以下、添付の図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係る遊技機全体について誘導釘を省略して示す正面図、図2は遊技機の裏側を示す図、図3は同遊技機の制御基板や装置等の接続を簡略に示すブロック図、図4及び図5は大当たり遊技中における予告態様表示の表示例を示す図である。
図1に示す遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2の縁に外レール3及び内レール4が略円形に配置され、前記外レール3及び内レール4によって区画された遊技領域6が前記遊技盤2上に設けられている。前記遊技領域6には遊技球を誘導する誘導釘(図示せず)が遊技盤2の表面に設けられている。また、遊技機1の前面側には、装飾ランプ35、発射装置へ供給する遊技球と払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の満杯時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を前記遊技領域6へ向けて弾発発射するための発射装置64、遊技者による操作可能な遊技ボタンスイッチ67が設けられている。
前記遊技ボタンスイッチ67は、前記下側球受け皿37の横に固定され、遊技者による操作が可能となっている。前記遊技ボタンスイッチ67は、遊技者により操作されることにより信号を従制御手段に出力することが可能な操作手段に相当し、本実施例では、押下および前後左右のスライド型のスイッチからなり、操作手段が正しく操作されたことを検知する接点型のリミットセンサーが内蔵され、操作に対応した出力信号を出力可能にされている。接点型のリミットセンサーは、押下の検知用のものとスライド検知用のものが個別に設けられている。図1における符号F1は遊技機の外枠、F2は外枠F1に取り付けられた前枠、Gは前枠F2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。以下、遊技機1の主要な部分について説明する。
前記遊技盤2の遊技領域6には、中心線上の上部から下部に向かって順に演出表示装置10、上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、アウト口49が配置されている。前記上側始動入賞口41、下側始動入賞口42及び前記大入賞口45の左右には左袖入賞口51、右袖入賞口52、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54が配置されている。また、前記演出表示装置10の左には普通図柄変動開始用ゲート55、その下方にランプ風車74、さらに下方に特図表示装置12と普通図柄表示装置50が設けられている。一方、前記演出表示装置10の右下には駆動役物61が設けられている。
前記演出表示装置10は、特図表示装置12と共に本発明における当否判定の結果を表すための図柄を可変表示可能な表示手段に相当する。また、本実施例では、前記演出表示装置10は、予告態様を報知する報知手段にも相当する。本実施例の演出表示装置10は、当否判定の結果を表すための図柄として特別図柄を所定時間変動した後に停止表示可能となっている。前記演出表示装置10は、特別図柄や文字、キャラクタ等の画像を表示可能なものであって、遊技が大当たりか否かの当否判定結果を表示したり、前記当否判定結果を表示する過程で遊技進行情報画像を表示したり、遊技用の演出画像等を表示したりするものである。前記演出表示装置10は、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなる。本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成され、左下には後に詳述する特別図柄保留球数表示部17が設けられ、その他の部分が特別図柄表示部11となっている。前記特別図柄保留球数表示部17は本発明における当否判定用データ記憶個数表示手段に相当する。
前記特別図柄表示部11には、横に並ぶ3つの判定図柄として左特別図柄(左判定図柄)、中特別図柄(中判定図柄)、右特別図柄(右判定図柄)が、それぞれ変動表示し、所定時間変動表示した後、判定結果に基づき左確定特別図柄、中確定特別図柄、右確定特別図柄が確定判定図柄として停止表示される。また、前記特別図柄表示部11には、前記特別図柄(判定図柄)に加えて背景画像(キャラクタ,背景,文字等を含む。)等が表示されることもあり、該背景画像等が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。なお、この実施例において変動および停止表示される左、中、右特別図柄(判定図柄)は、それぞれ『一,二,三,四,五,六,七』の7通りの図柄とされている。本実施例では、大当たりか否かの当否判定結果が大当たり(当たり)の場合には、前記特別図柄表示部11に大当たり確定特別図柄組合せ、この例では『一,一,一』(いわゆる‘一’のぞろ目)や『二,二,二(いわゆる‘二’のぞろ目)等、同一数字の組合せ』で特別図柄(判定図柄)が停止表示され、大当たり遊技に移行する。なお、大当たり遊技は、本実施例では、大当たり以外の通常の遊技において前記左袖入賞口51、右袖入賞口52、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54等に入賞(遊技球が入球)した際よりも遊技者の獲得遊技球数が多くなるように設定されている。
また、本実施例では、前記特別図柄表示部11には小当たりの当否判定結果も表示される。小当たりの表示は、前記特別図柄が前記ぞろ目とはならず『一,三,五』のチャンス目となっている。
前記特図表示装置12は、前記演出表示装置10と同様に本発明における当否判定の結果を表すための図柄を可変表示可能な表示手段に相当する。前記特図表示装置12は、液晶、ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなる。本実施例の特図表示装置12は、図4及び図5に示すように、特図1表示装置13と特図2表示装置14が二列に配置されたものからなり、特図1表示装置13と特図2表示装置14の何れも7セグメントLEDからなる。前記特図1表示装置13は、後述するように前記上側始動入賞口41への入賞に起因して図柄が変動し、その後に図柄を停止表示するものであり、一方、前記特図2表示装置14は前記下側始動入賞口42への入賞に起因して図柄が変動し、その後に図柄を停止表示するものである。前記特図1表示装置13に変動表示及び停止表示される図柄として特図1図柄を有し、一方、前記特図2表示装置14に変動表示及び停止表示される図柄として特図2図柄を有する。特図1図柄及び特図2図柄は何れも、『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9−』の11種類からなり、当たり(大当たり及び小当たり)の場合には『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9』の何れかで停止表示され、外れの場合には「−」で表示される。即ち、前記上側始動入賞口41への入賞に対して行われる特図1の当否判定結果が当たりの場合には、前記特図1表示装置13が『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9』の何れかの特図1図柄で停止表示され、また外れの場合には「−」の特図1図柄で停止表示される。一方、前記下側始動入賞口42への入賞に対して行われる特図2の当否判定結果が当たりの場合には、前記特図2表示装置14が『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9』の何れかの特図2図柄で停止表示され、また外れの場合には「−」の特図2図柄で停止表示される。なお、当たりの場合には、特図1、特図2共に大当たり種別決定乱数用カウンタの値が表示される。
また、図4及び図5に示すように、前記特図表示装置12の左側には、後に詳述する特図1保留球数表示部18と特図2保留球数表示部19が設けられている。前記特図1保留球数表示部18と特図2保留球数表示部19は、前記特別図柄保留球数表示部17と共に本発明における当否判定用データ記憶個数表示手段に相当する。
前記普通図柄表示装置50は、図4及び図5に示すように、2つのランプからなり、普通図柄当たりの判定結果を表示するものである。普通図柄当たりの場合には、両方のランプが所定時間点滅を繰り返した後に両方が常時点灯した状態となり、外れの場合には一方のランプのみが常時点灯する。また、前記普通図柄表示装置50の上方には後述する普通図柄保留球数表示部52が設けられている。
前記上側始動入賞口41は、上方が開口した形状からなって遊技球が上方から入球(入賞)可能となっている。一方、下側始動入賞口42は2つの可動片42a,42bを備えると共に、前記2つの可動片42a,42bの先端間が遊技球の入球可能領域とされ、前記可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドにより略垂直にされて入球(入賞)のし難い入球可能領域狭小状態と、略V字形(逆ハの字形)に拡開されて入球(入賞)のし易い入球可能領域拡大状態間を変化可能に制御されている。前記下側始動入賞口42の可動片42a,42bの拡開は、前記普通図柄表示装置50でランプが点滅した後に、両方のランプが常時点灯して普通図柄当たり(普通図柄当たり)が成立した時に行われるようになっている。
前記遊技盤2の裏側には、前記上側始動入賞口41に入賞(入球)した遊技球を検出する上側始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口センサ)と、前記下側始動入賞口42に入賞(入球)した遊技球を検出する下側始動入賞口検出スイッチ(下側始動入賞口センサ)が設けられている。本実施例では、前記上側始動入賞口検出スイッチあるいは下側始動入賞口検出スイッチによる入賞球の検出が、判定条件の成立に設定されている。
また、前記特別図柄、前記特図1図柄、前記特図2図柄の変動表示中に、前記上側始動入賞口41あるいは前記下側始動入賞口42に遊技球が入賞しても、直ちに新たな変動表示を開始することができないため、上側始動入賞口検出スイッチ及び下側始動入賞口による遊技球検出数を予め設定された設定数まで大当たり変動用保留球数として記憶し、図柄の変動表示を一旦保留して順次図柄の変動表示が開始されることにより、あるいは当否判定結果の判定結果を表示する図柄が前記特別図柄表示部11、前記特図1表示装置13、前記特図2表示装置14で停止表示されることにより、記憶されている大当たり変動用保留球数の数を減らしている。
本実施例では、前記大当たり変動用保留球数は、前記上側始動入賞口41への入賞に対する特図1保留球数と前記下側始動入賞口42への入賞に対する特図2保留球数で構成され、前記上側始動入賞口41への入賞に対する特図1保留球数と前記下側始動入賞口42への入賞に対する特図2保留球数は、区別して記憶される。前記上側始動入賞口41への入賞に対する特図1保留球数は、保留されている記憶と対応させて前記特図1保留球数表示部18に点灯表示され、また前記下側始動入賞口42への入賞に対する特図2保留球数は、保留されている記憶と対応させて前記特図2保留球数表示部19に点灯表示される。例えば、前記特図1保留球数表示部18及び特図2保留球数表示部19における点灯態様は、最上部の点灯が保留記憶の最も古いもの、すなわち次に図柄が変動表示されるものと対応し、下方になるに従って保留記憶が新しいものと対応している。また、記憶が消去された保留球と対応させて前記特図1保留球数表示部18及び前記特図2保留球数表示部19の点灯が消灯に変化する。
一方、前記演出表示装置10に設けられている前記特別図柄保留球数表示部17では、前記上側始動入賞口41への入賞に対する保留球数と前記下側始動入賞口42への入賞に対する保留球数の合計からなる大当たり変動用保留球数が点灯表示され、記憶されている保留球の消去により前記特別図柄保留球数表示部17の対応する点灯も消灯に変化する。前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42における前記入賞の記憶は、前記演出表示装置10の特別図柄表示部11及び前記特図表示装置12で現在変動中の記憶を含まず、それぞれ最高4個、計最高8個となっている。
なお、前記上側始動入賞口検出スイッチ及び前記下側始動入賞口による遊技球検出数が最大個数まで記憶されている時には、前記上側始動入賞口検出スイッチ及び下側始動入賞口検出スイッチがそれ以上入賞遊技球を検出しても、保留球数としては記憶されない無効球(オーバーフロー入賞球)とされ、その無効球については当否判定及び図柄の変動を行うことなく、入賞に対する賞球遊技球が所定数払い出される。
前記普通図柄変動開始用ゲート55は、前記遊技盤2の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで普通図柄変動開始用ゲート55を通過する遊技球を検出することによって前記普通図柄表示装置50で普通図柄の変動(本実施例ではランプの点滅)を開始させるようになっている。また、前記普通図柄の変動表示(本実施例ではランプの点滅)中に、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動(本実施例ではランプの点滅)を、前記普通図柄変動装置50における現在変動中の記憶を含めず最高4個普通図柄用保留球数として記憶し、普通図柄の変動開始により普通図柄用保留球数を減らすようになっている。普通図柄用保留球数は、前記普通図柄保留球数表示部52で点灯表示される。本実施例の普通図柄保留球数表示部52は、最上部の桜の点灯部とその下方の円形点灯部とからなる。さらにまた、前記左袖入賞口51と右袖入賞口52の入賞球を検出する左袖入賞口用検出スイッチと右袖入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口53と右落とし入賞口54の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチと右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤背面に設けられている。
前記大入賞口45は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板46を備えている。この大入賞口45は、通常は開閉板46が閉じた状態とされ、当該大入賞口45内の一部には、該大入賞口45が開いた際に開口して入賞可能にする特定領域入賞口47を有する。さらに、該特定領域入賞口47には、所定条件時に特定領域開放用ソレノイドにより開閉される開閉扉が設けられている。また、前記特定領域入賞口47には特定入賞球を検出する特定入賞球検出スイッチ(特定領域センサ)が設けられ、該入賞球の検出により大入賞口45を再度開ける継続権利が成立し、本実施例では最高15ラウンド繰り返し可能にされている。また、前記大入賞口45内の略中央には、大入賞口45に入賞し、かつ前記特定領域入賞口47に入賞しなかった入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
前記発射装置64は、操作レバー65の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置64により発射された発射球は、前記遊技盤面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導される。前記遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口49から遊技盤2の裏側へ排出される。
前記駆動役物61は、駆動モータ(駆動源に相当する。図示せず)によって回転可能とされた可動体であり、本実施例では、将棋の歩駒を表す板状の可動体で構成され、通常時は表向きとされ、回転により裏返しとなることによって「と金」が表示される。前記駆動役物61は、本実施例では、後述の「と金チャンス」において、前記遊技ボタンスイッチ67の押下が成功すると駆動役物15が回転して「と金」となり、記憶されている保留について大当たりに関する予告の報知が行われる構成となっている。
