JP6340743B2 - 汚染浮泥の封じ込め工法及び固化処理土材水中打設装置 - Google Patents

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Description

本発明は、河川、湖沼又は海域等の水域の水底部に堆積したダイオキシンやセシウム等有害物質を含有する汚染浮泥を水底部に封じ込めるための汚染浮泥の封じ込め工法及び固化処理土材水中打設装置に関する。
ダイオキシンやセシウム等の有害物質は、数ミクロンという非常に小さな粒子からなり、降雨等により河川、湖沼又は海域等の水域に流入した場合、当該水域の水底表層部に堆積した浮泥に吸着する可能性が高い。
このような浮泥は、波や水流の影響により水域中を移動するため、有害物質が浮泥に運ばれて拡散する虞があり、また、有害物質が水底・水中生物に摂取され、それが食物連鎖により人体に影響を及ぼすことも懸念される。
そこで、従来では、このような有害物質による悪影響を取り除く方法として、有害物質を含む汚染浮泥上に泥状又は砂状の土砂等を被せ、当該土砂による汚染浮泥の封じ込めを図る工法(覆砂工法)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−136533号公報
しかしながら、有害物質を含む汚染浮泥は、含水比がおよそ数100%〜数1000%と流動性が高く、せん断強度も略零であることから、上述の如き従来の技術では、土砂等を汚染浮泥上に被せた際、当該土砂等の圧力を受けて汚染浮泥が容易に周囲に拡散してしまうため、汚染浮泥を封じ込めることが非常に困難であるという問題があった。
そこで本発明は、このような従来の問題に鑑み、水底表層部に堆積した汚染物質を含む汚染浮泥を確実に封じ込めることができる汚染浮泥の封じ込め工法及び固化処理土材水中打設装置の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、下端周壁部に周方向に間隔を置いて配置され、且つ上下に向けたスリット状に形成された複数の吐出口を有する堤構築用打設管を使用し、該堤構築用打設管の下端を汚染物質を含む汚染浮泥が堆積した水底部に着底させ、その状態で前記各吐出口より固化材を含む流動性の低い堤用固化処理土材を加圧して放射状に押し出し、放射方向に連続してなる堤体を形成する堤構築作業を、前記堤構築用打設管の着底位置を互いに前記放射方向に間隔を置いて違えた複数箇所にて行い、互いに前記放射方向に連なる前記各堤体を一体化させることにより前記汚染浮泥を囲い込む配置に複数の拡散防止堤を構築し、該拡散防止堤に囲まれた一又は複数の貯泥部を形成するとともに、該各貯泥部内に前記汚染浮泥を取り込み、前記汚染浮泥を拡散防止堤によって堰き止め、然る後、前記各貯泥部上に固化材を含む封鎖用固化処理土材を打設し、該封鎖用固化処理土材で前記各貯泥部の上面部を封鎖する汚染浮泥の封じ込め工法にある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記堤構築用打設管内に傾斜面が前記各吐出口と対向する配置に頂部を上に向けた円錐状の押し出し部材を設け、前記堤用固化処理土材を前記吐出口下側の押し出し圧力を高めて押し出すことにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記封鎖用固化処理土材が一定の流動性を有し、水中に挿入された封鎖用打設管を通して前記封鎖用固化処理土材を前記各貯泥部上に流下させ、その流下されて前記各貯泥部上に堆積した封鎖用固化処理土材内に前記封鎖用打設管の下端を埋設させた状態で前記封鎖用固化処理土材を順次打設することにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、汚染物質を含む汚染浮泥が堆積した水底部に固化材を含む流動性の低い堤用固化処理土材を打設して、前記汚染浮泥を囲い込む配置に複数の拡散防止堤を構築し、前記拡散防止堤に囲まれた一又は複数の貯泥部を形成するとともに、該各貯泥部内に前記汚染浮泥を取り込み、前記汚