以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」「一致」等の相対的な配置関係を表す表現は、厳密にそのような相対的配置関係を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る地域熱電併給システムの全体構成を示す模式図ある。図2は、本発明の一実施形態に係る地域熱電併給システムの全体構成を示す模式図ある。
図1及び図2に示す地域熱電併給システム100(100a,100b)は、対象地域における複数の需要体2へ熱媒体及び電力を供給可能に構築されるシステムである。地域熱電併給システム100は、対象地域における複数の建物に対して熱供給を行うよう構成されている。対象地域の規模は、例えば直径300〜500m程度の地域であってもよいし、それより広くとも狭くともよい。需要体2は、各建物において熱及び電力を利用する主体であり、例えば住居、テナント、事務所、工場、病院の内の少なくとも一種からなる。
住居とは、1世帯が生活するマンションの一部屋や戸建て家屋などを指す。テナントは、商業施設の一区画において一般顧客に対してサービスを提供する店舗などを指す。業種としては、例えば、服飾店、雑貨店、ドラッグストア、酒屋、等々の小売業や、レストラン、カフェ、寿司屋、居酒屋、等々の飲食業などを含む。事務所は、オフィスビルの一部分などにおいて、そこで働く勤務者が一定の目的のために事務を行う場所を指す。なお、図1及び図2においては、説明を平易なものとするために、建物A、建物Bに対してそれぞれ1つの需要体が対応するよう記載しているが、マンションやオフィスビル等の大規模な建物であれば、一つの建物に対して複数の需要体が存在することは言うまでもない。
幾つかの実施形態に係る地域熱電併給システム100(100a,100b)は、例えば図1及び図2に示すように、第1発電装置4、再生可能エネルギー型発電装置5、圧縮機6、駆動装置8、蓄圧断熱貯槽10、蓄電池11、放熱装置12、第1膨張装置14、第1共用流路16、第2共用流路18、第3共用流路20、第4共用流路22、複数の第1供給流路24、複数の第2供給流路26、複数の第3供給流路28、複数の第1回収流路30、及び複数の第2回収流路32等を備えている。なお、図1及び図2では、熱、電力及び動力の伝達経路がそれぞれ実線、破線及び点線で記載されている。
圧縮機6は、駆動装置8によって駆動されて熱媒体を圧縮するよう構成されている。熱媒体は、ヒートポンプサイクルに使用可能な熱媒体であれば特に限定されず、例えばCO2、アンモニア、プロパン、ブタン、代替フロン等を用いることができる。なお、CO2は、地域熱電併給システム100における熱媒体として用いる場合、低圧力下でも流動性が失われにくく長距離移送が可能であり、各需要体2に供給しても無害であるというメリットを有する。
第1共用流路16は、圧縮機6の吐出側に接続され、圧縮機6で圧縮された高温高圧の熱媒体を流すよう構成されている。第1共用流路16には、高温高圧の熱媒体を貯めるための蓄圧断熱貯槽10が設けられている。第2共用流路18及び第3共用流路20は、蓄圧断熱貯槽10よりも下流側において第1共用流路16から分岐しており、熱媒体を流すよう構成されている。一実施形態では、蓄圧断熱貯槽10が満杯である場合には、バルブ49を開放して第1共用流路16から地中へ捨熱してもよい。或いは、地中へ捨熱するのではなく、余剰となった熱媒体のエネルギーを利用して、後述する第2発電装置57で発電してもよい。このように、蓄圧断熱貯槽10よりも下流側にバルブ49を設け、蓄圧断熱貯槽10の満杯時に該バルブ49を開放することで、蓄圧断熱貯槽10には常時、圧縮機6で圧縮されたばかりの高温高圧の熱媒体が貯槽される。つまり、蓄圧断熱貯槽10の断熱性(放熱性)の影響を軽減可能となる。なお、通常は、バルブ49は閉鎖しており、蓄圧断熱貯槽10から放出された高温高圧の熱媒体は分配器52により第2共用流路18及び第3共用流路20へ分配される。
放熱装置12は、第2共用流路18に設けられており、第2共用流路18を流れる高温高圧の熱媒体を冷却してその一部を凝縮させる凝縮器として構成されている。
第1膨張装置14は、放熱装置12で冷却された熱媒体を減圧して低温低圧状態(後述する第1熱交換器34によって蒸発させることが可能な状態)とするよう構成されている。
複数の第1供給流路24は、放熱装置12よりも下流側で第2共用流路18に接続され、第2共用流路18を流れる低温低圧の熱媒体を複数の需要体2の各々が備える第1熱交換器34(空調装置)に対してそれぞれ供給可能に構成されている。また、複数の第1供給流路24には、複数のオンオフ弁54がそれぞれ設けられている。第1供給流路24におけるオンオフ弁54の下流側には、低温低圧の熱媒体を貯蔵するためのバッファタンク110(冷タンク)が設けられている。第1供給流路24におけるバッファタンク110と第1熱交換器34との間には、流量調整弁128が設けられている。
複数の第2供給流路26は、第3共用流路20に接続され、第3共用流路20を流れる高温高圧の熱媒体を複数の需要体2の各々が備える第2熱交換器36(給湯装置)に対してそれぞれ供給可能に構成されている。第2熱交換器36は、給湯装置として使用され、例えば図3に示すように、貯湯槽37に貯められた水を第2供給流路26から供給された熱媒体により加熱するよう構成されている。給湯装置の用途としては、例えば風呂、洗面台及び厨房設備等が含まれる。また、複数の第2供給流路26には、複数のオンオフ弁56がそれぞれ設けられている。第2供給流路26におけるオンオフ弁56の下流側には、高温高圧の熱媒体を貯蔵するためのバッファタンク112(温タンク)が設けられている。第2供給流路26におけるバッファタンク112と第2熱交換器34との間には、流量調整弁130が設けられている。
複数の第3供給流路28の各々は、複数の第2供給流路26の各々から分岐し、第2供給流路26の各々を流れる高温高圧の熱媒体を複数の需要体2の各々が備える第1熱交換器34に対してそれぞれ供給可能に構成されている。
第1供給流路24と第3供給流路28の接続位置には流路切替装置132が設けられており、第1熱交換器34に対して供給する熱媒体を流路切替器132によって切り替えることにより、第1熱交換器34を冷房機器として使用するか暖房機器として使用するかを切り替えることができる。例えば、夏季に第1熱交換器34を冷房機器として使用する場合には、流路切替装置132は、第1供給流路24から第1熱交換器34への低温低圧の熱媒体の流れを許容するとともに第3供給流路28から第1熱交換器34への高温高圧の熱媒体の流れを遮断すればよい。また、冬期に第1熱交換器34を暖房機器として使用する場合には、流路切替装置132は、第1供給流路24から第1熱交換器34への低温低圧の熱媒体の流れを遮断するとともに第3供給流路28から第1熱交換器34への高温高圧の熱媒体の流れを許容すればよい。
流量調整弁128は、開度を0%から100%まで調整可能に構成されており、冷暖房機器としての第1熱交換器34の利用状況や温度設定に応じて、熱媒体の流量を調整可能となっている。また、流量調整弁130は、開度を0%から100%まで調整可能に構成されており、給湯装置としての第2熱交換器36の状況(貯湯量や温度等)に応じて、熱媒体の流量を調整可能となっている。