前記遊技機1の裏側には、図2に示すように、遊技を制御するための複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板200、サブ制御基板205、表示制御基板210、音声制御基板220、払出制御基板240、電源基板250、発射制御基板260等がある。符号206はRAMクリアスイッチ、265は外部端子、281は払出装置(賞球と貸球の払出装置)、283は球無しスイッチ基板(賞球・球貸し兼用)、285はカードインターフェース接続部、289は球貯留タンク、291は球誘導樋である。なお各制御基板には制御回路が設けられている。前記RAMクリアスイッチ206は、主制御基板200のRAMについてのみ初期化を行わせることができる。また、各制御基板は、単独でまたは複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。主な制御基板を、図3のブロック図を用いて簡略に示す。
主制御基板200は、遊技を制御する制御手段であり、主制御手段に相当する。前記主制御基板200は、CPU、RAM、ROMおよび複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを少なくとも備え、サブ制御基板205、払出制御基板240、特図表示装置12等と接続されている。前記マイクロコンピュータは制御手順を実行して遊技に関わる主制御を行う。前記主制御基板200は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
前記主制御基板200におけるCPUは、制御部,演算部,各種カウンタ、各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、乱数値も生成し、また制御信号をサブ制御基板205等へ出力(送信)可能に構成されている。
前記主制御基板200のRAMは、前記上側始動入賞口検出スイッチ及び下側始動入賞口検出スイッチで検出された特図1保留球数及び特図2保留球数及び普通図柄変動開始スイッチで検出された普通図柄変動保留球数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、遊技に必要な遊技データ等の各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備え、ROMと共に記憶手段として機能する。また、前記主制御基板200のRAMは、本発明において、判定条件が成立したことに基づいて取得した当否判定用データを記憶する始動記憶手段にも相当し、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞球と対応させて、当否判定用データが記憶される。すなわち特図1保留球数及び特図2保留球数と対応させて当否判定用データが記憶される。前記当否判定用データとしては、大当たり判定乱数値、大当たり種別決定乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値が挙げられる。前記RAM(記憶手段)に記憶された遊技データは、電源断時にバックアップされ、次の電源投入時あるいはリセット処理時に読み出されて使用される。その他RAMに逐次記憶される遊技データとしては、払出に関するデータ等がある。
前記主制御基板200のROMは、前記RAMと共に記憶手段として機能し、前記CPUのための制御手順(プログラムとも称される)や制御データ、前記特別図柄表示部11における変動に関するデータ、等が書き込まれている他、大当たり、小当たり及び普通図柄当たりの判定値等が書き込まれている。
なお、前記主制御基板200のマイクロコンピュータは、遊技の当否判定を行う大当たりの当否判定手段(本発明における当否判定手段に相当する。)や普通図柄当たりの判定を行う普通図柄当たり当否判定手段としても機能する。前記主制御基板200から出力される(すなわちマイクロコンピュータから出力される)制御信号(コマンド)には、大当たり判定結果に基づく態様により前記特別図柄表示部11で特別図柄を変動表示させるための変動データ(変動コマンド)、前記特別図柄表示部11及び特図表示装置12で表示する大当たり判定結果データ、確変に関するコマンド、普通図柄当たり判定結果に基づく態様で前記普通図柄表示装置50に表示させるための普通図柄当たり判定結果データが少なくとも含まれる。前記主制御基板200から出力される制御信号には、その他、電源投入時、異常時、大当たりラウンド時等のデータを挙げることができる。
サブ制御基板205は、主制御手段からの制御信号に従って遊技の制御を行う従制御手段に相当し、本実施例ではランプ制御基板を兼ねている。サブ制御基板205は、CPU、ROM、RAM、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記主制御基板200とを結ぶ入出力回路と、表示制御基板210やランプ中継基板、遊技ボタンスイッチ(操作手段)67及び駆動役物61の駆動モータとを結ぶ入出力回路を備え、前記主制御基板200と共に遊技を制御する制御手段に相当する。前記サブ制御基板205は、前記主制御基板200から制御信号(コマンド)を受信して他の制御基板(表示制御基板210)に制御信号を出力する。また、前記遊技ボタンスイッチ67からの信号はサブ制御基板205に入力され、前記サブ制御基板205から表示制御基板210や駆動役物61の駆動モータに制御信号が出力される。前記サブ制御基板205は、前記主制御基板210からのコマンドに基づいて前記特別図柄表示部11で停止表示する特別図柄を選択して表示制御基板210に出力する。
前記サブ制御基板205が前記主制御基板200から受信する制御信号(コマンド)には、変動態様コマンドや、当否判定結果のデータ、確変コマンドの他に前記サブ制御基板205に対する制御信号等が含まれ、その制御信号の内容に合わせて遊技の制御を行っている。また、前記サブ制御基板205のROMは制御用のプログラム(制御手段)やデータ定数、複数の変動態様テーブル等が記憶され、また前記RAMは各種データの記憶領域とCPUによる作業領域を有している。前記サブ制御基板205は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
表示制御基板210は、表示制御手段に相当し、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータ、前記サブ制御基板(ランプ制御基板)205と結ぶ入出力回路、前記音声制御基板220と演出表示装置10及び普通図柄表示装置50と接続される入出力回路等で構成され、前記サブ制御基板205から出力される制御信号に基づいて、前記演出表示装置10や普通図柄表示装置50を制御する。前記表示制御基板210のCPUは、内部に制御部、演算部、各種レジスタ、各種フラグ等を有し、演算制御を行うようになっている。また、前記表示制御基板210のRAMは、各種データの記憶領域とCPUによる作業領域等を有している。前記表示制御基板210のROMは、表示制御のための不変の情報、すなわち各種のプログラムや画像データ、定数等が記憶されている。
音声制御基板220は、前記表示制御基板210と電気的接続手段で接続され、前記表示制御基板210から出力される信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは音声信号を増幅してスピーカ34に出力する。
払出制御基板240は、前記主制御基板200と電気的接続手段で接続され、前記主制御基板200から出力される制御信号を受信して払出装置281を制御する。前記払出制御基板240は電源基板250から供給される電源によって作動する。
電源基板250は、外部から供給される電源AC24Vを遊技機の各部に必要な直流34V、直流12V、直流5V等の各電源に変換して各制御基板等へ供給する。
前記主制御基板200及び前記サブ制御基板(従制御手段)205に設けられる乱数用カウンタについて説明する。
前記主制御基板200に設けられる乱数用カウンタとしては、大当たり判定乱数用カウンタ、大当たり種別決定乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、変動態様乱数用カウンタ、普通図柄乱数用カウンタ等がある。
大当たり判定乱数用カウンタは、大当たりの当否判定手段による大当たりの判定に用いられ、‘0’〜‘629’の乱数からなる。前記大当たり判定乱数用カウンタにおける大当たり判定乱数値は、遊技機の電源投入時‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘629’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり判定乱数値は、本発明における当否判定用データ及び当否判定用データの乱数値に相当する。大当たり判定乱数値は、前記上側始動入賞口41及び前記始動入賞口42への入賞を前記上側始動入賞口検出スイッチ及び前記下側始動入賞口検出スイッチで検出したこと(判定条件の成立)に基づいて取得され、その取得乱数値(当否判定用データの乱数値)が通常遊技(低確率状態、確率:1/315)時には大当たり成立数値(当たり乱数値に相当)として設定されている‘3’,‘397’の何れかと一致すれば大当たりとなり、一方、確変遊技(高確率状態、確率:5/315)時には、大当たり成立数値(当たり乱数値に相当)として設定されている‘3’,‘53’,‘100’,‘173’,‘227’,‘281’,‘337’,‘397’,‘449’,‘503’の何れかと一致すれば大当たりとなる。本実施例では、確変遊技(高確率状態、確率:5/315)時の大当たり成立数値は、通常遊技(低確率状態、確率:1/315)時の大当たり成立数値を全て含むように設定されている。
また、大当たり判定乱数用カウンタは、本実施例では、当否判定手段による小当たりの判定にも用いられる。小当たり成立数値としては101’〜‘130’が設定されており、前記上側始動入賞口41及び前記始動入賞口42への入賞を前記上側始動入賞口検出スイッチ及び前記下側始動入賞口検出スイッチで検出したこと(判定条件の成立)に基づいて取得された大当たり判定乱数値が、小当たり成立数値‘101’〜‘130’の何れかと一致すれば小当たりとなる。
本実施例における小当たりは、特別図柄当たりの1つであり、前記特別図柄表示部11で特別図柄が変動して小当たりを示す図柄の組み合わせ、本実施例では『一、三、五』で特別図柄が停止表示されると、小当たり遊技に移行する。小当たり遊技では、前記大入賞口45における0.2秒間の開放が2回行われる。1回目に大入賞口45が0.2秒間開放して閉鎖してから2秒後に2回目の開放が0.2秒間行われる。したがって、小当たり遊技の開始から終了までは2.4秒間となっている。
大当たり種別決定乱数用カウンタは、大当たりの種別が通常大当たりか確変大当たりかを決定するのに用いられ、‘0’〜‘9’の乱数からなる。大当たり種別決定乱数用カウンタは、高確率変更条件用乱数に相当し、また、大当たり種別決定乱数値は、本発明における高確率変更条件用乱数値に相当する。大当たり種別決定乱数値は、前記上側始動入賞口41への入賞に対する特図1の抽選(当否判定)の場合には、偶数の乱数値、‘0’,‘2’,‘4’,‘6’,‘8’が通常大当たり(低確率大当たり)に設定されており、奇数の乱数値、‘1’,‘3’,‘5’,‘7’,‘9’の場合は、‘3’,‘5’,‘7’が15ラウンド(15R)確変大当たり、‘1’,‘9’が2ラウンド(2R)確変大当たりに設定されている。この場合の奇数の乱数値が高確率変更乱数値に相当する。通常大当たりの場合には、大当たり遊技後の遊技状態が通常遊技(低確率状態)になり、15ラウンド確変大当たりの場合には、15ラウンド大当たり遊技の後、遊技状態が確変遊技(高確率状態)になる。一方、2ランド確変大当たりの場合には、2ラウンド大当たり遊技の後、遊技状態が確変遊技(高確率状態)になる。なお、15ラウンド確変大当たりの場合には15ラウンド大当たり遊技の後、また2ラウンド確変大当たりの場合には2ラウンド大当たり遊技の後、少なくとも次に大当たりするまで高確率となった状態が維持される。なお、2ラウンド確変大当り遊技は小当たり遊技と同じ動作(大入賞口の開放等)が実行される。本発明では2ラウンド確変大当り遊技のことも小当たり遊技と呼ぶ。
それに対して、前記下側始動入賞口42への入賞に対する特図2の抽選の場合には、前記大当たり種別決定乱数値は、偶数の乱数値、‘0’,‘2’,‘4’,‘6’,‘8’が通常大当たり(低確率大当たり)に設定されており、奇数の乱数値、‘1’,‘3’,‘5’,‘7’,‘9’は全て15ラウンド確変大当たりに設定され、2ラウンド確変大当たりは設定されていない。
前記大当たり種別決定乱数用カウンタにおける大当たり種別決定乱数値は、遊技機の電源投入時‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘9’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり種別決定乱数値は前記上側始動入賞口41及び前記始動入賞口42への入賞を前記上側始動入賞口検出スイッチ及び前記下側始動入賞口検出スイッチで検出したこと(判定条件の成立)に基づいて取得される。
リーチ乱数用カウンタは、前記大当たり判定乱数値による当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態を経るか否かを決めるリーチ有無決定用のものであり、‘0’〜‘126’の乱数からなる。本実施例におけるリーチ状態は、前記特別図柄表示部11で変動停止表示される左特別図柄、中特別図柄及び右特別図柄のうち、最後に停止表示される特別図柄(例えば中特別図柄)を除いて他の特別図柄(例えば左特別図柄と右特別図柄)が同一となる状態(最終停止図柄を除いて大当たりの特別図柄組み合わせと等しくなる状態であり、最終的に大当たりとなる場合と外れとなる場合が含まれる状態)をいう。このリーチ乱数は、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘126’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。リーチ乱数は、前記上側始動入賞口41及び前記始動入賞口42への入賞を前記上側始動入賞口検出スイッチ及び前記下側始動入賞口検出スイッチで検出したこと(判定条件の成立)に基づいて取得され、当否判定結果が外れの場合に、その数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ有無が判断される。本実施例ではリーチ成立数値は、‘5’,‘17’,‘28’,‘40’,‘51’,‘63’,‘74’,‘86’,‘97’,‘109’,‘120’に設定されている。なお、本実施例では、前記大当たり判定乱数値による当否判定結果が当たりとなる場合には、必ずリーチになるため、リーチの有無に関してこのリーチ乱数は使用されない。
変動態様乱数用カウンタは、変動態様テーブルから変動態様を選択する際に用いられるものであり、‘0’〜‘198’の変動態様乱数を備える。この変動態様乱数は、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘198’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。変動態様乱数は、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得される。
変動態様テーブルは、前記特別図柄表示部11に表示する変動態様の複数で構成されており、前記主制御基板200のROMに記憶されている。前記変動態様テーブルからの変動態様の選択は、大当たり判定乱数値を用いる当否判定結果が当たりか外れか、小当たりか否か、大当たり種別決定乱数値による判定結果が通常大当たりか確変大当たりか、リーチ乱数値によるリーチの有無決定がリーチ有りか無しかに応じて、前記変動態様テーブルの中から対応するテーブル(グループ)が選択され、さらに選択されたテーブル(グループ)から、変動態様乱数値に基づいて1つの変動態様が選択されるようになっている。なお、選択された変動態様のコマンドはサブ制御基板(従制御手段)205に出力される。
