JP6337611B2 - 粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、もっぱら自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットとフォーム材との固定に使用する粘着テープに関する。
粘着テープは、一般に、接着信頼性が高く、2以上の被着体を接着する際の作業性にも優れることから、例えば電子機器分野及び自動車分野をはじめとする様々な分野で、部品の固定やラベルの貼付等の際に使用されている。
前記粘着テープとしては、従来、いわゆる溶剤系粘着剤を用いて得られる粘着テープが、優れた接着性や保持力を有するものとして知られている。
しかし、前記有機溶剤の排出量の抑制が、自動車分野、建築材料分野、OA、家電分野等から求められているなかで、溶剤系粘着剤の代わりにエマルジョン型粘着剤を用いて得られる粘着テープの開発が要望されている。
前記エマルジョン型粘着剤を用いて得られる粘着テープとしては、例えば水分散型の感圧接着剤組成物を用いて形成された感圧接着剤層と、該感圧接着剤層を支持する支持体としての不織布基材と、を備える両面粘着テープが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、前記エマルジョン型粘着剤を用いて得られる粘着テープは、一般に、溶剤系粘着剤を用いて得られる粘着テープと比較して、大きな表面凹凸形状を有するフォーム材等の難接着被着体に対して実用上十分な接着力を発現することが困難な場合があった。また、前記エマルジョン型粘着剤を用いて得られる粘着テープでは、前記フォーム材を、他の被着体を構成する角部や曲面部等に貼付する場合に、前記フォーム材の反発力に起因して、経時的な剥がれを引き起こしやすい場合があった。
また、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニット及びその周辺設備は、例えば日本であれば、夏場の40℃程度から冬場の−10℃程度といった温度変化の大きい環境下で、長期間にわたり継続して使用されることが多い。
このような過酷な環境下で長期間使用した場合であっても、前記フォーム材の剥がれ等を引き起こすことのない、エマルジョン型粘着剤を用いて得られる粘着テープの開発が、自動車分野で求められていた。
特開2007−23068号公報
本発明が解決しようとする課題は、温度変化の大きい環境下で長期間使用した場合であっても経時的な剥がれを引き起こすことがないレベルの耐熱接着力と、フォーム材の反発力等に起因した剥がれ等を引き起こさないレベルの耐反発性とを両立したエマルジョン型の粘着テープを提供することである。
本発明は、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用する粘着テープであって、前記粘着テープが、アルコキシシリル基またはシラノール基のいずれか一方または両方を有するアクリル重合体を含有するエマルジョン型粘着剤を用いて形成された粘着剤層を有するものであることを特徴とする粘着テープによって、上記課題を解決する。
本発明の粘着テープは、温度変化の大きい環境下で長期間使用した場合であっても経時的な剥がれを引き起こすことがないレベルの耐熱接着力と、フォーム材の反発力等に起因した剥がれ等を引き起こさないレベルの耐反発性とを両立できることから、もっぱら自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材とを接着する際に好適に使用することができる。
また、本発明の粘着テープは、エマルジョン型粘着剤を用いて得られるものであって、環境負荷低減を実現したものであるから、溶剤系粘着剤に含まれる有機溶剤に起因した臭気を大幅に低減することができる。そのため、前記エアコンディショナーユニットから自動車内に送られる空気の、前記有機溶剤に起因した臭気を著しく低減することができる。
180度折り曲げ時の耐反発性試験方法を示す概念図である。 粘着テープの片面にフォーム材を貼付して得た試験片を打ち抜き加工して得た試験片(Y)の上面図である。
本発明の粘着テープは、アルコキシシリル基またはシラノール基のいずれか一方または両方を有するアクリル重合体を含有するエマルジョン型粘着剤を用いて形成された粘着剤層を有するものであることを特徴とするものであって、もっぱら自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用するものである。
本発明の粘着テープとしては、例えば不織布基材や樹脂フィルム基材等の基材の片面または両面に前記粘着剤層を備えた粘着テープ、または、前記粘着剤層のみから構成される、いわゆる基材レスの粘着テープが挙げられる。
本発明の粘着テープとしては、粘着剤層と基材との合計の厚さが80μm〜200μmの範囲であるものを使用することが好ましく、100μm〜160μmの範囲であるものを使用することが、もっぱら自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用した際に、より一層優れた接着力と耐反発性とを両立するうえでより好ましい。
本発明の粘着テープを構成する粘着剤層は、アルコキシシリル基またはシラノール基のいずれか一方または両方を有するアクリル重合体を含有するエマルジョン型粘着剤を用いて形成されたものである。
前記粘着剤層は、もっぱら自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用した際に、より一層優れた接着力と耐反発性とを両立するうえで、40μm〜180μmの厚さであることが好ましく、60μm〜150μmの厚さであることがより好ましい。
また、前記粘着剤層は、前記アクリル重合体が有するアルコキシシリル基またはシラノール基のいずれか一方または両方の官能基間で脱水縮合反応して形成されるシロキサン結合を有する。その結果、形成される粘着剤層としては、20質量%〜60質量%の範囲のゲル分率を有するものを使用することが好ましく、25質量%〜50質量%の範囲のゲル分率を有するものを使用することがより好ましく、30質量%〜40質量%の範囲のゲル分率を有するものを使用することがさらに好ましい。なお、前記ゲル分率は、基材の質量(G)と、粘着テープの質量(G)と、25℃の環境下で粘着テープをトルエンに24時間浸漬し、次いで105℃環境下で乾燥したものの質量(G)とに基づいて算出した値を指す。ゲル分率(質量%)=[(G−G)/(G−G)]×100
前記粘着剤層の形成に使用する前記エマルジョン型粘着剤としては、アルコキシシリル基またはシラノール基のいずれか一方または両方を有するアクリル重合体等と水性媒体とを含有するものを使用することができる。
前記アクリル重合体としては、前記アクリル重合体の全量に対して、前記アルコキシシリル基及びシラノール基を、合計0.001質量%〜1質量%有するものを使用することが好ましく、0.01質量%〜0.1質量%有するものを使用することが、前記好適な範囲のゲル分率を備えた粘着剤層を形成でき、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用され、長期間にわたり温度変化の大きい環境下におかれた場合であっても、より一層優れた接着力と耐反発性とを両立できるためより好ましい。
また、前記アクリル重合体としては、下記一般式(1)で示される官能基を含有することが、良好な柔軟性と優れた凝集力とを両立でき、ポリウレタンフォーム等のフォーム材の反発力に起因した剥がれ等をより一層防止できるため好ましい。
Figure 0006337611
[式(1)中のRは、炭素原子数1または2のアルキル基を表す。]
前記アクリル重合体としては、前記アクリル重合体の全量に対して、一般式(1)で示される官能基を、1質量%〜20質量%有するものを使用することが好ましく、1質量%〜10質量%有するものを使用することがより好ましく、2質量%〜8質量%有するものを使用することがさらに好ましく、3質量%〜5質量%有するものを使用することが、温度変化の大きい環境で使用した場合であっても、フォーム材の剥がれや、フォーム材の反発力に起因した剥がれ等をより一層防止できるため好ましい。
前記アクリル重合体としては、例えばアルコキシシリル基を有する単量体、シラノール基を有する単量体のいずれか一方または両方、必要に応じて前記一般式(1)で示される構造を有する単量体等を含有する単量体混合物を、重合させることによって得られるものを使用することができる。
前記アルコキシシリル基を有する単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を、単独または2以上組み合わせ使用することができる。
また、前記シラノール基を有する単量体としては、前記アルコキシシリル基を有する単量体を加水分解して得られるものを使用するものを使用することができる。前記シラノール基を有するアクリル重合体は、前記アクリル重合体を製造した後に、そのアルコキシシリル基の一部または全部を加水分解することによって得られたものであってもよく、予め加水分解して得たシラノール基を有する単量体を含む混合物を重合することによって得られたものであってもよい。
前記アルコキシシリル基を有する単量体及びシラノール基を有する単量体は、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体混合物の全量に対して、0.001質量%〜1質量%の範囲で使用することが好ましく、0.01質量%〜0.1質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記アクリル重合体の製造に使用可能な単量体としては、前記したもの以外に、必要に応じて、その他の単量体を使用することができる。
前記その他の単量体としては、例えばアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することができ、炭素原子数4〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
前記炭素原子数4〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を、単独または2以上組み合わせ使用することができる。なかでも、前記炭素原子数4〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを使用することが、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用し、長期間にわたり温度変化の大きい環境下におかれた場合であっても、より一層優れた接着力と耐反発性とを両立できるためより好ましい。
前記炭素原子数4〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートを単独で使用すること、または、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートとn−ブチル(メタ)アクリレートとを併用することが好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレートの質量[MBA]と2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートとの質量[MEHA]の比[MBA/MEHA]が、0/10〜9/1の範囲内であることがより好ましく、0/10〜7/3の範囲内であることがより一層好ましく、0/10〜5/5の範囲内であることがさらに好ましく、0/10〜7/3の範囲であることが特に好ましい。
前記炭素原子数4〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して、50質量%以上使用することが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが一層好ましく、90質量%以上であることがより一層好ましく、90質量部〜98質量部の範囲で使用することが、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用し、長期間にわたり温度変化の大きい環境下におかれた場合であっても、より一層優れた接着力と耐反発性とを両立できるため特に好ましい。
また、前記一般式(1)で示される構造をアクリル重合体を導入する際に使用可能な単量体としては、例えば炭素原子数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。前記炭素原子数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートを単独または2以上組み合わせ使用することができる。
前記炭素原子数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して、1質量%〜20質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%〜10質量%の範囲で使用することがより好ましく、2質量%〜8質量%の範囲で使用することがより好ましく、3質量%〜5質量%の範囲の範囲で使用することが、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用し、長期間にわたり温度変化の大きい環境下におかれた場合であっても、より一層優れた接着力と耐反発性とを両立できるため特に好ましい。
前記アクリル重合体の製造に使用可能なその他の単量体としては、より一層優れた凝集力を発現するうえで、カルボキシル基を有する単量体を使用することができる。
カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、無水フタル酸、クロトン酸等を、単独または2以上組み合わせ使用することができる。なかでも、カルボキシル基を有する単量体としては、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を使用することが、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用され、長期間にわたり温度変化の大きい環境下におかれた場合であっても、より一層優れた接着力と耐反発性とを両立できるため特に好ましい。
前記カルボキシル基を有する単量体は、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して、1質量%〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%〜5質量%の範囲で使用することがより好ましく、2質量%〜4質量%の範囲で使用することが、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用し、長期間にわたり温度変化の大きい環境下におかれた場合であっても、より一層優れた接着力と耐反発性とを両立できるため特に好ましい。
前記その他の単量体としては、より一層優れた凝集力を発現するうえで、窒素原子を有する単量体を使用することができる。
窒素原子を有する単量体としては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイル−4−ピペリドン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルモルホリノン、N−ビニルカプロラクタム、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ブチルマレイミド等を、単独または2以上組み合わせ使用することができる。
前記窒素原子を有する単量体としては、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドンを使用することが、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用し、長期間にわたり温度変化の大きい環境下におかれた場合であっても、より一層優れた接着力と耐反発性とを両立できるため特に好ましい。
前記窒素原子を有する単量体は、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して、0.1質量%〜5質量%の範囲で使用することが好ましく、0.1質量%〜3質量%の範囲で使用することがより好ましく、0.5質量%〜1.5質量%の範囲で使用することが、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用し、長期間にわたり温度変化の大きい環境下におかれた場合であっても、より一層優れた接着力と耐反発性とを両立できるため特に好ましい。
前記窒素原子を有する単量体は、前記カルボキシル基を有する単量体と組み合わせ使用することが、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用し、長期間にわたり温度変化の大きい環境下におかれた場合であっても、より一層優れた接着力と耐反発性とを両立できるため特に好ましい。
前記その他の単量体としては、前記したもの以外に必要に応じて、水酸基、スルホン酸、リン酸基等の官能基を有する単量体等を使用することができる。
前記アクリル重合体、または、前記アクリル重合体が水性媒体に分散等したアクリル重合体エマルジョンは、例えば乳化重合法によって製造することができる。前記乳化重合法としては、例えば前記単量体を、重合開始剤や水性媒体や乳化剤等の存在下に供給し、乳化重合する方法が挙げられる。
前記乳化剤としては、前記乳化重合の安定性を確保するため、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、その他の分散安定剤を適量使用することができる。
陰イオン性乳化剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられ、非イオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を使用することができる。
また、前記乳化剤としては、一般に「反応性乳化剤」と称される重合性不飽和基を分子内に有する乳化剤を使用することが好ましい。具体的には、ラテムルS−180[花王(株)製]、ラテムルPD−104[花王(株)製]、アクアロンHS−10[第一工業製薬(株)製]、アクアロンHS−20[第一工業製薬(株)製]、アクアロンKH−10[第一工業製薬(株)製]、アクアロンKH−1025[第一工業製薬(株)製]、アクアロンKH−05[第一工業製薬(株)製]、アクアロンRN−10[第一工業製薬(株)製]、アクアロンRN−20[第一工業製薬(株)製]、アクアロンER−10[第一工業製薬(株)製]、アクアロンER−20[第一工業製薬(株)製]、ニューフロンティアA−229E[第一工業製薬(株)製]、アデカリアソープSE−10[(株)ADEKA製]、アデカリアソープSE−20[(株)ADEKA製]、アデカリアソープSR−10N[(株)ADEKA製]、アデカリアソープSR−20N[(株)ADEKA製]等が挙げられる。前記反応性乳化剤を使用することで、アクリル重合体を製造する際の重合安定性を向上するとともに、粘着剤層の耐水性、耐湿性を向上できるため好ましい。
前記重合開始剤としては、例えば4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’,−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−アルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]硫酸塩、2,2‘−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、2,2‘−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕硫酸塩、2−2’−アゾビス〔2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、2,2‘−アゾビス〔2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンアミドオキシム)等のアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物系開始剤、芳香族カルボニル化合物等のカルボニル系開始剤、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組合せ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組合せ等のレドックス系開始剤等を使用することができる。
なかでも、アゾ系開始剤を使用することが、重合安定性に優れ、所望の粘着性能を得やすいため好ましい。
前記乳化重合の際には、前記アクリル重合体の分子量を調整することを目的として、連鎖移動剤を使用することができる。
前記連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノール等が挙げられる。
一方、前記連鎖移動剤は、一般に、粘着剤層中に残留しやすく、分解の際に臭気を発生させる場合がある。本発明では、自動車内に臭気を伴う空気が送られることを防止するうえで、前記連鎖移動剤を過剰に使用しないことが好ましく、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%〜0.5質量%の範囲であることがより好ましく、0.01質量%〜0.1質量%であることがより一層好ましく、0.02質量%〜0.05質量%の範囲であることが、特に好ましい。
前記アクリル重合体としては、30万〜120万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが好適であり、40万〜100万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましく、60万〜80万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがさらに好ましい。前記範囲の重量平均分子量を有するアクリル重合体を使用することによって、ポリウレタンフォーム等のフォーム材に対して、より一層優れた接着力、耐反発性を備えた粘着剤層を形成することができる。なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算である。測定条件として、カラムはTSKgel GMHXL[東ソー製]を用い、カラム温度は40℃、溶離液はテトラヒドロフラン、流量は1.0mL/分とし、標準ポリスチレンはTSK標準ポリスチレンを用いた。
前記乳化重合法で得られた前記アクリル重合体は、水性媒体に溶解または分散しうるものであることが好ましい。
前記アクリル重合体粒子の平均粒子径は、特に制限されるものではないが、100nm〜1000nmであることが好ましく、150nm〜500nmであることが、長期保管した場合であっても凝集や沈降を生じにくく分散安定性に優れるため好ましい。なお、前記平均粒子径は、エマルジョン粒子の体積基準での50%メジアン径をいい、数値は動的光散乱法により測定して得られる値に基づくものである。
前記水性媒体としては、水の単独、または水と水溶性溶剤の混合溶剤を使用することができる。前記「水と水溶性溶剤の混合溶剤」とは、実質的に水を主体とした水溶性溶剤との混合溶剤であり、混合溶剤の全量に対して、水溶性溶剤の含有率が好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下であるものを使用することが好ましい。
前記水溶性溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール、N−メチルピロリドン等の極性溶剤を単独または2種以上併用して使用することができる。
前記方法で得られたアクリル重合体と水性媒体とを含有するアクリル重合体エマルジョンは、前記エマルジョン型粘着剤及び粘着テープを製造する際のコストを低減するとともに、前記粘着テープを製造する際の生産効率を向上させるうえで、40質量%〜70質量%の範囲の固形分濃度であるものであることが好ましい。
前記エマルジョン型粘着剤としては、より一層優れた定荷重保持力及び粘着力を備えた粘着剤層を形成するうえで、前記アクリル重合体エマルジョンの他に、必要に応じて、粘着付与樹脂を含有するものを使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、エマルジョン型粘着剤に使用するうえで、エマルジョン型の粘着付与樹脂を使用することが好ましい。
前記エマルジョン型の粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂等を使用することができる。なかでも、前記エマルジョン型の粘着付与樹脂としては、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂を使用することが、温度変化の大きい環境下で長期間使用した場合であっても経時的な剥がれを引き起こすことがないレベルのより一層優れた耐熱接着力と、フォーム材の反発力等に起因した剥がれ等を引き起こさないレベルのより一層優れた耐反発性とを両立するうえで好ましい。
前記重合ロジンエステル系粘着付与樹脂としては、スーパーエステルE−650[荒川化学工業(株)製]、スーパーエステルE−788[荒川化学工業(株)製]、スーパーエステルE−786−60[荒川化学工業(株)製]、スーパーエステルE−865[荒川化学工業(株)製]、スーパーエステルE−865NT[荒川化学工業(株)製]、ハリエスターSK−508[ハリマ化成(株)製]ハリエスターSK−508H[ハリマ化成(株)製]、ハリエスターSK−816E[ハリマ化成(株)製]、ハリエスターSK−822E[ハリマ化成(株)製]、ハリエスターSK−323NS[ハリマ化成(株)製]等を使用することができる。
前記ロジンフェノール系粘着付与樹脂としては、タマノルE−100[荒川化学工業(株)製]、タマノルE−200[荒川化学工業(株)製]、タマノルE−200NT[荒川化学工業(株)製]等を使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、120℃〜180℃の範囲の軟化点を有するものを使用することが好ましく、140℃〜180℃の範囲の軟化点を有するものを使用することが、温度変化の大きい環境下で長期間使用した場合であっても経時的な剥がれを引き起こすことがないレベルのより一層優れた耐熱接着力と、フォーム材の反発力等に起因した剥がれ等を引き起こさないレベルのより一層優れた耐反発性とを両立するうえで好ましい。
前記粘着付与樹脂は、前記アクリル重合体100質量部に対して、5質量部〜50質量部の範囲で使用することが好ましく、10質量部〜40質量部の範囲で使用することがより好ましく、15質量部〜35質量部の範囲で使用することが、温度変化の大きい環境下で長期間使用した場合であっても経時的な剥がれを引き起こすことがないレベルのより一層優れた耐熱接着力と、フォーム材の反発力等に起因した剥がれ等を引き起こさないレベルのより一層優れた耐反発性とを両立するうえで好ましい。
