以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシン(遊技機)の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理(役構成や遊技状態の変移)および本実施形態で特徴的な処理を説明し、これらを実現するためのフローチャートを詳述する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方に位置し、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下部に位置し、メダル排出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。また、スロットマシン100は、ホールコンピュータ112と外部表示器(データカウンタ)114とを含む別体の外部装置110に接続され、外部表示器114は、遊技者が視認可能となるようにスロットマシン100の上方に配置されている。
スロットマシン100における前面下扉106の上部には操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130、演出スイッチ132等が配設されている。
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、メダル投入口124aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付け、前面下扉106の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)にメダルを送る。メダルセレクタには、メダルの投入が可能な投入期間外に投入されたメダルや規格外のメダルをメダル排出口108aに導くブロッカー(図示せず)と、投入期間内に投入された規格内のメダルの通過を検出する投入メダル検出部124bとが設けられている。ここで、メダル排出口108aに導かれたメダルは受け皿部108に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルの投入数である規定投入数を超えてメダルが投入されると、その規定投入数を超えた分のメダルが、所定枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)される。上記1遊技については後程詳述する。
また、ここでは、規定投入数は「3」または「2」に設定されている。なお、1遊技を実行するために必要なメダル数を、複数の規定投入数から任意に選択できる場合、その複数の規定投入数の中の最大のものを最大規定投入数といい、最小のものを最小規定投入数という。仮に、規定投入数が1〜3の間で選択可能な場合、最大規定投入数は「3」となり、最小規定投入数は「1」となる。ここでは、規定投入数が「3」または「2」に設定されているので、最大規定投入数は「3」となり、最小規定投入数は「2」となる。
ベットスイッチ126は、クレジットされているメダルのうち規定投入数のメダルを投入(ベット)する、押圧式のボタンスイッチである。規定投入数以上のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ126を押圧すると、1遊技が開始可能となるとともに、クレジットされているメダルが規定投入数分だけ減枚される。
操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。また、スタートスイッチ128は、押圧操作を検出可能なボタンスイッチによって構成することも可能である。
前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136が設けられ、筐体102内の図柄表示窓136に対応した位置には、リールユニット134が設けられている。リールユニット134には、図3のリールの図柄配列に示すように、21に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された3つの回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、図柄表示窓136を通じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始する。
操作部設置台122の中央に位置するストップスイッチ130は、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチであり、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ130に係る3つのボタンスイッチを特にストップボタンスイッチとよび、その位置に応じて左から順にストップボタンスイッチ130a、ストップボタンスイッチ130b、ストップボタンスイッチ130cとする。
演出スイッチ132は、押圧式のボタンスイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。かかる演出スイッチ132は、主として演出中に用いられ、遊技者の操作によって演出態様を異ならせることができる。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部138が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ142が設けられる。
また、図2に示すように、前面上扉104の裏面における液晶表示部138の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ140が設けられている。さらに、筐体102内におけるリールユニット134の下方には、メダル排出口108aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)264が設けられている。メダル払出装置264は、メダルを貯留するメダル貯留部264aと、メダル貯留部264aに貯留されたメダルをメダル排出口108aから排出するための払出制御部264bと、メダル排出口108aから排出されるメダルを検出する払出メダル検出部264cとを備えている。具体的に払出制御部264bは、当該払出制御部264bの本体外装に回転可能に支持され、メダル貯留部264aから落下したメダルが上方より1枚ずつ嵌入するメダル嵌入孔を円周方向に複数配してなるディスク(図示せず)と、かかるディスクを回転するディスクモータ(図示せず)とを備え、このディスクを回転させて、メダル嵌入孔に嵌入したメダルを、押出機構を通じて1枚ずつ外部に排出するとともに、排出により空いたメダル嵌入孔に次のメダルを順次嵌入させることで、メダルを1枚ずつ連続排出する。
また、図1や図2では図示していないが、各回転リール134a、134b、134cの内側には、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに施された図柄のうち、図柄表示窓136に対応する(有効ラインの対象となり得る)各回転リール134a、134b、134cの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト144(図4参照)が設けられている。また、図柄表示窓136の裏面上部にも左リール134a、中リール134b、右リール134c全ての正面を直接照射するリール上方ライト146が設けられている。
また、図1に示すように、操作部設置台122において、図柄表示窓136とストップスイッチ130との間に設けられた段部122aの略水平面には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が設けられている。また、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158が設けられている。これらメインクレジット表示部152およびサブクレジット表示部156にはクレジット枚数が表示され、メイン払出表示部154およびサブ払出表示部158にはメダルの払出枚数が表示される。なお、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158には、演出に伴う様々な数値を表示することもできる。
また、筐体102内の任意の位置には、電源スイッチ148が設けられている。電源スイッチ148は、ロッカースイッチ等、押圧操作を検出可能なスイッチで構成され、当該スロットマシン100を管理する管理者側が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
また、筐体102内の電源スイッチ148の近傍には、設定キー150aおよび設定変更スイッチ150bが設けられている。設定キー150aは、所定の鍵(操作キー)が挿入されてOFFの位置からONの位置へ回転されると設定値(遊技利益を獲得する容易性を段階的に示したもの)の変更(単に設定変更ともいう)が可能な状態となる。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチ150bが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、設定キー150aを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定値が確定する。なお、設定変更は、電源スイッチ148が操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部124を通じたメダルの投入、ベットスイッチ126の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じて、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、回転リール134a、134b、134cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ128の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。また、このような、当選種別抽選が実行され1度の払い出しを受け得る1遊技を、後述する擬似遊技と区別するため、基本遊技という場合もある。ここで、基本遊技が単独で行われる場合であっても、基本遊技が擬似遊技等のリール演出と組合せて(後述する擬似単発遊技、擬似連続遊技、擬似段階遊技等)行われる場合であっても、基本遊技の消化をもって1遊技消化とする。したがって、擬似遊技の消化は、スロットマシン100内の遊技数の計数(後述する周期遊技数やAT遊技状態の継続遊技数等)に影響を及ぼさない。ただし、ホールコンピュータ112が管理する遊技数については、仕様により、擬似遊技を遊技数として計数してもよいし、計数しないとしてもよい。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、主として、主制御基板200と、副制御基板202とによって制御されている。ここでは、遊技の進行に関わるプログラムのうち、遊技に供する当選役の抽選やその入賞といったような、特に重要な処理を主制御基板200で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板202で実行している。また、図4に示したように、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。ただし、このような制限がなければ、電気的に双方向通信も技術的に可能である。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。ただし、メインRAM200cには不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてメインRAM200cの初期化処理を実行しない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、主遊技状態遷移手段312、コマンド決定手段314、コマンド送信手段316、外部出力手段318等の機能部を有する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。ここで、ベットは、ベットスイッチ126の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部124を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。当選種別抽選手段304は、メダルのベットおよびスタートスイッチ128の操作に基づき、小役、リプレイ役、および、ボーナス役を含む複数種類の当選役から選択された1からなるまたは複数重複してなる複数種類の当選種別、ならびに、ハズレのうちいずれかを当選種別抽選により決定する。
リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cを回転制御し、回転している回転リール134a、134b、134cにそれぞれ対応した複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ130の操作を有効化してから、当選種別抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ130の操作を有効化(前回の遊技におけるストップスイッチ130の操作完了により無効化されている)するまでの時間を規定の時間より延長し、その間、回転リール134a、134b、134cを多彩な態様で回転させるリール演出(所謂フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。また、本実施形態においては、リール演出として、回転リール134a、134b、134cの回転、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じた回転リール134a、134b、134cの停止といった、基本遊技に似せた擬似遊技を行う場合がある。かかる擬似遊技では、基本遊技と同一の回転および停止態様、類似の回転および停止態様あるいは異なる回転および停止態様で演出を実行することができるので、遊技の興趣を高めることができる。また、本実施形態では、基本遊技に代えて、スタートスイッチ128の操作に応じ、リール演出として、1の擬似遊技が実行され、または、擬似遊技が複数回繰り返し実行され、その後、1の基本遊技が実行される擬似単発遊技、擬似連続遊技、擬似段階遊技が行われる。かかる擬似単発遊技、擬似連続遊技、擬似段階遊技については後程詳述する。
判定手段308は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否か判定する。ここで、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたこと(入賞されたこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。主遊技状態遷移手段312は、ボーナス役の当選や入賞に基づいて、主制御基板200で管理する遊技状態を遷移させる。
コマンド決定手段314は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、主遊技状態遷移手段312等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定する。コマンド送信手段316は、コマンド決定手段314が決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。外部出力手段318は、スロットマシン100の内部の状態を、信号(外部信号)により、ホールコンピュータ112を介して外部表示器114に出力する。
主制御基板200では、投入メダル検出部124b、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128およびストップスイッチ130から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308が上述した種々の処理を実行する。また、主制御基板200には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が接続されており、払出制御手段310が両表示部152、154に対してメダルのクレジット枚数や払出枚数の表示を制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部258が接続されている。このリール駆動制御部258は、スタートスイッチ128の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される各回転リール134a、134b、134cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ262を駆動するとともに、ストップスイッチ130の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路260の検出信号に基づいて、ステッピングモータ262の駆動を停止する。
また、主制御基板200には、メダル払出装置264が接続されている。主制御基板200には払出メダル検出部264cの検出信号が入力されるようになっており、払出制御手段310は、その検出信号に応じてメダルの払出枚数を計数しながら払出制御部264bからのメダルの排出を制御する。
また、主制御基板200には、乱数発生器200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
スロットマシン100においては、主制御基板200や副制御基板202において複数の遊技状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態が遷移する。そして、主制御基板200では、主制御基板200で管理する遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値と現在の遊技状態(後述するボーナス役の成立有無に基づく遊技状態)に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ128の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別またはハズレに対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、小役、リプレイ役、ボーナス役がある。このような当選役に対応する図柄組み合わせが、有効ライン上に揃った状態を表示(入賞)といい、当選役を含む当選種別に当選し、その当選役に対応する図柄組み合わせが表示されるまでの状態を内部当選状態とする。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、当選役のうちの図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役であり、リプレイ役は、そのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度1遊技を実行できる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、主制御基板200で管理する遊技状態をボーナス遊技状態に遷移させることができる当選役である。以下に、当選役および遊技者に付与される遊技利益について説明する。
図5は、有効ラインおよび仮想ラインを説明するための説明図であり、図6および図7は、当選役を説明するための説明図であり、図8は、主制御基板200における遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
図5(a)は、本実施形態における有効ラインを示している。本実施形態において、有効ラインは1本であり、具体的に、図柄表示窓136に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール134aの中段、中リール134bの下段、右リール134cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを有効ラインAとして設定している。また、図5(b)は、仮想ラインを示している。仮想ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示するラインであり、本実施形態では、5つの仮想ラインを想定している。具体的に、左リール134aの上段、中リール134bの上段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB1、左リール134aの中段、中リール134bの中段、右リール134cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB2、左リール134aの下段、中リール134bの下段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB3、左リール134aの上段、中リール134bの中段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインC1、左リール134aの下段、中リール134bの中段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインC2として設定している。ただし、仮想ラインB1、B2、B3、C1、C2は、見かけ上、図柄が直線的に表示されるというだけで、あくまで当選役の入賞を判定するのは有効ラインAのみである。
また、本実施形態においては、当選役として、図6に示すように、当選役「共通ベル」、「通常ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」(以下、当選役「共通ベル」、「通常ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」の10個のベルを単に当選役「ベル」と略す場合がある)、当選役「取りこぼし小役」、当選役「通常リプレイ」、「特殊リプレイ」(以下、かかる2つのリプレイを単に当選役「リプレイ」と略す場合がある)、当選役「ビッグボーナス(以下、BBという)」が設けられている。このうち、当選役「ベル」および当選役「取りこぼし小役」が上記小役に相当し、当選役「リプレイ」が上記リプレイ役に相当し、当選役「BB」が上記ボーナス役に相当する。以下、小役、リプレイ役、ボーナス役について詳述する。
(小役)
当選種別抽選の結果、当選役「ベル」のいずれかが含まれる当選種別に当選した場合には、その当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される1または複数の図柄が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、各当選役に対応した枚数のメダルが遊技者に払い出される。
例えば、当選種別抽選の結果、当選役「共通ベル」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示すように、当選役「共通ベル」に対応する複数の図柄組み合わせである、左リール134aに記される「リプレイ」または「チェリーA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(a)に示すように、有効ラインA上に、「リプレイ」、「リプレイ」、「リプレイ」の図柄組合せが表示されることとなる。このとき、仮想ラインC1上に表示された図柄組み合わせは「ベルA」、「ベルA」、「ベルA」となっており、遊技者は、当選役「共通ベル」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
また、当選種別抽選の結果、当選役「通常ベル」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示すように、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせである、左リール134aに記される「ベルA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「ベルA」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(b)に示すように、有効ラインA上に、「ベルA」、「リプレイ」、「ベルA」の図柄組合せが表示されることとなる。このとき、仮想ラインB2上に表示された図柄組み合わせは「ベルA」、「ベルA」、「ベルA」となっており、遊技者は、当選役「通常ベル」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、各回転リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の図柄4つ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、当選役に対応する図柄が各回転リール134a、134b、134c中に複数あり、いずれも各回転リール134a、134b、134cの引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。このように、単に「停止制御」や「表示可能」と言った場合、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を停止させるのみならず、引込範囲内で当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を引き込んで停止するといった処理を含む。なお、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選した当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別を構成する当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様にも応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、各回転リール134a、134b、134cにおいては、上述した当選役「共通ベル」や当選役「通常ベル」に対応する1または複数の図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。例えば、当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4つ分しか離隔していないので、停止制御によって必ず有効ラインA上に表示することができる。このように、当選役「共通ベル」や当選役「通常ベル」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、これら当選役「共通ベル」や当選役「通常ベル」に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。なお、無作為な操作タイミングでストップスイッチ130を操作したとき、該当する当選役の所定の回転リール134a、134b、134cに対応する1または複数の図柄が有効ラインA上に表示される確率を「PB」と言い、0(0%)〜1(100%)の数値で表す。例えば、上記のように当選役「共通ベル」や当選役「通常ベル」に対応する1または複数の図柄は、いずれの回転リール134a、134b、134cにおいても有効ラインA上に必ず表示させることができるように配列されているので、回転リール134a、134b、134cのいずれにおいてもPB=1となる。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態においては、当選役「通常ベル」が単独で当選することがなく、必ず他の当選役(例えば、当選役「特殊ベル1」および当選役「特殊ベル3」)と重複当選するので、その重複当選の当選態様によって停止制御が異なるように設定されている。したがって、各回転リール134a、134b、134cにおいては、それぞれ「ベルA」、「リプレイ」、「ベルA」図柄が、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)ものの、当選役「通常ベル」が含まれる当選種別に当選しても、その操作態様によっては、取りこぼすことがあり、遊技者は、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