染浮泥を拡散防止堤によって堰き止め、然る後、前記各貯泥部上に固化材を含む封鎖用固化処理土材を打設し、該封鎖用固化処理土材で前記各貯泥部の上面部を封鎖する汚染浮泥の封じ込め工法に使用する固化処理土材水中打設装置であって、前記汚染浮泥が堆積した水底部に固化材を含む堤用固化処理土材を打設する堤構築用打設管と、前記堤構築用打設管に前記堤用固化処理土材を加圧した状態で供給する固化処理土供給手段とを備え、前記堤構築用打設管の下端周壁部に一又は複数の上下に向けた下端が周壁部下縁にまで至るスリット状の吐出口を備え、該吐出口より加圧された前記固化処理土材が水平方向に向けて押し出されることにより、水平方向に連続し、前記汚染浮泥を堰き止め可能な拡散防止堤が構築されるようにしたことにある。
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項4の構成に加え、前記堤構築用打設管内に、傾斜面が前記各吐出口と対向する配置に頂部を上に向けた円錐状の押し出し部材を備え、前記吐出口下側の前記堤用固化処理土材の押し出し圧力が高くなるようにしてなることにある。
本発明に係る汚染浮泥の封じ込め工法は、請求項1に記載の構成を具備することにより、ダイオキシンやセシウム等の汚染物質を含む流動性の高い浮泥を拡散防止堤で堰止めつつ、汚染浮泥を覆う封鎖用固化処理土材を拡散防止堤で支持するので汚染浮泥を確実に水底部に封じ込め、汚染物質の拡散を防止することができる。また、複数の拡散防止堤を好適に築堤することができ、堤用固化処理土材の打設に伴って好適に汚染浮泥を堤体間に取り込むことができる。
また、本発明において、請求項2に記載の構成を具備することによって、水平方向に連続する拡散防止堤を断面山形状の安定した形状に形成することができる。
さらに、本発明において、請求項3に記載の構成を具備することによって、貯泥部上に封鎖用固化処理土材を万遍無く広げることができ、好適に貯泥部の上面部を封鎖することができる。
本発明に係る固化処理土材打設装置は、請求項4に記載の構成を具備することによって、流動性の低い固化処理土材を好適に水平方向に押し出すことができ、且つ、築堤に伴って汚染浮泥を複数の拡散防止堤からなる貯泥部内に好適に取り込むことができる。
また、本発明において、請求項5に記載の構成を具備することによって、水平方向に連続する拡散防止堤を断面山形状の安定した形状に形成することができる。
本発明方法により汚染浮泥を封じ込めた状態を説明するための概略縦断面図である。 本発明に係る汚染浮泥の封じ込め工法に使用する装置の概略を示す側面図である。 土材を泥水状に調整する土材調整船の概略を示す側面図である。 (a)は堤構築用打設管の一例を示す部分拡大斜視図、(b)は同縦断面図、(c)は同底面図である。 (a)は封鎖用打設管の一例を示す横断面図、(b)は同縦断面図である。 (a)〜(c)は本発明に係る汚染浮泥の封じ込め工法の各工程の概略を示す図であって、上段が各工程の状態を示す概略平面図、下段が同概略縦断面図である。
次に、本発明に係る汚染浮泥の封じ込め工法及び固化処理土材水中打設装置の実施の態様を図1〜図6に示す実施例に基づいて説明する。尚、図1は、本発明に係る汚染浮泥の封じ込め工法により水底部に汚染浮泥を封じ込めた状態を示す図であって、図中符号Aは水底部、符号Bは水面、符号Cはダイオキシンやセシウム等の有害物質を含有する汚染浮泥である。
この汚染浮泥の封じ込め工法は、汚染物質を含む汚染浮泥Cが堆積した水底部Aに固化材を含む堤用固化処理土材を打設して、汚染浮泥Cを囲い込む配置に複数の拡散防止堤1,1...を構築し、拡散防止堤1,1...に囲まれた一又は複数の貯泥部2,2...を形成するとともに、各貯泥部2,2...内に汚染浮泥Cを取り込み、然る後、各貯泥部2、2上に固化材を含む封鎖用固化処理土材を打設し、封鎖用固化処理土材からなる封鎖蓋層部3を形成し、その封鎖蓋層部3で各貯泥部2,2...の上面部を封鎖することにより、汚染浮泥Cを水底部Aに封じ込めるようになっている。
