JP6326040B2 - 新規化合物及びその製造方法、並びにその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、新規化合物、その製造方法、並びに前記新規化合物を含有する、組成物、抗がん剤、及び抗ヘリコバクター・ピロリ剤に関する。
がんの組織は、がん細胞だけでなく間質と呼ばれる周辺の正常組織が混在する形で成り立っている。前記間質は、血管や細胞外基質、繊維芽様細胞(単に「間質細胞」と称することもある)など様々な因子で構成されており、がんの増殖に密接に関わっていることが明らかになりつつある。前記間質の中でも、特に間質細胞は、接着や分泌因子を介してがん細胞の増殖を正にも負にも制御することが知られている(例えば、非特許文献1参照)。このような状況下、より有用である新たな抗がん剤の探索が行われており、その速やかな提供が強く求められている。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの胃及び十二指腸障害の中には、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)により引き起こされるものがあることが知られている。そこで、抗ヘリコバクター・ピロリ活性を有する化合物として、キノロン化合物が提案されている(例えば、非特許文献2及び特許文献1参照)。しかしながら、前記提案のキノロン化合物は、医薬として用いるには十分とはいえず、新たな抗ヘリコバクター・ピロリ活性を有する化合物が求められている。
米国特許第5942619号明細書
Kawada, M., Inoue, H., Masuda, T., and Ikeda, D. Insulin−like growth factor−I secreted from prostate stromal cells mediates tumor−stromal cell interactions of the prostate cancer. Cancer Res.66, 4419−4425 (2006). Dekker, K. A., Inagaki, T., Gootz, T. D., Huang, L. H., Kojima, Y., Kohlbrenner, W. E., Matsunaga, Y., McGuirk, P. R., Nomura, E., Sakakibara, T., Sakemi, S., Suzuki, Y., Yamauchi, Y., and Kojima, N. New quinolone compounds from Pseudonocardia sp. with selective and potent anti−Helicobacter pylori activity: taxonomy of producing strain, fermentation, isolation, structural elucidation and biological activities. J. Antibiot. 51, 145−152 (1998).
本発明は、上記従来技術に鑑みて行われたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた抗がん作用、若しくは、優れた抗ヘリコバクター・ピロリ活性を有する新規化合物、及び該新規化合物の製造方法、並びに、前記新規化合物を利用した、化合物含有組成物、抗がん剤、及び抗ヘリコバクター・ピロリ剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記構造式(1)から(13)のいずれかで表されることを特徴とする化合物である。
ただし、前記構造式(1)から(13)中、Meは、メチル基を表す。
<2> 下記構造式(3)、(4)、及び(8)のいずれかで表される化合物の製造方法であって、
下記構造式(17)、(18)、及び(19)のいずれかで表される化合物と、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物の少なくともいずれかとを反応させることを特徴とする化合物の製造方法である。
<3> 下記構造式(5)で表される化合物の製造方法であって、
下記構造式(21)で表される化合物と、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の炭酸塩、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物と、メチルブロモ酢酸とを反応させることを特徴とする化合物の製造方法である。
ただし、前記構造式(5)中、Meは、メチル基を表す。
<4> 下記構造式(6)で表される化合物の製造方法であって、
下記構造式(5)で表される化合物と、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物のpHを酸性にすることを特徴とする化合物の製造方法である。
ただし、前記構造式(5)中、Meは、メチル基を表す。
<5> 下記構造式(1)で表される化合物の製造方法であって、
下記構造式(21)で表される化合物と、アルカリ金属の炭酸塩、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかと、メチルブロモ酢酸とを反応させることを特徴とする化合物の製造方法である。
ただし、前記構造式(1)中、Meは、メチル基を表す。
<6> 下記構造式(2)で表される化合物の製造方法であって、
下記構造式(1)で表される化合物と、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物のpHを酸性にすることことを特徴とする化合物の製造方法である。
ただし、前記構造式(1)中、Meは、メチル基を表す。
<7> 下記構造式(7)で表される化合物の製造方法であって、
下記構造式(21)で表される化合物と、アルカリ金属のアルコキシド、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物と、シアン化臭素とを反応させることを特徴とする化合物の製造方法である。
<8> 下記構造式(9)で表される化合物の製造方法であって、
下記構造式(6)で表される化合物と、3級アミン、及びピリジン類の少なくともいずれかと、ジフェニルリン酸アジドと、ナトリウムチオメトキシドとを反応させることを特徴とする化合物の製造方法である。
ただし、前記構造式(9)中、Meは、メチル基を表す。
<9> 下記構造式(10)で表される化合物の製造方法であって、
下記構造式(6)で表される化合物と、3級アミン、及びピリジン類の少なくともいずれかと、ジフェニルリン酸アジドとを反応させた後、前記反応物とナトリウムチオメトキシドとを反応させることを特徴とする化合物の製造方法である。
ただし、前記構造式(10)中、Meは、メチル基を表す。
<10> 下記構造式(11)で表される化合物の製造方法であって、
下記構造式(20)で表される化合物と、アルカリ金属のアルコキシド、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物と、チオシアン酸クロロメチルとを反応させることを特徴とする化合物の製造方法である。
<11> 下記構造式(12)で表される化合物の製造方法であって、
アセトニトリルの存在下で、下記構造式(11)で表される化合物と、ナトリウムチオメトキシドとを反応させることを特徴とする化合物の製造方法である。
ただし、前記構造式(12)中、Meは、メチル基を表す。
<12> 下記構造式(13)で表される化合物の製造方法であって、
アセトニトリルの存在下で、下記構造式(11)で表される化合物と、ナトリウムチオメトキシドとを反応させた後、前記反応物と、メチル化剤とを反応させることを特徴とする化合物の製造方法である。
ただし、前記構造式(13)中、Meは、メチル基を表す。
<13> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする化合物含有組成物である。
<14> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする抗がん剤である。
<15> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする抗ヘリコバクター・ピロリ剤である。
<16> がんを予防又は治療するための方法であって、個体に、前記<14>に記載の抗がん剤を投与することを特徴とする方法である。
<17> ヘリコバクター・ピロリによる感染症を予防又は治療するための方法であって、個体に、前記<15>に記載の抗ヘリコバクター・ピロリ剤を投与することを特徴とする方法である。
<18> ヘリコバクター・ピロリに起因する胃及び十二指腸障害を予防又は治療するための方法であって、個体に、前記<15>に記載の抗ヘリコバクター・ピロリ剤を投与することを特徴とする方法である。
本発明によれば、前記目的を達成することができ、優れた抗がん作用、若しくは、優れた抗ヘリコバクター・ピロリ活性を有する新規化合物、及び該新規化合物の製造方法、並びに、前記新規化合物を利用した、化合物含有組成物、抗がん剤、及び抗ヘリコバクター・ピロリ剤を提供することができる。
図1Aは、試験例2−1における腫瘍体積の変化を示すグラフである。 図1Bは、試験例2−1における腫瘍重量(腫瘍接種から21日目)を示すグラフである。 図1Cは、試験例2−2における腫瘍体積の変化を示すグラフである。 図1Dは、試験例2−2における腫瘍重量(腫瘍接種から21日目)を示すグラフである。
(新規化合物)
本発明の化合物は、下記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物であり、本発明者らが見出した新規化合物である。
ただし、前記構造式(1)から(13)中、Meは、メチル基を表す。
<構造式(1)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(1)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C2129
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 344.2221 (M+H)
計算値 344.2220 (C2130Nとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2953, 2925, 2854, 1765, 1618, 1596, 1437, 1123, 968, 768, 680
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.87(3H,t,J=6.6), 1.20−1.48(10H,m), 1.71(2H,m), 2.43(3H,s), 2.95(2H,m), 3.86(3H,s), 4.62(2H,s), 7.47(1H,ddd,J=8.2, 6.8, 1.1), 7.62(1H,ddd,J=8.4, 6.8, 1.3), 8.00(1H,d,J=8.4), 8.05(1H,d,J=8.2)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.90, 14.08, 22.63, 28.99, 29.23, 29.49, 29.86, 31.83, 37.02, 52.32, 70.26, 120.85, 120.73, 121.39, 121.76, 125.73, 128.82, 128.85, 147.84, 159.03, 164.32, 168.95
<構造式(2)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(2)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 59℃〜62℃
(3) 分子式 : C2027
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 330.2064 (M+H)
計算値 330.2064 (C2028Nとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2927, 2855, 2713, 1736, 1642, 1589, 1227, 1181, 1078, 764, 724
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(600MHz, Methanol−d) :
δ= 0.88(3H,t,J=6.8), 1.25−1.41(8H,m),1.50(2H,m), 1.78(2H,m), 2.54(3H,s), 3.15(2H,t,m), 4.92(2H,s), 7.54(1H,ddd,J=8.2, 7.2, 1.0), 7.92(1H,ddd,J=8.5, 6.8, 1.0), 8.07(1H,brd,J=8.5), 8.42(1H,brd,J=8.2)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(150MHz, Methanol−d) :
δ= 12.23, 14.40, 23.67, 29.93, 30.27, 30.34, 30.74, 32.97, 35.07, 72.72, 122.81, 123.71, 123.85, 124.62, 129.16, 133.85, 142.14, 164.30, 167.46, 171.91
<構造式(3)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(3)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 178℃〜181℃
(3) 分子式 : C1925ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 284.2011 (M+H)
計算値 284.2009 (C1926ONとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 3064, 2957, 2933, 1670, 1638, 1614, 1555, 1500, 1371, 1358, 1152, 1028, 998, 967, 756, 691
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(600MHz, CDCl) :
δ= 0.95(6H,d,J=6.5), 1.44(2H, m), 1.69(2H,m), 2.01(2H,q,J=6.8), 2.15(3H,s), 2.21(1H,m), 2.70(2H,m), 5.27−5.32(1H,m), 5.36−5.39(1H,m), 7.28(1H,ddd,J=8.2, 5.8, 1.0), 7.32(1H,brd,J=8.2), 7.52(1H,ddd,J=8.2, 5.5, 1.4), 8.36(1H,dd,J=8.2, 1.4), 8.65(1H, br)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(150MHz, CDCl) :
δ= 10.65, 22.64, 27.77, 29.22, 30.98, 32.09, 32.96, 115.72, 116.69, 123.00, 123.66, 126.14, 126.30, 131.25, 138.49, 138.78, 148.54, 178.16
<構造式(4)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(4)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 240℃〜244℃;
(3) 分子式 : C1417ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 216.1385 (M+H)
計算値 216.1383 (C1418ONとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 3059, 2956, 1636, 1609, 1554, 1505, 1369, 1359, 1189, 998, 762, 695
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, DMSO−d) :
δ= 0.89(6H,d,J=6.6), 1.94(3H,s), 1.99(1H,m), 2.53(2H,d,J=7.5), 7.18(1H,ddd,J=8.2, 6.6, 1.4), 7.46(1H,d,J=8.2), 7.52(1H,ddd,J=8.2, 6.6, 1.4), 8.01(1H,dd,J=8.2, 1.1), 11.23(1H,br s)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, DMSO−d) :
δ= 11.03, 22.28, 28.30, 114.68, 117.74, 122.39, 123.00, 125.18, 131.08, 139.33, 148.76, 176.43
<構造式(5)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(5)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C2129
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 344.2222 (M+H)
計算値 344.2220 (C2130Nとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2953, 2922, 1743, 1635, 1617, 1558, 1507, 1214, 994, 760, 688
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.89(3H,t,J=6.6), 1.21−1.51(10H,m), 1.60(2H,m), 2.22(3H,s), 2.74(2H,br), 3.80(3H,s), 4.90(2H,s), 7.20(1H,d,J=8.7), 7.33(1H,ddd,J=8.0, 6.8, 0.7), 7.58(1H,ddd,J=8.7, 7.1, 1.6), 8.47(1H,dd,J=8.0, 1.6)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.65, 14.06, 22.60, 28.06, 29.13, 29.17, 29.75, 30.93, 31.75, 48.47, 53.01, 114.19, 117.55, 123.11, 124.79, 127.30, 131.89, 140.66, 150.66, 168.69, 177.39
