JP6338971B2 - 需要調整システム - Google Patents

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Description

本発明は節電量算出装置に関し、特に、需要家が、節約した電力量である節電量に応じて報酬を受け取る需要調整システムに関するものである。
電力の安定供給のためには、電力の需要と電力の供給とを高い精度で一致させる必要がある。そのため、従来から、電力会社は電力の供給量を制御し、それによって需要と供給とのバランスを図ってきた。しかし、近年では、電力の供給量が不足しているなどの背景から、電力の需要量の制御も含めて、需要と供給とのバランスを図る手段もとられている。
電力の需要量を制御する手段の一つに、デマンドレスポンス(DR:demand response)がある。DRとは、電力事業者又はアグリゲータといったDR指令者が、需要家へ節電するよう指令し、需要家はDRが適用される期間(DR期間)内に節約した電力量(節電量)に応じて報酬(インセンティブ)を受け取るというものである。
DRでは、適正な報酬の授受を目的に、電力事業者などには需要家の節電行動に応じて適切に節電量を算出することが求められる。節電量は、需要家の節電行動により消費電力が削減された量であり、例えば、DR期間における実際の消費電力量の計測値と、あらかじめ決めておいた消費電力の推定量(ベースライン)との差として算出される。ベースラインは、節電行動が行われなかった場合の消費電力量として定義され、例えば、需要家の過去の一定期間における類似日の消費電力量の平均値を用いて決定する方法、又は、気象予測に基づく消費電力量の予測値を用いて決定する方法などがある。
しかし、消費電力量は、計測日の気温、計測日の天候、又は、計測日が平日であるか休日であるかなどの様々な条件で変化するため、あらかじめ決めておいたベースラインが、節電行動が行われなかった場合の消費電力量を正確に反映しているとは限らない。
このような場合には、そのベースラインを利用して算出される節電量も、需要家がDR期間内に節約した実際の電力量とは異なる可能性がある。このため、ベースラインの推定精度を高めるための対策がなされている。
例えば、特許文献1では、消費電力の推定量の情報は需要家から取得され、この推定量の精度が高い需要家ほど高くランク付けされる。DR適用後に報酬を分配する際には、当該ランク及び節電量に応じた分配がなされるため、高いランクにランク付けされた需要家が積極的にDRの適用を受けるものと考えられる。
そのため、より精度の高い推定量を用いて節電量を算出することができるため、算出される節電量の精度は高まる。
特開2012−147546号公報
しかし、上記の方法であっても、DR期間における気象予測が外れたなどの理由で、節電行動が行われなかった場合の消費電力量がベースラインに正確に反映されない場合が発生してしまう。そのような場合には、DR期間における実際の消費電力量とベースラインとの差は、需要家がDR期間内に節約した実際の電力量とは異なり、例えば、節電行動をとったにもかかわらず適切に節電量が算出されなかったり、節電行動をとっていないにもかかわらず不適切に節電量が算出されたりするという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、DR期間における実際の消費電力量がベースラインと大きく異なる場合であっても、節電量を適切に算出することができる技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様に関する需要調整システムは、需要家が、節約した電力量である節電量に応じて報酬を受け取る需要調整システムであり、前記需要家の少なくとも1つの電気機器における設備設定値の変化量と、前記電気機器における消費電力量の変化量との関係を示す消費電力感度を取得する取得部と、通常時の前記設備設定値と前記需要家が電力量を節約した際の前記設備設定値との差、及び、前記消費電力感度に基づいて、前記需要家における前記節電量を算出する節電量算出部と、前記消費電力感度を用いて、前記需要家ごとに節電可能電力量を算出する節電可能量算出部と、前記節電可能電力量に基づいて、前記需要家ごとの前記節電量をデマンドレスポンス指令値として分配する削減量分配部とを備え、前記取得部は、複数の前記電気機器の前記設備設定値を参照することで得られる稼働時間の変化量と、複数の前記電気機器における前記消費電力量の変化量との関係を示す消費電力感度を取得し、前記節電量算出部は、前記需要家が各前記電気機器の前記設備設定値として設定可能な値をあらかじめ組み合わせて電力量を節約した際の前記稼働時間と通常時の前記稼働時間との差、及び、前記消費電力感度に基づいて、前記需要家における前記節電量を算出する。

本発明の上記態様によれば、DR期間における実際の消費電力量がベースラインと大きく異なる場合であっても、需要家の節電行動を示す設備設定値の変化量に基づいて、節電量を適切に算出することができる。
本発明の目的、特徴、局面、及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
ベースラインを利用して節電量を算出する場合の一例を示す図である。 実施形態に関する需要調整システムの構成を概念的に示す図である。 実施形態に関する需要調整システムの動作フローを示す図である。 感度算出部における動作フローを示す図である。 設備設定値と消費電力量との関係の一例を示す図である。 電気機器の設備設定値変更可能量の内容を例示する図である。 可能量算出部における動作フローを示す図である。 節電量算出部における動作フローを示す図である。 実施形態に関する需要調整システムの構成を概念的に示す図である。 実施形態に関する需要調整システムの動作フローを示す図である。 工場におけるDR可能量の一例を示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら実施形態について説明する。なお、図面は模式的に示されるものであり、異なる図面にそれぞれ示されている画像のサイズ及び位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得る。また、以下の説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称及び機能も同様のものとする。よって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