また、当選役「特殊ベル1」〜「特殊ベル8」が含まれる当選種別に当選し、特定の条件(当選役「特殊ベル1」〜「特殊ベル8」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、図6に示すように、当選役「特殊ベル1」〜「特殊ベル8」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせを例に挙げると、左リール134aに記される「赤7」または「スイカA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「BAR」または「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(c)に示すように、有効ラインA上に、「スイカA」、「リプレイ」、「リプレイ」の図柄組合せが表示されることとなる。各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「特殊ベル1」に対応する複数の図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。また、当選役「特殊ベル2」に対応する複数の図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄も、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。したがって、当選役「特殊ベル1」または「特殊ベル2」が含まれる当選種別に当選し、特定の条件(当選役「特殊ベル1」または「特殊ベル2」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、当選役「特殊ベル1」または「特殊ベル2」に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。
また、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、当選役「特殊ベル3」に対応する図柄組み合わせを例に挙げると、図6に示すように、かかる図柄組み合わせを構成する左リール134aの図柄は「リプレイ」であり、中リール134bの図柄は、「チェリーB」または「ベルB」であり、右リール134cの図柄は「ハズレ」または「スイカA」である。したがって、左リール134aについては、上記の停止制御により、「リプレイ」図柄が必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。また、中リール134bについては、図3における21図柄のうち図柄番号9〜19までの間といった図柄11個分に相当する範囲で停止制御が実行されれば「チェリーB」または「ベルB」図柄を有効ラインA上に表示させることができる。また、右リール134cについては、図3における21図柄のうち図柄番号1〜5までの間または図柄番号15〜21といった図柄12個分に相当する範囲で停止制御が実行されれば「ハズレ」または「スイカA」図柄を有効ラインA上に表示させることができる。したがって、例えば、上記の当選役「特殊ベル3」が含まれる当選種別に当選した場合において、遊技者が無作為に操作した場合に当選役「特殊ベル3」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、44/147(21/21×11/21×12/21)となる。同様の計算により、当選役「特殊ベル4」〜「特殊ベル8」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、それぞれ、33/147、20/147、15/147、20/147、15/147となる。ここで、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」の当選確率(当選範囲値の数)は等しく、また、遊技者は当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」のいずれの当選役が当選しているか把握できないので、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、平均して1/6((44/147+33/147+20/147+15/147+20/147+15/147)/6)となる。以下の説明では、当選役によって正確には異なるものの、説明の便宜上、確率PBについて平均値を用い「約」を付けて説明する。よって、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、約1/6となる。このように、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」に当選したとしても、遊技者は、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
また、当選種別抽選の結果、当選役「取りこぼし小役」が含まれる当選種別「取りこぼし小役」に当選した場合には、図6に示すように、当選役「取りこぼし小役」に対応する図柄組み合わせである、左リール134aに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「BAR」または「ハズレ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(d)に示すように、有効ラインA上に、「リプレイ」、「BAR」、「BAR」の図柄組合せが表示されることとなる。各回転リール134a、134b、134cにおいては、それぞれ「リプレイ」、「BAR」、「BAR」図柄が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図6参照)。そのため、当選役「取りこぼし小役」が含まれる当選種別「取りこぼし小役」に当選したとしても、遊技者は、当選役「取りこぼし小役」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
(リプレイ役)
また、当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ」のいずれかが含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様(ここでは操作順)で操作した場合には、その当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄が有効ラインA上に表示可能となり、その当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、上記したように、遊技者によるベットを行わずして再度1遊技を実行できる。
例えば、当選種別抽選の結果、当選役「通常リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示すように、当選役「通常リプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせである、左リール134aに記される「リプレイ」または「ベルA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「赤7」、「チェリーA」、「スイカB」、「スイカA」のいずれかの図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(e)に示すように、有効ラインA上に、「リプレイ」、「チェリーA」、「リプレイ」の図柄組合せが表示されることとなる。このとき、仮想ラインB2上に表示された図柄組み合わせは「リプレイ」、「リプレイ」、「リプレイ」となっており、遊技者は、当選役「通常リプレイ」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
また、当選種別抽選の結果、当選役「特殊リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示すように、当選役「特殊リプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせである、左リール134aに記される「赤7」または「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「赤7」、「ベルB」、「ベルA」、「チェリーB」のいずれかの図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(f)に示すように、有効ラインA上に、「赤7」、「チェリーB」、「赤7」の図柄組合せが表示されることとなる。このとき、仮想ラインB2および仮想ラインC2上に表示された図柄組み合わせはいずれも「赤7」、「赤7」、「赤7」となっており、遊技者は、当選役「特殊リプレイ」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
そして、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「リプレイ」(当選役「通常リプレイ」、当選役「特殊リプレイ」)に対応する1または複数の図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。例えば、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4つ分しか離隔していないので、停止制御によって必ず有効ラインA上に表示することができる。このように、当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、これら当選役「リプレイ」に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる(PB=1)。このようにして、当選役「リプレイ」に対応する1または複数の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、メダルを投入することなく次回の1遊技を開始することが可能となる。
なお、詳しくは後述するが、当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合の停止制御は、その当選態様(例えば、当選役「通常リプレイ」が単独で当選したか、他の当選役(例えば、当選役「特殊リプレイ」)と重複当選したか、さらには他のいずれかの当選役と重複当選したか等)によって異なるように設定されている。したがって、その当選態様および遊技者の操作態様に応じて、重複当選した当選役「リプレイ」のいずれかの当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることとなる。
(ボーナス役)
また、当選種別抽選の結果、当選役「BB」が含まれる当選種別「BB」に当選した場合には、図6に示すように、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせである、左リール134aに記される「スイカB」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「スイカB」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そうすると、例えば、図7(g)に示すように、有効ラインA上に、「スイカB」、「スイカB」、「BAR」の図柄組合せが表示されることとなる。そして、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、ボーナス遊技フラグがONすることで、遊技状態がボーナス遊技状態に設定され、次の1遊技(以下、単に次遊技という)以降、メダルが所定枚数(例えば26枚)払い出されるまで、ボーナス遊技状態にて遊技を実行することが可能となる。なお、各回転リール134a、134b、134cにおいては、それぞれ「スイカB」、「スイカB」、「BAR」図柄が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図6参照)。そのため、当選役「BB」が含まれる当選種別「BB」に当選したとしても、遊技者は、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
なお、いずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その1遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該1遊技の終了後に内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した1遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。また、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選役に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。これらに対して、当選役「BB」(ボーナス役)が含まれる当選種別「BB」に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。このようなボーナス役の成立有無、すなわち、BB内部当選フラグの成立有無に基づいて遊技性の異なる複数の遊技状態を設定することができる。
ここでは、図8を用い、BB内部当選フラグの成立有無に基づく遊技状態の遷移について説明する。BB内部当選フラグが成立すると、BB内部当選フラグの成立状況に応じて、図8の(1)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態が、ボーナス役が含まれる当選種別「BB」に当選していないボーナス非成立遊技状態から、ボーナス遊技状態の準備状態に相当するボーナス成立遊技状態となり、ボーナス成立遊技状態に基づいて左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされる。このとき、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越され(ボーナス成立遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においても当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。そして、遊技者が、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させると、図8の(2)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移する。また、ボーナス遊技状態において、メダルが所定枚数払い出されると、図8の(3)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態が、ボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態に遷移する。ただし、図8の(4)に破線の矢印で示すように、ボーナス非成立遊技状態における当選役「BB」が成立した遊技で、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させた場合、ボーナス成立遊技状態を経由せず、直接、ボーナス遊技状態に遷移する。そして、上述した当選種別抽選テーブルは、このようなボーナス役の成立有無に基づく遊技状態(ボーナス非成立遊技状態、ボーナス成立遊技状態、ボーナス遊技状態)毎に設けられる。
(当選種別抽選テーブル)
図9および図10は、当選種別抽選乱数を判定する場合に用いられる当選種別抽選テーブルを示す図であり、図9は、上述したボーナス成立遊技状態において用いられるボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを示し、図10は、ボーナス非成立遊技状態において用いられるボーナス非成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを示している。当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(非当選)の有無が異なったりする。区画化された各当選領域にはそれぞれ所定の当選範囲値(置数)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の当選範囲値を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた当選範囲値を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域から、順次、当選範囲値を取得し、その当選範囲値を当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を抽選結果としている。当該抽選の手順は、他の抽選においても適用できる。
図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルによれば、当選領域1には、当選種別「共通ベル」が対応付けられており、当選種別「共通ベル」の当選に応じて、図7(a)に示したように、当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
また、当選種別抽選テーブルによれば、複数の当選役が重複した当選種別に当選することがある。例えば、当選領域2には、当選役「通常ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル3」が重複した当選種別「打順ベル中1」が対応付けられている。このように、複数の当選役が重複して当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作される順番が設定されている。
以下の説明において、左リール134a、中リール134b、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順1」とし、左リール134a、右リール134c、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順2」とし、中リール134b、左リール134a、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順3」とし、中リール134b、右リール134c、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順4」とし、右リール134c、左リール134a、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順5」とし、右リール134c、中リール134b、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順6」とする。
そして、複数の当選役が重複した当選種別には、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じ、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類に基づいて、または、当選役が小役であった場合、その小役に対応するメダルの払出枚数に基づいて、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示するかが設定されており、リール制御手段306は、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順と操作タイミングに応じて停止制御する図柄を決定する。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に、遊技者によって、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されると、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cにおける、その操作タイミングで引込範囲内に存在している図柄のうち、まだ、入賞の可能性が残っている全ての当選役に対応する図柄組み合わせの当該回転リール134a、134b、134cの図柄が停止制御の対象となり、さらに、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて設定された優先度に基づき、リール制御手段306は、いずれか1の図柄を有効ラインA上に停止制御する。本実施形態では、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示可能となる当選役の図柄組み合わせの種類が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定され、当選役(小役)に対応するメダルの払出枚数に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示されている図柄組み合わせに対応する小役の払出枚数が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定される。
例えば、ボーナス成立遊技状態において、当選領域2に対応する当選種別「打順ベル中1」が当選種別抽選により決定され、左リール134aが最初に停止(第1停止)するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または打順2)、当選役「特殊ベル3」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、中リール134bが第1停止、左リール134aが2番目に停止(第2停止)するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3)、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bが第1停止、右リール134cが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順4)、または、右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順5または打順6)、当選役「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
このように、当選領域2に当選した場合、遊技者が、正解操作態様となる打順3によって操作すると、払出枚数8枚の当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=8枚)、打順4〜6によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=1枚)、打順1、2によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせを約1/6の確率で有効ラインA上に表示できる(期待獲得枚数=約1/6枚)。したがって、期待獲得枚数は、打順3による操作、打順4〜6による操作、打順1、2による操作の順に少なくなっていく。
