタの増加数を考慮せず、増加数を一律に“1”とし、適応度変化に対して画像フィルタの増減数を反映させないものとする。この場合、適応度変化登録部124は、図12(A)の右側の表に示すように、“F1−>F2”,“F4−>F2”,“F1−>F5”,“F4−>F5”にそれぞれ対応するレコードに、進化前後での適応度の増加量“0.2”をそのまま登録する。
図12(B)は、図12(A)の例に加えて、数が増加した画像フィルタと数が減少した画像フィルタとの組み合わせに対応するレコードにも、適応度変化を登録する場合の例を示す。適応度変化登録部124は、適応度変化テーブル151のレコードのうち、“F2−>F1”,“F2−>F4”,“F5−>F1”,“F5−>F4”にそれぞれ対応するレコードに、負の値の適応度変化を登録する。
図12(B)の例では、図12(A)と同様、その左側の表に示すように、画像フィルタの減少数を考慮せず、減少数を一律に“1”とし、適応度変化に対して画像フィルタの増減数を反映させないものとする。この場合、適応度変化登録部124は、図12(B)の右側の表に示すように、“F2−>F1”,“F2−>F4”,“F5−>F1”,“F5−>F4”にそれぞれ対応するレコードに、進化前後での適応度の増加量の正負を逆転した値“−0.2”を登録する。
図12(C)の例は、図12(A)の例を、画像フィルタの増減数に応じて適応度変化を規格化するように変形したものである。適応度変化登録部124は、まず、画像フィルタの増加数を、減少した画像フィルタの数を用いて規格化する。
例えば、画像フィルタF2,F5の増加数はそれぞれ“1”,“3”であり、画像フィルタF1,F4の減少数はそれぞれ“1”,“2”である。そこで、適応度変化登録部124は、“F1−>F2”,“F4−>F2”の各レコードに対応するフィルタ増加数が、画像フィルタF2の増加数“1”を基準にして、画像フィルタF,F4の減少数の比に一致するように、各レコードに対応するフィルタ増加数を計算する。これにより、図12(C)の左側の表に示すように、“F1−>F2”,“F4−>F2”の各レコードに対応するフィルタ増加数は、“1”,“0.5”と算出される。
同様に、適応度変化登録部124は、“F1−>F5”,“F4−>F5”の各レコードに対応するフィルタ増加数が、画像フィルタF5の増加数“3”を基準にして、画像フィルタF,F4の減少数の比に一致するように、各レコードに対応するフィルタ増加数を計算する。これにより、図12(C)の左側の表に示すように、“F1−>F5”,“F4−>F5”の各レコードに対応するフィルタ増加数は、“3”,“1.5”と算出される。
次に、適応度変化登録部124は、各レコードに対応するフィルタ増加数に基づいて、各レコードに対応する適応度変化を算出する。例えば、適応度変化登録部124は、適応度の増加量“0.2”を、上記処理によって算出されたフィルタ増加数を用いて規格化する。
適応度変化登録部124は、例えば、レコードに登録する適応度変化を、式(1)を変形した次の式(3)にしたがって算出する。
“適応度変化”=“適応度の増加量”/(“増減したフィルタの種類の数”ד該当レコードのフィルタ増加数”) ・・・(3)
例えば、図12(C)の右側の表に示すように、“F1−>F2”に対応するレコードに登録される適応度変化は、(0.7−0.5)/(4×1)=0.5と算出される。
この図12(C)の例のように、進化前後での画像フィルタの増減数に基づいて適応度変化を規格化することで、図12(A)の例と比較して、進化による適応度の変化量に対する各画像フィルタの影響度合いを、登録する適応度に正確に反映させることができる。その結果、画像フィルタごとの選択確率に対して、適応度の増加に対する貢献度を正確に反映できるようになり、プログラム生成処理に要する時間を短縮できる可能性を高めることができる。
なお、上記の図11および図12(C)では、進化前後で増減していない画像フィルタに対応する項目に値“0”が記載されている。実際の登録処理では、進化前後で増減していない画像フィルタに対応する、適応度変化テーブルのレコードには、適応度変化として値“0”が登録されてもよいし、あるいは何も登録されなくてもよい。
次に、図13,図14を用いて、選択確率設定部125による選択確率の設定処理の例について説明する。選択確率設定部125は、所定期間において適応度変化記憶部160に登録された適応度変化に基づいて、画像フィルタごとに有効度を算出する。有効度は、対応する画像フィルタが、適応度の増加に対してどの程度有効か(貢献するか)を示す度合いの推定値である。選択確率設定部125は、算出した有効度に基づいて画像フィルタごとの選択確率を算出し、算出した選択確率を画像フィルタに対応付けてフィルタセットデータベース141に設定する。
図13は、適応度変化の累積ヒストグラムの例を示す。この図13を用いて、適応度変化の累積ヒストグラムを用いて有効度を算出する処理例について説明する。なお、図13では、図6の適応度変化テーブル151に登録された適応度変化を利用する場合を想定する。また、進化過程で算出される適応度の値は、“0”から“1”までの値をとるものとする。