前記エマルジョン型粘着剤としては、必要に応じて、架橋剤を含有するものを使用することができる。
前記架橋剤としては、例えば、エポキシ化合物、オキサゾリン基を有する化合物、カルボジイミド基を有する化合物、イソシアネート基を有する化合物等を使用することができ、エポキシ化合物を使用することが好ましい。
前記エポキシ化合物としては、例えば、テトラッドC[三菱ガス化学(株)製]、デナコール EX−832[ナガセ化成工業(株)製]等が挙げられる。
前記架橋剤を含有するエマルジョン型粘着剤を使用することによって、温度変化の大きい環境下で長期間使用した場合であっても経時的な剥がれを引き起こすことがないレベルのより一層優れた耐熱接着力と、フォーム材の反発力等に起因した剥がれ等を引き起こさないレベルのより一層優れた耐反発性とを両立した粘着テープを得ることができる。
前記架橋剤は、前記アクリル重合体100質量部に対して、0質量部〜1質量部の範囲で使用することが好ましく、0.001質量部〜0.1質量部の範囲で使用することがより好ましく、0.01質量部〜0.05質量部の範囲で使用することが、温度変化の大きい環境下で長期間使用した場合であっても経時的な剥がれを引き起こすことがないレベルのより一層優れた耐熱接着力と、フォーム材の反発力等に起因した剥がれ等を引き起こさないレベルのより一層優れた耐反発性とを両立した粘着テープを得ることができる。
前記エマルジョン型粘着剤としては、必要に応じて各種添加剤を含有するものを使用することができる。
前記添加剤としては、例えばpHを調整するための塩基(アンモニア水など)や酸、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン・ビーズ・金属粉末等の充填剤、顔料・染料等の着色剤、pH調整剤、皮膜形成補助剤、レベリング剤、増粘剤、発水剤、消泡剤等の公知のものを使用することができる。
また、本発明の粘着テープを製造する際に使用することのできる基材としては、例えば不織布、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンフィルム等を使用することができる。なかでも、前記基材としては、不織布を使用することが、温度変化の大きい環境下で長期間使用した場合であっても経時的な剥がれを引き起こすことがないレベルのより一層優れた耐熱接着力と、フォーム材の反発力等に起因した剥がれ等を引き起こさないレベルのより一層優れた耐反発性とを両立した粘着テープを得るうえで好ましい。
前記不織布としては、例えば、マニラ麻、木材パルプ、レーヨン、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維(ポリビニルアルコール繊維)、ポリアミド繊維等の化学繊維、およびこれらの混合物等を用いて得られる不織布が挙げられる。
前記不織布としては、MD方向(縦方向;流れ方向)の引張強さが10N/20mm〜20N/20mmが好ましく、14N/20mm〜18N/20mmがより一層好ましい。前記範囲の引張強さを有する不織布を使用することによって、ポリウレタンフォーム等のフォーム材をエアコンディショナーユニットに貼付する際に、千切れにくく、貼付作業性に優れた粘着テープを得ることができる。なお、前記引張強さとは、幅20mm、標線長さ100mmの不織布を、テンシロン引張試験機を用い、23℃・50%RHの環境下において、300mm/分の速度で引っ張った際の最大強度のことをいう。
前記不織布としては、坪量10g/m〜30g/mであるものを使用することが好ましく、13g/m〜25g/mであるものを使用することがより好ましく、14g/m〜20g/mであるものを使用することが一層好ましい。
前記不織布としては、密度0.1g/cm〜0.8g/cmであるものを使用することが好ましく、0.2g/cm〜0.4g/cmであるものを使用することがより好ましい。
前記範囲の坪量及び密度を有する不織布を使用することによって、ポリウレタンフォーム等のフォーム材をエアコンディショナーユニットに貼付する際に、千切れにくく、貼付作業性に優れた粘着テープを得ることができる。
前記不織布としては、厚さ100μm以下であるものを使用することが好ましく、10μm〜100μmであるものを使用することがより好ましく、40μm〜70μmであるものを使用することがさらに好ましい。
前記範囲の厚さを有する不織布を使用することによって、ポリウレタンフォーム等のフォーム材をエアコンディショナーユニットに貼付する際に、千切れにくく、貼付作業性に優れた粘着テープを得ることができる。
前記不織布は、例えば公知の湿式法によって製造することができる。前記不織布を製造する際に使用可能な抄紙機としては、例えば円網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機、傾斜短網抄紙機等を使用することができ、傾斜短網抄紙機を使用することが好ましい。
前記不織布を製造する際には、必要に応じて強化剤を使用することができる。
前記強化剤としては、例えば内添強化剤または外添強化剤を単独または2以上組み合わせ使用することができる。
前記内添強化剤としては、ポリアクリルアミド系樹脂、尿素−ホルムアルデヒド系樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド系樹脂、エポキシ−ポリアミド系樹脂等を使用することができる。
前記外添強化剤としては、でんぷんや、ビスコース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の熱可塑性樹脂を使用することが使用できる。
本発明の粘着テープは、例えば前記基材の片面または両面に、ナイフコーターやダイコーター等を用い、前記エマルジョン型粘着剤を塗布し、乾燥することによって製造することができる(いわゆる、直塗り法)。前記方法で得た粘着テープを構成する粘着剤層の表面には、離型ライナーが積層されていてもよい。
また、本発明の粘着テープは、予め離型ライナーの表面に、ナイフコーターやダイコーター等を用い、前記エマルジョン型粘着剤を塗布し、乾燥することによって、粘着剤層を形成し、次に、前記粘着剤層を、前記基材の片面または両面に転写する方法によって製造することもできる(いわゆる、転写法)。
本発明の粘着テープは、例えばポリウレタンフォーム等のフォーム材のような凹凸形状の表面を有するに素材に対して、優れた接着力を有することから、例えば前記粘着テープとフォーム材とが貼付された状態のものを、所望の形状に打ち抜き加工等した場合であっても、剥がれ等を引き起こしにくい。また、前記粘着テープは、反発力の大きい前記フォーム材等を、他の被着体の曲面部や角部に貼付した場合であっても、前記反発力に起因した前記フォーム材の剥がれを引き起こしにくい。
また、本発明の粘着テープは、温度変化の大きい環境下に長期間おかれた場合であっても、前記優れた接着力と耐反発力とを維持することができる。
したがって、本発明の粘着テープは、もっぱら自動車を製造する際の粘着テープとして好適に使用することができ、なかでも、自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用することができる。
具体的には、前記粘着テープは、前記エアコンディショナーユニットと、前記エアコンディショナーユニットで温度または湿度調整された空気を自動車内に送るダクトとの間に設置されるフォーム材との固定に、好適に使用することができる。本発明の粘着テープは、前記用途で使用した場合であっても、エアコンディショナーユニットから送られる空気の温度や湿度によらず、また、外気温度や湿度によらず、長期間にわたり優れた接着力及び耐反発力を有する。
前記粘着テープとしては、一方の粘着剤層に、予め前記フォーム材が貼付されていてもよい。
前記フォーム材としては、独立気泡またはそれらの一部が連通した気泡を含む多孔体を使用することができる。具体的には、前記フォーム材としては、例えばエーテル系ポリウレタンフォーム、エステル系ポリウレタンフォーム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)系のオプシーラー等を使用することができる。
前記フォーム材のうち、ウレタンフォーム材、特にエーテル系ポリウレタンフォーム材は、一般に、折り曲げた際の反発力が大きい傾向にあるが、本発明の粘着テープであれば、前記フォーム材の固定に際しても、好適に使用することができる。
また、本発明の粘着テープは、前記エアコンディショナーユニット及びフォーム材に貼付する前まで、前記粘着剤層の表面に離型ライナーが貼付された状態であってもよい。
前記離型ライナーとしては、従来のものを使用することができる。例えば、前記粘着テープの一方の面に予めフォーム材が貼付されたものを準備し、その他方の粘着剤層表面とエアコンディショナーユニットの所定の位置とを接着させる場合、前記他の粘着剤層の表面に貼付された離型ライナーを剥離する際に前記離型ライナーの破れを引き起こす場合がある。前記破れは、前記貼付作業性の低下を引き起こすため、好ましくない。
そこで、前記離型ライナーとしては、前記離型ライナーを流れ方向に沿って、20m/分の速度で引っ張った際の引張強度が、35N/5mm以上であり、かつ、前記離型ライナーを幅方向に沿って、20m/分の速度で引っ張った際の引張強度が、35N/5mm以上であるものを使用することが好ましい。かかる引張強度を備えた剥離ライナーを使用することによって、離型ライナーを剥がす際に、離型ライナーの破れを防止でき、その結果、ポリウレタンフォーム等のフォーム材をエアコンディショナーユニットに接合固定する際の作業効率の低下を防止することができる。
前記離型ライナーの流れ方向の引張強度は45N/5mm以上であり、かつ、幅方向の引張強度が35N/5mm以上であることがより好ましく、流れ方向の引張強度が45N/5mm以上であり、かつ、幅方向の引張強度が40N/5mm以上であることがより一層好ましく、流れ方向の引張強度が55N/5mm以上であり、かつ、幅方向の引張強度が45N/5mm以上であることがさらに好ましい。また、前記離型ライナーの流れ方向及び幅方向の引張強度の上限は、いずれも125N/5mmであることが好ましい。
また、本発明で使用する離型ライナーとしては、前記離型ライナーを流れ方向に沿って、JIS L 1085規格に準拠し、ガーレー式試験機を用いて測定した剛軟度が1,000mg以上であり、かつ、前記離型ライナーを幅方向に沿って測定した剛軟度が1,000mg以上であるものを使用することが好ましい。かかる離型ライナーを使用することによって、離型ライナーを剥がす際に、離型ライナーの破れを防止でき、その結果、ポリウレタンフォーム等のフォーム材をエアコンディショナーユニットに接合固定する際の作業効率の低下を防止することができる。
前記離型ライナーの流れ方向の剛軟度は2,000mg以上で、かつ、幅方向の剛軟度が好ましくは1,000mg以上であることがより好ましく、流れ方向の剛軟度が2,000mg以上で、かつ、幅方向の剛軟度が1,200mg以上であることがより好ましく、流れ方向の剛軟度は2,000mg以上で、かつ、幅方向の剛軟度が1,300mg以上であることがより一層好ましく、流れ方向の剛軟度が2,000mg以上で、かつ、幅方向の剛軟度が2,000mg以上であることが特に好ましい。
また、本発明で使用する離型ライナーとしては、前記離型ライナーの流れ方向の引裂強度が0.1N〜4Nの範囲であるものを使用することが好ましい。かかる離型ライナーを使用することによって、離型ライナーを剥がす際に、離型ライナーの破れを防止でき、その結果、ポリウレタンフォーム等のフォーム材をエアコンディショナーユニットに接合固定する際の作業効率の低下を防止することができる。
ここでの引裂強度とは、離型ライナーの端部の中央にハサミ等で切れ目を入れたのち、0.2m/分で引き裂いた際の強度に基づくものである。
前記離型ライナーは、前記離型ライナーの流れ方向の引裂強度が0.5N〜2Nの範囲であるものを使用することがより好ましい。
前記離型ライナーの引張強度及び剛軟度、引裂強度は、離型ライナーを構成する材質、積層構造等を適宜設定することによって、前記所定の範囲内に調整することができる。具体的には、前記離型ライナーの引張強度及び剛軟度、引裂強度は、それを構成する原紙の種類や坪量、ポリオレフィン層等の樹脂層の有無、樹脂層の厚さ、離型ライナーの総厚さ、総坪量等を調整することによって適宜調整することができる。また、前記離型ライナーの剥離荷重を所望の範囲内に調整するうえで、離型ライナーを構成するシリコーン層の種類や塗布量を調整することが好適である。
前記離型ライナーの総厚さとしては、100μm〜200μmの範囲のものを使用することが好ましく、120μm〜150μmの範囲のものを使用することがより好ましく、130μm〜140μmの範囲のものを使用することが、粘着テープの製造工程における取扱作業性が良好であり、また、前記粘着テープの粘着剤層から離型ライナーを剥がす際に破けにくく剥がしやすいうえで、特に好ましい。
前記離型ライナーとしては、化学パルプを用いて得られる坪量75g/m〜110g/mの紙の片面または両面に、ポリオレフィン層を有し、前記ポリオレフィン層の一方または両方の表面に、シリコーンを含有する層を有するものを使用することが好ましい。
前記紙としては、化学パルプを用いて得られるものを使用することが好ましい。
前記化学パルプとしては、例えばクラフトパルプ、サルファイドパルプ、アルカリパルプ等を使用することができ、クラフトパルプ、サルファイドパルプを使用することが好ましく、サルファイドパルプを使用することがより好ましい。