堤用固化処理土材及び封鎖用固化処理土材は、それぞれベントナイト等の土材、高炉セメント等の固化材及び水が異なる配合で混合することにより作製され、各固化処理土材の打設は、例えば、図2に示す如き水中打設船4を有する水中打設装置を使用し、この水中打設船4に固化処理土供給手段から堤用固化処理土材又は封鎖用固化処理土材を加圧した状態で供給し、それをそれぞれ下端形状の異なる打設管5A,5Bにより水底部Aに打設するようになっている。
固化処理土供給手段は、ベントナイト等の土材に所望の比率で海水又は淡水を混合し、土材を泥水状に調整する土材調整船6と、土材調整船6より供給された泥水状の土材スラリー7に固化材を混合する固化材混合船8とを備え、所望の配合で混合された堤用固化処理土材又は封鎖用固化処理土材を水中打設船4の打設管5A、5Bに供給できるようになっている。
土材調整船6は、図3に示すように、台船上に設置された管路ミキサ10と、タンク11a内のベントナイト等の土材を一定量毎に管路ミキサ10に供給する土材供給装置11と、貯水槽12内の水を流量調節可能に汲み上げて管路ミキサ10に供給するポンプ等からなる給水装置13とを備え、管路ミキサ10内に供給されたベントナイト等の土材に給水装置13より所定の比率で給水し、それをスクリュー10aで攪拌しつつ混合するようになっている。尚、図中符号13aは流量計であって、給水装置13は、この流量計13aの計測値に基づいて流量調節するようになっている。
管路ミキサ10により混合された泥水状の土材スラリー7は、管路ミキサ10の端部より台船上に設置された一時貯留用の貯泥槽14に排出され、その貯泥槽14からポンプ15等を用いて土運船16に積み替えられ、土運船16を用いて固化材混合船8に供給されるようになっている。
固化材混合船8は、台船上に設置された管路ミキサ等のミキサ装置17と、ミキサ装置17にセメントミルク等のスラリー状の固化材を供給する固化材供給装置18とを備え、土運船16よりバックホウ19等を使用してホッパー17aに泥水状の土材スラリー7を投入し、ホッパー17aより一定量毎に泥水状の土材スラリー7をミキサ装置17に供給するとともに、固化材供給装置18より所定の比率で固化材をミキサ装置17に供給し、ミキサ装置17により土材スラリー7と固化材とを混合し、土材、固化材及び水が所望の配合で混合された固化処理土材が生成されるようになっている。
固化材供給装置18は、コンピュータを使用した制御手段を備え、この制御手段により固化材の注入量を制御しつつ固化材をミキサ装置17に供給するようになっている。
また、この固化材混合船8には、海水を流量調節可能に汲み上げて土運船16に注水することができる注水装置20を備え、ミキサ装置17に投入する前に泥水状の土材スラリー7の湿潤密度を調整できるようになっている。尚、図中符号20aは流量計であって、注水装置20は、この流量計20aの計測値に基づいて流量調節するようになっている。
更に、この固化材混合船8には、ポンプ圧送装置を備え、圧送管21を通してミキサ装置17により混合調整された固化処理土材を加圧した状態で水中打設船4に供給できるようになっている。
水中打設船4は、台船4a上に設置されたクレーン装置4bにより下端を水底に向けて吊り下ろされる堤構築用打設管5A又は封鎖用打設管5Bを備え、堤構築用打設管5Aと封鎖用打設管5Bとを適宜選択して使用するようになっている。
各打設管5A,5Bは、上端部に圧送管21の終端部が接続され、圧送管21を通して固化処理土材が加圧された状態で管内に供給されるようになっている。
堤構築用打設管5Aは、図4に示すように、下端部に打設管本体22と同軸配置に該打設管本体22より管径が大きな拡径管部23を備え、打設管本体22を通して加圧された固化処理土材が拡径管部23に供給されるようになっている。
拡径管部23は、下端が開口した円筒状に形成され、その周壁部24に周方向に間隔を置いて配置され、且つ、上下に向けたスリット状の複数の吐出口25,25...が形成されている。
吐出口25,25...は、周壁部24を管径方向に貫通した上下に向けたスリット孔状に形成され、スリットの下端が周壁部24の下縁まで到り下端開口26と連続した形状に形成されている。