また、当選種別抽選テーブルの当選領域3〜7には、当選役「通常ベル」と、当選役「特殊ベル1」と、当選役「特殊ベル3」に相当する当選役「特殊ベル4」〜当選役「特殊ベル8」のいずれか1の当選役が重複した当選種別「打順ベル中2」〜当選種別「打順ベル中6」が対応付けられている。そして、当選領域3、4は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順3に設定され、当選領域5〜7は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順4に設定されている。また、当選種別抽選テーブルの当選領域8〜13には、当選役「通常ベル」と、当選役「特殊ベル1」に相当する当選役「特殊ベル2」と、当選役「特殊ベル3」〜当選役「特殊ベル8」のいずれか1の当選役が重複した当選種別「打順ベル右1」〜当選種別「打順ベル右6」が対応付けられている。そして、当選領域8〜10は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順5に設定され、当選領域11〜13は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順6に設定されている。かかる当選領域3〜13における操作態様と期待獲得枚数との関係は、上述した当選領域2における操作態様と期待獲得枚数との関係と対応しているため、ここでは、詳細な説明を省略する。
そして、当選種別抽選テーブルの当選領域2〜13全てにおいて、当選役「通常ベル」と、当選役「特殊ベル1」または当選役「特殊ベル2」のいずれかと、当選役「特殊ベル3」〜当選役「特殊ベル8」のいずれか1の当選役が重複当選するようになっており(以下、当選領域2〜13における当選種別「打順ベル中1」、「打順ベル中2」、「打順ベル中3」、「打順ベル中4」、「打順ベル中5」、「打順ベル中6」、「打順ベル右1」、「打順ベル右2」、「打順ベル右3」、「打順ベル右4」、「打順ベル右5」、「打順ベル右6」を合わせて当選種別「打順ベル」と略す場合がある)、期待獲得枚数が当選役「特殊ベル1」〜当選役「特殊ベル8」より多い当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が当選領域によって異なるように設定されている。なお、当選領域2〜13の当選確率(当選範囲値の数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域2〜13を設けることにより、選択当選役としての当選役「通常ベル」を入賞させることが極めて難しくなっている。ただし、このようなストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて遊技者に付与される遊技利益が異なる当選種別に当選した場合においても、遊技者は、副制御基板202による補助演出を通じて当選役「通常ベル」を入賞し得る正解操作態様を把握することで、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させ、通常遊技状態より多くのメダルを獲得することが可能となる。
このように、補助演出を採用することで、遊技の進行に応じてメダルが増え易いAT遊技状態と、補助演出を行わないことで、遊技の進行に応じてメダルが減り易い遊技状態(通常遊技状態)とを実現することができる。また、後述するように、通常遊技状態では、補助演出が実行されないのに加え、期待獲得枚数をさらに低減するため、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が、打順1または打順2に遊技上制限されている(通常遊技状態では打順1および打順2以外の打順3〜6で操作を行うと後述するペナルティを科すようにすることで、遊技者の操作を打順1または打順2に制限している)。具体的に、通常遊技状態では、当選種別「打順ベル」が当選した場合においても、打順1または打順2によって、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル8」にしか入賞させることができない(当選役「通常ベル」、当選役「特殊ベル1」、当選役「特殊ベル2」を入賞させることができない)。そうすると、通常遊技状態では、当選種別「打順ベル」が当選した遊技において、規定投入数「3」に対して期待獲得枚数は約1/6枚となり、遊技の進行に応じてメダルが減り易くなる。一方で、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が制限されることなく、かつ、補助演出が実行されるAT遊技状態では、当選種別「打順ベル」が当選した遊技において、当選役「通常ベル」を入賞させることができるので、規定投入数「3」に対して期待獲得枚数は8枚となり、当選種別「打順ベル」の当選確率を調整することで、遊技の進行に応じてメダルが増え易くなる遊技を実現することができる。
また、当選領域14には、当選種別「取りこぼし小役」が対応付けられており、当選種別「取りこぼし小役」の当選に応じて、図7(d)に示したように、当選役「取りこぼし小役」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
また、当選領域15には、当選種別「通常リプレイ」が対応付けられており、当選種別「通常リプレイ」の当選に応じて、図7(e)に示したように、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
また、当選領域16には、当選役「通常リプレイ」と当選役「特殊リプレイ」とが重複した当選種別「特殊リプレイ」が対応付けられている。例えば、当選領域16に対応する当選種別「特殊リプレイ」が当選種別抽選により決定され、左リール134aが最初に停止(第1停止)するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または打順2)、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bまたは右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3〜打順6)、当選役「特殊リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。したがって、当選種別「特殊リプレイ」に当選すると、図7(f)に示したように、仮想ラインB2上と仮想ラインC2上の両ラインに「赤7」図柄を直線的に表示することができる。
なお、上記した通り、当選種別「特殊リプレイ」に当選した場合には、その図柄配列上、いずれのタイミングでストップボタンスイッチ130a、130b、130cを押圧操作したとしても、重複するいずれかの当選役に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。したがって、遊技者が、左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれを最初に停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cを操作したとしてもリプレイ役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することは可能であるが、その停止順により表示される図柄の組み合わせが異なることとなる。
このような小役やリプレイ役が重複した当選種別に当選した場合、副制御基板202は、補助演出を通じて重複当選した複数の当選役のいずれかに対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。すなわち、本来、回転リール134a、134b、134cの制御を行っていない副制御基板202が、回転リール134a、134b、134cの停止態様を間接的に操作することが可能となる。また、主制御基板200では、遊技者によって行われた停止操作(ここでは操作順)を判定することで、副制御基板202の内部状態が変化したことを把握することが可能となる。例えば、所定の当選種別に当選した際、副制御基板202が補助演出を通じ、遊技者に、内部状態の変化を示す所定の打順による停止操作を行わせ、主制御基板200は、所定の当選種別に当選した際にそのような停止操作が行われたことをもって、内部状態の変化を把握することができる。また、主制御基板200では、このような遊技者によって行われた停止操作(操作態様)に代えて、または、加えて、遊技者の操作により有効ラインA上に表示された(入賞した)当選役に基づいて、副制御基板202において内部状態が変化したことを把握することも可能である。このような副制御基板202の内部状態が変化したことを把握する対象を停止操作または入賞当選役のいずれにするか、または両方にするかは、仕様等により適宜選択することができる。
また、当選領域17には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかるハズレはメダルの払い出し等が行われることはないが、BB内部当選フラグが持ち越された当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させたり、特定の図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることで遊技の開始、終了条件や遊技利益の抽選契機に利用することができる。
次に、図10のボーナス非成立遊技状態用当選種別抽選テーブルと、図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルとを比較すると、前者は当選種別「BB」の抽選を行っているのに対し、後者では当選種別「BB」の抽選をしておらず、一方、後者は、当選種別「ハズレ」を抽選しているのに対し、前者では抽選していない。これは、後者では、既に当選種別「BB」に当選しているので重ねて当選種別「BB」を当選させることができず、また、後者では、後述するようにリプレイ役や小役が優先される状況下において、当選種別「ハズレ」が抽選された遊技で、当選している当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能とするためである。また、図示はしていないが、後者は、前者に対して当選種別「通常リプレイ」の当選確率が高く設定されている。
主制御基板200で管理している遊技状態としては、上記ボーナス非成立遊技状態およびボーナス成立遊技状態以外にボーナス遊技状態が存在するが、かかるボーナス遊技状態では、当選種別抽選の結果に拘わらず、全ての抽選結果において、対応する図柄組み合わせが、必ず有効ラインA上に表示可能な小役に強制的に設定されるので、当選種別抽選テーブルは設定されていない。
(遊技状態の遷移)
以下、主制御基板200における遊技状態(ボーナス非成立遊技状態、ボーナス成立遊技状態、ボーナス遊技状態)の遷移について詳述する。なお、本実施形態では、規定投入数が遊技状態に応じて異なっており、ボーナス非成立遊技状態、および、ボーナス成立遊技状態では、規定投入数が3枚に設定されているのに対し、ボーナス遊技状態では、規定投入数が2枚に設定されている。
(ボーナス非成立遊技状態)
ボーナス非成立遊技状態は、主制御基板200で管理される、ボーナス役の成立有無に基づく複数の遊技状態のうち、初期状態に相当する遊技状態である。また、ボーナス非成立遊技状態では、当選種別「通常リプレイ」の当選確率が約1/7.3に設定される。そして、図8を用いて説明したように、ボーナス非成立遊技状態において、当選種別「BB」に当選すると、ボーナス成立遊技状態に移行する。本実施形態では、当選種別「BB」の当選確率が例えば約1/3に設定され、比較的少ない遊技で当選種別「BB」に当選するので、ボーナス非成立遊技状態の滞在期間は短くなる。
(ボーナス成立遊技状態)
ボーナス成立遊技状態は、ボーナス非成立遊技状態のみから移行し、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで継続する遊技状態である。この間、BB内部当選フラグが成立した状態に維持される。また、ボーナス成立遊技状態では、当選種別「通常リプレイ」の当選確率がボーナス非成立遊技状態より高く、例えば約1/3.8に設定される。
本実施形態では、後述するように、主制御基板200においてボーナス成立遊技状態を維持しつつ、副制御基板202によるAT遊技状態を実現する。したがって、ボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に容易に遷移しないように、ボーナス成立遊技状態における当選種別抽選の当選確率を調整している。
ボーナス成立遊技状態において、図9に示したボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを参照して理解できるように、当選種別抽選手段304は、BB内部当選フラグが持ち越されている遊技においても、リプレイ役や小役を抽選している。したがって、リプレイ役や小役が当選種別抽選により決定されると、リプレイ役や小役の当選フラグと、BB内部当選フラグとがいずれも成立していることとなる。ここで、本実施形態では、リプレイ役>小役>ボーナス役の順に優先順位が定められている。すなわち、リプレイ役や小役が含まれる当選種別に当選した遊技において、リール制御手段306は、リプレイ役や小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御し、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせは、遊技者が狙ったとしても、有効ラインA上に表示されることはない。
ここで、図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを参照すると、ボーナス成立遊技状態では、リプレイ役、小役、ハズレのいずれかに当選するようになっている。本実施形態では、ハズレの当選確率を、例えば、1/65536とすることで、ほぼ、リプレイ役または小役のいずれかに当選することになる。そうすると、上記の如く、リプレイ役または小役に対応する図柄組み合わせが優先され、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができない。また、リプレイ役や小役が含まれる当選種別に当選していないハズレの遊技でのみ当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能であるが、当選種別抽選においてハズレであったことを把握することができないようにすることで、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されないようにしている。また、当選種別抽選がハズレであったとしても、遊技者が無作為に操作した場合に、各回転リール134a、134b、134cに1図柄または連続2図柄しか記されていない当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが表示される可能性は少ない。なお、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせの表示可能性を低減すべく、ハズレの当選確率を0にする、すなわち、当選種別「ハズレ」を設けないとすることもできる。こうして、遊技者が当選役「BB」の入賞を意図的に回避しなければならない状況を減らし、遊技者の煩わしい操作負担を軽減しつつ、ボーナス成立遊技状態を容易に維持させることが可能となる。
また、ボーナス成立遊技状態では、上述したように、ほぼ、リプレイ役または小役のいずれかに当選することになっており、リプレイ役が約1/3.8の高確率で当選することで、遊技者のメダルの消費を抑え、また、AT遊技状態が実現されると、補助演出によって正解操作態様が報知されるので、遊技者は、メダルを獲得することが可能となる。ここでは、リプレイ役が、既に、約1/3.8といった高確率で当選するので、リプレイ役の当選確率が高くなるRT(リプレイタイム)等を実行することなく、AT遊技状態のみを速やかに開始することが可能となる。
(ボーナス遊技状態)
ボーナス遊技状態は、ボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことを契機に移行し、メダルが所定枚数(例えば、26枚)払い出されるまで継続する遊技状態である。かかるボーナス遊技状態では、上述したように、当選種別抽選テーブルが設定されておらず、当選種別抽選手段304による当選種別抽選の結果が全てハズレとなるようになっている。ただし、かかる当選種別抽選の結果に拘わらず、全ての抽選結果において、対応する図柄組み合わせが、必ず有効ラインA上に表示可能な小役に強制的に設定される。したがって、ボーナス遊技において、遊技者は、必ず、メダルの所定枚数の払出を受けることができる。ただし、本実施形態では、払出枚数を規定投入数(ここでは2枚)と等しくしているため、ボーナス遊技によって得られるメダル数は±0枚である。また、本実施形態では、ボーナス遊技終了後のボーナス非成立遊技状態において補助演出が実行されないので、遊技者のメダルは減ることが多くなる。
一方、ボーナス成立遊技状態では、AT遊技状態を実現し、AT遊技状態において補助演出が実行されるため、メダルの増加が期待できる。したがって、遊技者は、遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に移行するのを回避し、長期に亘ってボーナス成立遊技状態を維持しようとする。こうして、主制御基板200が管理する遊技状態をボーナス成立遊技状態に維持しつつ、ボーナス成立遊技状態中において、副制御基板202によるAT遊技状態を実現することができる。
(擬似単発遊技)
また、主制御基板200の当選種別抽選手段304は、上記当選種別抽選と並行して、所定の契機、例えば、所定当選確率(ここでは、例えば、当選種別「取りこぼし小役」の当選時の1/400の当選確率)の抽選により擬似単発遊技の実行を決定する。擬似単発遊技は、1の擬似遊技と、1の基本遊技とから構成される。
当選種別抽選手段304は、擬似単発遊技の実行を決定すると、1の擬似遊技の開始段階、例えば、スタートスイッチ128の操作に応じ、複数の擬似当選役のうち1の擬似当選役を抽選により決定する擬似当選役抽選を行う。
図11は、擬似当選役を説明するための説明図である。擬似当選役抽選の結果、擬似当選役「7揃い」に当選した場合には、図11(a)に示すように、左リール134aに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ベルA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図11(a)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「赤7」、「ベルA」、「赤7」となっているが、仮想ラインB2上に表示された図柄組み合わせは「赤7」、「赤7」、「赤7」となっており、遊技者は、擬似当選役「7揃い」に当選したことを容易に把握できる。ただし、当該擬似遊技の停止制御として基本遊技の停止制御を併用し、停止制御においても擬似遊技を基本遊技に似せる場合、各回転リール134a、134b、134cにおいて、擬似当選役「7揃い」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されているため、擬似当選役「7揃い」に当選したとしても、擬似当選役「7揃い」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
また、擬似当選役抽選の結果、擬似当選役「弱スイカ」に当選した場合には、図11(b)に示すように、左リール134aに記される「ベルA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「ベルA」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図11(b)の例では、仮想ラインC1上に表示された図柄組み合わせは「スイカA」、「スイカA」、「スイカA」となっており、遊技者は、擬似当選役「弱スイカ」に当選したことを容易に把握できる。かかる擬似当選役「弱スイカ」に関しても、擬似当選役「弱スイカ」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
また、擬似当選役抽選の結果、擬似当選役「強スイカ」に当選した場合には、図11(c)に示すように、左リール134aに記される「ベルA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「チェリーA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「チェリーA」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図11(c)の例では、仮想ラインB1上に表示された図柄組み合わせは「スイカA」、「スイカA」、「スイカA」となっており、遊技者は、擬似当選役「強スイカ」に当選したことを容易に把握できる。かかる擬似当選役「強スイカ」に関しても、擬似当選役「強スイカ」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
また、擬似当選役抽選の結果、擬似当選役「弱チェリー」に当選した場合には、図11(d)に示すように、左リール134aに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「チェリーA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイ」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図11(d)の例では、仮想ラインB3上に表示された図柄組み合わせは「チェリーA」、「チェリーA」、「ベルA」となっており、遊技者は、擬似当選役「弱チェリー」に当選したことを容易に把握できる。かかる擬似当選役「弱チェリー」に関しても、擬似当選役「弱チェリー」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
また、擬似当選役抽選の結果、擬似当選役「強チェリー」に当選した場合には、図11(e)に示すように、左リール134aに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「チェリーA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「スイカA」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図11(e)の例では、仮想ラインB3上に表示された図柄組み合わせは「チェリーA」、「チェリーA」、「チェリーA」となっており、遊技者は、擬似当選役「強チェリー」に当選したことを容易に把握できる。かかる擬似当選役「強チェリー」に関しても、擬似当選役「強チェリー」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
このように、擬似単発遊技の擬似当選役抽選では、擬似当選役「7揃い」、「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」等の、当選種別抽選では当選することのない当選役が採用されている。かかる、擬似当選役「7揃い」は、基本遊技において従前より大きな遊技利益が付与されることを意味するように用いられてきた「赤7」図柄揃いという強力な図柄組み合わせとして遊技者に認識されているので、また、擬似当選役「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」は、一般的に、AT遊技の当選確率が高かったり、払出枚数が多かったりと、遊技利益が高い役(所謂レア役)として遊技者に認識されているので、遊技者は、擬似当選役抽選の結果に応じて、後述するように、チャンス通常遊技状態やAT遊技状態へ移行したり、AT遊技状態における継続遊技数が上乗せされたりすることの期待度を高めることができる。
ただし、擬似当選役抽選により決定される擬似当選役の種別や数は、リール演出の種別(擬似単発遊技、擬似連続遊技、擬似段階遊技)に応じて異ならせることができる。例えば、本実施形態では、擬似単発遊技において出現する擬似当選役には、図11(a)〜図11(e)の擬似当選役が含まれ、擬似連続遊技および擬似段階遊技において出現する擬似当選役には、図11(a)の擬似当選役「7揃い」を除く、図11(b)〜図11(e)の擬似当選役が含まれる。なお、各リール演出において出現する擬似当選役は、図11に示した擬似当選役に限らず、様々な図柄組み合わせを採用することができる。
図12は、基本遊技の回転態様(回転の様子)を説明するための説明図であり、図13は、擬似単発遊技の回転態様を説明するための説明図である。まず、図12を用いて基本遊技を説明する。ここでは、例えば、当選種別抽選手段304による当選種別抽選により当選種別「共通ベル」に当選し、擬似単発遊技の実行は決定されていないとする。
図12に示す基本遊技では、まず、図12(a)に示すように、遊技者によるベットスイッチ126の操作、または、メダル投入部124へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。そして、図12(b)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、当選種別抽選手段304が当選種別抽選により当選種別「共通ベル」を決定し、リール制御手段306が、図12(c)に示すように、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。そして、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効にした後、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうちの任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130a)の操作に応じて、リール制御手段306が、図12(d)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは左リール134a)を停止制御する。同様に、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうちの他の任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130b)の操作に応じて、リール制御手段306が、図12(e)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは中リール134b)を停止制御し、残りのストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130c)の操作に応じて、リール制御手段306が、図12(f)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは右リール134c)を停止制御する。そして、判定手段308が次の基本遊技のためベットスイッチ126を有効化する。図12の例では、有効ラインA上に当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせが表示されているので、遊技者は、当選役「共通ベル」に対応する払い出しを受けることができる。