前記紙の中でも、サルファイドパルプの配合率が100質量%となる、いわゆる上質紙が好ましく使用でき、前記サルファイドパルプのなかでも、針葉樹晒硫酸塩パルプ(N材)と広葉樹晒硫酸塩パルプ(L材)とを混成して得た上質紙を使用することが、離型ライナーを剥がす工程で離型ライナーが破けにくくなるため好ましい。なお、前記針葉樹晒硫酸塩パルプ(N材)と広葉樹晒硫酸塩パルプ(L材)との比率は、特に制限されるものではなく、粘着テープの製造工程や使用工程における取扱作業性に合わせて、N材とL材の比率を適宜調整することができる。
前記離型ライナーを構成する前記紙は、内添方式の湿潤紙力増強剤や乾燥紙力増強剤、表面方式の紙力強化剤を含有するものであってもよい。内添方式の乾燥紙力増強剤と、表面方式の紙力強化剤がより好ましく、両紙力強化剤を併用することがより一層好ましい。内添方式の乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオン化デンプン、ポリアクリルアミド系ポリマー等が挙げられる。また、表面方式の紙力増強剤としては、例えば、変性デンプン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
前記紙としては、サイズ剤、歩留まり向上剤、濾水向上剤、消泡剤、分散剤、漂白剤や染料等を含有するものを使用することができる。
また、前記紙を抄紙する方法としては、特に制限されることはないが、例えば、円網抄紙方機や短網抄紙機、長網抄紙機等を用いる方法が挙げられる。
前記離型ライナーとしては、前記紙の片面または両面に、ポリオレフィン層を形成することが好ましい。ポリオレフィン層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いて形成される層が挙げられ、ポリエチレン等を用いて形成される樹脂層であることが、紙との密着性が高く、離型ライナーを剥がす際に破けにくくするうえで、より好ましい。
また、前記ポリオレフィン層の厚さとしては、10μm〜40μmの範囲の樹脂層を有するものを使用することが好ましく、20μm〜30μmの範囲の樹脂層を有するものを使用することがより好ましく、23μm〜27μmの範囲の樹脂層を有するものを使用することが、前記紙との密着性が高く、離型ライナーを剥がす際に破けにくくするうえで、特に好ましい。
前記ポリオレフィン層は、例えばポリエチレンを、Tダイ押出機で前記原紙の一方または両方の面(片面または両面)に塗布し、ラミネートすることによって形成することができる。
前記離型ライナーとしては、前記紙の片面または両面にポリオレフィン層を有し、前記ポリオレフィン層の外側面にシリコーンを含有する層を有するものを使用することが好ましい。前記シリコーンを含有する層は、シリコーン系剥離剤を塗工し乾燥し硬化させることで形成することができる。
前記シリコーン系剥離剤としては、前記所定の剥離荷重を付与するうえで、付加反応タイプまたは縮合反応タイプ、UV硬化反応タイプであることが好ましく、なかでも、付加反応タイプのシリコーン系剥離剤を用いることが、速い速度で離型ライナーを粘着テープの粘着剤層から剥がした場合においても、離型ライナーが破けにくく剥がしやすいうえで、特に好ましい。
前記シリコーンを含有する層は、シリコーン系剥離剤と共に触媒を含有するものが好ましく、なかでもシリコーン系剥離剤と共に白金系触媒を含有するものが、粘着剤層から離型ライナーを剥がした際に、シリコーン系剥離剤が粘着剤層に移行する量を少なく抑えることができるうえで、特に好ましい。
前記シリコーンを含有する層は、前記剥離荷重を適宜調整するうえで、必要に応じて重剥離添加剤を含有するものであってもよい。
前記付加反応タイプのシリコーン系剥離剤としては、KS−847T[信越化学工業(株)製]、KS−774[信越化学工業(株)製]、KS−776A[信越化学工業(株)製]、KS−778[信越化学工業(株)製]、KS−779H[信越化学工業(株)製]、KS−830[信越化学工業(株)製]、KS−837[信越化学工業(株)製]、KS−839L[信越化学工業(株)製]、KS−3502[信越化学工業(株)製]、KS−3703[信越化学工業(株)製]、SRX357[東レ・ダウコーニング(株)製]、BY23−749[東レ・ダウコーニング(株)製]、SD7333[東レ・ダウコーニング(株)製]、BY24−179[東レ・ダウコーニング(株)製]、SRX211[東レ・ダウコーニング(株)製]、BY23−746[東レ・ダウコーニング(株)製]、SRX345[東レ・ダウコーニング(株)製]、BY24−4103[東レ・ダウコーニング(株)製]、SD7320[東レ・ダウコーニング(株)製]、SD7236[東レ・ダウコーニング(株)製]等が挙げられる。
前記重剥離添加剤としては、KS−3800[信越化学工業(株)製]、SD7292[東レ・ダウコーニング(株)製]、BY24−843[東レ・ダウコーニング(株)製]、BY24−4980[東レ・ダウコーニング(株)製]等が挙げられる。
前記触媒としては、白金系触媒が好適に使用でき、SRX212[東レ・ダウコーニング(株)製]、NC−25[東レ・ダウコーニング(株)製]、CAT−PL−50T[信越化学工業(株)製]等が挙げられる。
前記付加反応タイプのシリコーン系剥離剤のなかでも、KS−847T[信越化学工業(株)製]、SD7333[東レ・ダウコーニング(株)製]、SRX345[東レ・ダウコーニング(株)製]を用いることが、離型ライナーを20m/分の速度で剥離しても、軽い力で剥がしやすく、また、離型ライナーが破けにくいうえで、特に好ましい。
前記シリコーンを含有する層の塗布量は、前記剥離荷重を所定の範囲に調整するうえで、0.5g/m〜1.0g/mの範囲内であることが好ましい。前記塗布量を適宜調整するうえで、シリコーン系剥離剤をトルエン等の有機溶剤で希釈してもよい。希釈溶液を調製する際は、1質量%〜10質量%の範囲内であることが、前記塗布量を所定の範囲に調整できるうえで好ましい。
前記シリコーンを含有する層を形成する方法としては、シリコーン系剥離剤をトルエン等の有機溶剤で希釈したものを、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、マイヤーバーコーター、5本ロールコーター等を用いて前記樹脂層の表面に塗工し乾燥する方法が挙げられる。前記シリコーンを含有する層は、90℃〜110℃で3秒〜40秒乾燥し、硬化させることが好ましい。また、前記シリコーンを含有する層は、前記キュア後に、30℃〜60℃で、48時間以上かけて養生し形成することが好ましい。
前記離型ライナーとしては、前記粘着テープの粘着剤層から前記離型ライナーを、180度方向に5m/分で引き剥がした際の剥離荷重が、1N/20mm以下であるものを使用することが好ましい。かかる離型ライナーを使用することによって、離型ライナーを遅い速度で剥がす場合においても、離型ライナーの破れを防止でき、その結果、ポリウレタンフォーム等のフォーム材をエアコンディショナーユニットに接合固定する際の作業効率の低下を防止することができる。
前記離型ライナーは、「SKダイン801B」(綜研化学(株)製、溶剤系粘着剤)を用いて形成された厚さ90μmの粘着剤層に対して、0.5N/20mm以下の剥離荷重を有するものであることが好ましく、0.3N/20mm以下であることがより好ましく、0.25N/20mm以下であることがさらに好ましく、0.16N/20mm以下であることが、離型ライナーを剥がしやすく作業効率が向上するうえで、特に好ましい。
前記剥離荷重は、離型ライナー上に、「SKダイン801B」(綜研化学(株)製、溶剤系粘着剤)を乾燥後の厚さが90μmとなるように塗工し、乾燥した後、その表面に厚さ75μmのPETフィルムを貼付し、40℃環境下で20時間養生し、幅20mmに切断した試験片の離型ライナー側を掴み、180度方向に剥がした際の強度に基づくものである。
前記離型ライナーは、180度方向に5m/分で引き剥がした際の剥離荷重が、0.01N/20mm〜0.5N/20mmの範囲であることがより好ましく、0.01N/20mm〜0.4N/20mmの範囲であることがより一層好ましく、0.1N/20mm〜0.3N/20mmの範囲であることがさらに好ましく、0.12N/20mm〜0.22N/20mmであることが特に好ましい。
また、前記離型ライナーとしては、前記粘着テープの粘着剤層から前記離型ライナーを、180度方向に20m/分で引き剥がした際の剥離荷重が、1N/20mm以下であるものを使用することが好ましい。かかる離型ライナーを使用することによって、離型ライナーを速い速度で剥がす場合においても、離型ライナーの破れを防止でき、その結果、ポリウレタンフォーム等のフォーム材をエアコンディショナーユニットに接合固定する際の作業効率の低下を防止することができる。
前記離型ライナーは、前記粘着テープの粘着剤層から前記離型ライナーを180度方向に20m/分で引き剥がした際の剥離荷重が、0.01N/20mm〜0.7N/20mmの範囲であることがより好ましく、0.01N/20mm〜0.5N/20mmの範囲であることがより一層好ましく、0.1N/20mm〜0.4N/20mmであることがさらに好ましく、0.1N/20mm〜0.2N/20mmであることが特に好ましい。
また、前記離型ライナーとしては、剥がす速度を上げても、剥離荷重が重くなりにくいもの、いわゆる速度依存性の小さいものを使用することが、離型ライナーを速く剥がす際に、離型ライナーの破れを防止でき、その結果、粘着テープをポリウレタンフォーム等のフォーム材を、エアコンディショナーユニットに貼付する際の作業効率の低下を防止することができるため好ましく、前記粘着テープの粘着剤層から前記離型ライナーを180度方向に5m/分で引き剥がした際の剥離荷重[R5m]に対する、前記粘着テープの粘着剤層から前記離型ライナーを180度方向に20m/分で引き剥がした際の剥離荷重[R20m]の比[R20m/R5m]が、1〜3の範囲であることが好ましく、1〜2.5の範囲であることがより好ましく、1〜2の範囲であることがより一層好ましく、1.1〜1.5の範囲であることが特に好ましい。
次に、本発明を実施例および比較例により詳細に説明する。
[評価方法]
(粘着テープを構成する粘着剤層のゲル分率の測定)
実施例及び比較例の粘着テープの製造に使用した基材の質量(G)を測定した。
次に、前記粘着テープを縦50mm、横40mmの大きさに裁断し、その両面の離型ライナーを剥がして得た試料の質量(G)を測定した。
次に、前記試料をトルエンに浸漬したものを、25℃(常温)で24時間放置した。
前記24時間後、前記試料のうちトルエンに溶解しなかったものを、300メッシュ金網を用いて濾過することで分離し、それを105℃で1時間乾燥したものの質量(G)を測定した。
前記ゲル分率は、下記式にしたがって算出した。ゲル分率(質量%)=[(G−G)/(G−G)]×100
(23℃環境下における180度折り曲げ時の耐反発性)
実施例及び比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)を貼り合わせた。その際、前記エーテル系ポリウレタンフォームの厚さが5mmになる程度の圧縮荷重を加えることで、それらを圧着させた。
前記方法で得たエーテル系ポリウレタンフォームと粘着テープとの貼付物を、幅20mm及び長さ100mmの大きさに切断し、23℃及び50%RH環境下に24時間放置したものを試験片(X)とした。
次に、前記試験片(X)を構成する他方の離型ライナーを剥がし、それを、厚さ4mmのポリプロピレン板1の一方の面に、貼付面積が幅20mm及び長さ20mmとなるように貼付した。
次に、前記ポリプロピレン板1に貼付されていない状態の前記試験片(X)を、前記ポリプロピレン板1の他方の面側に180度折り曲げて貼付し、さらにその端部を、前記一方の面側に貼付した。具体的には、図1に示すように、前記試験片(X)をポリプロピレン板1に貼付した。前記貼付したものを23℃及び50%RH環境下に24時間放置した。
前記放置後、前記エーテル系ポリウレタンフォームが前記粘着テープの表面から剥がれた距離(浮き剥がれ距離)を測定した(図1)。
◎:浮き剥がれ距離が、5mm未満であった。
○:浮き剥がれ距離が、5mm以上、10mm未満であった。
△:浮き剥がれ距離が、10mm以上、20mm未満であった。
×:浮き剥がれ距離が、20mm以上であった。
(冷熱サイクル条件下における180度折り曲げ時の耐反発性)
実施例及び比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)を貼り合わせた。その際、前記エーテル系ポリウレタンフォームの厚さが5mmになる程度の圧縮荷重を加えることで、それらを圧着させた。
前記方法で得たエーテル系ポリウレタンフォームと粘着テープとの貼付物を、幅20mm及び長さ100mmの大きさに切断し、23℃及び50%RH環境下に24時間放置したものを試験片とした。
次に、前記試験片を構成する他方の離型ライナーを剥がし、それを、厚さ4mmのポリプロピレン板の一方の面に、貼付面積が幅20mm及び長さ20mmとなるように貼付した。
次に、前記ポリプロピレン板1に貼付されていない状態の前記試験片(X)を、前記ポリプロピレン板1の他方の面側に180度折り曲げて貼付し、さらにその端部を、前記一方の面側に貼付した。具体的には、図1に示すように、前記試験片(X)をポリプロピレン板1に貼付した。前記貼付したものを23℃及び50%RH環境下に24時間放置した。