<構造式(6)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(6)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 161℃〜163℃
(3) 分子式 : C2027
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 330.2063 (M+H)
計算値 330.2064 (C2028Nとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2955, 2925, 2853, 1725, 1635, 1593, 1506, 1191, 976, 760, 689
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.87(3H,t,J=6.4), 1.20−1.65(12H,m), 2.19(3H,s), 2.80(2H,br), 4.98(2H,br), 7.26(1H,t,J=8.0), 7.42(1H,d,J=8.7), 7.54(1H,ddd,J=8.7, 6.8, 1.1), 8.39(1H,dd,J=8.0, 1.1)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.91, 14.06, 22.68, 27.85, 29.12, 29.78, 31.26, 31.73, 49.71, 115.46, 117.21, 123.86, 123.94, 126.69, 132.47, 140.53, 154.22, 169.35, 176.57
<構造式(7)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(7)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C1924ON
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 297.1961 (M+H)
計算値 297.1961 (C1925ONとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2961, 2926, 2853, 2237, 1628, 1576, 1470, 1292, 1191, 761, 693
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.87(3H,t,J=6.8), 1.20−1.50(10H,m), 1.71(2H,m), 2.15(3H,s), 2.93(2H,m), 7.47(1H,m), 7.73(2H,m), 8.33(1H,ddd,J=8.0, 0.92, 1.1)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.20, 14.05, 22.59, 28.00, 29.07, 29.11, 29.42, 31.73, 31.80, 106.42, 116.28, 120.30, 123.35, 126.23, 127.08, 133.34, 137.25, 146.10, 177.31
<構造式(8)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(8)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 黄色粉体
(2) 融点 : >260℃
(3) 分子式 : C1815ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 284.1046 (M+Na)
計算値 284.1046 (C1815ONNaとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 3064, 2938, 1628, 1570, 1507, 1387, 1359, 1187, 965, 755, 690
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, DMSO−d) :
δ= 2.13(3H,s), 7.21(1H,ddd,J=8.5, 6.8, 1.1), 7.32−7.50(5H,m), 7.55−7.59(1H,m), 7.67−7.72(3H,m), 8.03(1H,dd,J=8.2, 1.4), 11.20(1H,s)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, DMSO−d) :
δ= 10.66, 115.68, 118.18, 121.14, 122.55, 123.13, 125.14, 127.57, 129.16, 129.30, 131.61, 135.11, 135.94, 139.75, 143.14, 176.76
<構造式(9)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(9)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C2129NS
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 360.1994 (M+H)
計算値 360.1992 (C2130NSとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2924, 2852, 1687, 1614, 1594, 1542, 1193, 1028, 757, 558
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.88(3H,t,J=6.4), 1.20−1.50(10H,m), 1.60(2H,br), 2.23(3H,s), 2.33(3H,s), 2.51−2.99(2H,br), 5.01(2H,br), 7.21(1H,d,J=8.7), 7.34(1H,dd,J=8.0、6.6), 7.58(1H,ddd,J=8.7, 6.6, 1.4), 8.47(1H,dd,J=8.0, 1.4)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.38, 11.68, 14.06, 22.60, 28.16, 29.13, 29.16, 29.75, 31.03, 31.74, 55.95, 114.61, 117.94, 123.32, 127.29, 131.97,132.02, 140.73, 150.65, 177.49, 196.82
<構造式(10)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(10)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C2130
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 397.1921 (M+Na)
計算値 397.1920 (C2130NaSとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 3169, 2955, 2927, 1671, 1615, 1595, 1556, 1492, 1195, 1084, 760, 651
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(600MHz, CDCl) :
δ= 0.89(3H,t,J=6.7), 1.22−1.45(15H,m), 2.45(2H,br), 2.46(3H,s), 5.67(2H,br), 7.24(1H,ddd,J=7.9, 6.8, 1.0), 7.49(1H,d,J=8.6), 7.59(1H,ddd,J=8.6, 6.8, 1.4), 8.26(1H,dd,J=7.9, 1.4), 8.78(1H,br)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(150MHz, CDCl) :
δ= 11.05, 12.22, 14.02, 22.59, 28.48, 29.11, 29.16, 29.73, 30.73, 31.77, 52.58, 115.46, 117.00, 123.24, 124.37, 126.89, 132.32, 139.56, 151.60, 168.61, 177.27
<構造式(11)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(11)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 黄色油状物
(2) 分子式 : C1924ON
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 329.1682 (M+H)
計算値 329.1682 (C1925ONSとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2961, 2926, 2853, 2237, 1628, 1576, 1470, 1292, 1191, 987, 761, 693
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.90(3H,t,J=6.6), 1.23−1.71(10H, m), 2.19(3H,s), 2.84(2H,m), 5.71(2H,s), 7.38(1H,ddd,J=8.0,6.8,0.9), 7.46(1H,d,J=8.7), 7.68(1H,ddd,J=8.7, 6.8, 1.6), 8.45(1H,dd,J=8.0, 1.6)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.60, 14.05, 22.56, 28.59, 28.88, 29.76, 30.55, 31.66, 56.26, 114.42, 118.19, 123.83, 124.60, 127.31, 132.41, 139.86, 141.68, 149.60, 177.64
<構造式(12)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(12)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 黄色粉体
(2) 融点 : 167℃〜170℃
(3) 分子式 : C2028ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 399.1534 (M+Na)
計算値 399.1535 (C2028ONNaSとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 3119, 2958, 2918, 2850, 1619, 1598, 1538, 1282, 1199, 1105, 938, 764, 688
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.86(3H,t,J=6.6), 1.21−1.50(13H,m), 2.22−2.58(2H,br), 2.76(3H,s), 5.68−6.41(2H,br), 7.22(1H,t,J=7.8), 7.44(1H,d,J=8.7), 7.59(1H,ddd,J=8.7, 7.8, 1.1), 8.15(1H,d,J=7.8), 10.09(1H, br)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 10.74, 14.02, 18.01, 22.53, 28.29, 28.77, 29.64, 30.85, 31.59, 58.21, 115.93, 116.84, 123.54, 123.91, 126.35, 132.65, 139.39, 152.23, 177.13, 199.84
<構造式(13)で表される化合物の物理化学的性質>
前記構造式(13)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りである。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 92℃〜94℃
(3) 分子式 : C2130ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 413.1689 (M+Na)
計算値 413.1692 (C2130ONNaSとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2958, 2922, 2852, 1618, 1595, 1566, 1492, 1370, 1277, 1192, 1004, 769, 700
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.89(3H,t,J=6.8), 1.24−1.50(8H,m), 1.64(2H,m), 2.22(3H,s), 2.28(3H,s), 2.71(3H,s), 2.77(2H,m), 5.60(2H,s), 7.31(2H,m), 7.55(1H,ddd,J=8.4, 7.1, 1.6), 8.46(1H,dd,J=8.0, 1.6)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.50, 14.06, 14.75, 15.03, 22.61, 28.28, 28.92, 29.83, 30.66, 31.76, 63.75, 115.84, 116.97, 122.77, 124.81, 126.75, 131.27, 141.06, 151.35, 161.39, 177.54
前記化合物が、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される構造を有するか否かは、適宜選択した各種の分析方法により確認することができ、例えば、前記質量分析法、前記赤外分光法、前記プロトン核磁気共鳴分光法、前記炭素13核磁気共鳴分光法や、紫外分光法等の分析方法などが挙げられる。なお、前記各分析方法による測定値には、多少の誤差が生じることがあるが、当業者であれば、前記化合物が前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される構造を有することは容易に同定することが可能である。
前記化合物は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物の塩であってもよい。
前記塩としては、薬理学的に許容され得る塩であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸塩、クエン酸塩等の有機塩、塩酸塩、炭酸塩などが挙げられる。
前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物は、その互変異性体であってもよい。
前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する本発明の製造方法により得られることが好ましい。
<用途>
前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物は、優れた抗がん作用、若しくは、優れた抗ヘリコバクター・ピロリ活性を有し、安全性の高い化合物である。そのため、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物は、例えば、後述する本発明の化合物含有組成物、本発明の抗がん剤、本発明の抗ヘリコバクター・ピロリ剤等の有効成分として好適に利用可能である。
(化合物の製造方法)
<前記構造式(3)、(4)、及び(8)のいずれかで表される化合物の製造方法>
前記構造式(3)、(4)、及び(8)のいずれかで表される化合物の製造方法としては、下記構造式(17)、(18)、及び(19)のいずれかで表される化合物と、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物の少なくともいずれかとを反応させる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記アルカリ金属とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムをいう。前記アルカリ土類金属とは、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムをいう。
前記アルカリ金属の水酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ土類金属の水酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化バリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ金属の水酸化物、及び前記アルカリ土類の水酸化物は、どちらか一方を使用してもよいし、両者を併用してもよい。
前記アルカリ金属の水酸化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記アルカリ土類金属の水酸化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ金属の水酸化物、及び前記アルカリ土類金属の水酸化物の中でも、水酸化ナトリウムが好ましい。
以下、前記構造式(3)、(4)、及び(8)のいずれかで表される化合物の製造方法の好ましい態様として、アミノベンゾニトリルを出発物質とした態様を以下に説明する。
−−構造式(14)で表される化合物の製造−−
前記構造式(14)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
アルゴン雰囲気下、アミノベンゾニトリルを、無水テトラヒドロフラン(以下、「THF」と称することがある)に溶解させ、氷浴下、臭化エチルマグネシウムを滴下する。室温で12時間撹拌させた後、10%塩酸水溶液を氷浴下で滴下する。滴下終了後、水酸化ナトリウムを氷浴下で加え、pHを7に調整する。有機層を分離し、ジエチルエーテールで水層を抽出する。有機層を合わせ芒硝乾燥し、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、構造式(14)で表される化合物を得ることができる。