本実施例の変動態様テーブルは、図6の表に示すように通常(低確率)遊技状態時に選択される変動態様1〜10と、確変(高確率)遊技状態時に選択される変動態様11〜21で構成されている。さらに、通常(低確率)遊技状態時に選択される変動態様1〜10は、遊技の当否判定結果が当たり(大当たり)の場合に選択される当たり変動態様1〜2と、外れリーチ(リーチ後に外れとなるリーチ)時に選択されるリーチハズレ変動態様3〜5と、リーチを経ることなく外れとなるハズレ変動態様6〜8と、小当たりの場合に選択される変動態様9と、2ラウンド確変の場合に選択される変動態様10に分かれている。一方、確変(高確率)遊技状態時に選択される変動態様11〜20は、遊技の当否判定結果が当たり(大当たり)の場合に選択される当たり変動態様11〜13と、外れリーチ(リーチ後に外れとなるリーチ)時に選択されるリーチハズレ変動態様14〜16と、リーチを経ることなく外れとなるハズレ変動態様17〜19と、小当たりの場合に選択される変動態様20と、2ラウンド確変の場合に選択される変動態様21に分かれている。
各変動態様には変動態様乱数値が割り当てられており、取得した変動態様乱数値と対応する変動態様が、当否判定結果が当たりか外れか、通常大当たりか確変大当たりか、小当たりか、リーチの有無、に応じて選択される。選択された変動態様は、前記主制御基板200より変動態様に関するコマンドとして前記サブ制御基板(従制御手段)205へ出力される。また、各変動態様には特別図柄を所定の態様で変動表示させる変動時間がそれぞれ設定されており、変動開始時に予め変動時間が定められる。なお、取得された大当たり乱数値、大当たり種別決定乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値については、それぞれ前記上側始動入賞口41への入賞に対して最大4個、前記下側始動入賞口42への入賞に対して最大4個、前記主制御基板200のRAMにおける該当領域に、保留球数と対応させて格納され、順次使用される。
普通図柄乱数用カウンタは、普通図柄当たりを判定するもので、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに ‘1’ずつ加算され、‘240’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。この普通図柄乱数は、前記普通図柄変動開始用ゲート55を通過した遊技球を前記普通図柄変動開始スイッチで検出するごとに取得され、最大4個まで前記主制御基板200のRAMの普通図柄乱数値記憶領域に格納される。
また、取得された普通図柄乱数値が通常遊技(低確率状態、大当たり確率:1/315)時には、当たり成立数値として設定されている‘236’〜‘240’の何れかと一致すれば普通図柄当たりとなり、一方、確変遊技(高確率状態、大当たり確率:5/315)時には、当たり成立数値として設定されている‘1’〜‘240’の何れかと一致すれば普通図柄当たりとなる。普通図柄当たりになると、前記下側始動入賞口42が拡開開放される。なお、本実施例では普通図柄当たりの場合、前記普通図柄表示装置50で2つのランプが両方とも常時点灯状態となり、外れの場合には一方のランプが常時点灯となるように設定されているが、前記普通図柄表示装置50を図柄を表示可能なLED等の表示装置で構成すると共に、普通図柄乱数に普通図柄を割り当て、前記普通図柄表示装置で表示した普通図柄によって当たりか否かを表示してもよい。例えば、前記普通図柄表示装置50をLED等で構成して、取得した普通図柄乱数値が当たり成立数値と一致する場合には‘1’を普通図柄表示装置に表示して、前記下側始動入賞口42の開放を行い、一方、取得した普通図柄乱数値が当たり成立数値と一致しない場合には‘0’を表示して、前記下側始動入賞口42を入賞の困難な状態のままとする構成にしてもよい。
前記サブ制御基板(従制御手段)205に設けられる乱数用カウンタとしては、予告抽選用カウンタ、通常図柄用カウンタ、確変図柄用カウンタ、左図柄用カウンタ、ハズレ図柄選択用カウンタ等がある。
予告抽選用カウンタは、‘0’〜‘99’の予告抽選乱数を有し、予告選択時に乱数値が取得されて使用される。予告抽選乱数は、電源投入時に‘0’から始まって後述のサブ制御基板205の制御における乱数更新処理ごとに ‘1’ずつ加算され、‘99’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。
通常図柄用カウンタは、通常大当たり時に前記特別図柄表示部11に停止表示される停止特別図柄を決定するための通常図柄乱数を有する。通常図柄乱数は‘0’,‘2’,‘4’,‘6’からなり、電源投入時に‘0’から始まって後述のサブ制御基板205の制御における乱数更新処理ごとに ‘2’ずつ加算され、‘6’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。また、通常図柄乱数値には、前記特別図柄表示部11で停止表示される偶数のぞろ目の数字が設定されている。すなわち、通常図柄乱数値‘0’には、停止特別図柄『二,二,二』、通常図柄乱数値‘2’には、停止特別図柄『四,四,四』、通常図柄乱数値‘4’及び‘6’には、停止特別図柄『六,六,六』が設定されている。
確変図柄用カウンタは、確変大当たり時に前記特別図柄表示部11に停止表示する停止特別図柄を決定するための確変図柄乱数を有する。確変図柄乱数は‘1’,‘3’,‘5’,‘7’からなり、電源投入時に‘1’から始まって後述のサブ制御基板205の制御における乱数更新処理ごとに ‘2’ずつ加算され、‘7’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。また、確変図柄乱数値には、前記特別図柄表示部11で停止表示される奇数のぞろ目の数字が設定されている。例えば、確変図柄乱数値‘1’には、停止特別図柄『一,一,一』、確変図柄乱数値‘3’には、停止特別図柄『三,三,三』、確変図柄乱数値‘5’には、停止特別図柄『五,五,五』、確変図柄乱数値‘7’には、停止特別図柄『七,七,七』が設定されている。
左図柄用カウンタは、大当たりの当否判定結果が外れ時に前記特別図柄表示部11で停止表示する左特別図柄を決定するための左図柄乱数を有する。左図柄乱数は‘1’〜‘7’からなり、電源投入時に‘1’から始まって後述のサブ制御基板205の制御における乱数更新処理ごとに ‘1’ずつ加算され、‘7’に至ると、次に‘1’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。左図柄乱数値には特別図柄表示部11で停止表示される左特別図柄が設定されている。すなわち、左図柄乱数値‘1’には左特別図柄『一』、左図柄乱数値‘2’には左特別図柄『二』、左図柄乱数値‘3’には左特別図柄『三』、左図柄乱数値‘4’には左特別図柄『四』、左図柄乱数値‘5’には左特別図柄『五』、左図柄乱数値‘6’には左特別図柄『六』、左図柄乱数値‘7’には左特別図柄『七』が設定されている。
ハズレ図柄選択用カウンタは、大当たりの当否判定結果が外れ時に前記特別図柄表示部11で停止表示する中特別図柄と右特別図柄を作成する際に使用する外れ図柄乱数を有する。外れ図柄乱数は‘0’〜‘13’からなり、電源投入時に‘0’から始まって後述のサブ制御基板205の制御における乱数更新処理ごとに ‘1’ずつ加算され、‘13’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。
前記左図柄乱数値及び外れ図柄乱数値を用いる外れ特別図柄の選択は、図46のど外れ停止特別図柄設定テーブル及びリーチ外れ停止特別図柄設定テーブルを用いて行われる。ど外れ停止特別図柄設定テーブル及びリーチ外れ停止特別図柄設定テーブルは、前記サブ制御基板205に設けられている。例えば、図46のど外れ停止特別図柄設定テーブルにおいて、左図柄乱数値が‘1’、外れ図柄乱数値が‘8’の場合には、停止特別図柄は『一,二,三』となる。一方、リーチ外れ停止特別図柄設定テーブルでは、例えば、左図柄乱数値が‘2’、外れ図柄乱数値が‘3’の場合には、停止特別図柄は『二,四,二』となる。
ここで前記遊技機1の遊技について簡単に説明する。前記遊技機1においては、前記遊技領域6へ向けて発射装置64により発射された遊技球が、前記種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過すると、前記普通図柄表示装置50で普通図柄が変動(本実施例では2つのランプが点滅)を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、普通図柄の当たり判定結果が普通図柄当たりの場合には、前記普通図柄表示装置50で2つのランプが常時点灯状態となり、前記下側始動入賞口42の2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞し難い狭小開放状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞し易い拡開開放状態に変化し、遊技球が入賞し易くなる。そして、前記始動入賞口42に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
前記上側始動入賞口41または前記始動入賞口42に遊技球が入賞(本発明における判定条件の成立に相当)すると、当否判定用データとしての大当たり判定乱数値と共に、大当たり種別決定乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値等が取得され、取得された大当たり判定乱数値、大当たり種別決定乱数値、リーチ乱数値が前記主制御基板200のRAM(始動記憶手段)に一旦記憶され、順次大当たりの当否判定と、前記特別図柄表示部11及び特図表示装置12での変動表示に使用され、使用後にRAMから消去される。前記大当たり判定乱数値、大当たり種別決定乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値の記憶は、前記上側始動入賞口41への入賞に基づいて取得されたものと、前記下側始動入賞口42への入賞に基づいて取得されたものとが区別して記憶される。前記上側始動入賞口41への入賞に関する記憶個数は前記特図1保留球数表示部18に特図1保留球数として表示され、前記下側始動入賞口42への入賞に関する記憶個数は前記特図2保留球数表示部19に特図2保留球数として表示される。また、前記演出表示装置10の特別図柄保留球数表示部17には、特図1保留球数と特図2保留球数の合計保留球数が表示される。
大当たりの当否判定(遊技の当否判定)と、通常大当たりか確変大当たりかの判定と、リーチ有無の判定等が行われると共に、変動態様決定用乱数値等に基づいて変動態様テーブルより変動態様が選択され、選択された変動態様に基づいて特別図柄の変動表示が前記特別図柄表示部11で開始される共に、前記特図表示装置12で図柄の変動表示が開始される。前記変動表示の開始は、前記下側始動入賞口42への入賞に基づく保留記憶がある場合には、前記下側始動入賞口42への入賞に基づく保留記憶が上側始動入賞口41への入賞に基づく保留記憶よりも優先して実行される。したがって、前記上側始動入賞口41への入賞に基づく保留記憶の当否判定、変動表示は、前記下側始動入賞口42への入賞に基づく保留記憶が無い場合にのみ実行される。
前記特別図柄の変動表示開始から所定時間(変動態様毎に設定されている変動時間)後、特別図柄が変動停止して大当たりの当否判定結果が前記特別図柄表示部11に表示され、それと共に前記特図表示装置12で図柄が停止表示して当否判定結果が表示される。
当否判定結果が大当たりの場合、前記特別図柄表示部11に前記特別図柄が『五、五、五』等のぞろ目で停止表示され、前記大当たり遊技が実行される。一方、当否判定結果が小当たりの場合には、前記特別図柄表示部11に前記特別図柄が『一、三、五』のチャンス目で停止表示され、前記小当たり遊技が実行される。また、15ラウンド確変大当たりの場合の確変及び2ラウンド確変大当たりの場合の確変(2R確変)となった際には、大当たり遊技あるいは小当たり遊技の後に確変状態(高確率状態)となり、少なくとも次に大当たりとなるまで確変状態とされる。なお、前記特図表示装置12における当否判定結果の表示は、当否判定に使用された保留記憶が特図1保留球の場合には特図1表示装置13で停止表示された図柄で行われ、一方、当否判定に使用された保留記憶が特図2保留球の場合には特図2表示装置14で停止表示された図柄で行われる。また、特図1表示装置13及び特図2表示装置14では、大当たりまたは小当たりの場合に「0、1,2,3,4,5,6,7,8,9」の何れかの図柄で停止表示され、外れの場合には「−」で停止表示される。
なお、本実施例では、高確率遊技中には、大当たりの確率が高くなると共に、前記下側始動入賞口42の拡開時間が0.5秒から1.5秒に長くなり、拡開回数も1回から3回へと増えることによって、高確率遊技中は持ち球が減り難い構成となっており、持ち球を減らすことを抑制しつつ次の大当たりまで遊技を行える構成となっている。また、通常図柄での大当り遊技の後は、100回の抽選変動表示がされるまでは、高確率遊技時と同じく前記下側始動入賞口42の拡開秒数の延長と拡開回数が増加した時短遊技へと移行し、その後に通常遊技へと移行する。また、2ラウンド大当たり確変では、遊技者は大当たりの確率の点だけで有利となり、確変遊技であることを報知しなければ、遊技者は小当たりか2ラウンド確変か見分けがつかず、例え、小当たりであったとしても、2ラウンド確変であったかもしれないと期待を持って遊技を続行する可能性があり、遊技者をより長く遊技させることが可能となる構成となっている。
また、本実施例では、保留記憶に大当たりが有るか否かに関する予告態様の報知が行われる。この報知について説明する。前記主制御基板(主制御手段)200から大当たりの変動コマンドが出力された場合、前記サブ制御基板(従制御手段)205はその変動コマンドの大当たり種別(図柄コマンド)が確変か、通常かを判断し、そのコマンドに基づいて保留記憶内にいくつ大当たりとなる記憶があるか判定する。本実施例では、確変遊技(高確率状態)時の大当たり成立数値は、通常遊技(低確率状態)時の大当たり成立数値を含むように設定されているため、例えば、出力された図柄コマンドが確変図柄の場合には、少なくとも一番先にある保留記憶内の当たり保留(高確及び低確当り)のうち、高確率状態時当たりも当たりとカウントされ、さらにそれ(少なくとも一番先にある保留記憶内の当たり保留)以降に記憶されている保留について通常状態時当たりの数がカウントされる。例を図49の表に示す。
図49の表における例1の場合では、特図1の保留記憶内に記憶(実際にはサブ制御手段の成立信号記憶手段に記憶)されている保留1に高確時当り入賞コマンド、保留2に高確時当り入賞コマンド、保留3に低確時当り入賞コマンド、保留4に高確時当り入賞コマンドが記憶されており、特図2保留は記憶個数がない状態において、受信した当り変動コマンドが確変大当りであると判断されると保留1の高確時当り入賞コマンドは当りと判断され、保留2の高確時当り入賞コマンドはハズレと判断され、保留3の通常高確時当り入賞コマンドは当りと判断され、保留4の高確時当り入賞コマンドがハズレと判断される。予告態様の報知は、本実施例では、15ラウンド大当たりの場合における大当たり中のラウンド数が3ラウンド目に、前記遊技ボタンスイッチ67を押すようにメッセージが特別図柄表示部11に表示され、前記遊技ボタンスイッチ67を遊技者が有効時間内に押下することによって、保留記憶内に大当たりがあるかを遊技者に報知する演出が前記演出表示装置10で行われる。この場合、大当りとなる個数が2つであることから図5のように、前記特別図柄表示部11に「大連荘」の文字が表示されると共に、前記駆動役物61が回転して反転した状態の「と金」で停止表示される。また、判定図柄の変動前或いは中に予告する場合には「大当りの嵐が来ます」と表示装置に表示される。
例2の場合では、例1の場合と記憶されている入賞コマンドは同一であるが、受信した当り変動コマンドが通常大当りであると判断されているため、保留1の高確時当り入賞コマンドはハズレと判断され、保留2の高確時当り入賞コマンドはハズレと判断され、保留3の低確時当り入賞コマンドは当りと判断され、保留4の高確時当り入賞コマンドがハズレと判断される。以上から例2では当りの数が1つであることから図4のように、前記特別図柄表示部11に「小連荘」の文字が表示されると共に、前記駆動役物61が回転して反転した状態の「と金」で停止表示される。また、判定図柄の変動前或いは中に予告する場合には「大当りの小雨が来ます」と表示装置に表示される。
