JP6326253B2 - ホットメルト用接着剤組成物 - Google Patents

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本発明は、特定の物性パラメータを有する1−ブテン・α−オレフィン共重合体を含んで成るホットメルト用接着剤組成物に関する。詳しくは、オープンタイムが長く、接着強度に優れたホットメルト用接着剤組成物に関する。
ホットメルト接着剤は、無溶剤で使用することができ、且つ、高速での接着が可能であるという環境上、経済上の利点を有しているので、製本、包装材料、自動車内装、木工等の分野を始め種々の分野に大量に使用されている。ホットメルト接着剤組成物に使用される熱可塑性樹脂としては、柔軟性や価格等の観点から、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)等のエチレン系共重合体、スチレンブロックコポリマーなどが使用されている。また、ポリプロピレン系の材料と接着させる場合や、高耐熱性が要求される用途等では、熱可塑性樹脂として、ポリプロプレン系樹脂を主剤としたホットメルト接着剤が用いられている(たとえば特許文献1−2)。
一方、ブテン系ポリマーはEVA等のエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂と比較し、結晶化が非常に遅いことが知られており、ホットメルト接着剤のハンドリング性向上のため、オープンタイムを長くする目的で、主剤もしくは添加剤として配合させることが有効であることが公知であり、例えば、ブテン系重合体として、チーグラー・ナッタ触媒に代表される不均一系触媒を用いたブテン系ポリマーを用いることが提案されている(たとえば特許文献3−5)。
一方、近年ポリオレフィン製造のための触媒技術の発展により、メタロセン触媒に代表される均一系触媒が開発され、精緻な樹脂デザインが可能になった。これにより従来の不均一系触媒では困難であった、狭分子量分布、狭コモノマー分布に基づく、より高い機械強度、より良好な柔軟性、大幅な低融点化といったホットメルト接着剤の組成物として好ましい設計が可能となった。近年接着剤に対する高性能化の要求があり、これまで以上に長いオープンタイムを提供でき、かつ接着強度を向上させる処方が求められているため、これら要求を満たすホットメルト接着剤組成物の開発が望まれている。
特表2006−503966号公報 WO2010/032600号 平1−144480号公報 平11−181386号公報 平11−323289号公報
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、長いオープンタイムと接着強度のバランス優れたホットメルト接着剤組成物を提供することを目的としている。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の1−ブテン・α−オレフィン共重合体と粘着付与剤、ベースポリマーを主体とする樹脂組成物を用いることにより、長いオープンタイム、接着強度のバランスに優れたホットメルト用接着剤組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、(i)GPCで求められる重量平均分子量Mw,数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.0〜3.5の範囲、および(ii)結晶融解熱量が20〜70J/gの範囲にある1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y):1〜50質量%、粘着付与剤(X):30〜90質量%、および190℃での溶融粘度が1〜15000mPa・sの範囲にあるベースポリマー(Z):30〜90質量%〔ただし、(Y)+(X)+(Z)=100質量%とする。〕を含有してなることを特徴とするホットメルト用接着剤組成物を提供するものである。
本発明のホットメルト用接着剤組成物は、特定の1−ブテン・α−オレフィンランダム共重合体を用いることで、従来のチタン系触媒によるブテン系ポリマーを用いた接着剤組成物と比較して、オープンタイム、接着強度のバランスに優れる。
<1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)>
本発明のホットメルト用接着剤組成物の成分の一つである1−ブテン・α−オレフィンランダム共重合体(Y)は、(i)GPCで求められる重量平均分子量Mw,数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.0〜3.5、好ましくは1.0〜3の範囲、および(ii)結晶融解熱量が20〜70J/g、好ましくは30〜60J/gの範囲にある1−ブテンと1−ブテン以外の炭素数2〜20のα‐オレフィンとのランダム共重合体である。
1−ブテンと共重合される炭素数2〜20のα‐オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。1−ブテンと共重合されるα‐オレフィン(エチレンを含む)は、一種でも二種以上でもよい。
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(Mw/Mn)の下限が1.0であり、また、上限が3.5である。さらに、その上限は3.0であることが好ましい。Mw/Mnの値が3.5を超える重合体を用いた場合は、重合体に含まれる低分子量成分の影響により、得られるホットメルト用接着剤組成物は、接着強度を向上させる効果が得られない虞がある。
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm−I)が55℃以上であることが好ましく、さらに120℃以下であることが好ましい。なお、融点(Tm−I)および結晶融解熱量(J/g)は、以下の方法で測定した値である。
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)を、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の加熱速度で室温(通常、23℃)から200℃に昇温し、200℃で5分間保持した後、10℃/分の冷却速度で室温まで降温し、10日間程度室温にて放置しておく。その後、10℃/分の冷却速度で室温から−50℃まで冷却し、−50℃で5分間保持した後、その試料を10℃/分の加熱速度で−50℃から200℃に昇温した際に融解曲線を測定し、発現した融解ピークのうち、最も大きいピークを融点(Tm−I)とし、融点測定時の融解曲線から結晶融解熱量(J/g)を測定した。
結晶融解熱量が20g/J未満の重合体、いわゆる非晶性のポリブテンや液状ポリブテンを含むホットメルト用接着剤組成物は、接着強度を向上させる効果が得られない虞がある。
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)は、重量平均分子量(Mw)の下限が2×105であることが好ましく、上限が7×105であることが好ましい。さらに、下限が3×105であることがより好ましく、また、上限が6×105であることがより好ましい。
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)は、(iii)好ましくはペンタッドアイソタクティシティーが80%以上であることが好適であり、より好ましくは85〜95%、さらに好ましくは88〜94%であり、最も好ましくは88.0〜93.0%である。ペンタッドアイソタクティシティーが上記範囲内であると、オープンタイムの長さと接着強度のバランスに優れたホットメルト用接着剤組成物が得られる。