−−構造式(17)で表される化合物の製造−−
前記構造式(17)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
アルゴン雰囲気下、前記構造式(14)で表される化合物を塩化メチレンに溶解させ、トリエチルアミンを加える。更に氷浴下で酸塩化物であるtrans−8−メチル−6−ノネノイルクロリドを滴下し、室温下で撹拌する。0.1N塩酸で反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、構造式(17)で表される化合物を得ることができる。
−構造式(3)で表される化合物の製造−
前記構造式(3)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(17)で表される化合物のジオキサン0.1M溶液に水酸化ナトリウムを加え、110℃で1時間〜2時間撹拌する。反応溶液を室温まで戻し、水を加え、更に1N塩酸をpHが7になるまで加える。更に、ヘキサンを加え超音波をかけると固体が析出する。固体を吸引濾過し、水、ヘキサンあるいはヘキサン/酢酸エチル=1:1の混合溶媒で洗浄する。洗浄後乾燥させ、構造式(3)で表される化合物を得ることができる。
−−構造式(18)で表される化合物の製造−−
前記構造式(18)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
アルゴン雰囲気下、前記構造式(14)で表される化合物を塩化メチレンに溶解させ、トリエチルアミンを加える。更に氷浴下で酸塩化物であるイソバレリルクロリドを滴下し、室温下で撹拌する。0.1N塩酸で反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、構造式(18)で表される化合物を得ることができる。
−構造式(4)で表される化合物の製造−
前記構造式(4)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(18)で表される化合物の1,4−ジオキサン0.1M溶液に水酸化ナトリウムを加え、110℃で1時間〜2時間撹拌する。反応溶液を室温まで戻し、水を加え、更に1N塩酸をpHが7になるまで加える。更に、ヘキサンを加え超音波をかけると固体が析出する。固体を吸引濾過し、水、ヘキサンあるいはヘキサン/酢酸エチル=1:1の混合溶媒で洗浄する。洗浄後乾燥させ、構造式(4)で表される化合物を得ることができる。
−−構造式(19)で表される化合物の製造−−
前記構造式(19)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
アルゴン雰囲気下、前記構造式(14)で表される化合物を塩化メチレンに溶解させ、トリエチルアミンを加える。更に氷浴下で酸塩化物であるシンナモイルクロリドを滴下し、室温下で撹拌する。0.1N塩酸で反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、構造式(19)で表される化合物を得ることができる。
−構造式(8)で表される化合物の製造−
前記構造式(8)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(19)で表される化合物の1,4−ジオキサン0.1M溶液に水酸化ナトリウムを加え、110℃で1時間〜2時間撹拌する。反応溶液を室温まで戻し、水を加え、更に1N塩酸をpHが7になるまで加える。更に、ヘキサンを加え超音波をかけると固体が析出する。固体を吸引濾過し、水、ヘキサンあるいはヘキサン/酢酸エチル=1:1の混合溶媒で洗浄する。洗浄後乾燥させ、構造式(8)で表される化合物を得ることができる。
<前記構造式(5)で表される化合物の製造方法>
前記構造式(5)で表される化合物の製造方法としては、下記構造式(21)で表される化合物と、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の炭酸塩、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物と、メチルブロモ酢酸とを反応させる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ただし、前記構造式(5)中、Meは、メチル基を表す。
前記アルカリ金属とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムをいう。
前記アルカリ金属のアルコキシドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウムt−ブトキシドなどが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ金属の水素化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水素化ナトリウムが挙げられる。
前記アルカリ金属のアルコキシド、前記アルカリ金属の炭酸塩、及び前記アルカリ金属の水素化物は、いずれか1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ金属のアルコキシドは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記アルカリ金属の炭酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記アルカリ金属の水素化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ金属のアルコキシド、前記アルカリ金属の炭酸塩、及び前記アルカリ金属の水素化物の中でも、リチウムt−ブトキシド、炭酸カリウム、水素化ナトリウムが好ましく、リチウムt−ブトキシドがより好ましい。
以下、前記構造式(5)で表される化合物の製造方法の好ましい態様として、前記構造式(14)で表される化合物を出発物質とした態様を以下に説明する。
なお、前記構造式(14)で表される化合物は、上述の方法により好適に製造することができる。
−−構造式(16)で表される化合物の製造−−
前記構造式(16)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
アルゴン雰囲気下、前記構造式(14)で表される化合物を塩化メチレンに溶解させ、トリエチルアミンを加える。更に氷浴下で酸塩化物であるノナノイルクロリドを滴下し、室温下で撹拌する。0.1N塩酸で反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、構造式(16)で表される化合物を得ることができる。
−−構造式(21)で表される化合物の製造−−
前記構造式(21)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(16)で表される化合物の1,4−ジオキサン0.1M溶液に水酸化ナトリウムを加え、110℃で1時間〜2時間撹拌する。反応溶液を室温まで戻し、水を加え、更に1N塩酸をpHが7になるまで加える。更に、ヘキサンを加え超音波をかけると固体が析出する。固体を吸引濾過し、水、ヘキサンあるいはヘキサン/酢酸エチル=1:1の混合溶媒で洗浄する。洗浄後乾燥させ、構造式(21)で表される化合物を得ることができる。
−構造式(5)で表される化合物の製造−
前記構造式(5)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
アルゴン雰囲気下、前記構造式(21)で表される化合物をTHFに溶解させ、リチウムt−ブトキシドのTHF溶液を加え室温下で20分間撹拌する。次いでメチルブロモ酢酸を加え更に還流下12時間撹拌する。水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出する。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(5)で表される化合物を得ることができる。
<前記構造式(6)で表される化合物の製造方法>
前記構造式(6)で表される化合物の製造方法としては、下記構造式(5)で表される化合物と、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物のpHを酸性にする方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ただし、前記構造式(5)中、Meは、メチル基を表す。
前記アルカリ金属とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムをいう。前記アルカリ土類金属とは、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムをいう。
前記アルカリ金属の水酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ土類金属の水酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化バリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ金属の水酸化物、及び前記アルカリ土類の水酸化物は、どちらか一方を使用してもよいし、両者を併用してもよい。
前記アルカリ金属の水酸化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記アルカリ土類金属の水酸化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ金属の水酸化物、及び前記アルカリ土類金属の水酸化物の中でも、水酸化ナトリウムが好ましい。
以下、前記構造式(6)で表される化合物の製造方法の好ましい態様として、前記構造式(5)で表される化合物を出発物質とした態様を以下に説明する。
なお、前記構造式(5)で表される化合物は、上述の方法により好適に製造することができる。
−構造式(6)で表される化合物の製造−
前記構造式(6)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(5)で表される化合物をエタノール(以下、「EtOH」と称することがある)とTHFの混合溶媒に溶解させ、2M水酸化ナトリウム水溶液を加え室温下で2時間撹拌する。氷浴下1N塩酸を加えpHを4に調整し、酢酸エチルで抽出する。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去させ、構造式(6)で表される化合物を得ることができる。
<前記構造式(1)で表される化合物の製造方法>
前記構造式(1)で表される化合物の製造方法としては、下記構造式(21)で表される化合物と、アルカリ金属の炭酸塩、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかと、メチルブロモ酢酸とを反応させる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ただし、前記構造式(1)中、Meは、メチル基を表す。
前記アルカリ金属とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムをいう。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ金属の水素化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水素化ナトリウムが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩、及び前記アルカリ金属の水素化物は、どちらか一方を使用してもよいし、両者を併用してもよい。
前記アルカリ金属の炭酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記アルカリ金属の水素化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ金属の炭酸塩、及び前記アルカリ金属の水素化物の中でも、炭酸カリウム、水素化ナトリウムが好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。
以下、前記構造式(1)で表される化合物の製造方法の好ましい態様として、前記構造式(21)で表される化合物を出発物質とした態様を以下に説明する。
なお、前記構造式(21)で表される化合物は、上述の方法により好適に製造することができる。
−構造式(1)で表される化合物の製造−
前記構造式(1)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(21)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と称することがある)に溶解させ、炭酸カリウム、メチルブロモ酢酸を加え80℃で12時間撹拌する。水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出する。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(1)で表される化合物を得ることができる。
<前記構造式(2)で表される化合物の製造方法>
前記構造式(2)で表される化合物の製造方法としては、下記構造式(1)で表される化合物と、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物のpHを酸性にする方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ただし、前記構造式(1)中、Meは、メチル基を表す。
前記アルカリ金属とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムをいう。前記アルカリ土類金属とは、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムをいう。
前記アルカリ金属の水酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ土類金属の水酸化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化バリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ金属の水酸化物、及び前記アルカリ土類の水酸化物は、どちらか一方を使用してもよいし、両者を併用してもよい。
前記アルカリ金属の水酸化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記アルカリ土類金属の水酸化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ金属の水酸化物、及び前記アルカリ土類金属の水酸化物の中でも、水酸化ナトリウムが好ましい。
前記反応物のpHを酸性にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1N塩酸などが挙げられる。
以下、前記構造式(2)で表される化合物の製造方法の好ましい態様として、前記構造式(1)で表される化合物を出発物質とした態様を以下に説明する。
なお、前記構造式(1)で表される化合物は、上述の方法により好適に製造することができる。
−構造式(2)で表される化合物の製造−
前記構造式(2)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(1)で表される化合物をEtOHとTHFの混合溶媒に溶解させ、2M水酸化ナトリウム水溶液を加え室温下で2時間撹拌する。氷浴下1N塩酸を加えpHを4に調整し、酢酸エチルで抽出する。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去させ、構造式(2)で表される化合物を得ることができる。
<前記構造式(7)で表される化合物の製造方法>
前記構造式(7)で表される化合物の製造方法としては、下記構造式(21)で表される化合物と、アルカリ金属のアルコキシド、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物と、シアン化臭素とを反応させる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記アルカリ金属とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムをいう。
前記アルカリ金属のアルコキシドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウムt−ブトキシドなどが挙げられる。
前記アルカリ金属の水素化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水素化ナトリウムが挙げられる。
前記アルカリ金属のアルコキシド、及び前記アルカリ金属の水素化物は、どちらか一方を使用してもよいし、両者を併用してもよい。
前記アルカリ金属のアルコキシドは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記アルカリ金属の水素化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ金属のアルコキシド、及び前記アルカリ金属の水素化物の中でも、リチウムt−ブトキシド、水素化ナトリウムが好ましく、リチウムt−ブトキシドがより好ましい。
以下、前記構造式(7)で表される化合物の製造方法の好ましい態様として、前記構造式(21)で表される化合物を出発物質とした態様を以下に説明する。
なお、前記構造式(21)で表される化合物は、上述の方法により好適に製造することができる。
−構造式(7)で表される化合物の製造−
前記構造式(7)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(21)で表される化合物をTHFに溶解させ、リチウムt−ブトキシドを加え室温下で20分撹拌する。次いでシアン化臭素を加え室温下で2時間撹拌する。水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出する。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(7)で表される化合物(34.0mg、62%)を得ることができる。
<前記構造式(9)で表される化合物の製造方法>
前記構造式(9)で表される化合物の製造方法としては、下記構造式(6)で表される化合物と、3級アミン、及びピリジン類の少なくともいずれかと、ジフェニルリン酸アジドと、ナトリウムチオメトキシドとを反応させる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ただし、前記構造式(9)中、Meは、メチル基を表す。