例3においては、特図2に保留がある場合の例であり、本実施例では特図2の保留が特図1よりも優先して消化されるように構成されている。よって、受信した当り変動コマンドが確変大当りであると判定されて、特図2の保留1が当りと判定されて保留2から3がハズレと判定され、保留4が当りと判定された後に特図1の保留1〜4に低確時当りがあるかどうか判定される。大当りとなる個数が3つであることから図5のように、前記特別図柄表示部11に「大連荘」の文字が表示されると共に、前記駆動役物61が回転して反転した状態の「と金」で停止表示される。また、判定図柄の変動前或いは中に予告する場合には「大当りの嵐が来ます」と表示装置に表示される。
それに対して、保留記憶内に当たりが無い場合、前記演出表示10に文字は表示されない。報知態様は大当り中に限らず、変動前あるいは変動中予告で前記特別図柄表示部11に、保留記憶に大当たりが1回であれば、「大当たりの小雨がまもなく来ます」、2回以上であれば「大当たりの嵐がまもなく来ます」などといった表示からなる予告を行ってもよい。なお、変動前、変動中の保留予告は、毎回必ず行ってもよいし、抽選に当選した場合に行うようにしてもよい。
前記主制御基板(主制御回路)200に設けられる主なフラグとして、本実施例では普通図柄当たりフラグ、普通図柄当たり終了フラグ、大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、確変フラグ、電源断フラグ等が挙げられる。これらのフラグは、初期設定時には全てOFFにされる。
前記主制御基板(主制御回路、主制御手段)200では、前記ROMに記憶されている制御プログラム(主制御手順)に従い前記CPUがメイン処理Mを行う。図7はメイン処理Mのフローチャートである。前記主制御基板(主制御回路、主制御手段)200が行う処理は主制御手順の処理に相当する。
メイン処理Mでは、CPU等の初期設定処理(S10)、RAMの内容異常有無判断(S20)、RAMの初期化処理(S30)、割り込み禁止処理(S40)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S50)、割り込み許可処理(S60)が行われ、最終処理においてループ処理が行われている間に4ms毎に割り込み処理(S100)が実行される。
CPU等の初期設定処理(S10)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。次にRAMクリアスイッチ206がONされているか、もしくは電源断フラグがONでRAMの内容が異常か判断し(S20)、RAMクリアスイッチONあるいは電源断フラグがONでRAMの内容が異常と判断されるとRAMの初期化が行われる(S30)。メイン処理Mは繰り返し行われるが、CPU等の初期設定処理(S10)、RAMの内容異常有無判断(S20)、RAMの初期化(S30)については、電源投入時のみに必要な初期制御手順であり、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
割り込み禁止処理(S40)では、4msecごとに割り込み処理(S100)が入ってきても、割り込み許可となるまで、割り込みを禁止する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S50)では、種々の乱数が普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S50)ごとに1加算され、前記のように各乱数の設定上限値に至ると次に‘0’に戻って再び加算が行われる。更新された乱数は前記主制御基板200のRAMに記憶される。割り込み許可処理(S60)では、4msecごとに入ってくる割り込み処理(S100)に対して許可をする。割り込み禁止処理(S40)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S50)、割り込み許可処理(S60)及び割り込み処理(S100)は、前記初期制御手順が実行された後に実行される通常遊技制御手順に相当し、通常の遊技の制御を行う。
割り込み処理(S100)では、図8に示すように、まず出力処理(S110)が行われる。出力処理(S110)では、各処理により前記主制御基板200の出力バッファに記憶されたコマンド(制御信号)等が、対応する制御基板等へ出力される。ここで出力されるコマンド(制御信号)等には、変動態様、大当たり判定データ、小当たり判定データ、大当たり種別(通常大当たりか確変大当たりかの)データ等が挙げられる。続く入力処理(S120)では、遊技機1に設けられている種々のセンサ(各入賞口の検出スイッチ等)が検知した場合の信号入力が行われる。また、次の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S130)では、前記メイン処理Mにおけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S50)と同様の処理が行われる。次に始動入賞口スイッチ検出処理(S140)が行われる。
始動入賞口スイッチ検出処理(S140)では、図9に示すように、まず前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過したかどうか判断され(S140−1)、遊技球が前記普通図柄開始用ゲート55を通過していればゲート通過処理(S140−2)を行い、普通図柄開始用ゲート55を遊技球が通過していなければ、ゲート通過処理(S140−2)をジャンプして次の処理が行われる。
ゲート通過処理(S140−2)では、図10に示すように、ゲート保留球数(普通図柄保留球数)が4以上か判断され(S140−2−1)、4以上であればこのゲート通過処理(S140−2)を終了する。一方、4以上でなければ、ゲート保留球数(普通図柄保留球数)に1加算され(S140−2−2)、ゲート乱数値(普通図柄乱数値)が取得され(S140−2−3)、このゲート通過処理(S140−2)が終了する。
次に前記下側始動入賞口42に遊技球が入賞したか否か、すなわち下側始動入賞口42に遊技球の入球があって前記下側始動入賞口検出スイッチで遊技球が検出されたか否か判断され(S140−3)、入賞していない場合には前記上側始動入賞口41に遊技球が入賞しているか判断される(S140−5)。一方、前記下側始動入賞口42に入賞している場合には、次に特図2事前判定処理(S140−4)が行われた後に、前記上側始動入賞口41に遊技球が入賞しているか判断される(S140−5)。前記S140−5で上側始動入賞口41に遊技球が入賞していると判断されると、特図1事前判定処理(S140−6)が行われた後に、この始動入賞口スイッチ検出処理(S140)が終了し、一方、上側始動入賞口41に遊技球が入賞していないと判断された場合には、この始動入賞口スイッチ検出処理(S140)が終了する。
前記特図2事前判定処理(S140−4)では、図11に示すように、まず特図2保留球数が4以上か判断される(S140−4−1)。特図2保留球数が4以上であれば、オーバーフロー入賞コマンドがセットされ(S140−4−2)、その後にこの特図2事前判定処理(S140−4)が終了する。一方、特図2保留球数が4未満の場合には、特図2保留球数に1加算され(S140−4−3)、特図2関係乱数取得処理(S140−4−4)が行われる。特図2関係乱数取得処理(S140−4−4)では、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特図2関係の更新乱数値が取得され、現在の特図2保留球数と対応するRAMアドレスに取得乱数値が記憶(セーブ)される。この記憶処理は、本発明における当否判定用データを記憶する始動記憶手段の記憶に相当する。ここで取得される乱数値は、大当たり判定乱数値、大当たり種別決定乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値である。なお、現在の特図2保留球数と対応するRAMアドレスに取得乱数が記憶されるとは、例えば、現在の特図2保留球数が1の場合には、特図2保留球数1と対応させるRAMアドレスに取得乱数値が記憶され、また現在の特図2保留球数が2の場合には、特図2保留球数2と対応するRAMアドレスに取得乱数値が記憶されることを意味する。
前記特図2関係乱数取得処理(S140−4−4)の後に、低確率での大当たり範囲か判断される(S140−4−5)。低確率での大当たり範囲かの判断(S140−4−5)は、前記取得した大当たり判定乱数値が、低確率時の大当たり成立数値に含まれる(低確率での大当たり成立数値と一致する)か判断される。取得した大当たり判定乱数値が低確率時の大当たり成立数値に含まれていれば、特図2低確率時当たり入賞コマンドがセットされ(S140−4−6)、その後にこの特図2事前判定処理(S140−4)が終了する。
前記取得した大当たり判定乱数値が低確率時の大当たり成立数値に含まれていない場合には、次に高確率での大当たり成立数値に含まれる(高確率での大当たり成立数値と一致する)か判断される(S140−4−7)。取得した大当たり判定乱数値が高確率での大当たり成立数値に含まれる場合には、特図2高確率時当たり入賞コマンドがセットされ(S140−4−8)、その後にこの特図2事前判定処理(S140−4)が終了する。一方、前記取得した大当たり判定乱数値が低確率時及び高確率時の大当たり成立数値の何れにも含まれていない場合には、次にリーチか否か判断される(S140−4−9)。リーチの場合には特図2リーチ入賞コマンドがセットされ(S140−4−10)、それに対してリーチではない場合には特図2外れ入賞コマンドがセットされ(S140−4−11)、その後にこの特図2事前判定処理(S140−4)が終了する。リーチか否かの判断は、前記取得したリーチ乱数値がリーチ成立数値に含まれる(一致する)か判断され、リーチ成立数値に含まれる場合にはリーチ有りとなり、リーチ成立数値に含まれない場合にはリーチ無しとなる。
特図1事前判定処理(S140−6)では、図12に示すように、まず特図1保留球数が4以上か判断される(S140−6−1)。特図1保留球数が4以上であれば、オーバーフロー入賞コマンドがセットされ(S140−6−2)、その後にこの特図1事前判定処理(S140−6)が終了する。一方、特図1保留球数が4未満の場合には、特図1保留球数に1加算され(S140−6−3)、特図1関係乱数取得処理(S140−6−4)が行われる。特図1関係乱数取得処理(S140−6−4)では、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特図1関係の更新乱数が取得され、現在の特図1保留球数と対応するRAMアドレスに取得乱数が記憶(セーブ)される。この記憶処理は、本発明における当否判定用データを記憶する始動記憶手段の記憶に相当する。ここで取得される乱数値は、大当たり判定乱数値、大当たり種別決定乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値である。なお、現在の特図1保留球数と対応するRAMアドレスに取得乱数が記憶されるとは、例えば、現在の特図1保留球数が1の場合には、特図1保留球数1と対応させるRAMアドレスに取得乱数値が記憶され、また現在の特図1保留球数が2の場合には、特図1保留球数2と対応するRAMアドレスに取得乱数値が記憶されることを意味する。
前記特図1関係乱数取得処理(S140−6−4)の後に、低確率での大当たり範囲か判断される(S140−6−5)。低確率での大当たり範囲かの判断(S140−6−5)は、前記取得した大当たり判定乱数値が、低確率時の大当たり成立数値に含まれる(一致する)か判断される。取得した大当たり判定乱数値が低確率時の大当たり成立数値に含まれていれば、特図1低確率時当たり入賞コマンドがセットされ(S140−6−6)、その後にこの特図1事前判定処理(S140−6)が終了する。
前記取得した大当たり判定乱数値が低確率時の大当たり成立数値に含まれていない場合には、次に高確率での大当たり成立数値に含まれる(一致する)か判断される(S140−6−7)。取得した大当たり判定乱数値が高確率での大当たり成立数値に含まれる場合には、特図1高確率時当たり入賞コマンドがセットされ(S140−6−8)、その後にこの特図1事前判定処理(S140−6)が終了する。一方、前記取得した大当たり判定乱数値が低確率時及び高確率時の大当たり成立数値の何れにも含まれていない場合には、次にリーチか否か判断される(S140−6−9)。リーチの場合には特図1リーチ入賞コマンドがセットされ(S140−6−10)、それに対してリーチではない場合には特図1外れ入賞コマンドがセットされ(S140−6−11)、その後にこの特図1事前判定処理(S140−6)が終了する。リーチか否かの判断は、前記取得したリーチ乱数値がリーチ成立数値に含まれる(一致する)か判断され、リーチ成立数値に含まれる場合にはリーチ有りとなり、リーチ成立数値に含まれない場合にはリーチ無しとなる。
なお、前記特図2事前判定処理(S140−4)及び前記特図1事前判定処理(S140−6)は、後述の特別動作処理(S160)において主制御基板200のRAMに保留記憶されている各種乱数値をロードして入賞の有無、大当たりか否か、小当たりか否か、リーチか否かについて判定が行われる前に、それらの事前判定を行い、その結果に基づき各入賞コマンドとしてセットを行うための処理である。これにより、当該入賞に対する事前判定においてセットされた各入賞コマンドが、当該入賞に対する特別動作処理が行われる前にサブ制御基板(従制御手段)205側に送信されるため、例えば、保留されている入賞以前の入賞に対する変動態様に対応してサブ制御基板205が決定している特別図柄表示部11の演出を、前記サブ制御基板205が受信した前記各入賞コマンドに基づいて変更することが可能となる。具体的には、例えば、保留4個目が大当たりの場合、従来、4個目の保留球が消化されて大当たりの当否判定が行われるまではサブ制御基板205側では認識できない保留4個目の当否判定結果を、本実施例では保留4個目が保留されたことに基づいて認識できるため、4個目の保留球が消化される前に大当たりを示唆する演出を行うことが可能となる。
また、前記特図2低確率時当たり入賞コマンド、特図2高確率時当たり入賞コマンド、特図2リーチ入賞コマンド、特図2外れ入賞コマンド、前記特図1低確率時当たり入賞コマンド、特図1高確率時当たり入賞コマンド、特図1リーチ入賞コマンド、特図1外れ入賞コマンドは、本発明における当否判定の判定結果が識別可能な成立信号に相当する。さらに、前記特図2低確率時当たり入賞コマンド及び特図1低確率時当たり入賞コマンドは、本発明において通常確率状態で当たりと判定される通常当たり成立信号に相当し、一方、前記特図2高確率時当たり入賞コマンド及び特図1高確率時当たり入賞コマンドは、本発明において高確率状態で当たりと判定される高確率当たり成立信号に相当する。また、前記特図2リーチ入賞コマンド、特図2外れ入賞コマンド、特図1リーチ入賞コマンド及び特図1外れ入賞コマンドは、本発明において、何れの確率状態でもはずれと判定されるはずれ成立信号に相当する。前記各入賞コマンド(成立信号)は、S110の出力処理で前記サブ制御基板(従制御手段)205に出力される。
前記始動入賞口スイッチ検出処理(S140)に次いで、普通動作処理(S150)が行われる。
普通動作処理(S150)では、図13に示すように、まず、普通動作ステータスが1〜4の何れか、あるいは何れでもないかが判断される(S150−1〜S150−4)。普通動作ステータスが1の場合には普通図柄待機処理(S150−5)、普通動作ステータスが2の場合には普通図柄変動中処理(S150−6)、普通動作ステータスが3の場合には普通図柄確定処理(S150−7)、普通動作ステータスが4の場合には普通図柄電動役物処理(S150−8)が実行され、普通動作ステータスが1〜4の何れでも無い場合にはこの普通動作処理(S150)が終了する。
