以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット(始動口)33、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R、変動特定ランプ40等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、始動入賞ユニット33への入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり状態(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、可変入賞装置32は、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口(入賞口)と、大入賞口を開閉するシャッタ(可動部)と、シャッタを動作させるための大入賞口ソレノイド(駆動手段)と、大入賞口に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ223とを備え、大入賞口ソレノイドを駆動制御し、シャッタを開閉させることで、可変入賞装置32(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
始動入賞ユニット33は、第1の始動入球手段としての上入賞口33a及び第2の始動入球手段としての下入賞口33bと、下入賞口33bの両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cとを備えている。開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、下入賞口33bの側方を流下する遊技球が下入賞口33bへと案内される開状態と、案内されない閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、詳しくは後述するが、始動入賞ユニット33は、上入賞口33a、下入賞口33bに入球した遊技球をそれぞれ検知する第1の始動入球検知手段としての第1始動入賞スイッチ224a、第2の始動入球検知手段としての第2始動入賞スイッチ224bを備えており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態を発生させるか否かを決める当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43R(及び後述する装飾図柄表示装置42)にて、当該当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合には、可変入賞装置32が開放される特別遊技状態としての大当たり状態が付与されることとなる。
また、本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する低確率状態と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する高確率状態とがある。さらに、開閉部材33cが比較的頻繁に開放され、遊技球を下入賞口33cへ入球させ易くなる高入球状態と、開閉部材33cがほとんど開状態とされず、遊技球を下入賞口33bへ入球させ難い低入球状態とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称する。尚、本実施形態では、通常モード及び時間短縮モードが第1のモードに相当し、確変モードが第2のモードに相当する。
本実施形態の大当たり種別は、15ラウンド通常ボーナス(以下「15RN」と言う)と、15ラウンドスーパーボーナス(以下「15RS」と言う)と、7ラウンドスーパーボーナス(以下「7RS」と言う)との3種類である。そして、可変入賞装置32が30秒間開放されること、又は、可変入賞装置32が開放されてから可変入賞装置32に8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「15RN」、「15RS」に関しては、それが15回繰り返され、一方、「7RS」に関しては、それが7回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。また、「15RS」、「7RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「15RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」が付与される。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、上入賞口33aへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合と、下入賞口33bへの遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合とで、「15RN」となる割合は同じであるが、「15RS」となる割合(換言すれば「7RN」となる割合)が異なっている。
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、それぞれ2文字(及びドット)を表示可能なタイプの7セグメント表示装置により構成され、可変入賞装置32の右方に設置されている。そして、始動入賞ユニット33の上入賞口33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて切替表示(変動表示)が行われ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」又は「外れ」であることが確定的に表示される。例えば、上入賞口33aに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて点灯態様(点灯するセグメントの組合わせ)が高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)され、所定時間が経過すると、いずれかの点灯態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、対応する点灯態様が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
さらに、特別表示装置43L、43Rにおいては、「大当たり」に当選したことが教示されるだけでなく、大当たり状態の種別、すなわち、「15RN」、「15RS」、「7RS」のいずれであるかについても教示される。例えば、第1特別表示装置43L(又は第2特別表示装置43R)において最終的に「7.7.」が表示された(停止表示された)場合には「15RS」が付与され、「n.0.」が表示された場合には「15RN」が付与されるといった具合に対応付けられている。また、1つの大当たり種別を教示する特別表示装置43L、43Rの停止態様は1つではなく複数存在し、例えば、「15RS」が発生する場合、第1特別表示装置43L(又は第2特別表示装置43R)において、「7.7.」、「P.b」、「5.L.」、「A.3」・・・のいずれかが選択されて停止表示される。また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上入賞口33aに入賞した遊技球、及び下入賞口33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。また、その保留回数は保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。当該保留ランプ46は、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262によって表示内容が制御される。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。本実施形態では、保留ランプ46が保留表示手段を構成する。
また、本実施形態では、上入賞口33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と言う)であるか、下入賞口33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と言う)であるかに関係なく、保留された順番通りに消化されるようになっている。つまり、例えば、既に保留されている第1変動表示よりも後に保留された第2変動表示が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、どちらかが優先的に消化されるような構成ではない。
保留ランプ46は、第1変動表示及び第2変動表示の最大保留数の合計と同じく8個設けられており、保留されている変動表示の数と同じ数だけ点灯する。また、保留ランプ46は、保留の数が増えることに応じて、遊技盤30に向かって左側のものから順次点灯されていく。例えば、保留が1つの場合には、一番左側の保留ランプ46のみが点灯し、一番右側の保留ランプ46は保留が8個ある場合にのみ点灯する。左右に並ぶ8つの保留ランプ46を個々に説明すると、左側のものから、変動表示が1つ保留されている場合に点灯する保留ランプ46、変動表示が2つ保留されている場合に点灯する保留ランプ46、変動表示が3つ保留されている場合に点灯する保留ランプ46、変動表示が4つ保留されている場合に点灯する保留ランプ46、変動表示が5つ保留されている場合に点灯する保留ランプ46、変動表示が6つ保留されている場合に点灯する保留ランプ46、変動表示が7つ保留されている場合に点灯する保留ランプ46、変動表示が8つ保留されている場合に点灯する保留ランプ46となっている。尚、上記のように、第1変動表示及び第2変動表示のそれぞれが5個以上保留されることはなく、保留ランプ46が8個点灯する場合としては、第1変動表示及び第2変動表示が4つずつ保留された場合である。
さらに、各保留ランプ46は、赤色と青色とに発光可能であり、本実施形態では、第1変動表示が保留された場合には、対応する保留ランプ46が青色に発光し、第2変動表示が保留された場合には、対応する保留ランプ46が赤色に発光する。また、対応する数の変動表示が保留されていない場合には消灯されている。さらに、各保留ランプ46は保留されている各変動表示と1対1で対応しており、保留された変動表示が順番に消化されている様が遊技者に見て取れるように構成されている。より具体的には、保留されていた変動表示が開始されると、各保留ランプ46の点灯態様が1つ左の保留ランプ46にずれるようにして、所定の保留ランプ46の点灯態様が、変動表示が開始される前の右隣の保留ランプ46の点灯態様と同じ点灯態様となるように切替わる。これにより、点灯状態にあった保留ランプ46のうち一番右側のものが消灯されることで、保留されていた変動表示が1つ減ったことを把握することができ、保留ランプ46の点灯態様が1つ左側にシフトされることで、最も左側の保留ランプ46で示されていた変動表示が実行されたことを把握することができる。さらには、何回後に実行される変動表示は第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるか(第1変動表示及び第2変動表示が保留された順番、及び消化される順番)を一目で把握することができる。本実施形態では、保留ランプ46が青色に発光することが第1の保留表示状態に相当し、赤色に発光することが第2の保留表示状態に相当し、保留ランプ46が消灯された状態が非保留表示状態に相当する。
変動特定ランプ40は、特別表示装置43L、43Rの下方に設けられており、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上入賞口33a及び下入賞口33bのうちどちらの入球に対応するものであるかを示す。さらに、変動特定ランプ40は、各保留ランプ46と同様に、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、始動入賞ユニット33を開状態とするか否かの入球アシスト抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球アシスト抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球アシスト抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に始動入賞ユニット33の下入賞口33b(開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。さらに、可変表示装置ユニット35には、上記保留ランプ46と、保留ランプ44とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示制御が行われる。尚、本実施形態では、装飾図柄表示装置42が可変表示手段を構成する。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(例えば1〜9の数字が付された図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たりが確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された図柄(リーチ図柄)と同じ図柄が停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、大当たり状態終了後において確変モードが付与される「15RS」又は「7RS」が付与され、偶数のゾロ目の場合には、「15RN」、「15RS」、又は「7RS」のいずれかが付与される。また、ゾロ目以外の図柄の組合わせは基本的に「外れ」を教示するものである。
尚、変動表示において偶数のゾロ目が揃って全15ラウンドの大当たり状態となった場合、遊技者は、装飾図柄表示装置42を視認しているだけでは、「15RN」又は「15RS」のどちらの大当たりであるかの判別がつかない場合がある。つまり、特別表示装置43L、43Rが停止表示されたときの態様を視認すれば、大当たり状態の種別を判別可能であるが、それを視認しなかった、或いは、特別表示装置43L、43Rの停止態様と大当たり状態の種別との対応関係を把握していない遊技者は判別がつかない。また、本実施形態では、確変モード及び時間短縮モードにおける装飾図柄表示装置42の態様が共通であり、「15RN」又は「15RS」のどちらの大当たりであったのかを判別できていないと、確変モード又は時間短縮モードのどちらであるのかを判別することができない。尚、時間短縮モードは変動表示が100回行われると終了するため、その時点では判別可能である。また、全7ラウンドの大当たり状態は「7RS」しかないため、大当たり状態終了後には確変モードとなることを確実に把握することができる。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、始動入賞ユニット33(上入賞口33a)の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で始動入賞ユニット33(上入賞口33a)に入球するようになっている。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、始動入賞ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、始動入賞スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、始動入賞ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、ハンドル18の各種スイッチなどの各種検出スイッチや、各種基板、可変入賞装置32の大入賞口を開閉するシャッタを動作させるための大入賞口ソレノイドなどの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、保留ランプ46、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに当選したことを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示(付随的な演出表示)が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数生成手段としての大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する当選種別判定値生成手段としての種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選(入球アシスト抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1,CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43L、43Rの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターンが決定される。
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、8つの保留エリア(保留第1〜保留第8エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。特別変動保留エリアの各保留エリアには、上入賞口33a及び下入賞口33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示をそれぞれ4回まで、合計すると8回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態(確変モード、潜確モード)であれば大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。すなわち、低確率状態においては1/300の確率で当否抽選にて大当たりに当選し(大当たり状態が発生し)、高確率状態においては1/30の確率で当否抽選にて大当たりに当選することとなる。
尚、本実施形態では、ROM502に対し、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段としての当否判定テーブルが設けられている。本実施形態では、当否判定テーブルが3つ存在し、「7、307」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜16、308〜316」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
尚、通常モードにおいては、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)が1/300であり、普通図柄表示装置41における変動時間が6秒であり、また、遊技球のスルーゲート34への通過(スルーゲートスイッチ225の検知)に基づく入球アシスト抽選にて当選した場合、下入賞口33b(開閉部材33c)が0.6秒間開放される。
確変モードにおいては、大当たり確率が1/30であり、通常モードに比べ、大当たりし易くなる。また、確変モードにおいては、入球アシスト抽選に基づく普通図柄表示装置41における変動時間が2秒であり、通常モードに比べて短くなる上、入球アシスト抽選にて当選した場合、下入賞口33bが3回開放されるとともに、各開放時間が2秒間となる。つまり、確変モードでは、通常モードに比べ、普通図柄表示装置41における変動時間が短くなる上、入球アシスト抽選の当選1回あたりの下入賞口33bの開放時間が長くなるとともに、開放回数が多くなる。これによって、下入賞口33bが開状態となっている時間帯が長くなるため、下入賞口33bに対して遊技球が頻繁に入球するようになり(高入球状態となり)、当否抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。また、確変モードは大当たり状態が発生するまで継続される。尚、高入球状態においては、普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(入球アシスト抽選の当選確率)を通常モード時よりも高くすることとしてもよい。
時間短縮モードにおいては、大当たり確率が1/300である。また、時間短縮モードにおいては、入球アシスト抽選に基づく普通図柄表示装置41における変動時間が2秒であり、入球アシスト抽選にて当選した場合、下入賞口33bが3回開放されるとともに、各開放時間が2秒間となる。すなわち、時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率ではあるが、始動入賞ユニット33の動作だけを見ると、確変モードと同じである。本実施形態では、「15RN」の大当たり状態終了後に、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる合計100回の変動表示にわたって時間短縮モードが設定される。また、時間短縮モードは、大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43L、43Rにて合計100回の変動表示が行われた時点で終了し、その後、通常モードに移行する。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、上入賞口33aへの遊技球の入球を契機として取得された種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される第1の当選種別判定値記憶手段としての第1種別判定テーブルと、上入賞口33aへの遊技球の入球を契機として取得された種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される第2の当選種別判定値記憶手段としての第2種別判定テーブルとが設けられている。そして、当否抽選にて当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
本実施形態では、上入賞口33aへの入球を契機として行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合には第1種別判定テーブルが参照され、当該第1種別判定テーブルにおいては、種別決定カウンタC2の値「0〜6」と「15RN」とが対応し、種別決定カウンタC2の値「7〜15」と「15RS」とが対応し、種別決定カウンタC2の値「16〜19」と「7RS」とが対応するようになっている。
一方、下入賞口33bへの入球を契機として行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合には第2種別判定テーブルが参照され、当該第2種別判定テーブルにおいては、種別決定カウンタC2の値「0〜6」と「15RN」とが対応し、種別決定カウンタC2の値「7〜13」と「15RS」とが対応し、種別決定カウンタC2の値「14〜19」と「7RS」とが対応するようになっている。つまり、上入賞口33aへの入球を契機に大当たりした場合と比較すると、大当たり状態終了後に確変モードが付与される大当たり(確変大当たり)になる確率は同じであるが、全15ラウンドとなる大当たり(15ラウンド大当たり)になる確率が、下入賞口33bへの入球を契機とする方が優遇されている。
