JP6343934B2 - 成育情報管理システム及び成育情報管理プログラム - Google Patents

成育情報管理システム及び成育情報管理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、細胞培養容器内の細胞(受精卵などの個別管理が必要な細胞)の成育情報を管理するシステム及びプログラムに関する。
培養系で精子と卵子とを体外受精させて受精卵(接合子)を作製して、さらに受精卵を卵割、桑実胚、胚盤胞の段階を経て、透明帯から孵化した脱出胚盤胞の段階まで培養することが可能となり、この卵割から胚盤胞の段階にある受精卵を子宮に移植して産子を得る補助的生殖技術(ART)が、家畜領域のみならずヒトの不妊医療でも確立されている。
しかし、体外受精による妊娠成功率は必ずしも高くはなく、たとえばヒトにおいては、その妊娠成功率は、依然として25〜35%程度に留まっている。その原因の一つとして、培養において子宮への移植に適した良質な受精卵を得られる確率が高くないことが挙げられる。培養された受精卵は、専門家が顕微鏡で個別に観察することにより、子宮への移植に適した良質な受精卵であるか否か判別されている。
体外受精においては、容器中に培養液のドロップを作り、この中に受精卵を入れて体外培養するマイクロドロップ法が用いられることが多い。従来、このマイクロドロップ法には、細胞培養容器として、底面が単一平面であり、直径が30〜60mmの細胞培養容器が使用され、細胞培養容器の底面に、培養液のドロップを、間隔をあけて複数個作製し、その中で細胞を培養する方法が使用されてきた。
通常の細胞培養容器でドロップを作成すると、受精卵自身の細胞運動やドロップ内の対流によって受精卵の位置が変わってしまい、その中で培養して観察していた受精卵の特定が難しくなるという問題があった。したがって、受精卵の位置を制御できる手段が求められていた。
受精卵の培養効果をより効率的にするためには受精卵同士の相互作用(パラクライン効果)を利用することが好ましいとされている。これらの効果を利用しつつ、受精卵の位置を制御する目的で、細胞培養容器の底面に受精卵のサイズと同程度のマイクロウェルを形成し、複数個のマイクロウェルを覆うように培養液のドロップを添加し、培養液で満たされたマイクロウェルに受精卵を配置して培養を行うシステムが知られている。それにより複数の受精卵の位置を制御して個別観察を可能としつつ、少量の培養液の中で複数の受精卵の培養を行うことができ、パラクライン効果を利用できる。
一方、個々の受精卵の成育状態を管理するためには、個々のマイクロウェルを識別するとともに、個々のマイクロウェル内の受精卵の成育状態を認識する必要がある。従来は、受精卵などの細胞毎の成育情報を管理する場合、人が培養箇所などで個々の細胞を見分けて成育情報と紐付けるか、あるいは、顕微鏡観察した際の細胞の画像から特徴量を抽出して個々の細胞を見分けて管理していた。
しかし、上記の管理方法では、人為的ミスは避けがたい。例えば、人が個々のマイクロウェルを見分ける際の見間違いがある。また、目算で検出した特徴量(細胞の直径など)を成育情報として登録する場合において、細胞の特徴に微妙な差しかないときに転記ミスなどが生じ、個々のマイクロウェルの識別と個々のマイクロウェル内の細胞の成育情報との関連付けの誤りが発生するおそれがあった。
国際公開第2011/004568号パンフレット
本発明は、複数のマイクロウェルを有する細胞培養容器において、マイクロウェルの拡大画像を取得する際に、そのマイクロウェルと細胞の成育情報との対応付けの誤りを低減する成育情報管理システム及び成育情報管理プログラムを提供することを目的とする。
本発明者らは、複数のマイクロウェルを有する細胞培養容器において、複数のマイクロウェルの撮影順序とマイクロウェルを識別する識別情報とを関連付けることによって、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)複数のマイクロウェルを有する細胞培養容器と、
1つのマイクロウェルを含む拡大検体画像と、前記マイクロウェルを識別する識別情報と、前記マイクロウェル内の細胞の成育情報とを少なくとも対応付けて格納するための記憶手段と、
前記複数のマイクロウェルの撮影順序と前記識別情報とが関連づけられた情報に基づいて、前記拡大検体画像と前記識別情報と前記成育情報とを少なくとも対応付けて前記記憶手段に登録する登録手段と、
を備える成育情報管理システム。
(2)前記撮影順序に従って前記拡大検体画像を撮影する際のガイドを行う撮影支援手段をさらに備える、(1)に記載の成育情報管理システム。
(3)前記複数のマイクロウェルの全てを含む画像情報から前記複数のマイクロウェルに関する配置情報を認識し、前記配置情報がマイクロウェルの設計情報と一致するかを判定するウェル配置判定手段をさらに備える、(1)または(2)に記載の成育情報管理システム。
(4)あらかじめ決められた命名規則に従って前記拡大検体画像の画像ファイルのファイル名を変更する変更手段をさらに備える、(1)〜(3)のいずれかに記載の成育情報管理システム。
(5)前記細胞培養容器は、前記マイクロウェルごとに対になって付された複数の第1識別子を有し、前記拡大検体画像は、前記第1識別子と前記マイクロウェルの対を含んでおり、
前記撮影順序に関連付けられた前記識別情報と、前記第1識別子に関連付けられた前記マイクロウェルを識別する識別情報とが一致するかを判定する判定手段をさらに備える、(1)〜(4)のいずれかに記載の成育情報管理システム。
(6)複数のマイクロウェルを有する細胞培養容器用の成育情報管理処理を、演算手段及び記憶手段を少なくとも備える情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、
前記演算手段に、
前記複数のマイクロウェルの撮影順序と前記マイクロウェルを識別する識別情報とが関連づけられた情報に基づいて、1つのマイクロウェルを含む拡大検体画像と前記識別情報と、前記マイクロウェル内の細胞の成育情報とを少なくとも対応付けて前記記憶手段に登録する登録処理を実行させるためのプログラム。
(7)前記演算手段に、
前記撮影順序に従って前記拡大検体画像を撮影する際のガイドを行う撮影支援処理をさらに実行させる、(6)に記載のプログラム。
(8)前記演算手段に、
前記複数のマイクロウェルの全てを含む画像情報から前記複数のマイクロウェルに関する配置情報を認識し、前記配置情報がマイクロウェルの設計情報と一致するかを判定するウェル配置判定処理をさらに実行させる、(6)または(7)に記載のプログラム。
(9)前記演算手段に、
あらかじめ決められた命名規則に従って前記拡大検体画像の画像ファイルのファイル名を変更する変更処理をさらに実行させる、(6)〜(8)のいずれかに記載のプログラム。
(10)前記細胞培養容器は、前記マイクロウェルごとに対になって付された複数の第1識別子を有し、前記拡大検体画像は、前記第1識別子と前記マイクロウェルの対を含んでおり、
前記演算手段に、前記撮影順序に関連付けられた前記識別情報と、前記第1識別子に関連付けられた前記マイクロウェルを識別する識別情報とが一致するかを判定する判定処理をさらに実行させる、(6)〜(9)のいずれかに記載のプログラム。
(11)複数のマイクロウェルを有する細胞培養容器から、1つのマイクロウェルを含む拡大検体画像を取得する画像取得手段を備える第1の情報処理装置と、
前記拡大検体画像と、前記マイクロウェルを識別する識別情報と、前記マイクロウェル内の細胞の成育情報とを少なくとも対応付けて格納するための記憶手段を備える第2の情報処理装置と、
を備え、
前記第1の情報処理装置は、前記複数のマイクロウェルの撮影順序と前記識別情報とが関連づけられた情報に基づいて、前記拡大検体画像と前記識別情報とを少なくとも対応付けて前記第2の情報処理装置に送信し、
前記第2の情報処理装置は、前記拡大検体画像から前記成育情報を算出し、前記拡大検体画像と前記識別情報と前記成育情報とを少なくとも対応付けて前記記憶手段に登録する、成育情報管理システム。
本発明により、複数のマイクロウェルを有する細胞培養容器において、マイクロウェルの拡大画像を取得する際に、そのマイクロウェルと細胞の成育情報との対応付けの誤りを低減することが可能となる。
本発明の成育情報管理システムの一実施形態の構成図である。 細胞培養容器の第1の例の上面図を示す概略図である。 細胞培養容器の第1の例における細胞収容部の拡大上面図を示す概略図である。 細胞培養容器の第1の例における細胞収容部の拡大上面図を示す概略図である。 細胞培養容器の第1の例における細胞収容部の拡大上面図を示す概略図である。 細胞培養容器の第1の例における細胞収容部の拡大上面図を示す概略図である。 マイクロウェルと識別子の対を顕微鏡で撮影した拡大画像の概念図である。 細胞培養容器の第2の例の上面図を示す概略図である。 細胞培養容器の第2の例における細胞収容部の拡大上面図を示す概略図である。 細胞培養容器の第3の例における細胞収容部の拡大上面図を示す概略図である。 本発明の検体情報データベースの一実施形態を示す概略図である。 本発明のウェルID対応テーブルの第1の例を示す概略図である。 本発明のウェルID対応テーブルの第2の例を示す概略図である。 本発明のウェルID対応テーブルの第3の例を示す概略図である。 本発明の第2識別子対応テーブルの一実施形態を示す概略図である。 本発明のウェル設計情報テーブルの一実施形態を示す概略図である。 本発明の成育情報データベースの一実施形態を示す概略図である。 本発明の判定プロファイルテーブルの一実施形態を示す概略図である。 本発明の輪郭線抽出処理の一実施形態を説明する概念図である。 本発明の第1識別子認識処理部の一実施形態の処理内容を説明する概念図である。 本発明の第1識別子認識処理部の一実施形態の処理内容を説明する概念図である。 本発明の特徴量算出処理部の一実施形態の処理内容を説明する概念図である。 本発明の特徴量算出処理部の一実施形態の処理内容を説明する概念図である。 胚盤胞を簡略的に示す図である。 内部細胞塊と栄養外胚葉の形態的評価を説明する図である。 前核期胚の形態的評価を説明する図である。 経過時間に応じたプロファイルの切替えを説明する図である。 本発明の成育情報管理システムの一実施形態の処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の成育情報管理システムの特徴量算出処理の流れを説明するフローチャートである。 成育情報データベースの別の実施形態を示す図である。
以下、本発明をヒトの受精卵に適用した実施例について説明する。例えば、ヒトの受精卵を培養する場合には、通常、培養しながら受精卵の成育段階が判定され、これにより、子宮への移植に適した良質な受精卵であるか否かが判定される。本発明の成育情報管理システムは、複数のマイクロウェルの撮影順序とマイクロウェルを識別する識別情報とを関連付けることにより、そのマイクロウェルと細胞の成育情報とを対応付けて、間違いのない成育情報の管理を実現する。
図1は、本発明の成育情報管理システムの一実施形態の構成図を示す。成育情報管理システム1は、細胞培養容器100と、画像取得装置110と、第2識別子読取装置120と、成育情報管理装置130とから構成される。以下、成育情報管理システム1の各構成要素について説明する。