次に、小型環境試験器[エスペック(株)製、型番:SH−241]を用いて、冷熱サイクル条件(85℃下で2時間放置後、2時間かけて85℃から−35℃へ冷却し、−35℃下で2時間放置後、2時間かけて−35℃から85℃へ加温することを1サイクルとする条件)で125サイクル放置した後に、前記エーテル系ポリウレタンフォームが前記粘着テープの表面から剥がれた距離(浮き剥がれ距離)を測定した。
◎:浮き剥がれ距離が、5mm未満であった。
○:浮き剥がれ距離が、5mm以上、10mm未満であった。
△:浮き剥がれ距離が、10mm以上、20mm未満であった。
×:浮き剥がれ距離が、20mm以上であった。
(23℃環境下放置後の180度引き剥がし接着力)
実施例及び比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼付し裏打ちしたものを試験片とした。
次に、前記試験片を構成する他方の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、後述する被着体(1)〜(3)を貼り合わせ、2kgのローラーを用い1往復加圧することでそれらを接着させた。
前記方法で接着させたものを、23℃及び50%RH環境下に24時間放置した後、同環境下で、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式:RTM−100]を用い、前記試験片を、被着体の水平方向に対して180度方向に300mm/分の速度で引き剥がすことによって接着力を測定した
被着体(1);厚さ4mmのステンレス板
被着体(2);厚さ4mmのポリプロピレン板
被着体(3);厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)
前記ステンレス板に対して14N/20mm以上の接着力を示し、かつ、ポリプロピレン板に対して12N/20mm以上の接着力を示し、かつ、エーテル系ポリウレタンフォームに対して4N/20mm以上の接着力を示したものを優良と評価した。なお、エーテル系ポリウレタンフォームに対しての接着力が7N/20mm以上を示したものを7<と記載した。
(冷熱サイクル条件下放置後の180度引き剥がし接着力)
実施例及び比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼付し裏打ちしたものを試験片とした。
次に、前記試験片を構成する他方の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、後述する被着体(1)〜(3)を貼り合わせ、2kgのローラーを用い1往復加圧することでそれらを接着させ、それらを、23℃及び50%RH環境下に24時間放置することによって接着物を得た。
次に、小型環境試験器[エスペック(株)製、型番:SH−241]を用いて、冷熱サイクル条件(85℃下で2時間放置後、2時間かけて85℃から−35℃へ冷却し、−35℃下で2時間放置後、2時間かけて−35℃から85℃へ加温することを1サイクルとする条件)で125サイクル放置した後に、23℃及び50%RH環境下で、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式:RTM−100]を用い、前記接着物を構成する前記試験片を、被着体の水平方向に対して180度方向に300mm/分の速度で引き剥がすことによって接着力を測定した
被着体(1);厚さ4mmのステンレス板
被着体(2);厚さ4mmのポリプロピレン板
被着体(3);厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)
前記ステンレス板に対して14N/20mm以上の接着力を示し、かつ、ポリプロピレン板に対して12N/20mm以上の接着力を示し、かつ、エーテル系ポリウレタンフォームに対して4N/20mm以上の接着力を示したものを優良と評価した。なお、エーテル系ポリウレタンフォームに対しての接着力が7N/20mm以上を示したものを7<と記載した。
(離型ライナーの手剥がし適性の評価)
実施例及び比較例の粘着テープを構成する片面の離型ライナーを剥がし、その粘着剤層の表面に、厚さ10mmのエーテル系ポリウレタンフォーム((株)イノアックコーポレーション製、商品名;ECS)を貼り合わせたものを3個用意した。その際、前記エーテル系ポリウレタンフォームの厚さが5mmになる程度の圧縮荷重を加えることで、それらを圧着させた。
次に、前記3個の貼付物を重ねた状態で、図2に示す形状に打ち抜き加工したものを試験片(Y)とした。
前記試験片(Y)の1角(図2中のA点)から、対角方向(図2中のB点方向)に、前記試験片(Y)を構成する他方の離型ライナーを20m/分の速度で引き剥がした際の剥がしやすさを評価した。試験者5人が試験片毎に3回実施し、一番多い評価を採用した。
◎:離型ライナーが破けず、軽い力で剥がすことができた。
○:離型ライナーが破けず、やや重い感触はあったものの剥がすことができた。
△:1回または2回、離型ライナーが破けた。
×:3回とも離型ライナーが破けた。
(粘着テープの剥離荷重)
実施例及び比較例の粘着テープを幅20mmに切断したものを試験片とした。23℃及び50%RH環境下で、試験片の離型ライナーを掴み、高速剥離試験機[テスター産業(株)製]を用い、粘着剤層から180度方向に5m/分、及び、20m/分の速度で剥がした際の剥離荷重を測定した。
(離型ライナーの剥離荷重)
離型ライナーに、SKダイン801B(綜研化学(株)製、溶剤系粘着剤)を、乾燥後の厚さが90μmとなるように塗工し、乾燥後に厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと貼り合わせ、40℃環境下で20時間養生し、幅20mmに切断したものを試験片とした。前記試験片の離型ライナーを掴み、高速剥離試験機[テスター産業(株)製]を用い、180度方向に5m/分の速度で剥がした際の剥離荷重を測定した。
(離型ライナーの引張強度)
剥離ライナーを流れ方向に5mm及び幅方向に180mmの寸法に裁断した試験片を5枚用意した。前記試験片の幅方向の引張強度を、高速引張試験機[テスター産業(株)製]を用い、標線間隔150mm、引張速度20m/分の条件で測定し平均した。また、剥離ライナーを流れ方向に180mm及び幅方向に5mmの寸法に裁断した試験片を5枚用意した。前記試験片の幅方向の引張強度を、高速引張試験機[テスター産業(株)製]を用い、標線間隔150mm、引張速度20m/分の条件で測定し平均した。
(離型ライナーの剛軟度)
離型ライナーの剛軟度は、JIS L 1085規格に従い測定した。剥離ライナーを流れ方向に20mm及び幅方向に340mmの寸法に裁断した試験片を5枚用意した。
次に、ガーレー式剛軟度試験機[テスター産業(株)製、型式;ST−401]を用い、前記試験片を5枚重ねチャックで固定した。
次に、支点から10cm離れたところに25gの荷重をかけてアームを定速回転させ、前記試験片が振り子から離れる際の目盛り(RG)を読み取った。測定は表裏それぞれ5回ずつ行い、平均値を算出した。測定値をもとに、下式より剛軟度を算出した。
式:剛軟度(mg)=(RG)×10×25×(3.4×3.4÷2)×0.306
また、剥離ライナーを流れ方向に340mm及び幅方向に20mmの寸法に裁断した試験片を5枚用意した。
次に、ガーレー式剛軟度試験機[テスター産業株式会社製、型式;ST−401]を用い、前記試験片を5枚重ねチャックで固定した。
次に、支点から10cm離れたところに25gの荷重をかけてアームを定速回転させ、前記試験片が振り子から離れる際の目盛り(RG)を読み取った。測定は表裏それぞれ5回ずつ行い、平均値を算出した。測定値をもとに、下式より剛軟度を算出した。
式:剛軟度(mg)=(RG)×10×25×(3.4×3.4÷2)×0.306
(離型ライナーの引裂強度)
離型ライナーを幅50mm、長さ100mmに切断し試験片とした。
次に、幅方向の端部の中央に、長さ25mmの切れ目を入れたのち、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式:RTM−100]を用い、0.2m/分の速度で引き裂いた際の強度を測定した。
(不織布製基材の引張強度)
不織布製基材を幅20mm、長さ120mmに切断し試験片とし、標線長さを100mmとした。続いて、23℃・50%RHの環境下において、テンシロン引張試験機[株式会社エーアンドデイ製、型式;RTM−100]を用い、標線長さが100mmとなるように両端部を掴み、300mm/分の速さで引っ張って最大強度を測定した。
(調製例1)水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の調製
容器にイオン交換水75gと界面活性剤であるアクアロンKH−1025[第一工業製薬(株)製、有効成分25質量%]20gと界面活性剤であるラテムルPD−104[花王(株)製、有効成分20質量%]37.5gを入れ、均一に溶解した。そこに、2−エチルヘキシルアクリレート470g、メチルメタクリレート15g、アクリル酸15g、KBM−503[信越化学工業(株)製、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン]0.1g、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン0.2gを加えて乳化し、乳化液(1)632.8gを得た。
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、イオン交換水331.5gを入れ、窒素を吹き込みながら60℃まで昇温した。攪拌下、乳化液(1)の一部[7.59g]、アゾ系重合開始剤であるVA−044[和光純薬工業(株)製、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、10時間半減期温度44℃]の水溶液2.5g[有効成分10質量%]を添加し、60℃を保ちながら1時間で重合させた。
引き続き、残りの乳化液(1)625.21gと、アゾ系重合開始剤であるVA−057[和光純薬工業(株)製、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート、10時間半減期温度57℃]の水溶液50g[有効成分1%]を別々の漏斗を使用して、反応容器を60℃に保ちながら8時間かけて滴下重合した。
引き続き、前記乳化液と前記重合開始剤の滴下を終了してから1時間後に、過硫酸アンモニウム水溶液5g[有効成分5質量%]、亜硫酸水素ナトリウム水溶液5.0g[有効成分2質量%]を別々の漏斗を使用して、反応容器を60℃に保ちながら1時間かけて滴下重合した。
引き続き、過硫酸アンモニウム水溶液と亜硫酸水素ナトリウム水溶液の滴下を終了してから1時間後に、内容物を冷却し、pHが7.5になるようにアンモニア水[有効成分10質量%]で調整した。これを200メッシュ金網で濾過し、アクリル重合体のエマルジョン(1)1027.9gを得た。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(1)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は303nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(1)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、80万であった。
前記アクリル重合体のエマルジョン(1)1000gに、粘度調整剤としてB−500[東亞合成(株)製、固形分36質量%、カルボン酸系共重合体]7.5g、レベリング剤としてサーフィノールPSA−336[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製、有効成分100質量%]2.5g、消泡剤としてサーフィノールDF−110D[エアー・プロダクツ・ジャパン(株)製、有効成分100質量%]2.5g、粘着付与樹脂としてスーパーエステルE−865NT[荒川化学工業(株)製;軟化点160℃、固形分濃度50質量%、エマルジョン型重合ロジンエステル系粘着付与樹脂]200g添加し、2時間撹拌した。続いて、200メッシュ金網で濾過することによって、水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)を得た。
(調製例2)
2−エチルヘキシルアクリレートを470gから460gに変更し、メチルメタクリレートを15gから25gに変更したこと以外は、調製例1と同様の方法で乳化液(2)を調製した。
次に、乳化液(1)の代わりに前記乳化液(2)を使用した以外は、調製例1と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(2)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(2)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は311nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(2)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、85万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(1)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(2)を使用した以外は、調製例1と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(2)を得た。