但し、上記のように、「15RN」及び「15RS」の場合には、「15RN」又は「15RS」のどちらに当選したかを把握し難い場合もあるため、大当たり状態の終了後が確変モードであって欲しいと望む遊技者にとっては、「7RS」となることで安心感が得られる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチ種別との対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0〜238」の値が記憶され、C3=0,1が前後外れリーチに対応し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに対応し、C3=22〜238が完全外れに対応する構成となっている。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が始動入賞ユニット33の上入賞口33a又は下入賞口33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜59の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり59)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜37の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり37)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図8中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別(リーチパターン)やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
なお、本実施形態では、「大当たり」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのうちいずれかが選択され、「前後外れリーチ」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチのうちどちらかが選択され、「前後外れ以外リーチ」が発生する場合にはノーマルリーチが選択される。また、「完全外れ」となる場合には、いずれのリーチも選択されない。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。通常、当選となる乱数の値の数は6つあり、その範囲は「3〜8」である。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、下入賞口33b(開閉部材33c)がそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図11において、先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。尚、検知情報に基づき遊技球の払出し(賞球)を行うようになっている各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算して次の処理に移行する。一方、検出情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。また、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、599,19,238,9)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリア、上入賞口33aへの遊技球の入球に対応するものであるか否かを記憶する変動契機記憶エリアが設けられている。本実施形態では、当否乱数記憶エリアは、2バイト(2オクテット)を使用して大当たり乱数カウンタC1の値を記憶している。また、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリアはそれぞれ1バイトを使用して、種別決定カウンタC2の値、変動選択カウンタC3の値を記憶している。加えて、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNa、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする下保留カウンタNb、保留されている変動表示の総数をカウントする保留総数カウンタNxが設けられている。
先ず、ステップS501では、遊技球が下入賞口33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、下保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS509に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、下保留カウンタNb及び保留総数カウンタNxを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値(大当たり乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)と、下入賞口33bへの入球を契機とするものであることの情報とを、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア、変動契機記憶エリア)に格納する。尚、変動契機記憶エリアに対して下入賞口33bへの入球に対応するものであることの情報が設定されることを、以下、上変動フラグをオフにすると称して説明する。ステップS504の後、ステップS505に移行する。
ステップS505では、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する大当たり判定処理を行う。尚、大当たり判定処理の詳細については後述する。
続くステップS506では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する下側種別判定処理を行う。尚、下側種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS505で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS505の大当たり判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「307」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、大当たり乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、大当たり乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設けているわけではなく、当否乱数記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当否乱数記憶エリアは2バイトを使用しており、当該ステップS5102では、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1010101010101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、当否乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、第1当否フラグをオンにすると称して説明する。
ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8〜16、308〜316」は、確変モードでのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように大当たり乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
当該ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで第2当否フラグをオンにするとあるのは、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1100110011001100」が設定されることを意味する。一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
尚、上記のように、本実施形態では、当否に関わる情報が2バイトを使用して記憶されるため、例えば、ノイズが生じた場合に当否フラグ(当否乱数記憶エリアの記憶内容)が書き換えられ、当選ではないのに大当たり状態が発生したり、当選なのに大当たり状態が発生しなかったりするといった事態を防止することができる。また、大当たり判定処理において当否乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、大当たり乱数カウンタC1の値を当否乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
次に、ステップS506の下側種別判定処理について、図15(b)を参照して説明する。
先ず、ステップS5201では、直前に行われた大当たり判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「15RN」に対応する値「0〜6」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において15RNフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアの他に、別途15RNフラグ、15RSフラグ、及び7RSフラグを設けているわけではなく、当選種別乱数記憶エリアに「15RN」、「15RS」、「7RS」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当選種別乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5203では、当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。本実施形態では、便宜上、当選種別乱数記憶エリアに対して「15RN」等の大当たり種別を示すパターンが設定されることを、大当たり種別を示すフラグ(15RNフラグ等)をオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「7RS」に対応する値「14〜19」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において、7RSフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00011111」を設定)にしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において15RSフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00010000」を設定)にしてから、本処理を終了する。
尚、種別判定処理において当選種別乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、種別決定カウンタC2の値を当選種別乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
次に、ステップS507のリーチ判定処理について、図16を参照して説明する。
先ず、ステップS5301では、直前に行われた大当たり判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5301で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアの他に、別途前後フラグを設けているわけではなく、リーチ乱数記憶エリアに「前後はずれリーチ」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、リーチ乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5303では、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、リーチ乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、前後フラグをオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5304で肯定判別された場合には、ステップS5305において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで前後以外フラグをオンにするとあるのは、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「11001100」が設定されることを意味する。
また、ステップS5304で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。尚、リーチ判定処理においてリーチ乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、変動選択カウンタC3の値をリーチ乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
図13の説明に戻り、ステップS507に続くステップS508では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が上入賞口33a又は下入賞口33bのどちらの入球を契機とするものかを示す情報とともに、大当たり判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理の結果を示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS508の処理の後、又は、ステップS501、或いはステップS502で否定判別された場合には、ステップS509において、遊技球が上入賞口33aに入賞したか否かを第1始動入賞ユニットスイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS510において、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS510で肯定判別された場合には、ステップS511に進み、上保留カウンタNa及び保留総数カウンタNxを1インクメントする。
続くステップS512では、大当たり乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値と、上入賞口33aへの入球を契機とするものであることの情報とを、特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア、変動契機記憶エリア)に格納する。尚、変動契機記憶エリアに対して上入賞口33aへの入球に対応するものであることの情報が設定されることを、以下、上変動フラグをオンに設定すると称して説明する。ステップS512の後、ステップS513に移行する。
ステップS513では、新たに特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する大当たり判定処理を行う。大当たり判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS514では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する上側種別判定処理を行う。当該上側種別判定処理については後述する。
続くステップS515では、ステップS513で大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。リーチ判定処理の詳細については既に上述している。
ここで、ステップS514の上側種別判定処理について、図15(a)を参照して説明する。
先ず、ステップS5501では、直前に行われた大当たり判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5501で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5502において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「15RN」に対応する値「0〜6」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5502で肯定判別された場合には、ステップS5503において15RNフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」を設定)にしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5502で否定判別された場合には、ステップS5504において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「7RS」に対応する値「16〜19」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5504で肯定判別された場合には、ステップS5505において、7RSフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00011111」を設定)にしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5504で否定判別された場合には、ステップS5506において15RSフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00010000」を設定)にしてから、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS515の後、ステップS516において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、本実施形態では、上入賞口33a、下入賞口33bに遊技球が入球すると、大当たり乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、大当たり判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、大当たり乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリア(作業エリア)を設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、大当たり判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
本実施形態では、ステップS504、S512において対応するカウンタバッファから大当たり乱数カウンタC1等の値を取得してくる処理が判定値抽出処理を構成し、ステップS504、S512において大当たり乱数カウンタC1等の値を特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する処理が判定値格納処理を構成し、ステップS505、S513の大当たり判定処理が当否判定処理(の一部、後述する変動表示設定処理で大当たりとなるか否かが確定する)を構成する。また、ステップS506、514の種別判定処理が当選種別判定処理を構成する。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図17のフローチャートを参照して説明する。
ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。
ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。このとき、サブ制御装置262に出力されるコマンドとして、保留されている変動表示の情報を知らせる保留情報コマンドがある。本実施形態の保留情報コマンドは、2バイトの2進数で構成され、上位バイトの上位4ビットでは保留情報コマンドであること(コマンド種別情報)が示され、上位バイトの下位4ビットでは保留されている変動表示の総数(保留数情報、数情報)が示され、下位バイトでは保留されている各変動表示が第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるか(保留順情報、判別情報、順番情報)が示されている。当該保留情報コマンドによって、停電後、復電した際に、停電前と同じように保留ランプ46を点灯させることができる。
より具体的には、主制御装置261からサブ制御装置262に出力されるコマンドのうち、保留情報コマンドの最上位ビットには「0」が設定され、保留情報コマンド以外のコマンドの最上位ビットには「0」ではなく「1」が設定される。これにより、コマンドの最上位ビットを確認することで、当該コマンドが保留情報コマンドであるか否かを特定できるようになっている。尚、本実施形態では、主制御装置261からサブ制御装置262に出力されるコマンドは2バイトの2進数で統一されており、また、保留情報コマンド以外のコマンドに関しては、上位バイト全体(8ビット)でコマンドの種類を示している。さらに、本実施形態では、主制御装置261からサブ制御装置262に出力される保留情報コマンド以外のコマンドのパターンは128種類以下となっており、当該コマンドの最上位ビットが「1」に固定されても、残り7ビットで128パターンを特定可能であるため、特に支障は生じない。
また、保留情報コマンドの最上位から2番目のビットには「1」が設定される。詳しくは後述するが、本実施形態では、保留情報コマンドは当該電源投入時だけに出力されるものではなく、特別図柄表示装置43L、43Rの変動表示の開始のタイミングでも出力されるようになっている。そして、最上位から2番目のビットに「1」が設定されることで、当該保留情報コマンドが電源投入時に出力されたものであることを特定可能としている。尚、本実施形態では、保留情報コマンドの上位バイトの上位から3番目及び4番目のビットについては特に情報を示すために使用されることはないが、例えば、保留情報コマンドの上位バイトの上位4ビット全体を使って保留情報コマンドであることを示したり、更なる情報を含ませたりすることとしてもよい。特に前者の構成を採用する場合、保留情報コマンド以外のコマンドでも、最上位ビットに0を設定可能となるため、保留情報コマンド以外のコマンドの種類を128種類以上としても、確実にコマンドを特定可能に構成することもできる。
さらに、保留情報コマンドの上位バイトの下位4ビットでは、保留されている変動表示の数(0〜8)に対応するビットパターンを形成する。すなわち、保留数が0の場合にはパターン1として「0001」、1つの場合にはパターン2として「0010」、2つの場合にはパターン3として「0011」、3つの場合にはパターン4として「0100」、4つの場合にはパターン5として「0101」、5つの場合にはパターン6として「0110」、6つの場合にはパターン7として「0111」、7つの場合にはパターン8として「1000」、8つの場合にはパターン9として「1001」が設定される。そして、サブ制御装置262では、この保留情報コマンドの上位バイトの下位4ビットを参照することで、保留総数(保留数情報)を把握することができる。