図13(A)に示す第1の例は、適応度変化テーブル151における“F1−>F2”に対応するレコードに登録された適応度変化の累積ヒストグラムの例を示す。図13(A)の例では、適応度変化の値が正の領域に累積ヒストグラムのピークが存在しており、そのピークに対応する度数が所定の閾値Th1以上となっている。
この場合、画像フィルタF2は、適応度を増加させることに貢献すると推定され、ピーク位置の値がその貢献度を表すと考えられる。そこで、選択確率設定部125は、累積ヒストグラムのピーク位置の値(図13(A)の例では“0.5”)を、画像フィルタF2の有効度として算出する。あるいは、選択確率設定部125は、累積ヒストグラムの平均値を、画像フィルタF2の有効度として算出してもよい。
実際には、適応度変化テーブル151には、進化後に数が増加した画像フィルタとして画像フィルタF2が設定されたレコードが、複数存在する。例えば、画像フィルタがn個存在する場合、適応度変化テーブル151には、“F1−>F2”,“F3−>F2”,・・・,“Fn−>F2”にそれぞれ対応する(n−1)個のレコードが存在する。選択確率設定部125は、これらの(n−1)個のレコードのそれぞれから累積ヒストグラムのピーク位置の値を判別し、判別された各値の平均値を、画像フィルタF2の有効度として算出する。
このような手順で各画像フィルタの有効度が算出されると、選択確率設定部125は、算出された有効度に基づいて、画像フィルタごとの選択確率を算出する。ここで、n個の画像フィルタをランダムに(すなわち、同じ選択確率で)選択した場合、各画像フィルタの選択確率は“1/n”となる。そこで、選択確率の算出方法としては、例えば、画像フィルタの有効度が全画像フィルタの有効度の平均値より高い場合には、その画像フィルタの選択確率を“1/n”より高くし、画像フィルタの有効度が全画像フィルタの有効度の平均値より低い場合には、その画像フィルタの選択確率を“1/n”より低くする方法を用いることができる。例えば、画像フィルタの選択確率は、次の式(4)にしたがって算出される。
“選択確率”=(1/n)+(“該当画像フィルタの有効度”−“全画像フィルタの有効度の平均値”)×0.5 ・・・(4)
次に、図13(B)に示す第2の例は、適応度変化テーブル151における“F2−>F1”に対応するレコードに登録された適応度変化の累積ヒストグラムの例を示す。図13(B)の例では、累積ヒストグラムのピーク値が閾値Th1以上であるが、そのピーク位置が負の位置となっている。
この場合でも、選択確率設定部125は、累積ヒストグラムのピーク位置の値を、画像フィルタF1の有効度として算出してもよい。ただし、有効度の値が低い場合、数が増加した画像フィルタF1は、適応度を増加させることに対して貢献していない可能性が高い。
そこで、選択確率設定部125は、有効度の値が所定値(例えば“0”)以下である場合、該当画像フィルタの選択確率を所定の最低値に設定してもよい。これにより、その後の進化過程において、適応度の増加に貢献しない画像フィルタが新たに選択される確率が低くなり、算出される適応度の収束が促進されるようになる。
あるいは、選択確率設定部125は、該当画像フィルタを、進化過程での選択対象から除外してもよい。また、選択対象から除外するために、該当画像フィルタに対応する選択確率として“0”が設定されてもよい。このように、進化過程において、適応度の増加に貢献しない画像フィルタが新たに選択されないようにすることで、適応度が収束する速度が向上する可能性が高まる。
さらに、図13(C)に示す第の例は、適応度変化テーブル151における“F3−>F4”に対応するレコードに登録された適応度変化の累積ヒストグラムの例を示す。図13(C)の例では、登録された適応度変化の分布が分散しており、累積ヒストグラムのピーク値が閾値Th1に達していない。この場合、画像フィルタF4は、適応度を増加させることに対して大きく貢献してはいないと推定される。そこで、選択確率設定部125は、例えば、画像フィルタF4に対応する有効度を、所定の最低値(例えば“−1”)とし、この画像フィルタF4の選択確率が低い値になるようにする。
なお、図13では、図6の適応度変化テーブル151に基づく累積ヒストグラムを利用する場合を想定したが、図7の適応度変化テーブル152に基づく累積ヒストグラムを利用してもよい。
図14は、選択確率の他の設定処理例を示す図である。この図14でも、図6の適応度変化テーブル151に登録された適応度変化を利用する場合を想定する。
図14の表において、縦方向に並列する画像フィルタは、進化前後で数が減少した画像フィルタFm(m=1〜5)を示し、横方向に並列する画像フィルタは、進化前後で数が増加した画像フィルタFn(n=1〜5)を示す。また、縦方向に並列した画像フィルタFmと、横方向に並列した画像フィルタFnとの組み合わせにより、適応度変化テーブル151における1つのレコードが特定される。図14では、1つの画像フィルタFmと1つの画像フィルタFnとに対応付けられた欄には、該当レコードに登録された適応度変化の平均値が設定されている。
選択確率設定部125は、例えば、このような適応度変化の平均値を、画像フィルタFnごとに平均することで、その画像フィルタFnに対応する有効度を算出する。例えば、画像フィルタF1に対応する有効度は、“(−0.40−0.20−0.10−0.20)/4=−0.225”と算出される。そして、選択確率設定部125は、前述した式(4)にしたがって、画像フィルタFnそれぞれに対応する選択確率を算出する。