(調製例3)
2−エチルヘキシルアクリレートを470gから435gに変更し、メチルメタクリレートを15gから50gに変更したこと以外は、調製例1と同様の方法で乳化液(3)を調製した。
次に、乳化液(1)の代わりに前記乳化液(3)を使用した以外は、調製例1と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(3)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(3)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は300nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(3)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、78万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(1)の代わりに前記アクリル重合体エマルジョン(3)を使用した以外は、調製例1と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(3)を得た。
(調製例4)
メチルメタクリレートを25gから、エチルアクリレート25gに変更したこと以外は、調製例2と同様の方法で乳化液(4)を調製した。
次に、乳化液(2)の代わりに前記乳化液(4)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(4)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(4)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は318nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(4)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、77万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(4)を使用した以外は、調製例2と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(4)を得た。
(調製例5)
2−エチルヘキシルアクリレートを470gから485gに変更し、メチルメタクリレートを15gから0gに変更したこと以外は、調製例1と同様の方法で乳化液(5)を調製した。
次に、乳化液(1)の代わりに前記乳化液(5)を使用した以外は、調製例1と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(5)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(5)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は322nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(5)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、70万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(1)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(5)を使用した以外は、調製例1と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(5)を得た。
(調製例6)
2−エチルヘキシルアクリレートを460gから322gに変更し、n−ブチルアクリレート138gを追加したこと以外は、調製例2と同様の方法で乳化液(6)を調製した。
次に、乳化液(2)の代わりに前記乳化液(6)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体エマルジョン(6)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(6)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は332nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(6)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、84万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(6)を使用した以外は、調製例1と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(6)を得た。
(調製例7)
2−エチルヘキシルアクリレートを322gから230gに変更し、n−ブチルアクリレートを138gから230gに変更したこと以外は、調製例6と同様の方法で乳化液(7)を調製した。
次に、乳化液(6)の代わりに前記乳化液(7)を使用した以外は、調製例6と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(7)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(7)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は341nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(7)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、89万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(6)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(7)を使用した以外は、調製例6と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(7)を得た。
(調製例8)
2−エチルヘキシルアクリレートを322gから138gに変更し、n−ブチルアクリレートを138gから322gに変更したこと以外は、調製例6と同様の方法で乳化液(7)を調製した。
次に、乳化液(6)の代わりに前記乳化液(8)を使用した以外は、調製例6と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(8)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(8)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は300nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(8)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、78万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(6)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(8)を使用した以外は、調製例5と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(8)を得た。
(調製例9)
2−エチルヘキシルアクリレートを322gから0gに変更し、n−ブチルアクリレートを138gから460gに変更したこと以外は、調製例6と同様の方法で乳化液(9)を調製した。
次に、乳化液(6)の代わりに前記乳化液(9)を使用した以外は、調製例6と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(9)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(9)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は341nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(9)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、88万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(6)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(9)を使用した以外は、調製例5と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(9)を得た。
(調製例10)
2−エチルヘキシルアクリレートを460gから455gに変更し、N−ビニルピロリドン5gを追加したこと以外は、調製例2と同様の方法で乳化液(10)を調製した。
次に、乳化液(2)の代わりに前記乳化液(10)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(10)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(10)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は380nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(10)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、83万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(10)を使用した以外は、調製例2と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(10)を得た。
(調製例11)
2−エチルヘキシルアクリレートを460gから455gに変更し、N−イソプロピルアクリルアミド5gを追加したこと以外は、調製例2と同様の方法で乳化液(11)を調製した。
乳化液(2)の代わりに前記乳化液(11)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体エマルジョン(11)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(11)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は360nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(11)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、80万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(11)を使用した以外は、調製例2と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(11)を得た。
(調製例12)
アクリル酸を15gから5gに変更し、メタクリル酸10gを追加したこと以外は、調製例2と同様の方法で乳化液(12)を調製した。
乳化液(2)の代わりに前記乳化液(12)を使用した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(12)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(12)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は355nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(12)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、69万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(12)を使用した以外は、調製例2と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(12)を得た。
(調製例13)
2−エチルヘキシルアクリレートを460gから455gに変更し、N−ビニルピロリドン5gを追加したこと以外は、調製例12と同様の方法で乳化液(13)を調製した。
乳化液(12)の代わりに前記乳化液(13)を使用した以外は、調製例12と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(13)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(13)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は360nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(13)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、83万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(12)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(13)を使用した以外は、調製例12と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(13)を得た。