普通図柄待機処理(S150−5)では、図14に示すように、普通図柄保留球数が0か判断され(S150−5−1)、普通図柄保留球数が0であればこの普通図柄待機処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が0でなければ、普通図柄当たり判定処理(S150−5−2)、普通図柄変動態様選択処理(S150−5−3)、普通図柄乱数シフト処理(S150−5−4)、普通図柄変動開始処理(S150−5−5)が順に行われる。
普通図柄当たり判定処理(S150−5−2)では、図15に示すように、次に変動開始する予定の普通図柄乱数値がロードされ(S150−5−2―1)、普通図柄の当たり判定値のテーブルが、通常時、確変時テーブル共にセットされる(S150−5−2―2)。次に、確変若しくは時短中か判断される(SR150−5−2−3)。確変及び時短中の何れでも無い場合には、通常時テーブルでの普通図柄当たりか否か判断され(S150−5−2−4)、普通図柄当たりで無ければこの普通図柄当たり判定処理(S150−5−2)が終了し、普通図柄当たりであれば普通図柄当たりフラグがONにセットされ(S150−5−2−5)、この普通図柄当たり判定処理(S150−5−2)が終了する。一方、前記S150−5−2−3で確変若しくは時短中と判断されると、確変時テーブルでの普通図柄当たりか否か判断され(S150−5−2−6)、普通図柄当たりで無ければこの普通図柄当たり判定処理(S150−5−2)が終了し、普通図柄当たりであれば普通図柄当たりフラグがONにセットされ(S150−5−2−5)、この普通図柄当たり判定処理(S150−5−2)が終了する。普通図柄当たり判定処理(S150−5−2)の次に普通図柄変動態様選択処理(S150−5−3)が行われる。
普通図柄変動態様選択処理(S150−5−3)では、普通図柄の当否判定結果及び遊技状態(通常時、確変時)に基づいて、普通図柄の変動態様が選択される。普通図柄の変動態様は、通常時当たり、通常時外れ、時短時当たり、時短時外れの4種類から選択される。なお、本実施例では、普通図柄の変動態様は、前記普通図柄表示装置50における2つのランプに関する点滅パターンである。普通図柄変動態様選択処理(S150−5−3)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S150−5−4)が行われる。
普通図柄乱数シフト処理(S150−5−4)では、図16に示すように、まず、前記主制御基板200のRAMに記憶されている普通図柄用保留球数から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S150−5−4−1)、次に各保留球数に対応するデータが各保留球数から1減算した保留球数のRAMアドレスにシフトされ(S150−5−4−2)、続いて最上位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の普通図柄用保留球数に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S150−5−4−3)。なお、前記普通図柄乱数シフト処理(S150−5−4)において、ロード順位が第一位(最先頭)の保留球数のRAMアドレスに、次のロード順位の保留球数のRAMアドレスに記憶されているデータがシフトされることによって、それまでロード順位第一位(最先頭)の保留球数のRAMアドレスに記憶されていたデータが消去されるため、この普通図柄乱数シフト処理(S150−5−4)は、記憶データの消去手段に相当する。普通図柄乱数シフト(S150−5−4)の次に普通図柄変動開始処理(S150−5−5)が行われる。
普通図柄変動開始処理(S150−5−5)では、選択された変動態様で普通図柄表示装置50における変動が開始され、普通動作ステータスが2にセットされる。
普通図柄変動中処理(S150−6)では、図17に示すように、普通図柄装置50の変動時間が終了したか判断され(S150−6−1)、変動時間が終了していなければこの普通図柄変動中処理(S150−6)が終了する。一方、変動時間が終了していれば、変動停止コマンドがセットされ(S150−6−2)、普通図柄ステータスが3にセットされ(S150−6−3)、その後にその他の処理(S150−6−4)が行われ、この普通図柄変動中処理(S150−6)が終了する。
普通図柄確定処理(S150−7)では、図18に示すように、普通図柄当たりフラグがONか判断され(S150−7−1)、ONではない場合、すなわち外れの場合には、普通動作ステータスが1にセットされ(S150−7−6)、この普通図柄確定処理(S150−7)が終了する。一方、普通図柄当たりフラグがONの場合、すなわち当たりの場合には、確変若しくは時短中か判断される(S150−7−2)。確変若しくは時短中であれば、確変若しくは時短中の開放動作がセットされ(S150−7−3)、他方、確変若しくは時短中でなければ、通常中開放動作がセットされる(S150−7−4)。その後に普通動作ステータスが4にセットされ(S150−7−5)、この普通図柄確定処理(S150−7)が終了する。
普通図柄電動役物処理(S150−8)では、図19及び図20に示すように、普通図柄当たり終了フラグがONか判断され(S150−8−1)、ONではない場合には下側始動入賞口42が開放中か判断される(S150−8−2)。下側始動入賞口42が開放中ではない場合、下側始動入賞口42の開放時間か判断される(S150−8−3)。開放時間ではない場合には、この普通図柄電動役物処理(S150−8)が終了し、開放時間の場合には下側始動入賞口42の開放処理が行われ(S150−8−4)、その後にこの普通図柄電動役物処理(S150−8)が終了する。一方、前記S150−8−2で下側始動入賞口42の開放中と判断されると、下側始動入賞口42の閉鎖時間か判断される(S150−8−5)。下側始動入賞口42の閉鎖時間ではないと判断されると、この普通図柄電動役物処理(S150−8)が終了する。他方、下側始動入賞口42の閉鎖時間と判断されると、下側始動入賞口閉鎖処理(S150−8−6)、下側始動入賞口の開放カウンタの1減算(S150−8−7)、下側始動入賞口の開放カウンタが0か否かの判断(S150−8−8)が順に行われる。下側始動入賞口の開放カウンタが0ではない場合、この普通図柄電動役物処理(S150−8)が終了し、一方、下側始動入賞口の開放カウンタが0の場合には、普通図柄当たり終了処理(S150−8−9)が行われた後、普通図柄当たり終了フラグがONにセットされ(S150−8−10)、この普通図柄電動役物処理(S150−8)が終了する。
それに対して、S150−8−1で普通図柄当たり終了フラグがONと判断されると、普通図柄当たり終了フラグがOFFにセットされる(S150−8−11)と共に、普通図柄当たりフラグがOFFにセットされ(S150−8−12)、その後に普通動作ステータスが1にセットされ(S150−8−13)、この普通図柄電動役物処理(S150−8)が終了する。
特別動作処理(S160)では、図21に示すように、特別動作ステータスが1〜4の何れであるか判断される(S160−1〜160−3)。前記特別動作ステータスが1の場合には特別図柄待機処理(S160−4)が行われ、それに対して前記特別動作ステータスが2の場合には変動中処理(S160−5)が行われ、前記特別動作ステータスが3の場合には特別図柄確定処理(S160−6)が行われ、前記特別動作ステータスが4の場合には特別電動役物処理(S160−7)が行われる。なお、特別動作処理(S160)の終了が本発明における表示開始条件の成立に相当する。
前記特別図柄待機処理(S160−4)では、図22に示すように、下側始動入賞口42の現在の保留球数(特図2保留球数)が0か否か判断され(S160−4−1)、下側始動入賞口42の現在の保留球数(特図2保留球数)が0ではない場合、後述の特図2大当たり判定処理(S160−4−2)、特図2図柄選択処理(S160−4−3)、特図2変動態様選択処理(S160−4−4)、特図2乱数シフト処理(S160−4−5)、特図2変動開始設定処理(S160−4−6)が、前記下側始動入賞口42の保留球数(特図2保留球数)が0になるまで行われる。なお、特図2大当たり判定処理(S160−4−2)及び後述の特図1大当たり判定処理(S160−4−8)は、本発明における当否判定手段の処理に相当する。
一方、前記S160−4−1で下側始動入賞口42の現在の保留球数(特図2保留球数)が0と判断されると、次に上側始動入賞口41の現在の保留球数(特図1保留球数)が0か否か判断され(S160−4−7)、上側始動入賞口41の現在の保留球数(特図1保留球数)が0ではない場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S160−4−8)、特図1図柄選択処理(S160−4−9)、特図1変動態様選択処理(S160−4−10)、特図1乱数シフト処理(S160−4−11)、特図1変動開始設定処理(S160−4−12)が行われる。また、前記S160−4−7で上側始動入賞口41の現在の保留球数(特図1保留球数)が0と判断された場合、すなわち、前記下側始動入賞口42の保留球数(特図2保留球数)が0と判断され、さらに上側始動入賞口41の保留球数(特図1保留球数)が0と判断されると、前記特別図柄表示部11が待機画面(待ち受け画面)中か否か判断され(S160−4−13)、待機画面(待ち受け画面)中であれば、この特別図柄待機処理(S160−4)が終了し、一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合には前記特別図柄表示部11を待機画面(待ち受け画面)にする設定処理が行われ(S160−4−14)、その後にこの特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。
前記S160−4−1で下側始動入賞口42の現在の保留球数(特図2保留球数)が0ではないと判断された場合に行われる特図2大当たり判定処理(S160−4−2)では、図23に示すように、まず、前記主制御基板200のRAMに記憶されている前記更新大当たり判定乱数値が判定値としてロードされる(160−4−2−1)と共に、前記高確率時及び低確率時における大当たり成立数値を定めた大当たり判定値テーブルが格納されているRAMのアドレスがセットされる(S160−4−2−2)。続いて現在確変中(高確率状態中)か否かが判断される(S160−4−2−3)。前記確変中か否かは、前記主制御基板200に設けられている確変フラグがON(高確率状態)かOFF(低確率状態)かによって判断される。前記確変中ではない場合には、低確率状態時における大当たり成立数値と前記ロードされた大当たり判定乱数値が一致するか否かにより大当たりか否か判断され(S160−4−2−4)、大当たりの場合には大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−2−6)、この特図2大当たり判定処理(S160−4−2)が終了する。一方、大当たりではない場合には小当たりか否か判断され(S160−4−2−5)、小当たりではない場合この特図2大当たり判定処理(S160−4−2)が終了し、小当たりの場合には小当たりフラグがONにセットされ(S160−4−2−7)、その後にこの特図2大当たり判定処理(S160−4−2)が終了する。
また、S160−4−2−3で確変中と判断されると、高確率状態時における大当たり成立数値と前記ロードされた大当たり判定乱数値が一致するか否かにより大当たりか否か判断され(S160−4−2−8)、大当たりの場合には大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−2−6)、この特図2大当たり判定処理(S160−4−2)が終了する。一方、大当たりではない場合には小当たりか否か判断され(S160−4−2−9)、小当たりではない場合この特図2大当たり判定処理(S160−4−2)が終了し、小当たりの場合には小当たりフラグがONにセットされ(S160−4−10)、その後にこの特図2大当たり判定処理(S160−4−2)が終了する。なお、前記S160−4−2−3、S160−4−2−4、S160−4−2−6及びS160−4−2−8の処理は、確率変更手段に相当する。
特図2図柄選択処理(S160−4−3)では、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特図2保留球(下側始動入賞口42の入賞に対する保留球)に関して前記大当たり種別決定乱数値がロードされ、通常大当たり種別の乱数値に設定されている‘0’,‘2’,‘4’,‘6’,‘8’の何れかと一致するか、15ラウンド確変大当たり種別の乱数値に設定されている ‘1’,‘3’,‘5’,‘7’,‘9’の何れかと一致するか判断される。通常大当たり種別の乱数値と一致する場合には確変フラグがOFFに設定されると共に通常遊技(低確率状態)のコマンドがセットされる。一方、15ラウンド確変大当たり種別の乱数値と一致する場合には確変フラグがONに設定されると共に、15ラウンド確変コマンドがセットされる。また、前記特図2表示装置に停止表示する図柄として、前記大当たりフラグがONあるいは小当たりフラグがONの場合には、前記ロードした大当たり種別決定乱数値がセットされる。例えば、前記大当たりフラグがONあるいは小当たりフラグがONの場合に、前記ロードした大当たり種別決定乱数値が‘2’であれば、前記特図2表示装置の停止表示図柄として‘2’がセットされる。一方、大当たりフラグ及び小当たりフラグが何れもOFFの場合には、特図2表示装置の停止表示図柄として「−」がセットされる。
なお、前記ロードされた前記大当たり種別決定乱数値が15ラウンド確変大当たり種別の乱数値に設定されている ‘1’,‘3’,‘5’,‘7’,‘9’の何れかと一致することは、特図2の保留記憶に関する高確率変更条件の成立に相当する。また、通常遊技(低確率状態)のコマンドと15ラウンド確変コマンドは、特図2の保留球に関する高確率変更条件の成立可否情報に相当する。また、特図2図柄選択処理(S160−4−3)は、本発明における高確率変更判定手段に相当する。
特図2変動態様選択処理(S160−4−4)では、特図2保留球(下側始動入賞口42の入賞に対する保留球)に関して前記特別図柄表示部11で行う特別図柄の変動態様を選択する処理が行われる。この特図2変動態様選択処理(S160−4−4)では、図24及び図25に示すように、まず通常状態中(定格率状態中)か判断され(S160−4−4−1)、通常状態中であれば時短中か判断される(S160−4−4−2)。時短中であれば時短カウンタが1減算され(S160−4−4−3)、その後に時短カウンタが0か判断される(S160−4−4−4)。時短カウンタが0であれば時短フラグがOFFにセットされ(S160−4−4−5)、さらに大当たりフラグがONか判断される(S160−4−4−6)。一方、前記S160−4−4−2で時短中ではないと判断された場合、あるいはS160−4−4−4で時短カウンタが0ではないと判断された場合には、大当たりフラグがONか判断される(S160−4−4−6)。大当たりフラグがONの場合には、図6に示した変動態様テーブルにおける通常状態の当たりテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−4−7)。他方、大当たりフラグがONではないと判断された場合には、小当たりフラグがONか判断され(S160−4−4−8)、小当たりフラグがONの場合には、図6に示した変動態様テーブルにおける通常状態の小当たりテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−4−12)。また、S160−4−4−8で小当たりフラグがONではないと判断されると、次にリーチ乱数値が前記リーチ成立乱数値と一致するか判断される(S160−4−4−9)。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致すれば、図6に示した変動態様テーブルにおける通常状態のリーチ外れテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−4−10)。他方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致しなければ、図6に示した変動態様テーブルにおける通常状態の外れテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−4−11)。