なお、図14の例では、画像フィルタF1,F4の各有効度が“0”以下の値となっている。選択確率設定部125は、例えば、有効度が所定の閾値(例えば“0”)以下である画像フィルタについては、選択確率を“0”とし、その画像フィルタが進化過程での選択対象から除外されるようにしてもよい。
次に、第2の実施の形態におけるプログラム生成処理手順について、フローチャートを用いて説明する。図15は、プログラム生成処理手順の例を示すフローチャートである。
[ステップS21]学習制御部121は、学習データの設定のための入力操作を受け付ける。例えば、学習データ記憶部150に記憶された学習データの中から、本処理で使用される学習データが指定される。
[ステップS22]学習制御部121は、フィルタセットの設定のための入力操作を受け付ける。例えば、フィルタセットデータベース141に登録された画像フィルタの中から、本処理で使用される画像フィルタが指定される。
[ステップS23]学習制御部121は、所定数の個体を含む個体群を生成する。各個体は、ステップS22で指定された画像フィルタをランダムに選択して組み合わせることで生成される。なお、生成される個体群は、図2に示した個体群61に相当するので、これ以後、“個体群61”と表記する。
[ステップS24]学習制御部121は、個体群61に含まれる個体の中から、2つの親個体をランダムに選択する。
[ステップS25]学習制御部121は、選択された2つの親個体の間で交叉を行うことで、2つ以上の所定数の子個体を生成する。
[ステップS26]学習制御部121は、生成された子個体に突然変異を発生させ、子個体に含まれる画像フィルタを、ステップS22で指定された他の画像フィルタのいずれかに置き換える。このとき、学習制御部121は、フィルタセットデータベース141において画像フィルタに対応付けられた選択確率に基づいて、置き換え後の画像フィルタを選択する。すなわち、設定された選択確率が高い画像フィルタほど、突然変異によって子個体に新たに組み込まれる可能性が高くなるような選択処理が行われる。
[ステップS27]ステップS24で選択された各親個体、および、ステップS26,S27の処理によって得られた各子個体について、適応度が算出される。この処理では、算出対象の各個体について次のような処理が行われる。
画像処理部122は、ステップS21で指定された学習データを1つ選択し、選択した学習データに含まれる入力画像に対して、算出対象の個体の処理を適用する。適応度算出部123は、個体の処理によって得られた画像と、選択した学習データに含まれる目標画像との間の一致度を計算することで、適応度を算出する。画像処理部122および適応度算出部123は、以上の処理を、ステップS21で指定された学習データのすべてについて実行する。適応度算出部123は、算出されたすべての適応度の平均値を算出し、この平均値を、算出対象の個体の適応度として出力する。
[ステップS28]学習制御部121は、ステップS27で算出された各個体の適応度のうちの最大値が、所定の閾値より大きいかを判定する。適応度の最大値が閾値より大きい場合、ステップS29の処理が実行される。一方、適応度の最大値が閾値以下である場合、ステップS30の処理が実行される。
[ステップS29]学習制御部121は、ステップS27で適応度が算出された個体のうち、適応度が最大の個体を選択する。学習制御部121は、選択した個体が示す画像処理プログラムをプログラム記憶部130に格納し、プログラム生成処理を終了する。
[ステップS30]適応度変化登録部124は、ステップS25,S26の処理によって得られた各子個体と、子個体に対応する元の親個体とを対応付けることで、親子の個体のペアを複数生成する。適応度変化登録部124は、生成した個体ペアのそれぞれについて、適応度の増減を算出する。適応度の増減は、子個体の適応度から親個体の適応度を減算した値として算出される。
[ステップS31]適応度変化登録部124は、生成した個体ペアのそれぞれについて、フィルタ構造の差分を抽出する。この処理では、適応度変化登録部124は、親子の個体間で数が減少した画像フィルタとその減少数、および、数が増加した画像フィルタとその増加数を判別する。
[ステップS32]適応度変化登録部124は、ステップS30で算出された適応度の増減と、ステップS31で抽出されたフィルタ構造の差分の情報とに基づいて、画像フィルタごとの適応度変化を算出し、適応度変化記憶部160に登録する。
適応度変化の算出方法については、図8〜図12において説明した通りである。また、図6の適応度変化テーブル151が用いられる場合、適応度変化の値は、数が減少した画像フィルタと数が増加した画像フィルタとの組み合わせごとに設けられたレコードに登録される。一方、図7の適応度変化テーブル152が用いられる場合、適応度変化の値は、画像フィルタごとに設けられたレコードに登録される。
[ステップS33]学習制御部121は、ステップS24で選択された各親個体、および、ステップS26,S27の処理によって得られた各子個体のうち、適応度が最大の個体を、生存させる個体として選択する。さらに、学習制御部121は、残りの個体の中から、生存させる個体をさらに1つ選択する。この選択処理では、例えば、算出された適応度に応じた確率で個体が選択される。