また、保留情報コマンドの下位バイトにおいては、各ビットが特別情報記憶エリアの各保留エリアと1対1で対応するように、第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかを示す。すなわち、保留情報コマンドの下位バイトの上位から1番目のビットが特別変動保留エリアの保留第1エリアに対応し、2番目のビットが保留第2エリアに対応し、3番目のビットが保留第3エリアに対応し、4番目のビットが保留第4エリアに対応し、5番目のビットが保留第5エリアに対応し、6番目のビットが保留第6エリアに対応し、7番目のビットが保留第7エリアに対応し、8番目のビット(最下位のビット)が保留第8エリアに対応する。そして、対応する保留エリアに記憶されている変動表示が第1変動表示であれば「1」が設定され、第2変動表示であれば「0」が設定される。例えば、変動表示が8つ保留され、かつ、保留された順に(先に消化される順に)、第2変動表示→第2変動表示→第1変動表示→第2変動表示→第1変動表示→第1変動表示→第2変動表示→第1変動表示である場合、下位バイトは「00101101」となる。また、保留されている変動表示の数が8よりも少ない場合、上位から保留数に対応するビットにおいて、特別変動保留エリアの各保留エリアの変動情報に対応する値が設定されるが、残りのビット(変動表示が保留されていない保留エリアに対応するビット)には、所定の値(例えば0)が設定される。そして、サブ制御装置262では、保留情報コマンドの上位バイトで保留総数を把握した後、その保留数分だけ、保留情報コマンドの下位バイトを上位ビットから読取っていき、それぞれに対応する保留ランプ46を青色又は赤色に発光させる。尚、保留数以上の読み取りは行わず、対応する保留ランプ46は消灯状態となる。以上のようにして、保留ランプ46の点灯態様を電源がオフされる前の状態に復帰させることができるように構成されている。勿論、RAM消去スイッチ323が押された状態で電源がオンされた場合には、主制御装置261の遊技状況に関する情報が消去(初期化)されるため、電源がオフされる前の状態には戻らない。
尚、本実施形態では、上入賞口33a及び下入賞口33bのうちのどちらに遊技球が入球したのかを示す情報が判別情報に相当する。さらに、始動入賞スイッチ224a及び224bのどちらかの検知があったことが、第1条件が成立したことに相当し、第1始動入賞スイッチ224aの検知があったことが、第1条件が成立し、かつ、第2条件をも満たすことに相当する。また、特別変動保留エリアの各保留エリアが判別情報記憶エリアを構成する。さらに、保留情報コマンドが情報コマンドを構成する。
ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43L、43Rや始動入賞ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(変動時間や演出態様など)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。尚、変動パターンコマンド等についても本来2バイトの2進数(保留情報コマンドと同様の出力方法)であるが、便宜上4ビット毎の16進数で示す。本実施形態では、例えば通常モード時には「FF10」,「FF11」,「FF12」,「FF13」,「FF14」,「FF15」,「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、確変モード時及び時間短縮モード時には、「FD10」,「FD11」,「FD12」,「FD13」,「FD14」,「FD15」,「FD16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF11」又は「FD11」が設定される。なお、本実施形態では、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は通常モード時には「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「10秒」となっている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチとして、スーパーリーチSR1,SR2,SR3の3種類が用意されており、スーパーリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている(通常モード時でSR1が25秒、SR2が30秒、SR3が35秒)。なお、確変モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。そして、スーパーリーチSR1ならば「FF12」又は「FD12」が変動パターンコマンドに設定され、スーパーリーチSR2ならば「FF13」又は「FD13」が設定され、スーパーリーチSR3ならば「FF14」又は「FD14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには、プレミアムリーチPR1,PR2の2種類が用意されており、プレミアムリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている(通常モード時で、PR1が40秒、PR2が60秒)。なお、確変モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。そして、プレミアムリーチPR1ならば「FF15」又は「FD15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば「FF16」又は「FD16」が設定される。
尚、特別表示装置43L、43Rでは、「15RN」、「15RS」、「7RS」、「外れ」のいずれに当選したものであるかを、それぞれに対応する停止態様を停止表示させることで確定的に教示するのであるが、装飾図柄表示装置42において変動表示が偶数のゾロ目で停止表示された場合、「15RN」、「15RS」、又は「7RS」のいずれであるかを特定することができない。当然、「15RN」及び「15RS」と、「7RS」とでは大当たり状態のラウンド数等で確実に判別可能であり、また、確変モード及び時間短縮モードと、通常モードとでは装飾図柄表示装置42における背景画像等で確実に判別可能となっている。これに対し、「15RN」と「15RS」とに関しては、変動表示中や大当たり状態中に確変大当たりであることを教示する特定の演出が行われなかった場合、特別表示装置43L、43Rの停止態様を確認していなければ、基本的に、「15RN」又は「15RS」のどちらに当選したかの判別がつかず、さらには、確変モード又は時間短縮モードのどちらであるかの区別も付かない。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF10」又は「FD10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード時「10秒」、確変モード及び時間短縮モード時「6秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変大当たり図柄の組合わせ、通常大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「AA11」,「AA12」,「AA13」,「AA14」,「AA15」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する図柄の組合わせを停止表示する。
以下、停止図柄の区分、及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。確変大当たり図柄の組合わせは、1,3,5,7,9のいずれかの奇数のゾロ目からなる図柄の組合わせである。また、通常大当たり図柄の組合わせは、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる図柄の組合わせである。本実施形態では、確変大当たり(「15RS」又は「7RS」)の場合には、確変大当たり図柄又は通常大当たり図柄のどちらかの組合せで変動表示が停止表示され、通常大当たり(「15RN」)の場合には、通常大当たり図柄の組合わせで変動表示が停止表示されることとなる。
そして、確変大当たりの場合には図柄コマンドに「AA11」が設定され、通常大当たりの場合には図柄コマンドに「AA12」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに「AA11」が設定されている場合、1〜9のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定し、「AA12」が設定されている場合、2,4,6,8のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA13」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA14」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA15」が設定される。本実施形態では、装飾図柄表示装置42にて前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせが停止表示された場合、「外れ」となる。
尚、装飾図柄表示装置42にて最終的に大当たり図柄の組合わせやチャンス図柄の組合わせが停止表示される場合の変動態様としては、必ずしも上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に図柄が停止表示される必要はなく、異なる順番で停止表示されたり、複数の図柄が同時に停止表示されたりすることとしてもよい。また、上・中・下図柄表示領域において、大当たり図柄の組合わせやチャンス図柄の組合わせ以外の組合わせが一旦停止表示された後、上・中・下図柄表示領域の全ての図柄が再び変動し、最終的に大当たり図柄の組合わせやチャンス図柄の組合わせが停止表示される場合もある。尚、全ての図柄表示領域において図柄が停止表示されてから所定時間(例えば0.4秒程度)が経過するまでは、各図柄表示領域において図柄が微妙に動き続けており、前記所定時間が経過した時点で完全に停止(確定停止表示)される。また、上記再びの変動は、前記所定時間が経過するまでの間に開始されるものである。加えて、装飾図柄表示装置42における変動表示の確定停止表示のタイミングと、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示の停止のタイミングとは同時となっている。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「AA13」〜「AA15」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。尚、本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「AA13」〜「AA15」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1種類だけであって、サブ制御装置262で装飾図柄の組合わせを決定する構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では59,37)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32に関する制御が行われる。これにより、大当たり状態となった場合には、可変入賞装置32(大入賞口)の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、始動入賞ユニット33に関する制御が行われる。この契機対応ユニット制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では59,37)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211,S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図18のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、詳しくは後述する大当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。尚、大当たり状態中には、特定表示装置43L、43Rにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから可変入賞装置32が開放されるまでの間のオープニング期間と、可変入賞装置32が開状態とされるラウンド期間と、ラウンド間の可変入賞装置32が閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43L、43Rの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。本実施形態の大当たり状況記憶エリアは、大当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されている。すなわち、当該ステップS801では、大当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別する。尚、大当たり状況記憶エリアに「0」〜「3」等の数値が記憶されているとあるのは便宜上のことで、実際には大当たり状況記憶エリアは2バイトを使用しており、以下の説明でも大当たり状況記憶エリアに例えば「1010101010101010」等が設定されていることを「0」等が記憶されていることとして記載する。
ステップS801で否定判別された場合、すなわち大当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS801で肯定判別された場合には、ステップS802において、詳しくは後述する第1表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、第1表示中フラグがオン状態の場合には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグがオフ状態の場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
そして、ステップS802で否定判別された場合、すなわち、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS803に進み、保留されている変動表示の総数(保留されている第1変動表示と第2変動表示との合計数)をカウントする保留総数カウンタNxの値が0よりも大きいか否かを判別する。ステップS803で否定判定された場合、すなわち、変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS803で肯定判別された場合、すなわち、変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS804において、保留総数カウンタNxから1を減算する。
続くステップS805では、特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、特別変動保留エリアの保留第1〜第8エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリア、保留第5エリア→保留第4エリア、保留第6エリア→保留第5エリア、保留第7エリア→保留第6エリア、保留第8エリア→保留第7エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS805の後、ステップS806において、特別変動保留エリアの実行エリアにおいて上変動フラグがオンになっているか否か(実行エリアの変動契機記憶エリアに上入賞口33aへの入球を契機とする第1変動表示である旨の情報が記憶されているか否か)を判別する。当該ステップS806で肯定判別された場合、すなわち、第1変動表示が実行される場合には、ステップS807に移行し、上保留カウンタNaから1を減算する。続く、ステップS808では、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行う。
その後、ステップS809で保留に関する情報をサブ制御装置262に伝えるための保留情報コマンドを設定してから、ステップS810に移行する。ステップS809で設定される保留情報コマンドは、電源の投入時に上記ステップS109で設定される保留情報コマンドと基本的に同じものである。但し、変動表示の開始時に出力された保留情報コマンドであることを示すべく、2バイトで構成される保留情報コマンドのうち、最上位から2番目のビットが「0」に設定される(電源投入時の保留情報コマンドの最上位から2番目のビットには「1」が設定される)。
尚、本実施形態では、保留情報コマンドのうち、最上位から3番目及び4番目のビットパターンは特に意味を持たない構成となっているが、保留情報コマンドのうち最上位から3番目のビットで、実行エリアの変動表示は、第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかの情報が示される(例えば、第1変動表示であることを示す場合には「1」、第2変動表示であることを示す場合には「0」が設定される)こととしてもよい。
また、ステップS806で否定判別された場合、すなわち、下入賞口33bへの入球を契機とする第2変動表示が実行される場合には、ステップS811に移行し、下保留カウンタNbから1を減算する。続く、ステップS812では、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行う。その後、ステップS809で保留情報コマンドを設定してから、ステップS810に移行する。
ステップS810では変動表示設定処理が行われる。ここで、変動表示設定処理の詳細について、図19を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには「11」、「12」、「21」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌して、第1又は第2当否フラグ(図14の大当たり判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参酌し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、15RSフラグ(図15の種別判定処理参照)がオン設定されている否かを判別する。ステップS904で肯定判別された場合、すなわち「15RS」である場合には、ステップS905にて15RSパターン設定処理(変動パターンコマンド及び図柄コマンドを設定する処理)を行う。15RSパターン設定処理は、「15RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて、特別表示装置43L、43Rや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンド及び図柄コマンドの設定等を行う。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。ステップS905の後、後述するステップS914に移行する。
また、ステップS904で否定判別された場合には、ステップS906において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、7RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS906で肯定判別された場合、すなわち「7RS」である場合には、ステップS907にて7RSパターン設定処理を行う。ステップS907の後、ステップS914に移行する。
一方、ステップS906で否定判別された場合、すなわち「15RN」である場合には、ステップS908において15RNパターン設定処理を行う。ステップS908の後、ステップS914に移行する。
また、ステップS902又はステップS903で否定判別された場合、すなわち大当たりではないと判別された場合には、ステップS909において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後フラグ(図16のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS909で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS910にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS914へ移行する。
また、ステップS909で否定判別された場合には、ステップS911において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS911で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS912にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS914へ移行する。
また、ステップS911で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS913において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS914に移行する。
ステップS914では、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。
第1表示タイマとは、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、特別表示装置43L、43Rの変動開始と同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43L、43Rの停止表示と同時に、図柄コマンドに基づいた図柄の組み合わせにて装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる。ステップS914の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、変動表示設定処理の当否フラグに基づいて各種大当たりフラグを設定するステップS901〜S903の処理が当否判定処理(の一部)を構成する。また、始動入賞処理のステップS504、S512の大当たり乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS505、513の大当たり判定処理と、変動表示設定処理の当否フラグに基づいて各種大当たりフラグを設定する処理とによって当否抽選が構成される。さらに、変動表示設定処理において変動パターンコマンドを設定し、当該変動パターンコマンドを次回の通常処理でサブ制御装置262に出力する処理が変動開始設定処理を構成する。
図18の説明に戻り、ステップS802で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS813に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、第1表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS814に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップS814が肯定判別される。
ステップS814で否定判別された場合には、ステップS818において、特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップS814で肯定判別された場合には、ステップS815において第1表示中フラグをオフし、ステップS816において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、各大当たり種別や外れに対応する停止態様で停止表示させる。また、サブ制御装置262にも装飾図柄表示装置42の停止表示を行う旨のコマンドが出力される。これにより、特別表示装置43L、42R及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された図柄コマンドや変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、このような特別表示装置43L、43Rによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS817において判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、判別情報設定処理について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、大当たり状態の発生を示す大当たりフラグ(15RNフラグ、15RSフラグ、7RSフラグ)がオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002以下の大当たり状態の初期設定を行うための処理に移行する。ステップS1002では、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、7RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1002で肯定判別された場合、ステップS1003において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「7」を設定する。一方、ステップS1002で否定判別された場合、ステップS1004において、ラウンド数カウンタに「15」を設定する。ステップS1003、又はステップS1004の後、ステップS1005に移行する。