次に、例えば、当選種別抽選手段304による当選種別抽選により当選種別「共通ベル」が当選し、それと並行して、擬似単発遊技の実行が決定されたとする。まず、図12(a)に示すように、遊技者によるベットスイッチ126の操作、または、メダル投入部124へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。そして、図12(b)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、当選種別抽選手段304が当選種別抽選により当選種別「共通ベル」を決定するとともに、擬似単発遊技の実行が決定すると、その時点から擬似遊技が開始される。このように擬似遊技が開始される際のスタートスイッチ128の操作に限り、基本遊技のスタートスイッチ128の操作と兼用される。したがって当選種別抽選手段304は、当選種別抽選と並行して、擬似遊技の実行可否の決定、および、その擬似遊技の擬似当選役抽選を行い、複数の擬似当選役から1の擬似当選役を決定する。当該擬似単発遊技では、擬似当選役抽選の結果として50%で図11(a)に示した擬似当選役「7揃い」が当選するものとし、ここでは、仮に、擬似当選役「7揃い」に当選したとする。そして、リール制御手段306は、図13(a)に示すように、擬似遊技による回転リール134a、134b、134cの回転を開始し、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効にする前に、回転リール134a、134b、134cの回転を一時的に停止し、その状態を所定時間維持する。この間、副制御基板202では、液晶表示部138を介して種々の演出が実行される。そして、リール制御手段306は、回転リール134a、134b、134cの回転を再び開始し、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効にした後、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうち任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130a)の操作に応じて、図13(b)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは左リール134a)を停止制御する。同様に、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうちの他の任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130b)の操作に応じて、リール制御手段306が、図13(c)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは中リール134b)を停止制御し、残りのストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130c)の操作に応じて、リール制御手段306が、図13(d)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは右リール134c)を停止制御する。ただし、ここでの(擬似遊技の)停止制御は、基本遊技と同じ停止制御を用いてはいるものの、基本遊技の本来の停止と異なる仮停止に相当し、基本遊技の遊技結果を示す停止と役割が異なる。また、擬似遊技中の補助演出としては、AT遊技等、何らかの遊技利益を獲得する期待度が高い擬似当選役の当選を示唆する演出(例えば「7を揃えよ」)が液晶表示部138において表示され、遊技者は、上記のように、基本遊技と同じ操作順である打順1または打順2による操作を行う。図13の例では、仮想ラインB2上に「赤7」、「赤7」、「赤7」の図柄組み合わせが表示されているので、遊技者は、擬似当選役「7揃い」に当選したことを容易に把握できる。
続いて、図13(e)に示すように、遊技者によるベットスイッチ126の操作を通じ、スタートスイッチ128の操作が有効になる。そして、図13(f)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、リール制御手段306が、回転リール134a、134b、134cの回転を開始すると、基本遊技が再開され、図12(c)〜図12(f)に示した基本遊技が行われる。こうして、最終的に、有効ラインA上に当選役「取りこぼし小役」に対応する図柄組み合わせが表示され、遊技者は、当選役「取りこぼし小役」に対応する払い出しを受けることができる。
このように、当選種別手段により擬似単発遊技の実行が決定されると、1の擬似遊技が実行された後、1の基本遊技が実行される。また、かかる擬似単発遊技の擬似遊技においては、図11の説明で示したように、基本遊技において従前より大きな遊技利益が付与されることを意味するように用いられてきた「赤7」図柄揃いという強力な図柄組み合わせが表示される可能性が高い(例えば50%)。したがって、遊技者に対し、大きな遊技利益が付与されたことを印象付けることが可能となる。また、擬似当選役「7揃い」が当選しなかったとしても、一般的に遊技利益が高い役(所謂レア役)として遊技者に認識されている擬似当選役「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」等が表示されることとなる。したがって、擬似単発遊技が実行されると、それに伴い、一般的に遊技利益が高いとされる擬似当選役を表示させることができるので、遊技者は、一旦、擬似単発遊技が開始されると、AT遊技等、何らかの遊技利益を獲得する期待度を高めることができる。
(擬似連続遊技)
また、主制御基板200の当選種別抽選手段304は、上記当選種別抽選や擬似単発遊技と並行して、所定の契機、例えば、所定当選確率の抽選により、または、周期的(所定の周期遊技数の消化)に擬似連続遊技の実行を決定する。擬似連続遊技は、擬似単発遊技と回転態様が異なり、上述したように、複数(擬似遊技数:ここでは2〜5のいずれか)の擬似遊技と、1の基本遊技とから構成される。
当選種別抽選手段304は、擬似連続遊技の実行を決定すると、複数の擬似遊技それぞれの開始段階、例えば、スタートスイッチ128の操作に応じ、複数の擬似当選役のうち、擬似連続遊技に対応する複数の擬似当選役(図11(b)〜図11(f)に示した擬似当選役「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」)から1の擬似当選役を抽選により決定する擬似当選役抽選を行う。このうち、擬似当選役「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」は、遊技利益が高い役(所謂レア役)として遊技者に認識されているので、遊技者は、擬似当選役抽選の結果に応じて、後述するように、チャンス通常遊技状態やAT遊技状態へ移行したり、AT遊技状態における継続遊技数が上乗せされたりすることの期待度を高めることができる。
図14は、擬似連続遊技の回転態様を説明するための説明図である。ここでは、例えば、当選種別抽選手段304による当選種別抽選により当選種別「共通ベル」が当選し、それと並行して、擬似連続遊技の実行が決定されたとする。まず、図12(a)に示すように、遊技者によるベットスイッチ126の操作、または、メダル投入部124へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。そして、図12(b)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、当選種別抽選手段304が当選種別抽選により当選種別「共通ベル」を決定するとともに、擬似連続遊技の実行が決定すると、その時点から擬似遊技が開始される。このように擬似遊技が開始される際のスタートスイッチ128の操作に限り、基本遊技のスタートスイッチ128の操作と兼用される。したがって当選種別抽選手段304は、当選種別抽選と並行して、擬似遊技の実行可否の決定、および、その擬似遊技の擬似当選役抽選を行い、複数の擬似当選役から1の擬似当選役を決定する。そして、リール制御手段306は、図14(a)に示すように、擬似遊技による回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。ここでは、仮に、擬似当選役「強チェリー」に当選したとする。ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効にした後、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうち任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130a)の操作に応じて、リール制御手段306が、図14(b)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは左リール134a)を停止制御する。同様に、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうちの他の任意のストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130b)の操作に応じて、リール制御手段306が、図14(c)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは中リール134b)を停止制御し、残りのストップボタンスイッチ(ここではストップボタンスイッチ130c)の操作に応じて、リール制御手段306が、図14(d)のように、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール(ここでは右リール134c)を停止制御する。擬似遊技中の補助演出としては、AT遊技等、何らかの遊技利益を獲得する期待度が高い擬似当選役の当選を示唆する演出(例えば「!!!」)が液晶表示部138において表示され、遊技者は、上記のように、基本遊技と同じ操作順である打順1または打順2による操作を行う。図14の例では、仮想ラインB3上に「チェリーA」、「チェリーA」、「チェリーA」の図柄組み合わせが表示されているので、遊技者は、擬似当選役「強チェリー」に当選したことを容易に把握できる。
続いて、図14(e)に示すように、遊技者によるベットスイッチ126の操作を通じ、スタートスイッチ128の操作が有効になる。そして、図14(f)に示すように、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、リール制御手段306が、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。このとき、擬似連続遊技として設定された擬似遊技がまだ残っている場合、残っている擬似遊技が実行され、当選種別抽選手段304は、その擬似遊技の擬似当選役抽選を行い、複数の擬似当選役から1の擬似当選役を決定し、図14(a)〜図14(f)に示した擬似遊技を、残っている回数だけ繰り返す。そして、擬似連続遊技として設定された擬似遊技が全て終了すると、基本遊技が再開され、図12(c)〜図12(f)に示した基本遊技が行われる。こうして、最終的に、有効ラインA上に当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせが表示され、遊技者は、当選役「共通ベル」に対応する払い出しを受けることができる。
このように、当選種別手段により擬似連続遊技の実行が決定されると、複数の擬似遊技が繰り返された後、1の基本遊技が実行される。また、かかる擬似遊技においては、図11の説明で示したように、一般的に遊技利益が高い役(所謂レア役)として遊技者に認識されている擬似当選役「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」等が表示されることとなる。したがって、擬似連続遊技が実行されると、それに伴い、一般的に遊技利益が高いとされる擬似当選役を複数回繰り返し表示させることができる。また、仮に、擬似当選役のうちでも期待度の低い擬似当選役が表示されたとしても、連続する次の擬似遊技において期待度の高い擬似当選役を表示させる可能性を有しているので、遊技者は、一旦、擬似連続遊技が開始されると、AT遊技等、何らかの遊技利益を獲得する期待度を高め、その期待感を持続させることができる。
したがって、遊技者は、擬似連続遊技の実行が決定されるのを望むが、擬似連続遊技の実行が抽選によってしか決定されないのであれば、抽選に当選しない限り擬似連続遊技が実行されないこととなる。そこで、本実施形態においては、上述したように、当選種別抽選手段304は、擬似連続遊技を所定当選確率の抽選により決定するのと並行して、擬似連続遊技を周期的(所定の周期遊技数の消化)に実行する。当選種別抽選手段304は、周期的な1の擬似連続遊技が終了すると、擬似遊技終了後の基本遊技の第3停止時に、次回の周期的な擬似連続遊技までの周期遊技数(例えば1〜64の中から均等に振り分け)、および、次回の周期的な擬似連続遊技における擬似遊技数を決定する。また、当選種別抽選手段304は、消化された遊技数に応じて、スタートスイッチ128の操作時に周期遊技数カウンタを加算し、周期遊技数カウンタの値が予め決定されている周期遊技数(所定値)に到達すると擬似連続遊技が実行(遊技利益が付与)されることとなる。なお、当選種別抽選手段304は、擬似遊技終了後の基本遊技の第3停止時に加え、設定変更時にも、次回の周期的な擬似連続遊技までの周期遊技数および擬似遊技数を決定するとしてもよい。ここで、周期遊技数カウンタは、主制御基板200で管理され、前回の擬似連続遊技が実行されてからの遊技数を計数するカウンタである。このように擬似連続遊技を周期的にも実行する構成により、本来、擬似連続遊技の抽選には所定の当選確率で当選するはずであるが運悪く当選し難かったとしても、遊技者は、少なくとも所定の周期遊技数毎に擬似連続遊技を実行することができ、周期的に所定の遊技利益を獲得する機会を得ることが可能となる。
なお、当選種別抽選手段304は、所定の条件を満たした場合に、特定の周期遊技数を決定することもできる。例えば、上記設定値が6段階の最大値「6」であり、かつ、所定当選確率に当選すると、周期遊技数を特定の「66」に決定してもよい。遊技者は、通常出現しない周期遊技数「66」を視認することで、遊技利益を獲得する容易性が高いことを把握することができる。
また、本実施形態においては、後述する遊技状態(通常遊技状態、AT遊技状態等)の如何に拘わらず、複数の遊技状態に跨って周期遊技数毎に擬似連続遊技が実行される。したがって、遊技状態が遷移したとしても周期遊技数カウンタはリセットされず、その更新が継続される。ただし、設定変更時には周期遊技数カウンタをリセットするとしてもよい。かかる遊技状態の遷移に拘わらず周期遊技数カウンタをリセットしない構成により、遊技状態が遷移したとしても、それまで消化した遊技数の計数を無駄にすることなく、周期的に所定の遊技利益を獲得する機会を均一に得ることが可能となる。また、このように遊技状態に拘わらず、周期的に擬似連続遊技を実行することで、遊技開始のタイミングによる遊技利益の偏りを軽減でき、所謂止め時を少なくすることができ、スロットマシン100の稼働率を高めることが可能となる。さらに、遊技状態に拘わらず、遊技数を計数すればよいので、処理負荷を軽減することもできる。
ただし、周期的な擬似連続遊技(第1遊技利益)は、周期遊技数カウンタの値が予め決定されている周期遊技数に到達すると直ちに実行されるので、擬似単発遊技(第2遊技利益)との関係で以下の問題が生じうる。例えば、周期的な擬似連続遊技の実行が決定される遊技において、同時に、擬似単発遊技が所定当選確率の抽選により決定される場合がある。このように2つの遊技利益が一度に決定された場合、リール演出の重複当選による煩雑な処理を回避すべく、いずれか一方の遊技利益のみを確保し、他の遊技利益をキャンセルすることが考えられる。しかし、かかる構成では、遊技者が、周期遊技数カウンタの値の報知を通じて周期的な擬似連続遊技が開始されるタイミングを把握している場合、本来獲得できるはずの擬似連続遊技に基づく遊技利益を失う結果となり、遊技者の遊技意欲が減退するおそれがある。また、2つの遊技利益が一度に決定された場合、2つの遊技利益を一度に実行することが考えられる。しかし、擬似単発遊技と擬似連続遊技は、いずれも、当選種別抽選が実行され1度の払い出しを受け得る基本遊技の前段階として実行されるリール演出なので、同時に実行するには、そのためだけの特別な演出を準備しなければならず、また、演出自体も煩雑になる。
そこで、本実施形態においては、当選種別抽選手段304が、擬似単発遊技を実行する遊技では、周期遊技数カウンタの値の加算を無効にする(加算を行わない)。こうして、擬似単発遊技の実行が決定された遊技において、周期遊技数カウンタの値が更新されることがなく、すなわち、周期的な擬似連続遊技がそのタイミングで決定されることがない。また、かかる構成では、周期遊技数カウンタの値の加算を、擬似単発遊技が実行された遊技において停止しているにすぎず、擬似単発遊技が終了すると、また、周期遊技数カウンタの値の更新が再開する。したがって、遊技者は、自身が獲得した擬似単発遊技および擬似連続遊技のいずれも消滅させることなく、本来獲得できるはずの遊技利益を確実に得ることが可能となる。こうして、遊技意欲の向上を図ることが可能となる。
なお、ここでは、当選種別抽選手段304が、周期遊技数カウンタの値に拘わらず、擬似単発遊技を実行する遊技において、常に、周期遊技数カウンタの値の加算を無効にする例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、周期的な擬似連続遊技の実行が決定される遊技において、同時に、擬似単発遊技が所定当選確率の抽選により決定された場合に限り、すなわち、遊技利益が実行されるタイミングが重複した遊技でのみ、周期遊技数カウンタの値の加算を無効にしてもよい。かかる構成により、周期遊技数カウンタの値の加算を徒に無効にすることなく、すなわち、擬似単発遊技により周期遊技数カウンタを無駄に停止することなく、遊技者は、本来獲得できるはずの遊技利益を確実に得ることが可能となる。
(擬似段階遊技)
また、主制御基板200の当選種別抽選手段304は、所定の契機、例えば、当選種別「通常リプレイ」の当選時に、打順3〜打順6のいずれか任意に決定された操作態様による操作が行われる遊技が2回連続したことにより擬似段階遊技を実行する。かかる擬似段階遊技が実行された場合、その前段となる基本前段遊技については、周期遊技数カウンタの値の加算を無効にする(更新を行わない)とともに擬似単発遊技および擬似連続遊技の実行を禁止する。ただし、擬似段階遊技の準備期間、すなわち、当選種別「通常リプレイ」の当選時に、打順3〜打順6のいずれか任意に決定された操作態様による操作が行われる遊技が2回連続するまでの遊技については、周期遊技数カウンタの値は有効に加算させる。
図15は、擬似段階遊技を説明するための説明図である。擬似段階遊技は、基本遊技を複数回(擬似遊技数:ここでは少なくとも5)繰り返す基本前段遊技と、基本前段遊技後に擬似遊技を複数回(擬似遊技数:ここでは2〜7のいずれか)繰り返す擬似後段遊技と、擬似後段遊技後に行われる1の基本遊技とから構成される。
当選種別抽選手段304は、擬似段階遊技を開始すると、まず、基本前段遊技における少なくとも5回の基本遊技それぞれにおいて当選種別抽選を行うとともに、当選した当選種別に応じて、擬似後段遊技の擬似遊技数の上乗せ抽選を実行する。例えば、当選種別抽選の結果、当選種別「通常リプレイ」に当選すると、1%の当選確率で擬似遊技数1回を上乗せし、当選種別「共通ベル」に当選すると、30%の当選確率で擬似遊技数1回、20%の当選確率で擬似遊技数2回を上乗せする。
また、図15に示すように、当選種別抽選手段304は、基本前段遊技中、基本遊技を繰り返しつつ、基本遊技が5回に達すると、転落抽選を実行する。例えば、擬似当選役抽選の結果、当選種別「通常リプレイ」に当選した場合の所定の当選確率(ここでは50%)で転落抽選(所定の条件)が実行され、転落抽選において転落に当選すると(転落すると)、基本前段遊技が終了する。ここで、当選種別抽選で当選種別「通常リプレイ」に当選しない、または、当選したが転落抽選で転落に当選しなかった場合、さらに1回基本遊技が継続し、その基本遊技では、再度、当選種別抽選および擬似遊技数の上乗せ抽選が実行されるとともに、転落抽選が実行される。したがって、基本前段遊技は、転落抽選の対象とならない5回を最低保証回数として、転落抽選により転落に当選するまでα回継続されることとなる。当選種別抽選手段304は、基本遊技毎の上乗せ抽選の結果を積算し、その回数が所定上限回数(ここでは5回)に到達したら積算を止める。このように、基本前段遊技では、転落抽選により転落に当選しない限り、継続的に、当選種別抽選および擬似後段遊技における擬似遊技数の上乗せ抽選を受けることができる。したがって、遊技者は、可能な限り基本前段遊技に滞在すること、すなわち、転落に当選しないことを望むこととなる。なお、ここでは、基本前段遊技を終了させる所定の条件として、当選種別「通常リプレイ」に当選した場合の転落抽選を挙げて説明しているが、様々な条件を採用できるのは言うまでもない。
そして、基本前段遊技において転落に当選すると、当選種別抽選手段304は、基本前段遊技を終了して擬似後段遊技を開始する。かかる擬似後段遊技における擬似遊技数は、図15に示すように、最低保証回数2回と、基本前段遊技における擬似遊技数の上乗せ抽選の結果との合計となる。したがって、基本前段遊技における上乗せ抽選結果が所定上限回数の5回であれば、擬似後段遊技は2回+5回=7回となる。当選種別抽選手段304は、擬似後段遊技を開始すると、擬似遊技それぞれの開始段階、例えば、スタートスイッチ128の操作に応じ、複数の擬似当選役のうち、擬似段階遊技に対応する複数の擬似当選役(図11(b)〜図11(e)に示した擬似当選役「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」)から1の擬似当選役を抽選により決定する擬似当選役抽選を行う。ただし、擬似後段遊技が開始される際のスタートスイッチ128の操作に限り、基本遊技のスタートスイッチ128の操作と兼用される。したがって当選種別抽選手段304は、擬似当選役抽選と当選種別抽選とを並行して実行する。そして、リール制御手段306は、擬似遊技による回転リール134a、134b、134cの回転を開始し、遊技者による、複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cのうち任意のストップボタンスイッチの操作に応じて、リール制御手段306が、そのストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リールをそれぞれ停止制御する。また、当選種別抽選手段304は、当選した擬似当選役に応じて、AT遊技状態(所定の遊技利益)への移行抽選を実行する。例えば、擬似当選役抽選の結果、擬似当選役「弱スイカ」に当選すると、5%の当選確率でAT遊技状態(所定の遊技利益)への移行を決定し、擬似当選役「強スイカ」に当選すると、20%の当選確率でAT遊技状態への移行を決定する。なお、ここでは、擬似後段遊技における抽選により付与される所定の遊技利益としてAT遊技状態を挙げて説明しているが、遊技者に有利な様々な遊技利益を採用できるのは言うまでもない。
そして、基本前段遊技および擬似後段遊技として設定された擬似遊技が全て終了すると、基本遊技が再開される。こうして、擬似後段遊技の開始時に擬似当選役抽選と並行して実行された当選種別抽選で決定された当選種別に含まれる当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される。以上のように、擬似段階遊技における基本前段遊技では、擬似後段遊技での擬似遊技数の延長を目的とし、擬似後段遊技では、基本前段遊技での結果に基づく擬似遊技数でAT遊技状態への移行を目的としている。このように、1度の擬似段階遊技で目的が異なる複数段階の遊技を連続させて実行することで、遊技者の期待感を持続させ、遊技意欲の向上を図ることが可能となる。
ところで、上記のように当該擬似段階遊技では、最終的にAT遊技状態への移行を目指すこととなるが、擬似後段遊技の途中でAT遊技状態への移行が決定された場合にまで擬似後段遊技を継続すると、AT遊技状態への移行決定後の、つまり、目的を達成した後の遊技が退屈なものとなってしまう。そこで、本実施形態において、当選種別抽選手段304は、擬似後段遊技のいずれかの擬似遊技において、AT遊技状態への移行を決定すると、基本前段遊技での擬似遊技数の上乗せ抽選の結果に拘わらず、擬似後段遊技を即座に終了し、基本遊技を実行する。こうすることで、目的が達成された後の遊技を早々に終了し、迅速にAT遊技状態に移行することが可能となる。
(副制御基板202)
図4に戻って説明すると、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、副遊技状態遷移手段334、演出決定手段336、演出実行手段338等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。副遊技状態遷移手段334は、当選種別コマンドに基づいて、遊技者に有利な特定遊技を含む複数の遊技状態から1の遊技状態を遊技状態抽選により決定し、遊技状態を遷移させる。ここで、特定遊技とは、遊技者に対し遊技が有利に進行する、例えば、チャンス通常遊技やAT遊技をいう。また、本実施形態では、チャンス通常遊技やAT遊技に当選する可能性が高まるという点で擬似単発遊技、擬似連続遊技、擬似段階遊技も特定遊技として扱う。また、特定遊技を実行している状態を特定遊技状態という。ここで、AT遊技は、補助演出を実行する遊技であり、当選種別「特殊リプレイ」の当選時に、AT遊技の開始目である、当選役「特殊リプレイ」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されたことを契機に開始される。また、チャンス通常遊技は、このようなAT遊技に当選しやすい遊技を言う。かかるチャンス通常遊技やAT遊技については後程詳述する。