また、この拡径管部23には、管内底部に傾斜面27aが各吐出口25,25...と対向する配置に頂部を上に向けて配置された円錐状の押し出し部材27が備えられている。
この押し出し部材27は、図4(b)(c)に示すように、底面直径が拡径管部23の下端開口26の直径より小さな円錐状に形成され、底面位置を拡径管部23の底面位置と合わせた配置に固定部材28,28...を介して周壁部24内周面部に支持されている。
このように構成された堤構築用打設管5Aでは、拡径管部23の下端を水底に着底させた状態で加圧された固化処理土材を拡径管部23に供給することにより、各吐出口25,25...より加圧された固化処理土材が水平方向に向けて放射状に押し出される。
また、この堤構築用打設管5Aでは、押し出し部材27の傾斜面27aと拡径管部23内周面との水平方向距離が下方に行くほど狭くなり、その分、固化処理土材の押し出し圧力が吐出口25,25...の下側ほど高くなり、吐出口22より押し出された固化処理土材が断面山型状を成す様になっている。
封鎖用打設管5Bは、図5に示すように、打設管本体22の下端にスライド可能な端部筒31を備え、投入された封鎖用固化処理土材が打設管本体22及び端部筒31を通して流下されるようになっている。
また、この封鎖用打設管5Bは、端部筒31の外周部に上下方向に回動自在に横軸をもって枢着された複数の回動アーム32,32...と、その各回動アーム32,32...に固定したゴム板からなる弾性を有する被覆板33,33...がそれぞれ固定されている。
各被覆板33,33...は、回動アーム32,32...が水平位置まで回動した状態で図5(a)に示すように、両側縁が互いに重なり合う大きさに形成されてスカート状を成し、この各被覆板33,33...で下端開口部周辺の打設された固化処理土材の上面を覆うことにより、固化処理土材の浮き上がりを規制し、固化処理土材が全方向に向けて万遍無く広がるようになっている。
また、各回動アーム32,32...には、傾斜計が固定され、その傾きが常時水上の作業船上に表示されるようになっている。
次に、この汚染浮泥の封じ込め工法の具体的手順について図6に基づいて説明する。
先ず、ダイオキシンやセシウム等の汚染物質が吸着した汚染浮泥Cが水底部Aに堆積した水域に水中打設船4を移動させるとともに、固化処理土材供給手段、即ち、土材調整船6及び固化材混合船8をそれぞれ所定の配置に据え付け、固化処理土材を水中打設船4に供給できるようにする。
次に、流動性の低い堤用固化処理土材40を固化処理土材供給手段により作製し、それを水中打設船4に供給し、堤用固化処理土材40を打設して複数の拡散防止堤1,1...を水底部Aに構築する。
堤用固化処理土材40は、例えば、表1に示す配合にてベントナイト等の土材、高炉セメント等の固化材、淡水及び海水を混合することにより作製され、スリット状の吐出口25,25...より押し出し可能な程度の流動性を有しつつ、水中で打設された際に水中にて分離せず、且つ、一定の形状を保持できるような定形性を有する状態、即ち、堤用固化処理土材40を湿潤密度が1.10(g/cm)程度であって、水中フロー値(JHS A 313)が90mm以下となるように調整する。
Figure 0006340743
この堤用固化処理土材40の作製は、まず、貯水槽12に淡水を貯め、管路ミキサ10によりベントナイト等の土材に所定の比率で淡水を混合し、それにより生成された泥水状の土材スラリーを貯泥槽14に排出し、貯泥槽14に一時的に貯留させる。
そして、この土材スラリーを貯泥槽14内で又は土運船16に移し替えた状態で一定時間(例えば、18時間)、膨潤させた後、当該膨潤させた土材スラリーを土運船16にて固化材混合船8に運搬し、その位置で土運船16上の土材スラリーに注水装置20を用いて所定の比率で海水を加え、バックホウ19を用いて混ぜ合わせる。
そして、その調水された土材スラリーがバックホウ19を用いてミキサ装置17に投入され、ミキサ装置17により土材スラリーと固化材とを混合することにより堤用固化処理土材40が作製される。