学習制御部121は、個体群62の個体のうち、ステップS24で選択された2つの個体を、生存させる個体として選択された2つの個体に入れ替える。これによって、個体群62の世代が更新される。
[ステップS34]学習制御部121は、所定期間が経過したかを判定する。所定期間が経過した場合、ステップS35の処理が実行される。一方、所定期間が経過していない場合、ステップS24の処理が実行される。なお、ステップS34の実行後、所定期間をカウントするカウント値がリセットされる。
このステップS34の処理では、例えば、ステップS24〜S33までの処理が所定回数繰り返されたとき(すなわち、所定世代数分の進化処理が実行されたとき)に、所定期間が経過したと判定される。あるいは、適応度変化記憶部160に蓄積された適応度変化のデータ数が所定数に達したときに、所定期間が経過したと判定されてもよい。
[ステップS35]選択確率設定部125は、ステップS34で判定された所定期間の間に適応度変化記憶部160に登録された適応度変化の値に基づいて、各画像フィルタの有効度を算出する。有効度の算出方法については、図13,図14で説明した通りである。
[ステップS36]選択確率設定部125は、ステップS35で算出された有効度に基づいて、各画像フィルタの選択確率を算出する。選択確率は、例えば、前述した式(4)にしたがって算出される。また、選択確率設定部125は、有効度が所定の閾値以下の画像フィルタについて、選択確率を“0”としてもよい。選択確率が“0”とされた画像フィルタは、その後のステップS26の処理における選択対象から除外される。
選択確率設定部125は、算出された選択確率をフィルタセットデータベース141に設定する。このとき、フィルタセットデータベース141に登録された選択確率の値は、新たに算出された選択確率の値によって更新される。
以上説明した第2の実施の形態では、画像処理装置100は、進化前後の個体間の適応度の変化およびフィルタ構造の変化を示す情報を蓄積し、蓄積した情報を基に、適応度の増加に対する有効度を画像フィルタごとに算出する。そして、算出した有効度に応じた選択確率を各画像フィルタに設定し、その後の進化過程における突然変異の際に、子個体に組み込む画像フィルタを、設定された選択確率にしたがって選択する。これにより、進化過程において、適応度の増加に貢献する画像フィルタほど子個体に組み込まれる可能性が高くなり、その結果、算出される適応度が増加する可能性が高まり、適応度が高い値に収束されやすくなる。したがって、画像処理プログラムの生成処理に要する時間が短縮される可能性を高くすることができる。
また、選択可能な画像フィルタの数を多くした場合や、参照される学習データの数を多くした場合でも、プログラム生成処理に要する時間が増大する可能性を低減することができる。その結果、品質の高い画像処理プログラムを短時間で生成できる可能性を高くすることができる。
〔第3の実施の形態〕
ところで、第2の実施の形態のように、適応度の増加に貢献すると推定される画像フィルタの選択確率を高めた場合には、学習速度が加速される一方、局所的な解探索に陥る可能性も高くなる。局所的な解探索に陥るとは、本来の最適解とは異なる局所解に収束していくことを言う。このような場合には、画像フィルタの選択をランダムな選択に戻し、解の探索範囲を拡大して大局的な解探索が行われるようにする方がよいと考えられる。
そこで、第3の実施の形態に係る画像処理装置には、第2の実施の形態に係る画像処理装置100に対して、進化過程において、フィルタセットデータベース141に設定された選択確率にしたがって画像フィルタを選択する選択モードと、画像フィルタをランダムに選択する選択モードとを切り替える機能がさらに設けられる。そして、第3の実施の形態に係る画像処理装置は、進化過程での親子間の適応度の推移の傾向を判定し、その判定結果に応じて選択モードを切り替える。
以下、フィルタセットデータベース141に設定された選択確率にしたがって画像フィルタを選択する選択モードを「非ランダム選択モード」と呼び、画像フィルタをランダムに選択する選択モードを「ランダム選択モード」と呼ぶ。
図16は、第3の実施の形態に係る画像処理装置の処理機能の構成例を示すブロック図である。この図16では、図4と同じ構成要素には同じ符号を付して示しており、その説明を省略する。
図16に示す画像処理装置100aは、図4の画像処理装置100の処理機能のうち、学習処理部112を学習処理部112aに置き換え、さらにモード記憶部170aを設けることで実現される。モード記憶部170aには、現在、ランダム選択モードと非ランダム選択モードのどちらが設定されているかを示す情報が記憶される。
学習処理部112aは、図4の学習制御部121の代わりに学習制御部121aを有する。学習制御部121aの処理は、基本的には図4の学習制御部121と同じであるが、突然変異の際に、モード記憶部170aに設定された選択モードにしたがって画像フィルタを選択する点が、学習制御部121と異なる。
さらに、学習処理部112aは、図4の学習処理部112が備える画像処理部122、適応度算出部123、適応度変化登録部124および選択確率設定部125に加えて、モード設定部126aを有する。モード設定部126aは、進化過程での親子間の適応度の推移の傾向を判定し、その判定結果に応じて選択モードを切り替え、切り替え後の選択モードをモード記憶部170aに設定する。