<第1実施形態>
<構成>
以下の実施形態では、アグリゲータが需要家へDRの適用を指令し、需要家はDRが適用される期間(DR期間)内に節約した電力量(節電量)に応じて報酬(インセンティブ)を受け取るという形態のDRについて説明する。
電力事業者からDR指令情報を受信したアグリゲータは、DR指令情報のうちの、目標とする全節電量に対応するDR指令値を、事前に契約した複数の需要家へ配分する。ここで、DR指令情報とは、DRの適用に際し必要な情報であり、少なくとも、DRの開始時期及び終了時期、又は、DRの適用期間に関する情報、及び、DR指令値に関する情報を含む。また、アグリゲータは、DRの適用後に各需要家の節電量を算出し、当該節電量に応じた報酬(インセンティブ)の算出を行う。
ここで、需要家の節電量を算出する際にベースラインを利用することの問題点について、図1を参照しつつ説明する。図1は、ベースラインを利用して節電量を算出する場合の一例を示す図である。図1において、縦軸は消費電力量を、横軸は時間をそれぞれ示している。
図1においては、ベースラインが一点鎖線で、実際の消費電力量(節電行動をとった場合の消費電力量)が実線で、節電行動をとらなかった場合の本来の消費電力量が点線で、それぞれ示されている。節電量は、需要家の節電行動によって削減された電力量であるから、本来の消費電力量(点線)と実際の消費電力量(実線)との差異となるべきであるが、ベースラインを利用して節電量を算出する場合には、ベースライン(一点鎖線)と実際の消費電力量(実線)との差異を節電量とするため、ベースライン(一点鎖線)と本来の消費電力量(点線)とが乖離するほど、算出される節電量が適切なものとはならない。
特に、DR適用による需要抑制が必要となるような電力需要が特異的である日には、ベースラインは節電行動が行われなかった場合の本来の消費電力量からは大きく外れる可能性が高い。よって、節電量の正しい評価は困難になる。
本実施形態では、節電量を算出する際に、ベースラインではなく、電気機器の設備設定値の変化を用いることで、前述の問題を解決する。
図2は、本実施形態に関する需要調整システムの構成を概念的に示す図である。
図2に示されるように、需要調整システムは、アグリゲータ側における需要調整装置10と、需要家側におけるEMS(energy management system)30、設備設定値収集装置32及び電気機器31と、電力量計33とを備える。
EMS30は、需要調整装置10から入力されたDR指令情報などを受信及び記憶する。また、EMS30は、当該DR指令情報を出力する。また、EMS30には、設備設定値変更可能量が入力され、さらに、EMS30は、設備設定値変更可能量を送信する。設備設定値変更可能量については後述する。
通信ネットワーク50は、需要調整装置10とEMS30との間でデータの送受信を行うためのネットワークである。自動検針ネットワーク60は、需要調整装置10と電力量計33との間でデータの送受信を行うためのネットワークである。
電気機器31では、DR指令情報に基づいて節電が実行される。電気機器31は、需要家が所有する電気機器であり、例えば、照明又は空調機器などが考えられる。電気機器31は、電力量計33、設備設定値収集装置32及びEMS30と接続される。また、電気機器31は、EMS30から入力されるDR指令値に基づいて設備設定値を変更し、消費電力量を制御する機能を有する。
設備設定値収集装置32は、電気機器31における設備設定値を収集する。設備設定値収集装置32は、電気機器31の各設備設定値、例えば、温度、照度、湿度又はそれらの弱、中又は強などのレベルを定期的に収集し、その情報を蓄積する。設備設定値を収集する周期及び方法は特に限定されるものではなく、例えば、需要調整装置10からポーリングされて情報が収集されてもよい。収集された設備設定値に関する情報は、例えば、30分ごとにEMS30を介して需要調整装置10に送信されてもよい。
電力量計33は、需要家の電気機器31の消費電力量を計測する。電力量計33は、ある期間ごとに電気機器31の消費電力量を収集し、その情報を保存する機能を有する。電力量計33としては、例えば、スマートメーター(登録商標)などが考えられる。電気機器31の消費電力量を計測する際は、複数の電気機器31について一括で消費電力量を計測してもよいし、個別に計測してもよい。
EMS30は、入出力部34と、DR指令情報記憶部35と、需要家端末通信部36とを備える。DR指令情報記憶部35は、例えばハードディスク又はメモリなどによって構成される。
入出力部34は、DR指令情報記憶部35との間でDR指令情報などを入出力する。入出力部34は、アグリゲータが需要家へ求める入力項目の入力を受け付ける機能を有し、また、需要調整装置10から入力される情報の表示機能を有している。入出力部34において入力された入力項目に関する情報(入力情報)についても、DR指令情報記憶部35へ出力される。入出力部34としては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、キーボード及びモニター、タブレット型端末、携帯電話、又は、スマートフォンなどが考えられる。アグリゲータが需要家へ求める入力項目には、少なくとも、DR指令に対して需要家がどれだけ節電行動できるかを示す設備設定値変更可能量が含まれる。