複数の第1回収流路30は、複数の需要体2の各々が備える第1熱交換器34から熱媒体を回収するよう構成されている。複数の第2回収流路32は、複数の需要体2の各々が備える第2熱交換器36から熱媒体を回収するよう構成されている。
第4共用流路22は、第1回収流路30及び第2回収流路32を介して複数の需要体2から回収した熱媒体を圧縮機6に供給するよう構成されている。
第1発電装置4は、後述するように発電機又は燃料電池である。再生可能エネルギー型発電装置5は、風力、太陽光、太陽熱、波力、潮力等の再生可能エネルギーの少なくとも一つを利用して発電を行うよう構成されている。第1発電装置4及び再生可能エネルギー型発電装置5で得られた電力は、電力ライン15を介して複数の需要体2へ供給してもよいし、受・送電設備17を介して電力系統へ供給して売電を行ってもよい。
蓄電池11は、第1発電装置4、再生可能エネルギー型発電装置5、電力系統のうち少なくとも一つからの電力により充電可能に構成されている。
このように、圧縮機6、放熱装置12、第1膨張装置14及び第1熱交換器34(又は第2熱交換器36)が設けられた熱媒体の循環流路によって、対象地域の複数の需要体2を対象とした大規模なヒートポンプサイクルを構築することができるため、少ない投入エネルギーで効率的に対象地域の冷暖房及び給湯需要を満たすことができる。また、少なくとも圧縮機6と放熱装置12とを地域熱電併給システム100における共用設備として熱媒体の共用流路に設けることにより、これらの設備を各需要体2毎に設置する場合と比較して、各需要体2側の設備構成を簡素化することができる。これにより、各需要体2側における熱電併給用の設備の設置スペース及び騒音の問題を軽減又は解消することが可能となる。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示す放熱装置12は、地中に埋設され、第2共用流路18を流れる熱媒体を地中熱により冷却するよう構成されてもよい。地中の温度は年間を通して比較的安定しているため、特に夏期において、地中熱を利用することにより熱媒体を効率的に冷却することが可能である。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示す第1膨張装置14は、例えば図4Aに示すように、第2共用流路18における放熱装置12の下流側に設けられた第1膨張タービン14aと、第1膨張タービン14aに連結された発電機14bと、を備えていてもよい。これにより、熱媒体の減圧とともに発電機14bから電力を得ることが可能となり、地域熱電併給システム100全体の発電量を増加させることができる。また、第1膨張タービン14aが地域熱電併給システム100の共用設備として第2共用流路18に設けられているため、第1膨張タービン14aを需要体2毎に設置する場合と比較して、各需要体2側の設備構成を簡素化することができる。これにより、各需要体2側における熱電併給用の設備の設置スペース及び騒音の問題を軽減又は解消することが可能となる。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示す第1膨張装置14は、例えば図4Bに示すように、第2共用流路18における放熱装置12の下流側に設けられた膨張弁14cであってもよい。これにより、第1膨張タービン弁14cを需要体2毎に設置する場合と比較して、各需要体2側の設備構成を簡素化することができる。これにより、各需要体2側における熱電併給用の設備の設置スペース及び騒音の問題を軽減又は解消することが可能となる。
幾つかの実施形態では、図1に示す地域熱電併給システム100aにおいて、第1膨張装置14の位置を変更してもよい。例えば、図4Cに示すように、第1膨張装置14としての膨張弁14cを第1供給流路24における第1熱交換器34の上流側に設けてもよい。ただし、需要側の設備構成の簡素化の観点からは、第1膨張装置14の位置は、図1及び図2に示すように第2共用流路18における放熱装置12の下流側に設けた方が望ましい。
幾つかの実施形態では、例えば図1に示すように、地域熱電併給システム100aは、第4共用流路22に設けられた第2膨張タービン38と、第2膨張タービン38に連結された発電機40とを備えていてもよい。これにより、第1熱交換器34及び第2熱交換器36から回収された熱媒体に残存する圧力エネルギーを利用して電力を得ることが可能となる。したがって、地域熱電併給システム100a全体の発電量を増加させることができる。
幾つかの実施形態では、例えば図1に示すように、地域熱電併給システム100aは、第1回収流路30と第2回収流路32との合流部に設けられた逆流防止用のエジェクタ42を備えていてもよい。エジェクタ42は、例えば図5に示すように、第2回収流路32に接続されるノズル44と、第1回収流路30に接続される吸込部46と、第3回収流路41に接続されるディフューザ48とを含む。エジェクタ42は、ノズル44から流入する高圧の熱媒体Jを駆動流体として吸込部46から低圧の熱媒体Kを吸い込むことにより、該熱媒体J及びKを混合可能に構成されている。したがって、第1熱交換器34を冷房機器として使用すると同時に第2熱交換器36を給湯装置として使用する場合(第1供給流路24から第1熱交換器34に低温低圧の熱媒体を供給するとともに第2供給流路26から第2熱交換器36に高温高圧の熱媒体を供給する場合)であっても、第2回収流路32から第1回収流路30への逆流を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示す地域熱電併給システム100(100a,100b)は、例えば図6A及び図6Bに示すように、第5共用流路50及び第2発電装置57を備えていてもよい。第5共用流路50は、第1共用流路16(図1及び図2参照)における蓄圧断熱貯槽10の下流側から分岐して設けられ、第1共用流路16を流れる熱媒体の一部を第4共用流路22に供給可能に構成される。第2発電装置57は、第5共用流路50を流れる熱媒体のエネルギーを利用して発電を行うよう構成される。
一実施形態では、図6Aに示すように、第2発電装置57は、蒸発器58、膨張タービン59、発電機61及び凝縮器63を備えるバイナリー発電装置であってもよい。この場合、蒸発器58は、水の標準沸点よりも低い標準沸点を有する熱媒体(例えばノルマルペンタン、イソペンタン、アンモニア又は代替フロン等)を第5共用流路50を流れる熱媒体との熱交換により蒸発させるよう構成される。また、膨張タービン59は、蒸発器58で蒸発した熱媒体により駆動し、該膨張タービン59に連結された発電機61を駆動する。凝縮器63は、膨張タービン59から排出された熱媒体を地中熱により冷却して凝縮させるよう構成される。
一実施形態では、図6Bに示すように、第2発電装置57は、第5共用流路50を流れる熱媒体を利用して駆動するよう構成されたスターリングエンジン65(または膨張タービン)と、それに連結された発電機61と、を備えていてもよい。