(調製例14)
N−ビニルピロリドン5gを、N−イソプロピルアクリルアミド5g変更したこと以外は、調製例13と同様の方法で乳化液(14)を調製した。
乳化液(13)の代わりに前記乳化液(14)を使用した以外は、調製例13と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(14)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(14)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は377nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(14)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、81万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(13)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(14)を使用した以外は、調製例13と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(14)を得た。
(調製例15)
VA−044の水溶液を、過硫酸アンモニウム水溶性1.25g[有効成分20質量%]と、亜硫酸水素ナトリウム水溶液1.25g[有効成分8質量%]に変更し、VA−057の水溶液を、過硫酸アンモニウム水溶液50g[有効成分1質量%]に変更した以外は、調製例2と同様の方法でアクリル重合体のエマルジョン(15)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(15)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は340nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(15)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、83万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(15)を使用した以外は、調製例2と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤組成物(15)を得た。
(調製例16)
スーパーエステルE−865NTの代わりに、ハリエスターSK−822E[ハリマ化成グループ(株)製、軟化点170℃、固形分濃度50質量%、エマルジョン型重合ロジンエステル系粘着付与樹脂]200gを使用した以外は、調製例2と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤組成物(16)を得た。
(調製例17)
スーパーエステルE−865NTの代わりに、タマノルE−200NT[荒川化学工業(株)製、軟化点150℃、固形分濃度53質量%、エマルジョン型ロジンフェノール系粘着付与樹脂]188.68gを使用した以外は、調製例2と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤組成物(17)を得た。
(調製例18)
スーパーエステルE−865NTを200gから100gに変更した以外は、調製例2と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤組成物(18)を得た。
(調製例19)
スーパーエステルE−865NTを200gから300gに変更した以外は、調製例2と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤組成物(19)を得た。
(比較調製例1)
KBM−503を使用しなかったこと以外は、調製例2と同様の方法で、乳化液(H1)を調製した。次に、乳化液(2)の代わりに、乳化液(H1)を使用した以外は、調製例2と同様の方法で、アクリル重合体のエマルジョン(H1)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(H1)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は336nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(H1)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、80万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(2)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(H1)を使用し、テトラッドC[三菱ガス化学(株)製、エポキシ化合物]の10質量%エタノール溶液1.25gを使用した以外は、調製例2と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(H1)を得た。
(比較調製例2)
KBM−503を使用しなかったこと以外は、調製例7と同様の方法で、乳化液(H2)を調製した。次に、乳化液(7)の代わりに、乳化液(H2)を使用した以外は、調製例7と同様の方法で、アクリル重合体のエマルジョン(H2)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(H2)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は300nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(H2)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、79万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(7)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(H2)を使用し、テトラッドC[三菱ガス化学(株)製、エポキシ化合物]の10質量%エタノール溶液1.25gを使用した以外は、調製例7と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(H2)を得た。
(比較調製例3)
KBM−503を使用しなかったこと以外は、調製例9と同様の方法で、乳化液(H3)を調製した。次に、乳化液(9)の代わりに、乳化液(H3)を使用した以外は、調製例9と同様の方法で、アクリル重合体のエマルジョン(H3)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(H3)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は311nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(H3)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、88万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(9)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(H3)を使用し、テトラッドC[三菱ガス化学(株)製、エポキシ化合物]の10質量%エタノール溶液1.25gを使用した以外は、調製例9と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(H3)を得た。
(比較調製例4)
KBM−503を使用しなかったこと以外は、調製例5と同様の方法で、乳化液(H4)を調製した。次に、乳化液(5)の代わりに、乳化液(H4)を使用した以外は、調製例5と同様の方法で、アクリル重合体のエマルジョン(H4)を調製した。得られたアクリル系重合体のエマルジョン(H4)の固形分濃度は50質量%、アクリル重合体の平均粒子径は354nmであった。また、アクリル重合体のエマルジョン(H4)に含まれるアクリル重合体の重量平均分子量は、87万であった。
次に、アクリル重合体のエマルジョン(5)の代わりに前記アクリル重合体のエマルジョン(H4)を使用し、テトラッドC[三菱ガス化学(株)製、エポキシ化合物]の10質量%エタノール溶液1.25gを使用した以外は、調製例5と同様の方法で水分散型アクリル系粘着剤組成物(H4)を得た。
(比較調製例5)
テトラッドCの10質量%エタノール溶液の代わりに、エポクロスWS−700[(株)日本触媒製、オキサゾリン基を有する化合物、不揮発分25質量%]40gを使用した以外は、比較調製例1と同様の方法で、水分散型アクリル系粘着剤組成物(H5)を得た。
Figure 0006337611
Figure 0006337611
Figure 0006337611
Figure 0006337611
<離型ライナー(1)の調製>
上質紙[日本製紙(株)製、N材/L材混成、坪量78g/m]の両面に、Tダイ押出機にて310℃でポリエチレンを押し出した後に冷却ラミネートすることで、厚さ25μmのポリオレフィン層を形成した。付加型シリコーン系剥離剤[東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:SD7333]100質量部に白金系触媒[東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:SRX212]1質量部を加え、トルエンに溶解して固形分濃度5質量%の塗工液を調製した。この塗工液を、前記ポリエチレン層の上面に、塗工量が0.6g/m2(固形分)となるように塗工し、100℃で10秒間乾燥しキュアすることでシリコーン層を形成し、40℃環境下で72時間養生し、離型ライナー(1)を得た。得られた離型ライナー(1)は、総坪量が127g/m、総厚みが135μmであり、流れ方向の引張強度が60N/5mm、幅方向の引張強度が50N/5mmであり、流れ方向の剛軟度が2130mg、幅方向の剛軟度が1410mgであり、流れ方向の引裂強度が0.6Nであった。また、SKダイン801Bを用いて測定した離型ライナー(1)の剥離荷重は、0.12N/20mmであった。
<離型ライナー(2)の調製>
付加型シリコーン系剥離剤(SD7333)と白金系触媒(SRX212)とを混合した塗工液の代わりに、付加型シリコーン系剥離剤[東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:SRX345]100質量部に、白金触媒[東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:SRX212]1質量部を加え、トルエンに溶解して固形分濃度5質量%に調製した塗工液を用いた以外は、離型ライナー(1)の調製例と同様の方法で、離型ライナー(2)を調製した。得られた離型ライナー(2)は、総坪量が100g/m、総厚みが100μmであり、流れ方向の引張強度が17N/5mm、幅方向の引張強度が9N/5mmであり、流れ方向の剛軟度が980mg、幅方向の剛軟度が620mgであり、流れ方向の引裂強度が0.5Nであった。また、SKダイン801Bを用いて測定した離型ライナー(2)の剥離荷重は、0.41N/20mmであった。
(実施例1)
前記離型ライナー(1)に、調製例1で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)を、乾燥後の厚さが65μmとなるように塗工し乾燥することによって、離型ライナー(1)上に粘着剤層を設けたシートを2枚調製した。
次に、不織布製の基材[五十川製紙(株)製、商品名:DIテックスLC−N、パルプ/レーヨン混合、坪量14g/m、厚さ38μm]の両面に、前記シートが有する粘着剤層を転写し、40℃環境下で48時間養生することで粘着テープ(1)を得た。前記粘着テープ(1)を構成する粘着剤層のゲル分率は、33.5質量%であった。
(実施例2)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例2で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(2)を得た。得られた粘着テープ(2)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.4質量%であった。
(実施例3)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例3で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(3)を得た。得られた粘着テープ(3)を構成する粘着剤層のゲル分率は、36.5質量%であった。
