[0001] 本開示の態様は、一般にワイヤレス通信システムに関し、より具体的には、直交周波数分割多重(OFMD)システムにおいて隣接セル(neighboring cells)のために周波数ダイバーシチ利得を活用する装置および方法に関する。
[0002] ワイヤレスシステムにおける隣接セル測定は、一般に、基準パイロット(Reference Pilot)(RP)信号に基づいて実行される。典型的にOFDMシステムでは、RP信号はシステムの帯域幅(bandwidth)(BW)にわたる(span)。しかしながら、RP信号は、所定の周期性を有する周波数トーンおよびある特定のシンボルにのみ存在する。これはオーバヘッドを低減するだけでなく、時間および周波数ダイバーシチを提供する。
[0003] 一般に、OFDMシステムにおけるBW全体にわたっての隣接セル測定(neighboring cell measurements)は、膨大なメモリと著しい高速フーリエ変換(FFT)計算リソースを必要とする。ゆえに、隣接のセル測定は典型的に最小BW(a minimum BW)に制限される。例えば、3GPP LTEシステムでは、最小BWは1.44Mhzである。その結果、最小BWへの制限が、OFMDシステムの周波数ダイバーシチ利得を低減し、それはまた、BW全体にわたり測定される、サービングセルと隣接セル測定との比較をバイアスし得る。これは次々に、高周波数選択性チャネル(high frequency selective channel)においてアイドルモードおよび接続モード(connected mode)ハンドオーバ(HO)に影響を与える。
[0004] したがって、本発明の態様は、最小BW測定に必要とされる同じレベルのFFT処理要件を維持しながら、隣接セル測定の周波数ダイバーシチ利得を改善するための装置および方法を提供する。
[0005] 図1は、ワイヤレス通信システムにおける呼処理(call processing)の例示的な態様を例示する概略図である。
[0006] 図2は、ワイヤレス通信システムにおいて受信されたワイヤレス信号のBW測定の機能性および動作を例示する概略図である。
[0007] 図3は、ワイヤレス通信システムにおけるBW測定の例示的な方法を例示する流れ図である。
[0008] 図4は、本明細書に説明される機能を実行するための処理システムを用いる装置に関するハードウェア実装の例を例示するブロック図である。
[0009] 図5は、本明細書に説明される機能を実行するように構成されたUEを含む電気通信システムの例を概念的に例示するブロック図である。
[0010] 図6は、本明細書に説明される機能を実行するように構成されたUEと共に使用するためのアクセスネットワークの例を例示する概念図である。
[0011] 図7は、本明細書に説明される機能を実行するように構成されたUEおよび/または基地局のためのユーザおよび制御プレーンに関する無線プロトコルアーキテクチャの例を例示する概念図である。
[0012] 図8は、本明細書に説明される機能を実行するように構成された、電気通信システムにおいてUEと通信するノードBの例を概念的に例示するブロック図である。
[0013] 付録Aもまたここに添付され、本明細書の装置および方法の態様の追加的な図および説明を含む。
発明の詳細な説明
[0014] 添付の図面に関連して以下に説明する詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されているものであり、ここに説明される概念が実施され得る唯一の構成を表すように意図されてはいない。詳細な説明は、様々な概念の徹底した理解を提供するために特定の詳細を含む。しかしながら、これらの概念が、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは、当業者に明白であるだろう。ある場合には、周知の構造およびコンポーネントは、そのような概念を曖昧にするのを避けるためにブロック図の形で示される。
[0015] 上述したように、隣接セル測定要求に関連する1つの課題は、そのような測定が、膨大なメモリおよび著しい高速フーリエ変換(FFT)計算リソースを必要とすることである。この問題を克服するために、本発明の態様は、最小BW測定に必要とされる同じレベルのメモリおよびFFT処理要件を維持しながら、隣接セル測定の周波数ダイバーシチ利得を改善するメカニズムを提供する。
[0016] したがって、本明細書の装置および方法の態様は、OFDMシステムにおける隣接セル測定のために周波数ダイバーシチ利得を活用し、それによってメモリ及び処理リソースをリザーブ(reserve)するように、設計されている。
[0017] 図1は、ネットワーク12とユーザ装置(UE)14との間のワイヤレス通信を含むように構成されたワイヤレス通信システム10を開示する。このワイヤレス通信システムは、多数のユーザ間の通信をサポートするように構成され得る。図1は、ネットワーク12がUE14と通信する方法を例示する。ワイヤレス通信システム10は、ネットワーク12とUE14との間の上向き/下向き矢印によって表されている、ダウンリンクメッセージ送信またはアップリンクメッセージ送信のために構成されることができる。
[0018] ある態様では、UE14の中に呼処理コンポーネント40が存在する。呼処理コンポーネント40は、とりわけ、ネットワーク12からの信号から信号を受信することができる受信(RX)コンポーネント42を含むように構成され得る。呼処理コンポーネント40はまた、ある特定の測定領域に関して受信された信号の最小帯域幅(a minimum bandwidth)を測定するためのBW測定コンポーネント42を含むように構成され得る。適切なサンプリングのために必要な最小BWを決定するための測定領域は、ナイキスト周波数(Nyquist frequency)(2N+1)に基づく。
[0019] さらに、BW測定コンポーネント42はまた、隣接セルの最小BWサンプリングに関して図2で説明されることになるシフトコンポーネント(shifting component)46および回転コンポーネント(rotating component)48を含むようにも構成され得る。