図1に示すように、細胞培養容器100は、第1識別子101と、第2識別子102とを有する。図2Aは細胞培養容器100の第1の例の上面図を示し、図2Bは、図2Aの細胞収容部の拡大上面図である。本実施例の細胞培養容器100は、底部103と側壁104とを有し、底部103に、細胞を収容するための複数のマイクロウェル105が配置されてなる細胞収容部106を有する。本例では、底部103の形状は上面視で円形である。側壁104は底部103の外縁を囲うように形成される。なお、底部103の形状は特に制限されず、三角形および四角形等の多角形の形状でもよく、円に類似する形状(略円形、楕円形および略楕円形を含む)でもよい。
底部103と反対側は開口しており、開口部の形状は好ましくは底部103の形状と同一である。図2Aに示すように、一例として、開口部が円形で、開口幅が、好ましくは30〜60mm、特に35mm程度のものが用いられる。これは従来の細胞培養に用いられている細胞培養容器と同等のサイズであり、汎用の細胞培養容器から簡便に作製できること、および既存の培養装置等に適合しやすいことから、上記のようなサイズのものが好ましい。また、細胞培養容器100は、通常の細胞培養容器と同様に蓋を有していてもよい。
マイクロウェル105は、壁面と開口部を有する凹部を形成し、細胞培養容器100の底部103に直接窪みとして設けられた凹部でもよいし、底部103から突出した部材により形成される凹部でもよい。図2Aの例では、底部103の中央部に窪みを形成することにより、細胞収容部106が形成されている。細胞収容部106の断面はV字状である。
高倍率でマイクロウェル105を撮影し、これを繰り返して複数の対を撮影する場合、撮影する際の細胞培養容器100の向きを常に一定とする必要がある。撮影する際の細胞培養容器100の向きを常に一定とする観点から、細胞培養容器100が、細胞培養容器100の向きを特定するための構成を備えていることが好ましい。例えば、図2Aに示すように、拡大検体画像上で上下方向の「下方向」を認識するために、底部103に横方向に延びるバー模様109が付されている。バー模様109は、底部103に対して凸形状で形成されており、例えば、バー模様の幅は、0.5〜2mmである。また、側壁104に凹部109aを設けて、細胞培養容器100の側壁104を指で触ることによって、細胞培養容器100の向きを認識できるようになっている。
また、底部103には、円形の第1の天地マーク107が付されている。第1の天地マーク107もまた、細胞培養容器100の天地(拡大検体画像上での上下方向)を認識するために付されるものである。第1の天地マーク107は、小さすぎると目視しづらくなり、大きすぎると細胞収容部106の邪魔になるため、好ましくは、1〜5mmの大きさ(直径)である。また、第1の天地マーク107の深さは、目視可能であり、かつ観察時に入れるオイル(培地液の蒸発を防ぐためのオイル)を無駄にしないという観点から、好ましくは、0.01〜0.05mmである。
第1の天地マーク107は表面加工によって形成されている。図2Aにおいて、第1の天地マーク107の黒色部分は荒く表面加工されており、やや不透明に見える。一方、第1の天地マーク107の白色部分は、平らに形成されており、透明に見える。このように円形の第1の天地マーク107を見た際に模様と思えるような荒い部分と平らな部分を付けることで、光の加減で見にくくなる確率を減らす。例えば、平らな部分は、特定方向に対する反射光が強くなるため、光源によっては平らな方が極端に見やすい場合がある。また、荒い部分は、どのような光源でもある程度散乱するので光源条件によらず均一に見えるため、円形の第1の天地マーク107以外の部分との見え方の差を安定して確保しやすい場合がある。なお、第1の天地マーク107のための表面加工は、ユーザの細胞培養容器100の利用環境を加味して、円形の全体に同一の処理を施してもよいし、図2Aのように、荒く表面加工した部分と平らな部分とを組み合わせてもよい。
また、図2Aの例では、第1の天地マーク107は、底部103に4つ付されている。4つの第1の天地マーク107は、細胞収容部106を囲む正方形の4つの頂点に1つずつ配置されている。例えば、4つの第1の天地マーク107は、上述したバー模様109を平行移動した直線と、第1の天地マーク107の重心と底部103の中心とを通る直線とがなす角度が45度、135度、225度、315度の位置に付される。細胞培養容器100の天地の調整はバー模様109で主に行われるが、その場合でも数度斜めになってしまう場合がある。細胞収容部106を囲む正方形の4つの頂点に1つずつ第1の天地マーク107を配置することで、数度の傾きも認識し易くなる。
さらに、第2の天地マーク108を底部103に付してもよい。図2Aの例では、バー模様109に沿って、かつ、側壁104の凹部109aを挟むように、2つの第2の天地マーク108が付されている。第2の天地マーク108も、第1の天地マーク107と同様に表面加工が施されている。なお、第2の天地マーク108は、第1の天地マーク107よりも小さい直径で形成されている。光の反射具合で第1の天地マーク107及び第2の天地マーク108の両方を認識することにより、バー模様109を利用しなくても、細胞培養容器100の向きを調整することが容易になる。
図2Bに示すように、細胞収容部106は、上面視で円形形状である。細胞収容部106の直径は、2〜5mmが好ましい。細胞収容部106の大きさが小さいと、マイクロウェル105以外の余白が少なく、操作が難しくなる可能性がある。また、大きすぎると、培地液が多く必要になり、無駄になる培地液の量も多くなる。細胞収容部106内において、複数のマイクロウェル105は、正方格子状又は最密充填状に配置されていることが好ましい。正方格子状又は最密充填状に配置することにより、細胞培養容器100の底部103における各マイクロウェル105の位置の特定が容易になる。また、図2Bの例では、第1識別子101との組み合わせで、各マイクロウェル105の位置の特定がさらに容易になり、自動化処理に適用しやすい。
複数のマイクロウェル105の配置は、正方格子又は最密充填の配置から、一部が欠落したような配置でもよい。例えば、8個以上のマイクロウェルが、平行四辺形の辺上および頂点上に等しいピッチで配置され、細胞収容部を構成している場合が挙げられる。平行四辺形には、正方形、長方形、菱形およびそれ以外の平行四辺形が包含される。図2Bに示すように、本例の細胞培養容器100では、8個のマイクロウェルが、正方形の4つの頂点に1つずつ配置され、かつ4つの辺の中点に1つずつ配置されている。これにより、受精卵等の細胞を、1のマイクロウェル105に1個ずつ配置して、複数の細胞を培養することができる。
マイクロウェル105の開口部の外縁が形成する図形は特に制限されず、三角形および四角形等の多角形の形状、円(円形、略円形、楕円形および略楕円形を含む)の形状、あるいは、U字の形状等でもよいが、好ましくは円形である。なお、マイクロウェル105は、マイクロウェル105の中心に向かって階段状の凹部を形成するような形状でもよい。細胞などが中心位置へ流れ易くなるためである。図2Bに示すように、本例では、マイクロウェル105の開口部の外縁が形成する図形は円形である。細胞培養容器100の上面視における各マイクロウェル105の開口部の面積は、好ましくは3mm以下、より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下であり、好ましくは0.03mm以上である。上面視における各マイクロウェル105の開口部の面積は、換言すれば、マイクロウェル105の開口部の外縁が形成する図形の面積である。
本発明の細胞培養容器100により受精卵を培養する場合、胚盤胞の段階まで培養することが望ましいため、円形の開口部の直径は、胚盤胞の段階の細胞の最大寸法より大きいものであることが望ましい。また、マイクロウェルの開口部の外縁が円形である場合、開口幅は、マイクロウェル間のピッチより小さい。したがって、マイクロウェルの開口部の開口幅(マイクロウェルの開口部の外縁が円形である場合はその直径)は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.2mm以上であり、好ましくは0.6mm未満、さらに好ましくは0.4mm未満である。また、上記マイクロウェルの開口部の開口幅は、X+m(ここでXは細胞の最大径を表す)と規定することもできる。ここで、mは、好ましくは0.01mm以上、さらに好ましくは0.02mm以上である。また、マイクロウェル間のピッチは好ましくは1mm以下、より好ましくは0.8mm以下、さらに好ましくは0.6mm以下である。
マイクロウェル105の深さは、マイクロウェルの開口部から最深部までを垂直に測った深さをいい、好ましくは0.05〜0.5mmである。マイクロウェルの深さは、浅過ぎると、細胞培養容器の輸送時や細胞の分裂時などに細胞が動き、細胞がマイクロウェルの範囲外に出てしまう恐れがあるため、確実に細胞をマイクロウェル内に保持できるように設定される。例えば、細胞をマイクロウェル内に保持するには、深さが細胞の最大径の1/3以上であることが好ましく、1/2以上であることがさらに好ましい。一方、深過ぎると、マイクロウェル内に培養液や細胞を導入することが難しくなるため、細胞をマイクロウェル内に保持しつつ、深過ぎない値になるよう適宜設定される。例えば、深さの上限をマイクロウェルの開口部の開口幅に対して3倍以下とすることができる。さらに、培養液の導入を容易にするためには、深さはマイクロウェルの開口幅の1倍以下であることが好ましく、1/2以下であることが特に好ましい。
複数のマイクロウェル105の近傍には、それぞれ、第1識別子101がマイクロウェル105ごとに対になって付されており、第1識別子101のその対となるマイクロウェル105に対する相対位置が、第1識別子101とマイクロウェル105の対ごとに異なることを特徴とする。第1識別子101のマイクロウェル105に対する相対位置が、マイクロウェル105ごとに異なることによって、マイクロウェル105と第1識別子101の対を1組観察するだけで、複数のマイクロウェル105における当該マイクロウェルの位置を特定することができる。第1識別子101は、各マイクロウェル105の近傍に付されていることから、高倍率で観察する際に、マイクロウェル105から観察位置を大きくずらす必要はなく、迅速な観察が可能になる。さらに、高倍率で細胞を撮影した際も、拡大検体画像には、マイクロウェル105とともに第1識別子101が撮影されることから、拡大検体画像に対して手作業で情報を付与する必要がなく、煩雑な作業を回避でき、作業者のミスによる関連付けの誤りが発生するリスクも回避できる。
各マイクロウェル105と対になって付される第1識別子101の位置は、マイクロウェル105の内部、外部を問わないが、好ましくはマイクロウェル105の外部に配置される。マイクロウェル105の内部に設けると受精卵の観察を阻害する可能性や、受精卵の培養性能に影響を及ぼす可能性があるためである。好ましくは、図2Bに示すように、第1識別子101は、複数配置されたマイクロウェル105の外側で、かつ、マイクロウェル105の近傍に付される。第1識別子101のサイズは、好ましくはマイクロウェル105のサイズより小さい。より具体的には、細胞培養容器の上面視における第1識別子の面積は、30000μm以下、好ましくは15000μm以下、より好ましくは8000μm以下であり、好ましくは100μm以上である。