図17は、選択モードの設定処理について示す図である。この図17に示すグラフは、進化過程で算出された適応度の最大値(最大適応度)の推移を示す。
図17における点線の折れ線L1は、非ランダム選択モードのままでプログラム生成処理が行われた場合の最大適応度の推移を示す。この折れ線L1に示すように、非ランダム選択モードに設定されていても、最大適応度は増加し続けるとは限らず、例えば図17におけるタイミングT1からタイミングT2までの期間のように、その増加率が停滞することもあり得る。最大適応度の増加率が停滞する原因として、上記のように、局所的な解探索に陥っていることが考えられる。この場合、選択モードをランダム選択モードに切り替えて、より大局的な解探索が行われるようにすることで、最大適応度の増加が促進する可能性が高い。
そこで、モード設定部126aは、直近の所定世代数の処理のそれぞれにおいて算出された適応度の最大値に基づいて、最大適応度の増加率を算出する。そして、最大適応度の増加率が所定の閾値(ただし、閾値は“0”より大きい)以上の場合には、非ランダムモードに設定し、増加率が閾値未満の場合には、ランダムモードに設定する。これにより、図17における太線の折れ線L2に示すように、最大適応度の増加率が停滞する期間が短くなる可能性が高くなり、最大適応度が所定の目標値に達するまでの時間を短縮できる可能性が高まる。
図18は、第3の実施の形態におけるプログラム生成処理手順の例を示すフローチャートである。この図18では、図15と同じ処理が行われる処理ステップには同じステップ番号を付して示し、その処理内容の説明を省略する。なお、これらの処理ステップにおいて、図15で学習制御部121によって実行されていた処理は、図18では学習制御部121aによって実行される。
図18においては、図15におけるステップS26の代わりにステップS26aが実行される。また、図15におけるステップS33とステップS34との間にステップS41が実行される。
[ステップS26a]学習制御部121aは、生成された子個体に突然変異を発生させ、子個体に含まれる画像フィルタを、ステップS22で指定された他の画像フィルタに置き換える。このとき、学習制御部121aは、モード記憶部170aを参照して現在の選択モードを判別する。現在の選択モードがランダムモードである場合、学習制御部121aは、置き換え後の画像フィルタをランダムに選択する。一方、現在の選択モードが非ランダムモードである場合、学習制御部121aは、フィルタセットデータベース141において画像フィルタに対応付けられた選択確率に基づいて、置き換え後の画像フィルタを選択する。
[ステップS41]モード設定部126aは、選択モードを設定する。この処理については、次の図19を用いて説明する。
図19は、選択モード設定処理手順の例を示すフローチャートである。
[ステップS51]モード設定部126aは、現世代の処理(すなわち、直近のステップS27の処理)で算出された適応度のうちの最大値と、所定世代数だけ前の処理で算出された適応度のうちの最大値とを収集する。これらの最大適応度は、例えば、算出された適応度を記憶したログ(図示せず)や、適応度変化記憶部160の情報などから収集することができる。
[ステップS52]モード設定部126aは、抽出した最大適応度の増加率を計算する。増加率は、例えば、現世代の処理での最大適応度から、以前の世代の処理での最大適応度を減算し、その減算結果を世代数の差(すなわち、その世代から現世代までのステップS27の繰り返し数)で除算することで算出される。
[ステップS53]モード設定部126aは、算出された増加率と、“0”より大きい所定の閾値とを比較する。増加率が閾値以下である場合にはステップS54の処理が実行され、増加率が閾値を超えている場合にはステップS55の処理が実行される。
[ステップS54]モード設定部126aは、モード記憶部170aに設定された選択モードをランダム選択モードに更新する。
[ステップS55]モード設定部126aは、モード記憶部170aに設定された選択モードを非ランダム選択モードに更新する。
以上説明した第3の実施の形態では、画像処理装置100aは、適応度が順調に増加していると判断される場合には、突然変異の際に画像フィルタを、各画像フィルタに設定された選択確率に応じて選択する。一方、画像処理装置100aは、適応度の増加が停滞していると判断される場合には、突然変異の際に画像フィルタをランダムに選択する。これにより、算出される最大適応度が増加する可能性が高まり、適応度が高い値に収束されやすくなる。その結果、画像処理プログラムの生成処理に要する時間が短縮される可能性を高くすることができる。
なお、上記の処理では、最大適応度の増加率が閾値より大きいか否かにより、画像フィルタをランダムに選択するか、または設定された選択確率に応じて選択するかを決定した。しかしながら、別の処理例として、最大適応度の増加率が閾値より大きいか否かにより、設定された選択確率に対して付加する重みを変化させ、突然変異の際には、重み付けを行った選択確率に応じて画像フィルタを選択するようにしてもよい。