図6A及び図6Bに示すように、第5共用流路50及び第2発電装置57を設けることにより、地域熱電併給システム100(100a,100b)の発電量を増加させることができる。また、蓄圧断熱貯槽10に貯めた高温高圧の熱媒体を利用して発電を行うことができるため、停電等が発生をした場合であっても、一定期間電力を確保することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図2に示すように、地域熱電併給システム100bは、第6共用流路55を備えていてもよい。第6共用流路55は、第2共用流路18における放熱装置12と第1膨張装置14との間に接続され、複数の需要体2の各々における少なくとも第2熱交換器36から第2回収流路32及び第3回収流路41を介して回収した熱媒体を第1膨張装置14に供給するよう構成されている。これにより、第2熱交換器36から回収した比較的温度及び圧力の高い熱媒体を再利用することができる。例えば、回収した熱媒体を第1膨張装置14で減圧してから第1供給流路24を介して第1熱交換器34に供給することもできるし、図4Aを用いて上述したように第1膨張装置14が第1膨張タービン14aと第1膨張タービン14aに連結された発電機14bとを含む場合には、回収した熱媒体を利用して第1膨張タービン14aを回転させて、発電機14bから電力を得ることも可能である。
幾つかの実施形態では、例えば図2に示すように、地域熱電併給システム100bにおける第4共用流路22は、第1供給流路24を介して第1熱交換器34に供給された熱媒体を回収して圧縮機6に供給するための第1流路部22aと、第1膨張装置14の下流側で第2共用流路18に接続され、第1膨張装置14で減圧された熱媒体を圧縮機6に供給するための第2流路部22bと、を備えていてもよい。
図2に示す地域熱電併給システム100bにおいて、第1熱交換器34を冷房機器として使用する場合(第1供給流路24を介して第1熱交換器34へ低温低圧の熱媒体を供給する場合)には、第2共用流路18に設けられた切換弁53によって矢印p方向へ熱媒体が流れるよう流路調節が行われる。この場合、第1熱交換器34に供給された熱媒体はすでに第1膨張装置14で減圧されているため、第1回収流路30から回収される熱媒体のエネルギーをそれ以上利用することは困難である。したがって、第1熱交換器34を冷房機器として使用する場合には、第1回収流路30から回収される熱媒体が、第6共用流路55へ流れずに第4回収流路47を介して第4共用流路22の第1流路部22aへ流れて圧縮機6へ供給されるように、切換弁51によって矢印q方向へ熱媒体が流れるよう流路調節が行われる。
一方、第1熱交換器34を暖房機器として使用する場合(第3供給流路28を介して第1熱交換器34へ高温高圧の熱媒体を供給する場合)には、第1膨張装置14を通った熱媒体が第1供給流路24へ流れずに第4共用流路22の第2流路部22bへ流れるように(矢印r方向へ熱媒体が流れるように)、切換弁53による流路調節が行われる。この場合、第1回収流路30から回収される熱媒体は比較的温度も圧力も高いため、そのエネルギーを再利用することができる。例えば、図2に示す地域熱電併給システム100bにおける第1膨張装置14を、図4Aを用いて上述したように第1膨張タービン14aと第1膨張タービン14aに連結された発電機14bとを含むよう構成すれば、第1熱交換器34を暖房機器として使用した場合に第1回収流路30から回収される熱媒体の残存エネルギーを利用して電力を得ることができる。この場合、第1回収流路30から回収される熱媒体が、第1流路部22aへ流れずに第3回収流路41及び第6共用流路55を介して第1膨張装置14の第1膨張タービン14aに流れるように、切換弁51によって矢印s方向へ熱媒体が流れるよう流路調節が行われる。なお、図2に示すように、第2流路部22bに、該第2流路部22bを流れる熱媒体を地中熱により昇温するよう構成された第3熱交換器39を設けてもよい。このように、第1流路部22aと第2流路部22bのうち、流れる熱媒体の温度が比較的低い第2流路部22bに第3熱交換器39を設けることにより、第2流路部22bの熱媒体が地中熱によって昇温され、地域熱電併給システム100bのCOPを効果的に上げることができる。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示す駆動装置8は、例えば図7Aに示すように、原動機60と、原動機60によって得られる動力を圧縮機6及び第1発電装置4に分配する動力分配装置62とを含んでもよい。この場合、第1発電装置4は、後述するように発電機又は電気モーターとして作動する。原動機60としては、例えばマイクロガスタービンやディーゼルエンジン等の種々の原動機を利用することができる。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示す第1発電装置4は、例えば図7B〜図7Dに示すように燃料電池であってもよい。この場合、駆動装置8は、図7Bに示すように、燃料電池によって得られる電力によって駆動する電気モーターであってもよいし、図7C又は図7Dに示すように、燃料電池の排ガスのエネルギーを利用して駆動するよう構成され圧縮機6に連結されたタービンであってもよい。図7Cに示す駆動装置8は、燃料電池の排ガス自体によって駆動するタービンであり、排ガスに含まれる未燃分を図示しない燃焼器で燃焼し駆動するガスタービンであってもよい。また、図7Dに示す駆動装置8は、燃料電池の排ガスを利用して蒸気を生成する排熱回収ボイラ8aと該蒸気によって駆動する蒸気タービン8bとから構成される。なお、燃料電池としては、例えば固体酸化物形燃料電池(SOFC, Solid Oxide Fuel Cell)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC, Molten Carbonate Fuel Cell)、りん酸形燃料電池(PAFC, Phosphoric Acid Fuel Cell)、固体高分子形燃料電池(PEFC, Polymer Electrolyte Fuel Cell)等の種々の燃料電池を利用することができる。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示す第1発電装置4は、例えば図28に示すように、再生可能エネルギーを利用して発電を行う再生可能エネルギー型発電装置であってもよい。この場合、該再生可能エネルギー型発電装置は、風力、太陽光、太陽熱、波力、潮力等の再生可能エネルギーの少なくとも一つを利用して発電を行うよう構成されている。また、この場合の駆動装置8は、図20に示すように、該再生エネルギー型発電装置によって生成される電力によって駆動する電気モーターであってもよい。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示す第1発電装置4は、例えば図29に示すように、原動機と、該原動機によって駆動される発電機とを含んでいてもよい。この場合、駆動装置8は、該発電機によって生成される電力によって駆動する電気モーターであってもよい。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示す地域熱電併給システム100(100a,100b)において、図8Aに示すように、上述した原動機60又は燃料電池の排熱を利用して第4共用流路22を流れる熱媒体を昇温するよう構成された第4熱交換器64を更に備えていてもよい。これにより、該システム100(100a,100b)のCOPを上げるとともに、地域熱電併給システム100全体におけるエネルギーの利用効率を高めることができる。