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)のペンタッドアイソタクティシティー(mmmm)は、1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)をジグザク構造の伸びきり鎖とした時に連続する5個の1−ブテンの単位の側鎖のエチル基が全て同一の方向に位置する構造と規定される。この構造に帰属されるピークトップのケミカルシフトを27.50ppmとした場合、27.50ppmをピークトップとするピーク面積Sと、27.35ppmから26.30ppmの範囲に現れるピークの総面積S'を求め、以下の式にて算出する。
(mmmm)=S/(S+S')X100(%)
ここで、27.35ppmから26.30ppmの範囲に現れる主なピークは、mmmr(27.35ppm)、mmrr及びrmmr(27.15ppm)、mrrm(26.32ppm)に帰属されるピークである。
13C−NMRスペクトルの測定は、以下のような装置及び条件にて測定した値で規定される。
装置として日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてo−ジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒、試料濃度50mg/0.6mL、測定温度は120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、ケミカルシフト基準値はテトラメチルシラン(TMS)の炭素シグナルを0ppmとした。この場合、ブテン側鎖メチレン基に由来するシグナルは通常27.50ppm付近に観測される。
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)は、好ましくは、全1−ブテンモノマーの4,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.1%未満であることが望ましい。1−ブテンモノマーが4,1−挿入の形で分子鎖中に入ると機械強度が不十分となることがある。
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)の4,1−挿入物の同定は、例えばV.Busicoらにより報告されている、Macromol.Rapid.Comun.,16,269(1995)で提案された方法に準拠して求めることができる。主鎖γγ(31.1ppm)と、主鎖αα(40.2ppm)と、主鎖αα'(39.6ppm)のピーク強度を用いて以下の式から算出することで求めることができる。
(4,1−挿入物含量)=[Iγγ/(Iαα+Iαα'+2xIγγ)]x100(%)
上記式中のIγγ、Iαα、Iαα'はそれぞれ、主鎖γγ(31.1ppm)と、主鎖αα(40.2ppm)と、主鎖αα'(39.6ppm)のピーク強度を示している。
Figure 0006326253
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)のメルトフローレート(MFR)(温度:190℃、荷重2.16Kg)は、MFRの下限が0.1g/10分であることが好ましく、また、その上限が50g/10分であることが好ましい。さらに、その上限が20g/10分であることがより好ましく、さらに、その上限が10g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲にあると得られるホットメルト用接着剤組成物は、高い接着強度が期待できる。
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)は、(iv)好ましくは、−10℃におけるo−ジクロロベンゼンによる溶出量が3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。溶出量が上記範囲外の1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体を用いた場合は、低融点成分、もしくは非晶成分が多いため該1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体を含むホットメルト用接着剤組成物の結晶化が遅くなり、接着強度が低下する虞れがある。
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)は、結晶融解熱量が上記範囲にある限り、1−ブテンの含量は、特に限定はされないが、通常、1−ブテン含有量が、99.9〜70モル%、好ましくは95〜70モル%(ただし、1−ブテン含有量と1−ブテン以外のα‐オレフィン(エチレンを含む)含有量の合計を100モル%とする。)の範囲にある。
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)としては、具体的には、例えば1−ブテン・エチレンランダム共重合体(Y−1)、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(Y−2)、1−ブテン・1−ペンテンランダム共重合体、1−ブテン・1−ヘキセンランダム共重合体、1−ブテン・エチレン・プロピレンランダム共重合体、1−ブテン・エチレン・1−ペンテンランダム共重合体、1−ブテン・プロピレン・1−ペンテンランダム共重合体、1−ブテン・エチレン・1−ヘキセンランダム共重合体などを挙げることができる。中でも、1−ブテン・エチレンランダム共重合体(Y−1)および1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(Y−2)が好ましい。
〈1−ブテン・エチレンランダム共重合体(Y−1)〉
本発明に係る1−ブテン・エチレンランダム共重合体(Y−1)は、好ましくは1−ブテン含有量が99.9〜85モル%、さらに好ましくは99〜95モル%、および、エチレン含有量が0.1〜15モル%、さらに好ましくは1〜5モル%(1−ブテンと、エチレンの合計を100モル%とする。)の範囲にある。
〈1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(Y−2)〉
本発明に係る1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(Y−2)は、好ましくは1−ブテン含有量が99.9〜70モル%、さらに好ましく95〜70モル%、および、プロピレン含有量が0.1〜30モル%、さらに好ましくは5〜30モル%(1−ブテンと、プロピレンの合計を100モル%とする。)の範囲にある。
さらに、本発明に係る1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(Y−2)は、好ましくは、そのプロピレンの割合が20モル%を越え、30モル%までの場合において、[C4]−5>Tm−II の条件を満たすものが好適であり、或いは、Tm−IIが実質的に検出されないものが好適である。
ここで、Tm−IIは、以下のようにして求めるものである。すなわち、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の加熱速度で室温(一般には23℃)から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、20℃/分の冷却速度で200℃から0℃まで降温し、0℃で5分間保持した後、その試料を20℃/分の加熱速度で0℃から200℃まで昇温した際に、融解曲線を測定し、発現した融解ピークのうち、最も大きいピーク温度をTm−IIとする。
また、本発明に係る1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(Y−2)は、40℃での半結晶化時間が30分、好ましくは45分、さらに好ましくは1hを超えるもの、より好ましくは30℃での半結晶化時間も30分、好ましくは45分、特に好ましくは1hを超えるものは、特に後述するベースポリマー、粘着付与剤と混合させた樹脂組成物のオープンタイムを長める効果が期待できる。なお、半結晶化時間は、示差走査熱量計(DSC)により、温度200℃にて5分間アニーリングし、降温速度320℃/minで所定の温度に降温し、半結晶化時間の測定を行った値である。