ステップS1005では、大当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1006では、大当たり状態中の制御(可変入賞装置32の開閉制御)に用いられる第1可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1007では、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223の検出情報により判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1008では、サブ制御装置262に対して大当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、大当たり種別の情報が含まれ、サブ制御装置262でも大当たり状態の全ラウンド数が把握できるようになっている。ステップS1008の後、本処理を終了する。
尚、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(例えば、装飾図柄表示装置42で偶数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「15RS」又は「7RS」に当選したことを教示したり、装飾図柄表示装置42で奇数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「15RS」に当選したことを教示したりする)を行うこととしてもよい。本実施形態では、ステップS1002〜S1008の処理、及び後述する可変入賞装置制御処理が特別遊技処理を構成する。
また、ステップS1001で否定判別された場合、すなわち「外れ」と判別された場合には、ステップS1009へ移行する。ステップS1009では、モード記憶エリアに設定されている値が時間短縮モードであることを示す「12」であるか否かを判別する。ステップS1009で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1009で肯定判別された場合には、ステップS1010において、時間短縮モードの継続期間を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。後述するように、本実施形態では、「15RN」の大当たり状態終了時において変動回数カウンタに「100」が設定され、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に当該ステップS1010において1減算される。
続くステップS1011では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1011で否定判別された場合、すなわち、時間短縮モードが開始されてから未だ特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)において変動表示が100回行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1011で肯定判別された場合には、ステップS1012において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が100回行われた時点で時間短縮モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1012の後、本処理を終了する。
さて、次に、上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図21のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、大当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて大当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中である場合(大当たり状況記憶エリアに「1」〜「3」のいずれかが設定されている場合)にはステップS1202に移行し、第1可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて第1可変タイマに「2000」が設定されている。
続くステップS1203では、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1203で肯定判別された場合には、ステップS1204において、大当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、大当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続く、ステップS1206では、第1可変タイマに対して可変入賞装置32の開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。
ステップS1206の後、ステップS1207では、可変入賞装置32を開状態とさせる処理を行い、ステップS1208では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合には、ステップS1209において大当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、大当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1209で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1210においてラウンド数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1211では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1211で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1212に移行し、大当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1213において、第1可変タイマに対してインターバルの時間(4秒)に対応する値「1000」を設定し、ステップS1214において、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1215において、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、ステップS1216において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1203で否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32の開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1217に移行し、可変入賞装置32への入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、可変入賞装置32に遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1217で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1217で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1210に移行する。これにより、1回のラウンド中に可変入賞装置32に対して遊技球が8個入球した場合には、開放期間30秒が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1211で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1218に移行し、大当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1218の後、ステップS1219において、第1可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。
続くステップS1220では、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1217で肯定判別された後の流れでステップS1218以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1217で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1220で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。
ステップS1220の後、ステップS1221では、可変入賞装置32を閉状態とさせる処理を行い、続くステップS1222では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1209で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1223に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されており、当該モード記憶エリアの設定処理では、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアに設定されている各種大当たりフラグに基づいて、対応する値が設定される。上記のように、モード記憶エリアには「11」、「12」、「21」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応している。
ここで、終了設定処理について、図22を参照して説明する。
先ず、ステップS1401では、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアに15RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1401で肯定判別された場合、ステップS1402において、モード記憶エリアに時間短縮モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与されることとなる。
続くステップS1403では、変動回数カウンタに対して「100」を設定する。尚、変動回数カウンタとは、上述したように時間短縮モードの継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、上記モード記憶エリアの設定処理にてモード記憶エリアに「12」が設定される場合に、変動回数カウンタの値として変動表示100回分に相当する「100」が設定されることとなる。ステップS1403の後、本処理を終了する。
また、ステップS1401で否定判別された場合、すなわち、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアに「15RS」又は「7RS」が記憶されている場合には、ステップS1404において、モード記憶エリアに対して確変モードに対応する値「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。その後、本処理を終了する。
図21の説明に戻り、ステップS1223の後、ステップS1224において、大当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1225において、サブ制御装置262に対して大当たり状態を終了する旨の情報を伝える大当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、大当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された遊技モードや変動回数カウンタの回数情報が含まれている。
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
図23において、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグがオンであるか否かを判別することで、普通図柄表示装置41による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。本実施形態では、通常モードにおいては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間は6秒であるため、第2表示タイマには「1500」が設定される。また、確変モード、時間短縮モードにおいては普通図柄表示装置41の変動時間が2秒であるため、第2表示タイマに「500」が設定される。当該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において切換表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において第2表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜9のうち「3〜8」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、普通図柄判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、始動入賞ユニット33の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、入球アシストフラグをオン設定し、第2可変フラグをオン設定し、第2可変タイマに開放時間を設定し、駆動回数カウンタに始動入賞ユニット33(開閉部材33c)の駆動回数(開放回数)を設定する。
入球アシストフラグとは、入球アシスト抽選の当選に基づく処理中であるか否かを判別するための判別情報である。第2可変フラグとは、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。第2可変タイマとは、始動入賞ユニット33の開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。駆動回数カウンタとは、開閉部材33cを開放させる回数(残り回数)を計測手段である。
また、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、始動入賞ユニット33に対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には始動入賞ユニット33に対し開閉部材33cを開放する旨の制御信号が出力され、始動入賞ユニット33が開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には始動入賞ユニット33に対し開閉部材33cを閉鎖する旨の制御信号が出力され、始動入賞ユニット33が閉状態となる(開閉部材33cが閉状態とされ、下入賞口33bへの遊技球の入球が不可能となる)。
尚、本実施形態では、高入球状態(確変モード及び時間短縮モード)と低入球状態(通常モード)とで始動入賞ユニット33の開放時間及び開放回数が異なる。本実施形態では、高入球状態においては、第2可変タイマに対して「500」が設定されるとともに、駆動回数カウンタに「3」が設定される。一方、低入球状態においては、第2可変タイマに対して「150」が設定されるとともに、駆動回数カウンタに「1」が設定される。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS208の契機対応ユニット制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、入球アシストフラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において第2可変タイマの値を1減算する。
続くステップS2203では、第2可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2203で肯定判別された場合、すなわち、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が開状態である場合には、ステップS2204において、第2可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、予め規定された始動入賞ユニット33の開放時間が未だ経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2204で肯定判別された場合には、ステップS2205に移行し、第2可変フラグをオフする。続くステップS2206では、駆動回数カウンタの値を1減算する。その後、ステップS2207において、駆動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2207で肯定判別された場合には、ステップS2208において入球アシストフラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS2208で否定判別された場合、すなわち、当選した入球アシスト抽選が確変モード又は時間短縮モードで行われたものであって、それに基づいて始動入賞ユニット33が3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2209で第2可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「100」)を設定する。ステップS2209のあと、本処理を終了する。
また、ステップS2203で否定判別された場合、すなわち、始動入賞ユニット33が3回開放される間のインターバル期間(始動入賞ユニット33は閉状態)である場合には、ステップS2210に移行し、第2可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2210で否定判別された場合、すなわち、未だインターバル期間が経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2210で肯定判別された場合には、ステップS2211で第2可変フラグをオンし、ステップS2112で第2可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では「500」)を設定してから、本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図25を参照して受信割込み処理を説明し、その後図26を参照してメイン処理を説明する。
図25は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図27に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図26を参照して説明する。図26は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図27のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図28を参照して以下に説明する。
図28は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図25参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図27のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図29を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。尚、入出力ポート554には少なくとも16本の入出力ピン(ポート)が設けられており、2バイトのコマンドでの遣り取りが行われるようになっている。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、RAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、上入賞口33a又は下入賞口33bのどちらの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報が含まれる。
保留情報記憶エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、8つの保留エリア(保留第1〜保留第8エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。保留情報記憶エリアには、先発コマンドの受信履歴に合わせて、第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかの情報、大当たりか否かの情報、大当たり種別、及びリーチ種別等の変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、上入賞口33a及び下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示の情報(変動情報)をそれぞれ4つずつ合計で8つ保留記憶することができ、結果的に、主制御装置261の特別変動保留エリアに記憶された変動情報を、サブ制御装置262においても把握することができる。
以下、保留情報格納処理について、図32を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において、保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする保留情報カウンタNdを1インクメントする。それから、ステップS4103では、先発コマンドに含まれる第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかの情報、大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、リーチ種別の情報等を、保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
また、続くステップS4104では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、連続予告が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定(連続演出抽選)するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の態様(種別)を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4103にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報記憶エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶された連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