需要家端末通信部36は、需要調整装置10との間で、アグリゲータが需要家へ求める入力項目に関する情報(入力情報)、及び、DR指令情報などを送受信する。当該送受信は、通信ネットワーク50を介して行われる。なお、入力情報及びDR指令情報は、DR指令情報記憶部35から入力される。
DR指令情報記憶部35は、入力情報及びアグリゲータから受信した情報などを記憶する。DR指令情報記憶部35は、需要家端末通信部36を介して需要調整装置10から入力されたDR指令情報を記憶する。また、DR指令情報記憶部35は、設備設定値収集装置32から入力される設備設定値に関する情報を順次記憶する。
需要調整装置10は、削減要求通信部12と、DR情報記憶部13と、需要家情報通信部14と、削減量分配部15と、感度算出部16と、電力管理情報取得部17と、可能量算出部18と、節電量算出部19と、インセンティブ算出部20と、需要家情報記憶部21とを備える。DR情報記憶部13及び需要家情報記憶部21は、例えばハードディスク又はメモリなどによって構成される。
削減要求通信部12は、電力事業者から入力されるDR指令情報を受信する。DR情報記憶部13は、当該DR指令情報を記憶する。
可能量算出部18は、感度算出部16で算出された消費電力感度、及び、電気機器31の設備設定値の変更履歴に基づいて、各需要家の節電可能な電力量を示すDR可能量(節電可能量)を算出する。
削減量分配部15は、DR情報記憶部13に記憶されたDR指令情報及び可能量算出部18において算出されたDR可能量に基づいて、需要家ごとの節電量をDR指令値(分配DR指令値)として分配する。そして、分配に関する情報を需要家情報通信部14に出力する。
インセンティブ算出部20は、節電量に基づいて、需要家に支払う報酬(インセンティブ)を算出する。
需要家情報通信部14は、削減量分配部15からのDR指令情報、及び、インセンティブ算出部20からのインセンティブに関する情報であるインセンティブ情報などを送信する。また、需要家情報通信部14は、需要家から入力される設備設定値などの情報を順次受信する。
電力管理情報取得部17は、自動検針ネットワーク60を介して、電力量計33で計測された消費電力量に関する情報などを取得する。
感度算出部16は、需要家情報記憶部21に記憶された電気機器31の設備設定値に関する情報に基づいて、設備設定値の変化に対する消費電力量の変化を示す消費電力感度を算出する。
需要家情報記憶部21は、需要家情報通信部14から入力されるDR指令情報及びインセンティブ情報を記憶する。また、需要家情報記憶部21は、電力管理情報取得部17から入力される消費電力量に関する情報を記憶する。また、需要家情報記憶部21は、感度算出部16から入力される消費電力感度に関する情報を記憶する。
節電量算出部19は、消費電力感度、及び、電気機器31の設備設定値の変更履歴に基づいて、節電量を算出する。
<作用>
図3は、本実施形態に関する需要調整システムの動作フローを示す図である。以下では、図3を参照しつつ、需要調整システムの作用について説明する。
まず、DR計画段階では、電力事業者から需要調整装置10の削減要求通信部12へDR指令情報が送信される(ステップS101)。DR指令情報の内容としては、少なくとも、DRの開始時間及び終了時間、又は、DRの適用期間に関する情報と、DR指令における節電量としてアグリゲータが削減すべき電力量[kW](DR指令値)とが含まれる。アグリゲータが受信したDR指令情報は、DR情報記憶部13に記憶される。
また、感度算出部16において消費電力感度の算出が行われる(ステップS102)。具体的な動作については、図4に示される。
図4は、感度算出部16における動作フローを示す図である。図4に示されるように、まず、設備設定値を変数として、消費電力を表す式を立式する(ステップS20)。
次に、需要家情報記憶部21に記憶されている、過去の消費電力量に関する情報と過去の設備設定値に関する情報とを取得する(ステップS21)。過去の消費電力量は、例えば、電力量計33において計測された消費電力量である。過去の設備設定値は、例えば、設備設定値収集装置32において収集された設備設定値である。そして、それらを用いて、公知の統計処理などにより設備設定値と消費電力量との関係を導き(ステップS22)、各変数の係数を、その電気機器31に関する、設備設定値の変化に対する消費電力量の変化を示す消費電力感度とする(ステップS23)。そして、すべての需要家について消費電力感度を算出したか否かを判定し(ステップS24)、すべての需要家について消費電力感度を算出した場合(YES)には、動作を終了する。一方で、消費電力感度を算出していない電気機器31を有する需要家がまだ存在する場合(NO)には、ステップS20に戻る。
図5は、設備設定値と消費電力量との関係の一例を示す図である。図5において、縦軸は消費電力量[W]を示しており、横軸は設定温度[℃]を示している。電気機器31としては、空調を想定する。
図5においては、外気温が30℃の場合に、空調の設定温度を26℃から28℃へ2℃変更した場合の消費電力量の変化が示されている。具体的には、空調の設定温度が26℃の場合に推定される消費電力量は900Wであり、空調の設定温度が28℃の場合に推定される消費電力量は500Wであるため、その差である400Wを、設定温度を変更したことによる節電量と見なすことができる。
公知の統計処理を利用した消費電力感度の算出例としては、複数の説明変数と目的変数との関係を表す重回帰分析が挙げられる。ある需要家が所有する電気機器31が空調設備と照明器具とである場合は、対象となる電気機器の消費電力合計をy[kW]、照明器具の設備設定値をx[level]、冷房時の空調設備の設備設定値をx[℃]、外気温をx[℃]とすると、以下に示す重回帰式により、設備設定値と消費電力量との関係を示すことができる。
Figure 0006338971
ここで、aからaは各説明変数の回帰係数であり、aは定数項である。