[0020] したがって、本明細書の装置および方法は、OFDMシステムにおける隣接セル測定の間、メモリ及び処理リソースをリザーブするように構成されるUEベースの呼処理コンポーネント40を含む。
[0021] 図2は、呼処理コンポーネント(図1)に存在するBW測定コンポーネント42の機能性および動作をさらに例示する概略図である。前述したように、BW測定コンポーネント42は、ある特定の測定領域に関して受信された信号の最小帯域幅を測定する。具体的には、BW測定コンポーネント42は、シフトコンポーネント46および回転コンポーネント48に基づいて、受信された信号の最小帯域幅を測定する。
[0022] シフトコンポーネント46は、周波数オフセットに基づいて信号の測定領域をシフトさせ(shift)、一方、回転コンポーネント48は、信号の測定領域を正の周波数オフセットから負の周波数オフセットへ代替的に(alternatively)回転させる(rotate)。言い換えれば、UEが信号を受信したあと、BW測定コンポーネント42は、信号の最小帯域幅を測定するが、信号の測定領域を+ve、−ve、およびゼロ周波数オフセット分シフトさせる(shift・・・by a +ve, -ve, and a zero frequency offset)。これは、入力信号(incoming signal)の測定領域を、正の周波数オフセットから負の周波数オフセットへ代替的に回転させる(alternatively rotating the measurement region of the incoming signal from a positive frequency offset to a negative frequency offset)ことによって達成され得る。
[0023] 言い換えれば、BW測定コンポーネント42の基本原理は、所与の時間に受信された信号の同じ最小帯域幅を測定し、そして周波数オフセットに基づいて、DCを中心とした測定領域(a DC centered measurement region)から、+veおよび−ve測定領域(a +ve and -ve measurement region)へ、測定領域をシフトさせる。これは、受信機のフロントエンドモジュールにおいて、受信された信号の入力時間ドメインサンプルを回転させることによって達成される、ということに留意されたい。
[0024] 例えば、全ての測定機会において、適切な正の周波数シフトを選択し、受信された信号のその部分上で最小帯域幅の測定を実行する。その後、最小帯域幅の測定を、受信された信号の負の側(negative side)へ適切な周波数シフト分、シフトさせる(shift ・・・by the appropriate frequency shift to・・・)。この、正から負への回転(rotation from positive to negative)は、適切な位相ランプ(phase ramp)を利用することによって実行される。
[0025] N個の異なる+veおよび−veシフトを選択すること、およびナイキスト周期で(by the Nyquist period)受信された信号の測定を巡回させること(cycling)により、隣接セルへのHOをバイアスすることが低減されることに留意されたい。
[0026] 図3の信号グラフは、BW測定コンポーネント42の機能的な動作の例示的な態様を例示する。UE14が、例えばグラフにあるもののような、ある信号を受信すると、BW測定コンポーネント42は、中心またはゼロシフトで生じる、この場合には1.44Mhzについて、ある特定の領域に関する最小帯域幅の測定を実行する。第1の測定の後に、シフトコンポーネント46は、最小帯域幅の測定を+veシフト分シフトさせ、そしてBW測定コンポーネント42は、再び1.44Mhzに関して、最小帯域幅の測定を実行する。その後、回転コンポーネント48は次に、BW測定コンポーネント42を回転させ、受信された信号の正の側および受信された信号の負の側の両側で、代替的に測定を実行する。前述したように、BW測定に関するこのメカニズムは、セルのBW全体にわたる隣接セル電力のより正確な推定を提供し、それにより、隣接セルへのHOに対するバイアスを防ぐ。
[0027] 図3は、例示的な方法80を例示する流れ図である。82において、UEは隣接セルから信号を受信する。中心またはゼロシフトにおいて、ある測定領域に関して受信された信号の最小帯域幅を測定すること(Measuring a minimum bandwidth of the received signal for a measurement region at a center or zero shift)が、84において起こる。86において、UEは、周波数オフセットに基づいて信号の測定領域をシフトさせる。最後に、信号の測定領域を、代替的に正の周波数オフセットから負の周波数オフセットへ回転させる(rotating the measurement region of the signal alternatively from a positive frequency offset to a negatively frequency offset)ことが、88において起こる。ある態様では、例えば、方法を実行するUEは、呼処理コンポーネント40(図1)またはそれのそれぞれのコンポーネントを実行しているUE14(図1)であり得る。