次に、この堤用固化処理土材40を水底部Aに打設し、複数の拡散防止堤1,1...を構築するには、まず、図6(a)に示すように、堤構築用打設管5Aの下端、即ち、拡径管部23の底面を水底部Aに着底させ、その状態で堤構築用打設管5Aを固定する。
その際、作業開始位置、即ち初めの堤構築用打設管5Aの着底位置は、封じ込めを行う汚染浮泥Cが堆積した水底部A区域の隅部とすることが好ましい。
この状態で堤構築用打設管5Aへ堤用固化処理土材40を加圧した状態で供給を開始し、図6(a)上段に示すように、各吐出口25,25...より放射状(ここでは8方向)に堤用固化処理土材40を押し出し、放射方向(水平方向)に連続した堤体41,41...を形成する(以下、この作業を堤構築作業という)。
この堤構築作業の際、堤構築用打設管5Aに加圧された状態で堤用固化処理土材40が供給されることにより、堤用固化処理土材40が吐出口25,25...より勢いよく押し出され、放射方向に連続した堤体41,41...を形成するようになっている。
また、堤構築用打設管5Aの下端部内、即ち、拡径管部23内に傾斜面27aが各吐出口25,25...と対向する配置に頂部を上に向けた円錐状の押し出し部材27を設けているので、堤用固化処理土材40がその押し出し圧力を吐出口25,25...の下方ほど高い状態で押し出されるようになっている。
また、各吐出口25,25...より加圧されて押し出された堤用固化処理土材40は、スリット状の吐出口25,25...より押し出し可能な程度の流動性を有しつつ、水中で打設された際に水中にて分離し難く、且つ、一定の形状を保持できるような定形性を有する状態としたことから、堤体41,41...は、山型断面形状が放射方向(水平方向)に連続した形状に形成される。
この堤体41,41...の山型断面形状は、法面勾配が1:3以下であって、高さが数cm〜数十cm程度の切り立った状態に形成され、流動性の高い汚染浮泥Cを堰き止められるようになっている。
次に、堤体41,41...の構築が完了したら、一端、堤構築用打設管5Aを上昇させて水中打設船4を移動させる。
そして、図6(b)に示すように、上述した一連の堤構築作業を堤構築用打設管5Aの着底位置を違えた複数箇所にて行うことにより、汚染浮泥Cを囲い込む配置に複数の拡散防止堤1,1...を構築して各拡散防止堤1,1...に囲まれた複数の貯泥部2,2...を形成するとともに、貯泥部2,2...内に汚染浮泥Cを取り込む。
各堤構築作業においては、堤構築用打設管5Aの着底位置を互いに放射方向に間隔を置いた位置とし、その位置でそれぞれ堤構築作業を行うことにより、互いに放射方向に連なるように堤体41,41...が形成されるとともに、互いに放射方向に連なる堤体41,41...の押し出し方向先端部が互いに重複し、当該放射方向に連なる両堤体41,41が一体化し、拡散防止堤1が構築される。また、場所によっては、堤体41単体で拡散防止堤1を構成する。
その際、各堤構築作業で堤用固化処理土材40を放射状に押し出すことに伴って、その周囲の汚染浮泥Cがその押し出された堤用固化処理土材40に押し退けられ、構築された各堤体41,41...間、即ち、貯泥部2,2...内に取り込まれる。
貯泥部2,2...内に取り込まれた汚染浮泥Cは、押し出された堤用固化処理土材40に押し退けられることにより貯泥部2,2...内に集約されるとともに、堤用固化処理土材40の固化に伴って拡散防止堤1,1...により周囲への流動が堰き止められる。
そして、全ての堤構築作業が完了し、封じ込めを行う区域の汚染浮泥Cの貯泥部2,2...内への取り込みが完了したら、固化処理土材供給手段からの堤用固化処理土材40の供給を停止し、流動性の高い封鎖用固化処理土材を供給できるように固化処理土材供給手段の切替作業を行うとともに、水中打設船4の堤構築用打設管5Aを水中より撤去し、封じ込めを行う区域の中央部に水中打設船4を移動させる。
次に、固化処理土材供給手段により流動性の高い封鎖用固化処理土材42を作製し、それを水中打設船4に供給し、封鎖用固化処理土材42を打設して当該封鎖用固化処理土材42により各貯泥部2,2...の上面を封鎖し、汚染浮泥Cを封じ込める。