それに対して、S160−4−4−1で通常状態中ではない、すなわち確変中(高確率状態中)であると判断された場合には、次に大当たりフラグがONか判断される(S160−4−4−13)。大当たりフラグがONの場合には、図6に示した変動態様テーブルにおける確変状態の当たりテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−4−14)。他方、大当たりフラグがONではないと判断された場合には、小当たりフラグがONか判断され(S160−4−4−15)、小当たりフラグがONの場合には、図6に示した変動態様テーブルにおける確変状態の小当たりテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−4−19)。また、S160−4−4−15で小当たりフラグがONではないと判断されると、次にリーチ乱数値が前記リーチ成立乱数値と一致するか判断される(S160−4−4−16)。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致すれば、図6に示した変動態様テーブルにおける確変状態のリーチ外れテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−4−17)。他方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致しなければ、図6に示した変動態様テーブルにおける確変状態の外れテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−4−18)。
前記変動態様が選択された後にその他の処理(S160−4−4−20)が行われ、この特図2変動態様選択処理(S160−4−4)が終了する。
特図2乱数シフト処理(S160−4−5)では、前記RAMの特図2保留球数のデータ記憶領域において、ロード(読み出し)順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた保留球数のデータが、先の処理によりロードされて空席となることに起因して、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている保留球数のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。具体的には、図26に示すように、まず、前記主制御基板200のRAMに記憶されている前記特図2保留球数から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S160−4−5−1)、次に各保留球数に対応するデータが各保留球数から1減算した保留球数のRAMアドレスにシフトされ(S160−4−5−2)、続いて最上位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の特図2保留球数に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S160−4−5−3)。なお、最上位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の特図2保留球数に対応するRAMアドレスの内容を上書き可能に設定するようにしても当然良い。
なお、前記特図2乱数シフト処理(S160−4−5)において、ロード順位が第一位(最先頭)の保留球数のRAMアドレスに、次のロード順位の保留球数のRAMアドレスに記憶されているデータがシフトされることによって、それまでロード順位第一位(最先頭)の保留球数のRAMアドレスに記憶されていたデータが消去されるため、この特図2乱数シフト処理(S160−4−5)は、特図2保留球に関して、本発明における当否判定用データを始動記憶手段から消去する始動記憶消去手段に相当する。
特図2乱数シフト処理(S160−4−5)の次に特図2変動開始設定処理(S160−4−6)が行われる。特図2変動開始設定処理(S160−4−6)では、特別動作ステータスが2に設定されると共にその他特別図柄の変動開始に必要な処理が行われる。前記特図2変動開始設定処理(S160−4−6)の後に、前記特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。
一方、前記下側始動入賞口42の現在の保留球数(特図2保留球数)が0であって、かつ前記上側始動入賞口41の保留球数(特図1保留球数)が0ではないと判断された場合に行われる特図1大当たり判定処理(S160−4−8)では、図27に示すように、まず、前記主制御基板200のRAMに記憶されている前記大当たり判定乱数値が判定値としてロードされる(160−4−8−1)と共に、前記高確率時及び低確率時における大当たり成立数値を定めた大当たり判定値テーブルが格納されているRAMのアドレスがセットされる(S160−4−8−2)。続いて現在確変中(高確率状態中)か否か判断される(S160−4−8−3)。前記確変中か否かは、前記主制御基板200に設けられている確変フラグがON(高確率状態)かOFF(低確率状態)かによって判断される。前記確変中ではない場合には、低確率状態時における大当たり成立数値と前記ロードされた大当たり判定乱数値が一致するか否かにより大当たりか否か判断され(S160−4−8−4)、大当たりの場合には大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−8−6)、この特図1大当たり判定処理(S160−4−8)が終了する。一方、大当たりではない場合には小当たりか否か判断され(S160−4−8−5)、小当たりではない場合この特図1大当たり判定処理(S160−4−8)が終了し、小当たりの場合には小当たりフラグがONにセットされ(S160−4−8−7)、その後にこの特図1大当たり判定処理(S160−4−8)が終了する。
また、S160−4−8−3で確変中と判断されると、高確率状態時における大当たり成立数値と前記ロードされた大当たり判定乱数値が一致するか否かにより大当たりか否か判断され(S160−4−8−8)、大当たりの場合には大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−8−6)、この特図1大当たり判定処理(S160−4−8)が終了する。一方、大当たりではない場合には小当たりか否か判断され(S160−4−8−9)、小当たりではない場合この特図1大当たり判定処理(S160−4−8)が終了し、小当たりの場合には小当たりフラグがONにセットされ(S160−4−10)、その後にこの特図1大当たり判定処理(S160−4−8)が終了する。なお、前記S160−4−8−3、S160−4−8−4、S160−4−8−6及びS160−4−8−8の処理は、確率変更手段に相当する。
特図1図柄選択処理(S160−4−9)では、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特図1保留球(上側始動入賞口41の入賞に対する保留球)に関して前記更新大当たり種別決定乱数値がロードされ、通常大当たり種別の乱数値に設定されている‘0’,‘2’,‘4’,‘6’,‘8’の何れかと一致するか、15ラウンド確変大当たり種別の乱数値に設定されている ‘3’,‘5’,‘7’の何れかと一致するか、あるいは2ラウンド確変大当たり種別の乱数値に設定されている ‘1’,‘9’の何れかと一致するか判断される。通常大当たり種別の乱数値と一致する場合には確変フラグがOFFに設定されると共に通常遊技(低確率状態)のコマンドがセットされる。一方、15ラウンド確変大当たり種別の乱数値と一致する場合には確変フラグがONに設定されると共に15ラウンド確変コマンドがセットされ、また、2ラウンド確変大当たり種別の乱数値と一致する場合には確変フラグがONに設定されると共に2ラウンドコマンドがセットされる。また、前記特図1表示装置に停止表示する図柄として、前記大当たりフラグがONあるいは小当たりフラグがONの場合には、前記ロードした大当たり種別決定乱数値がセットされる。例えば、前記大当たりフラグがONあるいは小当たりフラグがONの場合に、前記ロードした大当たり種別決定乱数値が‘2’であれば、前記特図1表示装置の停止表示図柄として‘2’がセットされる。一方、大当たりフラグ及び小当たりフラグが何れもOFFの場合には、特図1表示装置の停止表示図柄として「−」がセットされる。
なお、前記ロードされた前記大当たり種別決定乱数値が15ラウンド確変大当たり種別の乱数値に設定されている ‘3’,‘5’,‘7’の何れかと一致することあるいは2ラウンド確変大当たり種別の乱数値に設定されている ‘1’,‘9’,‘の何れかと一致することは、特図1の保留記憶に関する高確率変更条件の成立に相当する。また、通常遊技(低確率状態)のコマンドと15ラウンド確変コマンド及び2ラウンド確変コマンドは、特図1の保留球に関する高確率変更条件の成立可否情報に相当する。また、特図1図柄選択処理(S160−4−9)は、本発明における高確率変更判定手段に相当する。
特図1変動態様選択処理(S160−4−10)では、特図1保留球(下側始動入賞口42の入賞に対する保留球)に関して前記特別図柄表示部11で行う特別図柄の変動態様を選択する処理が行われる。この特図1変動態様選択処理(S160−4−10)では、図28及び図29に示すように、まず通常状態中(低確率状態中)か判断され(S160−4−10−1)、通常状態中であれば時短中か判断される(S160−4−10−2)。時短中であれば時短カウンタが1減算され(S160−4−10−3)、その後に時短カウンタが0か判断される(S160−4−10−4)。時短カウンタが0であれば時短フラグがOFFにセットされ(S160−4−10−5)、大当たりフラグがONか判断される(S160−4−10−6)。一方、前記S160−4−10−2で時短中ではないと判断された場合、あるいはS160−4−10−4で時短カウンタが0ではないと判断された場合には、大当たりフラグがONか判断される(S160−4−10−6)。大当たりフラグがONの場合には、大当たり種別決定乱数値は2R確変か判断され(S160−4−10−7)、2R確変ではない場合には図6に示した変動態様テーブルにおける通常状態当たりテーブル(15R当たりテーブル)から、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−10−8)。それに対して2R確変の場合には、図6に示した変動態様テーブルにおける通常状態2R確変当たりテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−10−9)。他方、S160−4−10−6で大当たりフラグがONではないと判断された場合には、小当たりフラグがONか判断され(S160−4−10−10)、小当たりフラグがONの場合には、図6に示した変動態様テーブルにおける通常状態の小当たりテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−10−11)。また、S160−4−10−10で小当たりフラグがONではないと判断されると、次にリーチ乱数値が前記リーチ成立乱数値と一致するか判断される(S160−4−10−12)。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致すれば、図6に示した変動態様テーブルにおける通常状態のリーチ外れテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−10−13)。他方、一致しなければ、図6に示した変動態様テーブルにおける通常状態の外れテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−10−14)。
それに対して、S160−4−10−1で通常状態中ではない、すなわち確変中(高確率状態中)であると判断された場合には、次に大当たりフラグがONか判断される(S160−4−10−15)。大当たりフラグがONの場合には、次に大当たり種別決定乱数値は2R確変か判断され(S160−4−10−16)、2R確変ではない場合には図6に示した変動態様テーブルにおける確変状態当たりテーブル(15R確変当たりテーブル)から、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−10−17)。それに対して2R確変の場合には、図6に示した変動態様テーブルにおける確変状態2R確変当たりテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−10−18)。他方、S160−4−10−15で大当たりフラグがONではないと判断された場合には、小当たりフラグがONか判断され(S160−4−10−19)、小当たりフラグがONの場合には、図6に示した変動態様テーブルにおける確変状態の小当たりテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−10−20)。また、S160−4−10−19で小当たりフラグがONではないと判断されると、次にリーチ乱数値が前記リーチ成立乱数値と一致するか判断される(S160−4−10−21)。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致すれば、図6に示した変動態様テーブルにおける確変状態のリーチ外れテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−10−22)。他方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値一致しなければ、図6に示した変動態様テーブルにおける確変状態の外れテーブルから、前記特別図柄表示部11で行う変動態様が変動態様乱数値に基づいて選択され、該選択された変動態様のコマンドがセットされる(S160−4−10−23)。
前記変動態様が選択された後にその他の処理(S160−4−10−24)が行われ、この特図2変動態様選択処理(S160−4−10)が終了する。
特図1乱数シフト処理(S160−4−11)では、前記RAMの特図1保留球数のデータ記憶領域において、ロード(読み出し)順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた保留球数のデータが、先の処理によりロードされて空席となることに起因して、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている保留球数のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。具体的には、図30に示すように、まず、前記主制御基板200のRAMに記憶されている前記特図1保留球数から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S160−4−11−1)、次に各保留球数に対応するデータが各保留球数から1減算した保留球数のRAMアドレスにシフトされ(S160−4−11−2)、続いて最上位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の特図1保留球数に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S160−4−11−3)。
なお、前記特図1乱数シフト処理(S160−4−11において、ロード順位が第一位(最先頭)の保留球数のRAMアドレスに、次のロード順位の保留球数のRAMアドレスに記憶されているデータがシフトされることによって、それまでロード順位第一位(最先頭)の保留球数のRAMアドレスに記憶されていたデータが消去されるため、この特図1乱数シフト処理(S160−4−11)は、特図1保留球に関して、本発明における当否判定用データを始動記憶手段から消去する始動記憶消去手段に相当する。