次に、通信ネットワーク50を介して、需要家情報通信部14からEMS30へDR参加募集に関する情報が送信される(ステップS103)。このDR参加募集に関する情報は、電力事業者から契約している需要家へDR指令がなされたことを通知し、さらに、需要家に対しDRへの参加を呼び掛けるものであり、需要家へのDR指令のための情報であるDR指令情報とは異なる。DR参加募集に関する情報は、DR指令情報を受信した需要調整装置10において生成される。DR参加募集に関する情報の内容としては、DRの開始時間及び終了時間、又は、DRの適用期間に関する情報が含まれる。DR参加募集に関する情報の内容は、入出力部34において出力及び表示される。
DRへの参加の意思がある需要家は、入出力部34において、アグリゲータが求める入力項目へ回答を入力することにより、DRへの参加表明を行う(ステップS104)。入力項目には、少なくとも、需要家が所有する電気機器31のDR期間における設備設定値変更可能量が含まれる。図6は、電気機器31の設備設定値変更可能量の内容を例示する図である。図6に示されるように、設備設定値変更可能量は、各電気機器31の設備設定値を、DR期間内にどのように(どの程度)変更することができるかについて示す情報である。
また、入力項目として、需要家が節電量に応じて受け取る報酬の希望量(希望額)が含まれていてもよい。図6に示された例を参照すると、電気機器ごとに異なる報酬の希望量(希望額)が設定されてもよく、需要家にとって設備設定値の変更が容易である電気機器については低い報酬量を設定し、需要家にとって設備設定値の変更が困難である電気機器については高い報酬量を設定してもよい。
また、例えば、空調機器(冷房)であれば、設備設定値を+2℃とする節電には低い報酬量を設定し、設備設定値を+3℃以上とする節電には高い報酬量を設定してもよい。すなわち、設備設定値の変化量に応じて、報酬の希望量(希望額)が異なってもよい。
これら入力項目への回答は、EMS30、及び、需要調整装置10の需要家情報通信部14を介して、需要家情報記憶部21に記憶される(ステップS105)。
次に、DR実行段階に移る。電力事業者から受信したDR指令値を各需要家へ配分するために、まず、可能量算出部18において、各需要家のDR可能量(節電可能量)を算出する(ステップS106)。
図7は、可能量算出部18における動作フローを示す図である。図7に示されるように、可能量算出部18においては、まず、通常時の各電気機器の設備設定値が推定される(ステップS30)。当該推定は、需要家情報記憶部21にあらかじめ記憶されている設備設定値に関する情報を用いて、公知の統計処理などにより行われる。例えば、DR適用時を除く直近の数日間の平均値などを用いることが想定される。
次に、推定された通常時の各電気機器の設備設定値とステップS102で算出された消費電力感度とに基づいて、各電気機器の通常時の消費電力量が推定される(ステップS31)。さらに、当該電気機器の設備設定値変更可能量の分だけ設備設定値を変更した場合の消費電力量(すなわち、DR適用時の消費電力量)が、消費電力感度に基づいて推定される(ステップS32)。
次に、推定された「通常時の消費電力量」と推定された「DR適用時の消費電力量」との差を、DR可能量とする(ステップS33)。そして、すべての電気機器についてDR可能量が算出されている場合(YES)には、ステップS35に進み、DR可能量が算出されていない電気機器が残っている場合(NO)には、ステップS30に戻る(ステップS34)。
ステップS35では、需要家ごと、又は、電気機器ごとにDR可能量を合算する。需要家ごとにDR可能量を合算すれば、ある需要家が所有する電気機器全体でのDR可能量が算出できる。
アグリゲータは、電力事業者から受信した、目標とする全節電量に対応するDR指令値と、DRが適用されるすべての需要家のDR可能量の合計値とを比較し、DR指令値に対応する節電量が達成可能であるか否かを判断する。そして、達成可能である場合には、各需要家のDR可能量に対応する節電量をそれぞれ設定し、需要家ごとのDR指令値(分配DR指令値)として分配することができる(ステップS107)。当該分配動作は、削減量分配部15において実行する。
なお、分配の方法としては、経済性の観点から、DR適用時に需要家へ支払う報酬が少ない順番でDR指令値を満たすまで分配する方法とする場合、DRの確度を確保する観点から、過去のDR適用履歴を参照し、DR可能量の実現確率の高い需要家に優先的にDR指令値を分配する方法とする場合、公平性の観点から、DR適用回数が需要家ごとに均一になるようにDR指令値を分配する方法とする場合、又は、これらの法を組み合わせた分配方法とする場合などが考えられるが、いずれの場合であってもよい。
分配DR指令値は、例えば[kW]単位で表されるため、対応する消費電力感度に基づいて各電気機器31の設備設定値の変更量に変換して用いられてもよい。
次に、削減量分配部15において、電力事業者へDR指令に対する回答を行う(ステップS108)。回答内容としては、DR指令値に対応する節電を需要家への分配で実現可能か否か、又は、実現可能であるDR可能量の合計などが考えられるが、いずれでもよい。
電力事業者は、DR指令に対する回答を受信し、アグリゲータによりDR指令が満足できるか否かを判断する(ステップS109)。
アグリゲータは、ステップS107において設定された分配にしたがって、需要家情報通信部14及び通信ネットワーク50を介して、削減量分配部15から各需要家へDRの適用を指令する(ステップS110)。具体的には、DR指令情報を送信する。
DR指令情報におけるDR指令値は、需要家端末通信部36により需要家において受信され、さらに、DR指令情報記憶部35に記憶される(ステップS111)。
DR指令情報記憶部35に記憶されたDR指令値は、入出力部34に表示される(ステップS112)。