前記3級アミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。
前記ピリジン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。
前記3級アミン、及び前記ピリジン類は、どちらか一方を使用してもよいし、両者を併用してもよい。
前記3級アミンは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記ピリジン類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記3級アミン、及び前記ピリジン類の中でも、トリエチルアミンが好ましい。
以下、前記構造式(9)で表される化合物の製造方法の好ましい態様として、前記構造式(6)で表される化合物を出発物質とした態様を以下に説明する。
なお、前記構造式(6)で表される化合物は、上述の方法により好適に製造することができる。
−構造式(9)で表される化合物の製造−
前記構造式(9)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(6)で表される化合物をTHFに懸濁させ、トリエチルアミン、ジフェニルリン酸アジド(以下、「DPPA」と称することがある)、ナトリウムチオメトキシドを加え還流下2時間撹拌する。塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、構造式(9)で表される化合物を得ることができる。
<前記構造式(10)で表される化合物の製造方法>
前記構造式(10)で表される化合物の製造方法としては、下記構造式(6)で表される化合物と、3級アミン、及びピリジン類の少なくともいずれかと、ジフェニルリン酸アジドとを反応させた後、前記反応物とナトリウムチオメトキシドとを反応させる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ただし、前記構造式(10)中、Meは、メチル基を表す。
前記3級アミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。
前記ピリジン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。
前記3級アミン、及び前記ピリジン類は、どちらか一方を使用してもよいし、両者を併用してもよい。
前記3級アミンは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記ピリジン類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記3級アミン、及び前記ピリジン類の中でも、トリエチルアミンが好ましい。
以下、前記構造式(10)で表される化合物の製造方法の好ましい態様として、前記構造式(6)で表される化合物を出発物質とした態様を以下に説明する。
なお、前記構造式(6)で表される化合物は、上述の方法により好適に製造することができる。
−構造式(10)で表される化合物の製造−
前記構造式(10)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(6)で表される化合物をTHFに懸濁させ、トリエチルアミン、DPPAを氷冷下で加え、更に還流下1時間撹拌する。そこへナトリウムチオメトキシドを加え、更に1時間撹拌する。塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、構造式(10)で表される化合物を得ることができる。
<前記構造式(11)で表される化合物の製造方法>
前記構造式(11)で表される化合物の製造方法としては、下記構造式(20)で表される化合物と、アルカリ金属のアルコキシド、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物と、チオシアン酸クロロメチルとを反応させる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記アルカリ金属とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムをいう。
前記アルカリ金属のアルコキシドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウムt−ブトキシドなどが挙げられる。
前記アルカリ金属の水素化物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水素化ナトリウムが挙げられる。
前記アルカリ金属のアルコキシド、及び前記アルカリ金属の水素化物は、どちらか一方を使用してもよいし、両者を併用してもよい。
前記アルカリ金属のアルコキシドは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記アルカリ金属の水素化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルカリ金属のアルコキシド、及び前記アルカリ金属の水素化物の中でも、リチウムt−ブトキシド、水素化ナトリウムが好ましく、リチウムt−ブトキシドがより好ましい。
以下、前記構造式(11)で表される化合物の製造方法の好ましい態様として、前記構造式(14)で表される化合物を出発物質とした態様を以下に説明する。
なお、前記構造式(14)で表される化合物は、上述の方法により好適に製造することができる。
−−構造式(15)で表される化合物の製造−−
前記構造式(15)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
アルゴン雰囲気下、前記構造式(14)で表される化合物を塩化メチレンに溶解させ、トリエチルアミンを加える。更に氷浴下で酸塩化物であるオクタノイルクロリドを滴下し、室温下で撹拌する。0.1N塩酸で反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄する。合わせた有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、構造式(15)で表される化合物を得ることができる。
−−構造式(20)で表される化合物の製造−−
前記構造式(20)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(15)で表される化合物のジオキサン0.1M溶液に水酸化ナトリウムを加え、110℃で1時間〜2時間撹拌する。反応溶液を室温まで戻し、水を加え、更に1N塩酸をpHが7になるまで加える。更に、ヘキサンを加え超音波をかけると固体が析出する。固体を吸引濾過し、水、ヘキサンあるいはヘキサン/酢酸エチル=1:1の混合溶媒で洗浄する。洗浄後乾燥させ、構造式(20)で表される化合物を得えることができる。
−構造式(11)で表される化合物の製造−
前記構造式(11)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
アルゴン雰囲気下、前記構造式(20)で表される化合物をTHFに溶解させ、リチウムt−ブトキシドのTHF溶液を加え室温下で20分撹拌する。そこへ氷冷下、チオシアン酸クロロメチルを滴下し、更に室温下で2時間撹拌する。食塩水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出する。有機層を芒硝乾燥後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(11)で表される化合物を得ることができる。
<前記構造式(12)で表される化合物の製造方法>
前記構造式(12)で表される化合物の製造方法としては、アセトニトリルの存在下で、下記構造式(11)で表される化合物と、ナトリウムチオメトキシドとを反応させる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ただし、前記構造式(12)中、Meは、メチル基を表す。
以下、前記構造式(12)で表される化合物の製造方法の好ましい態様として、前記構造式(11)で表される化合物を出発物質とした態様を以下に説明する。
なお、前記構造式(11)で表される化合物は、上述の方法により好適に製造することができる。
−構造式(12)で表される化合物の製造−
前記構造式(12)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(11)で表される化合物とナトリウムチオメトキシドの混合物にアセトニトリルを加え室温下で20分間撹拌する。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を芒硝乾燥後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(12)で表される化合物を得ることができる。
<前記構造式(13)で表される化合物の製造方法>
前記構造式(13)で表される化合物の製造方法としては、アセトニトリルの存在下で、下記構造式(11)で表される化合物と、ナトリウムチオメトキシドとを反応させた後、前記反応物と、メチル化剤とを反応させる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ただし、前記構造式(13)中、Meは、メチル基を表す。
前記メチル化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヨードメタン、メチルトリフルオロメタンスルホナート、ジメチル硫酸、ミアバイン試薬などが挙げられる。前記メチル化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ヨードメタンが好ましい。
以下、前記構造式(13)で表される化合物の製造方法の好ましい態様として、前記構造式(11)で表される化合物を出発物質とした態様を以下に説明する。
なお、前記構造式(11)で表される化合物は、上述の方法により好適に製造することができる。
−構造式(13)で表される化合物の製造−
前記構造式(13)で表される化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
前記構造式(11)で表される化合物とナトリウムチオメトキシドの混合物にアセトニトリルを加え室温下で20分間撹拌する。次いで、室温下でヨウ化メチルを加え更に30分間撹拌する。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を芒硝乾燥後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(13)で表される化合物を得ることができる。
前記各構造式で表される化合物の製造方法における反応条件や、用いる化合物及びその使用量、溶媒などは、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記各化合物が、前記各構造式で表される構造を有するか否かは、適宜選択した各種の分析方法により確認することができ、例えば、前記質量分析法、前記紫外分光法、前記赤外分光法、前記プロトン核磁気共鳴分光法、前記炭素13核磁気共鳴分光法等の分析方法などが挙げられる。
(化合物含有組成物、抗がん剤、抗ヘリコバクター・ピロリ剤)
<化合物含有組成物>
本発明の化合物含有組成物は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の成分を含む。
前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記化合物含有組成物における前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記化合物含有組成物は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物そのものであってもよい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、薬理学的に許容され得る担体の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、添加剤、補助剤、水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記添加剤又は前記補助剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、殺菌剤、保存剤、粘結剤、増粘剤、固着剤、結合剤、着色剤、安定化剤、pH調整剤、緩衝剤、等張化剤、溶剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤、消泡剤、物性向上剤、防腐剤などが挙げられる。
前記殺菌剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等のカチオン性界面活性剤などが挙げられる。
前記保存剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、クレゾールなどが挙げられる。
前記粘結剤、増粘剤、固着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デンプン、デキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアゴム、キサンタンガム、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、エチレン・プロピレンブロックポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化鉄などが挙げられる。
前記安定化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン、ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、チオグリコール酸、チオ乳酸などが挙げられる。
前記pH調整剤又は前記緩衝剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記等張化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖などが挙げられる。
前記化合物含有組成物における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。
−用途−
前記化合物含有組成物は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物を含むため、優れた抗がん作用、優れた抗ヘリコバクター・ピロリ活性を有し、安全性が高く、例えば、医薬組成物、抗がん剤、抗ヘリコバクター・ピロリ剤などに好適に利用可能である。
なお、前記化合物含有組成物は、単独で使用されてもよいし、他の成分を有効成分とする医薬と併せて使用されてもよい。また、前記化合物含有組成物は、他の成分を有効成分とする医薬中に、配合された状態で使用されてもよい。
<抗がん剤>
本発明の抗がん剤は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の成分を含む。
前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記抗がん剤における前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記抗がん剤は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物そのものであってもよい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記化合物含有組成物で記載したその他の成分と同様のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記抗がん剤における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。
−用途−
前記抗がん剤は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物を含むため、優れた抗がん作用を有し、安全性が高く、胃がん、前立腺がん、肺がん、大腸がん、膵がん、乳がんなどの幅広いがんの予防剤又は治療剤として好適に利用可能である。これらの中でも、胃がん、大腸がんに特に好適に利用可能である。
なお、前記抗がん剤は、単独で使用されてもよいし、他の成分を有効成分とする医薬と併せて使用されてもよい。また、前記抗がん剤は、他の成分を有効成分とする医薬中に、配合された状態で使用されてもよい。
また、後述する試験例で示すように、本発明の前記構造式(1)から(13)で表される化合物は、正常間質細胞の存在下で、よりがん細胞の増殖を抑制することができる。
前記抗がん剤は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物を含むので、個体に投与することにより、個体におけるがんの発生を予防、又はがんを患う個体を治療することができる。したがって、本発明は、個体に、前記抗がん剤を投与することを特徴とする、がんの予防又は治療方法にも関する。
<抗ヘリコバクター・ピロリ剤>
本発明の抗ヘリコバクター・ピロリ剤は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の成分を含む。
前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記抗ヘリコバクター・ピロリ剤における前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記抗ヘリコバクター・ピロリ剤は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物そのものであってもよい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記化合物含有組成物で記載したその他の成分と同様のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記抗ヘリコバクター・ピロリ剤における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。
−用途−