特図1変動開始設定処理(S160−4−12)では、特別動作ステータスが2に設定されると共にその他特別図柄の変動開始に必要な処理が行われる。前記特図1変動開始設定処理(S160−4−12)の後に、前記特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。
前記特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S160−5)では、図31に示すように、まず特別図柄の変動時間、すなわち選択された変動態様の変動時間が終了したか否か判断され(S160−5−1)、変動時間が終了していなければこの変動中処理(S160−5)が終了する。一方、変動時間が終了していれば表示制御基板210へ出力される変動停止コマンドがセットされ(S160−5−2)、続いて特別動作ステータスが3にセットされ(S160−5−3)、その他必要な処理(S160−5−4)が行われた後に、この変動中処理(S160−5)が終了する。
前記特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S160−6)では図32に示すように、まず大当たりフラグがONか否か、すなわち大当たりか否か判断される(S160−6−1)。大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、前記大当たり種別決定乱数値により15R大当たりか否か判断される(S160−6−2)。15R大当たりの場合には15R当たりラウンドカウンタがセットされ(S160−6−3)、また、15R大当たりではない場合には2R確変ラウンドカウンタがセットされ(S160−6−4)、その後に特別動作ステータスが4にセットされ(S160−6−5)、この特別図柄確定処理(S160−6)が終了する。一方、大当たりフラグがONではない場合、すなわち外れの場合には、小当たりフラグがONか判断される(S160−6−6)。小当たりフラグがONの場合には、小当たり用ラウンドカウンタがセットされ(S160−6−7)、その後に特別動作ステータスが1にセットされ(S160−6−8)、この特別図柄確定処理(S160−6)が終了する。また、S160−6−6で小当たりフラグがONではないと判断された場合には、特別動作ステータスが1にセットされ(S160−6−8)、この特別図柄確定処理(S160−6)が終了する。
前記特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S160−7)では、図33及び図34に示すように、まず確変フラグがOFFにリセットされた(S160−7−1)後に、大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)か否か判断される(S160−7−2)。そして、大当たり終了フラグがONではない、すなわち大当たり遊技終了ではない場合には現在大入賞口15が開放中か否か判断され(S160−7−3)、開放中ではなく閉鎖中の場合には大入賞口15の開放時間か否か判断される(SS160−7−4)。大入賞口15の開放時間の場合には大入賞口の開放処理が行われて(S160−7−5)、その後にこの特別電動役物処理(S160−7)が終了する。それに対して大入賞口15の開放時間となっていないときには、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
一方、前記S160−7−3で大入賞口15が開放中と判断されると、大入賞口15に10個遊技球が入賞(S160−7−6)、若しくはラウンド終了時間(本実施例では30秒)経過(S160−7−7)の何れかであるか否か判断され、何れでもない場合にはそのままこの特別電動役物処理(S160−7)が終了し、それに対して大入賞口15に10個遊技球が入賞、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合には、大入賞口閉鎖処理(S160−7−8)とラウンドカウンタの値から1減算する処理(S160−7−9)が行われる。なお、前記大入賞口閉鎖処理(S160−7−8)では、大入賞口閉鎖のコマンドが出力バッファにセットされる。続いて、ラウンドカウンタが0か否か判断され(S160−7−10)、ラウンドカウンタが0ではない場合には、そのままこの特別電動役物処理(S160−7)が終了し、それに対してラウンドカウンタが0の場合には、大当たり終了処理(S160−7−11)が行われ、その後、大当たり終了フラグがONにされ(S160−7−12)、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
一方、前記S160−7−2で大当たり終了フラグがON、すなわち大当たり終了と判断されると、大当たり終了フラグをOFFにセットする処理(S160−7−13)と、大当たりフラグをOFFにする処理(S160−7−14)が行われ、その後に小当たりか否か判断される(S160−7−15)。小当たりの場合には小当たりフラグがOFFにされ(S160−7−16)、他方小当たりではない場合には当たり図柄は確変図柄か判断される(S160−7−17)。当たり図柄が確変図柄の場合には、確変フラグONにされ(S160−7−18)、その後に特別動作ステータスが1にセットされ(S160−7−20)、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。一方、当たり図柄が確変図柄ではない場合、時短カウンタがセットされると共に時短フラグがONにされ(S160−7−19)、その後にこの特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
保留球数処理(S170)では、図35に示すように特図、普通図柄の保留球数がロードされ(S170−1)、保留球数が出力バッファにセットされる(S170−2)。
電源断監視処理(S180)では、図36に示すように、電源断信号が入力したか判断され(S180−1)、入力していなければこの電源断監視処理(S180)が終了する。一方、電源断信号が入力している場合には、現在のデータ(状態)が前記主制御基板200のRAMに記憶され(S180−2)、次いで電源断フラグがONにされ(S180−3)、その後ループ処理が行われる。
その他の処理(S190)では、遊技に必要なその他の様々な処理が行われるが、本発明で特に関わりのない処理についての説明は省略する。
前記サブ制御基板(従制御手段)205が行う処理について説明する。前記サブ制御基板205が行う処理は従制御手順の処理に相当する。
前記サブ制御基板(従制御手段)205が行うサブ制御メイン処理Jでは、図37に示すように、遊技機1の電源投入時にサブ制御基板205においてCPU初期化処理が行われる(S201)。前記CPU初期化処理(S201)では、スタックの設定、CPUの設定、SIO、CTCの設定等が行われる。次に、電源断信号がONでRAMの内容が正常か判断される(S202)。電源断信号ONとRAMの内容正常の両方を満たさない場合は、RAMの初期化が行われ(S203)、その後に乱数値更新処理(S204)が行われる。一方、電源断信号ONとRAMの内容正常の両方を満たす場合には、RAMの初期化を行うことなく乱数値更新処理(S204)が行われる。
乱数値更新処理(S204)では、サブ制御基板205に設けられている予告抽選用カウンタ、通常図柄用カウンタ、確変図柄用カウンタ、左図柄用カウンタ、ハズレ図柄選択用カウンタの乱数値更新処理が行われる。乱数値は設定最大値に至ると次に初期値に戻り、再び更新処理(加算処理)が行われる。
前記乱数値更新処理(S204)の後、ループ処理が行われる。このループ処理が行なわれている間に、前記主制御基板200からのコマンド(制御信号)受信時に外部INT割り込み処理(S300)が行われ、また、2ms毎に2msタイマ割り込み処理(S400)、10ms毎に10msタイマ割り込み処理(S500)がそれぞれ行われる。
外部INT割り込み処理(S300)では、図38に示すように、前記主制御基板200からのストローブ(STB)信号がONか確認され(S301)、ストローブ信号がON、すなわち外部INT入力部にストローブ信号が入力されると、前記主制御基板200から出力されたコマンド(制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S302)。ここで主制御基板200から受信するコマンド(制御信号)には、変動態様乱数値、大当たり種別データ、大当たり判定データ等が含まれる。また、前記当否判定の判定結果が識別可能な成立信号(通常確率状態で当たりと判定される通常当たり成立信号、高確率状態で当たりと判定される高確率当たり成立信号、何れの確率状態でもはずれと判定されるはずれ成立信号)も含まれる。なお、前記当否判定の判定結果が識別可能な成立信号等の具体的な入賞コマンド名は既に述べた通りである。それに対し、ストローブ信号がONになっていなければ、その時点でこの外部INT割り込み処理(S300)が終了する。
2msタイマ割り込み処理(S400)は、図39に示すように、ランプデータ出力処理(S401)、入力処理(S402)、ウォッチドッグタイマ処理(S403)が行われる。ランプデータ出力処理(S401)では、後述の10msタイマ割り込み処理で作成されたランプのデータが出力される。また、入力処理(S402)では、遊技ボタンスイッチ(操作手段)67からの信号の受信が行われ、ウォッチドッグタイマ処理(S403)では、ウォッチドッグタイマのリセット処理が行われる。
10msタイマ割り込み処理(S500)では、図40に示すように、スイッチ状態取得処理(S501)、コマンド受信許可確認処理(S502)、下皿状態確認処理(S503)、ループシナリオ再設定処理(S504)、コマンド監視処理(S505)、ランプ処理(S506)、SW処理(S507)、コマンド送信処理(S508)が行われる。
スイッチ状態取得処理(S501)では、前記2msタイマ割り込み処理(S400)の入力処理(S402)で作成されたスイッチデータが10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして記憶される。コマンド受信許可確認処理(S502)では、RAMクリア時などの演出禁止期間の判定が行われる。下皿状態確認処理(S503)では、前記下側球受け皿37の満杯報知用タイマの設定が行われる。ループシナリオ再設定処理(S504)では、客待ち演出などの一定間隔で行う演出の設定が行われる。
コマンド監視処理(S505)は、前記受信したコマンドの解析処理及び動作の設定を行なう。図41及び図42に示すように、受信コマンドが図柄指定コマンド(確変(15R確変)、通常、小当たり、2R確変)か判断され(S505−1)、図柄指定コマンドの場合には受信した図柄指定コマンドがサブ制御基板205のRAMに記憶され(S505−2)、その後にこのコマンド監視処理(S505)が終了する。
一方、受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合、受信コマンドが変動態様に関するコマンドか、すなわち主制御基板200の処理で選択された変動態様を示すコマンドか判断される(S505−3)。受信コマンドが変動態様に関するコマンドの場合、変動態様選択処理が行われる(S505−4)。変動態様選択処理(S505−4)では、前記主制御基板200から出力された変動態様のコマンドに基づき、前記特別図柄表示部11で行う変動態様の演出内容が選択される。
次に図柄選択処理が行われる(S505−5)。図柄選択処理(S505−5)では、前記主制御基板200から受信した変動態様のコマンドと、前記サブ制御基板205が有する乱数とにより停止特別図柄の選択が行われる。例えば、変動態様がリーチなし外れに対しては、左図柄乱数値及び外れ図柄乱数値を取得し、該取得した左図柄乱数値及び外れ図柄乱数値に基づいて図46のど外れ図柄設定テーブルから停止特別図柄が選択され、またリーチ外れの変動態様に対しては、図46のリーチ外れ図柄設定テーブルから停止特別図柄が選択される。なお、図46のテーブルを用いる外れ図柄の選択方法は、既に左図柄乱数値及び外れ図柄乱数値の説明の箇所で詳述したとおりである。一方、当たりの変動態様に対しては、大当り種別データのコマンド(確変か通常)当たりの変動態様の種別に応じた停止特別図柄が、前記通常図柄乱数値、前記確変図柄乱数値に基づき選択される。前記通常図柄乱数値、前記確変図柄乱数値には、前記のように停止特別図柄が設定されており、取得した通常図柄乱数値あるいは確変図柄乱数値によって停止特別図柄が定まる。
前記図柄選択処理(S505−5)の次に変動態様が大当たり変動か否か判断される(S505−6)。変動態様が大当たり変動の場合、サブ制御基板205のRAMに記憶されている前記図柄指定コマンド、すなわち変動開始予定の図柄指定コマンドが確認され(S505−7)、次変動以降の状態が低確率か判断される(S505−8)。次変動以降の状態が低確率であれば、入賞コマンドバッファ(前記S505−2で図柄指定コマンドが格納されたRAMの領域)に大当たりとなる情報があるか判断され(S505−9)、大当たりとなる情報が無い場合にはこのコマンド監視処理(S505)が終了し、一方、大当たりとなる情報が有る場合には大当たりの入賞個数に合わせて保留連告知演出コマンドがセットされ(S505−10)、その後にこのコマンド監視処理(S505)が終了する。それに対してS505−8で次変動以降の状態が低確率ではないと判断されると、入賞コマンドバッファに大当たりとなる情報があるか判断され(S505−11)、大当たりとなる情報が無い場合にはこのコマンド監視処理(S505)が終了し、一方、大当たりとなる情報が有る場合には大当たりの入賞個数に合わせて保留連告知演出コマンドがセットされ(S505−12)、その後にこのコマンド監視処理(S505)が終了する。
また、S505−6で変動態様が大当たり変動ではないと判断されると、次変動以降の状態が低確率か判断される(S505−13)。低確率であれば、入賞コマンドバッファに大当たりとなる情報があるか判断され(S505−14)、大当たりとなる情報が有る場合には大当たりの入賞個数に合わせて保留連告知演出コマンドがセットされ(S505−15)、その後にこのコマンド監視処理(S505)が終了する。一方、S505−13で低確率ではないと判断された場合、あるいはS505−14で入賞コマンドバッファに大当たりとなる情報が無いと判断されると、このコマンド監視処理(S505)が終了する。
また、S505−3で受信コマンドが変動態様に関するものではないと判断されると、受信コマンドが大当たりに関するコマンドか判断される(S505−16)。大当たりに関するコマンドの場合には後述の大当たり処理(S505−17)が行われ、その後にこのコマンド監視処理(S505)が終了する。それに対して、大当たりに関するコマンドではないと判断されると、受信コマンドが入賞コマンドか判断される(S505−18)。受信コマンドが入賞コマンドの場合には、後述の入賞コマンド時受信処理(S505−19)が行われた後にこのコマンド監視処理(S505)が終了し、他方、受信コマンドが入賞コマンドとは異なる場合にはその他の処理(S505−20)が行われた後にこのコマンド監視処理(S505)が終了する。
前記大当たり処理(S505−17)では、図43に示すように、大当たり3ラウンド目開始のコマンドか判断され(S505−17−1)、大当たり3ラウンド目コマンドである場合には保留連告知演出がセットされているか判断される(S505−17−2)。保留連告知演出がセットされている場合には、大当たり入賞は2個以上演出か判断される(S505−17−3)。大当たり入賞が2個以上演出ではない場合には、と金チャンスとなり、ランプ装置35での予告報知設定、SW設定、成功シナリオ設定が行われ(S505−17−4)、一方、大当たり入賞が2個以上演出の場合には、と金チャンスとなり、ランプ装置35での予告報知設定、SW設定、2回成功シナリオ設定(画面赤に設定)が行われ(S505−17−5)、その後にこの大当たり判定処理(S505)が終了する。前記SW設定は遊技ボタンスイッチ67の操作有効時間が設定される。前記成功シナリオ設定及び2回成功シナリオ設定は、遊技ボタンスイッチ67の押下成功によって行われる予告態様の内容(大連荘、小連荘の表示等)が設定される。