例えば、図19のステップS53において、モード設定部126aは、増加率が閾値未満の場合には、重みの値を所定値または所定割合だけ低下させる。これにより、突然変異における画像フィルタの選択のランダム性が高まり、より大局的な解の探索を行うことが可能になる。一方、モード設定部126aは、増加率が閾値以上の場合には、重みの値を所定値または所定割合だけ増加させる。これにより、突然変異の際に、適応度の増加に対する貢献度が高いと判定された画像フィルタほど選択される可能性が高くなる。なお、重みの値は、“0”以上“1”以下の範囲で設定される。
このような処理が行われた場合でも、上記の第3の実施の形態の場合と同様に、算出される最大適応度が増加する可能性が高まり、適応度が高い値に収束されやすくなる。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態に係る画像処理装置では、選択モードの内容とその切り替え条件とが、第3の実施の形態に係る画像処理装置100aとは異なる。
なお、第4の実施の形態に係る画像処理装置の処理機能の基本的な構成は、第3の実施の形態と同様であるので、以下の説明では、第4の実施の形態に係る画像処理装置を、図16の符号を用いて説明する。
図20は、画像フィルタのグループ化の例を示す図である。第4の実施の形態に係る画像処理装置100aにおいて、フィルタセットデータベース141に登録されている画像フィルタは、処理内容が類似する画像フィルタごとのグループFa〜Fdに分類されている。
グループFaには、空間フィルタ処理を行う画像フィルタが属する。例えば、グループFaには、エッジ抽出を行う画像フィルタFa1、輪郭強調を行う画像フィルタFa2、平滑化を行う画像フィルタFa3、ノイズ除去を行う画像フィルタFa4などが属する。
グループFbには、形状検出処理を行う画像フィルタが属する。例えば、グループFbには、直線検出を行う画像フィルタFb1、コーナー検出を行う画像フィルタFb2、円検出を行う画像フィルタFb3、文字検出を行う画像フィルタFb4、顔検出を行う画像フィルタFb5などが属する。
グループFcには、二値化処理を行う画像フィルタが属する。例えば、グループFcには、固定の閾値を用いて二値化処理を行う画像フィルタFc1、可変の閾値を用いて二値化処理を行う画像フィルタFc2、Pタイル法を用いて二値化処理を行う画像フィルタFc3、適応二値化処理を行う画像フィルタFc4などが属する。
グループFdには、二値画像を処理する画像フィルタが属する。例えば、グループFdには、膨張・縮小処理を行う画像フィルタFd1、AND演算を行う画像フィルタFd2、OR演算を行う画像フィルタFd3、輝度反転処理を行う画像フィルタFd4などが属する。
第4の実施の形態に係る画像処理装置100aは、最大適応度の増加率が高い状態では、“選択モード1”で画像フィルタの選択を行う。この選択モード1では、画像処理装置100aは、突然変異の対象の画像フィルタを、この画像フィルタと同じグループに属する画像フィルタを選択確率に応じて選択する。最大適応度の増加率が高い状態では、同じグループに属する画像フィルタ、すなわち、処理内容が類似する画像フィルタが選択されることで、適応度の増加に対して有効な画像フィルタが選択される可能性が高まると推定される。
ただし、上記の選択モード1では、局所的な解探索に陥る可能性も高くなる。そこで、画像処理装置100aは、最大適応度の増加率が所定の閾値Th_H以下である場合には、選択モード1よりもランダム性を高めた選択が行われる選択モード2に設定する。選択モード2では、画像処理装置100aは、全画像フィルタの中から選択確率に応じて画像フィルタを選択する。選択モード1から選択モード2に変更されることで、解の探索範囲が拡大され、適応度の増加が促進される可能性が高まる。
さらに、画像処理装置100bは、最大適応度の増加率が閾値Th_Hより小さい所定の閾値Th_L以下である場合には、さらにランダム性を高めた選択が行われる選択モード3に設定する。選択モード3では、画像処理装置100aは、全画像フィルタの中からランダムに画像フィルタを選択する。選択モード2から選択モード3に変更されることで、解の探索範囲がさらに拡大され、適応度の増加が促進される可能性が高まる。
このような処理により、算出される最大適応度が増加する可能性が高まり、適応度が高い値に収束されやすくなる。その結果、画像処理プログラムの生成処理に要する時間が短縮される可能性を高くすることができる。
第4の実施の形態に係る画像処理装置100aのプログラム生成処理は、図18のステップS26aの処理を図21のように変形し、図18のステップS41の処理を図22のように変形することで実現される。
図21は、第4の実施の形態における突然変異処理手順の例を示すフローチャートである。
[ステップS61]学習制御部121aは、モード記憶部170aを参照して、現在設定されている選択モードを判定する。選択モード1に設定されている場合には、ステップS62の処理が実行される。選択モード2に設定されている場合には、ステップS63の処理が実行される。選択モード3に設定されている場合には、ステップS64の処理が実行される。