前記抗ヘリコバクター・ピロリ剤は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物を含むため、優れた抗ヘリコバクター・ピロリ活性を有し、安全性が高く、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などのヘリコバクター・ピロリに起因する胃及び十二指腸障害の予防剤又は治療剤として好適に利用可能である。
なお、前記抗ヘリコバクター・ピロリ剤は、単独で使用されてもよいし、他の成分を有効成分とする医薬と併せて使用されてもよい。また、前記抗ヘリコバクター・ピロリ剤は、他の成分を有効成分とする医薬中に、配合された状態で使用されてもよい。
前記抗ヘリコバクター・ピロリ剤は、前記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物を含むので、個体に投与することにより、個体がヘリコバクター・ピロリに感染することを予防、又はヘリコバクター・ピロリに感染した個体を治療することができる。したがって、本発明は、個体に、前記抗ヘリコバクター・ピロリ剤を投与することを特徴とする、ヘリコバクター・ピロリによる感染症の予防又は治療方法にも関する。
また、前記抗ヘリコバクター・ピロリ剤を個体に投与することにより、ヘリコバクター・ピロリに起因する胃及び十二指腸障害の発生の予防、又はヘリコバクター・ピロリに起因する胃及び十二指腸障害を患う個体を治療することができる。したがって、本発明は、個体に、前記抗ヘリコバクター・ピロリ剤を投与することを特徴とする、ヘリコバクター・ピロリに起因する胃及び十二指腸障害の予防又は治療方法にも関する。
<剤型>
前記化合物含有組成物、抗がん剤、及び抗ヘリコバクター・ピロリ剤の剤型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固形剤、半固形剤、液剤などが挙げられる。これらの剤型の前記化合物含有組成物、抗がん剤、及び抗ヘリコバクター・ピロリ剤は、常法に従い製造することができる。
−固形剤−
前記固形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、内用剤として用いられる場合、例えば、錠剤、チュアブル錠、発泡錠、口腔内崩壊錠、トローチ剤、ドロップ剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、ドライシロップ剤、浸剤などが挙げられる。
前記固形剤が、外用剤として用いられる場合、例えば、坐剤、パップ剤、プラスター剤などが挙げられる。
−半固形剤−
前記半固形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、内用剤として用いられる場合、例えば、舐剤、チューインガム剤、ホイップ剤、ゼリー剤などが挙げられる。
前記半固形剤が、外用剤として用いられる場合、例えば、軟膏剤、クリーム剤、ムース剤、インヘラー剤、ナザールジェル剤などが挙げられる。
−液剤−
前記液剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、内用剤として用いられる場合、例えば、シロップ剤、ドリンク剤、懸濁剤、酒精剤などが挙げられる。
前記液剤が、外用剤として用いられる場合、例えば、液剤、点眼剤、エアゾール剤、噴霧剤などが挙げられる。
<投与>
前記化合物含有組成物、抗がん剤、及び抗ヘリコバクター・ピロリ剤の投与方法、投与量、投与時期、及び投与対象としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記投与方法としては、例えば、局所投与法、経腸投与法、非経口投与法などが挙げられる。
前記投与量としては、特に制限はなく、投与対象個体の年齢、体重、体質、症状、他の成分を有効成分とする医薬や薬剤の投与の有無など、様々な要因を考慮して適宜選択することができる。
前記投与対象となる動物種としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒト、サル、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、トリなどが挙げられるが、これらの中でもヒトに好適に用いることができる。
以下に本発明の製造例、試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの製造例、試験例に何ら限定されるものではない。
なお、下記試験例のデータは、同様な結果が得られた2回又は3回の独立した実験の代表的なものである。統計解析は、スチューデントのt検定を用いた。
(製造例1)
<構造式(3)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(3)で表される化合物を製造した。
−構造式(14)で表される化合物の製造−
アルゴン雰囲気下、アミノベンゾニトリル(15.0g、128mmol)を、無水テトラヒドロフラン(以下、「THF」と称することがある)300mLに溶解させ、氷浴下、臭化エチルマグネシウム(127mL、383mmol)を滴下した。室温で12時間撹拌させた後、10%塩酸水溶液(100mL)を氷浴下で滴下した。滴下終了後、水酸化ナトリウムを氷浴下で加え、pHを7に調整した。有機層を分離し、ジエチルエーテールで水層を抽出した。有機層を合わせ芒硝乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、構造式(14)で表される化合物(9.7g、51%)を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(14)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 黄色粉末
(2) 融点 : 42℃〜43℃
(3) 分子式 : C11ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 150.0911 (M+H)
計算値 150.0913 (C12ONとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りであった。
νmax(KBr)cm−1 : 3434, 3331, 1644, 1620
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 1.21(3H,q,J=7.3), 2.98(2H,q,J=7.3), 6.27(2H,br s), 6.62−6.67(2H,m), 7.25(1H,ddd,J=7.3, 5.0, 1.4), 7.76(1H,dd,J=8.7,1.4)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 8.70, 32.27, 115.70, 117.30, 117.84, 131.10, 134.05, 150.21, 203.33
−構造式(17)で表される化合物の製造−
アルゴン雰囲気下、前記構造式(14)で表される化合物(1当量)を塩化メチレンに溶解させ、トリエチルアミン(2当量)を加えた。更に氷浴下で酸塩化物であるtrans−8−メチル−6−ノネノイルクロリド(1.1当量)を滴下し、室温下で撹拌させた。0.1N塩酸で反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄した。合わせた有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、構造式(17)で表される化合物を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(17)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C1927
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 324.1932 (M+Na)
計算値 324.1934 (C1927NNaとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りであった。
νmax(KBr)cm−1 : 3255, 2956, 2937, 1655, 969, 754
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.95(6H,d,J=6.8), 1.22(3H,t,J=7.1), 1.44(2H, m), 1.75(2H,m), 2.02(2H,m),2.22(1H, m), 2.44(2H,t,J=7.3), 3.07(2H,q,J=7.1), 5.37(2H,m), 7.09(1H,ddd,J=8.0, 7.3, 1.1), 7.53(1H,ddd,J=8.5, 7.3, 1.4), 7.92(1H,dd,J=8.0,1.4), 8.77(1H,dd,J=8.5, 1.1), 11.77(1H,br s)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 8.45, 22.64, 25.03, 29.17, 30.96, 32.21, 33.14, 38.66, 120.84, 121.38, 122.14, 126.50, 130.65, 134.84, 138.03, 141.06, 172.68, 205.36
−構造式(3)で表される化合物の製造−
前記構造式(17)で表される化合物(1当量)の1,4−ジオキサン0.1M溶液に水酸化ナトリウム(3.0当量)を加え、110℃で1時間〜2時間撹拌させた。反応溶液を室温まで戻し、水を加え、更に1N塩酸をpHが7になるまで加えた。更に、ヘキサンを加え超音波をかけると固体が析出した。固体を吸引濾過し、水、ヘキサン、次いでヘキサン/酢酸エチル=1:1の混合溶媒の順で洗浄した。洗浄後乾燥させ、構造式(3)で表される化合物を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(3)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 178℃〜181℃
(3) 分子式 : C1925ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 284.2011 (M+H)
計算値 284.2009 (C1926ONとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 3064, 2957, 2933, 1670, 1638, 1614, 1555, 1500, 1371, 1358, 1152, 1028, 998, 967, 756, 691
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(600MHz, CDCl) :
δ= 0.95(6H,d,J=6.5), 1.44(2H, m), 1.69(2H,m), 2.01(2H,q,J=6.8), 2.15(3H,s), 2.21(1H,m), 2.70(2H,m), 5.27−5.32(1H,m), 5.36−5.39(1H,m), 7.28(1H,ddd,J=8.2, 5.8, 1.0), 7.32(1H,brd,J=8.2), 7.52(1H,ddd,J=8.2, 5.5, 1.4), 8.36(1H,dd,J=8.2, 1.4), 8.65(1H, br)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(150MHz, CDCl) :
δ= 10.65, 22.64, 27.77, 29.22, 30.98, 32.09, 32.96, 115.72, 116.69, 123.00, 123.66, 126.14, 126.30, 131.25, 138.49, 138.78, 148.54, 178.16
(製造例2)
<構造式(4)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(4)で表される化合物を製造した。
−構造式(18)で表される化合物の製造−
アルゴン雰囲気下、前記構造式(14)で表される化合物(1当量)を塩化メチレンに溶解させ、トリエチルアミン(2当量)を加えた。更に氷浴下で酸塩化物であるイソバレリルクロリド(1.1当量)を滴下し、室温下で撹拌させた。0.1N塩酸で反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄した。合わせた有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、構造式(18)で表される化合物を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(18)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C1419
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 256.1306 (M+Na)
計算値 256.1308 (C1419NNaとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りであった。
νmax(KBr)cm−1 : 3254, 2959, 1697, 1376, 754
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 1.01(6H,d,J=6.4), 1.22(3H,t,J=7.1), 2.24(1H,m), 2.31(2H,d,J=6.4), 3.07(2H,q,J=7.1), 7.10(1H,ddd,J=8.4, 6.8, 1.1), 7.53(1H,ddd,J=8.5, 6.8, 1.4), 7.93(1H,dd,J=8.0, 1.4), 8.78(1H,d,J=8.5), 11.75(1H,br s)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 8.45, 22.46, 26.20, 33.15, 48.09, 120.81, 121.38, 122.16, 130.59, 134.85, 141.02, 172.14, 205.40
−構造式(4)で表される化合物の製造−
前記構造式(18)で表される化合物(1当量)の1,4−ジオキサン0.1M溶液に水酸化ナトリウム(3.0当量)を加え、110℃で1時間〜2時間撹拌させた。反応溶液を室温まで戻し、水を加え、更に1N塩酸をpHが7になるまで加えた。更に、ヘキサンを加え超音波をかけると固体が析出した。固体を吸引濾過し、水、ヘキサン、次いでヘキサン/酢酸エチル=1:1の混合溶媒の順で洗浄した。洗浄後乾燥させ、構造式(4)で表される化合物を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(4)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 240℃〜244℃;
(3) 分子式 : C1417ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 216.1385 (M+H)
計算値 216.1383 (C1418ONとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 3059, 2956, 1636, 1609, 1554, 1505, 1369, 1359, 1189, 998, 762, 695
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, DMSO−d) :
δ= 0.89(6H,d,J=6.6), 1.94(3H,s), 1.99(1H,m), 2.53(2H,d,J=7.5), 7.18(1H,ddd,J=8.2, 6.6, 1.4), 7.46(1H,d,J=8.2), 7.52(1H,ddd,J=8.2, 6.6, 1.4), 8.01(1H,dd,J=8.2, 1.1), 11.23(1H,br s)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, DMSO−d) :
δ= 11.03, 22.28, 28.30, 114.68, 117.74, 122.39, 123.00, 125.18, 131.08, 139.33, 148.76, 176.43
(製造例3)
<構造式(8)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(8)で表される化合物を製造した。
−構造式(19)で表される化合物の製造−
アルゴン雰囲気下、前記構造式(14)で表される化合物(1当量)を塩化メチレンに溶解させ、トリエチルアミン(2当量)を加えた。更に氷浴下で酸塩化物であるシンナモイルクロリド(1.1当量)を滴下し、室温下で撹拌させた。0.1N塩酸で反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄した。合わせた有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、構造式(19)で表される化合物を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(19)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 109℃〜111℃
(3) 分子式 : C1817
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 302.1151 (M+Na)
計算値 302.1152 (C1817NNaとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りであった。
νmax(KBr)cm−1 : 3223, 3023, 1677, 1653, 751, 727
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 1.25(3H,t,J=7.1), 3.11(2H,q,J=7.1), 6.65(1H,d,J=15.5), 7.13(1H,ddd,J=8.0, 7.1, 1.1), 7.36−7.44(3H,m), 7.56−7.62(3H,m), 7.76(1H,d,J=15.5), 7.96(1H,dd,J=8.0, 1.4), 8.91(1H,dd,J=8.5, 1.4), 12.10(1H,br s)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 8.43, 33.15, 121.06, 121.47, 122.09, 122.41, 128.07, 128.83, 129.95, 130.69, 134.66, 134.93, 141.25, 142.25, 164.85, 205.56