また、第1識別子101は、どのマイクロウェル105と対になっているかが明らかなように、対となるマイクロウェル105の十分近傍に付されることとなる。したがって、各第1識別子101は、好ましくは、すべてのマイクロウェル105の中で、対となるマイクロウェル105との距離が最も小さくなるように付される。第1識別子101とマイクロウェル105との距離は、マイクロウェル105の開口部が形成する図形の重心と第1識別子101が形成する図形の重心との距離として定義される。したがって、第1識別子101とマイクロウェル105との距離は、好ましくはマイクロウェル105の開口幅の1/2より大きく、マイクロウェル105間のピッチよりも小さい。具体的には、識別子とマイクロウェルとの距離は、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下、さらに好ましくは300μm以下である。
図2Bに示すように、例えば、第1識別子101の形状はドット形状である。なお、第1識別子101が形成する図形の形状は、特に制限されない。図形の例として、文字、数字、多角形などの図形、矢印、線(バー)、ドット、QRコード、バーコードおよびこれらの組合せが挙げられる。受精卵等の細胞を個別に収容するのに好適な微小なマイクロウェル105の近傍に、好ましくは当該マイクロウェル105よりサイズの小さい第1識別子101を付すことから、第1識別子101の形状は、成形が容易な単純な形状であることが好ましい。細胞培養容器100は、射出成型で製造される場合が多いため、あまり複雑な形状を微小なサイズで成形することが困難だからである。第1識別子101の形状は単純であっても、すなわち第1識別子101自体が持つ情報が少なくても、マイクロウェル105との相対位置という情報を付加することによって、各マイクロウェル105の位置を特定することができる。また、第1識別子101を複雑な形状とすると、細胞培養容器100の製造時における歩留りが低下するおそれがあるが、単純な形状とすることで、歩留りの低下を回避でき、製造コストを下げることができる。例えば、図2Bの例では、第1識別子101は、凸状に形成されており、その高さは、0.01〜0.05mmが好ましい。第1識別子101の高さは低すぎると目視しづらくなるが、高すぎると培地の流れや受精卵の扱い時の邪魔になる可能性があるためである。
また、図2Bに示すように、複数のマイクロウェル105の近傍には、それぞれ、文字列(アルファベット)111がマイクロウェル105ごとに対になって付されている。マイクロウェル105に対する文字列111が、マイクロウェル105ごとに異なることによって、マイクロウェル105の位置を識別することができる。文字列111は、凸状に形成されており、その高さは、0.01〜0.05mmが好ましい。文字列111の高さは低すぎると目視しづらくなるが、高すぎると培地の流れや受精卵の扱い時の邪魔になる可能性があるためである。
また、文字列111の大きさは、0.1〜0.5mm角内に収まる大きさが好ましい。文字列111の大きさが小さすぎると目視しづらくなるが、大きすぎると培地の流れや受精卵の扱い時の邪魔になる可能性がある。また、文字列111を大きく形成してしまうと、マイクロウェル105の配置数などに影響するためである。文字列111の間の間隔(例えば、AとBとの間の間隔)は、0.3〜0.7mmが好ましい。間隔が小さいと文字列111の見分けが難しくなり、間隔が大きすぎると、どのマイクロウェル105に対応する文字列であるかを認識しづらくなる。なお、マイクロウェル105に付されるものは、アルファベットなどの文字に限定されず、数字、多角形などの図形、記号などが挙げられる。
さらに、複数のマイクロウェル105の中央の位置には、記号(ハート)112が付されている。中央部に記号112があった場合、画像取得装置110で低倍率で観察したときに複数のマイクロウェル105に囲まれた中心位置を認識し易くなる。これにより、高倍率で観察したときの位置合わせなどが容易になる。
図3A及び図3Bは、ドット状の第1識別子101とマイクロウェル105との関係をより分かり易く説明する図である。これらの図では、説明のために、アルファベットの文字列や中央部の図形は省略されている。図3Bに示すように、本例では、第1識別子101のその対となるマイクロウェル105に対する角度が異なる。第1識別子101のマイクロウェル105に対する角度αについては、以下のように定義することができる。例えば図3A及び図3Bに示す例において、角度αは、上面視において細胞培養容器100の底部103に一本の直線Xを引いた場合に、当該直線Xに平行な直線と、マイクロウェル105の重心と第1識別子101の重心とを通る直線Yとがなす角度と定義することができる。そして、角度αを、マイクロウェル105と第1識別子101の対ごとに異なるよう配置することで、複数のマイクロウェル105における特定のマイクロウェル105の位置を特定することができる。
また、図4A及び図4Bは、第1識別子101の別の例である。この例では、8個のマイクロウェル105が、正方形の4つの頂点に1つずつ配置され、かつ4つの辺の中点に1つずつ配置され、細胞収容部106を構成している。そして、線状の第1識別子101が、各マイクロウェル105の近傍に1つずつ付されている。
図4Bは、それぞれ図4Aにおける位置A、E、Hのマイクロウェル105と第1識別子101の対の顕微鏡画像を表す。この例では、第1識別子101のマイクロウェル105に対する角度α及び/又は線(バー)の長さが、対ごとに異なることから、一対のマイクロウェル105と第1識別子101を観察するだけで、各マイクロウェル105の位置を特定することができる。さらに、いずれの第1識別子101も、同方向を向いた線状であり、かつマイクロウェル105に対して右側に付されていることから、高倍率で撮影されたマイクロウェル105と第1識別子101の一対の拡大画像においても、第1識別子101の位置と線(バー)の向きに基づいて、撮影時の細胞培養容器の向きを特定できる。ここでいう「向き」は自転角度であって、角度αとは異なる。例えば、図3A及び図3Bの例においてドットを線(バー)に置き換えた場合、線がドットの位置で直線Xに対して回転(自転)する角度、すなわち直線Xと識別子の線がなす角度をさす。この向きの情報量を使って、細胞培養容器の向きを特定することができる。
図5Aは細胞培養容器100の第2の例の上面図を示し、図5Bは、図5Aの細胞収容部の拡大上面図である。本例の細胞培養容器100は、第1の例と同様に、底部103と側壁104とを有し、底部103に、細胞を収容するための複数のマイクロウェル105が配置されてなる細胞収容部106を有する。本例でも、底部103の形状は円形である。図5Aの例では、3つの天地マーク121が付されており、「+」の形状である。天地マーク121の大きさは、1〜5mm角内に収まる大きさが好ましい。天地マーク121が小さすぎると目視しづらくなり、大きすぎると細胞収容部106の邪魔になるためである。
また、天地マーク121は、凸状に形成されており、その高さは0.01〜2mmが好ましい。天地マーク121の高さが低すぎると目視がしづらくなり、高すぎると作業の邪魔になる可能性があるためである。3つの天地マーク121は、細胞収容部106を囲むように配置され、細胞培養容器100の天地(拡大検体画像上での上下方向)の「下方向」に対応する部分には、天地マークは付されていない。したがって、天地マークが付されてない方向を操作者の手前に配置することで、細胞培養容器100の向きを一定に保つことが可能となる。
図5Bに示すように、細胞収容部106において、25個のマイクロウェル105が5×5の正方格子状に配置されている。この例では、複数のマイクロウェル105に第1の例のような第1識別子101は付されていない。一方、正方格子状のマイクロウェル105の各行が認識できるように、正方格子状のマイクロウェル105の左側に、A〜Eのアルファベットが各行に対応するように付されている。また、正方格子状のマイクロウェル105の各列が認識できるように、正方格子状のマイクロウェル105の上側に、1〜5の数字が各列に対応するように付されている。このような構成でも、以下で説明する本発明の処理を適用することが可能である。なお、行及び列を認識するために付されるものは、アルファベットなどの文字や数字に限定されず、多角形などの図形、記号などが挙げられる。
なお、図6は、細胞収容部の第3の例の拡大上面図である。細胞収容部106において、25個のマイクロウェル105が5×5の正方格子状に配置されている。この例では、行及び列を認識するための文字及び数字が付されていない。このような構成でも、以下で説明する本発明の処理を適用することが可能である。
次に、第2識別子102について説明する。細胞培養容器100には、第2識別子102が付されている。第2識別子102の例として、文字、数字、多角形などの図形、QRコード、バーコード、ICタグ、ドットパターン(コード化パターン)およびこれらの組合せが挙げられる。ここで、ドットパターン(コード化パターン)の技術について簡単に説明する。ドットパターンは、例えば、電子ペン用の専用ペーパーの表面に印刷される。ドットパターンは、約0.3mm間隔の格子状の上に配置された縦横6×6=36ドットの組合せである。縦横6×6個のドットが、専用ペーパー上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)と専用ペーパー毎に固有の識別子であるドットパターンアドレスを保持している。各ドットは、格子の基準位置からのシフト方向によって、予め決められた情報に対応付けられる。すなわち、この技術によれば、各ドットの格子の基準位置からのシフト方向を、文字、数字などに対応させることにより、ドットパターンを第2識別子102に対応させることが可能となる。なお、ドットパターンの撮影は、カメラを内蔵した電子ペン等の読取手段によって行うことができる。ここで説明したドットパターンの技術については、特開2004−252607号公報や特開2004−054375号公報にも記載されており、これらの文献に記載の技術を利用することができる。第2識別子102は、細胞培養容器100の側壁104あるいは底部103に付されてもよい。また、細胞培養容器100が蓋を備える場合には、第2識別子102は蓋に付されてもよい。第2識別子102は、細胞培養容器100毎に異なり、第2識別子102を認識することにより、細胞培養容器100を特定することができる。
次に、成育情報管理システム1の他の構成要素について説明する。画像取得装置110は、細胞培養容器100のマイクロウェル105内の細胞及び第1識別子101を含む拡大検体画像を撮影するものであり、例えば、顕微鏡である。画像取得装置110として、例えば、1/2インチのCCD素子、4、10、20倍の対物レンズを備えたものがよく用いられる。
第2識別子読取装置120は、細胞培養容器100の第2識別子102を読み取る装置である。第2識別子読取装置120については、第2識別子102に対応した装置を採用すればよく、例えば、公知の文字・図形認識装置、カメラ、バーコードスキャナ、ICタグリーダーなどが挙げられる。