[0028] 図4は、本明細書に説明される、データの処理および復号を実行するための処理システム114を用いる装置100に関するハードウェア実装の例を例示するブロック図である。この例では、処理システム114は、概してバス102によって表されるバスアーキテクチャを用いて実現され得る。バス102は、処理システム114の特定の用途および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バス102は、概してプロセッサ104により表される1つ以上のプロセッサ、および概してコンピュータ読み取り可能な媒体106により表される複数のコンピュータ読み取り可能な媒体を含む様々な回路を共につなぐ(link together)。バス102はまた、タイミングソース、周辺機器、電圧レギュレータ、および電力管理回路のような、様々な他の回路もつなぎ得るが、これらは、当該技術で周知であるため、これ以上説明されることはない。バスインタフェース108は、バス102とトランシーバ110との間のインタフェースを提供する。トランシーバ110は、伝送媒体を介して他の様々な装置と通信するための手段を提供する。装置の性質に応じて、ユーザインタフェース112(例えば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカー、マイクロフォン、ジョイスティック)もまた提供され得る。
[0029] プロセッサ104は、コンピュータ読み取り可能な媒体106に記憶されたソフトウェアの実行を含む一般的な処理およびバス102の管理を担当する。ソフトウェアは、プロセッサ104によって実行されると、処理システム114に、任意の特定の装置に関して以下に説明される様々な機能を実行させる。コンピュータ読み取り可能な媒体106はまた、ソフトウェアを実行する際にプロセッサ104によって操作されるデータを記憶するために使用され得る。
[0030] ある態様では、プロセッサ104、コンピュータ読み取り可能な媒体106、または両方の組み合わせは、本明細書に説明される呼処理コンポーネント40(図1)の機能を実行するように構成され得る、または別の方法では、そのように特にプログラムされ得る。
[0031] 本開示の全体にわたって提示される様々な概念は、多種多様な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、通信規格にわたって実現され得る。
[0032] 図5を参照すると、限定ではなく例として、本開示の態様は、W−CDMAエアインタフェースを用いるUMTSシステム200に関連して提示される。UMTSネットワークは、3つの相互作用するドメイン、すなわち、コアネットワーク(CN)204、UMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)202、およびユーザ装置(UE)210を含む。UE210は、例えば、上述した呼処理コンポーネント40(図1)を含むように構成され得る。この例では、UTRAN202は、電話、ビデオ、データ、メッセージング、ブロードキャスト、および/または他のサービス含む様々なワイヤレスサービスを提供する。UTRAN202は、無線ネットワークコントローラ(RNC:Radio Network Controller)206等のそれぞれのRNCによって各々が制御される、無線ネットワークサブシステム(RNS:Radio Network Subsystems)207等の複数のRNSを含み得る。ここで、UTRAN202は、ここに例示されたRNC206およびRNS207に加えて、いくつでもRNC206およびRNS207を含み得る。RNC206は、とりわけ、RNS207内で無線リソースを割り当てること、再構成すること、割り当て解除(release)することを担当する装置である。RNC206は、任意の好適なトランスポートネットワークを使用して、直接物理接続、仮想ネットワークなど、様々なタイプのインタフェースを通してUTRAN202中の他のRNC(図示せず)と相互接続され得る。
[0033] UE210とノードB208の間の通信は、物理(PHY)レイヤと媒体アクセス制御(MAC)レイヤとを含むと見なされ得る。さらに、それぞれのノードB208を介したUE210とRNC206との間の通信は、無線リソース制御(RRC:radio resource control)レイヤを含むと見なされ得る。本明細書では、PHYレイヤはレイヤ1と見なされ得、MACレイヤはレイヤ2と見なされ得、RRCレイヤはレイヤ3と見なされ得る。以下の情報では、参照により本明細書に組み込まれる、RRC プロトコル仕様、3GPP TS25.331に紹介されている用語を利用する。
[0034] RNS207によってカバーされる地理的領域は、各セルをサービスしている無線トランシーバ装置と共に、いくつかのセルに分割され得る。無線トランシーバ装置は、UMTSアプリケーションでは一般にノードBと呼ばれるが、当業者によって、基地局(BS)、トランシーバ基地局(BTS:base transceiver station)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS:basic service set)、拡張サービスセット(ESS:extended service set)、アクセスポイント(AP)、または何らかの他の好適な用語でも呼ばれ得る。明確さのために、各RNS207中に3つのノードB208が示されているが、RNS207はいくつでもワイヤレスノードBを含み得る。ノードB208は、任意の数のモバイル装置に、CN204へのワイヤレスアクセスポイントを提供する。モバイル装置の例には、セルラ電話、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、スマートブック、携帯情報端末(PDA)、衛星無線、全地球測位システム(GPS)デバイス、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレーヤ(例えば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲーム機、または任意の他の同様の機能デバイスがある。モバイル装置は、UMTSアプリケーションでは一般にUEと呼ばれるが、当業者によって、モバイル局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかの他の好適な用語でも呼ばれ得る。UMTSシステムでは、UE210はさらに、ネットワークへのユーザの加入情報を含む、汎用加入者識別モジュールモジュール(USIM:universal subscriber identity module)211を含み得る。説明のために、いくつかのノードB208と通信している1つのUE210が示される。フォワードリンクとも呼ばれるDLは、ノードB208からUE210への通信リンクを指し、リバースリンクとも呼ばれるULは、UE210からノードB208への通信リンクを指す。