需要家は、入出力部34で表示されたDR指令値に対して、DR指令を受託するか否かを判断し、その旨を回答する(ステップS113)。需要家は、回答としてDR指令を拒否してもよい。この場合、アグリゲータは、拒否された分の(分配)DR指令値を考慮して、各需要家へのDR指令値の分配を再計画し、需要家へ再度指令してもよい。また、再計画及び再指令は、事前に契約された回数だけ繰り返されてもよい。
需要家によってDR指令が受託された場合、DRが適用される(ステップS114)。需要家は、表示されたDR指令値に基づいて電気機器31を操作し節電行動をとる。具体的には、DR指令値及び設備設定値変更可能量にしたがって、電気機器31の設備設定値を変更する。なお、EMS30が対象となる電気機器31と有線通信又は無線通信が可能である場合、EMS30は、DR指令値の表示とともに、対象となる電気機器31の設備設定値を、DR指令値及び設備設定値変更可能量に基づいて自動的に変更してもよい。
DR期間中の各電気機器31の設備設定値は、設備設定値収集装置32で収集され、EMS30よりアグリゲータ側へ送信される(ステップS115)。
電力量計33は、配電系統37と電気機器31との間に配線され、少なくとも1つの電気機器31の消費電力量を計測する。DR期間中の各電気機器の消費電力量は、電力量計33で計測され、自動検針ネットワーク60を介してアグリゲータ側へ送信される(ステップS115)。
最後に、インセンティブ計算段階に入る。DR期間中の各需要家における設備設定値に基づいて、各需要家の節電量を算出する。そして、需要家が受け取る報酬(インセンティブ)を算出する。
まず、需要家情報通信部14において各電気機器31の設備設定値に関する情報が受信され、需要家情報記憶部21において記憶される(ステップS116)。また、消費電力量に関する情報は、自動検針ネットワーク60を介して電力管理情報取得部17で受信され、需要家情報記憶部21において記憶される(ステップS116)。
次に、節電量算出部19において、DR期間における需要家ごとの節電量が算出される(ステップS117)。
図8は、節電量算出部19における動作フローを示す図である。図8に示されるように、節電量算出部19においては、まず、通常時の各電気機器の設備設定値が推定される(ステップS30)。当該推定は、需要家情報記憶部21にあらかじめ記憶されている設備設定値に関する情報を用いて、公知の統計処理などにより行われる。例えば、DR適用時を除く過去の同時刻の設備設定値あるいは過去のある期間の設備設定値の平均値などを用いることが想定される。
次に、DR期間中の設備設定値の変化量から節電量を算出する。まず、推定された通常時の設備設定値と、DR期間中に実際に取得された設備設定値との差を算出する。そして、設備設定値の変化量とステップS102で算出された消費電力感度との積をとることにより、DR期間中の節電量が推定される(ステップS41)。
消費電力量が、電気機器の作動環境(外気温又は照度など)の変化に影響されて比較的短い周期で急速に変化しうるものであることに比べて、設備設定値は、月又は季節などの比較的長い周期で変動するものである。すなわち、推定された通常時の設備設定値の推定精度は、消費電力の推定値であるベースラインの推定精度よりも高いことが期待できるため、設備設定値の変化量に基づいて算出される節電量は、ベースラインに基づいて算出される節電量に比べて、高い精度で算出されるものと期待できる。
そして、すべての電気機器について節電量が算出されている場合(YES)には、ステップS43に進み、節電量が算出されていない電気機器が残っている場合(NO)には、ステップS30に戻る(ステップS42)。
ステップS43では、需要家ごと、又は、電気機器ごとに節電量を合算する。
次に、インセンティブ算出部20において、算出された節電量に応じて需要家に支払う報酬(インセンティブ)を算出する(ステップS118)。
インセンティブの算出方法は、例えば、インセンティブ単価に節電量を乗じて算出する方法がある。それ以外にも、DR指令を正確に実行させることを目的に、ある設定の変更指令に対して、需要家の節電行動が指令から不足又は逸脱していた場合には、インセンティブを減額するものであってもよい。本実施形態では、設備設定値収集装置32で収集される設備設定値に関する情報に基づき節電量を算出する。
需要家の節電行動には電気機器の設備設定値の変更が伴うことから、節電行動を設備設定値に基づいて直接評価することで、ベースラインによらずに節電量を直接推定することが可能となる。
したがって、電気機器の設備設定値の変化量に基づいて節電量を算出することで、DR期間当日の天候又は需要急変などの影響を受けずに、需要家の節電行動の適切な評価に基づく節電量の推定が可能となる。
<効果>
以下に、本実施形態による効果を例示する。
本実施形態によれば、節電量算出装置が、消費電力感度を取得する取得部としての需要家情報記憶部21と、節電量算出部19とを備える。
需要家情報記憶部21は、需要家の少なくとも1つの電気機器31における設備設定値の変化量と、電気機器31における消費電力量の変化量との関係を示す消費電力感度を感度算出部16から取得する。
節電量算出部19は、通常時の設備設定値と需要家が電力量を節約した際の設備設定値との差、及び、消費電力感度に基づいて、需要家における節電量を算出する。
このような構成によれば、DR期間における実際の消費電力量がベースラインと大きく異なる場合であっても、需要家の節電行動を示す設備設定値の変化量に基づいて、節電量を適切に算出することができる。
設備設定値は消費電力量に比べて変動の小さい値であるため、通常時の設備設定値を高い精度で推定することができる。よって、設備設定値の通常時からの変化量も精度よく推定できるため、設備設定値の変化量に基づけば、需要家の節電行動を適切に反映する節電量を算出することができる。