<1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)の製造方法>
本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)を得る方法としては、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系触媒などの触媒の存在下に、モノマーを気相法、バルク法、スラリー法などの公知の重合法により重合することが例示される。なかでも、下記の一般式(1)または(2)で表されるメタロセン化合物を用いて重合すること望ましい。
Figure 0006326253
Figure 0006326253
(式中、R2は炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12は水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R5からR12までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、Aは一部不飽和結合及び/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基であり、AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Mは周期表第4族から選ばれた金属であり、Yは炭素またはケイ素であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、jは1〜4の整数である。)
上記一般式(1)または(2)のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12は水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
炭化水素基としては、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、または炭素原子数7〜20のアルキルアリール基であり、1つ以上の環構造を含んでいてもよい。その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。
ケイ素含有炭化水素基としては、好ましくはケイ素数1〜4かつ炭素原子数3〜20のアルキルシリル基またはアリールシリル基であり、その具体例としては、トリメチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。
なお、R2は立体的に嵩高い炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基であること、即ち2級、3級の置換基が好ましく、炭素原子数4以上の置換基であることがより好ましい。具体的な炭化水素機としては、イソプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルブチルなどが挙げられる。特に好ましくはtert-ブチルである。ケイ素含有炭化水素機は上記化合物の一部または全部の炭素がケイ素に置換された構造の化合物を例示出来る。
フルオレン環上のR5からR12までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。そのような置換フルオレニル基として、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル等を挙げることができる。また、フルオレン環上のR5からR12の置換基は、合成上の容易さから左右対称、すなわちR5=R12、R6=R11、R7=R10、R8=R9であることが好ましく、無置換フルオレン、3,6−二置換フルオレン、2,7−二置換フルオレンまたは2,3,6,7−四置換フルオレンであることがより好ましい。ここでフルオレン環上の3位、6位、2位、7位はそれぞれR7、R10、R6、R11に対応する。
上記一般式(1)のR3とR4は、水素、炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましい炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。Yは炭素またはケイ素である。一般式(1)の場合は、R13とR14はYと結合し、架橋部として置換メチレン基または置換シリレン基を構成する。好ましい具体例として、例えば、メチレン、ジメチルメチレン、ジイソプロピルメチレン、メチルtert−ブチルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレンまたはジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン等を挙げることができる。より好ましいYは炭素である。
一般式(1)または(2)のR2がtert−ブチル基の時に、R1がメチルまたはエチル基であることが好ましく、好ましくはメチル基である。この時の一般式(1)のR3、R4はメチルまたはフェニル基であり、好ましくはメチル基である。またR3、R4は互いに同一であることが好ましい。更に前記一般式(1)のR2がtert−ブチル基、R1がメチル基の時に、R5〜R12が水素であるものでも良い。
更に前記一般式(1)のR2がtert−ブチル基、R1がエチル基の時に、R5、R7、R8、R9、R10、R12が水素であり、R6、R11がtert−ブチル基であるものが好適に使用される。
一般式(2)の場合は、Yは一部不飽和結合及び/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基Aと結合し、シクロアルキリデン基またはシクロメチレンシリレン基等を構成する。好ましい具体例として、例えば、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン等を挙げることができる。
一般式(1)及び(2)のMは、周期表第4族から選ばれる金属であり、Mとしてはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。Qはハロゲン、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組み合わせで選ばれる。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。これらのうち、Qは同一でも異なった組み合わせでもよいが、少なくとも一つはハロゲンまたはアルキル基であるのが好ましい。
成分(B)は、有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)、前記メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−2)、及び有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくても1種の化合物(B−3)から構成される。さらに必要に応じて、粒子状担体(C)から構成される。
用いられる有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)としては、従来公知のアルミノキサンをそのまま使用できる。
メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−2)(以下、「イオン性化合物」と略称する場合がある。)としては、特開平1−501950号公報や特開2004−51676号公報などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物及びカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物及びイソポリ化合物も挙げることができる。