[0035] CN204は、UTRAN202等の1つ以上のアクセスネットワークとインタフェースをとる(interface with)。示されているように、CN204はGSM(登録商標)コアネットワークである。しかしながら、当業者なら認識するように、本開示全体にわたって提示された様々な概念は、GSMネットワーク以外のタイプのCNへのアクセスをUEに提供するために、RAN、または他の好適なアクセスネットワークにおいて実現され得る。
[0036] CN204は、回線交換(CS)ドメインとパケット交換(PS)ドメインとを含む。回線交換要素のいくつかは、モバイルサービス交換センター(MSC:Mobile services Switching Centre)、ビジタロケーションレジスタ(VLR:Visitor Location Register)、およびゲートウェイMSCである。パケット交換要素は、サービングGPRSサポートノード(SGSN:Serving GPRS Support Node)と、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN:Gateway GPRS Support Node)とを含む。EIR、HLR、VLRおよびAuCのようないくつかのネットワーク要素は、回線交換ドメインとパケット交換ドメインの両方によって共有され得る。例示された例では、CN204は、MSC212およびGMSC214を用いて、回線交換サービスをサポートする。いくつかのアプリケーションでは、GMSC214は、メディアゲートウェイ(MGW)と呼ばれ得る。RNC206等の1つ以上のRNCは、MSC212に接続され得る。MSC212は、呼セットアップ、呼ルーティング、およびUEモビリティ機能を制御する装置である。MSC212はまた、UEがMSC212のカバレージエリア内にいる期間中、加入者関連情報を含む、VLRを含む。GMSC214は、UEが回線交換ネットワーク216にアクセスするために、MSC212を介したゲートウェイを提供する。GMSC214は、特定のユーザが加入したサービスの詳細を反映するデータ等の加入者データを含んでいるホームロケーションレジスタ(HLR:home location register)215を含む。また、HLRは、加入者固有の認証データを含んでいる認証センター(AuC:authentication center)に関連する。特定のUEのための呼が受信されると、GMSC214は、HLR215に問い合わせてUEのロケーションを決定し、そのロケーションをサービスする特定のMSCに呼を転送(forward)する。
[0037] CN204はまた、サービングGPRSサポートノード(SGSN)218およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)220を用いて、パケットデータサービスをサポートする。汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service)を意味するGPRSは、標準的な回線交換データサービスを用いて利用可能な速度よりも速い速度で、パケットデータサービスを提供するように設計されている。GGSN220は、UTRAN202にパケットベースネットワーク222への接続を提供する。パケットベースネットワーク222は、インターネット、プライベートデータネットワーク、または何らかの他の好適なパケットベースネットワークであり得る。GGSN220の主要機能は、UE210にパケットベースネットワーク接続性を提供することである。データパケットは、主に、MSC212が回線交換ドメインで実行するのと同じ機能をパケットベースドメインで実行するSGSN218を通してGGSN220とUE210との間で転送され得る。
[0038] UMTSのためのエアインタフェースは、スペクトラム拡散直接シーケンス符号分割多元接続(DS−CDMA:Direct−Sequence Code Division Multiple Access)システムを利用し得る。スペクトラム拡散DS−CDMAは、チップと呼ばれる擬似ランダムビットのシーケンスによる乗算によって、ユーザデータを拡散する。UMTSのための「ワイドバンド」W−CDMAエアインタフェースは、そのような直接シーケンススペクトラム拡散技術に基づいており、さらに周波数分割複信(FDD)を必要とする。FDDは、ノードB208とUE210との間のULとDLとについて異なるキャリア周波数を使用する。DS−CDMAを利用し、時分割複信(TDD)を使用する、UMTSのための別のエアインタフェースは、TD−SCDMAエアインタフェースである。本明細書で説明する様々な例は、W−CDMAエアインタフェースを参照し得るが、根本的な原理は、TD−SCDMAエアインタフェースに等しく適用可能であり得ることを、当業者は認識するだろう。
[0039] HSPAエアインタフェースは、より優れたスループットおよび低減された待ち時間を容易にする、3G/W−CDMAエアインタフェースへの一連の改良を含む。従前のリリースにわたる他の変更よりもとりわけ、HSPAは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)、共有チャネル送信、ならびに適応可能な変調およびコーディングを利用する。HSPAを定義する規格は、HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)およびHSUPA(エンハンストアップリンクまたはEULとも呼ばれる高速アップリンクパケットアクセス)を含む。