幾つかの実施形態では、図1及び図2に示す地域熱電併給システム100(100a,100b)において、図8Bに示すように、原動機60又は燃料電池の排熱の温度と第4共用流路22を流れる熱媒体の温度との温度差を利用して熱電発電を行うよう構成された熱電発電装置66を更に備えていてもよい。熱電発電装置66としては、例えばペルチェ素子等の熱電素子を用いることができる。これにより、地域熱電併給システム100全体における発電量を増加させ、エネルギーの利用効率を高めることができる。
図9A及び図9Bは、図7Aに示した動力分配装置62の構成例としての無段変速機を示す模式図である。図9Aは、第1発電装置4の回転数よりも圧縮機6の回転数が大きい状態を示しており、図9Bは、第1発電装置4の回転数よりも圧縮機6の回転数が小さい状態を示している。
図9A及び図9Bに示すように、動力分配装置62は、プーリー67〜74、ベルト75,76及びクラッチ77を備えている。第1発電装置4を発電機として使用する場合にはクラッチ77が接続され、第1発電装置4を後述するように電気モーターとして使用する場合にはクラッチ77が切り離される。プーリー67〜70は軸方向位置が固定されている。プーリー71は軸方向における可動範囲Aを有し、プーリー72及び73からなるプーリー対は軸方向における可動範囲Bを有し、プーリー74は軸方向における可動範囲Cを有する。図9A及び図9Bにおいて、プーリー71〜74が各可動範囲を軸方向に移動することにより、ベルト75,76を支持する各プーリーのプーリー径が変化し、原動機60から第1発電装置4及び圧縮機6への動力の分配比が調節される。
なお、図9A及び図9Bでは、プーリー67〜70とプーリー71〜74をそれぞれ直列に配置した構成を例示したが、図10に示すように、それぞれ並列に配置してもよい。この場合も同様に、プーリー71〜74がそれぞれ可動範囲D〜Gにおいて軸方向に移動することにより、ベルト75,76を支持するプーリーのプーリー径が変化し、原動機60から第1発電装置4及び圧縮機6への動力の分配比が調節される。
幾つかの実施形態では、図1又は図2に示す地域熱電併給システム100(100a,100b)は、例えば図11に示すように、動力分配装置62から第1発電装置4及び圧縮機6への動力の分配比X,Yを決定するための情報を取得する情報取得部79と、動力分配装置62を制御する動力分配装置制御部78と、第1発電装置4を制御する第1発電装置制御部80と、原動機を制御する原動機制御部98とを備えていてもよい。情報取得部79、動力分配装置制御部78、第1発電装置制御部80及び原動機制御部98は、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、およびI/Oインターフェイスなどからなるマイクロコンピュータとして構成されている。
一実施形態では、図11に示すように、情報取得部79は、過去の実測データ(例えば時間別、日別、季節別等の熱と電力の少なくとも一方の使用量データ)と天気予報情報の少なくとも一方に基づいて予測した熱需要予測情報と電力需要予測情報の少なくとも一方を取得する需要予測情報取得部82を備えていてもよい。この場合、動力分配装置制御部78は、需要予測情報取得部82によって取得された熱需要予測情報と電力需要予測情報の少なくとも一方に基づいて、圧縮機6及び第1発電装置4への動力の分配比X,Yを調節するよう動力分配装置62を制御可能に構成される。また、原動機制御部98は、需要予測情報取得部82によって取得された熱需要予測情報と電力需要予測情報の少なくとも一方に基づいて、原動機60の出力を調整するよう原動機60を制御可能に構成される。なお、ここでの熱需要予測情報は、冷房需要、暖房需要及び給湯需要についての予測情報が含まれる。例えば、夏期は冷房需要が大きく、冬期は暖房需要が大きいため、夏期と冬期にはX=0.25、Y=0.75とし、春期と秋期にはX=0.75、Y=0.25に設定してもよい。これにより、動力の分配比X,Y及び原動機の出力を、過去の傾向や天気予報を考慮した最適な分配比及び出力に調節することができる。
一実施形態では、図11に示すように、情報取得部79は、再生可能エネルギー型発電装置5の出力予測情報を取得する出力予測情報取得部84を備えていてもよい。この場合、動力分配装置制御部78は、例えば図12に示すように、出力予測情報取得部84によって取得された出力予測情報における出力予測が小さいほど、第1発電装置4への動力の分配比Xを大きくするよう動力分配装置62を制御可能に構成される。これにより、動力の分配比X,Yを、再生可能エネルギー型発電装置5の出力を考慮した最適な分配比に調節することができる。
一実施形態では、図11に示すように、情報取得部79は、電気料金情報を取得する電気料金情報取得部86と、原動機60で使用する燃料価格情報を取得する燃料価格情報取得部88とを備えていてもよい。この場合、図11に示す第1発電装置制御部80は、燃料価格情報取得部88によって取得した燃料価格が電気料金情報取得部86によって取得した電気料金と比較して割高である場合に、蓄電池11又は電力系統からの電力によって第1発電装置4を電気モーターとして駆動するよう構成される。また、動力分配装置62は、第1発電装置4が電気モーターとして駆動された場合には、図9を用いて説明したようにクラッチ77を切り離すことにより、電気モーターからの動力を圧縮機6に伝達する。これにより、地域熱電併給システム100の運転コストを低減することができる。
一実施形態では、図11に示すように、情報取得部79は、蓄電池11に蓄電されている電気の残量情報を取得する第1残量情報取得部90と、蓄圧断熱貯槽10に蓄熱されている熱の残量情報を取得する第2残量情報取得部92と、を備えていてもよい。この場合、動力分配装置制御部78は、蓄電池11の残量と蓄圧断熱貯槽10の残量の何れか一方が基準蓄電量又は基準蓄熱量に対して不足している場合に、蓄電池11と蓄圧断熱貯槽10のうち残量が不足している方へのエネルギー充填を優先するように圧縮機6及び第1発電装置4への動力の分配比X,Yを調節する。また、動力分配装置制御部78は、蓄電池11の残量と蓄圧断熱貯槽10の残量の両方が基準蓄電量と基準蓄熱量に対してそれぞれ不足している場合に、蓄電池11と蓄圧断熱貯槽10のうち残量の不足レベルが大きい方へのエネルギー充填を優先するように圧縮機6及び第1発電装置4への動力の分配比X,Yを調節する。これにより、蓄電池11と蓄圧断熱貯槽10の残量がそれぞれ一定レベル以上に維持されるため、非常時(例えば系統電力が停電し、原動機60が故障するような状況)においても、蓄電池11及び蓄圧断熱貯槽10に貯めた電気及び熱によって一定期間は安定した熱電併給を行うことができる。
一実施形態では、図1又は図2に示す地域熱電併給システム100(100a,100b)において、停電時において原動機60が故障中である場合に、再生可能エネルギー型発電装置5によって蓄電池11を充電してもよい。再生可能エネルギー型発電装置5によって蓄電池11を充電しても、蓄電池11の電気の残量が基準蓄電量に満たない場合には、蓄圧断熱貯槽10から熱媒体を放出して、図6に示した第2発電装置57に熱媒体を供給して発電を行い、得られた電力により蓄電池11を充電し、基準蓄電量に対する不足分を補ってもよい。これにより、速やかに効率的に蓄電池11を充電し、電気を確保することができる。