具体的には、トリフェニルボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロン、トリメチルボロン、トリイソブチルボロン;トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンなどのフッ素含有アリール基を有する化合物などのハロゲン含有アリール基を有する化合物;トリフルオロボロンが例示される。
オレフィン用の重合触媒を形成する有機アルミニウム化合物(B−3)としては、例えば下記一般式(6)で表される有機アルミニウム化合物などを挙げることができる。
Figure 0006326253
(式中、Ra及びRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。このような化合物の具体例として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド、イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシドなどを挙げることができる。
有機アルミニウム化合物(B−3)としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリn-アルキルアルミニウムや、トリイソブチルアルミニウム等のトリ分岐鎖アルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好んで用いられる。
本発明では、1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)の重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法いずれにおいても実施できる。液相重合法においては、不活性炭化水素溶媒を用いてもよく、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができる。また1−ブテンを含んだオレフィン類自身を溶媒とする塊状重合を実施することもできる。
また、本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)の製造においては、重合条件を段階的に変えて製造する所謂多段重合を行うことも出来る。例えば、水素使用量の異なる2種の条件で段階的に重合を実施することにより種々の分子量分布の1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)を得ることも可能である。また、1−ブテンの単独重合と1―ブテンと他のオレフィンとの共重合を段階的に行うことにより、組成分布が制御された1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)を得ることも可能である。
重合を行うに際して、成分(A)は、反応容積1リットル当り、周期律表第4族金属原子換算で通常10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モルとなるような量で用いられる。成分(B−1)は、成分(B−1)と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(B−1)/M]が、通常0.01〜5000、好ましくは0.05〜2000となるような量で用いられる。成分(B−2)は、成分(B−2)と成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(B−2)/M]が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。成分(B−3)は、成分(B−3)と成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(B−2)/M]が、通常10〜5000、好ましくは20〜2000となるような量で用いられる。
重合温度は、通常−50〜200℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜100℃の範囲である。重合温度が低すぎると単位触媒あたりの重合活性や熱回収効率などの面で、工業的には不利な傾向がある。
重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
重合に際して生成する1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)の分子量や重合活性を制御する目的で水素を添加することができ、その量は1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
<粘着付与剤(X)>
本発明のホットメルト用接着剤組成物の成分の一つである粘着付与剤(X)は、後述のベースポリマー(Z)の溶融時の粘度を調整し、得られるホットメルト用接着剤組成物のホットタック性やヌレ性を向上させるために配合されるものである。この粘着付与剤(X)は、ベースポリマーと配合して、加熱時に、ベースポリマーのホットタックやヌレを良くすることができるものであれば、特に限定されない。
本発明に係る粘着付与剤(X)として具体的には、脂環族系水添タッキファイヤー、ロジン、変性ロジンまたはこれらのエステル化物、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族成分と芳香族成分の共重合石油樹脂、低分子量スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペン樹脂、クマロン・インデン樹脂などが好適な粘着性付与剤として例示される。これら粘着性付与剤(X)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明に係る粘着付与剤(X)としては、軟化点が25〜160℃の範囲のものが好ましく、軟化点が25℃未満のものでは表面にブリードする虞があり、一方、160℃を超えるものでは、溶融時の粘度が高くなり加工性が不良になる虞がある。軟化点が25〜160℃の範囲にある粘着付与剤としては、具体的には、荒川化学工業社製のアルコンP-70、アルコンP−90、アルコンP−100 、アルコンP-115、アルコンP−125、アルコンP−140(以上、いずれも商品名)などが好適に使用される。
<ベースポリマー(Z)>
本発明のホットメルト用接着剤組成物の成分の一つであるベースポリマー(Z)は、190℃での溶融粘度が1〜15000mPa・s、好ましくは10〜12000mPa・s、より好ましくは25〜10000mPa・sの範囲にある。溶融粘度が上記範囲外のポリマーを用いた場合、溶融時の粘度が高く加工性の低下をまねく。
本発明に係るベースポリマー(Z)としては、上記範囲の溶融粘度を有している限り、ホットメルト接着剤に通常使用されているポリマーであれは特に限定されず、例えば(z-1)ポリオレフィン、(z-2)極性基含有重合体、(z-3)芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合体などを例示することができる。
(z-1)ポリオレフィンは、α‐オレフィン、例えば、炭素数2〜20の、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセンなどの単独重合体、あるいは、二種以上のα‐オレフィンの共重合体であり、具体的には、ポリエチレン(HDPE,LDPE,LLDPEなど)、ポリプロピレン(アタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンなど)、エチレン・プロピレン共重合体などが挙げられる。これらの重合体は、市販品として入手することができ、例えばレクスタック社製RT2115(プロピレンホモポリマー)、RT2119(プロピレンホモポリマー)、RT2180(プロピレンホモポリマー)、RT2215(エチレンコポリマー)、RT2304(エチレンコポリマー)、RT2535(エチレンコポリマー)、RT2715(1−ブテンコポリマー)、RT2730(1−ブテンコポリマー)等の商品名で上市されているものが例示される。その他、Eastman Chemical Companyの商品名Eastoflex E1016、E1045、E1060、 E1200(いずれも非晶性プロピレン・エチレンコポリマー)、Dow Chemicalの商品名Afinity GA1875、1900、1950(いずれもエチレン・1−オクテンコポリマー)、出光興産(株)の商品名エルモーデュ S400(低結晶性ポリプロピレン)等が知られる。