また、設備設定値の変化量は、需要家が行う節電行動そのものである。よって、設備設定値の変化量を直接評価することによって節電量を算出すれば、当該節電量は、需要家にとって理解しやすく、かつ、説得力のある値となる。節電量はあくまで推定値であることから、報酬を受け取る需要家にとって、理解しやすく、かつ、説得力のある値であることは重要である。
なお、これらの構成以外の構成については適宜省略することができるが、本明細書に示される任意の構成を適宜追加した場合でも、上記の効果を生じさせることができる。
<第2実施形態>
<構成>
以下では、上記実施形態で説明された構成と同様の構成については同じ符号を付して図示し、その詳細な説明については適宜省略する。
第1実施形態では、可能量算出部18において、設備設定値、消費電力感度及び設備設定値変更可能量に基づく需要家のDR可能量が算出されている。ここで、例えば、需要家の電気機器の集合として工場を想定した場合、単一ライン又は単一製品の生産など、単純な生産条件で稼働する工場であれば第1実施形態の態様で対応可能だが、複雑な生産条件で稼働する大規模な工場である場合には、対応が難しくなってくる。すなわち、生産条件を決定する際に、例えば、生産計画、就業計画又は製造ライン数が複数であるなど様々な工場特有の要因が存在するため、アグリゲータが需要家のDR可能量を算出することが困難となる。ここで、生産条件とは、少なくとも、各電気機器の設備設定値を含むものである。なお、各電気機器の設備設定値を参照すれば、ラインが稼働しているか否かが判断できるため、設備設定値が、ラインの稼働時間の情報を含んでいるともいえる。
したがって、需要家自身が、工場特有の要因を満たし、かつ、DR可能量を捻出できるような生産条件を決定する必要がある。
そのため、本実施形態においては、需要家が生産スケジューラ41において、入出力部34で入力された生産条件から工場全体の消費電力量を算出する。その後、需要家側に備えられる感度及び可能量算出部42において、上記工場全体の消費電力量の変化と生産条件の変化とから消費電力感度を算出し、様々な生産条件下におけるDR可能量を算出する。
図9は、本実施形態に関する需要調整システムの構成を概念的に示す図である。
図9に示されるように、需要調整システムは、アグリゲータ側における需要調整装置10aと、需要家側におけるEMS30a、生産条件収集装置32a、ライン31a、生産スケジューラ41、及び、感度及び可能量算出部42と、電力量計33とを備える。EMS30aは、入出力部34と、DR指令及び需要家情報記憶部35aと、需要家端末通信部36とを備える。
生産スケジューラ41は、入出力部34で入力された生産条件から工場全体の消費電力量を算出する。感度及び可能量算出部42は、上記工場全体の消費電力量の変化と生産条件の変化とから、消費電力感度及びDR可能量を算出する。
<作用>
図10は、本実施形態に関する需要調整システムの動作フローを示す図である。以下では、図10を参照しつつ、需要調整システムの作用について説明する。
まず、DR計画段階では、電力事業者から需要調整装置10aの削減要求通信部12へDR指令情報が送信される(ステップS201)。DR指令情報の内容としては、少なくとも、DRの開始時間及び終了時間、又は、DRの適用期間に関する情報と、DR指令における節電量としてアグリゲータが削減すべき電力量[kW]とが含まれる。アグリゲータが受信したDR指令情報は、DR情報記憶部13に記憶される。
次に、通信ネットワーク50を介して、需要家情報通信部14からEMS30aへDR参加募集に関する情報が送信される(ステップS202)。このDR参加募集に関する情報は、電力事業者から契約している需要家へDR指令がなされたことを通知し、さらに、需要家に対しDRへの参加を呼び掛けるものである。DR参加募集に関する情報は、DR指令情報を受信した需要調整装置10aにおいて生成される。DR参加募集に関する情報の内容としては、DRの開始時間及び終了時間、又は、DRの適用期間に関する情報が含まれる。DR参加募集に関する情報の内容は、入出力部34において出力及び表示される。
次に、需要家は、入出力部34に生産条件を入力する(ステップS203)。生産条件としては、例えば、就業計画又はタクトタイムなどが考えられるが、電力消費に関わる生産条件(タクトタイムなど)を決定するには、当該生産条件で稼働した場合の過去の消費電力量に関する情報がDR指令及び需要家情報記憶部35aに記憶されている必要がある。需要家は、各ライン31aさらには工場全体に特有の要因も考慮して、設定可能(実現可能)である設備設定値などを組み合わせることにより、生産条件を決定する。入力された生産条件は、DR指令及び需要家情報記憶部35aを介して生産スケジューラ41に入力される。
次に、生産スケジューラ41は、入出力部34で入力された生産条件下での、工場全体の消費電力量を算出する(ステップS204)。算出された工場全体の消費電力量は、感度及び可能量算出部42へ入力される。
次に、感度及び可能量算出部42において消費電力感度の算出が行われる(ステップS205)。具体的には、生産条件を変数として消費電力を表す式を立式し、さらに、過去の消費電力量に関する情報と過去の生産条件に関する情報とを用いて、公知の統計処理(例えば、重回帰分析)などにより生産条件と消費電力量との関係を導く。そして、各変数の係数を、生産条件に変化に対する消費電力量の変化を示す消費電力感度とする。
次に、例えば、直近の数日間における、各電気機器の設備設定値の平均値及びラインの稼働時間の平均値などから、通常時の生産条件を推定する。そして、推定された通常時の生産条件と消費電力感度とに基づいて、通常時の工場全体の消費電力量を推定する。
その後、推定された通常時の工場全体の消費電力量と、入力された生産条件下での工場全体の消費電力量との差を、DR可能量とする(ステップS205)。算出されたDR可能量は、入出力部34において出力及び表示される。
需要家は、表示されたDR可能量を参考に、試行錯誤的に生産条件を変更し、需要家にとって最適なDR可能量を捻出できるような生産条件を導く。