一実施形態では、図1に示す地域熱電併給システム100aの第4共用流路22は、図13に示すように、複数の需要体2から回収した熱媒体を第2膨張タービン38を迂回して圧縮機6に供給するための迂回流路94と、複数の需要体2から回収した熱媒が迂回流路94を通るか第2膨張タービン38を通るかを切り替える切り替え装置96と、を備えていてもよい。この場合、切り替え装置96は、通常時には熱媒体に残存する圧力エネルギーを利用して発電を行うため、熱媒体が第2膨張タービン38を通るように、停電時において原動機60が故障中である場合には圧縮機6に圧力を保持したままの熱媒体を供給するため、熱媒体が迂回流路94を通るように上記切り替えを行う。また、停電時において原動機60が故障中である場合には、第1発電装置制御部80(図11参照)は、再生可能エネルギー型発電装置5と蓄電池11の少なくとも一方からの電力によって第1発電装置4を電気モーターとして駆動する。動力分配装置62(図11参照)は、第1発電装置4が電気モーターとして駆動された場合に、上述したように電気モーターからの動力を圧縮機6に伝達する。これにより、停電時において原動機60が故障中である場合であっても、圧縮機6を駆動して高温高圧の熱媒体を確保することができ、圧縮機6の駆動に要する動力を低減することができる。
以上に説明した地域熱電併給システム100(100a,100b)における熱媒体の流れの典型例を図14〜図17を用いて説明する。
図14は、地域熱電併給システム100aにおいて第1熱交換器34を冷房機器として使用する場合の熱媒体の流れを示す図である。
図14に示す地域熱電併給システム100aにおいて、まず、圧縮機6で圧縮された高温高圧の熱媒体が第1共用流路16を通って蓄圧断熱貯槽10に供給される。蓄圧断熱貯槽10から放出された高温高圧の熱媒体は分配器52により第2共用流路18及び第3共用流路20へ分配される。
第2共用流路18へ分配された熱媒体は、放熱装置12によって冷却されてその一部が凝縮する。放熱装置12によって冷却された熱媒体は、第1膨張装置14へ供給され減圧されて低温低圧の熱媒体となり、複数の第1供給流路24へ流入する。
第1供給流路24へ流入した熱媒体は、オンオフ弁54、バッファタンク110、流路切替装置132、及び流量調整弁128を介して各需要体2が有する第1熱交換器34へ供給されて冷房のために使用される。
一方、第3共用流路20へ分配された高温高圧の熱媒体は、複数の第2供給流路26へ流入する。第2供給流路26に流入した熱媒体は、オンオフ弁56、バッファタンク112、及び流量調整弁130を介して第2熱交換器36へ供給されて給湯のために使用される。
第1熱交換器34及び第2熱交換器36から第1回収流路30及び第2回収流路32を介して回収した熱媒体は、エジェクタ42によって合流した後、第3回収流路41を介して第4共用流路22に流入する。
第4共用流路22に流入した熱媒体は、第4共用流路22に設けられた第2膨張タービン38を駆動し、これにより第2膨張タービン38に連結された発電機40から電力が得られる。
第2膨張タービン38から排出された熱媒体は、第4共用流路22を通って圧縮機6に供給され、再び圧縮されて上述の流れを繰り返す。
図15は、地域熱電併給システム100aにおいて第1熱交換器34を暖房機器として使用する場合の熱媒体の流れを示す図である。
図15に示す地域熱電併給システム100aにおいて、まず、圧縮機6で圧縮された高温高圧の熱媒体が第1共用流路16を通って蓄圧断熱貯槽10に供給される。蓄圧断熱貯槽10から放出された高温高圧の熱媒体は分配器52を介して第3共用流路20へのみ供給される(第2共用流路18へは分配されない)。
第3共用流路20へ供給された高温高圧の熱媒体は、複数の第2供給流路26へ流入する。第2供給流路26に流入した熱媒体は、オンオフ弁56及びバッファタンク112を介して第1熱交換器34と第2熱交換器36の一方又は両方に供給される。すなわち、第2供給流路26を流れる熱媒体は、第3供給流路28から流路切替装置132及び流量調整弁128を介して第1熱交換器34へ供給されて暖房のために使用されるか、流量調整弁130を介して第2熱交換器36へ供給されて給湯のために使用される。
第1熱交換器34及び第2熱交換器36から第1回収流路30及び第2回収流路32を介して回収した熱媒体は、エジェクタ42によって合流した後、第3回収流路41を介して第4共用流路22に流入する。
第4共用流路22に流入した熱媒体は、第4共用流路22に設けられた第2膨張タービン38を駆動し、これにより第2膨張タービン38に連結された発電機40から電力が得られる。
第2膨張タービン38から排出された熱媒体は、第4共用流路22を通って圧縮機6に供給され、再び圧縮されて上述の流れを繰り返す。
図16は、地域熱電併給システム100bにおいて第1熱交換器34を冷房機器として使用する場合の熱媒体の流れを示す図である。
図16に示す地域熱電併給システム100bにおいて、まず、圧縮機6で圧縮された高温高圧の熱媒体が第1共用流路16を通って蓄圧断熱貯槽10に供給される。蓄圧断熱貯槽10から放出された高温高圧の熱媒体は分配器52により第2共用流路18及び第3共用流路20へ分配される。
第2共用流路18へ分配された熱媒体は、放熱装置12によって冷却されてその一部が凝縮する。放熱装置12によって冷却された熱媒体は、第1膨張装置14へ供給され減圧されて低温低圧の熱媒体となり、複数の第1供給流路24へ流入する。
第1供給流路24へ流入した熱媒体は、オンオフ弁54、バッファタンク110、流路切替装置132及び流量調整弁128を介して、各需要体2が有する第1熱交換器34へ供給されて冷房のために使用される。
第1熱交換器34から第1回収流路30を介して回収した熱媒体は、第4回収流路47を介して第4共用流路22の第1流路部22aに流入する。第1流路部22aに流入した熱媒体は、そのまま圧縮機6へ供給され、再び圧縮されて上述の流れを繰り返す。
一方、第3共用流路20へ分配された高温高圧の熱媒体は、複数の第2供給流路26へ流入する。第2供給流路26に流入した熱媒体は、オンオフ弁56、バッファタンク112及び流量調整弁130を介して第2熱交換器36へ供給されて給湯のために使用される。
第2熱交換器36から第2回収流路32を介して回収した熱媒体は、第3回収流路41を介して第6共用流路55に流入する。
第6共用流路55に流入した熱媒体は、第2共用流路18における放熱装置12と第1膨張装置14との間で第2共用流路18を流れる熱媒体と合流し、第1膨張装置14で減圧されて上述したように冷房のために使用される。
図17は、地域熱電併給システム100bにおいて第1熱交換器34を暖房機器として使用する場合の熱媒体の流れを示す図である。
図17に示す地域熱電併給システム100bにおいて、まず、圧縮機6で圧縮された高温高圧の熱媒体が第1共用流路16を通って蓄圧断熱貯槽10に供給される。蓄圧断熱貯槽10から放出された高温高圧の熱媒体は分配器52を介して第3共用流路20へのみ供給される(第2共用流路18へは分配されない)。