続くステップS4105では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。当該ステップS4105の連続予告抽選処理では、保留情報カウンタNdの値が「2」以上である場合に、保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
その後、ステップS4106では、先発コマンドが第1変動表示(上入賞口33aへの入球に基づく変動表示)に対応するものであるか否かを判別する。ステップS4106で肯定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第1変動表示に対応するものであった場合には、ステップS4107において、消灯状態にある保留ランプ46のうち、向かって一番左側のものを青色で点灯状態とする。その後、本処理を終了する。
一方、ステップS4106で否定判別された場合、ステップS4108において、消灯状態にある保留ランプ46のうち、向かって一番左側のものを赤色で点灯状態とする。その後、本処理を終了する。
図29の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3912へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図30に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA11」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、図柄コマンドが通常大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA12」である場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図31に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合わせ(上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を修了する。
図29の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図33を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、保留情報コマンドを受信したか否か(保留情報コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。尚。上記のように、本実施形態では、保留情報コマンドは、電源投入時(RAM消去スイッチ323が操作されていない場合)、及び、特別図柄表示装置43L、43R(及び装飾図柄表示装置42)の変動表示の開始時において主制御装置261から出力される。当該ステップS4201で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4201で肯定判別された場合、すなわち、最上位ビットに「0」が設定されているコマンドを受信した場合には、ステップS4202において、変動表示の開始時に出力された保留情報コマンドであるか否かを判別する。ステップS4202で肯定判別された場合、すなわち、コマンドの最上位から2番目のビットに「0」が設定されている場合には、ステップS4203において、保留情報カウンタNdの値を1減算する。
続くステップS4204では、保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留情報記憶エリアの保留第1〜第8エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリア、保留第5エリア→4実行エリア、保留第6エリア→保留第5エリア、保留第7エリア→保留第6エリア、保留第8エリア→保留第7エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS4204の後、ステップS4205で保留ランプ設定処理を行う。保留ランプ設定処理では、点灯状態にある保留ランプ46のうち向かって一番右側のものを消灯させるとともに、データが記憶されている各保留ランプに対応する保留ランプ46を各保留エリアのデータに基づいて赤色又は青色に発光させる。尚、保留ランプ設定処理を行うことで、保留ランプ46のうち向かって左側から2番目〜8番目の点灯態様がそれぞれ左隣の保留ランプ46にそっくり移るような態様となり、結果的に点灯状態にあった保留ランプ46のうち向かって一番右側のものが消灯されることとなる。ステップS4205の後、本処理を終了する。
また、ステップS4202で否定判別された場合、すなわち、保留情報コマンドが電源投入時に出力されたものである場合、ステップS4206において電源投入時の保留ランプ設定処理を行う。当該ステップ4206の電源投入時の保留ランプ設定処理について、図35を参照して説明する。
尚、上記のように、保留情報コマンドは2バイトの2進数で構成され、上位バイトの上位4ビットでコマンドの種別が示され、上位バイトの下位4ビットで保留されている変動表示の数が示され、下位バイトの各ビットで、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに保留されている変動表示は上入賞口33a及び下入賞口33bのどちらへの入球に対応するものであるか(第1変動表示および第2変動表示のどちらであるか)が示されている。例えば、先の消化されるものから第2変動表示、第2変動表示、第1変動表示、第2変動表示の順で合計4回の変動表示が保留されている状態において当該ステップS4206が行われることとなる場合の保留情報コマンドは「0100010100100000」となっている。また、説明の便宜上、8つの保留ランプ46のうち向かって左側のものから保留第1ランプ〜保留第8ランプとも称する。
先ず、ステップS4301では、保留情報コマンドの上位バイトの下位4ビットを参照し、そのビットパターンに基づいて保留されている変動表示の総数(保留総数)を把握する。ステップS4301の後、ステップS4302において、保留ランプ46の点灯処理を行う回数をカウントするための保留処理カウンタに対して保留総数と同じ値を設定する。例えば、変動表示の保留がない場合、保留処理カウンタの値は「0」となる。
続くステップS4303では、保留処理カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS4303で否定判別された場合には、ステップS4304において、保留情報コマンドの下位バイトの各ビットのうち、保留処理カウンタの値に対応するビットを参照し、「1」が設定されているか否かを判別する。尚、保留処理カウンタの値が「1」であれば保留情報コマンドの下位バイトの最上位ビットを参照し、「2」であれば下位バイトの最上位から2番目のビットを参照し、「3」であれば下位バイトの最上位から3番目のビットを参照し、「4」であれば下位バイトの最上位から4番目のビットを参照し、「5」であれば下位バイトの最上位から5番目のビットを参照し、「6」であれば下位バイトの最上位から6番目のビットを参照し、「7」であれば下位バイトの最上位から7番目のビットを参照し、「8」であれば保留情報コマンドの下位バイトの最下位のビットを参照する。
ステップ4304で肯定判別された場合には、ステップS4305において、8つの保留ランプ46のうち、保留処理カウンタの値に対応する保留ランプ46を「青色」に発光させる。一方、ステップS4304で否定判別された場合には、ステップS4306において、保留処理カウンタの値に対応する保留ランプ46を「赤色」に発光させる。尚、保留処理カウンタの値が「1」であれば保留第1ランプの点灯処理を行い、「2」であれば保留第2ランプの点灯処理を行い、「3」であれば保留第3ランプの点灯処理を行い、「4」であれば保留第4ランプの点灯処理を行い、「5」であれば保留第5ランプの点灯処理を行い、「6」であれば保留第6ランプの点灯処理を行い、「7」であれば保留第7ランプの点灯処理を行い、「8」であれば保留第8ランプの点灯処理を行う。
ステップS4305及びステップS4306の後、ステップS4307において、保留処理カウンタを1減算する。ステップS4307の後、上記ステップS4303に移行する。すなわち、保留処理カウンタが「0」になるまで、各保留ランプ46の点灯処理が繰り返され、保留処理カウンタが「0」となり、ステップS4303で肯定判別されることで、本処理が終了する。
尚、例えば、4回分の変動表示が保留されている状態で出力される保留情報コマンドでは、下位バイトにおいて上位4ビットを使用して4回分の変動表示に関する情報を示しているが、下位4ビットには適当な数値(例えば「0」)が設定されるだけであり、有効な情報ではない。これに対して、かかる保留情報コマンドには、4回分の変動表示が保留されている旨の保留数情報も示されるため、この保留数情報に基づいて、保留情報コマンドの下位バイトの上位4ビット分だけを参照して保留ランプ46の設定処理を行い、下位バイトの下位4ビットは参照しないといった制御を実行することができる。
また、当該ステップ4206が行われる状況としては電源の投入時であるため、保留ランプ46は消灯状態となっており、当該ステップ4206が行われることで、変動表示の保留がある場合には、保留ランプ46が点灯される。ステップS4206の後、本処理を終了する。
尚、本例では、変動表示の開始時に出力される保留情報コマンドを受信した場合、ステップS4205において、保留情報記憶エリアのデータに基づいて保留ランプ46の点灯処理を行っているが、保留情報コマンドに基づいて点灯処理を行うこととしてもよい。つまり、変動表示の開始時に出力される保留情報コマンドについても、変動表示を開始させる際に特別変動保留エリアのデータをシフトさせた後の各保留エリアの情報を有しているため、確実に点灯制御を行うことが可能である。この場合、保留情報コマンドに基づいて点灯制御を行う前に点灯状態にある保留ランプ46のうち一番右側のものあるいは全部を消灯することとしてもよいし、保留情報コマンドに基づいて保留数に対応する回数だけ保留ランプ46の点灯制御を行った後、点灯制御の行われなかった保留ランプ46を消灯するように構成してもよい。
図29の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動時間に対応する値を変動時間タイマに設定するとともに、変動パターン、変動時間、及び停止図柄に基づいて、対応するテーブルを参照し、画像パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する。
また、表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、コマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。通常、サブ制御装置262にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまで(ステップS3907で設定された変動時間タイマが0になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
また、変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4105の連続予告抽選処理参照)がオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125の操作に対応する表示を行ったりする。
本実施形態では、大当たり状態の発生を期待させる予告演出として、装飾図柄表示装置42の表示部において特定表示としての魚群が右から左に通り過ぎるような演出を行う場合がある。上入賞口33aへの入球を契機とする第1変動表示においてかかる魚群が表示され、当該第1変動表示にて大当たりの発生が教示された場合には、「15RN」、「15RS」、又は「7RS」のいずれかの大当たり状態が発生するように構成されている。一方、下入賞口33bへの入球を契機とする第2変動表示においてかかる魚群が表示され、当該変動表示にて大当たりの発生が教示された場合には、「15RS」、又は「7RS」のどちらかの大当たり状態が発生する(確変大当たりするときにしか魚群を表示させない)ように構成されている。つまり、第1変動表示にて表示される魚群と第2変動表示にて表示される魚群とでは意味合いが異なっている。勿論、第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかを把握していなければ、魚群の意味合いを正確に把握することができない。
さらに、本実施形態では、リーチ状態となった際に特定表示としてのイルカが表示される場合がある。このイルカは、第1変動表示においては、通常モード、時間短縮モード、及び確変モードのいずれのモードでも導出される可能性があるが、第2変動表示においては、通常モード及び時間短縮モードで導出される可能性はなく、確変モードでのみ導出される可能性がある。つまり、第2変動表示においてイルカの出現を確認した場合には、確変モードであることを把握することができる。換言すれば、イルカの出現を確認したが、第1変動表示なのか第2変動表示なのかを把握していない場合、確変モードであるか否かを把握することはできない。尚、第2変動表示におけるイルカの出現確率は、スーパーリーチが発生する際の1/10程度の確率で表示される。
また、当該ステップS3907の表示設定処理では、大当たり中の演出制御を行う処理(大当たり表示処理)についても行われるが、これについては後述する。
ステップS3908のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3909の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカ24の出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3909で行われる。
ステップS3910では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3911では、上記ステップS3905〜3910の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905〜S3911の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3912に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3913に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3912で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3914において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に、ステップS3907の表示設定処理において行われる大当たり表示処理について、図34を参照して説明する。
先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「15RN」又は「15RS」であれば「15」を設定し、「7RS」であれば「7」を設定する。
その後、ステップS4703において、8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブルが設けられており、当該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4704においてインターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4704で肯定判別された場合、ステップS4705において、最大で30秒のラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4704で否定判別された場合、ステップS4706において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4706で肯定判別された場合、ステップS4707でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4708で4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4706で否定判別された場合、ステップS4709においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4709で肯定判別された場合、ステップS4710でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4711で10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4709で否定判別された場合、ステップS4712において大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4712で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4712で肯定判別された場合には、ステップS4713において、エンディング表示を直ちに終了させ、変動表示が行われる通常時の表示態様とする設定を行う。尚、通常時の表示態様とは、通常モード、確変モード、及び時間短縮モードのいずれかであり、本例では、大当たり状態終了後に通常モードとなることはなく、さらに、確変モード及び時間短縮モードの表示態様が共通であるため、ここでは、確変モード及び時間短縮モードに対応した表示態様とされる。その後、本処理を終了する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、上入賞口33a、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機として抽出される大当たり乱数カウンタC1の値等の変動情報を記憶可能な保留エリアを複数(8つ)有する特別変動保留エリアが設けられている。換言すれば、大当たり乱数カウンタC1の値等の変動情報に基づいて行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示を複数回分保留可能に構成されている。このため、大当たり状態の発生に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が保留エリアに記憶された場合、その時点で大当たり状態の発生の権利が得られていることになる。従って、このような変動表示が保留される構成においては、遊技者は、停電が起きると、停電前の時点で保留されていた変動表示の数(保留数)が減ったり、内容が変わったりするのではないか、ひいては、大当たり状態を発生させる権利が消失してしまうのではないかと不安になり、保留に関する情報が遊技者に目視できる形で教示される保留ランプ46の表示態様に敏感に反応することが考えられる。このため、保留ランプ46の表示態様が停電前と復電後とで少しでも変わっていると、遊技者は疑心を抱き、結果的に興趣の低下を招くおそれがある。
また、8つある保留ランプ46では、保留数だけでなく、各保留が第1変動表示及び第2変動表示のどちらであるかの区別が付くようになっている。さらに、第1変動表示の保留を示す青色に発光している保留ランプ46と、第2変動表示の保留を示す赤色に発光している保留ランプ46とがある場合には、これら複数の保留ランプ46でなす点灯状態の配列が生じる。つまり、青色点灯している保留ランプ46の数、赤色点灯している保留ランプ46の数、青色点灯している保留ランプ46の位置、及び、赤色点灯している保留ランプ46の位置が停電前と停電後とで合致していなければ、保留ランプ46の点灯態様が停電前と復電後とで変化していることになる。
この点、本実施形態によれば、大当たり乱数カウンタC1の値等の変動情報が記憶されている保留エリアの数(保留数)を示す保留数情報と、各保留エリアに記憶されている変動情報が、上入賞口33a又は下入賞口33bのどちらの入球に基づいて記憶されたもの(第1変動表示又は第2変動表示のどちら)であり、かつ、どのような順番で記憶されたのかを示す保留順情報とを含む保留情報コマンドを、電源投入時及び変動開始時に主制御装置261からサブ制御装置262に出力されるよう構成されている。つまり、保留数情報によって点灯させる保留ランプ46の数を把握することができ、保留順情報によって、点灯させる保留ランプ46のうちのどれを青色発光させ、どれを赤色発光させるのかを把握することができる。このため、停電が起きた場合でも、保留情報コマンドを主制御装置261からサブ制御装置262に出力することで、サブ制御装置262は、保留情報コマンドに基づいて、保留ランプ46を停電前と同じ点灯態様に復帰させることができる。従って、停電前と復電後とで保留ランプ46の態様が変わることで、遊技者に猜疑心を抱かせてしまい、興趣の低下を招くといった事態を防止することができる。
さらに、復電後において保留ランプ46の態様を停電前と同じ状態に復帰させることができるため、停電前は保留ランプ46から得ることのできた情報を停電後では得られなくなることで、遊技性の低下等を招くといった事態を防止することができる。
また、例えば、特別変動保留エリアの各保留エリアに記憶された保留情報を保留エリア毎に逐一読み出して逐一サブ制御装置262に出力する場合、保留情報をサブ制御装置262に出力する以外にも様々な制御を行う必要のある復電時の主制御装置261の処理の負担が増えるとともに、復電時の処理に要する時間が長くなることが懸念される。これに対し、本実施形態では、保留ランプ46の点灯態様の再現に必要な全保留エリアに関する情報が保留情報コマンドによって一括でサブ制御装置262に出力される。これにより、上記不具合を払拭することができる。
尚、サブ制御装置262にバックアップ機能を持たせることも考えられるが、この場合、コストアップが懸念される上、サブ制御装置262の処理の複雑化を招くおそれもある。さらに、サブ制御装置262にバックアップ機能があったとしても、復電後においてサブ制御装置262に記憶されている情報が主制御装置261に記憶されている情報と合致するか否か(記憶されている情報が正しいか否か)を確認する必要があるので、特に主制御装置261の制御の簡素化が図られるわけでもない。
また、特別変動保留エリアの各保留エリアと、保留情報コマンドの保留順情報を構成する各ビット情報とが1対1で対応しており、保留記憶エリアの各保留エリアと各保留ランプ46とが1対1で対応しており、さらに、保留記憶エリアの保留エリアには順序付けがなされている。このため、特別変動保留エリアに記憶されている変動情報のうち何番目に記憶された変動情報が第1変動表示又は第2変動表示のどちらに対応するかの対応関係が明確になり、保留情報コマンドの設定を比較的スムースに行うことができる。また、サブ制御装置262側でも、保留順情報を示す各ビット情報を順次各保留ランプ46の点灯態様に当てはめるようにして保留ランプ46の点灯制御を行えばよく、かかる制御を比較的スムースに行うことができる。