成育情報管理装置130は、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報処理装置によって構成されている。この情報処理装置は、中央演算処理部(CPU:Central Processing Unit)などのプロセッサと、メモリやハードディスクなどの記憶装置131と、キーボード、マウスなどの入力部132と、ディスプレイなどの出力部133とを備えている。なお、図1では、成育情報管理装置130を1つの情報処理装置として示しているが、これに限定されない。成育情報管理装置130の構成要素をネットワーク上の複数の情報処理装置に分散して構成してもよい。また、各種テーブル及びデータベースなどは、他の情報処理装置あるいはネットワーク上のサーバに格納されてもよい。
次に、本実施形態の成育情報管理システム1で使用される各種情報について説明する。記憶装置131には、検体情報データベース141と、ウェルID対応テーブル142、第2識別子対応テーブル143と、ウェル設計情報テーブル144と、成育情報データベース145と、判定プロファイルテーブル146とが格納されている。なお、これら各種テーブル及びデータベースについて、以後の説明では「テーブル」構造を用いて説明するが、必ずしもテーブルによるデータ構造で表現されていなくても良く、他のデータ構造で表現されていても良い。そのため、データ構造に依存しないことを示すために、以下では、各種テーブル及びデータベースを単に「情報」と呼ぶことがある。
図7は、検体情報データベース141の一例である。検体情報データベース141は、細胞培養容器内の細胞(受精卵などの個別管理が必要な細胞)に関する各種情報を格納する。検体情報データベース141は、患者ID701、施術日時702と、細胞培養容器ID(容器ID)703と、ウェルID704とを構成項目として含む。患者ID701は、患者を一意に識別する番号である。患者ID701を、細胞培養容器ID703及びウェルID704に対応付けることにより、ヒトの不妊治療の際などのID管理に適用が可能となる。施術日時702は、施術日時を示す数字の列である。後述するが、受精卵の成育段階を判定する場合、施術日時からの経過時間に基づいて判定する場合がある。このような場合、検体情報データベース141において施術日時などの基準となる情報を管理することが好ましい。細胞培養容器ID703は、細胞培養容器100を一意に識別する番号である。また、ウェルID704は、細胞培養容器100内の各マイクロウェル105の位置を識別するIDである。ウェルID704によって、マイクロウェル105内部に配置した細胞(受精卵など)の検体の情報を管理することができる。
図8Aは、ウェルID対応テーブル142の第1の例である。図8Aは、図2Bで示した例に対応するテーブルの一例である。ウェルID対応テーブル142では、以下で説明するように撮影順序とウェルIDとが関連付けられているため、これを用いることにより、ウェルIDと拡大検体画像と細胞の成育情報とを対応付けて記録することが可能となる。ウェルID対応テーブル142は、ウェルID801と、第1識別子101とマイクロウェル105との相対位置を示す情報802(ここでは、第1識別子101のマイクロウェル105に対する角度α)と、マイクロウェル105の位置を示す情報803と、撮影順序804とを構成項目として少なくとも含む。なお、撮影順序804の情報は、あらかじめ登録されていてもよいし、拡大検体画像の撮影の度に操作者に入力させて、一時的に登録するような形式でもよい。また、ウェルID対応テーブル142は、マイクロウェル105の位置を示す情報803とは別に、ある所定の位置を基準としてマイクロウェル105の位置を示すXY座標などの情報を格納してもよい。この情報は、撮影順序に従った自動撮影などの機能に用いることができる。また、ウェルID対応テーブル142は、各マイクロウェル105と対となる第1識別子101の設計情報を含んでもよい。第1識別子101の設計情報は、第1識別子101の形状、サイズ、位置などの情報である。
なお、図8Aの例において、角度αの値は所定の幅を持たせて設定されてもよい。後述する成育情報管理装置130における画像処理において誤差が生じる可能性があるためである。また、図8Aでは、角度αの情報のみを示しているが、第1識別子101が線(バー)の場合、第1識別子101とマイクロウェル105との相対位置を示す情報(角度α)及び/又は第1識別子101自体が有する情報(線の長さや向きなど)を格納してもよい。また、上述したように、第1識別子101としては、文字、数字、多角形などの図形、矢印、線(バー)、ドット、QRコード、バーコードおよびこれらの組合せが挙げられる。したがって、ウェルID対応テーブル142には、これらに対応する第1識別子101に関する情報が格納されていればよい。
図8Bは、ウェルID対応テーブル142の第2の例である。図8Bは、図5Bで示した例に対応するテーブルの一例である。したがって、本例では、ウェルID対応テーブル142は、第1識別子101の情報を保持していない。図8BのウェルID対応テーブル142は、ウェルID801と、マイクロウェル105の位置を示す情報803と、撮影順序804とを構成項目として含む。また、図5Bに対応するように、マイクロウェル105の位置を示す情報803は、アルファベットと数字の組み合わせで定義される。
図8Cは、ウェルID対応テーブル142の第3の例である。図8Cは、図6で示した例に対応するテーブルの一例である。図8CのウェルID対応テーブル142は、ウェルID801と、マイクロウェル105の位置を示す情報803と、撮影順序804とを構成項目として含む。図6では、マイクロウェル105の周囲に文字列等が付されていないため、本例では、マイクロウェル105の位置を示す情報803は、5×5の正方格子の中の位置で定義される。このような構成とすることで、マイクロウェル105の周囲に文字列等が付されていない場合でも、撮影順序に従ってウェルIDと関連付けを行うことができる。また、撮影順序に従って拡大検体画像の取得位置(マイクロウェル105の位置)をガイドすることが可能となる。
上記の通り、ウェルID対応テーブル142の複数の例を説明したが、これらの各テーブルは、後述する細胞培養容器のタイプの情報に紐付けられてもよい。医療の現場では、異なるタイプの細胞培養容器が使用される可能性がある。したがって、上述のように各細胞培養容器のタイプに従ってウェルID対応テーブル142を保持することが好ましい。成育情報管理装置130における処理では、細胞培養容器のタイプが決定された後に、対応するウェルID対応テーブル142が選択されることになる。
図9は、第2識別子対応テーブル143の一例である。第2識別子対応テーブル143は、細胞培養容器ID901と、第2識別子情報902と、容器タイプ903とを構成項目として少なくとも含む。このテーブルを用いて、細胞培養容器100に付された第2識別子102から各細胞培養容器100を特定することができる。なお、容器タイプ903は、細胞培養容器のタイプを示す情報である。上述したように、細胞培養容器ごとにマイクロウェル105の配列や第1識別子101の有無などが変わる場合がある。したがって、容器タイプ903の情報を持つことにより、容器タイプ903に対応するマイクロウェルの設計情報(マイクロウェルのアライメントや数などの情報)を選択することができる。
図10は、ウェル設計情報テーブル144の一例である。ウェル設計情報テーブル144は、容器タイプ1001と、マイクロウェル105のアライメント(配置)の情報1002と、マイクロウェル105の個数の情報1003と、マイクロウェル105の周囲に文字列(図2Bのアルファベットや、図5Bのアルファベット及び数字など)があるか否かの情報1004と、第1識別子101があるか否かの情報1005とを構成項目として含む。ウェル設計情報テーブル144は、これら以外に、例えば、マイクロウェル105の形状、マイクロウェル105の開口部の外縁の寸法、マイクロウェル105の開口部の面積、マイクロウェル105間のピッチなどの他の設計情報を含んでもよい。
図11は、成育情報データベース145の一例である。成育情報データベース145は、画像取得装置110から取得した拡大検体画像と、この画像に関連する各種情報を格納する。成育情報データベース145は、細胞培養容器ID1101と、ウェルID1102と、成育情報1103とを構成項目として含む。このように、成育情報データベース145では、成育情報1103と、細胞培養容器ID1101及びウェルID1102とが対応付けられている。成育情報1103は、画像情報1104と、画像内のウェルに受精卵が有るか否かを示す情報1105と、画像内のウェル内の細胞の第1の特徴量を示す情報1106と、画像内のウェル内の細胞の第2の特徴量を示す情報1107と、画像情報を取得した日時1108を含む。第1の特徴量を示す情報1106は割球の直径の情報であり、第2の特徴量を示す情報1107は割球の数の情報である。この例では、画像情報1104に対して2つの特徴量の情報を管理しているが、この例に限定されず、1つあるいは2つ以上の特徴量を管理してもよい。また、特徴量も図11の例に限定されず、特徴量の様々な種類については後述する。さらに、成育情報として、特徴量とともに、成育段階を示す情報(Veek、Gardnerなどの分類のグレード情報)が格納されてもよい。
したがって、成育情報データベース145を参照することにより、各画像情報1104が、どのマイクロウェルの拡大検体画像に対応するかを管理することが、かつ、そのマイクロウェル内の細胞の成育段階の情報も同時に管理することができる。また、成育情報データベース145と検体情報データベース141の両方を参照することにより、各画像情報1104が、どのマイクロウェルの拡大検体画像に対応し、かつ、どの患者のいつの施術日時に対応するものであるかを管理することができる。なお、本実施形態では、成育情報データベース145を作成しているが、検体情報データベース141に画像情報や成育情報を登録できる項目を設け、検体情報データベース141に拡大検体画像及び成育情報を登録する形式でもよい。
図12は、判定プロファイルテーブル146の一例である。判定プロファイルテーブル146は、細胞の成育段階を判定するための判定情報を格納するものである。判定プロファイルテーブル146は、適用時期1201と、グレード1202と、条件1203とを構成項目として含む。後述するが、受精卵の成育段階を判定する場合、施術日時からの経過時間に基づいて判定する場合がある。適用時期1201は、施術日時(培養開始日時)からの経過時間を示す。条件1203は、その適用時期1201の場合に拡大検体画像から算出されるべき特徴量の情報と、その特徴量が満たすべき条件の情報を格納している。これにより、施術日時からの経過時間に応じて、算出すべき細胞の特徴量、及び、受精卵の成育状態を判定するための判定条件を切替えることが可能となる。例えば、図12の例において、経過時間が2〜3日の場合は、Veekの評価を考慮した第1レコードのプロファイルが選択される。また、経過時間が4〜5日の場合は、Gardnerの評価を考慮した第2レコードのプロファイルが選択される。Veek、Gardnerについての詳細は後述する。条件1203を満たした場合のグレードの情報は、グレード1202に格納される。このグレード1202の情報を用いて、受精卵の成育段階(あるいは、受精卵の良否)を判定することが可能となる。