第3共用流路20へ流入した高温高圧の熱媒体は、複数の第2供給流路26へ流入する。第2供給流路26に流入した熱媒体は、オンオフ弁56及びバッファタンク112を介して第1熱交換器34と第2熱交換器36とに分配される。すなわち、第2供給流路26を流れる熱媒体は、第3供給流路28から流路切替装置132及び流量調整弁128を介して第1熱交換器34へ供給されて暖房のために使用されるか、流量調整弁130を介して第2熱交換器36へ供給されて給湯のために使用される。
第1熱交換器34及び第2熱交換器36から第1回収流路30及び第2回収流路32を介して回収した熱媒体は、第3回収流路41を介して第6共用流路55に流入する。
第6共用流路55に流入した熱媒体は、第2共用流路18における放熱装置12と第1膨張装置14との間で第2共用流路18へ流入し、第1膨張装置14で減圧された後、第4共用流路22の第2流路部22bへ流入する。第2流路部22bに流入した熱媒体は、第3熱交換器39で例えば地中熱を利用して昇温されてから圧縮機6へ供給され、再び圧縮されて上述の流れを繰り返す。
なお、図1及び図2に示した地域熱電併給システム100では、第1発電装置4、圧縮機6、駆動装置8等の共用設備は1つずつ設けているが、これらの共用設備の数はこれに限らない。すなわち、対象地域の熱需要量や電力需要量に応じて適切な数を設ければよい。例えば第1発電装置4や第2発電装置57を多数設けて地域熱電併給システム100における発電設備の設備容量を増加させることで、系統電力への依存度の低い分散型のエネルギーシステムを構築することができる。
幾つかの実施形態では、図18に示すように、上記地域熱電併給システム100(100a,100b)は、需要体2の各々における熱媒体の使用料金を算出するよう構成された課金装置102を備えている。課金装置102は、上述した複数のオンオフ弁54と、上述した複数のオンオフ弁56と、開閉制御部104と、開閉動作回数計数部106と、熱媒体使用料金算出部108と、を含む。
まず、需要体2の各々について、第1供給流路24を介して供給された低温低圧の熱媒体の使用料金Pac(図示する形態では第1供給流路24から第1熱交換器34への流れf0の使用料金)を算出するための構成を説明する。
開閉制御部104は、複数のオンオフ弁54の開閉制御を行うよう構成されており、需要体2の各々について、オンオフ弁54を開放してから設定時間tc経過後に閉鎖する開閉動作を実行するよう構成されている。
開閉動作回数計数部106は、需要体2の各々について、オンオフ弁54の開閉動作の回数Nc(バッファタンク110への低温低圧の熱媒体の補充回数)を計数するよう構成されている。
熱媒体使用料金算出部108は、需要体2の各々について、開閉動作回数計数部106によって計数したオンオフ弁54の開閉動作の回数Ncに基づいて、第1供給流路24を介して供給された低温低圧の熱媒体の使用料金Pacを算出するよう構成されている。
このように、第1供給流路24に設けられたオンオフ弁54を開放してから設定時間tc後に閉鎖する開閉動作を実行するよう開閉制御部104が構成されているため、オンオフ弁54の上記開閉動作の回数Ncは第1供給流路24によって需要体2に供給された熱媒体の冷熱量と相関関係を有する。したがって、需要体2の各々について、開閉動作回数計数部106によって計数したオンオフ弁54の開閉動作の回数Ncに基づいて、第1供給流路24を介して供給された熱媒体の使用料金Pacを熱媒体使用料金算出部108によって算出することで、簡易な構成で(第1供給流路24に熱媒体の流量を測定するための流量計等を設けなくとも)、第1供給流路24を介して供給された熱媒体の冷熱量に対して相関関係を持つように、第1供給流路24を介して供給された低温低圧の熱媒体の使用料金Pacを算出することができる。
幾つかの実施形態では、図18に示すように、複数の第1供給流路24には、熱媒体を貯めるための複数のバッファタンク110がそれぞれ設けられ、開閉制御部104は、需要体2の各々について、バッファタンク110の熱媒体の貯留量が基準量を下回った場合に、オンオフ弁54の開閉動作を実行するよう構成されている。
かかる構成によれば、バッファタンク110の熱媒体の貯留量が基準量を下回った場合にオンオフ弁54の開閉動作が実行されるため、バッファタンク110の貯留量を基準量付近に維持することができる。また、熱需要量が大きいときにバッファタンク110から熱媒体を放出できる分、圧縮機6や駆動装置8のピークカット運転が可能となる。このため、圧縮機6や駆動装置8の容量を小さくすることができる。また、災害時等においてもバッファタンク110に貯めた熱媒体を利用することができるため、対象地域の防災能力を向上することができる。
幾つかの実施形態では、図18に示す熱媒体使用料金算出部108は、需要体2の各々について、開閉動作回数計数部106によって計数したオンオフ弁54の開閉動作の回数Ncと、開閉制御部104によってオンオフ弁54が開放してから閉鎖するまでの設定時間tcと、オンオフ弁54の単位時間当たりの流量Fcと、熱媒体の単位流量当たりの単価Pcとを乗算することにより、第1供給流路24を介して供給された低温低圧の熱媒体の使用料金Pacを算出するよう構成されている。
図19に、かかる算出フローの一例を示す。図19に示すように、まず、オンオフ弁54の開閉動作回数Ncと設定時間tcとを乗算することにより、オンオフ弁54の累積開放時間tacが算出される。次に、オンオフ弁54の累積開放時間tacにオンオフ弁54の単位時間当たりの流量Fcを乗算することにより、オンオフ弁の累積流量Facが算出される。そして、オンオフ弁の累積流量Facに、第1供給流路24によって供給される低温低圧の熱媒体の単位流量当たりの単価Pcを乗算することにより、第1供給流路24を介して供給された低温低圧の熱媒体の使用料金Pacが算出される。一実施形態では、オンオフ弁54の累積流量Facに、上記単価Pcと、第1供給流路24における熱媒体の温度Tcに応じた温度係数Ccとを乗算することにより、第1供給流路24を介して供給された熱媒体の使用料金Pacを算出してもよい。
ここで、上記算出に用いるオンオフ弁54の単位時間当たりの流量Fcは、予め定めた定数であってもよいし、予測値であってもよいし、図20に示すように、オンオフ弁54の前後差圧を実測することで該単位時間当たりの流量を計測する差圧式の流量計114の出力であってもよい。
かかる構成によれば、熱媒体使用料金算出部108は、オンオフ弁54の開閉動作の回数Ncと、オンオフ弁54が開放してから閉鎖するまでの設定時間tcと、オンオフ弁54の単位時間当たりの流量Fcと、熱媒体の単価Pcとを乗算することにより、第1供給流路24を介して供給された熱媒体の使用料金Pacを正確に(第1供給流路24を介して供給された熱媒体の冷熱量に対して高い相関関係を持つように)算出することができる。また、熱使用量は季節ごとに大きく変動するため、実使用量に比例する料金を基本料金に加算した料金を課金するよりも、上記のように熱媒体の実使用量(第1供給流路24を介して供給された熱媒体の冷熱量)に比例する熱媒体使用料金Pacを課金する方が高い納得性を実現することができる。