(z-2)極性基含有重合体としては、以下のような重合体が挙げられる。
(1)エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)
(2)ケン化EVA、グラフト変性EVAなどの変性EVAポリマー
(3)エチレン・エチル(メタ)クリレート(EEA)などのエチレン・(メタ)アクリレート共重合体
(4)エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体を部分中和してなるアイオノマー樹脂。これらの具体例として、三井・デュポンポリケミカル社から商品名「ハイミラン」で上市されているものなどが挙げられる。
(5)エチレン・プロピレン・(メタ)アクリル酸ターポリマー
(6)ポリアミド:二塩基酸とジアミンとの反応生成物であり、例えば、大豆油、桐油、トール油などの脂肪酸の二量体であるダイマー酸と、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどのアルキルジアミンとの反応生成物およびナイロン12などのナイロン類など。これらの具体例として、ダイアミド(ダイセル化学工業)、プラチロン(東亜合成化学工業)、アミラン(東レ)などの商品名で上市されているものなどが挙げられる。
(7)ポリエステル:例えば、エステルレジン200および300(東洋紡)、Vite 1200,300(グッドイヤー社)などの商品名で上市されているものなどが挙げられる。
(8)酢酸ビニル共重合体系ポリマー、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体系ポリマー、酢酸ビニル・無水フタル酸共重合体系ポリマー、酢酸ビニル・ビニルピロリドン系ポリマー、セルロース誘導体系ポリマー、ポリメチルメタクリレート系ポリマー、ポリビニルエーテル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、熱硬化性レジンポリマーなど。
(z-3)芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合体は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とからなる共重合体およびその水添物であり、具体的には、スチレン・ブタジエンランダム共重合体、スチレン・イソプレンランダム共重合体、ブタジエン・ポリスチレンブロック共重合体、ポリスチレン・ポリイソプレンブロック共重合体、ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレントリブロック共重合体、ポリスチレン・ポリブタジエン・ポリスチレントリブロック共重合体、ポリ(α−メチルスチレン)・ポリブタジエン・ポリ(α−メチルスチレン)トリブロック共重合体およびこれらの水添物を挙げることができる。これらの重合体は、市販品として入手することができ、また水添物も市販されている。例えば、カリフレックッスTR−1101、TR−1107、TR−4113(シェル化学社)、クレイトンG−6500、G−6521、G−1650、G−1652、G−1657(シェル化学社)、ソルプレン、水素化ソルプレン(フィリップス社)などの商品名で上市されているものが例示される。本発明では、これらのベースポリマーは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。これらのベースポリマーのなかでは、芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合体またはその水添物が好ましくは、特に芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合体が好ましい。
本発明に係るベースポリマー(Z)の種類は用途によって選定できるが、1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y)との相溶性の観点から、強度が必要な場合には低分子量プロピレン重合体との組み合わせが好適に使用できる。
このような低分子量プロピレン重合体としては、プロピレン由来の構成単位を40〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、特に好ましくは75〜100モル%からなる重合体が例示でき、具体的には、例えば、アタクチックポリプロピレン、実質的に非晶性のポリプロピレンなどが用いられる。
一方、エチレン系ポリマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等をベースポリマーとして用いた場合には、イージーオープン性のある蓋材等に利用することができる。
<流動改質剤>
本発明のホットメルト用接着剤組成物は、必要に応じて以下の流動改質剤を配合することができる。
(a)極限粘度[η]が0.01〜0.6dl/gの範囲にある炭化水素系化合物。
(b)オイル。
〈(a)炭化水素系化合物〉
本発明に係る炭化水素系化合物としては、具体的には、(a1)炭素原子数が2〜12のα−オレフィンの単独重合体または2種以上からなる共重合体などの低分子量ポリオレフィン、(a2)直鎖上あるいは鎖状の炭化水素化合物が挙げられる。
(a1)低分子量ポリオレフィンは、例えば、高圧ラジカル重合法、チーグラ−触媒などの各種遷移金属化合物触媒の存在下に行われる中・低圧重合法などの重合法により製造法;または、前記重合法により高分子量単独重合体または共重合体を製造した後、この高分子量単独重合体または共重合体を熱減成もしくは過酸化物を使用したラジカル減成法により低分子量化する熱分解方法などを挙げることができる。
(a2)炭化水素化合物としては、直鎖状の炭化水素化合物(例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス社製の商品名:サゾールワックス)、側鎖を有するもの(マイクロワックス)が例示できる。これらのワックスは公知のものであり市場から入手可能である。例えば、サゾールワックス社製のサゾールワックスH1、サゾールワックスC80、日本精蝋社製のParaffin Waxシリーズ、中央油化社製のCenton CPシリーズ等があげられる。
〈(b)オイル〉
オイルとしては、市販のミネラルオイル、プロセスオイル等を用いることができる。
これらの流動改質剤は単独で、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
<ホットメルト用接着剤組成物>
本発明のホットメルト用接着剤組成物は、前記1−ブテン・α−オレフィン共重合体(Y)を1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%、前記粘着付与剤(X)を30〜90質量%、好ましくは30〜70質量%、さらに好ましくは30〜50質量%、および前記ベースポリマー(Z)を30〜90質量%、好ましくは30〜70質量%、さらに好ましくは30〜50質量%〔ただし、(X)+(Y)+(Z)=100質量%とする。〕の範囲で含む組成物である。上記(Y)成分、(X)成分及び(Z)成分を上記範囲で含むホットメルト用接着剤組成物は、加工性、流動特性、接着強度、オープンタイムのバランスが良い。