次に、成育情報管理装置130について詳しく説明する。図1に示すように、成育情報管理装置130は、第1識別子認識処理部151と、第2識別子認識処理部152と、ウェル配置判定処理部153と、撮影支援処理部154と、特徴量算出処理部155と、データベース作成処理部156とを備える。成育情報管理装置130は、これらの処理部151〜156により、画像取得装置110でマイクロウェル105を予め決められた撮影順序で撮影し、撮影した拡大検体画像を解析し、上述した各種テーブルなどに基づいて、全体画像情報、拡大検体画像情報、ウェルID、及び成育情報を対応付ける。これにより、マイクロウェルに対して成育情報を間違えることなく一意に対応付けることが可能となる。
本実施形態では、成育情報管理装置130の各処理部151〜156を、コンピュータ上で実行されるプログラムの機能として実現してもよい。すなわち、各処理部151〜156は、プログラムコードとしてメモリに格納して、CPUが各プログラムコードを実行することによって各処理部151〜156が実現されてもよい。以下に各処理部151〜156について説明する。
第1識別子認識処理部151は、細胞培養容器100のマイクロウェル105内の細胞及び第1識別子101を含む拡大検体画像を画像取得装置110から受け取り、拡大検体画像に対して輪郭線抽出処理を実行する。輪郭線抽出処理としては、当業者に公知の技術を適用できる。輪郭線抽出処理の一例として、拡大検体画像に対して白と黒の2階調の画像に変換する2値化処理を実行し、2値化された画像で輪郭線を抽出する処理が挙げられる。なお、通常、観察の対象物が透明で、境界の濃淡さが付きにくいため、画素値の変化に対して微分演算を行った後に、2階調の画像に変換する処理を実行してもよい。また、その他の輪郭線抽出処理としては、特開2011−192109号公報に記載の技術を用いてもよい。この文献では、基準プロファイルと候補プロファイルと作成し、基準プロファイルと候補プロファイルとの類似性を示す類似度を算出することで、受精卵の輪郭を決定しているが、この技術をマイクロウェルの輪郭線や第1識別子の輪郭線の決定に適用してもよい。第1識別子認識処理部151は、輪郭線抽出処理によって、マイクロウェル105の開口部の外縁が形成する図形の輪郭線(以下、「外周輪郭線」と呼ぶ)と、第1識別子101が形成する図形の輪郭線とを抽出し、輪郭線抽出画像を出力する(図13)。
また、第1識別子認識処理部151における輪郭線抽出処理の後に、補間処理及び/又は領域定義処理を実行してもよい。補間処理とは、予め用意しておいたパターンと輪郭線抽出画像とを組み合わせることで、輪郭線の途切れた部分を推定して補間する処理である。例えば、輪郭線抽出処理のみだと、マイクロウェル105の外周輪郭線や第1識別子101が形成する図形の輪郭線が途切れ途切れになる場合がある。したがって、マイクロウェル105の形状のパターンと、第1識別子101の形状のパターンとを予め登録しておき、輪郭線抽出画像に対してそれぞれのパターンを重ね合わせて、それぞれの輪郭線を補間する。また、領域定義処理とは、輪郭線で囲まれた領域を定義する処理である。例えば、輪郭線抽出画像上の輪郭線が途切れ途切れの場合には、輪郭線の補間処理後に補間された輪郭線で囲まれた領域を定義する。この領域定義処理を行うことで、その後に行うパターンマッチングを行う範囲や輪郭線で囲まれた領域の寸法あるいは面積の計算の領域を決定することができる。
第1識別子認識処理部151は、輪郭線抽出画像に対してパターン検出処理を実行する。ここで、パターン検出処理とは、輪郭線抽出画像においてどの輪郭線がマイクロウェル105の外周輪郭線であるか、および、どの輪郭線が第1識別子101の輪郭線であるかを検出することである。パターン検出処理としては、当業者に公知の技術を適用できる。一例として、マイクロウェル105の形状のテンプレートと、第1識別子101の形状のテンプレートとを予め成育情報管理装置130に格納しておき、それぞれのテンプレートによってパターンマッチングする方法がある。第1識別子認識処理部151は、それぞれのテンプレートに対して所定の類似度以上の部分をマイクロウェル105の輪郭線あるいは第1識別子101の輪郭線として検出する。なお、画像取得装置110の拡大倍率に対応させてテンプレートを適宜拡大/縮小させてもよい。
輪郭線抽出画像においてマイクロウェル105の外周輪郭と第1識別子101の輪郭線を検出する処理としては、これに限定されず、他の方法でもよい。例えば、ウェル設計情報テーブル144内のマイクロウェル105の設計情報及びウェルID対応テーブル142内の第1識別子101の設計情報を用いて検出を行ってもよい。例えば、輪郭線抽出画像上の輪郭線からなる図形の寸法や面積などの情報と、マイクロウェル105の設計情報及び第1識別子101の設計情報とを比較して、マイクロウェル105の外周輪郭線と第1識別子101の輪郭線を特定してもよい。
第1識別子認識処理部151は、輪郭線抽出画像に対して第1識別子101の認識処理を実行する。第1識別子認識処理部151は、第1識別子101のマイクロウェルに対する角度αを算出する(図14)。第1識別子101が線(バー)の場合、第1識別子認識処理部151は、角度α及び/又は線(バー)の長さを算出してもよい。その後、第1識別子認識処理部151は、算出された角度αによってウェルID対応テーブル142を参照し、算出された角度αに対応するウェルIDを出力する。
なお、第1識別子認識処理部151の処理はこれに限定されず、他の方法でもよい。第1識別子認識処理部151の処理では、マイクロウェル105と第1識別子101との相対的な位置関係からウェルIDへの対応づけができればよく、図15に示すように、マイクロウェルと第1識別子とを含む複数のテンプレートを用意して、テンプレートマッチングを行ってもよい。ウェルID対応テーブルにおいて、各テンプレートとウェルIDとが関連付けられていれば、テンプレートマッチングの結果から拡大検体画像とウェルIDとの対応付けが可能となる。
第2識別子認識処理部152は、第2識別子読取装置120で読み取った第2識別子102の情報によって第2識別子対応テーブル143を参照し、その情報に対応する細胞培養容器IDを出力する。なお、この方式とは別に、事前に細胞培養容器IDを別の方法で認識させておいて、第2識別子102を第2識別子読取装置120で読み取ることによって認識の正誤をチェックする方式でもよい。また、第2識別子認識処理部152は、その後の処理でウェル設計情報テーブル144の対応する情報を選択するために、及び、対応するウェルID対応テーブル142を選択するために、細胞培養容器の容器タイプ903を出力する。
ウェル配置判定処理部153は、全てのマイクロウェル105及びマイクロウェル105の周囲にある文字列(数字、アルファベットなど)を含む低倍率画像(以下、全画像情報)から、マイクロウェル105の配置情報を算出する。マイクロウェル105の検出については、上述した第1識別子認識処理部151の処理として説明したものを用いてもよい。また、マイクロウェル105の周囲にある文字列についてはOCR処理など公知の文字認識処理を用いればよい。ウェル配置判定処理部153は、全画像情報から、マイクロウェル105の配置、マイクロウェル105の数、マイクロウェル105の周囲にある文字列などを認識する。
ウェル設計情報テーブル144を参照することにより、第2識別子102に対応する容器タイプのウェル設計情報を取得することが可能である。したがって、ウェル配置判定処理部153は、全画像情報から認識した各種情報が、ウェル設計情報テーブル144のウェル設計情報に一致するかを判定する。判定は、例えば、ウェル設計情報テーブル144の項目に従って行う。例えば、ここでの判定は、マイクロウェル105の数が一致するか、マイクロウェル105の配置が正方格子状に配置されているか、マイクロウェル105の周囲に文字列が認識されたか、などである。なお、別の判定も行ってもよい。例えば、撮影した倍率とマイクロウェル105のサイズは予めわかっているため、取得した画像上で所定のXY座標範囲にマイクロウェル105の全てが入っているかなどの判定も可能である。これにより、第2識別子102から認識された容器タイプと、実際に撮影された細胞培養容器の容器タイプとが一致するかを判定することができる。
また、ウェル配置判定処理部153は、全画像情報からマイクロウェル105内に細胞があるか否かを判定する。例えば、マイクロウェル105内に細胞が存在しない場合は、拡大検体画像においてマイクロウェル105内の画素値が一様な分布になる。ウェル配置判定処理部153は、マイクロウェル105内に画素値の変動があるかを判定し、マイクロウェル105内に細胞があるか否かを判定する。この判定処理は一例であり、細胞の有無が判定されれば、公知の他の手法を用いてもよい。ここでの判定結果は、個別の拡大検体画像を撮影する前の細胞数の確認に用いたり、成育情報データベース145の情報1105として登録することができる。
撮影支援処理部154は、各マイクロウェル105の個別の拡大検体画像を撮影する際の撮影順序をガイドするための各種処理、撮影順序に基づいて拡大検体画像とウェルIDとを対応づける処理、及び、個別の拡大検体画像が正しく取得されたかの判定処理などを行う。撮影支援処理部154は、あらかじめ撮影順序がウェルID対応テーブル142に登録されている場合は、容器タイプが判定された後に、拡大検体画像を撮影する際の撮影順序をガイドする。また、撮影支援処理部154は、あらかじめ撮影順序が決まってない場合は、出力部133に撮影順序を入力させるための画面を表示し、その画面に対する入力情報から撮影順序を取得してもよい。
ガイドの方法としては、操作者が入力部132を用いて画像取得装置110を操作し、マイクロウェル105及び第1識別子101がフレームに含まれるように焦点調整するときに、ディスプレイなどの出力部133に撮影すべきマイクロウェル105の位置情報を表示する方法がある。ディスプレイ上での表示に限定されず、音声など他の方法によって撮影順序がガイドされてもよい。ガイドの内容としては、「最初にAの位置のマイクロウェルを撮影して下さい」とガイドすることや、Aの位置のマイクロウェルを撮影した後に、「次は1つ右側のマイクロウェルを撮影して下さい」とガイドすることが挙げられる。撮影するマイクロウェル105の位置を認識できる内容ならば他の内容でもよい。
なお、画像取得装置110が、撮影すべきマイクロウェルの位置(XY座標)及び撮影倍率などを指定すれば自動的に画像を取得する機能を備えている場合は、撮影支援処理部154は、撮影順序に従って、撮影すべきマイクロウェルの位置(XY座標)及び撮影倍率を指定し、画像取得装置110によって自動的に拡大検体画像を取得してもよい。この場合、ウェルID対応テーブル142などに各マイクロウェル105のXY座標などの情報を保持しておけばよい。
撮影支援処理部154は、ウェルIDと撮影順序が定義されているウェルID対応テーブル142を参照することにより、拡大検体画像とウェルIDとを対応づける。例えば、図8Aの例では、1番目に撮影された拡大検体画像は、ウェルID「001」に対応づけられ、2番目に撮影された拡大検体画像は、ウェルID「002」に対応付けられる。この対応付けにより、ウェルIDと、拡大検体画像と、成育情報とを対応づけて成育情報データベース145に登録することが可能となる。なお、マイクロウェル105の近傍に第1識別子101が付されている場合は、さらに、上記の第1識別子認識処理部151の処理によって第1識別子101を認識し、撮影順序に従った拡大検体画像が取得されたかをさらに判定することが可能である。例えば、図8Aの例で、撮影順序を誤って撮影した場合、第1識別子101によって認識されるウェルIDと、撮影順序によって対応付けられるウェルIDが異なることになる。したがって、撮影支援処理部154は、撮影順序によって対応付けられるウェルIDと、上記の第1識別子認識処理部151の処理によって認識された第1識別子101に関連づけられたウェルIDとが一致するかをさらに判定してもよい。このように、第1識別子101の認識と組み合わせることにより、撮影順序に従って誤りなく撮影されたかを判定することが可能となる。