また、S505−17−2で保留連告知演出がセットされていないと判断されると、と金チャンスとなり、前記3ラウンド中に行う予告態様報知のための設定として、ランプ装置35での予告報知設定、SW設定が行われ(S505−17−6)、その後にこの大当たり処理(S505−17)が終了する。なお、S505−17−1で大当たり3ラウンド目ではないと判断されると、その他の処理(S505−17−7)が行われ、この大当たり処理(S505−17)が終了する。
前記入賞コマンド受信時処理(S505−19)では、図44に示すように、オーバーフロー入賞(最大保留球数を超える入賞)以外か判断され(S505−19−1)、オーバーフロー入賞であれば、この入賞コマンド受信時処理(S505−19)が終了し、一方、オーバーフロー入賞以外であれば、入賞コマンド情報が前記サブ制御基板205のRAMにおける入賞コマンドバッファに格納される(S505−19−2)。なお、受信コマンド情報には、前記特図2低確率時当たり入賞コマンド、特図2高確率時当たり入賞コマンド、特図2リーチ入賞コマンド、特図2外れ入賞コマンド、前記特図1低確率時当たり入賞コマンド、特図1高確率時当たり入賞コマンド、特図1リーチ入賞コマンド、特図1外れ入賞コマンド、オーバーフロー入賞コマンドがある。また、前記受信コマンド情報を入賞コマンドバッファに格納する処理(S505−19−2)は、本発明において、主制御手段から出力されて受信した成立信号をそれぞれ記憶する成立記憶手段の処理に相当する。なお、入賞コマンドバッファ(成立信号記憶手段)に格納された入賞コマンド情報(成立信号)は、前記入賞コマンド情報(成立信号)の基となる前記当否判定用データの前記表示開始条件の成立に基づいて、あるいは前記当否判定用データの当否判定結果を示す特別図柄が停止表示されることに基づいて、前記入賞コマンドバッファ(成立信号記憶手段)から削除される(成立信号記憶手段に相当)ように構成されている。
次に現在の遊技状態が高確率状態か判断される(S505−19−3)。高確率状態の場合には高確率状態での連続予告抽選が行われ、抽選結果に応じて連続予告(連告知)有りまたは無しが入賞コマンドバッファに格納され、その後にこの入賞コマンド受信時処理(S505−19)が終了する。一方、高確率状態ではない場合には低確率状態での連続予告抽選が行われ、抽選結果に応じて連続予告(連告知)有りまたは無しが入賞コマンドバッファに格納され、その後にこの入賞コマンド受信時処理(S505−19)が終了する。なお、連続予告抽選は、前記予告抽選乱数値を取得し、取得した乱数値が予め設定されている予告成立乱数値と一致すれば当たりとなっていれば連続予告有りに決定され、一方、取得した乱数値が予告成立乱数値と一致しなければ外れとなって連続予告(連告知)無しに決定される。前記連続予告抽選の当たり確率は、図47及び図48に示す前記連続予告抽選の当たり確率テーブルのように、特図1(上側始動入賞口41への入賞)と特図2(下側始動入賞口42への入賞)とで異なっており、さらに特図1については低確率と高確率で等しくされているのに対して特図2については低確率と高確率で異なっている。
図47は特図1(上側始動入賞口41への入賞)に対するものであり、一方、図48は特図2(下側始動入賞口42への入賞)に対するものである。図47及び図48において、「保留1」はロード順位一位に記憶されている保留がある場合、「保留2」はロード順位二位に記憶されている保留がある場合、「保留3」はロード順位三位に記憶されている保留がある場合、「保留4」はロード順位四位に記憶されている保留がある場合を示す。また「なし」は予告を行わない場合、「×1回」は1個の保留球)に対して予告を行う場合、「×2回」は2個の保留球に対して予告を行う場合、「×3回」3個の保留球に対して予告を行う場合、「×4回」は4個の保留球に対して予告を行う場合を示す。また、各場合の数字は%を示す。例えば、図48の特図2通常において「あたり」の保留1の行と「なし」の列が交差する欄に記載されている「10」は、予告無しの確率が10%であうことを示し、一方、「あたり」の保留1の行と「×1回」の列が交差する欄に記載されている「90」は1回の予告を行う当たり確率が「90%」であることを示す。また、図48の特図2確変において「あたり」の保留4の行と「×4回」の列が交差する欄に記載されている「50」は4回の予告を行う確率が「50%」であることを示す。なお、図47及び図48のテーブルにおける「はずれ」、「リーチ」、「あたり」は各保留球の図柄指定コマンドを示す。また、各確率に合わせて当たりの予告成立乱数値の個数が決められている。
なお、連続予告の報知態様は特別図柄の変動開始に「パキューン」という効果音が出力され、駆動役物61が180度の反転、正転を高速で繰り返す。駆動役物の動作は特別図柄の変動停止と共に停止する。連続予告は回数にあわせて毎回同様の予告がされる。例えば、選択された連続予告が3回であれば、保留1、保留2、保留3の変動開始時に毎回上記の予告報知がされる。図49からも明らかなように回数の多い連続予告は判定結果が当りのほうがハズレの場合よりも選択されやすく構成されており、4回については当りの場合のみ選択されるように構成されている。よって、遊技者は連続予告が開始されると、次の保留でも連続予告が続かないかとあたりへの期待感をより維持して遊技をする事が可能となる。
ランプ処理(S506)では、出力するランプデータの作成及び演出時間の管理が行われる。
SW処理(S507)では、図45に示すように、まずSW有効時間より10ms分削除され(S507−1)、その後にSW有効時間内か判断される(S507−2)。SW有効時間外であると判断されると、このSW処理(S507)が終了し、一方、SW有効時間内であると判断されると、次にSW(遊技ボタンスイッチ67)が前記大当たり処理(S505−17)のSW設定(S505−17−4〜S505−17−4−6)で設定されている方法で押下されたか判断される(S507−3)。SWが押下されていないと判断されると、このSW処理(S507)が終了し、一方SWが押下されていると判断されると、前記大当たり処理(S505−17)で設定されているシナリオ(S505−17−4〜S505−17−6で設定されている予告報知態様)で予告報知が行われ(S507−4)、その後にこのSW処理(S507)が終了する。
コマンド送信処理(S508)では、送信コマンドがある場合にはコマンドが送信されてこのコマンド送信処理(S508)が終了する。なお、送信コマンドがない場合には、ただちにこのコマンド送信処理(S509)が終了する。
前記構成からなる本実施例の遊技機においては、表示開始条件の成立に基づいて主制御基板(主制御手段)から出力されてサブ制御基板(従制御手段)で受信した高確率変更条件の成立可否情報(低確率か高確率か)の情報によって、保留球についての当否判定の情報を予告報知することが可能であるため、記憶されている当否判定用データについて当たり外れに関する報知を、当たり確率が変動しても遊技者に事前に予告することが可能となり、遊技者の遊技意欲を増加させることができる。
また、本実施例では、成立信号判定手段は、主制御基板から出力された当り変動コマンドに対する大当り種別のコマンド(当り変動コマンドに付された大当り種別でもよい)に基づいて次変動以降の確率設定(高確率に設定されるか低確率に設定されるか)を判断する。成立信号判定手段は判断した確率設定情報を基に成立信号記憶手段に記憶している成立信号の中に記憶されている順序が早いものから順に表示開始条件が成立した場合に大当りとして判定図柄(特別図柄)が変動表示されるものが少なくともいくつあるか計数する構成であると共に、受信したコマンドより次変動以降の確率設定が高確率の場合には成立信号記憶手段に記憶されている成立信号のうち一番記憶順序の早い当り入賞コマンドにおいてのみ高確率時当り入賞コマンドも大当りに計数し、計数した高確率時入賞コマンド以降に記憶されている入賞コマンドについては低確率時当り入賞コマンドのみを大当りとして計数し、受信したコマンドより次変動以降の確率設定が低確率の場合には成立信号記憶手段に記憶されている低確率時当り入賞コマンドのみを大当りとして計数する構成となっている。よって、サブ制御基板に大当り種別の情報を変動開始まで送信しないように構成することでよりサブ制御基板から情報を抽出する等の不正を防ぐ構成にした遊技機においても、遊技者により多くの大当り情報を事前に報知することが可能となり遊技者が遊技に飽きさせることを防止することが可能となる。
また、前記実施例では、高確率変更判定手段は前記主制御基板(主制御手段)に設けられているが、それに限られるものではなく、サブ制御基板(従制御手段)に高確率変更判定手段を設け、主制御基板の処理で取得した高確率変更用条件用乱数値を、サブ制御基板に設けた高確率変更乱数値と一致するかをサブ制御基板側で判定するようにしてもよい。すなわち、前記主制御手段は、所定範囲内で繰り返し更新される乱数値により構成される高確率変更条件用乱数を備え、前記従制御手段は、前記高確率変更条件用乱数値が前記高確率変更条件の成立となる予め定められた高確率変更乱数値であるか否かを判定する高確率変更判定手段を備え、前記高確率変更条件の成立可否情報は、前記判定条件の成立に基づいて取得した前記高確率変更条件用乱数値である構成としてもよい。
また、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更されるものである。例えば、予告報知のタイミングは、大当たりラウンドの3ラウンド目や変動開始前に限定されず、他の時点でもよい。さらに、予告報知態様は、音声におる報知を含むものであってもよい。また、遊技ボタンスイッチは、リミットセンサーを有するものとしたが、タッチセンサーを有するタッチ式のスイッチとしてもよい。さらに本発明はパチンコ遊技機以外の遊技機であっても、入賞に対する保留が行われる遊技機であれば適用可能である。
本実施例を概念化すると以下のようになる。
(1)遊技の制御を行う主制御手段と、
前記主制御手段からの制御信号に従って遊技の制御を行う従制御手段と、
前記主制御手段に設けられ判定条件が成立したことに基づいて取得した当否判定用データを記憶する始動記憶手段と、
前記主制御手段に設けられ前記始動記憶手段に記憶されている前記当否判定用データに対する表示開始条件の成立に起因して該当否判定用データの当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の判定結果を表すための図柄を可変表示可能な表示手段と、
前記表示開始条件の成立に起因して前記当否判定手段により行われた前記当否判定の判定結果に基づいて前記表示手段で前記図柄を変動表示させた後に前記判定結果を表す図柄で停止表示させる表示制御手段と、
前記始動記憶手段に記憶されている前記当否判定用データに対応する前記表示開始条件の成立に基づいてあるいは前記当否判定用データの判定結果を表示する図柄が前記表示手段で停止表示されることに基づいて当該当否判定用データを前記始動記憶手段から消去する或いは上書きする始動記憶消去手段と、
前記始動記憶手段に記憶されている前記当否判定用データの個数を表す当否判定用データ記憶個数表示手段と、
前記表示手段に前記当否判定の判定結果が当たりであることを表す図柄が停止表示された後に実行される大当たり遊技の後に、高確率変更条件が成立していることに基づいて前記当否判定手段によって当たりと判定される当たり確率を通常確率状態から前記通常確率状態よりも当たり確率が高い高確率状態へ変更させる確率変更手段と、
を備え、
前記主制御手段は、所定範囲内で繰り返し更新される乱数値により構成される高確率変更条件用乱数と、前記高確率変更条件用乱数値が前記高確率変更条件の成立となる予め定められた高確率変更乱数値であるか否かを判定する高確率変更判定手段とを備え、
前記判定条件の成立に基づいて前記高確率変更条件の成立可否を決定するための前記高確率変更条件用乱数値を取得し、前記判定条件の成立に基づいて取得した前記高確率変更条件用乱数値に対して前記高確率変更判定手段が行った判定結果を前記高確率変更条件の成立可否情報として構成可能とし、
前記表示開始条件の成立に基づいて前記主制御手段は少なくとも前記当否判定の判定結果と前記高確率変更条件の成立可否情報を前記従制御手段に出力する出力手段を備えた遊技機において、
前記主制御手段は、前記判定条件が成立したことに起因して取得した前記当否判定用データを前記当否判定手段の実行前に事前に当否を判定する事前判定手段を備え、前記事前判定手段による事前判定に基づいた判定結果が識別可能な成立信号を前記表示開始条件が成立する前に前記従制御手段に出力し、
前記成立信号は前記当否判定手段の現在の当たり確率状態に関わらず、前記通常確率状態及び前記高確率状態における当否の判定結果が識別可能に設定され、
前記従制御手段は、
前記主制御手段から出力されて受信した前記成立信号をそれぞれ記憶する成立信号記憶手段と、
前記成立信号記憶手段に記憶されている前記成立信号の基となる前記当否判定用データの前記表示開始条件の成立に基づいてあるいは前記当否判定用データの判定結果を示す特別図柄が停止表示されることに基づいて、当該成立信号を前記成立信号記憶手段から消去する或いは上書きする成立信号記憶消去手段と、
前記成立信号記憶手段に記憶されている成立信号の中に前記判定結果の当たりと前記判定図柄で表示される成立信号が有るか無いかを、前記表示開始条件の成立に基づいて前記主制御手段から出力される前記高確率変更条件の成立可否情報に基づいて判定する成立信号判定手段とを備えると共に、
前記成立信号判定手段の判定結果に関する予告態様を報知手段により報知することを特徴とする遊技機。
(2)前記成立信号判定手段の判定結果に関する予告態様は前記大当たり遊技中に遊技者に報知されることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記当否判定用データは、所定範囲内で繰り返し更新される乱数値から取得された乱数値により構成され、
前記当否判定手段は、予め設定された当たり乱数値と取得された前記当否判定用データの乱数値が一致するか否かの判定処理を行い、
前記通常確率状態時に設定される当たり乱数値は前記高確率状態時に設定される当たり乱数値よりも個数が少なく設定されると共に、前記通常確率状態時に設定される当たり乱数値は前記高確率状態時に設定される当たり乱数値にすべて含まれることを特徴とする(1)または(2)に記載の遊技機。
(4)取得した前記当否判定用データが前記高確率状態時に当たりと判定され、前記高確率変更条件が成立していない場合には、前記確率変更手段により前記高確率状態から前記通常確率状態に変更されることを特徴とする(1)から(3)の何れか一項に記載の遊技機。
本実施例は、上記(1)〜(4)により、以下の効果を奏する。
(1)によれば、主制御手段が遊技の当否に関する判定処理を行い、その情報を従制御手段に出力して従制御手段が当たりに関する予告報知等を行うようにして処理の負荷を分担している遊技機であっても、主制御手段の始動記憶手段に高確率状態となる当たりあるいは通常確率状態となる当たりが記憶されているかを、表示開始条件の成立に基づいて主制御手段から出力されて従制御手段で受信した高確率変更条件の成立可否情報によって判別可能となり、当否判定に関する情報を遊技者に予告報知することが可能となり、遊技者の遊技意欲を増加することが可能となる。
また、(1)によれば、主制御手段は、所定範囲内で繰り返し更新される乱数値により構成される高確率変更条件用乱数と、高確率変更条件用乱数値が高確率変更条件の成立となる予め定められた高確率変更乱数値であるか否かを判定する高確率変更判定手段とを備えるため、高確率変更条件用乱数値及び高確率変更乱数値の個数を調整することにより高確率状態となる割合を設定し易く構成することが可能となる。
(2)によれば、現在の大当たり遊技の後に、さらに大当たり遊技が保留記憶内の遊技で行われるかを遊技者が早期に知ることが可能となり、大当たり遊技中の楽しみが増し、遊技者の遊技意欲をより増加することが可能となる。
(3)によれば、乱数値を用いて当否判定を行うため、当否判定手段の当たり判定が容易となり、制御処理を容易にすることが可能となる。
(4)によれば、取得した当否判定用データが高確率状態時に当たりと判定され、高確率変更条件が成立していない場合には、確率変更手段により高確率状態から通常確率状態に変更される構成により、当否判定の当たり確率を高確率状態から通常確率に移行させることが可能となり、遊技の射幸性を予め調節して設定しておくことが可能となる。