幾つかの実施形態では、図18に示す熱媒体使用料金算出部108は、需要体2の各々について、上記温度係数Ccとして、図21に示すように、第1供給流路24における熱媒体の温度Tcに比例する温度係数Ccを使用するよう構成されていてもよい。図21に示す温度係数Ccは、第1供給流路24における熱媒体の温度Tcが低下するにつれて大きくなる。
かかる構成によれば、熱媒体使用料金算出部108は、オンオフ弁54の開閉動作の回数Ncと、オンオフ弁54が開放してから閉鎖するまでの設定時間tcと、オンオフ弁54の単位時間当たりの流量Fcと、熱媒体の単価Pcと、第1供給流路24における熱媒体の温度に比例する温度係数Ccと、を乗算することにより、第1供給流路24を介して供給された熱媒体の使用料金Pacを算出する。このため、第1供給流路24を介して供給された熱媒体の使用料金Pacを、第1供給流路24を介して供給された熱媒体の冷熱量に対してより高い相関関係を持って算出することができる。
幾つかの実施形態では、図18に示す熱媒体使用料金算出部108は、需要体2の各々について、第1供給流路24における熱媒体の温度に応じた温度係数Ccとして、図22に示すように、第1供給流路24における熱媒体の温度Tcが一定の温度幅低下する毎に段階的に大きくなる温度係数Ccを使用するよう構成されていてもよい。
かかる構成によれば、熱媒体使用料金算出部108は、オンオフ弁54の開閉動作の回数Ncと、オンオフ弁54が開放してから閉鎖するまでの設定時間tcと、オンオフ弁54の単位時間当たりの流量Fcと、熱媒体の単価Pcと、第1供給流路24における熱媒体の温度が一定の温度幅低下する毎に段階的に大きくなる温度係数Ccと、を乗算することにより、第1供給流路24を介して供給された熱媒体の使用料金Pacを算出する。このため、第1供給流路24を介して供給された熱媒体の使用料金Pacを、第1供給流路24を介して供給された熱媒体の冷熱量に対してより高い相関関係を持って算出することができる。
幾つかの実施形態では、図18に示す課金装置102は、図20に示すように、複数のオンオフ弁54の各々の単位時間当たりの流量Fcをそれぞれ計測する複数の流量計114と、複数の第1供給流路24の熱媒体の温度Tcをそれぞれ計測する複数の温度計116とを更に備えていてもよい。この場合、開閉制御部104は、需要体2の各々について、オンオフ弁54の前回又は前回よりも前の開閉動作時における、流量計114によって計測した単位時間当たりの流量Fcと温度計116によって計測した温度Tcに応じた温度係数Ccとに基づいて、オンオフ弁54が開放してから閉鎖するまでの設定時間tcを変更するよう構成されていてもよい。
かかる構成によれば、需要体2の各々について、上記単位時間当たりの流量Fcと上記温度係数Ccとに基づいてオンオフ弁54が開放してから閉鎖するまでの設定時間tcを変更することにより、オンオフ弁54の開閉動作1回当たりに第1供給流路24によって供給される熱媒体の冷熱量が一定になるように(第1供給流路24における熱媒体の温度変化と圧力変動が当該冷熱量に与える影響が最小限になるように)該設定時間tcを変更することができる。
次に、主に図18を用いて、需要体2の各々について、第2供給流路26を介して供給された高温高圧の熱媒体の使用料金Pah(図示する形態では、第2供給流路26から第2熱交換器34へ供給された熱媒体の使用料金と、第2供給流路26から第3供給流路28を介して第1熱交換器34へ供給された熱媒体の使用料金の合計に相当)を算出するための構成を説明する。
開閉制御部104は、複数のオンオフ弁56の開閉制御を行うよう構成されており、需要体2の各々について、オンオフ弁56を開放してから設定時間th経過後に閉鎖する開閉動作を実行するよう構成されている。
開閉動作回数計数部106は、需要体2の各々について、オンオフ弁56の開閉動作の回数Nh(バッファタンク112への高温高圧の熱媒体の補充回数)を計数するよう構成されている。
熱媒体使用料金算出部108は、需要体2の各々について、開閉動作回数計数部106によって計数したオンオフ弁56の開閉動作の回数Nhに基づいて、第2供給流路26を介して供給された高温高圧の熱媒体の使用料金Pahを算出するよう構成されている。
このように、第2供給流路26に設けられたオンオフ弁56を開放してから設定時間th後に閉鎖する開閉動作を実行するよう開閉制御部104が構成されているため、オンオフ弁56の上記開閉動作の回数Nhは第2供給流路26によって需要体2に供給された熱媒体の熱量と相関関係を有する。したがって、需要体2の各々について、開閉動作回数計数部106によって計数したオンオフ弁56の開閉動作の回数Nhに基づいて、第2供給流路26を介して供給された熱媒体の使用料金Pahを熱媒体使用料金算出部108によって算出することで、簡易な構成で(第2供給流路26に熱媒体の流量を測定するための流量計等を設けなくとも)、第2供給流路26を介して供給された熱媒体の熱量に対して相関関係を持つように、第2供給流路26を介して供給された高温高圧の熱媒体の使用料金Pahを算出することができる。
幾つかの実施形態では、図18に示すように、複数の第2供給流路26には、熱媒体を貯めるための複数のバッファタンク112がそれぞれ設けられ、開閉制御部104は、需要体2の各々について、バッファタンク112の熱媒体の貯留量が基準量を下回った場合に、オンオフ弁56の開閉動作を実行するよう構成されている。
かかる構成によれば、バッファタンク112の熱媒体の貯留量が基準量を下回った場合にオンオフ弁56の開閉動作が実行されるため、バッファタンク112の貯留量を基準量付近に維持することができる。また、熱需要量が大きいときにバッファタンク112から熱媒体を放出できる分、圧縮機6や駆動装置8のピークカット運転が可能となる。このため、圧縮機6や駆動装置8の容量を小さくすることができる。また、災害時等においてもバッファタンク112に貯めた熱媒体を利用することができるため、対象地域の防災能力を向上することができる。
幾つかの実施形態では、図18に示す熱媒体使用料金算出部108は、需要体2の各々について、開閉動作回数計数部106によって計数したオンオフ弁56の開閉動作の回数Nhと、開閉制御部104によってオンオフ弁56が開放してから閉鎖するまでの設定時間thと、オンオフ弁56の単位時間当たりの流量Fhと、熱媒体の単位流量当たりの単価Phとを乗算することにより、第2供給流路26を介して供給された高温高圧の熱媒体の使用料金Pahを算出するよう構成されている。
図23に、かかる算出フローの一例を示す。図23に示すように、まず、オンオフ弁56の開閉動作回数Nhと設定時間thとを乗算することにより、オンオフ弁56の累積開放時間tahが算出される。次に、オンオフ弁56の累積開放時間tahにオンオフ弁56の単位時間当たりの流量Fhを乗算することにより、オンオフ弁56の累積流量Fahが算出される。そして、オンオフ弁56の累積流量Fahに、第2供給流路26によって供給される高温高圧の熱媒体の単位流量当たりの単価Phを乗算することにより、第2供給流路26を介して供給された高温高圧の熱媒体の使用料金Pahが算出される。一実施形態では、オンオフ弁56の累積流量Fahに、上記単価Phと、第2供給流路26における熱媒体の温度Thに応じた温度係数Chとを乗算することにより、第2供給流路26を介して供給された熱媒体の使用料金Pahを算出してもよい。