また、撮影支援処理部154は、個別の拡大検体画像が正しく取得されたかの判定処理を行う。例えば、撮影支援処理部154は、全画像情報から認識された受精卵の数と、取得した拡大検体画像の数とを比較することにより、拡大検体画像が正しく取得されたかを判定する。さらに、撮影支援処理部154は、拡大検体画像の画像ファイルに対してあらかじめ指定されたファイル命名規則によってファイル名を変更する。ファイル命名規則は、あらかじめ設定されていてもよい。また、撮影支援処理部154は、あらかじめファイル命名規則が決まってない場合は、出力部133に命名規則を入力させるための画面を表示し、その画面に対する入力情報から命名規則を取得してもよい。ファイル命名規則としては、細胞培養容器IDを示す文字列、ウェルIDを示す文字列が少なくとも含まれる。ファイル命名規則として、さらに、撮影日時を示す文字列なども含んでもよい。
特徴量算出処理部155は、拡大検体画像の画像情報から各種特徴量を算出する。以下では一例として、ヒトの受精卵の特徴量について説明する。ヒトの受精卵を培養する場合、通常、受精後に受精卵の成育状態が段階的に判定され、これにより、子宮への移植に適した良質な受精卵であるか否かが判定される。
まず、培養開始後、2〜3日目の時期に行われる形態的評価について説明する。受精2〜3日後の3〜8細胞期胚の時点で胚のグレードを評価する方法がある。この評価では、一般的にVeekの分類が用いられている。Veekの分類では、細胞が均等に分かれており、かつ、フラグメンテーション(細胞くず)が少ない胚ほど良好とされている。
以下にVeekのグレードを示す。
グレード1:細胞(割球)の形態が均一でフラグメンテーションを認めない胚。
グレード2:細胞(割球)の形態が均等であるが、わずかにフラグメンテーションを認めない胚。
グレード3:細胞(割球)の形態が不均一な胚。または、少量のフラグメンテーションを認める胚。
グレード4:細胞(割球)の形態が均一又は不均一で、かなりのフラグメンテーションを認める胚。
グレード5:細胞(割球)をほとんど認めず、フラグメンテーションが著しい胚。
次に、Veekの分類を参考にした、特徴量算出処理部155による特徴量算出処理を説明する。図16は、拡大検体画像から細胞(割球)の均一度を算出する例を示す。図16では、拡大検体画像を簡略的なイラストで示す。なお、以下で説明する処理の主体は、特徴量算出処理部155である。
図16(a)は、本手法をわかりやすく説明するために、拡大検体画像の中で細胞の部分を切り出して示す。なお、特徴量算出処理部155は、拡大検体画像をそのまま画像処理してもよいし、拡大検体画像の細胞部分のみを切り出して画像処理を行ってもよい。上述したように、マイクロウェル105内の細胞の部分は、画素値が変動しており、公知の手法でエッジを検出できるため、細胞部分の画像を切り出すことは可能である。まず、拡大検体画像から割球の輪郭に対応するエッジを検出する。エッジ検出としては、Sobelフィルタ、Laplacianフィルタ、Cannyフィルタなどの公知の手法を用いることができる。なお、上述した第1識別子101を認識する際の輪郭線抽出処理などを用いてもよいし、輪郭線の途切れた部分を推定して補間する処理なども追加で行ってもよい。エッジ検出後に、割球の検出処理を行う。割球の検出処理としては、一例としてハフ変換を用いて円形を検出する方法がある。また、楕円フィッティングなどの公知の手法を用いて割球の検出を行ってもよい。
図16(b)は、割球の検出処理によって検出された部分を示す。よりわかりやすく説明するために、割球として検出された部分を太線として拡大検体画像に重なる形で示す。図16(b)に示すように、検出された各割球には、区別するために例えば、一時的に番号やIDなどが付される。ここでは、割球1〜4が検出されている。なお、ここで検出された割球の数を成育情報データベース145の第2の特徴量を示す情報1107として登録することができる。
次に、割球の均一性の指標となる特徴量を算出する。ここでは、円形度と直径について説明する。ここで、「円形度」は、円らしさを表す値であり、以下の式で定義することができる。
円形度=4πS÷L
Sは、面積(画素数)であり、Lは周囲長である。この円形度は、値が1となる時、もっとも円に近いことを表す。図16(b)の例では、各割球のエッジで囲まれる画素数をSとして使用し、各割球のエッジの周囲長をLとして使用することで円形度を算出することができる。「直径」は、割球がほぼ円である場合は直径であり、楕円である場合は最大径であり、ひょうたん形など他の形の場合は重心を通る最大長さである。
図16(c)は、各割球について円形度と直径を算出した例を示す。このように割球ごとに特徴量を算出して、これらの全ての特徴量を成育情報として登録してもよいが、これらの複数の特徴量から、成育段階を評価するための所定のスコアを算出してもよい。ここでは、均一性(均一度)のスコアについて説明する。
均一性を示すスコアを一例として以下のように定義する。
均一性=(大きさ揃い度)+(円形度からのずれ度)
ここで、「大きさ揃い度」は、割球の直径の大きさのばらつきを示す値であり、直径の大きさが揃っているほど値は0に近くなり、ばらつきがあるほど値は大きくなる。例えば、以下の式で定義することができる。
大きさ揃い度=変動係数=標準偏差÷平均値
図16(c)の例では、大きさ揃い度は0.365となる。
「円形度からのずれ度」は、全ての割球に対して円形度からのずれを考慮した値であり、割球のそれぞれが円に近ければ値は0に近くなり、円からずれるほど値は大きくなる。例えば、以下の式で定義することができる。
円形度からのずれ度=1−円形度の平均値
図16(c)の例では、円形度からのずれ度は、0.25となる。最終的に、均一性は、大きさ揃い度(0.365)と円形度からのずれ度(0.25)の和から「7.9」となる。このように複数の特徴量から算出されたスコアを成育情報データベース145に登録してもよい。ここで説明したスコアの算出方法は一例であり、他の計算方法が用いられてもよい。例えば、重要な特徴量については重み付けなどをしてもよい。また、スコアを計算する際に、ここで説明した以外の特徴量を用いてもよい。
次に、フラグメンテーションの割合を算出する処理を説明する。図17は、拡大検体画像からフラグメンテーションの割合を算出する例を示す。図17では、拡大検体画像を簡略的なイラストで示す。まず、拡大検体画像から胚領域を抽出する。図16での処理と同様に、胚領域の抽出には、エッジ検出を用いることができる。エッジ検出としては、Sobelフィルタ、Laplacianフィルタ、Cannyフィルタなどの公知の手法を用いることができる。なお、上述した第1識別子101を認識する際の輪郭線抽出処理などを用いてもよいし、輪郭線の途切れた部分を推定して補間する処理なども追加で行ってもよい。エッジ検出後に、胚領域の検出処理を行う。胚領域の検出処理としては、一例としてハフ変換を用いて円形を検出する方法がある。また、楕円フィッティングなどの公知の手法を用いてもよい。図17(b)は、胚領域の検出処理によって検出された部分を示す。よりわかりやすく説明するために、胚領域として検出された部分を点線として拡大検体画像に重なる形で示す。
次に、フラグメンテーションの領域を抽出する。フラグメンテーションとは、胚の中にある割球とは異なる細胞破片(割球よりもサイズが小さい細胞くず)である。図17(a)の画像に示すように、フラグメンテーションの領域は、細胞破片が集まっている領域であるため、領域分割の手法を用いてフラグメンテーションの領域を抽出する。領域分割の手法としては、WaterShed、Split and Merge、Mean Shift、Grabcutなどの公知の手法を用いることができる。図17(c)は、フラグメンテーションの領域を抽出した例を示す。最終的に、胚領域として検出された部分に対するフラグメンテーションの領域の割合を算出する。この割合は、各部分に対応する画素数から算出することができる。図17(c)の例では、フラグメンテーションの割合は42%である。このように算出された特徴量を成育情報データベース145に登録してもよい。
次に、培養開始後、4〜5日目の時期に行われる形態的評価について説明する。受精4〜5日後の胚盤胞のグレードを評価する方法があり、Gardnerの分類が知られている。胚盤胞とは、卵割腔の形成後から着床前の胚形成初期に形成される構造のことである。胚盤胞は、内部細胞塊と栄養外胚葉とから構成される。内部細胞塊は、胚盤胞の内側に形成される細胞集団のことであり、将来胎児を形成することになる細胞集団である。栄養外胚葉は、内部細胞塊は異なる性質を持つ細胞集団であり、将来胎盤の一部を形成することになる細胞集団である。
Gardnerの分類では、胚盤胞の発育ステージを6段階、内部細胞塊と栄養外胚葉をそれぞれ3段階で評価し、それぞれの組み合わせで評価を行っている。一例として、図18は、ある段階の胚盤胞を示し、内部細胞塊と栄養外胚葉を簡略的に示す。図19は、内部細胞塊と栄養外胚葉のそれぞれの評価の例である。例えば、内部細胞塊の大きさや栄養外胚葉の均一性などが指標となる。
まず、内部細胞塊の評価について説明する。内部細胞塊の評価としては、内部細胞塊の大きさ、内部細胞塊の細胞の均一性、内部細胞塊の細胞同士が密に接するか、内部細胞塊の細胞数が多いか、などがある。特徴量算出処理部155は、以下に示すやり方で、拡大検体画像の画像情報から内部細胞塊の各種特徴量を算出する。図18では、内部細胞塊の領域が輪郭によって明確に示されているが、実際には、内部細胞塊は拡大検体画像において胚盤胞の内側でぼんやりと映る。したがって、一例として、胚盤胞を細かく(画素単位、あるいは、数画素単位で)区切り、区切られた部分ごとに内部細胞塊のエリアであるかを判定する。内部細胞塊のエリアは、画素値の情報、粒状度(画素値のばらつき)、空間周波数、あるいは、これらの情報の組み合わせなどで定義することができる。
内部細胞塊の大きさは、検出されたエリア内の最大長さ(エリア内の重心を通る最大長さ)やエリアの面積によって判定される。内部細胞塊の細胞の均一性は、検出されたエリア内の粒状度(画素値のばらつき)によって判定される。また、上述した割球の検出処理と同様に、内部細胞塊のエリア内のエッジを検出して内部細胞塊の細胞数を算出してもよい。さらに、エリア内の内部細胞塊の細胞間の距離(各細胞の重心間の距離)によって内部細胞塊の細胞同士が密に接するかを判定してもよい。