[0040] HSDPAは、それのトランスポートチャネルとして、高速ダウンリンク共有チャネル(HS−DSCH)を利用する。HS−DSCHは、3つの物理チャネル、すなわち高速物理ダウンリンク共有チャネル(HS−PDSCH)、高速共有制御チャネル(HS−SCCH)、および高速専用物理制御チャネル(HS−DPCCH)によって実現される。
[0041] これらの物理チャネルのうち、HS−DPCCHは、対応するパケット送信の復号が成功したかどうかを示すためのHARQ ACK/NACKシグナリングをアップリンク上で運ぶ。つまり、ダウンリンクに関して、UE210は、それがダウンリンクにおけるパケットを正しく復号したかどうかを示すために、HS−DPCCHを通してノードB208へフィードバックを提供する。
[0042] HS−DPCCHはさらに、ノードB208が、変調およびコーディングスキーム、ならびにプリコーディング重み選択に関して正しい決定を下すことを支援するために、UE210からのフィードバックシグナリング(feedback signaling)を含み、このフィードバックシグナリングは、CQIおよびPCIを含む。
[0043] “HSPA Evolved”、あるいはHSPA+は、MIMOおよび64−QAMを含むHSPA規格の発展(evolution)であり、それは増加したスループットおよびより高い性能を可能にする。つまり、本開示のある態様では、ノードB208および/またはUE210は、MIMO技術をサポートしている複数のアンテナを有し得る。MIMO技術の使用により、ノードB208は、空間ドメインを活用して、空間多重化、ビームフォーミング、および送信ダイバーシチをサポートすることが可能になる。
[0044] 多入力多出力(MIMO)は、一般にマルチアンテナ技術、つまり、多重送信アンテナ(multiple transmit antennas)(チャネルへの多重入力(multiple inputs))および多重受信アンテナ(チャネルからの多重出力)を指すために使用される用語である。MIMOシステムは一般に、データ送信性能を改良し、それによって、ダイバーシチ利得がマルチパスフェージングを低減することおよび伝送品質を増加させること、ならびに、空間多重化利得がデータスループットを増加させることを可能にする。
[0045] 空間多重化(spatial multiplexing)は、異なるデータストリームを同一の周波数で同時に送信するために使用され得る。データストリームは、データレートを増加させるために単一のUE210に、または、全体的なシステム容量を増加させるために複数のUE210に、送信され得る。これは、各データストリームを空間的にプリコーディングすること、そして空間的にプリコーディングされた各ストリームを、異なる送信アンテナを介してダウンリンクで送信することによって達成される。空間的にプリコーディングされたデータストリームは、異なる空間シグネチャとともにUE210(1つまたは複数)へと到達し、これにより、UE210(1つまたは複数)の各々がそのUE210を宛先とする1つ以上のデータストリームを復元(recover)することが可能になる。アップリンクでは、各UE210は、空間的にプリコーディングされた1つ以上のデータストリームを送信し得、これにより、ノードB208が空間的にプリコーディングされた各データストリームのソースを識別することが可能になる。
[0046] 空間多重化は、チャネル状態(channel conditions)が良好な場合に使用され得る。チャネル状態がより好ましくないとき、ビームフォーミングは、1つ以上の方向に送信エネルギを集中させるために、またはチャネルの特性に基づいて送信を改善するために、使用され得る。これは、多重アンテナを通した送信のためのデータストリームを、空間的にプリコーディングすることによって達成され得る。セルの端において優れたカバレッジを達成するために、シングルストリームビームフォーミング送信が、送信ダイバーシチと組み合わせて使用され得る。
[0047] 一般に、n個の送信アンテナを利用するMIMOに関して、n個のトランスポートブロックが、同じチャネライゼーションコードを利用して同じキャリアで同時に送信され得る。n個の送信アンテナを介して送信される異なるトランスポートブロックは、互いに同じまたは異なる変調およびコーディングスキームを有し得ることに留意されたい。
[0048] 一方、シングル入力マルチ出力(SIMO)は、一般に、単一の送信アンテナ(チャネルへの単一入力)および多重受信アンテナ(チャネルからの多重出力)を利用するシステムを指す。従って、SIMOシステムでは、単一のトランスポートブロックがそれぞれのキャリアを介して送られる。
[0049] 図6を参照すると、UTRANアーキテクチャにおけるアクセスネットワーク300が例示される。多元接続ワイヤレス通信システムは、それぞれが1つ以上のセクタを含み得るセル302、304および306を含む複数のセルラ領域(セル)を含む。複数のセクタは、各アンテナがセルの一部内のUEと通信する役割を担う、アンテナのグループによって形成されることができる。例えば、セル302では、アンテナのグループ312、314、および316は各々、異なるセクタに対応し得る。セル304では、アンテナのグループ318、320、および322は各々、異なるセクタに対応する。セル306では、アンテナのグループ324、326、および328は各々、異なるセクタに対応する。セル302、304および306は、いくつかの無線通信デバイス、例えば、各セル302、304または306の1つ以上のセクタと通信中であり得るユーザ装置またはUEを含み得る。たとえば、UE330および332は、ノードB342と通信中であり得、UE334および336は、ノードB344と通信中であり得、UE338および340は、ノードB346と通信中であることができる。ここで、ノードB342、344、346の各々は、それぞれのセル302、304および306内の全てのUE330、332、334、336、338、340に、CN204(図2を参照)へのアクセスポイントを提供するように構成されている。ノードB342、344、346およびUE330、332、334、336、338、340はそれぞれ、例えば、上述した呼処理コンポーネント40(図1)を含むように構成され得る。