封鎖用固化処理土材42は、例えば、表2に示す配合にてベントナイト等の土材、高炉セメント等の固化材及び海水を混合することにより作製され、一定の流動性を有しつつ、水中で打設された際に水中にて分離しない状態、即ち、封鎖用固化処理土材42を湿潤密度が1.30(g/cm)程度であって、水中フロー値(JHS A 313)が100mm以上となるように調整する。
Figure 0006340743
この封鎖用固化処理土材42の作製は、まず、貯水槽12に海水を用意し、管路ミキサ10によりベントナイト等の土材に所定の比率で海水を混合し、それにより生成された泥水状の土材スラリーを貯泥槽14に排出し、貯泥槽14に一時的に貯留させた後土運船16に積み替え、その土運船16により固化材混合船8に運搬する。
そして、その土材スラリーをバックホウ19を用いてミキサ装置17に投入し、ミキサ装置17により当該土材スラリーと固化材とを混合することにより封鎖用固化処理土材42が作製される。
この封鎖用固化処理土材42を貯泥部2,2...上に打設し、各貯泥部2,2...の上面部を閉鎖するには、まず、封じ込めを行う区域の中央部位置に封鎖用打設管5Bを台船4aより水中に降下させる。
その際、回動アーム32,32...が回動可能な程度に打設管の先端を貯泥部2,2...上面から少し離した高さで停止させ、この状態で封鎖用打設管5Bへの封鎖用固化処理土材42の投入を開始し、打設管本体22内の所望の高さまで封鎖用固化処理土材42で埋めた状態で順次投入を行う。
これによって図6(c)に示すように封鎖用固化処理土材42が封鎖用打設管5B下に流れ出し、流下した封鎖用固化処理土材42が被覆板33,33...を押し開き、回動アーム32,32...の角度が当初の角度より水平に近い方向に回動される。
この状態で封鎖用固化処理土材42の打設を継続し、流下されて貯泥部2,2...上に堆積した封鎖用固化処理土材42内に封鎖用打設管5Bの下端を埋設させた状態で封鎖用固化処理土材42を順次打設する。
その際、被覆板33,33...が打設された打設管周辺の封鎖用固化処理土材42の上面を覆い、当該封鎖用固化処理土材42の盛り上がりを規制することに加え、封鎖用固化処理土材42が一定の流動性を有することから、封鎖用固化処理土材42が各貯泥部2,2...上を流下し、汚染浮泥Cの封じ込めを行う区域全域まで広がる。尚、封鎖用固化処理土材42は、水中勾配が1:10以上となることが好ましい。
そして、この封鎖用固化処理土材42が固化することにより、図1に示すように、各貯泥部2,2...の上面部を封鎖する封鎖蓋層部3が形成される。
このように構成された汚染浮泥の封じ込め工法では、固化材を含む堤用固化処理土材40からなる複数の拡散防止堤1,1...を構築し、各拡散防止堤1,1...に囲まれた貯泥部2,2...内に汚染浮泥Cを取り込むことにより、含水比がおよそ数100%〜数1000%と流動性が高く、せん断強度も略零である汚染浮泥Cが各拡散防止堤1,1...によって堰き止められるので、汚染物質を含む浮泥の周囲への拡散を防止することができる。
また、貯泥部2,2...内に汚染浮泥Cを取り込んだ上で、貯泥部2,2...の上面部を封鎖用固化処理土材42で封鎖するので、封鎖用固化処理土材42の荷重が各拡散防止堤1,1...により支持されるので、封鎖用固化処理土材42を打設する際及び封じ込め後の汚染浮泥Cに作用する封鎖用固化処理土材42による圧力を大幅に軽減することができ、それによって、流動性の高い汚染浮泥Cの拡散が防止できるようになっている。
更には、各固化処理土材が固化することにより、汚染浮泥Cが各拡散防止堤1,1...及び封鎖蓋層部3により強固に封じ込められるので、高い耐久性が得られるようになっている。
尚、固化処理土材供給手段の態様は、上述の実施例に限定されず、例えば、土材調整船6と固化材混合船8とを一つの台船に集約し、土運船16による運搬作業を省略してもよい。