本発明のホットメルト用接着剤組成物は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、上記流動改質材を始め、無機フィラー、酸化防止剤、耐候安定剤などの各種添加剤を配合できる。
本発明のホットメルト用接着剤組成物が流動改質剤を含む場合は、通常ホットメルト用接着剤組成物に含まれる(X)+(Y)+(Z)=100質量部に対して、流動改質剤を0〜20質量部の範囲で含む。
本発明のホットメルト用接着剤組成物は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、前記1−ブテン・α−オレフィン共重合体(Y)、粘着付与剤(X)、ベースポリマー(Z)、および必要に応じて前記流動調整剤、各種配合剤を、所定の配合割合で公知の混合方法、例えば、押出機、オープンロールミル、バンバリーミキサー、ニーダー、溶融混合槽等がブラベンダーなどの混合機に供給し、加熱して溶融混合し、これを所望の形状、例えば粒状、フレーク状、棒状などに形成することによって行うことができる。溶融混合温度は通常、100〜250℃であり、好ましくは160〜230℃である。
本発明のホットメルト用接着剤組成物は特定の性質をもつ1−ブテン・α−オレフィンランダム共重合体(Y)を含むので、従来のホットメルト用接着剤組成物に比べ、オープンタイムを長く調節することができる。
本発明のホットメルト用接着剤組成物は、プラスティック、ガラス、金属、繊維、人口・天然皮革、紙、木材など様々な被着体を貼りあわせるための接着剤として利用できるが、特に、少なくとも一方の被着体がプラスティック材料である場合が好適であり、中でもポリオレフィン材料、特に好ましくはポリプロピレン材料である場合が好ましい。
以下,本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、各物性は以下のようにして評価した。
[メルトフローレート(MFR)(g/10分)]
ASTMD1238に準拠し、2.16kg荷重下、190℃、230℃での値を測定した。
〔極限粘度([η](dl/g))
デカリン溶媒を用いて135℃で測定した。
13C−NMR〕
日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてo−ジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。
〔ペンタッドアイソタクティシティー(mmmm)〕
ペンタッドアイソタクティシティー(mmmm)は、mmmmで表されるペンタッドに帰属されるピークトップのケミカルシフトを27.5ppmとした場合、27.5ppmをピークトップとするピーク面積Sと、27.3ppmから26.3ppmの範囲に現れるピークの総面積S'を求め、以下の式にて算出した。(検出限界:0.01%とした。)
(mmmm)=S/(S+S')X100(%)
ここで、27.3ppmから26.3ppmの範囲に現れる主なピークは、mmmr(27.3ppm)、mmrr及びrmmr(27.2ppm)、mrrm(26.3ppm)に帰属されるピークである。
〔4,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合(4,1挿入物の含量)〕(%)
4,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合、すなわち4,1挿入物の含量は、13C−NMRスペクトルより、主鎖γγ(31.1ppm)と、主鎖αα(40.2ppm)と、主鎖αα'(39.6ppm)のピーク強度を用いて以下の式から算出することで求めた。
(4,1挿入物含量)=[Iγγ/(Iαα+Iαα'+2xIγγ)]×100(%)
上記式中のIγγ、Iαα、Iαα'はそれぞれ、主鎖γγ(31.1ppm)と、主鎖αα(40.2ppm)と、主鎖αα'(39.6ppm)のピーク強度を示している。
Figure 0006326253
〔1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体の融点(Tm−I)、(Tm−II):℃〕
1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体の融点(Tm−II)は、セイコーインスツルメンツ社製DSC220C装置で示差走査熱量計(DSC)により測定した。重合から得られた試料7〜12mgをアルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/分の加熱温度で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、20℃/分の冷却速度で200℃から0℃まで冷却した。0℃で5分間保持した後、20℃/分の加熱速度で0℃から200℃まで昇温した際に、融解曲線を測定し、発現した融解ピークのうち、最も大きいピーク温度をTm−IIとした。
一方、融点(Tm−I)は以下の通り測定した。10℃/分の加熱速度で室温(通常、23℃)から200℃に昇温し、200℃で5分間保持した後、10℃/分の冷却速度で室温まで降温し、10日間程度室温にて放置しておく。その後、10℃/分の冷却速度で室温から−50℃まで冷却し、−50℃で5分間保持した後、その試料を10℃/分の加熱速度で−50℃から200℃に昇温した際に融解曲線を測定し、発現した融解ピークのうち、最も大きいピークを融点(Tm−I)とした。
〔1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体の結晶融解熱量(J/g)〕
上記、Tm−Iの測定時に観測された融解熱量をΔHとした。
〔半結晶化時間(秒)〕
1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体の半結晶化時間セイコーインスツルメンツ社製DSC220C装置で示差走査熱量計(DSC)により測定した。温度200℃にて5分間アニーリングし、降温速度320℃/minで所定の温度(30℃、40℃)に降温し、半結晶化時間の測定を行った。
〔分子量分布〕(Mw/Mn)
液体クロマトグラフ:Waters製ALC/GPC150−Cplus型(示唆屈折計検出器一体型)カラム:東ソー株式会社製 GMH6−HT×2本及びGMH6−GMH6−HTL×2本を直列接続した。
移動相媒体:o−ジクロロベンゼン
流速:1.0ml/分
測定温度:140℃
検量線の作成方法:標準ポリスチレンサンプルを使用した
サンプル濃度:0.10%(w/w)
サンプル溶液量:500μl
の条件で測定し、得られたクロマトグラムを公知の方法によって解析することでMw/Mn値を算出した。1サンプル当たりの測定時間は60分であった。
〔総溶出量(質量%)〕
クロス分別クロマトグラフ法(CFC)による以下の条件で実施し、溶媒可溶性分を測定し、総溶出量とした。(検出限界0.1%とした)
装置:クロス分別クロマトグラフCFC2(Polymer ChAR社製)
検出器:赤外分光光度計IR4(Polymer ChAR社
GPCカラム:Shodex HT−806Mx3本(昭和電工社製)
GPCカラム温度:140℃
カラム構成:単分散ポリスチレン標準サンプル(東ソー社製)
溶離液:o−ジクロロベンゼン
流速:1.0ml/分
試料濃度:120mg/30ml
注入量 500μl
降温時間:160分(140℃〜−20℃、1℃/分)
溶出温度区分:45分画
〔引張試験〕
以下の方法で作成した1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体の2mm厚のプレスシートを用い、ASTM D638に準拠し、試験片形状をASTM 4号及び引張速度を50mm/minとし、(株)インテスコ社製万能試験機により引張弾性率(MPa)引張破断強度(MPa)及び破断点伸び(%)を求めた。
<プレス成形条件>
以下の条件で作成したプレスシートを10日間室温で保管したものを試験に使用した。