−構造式(8)で表される化合物の製造−
前記構造式(19)で表される化合物(1当量)の1,4−ジオキサン0.1M溶液に水酸化ナトリウム(3.0当量)を加え、110℃で1時間〜2時間撹拌させた。反応溶液を室温まで戻し、水を加え、更に1N塩酸をpHが7になるまで加えた。更に、ヘキサンを加え超音波をかけると固体が析出した。固体を吸引濾過し、水、ヘキサンの順で洗浄した。洗浄後乾燥させ、構造式(8)で表される化合物を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(8)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 黄色粉体
(2) 融点 : >260℃
(3) 分子式 : C1815ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 284.1046 (M+Na)
計算値 284.1046 (C1815ONNaとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 3064, 2938, 1628, 1570, 1507, 1387, 1359, 1187, 965, 755, 690
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, DMSO−d) :
δ= 2.13(3H,s), 7.21(1H,ddd,J=8.5, 6.8, 1.1), 7.32−7.50(5H,m), 7.55−7.59(1H,m), 7.67−7.72(3H,m), 8.03(1H,dd,J=8.2, 1.4), 11.20(1H,s)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, DMSO−d) :
δ= 10.66, 115.68, 118.18, 121.14, 122.55, 123.13, 125.14, 127.57, 129.16, 129.30, 131.61, 135.11, 135.94, 139.75, 143.14, 176.76
(製造例4)
<構造式(5)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(5)で表される化合物を製造した。
−構造式(16)で表される化合物の製造−
アルゴン雰囲気下、前記構造式(14)で表される化合物(1当量)を塩化メチレンに溶解させ、トリエチルアミン(2当量)を加えた。更に氷浴下で酸塩化物であるノナノイルクロリド(1.1当量)を滴下し、室温下で撹拌させた。0.1N塩酸で反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄した。合わせた有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、構造式(16)で表される化合物を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(16)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C1827
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 312.1933 (M+Na)
計算値 312.1934 (C1827NNaとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りであった。
νmax(KBr)cm−1 : 3255, 2953, 2928, 1698, 754
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.87(3H,t,J=6.6), 1.20−1.41(13H, m), 1.74(2H, m), 2.43(2H,t,J=7.6), 3.08(2H,q,J=7.3), 7.09(1H,ddd,J=8.0, 7.3, 1.1), 7.53(1H, ddd,J=8.5, 7.3, 1.6), 7.93(1H,dd,J=8.0,1.6), 8.77(1H,dd,J=8.5, 1.1), 11.76(1H, br s)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 8.54, 14.07, 22.63, 25.55, 29.14, 29.22, 29.28, 31.87, 33.20, 38.80, 120.85, 121.96, 122.12, 130.57, 134.84, 141.08, 172.80, 205.37
−構造式(21)で表される化合物の製造−
前記構造式(16)で表される化合物(1当量)の1,4−ジオキサン0.1M溶液に水酸化ナトリウム(3.0当量)を加え、110℃で1時間〜2時間撹拌させた。反応溶液を室温まで戻し、水を加え、更に1N塩酸をpHが7になるまで加えた。更に、ヘキサンを加え超音波をかけると固体が析出した。固体を吸引濾過し、水、ヘキサンで洗浄した。洗浄後乾燥させ、構造式(21)で表される化合物を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(21)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 228℃〜231℃
(3) 分子式 : C1825ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 272.2010 (M+H)
計算値 272.2009 (C1826ONとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りであった。
νmax(KBr)cm−1 : 3059, 2952, 2923, 1638, 1607, 1555, 1500, 1190, 998, 754, 693
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, DMSO−d) :
δ= 0.80 (3H,t,J=6.6), 1.19−1.35(10H,m), 1.59(2H,m), 1.94(3H,s), 2.62(2H,t,J=7.5), 7.18(1H,dd,J=8.2, 6.6), 7.45(1H,d,J=8.0), 7.51(1H,ddd,J=8.2, 6.7, 1.4), 8.00(1H,dd,J=8.0, 1.4), 11.31(1H,br s)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, DMSO−d) :
δ= 10.48, 14.15, 22.26, 28.49, 28.80, 28.92, 29.04, 31.43, 31.84, 113.87, 117.73, 122.39, 123.06, 125.18, 131.05, 139.36, 149.82, 176.39
−構造式(5)で表される化合物の製造−
アルゴン雰囲気下、前記構造式(21)で表される化合物(800mg、2.95mmol)をTHF(20mL)に溶解させ、リチウムt−ブトキシドのTHF溶液(4.4mL、4.42mmol)を加え室温下で20分間撹拌させた。次いでメチルブロモ酢酸(1.4mL、14.7mmol)を加え更に還流下12時間撹拌させた。水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(5)で表される化合物(780mg、76%)を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(5)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C2129
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 344.2222 (M+H)
計算値 344.2220 (C2130Nとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2953, 2922, 1743, 1635, 1617, 1558, 1507, 1214, 994, 760, 688
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.89(3H,t,J=6.6), 1.21−1.51(10H,m), 1.60(2H,m), 2.22(3H,s), 2.74(2H,br), 3.80(3H,s), 4.90(2H,s), 7.20(1H,d,J=8.7), 7.33(1H,ddd,J=8.0, 6.8, 0.7), 7.58(1H,ddd,J=8.7, 7.1, 1.6), 8.47(1H,dd,J=8.0, 1.6)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.65, 14.06, 22.60, 28.06, 29.13, 29.17, 29.75, 30.93, 31.75, 48.47, 53.01, 114.19, 117.55, 123.11, 124.79, 127.30, 131.89, 140.66, 150.66, 168.69, 177.39
(製造例5)
<構造式(6)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(6)で表される化合物を製造した。
−構造式(6)で表される化合物の製造−
前記構造式(5)で表される化合物(890mg、2.59mmol)をエタノール(以下、「EtOH」と称することがある。5mL)とTHF(5mL)の混合溶媒に溶解させ、2M水酸化ナトリウム水溶液(2.0mL)を加え室温下で2時間撹拌させた。氷浴下1N塩酸を加えpHを4に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去させ、構造式(6)で表される化合物(530mg、62%)を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(6)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 161℃〜163℃
(3) 分子式 : C2027
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 330.2063 (M+H)
計算値 330.2064 (C2028Nとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2955, 2925, 2853, 1725, 1635, 1593, 1506, 1191, 976, 760, 689
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.87(3H,t,J=6.4), 1.20−1.65(12H,m), 2.19(3H,s), 2.80(2H,br), 4.98(2H,br), 7.26(1H,t,J=8.0), 7.42(1H,d,J=8.7), 7.54(1H,ddd,J=8.7, 6.8, 1.1), 8.39(1H,dd,J=8.0, 1.1)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.91, 14.06, 22.68, 27.85, 29.12, 29.78, 31.26, 31.73, 49.71, 115.46, 117.21, 123.86, 123.94, 126.69, 132.47, 140.53, 154.22, 169.35, 176.57
(製造例6)
<構造式(1)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(1)で表される化合物を製造した。
−構造式(1)で表される化合物の製造−
前記構造式(21)(100mg、0.37mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と称することがある。5mL)に溶解させ、炭酸カリウム(332mg、2.40mmol)、メチルブロモ酢酸(53.0mL、0.56mmol)を加え80℃で12時間撹拌させた。水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(1)で表される化合物(83.0mg、66%)を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(1)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C2129
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 344.2221 (M+H)
計算値 344.2220 (C2130Nとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2953, 2925, 2854, 1765, 1618, 1596, 1437, 1123, 968, 768, 680
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.87(3H,t,J=6.6), 1.20−1.48(10H,m), 1.71(2H,m), 2.43(3H,s), 2.95(2H,m), 3.86(3H,s), 4.62(2H,s), 7.47(1H,ddd,J=8.2, 6.8, 1.1), 7.62(1H,ddd,J=8.4, 6.8, 1.3), 8.00(1H,d,J=8.4), 8.05(1H,d,J=8.2)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.90, 14.08, 22.63, 28.99, 29.23, 29.49, 29.86, 31.83, 37.02, 52.32, 70.26, 120.85, 120.73, 121.39, 121.76, 125.73, 128.82, 128.85, 147.84, 159.03, 164.32, 168.95
(製造例7)
<構造式(2)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(2)で表される化合物を製造した。
−構造式(2)で表される化合物の製造−
前記構造式(1)で表される化合物(80.0mg、0.233mmol)をEtOH(1mL)とTHF(1mL)の混合溶媒に溶解させ、2M水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL)を加え室温下で2時間撹拌させた。氷浴下1N塩酸を加えpHを4に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去させ、構造式(2)で表される化合物(68.2mg、88%)を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(2)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 59℃〜62℃
(3) 分子式 : C2027
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 330.2064 (M+H)
計算値 330.2064 (C2028Nとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2927, 2855, 2713, 1736, 1642, 1589, 1227, 1181, 1078, 764, 724
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(600MHz, Methanol−d) :
δ= 0.88(3H,t,J=6.8), 1.25−1.41(8H,m),1.50(2H,m), 1.78(2H,m), 2.54(3H,s), 3.15(2H,t,m), 4.92(2H,s), 7.54(1H,ddd,J=8.2, 7.2, 1.0), 7.92(1H,ddd,J=8.5, 6.8, 1.0), 8.07(1H,brd,J=8.5), 8.42(1H,brd,J=8.2)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(150MHz, Methanol−d) :
δ= 12.23, 14.40, 23.67, 29.93, 30.27, 30.34, 30.74, 32.97, 35.07, 72.72, 122.81, 123.71, 123.85, 124.62, 129.16, 133.85, 142.14, 164.30, 167.46, 171.91
(製造例8)
<構造式(7)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(7)で表される化合物を製造した。
−構造式(7)で表される化合物の製造−
前記構造式(21)で表される化合物(50.0mg、0.184mmol)をTHF(1.0mL)に溶解させ、リチウムt−ブトキシド(29.4mg、0.37mmol)を加え室温下で20分撹拌させた。次いでシアン化臭素(0.6mL、1.84mmol)を加え室温下で2時間撹拌させた。水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(7)で表される化合物(34.0mg、62%)を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(7)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C1924ON
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 297.1961 (M+H)
計算値 297.1961 (C1925ONとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2961, 2926, 2853, 2237, 1628, 1576, 1470, 1292, 1191, 761, 693
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.87(3H,t,J=6.8), 1.20−1.50(10H,m), 1.71(2H,m), 2.15(3H,s), 2.93(2H,m), 7.47(1H,m), 7.73(2H,m), 8.33(1H,ddd,J=8.0, 0.92, 1.1)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.20, 14.05, 22.59, 28.00, 29.07, 29.11, 29.42, 31.73, 31.80, 106.42, 116.28, 120.30, 123.35, 126.23, 127.08, 133.34, 137.25, 146.10, 177.31