[0050] UE334が、セル304の例示されたロケーションからセル306へ移動する際、サービングセル変更(a serving cell change)(SCC)またはハンドオーバが生じ得、UE334との通信が、ソースセルと呼ばれ得るセル304からターゲットセルと呼ばれるセル306へ遷移する。ハンドオーバプロシージャの管理は、UE334において、それぞれのセルに対応するノードBにおいて、無線ネットワークコントローラ206(図2を参照)において、またはワイヤレスネットワークにおける別の好適なノードにおいて、行われ得る。例えば、ソースセル304との呼の間に、または任意の他の時間に、UE334は、ソースセル304の様々なパラメータ、ならびにセル306および302のような隣接セルの様々なパラメータをモニタし得る。さらに、これらのパラメータの品質に応じて、UE334は、隣接セルの1つ以上との通信を維持し得る。この時間の間、UE334は、アクティブセット、つまり、UE334が同時に接続されているセルのリストを維持し得る(すなわち、ダウンリンク個別物理チャネルDPCHまたはフラクショナルダウンリンク個別物理チャネル(F−DPCH:fractional downlink dedicated physical channel)をUE334に現在割り当てているUTRAセルが、アクティブセットを構成し得る)。
[0051] アクセスネットワーク300によって用いられる変調および多元接続スキームは、展開されている特定の電気通信規格に応じて異なり得る。例として、この規格は、エボリューション・データ・オプティマイズド(Evolution−Data Optimized)(EV−DO)またはウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB:Ultra Mobile Broadband)を含み得る。EV−DOおよびUMBは、CDMA2000規格ファミリの一部として、3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)によって公表されたエアインタフェース規格であり、モバイル局にブロードバンドインターネットアクセスを提供するためにCDMAを用いる。この規格は、代替的に、広帯域CDMA(W−CDMA)、およびTD−SCDMAのようなCDMAの他の変形例を用いるユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)、TDMAを用いる移動通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標))、OFDMAを用いる、発展型UTRA(E−UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、およびフラッシュ−OFDMであり得る。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、LTE Advanced、およびGSMは、3GPP団体からの文書に説明されている。CDMA2000およびUMBは、3GPP2団体からの文書に説明されている。用いられる実際のワイヤレス通信規格および多元接続技術は、特定の用途、およびシステムに課された全体的な設計制約に依存することになる。
[0052] 無線プロトコルアーキテクチャは、特定の用途に応じて様々な形をとり得る。次に、HSPAシステムに関する例が、図7に関連して提示される。
[0053] 図7は、ユーザ装置(UE)またはノードB/基地局のユーザプレーン402と制御プレーン404に関する無線プロトコルアーキテクチャ400の例を例示する概念図である。例えば、アーキテクチャ400は、ワイヤレスネットワーク12および/またはUE14(図1)内のエンティティ等のネットワークエンティティおよび/またはUEに含まれ得る。UEおよびノードBに関する無線プロトコルアーキテクチャ400は、レイヤ1 406、レイヤ2 408およびレイヤ3 410の3つのレイヤで示される。レイヤ1 406は、最下位のレイヤであり、様々な物理レイヤ信号処理機能を実現する。よって、レイヤ1 406は、物理レイヤ407を含む。レイヤ2(L2レイヤ)408は、物理レイヤ407よりも上位であり、物理レイヤ407を介したUEとノードBとの間のリンクを担当する。レイヤ3(L3レイヤ)410は、無線リソース制御(RRC)サブレイヤ415を含む。RRCサブレイヤ415は、UEとUTRANとの間のレイヤ3の制御プレーンシグナリングを処理する(handle)。
[0054] ユーザプレーンでは、L2レイヤ408は、ネットワーク側のノードBで終端される(terminated)、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ409、無線リンク制御(RLC)サブレイヤ411、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP:packet data convergence protocol)413サブレイヤを含む。示されていないが、UEは、ネットワーク側のPDNゲートウェイで終端するネットワークレイヤ(例えば、IPレイヤ)や、接続の他端(例えば、遠端のUE、サーバ、等)で終端するアプリケーションレイヤを含む、L2レイヤ408よりも上位のいくつかの上位レイヤを有し得る。