プレス機:関西ロール株式会社製(型番:PEWE−70/50 35)
加熱時間:5min
加熱温度: 190℃
加熱時圧力: 10MPa
冷却速度: 40℃/min以上(20℃に設定した別のプレス機で10MPaで4分間加圧し室温まで冷却)
[重合例1]
〔1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(BPR−1)〕
容積300リットルの連続重合器の一つの供給口に、n-ヘキサンを19.8リットル/hの割合で供給し、他の供給口よりジフェニルメチレン(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)(3−tert−ブチル−5−エチルシクロペンタジエン−1−イル)ジルコニウムジクロリド(主触媒1)と修飾メチルアルミノキサンとトリイソブチルアルミニウムの混合ヘキサン溶液(主触媒1のジルコニウム換算濃度0.5mmol/リットル、修飾メチルアルミノキサンのアルミニウム換算濃度125mmol/リットル、トリイソブチルアルミニウムを0.25リットル/hで連続的に供給した(合計ヘキサン20リットル/h)。同時に重合器の別の供給口より、1−ブテンを25.1kg/h、プロピレンを5.2kg/h、水素を14NL/hの割合で連続供給し、重合温度55℃、全圧0.7MPaG、滞留時間1.4時間の条件下で連続溶液重合を行った。
重合器で生成した1−ブテン・プロピレンランダム共重合体のヘキサン溶液は、加温しヘキサンを除去した。
その結果、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体が7.5kg/hの生産スピードで得られた。1−ブテン・プロピレンランダム共重合体の重合Mileageは60kg/mmol-Zr、得られた1−ブテン・プロピレンランダム共重合体のMFR(190℃、2.16kgf)は3.8g/10分、プロピレン含量は26.0モル%であった。
[重合例2]
〔1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(BPR−2)〕
容積300リットルの連続重合器の一つの供給口に、n-ヘキサンを19.8リットル/hの割合で供給し、他の供給口よりイソプロピルデン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(主触媒2)と修飾メチルアルミノキサンとトリイソブチルアルミニウムの混合ヘキサン溶液(主触媒2のジルコニウム換算濃度0.5mmol/リットル、修飾メチルアルミノキサンのアルミニウム換算濃度125mmol/リットル)、トリイソブチルアルミニウムを0.22リットル/hで連続的に供給した(合計ヘキサン20リットル/h)。同時に重合器の別の供給口より、1−ブテンを25.1kg/h、プロピレンを2.5kg/h、水素を10NL/hの割合で連続供給し、重合温度60℃、全圧0.69MPaG、滞留時間1.5時間の条件下で連続溶液重合を行った。
重合器で生成した1−ブテン・プロピレンランダム共重合体のヘキサン溶液は、加温しヘキサンを除去した。
その結果、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体が7.9kg/hの生産スピードで得られた。1−ブテン・プロピレン共重合体の重合Mileageは72kg/mmol−Zr、得られた1−ブテン・プロピレンランダム共重合体のMFR(190℃、2.16kgf)は3.4g/10分、プロピレン含量は13.3モル%であった。
[重合例3]
〔1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(BPR−3)〕
容積300リットルの連続重合器の一つの供給口に、n-ヘキサンを19.8リットル/hの割合で供給し、他の供給口よりジフェニルメチレン(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イル)(3−tert−ブチル−5−エチルシクロペンタジエン−1−イル)ジルコニウムジクロリド(主触媒1)と修飾メチルアルミノキサンとトリイソブチルアルミニウムの混合ヘキサン溶液(主触媒1のジルコニウム換算濃度0.5mmol/リットル、修飾メチルアルミノキサンのアルミニウム換算濃度125mmol/リットル、トリイソブチルアルミニウムのアルミニウム換算濃度100mmol/リットル)を0.23リットル/hで連続的に供給した(合計ヘキサン20リットル/h)。同時に重合器の別の供給口より、1−ブテンを25.1kg/h、プロピレンを2.2kg/h、水素を14.0NL/hの割合で連続供給し、重合温度50℃、全圧0.59MPaG、滞留時間1.6時間の条件下で連続溶液重合を行った。
重合器で生成した1−ブテン・プロピレンランダム共重合体のヘキサン溶液は、加温しヘキサンを除去した。
その結果、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体が8.2kg/hの生産スピードで得られた。1−ブテン・プロピレンランダム共重合体の重合Mileageは71kg/mmol−Zr、得られた1−ブテン・プロピレンランダム共重合体のMFR(190℃,2.16kgf)は4.1g/10分、プロピレン含量は12.9モル%であった。
[重合例4]
〔1−ブテン・エチレンランダム共重合体(BER−1)〕
容積300リットルの連続重合器の一つの供給口に、n-ヘキサンを9.7リットル/hの割合で供給し、他の供給口よりイソプロピルデン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(主触媒2)と修飾メチルアルミノキサンとトリイソブチルアルミニウムの混合ヘキサン溶液(主触媒2)のジルコニウム換算濃度0.5mmol/リットル、修飾メチルアルミノキサンのアルミニウム換算濃度125mmol/リットル、トリイソブチルアルミニウムのアルミニウム換算濃度100mmol/リットル)を0.26リットル/hで連続的に供給した(合計ヘキサン10リットル/h)。同時に重合器の別の供給口より、1−ブテンを44.8kg/h、エチレンを0.16kg/h、水素を10NL/hの割合で連続供給し、重合温度65℃、全圧0.65MPaG、滞留時間l時間の条件下で連続溶液重合を行った。
重合器で生成した1−ブテン・エチレンランダム共重合体のヘキサン溶液は、加温しヘキサンを除去した。
その結果、1−ブテン・エチレンランダム共重合体が8.0kg/hの生産スピードで得られた。1−ブテン・エチレンランダム共重合体の重合Mileageは55kg/mmol−Zr、得られた1−ブテン・エチレンランダム共重合体のMFR(190℃,2.16kgf)は3.9g/10分、エチレン含量は2.5モル%であった。
上記で得られた各共重合体及び、上記の重合例で用いた触媒とは異なり、従来のチタン系触媒を用いて得られた1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(BPR−A)、1−ブテン・エチレンランダム共重合体(BER−A)を用いた。
これらの物性値を表1−1、表1−2に示す。
〔実施例で用いた本発明に係る1−ブテン・α‐オレフィン共重合体(Y)〕
BPR−1:1−ブテン・プロピレンランダム共重合体:Tm−IIは検出されなかった。
BPR−2:1−ブテン・プロピレンランダム共重合体
BPR−3:1−ブテン・プロピレンランダム共重合体
BER−1:1−ブテン・エチレンランダコ共重合体
〔比較例で用いた1−ブテン・α‐オレフィン共重合体〕
BPR−A:1−ブテン・プロピレンランダム共重合体
BER−A:1−ブテン・エチレンランダム共重合体
Figure 0006326253
Figure 0006326253
〔実施例および比較例で用いた他の成分〕
<粘着付与剤(X)>
脂環族飽和炭化水素樹脂(X1):(株)荒川化学工業製 商品名 アルコン P−125
<ベースポリマー(Z)>