(製造例9)
<構造式(9)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(9)で表される化合物を製造した。
−構造式(9)で表される化合物の製造−
前記構造式(6)で表される化合物(100mg、0.30mmol)をTHF(5mL)に懸濁させ、トリエチルアミン(50.8mL、0.36mmol)、ジフェニルリン酸アジド(以下、「DPPA」と称することがある。72.0mL、0.33mmol)、ナトリウムチオメトキシド(23.0mg、0.334mmol)を加え還流下2時間撹拌した。塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、構造式(9)で表される化合物(39.3mg、36%)を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(9)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C2129NS
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 360.1994 (M+H)
計算値 360.1992 (C2130NSとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2924, 2852, 1687, 1614, 1594, 1542, 1193, 1028, 757, 558
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.88(3H,t,J=6.4), 1.20−1.50(10H,m), 1.60(2H,br), 2.23(3H,s), 2.33(3H,s), 2.51−2.99(2H,br), 5.01(2H,br), 7.21(1H,d,J=8.7), 7.34(1H,dd,J=8.0、6.6), 7.58(1H,ddd,J=8.7, 6.6, 1.4), 8.47(1H,dd,J=8.0, 1.4)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.38, 11.68, 14.06, 22.60, 28.16, 29.13, 29.16, 29.75, 31.03, 31.74, 55.95, 114.61, 117.94, 123.32, 127.29, 131.97,132.02, 140.73, 150.65, 177.49, 196.82
(製造例10)
<構造式(10)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(10)で表される化合物を製造した。
−構造式(10)で表される化合物の製造−
前記構造式(6)で表される化合物(100mg、0.30mmol)をTHF(5mL)に懸濁させ、トリエチルアミン(50.8mL、0.365mmol)、DPPA(72.0mL、0.33mmol)を氷冷下で加え、更に還流下1時間撹拌した。そこへナトリウムチオメトキシド(23.0mg、0.33mmol)を加え、更に1時間撹拌した。塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を芒硝乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、構造式(10)で表される化合物(48.6mg、43%)を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(10)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C2130
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 397.1921 (M+Na)
計算値 397.1920 (C2130NaSとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 3169, 2955, 2927, 1671, 1615, 1595, 1556, 1492, 1195, 1084, 760, 651
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(600MHz, CDCl) :
δ= 0.89(3H,t,J=6.7), 1.22−1.45(15H,m), 2.45(2H,br), 2.46(3H,s), 5.67(2H,br), 7.24(1H,ddd,J=7.9, 6.8, 1.0), 7.49(1H,d,J=8.6), 7.59(1H,ddd,J=8.6, 6.8, 1.4), 8.26(1H,dd,J=7.9, 1.4), 8.78(1H,br)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(150MHz, CDCl) :
δ= 11.05, 12.22, 14.02, 22.59, 28.48, 29.11, 29.16, 29.73, 30.73, 31.77, 52.58, 115.46, 117.00, 123.24, 124.37, 126.89, 132.32, 139.56, 151.60, 168.61, 177.27
(製造例11)
<構造式(11)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(11)で表される化合物を製造した。
−構造式(15)で表される化合物の製造−
アルゴン雰囲気下、前記構造式(14)で表される化合物(1当量)を塩化メチレンに溶解させ、トリエチルアミン(2当量)を加えた。更に氷浴下で酸塩化物であるオクタノイルクロリド(3.0当量)を滴下し、室温下で撹拌させた。0.1N塩酸で反応を停止し、塩化メチレンで抽出し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄した。合わせた有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)で精製し、構造式(15)で表される化合物を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(15)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 無色油状物
(2) 分子式 : C1725
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 298.1777 (M+Na)
計算値 298.1778 (C1725NNaとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りであった。
νmax(KBr)cm−1 : 3255, 2954, 2928, 1698, 754
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.87(3H,t,J=6.6), 1.20−1.41(11H,m), 1.74(2H,m), 2.43(2H,t,J=7.5), 3.08(2H,q,J=7.1), 7.09(1H,ddd,J=8.2, 7.1, 1.4), 7.53(1H,ddd,J=8.4, 7.1, 1.4), 7.92(1H,dd,J=8.2, 1.4), 8.77(1H,dd,J=8.4, 1.4), 11.65(1H, br)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 8.44, 14.05, 22.59, 25.53, 28.98, 29.16, 31.67, 33.13, 38.78, 120.83, 121.37, 122.11, 130.56, 134.82, 141.06, 172.78, 205.36
−構造式(20)で表される化合物の製造−
前記構造式(15)で表される化合物(1当量)のジオキサン0.1M溶液に水酸化ナトリウム(3.0当量)を加え、110℃で1時間〜2時間撹拌させた。反応溶液を室温まで戻し、水を加え、更に1N塩酸をpHが7になるまで加えた。更に、ヘキサンを加え超音波をかけると固体が析出した。固体を吸引濾過し、水、ヘキサンで洗浄した。洗浄後乾燥させ、構造式(20)で表される化合物を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(20)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 228℃〜231℃
(3) 分子式 : C1723ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 258.1853 (M+H)
計算値 258.1852 (C1724ONとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りであった。
νmax(KBr)cm−1 : 3061, 2954, 2925, 1637, 1608, 1556, 1504, 1188, 998, 754, 692
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, Methanol−d) :
δ= 0.88(3H,t,J=6.6), 1.30−1.46(8H,m), 1.65−1.73(2H,m), 2.14(3H,s), 2.78(2H,t,J=7.7), 7.32(1H,t,J=8.1), 7.52(1H,d,m), 7.61(1H,m), 8.21(1H,d,J=8.2)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, Methanol−d) :
δ= 10.84, 14.40, 23.68, 29.99, 30.16, 30.54, 32.91, 33.45, 116.16, 118.67, 124.38, 124.51, 126.15, 132.65, 140.55, 153.37, 179.53
−構造式(11)で表される化合物の製造−
アルゴン雰囲気下、前記構造式(20)で表される化合物(1.0g、3.89mmol)をTHF(10mL)に溶解させ、リチウムt−ブトキシドのTHF溶液(5.8mL、5.80mmol)を加え室温下で20分撹拌させた。そこへ氷冷下、チオシアン酸クロロメチル(6.7mL、38.9mmol)を滴下し、更に室温下で2時間撹拌させた。食塩水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層を芒硝乾燥後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(11)で表される化合物(330mg、26%)を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(11)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 黄色油状物
(2) 分子式 : C1924ON
(3) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 329.1682 (M+H)
計算値 329.1682 (C1925ONSとして)
(4) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2961, 2926, 2853, 2237, 1628, 1576, 1470, 1292, 1191, 987, 761, 693
(5) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.90(3H,t,J=6.6), 1.23−1.71(10H, m), 2.19(3H,s), 2.84(2H,m), 5.71(2H,s), 7.38(1H,ddd,J=8.0,6.8,0.9), 7.46(1H,d,J=8.7), 7.68(1H,ddd,J=8.7, 6.8, 1.6), 8.45(1H,dd,J=8.0, 1.6)
(6) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.60, 14.05, 22.56, 28.59, 28.88, 29.76, 30.55, 31.66, 56.26, 114.42, 118.19, 123.83, 124.60, 127.31, 132.41, 139.86, 141.68, 149.60, 177.64
(製造例12)
<構造式(12)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(12)で表される化合物を製造した。
−構造式(12)で表される化合物の製造−
前記構造式(11)で表される化合物(100mg、0.30mmol)とナトリウムチオメトキシド(23.4mg、0.33mmol)の混合物にアセトニトリル(1.5mL)を加え室温下で20分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を芒硝乾燥後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(12)で表される化合物(31.7mg、27%)を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(12)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 黄色粉体
(2) 融点 : 167℃〜170℃;
(3) 分子式 : C2028ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 399.1534 (M+Na)
計算値 399.1535 (C2028ONNaSとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 3119, 2958, 2918, 2850, 1619, 1598, 1538, 1282, 1199, 1105, 938, 764, 688
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.86(3H,t,J=6.6), 1.21−1.50(13H,m), 2.22−2.58(2H,br), 2.76(3H,s), 5.68−6.41(2H,br), 7.22(1H,t,J=7.8), 7.44(1H,d,J=8.7), 7.59(1H,ddd,J=8.7, 7.8, 1.1), 8.15(1H,d,J=7.8), 10.09(1H, br)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 10.74, 14.02, 18.01, 22.53, 28.29, 28.77, 29.64, 30.85, 31.59, 58.21, 115.93, 116.84, 123.54, 123.91, 126.35, 132.65, 139.39, 152.23, 177.13, 199.84
(製造例13)
<構造式(13)で表される化合物の製造>
以下のようにして、化学合成により、前記構造式(13)で表される化合物を製造した。
−構造式(13)で表される化合物の製造−
前記構造式(11)で表される化合物(50.0mg、0.15mmol)とナトリウムチオメトキシド(10.6mg、0.15mmol)の混合物にアセトニトリル(1.5mL)を加え室温下で20分間撹拌した。次いで、室温下でヨウ化メチル(8.5mL、0.17mmol)を加え更に30分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を芒硝乾燥後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、構造式(13)で表される化合物(30.6mg、51%)を得た。
−−物理化学的性質−−
前記構造式(13)で表される化合物の物理化学的性質としては、次の通りであった。
(1) 外観 : 白色粉体
(2) 融点 : 92℃〜94℃
(3) 分子式 : C2130ON
(4) 高分解能質量分析(HRESI−MS)(m/z) :
実験値 413.1689 (M+Na)
計算値 413.1692 (C2130ONNaSとして)
(5) 赤外線吸収スペクトル :
KBr錠剤法で測定した赤外線吸収のピークは、以下の通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 2958, 2922, 2852, 1618, 1595, 1566, 1492, 1370, 1277, 1192, 1004, 769, 700
(6) プロトン核磁気共鳴スペクトル(400MHz, CDCl) :
δ= 0.89(3H,t,J=6.8), 1.24−1.50(8H,m), 1.64(2H,m), 2.22(3H,s), 2.28(3H,s), 2.71(3H,s), 2.77(2H,m), 5.60(2H,s), 7.31(2H,m), 7.55(1H,ddd,J=8.4, 7.1, 1.6), 8.46(1H,dd,J=8.0, 1.6)
(7) 炭素13核磁気共鳴スペクトル(100MHz, CDCl) :
δ= 11.50, 14.06, 14.75, 15.03, 22.61, 28.28, 28.92, 29.83, 30.66, 31.76, 63.75, 115.84, 116.97, 122.77, 124.81, 126.75, 131.27, 141.06, 151.35, 161.39, 177.54
(試験例1:In vitroの抗がん活性)
前記製造例1から13で得られた構造式(1)から(13)で表される化合物のIn vitroの抗がん活性を以下のようにして試験した。
<細胞増殖試験1(ヒト胃がん細胞MKN−74)>
−細胞の調製−
ヒト胃がん細胞MKN−74(理研セルバンク)を、10%FBS(GIBCO社製)、100units/mLのペニシリンG(Invitrogen社製)、100μg/mLのストレプトマイシン(Invitrogen社製)を添加したDMEMで、37℃、5% COで培養した。
前記がん細胞に、Green fluorescence protein(GFP)発現ベクターpEGFP−C1(BD Biosciences社製)を、Lipofectamine試薬(Invitrogen社製)を用いて遺伝子導入し、安定的にGFPを発現した細胞をクローニングした。