尚、例えば、保留順情報を保留数情報と同じように、8つ全ての保留ランプ46による消灯状態となる場合も含めた点灯態様の組み合わせを数値化(別の形式の情報形態に変換)して保留順情報として設定し、サブ制御装置262で数値化された点灯態様の組み合わせを解読する場合のように、保留情報コマンドの保留順情報を設定するときに参照するテーブル、及び、サブ制御装置262で保留順情報を解読するときに参照するテーブル等が煩雑になり、制御の複雑化等を招いてしまうおそれがある。例えば、保留ランプ46が全部で4つの場合であっても、4つの保留ランプ46の点灯態様の組み合わせは31パターンあり、また、近年では、本実施形態のように保留ランプ46が4つ以上のものも多く見受けられることから、パターンを場合分けして対応するテーブルを参照する処理が比較的複雑になることが懸念される。これに対し、本実施形態では、各保留エリアに第1変動表示又は第2変動表示のどちらが記憶されているかを示すものとして、保留情報コマンドの保留順情報用の8ビットのうちの1ビットと、8つの保留ランプ46のうちの1つとが割り当てられている。つまり、対応関係が明確であり、複雑なテーブル等を用いなくても済むため、上記不具合を回避でき、制御の簡素化等を図ることができる。
また、主制御装置261からサブ制御装置262に出力されるコマンドは2バイトの2進数で構成されている。これにより、処理の簡素化を図ることができる。また、2進数では、各ビットにおいて2パターンまでしか示すことができない。つまり、各保留に記憶されている変動表示は第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかを示すだけで、各保留エリアに変動表示が保留されているか否かまでは示すことができない。この点、保留情報コマンドには、保留数情報が含まれ、当該保留数情報により、変動表示が保留されている保留エリアと保留されていない保留エリアとを区別する、すなわち、点灯させるべき保留ランプ46と、消灯させるべき保留ランプ46とを区別することができるため、確実に保留ランプ46の点灯制御を実行することができる。
さらに、本実施形態では、主制御装置261からサブ制御装置262に出力されるコマンドのうち、保留情報コマンド以外のコマンドは、コマンドの種別を特定するために上位8ビットを使用して示し、保留情報コマンドはコマンドの種別を特定するために上位4ビット(本例では実際には上位2ビットしか使用していない)を使用している。さらに、主制御装置261からサブ制御装置262に出力されるコマンドが保留情報コマンドであるか否かについては、コマンドの上位1ビット(最上位ビット)だけで区別が付くように構成されている。つまり、保留情報コマンドである場合には最上位ビットが「0」とされ、それ以外のコマンドである場合には最上位ビットが「1」とされる。
これにより、全2バイトの保留情報コマンドのうち、保留情報コマンドであることを示すために使用するビット数を減らす一方で、その他の情報を示すビット数を増やすことができる。すなわち、保留情報コマンドは、上記のように、特別変動保留エリアの保留エリアの数と同じ数のビット数を使用して保留順情報を示すことから、多くのビット数を確保する必要が生じ易い傾向にあるが、保留情報コマンドであることを示すために使用するビット数を減らすことで、全体としてのビット数の増大を抑止することができる。従って、情報を確実に伝えつつ、保留情報コマンドを構成するビット数が、保留情報コマンド以外のコマンドを構成するビット数よりも遥かに多くなってしまうといった事態を抑制することができる。結果として、保留情報コマンドのためだけに主制御装置261及びサブ制御装置262の情報の入出力機能(集積回路のピン等)を増大させなければならない等といった事態を抑止することができる。また、主制御装置261からサブ制御装置262に出力されるコマンドのビット数を統一することができ、制御の簡素化等を図ることができる。
尚、主制御装置261からサブ制御装置262に出力される保留情報コマンド以外のコマンドは、コマンド種別情報として8ビットを使用しているが、そのうち1ビットは保留情報コマンドであるか否かに使用されるため、保留情報コマンド以外のコマンドのいずれであるかを特定するために使用できるのは実質7ビット(7ビットのビットパターンの組み合わせでいずれのコマンドかを判別する)である。但し、本実施形態では、主制御装置261からサブ制御装置262に出力される保留情報コマンド以外のコマンドの種別が128パターン以下となっているため、特に支障は生じない。
また、本実施形態では、第1変動表示にて大当たりとなった場合と、第2変動表示にて大当たりになった場合とで、大当たり種別の振分が異なるようになっている。さらに、装飾図柄表示装置42において表示される魚群やイルカといった特定表示が第1変動表示において導出される場合と、第2変動表示において導出される場合とで、特定表示が導出されたことの意味合いが変化するようになっている。このように、第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかといった情報と、その他の情報とを組合わせることで、所定の情報を得ることのできる構成とすることで、新たな面白みを見出すことができる。但し、これは、変動表示が第1又は第2変動表示のどちらであるかを把握している場合に堪能できる面白みであり、勿論、把握していない場合には、かかる面白みを見出すことはできない。
そして、本実施形態のように、停電が生じた場合でも、復電後に保留ランプ46を停電前の状態に復帰させることができるように構成されていることによって、復電後においても、保留されている変動表示が第1又は第2変動表示のどちらであるかを把握することができる。従って、復電時に保留されている分の変動表示に関しては、上記のような面白みを堪能することができないといった事態を回避することができ、遊技性の低下に起因して興趣の低下を招くといった事態を防止することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、電源の投入時及び変動表示の開始時において、主制御装置261からサブ制御装置262に保留情報コマンドが出力されるように構成されているが、電源投入時、変動開始時、及び始動入賞スイッチ224a、224bの検知に基づく変動情報の保留時のうち少なくとも1つのタイミングで出力されるよう構成されていればよい。さらに、電源投入時及び変動開始時の少なくとも一方のタイミングで出力されることがより好ましく、この場合、復電後の最初の変動表示を開始させる時点で、保留ランプ46を停電前の状態に確実に復帰させることができる。尚、例えば、電源投入時にのみ保留情報コマンドを出力する構成とする場合、変動開始時に出力される変動パターンコマンドを受信した場合に点灯状態にある保留ランプ46のうち向かって一番右側のものを消灯状態とするように構成してもよい。
尚、保留時に保留情報コマンドを出力する構成とする場合、処理の簡素化を図るべく、保留情報コマンドと先発コマンドとを共通化させてもよい。例えば、コマンド種別情報は保留情報コマンドの最上位ビットだけを使用し、その下位の3ビットを使用して、保留された変動情報が第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるか(尚、当該情報は下位バイトを確認することでも把握することが可能であることから、その他の情報を示すようにしてもよい)、保留された変動情報が大当たりに対応するか否か、保留された変動情報が確変大当たりに対応するか否か(或いは、保留された変動情報が前後外れリーチに対応するか否か)を示すように構成してもよい。また、上位バイトの下位4ビット、及び、下位バイトには、上記実施形態の保留情報コマンドと同様に、保留数情報、保留順情報が設定される。以上のように構成することで、支障なく確実に保留情報コマンドと先発コマンドとを共通化させることができる。
(b)上記実施形態では、装飾図柄表示装置42において変動中の変動表示が第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかを特定するための変動特定ランプ40が主制御装置261により表示制御されているが、サブ制御装置262により表示制御を行うこととしてもよい。この場合、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている変動情報が上入賞口33a又は下入賞口33bのどちらへの入球に基づくものであるかを示す情報についても、保留情報コマンドに含ませる(1ビットを使用して、実行エリアに記憶されている変動情報、すなわち、変動中の変動表示は、第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかを示す)こととなる。尚、当該構成を採用する場合、変動特定ランプ40については特別変動保留エリアの実行エリアに対応する保留表示手段と言える。また、変動特定ランプ40を省略することも可能である。
(c)上記実施形態では、上入賞口33aへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合と、下入賞口33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合とで、大当たり種別の振分の割合が異なるように構成されているが、同じとしてもよい。
また、上記実施形態では、第2変動表示において魚群が表示され、その変動表示で大当たりとなった場合、「15RS」又は「7RS」となり(「15RS」又は「7RS」となる場合でしかその変動表示に魚群を表示させない)、一方、第1変動表示において魚群が表示され、その変動表示で大当たりとなった場合、「15RN、」、「15RS」、又は「7RS」となる(いずれの大当たり種別となる場合でも、魚群が表示され得る)構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。さらに、上記実施形態では、確変モードにおいては、第1変動表示及び第2変動表示のどちらにおいてもイルカが表示される可能性があり、時間短縮モード及び通常モードにおいては、第1変動表示ではイルカが表示される可能性があるが、第2変動表示ではイルカが表示されることはないように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。
(d)上記実施形態では、変動表示の保留を保留ランプ46によって遊技者に教示しているが、その他の表示手段で保留を教示してもよい。例えば、装飾図柄表示装置42において、保留を意味する画像オブジェクトを、保留された変動表示と1対1で対応して、第1変動表示の保留か第2変動表示の保留かが分かるように表示してもよい。
(e)上記実施形態では、大当たり状態の種別(大当たり種別)として「15RN」、「15RS」、及び「7RS」が設定されているが、大当たり種別の数や各種大当たり種別の可変入賞装置32の開閉パターンは特に限定されるものではなく、種々の大当たり種別を設定することができる。
尚、上記実施形態では、当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される時間短縮モードの期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。例えば、第1変動表示において魚群が発生して大当たりとなった場合には、大当たり状態終了後において10回、30回、50回、又は100回の変動表示が行われるまで時間短縮モードとなり、第2変動表示において魚群が発生して大当たりとなった場合には、大当たり状態終了後において50回又は100回の変動表示が行われるまで時間短縮モードとなるように構成してもよい。
(f)上記実施形態において保留総数カウンタNxを省略し、主制御装置261からサブ制御装置262に変動表示の保留総数の情報を出力する際に上保留カウンタNaの値と下保留カウンタNbの値とを加算するよう構成してもよい。また、この場合、第1表示制御処理では、ステップS804を省略するとともに、ステップS803において、上保留カウンタNa又は下保留カウンタNbの値が一方でも1以上であればステップS805に移行するように構成する。
(g)上記実施形態では、保留情報コマンドを含む主制御装置261からサブ制御装置262に出力されるコマンドが2バイトの2進数で統一されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。また、上記実施形態では、始動入球手段が2つ(上入賞口33a及び下入賞口33b)設けられているが3つ以上設けてもよい。この場合、特別表示装置43についても始動入球手段の数に対応して3つ以上設けられることとなる。例えば、第1〜第3始動入球手段が設けられ、保留ランプ46の点灯色を、第1始動入球手段への入球に対応して青色、第2始動入球手段への入球に対応して赤色、第3始動入球手段への入球に対応して緑色とする場合、保留情報コマンドでは、各保留が第1〜第3始動入球手段のいずれの入球に対応するものであるかを示すべく、保留1つに対して2ビットを(2ビット単位で)使用することとなる。
(h)上記実施形態において、保留情報コマンドのような、場合分け処理(本例では保留ランプ46を青色又は赤色に発光させる)を行うための情報を記憶する判別情報記憶領域を複数備える(本例では下位バイトの各ビットに相当)とともに、判別情報記憶領域のうち今回読み出すものと読み出さないものとを区別するための情報を記憶する区別情報記憶領域(本例では上位バイトの下位4ビットに相当)を備えるコマンドの使用例は特に限定されるものではない。例えば、各保留エリアに記憶されている変動表示が大当たり状態に対応するものであるか否か、リーチになるものであるか否か等の情報をサブ制御装置262に伝えるために使用されることとしてもよい。また、保留されている変動表示が最大保留数の半分以下の場合(例えば8個中4個など)、保留情報コマンドにおいて2種類以上の情報を含ませる、例えば、1回の保留情報コマンドによって、各保留が上下の入賞口33a、33bのどちらの入賞に対応するかの情報と、各保留が大当たり状態に対応するものであるか否かの情報とを伝えることができるように保留情報コマンドを設定することとしてもよい。
(i)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS209〜ステップS218で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い(ステップS210は省略)、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS208で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(j)上記実施形態では、大当たり乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアに対して大当たり状態が発生するか否かの情報が上書きされる構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに対して当選乱数記憶エリアとは別に、大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、特別変動保留エリアとは別に、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに個別に対応する記憶エリアを設け、当該記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶することとしてもよい。尚、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアとは別に、大当たりの種別を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアとは別に、リーチ情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよい。
(k)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検出手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な複数の始動入球手段と、各始動入球手段に入球した遊技球をそれぞれ検知する始動入球検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、始動入球検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。この場合、可変入球手段が可変入賞装置に相当する。加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機などとして実施してもよい。
(l)上記実施形態では、保留情報コマンドの下位バイトにおいて、保留されている各変動表示が第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかを示す情報(以下、「入賞口情報」と称する)を示すだけであったが、保留情報コマンドの下位バイトにおいて、入賞口情報だけでなく、保留されている各変動表示のその他の情報をも示し得るように構成することとしてもよい。さらに、保留情報コマンドには、必ずしも入賞口情報が含まれていなくてもよい。
以下、電源投入時において、保留されている全ての変動表示に関し、入賞口情報と、当否抽選に当選したか否かを示す当否情報と、リーチ状態が成立するか否かを示すリーチ成否情報と、前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチのどちらが発生するのかを示すリーチ種別情報とをサブ制御装置262に伝達する場合の態様例について説明する。尚。入賞口情報、当否情報、リーチ成否情報、及び、リーチ種別情報は、変動表示の内容等を示す変動情報であり、本例では、判別情報を構成する。特に、本例では、入賞口情報が第1判別情報を構成し、当否情報が第2判別情報を構成し、リーチ成否情報が第3判別情報を構成し、リーチ種別情報が第4判別情報を構成する。
また、本態様例の保留情報コマンドは、当該保留情報コマンドに含まれる判別情報の種別の違いによって8パターンに区別できる。すなわち、種別パターン1;入賞口情報のみを含むもの、種別パターン2;当否情報のみを含むもの、種別パターン3;リーチ成否情報のみを含むもの、種別パターン4;リーチ種別情報のみを含むもの、種別パターン5;入賞口情報及び当否情報を含むもの、種別パターン6;リーチ成否情報及びリーチ種別情報を含むもの、種別パターン7;入賞口情報、当否情報、リーチ成否情報、及びリーチ種別情報を含むもの、種別パターン0;保留されている変動表示がないことを伝えるものである。
また、本態様例では、保留情報コマンドの最上位から2〜4番目の3つのビットパターンの組合わせによって保留情報コマンドに含まれている判別情報の種別が特定できるように構成されている。具体的には、上記種別パターン1が「001」、上記種別パターン2が「010」、上記種別パターン3が「011」、上記種別パターン4が「100」、上記種別パターン5が「101」、上記種別パターン6が「110」、上記種別パターン7が「111」、上記種別パターン0が「000」に対応している。加えて、保留コマンドのその他のビットに関しては、上記実施形態と同様に、最上位ビットで保留情報コマンドであるか否かを示し(保留情報コマンドの場合には「0」)、上位バイトの下位4ビットで現在の保留総数を示し、下位バイトで判別情報(入賞口情報、当否情報、リーチ成否情報、及びリーチ種別情報のうちの少なくとも1つ)を示す構成となっている。
尚、本態様例では、保留情報コマンドは電源投入時に出力されるのみ(図9のメイン処理のステップS109参照)で、変動開始時には出力されないようになっている。このため、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドの受信に基づいて、保留情報記憶エリアの情報をシフトさせる等の処理を行う。また、サブ制御装置262は、入賞口情報に基づいて保留ランプ46の点灯処理を行い、当否情報、リーチ成否情報、及びリーチ種別情報に基づいて、対象の変動表示に先立って当該変動表示よりも前の変動表示にて行われる示唆演出(所謂「連続予告」)に関する処理を行う。
さらに、本態様例では、上入賞口33a及び下入賞口33bのうちのどちらに遊技球が入球したのかを示す情報、当否抽選にて当選したのか外れたのかを示す情報、リーチを発生させるか否かの抽選にて当選したのか外れたのかを示す情報、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチのうちどちらが発生するのかを示す情報が判別情報に相当する。さらに、始動入賞スイッチ224a及び224bのどちらかの検知があったこと、当否抽選が行われたこと、リーチ抽選が行われたこと、リーチ種別抽選が行われたことのそれぞれが、第1条件が成立したことに相当し、第1始動入賞スイッチ224aの検知があったこと、大当たり状態が発生すること、リーチ状態が発生すること、前後外れリーチが発生することが、第1条件が成立し、かつ、第2条件をも満たすことに相当する。また、特別変動保留エリアの各保留エリアが判別情報記憶エリアを構成する。さらに、情報コマンドとしての保留情報コマンドのうち、上位バイトの上位4ビットでコマンド種別情報を構成し、上位バイトの下位4ビットで数情報を構成し、下位バイトで判別情報及び順番情報を構成する。尚、本態様例では、上位バイトの下位4ビットにおいて、4ビットを用いたカウンタのように、保留の数が「0」個であれば「0000」、「1」個であれば「0001」、「2」個であれば「0010」、・・・「8」個であれば「1000」と示すこととする。
次に、本態様例の保留情報コマンドの設定出力処理について、図36を参照して説明する。先ず、ステップS6101では、保留総数カウンタNxの値が「1」以上であるか否かを判別する。ステップS6101で否定判別された場合、すなわち、保留されている変動表示が1つもない場合には、ステップS6102において、保留されている変動表示がないときの保留情報コマンド(「0000000000000000」)を設定してから、本処理を終了する。尚、本例では、保留情報コマンドの下位バイトにおいて、判別情報が記憶されていない保留エリアに対応するビットには一様に「0」が設定される。
また、ステップS6101で肯定判別された場合、すなわち、保留されている変動表示がある場合には、ステップS6103において保留総数カウンタNxの値が「4」を超えるか否かを判別する。ステップS6103で肯定判別された場合、すなわち、保留されている変動表示の数が5〜8つの場合には、ステップS6104において、第1保留情報設定処理を行う。当該第1保留情報設定処理では、入賞口情報のみを含む保留情報コマンド、当否情報のみを含む保留情報コマンド、リーチ成否情報のみを含む保留情報コマンド、及び、リーチ種別情報のみを含む保留情報コマンドを設定する。
ちなみに、保留情報コマンドの下位バイトの各ビットに対して「1」が設定されることで、入賞口情報を有する保留情報コマンドにおいては第1変動表示であることが示され、当否情報を有する保留情報コマンドにおいては当否抽選に当選したことが示され、リーチ成否情報を有する保留情報コマンドにおいてはリーチ状態が発生することが示され、リーチ種別情報を有する保留情報コマンドでは前後外れリーチであることが示される。一方、保留情報コマンドの下位バイトの各ビットに対して「0」が設定されることで、入賞口情報を有する保留情報コマンドにおいては第2変動表示であることが示され、当否情報を有する保留情報コマンドにおいては外れであることが示され、リーチ成否情報を有する保留情報コマンドにおいてはリーチ状態が発生しないことが示され、リーチ種別情報を有する保留情報コマンドでは前後外れ以外リーチであることが示される。さらに、保留情報コマンドの最上位から2〜4番目のビットの設定は上記の通りである。例えば、変動表示が5つ保留され、4つ目が大当たり状態に当選している場合の当否情報を伝える保留情報コマンドは、「0010010100010000」といった具合に設定される。ステップS6104が行われることで、外部出力処理にて4つの保留情報コマンドをサブ制御装置262に出力することになる。ステップS6104の後、本処理を終了する。
また、ステップS6103で否定判別された場合、ステップS6105において、保留総数カウンタNxの値が2を超えるか否かを判別する。ステップS6105で肯定判別された場合、すなわち、変動表示が3つ又は4つ保留されている場合には、ステップS6106において第2保留情報コマンド設定処理を行う。