演出決定手段336は、演出スイッチ132から検出信号を受信するとともに、当選種別コマンドに基づいて液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出決定手段336は、液晶表示部138に表示される画像データや、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ140から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。演出実行手段338は、決定した遊技の演出を実行する。かかる各機能部については、後程詳述する。
演出は、上述したリール演出のような主制御基板200によって実行される演出と、副制御基板202によって実行される演出がある。副制御基板202によって実行される演出は、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選種別の抽選結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。このような演出では、例えば、AT遊技の当選を示唆し、最終的にAT遊技状態への移行を報知する演出(報知演出)を複数遊技に亘って行い、遊技者の期待感を高めることができる。報知演出には、遊技状態の移行を文言等により明示的に示すのみならず、レインボー色の背景を提示する等、実質的に遊技状態の移行を示すものも含む。また、たとえ、いずれの当選種別にも当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。また、演出には、上述したように、図9に示すボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルの当選領域2〜13の当選種別「打順ベル」に当選した場合に、期待獲得枚数が最大となる(当選役「通常ベル」を入賞し得る)正解操作態様を報知する補助演出も含まれる。
本実施形態では、副制御基板202内で演出動画を処理しているが、液晶表示部138に表示される静止画や動画を含む画像は、データ容量やその表示に伴う処理負荷が膨大となるため、別途、液晶制御基板を介在させて演出動画を処理する場合もある。
(遊技状態の遷移)
図16は、副制御基板202における遊技状態の遷移を説明するための説明図である。以下、副制御基板202において副遊技状態遷移手段334により遷移される遊技状態(通常遊技状態、AT遊技状態)について詳述する。
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、副制御基板202で管理される複数の遊技状態のうち、初期状態に相当する遊技状態である。通常遊技状態が実行される際、主制御基板200では、ボーナス成立遊技状態となっているので、小役やリプレイ役の当選確率が高く設定されていることになるが、補助演出の実行頻度がAT遊技状態より低く、ほぼ補助演出が行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。
また、通常遊技状態では、遊技上、期待獲得枚数を低減すべく、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が正当な操作態様(打順1または打順2)に制限され、遊技者は、そのような正当な操作態様以外の変則操作態様(打順3〜打順6)で操作を行うと、例えば、所定の遊技数を消化するまで、AT遊技の当選確率が低く設定されたり、所定の遊技数が消化されると(所謂、天井到達等)遊技上の特典が与えられる条件下で遊技数の消化計数が一時的に停止する等、遊技が不利に進行するペナルティが科されることとなる。
また、通常遊技状態では、ノーマル通常遊技状態とチャンス通常遊技状態とが設けられている。副遊技状態遷移手段334は、ノーマル通常遊技状態における所定の契機で遊技状態をチャンス通常遊技状態に移行させ(1)、チャンス通常遊技状態のまま所定の条件が満たされると、例えば、所定の遊技数が消化されると、ノーマル通常遊技状態に戻す(2)。また、副遊技状態遷移手段334は、ノーマル通常遊技状態およびチャンス通常遊技状態において、AT遊技状態へ移行するか否かを抽選(遊技状態抽選)により決定し、AT遊技状態への移行に当選すると、遊技状態をAT遊技状態に移行させることができる(3)。ただし、チャンス通常遊技状態の方がノーマル通常遊技状態よりAT遊技状態に移行し易いように設定されている。例えば、チャンス通常遊技状態およびノーマル通常遊技状態のいずれの遊技状態においても、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいてAT遊技状態へ移行するか否かが抽選(遊技状態抽選)により決定される場合に、当選種別毎に対応付けられたAT遊技状態へ移行する確率がノーマル通常遊技状態よりチャンス通常遊技状態の方が高くなっている。したがって、遊技者は、ノーマル通常遊技状態より、チャンス通常遊技状態に滞在することを望むこととなる。また、AT遊技状態に移行することなく通常遊技状態で所定の遊技数が消化されると(所謂、天井到達)、副遊技状態遷移手段334は、チャンス通常遊技状態による演出を経由して遊技状態を強制的にAT遊技状態へ移行させる。
また、ノーマル通常遊技状態およびチャンス通常遊技状態では、所定の契機により擬似遊技を伴う遊技、例えば、擬似単発遊技や擬似連続遊技が実行される(4)。また、擬似単発遊技および擬似連続遊技では、擬似遊技に基づく抽選により、AT遊技状態に移行させるか(5)、さらに擬似遊技を伴う遊技、例えば、擬似段階遊技が実行される(6)。擬似段階遊技では、擬似遊技に基づく2段階の抽選により、AT遊技状態に移行させるかが決定され(7)、AT遊技状態への移行が決定されなかったら、擬似段階遊技が開始される前の遊技状態に戻る。副制御基板202の副遊技状態遷移手段334による、チャンス通常遊技状態、擬似単発遊技、擬似連続遊技、擬似段階遊技の実行態様については、後程説明する。ただし、擬似段階遊技については、副遊技状態遷移手段334のみならず、上述したように主制御基板200の当選種別抽選手段304においてもAT遊技状態への移行を決定している。
(AT遊技状態)
図14に戻って、AT遊技状態は、通常遊技状態においてAT遊技状態への移行が決定されたことに応じて、通常遊技状態から移行する遊技状態であり、副制御基板202による補助演出が行われる。具体的に、副遊技状態遷移手段334は、通常遊技状態においてAT遊技状態への移行が決定されると、当選種別抽選により当選種別「特殊リプレイ」が当選するのを待ち、当選種別「特殊リプレイ」が当選した遊技で打順3〜6の補助演出を行い、当選役「特殊リプレイ」を有効ラインA上に表示させて、AT遊技状態を開始させる。AT遊技状態では、主制御基板200においてボーナス成立遊技状態となっているので、小役やリプレイ役の当選確率が高く設定されており、補助演出によって正解操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、通常遊技状態と比べ、遊技を有利に進行することができる。
また、AT遊技状態では、通常遊技状態のようなペナルティを科していない。当該AT遊技状態では、選択当選役が重複当選している場合に、正解操作態様を報知することで、正解操作態様の操作により選択当選役を入賞させ、遊技者にメダルを獲得させることを目的としている。したがって、正解操作態様に対応している変則操作態様をペナルティにすることができないからである。
副遊技状態遷移手段334は、上述した通常遊技状態からAT遊技状態への移行を決定すると、まず、AT遊技状態の継続遊技数を決定する。ここで、継続遊技数は、当該AT遊技状態を維持可能な(上限の)遊技数である。そして、AT遊技で消化された遊技数が継続遊技数に到達すると、AT遊技状態が終了し、副遊技状態遷移手段334は、AT遊技状態の継続抽選を行う。そして、AT遊技状態の継続抽選に当選すると、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態を、再度、AT遊技状態へ移行させ(8)、AT遊技状態の継続遊技数を決定する。また、AT遊技状態の継続抽選に当選しなかった場合は、遊技状態を、ノーマル通常遊技状態へ移行させる(9)。
AT遊技状態において、副遊技状態遷移手段334は、AT遊技状態の継続遊技数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選すると、遊技者にその旨報知するとともに、当選した上乗せにかかる遊技数を加えて継続遊技数を更新する。例えば、AT遊技状態においても上記擬似連続遊技が実行され(10)、副遊技状態遷移手段334は、図15を用いて説明したチャンス通常遊技状態やAT遊技状態への移行抽選同様、擬似連続遊技の擬似遊技数に応じた当選確率および遊技数で、または、擬似遊技において当選した擬似当選役同士の組み合わせに応じた当選確率および遊技数で、継続遊技数の上乗せ抽選を行う。
上述したように、主制御基板200が管理する遊技状態は、ほぼ、ボーナス成立遊技状態に滞在しており、ボーナス成立遊技状態であることを条件に、副制御基板202では、遊技状態を、ノーマル通常遊技状態、チャンス通常遊技状態、AT遊技状態の間で遷移させる。しかし、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される可能性があり、主制御基板200が管理する遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移する場合もある。副制御基板202では、主制御基板200における遊技状態を把握することが可能なので、ボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移した場合、副制御基板202の遊技状態を一旦停止し、かつ、補助演出を行わないようにする。そして、主制御基板200においてボーナス非成立遊技状態からボーナス成立遊技状態に遷移すると、副制御基板202の遊技状態を再開する。
以下、副遊技状態遷移手段334による、チャンス通常遊技状態、擬似単発遊技、擬似連続遊技、擬似段階遊技の実行態様についてその順に詳述する。
(チャンス通常遊技状態)
上述したように、チャンス通常遊技状態は、ノーマル通常遊技状態よりAT遊技状態に移行し易いように設定されている。具体的に、チャンス通常遊技状態では、AT遊技状態へ移行する当選確率(例えば、当選役「ベル」や当選役「リプレイ」それぞれに対応付けられた当選確率)がノーマル通常遊技状態より高く、かつ、それぞれ異なる5つのチャンスモード(第1〜第5チャンスモード)が準備され、第1チャンスモード<第2チャンスモード<第3チャンスモード<第4チャンスモード<第5チャンスモードの順に当選確率が高くなっている。まず、副遊技状態遷移手段334は、チャンス通常遊技状態の実行を決定すると、上記チャンスモードを初期モードである第1チャンスモードに設定するとともに、チャンス通常遊技状態により抽選を受けることが可能な遊技数を、例えば、12〜14の間で抽選により決定する。
続いて、副遊技状態遷移手段334は、第1チャンスモードに対応付けられた当選確率でAT遊技状態への移行を抽選により決定するとともに、所定の当選確率でチャンスモードの昇格抽選を実行する。かかるチャンスモードの昇格抽選に当選すると、チャンスモードを1段階昇格させ、例えば、第1チャンスモードから第2チャンスモードへ昇格させるとともに、チャンス通常遊技状態の遊技数を、3〜6の間で抽選により決定した遊技数だけ延長する。したがって、チャンスモードが昇格すればするほど、AT遊技状態の当選確率が高くなるとともに、その抽選を受ける機会も延長されるので、遊技者は、チャンスモードの昇格を望むこととなる。例えば、第1チャンスモードのままでは、第1チャンスモードに対応付けられた当選確率で、遊技数が12〜14の間でしかAT遊技状態への移行は望めないが、第2チャンスモードに昇格すると、その昇格時点から第2チャンスモードに対応付けられた第1チャンスモードよりも高い当選確率でAT遊技状態への移行を望むことができ、さらに遊技数が15〜20の間で抽選を受けることが可能となる。したがって、第5チャンスモードまで昇格すると、遊技数が24〜38の間で抽選を受けることが可能となる。なお、第5チャンスモードまで昇格すると、AT遊技状態への移行が確定されるという仕様を採用してもよい。かかる抽選遊技が終了すると、副遊技状態遷移手段334は、7回の擬似遊技を跨いだ演出を通じて、AT遊技状態への移行が決定されたか否かを報知する(告知は最終遊技)。
(チャンス通常遊技状態の開始契機)
上述したように、チャンス通常遊技状態には、ノーマル通常遊技状態における所定の契機で移行する。副遊技状態遷移手段334は、かかる所定の契機として、例えば、以下のような抽選状態の遷移に応じた抽選を実行する。
図17〜図19は、チャンス通常遊技状態へ移行する所定の契機を説明するための説明図である。ここでは、チャンス通常遊技状態(特定遊技状態)への移行期待度が相異なる複数(ここでは3)の第1抽選状態として小役低抽選状態、小役中抽選状態、小役高抽選状態が準備されている。かかる第1抽選状態は、小役低抽選状態<小役中抽選状態<小役高抽選状態の順にチャンス通常遊技状態への移行期待度が高くなっている。したがって、遊技者は、小役低抽選状態より小役中抽選状態への滞在を、また、小役中抽選状態より小役高抽選状態への滞在を望むこととなる。副遊技状態遷移手段334は、現在の第1抽選状態および当選種別抽選手段304による当選種別抽選の結果に応じ、遊技毎に、このような複数の第1抽選状態から1の第1抽選状態を抽選により決定する。具体的に、副遊技状態遷移手段334は、図17に示すように、現在の第1抽選状態が小役低抽選状態であれば、当選種別抽選の結果に応じ、1/100の移行確率で小役中抽選状態に移行し、当選種別抽選の結果に応じ、1/2000の移行確率で小役高抽選状態に移行し、いずれにも当選しなかった場合、小役低抽選状態を維持する。また、現在の第1抽選状態が小役中抽選状態であれば、当選種別抽選の結果に応じ、1/40の移行確率で小役低抽選状態に移行し、当選種別抽選の結果に応じ、1/100の移行確率で小役高抽選状態に移行し、いずれにも当選しなかった場合、小役中抽選状態を維持する。また、現在の第1抽選状態が小役高抽選状態であれば、当選種別抽選の結果に応じ、1/200の移行確率で小役低抽選状態に移行し、当選種別抽選の結果に応じ、1/40の移行確率で小役中抽選状態に移行し、いずれにも当選しなかった場合、小役高抽選状態を維持する。ただし、ここでの移行確率は、当選種別毎に設定された個々の移行確率と、当選種別の当選確率とを総合した確率を示している。
また、上記第1抽選状態とは独立して、テーブル、テーブル抽選状態、第2抽選状態がそれぞれ設けられている。ここで、テーブルは、第1テーブル、第2テーブルといったように複数(ここでは2)準備され、消化遊技数が所定遊技数に到達する毎にテーブル抽選状態が予め対応付けられており、テーブル同士では、消化遊技数に応じて決定されるテーブル抽選状態が異なる。かかるテーブルは、次回のAT遊技が実行されるまで変化しない。また、テーブル抽選状態は、テーブル1抽選状態、テーブル2抽選状態、テーブル3抽選状態、テーブル4抽選状態、テーブル5抽選状態といったように複数(ここでは5)準備され、テーブル抽選状態間では、第2抽選状態それぞれの選択確率が異なる。なお、テーブル抽選状態は、テーブル1抽選状態<テーブル2抽選状態<テーブル3抽選状態<テーブル4抽選状態<テーブル5抽選状態の順に、チャンス通常遊技状態への移行期待度が高い第2抽選状態が選択され易くなっている。したがって、遊技者は、テーブル1抽選状態より、テーブル2抽選状態、さらにはテーブル3抽選状態といったように移行期待度の高いテーブル抽選状態が決定されるのを望むこととなる。また、第2抽選状態は、テーブル抽選状態に関連付けられて、テーブル低抽選状態、テーブル中抽選状態、テーブル高抽選状態といったように複数(ここでは3)準備され、それぞれチャンス通常遊技状態への移行期待度が異なる。なお、第2抽選状態は、テーブル低抽選状態<テーブル中抽選状態<テーブル高抽選状態の順にチャンス通常遊技状態への移行期待度が高くなっている。したがって、遊技者は、テーブル低抽選状態よりテーブル中抽選状態への滞在を、また、テーブル中抽選状態よりテーブル高抽選状態への滞在を望むこととなる。
具体的に、副遊技状態遷移手段334は、前回のAT遊技状態が終了すると、複数のテーブル(第1テーブル、第2テーブル)から1のテーブルを抽選により決定する。そして、副遊技状態遷移手段334は、そのテーブル、および、通常遊技状態において消化された遊技数に基づいて、予め定められた所定遊技数(ここでは50回)を消化する(消化遊技数が所定遊技数に到達する)度に、消化した遊技数に予め対応付けられた1のテーブル抽選状態を決定し、決定したテーブル抽選状態の選択確率に基づいて複数の第2抽選状態から1の第2抽選状態を抽選により決定する。例えば、副遊技状態遷移手段334が、AT遊技状態の終了に応じ、テーブルとして第1テーブルを決定したとする。副遊技状態遷移手段334は、図18(a)に示すように、ノーマル通常遊技状態で消化した遊技数が0となると(1回目の遊技開始前)、すなわち、AT遊技状態が終了した直後に、第1テーブルに基づき、テーブル抽選状態としてテーブル1抽選状態を決定し、さらに消化した遊技数が50になると(51回目の遊技開始前)、第1テーブルに基づき、テーブル抽選状態としてテーブル3抽選状態を決定する。すなわち、消化された遊技数が50単位でテーブル抽選状態が改めて決定されている。ただし、図18(a)に示すように、第1テーブルの消化遊技数は950まで、第2テーブルの消化遊技数は600までしか設定されていない。これは、かかる消化遊技数からさらに50回を消化すると、所謂、天井に到達し、到達によりチャンス通常遊技状態による演出を経由してAT遊技状態への移行が決定されるので、それ移行の遊技においてテーブル抽選状態を決定する必要がないためである。
続いて、副遊技状態遷移手段334は、図18(b)に示すように、決定したテーブル抽選状態がテーブル1抽選状態であれば、当選種別抽選の結果に応じ、80%の選択確率でテーブル低抽選状態を決定し、15%の選択確率でテーブル中抽選状態を決定し、5%の選択確率でテーブル高抽選状態を決定する。同様に、決定したテーブル抽選状態がテーブル2抽選状態であれば、当選種別抽選の結果に応じ、60%の選択確率でテーブル低抽選状態を決定し、30%の選択確率でテーブル中抽選状態を決定し、10%の選択確率でテーブル高抽選状態を決定する。また、決定したテーブル抽選状態がテーブル3抽選状態であれば、当選種別抽選の結果に応じ、40%の選択確率でテーブル低抽選状態を決定し、35%の選択確率でテーブル中抽選状態を決定し、25%の選択確率でテーブル高抽選状態を決定する。また、決定したテーブル抽選状態がテーブル4抽選状態であれば、当選種別抽選の結果に応じ、20%の選択確率でテーブル低抽選状態を決定し、30%の選択確率でテーブル中抽選状態を決定し、50%の選択確率でテーブル高抽選状態を決定する。また、決定したテーブル抽選状態がテーブル5抽選状態であれば、当選種別抽選の結果に応じ、10%の選択確率でテーブル低抽選状態を決定し、15%の選択確率でテーブル中抽選状態を決定し、75%の選択確率でテーブル高抽選状態を決定する。ただし、ここでの選択確率は、当選種別毎に設定された個々の選択確率と、当選種別の当選確率とを総合した確率を示している。また、副遊技状態遷移手段334は、演出実行手段338に、液晶表示部138に、現在の第2抽選状態を示唆する演出(例えば、遊技数の表示を第2抽選状態に対応した色で彩色)を行う。上述したように、副遊技状態遷移手段334は、通常遊技状態において所定遊技数を消化する度に、消化した遊技数に予め対応付けられた1のテーブル抽選状態を決定し、同タイミングで、決定したテーブル抽選状態の選択確率に基づいて1の第2抽選状態を抽選により決定する。したがって、第2抽選状態は、1度決定されると、次の抽選が実行されるまで、すなわち、所定遊技数(ここでは50回)の間変化しない。
なお、ここでは、通常遊技状態において所定遊技数を消化する度に、まず、第2抽選状態それぞれの選択確率が相異なる複数のテーブル抽選状態から1のテーブル抽選状態を決定し、そのテーブル抽選状態の選択確率に基づいて複数の第2抽選状態から1の第2抽選状態を抽選により決定しているが、かかる場合に限らず、通常遊技状態において所定遊技数を消化する度に、直接、複数の第2抽選状態から1の第2抽選状態を決定するとしてもよい。
また、チャンス通常遊技状態への移行期待度が相異なる複数(ここでは3)の第3抽選状態としての低確率抽選状態、中確率抽選状態、高確率抽選状態が準備されている。なお、第3抽選状態は、低確率抽選状態<中確率抽選状態<高確率抽選状態の順にチャンス通常遊技状態への移行期待度が高くなっている。したがって、遊技者は、低確率抽選状態より中確率抽選状態への滞在を、また、中確率抽選状態より高確率抽選状態への滞在を望むこととなる。副遊技状態遷移手段334は、決定された第1抽選状態、および、決定された第2抽選状態の組み合わせに基づいて、遊技毎に、このような複数の第3抽選状態から1の第3抽選状態を決定する。例えば、図19(a)に示すように、第1抽選状態が小役低抽選状態であり、かつ、第2抽選状態がテーブル低抽選状態であれば、第3抽選状態として低確率抽選状態を決定する。また、第1抽選状態が小役低抽選状態であり、かつ、第2抽選状態がテーブル中抽選状態であれば、もしくは、第1抽選状態が小役中抽選状態であり、かつ、第2抽選状態がテーブル低抽選状態であれば、第3抽選状態として中確率抽選状態を決定する。また、第1抽選状態と第2抽選状態がそれ以外の場合、高確率抽選状態を決定する。ここでは、第1抽選状態と第2抽選状態とを単純に掛け合わせて第3抽選状態を導出していない。例えば、第1抽選状態が小役中抽選状態であり、かつ、第2抽選状態がテーブル中抽選状態であった場合に、第3抽選状態は高確率抽選状態となるが、第1抽選状態が小役高抽選状態であり、かつ、第2抽選状態がテーブル高抽選状態であっても、同様に、第3抽選状態を高確率抽選状態としている。このように、本実施形態では、第1抽選状態および第2抽選状態のいずれか一方が、移行確率が高い状態になっているか、もしくは、いずれもが移行確率が中であれば、第3抽選状態を高確率抽選状態にすることとし、第1抽選状態および第2抽選状態のいずれか一方でも移行確率が高い抽選状態に移行すれば、遊技者にチャンス通常遊技状態に移行する機会を付与することとし、遊技性の向上を図る。
そして、副遊技状態遷移手段334は、図19(b)に示すように、決定された第3抽選状態に対応する移行確率に基づいてチャンス通常遊技状態への移行を抽選により決定する。ただし、ここでの移行確率は、当選種別毎に設定された個々の移行確率と、当選種別の当選確率とを総合した確率を示している。こうして、ノーマル通常遊技状態における所定の契機で、遊技状態がチャンス通常遊技状態に移行することとなる。
(擬似単発遊技)
また、通常遊技状態(ノーマル通常遊技状態およびチャンス通常遊技状態)からAT遊技状態や擬似段階遊技に移行する契機として、上述した擬似単発遊技がある。例えば、通常遊技状態中に、主制御基板200の当選種別抽選手段304が擬似単発遊技の実行を決定すると、副遊技状態遷移手段334は、その擬似遊技に基づいてAT遊技状態や擬似段階遊技への移行を決定する。具体的に、当選種別抽選手段304が、擬似単発遊技の擬似遊技において、所定の当選確率(ここでは50%)で図11(a)に示した擬似当選役「7揃い」を擬似当選役抽選により決定すると、副遊技状態遷移手段334は、かかる擬似当選役「7揃い」の当選を受けてAT遊技状態への移行を決定する。すなわち、擬似当選役抽選の結果に応じて間接的にAT遊技状態への移行が決定されることとなる。このとき、演出実行手段338は、AT遊技状態への移行が決定された旨の演出を実行させる。
また、擬似当選役抽選において擬似当選役「7揃い」が当選しなかったとしても、当選種別抽選手段304が、所定の当選確率で、擬似当選役「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」等を擬似当選役抽選により決定した場合、副遊技状態遷移手段334は、かかる擬似当選役毎に対応付けられた当選確率に応じて擬似段階遊技への移行を抽選により決定する。こうして、遊技者は、擬似単発遊技によって、擬似当選役「7揃い」が当選しなかったとしても、擬似段階遊技への移行に期待することができ、さらにその擬似段階遊技においてAT遊技に当選する機会を得ることができる。ここで、擬似段階遊技に当選すると、副遊技状態遷移手段334は、演出実行手段338に、擬似段階遊技への移行が決定された旨の演出を実行させる。
(擬似連続遊技)
このような通常遊技状態(ノーマル通常遊技状態およびチャンス通常遊技状態)から擬似段階遊技やAT遊技状態に移行する契機として、擬似単発遊技に加え、擬似連続遊技が設けられている。例えば、通常遊技状態中に擬似連続遊技が実行された場合、その擬似遊技数に応じた当選確率で擬似段階遊技への移行が決定され、また、擬似遊技において当選した擬似当選役同士の組み合わせに応じてAT遊技状態や擬似段階遊技への移行が決定される。
図20は、擬似連続遊技による遊技状態の移行抽選を説明するための遊技状態抽選テーブルである。副遊技状態遷移手段334は、通常遊技状態中に擬似連続遊技が実行された場合、図20(a)に示した遊技状態抽選テーブルにおける、擬似連続遊技の擬似遊技数に対応付けられた当選確率に基づいて、擬似段階遊技への移行を決定する。例えば、擬似遊技数が2回や3回であると、副遊技状態遷移手段334は、10%の当選確率で擬似段階遊技への移行を決定し、擬似遊技数が4回であると、副遊技状態遷移手段334は、25%の当選確率で擬似段階遊技への移行を決定し、擬似遊技数が最大の5回であると、副遊技状態遷移手段334は、100%の当選確率(移行確定)で擬似段階遊技への移行を決定する。したがって、擬似遊技数が多いほど、擬似段階遊技に当選する確率が高まり、遊技者は、擬似遊技ができる限り多く繰り返されるのを望むこととなる。