栄養外胚葉の評価としては、栄養外胚葉内の細胞数、栄養外胚葉内の均一性、などがある。特徴量算出処理部155は、以下に示すやり方で、拡大検体画像の画像情報から栄養外胚葉の各種特徴量を算出する。まず、栄養外胚葉が含まれる領域として、上述した内部細胞塊のエリア以外の領域を抽出する。その抽出されたエリア内で、上述と同様に、エッジ検出処理、細胞検出処理(ハフ変換、楕円フィッティング)を実行し、栄養外胚葉内の細胞数を算出する。栄養外胚葉内の均一性は、上記処理で検出された各細胞の粒状度のばらつきなどによって判定することができる。別の方法として、上記処理で検出された細胞のうち所定の直径以下の細胞数をカウントすることで、栄養外胚葉内の均一性を判定してもよい。
以上では、受精2〜3日後、及び4〜5日後に行われる形態的評価について説明したが、受精初期(約1日後)などにおいて形態的評価を行ってもよい。例えば、初期の評価方法として、前核期胚の形態的評価を用いてもよい。前核期胚とは、媒精後、約十数時間程度経過した胚である。卵子の中に精子が入り込むと、卵子由来の前核と、精子由来の前核が寄り添うように並ぶ。図20は、2つの前核及び前核内の核小体の形態を示す。図20(a)〜(c)に示すように、前核の大きさ、2つの前核間の距離や、前核内の核小体の配列などに違いがある。不妊治療の現場において、前核の大きさや配列、さらに、前核内の核小体の大きさや配列、対称性などでその後の胚発生に差が見られることが知られている。
特徴量算出処理部155は、以下に示すやり方で、拡大検体画像の画像情報から前核期胚の各種特徴量を算出してもよい。上述と同様に、エッジ検出処理、細胞検出処理(ハフ変換、楕円フィッティング)を実行し、所定の直径の範囲の細胞を前核として判定する。そして、前核と判定された部分に対して、前核の大きさ(直径や面積)、前核の明度(輝度)、2つの前核間の大きさの差(直径や面積の差)、2つの前核間の距離(重心間の距離)などを算出する。
また、同様のやり方で、前核と判定されたエリアに対して、核小体の検出処理を実行してもよい。細胞検出処理(ハフ変換、楕円フィッティング)を実行し、所定の直径の範囲(すなわち、所定のしきい値より小さい直径)の細胞を核小体として判定する。そして、核小体の大きさ(直径や面積)、核小体の数、核小体間の距離などを算出する。このように算出された特徴量を成育情報データベース145に登録してもよい。
以上、特徴量算出処理部155によって算出される特徴量を説明したが、上述したものに限定されない。上述した実施例では、Veek、Gardner、前核期胚の評価を説明したが、これらの一部の要素を実施してもよいし、これらに類似する他の分類が用いられてもよい。また、細胞の特徴量としては、細胞の数、細胞の形状、細胞の直径、細胞の領域の重心を通る最大長さ、円形度、細胞のアスペクト比、細胞の周囲長、細胞の面積、細胞の濃度(明度や輝度)、細胞の均一性(大きさのずれや画素値のばらつきなど)、全体に対する所定の細胞が占める割合(フラグメンテーションの割合など)、細胞の配列(細胞間の距離や複数の細胞の位置関係)、これらの組み合わせなどが挙げられる。
また、特徴量算出処理部155は、上述した特徴量に基づいて、受精卵の成育段階や良否を判定してもよい。特徴量算出処理部155は、判定プロファイルテーブル146の条件1203を参照し、上述した特徴量が所定の条件を満たすかを判定し、これにより、条件を満たすグレード1202を出力してもよい。ここで出力されるグレード1202の情報を成育情報データベース145に登録してもよい。
さらに、特徴量算出処理部155は、培養開始日(基準時間)からの経過時間に基づいて、受精卵の成育段階を判定するためのプロファイルを切替えてもよい。図21は、培養開始日からの経過時間に応じて適用するプロファイルを説明する図である。図21に示すように、1日目には、上述した前核期胚の評価を用い、2〜3日目には、Veekの評価を用い、4〜5日目にはGardnerの評価を用いるようにしてもよい。判定プロファイルテーブル146には、適用時期(基準時間からの経過時間)1201の情報も格納されているため、特徴量算出処理部155は、基準時間(例えば、施術日時)と拡大検体画像の取得時間とから経過時間を算出し、判定プロファイルテーブル146を参照することにより、経過時間に応じたプロファイルを適用することができる。なお、ここでは、基準時間からの経過時間で、プロファイルを切替えることを説明したが、この手法に限定されない。特徴量算出処理部155は、検体拡大画像内の細胞の特徴量を算出した後に、特定の特徴量の値に基づいてプロファイルを切替えてもよい。この場合、判定プロファイルテーブル146に、特定の特徴量の条件を表す項目を追加すればよい。また、特徴量算出処理部155は、成育段階のグレードに基づいてプロファイルを切替えるようにしてもよい。例えば、前回の画像取得時にVeekのある特定の段階まで来ていた場合、今回はGardnerの評価用のプロファイルに切替えるというやり方でもよい。これは、成育情報データベース145にグレードの情報を保持することにより可能となる。
データベース作成処理部156は、撮影支援処理部154によって対応付けられたウェルIDと、第2識別子認識処理部152から出力された細胞培養容器IDと、拡大検体画像の画像情報とを関連付けて成育情報データベース145に格納する。さらに、データベース作成処理部156は、特徴量算出処理部155によって算出された各種特徴量の情報や、拡大検体画像の取得時刻の情報を、細胞培養容器ID及びウェルIDと関連付けて成育情報データベース145に格納する。なお、これらに加えて、全画像情報も細胞培養容器ID及びウェルIDと関連付けて成育情報データベース145に格納してもよい。
次に、成育情報管理装置130における処理の流れについて説明する。図22は、成育情報管理システム1における処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、所定の情報端末で成育情報管理プログラムを起動する(2201)。次に、第2識別子読取装置120によって、細胞培養容器100の第2識別子102を読み取る(2202)。次に、第2識別子認識処理部152が、読み取った第2識別子102の情報を用いて、第2識別子対応テーブル143を参照する。そして、第2識別子認識処理部152は、第2識別子102に対応する細胞培養容器IDを出力し、細胞培養容器IDの情報を一旦記憶装置等に記録する(2203)。
次に、操作者は、入力部132を用いて画像取得装置110を操作し、全てのマイクロウェル105及び全ての配置情報(マイクロウェル105の周囲の文字列)がフレームに含まれるように全画像情報を取得する(2204)。次に、ウェル配置判定処理部153によって、全画像情報からマイクロウェル105の配置情報を認識する(2205)。具体的には、全画像情報からマイクロウェル105を検出したり、マイクロウェル105の周囲にある文字列をOCR処理などによって認識する。
次に、ウェル配置判定処理部153は、全画像情報から認識した各種情報が、ウェル設計情報テーブル144のウェル設計情報に対して正常な範囲内にあるかを判定する(2206)。判定は、例えば、ウェル設計情報テーブル144の項目に従って行ってもよい。ここで、正常範囲外の場合、ステップ2204へ戻る。
次に、ウェル配置判定処理部153は、全画像情報からマイクロウェル105内に細胞があるか否かを判定し、全画像情報に中の受精卵の数を算出する(2207)。次に、ウェル配置判定処理部153は、算出された受精卵の数をディスプレイなどの出力部133に表示し、操作者に個数が合っているかを確認させる(2208)。数が正しければ、そのまま次のステップ2209に進む。受精卵の数が違っている場合は、操作者に正しい受精卵の個数を入力させる。ここでは、受精卵の数を算出し、受精卵のあるマイクロウェルだけを撮影する流れで説明しているが、これに限定されない。例えば、ステップ2207及び2208を省略することも可能である。例えば、全てのマイクロウェル105の検体拡大画像を取得することを前提とし、成育情報データベース145の情報1105として受精卵の有無を登録する場合、マイクロウェル105内に細胞があるか否かの判定のみを行い、受精卵の有無の情報を最終的に成育情報データベース145に登録するようにしてもよい。
次に、撮影支援処理部154は、撮影順序及び拡大検体画像の画像ファイルの命名方法を選択させるための画面をディスプレイなどの出力部133に表示させる(2209)。撮影支援処理部154は、入力部132を介して入力された撮影順序及び命名方法を一時的に記録する。なお、上述したように、撮影順序及び命名方法などはあらかじめ設定されていてもよい。この場合、ステップ2209は省略することができる。
次に、操作者が画像取得装置110を操作し、個別のマイクロウェル105がフレームにおさまるように(第1識別子101がある場合は、第1識別子101も含まれるように)焦点調整するときに、撮影支援処理部154は、指定された撮影順序に従ってガイドを行う(2210)。操作者は、このガイドに従って、個別のマイクロウェル105の拡大検体画像を取得する(2211)。このとき、拡大検体画像を取得した際の撮影時刻の情報も記録する(2212)。ここでは、このステップ2210〜2212をn回(受精卵の個数)繰り返す。
次に、撮影支援処理部154は、全画像情報から認識された受精卵の数と、取得した拡大検体画像の数とを比較することにより、拡大検体画像が正しく取得されたかを判定する(2213)。拡大検体画像が正しい数取得されていない場合、ステップ2209に戻って撮影をやり直す。拡大検体画像が正しい数取得されている場合、次のステップに進む。
次に、撮影支援処理部154は、指定された命名方法に従って、取得された拡大検体画像の画像ファイルのファイル名を変更する(2214)。次に、撮影支援処理部154は、撮影順序の情報(具体的には、ウェルID対応テーブル142などの情報)に基づいて、全画像情報と、個別の拡大検体画像と、細胞培養容器IDと、ウェルIDと、撮影時刻とを対応付ける(2215)。なお、マイクロウェル105の近傍に第1識別子101が付されている場合は、このステップ2215の前に、上記の第1識別子認識処理部151の処理によって第1識別子101を認識し、撮影順序に従った拡大検体画像が取得されたかをさらに判定してもよい。
次に、特徴量算出処理部155は、拡大検体画像から細胞の特徴量を算出する(2216)。ここでの処理の流れは後述する。次に、データベース作成処理部156は、ウェルIDと、細胞培養容器IDと、全画像情報と、拡大検体画像の画像情報と、各種特徴量の情報と、拡大検体画像の撮影時刻の情報とを関連付けて成育情報データベース145に登録する(2217)。
図23は、図22のステップ2216の具体的な処理の流れを説明するフローチャートである。以下の処理の主体は、特徴量算出処理部155である。まず、判定プロファイルテーブル146を参照することにより、使用するプロファイルを選択する(2301)。例えば、施術日時と拡大検体画像の取得時間とから経過時間を算出し、判定プロファイルテーブル146の適用時期1201を参照することにより、経過時間に応じたプロファイルを選択することができる。
次に、選択したプロファイルに応じた特徴量を算出する(2302)。例えば、図12の1番目のレコードの場合、特徴量として、割球及びフラグメンテーションの特徴量が算出される。次に、算出された特徴量に基づいてスコアが計算される(2303)。最後に、判定プロファイルテーブル146を参照することにより、グレードが判定される(2304)。ここでは、ステップ2203で算出した特徴量が判定プロファイルテーブル146の条件1203を満たすか否かかが判定され、条件を満たす場合は対応するグレード1202が出力される。なお、スコアやグレードの情報は、その後、出力部133に表示されてもよいし、成育情報データベース145に登録されてもよい。