ここで、上記算出に用いるオンオフ弁56の単位時間当たりの流量Fhは、予め定めた定数であってもよいし、予測値であってもよいし、図20に示すように、オンオフ弁56の前後差圧を実測することで該単位時間当たりの流量を計測する差圧式の流量計118の出力であってもよい。
かかる構成によれば、熱媒体使用料金算出部108は、オンオフ弁56の開閉動作の回数Nhと、オンオフ弁56が開放してから閉鎖するまでの設定時間thと、オンオフ弁56の単位時間当たりの流量Fhと、熱媒体の単価Phとを乗算することにより、第2供給流路26を介して供給された熱媒体の使用料金Pahを正確に(第2供給流路26を介して供給された熱媒体の熱量に対して高い相関関係を持つように)算出することができる。また、熱使用量は季節ごとに大きく変動するため、実使用量に比例する料金を基本料金に加算した料金を課金するよりも、上記のように熱媒体の実使用量(第2供給流路26を介して供給された熱媒体の熱量)に比例する熱媒体使用料金Pahを課金する方が高い納得性を実現することができる。
幾つかの実施形態では、図18に示す熱媒体使用料金算出部108は、需要体2の各々について、上記温度係数Chとして、図24に示すように、第2供給流路26における熱媒体の温度Thに比例する温度係数Chを使用するよう構成されていてもよい。図24に示す温度係数Chは、第2供給流路26における熱媒体の温度Thが上昇するにつれて大きくなる。
かかる構成によれば、熱媒体使用料金算出部108は、オンオフ弁56の開閉動作の回数Nhと、オンオフ弁56が開放してから閉鎖するまでの設定時間thと、オンオフ弁56の単位時間当たりの流量Fhと、熱媒体の単価Phと、第2供給流路26における熱媒体の温度に比例する温度係数Chと、を乗算することにより、第2供給流路26を介して供給された熱媒体の使用料金Pacを算出する。このため、第1供給流路24を介して供給された熱媒体の使用料金Pahを、第2供給流路26を介して供給された熱媒体の熱量に対してより高い相関関係を持って算出することができる。
幾つかの実施形態では、図18に示す熱媒体使用料金算出部108は、需要体2の各々について、第2供給流路26における熱媒体の温度に応じた温度係数Chとして、図25に示すように、第2供給流路26における熱媒体の温度Thが一定の温度幅上昇する毎に段階的に大きくなる温度係数Chを使用するよう構成されていてもよい。
かかる構成によれば、熱媒体使用料金算出部108は、オンオフ弁56の開閉動作の回数Nhと、オンオフ弁56が開放してから閉鎖するまでの設定時間thと、オンオフ弁56の単位時間当たりの流量Fhと、熱媒体の単価Phと、第2供給流路26における熱媒体の温度が一定の温度幅上昇する毎に段階的に大きくなる温度係数Chと、を乗算することにより、第2供給流路26を介して供給された熱媒体の使用料金Pahを算出する。このため、第2供給流路26を介して供給された熱媒体の使用料金Pahを、第2供給流路26を介して供給された熱媒体の熱量に対してより高い相関関係を持って算出することができる。
幾つかの実施形態では、図18に示す課金装置102は、図20に示すように、複数のオンオフ弁56の各々の単位時間当たりの流量Fhをそれぞれ計測する複数の流量計118と、複数の第2供給流路26の熱媒体の温度Thをそれぞれ計測する複数の温度計120とを更に備えていてもよい。この場合、開閉制御部104は、需要体2の各々について、オンオフ弁56の前回又は前回よりも前の開閉動作時における、流量計118によって計測した単位時間当たりの流量Fhと温度計120によって計測した温度Thに応じた温度係数Chとに基づいて、オンオフ弁56が開放してから閉鎖するまでの設定時間thを変更するよう構成されていてもよい。
かかる構成によれば、需要体2の各々について、上記単位時間当たりの流量Fhと上記温度係数Chとに基づいてオンオフ弁56が開放してから閉鎖するまでの設定時間thを変更することにより、オンオフ弁56の開閉動作1回当たりに第2供給流路26によって供給される熱媒体の熱量が一定になるように(第2供給流路26における熱媒体の温度変化と圧力変動が当該熱量に与える影響が最小限になるように)該設定時間thを変更することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上記地域熱電併給システム100aにおいて、例えば図28及び図29に示すように、低温熱媒体供給流路136を設けても良い。低温熱媒体供給流路136は、第1供給流路24におけるバッファタンク0110と流路切替装置132との間から分岐し、低温状態を維持する必要のある冷蔵庫等の常時冷却機器134に接続され、年間を通じて低温の熱媒体を供給可能に構成されている。
かかる構成では、夏期に第1熱交換器34を冷房機器として使用する場合(図28参照)においても、冬期に第1熱交換器34を暖房機器として使用する場合(図29参照)においても、蓄圧断熱貯槽10から放出された高温高圧の熱媒体を分配器52を介して第2共用流路18に分配することで、常時冷却機器134へ低温の熱媒体を供給することができる。
また、図28及び図29に示すように、低温熱媒体供給流路136に流量調整弁138を設けても良い。例えば低温熱媒体供給流路136に常時冷却機器134を接続しないときには、流量調整弁138を全閉状態に調整すればよい。
図28及び図29に示した構成においても、図18〜図25等を用いて説明した課金装置102によって、第1供給流路24を介して供給された低温低圧の熱媒体の使用料金Pacと、第2供給流路26を介して供給された高温高圧の熱媒体の使用料金Pahとを簡易な構成で算出することができる。
また、例えば、上記地域熱電併給システム100bにおいて、例えば図30及び図31に示すように、低温熱媒体供給流路136を設けても良い。低温熱媒体供給流路136は、第1供給流路24におけるバッファタンク0110と流路切替装置132との間から分岐し、低温状態を維持する必要のある冷蔵庫等の常時冷却機器134に接続され、年間を通じて低温の熱媒体を供給可能に構成されている。
かかる構成では、夏期に第1熱交換器34を冷房機器として使用する場合(図30参照)においても、冬期に第1熱交換器34を暖房機器として使用する場合(図31参照)においても、蓄圧断熱貯槽10から放出された高温高圧の熱媒体を分配器52を介して第2共用流路18に分配することで、常時冷却機器134へ低温の熱媒体を供給することができる。なお、図30及び図31に示す形態では、切換弁53は、第2流路部22bにおける第2共用流路18との接続位置より下流側かつ第3熱交換器39より上流側の位置に設けられている。かかる構成では、第2共用流路18のうち第1膨張装置14より下流側の部分には、常時、低温低圧の熱媒体が供給される。また、切換弁53を開放すれば第2流路部22bにも熱媒体を供給することができる。
また、図30及び図31に示すように、低温熱媒体供給流路136に流量調整弁138を設けても良い。例えば低温熱媒体供給流路136に常時冷却機器134を接続しないときには、流量調整弁138を全閉状態に調整すればよい。
図30及び図31に示した構成においても、図18〜図25等を用いて説明した課金装置102によって、第1供給流路24を介して供給された低温低圧の熱媒体の使用料金Pacと、第2供給流路26を介して供給された高温高圧の熱媒体の使用料金Pahとを簡易な構成で算出することができる。