[0055] PDCPサブレイヤ413は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間の多重化を提供する。PDCPサブレイヤ413はまた、無線送信オーバヘッドを低減させるために上位レイヤのデータパケットのヘッダ圧縮を提供し、それらのデータパケットを暗号化することによってセキュリティを提供し、複数のノードB間でのUEのハンドオーバのサポートを提供する。RLCサブレイヤ411は、上位レイヤのデータパケットのセグメンテーションおよびリアセンブリ(reassembly)と、紛失データパケットの再送信と、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)による、順序の狂った受信を補正するデータパケットの並べ替え(reordering)とを提供する。MACサブレイヤ409は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を提供する。MACサブレイヤ409はまた、複数のUE間での、1つのセル内の様々な無線リソース(例えば、リソースブロック)の割り当てを担当する。MACサブレイヤ409はまた、HARQオペレーション(HARQ operation)を担当する。
[0056] 図8は、UE550と通信するノードB510を含む通信システム500のブロック図であり、この場合、図1に記載の態様によれば、ノードB510がワイヤレスネットワーク12内のエンティティであり得、UE550がUE14であり得る。ダウンリンク通信では、送信プロセッサ520が、データソース512からのデータと、コントローラ/プロセッサ540からの制御信号とを受信し得る。送信プロセッサ520は、データおよび制御信号、ならびに基準信号(例えば、パイロット信号)に関する様々な信号処理機能を提供する。例えば、送信プロセッサ520は、誤り検出のための巡回冗長検査(CRC:cyclic redundancy check)コード、前方向誤り訂正(FEC)を容易にするためのコーディングおよびインタリーブ、様々な変調スキーム(例えば、2相位相シフトキーイング(BPSK)、4相位相シフトキーイング(QPSK)、M相位相シフトキーイング(M−PSK:M−phase−shift keying)、M値直交振幅変調(M−QAM:M−quadrature amplitude modulation)等)に基づく信号コンスタレーションへのマッピング、直交可変拡散ファクタ(OVSF:orthogonal variable spreading factors)による拡散、一連のシンボルを生成するためのスクランブリングコードとの乗算(multiplying with・・)とを、提供し得る。送信プロセッサ520のためのコーディング、変調、拡散、および/またはスクランブリングスキームを決定するために、コントローラ/プロセッサ540によって、チャネルプロセッサ544からのチャネル推定が使用され得る。これらのチャネル推定は、UE550によって送信された基準信号から、またはUE550からのフィードバックから導出され得る。送信プロセッサ520によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作り出すために送信フレームプロセッサ530へ提供される。送信フレームプロセッサ530は、シンボルをコントローラ/プロセッサ540からの情報で多重化する(multiplexing the symbols with information・・)ことによって、このフレーム構造を作り出し、これにより一連のフレームが得られる。このフレームは次に、増幅、フィルタリング、およびアンテナ534を通してのワイヤレス媒体を介したダウンリンク送信のためのキャリア上へのフレームの変調を含む、様々な信号調整機能(signal conditioning functions)を提供する送信機532へ提供される。アンテナ534は、例えば、ビームステアリング双方向適応アンテナアレイ(beam steering bidirectional adaptive antenna array)または他の同様のビーム技術を含む、1つ以上のアンテナを含み得る。
[0057] UE550において、受信機554は、アンテナ552を通してダウンリンク送信を受信し、その送信を処理して、キャリア上へ変調された情報を復元する。受信機554によって復元された情報は、受信フレームプロセッサ560へ提供され、それは、各フレームを解析(parse)し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ594へ提供し、データ、制御、および基準信号を受信プロセッサ570へ提供する。受信プロセッサ570は次に、ノードB510中の送信プロセッサ520によって実行された処理の逆を実行する。より具体的には、受信プロセッサ570は、シンボルを逆スクランブルおよび逆拡散し、そして変調スキームに基づいて、ノードB510によって送信された、最も可能性の高い信号コンスタレーションポイント(signal constellation point)を決定する。これらの軟判定(soft decision)は、チャネルプロセッサ594によって計算されたチャネル推定値に基づき得る。そして軟判定は、データ、制御、および基準信号を復元するために、復号およびディインタリーブ(deinterleaved)される。次に、フレームの復号が成功したかどうか決定するために、CRCコードが確認される。次に、復号に成功したフレームによって搬送されたデータが、データシンク572に提供されることになり、これは、様々なユーザインタフェース(例えば、ディスプレイ)および/またはUE550上で走行するアプリケーションを表す。復号に成功したフレームによって搬送された制御信号は、コントローラ/プロセッサ590へ提供されることになる。受信機プロセッサ570によるフレームの復号が失敗すると、コントローラ/プロセッサ590はまた、それらのフレームの再送要求をサポートするために、肯定応答(ACK)および/または否定応答(NACK)プロトコルを使用し得る。