図11は、工場におけるDR可能量の一例を示す図である。図11には、節電レベルに応じて工場における各ラインのタクトタイムを変更した場合の、各ラインの消費電力量、及び、節電レベルに応じて工場における各ラインのタクトタイムを変更した場合の、各ラインのDR可能量が示されている。最下段には、各生産条件における工場全体の消費電力量及びDR可能量が示されている。なお、図11においては、節電レベルごとに合計のDR可能量が示されているが、節電レベルの異なるラインを組み合わせた生産条件を設定することも可能である。
生産条件の決定後は、アグリゲータへ、DRへの参加表明を行う(ステップS206)。第1実施形態では、需要家は電気機器31の設備設定値変更可能量を通知していたが、本実施形態では、生産条件下におけるDR可能量を通知する。
これら入力項目への回答は、EMS30a、及び、需要調整装置10aの需要家情報通信部14を介して、需要家情報記憶部21に記憶される(ステップS207)。
次に、アグリゲータは、電力事業者から受信した目標とする全節電量に対応するDR指令値と、DRが適用されるすべての需要家のDR可能量の合計値とを比較し、DR指令値に対応する節電量が達成可能であるか否かを判断する。そして、達成可能である場合には、各需要家のDR可能量に対応する節電量をそれぞれ設定し、需要家ごとのDR指令値(分配DR指令値)として分配することができる(ステップS208)。当該分配動作は、削減量分配部15において実行する。
なお、分配の方法としては、経済性の観点から、DR適用時に需要家へ支払う報酬が少ない順番でDR指令値を満たすまで分配する方法とする場合、DRの確度を確保する観点から、過去のDR適用履歴を参照し、DR可能量の実現確率の高い需要家に優先的にDR指令値を分配する方法とする場合、公平性の観点から、DR適用回数が需要家ごとに均一になるようにDR指令値を分配する方法とする場合、又は、これらの法を組み合わせた分配方法とする場合などが考えられるが、いずれの場合であってもよい。
次に、削減量分配部15において、電力事業者へDR指令に対する回答を行う(ステップS209)。回答内容としては、DR指令値に対応する節電を需要家への分配で実現可能か否か、又は、実現可能であるDR可能量の合計などが考えられるが、いずれでもよい。
電力事業者は、DR指令に対する回答を受信し、アグリゲータによりDR指令が満足できるか否かを判断する(ステップS210)。
アグリゲータは、ステップS208において設定された分配にしたがって、需要家情報通信部14及び通信ネットワーク50を介して、削減量分配部15から各需要家へDRの適用を指令する(ステップS211)。具体的には、DR指令情報を送信する。
DR指令情報におけるDR指令値は、需要家端末通信部36により需要家において受信され、さらに、DR指令及び需要家情報記憶部35aに記憶される(ステップS212)。
DR指令及び需要家情報記憶部35aに記憶されたDR指令値は、入出力部34に表示される(ステップS213)。
需要家は、入出力部34で表示されたDR指令値に対して、DR指令を受託するか否かを判断し、その旨を回答する(ステップS214)。需要家は、回答としてDR指令を拒否してもよい。この場合、アグリゲータは、拒否された分の(分配)DR指令値を考慮して、各需要家へのDR指令値の分配を再計画し、需要家へ再度指令してもよい。また、再計画及び再指令は、事前に契約された回数だけ繰り返されてもよい。
需要家によってDR指令を受託された場合、DRが適用される(ステップS215)。需要家は、表示されたDR指令値に基づいてライン31aを操作し節電行動をとる。具体的には、DR指令値及び生産条件にしたがって、少なくとも1つのライン31aを稼働させる。なお、EMS30aが対象となるライン31aと有線通信又は無線通信が可能である場合、EMS30aは、DR指令値の表示とともに、対象となるライン31aを、DR指令値及び生産条件に基づいて自動的に稼働させてもよい。
DR期間中の各ライン31aの稼働状況などからなる生産条件は、生産条件収集装置32aで収集され、EMS30aよりアグリゲータ側へ送信される(ステップS216)。
電力量計33は、配電系統37と電気機器31との間に配線され、少なくとも1つのライン31aの消費電力量を計測する。DR期間中の各ラインの消費電力量は、電力量計33で計測され、自動検針ネットワーク60を介してアグリゲータ側へ送信される(ステップS216)。
最後に、インセンティブ計算段階に入る。DR期間中の各需要家における生産条件に基づいて、各需要家の節電量を算出する。そして、需要家が受け取る報酬(インセンティブ)を算出する。
まず、需要家情報通信部14において各ライン31aの生産条件に関する情報が受信され、需要家情報記憶部21において記憶される(ステップS217)。また、消費電力量に関する情報は、自動検針ネットワーク60を介して電力管理情報取得部17で受信され、需要家情報記憶部21において記憶される(ステップS217)。
次に、節電量算出部19において、DR期間における需要家ごとの節電量が算出される(ステップS218)。具体的には、まず、通常時の各需要家における生産条件が推定される。そして、推定された通常時の生産条件と、DR期間中に実際に取得された生産条件との差を算出する。そして、生産条件の変化量とステップS205で算出された消費電力感度との積をとることにより、DR期間中の節電量が推定される。
通常時の生産条件を推定する方法としては、DR適用時を除く過去の同時刻の生産条件あるいは過去のある期間の生産条件の平均値などを用いることができる。
次に、インセンティブ算出部20において、算出された節電量に応じて需要家に支払う報酬(インセンティブ)を算出する(ステップS219)。
インセンティブの算出方法は、例えば、インセンティブ単価に節電量を乗じて算出する方法がある。それ以外にも、DR指令を正確に実行させることを目的に、ある設定の変更指令に対して、需要家の節電行動が指令から不足又は逸脱していた場合には、インセンティブを減額するものであってもよい。