以上のように、本実施例によれば、あらかじめ指定された撮影順序に従って拡大検体画像に対して自動でウェルIDが対応づけられるため、手作業で拡大検体画像と成育情報とを対応付ける手間がなくなる。しかも、あらかじめ指定された撮影順序に従って撮影がガイドされるため、手作業による対応付けのミスの危険性が低減する。また、ウェルIDだけでなく、細胞培養容器IDも拡大検体画像と対応付けることができ、拡大検体画像に対して検体情報の全てを一意に識別することが可能となる。また、拡大検体画像に対して、画像取得時刻の情報も対応付けられるため、受精卵の成育段階の判定に関する情報が管理し易くなる。また、従来では、拡大検体画像を見た操作者が目視で細胞の特徴量を判定し、受精卵の成育段階を判定していたが、本実施例によれば、拡大検体画像から自動的に特徴量を計算し、しかも、その特徴量に基づいて受精卵の成育段階も自動的に判定することができる。
次に、本発明の別の実施例について説明する。図24は、成育情報データベース145の別の形態を示す図である。図11と同じ構成要素については同じ番号を付して、説明を省略する。顕微鏡等の画像取得装置110からは、画像を取得した際の深さ情報も取得することが可能である。したがって、成育情報データベース145に深さ情報(受精卵の最上端部から下方向への深さ)1109の項目を追加し、成育情報1103とともに深さ情報1109も管理してもよい。
深さ情報1109を管理することにより、2次元の画像情報1104だけでなく、3次元の画像情報も管理することが可能となる。例えば、ある細胞に対して複数の深さで画像情報1104を取得する(例えば、図24の第1〜第3レコード)。成育情報管理システム1は、これらの複数の深さに対応する複数の画像を積層する(深さ方向に重ねる)ことにより、3次元ポリゴンのグラフィックを作成するようにしてもよい。2次元の画像から3次元ポリゴンへのモデル化は、当業者に周知の手法を用いればよい。これにより、受精卵の立体的な情報も管理することができる。また、3次元ポリゴンを参照することにより、受精卵の発育段階を立体的な表示で判定することも可能となる。この実施例の場合、3次元ポリゴンの情報を用いて、細胞の体積を算出し、細胞の体積を特徴量として成育情報データベース145に登録してもよい。また、3次元ポリゴンの情報から受精卵全体の形状を判定し、形状の情報を特徴量として成育情報データベース145に登録してもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることがあり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上述したように、成育情報管理装置130の構成要素をネットワーク上の複数の情報処理装置に分散して構成してもよい。例えば、成育情報管理システムは、画像取得装置110に接続された端末(第1の情報処理装置)と、記憶装置などを備えるサーバ(第2の情報処理装置)とから構成されてもよい。各種テーブル及びデータベースなどは、対応する処理に応じて端末あるいはサーバに格納される。一例として、図22のステップ2201〜2215を端末で行い、ステップ2216〜2217をサーバで行ってもよい。この場合、ステップ2215において、端末が、対応付けた各種情報をサーバへ送信する。また、サーバは、端末から各種情報を受信し、特徴量の抽出及び記憶装置への登録処理を行えばよい。また、別の例では、撮影順序とウェルIDとの対応付けの処理もサーバ側で行ってもよい。この場合、端末が、撮影順序の情報とともに拡大検体画像の情報をサーバに送信すればよい。
上述では培養対象としてヒトの受精卵の例を説明したが、これに限定されない。培養対象となる細胞は、例えば、受精卵、卵細胞、ES細胞(胚性幹細胞)およびiPS細胞(人工多能性幹細胞)が挙げられる。卵細胞は、未受精の卵細胞をさし、未成熟卵母細胞および成熟卵母細胞が含まれる。受精卵は、受精後、卵割により2細胞期、4細胞期、8細胞期と細胞数が増えていき、桑実胚を経て、胚盤胞へと発生する。受精卵には、2細胞胚、4細胞胚および8細胞胚などの初期胚、桑実胚、胚盤胞(初期胚盤胞、拡張胚盤胞および脱出胚盤胞を含む)が含まれる。胚盤胞は、胎盤を形成する潜在能力がある外部細胞と胚を形成する潜在能力がある内部細胞塊からなる胚を意味する。ES細胞は胚盤胞の内部細胞塊から得られる未分化な多能性または全能性細胞をさす。iPS細胞は、体細胞(主に線維芽細胞)へ数種類の遺伝子(転写因子)を導入することにより、ES細胞に似た分化万能性を持たせた細胞をさす。すなわち、細胞には、受精卵や胚盤胞のように複数の細胞の集合体も包含される。
また、本発明は、好ましくは哺乳動物および鳥類の細胞、特に哺乳動物の細胞の培養に好適である。哺乳動物は、温血脊椎動物をさし、例えば、ヒトおよびサルなどの霊長類、マウス、ラットおよびウサギなどの齧歯類、イヌおよびネコなどの愛玩動物、ならびにウシ、ウマおよびブタなどの家畜が挙げられる。本発明は、ヒトの受精卵の培養の場合に特に好適である。
また、上述したように、成育情報管理装置130の各処理部は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードで実現してもよい。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体を情報処理装置に提供し、その情報処理装置(またはCPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、図面における情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
1 :成育情報管理システム
100 :細胞培養容器
101 :第1識別子
102 :第2識別子
103 :底部
104 :側壁
105 :マイクロウェル
106 :細胞収容部
107 :天地マーク
110 :画像取得装置
120 :第2識別子読取装置
130 :成育情報管理装置
131 :記憶装置
132 :入力部
133 :出力部
141 :検体情報データベース
142 :ウェルID対応テーブル
143 :第2識別子対応テーブル
144 :ウェル設計情報テーブル
145 :成育情報データベース
146 :判定プロファイルテーブル
151 :第1識別子認識処理部
152 :第2識別子認識処理部
153 :ウェル配置判定処理部
154 :撮影支援処理部
155 :特徴量算出処理部
156 :データベース作成処理部

Claims (9)

  1. 複数のマイクロウェルを有する細胞培養容器と、
    1つのマイクロウェルを含む拡大検体画像と、前記マイクロウェルを識別する識別情報と、前記マイクロウェル内の細胞の成育情報とを少なくとも対応付けて格納するための記憶手段と、
    前記複数のマイクロウェルの撮影順序と前記識別情報とが関連づけられた情報に基づいて、前記拡大検体画像と前記識別情報と前記成育情報とを少なくとも対応付けて前記記憶手段に登録する登録手段と、
    を備え
    前記細胞培養容器は、前記マイクロウェルの各々に対になって付された第1識別子を有し、
    前記拡大検体画像は、前記第1識別子と前記マイクロウェルの対を含んでおり、
    前記撮影順序に関連付けられた前記識別情報と、前記第1識別子に関連付けられた前記マイクロウェルを識別する識別情報とが一致するかを判定する判定手段をさらに備える、成育情報管理システム。
  2. 前記撮影順序に従って前記拡大検体画像を撮影する際のガイドを行う撮影支援手段をさらに備える、請求項1に記載の成育情報管理システム。
  3. 前記複数のマイクロウェルの全てを含む画像情報から前記複数のマイクロウェルに関する配置情報を認識し、前記配置情報がマイクロウェルの設計情報と一致するかを判定するウェル配置判定手段をさらに備える、請求項1または2に記載の成育情報管理システム。
  4. あらかじめ決められた命名規則に従って前記拡大検体画像の画像ファイルのファイル名を変更する変更手段をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載の成育情報管理システム。
  5. 複数のマイクロウェルを有する細胞培養容器用の成育情報管理処理を、演算手段及び記憶手段を少なくとも備える情報処理装置に実行させるためのプログラムであって、
    前記演算手段に、前記複数のマイクロウェルの撮影順序と前記マイクロウェルを識別する識別情報とが関連づけられた情報に基づいて、1つのマイクロウェルを含む拡大検体画像と前記識別情報と、前記マイクロウェル内の細胞の成育情報とを少なくとも対応付けて前記記憶手段に登録する登録処理を実行させ
    前記細胞培養容器は、前記マイクロウェルごとに対になって付された複数の第1識別子を有し、
    前記拡大検体画像は、前記第1識別子と前記マイクロウェルの対を含んでおり、
    前記演算手段に、前記撮影順序に関連付けられた前記識別情報と、前記第1識別子に関連付けられた前記マイクロウェルを識別する識別情報とが一致するかを判定する判定処理をさらに実行させるためのプログラム。
  6. 前記演算手段に、
    前記撮影順序に従って前記拡大検体画像を撮影する際のガイドを行う撮影支援処理をさらに実行させる、請求項に記載のプログラム。
  7. 前記演算手段に、
    前記複数のマイクロウェルの全てを含む画像情報から前記複数のマイクロウェルに関する配置情報を認識し、前記配置情報がマイクロウェルの設計情報と一致するかを判定するウェル配置判定処理をさらに実行させる、請求項5または6に記載のプログラム。
  8. 前記演算手段に、
    あらかじめ決められた命名規則に従って前記拡大検体画像の画像ファイルのファイル名を変更する変更処理をさらに実行させる、請求項5〜7のいずれかに記載のプログラム。
  9. 複数のマイクロウェルを有する細胞培養容器から、1つのマイクロウェルを含む拡大検体画像を取得する画像取得手段を備える第1の情報処理装置と、
    前記拡大検体画像と、前記マイクロウェルを識別する識別情報と、前記マイクロウェル内の細胞の成育情報とを少なくとも対応付けて格納するための記憶手段を備える第2の情報処理装置と、
    を備え、
    前記第1の情報処理装置は、前記複数のマイクロウェルの撮影順序と前記識別情報とが関連づけられた情報に基づいて、前記拡大検体画像と前記識別情報とを少なくとも対応付けて前記第2の情報処理装置に送信し、
    前記第2の情報処理装置は、前記拡大検体画像から前記成育情報を算出し、前記拡大検体画像と前記識別情報と前記成育情報とを少なくとも対応付けて前記記憶手段に登録し、
    前記細胞培養容器は、前記マイクロウェルの各々に対になって付された第1識別子を有し、
    前記拡大検体画像は、前記第1識別子と前記マイクロウェルの対を含んでおり、
    前記第1の情報処理装置は、
    前記撮影順序に関連付けられた前記識別情報と、前記第1識別子に関連付けられた前記マイクロウェルを識別する識別情報とが一致するかを判定する判定手段をさらに備える、成育情報管理システム。
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