第2保留情報コマンド設定処理では、保留情報コマンドの下位バイトを上位と下位とで4ビットずつに区切り、それぞれ異なる情報を設定する。つまり、1つの保留情報コマンドで、保留されている変動表示の2種類の情報を伝えることができるように設定されるものである。本実施形態では、下位バイトの上位4ビットにおいて入賞口情報が設定されるとともに、下位4ビットに当否情報が設定されるものと、下位バイトの上位4ビットにおいてリーチ成否情報が設定されるとともに、下位4ビットにおいてリーチ種別情報が設定されるものとがあり、ステップS6106では、その両方の保留情報コマンドがそれぞれ設定されることとなる。例えば、変動表示が3つ保留され、3つとも第1変動表示であり、3つ目が大当たり状態に当選している場合の入賞口情報及び当否情報を伝える保留情報コマンドは、「0101001111100010」といった具合に設定される。ステップS6106が行われることで、外部出力処理にて2つの保留情報コマンドをサブ制御装置262に出力することになる。ステップS6106の後、本処理を終了する。
また、ステップS6105で否定判別された場合、すなわち、変動表示が1つ又は2つ保留されている場合には、ステップS6107において第3保留情報コマンド設定処理を行う。第3保留情報コマンド設定処理では、保留情報コマンドの下位バイトを2ビットずつ4つに区切り、それぞれ異なる情報を設定する。つまり、1つの保留情報コマンドで、保留されている変動表示の4種類の情報を伝えることができるように設定されるものである。本実施形態では、下位バイトの上位から2ビットずつ順に、入賞口情報、当否情報、リーチ成否情報、リーチ種別情報が設定されるように割り当てられている。例えば変動表示が2つ保留され、2つとも第1変動表示であり、2つとも大当たりに当選しておらず、2つともリーチにはなるものの、2つとも前後外れ以外リーチである場合の保留情報コマンドは、「0111001011001100」といった具合に設定される。ステップS6107が行われることで、外部出力処理にて1つの保留情報コマンドをサブ制御装置262に出力することになる。ステップS6107の後、本処理を終了する。
次に、サブ制御装置262の保留処理について、図37を参照して説明する。尚、本態様例のサブ制御装置262の保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、主制御装置261の特別変動保留エリアの各保留エリア及び実行エリアと同様に、入賞口情報を記憶可能な領域と、当否情報を記憶可能な領域と、リーチ成否情報を記憶可能な領域と、リーチ種別情報を記憶可能な領域とが設けられている。
先ず、ステップS6201では、主制御装置261から送られてきたコマンドの最上位ビットを参照し、保留情報コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS6201で否定判別された場合、すなわち、最上位のビットが「1」の保留情報コマンド以外のコマンドであった場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS6201で肯定判別された場合には、ステップS6202において、保留情報コマンドの上位バイトの下位4ビットで示される保留総数を確認し、保留処理カウンタに対して保留総数と同じ値を設定する。
続くステップS6203では、保留情報コマンドの上位バイトの上位から2〜4番目のビットで示される保留情報コマンドの種別情報を確認し、種別情報がパターン「0」であるか否か、すなわち、保留がない状態か否かを判別する。ステップ6203で肯定判別された場合、ステップS6204において全ての保留ランプ46が消灯状態となっているかを確認してから、本処理を終了する。
一方、ステップS6203で否定判別された場合には、ステップS6205において、種別情報がパターン「1〜4」のいずれかであるか否か、すなわち、入賞口情報、当否情報、リーチ成否情報、及び、リーチ種別情報のうちいずれか1つを含む保留情報コマンドであるか否かを判別する。当該ステップS6205で肯定判別された場合、ステップS6206において、保留処理カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、ステップS6205で肯定判別された直後の保留処理カウンタには「5〜8」のいずれかの値が設定されている。
ステップS6206で否定判別された場合には、ステップS6207において、保留情報コマンドの下位バイトのうち、保留処理カウンタの値に対応するビットの情報を、保留情報記憶エリアの対応する保留エリアに格納する。つまり、例えば、保留処理カウンタの値が「1」であれば、保留情報コマンドの下位バイトの最上位のビットを参照し、当該コマンドが入賞口情報を示すものであれば、保留情報記憶エリアの保留第1エリアの入賞口情報を記憶可能な領域にかかる情報を記憶する。
続くステップS6208では保留処理カウンタの値を1減算する。ステップS6208の後、ステップS6206に移行し、当該ステップS6206で肯定判別されるまで、ステップS6207及びステップS6208を繰り返し行う。そして、ステップS6206で肯定判別されることで、本処理が終了する。
また、ステップS6205で否定判別された場合には、ステップS6209において、種別情報がパターン「5、6」のどちらかであるか否か、すなわち、入賞口情報及び当否情報を含む保留情報コマンド、或いは、リーチ成否情報及びリーチ種別情報を含む保留情報コマンドのどちらかであるか否かを判別する。当該ステップS6209で肯定判別された場合には、ステップS6210において、保留処理カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、ステップS6209で肯定判別された直後の保留処理カウンタには「3、4」のどちらかの値が設定されている。
ステップS6210で否定判別された場合、ステップS6211において、保留情報コマンドの下位バイトのうち、保留処理カウンタの値に対応するビットの情報、及び、当該ビットの4つ下位のビットの情報を、保留情報記憶エリアの対応する保留エリアに格納する。つまり、例えば、保留処理カウンタの値が「1」であれば、保留情報コマンドの下位バイトの最上位のビットと、上から5番目のビットとを参照し、当該コマンドが入賞口情報及び当否情報を示すものであれば、保留情報記憶エリアの保留第1エリアの入賞口情報を記憶可能な領域及び当否情報を記憶可能な領域にかかる情報をそれぞれ記憶する。
続くステップS6212では保留処理カウンタの値を1減算する。ステップS6212の後、ステップS6210に移行し、当該ステップS6210で肯定判別されるまで、ステップS6211及びステップS6212を繰り返し行う。そして、ステップS6210で肯定判別されることで、本処理が終了する。
また、ステップS6209で否定判別された場合、すなわち、種別情報がパターン「7」であり、入賞口情報、当否情報、リーチ成否情報、及びリーチ種別情報を含む保留情報コマンドである場合、ステップS6213において、保留処理カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、ステップS6209で否定判別された直後の保留処理カウンタには「1、2」のどちらかの値が設定されている。
ステップS6213で否定判別された場合、ステップS6214において、保留情報コマンドの下位バイトのうち、保留処理カウンタの値に対応するビットの情報、当該ビットの2つ、4つ、及び6つ下位のビットの情報を、保留情報記憶エリアの対応する保留エリアに格納する。つまり、例えば、保留処理カウンタの値が「1」であれば、保留情報コマンドの下位バイトの最上位のビットと、上から3番目のビットと、上から5番目のビットと、上から7番目のビットとを参照し、保留情報記憶エリアの保留第1エリアの入賞口情報を記憶可能な領域、当否情報を記憶可能な領域、リーチ成否情報を記憶可能な領域、及び、リーチ種別情報を記憶可能な領域にかかる情報をそれぞれ記憶する。
続くステップS6215では保留処理カウンタの値を1減算する。ステップS6215の後、ステップS6213に移行し、当該ステップS6213で肯定判別されるまで、ステップS6214及びステップS6215を繰り返し行う。そして、ステップS6213で肯定判別されることで、本処理が終了する。
以上のように、本態様例では、保留されている変動表示の数が、保留できる変動表示の数の上限である8つの半分以下の場合、保留情報コマンドに対して変動表示に関する複数種類の情報を含ませてサブ制御装置262に出力するように構成されている。すなわち、所定の判別情報を示すために確保されたビットにおいて前記所定の判別情報を示す必要がなくなった場合に、かかる空きビットを利用して、別の判別情報を示すこととしている。主制御装置261から出力されるコマンドを極力減らすといった作用効果が一層確実に奏される。特に、本態様例では、保留情報コマンドによって4種類の判別情報を送るようになっており、保留数が5〜8つの場合は、判別情報を1種類ずつ設定した保留情報コマンドを4回送ることとなるが、保留数が3又は4つの場合には2種類の判別情報をまとめて設定した保留情報コマンドを2回、保留数が1又は2つの場合には4種類の判別情報をまとめて設定した保留情報コマンドを1回送るだけで済むようになる。従って、保留情報コマンドで一度に送ることのできる判別情報数の上限の範囲で、判別情報の出力処理を効率的に行うことができる。
また、本態様例においても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。すなわち、主制御装置261の特別変動保留エリアの各保留エリア(判別情報記憶エリア)にそれぞれ記憶されている判別情報としての入賞口情報、当否情報、リーチ成否情報、及び、リーチ種別情報を保留情報コマンド(情報コマンド)にまとめて一括でサブ制御装置262に伝達可能に構成されている。このため、判別情報を1つずつ(1回の変動表示分ずつ)個別にコマンドに設定してサブ制御装置262に伝達する場合に比べ、コマンドの設定及び出力回数を低減させることができ、制御の簡素化等を図ることができる。
さらに、保留情報コマンドの下位バイトの各ビットと、特別変動保留エリアの各保留エリアとが1対1で対応することから、変動情報(判別情報)が記憶されていない保留エリアがある場合には、当該変動情報が記憶されていない保留エリアに対応するビットの設定のために、変動情報が記憶されていない保留エリアを参照する必要がない(変動情報が記憶されていないとき用の適当な値を設定するだけで済む)。さらに、保留情報コマンドに対して、変動情報が記憶されている保留エリアの数を示す数情報も設定されることから、サブ制御装置262での読み取りに際し、変動情報が記憶されている保留エリアに対応するビットだけを対象に読み取りを行うことができる。従って、保留情報コマンドの設定及び読み取りに際しての処理の簡素化等を図ることができる。また、保留情報コマンドのビットパターンと、保留エリアの変動情報とを対応付けするテーブルの簡素化を図ることもできる。
加えて、サブ制御装置262は、主制御装置261から送られてきたコマンドのうち最上位の1ビットの情報で保留情報コマンドかそれ以外のコマンドかを区別可能なため、保留情報コマンドにおいてコマンド種別情報で使用するビット数を相対的に減らすことができる。従って、コマンド種別情報の他に数情報及び判別情報を有する保留情報コマンドを、全体のビット数を増やすことなく確実に設定することができる。また、1つのビットを確認するだけで、その他のコマンドとは異なる保留情報コマンド特有の読み取り処理に移行可能なため、保留情報コマンドに関する処理の迅速化、簡素化等を図ることができる。
尚、(l)の態様例では、保留されている変動表示が3つの場合において保留情報コマンドの下位バイトの上位から1〜3番目及び5〜7番目を有効な情報を伝達するビットとして使用し、4番目及び8番目のビットには適当な数値(例えば「0」)を設定してサブ制御装置262でもかかるビットは参照しないように構成されているが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、保留情報コマンドの下位バイトの上位から1〜3番目に入賞口情報を設定し、4〜6番目に当否情報を設定する(7,8番目を使用しない)ように構成してもよい。また、例えば、所定の変動表示に対応する入賞口情報が設定されたビットの1つ下位のビットに必ず当該所定の変動表示に対応する当否情報を設定することとしてもよい。この場合、サブ制御装置262側で読み出すときの変動表示毎の対応関係が分かり易くなり、別途テーブルなどを用意しなくても、2ビット分読むことを把握していれば確実に処理を実行することができる。もちろん、保留されている変動表示が1つの場合において、入賞口情報、当否情報、リーチ成否情報、及びリーチ種別情報を、保留情報コマンドの下位バイトの上位ビットから順に詰めて設定する(5〜8番目のビットを使用しない或いは別の情報を設定する)こととしてもよい。
また、上記(l)の態様例では、保留されている変動表示の数が最大保留数の半分以下のときに保留されている変動表示に関する複数種類の情報が保留情報コマンド(の下位バイト)に含まれるように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、最大保留数の半分以上の数の変動表示が保留されている場合であっても、保留情報コマンドに複数種類の情報が含まれる場合もあるように構成したり、保留情報コマンドに対し、保留されている変動表示に関する情報以外の情報も含め得るように構成したりしてもよい。但し、例えば、保留情報コマンドに対して変動表示5回分の入賞口情報と変動表示3回分の当否情報とが含まれるような場合、各変動表示を示す判別情報の対応関係が分かり難くなる(処理が複雑になる)おそれがあるため、保留情報コマンドに含まれる複数種類の判別情報の数は揃えることが望ましい。
さらに、保留情報コマンドと同様の形態のコマンド、すなわち、所定の場合分け処理を実行するために参照される判別情報を複数回分一度に送ることの可能なコマンドを用いて、保留されている変動表示に関する情報以外の情報をサブ制御装置262等に送るように構成してもよい。加えて、上記(l)の態様例では、図37の保留処理で保留情報コマンドを受信した場合、最上位ビットで保留情報コマンドであることを確認した後、2〜4番目のビットの種別情報を参照して、保留情報コマンドに含まれる判別情報が1種類の場合、2種類の場合、4種類の場合、及び、判別情報の設定がない場合の個別処理に移行するが、保留の数と保留情報コマンドに含まれる判別情報の種類の数とが対応していることから、5〜8番目のビット(上位バイトの下位4ビット)を参照して、かかる個別処理に移行させることも可能である。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射装置によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示装置にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2003−154110号公報参照)。
さて、パチンコ機は、主たる制御を行う主制御装置と、所定の情報を遊技者に教示するための端末機器の制御を行うサブ制御装置とを備えている。そして、主制御装置から各種情報がサブ制御装置に出力され、サブ制御装置は、主制御装置から出力された各種情報に基づいて、対応する制御を実行することとなる。
ところで、近年、遊技性の多様化や演出性の向上等を図るべく、制御内容が複雑化したり、単位時間当たりの制御処理量が増大したりする傾向にあり、制御装置の負担が増大してしまうことが懸念される。かといって、制御装置の負担を軽減するべく、単位時間当たりに処理される情報量を減らせば、その分、遊技性や演出性の低下を招いてしまうおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、単位時間当たりに処理される情報量を減らすことなく、処理の簡素化を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段1.発射手段によって発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1の始動入球手段及び第2の始動入球手段と、
前記第1の始動入球手段に入球した遊技球を検知する第1の始動入球検知手段と、
前記第2の始動入球手段に入球した遊技球を検知する第2の始動入球検知手段と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化する可変入賞装置と、
前記始動入球検知手段の検知に基づいて、前記可変入賞装置を開放させる特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、前記当否抽選にて当選した場合に特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる可変表示手段と、
前記可変表示手段における変動表示の態様を決定するサブ制御手段とを備え、
前記主制御手段は、
前記当否抽選に用いられる当否乱数生成手段と、
前記当否抽選にて当選する値として、前記当否乱数生成手段で生成され得る値のうち予め定められた値を記憶している当選値記憶手段と、
前記当否乱数生成手段の値を記憶可能な複数の保留エリアを有する保留記憶エリアとを備え、
前記当否抽選として、
前記始動入球検知手段の検知に基づいて、前記当否乱数生成手段の値を抽出する判定値抽出処理と、
前記判定値抽出処理にて抽出された前記当否乱数生成手段の値を、記憶された順番が分かるように、前記保留記憶エリアの保留エリアのいずれかに記憶する判定値格納処理と、
前記判定値抽出処理にて抽出された前記当否乱数生成手段の値が、前記当選値記憶手段に記憶されている値と一致するか否かを判別する当否判定処理とを行うとともに、
前記可変表示手段において変動表示が行われていない場合に、前記保留記憶エリアに記憶されている前記当否乱数生成手段の値のうち最も先に保留エリアに記憶された当否乱数生成手段の値の前記当否判定処理の結果を前記サブ制御手段に出力する変動開始設定処理と、
前記変動開始設定処理にて前記サブ制御手段に出力された前記当否判定処理の結果が前記当否乱数生成手段の値と前記当選値記憶手段の値との一致を示す場合に、前記当否判定処理の結果に基づいて前記可変表示手段において行われる変動表示の終了後に前記特別遊技状態を開始させる特別遊技処理とを行う構成において、
前記保留記憶エリアの各保留エリアに(1対1で)対応するようにして設けられ、対応する保留エリアにおいて前記当否乱数生成手段の値が記憶されていることを教示するための保留表示手段を備え、
前記各保留表示手段は、対応する保留エリアにおいて前記第1の始動入球検知手段の検知に基づいて抽出された前記当否乱数生成手段の値が記憶されていることを示す第1の保留表示状態と、対応する保留エリアにおいて前記第2の始動入球検知手段の検知に基づいて抽出された前記当否乱数生成手段の値が記憶されていることを示す第2の保留表示状態と、対応する保留エリアに前記当否乱数生成手段の値が記憶されていないことを示す非保留表示状態とに状態変化可能に構成されるとともに、前記サブ制御手段によって表示制御され、
前記主制御手段は、前記当否乱数生成手段の値が記憶されている保留エリアの数を示す保留数情報と、各保留エリアに記憶されている前記当否乱数生成手段の値が、前記第1又は第2の始動入球検知手段のどちらの検知に基づいて抽出されたものであり、かつ、どのような順番で記憶されたのかを示す保留順情報と、前記保留数情報及び前記保留順情報を含むコマンドであることを示すコマンド種別情報とを含む保留情報コマンドを前記サブ制御手段に出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、始動入球手段への遊技球の入球を契機として抽出される当否乱数生成手段の値を記憶可能な保留エリアを複数有する保留記憶エリアが設けられている。換言すれば、当否乱数生成手段の値に基づいて行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示を複数回分保留可能に構成されている。このため、特別遊技状態の発生に対応する当否乱数生成手段の値が保留エリアに記憶された場合、その時点で特別遊技状態の発生の権利が得られていることになる。従って、このような変動表示が保留される構成においては、遊技者は、停電が起きると、停電前の時点で保留されていた変動表示の数(保留数)が減ったり、内容が変わったりするのではないか、ひいては、特別遊技状態を発生させる権利が消失してしまうのではないかと不安になり、保留に関する情報が遊技者に目視できる形で教示される保留表示手段の表示態様に敏感に反応することが考えられる。このため、保留表示手段の表示態様が停電前と復電後とで少しでも変わっていると、遊技者は疑心を抱き、結果的に興趣の低下を招くおそれがある。
また、保留表示手段では、保留数だけでなく、各保留が第1の始動入球検知手段の検知に基づくもの(以下、第1保留と言う。また、第1保留に対応する変動表示を第1変動表示と言う。)か、第2の始動入球検知手段の検知に基づくもの(以下、第2保留と言う。また、第2保留に対応する変動表示を第2変動表示と言う。)かの区別が付くようになっている。さらに、保留エリアにおいて当否乱数生成手段の値が記憶されていることを示す保留表示手段の保留表示状態には、第1の保留表示状態と第2の保留表示状態とがあることから、第1の保留表示状態となっている保留表示手段と、第2の保留表示状態となっている保留表示手段とがある場合には、これら複数の保留表示手段でなす保留表示状態の配列が生じる。つまり、第1の保留表示状態となっている保留表示手段の数、第2の保留表示状態となっている保留表示手段の数、第1の保留表示状態となっている保留表示手段の位置、及び、第2の保留表示状態となっている保留表示手段の位置が停電前と停電後とで合致していなければ、保留表示手段の表示態様が停電前と復電後とで変化していることになる。
この点、本手段1によれば、当否乱数生成手段の値が記憶されている保留エリアの数(保留数)を示す保留数情報と、各保留エリアに記憶されている当否乱数生成手段の値が、第1又は第2の始動入球検知手段のどちらの検知に基づいて抽出されたもの(第1保留又は第2保留のどちら)であり、かつ、どのような順番で記憶されたのかを示す保留順情報とを含む保留情報コマンドを主制御手段からサブ制御手段に出力可能に構成されている。つまり、保留数情報によって保留表示状態とする保留表示手段の数を把握することができ、保留順情報によって、保留表示状態とする保留表示手段のどれを第1の保留表示状態とし、どれを第2の保留表示状態とするのかを把握することができる。このため、停電が起きた場合でも、保留情報コマンドを主制御手段からサブ制御手段に出力することで、サブ制御手段は、保留情報コマンドに基づいて、保留表示手段を停電前と同じ表示態様に復帰させることができる。従って、停電前と復電後とで保留表示手段の態様が変わることで、遊技者に猜疑心を抱かせてしまい、興趣の低下を招くといった事態を防止することができる。
さらに、復電後において保留表示手段の態様を停電前と同じ状態に復帰させることができるため、停電前は保留表示手段から得ることのできた情報を停電後では得られなくなることで、遊技性の低下等を招くといった事態を防止することができる。
また、例えば、保留記憶エリアの各保留エリアに記憶された保留情報を保留エリア毎に逐一読み出して逐一サブ制御手段に出力する場合、保留情報をサブ制御手段に出力する以外にも様々な制御を行う必要のある復電時の主制御手段の処理の負担が増えるとともに、復電時の処理に要する時間が長くなることが懸念される。これに対し、本手段1では、保留表示手段の表示態様の再現に必要な全保留エリアに関する情報が保留情報コマンドによって一括でサブ制御手段に出力される。これにより、上記不具合を払拭することができる。