また、副遊技状態遷移手段334は、通常遊技状態中に擬似連続遊技が実行された場合、擬似遊技それぞれの擬似当選役抽選において当選した(決定された)擬似当選役同士の組み合わせによって、予め定められた複数のコンボレベルから1のコンボレベルを決定し、図20(b)に示した遊技状態抽選テーブルにおけるコンボレベルに対応付けられた当選確率に基づいて、AT遊技状態への移行を決定する。まず、副遊技状態遷移手段334は、複数の擬似遊技における擬似当選役抽選の結果、同一の擬似当選役を連続して決定するとコンボレベルを加算する。例えば、擬似当選役「弱スイカ」または擬似当選役「弱チェリー」のいずれかの擬似当選役に連続して当選すると、コンボレベルが0であれば1に更新し、コンボレベルが0以外であれば1を加算する。したがって、擬似当選役「弱スイカ」または擬似当選役「弱チェリー」のいずれかの擬似当選役が2連続で当選するとコンボレベルは1に、3連続で当選するとコンボレベルは2に、4連続で当選するとコンボレベルは3になる。また、擬似当選役のうち擬似当選役「強スイカ」や擬似当選役「強チェリー」は単独で当選したとしても、同一属性の擬似当選役である擬似当選役「弱スイカ」や擬似当選役「弱チェリー」が連続して当選したこととみなす。したがって、擬似当選役「強スイカ」や擬似当選役「強チェリー」が当選すると、それだけで、コンボレベルが0であれば1に更新し、コンボレベルが0以外であれば1を加算する。また、擬似当選役「弱スイカ」と擬似当選役「強スイカ」が連続して当選したり、擬似当選役「弱チェリー」と擬似当選役「強チェリー」が連続して当選すると、擬似当選役「強スイカ」や擬似当選役「強チェリー」の当選は擬似当選役「弱スイカ」や擬似当選役「弱チェリー」の2回連続当選としてみなすので、例えば、擬似当選役「弱スイカ」、擬似当選役「弱スイカ」、擬似当選役「弱スイカ」、擬似当選役「強スイカ」と連続して当選した場合、コンボレベルは4となる。ただし、擬似当選役抽選の結果、他の擬似当選役が当選すると、コンボレベルの追加を行わず、それまでの擬似当選役の連続性が途切れる。
このように、コンボレベルとして1を決定すると、副遊技状態遷移手段334は、10%の当選確率でAT遊技状態への移行を決定し、コンボレベルとして2を決定すると、副遊技状態遷移手段334は、40%の当選確率でAT遊技状態への移行を決定し、コンボレベルとして3を決定すると、副遊技状態遷移手段334は、100%の当選確率(移行確定)でAT遊技状態への移行を決定し、コンボレベルとして4以上を決定すると、副遊技状態遷移手段334は、200%の当選確率(AT遊技×2)でAT遊技状態への移行を決定する。したがって、擬似遊技数が多いほど、また、コンボレベルを加算する期待度の高い擬似当選役が連続して当選するほど、AT遊技状態に当選する確率が高まり、遊技者は、擬似遊技ができる限り多く繰り返され、かつ、その擬似遊技においてコンボレベルを加算する期待度の高い擬似当選役が連続して当選するのを望むこととなる。
このように通常遊技状態では、擬似連続遊技によって、擬似段階遊技とAT遊技とを並行して抽選している。したがって、たとえAT遊技に当選することができなかったとしても、擬似段階遊技に当選しさえすれば、さらにその擬似段階遊技においてAT遊技に当選する機会を得ることができる。
ところで、上述したように、擬似連続遊技は、所定当選確率の抽選により決定されるのに加え、周期的(所定の周期遊技数の消化)にも実行される。このような仕様の採用により通常遊技状態において、遊技者は、周期的に遊技利益を獲得する機会を得ることができる。しかし、上述したAT遊技状態においてまで、周期的に遊技利益(例えば上乗せ抽選)を付与することを徹底すると、次の周期的な遊技利益を獲得する機会の到来よりAT遊技状態が早く終了する場合、遊技者は、遊技利益に期待できなくなり、遊技者の遊技意欲が減退してしまうおそれがある。
そこで、このような擬似連続遊技が周期的に実行される仕様をそのまま利用し、すなわち、通常遊技状態とAT遊技状態との両遊技状態で周期的な擬似連続遊技を行うことを前提に、AT遊技状態においては、周期遊技数カウンタの値を短縮することで、周期的な遊技利益に加え、新たな遊技性を提案する。以下に、その周期遊技数カウンタの短縮態様を説明する。
図21は、AT遊技状態における周期遊技数カウンタの短縮態様を説明するための説明図である。上述したように、当選種別抽選手段304は、消化された遊技数に応じて周期遊技数カウンタの値を加算し、周期遊技数カウンタの値が予め決定されている周期遊技数に到達すると擬似連続遊技(第1遊技利益)を実行する。これと並行して、当選種別抽選手段304は、当選種別抽選により当選種別「取りこぼし小役」を決定すると(所定当選確率(例えば1/400)の当選)、かかる当選種別「取りこぼし小役」の決定に応じて、変則操作態様(打順3〜6)のうちから任意の操作態様を決定し、コマンド送信手段316は、決定された任意の操作態様を示すコマンドを副制御基板202に送信する。ここまでの仕様は通常遊技状態およびAT遊技状態のいずれの遊技状態でも同じである。ただし、AT遊技状態においては、次の周期的な遊技利益を獲得する機会の到来よりAT遊技状態が早く終了する場合、遊技利益への期待感が減退してしまうので、遊技者の遊技意欲を維持すべく、演出実行手段338は、AT遊技状態において、周期遊技数カウンタの値を明示的に表示していない。
副制御基板202の演出実行手段338は、決定した任意の操作態様を示すコマンドを受信すると、現在の遊技状態が通常遊技状態であれば、図21(a)に示すように、当選種別「取りこぼし小役」が決定した遊技において何らの演出を行わず、AT遊技状態であれば、図21(b)に示すように、当選種別「取りこぼし小役」が決定した遊技において、決定した任意の操作態様を報知する。遊技者は、上述したように、通常遊技状態において、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が正当な操作態様(打順1または打順2)に制限されているので、任意の操作態様(打順3〜6のいずれか)の操作を行うことがない。ここで、遊技者が意図的に変則操作態様により操作を行い、任意の操作態様の操作を行ったとしても、副遊技状態遷移手段334が、変則操作態様による操作に応じ、ペナルティとして当該遊技数の短縮による擬似連続遊技の遊技利益をキャンセルするので問題ない。一方、遊技者は、AT遊技状態において、演出実行手段338による補助演出に従うことで任意の操作態様による操作を行うことができる。
そして、当選種別抽選手段304は、かかる当選種別「取りこぼし小役」が決定された遊技において、遊技者によってストップスイッチ130がどのような操作態様によって操作されたかを取得し、遊技者による操作態様が、決定した任意の操作態様と等しければ、周期遊技数カウンタの値に、周期遊技数カウンタの現在の値と周期遊技数との差分以内の任意の値を加算することで周期遊技数へ到達するまでの遊技数を短縮する。ただし、上述したように、遊技者は、通常遊技状態においては、任意の操作態様による操作を行うことができず、AT遊技状態においてのみ、任意の操作態様による操作を行うことができる。したがって、図21(a)、(b)に示すように、当選種別抽選手段304は、通常遊技状態においては、遊技者による操作態様と任意の操作態様が異なるので遊技数の短縮を行うことができず、AT遊技状態においては、遊技者による操作態様と任意の操作態様が等しいと判定できるので遊技数の短縮を行うことができる。こうして、通常遊技状態およびAT遊技状態のいずれにおいても周期的な擬似連続遊技を実現しつつ、AT遊技状態でのみ周期的な擬似連続遊技の開始までの遊技数を短縮することが可能となる。
また、当選種別抽選手段304は、遊技者による操作態様が、決定した任意の操作態様と等しければ、周期遊技数カウンタの値に、周期遊技数カウンタの現在の値と周期遊技数との差分自体を加算することで、いきなり周期遊技数へ到達させることができる。こうすることで、AT遊技状態中に、当選種別抽選手段304が当選種別「取りこぼし小役」を決定すると、次遊技で擬似連続遊技が実行されることが確定する。すなわち、当選種別「取りこぼし小役」の当選が実質的に擬似連続遊技の実行契機となり、換言すれば、AT遊技状態において、擬似当選役「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」等が表示される擬似連続遊技の高確率状態を実現することができる。このような構成により、遊技者は、周期的な擬似連続遊技の到来によって遊技利益を獲得する機会を得つつ、所定の当選種別「取りこぼし小役」の当選により、自力で遊技利益を獲得する機会を得ることができ、遊技意欲の向上を図ることが可能となる。
なお、ここでは、所定当選確率の当選として、当選種別「取りこぼし小役」の当選を挙げて説明したが、かかる当選種別に拘わらず、他の当選種別を採用することもできる。また、特定の当選種別の当選を伴う必要もなく、当選種別抽選の結果に拘わらず、所定当選確率で当該遊技数の短縮を実現してもよい。
また、ここでは、当選種別抽選手段304が、当選種別「取りこぼし小役」の当選に応じて変則操作態様のうちの任意の操作態様を決定し、コマンド送信手段316が、決定された任意の操作態様を示すコマンドを副制御基板202に送信し、その遊技における遊技者によるストップスイッチ130の操作が、決定した任意の操作態様と等しいか否かで所定値へ到達するまでの遊技数を短縮する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、当選種別「取りこぼし小役」の当選時にAT遊技状態の有無に応じて遊技者の操作態様を異ならせれば足り、例えば、コマンド送信手段316が、当選種別「取りこぼし小役」が当選したことを示すコマンドのみを副制御基板202に送信し、演出実行手段338が、当選種別「取りこぼし小役」の当選に応じて、現在の遊技状態が通常遊技状態であれば、補助演出を行わず、AT遊技状態であれば、変則操作態様のうちの任意の操作態様を報知し、当選種別抽選手段304が、当選種別「取りこぼし小役」が当選した遊技における遊技者によるストップスイッチ130の操作が、任意の操作態様であるか否かで所定値へ到達するまでの遊技数を短縮するとしてもよい。かかる構成により、コマンド送信手段316による、任意の操作態様を示すコマンドの送信処理を省略でき、処理負荷を低減することができる。なお、遊技者によるストップスイッチ130の操作が任意の操作態様であるか否かは、その操作態様が変則操作態様であるか否かに基づいて判断してもよいし、その他の様々な手段によって判断してもよい。例えば、予め定められた規則に従い、主制御基板200および副制御基板202のいずれにおいても、当選種別「取りこぼし小役」の当選に応じ、変則操作態様のうちで同一の操作態様が決定され、演出実行手段338がその操作態様を報知し、当選種別抽選手段304が、遊技者によるストップスイッチ130の操作が、決定された操作態様と一致するか否かを判定することで、遊技者によるストップスイッチ130の操作が任意の操作態様であるか否かを判断するとしてもよい。
(擬似段階遊技)
上述したように、副遊技状態遷移手段334が、擬似単発遊技や擬似連続遊技において擬似段階遊技の実行を決定すると、当選種別抽選手段304は擬似段階遊技を実行する。したがって、当選種別抽選手段304は、当選種別「通常リプレイ」の当選時に、打順3〜打順6のいずれかの操作態様を任意に決定し、当選種別「通常リプレイ」に当選した旨とともにその操作態様を副制御基板202に送信し、副遊技状態遷移手段334が擬似段階遊技への移行を決定すると、演出実行手段338は、当選種別「通常リプレイ」の当選時に、その操作態様による操作が行われるよう補助演出を実行する。そして、かかる当選種別「通常リプレイ」の当選時に、打順3〜打順6のいずれか任意に決定された操作態様による操作が行われる遊技が2回連続したことにより、当選種別抽選手段304は、擬似段階遊技への移行が決定されたことを把握し、擬似段階遊技を実行する。
擬似段階遊技が実行されると、当選種別抽選手段304は、基本前段遊技の基本遊技における当選種別抽選の結果に応じて、擬似後段遊技の擬似遊技数の上乗せ抽選を実行する。演出実行手段338は、基本前段遊技の間、上乗せ抽選が行われている旨の演出を、液晶表示部138を通じて遊技者に報知し、擬似遊技数の上乗せ抽選に当選すると、擬似遊技数の上乗せ抽選に当選した旨の演出(例えば上乗せされた擬似遊技数)を、液晶表示部138を通じて遊技者に報知する。
そして、基本前段遊技が開始されて基本遊技が5回に達した後、擬似当選役抽選の結果、当選種別「通常リプレイ」に当選した場合の所定の当選確率(ここでは50%)で転落抽選により転落に当選すると、基本前段遊技が終了し、擬似後段遊技が開始される。そして、擬似後段遊技の間、当選種別抽選手段304は、当選した擬似当選役に応じて、AT遊技状態への移行抽選を実行する。演出実行手段338は、擬似後段遊技の開始に応じて、擬似後段遊技の間、AT遊技状態への移行抽選が行われている旨の演出を、液晶表示部138を通じて遊技者に報知し、AT遊技状態への移行抽選に当選すると、AT遊技状態への移行抽選に当選した旨の演出を、液晶表示部138を通じて遊技者に報知し、擬似後段遊技を終了する。かかる擬似段階遊技では、当選種別抽選手段304により、基本前段遊技で擬似遊技数の上乗せ抽選が行われ、擬似後段遊技でAT遊技状態への移行抽選が行われる。ただし、本実施形態では、基本前段遊技において擬似遊技毎の上乗せ抽選の結果を積算した回数が所定上限回数(ここでは5回)であった(擬似後段遊技の擬似遊技数が合計して7回)場合、AT遊技状態への移行が確定するという仕様を採用している。したがって、擬似後段遊技が7回継続し、その間、当選種別抽選手段304により、AT遊技状態への移行抽選に当選した旨の情報が得られなかった場合、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態を、強制的にAT遊技状態に移行させる。こうして、基本前段遊技において、擬似遊技数の上乗せ抽選の結果が所定上限回数(ここでは5回)に到達すると、AT遊技状態への移行が確定するといった遊技性を実現することが可能となる。
(擬似遊技の報知)
ところで、上述した擬似単発遊技、擬似連続遊技、擬似段階遊技において実行される擬似遊技は、基本遊技に似せた遊技であるが、あくまで基本遊技の前に行われるリール演出の一態様なので、擬似遊技が終了した後、基本遊技が再開すると、遊技者は、その基本遊技の遊技利益、例えば、当選役に応じた払い出しを受けることができる。しかし、本実施形態では、擬似遊技を基本遊技に似せているため、擬似遊技において遊技結果が出たとき(何らかの図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたとき)、遊技者によっては、その遊技結果が基本遊技の遊技結果と勘違いしてしまい、本来の基本遊技が完了していないにも拘わらず、遊技をやめてしまうおそれがある。そうすると、本来、その遊技者が受け得る遊技利益を逸してしまうこととなる。そこで、擬似遊技を実行する場合、演出実行手段338が、その擬似遊技が基本遊技ではなく、リール演出の一態様であることを、例えば、液晶表示部138に、擬似遊技が実行されている旨を示す「フリープレイ」の文字を出力することで遊技者に報知することができる。遊技者は、かかる液晶表示部138における「フリープレイ」の表示に基づいて、その遊技が擬似遊技であることを認識できるので、擬似遊技が終了したとしても、まだ1遊技に相当する基本遊技が行われることを把握でき、遊技をやめてしまう事態を回避することが可能となる。
ただし、単に擬似遊技の実際の開始および終了に合わせて擬似遊技の報知を行うと、以下の問題が生じる。すなわち、擬似遊技は、基本遊技に似せた遊技であるにも拘わらず、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、演出実行手段338が液晶表示部138に「フリープレイ」の文字を表示すると、遊技者は、その遊技が擬似遊技であることを早々に把握してしまい、回転リール134a、134b、134cの停止制御によって擬似遊技であることを把握するという遊技性を損なうとともに、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cを停止するまで期待感を持続させることもなくなる。
また、擬似連続遊技や擬似段階遊技では、擬似遊技が複数回行われ、擬似遊技数が多いほど、遊技利益を獲得する確率が高まるので、遊技者は、擬似遊技ができる限り多く繰り返されるのを望んでいる。しかし、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に基づいて、演出実行手段338が液晶表示部138に表示された「フリープレイ」の文字を削除すると、遊技者は、擬似遊技が終了したこと(基本遊技が開始されたこと)を早々に把握してしまい、回転リール134a、134b、134cの停止制御によって擬似遊技であるか基本遊技であるかを把握するという遊技性を損ない、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cを停止するまで期待感を持続させることもなくなる。
そこで、擬似遊技の報知タイミングを、擬似遊技の実際の開始および終了と異ならせることとし、擬似連続遊技の開始後の所定のタイミングに「フリープレイ」を表示し、擬似連続遊技の終了前の所定のタイミングに「フリープレイ」を削除する。具体的に、擬似連続遊技が開始された最初の擬似遊技において、ストップボタンスイッチ130a、130b、130c全ての操作がなされたタイミング(第3停止押下時または第3停止開放時)で「フリープレイ」の表示を開始する。また、擬似連続遊技の終了遊技、すなわち、連続した擬似遊技終了後の基本遊技において、ストップボタンスイッチ130a、130b、130c全ての操作がなされたタイミング(第3停止押下時または第3停止開放時)で「フリープレイ」の表示を削除する。このように、「フリープレイ」の表示開始タイミングを、最初の擬似遊技の第3停止時といったように、実際の擬似遊技の開始時より遅らせることで、遊技者は、その表示開始タイミングまで、その遊技が擬似遊技であることを明確に把握することができず、回転リール134a、134b、134cの停止制御によって、基本遊技では表示されない擬似当選役「弱スイカ」、「強スイカ」、「弱チェリー」、「強チェリー」等が表示され、その遊技が擬似遊技であることを把握するという遊技性を楽しむことができる。こうして、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cを停止するまで、擬似遊技が継続しているのではという期待感を持続させることが可能となる。また、「フリープレイ」の表示終了タイミングを、擬似遊技終了後の基本遊技の第3停止時といったように、実際の擬似遊技の終了時より遅らせることで、遊技者は、その表示終了タイミングまで、擬似遊技が終了していることを明確に把握することができず、回転リール134a、134b、134cの停止制御によって擬似遊技であるか基本遊技であるかを把握することとなり、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cを停止するまで、擬似遊技が継続しているのではという期待感を持続させることが可能となる。
なお、このように「フリープレイ」の表示開始タイミングや表示終了タイミングを、実際の擬似遊技の開始や終了より遅らせているが、擬似遊技の終了時点では、液晶表示部138に「フリープレイ」の表示があるので、遊技者は、かかる液晶表示部138の表示に基づいて、その遊技が擬似遊技であることを認識し、擬似遊技が終了したとしても、まだ1遊技に相当する基本遊技が行われることを把握でき、遊技をやめてしまう事態を回避することが可能となる。
ここでは、「フリープレイ」の表示開始タイミングや表示終了タイミングを、遊技者によるストップボタンスイッチ130cの操作(第3停止)としたが、かかる場合に限らず、遊技者によるスタートスイッチ128の操作より後の、例えば、遊技者によるストップボタンスイッチ130aの操作(第1停止)や、遊技者によるストップボタンスイッチ130bの操作(第2停止)のタイミングであれば、上記の遊技者が遊技をやめてしまう事態を回避しつつ期待感を持続させる効果を得ることができる。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的な処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図22は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップボタンスイッチ130a、130b、130c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各回転リール134a、134b、134cが回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
続いて、ベット手段302は、遊技者によるベットスイッチ126の操作を受け付け、スタートスイッチ128に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ128の操作待ち状態に移行する。そして、スタートスイッチ128の操作が検知されると、次のステップS300に処理が移される。
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128の操作に応じて、当選種別抽選を実行する。また、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128の操作に応じて、擬似単発遊技や擬似連続遊技の実行を決定し、擬似単発遊技や擬似連続遊技の実行が決定されると、その擬似遊技において擬似当選役抽選を行う。また、当選種別抽選手段304は、擬似段階遊技が決定されると、その擬似遊技において擬似当選役抽選を行う。
(ステップS400)
スタートスイッチ128が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ262を駆動して左リール134a、中リール134b、右リール134cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技(基本遊技または擬似遊技)における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始し、左リール134a、中リール134b、右リール134cの全てが定速回転となったところで、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効化する。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが有効化されている状態で、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受け付けると、設定された停止制御則による図柄引き込みロジックを用い、その操作に対応する回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれか)を停止制御する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、基本遊技において、図5(a)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド決定手段314は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、主遊技状態遷移手段312は、ボーナス成立遊技状態において当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことに基づき遊技状態をボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態へ遷移させる。また、外部出力手段318は、判定手段308によって判定された結果に基づき、スロットマシン100の外部信号を出力する。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における基本遊技の判定結果に基づき、例えば、基本遊技の遊技結果として有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、主遊技状態遷移手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態へ遷移させる。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、基本遊技の1遊技を終了する。
ステップS200からステップS700に示したように、メダルの投入を通じて遊技を開始可能な状態となり、スタートスイッチ128の操作から入賞による払い出しまでの一連の処理を通じて基本遊技の1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
(ベット処理S200)
図23は、上記ステップS200のベット処理を示したフローチャートである。
(ステップS201)
まず、ベット手段302は、遊技種別フラグが基本遊技を示す0であるか否か判定する。その結果、遊技種別フラグが0であれば、基本遊技中の処理としてステップS202に処理を移し、遊技種別フラグが0ではない、すなわち1〜3のいずれかであれば、基本遊技ではない、すなわち、擬似遊技としてステップS205に処理を移す。ここで、遊技種別フラグは、その時点の遊技が基本遊技か擬似遊技かを示すフラグであり、基本遊技は0、擬似単発遊技における擬似遊技は1、擬似連続遊技における擬似遊技は2、擬似段階遊技における擬似遊技は3で示される。
(ステップS202)
上記ステップS201において遊技種別フラグが0であると判定されれば、ベット手段302は、メダル投入部124から投入されたメダルの投入数が規定投入数以上であるか、すなわち、規定投入数に達しているか否か判定する。その結果、投入数が規定投入数以上であれば、基本遊技を進行するためのメダルのベットが完了したとしてステップS204に処理を移し、投入数が規定投入数未満であれば、ステップS203に処理を移す。