また、上述の実施例では、図4に示す如き堤構築用打設管5Aを使用し、各堤構築作業にて八方向の放射状に堤体41,41...を形成した例について説明したが、本発明はこのような構成に拘泥されず、例えば、堤用固化処理土材40の押し出し方向を2方向、4方向又はその他の複数方向にしてもよい。
A 水底部
B 水面
C 汚染浮泥
1 拡散防止堤
2 貯泥部
3 封鎖蓋層部
4 水中打設船
5A 堤用打設管
5B 封鎖用打設管
6 土材調整船
7 土材スラリー
8 固化材混合船
10 管路ミキサ
11 土材供給装置
12 貯水槽
13 給水装置
14 貯泥槽
15 ポンプ
16 土運船
17 ミキサ装置
18 固化材供給装置
19 バックホウ
20 注水装置
21 圧送管
22 打設管本体
23 拡径管部
24 周壁部
25 吐出口
26 下端開口
27 押し出し部材
28 固定部材
31 端部筒
32 回動アーム
33 被覆板
40 堤用固化処理土材
41 堤体
42 封鎖用固化処理土材

Claims (5)

  1. 下端周壁部に周方向に間隔を置いて配置され、且つ上下に向けたスリット状に形成された複数の吐出口を有する堤構築用打設管を使用し、
    該堤構築用打設管の下端を汚染物質を含む汚染浮泥が堆積した水底部に着底させ、その状態で前記各吐出口より固化材を含む流動性の低い堤用固化処理土材を加圧して放射状に押し出し、放射方向に連続してなる堤体を形成する堤構築作業を、前記堤構築用打設管の着底位置を互いに前記放射方向に間隔を置いて違えた複数箇所にて行い、互いに前記放射方向に連なる前記各堤体を一体化させることにより前記汚染浮泥を囲い込む配置に複数の拡散防止堤を構築し、該拡散防止堤に囲まれた一又は複数の貯泥部を形成するとともに、該各貯泥部内に前記汚染浮泥を取り込み、前記汚染浮泥を拡散防止堤によって堰き止め、然る後、前記各貯泥部上に固化材を含む封鎖用固化処理土材を打設し、該封鎖用固化処理土材で前記各貯泥部の上面部を封鎖することを特徴としてなる汚染浮泥の封じ込め工法。
  2. 前記堤構築用打設管内に傾斜面が前記各吐出口と対向する配置に頂部を上に向けた円錐状の押し出し部材を設け、前記堤用固化処理土材を前記吐出口下側の押し出し圧力を高めて押し出す請求項1に記載の汚染浮泥の封じ込め工法。
  3. 前記封鎖用固化処理土材が一定の流動性を有し、水中に挿入された封鎖用打設管を通して前記封鎖用固化処理土材を前記各貯泥部上に流下させ、その流下されて前記各貯泥部上に堆積した封鎖用固化処理土材内に前記封鎖用打設管の下端を埋設させた状態で前記封鎖用固化処理土材を順次打設する請求項1又は2に記載の汚染浮泥の封じ込め工法。
  4. 汚染物質を含む汚染浮泥が堆積した水底部に固化材を含む流動性の低い堤用固化処理土材を打設して、前記汚染浮泥を囲い込む配置に複数の拡散防止堤を構築し、前記拡散防止堤に囲まれた一又は複数の貯泥部を形成するとともに、該各貯泥部内に前記汚染浮泥を取り込み、前記汚染浮泥を拡散防止堤によって堰き止め、然る後、前記各貯泥部上に固化材を含む封鎖用固化処理土材を打設し、該封鎖用固化処理土材で前記各貯泥部の上面部を封鎖する汚染浮泥の封じ込め工法に使用する固化処理土材水中打設装置であって、
    前記汚染浮泥が堆積した水底部に固化材を含む堤用固化処理土材を打設する堤構築用打設管と、前記堤構築用打設管に前記堤用固化処理土材を加圧した状態で供給する固化処理土供給手段とを備え、
    前記堤構築用打設管の下端周壁部に一又は複数の上下に向けた下端が周壁部下縁にまで至るスリット状の吐出口を備え、該吐出口より加圧された前記固化処理土材が水平方向に向けて押し出されることにより、水平方向に連続し、前記汚染浮泥を堰き止め可能な拡散防止堤が構築されるようにしたことを特徴としてなる固化処理土材水中打設装置。
  5. 前記堤構築用打設管内に、傾斜面が前記各吐出口と対向する配置に頂部を上に向けた円錐状の押し出し部材を備え、前記吐出口下側の前記堤用固化処理土材の押し出し圧力が高くなるようにしてなる請求項4に記載の固化処理土材水中打設装置。
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