ヒト胃由来の正常間質細胞Hs738((CRL−7869)、ATCC)は、10%FBS、100units/mLのペニシリンG(Invitrogen社製)、100μg/mLのストレプトマイシン(Invitrogen社製)、5μg/mLのインスリン、5μg/mLのトランスフェリン(和光純薬工業社製)、1.4μMのヒドロコルチゾン(Sigma社製)、5mg/mLのbasic−FGF(Pepro Tech社製)を添加したDMEMで、37℃、5% COで培養した。
−共培養試験−
前記ヒト胃由来の正常間質細胞Hs738を、1%透析血清、5μg/mLのインスリン、5μg/mLのトランスフェリン(和光純薬工業社製)、1.4μMのヒドロコルチゾン(Sigma社製)を含むDMEMで5×10個/mLに分散させ、96ウェルプレートに0.1mL/ウェルずつ撒き、各評価サンプル(構造式(1)から(13)で表される化合物)を各濃度で加え、37℃、5% COで2日間培養した。
次に、前記ヒト胃がん細胞MKN−74を、DMEMで5×10個/mLに分散させ、前記ヒト胃由来の正常間質細胞Hs738を培養したプレートに、10μL/ウェルずつ撒き、更に37℃、5% COで3日間共培養した。
−単独培養試験−
1%透析血清、5μg/mLのインスリン、5μg/mLのトランスフェリン(和光純薬工業社製)、1.4μMのヒドロコルチゾン(Sigma社製)を含むDMEMのみを96ウェルプレートに0.1mL/ウェルずつ撒き、各評価サンプル(構造式(1)から(13)で表される化合物)を各濃度で加え、37℃、5% COで2日間維持した。
次に、前記ヒト胃がん細胞MKN−74を、DMEMで5×10個/mLに分散させ、前記プレートに、10μL/ウェルずつ撒き、更に37℃、5% COで3日間共培養した。
−細胞増殖率の測定−
前記共培養試験、及び単独培養試験における細胞増殖率の測定は、以下のようにして行った。
前記プレートのウェルから培地を除去し、細胞溶解液(10mM Tris−HCl[pH 7.4]、150mM NaCl、0.9mM CaCl、1% Triton X−100)を0.1mL/ウェルずつ加え細胞を溶解し、GFPの蛍光強度を、励起波長485nm、蛍光波長538nmで測定し、下記式から、細胞増殖率を算出した。前記細胞増殖率の結果から、IC50を算出した結果を表1に示した。
細胞増殖率(%)=(評価サンプルありの蛍光強度/評価サンプルなしの蛍光強度)×100
表1における値は、2連の平均値を示し、標準誤差(SE)は、10%以下であった。
表1中、「Mono」は、単独培養試験の結果を示し、「Cocul」は、共培養試験の結果を示す。
表1に示したように、前記構造式(1)から(13)で表される13化合物は、いずれも胃がん細胞MKN−74のみの培養(Mono)と比較して、胃間質細胞と共培養したとき(Cocul)の胃がん細胞MKN−74の増殖をより低濃度のIC50値で強く阻害した。
(試験例2:In vivoの抗がん活性)
前記製造例で得られた構造式(2)で表される化合物、及び構造式(13)で表される化合物のIn vivoの抗がん活性を以下のようにして試験した。
<試験例2−1:ヒト胃がん細胞MKN−74単独>
BALB/c nu/nuヌードマウス(雌、5週齢、チャールズリバー社製)をSPF条件下にて飼育した。
培養したヒト胃がん細胞MKN−74をトリプシン処理し、培養ディッシュから剥がした前記ヒト胃がん細胞MKN−74(8×10個)を0.3mLの10%FBSを含むDMEMに分散し、0.5mLのgrowth factor−reduced Matrigel(BD Biosciences社製)と混合した。
前記混合した細胞液0.1mL(がん細胞1×10個)を前記マウスの左鼠脛部に皮下接種した。
前記構造式(2)で表される化合物、又は構造式(13)で表される化合物を静脈内に所定の期間投与し、皮下にできた腫瘍を切り出し、その重量を測定した。なお、前記構造式(2)で表される化合物、又は構造式(13)で表される化合物の投与量は、投与日あたりの量として、12.5mg/kgとした。
また、腫瘍体積は、前記非特許文献1を参照し、以下の式から算出した。
腫瘍体積(mm)=(長径×短径)/2
なお、対照として、構造式(2)で表される化合物、又は構造式(13)で表される化合物に代えて、生理食塩水を投与したもの(vehicle)も同様にして試験した。
<試験例2−2:ヒト胃がん細胞MKN−74及びヒト胃由来の正常間質細胞Hs738>
試験例2−1において、ヒト胃がん細胞MKN−74を単独で使用していた点を、ヒト胃がん細胞MKN−74及びヒト胃由来の正常間質細胞Hs738とした以外は、試験例2−1と同様にして試験した。
なお、細胞液、及びマウスへの細胞液の接種は、以下のようにして行った。
培養したヒト胃がん細胞MKN−74及びヒト胃由来の正常間質細胞Hs738のそれぞれについて、トリプシン処理し、培養ディッシュから剥がした。前記ヒト胃がん細胞MKN−74(8×10個)と、前記ヒト胃由来の正常間質細胞Hs738(8×10個)とを0.3mLの10%FBSを含むDMEMに分散し、0.5mLのgrowth factor−reduced Matrigel(BD Biosciences社製)と混合した。
前記混合した細胞液0.1mL(がん細胞1×10個、及び間質細胞1×10個の混合)を前記マウスの左鼠脛部に皮下接種した。
前記試験例2の結果を図1Aから図1Dに示した。
図1Aは、前記試験例2−1における腫瘍体積の変化を示し、図1Bは、前記試験例2−1における腫瘍重量(腫瘍接種から21日目)を示し、図1Cは、前記試験例2−2における腫瘍体積の変化を示し、図1Dは、前記試験例2−2における腫瘍重量(腫瘍接種から21日目)を示す。
図1A、及び図1C中、「○」は、「vehicle」の結果を示し、「●」は、「構造式(2)で表される化合物の投与量が12.5mg/kg」の結果を示し、「□」は、「構造式(13)で表される化合物の投与量が12.5mg/kg」の結果を示す。また、図1A、及び図1C中、「矢印」は、構造式(2)で表される化合物、又は構造式(13)で表される化合物を投与した日を示す。
図1B、及び図1D中、「白」は、「vehicle」の結果を示し、「黒」は、「構造式(2)で表される化合物の投与量が12.5mg/kg」の結果を示し、「グレー」は、「構造式(13)で表される化合物の投与量が12.5mg/kg」の結果を示す。
図1Aから図1D中の値は、マウス5匹の平均値と標準偏差(SD)を表し、*は、P<0.05、**は、P<0.01を示す。
図1Aから図1Dに示されるように、ヒト胃がん細胞MKN−74単独では、構造式(2)で表される化合物 12.5mg/kgの静脈内投与によって有意に抑制された。
一方、ヒト胃由来の間質細胞Hs738と一緒に移植した腫瘍では、構造式(13)で表される化合物 12.5mg/kgの静脈内投与によって有意に抑制された。
(試験例3:急性毒性試験)
ICRマウス(雌、4週齢、チャールズリバー社製)をSPF条件下にて飼育した。
評価サンプルとして、前記構造式(1)から(13)で表される化合物を静脈内投与し、2週間マウスを観察した。2週間の観察期間中、死亡あるいは重篤な毒性が認められた投与量の2分の1量を本実験における最大耐容量(MTD)とした。結果を表2に示した。
前記表2の結果から、前記構造式(1)で表される化合物、構造式(2)で表される化合物、構造式(6)で表される化合物、構造式(9)で表される化合物、構造式(10)で表される化合物、構造式(12)で表される化合物、構造式(13)で表される化合物を静脈内投与した場合のMTDは、50mg/kg以上であることが分かった。
(試験例4:抗菌活性)
前記製造例で得られた構造式(2)で表される化合物、構造式(3)で表される化合物、構造式(4)で表される化合物、構造式(5)で表される化合物、構造式(6)で表される化合物、構造式(8)で表される化合物、構造式(11)で表される化合物、構造式(12)で表される化合物、及び構造式(13)で表される化合物の抗菌活性を以下のようにして試験した。
なお、比較として、クラリスロマイシン(Clarithromycin)、及びアンピシリン(ABPC)についても同様に試験した。
<試験例4−1:ヘリコバクター・ピロリ菌に対するMICの測定>
前記各化合物のヘリコバクター・ピロリ菌に対する最小発育阻害濃度(MIC)の測定を行った。
Helicobacter pylori JCM12093株、及びH. pylori JCM12095株を、HP培地(ブレインハートインフュージョンブロス培地(ベクトン・ディッキンソン社製)に10%ウシ胎仔血清(ライフテクノロジー社製)を添加)で37℃、微好気培養条件下(微好気条件(N:O:CO=85:5:10))で144時間静置培養した。培養終了後、培養液をHP培地で懸濁し、ヘリコバクター・ピロリ菌が2×10CFU/mL〜9×10CFU/mLになるよう希釈した。
各試験サンプル(前記各化合物、クラリスロマイシン、アンピシリン)は、HP培地でそれぞれ256mg/Lに調製した。ここから、2倍段階希釈を行い、0.0078mg/Lまで15段階の希釈を行った。
前記各濃度の試験サンプルを含むHP培地50μL/ウェルに、前記の希釈した各菌液をそれぞれ50μL/ウェル添加し、37℃、微好気培養条件下(微好気条件(N:O:CO=85:5:10))で144時間静置培養した。
培養終了後、各菌の増殖の有無を濁度にて目視して判定し、各菌株のMICを求めた。結果を表3に示した。
<試験例4−2:黄色ブドウ球菌及び大腸菌に対するMICの測定>
前記各化合物の黄色ブドウ球菌及び大腸菌に対する最小発育阻害濃度(MIC)の測定を行った。
Staphylococcus aureus FDA209P株、及びEscherichia coli K−12株を、普通ブイヨン培地(ポリペプトン(日本製薬社製)1%、細菌用魚エキス(極東製薬工業社製)1%、塩化ナトリウム0.2%)で、37℃で一晩振盪培養した。培養終了後、普通ブイヨン培地で、各細菌が2×10CFU/mL〜9×10CFU/mLになるよう希釈した。
各試験サンプル(前記各化合物、クラリスロマイシン、アンピシリン)は、普通ブイヨン培地でそれぞれ256mg/Lに調製した。ここから、2倍段階希釈を行い、0.125mg/Lまで11段階の希釈を行った。
前記各濃度の試験サンプルを含む普通ブイヨン培地50μL/ウェルに、前記の希釈した各菌液をそれぞれ50μL/ウェル添加し、37℃で一晩静置培養した。
培養終了後、各菌の増殖の有無を濁度にて目視して判定し、各菌株のMICを求めた。結果を表3に示した。
<試験例4−3:腸球菌に対するMICの測定>
前記各化合物の腸球菌に対する最小発育阻害濃度(MIC)の測定を行った。
Enterococcus faecalis JCM5803株を、ハートインフュージョンブロス培地(ベクトン・ディッキンソン社製)で、37℃で一晩振盪培養した。培養終了後、ハートインフュージョンブロス培地で希釈し、各細菌が2×10CFU/mL〜9×10CFU/mLになるよう希釈した。
各試験サンプル(前記各化合物、クラリスロマイシン、アンピシリン)は、ハートインフュージョンブロス培地でそれぞれ256mg/Lに調製した。ここから、2倍段階希釈を行い、0.125mg/Lまで11段階の希釈を行った。
前記各濃度の試験サンプルを含むハートインフュージョンブロス培地50μL/ウェルに、前記の希釈した各菌液をそれぞれ50μL/ウェル添加し、37℃で18時間静置培養した。
培養終了後、菌の増殖の有無を濁度にて目視して判定し、菌株のMICを求めた。結果を表3に示した。
<試験例4−4:インフルエンザ菌に対するMICの測定>
前記各化合物のインフルエンザ菌に対する最小発育阻害濃度(MIC)の測定を行った。
Haemophilus influenzae T−196株、及びH. influenzae ARD476株を、HI培地(Muller Hinton培地(ベクトン・ディッキンソン社製)に5%フィルズエンリッチメント(ベクトン・ディッキンソン社製)を添加)で、37℃、5%炭酸ガス含有好気条件下で一晩静置培養した。
培養終了後、培養液をHI培地で懸濁し、各インフルエンザ菌が2×10CFU/mL〜9×10CFU/mLになるよう希釈した。
各試験サンプル(前記各化合物、クラリスロマイシン、アンピシリン)は、HI培地でそれぞれ256mg/Lに調製した。ここから、2倍段階希釈を行い、0.125mg/Lまで11段階の希釈を行った。
前記各濃度の試験サンプルを含むHI培地50μL/ウェルに、前記の希釈した各菌液をそれぞれ50μL/ウェル添加し、37℃、5%炭酸ガス含有好気条件下で18時間静置培養した。
培養終了後、各菌の増殖の有無を濁度にて目視して判定し、各菌株のMICを求めた。結果を表3に示した。
表3に示されるように、前記各化合物は、抗ヘリコバクター・ピロリ活性を示した。これらの中でも、構造式(3)で表される化合物、構造式(11)で表される化合物、構造式(12)で表される化合物は、低濃度で抗ヘリコバクター・ピロリ活性を示した。
一方、前記各化合物は、他の一般的な感染症原因菌に対しては弱い抗菌活性であった。
本発明の構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物は、優れた抗がん作用、若しくは、優れた抗ヘリコバクター・ピロリ活性を有し、安全性の高い化合物であるため、医薬組成物、抗がん剤、抗ヘリコバクター・ピロリ剤などの有効成分として好適に利用可能である。

Claims (15)

  1. 下記構造式(12)、(1)から(3)、(5)から(7)、(9)から(11)、及び(13)のいずれかで表されることを特徴とする化合物。
    ただし、前記構造式(1)から(3)、(5)から(7)、(9)から(13)中、Meは、メチル基を表す。
  2. 下記構造式(12)で表される化合物の製造方法であって、
    アセトニトリルの存在下で、下記構造式(11)で表される化合物と、ナトリウムチオメトキシドとを反応させることを特徴とする化合物の製造方法。
    ただし、前記構造式(12)中、Meは、メチル基を表す。
  3. 下記構造式(11)で表される化合物の製造方法であって、
    下記構造式(20)で表される化合物と、アルカリ金属のアルコキシド、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物と、チオシアン酸クロロメチルとを反応させることを特徴とする化合物の製造方法。
  4. 下記構造式(3)、(4)、及び(8)のいずれかで表される化合物の製造方法であって、
    下記構造式(17)、(18)、及び(19)のいずれかで表される化合物と、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物の少なくともいずれかとを反応させることを特徴とする化合物の製造方法。
  5. 下記構造式(5)で表される化合物の製造方法であって、
    下記構造式(21)で表される化合物と、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ金属の炭酸塩、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物と、メチルブロモ酢酸とを反応させることを特徴とする化合物の製造方法。
    ただし、前記構造式(5)中、Meは、メチル基を表す。
  6. 下記構造式(6)で表される化合物の製造方法であって、
    下記構造式(5)で表される化合物と、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物のpHを酸性にすることを特徴とする化合物の製造方法。
    ただし、前記構造式(5)中、Meは、メチル基を表す。
  7. 下記構造式(1)で表される化合物の製造方法であって、
    下記構造式(21)で表される化合物と、アルカリ金属の炭酸塩、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかと、メチルブロモ酢酸とを反応させることを特徴とする化合物の製造方法。
    ただし、前記構造式(1)中、Meは、メチル基を表す。
  8. 下記構造式(2)で表される化合物の製造方法であって、
    下記構造式(1)で表される化合物と、アルカリ金属の水酸化物、及びアルカリ土類金属の水酸化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物のpHを酸性にすることを特徴とする化合物の製造方法。
    ただし、前記構造式(1)中、Meは、メチル基を表す。
  9. 下記構造式(7)で表される化合物の製造方法であって、
    下記構造式(21)で表される化合物と、アルカリ金属のアルコキシド、及びアルカリ金属の水素化物の少なくともいずれかとを反応させた後、前記反応物と、シアン化臭素とを反応させることを特徴とする化合物の製造方法。
  10. 下記構造式(9)で表される化合物の製造方法であって、
    下記構造式(6)で表される化合物と、3級アミン、及びピリジン類の少なくともいずれかと、ジフェニルリン酸アジドと、ナトリウムチオメトキシドとを反応させることを特徴とする化合物の製造方法。
    ただし、前記構造式(9)中、Meは、メチル基を表す。
  11. 下記構造式(10)で表される化合物の製造方法であって、
    下記構造式(6)で表される化合物と、3級アミン、及びピリジン類の少なくともいずれかと、ジフェニルリン酸アジドとを反応させた後、前記反応物とナトリウムチオメトキシドとを反応させることを特徴とする化合物の製造方法。
    ただし、前記構造式(10)中、Meは、メチル基を表す。
  12. 下記構造式(13)で表される化合物の製造方法であって、
    アセトニトリルの存在下で、下記構造式(11)で表される化合物と、ナトリウムチオメトキシドとを反応させた後、前記反応物と、メチル化剤とを反応させることを特徴とする化合物の製造方法。
    ただし、前記構造式(13)中、Meは、メチル基を表す。
  13. 下記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物を含むことを特徴とする化合物含有組成物。
    ただし、前記構造式(1)から(13)中、Meは、メチル基を表す。
  14. 下記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物を含むことを特徴とする抗がん剤。
    ただし、前記構造式(1)から(13)中、Meは、メチル基を表す。
  15. 下記構造式(1)から(13)のいずれかで表される化合物を含むことを特徴とする抗ヘリコバクター・ピロリ剤。
    ただし、前記構造式(1)から(13)中、Meは、メチル基を表す。
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