(ステップS203)
上記ステップS202において投入数が規定投入数未満であると判定されれば、ベット手段302は、規定投入数以上のクレジットが貯留されている状況でベットスイッチ126が操作されたか否か判定する。その結果、ベットスイッチ126が操作されれば、基本遊技を進行するためのメダルのベットが完了したとしてステップS204に処理を移し、ベットスイッチ126が操作されなければ、ステップS202からの処理を繰り返す。
(ステップS204)
基本遊技においてメダルのベットが完了すると、または、後述するように、擬似遊技においてベットスイッチ126が操作されると、コマンド決定手段314は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信し、当該ベット処理S200を終了する。
(ステップS205)
上記ステップS201において遊技種別フラグが0ではない、すなわち、1であると判定されれば、ベット手段302は、ベットスイッチ126に対するタイムアウト時間が経過したか否か判定する。その結果、タイムアウト時間が経過していれば、ステップS204に処理を移し、タイムアウト時間が経過していなければ、ステップS206に処理を移す。ここでベットスイッチ126に対するタイムアウト時間は、例えば、15秒である。具体的には、当該ベット処理S200の開始時におけるベットスイッチ126の有効化時に、初期値として、15秒をタイマ割込時間で除算した値をメインRAM200cに設定し、当該ステップS205においてタイマ割込に応じ1ずつ減算し、値が0になるとタイムアウトと判断する。
(ステップS206)
上記ステップS205においてタイムアウト時間が経過していないと判定されれば、ベット手段302は、ベットスイッチ126が操作されたか否か判定する。その結果、ベットスイッチ126が操作されれば、ステップS204に処理を移し、ベットスイッチ126が操作されなければ、ステップS205からの処理を繰り返す。
(抽選処理S300)
図24は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。
(ステップS301)
まず、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128が操作されたか否か判定する。その結果、スタートスイッチ128が操作されれば、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された種々の乱数、例えば、1の当選種別抽選乱数を取得してステップS302に処理を移し、スタートスイッチ128が操作されなければ、ステップS301の処理を繰り返す。また、当選種別抽選手段304が擬似連続遊技の実行を決定した場合、当該スタートスイッチ128の操作は、基本遊技の開始契機に加え、擬似連続遊技における擬似遊技の開始契機ともなる。
(ステップS302)
上記ステップS301においてスタートスイッチ128が操作されたと判定されれば、当選種別抽選手段304は、図9および図10に示した複数の当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、ステップS301で取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別またはハズレを抽選結果として決定する(当選種別抽選)。また、当選種別抽選手段304は、かかる当選種別抽選において当選種別「取りこぼし小役」を決定した場合、任意の操作態様も決定する。
(ステップS303)
次に、主遊技状態遷移手段312は、現在の遊技状態がボーナス非成立遊技状態であり、かつ、上記ステップS302の当選種別抽選において当選種別「BB」に当選したか否か判定する。その結果、ボーナス非成立遊技状態であり、かつ、当選種別「BB」に当選していれば、ステップS304に処理を移し、ボーナス非成立遊技状態ではない、または、当選種別「BB」に当選していなければ、ステップS305に処理を移す。
(ステップS304)
上記ステップS303において現在の遊技状態がボーナス非成立遊技状態であり、かつ、当選種別「BB」に当選していると判定されれば、主遊技状態遷移手段312は、遊技状態をボーナス非成立遊技状態からボーナス成立遊技状態へ遷移させる。
(ステップS305)
続いて、当選種別抽選手段304は、遊技種別フラグが3であるか否か判定する。その結果、遊技種別フラグが3であれば、ステップS306に処理を移し、遊技種別フラグが3でなければ、ステップS307に処理を移す。ここで遊技種別フラグが3になるのは、後述するステップS508において擬似段階遊技の実行が決定されたと判定された場合である。かかる擬似段階遊技の実行が決定されると、擬似単発遊技および擬似連続遊技の実行が制限される。
(ステップS306)
上記ステップS305において遊技種別フラグが3であると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、擬似段階遊技を実行し、ステップS316に処理を移す。かかる擬似段階遊技処理については、図27を用いて後程詳述する。ここで、段階フラグは、基本前段遊技である間「1」を示し、擬似後段遊技である間「2」を示す。
(ステップS307)
上記ステップS305において遊技種別フラグが3ではないと判定されれば、当選種別抽選手段304は、所定当選確率の抽選、すなわち、上記ステップS302の当選種別抽選において当選種別「取りこぼし小役」に当選した場合の1/400の当選確率で擬似単発遊技の実行を決定する。そして、当選種別抽選手段304は、擬似単発遊技の実行を決定すると、遊技種別フラグを1に設定する。
(ステップS308)
続いて、当選種別抽選手段304は、遊技種別フラグが1であるか否か判定する。その結果、遊技種別フラグが1であれば、ステップS309に処理を移し、遊技種別フラグが1でなければ、ステップS310に処理を移す。
(ステップS309)
上記ステップS308において遊技種別フラグが1であると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、擬似単発遊技における1の擬似遊技を実行し、ステップS316に処理を移す。かかる擬似単発遊技処理については、図25を用いて後程詳述する。
(ステップS310)
上記ステップS308において遊技種別フラグが1ではないと判定されれば、当選種別抽選手段304は、周期遊技数カウンタの値に1を加算する。ただし、当選種別に応じて1以外の数値を加算してもよい。ここでは、遊技種別フラグが1または3の場合、すなわち、擬似単発遊技または擬似段階遊技が実行される遊技において、当該ステップS310を経由させないことで、周期遊技数カウンタの値の加算を無効にしている。こうして、擬似単発遊技や擬似段階遊技の実行が決定された遊技において、周期遊技数カウンタの値が更新されることがなく、すなわち、周期的な擬似連続遊技が決定されることがない。したがって、遊技者は、自身が獲得した擬似単発遊技または擬似段階遊技と、擬似連続遊技とのいずれも消滅させることなく、本来獲得できるはずの遊技利益を確実に得ることが可能となる。
(ステップS311)
次に、当選種別抽選手段304は、周期遊技数カウンタの値が、設定された周期遊技数(例えば64)以上となっているか否か判定する。その結果、周期遊技数以上となっていれば、擬似連続遊技を実行すべく、ステップS312に処理を移し、周期遊技数未満であれば、ステップS313に処理を移す。
(ステップS312)
上記ステップS311において周期遊技数カウンタの値が周期遊技数以上となっていると判定されれば、すなわち、遊技数が周期遊技数に到達すれば、当選種別抽選手段304は、周期的な擬似連続遊技を実行すべく、遊技種別フラグを2に設定するとともに、周期抽選フラグをONし、擬似遊技数に、前回の擬似連続遊技で決定した次回擬似遊技数を設定する。かかる周期抽選フラグは、次回の擬似連続遊技における周期遊技数と擬似遊技数(次回擬似遊技数)の抽選を行うためのフラグであり、周期抽選フラグをONとすることで、後述する第3停止後のステップS507で抽選を行わせることができる。また、当選種別抽選手段304は、周期遊技数カウンタを0にリセットする。
(ステップS313)
上記ステップS311において周期遊技数カウンタの値が周期遊技数未満であると判定されれば、周期的な擬似連続遊技が実行されないので、当選種別抽選手段304は、所定当選確率の抽選により擬似連続遊技の実行を決定する。そして、当選種別抽選手段304は、擬似連続遊技の実行を決定すると、遊技種別フラグを2に設定するとともに、当該抽選による擬似連続遊技における擬似遊技数を抽選により即座に決定する。
(ステップS314)
続いて、当選種別抽選手段304は、遊技種別フラグが2であるか否か判定する。その結果、遊技種別フラグが2であれば、ステップS315に処理を移し、遊技種別フラグが2でなければ(0であれば)、ステップS316に処理を移す。
(ステップS315)
上記ステップS314において遊技種別フラグが2あると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、擬似連続遊技における複数の擬似遊技を実行する。かかる擬似連続遊技処理については、図26を用いて後程詳述する。
(ステップS316)
そして、コマンド決定手段314は、ステップS302における当選種別抽選の抽選結果(当選種別またはハズレ)、周期遊技数カウンタの値、周期遊技数、擬似遊技数、段階フラグの値、遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信し、当該抽選処理S300を終了する。
(擬似単発遊技処理S309)
図25は、上記ステップS309の擬似単発遊技処理を示したフローチャートである。
(ステップS309−1)
擬似遊技が開始されると、まず、当選種別抽選手段304は、複数の擬似当選役から1の擬似当選役を抽選により決定する(擬似当選役抽選)。
(ステップS309−2)
コマンド決定手段314は、ステップS309−1における擬似当選役抽選の抽選結果(擬似当選役)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS309−3)
続いて、リール制御手段306は、擬似遊技による回転リール134a、134b、134cの回転を開始し、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効にする前に、回転リール134a、134b、134cの回転を一時的に停止して、その状態を所定時間維持する。この間、演出実行手段338によって種々の演出が実行される。そして、共通化されたステップS400のリール回転処理とステップS500のリール停止処理とステップS200のベット処理とを実行してステップS309−4に処理を移す。ただし、かかるベット処理は、遊技者によるベットスイッチ126の操作のみを受け付ける。ここでは、ステップS500のリール停止処理によって回転リール134a、134b、134cが一時的に停止することになるが、あくまで基本遊技の本来の停止と異なる仮停止であるので、払出制御手段310によるメダルの払出は実行されない。
また、本実施形態においては、基本遊技を実行するためのプログラム、例えば、所定の図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させるための停止制御設定ロジックや、遊技者によるストップスイッチ130の操作態様に基づいて有効ラインA上に回転リール134a、134b、134cの所定の図柄を引き込む図柄引き込みロジック等を擬似遊技にも適宜用いる。このように、一連の遊技を実行するプログラムを、基本遊技と擬似遊技との間で共通化することで、擬似遊技の採否に拘わらず、プログラムの容量の増大を抑制することが可能となり、設計コストや処理負荷を低減することができる。
(ステップS309−4)
続いて、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128に対するタイムアウト時間が経過したか否か判定する。その結果、タイムアウト時間が経過していれば、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべく、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された乱数を取得して、ステップS309−6に処理を移し、タイムアウト時間が経過していなければ、ステップS309−5に処理を移す。ここでスタートスイッチ128に対するタイムアウト時間は、例えば、15秒である。具体的には、抽選処理S300の開始時におけるスタートスイッチ128の有効化時に、初期値として、15秒をタイマ割込時間で除算した値をメインRAM200cに設定し、当該ステップS309−4においてタイマ割込に応じ1ずつ減算し、値が0になるとタイムアウトと判断する。
(ステップS309−5)
上記ステップS309−4においてタイムアウト時間が経過していないと判定されれば、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128が操作されたか否か判定する。その結果、スタートスイッチ128が操作されれば、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された乱数を取得して、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべくステップS309−6に処理を移し、スタートスイッチ128が操作されなければ、ステップS309−4からの処理を繰り返す。
(ステップS309−6)
そして、当選種別抽選手段304は、擬似遊技を終了すべく、遊技種別フラグを0に設定し、ランダム遅延処理フラグをONにして当該擬似単発遊技処理S309を終了する。こうして、基本遊技が再開する。ここで、ランダム遅延処理フラグは、擬似単発遊技、擬似連続遊技、擬似段階遊技等における基本遊技の回転リール134a、134b、134cの回転態様としてランダム遅延処理を行うためのフラグである。
(擬似連続遊技処理S315)
図26は、上記ステップS315の擬似連続遊技処理を示したフローチャートである。
(ステップS315−1)
擬似遊技が開始されると、まず、当選種別抽選手段304は、複数の擬似当選役から1の擬似当選役を抽選により決定する(擬似当選役抽選)。
(ステップS315−2)
コマンド決定手段314は、ステップS315−1における擬似当選役抽選の抽選結果(擬似当選役)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。そして、共通化されたステップS400のリール回転処理とステップS500のリール停止処理とステップS200のベット処理とを実行してステップS315−3に処理を移す。ただし、かかるベット処理は、遊技者によるベットスイッチ126の操作のみを受け付ける。ここでは、ステップS500のリール停止処理によって回転リール134a、134b、134cが一時的に停止することになるが、あくまで基本遊技の本来の停止と異なる仮停止であるので、払出制御手段310によるメダルの払出は実行されない。
(ステップS315−3)
続いて、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128に対するタイムアウト時間が経過したか否か判定する。その結果、タイムアウト時間が経過していれば、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべく、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された乱数を取得して、ステップS315−5に処理を移し、タイムアウト時間が経過していなければ、ステップS315−4に処理を移す。ここでスタートスイッチ128に対するタイムアウト時間は、例えば、15秒である。具体的には、抽選処理S300の開始時におけるスタートスイッチ128の有効化時に、初期値として、15秒をタイマ割込時間で除算した値をメインRAM200cに設定し、当該ステップS315−3においてタイマ割込に応じ1ずつ減算し、値が0になるとタイムアウトと判断する。
(ステップS315−4)
上記ステップS315−3においてタイムアウト時間が経過していないと判定されれば、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128が操作されたか否か判定する。その結果、スタートスイッチ128が操作されれば、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された乱数を取得して、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべくステップS315−5に処理を移し、スタートスイッチ128が操作されなければ、ステップS315−3からの処理を繰り返す。
(ステップS315−5)
続いて、当選種別抽選手段304は、擬似遊技数カウンタの値に1を加算する。ここで、擬似遊技数カウンタは、主制御基板200で管理され、擬似遊技の回数を計数するためのカウンタである。
(ステップS315−6)
そして、当選種別抽選手段304は、擬似遊技数カウンタの値が、ステップS312で設定されたまたはステップS313で決定された擬似遊技数以上となっているか否か判定する。その結果、擬似遊技数以上となっていれば、擬似遊技を終了すべく、擬似遊技数カウンタを0にリセットして、ステップS315−7に処理を移し、擬似遊技数未満であれば、ステップS315−1からの処理を繰り返す。こうして、擬似遊技数カウンタが擬似遊技数になるまで擬似遊技が繰り返される。
(ステップS315−7)
そして、当選種別抽選手段304は、擬似遊技を終了すべく、遊技種別フラグを0に設定し、ランダム遅延処理フラグをONにして当該擬似連続遊技処理S315を終了する。
(擬似段階遊技処理S306)
図27は、上記ステップS306の擬似段階遊技処理を示したフローチャートである。
(ステップS306−1)
擬似遊技が開始されると、まず、当選種別抽選手段304は、段階フラグが1であるか否か判定する。その結果、段階フラグが1であれば、ステップS306−2に処理を移し、段階フラグが1でなければ、すなわち、段階フラグが2になっていれば、ステップS306−8に処理を移す。
(ステップS306−2)
上記ステップS306−1において段階フラグが1であると判定されれば、当選種別抽選手段304は、ステップS302で当選した当選種別に応じて、擬似後段遊技の擬似遊技数の上乗せ抽選を実行する。ここで、擬似遊技数の初期値(最低保障回数2)は、後述するステップS508で設定されている。ただし、ここでは、基本前段遊技および擬似後段遊技の擬似遊技数を共通管理しているので、単に擬似遊技数の上乗せのみを行っている。したがって、擬似遊技数の上乗せ抽選に当選すると、その当選した遊技数を擬似遊技数に加算する。ただし、上乗せ抽選の結果を積算した回数が所定上限回数(ここでは5回)に到達した場合、それ以上の上乗せを行わない。こうして、上乗せ抽選に当選した分だけ、擬似後段遊技が延長される。
(ステップS306−3)
次に、当選種別抽選手段304は、擬似遊技数カウンタの値が、基本前段遊技の保証遊技数である5以上であり、かつ、ステップS302の当選種別抽選で当選種別「通常リプレイ」が当選したか否か判定する。その結果、擬似遊技数カウンタの値が5以上であり、かつ、当選種別抽選で当選種別「通常リプレイ」が当選していれば、ステップS306−4に処理を移し、擬似遊技数カウンタの値が5未満である、または、当選種別抽選で当選種別「通常リプレイ」が当選していなければ、ステップS306−7に処理を移す。
(ステップS306−4)
上記ステップS306−3において、擬似遊技数カウンタの値が5以上であり、かつ、当選種別抽選で当選種別「通常リプレイ」が当選していると判定されれば、当選種別抽選手段304は、所定の当選確率(ここでは50%)で転落抽選を実行する。
(ステップS306−5)
続いて、当選種別抽選手段304は、上記ステップS306−4の転落抽選において、転落に当選したか否か判定する。その結果、転落に当選していれば、ステップS306−6に処理を移し、転落に当選していなければ、ステップS306−7に処理を移して、基本前段遊技を維持する。
(ステップS306−6)
上記ステップS306−5において、転落抽選において転落に当選したと判定されれば、当選種別抽選手段304は、段階フラグを2に切り換え、ステップS306−7に処理を移す。こうして、基本前段遊技が終了し、次の擬似遊技から擬似後段遊技が開始される。また、このときの擬似遊技数と擬似遊技数カウンタの値との差分が擬似後段遊技における擬似遊技の回数(最低保証回数2回)となる。
(ステップS306−7)
続いて、当選種別抽選手段304は、擬似遊技数カウンタの値に1を加算するとともに、擬似遊技数に1を加算する。このように擬似遊技数カウンタおよび擬似遊技数を並行して加算することで、擬似遊技数カウンタを更新しつつ、擬似遊技数と擬似遊技数カウンタの値との差分(擬似後段遊技における擬似遊技の回数)を維持することが可能となる。
(ステップS306−8)
上記ステップS306−1において段階フラグが1ではない、すなわち、2である(擬似後段遊技である)と判定されれば、当選種別抽選手段304は、複数の擬似当選役から1の擬似当選役を抽選により決定する(擬似当選役抽選)。
(ステップS306−9)
続いて、当選種別抽選手段304は、当選した擬似当選役に応じて、AT遊技状態への移行抽選を実行する。
(ステップS306−10)
続いて、当選種別抽選手段304は、上記S306−9のAT遊技状態への移行抽選において、AT遊技状態への移行が決定されたか否か判定する。その結果、AT遊技状態への移行が決定されていれば、ステップS306−11に処理を移し、AT遊技状態への移行が決定されなければ、ステップS306−12に処理を移す。
(ステップS306−11)
上記ステップS306−10において、AT遊技状態への移行が決定されたと判定されれば、当選種別抽選手段304は、擬似遊技数カウンタの値を擬似遊技数に書き換え、ステップS306−12に処理を移す。こうして、後述するステップS306−16の擬似遊技の判定において、擬似遊技が終了したと判定されるので、残りの擬似遊技をキャンセルして擬似段階遊技における基本遊技を開始することが可能となる。
(ステップS306−12)
コマンド決定手段314は、ステップS306−1における擬似当選役抽選の抽選結果(擬似当選役)、段階フラグの値、擬似遊技数、AT遊技状態への移行抽選の結果、遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。そして、共通化されたステップS400のリール回転処理とステップS500のリール停止処理とステップS200のベット処理とを実行してステップS306−13に処理を移す。ただし、かかるベット処理は、遊技者によるベットスイッチ126の操作のみを受け付ける。ここでは、ステップS500のリール停止処理によって回転リール134a、134b、134cが一時的に停止することになるが、あくまで基本遊技の本来の停止と異なる仮停止であるので、払出制御手段310によるメダルの払出は実行されない。
(ステップS306−13)
続いて、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128に対するタイムアウト時間が経過したか否か判定する。その結果、タイムアウト時間が経過していれば、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべく、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された乱数を取得して、ステップS306−15に処理を移し、タイムアウト時間が経過していなければ、ステップS306−14に処理を移す。ここでスタートスイッチ128に対するタイムアウト時間は、例えば、15秒である。具体的には、抽選処理S300の開始時におけるスタートスイッチ128の有効化時に、初期値として、15秒をタイマ割込時間で除算した値をメインRAM200cに設定し、当該ステップS306−13においてタイマ割込に応じ1ずつ減算し、値が0になるとタイムアウトと判断する。
(ステップS306−14)
上記ステップS306−13においてタイムアウト時間が経過していないと判定されれば、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128が操作されたか否か判定する。その結果、スタートスイッチ128が操作されれば、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された乱数を取得して、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべくステップS306−15に処理を移し、スタートスイッチ128が操作されなければ、ステップS306−13からの処理を繰り返す。
(ステップS306−15)
続いて、当選種別抽選手段304は、擬似遊技数カウンタの値に1を加算する。
(ステップS306−16)
そして、当選種別抽選手段304は、擬似遊技数カウンタの値が、設定された擬似遊技数以上となっているか否か判定する。その結果、擬似遊技数以上となっていれば、擬似遊技を終了すべく、擬似遊技数カウンタを0にリセットして、ステップS306−17に処理を移し、擬似遊技数未満であれば、ステップS306−1からの処理を繰り返す。こうして、擬似遊技数カウンタが擬似遊技数になるまで擬似遊技が繰り返される。
(ステップS306−17)
そして、当選種別抽選手段304は、擬似遊技を終了すべく、遊技種別フラグを0に設定し、ランダム遅延処理フラグをONにして当該擬似段階遊技処理S306を終了する。
(リール回転処理S400)
図28は、上記ステップS400のリール回転処理を示したフローチャートである。
(ステップS401)
まず、リール制御手段306は、前回の1遊技(基本遊技または擬似遊技)における左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれかの回転開始時点から所定のウェイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否か判定する。その結果、ウェイト時間が経過していれば、ステップS402に処理を移し、ウェイト時間が経過していなければ、ステップS401の処理を繰り返す。ここでは、基本遊技および擬似遊技のいずれにおいても通常のウェイト時間の経過を待つとしたが、擬似遊技についてはウェイト時間を異ならせたり、考慮しない(ウェイトなし)としてもよい。