(実施例4)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例4で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(4)を得た。得られた粘着テープ(4)を構成する粘着剤層のゲル分率は、32.4質量%であった。
(実施例5)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例5で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(5)を得た。得られた粘着テープ(5)を構成する粘着剤層のゲル分率は、31.1質量%であった。
(実施例6)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例6で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(6)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(6)を得た。得られた粘着テープ(6)を構成する粘着剤層のゲル分率は、32.1質量%であった。
(実施例7)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例7で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(7)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(7)を得た。得られた粘着テープ(7)を構成する粘着剤層のゲル分率は、30.6質量%であった。
(実施例8)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例8で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(8)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(8)を得た。得られた粘着テープ(8)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.4質量%であった。
(実施例9)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例9で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(9)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(9)を得た。得られた粘着テープ(9)を構成する粘着剤層のゲル分率は、32.6質量%であった。
(実施例10)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例10で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(10)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(10)を得た。得られた粘着テープ(10)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.3質量%であった。
(実施例11)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例11で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(11)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(11)を得た。得られた粘着テープ(11)を構成する粘着剤層のゲル分率は、35.1質量%であった。
(実施例12)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例12で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(12)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(12)を得た。得られた粘着テープ(12)を構成する粘着剤層のゲル分率は、36.2質量%であった。
(実施例13)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例13で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(13)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(13)を得た。得られた粘着テープ(13)を構成する粘着剤層のゲル分率は、33.0質量%であった。
(実施例14)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例14で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(14)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(14)を得た。得られた粘着テープ(14)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.2質量%であった。
(実施例15)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例15で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(15)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(15)を得た。得られた粘着テープ(15)を構成する粘着剤層のゲル分率は、37.7質量%であった。
(実施例16)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例16で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(16)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(16)を得た。得られた粘着テープ(16)を構成する粘着剤層のゲル分率は、35.5質量%であった。
(実施例17)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例17で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(17)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(17)を得た。得られた粘着テープ(17)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.8質量%であった。
(実施例18)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例18で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(18)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(18)を得た。得られた粘着テープ(18)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.9質量%であった。
(実施例19)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記調製例19で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(19)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(19)を得た。得られた粘着テープ(19)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.2質量%であった。
(実施例20)
不織布製の基材(1)の代わりに、不織布製の基材(2)[日本製紙パピリア(株)製、商品名:D−02、マニラ麻、坪量20g/m、厚さ60μm]を用いた以外は実施例2と同様の方法で、粘着テープ(20)を得た。得られた粘着テープ(20)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.4質量%であった。
(比較例1)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記比較調製例1で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(H1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(H1)を得た。得られた粘着テープ(H1)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.8質量%であった。
(比較例2)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記比較調製例2で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(H2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(H2)を得た。得られた粘着テープ(H2)を構成する粘着剤層のゲル分率は、33.5質量%であった。
(比較例3)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記比較調製例3で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(H3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(H3)を得た。得られた粘着テープ(H3)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.0質量%であった。
(比較例4)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記比較調製例4で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(H4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(H4)を得た。得られた粘着テープ(H4)を構成する粘着剤層のゲル分率は、32.2質量%であった。
(比較例5)
水分散型アクリル系粘着剤組成物(1)の代わりに、前記比較調製例5で調製した水分散型アクリル系粘着剤組成物(H5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、粘着テープ(H5)を得た。得られた粘着テープ(H5)を構成する粘着剤層のゲル分率は、39.5質量%であった。
(比較例6)
離型ライナー(1)の代わりに、離型ライナー(2)を用いた以外は、比較例1と同様の方法で、粘着テープ(H6)を得た。得られた粘着テープ(H6)を構成する粘着剤層のゲル分率は、34.8質量%であった。
Figure 0006337611
Figure 0006337611
Figure 0006337611
Figure 0006337611
Figure 0006337611
1 ポリプロピレン板1
2 試験片(X)
3 浮き剥がれ距離
4 試験片(Y)

Claims (6)

  1. 自動車に搭載されるエアコンディショナーユニットと、フォーム材との固定に使用する粘着テープであって、前記粘着テープが、アルコキシシリル基またはシラノール基のいずれか一方または両方を有するアクリル重合体を含有するエマルジョン型粘着剤を用いて形成された粘着剤層を有するものであることを特徴とする粘着テープ。
  2. 不織布基材の両面に前記粘着剤層を有するものである請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 前記アクリル重合体が、アルコキシシリル基を有する単量体及びシラノール基を有する単量体を、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体混合物の全量に対して、合計0.001質量%〜1質量%の範囲で使用するものである請求項1または2に記載の粘着テープ。
  4. 前記アクリル重合体が、下記一般式(1)で示される官能基を有するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着テープ。
    Figure 0006337611
    [式(1)中のRは、炭素原子数1または2のアルキル基を表す。]
  5. 前記アクリル重合体がカルボキシル基を有するものであり、前記カルボキシル基がアクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  6. 前記フォーム材が、前記エアコンディショナーユニットと、前記エアコンディショナーユニットで温度または湿度調整された空気を自動車内に送るダクトとの間に設置されるフォーム材である請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
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