ステップS62,S63,S64では、学習制御部121aは、図18のステップS25の処理によって生成された子個体に突然変異を発生させ、子個体に含まれる画像フィルタを、ステップS22で指定された他の画像フィルタのいずれかに置き換える。このとき、学習制御部121は、次のような手順で、置き換え後の画像フィルタを選択する。
[ステップS62]学習制御部121aは、置き換え前の画像フィルタと同じグループを選択する。学習制御部121aは、選択したグループに属する画像フィルタのうち、置き換え前の画像フィルタを除く画像フィルタの中から、フィルタセットデータベース141に設定された選択確率に基づく確率で画像フィルタを選択する。
例えば、画像フィルタFa1を、グループFaに属する他の画像フィルタに置き換える場合、次のような手順で選択時の確率が求められる。画像フィルタFa2,Fa3,Fa4に設定された選択確率をそれぞれSa2,Sa3,Sa4とする。この場合、学習制御部121aは、画像フィルタFa2,Fa3,Fa4を、それぞれSa2/(Sa2+Sa3+Sa4),Sa3/(Sa2+Sa3+Sa4),Sa4/(Sa2+Sa3+Sa4)の確率で選択する。
[ステップS63]学習制御部121aは、全グループ内の画像フィルタの中から、フィルタセットデータベース141において画像フィルタに対応付けられた選択確率で、置き換え後の画像フィルタを選択する。
[ステップS64]学習制御部121aは、全グループ内の画像フィルタの中から、置き換え後の画像フィルタをランダムに選択する。
図22は、第4の実施の形態における選択モード設定処理手順の例を示すフローチャートである。なお、図22のステップS51,S52の処理内容は、図19のステップS51,S52の処理内容と同じであるので、それらの説明を省略する。
[ステップS71]モード設定部126aは、算出された増加率と、所定の閾値H(ただし、H>0)とを比較する。増加率が閾値Hを超えている場合にはステップS72の処理が実行され、増加率が閾値H以下である場合にはステップS73の処理が実行される。
[ステップS72]モード設定部126aは、モード記憶部170aに設定された選択モードを選択モード1に更新する。
[ステップS73]モード設定部126aは、算出された増加率と、所定の閾値L(ただし、H>L>0)とを比較する。増加率が閾値Lを超えている場合にはステップS74の処理が実行され、増加率が閾値L以下である場合にはステップS74の処理が実行される。
[ステップS74]モード設定部126aは、モード記憶部170aに設定された選択モードを選択モード2に更新する。
[ステップS75]モード設定部126aは、モード記憶部170aに設定された選択モードを選択モード3に更新する。
なお、以上の第4の実施の形態では、選択モード1〜3に切り替え可能としたが、例えば、選択モード1,3に切り替え可能としてもよい。例えば、図22の処理を、増加率が閾値Hを超えた場合には選択モード1に設定し、増加率が閾値H以下の場合には選択モード3に設定するように変形してもよい。
また、画像フィルタを次の図23に示すようにグループ化してもよい。
図23は、画像フィルタのグループ化の他の例を示す図である。図23では、同じ種類の画像フィルタであって設定されたパラメータが異なる画像フィルタごとに、画像フィルタを4つのグループに分類した例を示している。
Sobelフィルタグループには、設定されたパラメータが異なるSobelフィルタが属する。パラメータとしては、例えば、垂直エッジを検出するか、または水平エッジを検出するかを示すパラメータや、カーネルサイズを示すパラメータがある。
Laplacianフィルタグループには、設定されたパラメータが異なるLaplacianフィルタが属する。パラメータとしては、例えば、複数の係数の組み合わせを示す係数セットや、カーネルサイズを示すパラメータがある。
平滑化フィルタグループには、設定されたパラメータが異なる平滑化フィルタが属する。パラメータとしては、例えば、平均値算出用として機能するか、またはガウシアンフィルタとして機能するかを示すパラメータや、カーネルサイズを示すパラメータがある。
ノイズ除去フィルタグループには、設定されたパラメータが異なるノイズ除去フィルタが属する。パラメータとしては、例えば、Medianフィルタとして機能させるか、または孤立点除去フィルタとして機能させるかを指定するパラメータや、カーネルサイズを示すパラメータがある。
図23のように分類された画像フィルタを用いて、図21,図22で説明した処理が実行されることで、適応度が高い値に収束されやすくなり、その結果、画像処理プログラムの生成処理に要する時間が短縮される可能性を高くすることができる。
なお、上記の各実施の形態に示した装置(プログラム生成装置1および画像処理装置100,100a)の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供され、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
1 プログラム生成装置
1a 生成処理部
1b 情報記録部
1c 確率設定部
1d 記憶部
2a 増減情報
2b 設定情報
3_1,3_2,3_n,3_(n+1) 進化処理
4_1,4_(n+1) 親個体
5_1,5_(n+1) 子個体

Claims (6)