(ステップS402)
上記ステップS401においてウェイト時間が経過していると判定されれば、リール制御手段306は、ランダム遅延処理フラグがONであるか否か判定する。その結果、ランダム遅延処理フラグがONであれば、すなわち、擬似遊技直後の基本遊技であれば、ステップS403に処理を移し、ランダム遅延処理フラグがOFFであれば、ステップS404に処理を移す。
(ステップS403)
上記ステップS402においてランダム遅延処理フラグがONであると判定されれば、リール制御手段306は、ランダム遅延処理によって回転リール134a、134b、134cの回転を開始し、当該リール回転処理S400を終了する。また、リール制御手段306は、ランダム遅延処理フラグがONであれば、ランダム遅延処理フラグをOFFに変更する。
(ステップS404)
上記ステップS402においてランダム遅延処理フラグがOFFであると判定されれば、リール制御手段306は、ランダム遅延処理ではない、予め定められた順およびタイミングによって回転リール134a、134b、134cの回転を開始し、当該リール回転処理S400を終了する。
(リール停止処理S500)
図29は、上記ステップS500のリール停止処理を示したフローチャートである。
(ステップS501)
まず、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対するタイムアウト時間が経過したか否か判定する。その結果、タイムアウト時間が経過していれば、再度の擬似遊技を進行すべく(下記のように基本遊技ではタイムアウトが生じない)、ステップS503に処理を移し、タイムアウト時間が経過していなければ、ステップS502に処理を移す。ここでストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対するタイムアウト時間は、各ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが何番目に停止されたかに応じて複数段階設けられ、例えば、第1停止であれば30秒、第2または第3停止であれば0.05秒である。また、当該リール停止処理S500の開始時におけるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの有効化時に、初期値として、上記タイムアウト時間をタイマ割込時間で除算した値をメインRAM200cに設定し、当該ステップS501においてタイマ割込に応じ減算し、値が0になるとタイムアウトと判断する。ここで、減算する値として遊技種別フラグの値を利用する。すなわち、擬似遊技であれば遊技種別フラグの1が減算する値となり、基本遊技であれば遊技種別フラグの0が減算する値となる。したがって、基本遊技であれば、実質的に減算が生じないので、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対するタイムアウトも生じないこととなる。
(ステップS502)
上記ステップS501においてタイムアウト時間が経過していないと判定されれば、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されたか否か判定する。その結果、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されれば、再度の擬似遊技または基本遊技を進行すべく、ステップS503に処理を移し、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれも操作されなければ、ステップS501からの処理を繰り返す。
(ステップS503)
コマンド決定手段314は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかの操作がなされると、または、タイムアウトにより操作がなされたとみなされると、操作がなされたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、コマンド送信手段316は、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS504)
続いて、リール制御手段306は、操作したストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する1の回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれか)が完全に停止したか否か判定する。その結果、1の回転リール134a、134b、134cが停止していれば、ステップS505に処理を移し、まだ停止していなければ、ステップS504の処理を繰り返す。
(ステップS505)
上記ステップS504において操作したストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cが停止していると判定されれば、リール制御手段306は、全ての回転リール134a、134b、134cが停止しているか否か判定する。その結果、全ての回転リール134a、134b、134cが停止していれば、ステップS506に処理を移し、まだ停止していない回転リール134a、134b、134cが存在すれば、ステップS501からの処理を繰り返す。
(ステップS506)
上記ステップS505において回転リール134a、134b、134cが停止していると判定されれば、当選種別抽選手段304は、周期抽選フラグがONであり、かつ、遊技種別フラグが0であるか否か、すなわち、当該遊技が周期的な擬似連続遊技における擬似遊技終了後の基本遊技であるか否か判定する。その結果、周期抽選フラグがONであり、かつ、遊技種別フラグが0であれば、ステップS507に処理を移し、周期抽選フラグがOFFであるか、または、遊技種別フラグが0以外であれば、ステップS508に処理を移す。
(ステップS507)
上記ステップS506において周期抽選フラグがONであり、かつ、遊技種別フラグが0であると判定されれば、当選種別抽選手段304は、周期的な擬似連続遊技の次回の擬似連続遊技までの周期遊技数と、次回の擬似連続遊技における擬似遊技数とを決定し、擬似遊技数については周期中の書き換えを防止すべく次回擬似遊技数として保持し、周期抽選フラグをOFFする。ここでは、次回までの周期遊技数と次回の擬似遊技数とを、擬似遊技終了後の基本遊技における第3停止操作時(第3停止押下時または第3停止開放時)に決定するとしたが、擬似遊技終了後の基本遊技におけるスタートスイッチ128の操作時等、擬似連続遊技が終了するまでの様々なタイミングで決定してもよい。
(ステップS508)
続いて、リール制御手段306は、当該リール停止処理S500におけるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作態様(ここでは操作順)に応じて、副制御基板202における遊技状態が、通常遊技状態、AT遊技状態のいずれとなっているか判定し、当該リール停止処理S500を終了する。例えば、リール制御手段306は、当選種別「通常リプレイ」の当選時に、打順3〜打順6のいずれか任意に決定された操作態様による操作が行われる遊技が2回連続したことによって遊技状態がAT遊技状態に遷移したことを把握する。また、同様に、リール制御手段306は、当選種別「通常リプレイ」の当選時に、打順3〜打順6のいずれか任意に決定された操作態様による操作が行われる遊技が2回連続したことにより擬似段階遊技の実行が決定されたことを把握することができる。この場合、リール制御手段306は、遊技種別フラグに3を設定し、擬似遊技数に擬似後段遊技の最低保証回数である2を設定し、段階フラグに1(基本前段遊技)を設定する。また、当該遊技の当選種別抽選により当選種別「取りこぼし小役」および任意の操作態様が決定されている場合において、遊技者による操作態様が、決定した任意の操作態様と等しければ、周期遊技数カウンタの値を周期遊技数に書き換えて、次遊技で擬似連続遊技を開始することが可能となる。
(副制御基板202のサブ処理)
図30は、副制御基板202のサブ処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS1100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化決定手段330は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化決定手段330は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをサブRAM202cに保持している。
(ステップS1200)
コマンド受信手段332は、主制御基板200からのコマンドが受信されるまで待機する。
(ステップS1300)
上記ステップS1200においてコマンドが受信されていると判定されれば、コマンド受信手段332は、当該受信されたコマンドに基づいて種々の処理を実行する。
(コマンド受信処理S1300)
図31は、上記ステップS1300のコマンド受信処理を示したフローチャートである。
(ステップS1301)
まず、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが投入コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが投入コマンドであれば、ステップS1302に処理を移し、受信したコマンドが投入コマンドでなければ、ステップS1303に処理を移す。
(ステップS1302)
上記ステップS1301において受信したコマンドが投入コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、次の遊技のための遊技開始準備が行われたとして、それまで実行されていた演出を所定条件下で切り換えたり、終了させる。
(ステップS1303)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが当選種別コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが当選種別コマンドであれば、1遊技が開始されたとし、ステップS1304に処理を移し、受信したコマンドが当選種別コマンドでなければ、ステップS1309に処理を移す。
(ステップS1304)
上記ステップS1303において受信したコマンドが当選種別コマンドであると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、当選種別コマンドに示される主制御基板200が管理する遊技状態がボーナス成立遊技状態であることを条件に、当選種別コマンドに示される当選種別および副制御基板202で管理している遊技状態と演出抽選乱数に基づき、複数の特定遊技(チャンス通常遊技、AT遊技)のいずれかに当選しているか否か判定する。かかる特定遊技抽選処理については、図32を用いて後程詳述する。なお、ここでは、AT遊技の実行が決定された場合はAT遊技の継続遊技数も決定され、AT遊技カウンタに設定される。ここで、AT遊技カウンタは、副制御基板202で管理され、AT遊技の残り継続遊技数を示すカウンタである。また、副制御基板202で管理している遊技状態がAT遊技状態であれば、副遊技状態遷移手段334は、AT遊技の継続遊技数の上乗せ抽選に当選すると、当選した遊技数をAT遊技カウンタに加算する。
(ステップS1305)
次に、副遊技状態遷移手段334は、現在の遊技状態がチャンス通常遊技状態であるか否か判定する。その結果、現在の遊技状態がチャンス通常遊技状態であれば、ステップS1306に処理を移し、チャンス通常遊技状態ではなければ、ステップS1307に処理を移す。
(ステップS1306)
上記ステップS1305において現在の遊技状態がチャンス通常遊技状態であると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、チャンス通常遊技状態の条件に基づいたAT遊技状態への移行抽選を行う。かかるチャンス通常遊技処理については、図33を用いて後程詳述する。
(ステップS1307)
続いて、演出決定手段336は、当選種別コマンドに基づいて遊技の演出を決定する。ここで、AT遊技が実行されている場合、補助演出が決定される。例えば、AT遊技状態が開始されると、当選種別コマンドに当選種別「特殊リプレイ」が示されるのを待ち、当選種別「特殊リプレイ」が当選した遊技で打順3〜6の補助演出を行って、AT遊技状態が開始されたことを報知し、AT遊技カウンタの減算を開始する。また、AT遊技状態中に当選種別「取りこぼし小役」が当選すると、演出決定手段336は、その当選種別コマンドから任意の操作態様を抽出し、かかる任意の操作態様による補助演出を決定する。また、演出決定手段336は、当選種別コマンドから抽出した周期遊技数カウンタの値を演出として液晶表示部138に表示する。ただし、擬似単発遊技中および擬似段階遊技中は一時的に周期遊技数カウンタの更新を中断するので、周期遊技数カウンタの値を表示しない。また、擬似単発遊技において、回転リール134a、134b、134cの回転が一時的に停止され、その状態が所定時間維持されている間に実行される、1の擬似遊技によってAT遊技状態への移行可能性がある旨の演出が決定される。また、擬似段階遊技に当選すると、当選種別「通常リプレイ」の当選時に、打順3〜打順6のいずれか任意に決定された操作態様の報知を決定する。さらに、擬似段階遊技における基本前段遊技では、擬似後段遊技の擬似遊技数の上乗せ抽選の結果に関する演出を決定し、擬似後段遊技では、AT遊技状態への移行抽選の結果に関する演出を決定する。また、チャンス通常遊技状態では、チャンスモード、延長された遊技数を示唆する演出を決定し、最終的にAT遊技状態への移行抽選の結果に関する7回の擬似遊技分の演出を決定する。
また、演出決定手段336は、周期的な擬似連続遊技が次回実行されるまでの周期遊技数と、その次回の周期的な擬似連続遊技における次回擬似遊技数(擬似遊技数)に基づいて、次回の擬似連続遊技の期待度の高さを示唆する演出を決定する。
(ステップS1308)
次に、演出実行手段338は、演出決定手段336によって決定された演出を実行開始する。例えば、決定された演出が補助演出であれば、演出実行手段338は、当該補助演出を実行する。
(ステップS1309)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが停止コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが停止コマンドであれば、ステップS1310に処理を移し、受信したコマンドが停止コマンドでなければ、ステップS1311に処理を移す。
(ステップS1310)
上記ステップS1309において受信したコマンドが停止コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、その停止コマンドが、第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンドのいずれであるか、また、その停止操作は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれになされた停止操作かを判定し、その判定結果と演出の内容に基づいて、演出態様を変動させる。また、演出実行手段338は、液晶表示部138に、擬似連続遊技が実行された最初の擬似遊技において第3停止コマンドを受信すると、擬似遊技が実行されている旨を示す「フリープレイ」の文字を出力する。そして、擬似連続遊技において擬似遊技が終了した後の基本遊技において第3停止コマンドを受信すると、表示されている「フリープレイ」の文字を削除する。
(ステップS1311)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが入賞コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが入賞コマンドであれば、ステップS1312に処理を移し、受信したコマンドが入賞コマンドでなければ、ステップS1315に処理を移す。
(ステップS1312)
上記ステップS1311において受信したコマンドが入賞コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、当該入賞コマンドに基づく演出を実行する。
(ステップS1313)
続いて、副遊技状態遷移手段334は、副制御基板202で管理される遊技状態の進行状態を把握し、遊技状態の終了判定を行う。例えば、副遊技状態遷移手段334は、チャンス通常遊技状態の終了条件を満たすと(チャンス通常遊技カウンタ≧チャンス通常遊技数)、または、AT遊技カウンタを減算した後、AT遊技状態の終了条件を満たすと(AT遊技カウンタが0)、その遊技状態を終了し遊技状態をノーマル通常遊技状態に移行する。また、AT遊技状態が終了すると、副遊技状態遷移手段334は、複数のテーブルから1のテーブルを決定する。ここで、チャンス通常遊技カウンタは、副制御基板202で管理され、チャンス通常遊技の消化遊技数を示すカウンタであり、チャンス通常遊技数は、チャンス通常遊技を継続可能な遊技数を示している。なお、AT遊技状態が終了すると、副遊技状態遷移手段334は、チャンス遊技状態への移行を決定するための複数のテーブル(第1テーブル、第2テーブル)から1のテーブルを抽選により決定する。
(ステップS1314)
次に、副遊技状態遷移手段334は、副制御基板202で管理される遊技状態の開始判定を行う。例えば、副遊技状態遷移手段334は、チャンス通常遊技当選フラグがONしていれば、チャンス通常遊技状態を開始するとともに、チャンス通常遊技当選フラグをOFFし、AT遊技当選フラグがONしていれば、AT遊技状態を開始するとともに、AT遊技当選フラグをOFFする。ここで、チャンス通常遊技当選フラグは、ONでチャンス通常遊技の当選を示し、AT遊技当選フラグは、ONでAT遊技の当選を示す。
(ステップS1315)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが払出コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが払出コマンドであれば、ステップS1316に処理を移し、受信したコマンドが払出コマンドでなければ、当該コマンド受信処理S1300を終了する。
(ステップS1316)
上記ステップS1315において受信したコマンドが払出コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、当該払出コマンドに基づく演出を実行し、当該コマンド受信処理S1300を終了する。すると、メダルの払出に応じて、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158の数値が更新される。
(特定遊技抽選処理S1304)
図32は、上記ステップS1304の特定遊技抽選処理を示したフローチャートである。
(ステップS1304−1)
まず、副遊技状態遷移手段334は、当選種別抽選の結果に応じ、チャンス通常遊技状態への移行期待度が相異なる複数の第1抽選状態(小役低抽選状態、小役中抽選状態、小役高抽選状態)から1の第1抽選状態を抽選により決定する。
(ステップS1304−2)
続いて、副遊技状態遷移手段334は、通常遊技状態において消化された遊技数に応じ、消化遊技数が所定遊技数(ここでは、50)に到達する毎に、S1313で決定されたテーブル、および、消化遊技数に基づき、チャンス通常遊技状態への移行期待度が相異なる複数のテーブル抽選状態(テーブル1抽選状態、テーブル2抽選状態、テーブル3抽選状態、テーブル4抽選状態、テーブル5抽選状態)から1のテーブル抽選状態を決定する。そして、副遊技状態遷移手段334は、テーブル抽選状態が決定されると、そのテーブル抽選状態に基づき、テーブル抽選状態を決定したタイミングで、相異なる複数の第2抽選状態(テーブル低抽選状態、テーブル中抽選状態、テーブル高抽選状態)から1の第2抽選状態を決定する。
(ステップS1304−3)
次に、副遊技状態遷移手段334は、決定された第1抽選状態、および、決定された第2抽選状態の組み合わせに基づいて、遊技毎に、チャンス通常遊技状態への移行期待度が相異なる複数の第3抽選状態(低確率抽選状態、中確率抽選状態、高確率抽選状態)から1の第3抽選状態を決定する。
(ステップS1304−4)
副遊技状態遷移手段334は、決定された第3抽選状態に対応する移行確率に基づいてチャンス通常遊技状態への移行を抽選により決定する。ここで、チャンス通常遊技状態への移行が決定されると、チャンス通常遊技当選フラグをONに設定し、チャンス通常遊技カウンタをリセットし(=0)、チャンス通常遊技数に12〜14の間で抽選により決定した数と結果報知のための7とを合計した数を設定し、チャンスモードを第1チャンスモードに設定する。
(ステップS1304−5)
続いて、副遊技状態遷移手段334は、当選種別抽選により決定された当選種別に応じ、AT遊技状態への移行抽選を実行する。ここで、AT遊技状態への移行が決定されると、AT遊技当選フラグをONにする。
(ステップS1304−6)
次に、副遊技状態遷移手段334は、現在の遊技が擬似単発遊技であるか否か判定する。その結果、現在の遊技が擬似単発遊技であれば、ステップS1304−7に処理を移し、擬似単発遊技でなければ、ステップS1304−8に処理を移す。
(ステップS1304−7)
上記S1304−6において現在の遊技が擬似単発遊技であると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、擬似単発遊技の擬似遊技における擬似当選役に基づいてAT遊技状態への移行を決定し、または、擬似段階遊技の実行を抽選により決定して、ステップS1304−8に処理を移す。ここで、AT遊技状態への移行が決定されると、AT遊技当選フラグをONにする。
(ステップS1304−8)
次に、副遊技状態遷移手段334は、現在の遊技が擬似連続遊技であるか否か判定する。その結果、現在の遊技が擬似連続遊技であれば、ステップS1304−9に処理を移し、擬似連続遊技でなければ、ステップS1304−10に処理を移す。
(ステップS1304−9)
上記S1304−8において現在の遊技が擬似連続遊技であると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、通常遊技状態において、擬似連続遊技の擬似遊技数に応じた当選確率で擬似段階遊技への移行を決定し、また、複数の擬似遊技において当選した擬似当選役同士の組み合わせに応じてAT遊技状態や擬似段階遊技への移行を決定する。また、副遊技状態遷移手段334は、AT遊技状態において、擬似連続遊技の擬似遊技数に応じた当選確率および遊技数で、また、擬似遊技において当選した擬似当選役同士の組み合わせに応じた当選確率および遊技数で、AT遊技状態における継続遊技数の上乗せ抽選を行う。そして、ステップS1304−10に処理を移す。ここで、AT遊技状態への移行が決定されると、AT遊技当選フラグをONにする。
(ステップS1304−10)
次に、副遊技状態遷移手段334は、現在の遊技が擬似段階遊技であり、かつ、擬似後段遊技が7遊技以上であるか否か判定する。その結果、現在の遊技が擬似段階遊技であり、かつ、擬似後段遊技が7遊技以上であれば、ステップS1304−11に処理を移し、現在の遊技が擬似段階遊技ではない、または、擬似後段遊技が7遊技未満であれば、当該特定遊技抽選処理S1304を終了する。
(ステップS1304−11)
上記S1304−10において現在の遊技が擬似段階遊技であり、かつ、擬似後段遊技が7遊技以上であると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、その遊技でAT遊技状態への移行を決定し、擬似連続遊技の擬似遊技数に応じた当選確率で擬似段階遊技への移行を決定し、当該特定遊技抽選処理S1304を終了する。ここで、AT遊技状態への移行が決定されると、AT遊技当選フラグをONにする。
(チャンス通常遊技処理S1306)
図33は、上記ステップS1306のチャンス通常遊技処理を示したフローチャートである。
(ステップS1306−1)
まず、副遊技状態遷移手段334は、現在のチャンスモードに対応付けられた当選確率でAT遊技状態への移行を抽選により決定する。
(ステップS1306−2)
続いて、副遊技状態遷移手段334は、所定の当選確率でチャンスモードの昇格抽選を実行する。
(ステップS1306−3)
次に、副遊技状態遷移手段334は、上記ステップS1306−2においてチャンスモードの昇格抽選に当選したか否か判定する。その結果、昇格抽選に当選したと判定されれば、ステップS1306−4に処理を移し、昇格抽選に当選していないと判定されれば、ステップS1306−5に処理を移す。
(ステップS1306−4)
上記ステップS1306−3においてチャンスモードの昇格抽選に当選したと判定されれば、チャンスモードを1段階昇格させ、3〜6の間で抽選により決定した遊技数をチャンス通常遊技数に加算し、ステップS1306−5に処理を移す。ただし、チャンスモードの昇格は4回まで(第5チャンスモード)までに制限されている。
(ステップS1306−5)
続いて、副遊技状態遷移手段334は、チャンス通常遊技カウンタの値に1を加算する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態においては、周期遊技数カウンタ等を加算(アップ)カウンタで構成し、AT遊技カウンタ等を減算(ダウン)カウンタで構成したが、かかる場合に限らず、計数により所定数の消化を把握できれば(更新されれば)、加算カウンタや減算カウンタのいずれを用いることもできる。したがって、周期遊技数カウンタ等を減算カウンタで構成し、AT遊技カウンタ等を加算カウンタで構成した場合も本発明の技術的範囲に属するのは言うまでもない。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。