尚、サブ制御手段にバックアップ機能を持たせることも考えられるが、この場合、コストアップが懸念される上、サブ制御手段の処理の複雑化を招くおそれもある。さらに、サブ制御手段にバックアップ機能があったとしても、復電後においてサブ制御手段に記憶されている情報が主制御手段に記憶されている情報と合致するか否か(記憶されている情報が正しいか否か)を確認する必要があるので、特に主制御手段の制御の簡素化が図られるわけでもない。
また、保留情報コマンドは、電源がオンされた場合、前記可変表示手段における変動表示を開始させる場合、及び、前記第1及び第2の始動入球検知手段の検知があった場合の少なくとも1つのタイミングにおいて出力されることが好ましく、さらには、電源がオンされた場合、及び、前記可変表示手段における変動表示を開始させる場合の少なくとも一方のタイミングで出力されることがより好ましい。
手段2.前記保留記憶エリアの保留エリアには順序付けがなされており、前記保留記憶エリアに記憶されている前記当否乱数生成手段の値がどの保留エリアに記憶されているかを確認することで、当該当否乱数生成手段の値が、前記保留記憶エリアに記憶されている全ての当否乱数生成手段の値のうち何番目に記憶されたものであるかを判別可能に構成され、
前記保留情報コマンドの前記保留順情報は、前記保留記憶エリアの保留エリアの数と同じ数のビット数を使用するとともに、各ビットが前記保留記憶エリアの各保留エリアと1対1で対応し、各ビットにおいて対応する保留エリアに記憶されている前記当否乱数生成手段の値が、前記第1又は第2の始動入球検知手段のどちらの検知に基づいて抽出されたものであるかを示すことで構成され、
前記サブ制御手段は、前記保留情報コマンドの前記保留数情報に基づいて前記当否乱数生成手段の値が記憶されている前記保留エリアの数を把握するとともに、前記保留順情報を構成するビット情報のうち、該保留エリアの数と同じ数だけのビット情報を読み出し、それぞれのビット情報に対応する前記保留表示手段を第1又は第2の表示状態とすることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、保留記憶エリアの各保留エリアと、保留情報コマンドの保留順情報を構成する各ビット情報とが1対1で対応しており、また、上記手段1に記載のように、保留記憶エリアの各保留エリアと各保留表示手段とが1対1で対応しており、さらに、保留記憶エリアの保留エリアには順序付けがなされている。このため、保留記憶エリアに記憶されている当否乱数生成手段の値等の変動情報のうち何番目に記憶された変動情報が第1変動表示又は第2変動表示のどちらに対応するかの対応関係が明確になり、保留情報コマンドの設定を比較的スムースに行うことができる。また、サブ制御手段側でも、保留順情報を示す各ビット情報を順次各保留表示手段の表示態様に当てはめるようにして保留表示手段の表示制御を行えばよく、かかる制御を比較的スムースに行うことができる。
尚、例えば、全ての保留表示手段による非保留表示状態となる場合も含めた表示態様の組み合わせを数値化(別の形式の情報形態に変換)して保留順情報に設定し、サブ制御手段で数値化された表示態様の組み合わせを解読する場合のように、保留情報コマンドの保留順情報を設定するときに参照するテーブル、及び、サブ制御手段で保留順情報を解読するときに参照するテーブル等が煩雑になり、制御の複雑化等を招いてしまうおそれがある。例えば、保留表示手段が全部で4つであり、始動入球手段が2つ(保留表示状態を示すパターンが2つ)の場合であっても、4つの保留表示手段の表示態様の組み合わせは31パターンあり、また、近年では、保留表示手段が4つ以上のものも多く見受けられることから、パターンを場合分けして対応するテーブルを参照する処理が比較的複雑になることが懸念される。これに対し、本手段では、各保留エリアに第1変動表示又は第2変動表示のどちらが記憶されているかを示すものとして、保留情報コマンドの保留順情報用の複数ビットのうちの1ビットと、複数の保留ランプのうちの1つとが割り当てられている。つまり、対応関係が明確であり、複雑なテーブル等を用いなくても済むため、上記不具合を回避でき、制御の簡素化等を図ることができる。
尚、保留情報コマンドは複数ビットの2進数で構成されることとしてもよい。つまり、主制御手段からサブ制御手段に出力されるコマンドは一般に複数ビット(例えば2バイト)の2進数で構成されており、保留情報コマンドについても同様に2進数を用いることで、処理の複雑化を回避することができる。
また、2進数では、各ビットにおいて2パターンまでしか示すことができない。つまり、各保留に記憶されている変動表示は第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかを示すだけで、各保留エリアに変動表示が保留されているか否かまでは示すことができない。この点、保留情報コマンドには、保留数情報が含まれ、当該保留数情報により、変動表示が保留されている保留エリアと保留されていない保留エリアとを区別する、すなわち、保留表示状態とすべき保留表示手段と、非保留表示状態とすべき保留表示手段とを区別することができるため、確実に保留表示手段の表示制御を実行することができる。
尚、前記保留記憶エリアは、前記複数の保留エリア及び1つの実行エリアを有し、前記主制御手段は、前記変動開始設定処理に先立って、前記保留記憶エリアの前記保留エリアに記憶されている情報を前記実行エリア側にシフトするシフト処理を行うとともに、前記当否判定処理において、前記シフト処理により前記保留記憶エリアの前記実行エリアに記憶された前記当否乱数生成手段の値が前記当選値記憶手段に記憶されている値と一致するか否かを判別することとしてもよい。
手段3.前記主制御手段から前記サブ制御手段に出力されるコマンドのうち、前記保留情報コマンド以外のコマンドは、コマンドの種別を特定するために複数のビットを使用して示し、前記保留情報コマンド、又は、前記保留情報コマンド以外のコマンドのどちらのコマンドであるかについては、前記保留情報コマンド以外のコマンドが種別を特定するために使用するビット数よりも少ない数のビット数の情報で判別可能に構成されていることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
手段3によれば、保留情報コマンドであるか否かは、保留情報コマンド以外のコマンドを特定するために使用されるビット数よりも少ないビット数の情報で判別可能に構成されている。このため、保留情報コマンドとしては、保留情報コマンドであることを示すために使用するビット数を減らすことができる。すなわち、保留情報コマンドは、上記手段2に記載のように、保留記憶エリアの保留エリアの数と同じ数のビット数を使用して保留順情報を示すことから、多くのビット数を確保する必要が生じ易い傾向にあるが、保留情報コマンドであることを示すために使用するビット数を減らすことで、全体としてのビット数の増大を抑止することができる。従って、保留情報コマンドについては、保留情報コマンドであることを示すために使用するビット数を減らす一方で、その他の情報を示すビット数を相対的に増やすことで、情報を確実に伝えつつ、保留情報コマンドを構成するビット数が、保留情報コマンド以外のコマンドを構成するビット数よりも遥かに多くなってしまうといった事態を抑制することができる。結果として、保留情報コマンドのためだけに主制御手段及びサブ制御手段の情報の入出力機能(集積回路のピン等)を増大させなければならない等といった事態を抑止することができる。また、主制御手段からサブ制御手段に出力されるコマンドのビット数を例えば統一することもでき、制御の簡素化等を図ることができる。
尚、主制御手段からサブ制御手段に送られるコマンドが2バイトの2進数で統一され、始動入球手段が2つ設けられるとともに、各始動入球手段に対応してそれぞれ4つずつ変動表示が保留されるように構成される場合、変動情報コマンドとしては、保留数(0〜8)を示すために4ビットを使用し、保留順を示すために8ビットを使用することとなるため、残り4ビット(4ビット全体でなくてもよい)で、保留情報コマンドであることを示すこととなる。
手段4.特別遊技状態には複数の種別があり、
前記主制御手段は、
特別遊技状態の種別の決定に際して用いられる当選種別判定値生成手段と、
前記当選種別判定値生成手段で生成され得る値を、特別遊技状態の各種別と対応付けて記憶する当選種別判定値記憶手段とを備え、
前記判定値抽出処理では、前記始動入球検知手段の検知に基づいて、前記当否乱数生成手段の値とともに、前記当選種別判定値生成手段の値を抽出し、
前記判定値格納処理では、前記判定値抽出処理にて抽出された前記当否乱数生成手段及び当選種別判定値生成手段の値を、記憶された順番が分かるように、前記保留記憶エリアの保留エリアのいずれかに記憶し、
前記当否判定処理とともに、前記判定値抽出処理にて抽出された前記当選種別判定値生成手段の値が、前記当選種別判定値記憶手段に記憶されている値と一致するか否かを判別する当選種別判定処理を行い、
前記変動開始設定処理では、前記保留記憶エリアに記憶されている前記当否乱数生成手段及び当選種別判定値生成手段の値のうち最も先に前記保留記憶エリアに記憶された前記当否乱数生成手段及び当選種別判定値生成手段の値の前記当否判定処理の結果及び当選種別判定処理の結果を前記サブ制御手段に出力する構成において、
前記当選種別判定値記憶手段は、前記第1の始動入球検知手段の検知に基づいて抽出された当選種別判定値生成手段の値に関して前記当選種別判定処理を行う際に参照される第1の当選種別判定値記憶手段と、前記第2の始動入球検知手段の検知に基づいて抽出された当選種別判定値生成手段の値に関して前記当選種別判定処理を行う際に参照される第2の当選種別判定値記憶手段とを備え、
前記当選種別判定手段において、前記第1の当選種別判定値記憶手段が参照された場合と、前記第2の当選種別判定値記憶手段が参照された場合とで、付与される特別遊技状態の種別の振分けの割合が異なることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
手段4によれば、特別遊技状態に当選した場合、第1変動表示か第2変動表示かによって、特別遊技状態の種別の振分割合が変化する。例えば、第2変動表示において特別遊技状態が発生する場合の方が遊技者にとって有利な種別の特別遊技状態が発生しやすい場合には、第1変動表示において特別遊技状態が発生するよりも、第2変動表示において特別遊技状態が発生して欲しいといった新たな面白みを見出すことができる。但し、これは、変動表示が第1又は第2変動表示のどちらであるかを把握している場合に堪能できる面白みであり、勿論、把握していない場合には、かかる面白みを見出すことはできない。
そして、上記手段1のように、停電が生じた場合でも、復電後に保留表示手段を停電前の状態に復帰させることができるように構成されていることによって、復電後においても、保留されている変動表示が第1又は第2変動表示のどちらであるかを把握することができる。従って、復電時に保留されている分の変動表示に関しては、上記のような面白みを堪能することができないといった事態を回避することができ、遊技性の低下に起因して興趣の低下を招くといった事態を防止することができる。
尚、特別遊技状態における可変入賞装置の開放回数、開放時間、可変入賞装置への遊技球の入球数の上限等が異なる複数の特別遊技状態の種別が存在することとしてもよいし、特別遊技状態の種別として、特別遊技状態の終了後において第1の確率で当選する低確率状態が付与されるものと、特別遊技状態の終了後において前記第1の確率よりも高い第2の確率で当選する高確率状態が付与されるものとがあることとしてもよい。
手段5.前記第1の始動入球検知手段の検知に基づいて前記可変表示手段において行われる第1変動表示、及び、前記第2の始動入球検知手段の検知に基づいて前記可変表示手段において行われる第2変動表示において、前記可変表示手段にて特定表示が導出され得る構成において、
前記第1変動表示で前記特定表示が導出されることの意味合いと、前記第2変動表示で前記特定表示が導出されることの意味合いとが異なることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
手段5によれば、特定表示が導出されたのは第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかによって、特定表示が導出されたことの持つ意味合いが異なるようになっている。例えば、第2変動表示において特定表示が導出された場合には、当該変動終了後に特別遊技状態が必ず発生する一方で、第1変動表示において特定表示が導出されても特別遊技状態が発生するとは限らないといった構成等が挙げられ、この場合、第2変動表示において特定表示が導出されて欲しいといった新たな面白みを見出すことができる。但し、これは、特定表示が導出されたこと、及び、特定表示が導出されたのは第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかということの両方の情報を得ている場合に堪能できる面白みであり、勿論、把握していない場合には、かかる面白みを見出すことはできない。
そして、上記手段1のように、停電が生じた場合でも、復電後に保留表示手段を停電前の状態に復帰させることができるように構成されていることによって、復電後においても、保留されている変動表示が第1又は第2変動表示のどちらであるかを把握することができる。従って、復電時に保留されている分の変動表示に関しては、上記のような面白みを堪能することができないといった事態を回避することができ、遊技性の低下に起因して興趣の低下を招くといった事態を防止することができる。
手段6.前記当否抽選にて第1の確率で当選する第1のモードと、前記当否抽選にて前記第1の確率とは異なる第2の確率で当選する第2のモードとがあり、
前記第1の始動入球検知手段の検知に基づいて前記可変表示手段において行われる第1変動表示、及び、前記第2の始動入球検知手段の検知に基づいて前記可変表示手段において行われる第2変動表示において、前記可変表示手段にて特定表示が導出され得る構成において、
前記第2のモードでは、前記第1及び第2変動表示の両方で前記特定表示が導出される場合があり、前記第1のモードでは、前記第1又は第2変動表示の一方では前記特定表示が導出される場合があるが、他方では前記特定表示が導出されないように構成されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
手段6によれば、第1又は第2変動表示の一方では、第1モード及び第2モードに関係なく特定表示が導出され得る。これに対し、第1又は第2変動表示の他方では、第2モードでは特定表示が導出されるが、第1モードでは特定表示が導出されることはない。このため、第1又は第2変動表示の他方の変動表示に注目し、特定表示が導出されたならば、第2のモードであることを把握することができる。例えば、第2のモードが第1のモードよりも高い確率で特別遊技状態が発生する構成の場合、第2変動表示において特定表示が導出されて欲しいといった新たな面白みを見出すことができる。但し、これは、特定表示が導出されたこと、及び、特定表示が導出されたのは第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかということの両方の情報を得ている場合に堪能できる面白みであり、勿論、把握していない場合には、かかる面白みを見出すことはできない。
そして、上記手段1のように、停電が生じた場合でも、復電後に保留表示手段を停電前の状態に復帰させることができるように構成されていることによって、復電後においても、保留されている変動表示が第1又は第2変動表示のどちらであるかを把握することができる。従って、復電時に保留されている分の変動表示に関しては、上記のような面白みを堪能することができないといった事態を回避することができ、遊技性の低下に起因して興趣の低下を招くといった事態を防止することができる。
手段7.第1条件が成立した場合に第2条件をも満たすか否かを示す判別情報を記憶可能な判別情報記憶エリアを複数備える主制御手段と、
前記主制御手段から出力される判別情報に基づいて、前記第1条件が成立した場合に前記第2条件をも満たす場合と、前記第1条件は成立したが前記第2条件は満たされていない場合とで異なる処理を行うサブ制御手段とを備え、
前記主制御手段は、
複数の前記判別情報記憶エリアのうち、前記判別情報が記憶されている判別情報記憶エリアの数を示す数情報と、
前記各判別情報記憶エリアに記憶されている前記判別情報と、
前記判別情報記憶エリアに記憶されている判別情報のうち、前記各判別情報がどの順で記憶されたのかを示す順番情報と、
前記判別情報を含むコマンドであることを示すコマンド種別情報と
を有する情報コマンドを前記サブ制御手段に出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、複数の判別情報記憶エリアにそれぞれ記憶されている判別情報を情報コマンドにまとめて一括でサブ制御手段に伝達可能に構成されている。このため、各判別情報記憶エリアの判別情報を1つずつ個別にコマンドに設定してサブ制御手段に伝達する場合に比べ、コマンドの設定及び出力回数を低減させることができ、制御の簡素化等を図ることができる。
尚、「第1条件が成立した場合に第2条件をも満たすか否か」とあるのは、例えば、パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入球することに基づいて大当たり状態の当否抽選が行われる始動口が複数存在し、始動口への入球が確認された(第1条件が成立した)場合に、始動口のうち特定の始動口への入球(第2条件を満たす)なのか、それともそれ以外の始動口への入球(第2条件を満たさない)なのかといった判別や、所定条件(第1条件)の成立を契機として行われる抽選で当選した(第2条件を満たす)か否かといった判別等が挙げられる。
手段8.複数の前記判別情報記憶エリアには順序付けがなされており、前記判別情報がいずれの前記判別情報記憶エリアに記憶されているかを確認することで、当該判別情報が、前記判別情報記憶エリアに記憶されている全ての判別情報のうち何番目に記憶されたものであるかを判別可能に構成され、
前記情報コマンドの前記判別情報は、前記判別情報記憶エリアと同じ数のビット、又は、複数ビットを1組として前記判別情報記憶エリアの数と同じ数の組を使用するとともに、前記各ビット、又は、各組は、前記保留記憶エリアの各保留エリアと1対1で対応付けされて、対応する前記判別情報記憶エリアに記憶されている前記判別情報を判別可能に設定され、
前記サブ制御手段は、前記情報コマンドの前記数情報に基づいて前記判別情報が記憶されている前記判別情報記憶エリアの数を把握するとともに、前記判別情報を示すために割り当てられたビットのうち、前記判別情報が記憶されている前記判別情報記憶エリアの数と同じ数だけのビット、又は、組を参照し、それぞれ前記第2条件が満たされた場合の処理、又は、満たされていない場合の処理を行うことを特徴とする手段7に記載の遊技機。
手段8によれば、複数の判別情報記憶エリアには順序付けがなされているとともに、情報コマンドにおいては、全ての判別情報記憶エリアの判別情報をそれぞれ個別に示すことが可能な数のビットが判別情報用として割り当てられている。このため、情報コマンドのうち判別情報を示すビット、或いは、複数のビットからなる組を参照すれば、当該ビット又は組と1対1で対応する判別情報記憶エリアの判別情報を把握するとともに、当該判別情報が記憶された順番(順番情報)をも把握することができる。
また、情報コマンドに対して、各判別情報記憶エリアの判別情報と1対1で対応するビット(又は組)が設定されることから、判別情報が記憶されていない判別情報記憶エリアがある場合には、当該判別情報が記憶されていない判別情報記憶エリアに対応するビット(又は組)の設定のために、判別情報が記憶されていない判別情報記憶エリアを参照する必要がない(判別情報が記憶されていないとき用の適当な値を設定するだけで済む)。さらに、情報コマンドに対して、判別情報が記憶されている判別情報記憶エリアの数を示す数情報も設定されることから、サブ制御手段での読み取りに際し、判別情報が記憶されている判別情報記憶エリアに対応するビット(又は組)だけを対象に読み取りを行うことができる。従って、情報コマンドの設定及び読み取りに際しての処理の簡素化等を図ることができる。また、情報コマンドのビットパターンと、判別情報記憶エリアの判別情報とを対応付けするテーブルの簡素化を図ることもできる。
手段9.前記判別情報が記憶されていない前記判別情報記憶エリアがある場合において、当該判別情報記憶エリアに対応するビットを利用して別の情報を伝達可能に構成されていることを特徴とする手段8に記載の遊技機。
手段9によれば、対応する判別情報記憶エリアの判別情報を示す必要のなくなった空きビットを利用して、別の情報を伝達することにより、主制御手段から出力されるコマンドを極力減らすといった作用効果が一層確実に奏される。
手段10.前記判別情報記憶エリアに記憶される前記判別情報には、第1判別情報と第2判別情報とがあり、
前記各判別情報記憶エリアは、前記第1判別情報を記憶可能なエリアと、前記第2判別情報を記憶可能なエリアとを有し、
前記第1判別情報の前記第1条件が成立した場合には、前記第2判別情報の前記第1条件も成立するとともに、当該第1判別情報及び第2判別情報が同一の前記判別情報記憶エリアに記憶され、
全ての前記判別情報記憶エリアのうち前記判別情報が記憶されている判別情報記憶エリアの数が半数を超える場合、前記第1判別情報を含む情報コマンドと、前記第2判別情報を含む情報コマンドとが別々に設定され、
全ての前記判別情報記憶エリアのうち前記判別情報が記憶されている判別情報記憶エリアの数が半数以下の場合、1つの情報コマンドにおいて前記第1判別情報と前記第2判別情報との両方が含まるように設定されることを特徴とする手段8又は9に記載の遊技機。
手段10によれば、判別情報が記憶されている判別情報記憶エリアの数が判別情報記憶エリアの全体数の半数以下の場合には、第1判別情報及び第2判別情報をそれぞれ別々の情報コマンドに載せて出力するのではなく、第1判別情報及び第2判別情報をまとめて1回の情報コマンドで出力する構成となっている。このため、情報コマンドで一度に送ることのできる判別情報数の上限の範囲で、判別情報の出力処理を効率的に行うことができる。
尚、「前記判別情報記憶エリアは、第1判別情報を記憶可能なエリアと、第2判別情報を記憶可能なエリアと、第3判別情報を記憶可能なエリアと、第4判別情報を記憶可能なエリアとを有し、全ての前記判別情報記憶エリアのうち前記判別情報が記憶されている判別情報記憶エリアの数が半数を超える場合、前記第1〜第4判別情報がそれぞれ別の情報コマンドに設定され、全ての前記判別情報記憶エリアのうち前記判別情報が記憶されている判別情報記憶エリアの数が全体の1/4を超え、かつ、半数以下の場合、前記第1〜第4判別情報が2種類ずつ1つの情報コマンドに設定され、全ての前記判別情報記憶エリアのうち前記判別情報が記憶されている判別情報記憶エリアの数が全体の1/4以下の場合、前記第1〜4判別情報が1つの情報コマンドに設定されること」としてもよい。
手段11.前記主制御手段から前記サブ制御手段に出力されるコマンドは、いずれも同じビット数で構成され、
前記主制御手段から前記サブ制御手段に出力されるコマンドは、コマンドの種別を特定するコマンド種別情報のために複数ビットを使用するとともに、
前記情報コマンド及び前記情報コマンド以外のコマンドのうちのどちらであるかを示すために1ビットが使用されることを特徴とする手段7乃至10のいずれかに記載の遊技機。
手段11によれば、1ビットの情報で情報コマンドかそれ以外のコマンドかを区別可能なため、情報コマンドにおいてコマンド種別情報で使用するビット数を相対的に減らすことができる。従って、コマンド種別情報の他に数情報及び判別情報を有する情報コマンドを、全体のビット数を増やすことなく確実に設定することができる。また、1つのビットを確認するだけで、その他のコマンドとは異なる情報コマンド特有の読み取り処理に移行可能なため、情報コマンドに関する処理の迅速化、簡素化等を図ることができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。