本実施形態によれば、個々の電気機器における設備設定値の変更に多くの制約がある工場などを所有する需要家でも、事前に電気機器の設備設定値変更が生産活動へ及ぼす影響をシミュレーションした上で生産条件を決めておくことで、生産に影響を及ぼさない範囲でDR可能量を捻出することが可能となる。
<効果>
以下に、本実施形態による効果を例示する。
本実施形態によれば、取得部としてのDR指令及び需要家情報記憶部35aは、複数の電気機器からなるライン31aにおける各電気機器の設備設定値を含む生産条件の変化量と、ライン31aにおける消費電力量の変化量との関係を示す消費電力感度を取得する。
また、節電量算出部19は、通常時の生産条件と需要家が電力量を節約した際の生産条件との差、及び、消費電力感度に基づいて、需要家における節電量を算出する。
このような構成によれば、DR期間における実際の消費電力量がベースラインと大きく異なる場合であっても、需要家の節電行動を示す生産条件の変化量に基づいて、節電量を適切に算出することができる。
また、複数のラインを有する工場などの複雑な制御を必要とする対象においても、全体の節電量を生産条件の変更履歴から算出することができる。
<変形例>
上記各実施形態では、各構成要素の寸法、形状、相対的配置関係又は実施の条件などについても記載している場合があるが、これらはすべての局面において例示であって、本発明が記載されたものに限られることはない。よって、例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲内において想定される。例えば、任意の構成要素を変形する場合、追加する場合又は省略する場合、さらには、少なくとも1つの実施形態における少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれる。
また、矛盾が生じない限り、上記各実施形態において「1つ」備えられるものとして記載された構成要素は、「1つ以上」備えられていてもよい。さらに、発明を構成する構成要素は概念的な単位であって、1つの構成要素が複数の構造物から成る場合、及び1つの構成要素がある構造物の一部に対応する場合を含む。また、本発明の各構成要素には、同一の機能を発揮する限り、他の構造又は形状を有する構造物が含まれる。
また、本明細書における説明は、本発明のすべての目的のために参照され、いずれも、従来技術であると認めるものではない。
上記実施形態で記載された各構成要素による作用は、少なくとも1つの、処理回路又は電気回路において実施することができる。処理回路及び電気回路には、プログラムされた演算処理装置を含む。処理回路には、集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、又は、上記実施形態で記載された作用を実現するように変更された従来の回路要素などを含む。
上記実施形態で記載された各構成要素による作用は、上記の処理回路又は電気回路が、あらかじめ設定されたプログラムにしたがって動作することによって実施される。また、各構成要素による作用を実現するプログラムは、ハードディスク又はメモリなどの記憶媒体に記憶される。
10,10a 需要調整装置、12 削減要求通信部、13 DR情報記憶部、14 需要家情報通信部、15 削減量分配部、16 感度算出部、17 電力管理情報取得部、18 可能量算出部、19 節電量算出部、20 インセンティブ算出部、21 需要家情報記憶部、30,30a EMS、31 電気機器、31a ライン、32 設備設定値収集装置、32a 生産条件収集装置、33 電力量計、34 入出力部、35 DR指令情報記憶部、35a DR指令及び需要家情報記憶部、36 需要家端末通信部、37 配電系統、41 生産スケジューラ、42 感度及び可能量算出部、50 通信ネットワーク、60 自動検針ネットワーク。

Claims (2)

  1. 需要家が、節約した電力量である節電量に応じて報酬を受け取る需要調整システムであり、
    前記需要家の少なくとも1つの電気機器における設備設定値の変化量と、前記電気機器における消費電力量の変化量との関係を示す消費電力感度を取得する取得部と、
    通常時の前記設備設定値と前記需要家が電力量を節約した際の前記設備設定値との差、及び、前記消費電力感度に基づいて、前記需要家における前記節電量を算出する節電量算出部と、
    前記消費電力感度を用いて、前記需要家ごとに節電可能電力量を算出する節電可能量算出部と、
    前記節電可能電力量に基づいて、前記需要家ごとの前記節電量をデマンドレスポンス指令値として分配する削減量分配部とを備え、
    前記取得部は、複数の前記電気機器の前記設備設定値を参照することで得られる稼働時間の変化量と、複数の前記電気機器における前記消費電力量の変化量との関係を示す消費電力感度を取得し、
    前記節電量算出部は、前記需要家が各前記電気機器の前記設備設定値として設定可能な値をあらかじめ組み合わせて電力量を節約した際の前記稼働時間と通常時の前記稼働時間との差、及び、前記消費電力感度に基づいて、前記需要家における前記節電量を算出する、
    要調整システム。
  2. 前記電気機器における前記稼働時間を収集する生産条件収集装置をさらに備え、
    前記取得部は、前記生産条件収集装置において収集された前記稼働時間の変化量と、前記消費電力量の変化量との関係を示す消費電力感度を取得し、
    前記節電量算出部は、通常時の前記稼働時間と前記生産条件収集装置において収集された前記需要家が電力量を節約した際の前記稼働時間との差、及び、前記消費電力感度に基づいて、前記需要家における前記節電量を算出する、
    請求項に記載の需要調整システム。
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