  1. 画像処理プログラムに含まれる部分プログラムの組み合わせを遺伝的プログラミングによって決定することで前記画像処理プログラムを生成するプログラム生成装置において、
    部分プログラムが複数組み合わされた個体を進化させる進化処理が実行されるたびに、進化前の個体と進化後の個体との間で数が変化した部分プログラムと、進化前の個体および進化後の個体のそれぞれを基に算出された適応度の差分とを示す情報を、記憶部に記録する情報記録部と、
    所定期間に前記記憶部に蓄積された情報に基づいて、適応度の増加に貢献した貢献度を部分プログラムごとに判定し、判定された貢献度が高いほど設定値が高くなるように部分プログラムごとに選択確率を設定する確率設定部と、
    前記進化処理の実行により算出された適応度の最大値の推移を監視し、前記最大値の増加率に基づいて、突然変異により進化後の個体へ組み込む部分プログラムを、設定された前記選択確率にしたがって選択させるか、またはランダムに選択させるかを決定する選択制御部と、
    を有し、
    前記確率設定部によって部分プログラムごとに前記選択確率が設定された後、前記進化処理を実行する際に、突然変異により進化後の個体へ組み込む部分プログラムを、前記選択制御部による決定の結果に基づき、設定された前記選択確率にしたがって、またはランダムに選択することを特徴とするプログラム生成装置。
  2. 前記情報記録部は、前記進化処理が実行されるたびに、進化後の個体において進化前より数が増加した部分プログラムのそれぞれに対して、進化後の個体に基づく適応度から進化前の個体に基づく適応度を減算した値に基づく適応度増加量を対応付けて前記記憶部に記録し、
    前記確率設定部は、前記所定期間に前記記憶部に蓄積された、部分プログラムごとの前記適応度増加量に基づいて、部分プログラムごとに前記選択確率を設定する、
    ことを特徴とする請求項1記載のプログラム生成装置。
  3. 前記確率設定部は、前記所定期間に前記記憶部に蓄積された、部分プログラムごとの前記適応度増加量に基づいて、部分プログラムごとの前記貢献度を判定し、判定された前記貢献度が所定値以下の部分プログラムを、その後の前記進化処理での選択対象から除外することを特徴とする請求項2記載のプログラム生成装置。
  4. 前記情報記録部は、進化後の個体に基づく適応度から進化前の個体に基づく適応度を減算した値を、対応する部分プログラムの進化後の個体における増加数で規格化することで、前記適応度増加量を算出することを特徴とする請求項2または3記載のプログラム生成装置。
  5. 画像処理プログラムに含まれる部分プログラムの組み合わせを遺伝的プログラミングによって決定することで前記画像処理プログラムを生成するプログラム生成方法において、
    コンピュータが、
    部分プログラムが複数組み合わされた個体を進化させる進化処理が実行されるたびに、進化前の個体と進化後の個体との間で数が変化した部分プログラムと、進化前の個体および進化後の個体のそれぞれを基に算出された適応度の差分とを示す情報を、記憶部に記録し、
    所定期間に前記記憶部に蓄積された情報に基づいて、適応度の増加に貢献した貢献度を部分プログラムごとに判定し、判定された貢献度が高いほど設定値が高くなるように部分プログラムごとに選択確率を設定し、
    前記進化処理の実行により算出された適応度の最大値の推移を監視し、前記最大値の増加率に基づいて、突然変異により進化後の個体へ組み込む部分プログラムを、設定された前記選択確率にしたがって選択させるか、またはランダムに選択させるかを決定し、
    部分プログラムごとに前記選択確率が設定された後、前記進化処理を実行する際に、突然変異により進化後の個体へ組み込む部分プログラムを、前記決定の結果に基づき、設定された前記選択確率にしたがって、またはランダムに選択する、
    ことを特徴とするプログラム生成方法。
  6. 画像処理プログラムに含まれる部分プログラムの組み合わせを遺伝的プログラミングによって決定することで前記画像処理プログラムを生成するプログラムにおいて、
    コンピュータに、
    部分プログラムが複数組み合わされた個体を進化させる進化処理が実行されるたびに、進化前の個体と進化後の個体との間で数が変化した部分プログラムと、進化前の個体および進化後の個体のそれぞれを基に算出された適応度の差分とを示す情報を、記憶部に記録し、
    所定期間に前記記憶部に蓄積された情報に基づいて、適応度の増加に貢献した貢献度を部分プログラムごとに判定し、判定された貢献度が高いほど設定値が高くなるように部分プログラムごとに選択確率を設定し、
    前記進化処理の実行により算出された適応度の最大値の推移を監視し、前記最大値の増加率に基づいて、突然変異により進化後の個体へ組み込む部分プログラムを、設定された前記選択確率にしたがって選択させるか、またはランダムに選択させるかを決定し、
    部分プログラムごとに前記選択確率が設定された後、前記進化処理を実行する際に、突然変異により進化後の個体へ組み込む部分プログラムを、前記決定の結果に基づき、設定された前記選択確率にしたがって、またはランダムに選択する、
    処理を実行させることを特徴とするプログラム。
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