ベースポリマー(Z1):レクスタック社製 商品名RT2115(190℃での溶融粘度1,500mPa・s)
<流動改質材>
サゾールワックス((株)加藤洋行 輸入品サゾールH1TM
<酸化防止剤>
フェノール系酸化防止剤:チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製 商品名イルガノックス1010
ホットメルト用接着剤組成物の評価方法
[接着強度]
得られたホットメルト接着剤組成物をアルミ箔(50μm)に厚さ25μmに塗工し、次いで塗工面同士を張り合わせ、上部バー120℃,下部バー120℃、3kg/cm2,10秒加熱の条件でヒートシールし、さらに25mm幅に切断し、接着試料を作成した。この接着試料を、0℃、23℃の測定温度下でT型剥離試験に供し接着強度を測定した(引張速度:300mm/min)。
[オープンタイム]
130℃に加熱して溶融させたホットメルト接着剤組成物を、ポリプロピレン板に厚さ100μ m程度で塗布し、23℃の測定温度下でアルミ箔(50μm)との接着作業が可能な時間を測定した。
◎:オープンタイム≧20秒
〇:20秒>オープンタイム≧10秒
△:オープンタイム>10秒
[実施例1]
1−ブテン・α−オレフィン共重合体(Y)として、上記重合体例1で得られた1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(BPR-1)20質量%、上記粘着付与剤(X1)40質量%、およびベースポリマー(Z1)40質量%〔(BPR−1)+(X1)+(Z1)=100質量部〕、酸化防止剤を(BPR−1)+(X1)+(Z1)を100質量部として0.2質量部配合してなる組成物をラボプラストミル(東洋精機製)にて混練してホットメルト用接着剤組成物を得た(混練条件:190℃、5min、60rpm)。得られたホットメルト用接着剤組成物を上記方法で評価した。結果を表2に示す。
[実施例2]
実施例1で用いた組成物に替えて、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(BPR-1)20質量%、粘着付与剤(X1)40質量%、ベースポリマー(Z1)40質量%〔(BPR−1)+(X1)+(Z1)=100質量%〕、流動改質材を(BPR−1)+(X1)+(Z1)=100質量部に対して10質量部、および酸化防止剤を(BPR−1)+(X1)+(Z1)を100質量部として0.2質量部配合してなる組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行いホットメルト用接着剤を得た。結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例1で用いた組成物に替えて、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(BPR-1)30質量%、粘着付与剤(X1)40質量%、ベースポリマー(Z1)30質量%、〔(BPR−1)+(X1)+(Z1)=100質量%〕、流動改質材を(BPR−1)+(X1)+(Z1)=100質量部に対して10質量部、および酸化防止剤を(BPR−1)+(X1)+(Z1)を100質量部として0.2質量部配合してなる組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行いホットメルト用接着剤を得た。結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例1で用いたBPR−1に替えて、1−ブテン・α−オレフィン共重合体(Y)として、上記重合例2で得られた1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(BPR-2)を用いる以外は実施例1と同様に行いホットメルト用接着剤を得た。結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例1で用いたBPR−1に替えて、1−ブテン・α−オレフィン共重合体(Y)として、上記重合例3で得られた1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(BPR-3)を用いる以外は実施例1と同様に行いホットメルト用接着剤を得た。結果を表2に示す。
[実施例6]
実施例1で用いたBPR−1に替えて、1−ブテン・α−オレフィン共重合体(Y)として、上記重合例4で得られた1−ブテン・エチレンランダム共重合体(BER-1)を用いる以外は実施例1と同様に行いホットメルト用接着剤を得た。結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1で用いたBPR−1に替えて、1−ブテン・α−オレフィン共重合体として、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体(BPR−A)を用いる以外は実施例1と同様に行いホットメルト用接着剤を得た。結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例6で用いたBPR−1に替えて、1−ブテン・α−オレフィン共重合体として、1−ブテン・エチレンランダム共重合体(BER−A)を用いる以外は実施例6と同様に行いホットメルト用接着剤を得た。結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1で用いた組成物に替えて、1−ブテン・α−オレフィンランダム共重合体を用いずに、粘着付与剤(X1)50質量%とベースポリマー(Z1)50質量%を使用した組成物を用いる以外は実施例1と同様に行いホットメルト用接着剤を得た。結果を表2に示す。
Figure 0006326253
実施例1〜6に示すように本発明の1−ブテン・α−オレフィンランダム共重合体(Y)を含むホットメルト用接着剤は良好な接着強度とオープンタイムの長さを有している。
また、実施例1〜3に示すようにベースポリマー(Z)、および流動改質材の配合量を調節することでオープンタイムや接着強度が調節できる。
また、実施例4〜6で得られたホットメルト用接着剤は、実施例1で得られたホットメルト用接着剤に比べ、オープンタイムは短くなるが、接着強度の向上が見られた。これは配合した1−ブテン・α−オレフィンランダム共重合体の破断強度、破断伸びが向上した効果と考えられる。
一方、比較例1、2では従来のチタン系触媒によって重合されたBPR-A、BER−Aを用いてホットメルト用接着剤を得たが、オープンタイムが短く、接着強度が低めとなった。これは例えば、配合した1−ブテン・α−オレフィン共重合体の機械物性や半結晶化時間の長さが影響したためと考察される。

Claims (4)

  1. (i)GPCで求められる重量平均分子量Mwが2×105〜7×105の範囲、重量平均分子量Mw,数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.0〜3.5の範囲、および(ii)結晶融解熱量が20〜70J/gの範囲にある1−ブテン・α‐オレフィンランダム共重合体(Y):1〜50質量%、粘着付与剤(X):30〜90質量%、および190℃での溶融粘度が1〜15000mPa・sの範囲にあるベースポリマー(Z):30〜90質量%〔ただし、(Y)+(X)+(Z)=100質量%とする。〕を含有してなることを特徴とするホットメルト用接着剤組成物。
  2. 請求項1に記載のホットメルト用接着剤組成物100質量部に対して、流動改質材を1〜100質量部含むことを特徴とするホットメルト接着剤組成物。
  3. 流動改質材が、極限粘度[η]が0.01〜0.6dl/gの範囲にある炭化水素および/またはオイルである請求項記載のホットメルト接着剤組成物。
  4. ベースポリマー(Z)が、プロピレン系重合体である請求項1〜の何れか1項に記載のホットメルト接着剤組成物。
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