[0058] アップリンクにおいて、データソース578からのデータおよびコントローラ/プロセッサ590からの制御信号が、送信プロセッサ580へ提供される。データソース578は、様々なユーザインタフェース(例えば、キーボード)およびUE550で行するアプリケーションを表し得る。ノードB510によるダウンリンク送信に関連して説明された機能と同様に、送信プロセッサ580は、CRCコード、FECを容易にするためのコーディングおよびインタリーブ、信号コンスタレーションへのマッピング、OVSFを用いた拡散、および一連のシンボルを生成するためのスクランブリングを含む、様々な信号処理機能を提供する。チャネルプロセッサ594によって、ノードB510により送信された基準信号から、またはノードB510により送信されたミッドアンブル(midamble)に含まれるフィードバックから導出されたチャネル推定は、適切なコーディング、変調、拡散、および/またはスクランブリングスキームを選択するために使用され得る。送信プロセッサ580によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作り出すために送信フレームプロセッサ582へ提供される。送信フレームプロセッサ582は、シンボルをコントローラ/プロセッサ590からの情報で多重化することによって、このフレーム構造を作り出し、これにより一連のフレームが得られる。このフレームは次に、増幅、フィルタリング、およびアンテナ552を通してのワイヤレス媒体を介したアップリンク送信のためのキャリア上へのフレームの変調を含む、様々な信号調整機能を提供する送信機556へ提供される。
[0059] アップリンク送信は、UE550における受信機機能に関して説明した方法と同様の方法でノードB510において処理される。受信機535は、アンテナ534を通してアップリンク送信を受信し、その送信を処理して、キャリア上へ変調された情報を復元する。受信機535によって復元された情報は、受信フレームプロセッサ536へ提供され、それは、各フレームを解析し、フレームからの情報をチャネルプロセッサ544へ提供し、データ、制御、および基準信号を受信プロセッサ538へ提供する。受信プロセッサ538は、UE550中の送信プロセッサ580によって実行された処理の逆を実行する。復号に成功したフレームによって搬送されたデータおよび制御信号は、次に、データシンク539およびコントローラ/プロセッサへそれぞれ提供され得る。受信プロセッサによるいくつかのフレームの復号が失敗すると、コントローラ/プロセッサ540はまた、それらのフレームの再送要求をサポートするために、肯定応答(ACK)および/または否定応答(NACK)プロトコルを使用し得る。
[0060] コントローラ/プロセッサ540および590は、それぞれノードB510およびUE550における動作を指示するために使用され得る。例えば、コントローラ/プロセッサ540および590は、タイミング、周辺インタフェース、電圧調整、電力管理、および他の制御機能を含む、様々な機能を提供し得る。メモリ542および592のコンピュータ読み取り可能な媒体は、それぞれ、ノードB510およびUE550に関するデータおよびソフトウェアを記憶し得る。ノードB510におけるスケジューラ/プロセッサ546は、UEにリソースを割り振り、UEに関するダウンリンクおよび/またはアップリンク送信をスケジューリングするために使用され得る。
[0061] 電気通信システムのいくつかの態様は、W−CDMAシステムを参照して提示された。当業者は、本開示の全体に渡って説明された様々な態様は、他の電気通信システム、ネットワークアーキテクチャおよび通信規格に拡張され得ることを、明確に理解するだろう。
[0062] 例として、様々な態様は、TD−SCDMA、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、高速パケットアクセスプラス(HSPA+)およびTD−CDMAのような、他のUMTSシステムに拡張され得る。様々な態様はまた、ロング・ターム・エボリューション(LTE)(FDD、TDD、または両方のモードにおける)、LTEアドバンスト(LTE−Advanced)(LTE−A)(FDD、TDD、または両方のモードにおける)、CDMA2000、エボリューション・データ・オプティマイズド(Evolution−Data Optimized)(EV−DO)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(Ultra Mobile Broadband)(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、ウルトラ・ワイドバンド(Ultra−Wideband)(UWB)、Bluetooth(登録商標)、および/または他の好適なシステムを用いるシステムに拡張され得る。用いられる実際の電気通信規格、ネットワークアーキテクチャ、および/または通信規格は、特定の用途、およびシステムに課された全体的な設計制約に依存するだろう。
[0063] 本開示の様々な態様に従って、エレメント、またはエレメントの任意の一部、またはエレメントの任意の組み合わせは、1つ以上のプロセッサを含む「処理システム」を用いて実現され得る。プロセッサの例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、ステートマシン、ゲート論理、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明された様々な機能を実行するように構成された他の好適なハードウェアがある。処理システムにおける1つ以上のプロセッサは、ソフトウェアを実行し得る。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などの名称にかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものと広く解釈されるべきである。ソフトウェアは、コンピュータ読み取り可能な媒体に存在し得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体であり得る。非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体は、例として、磁気記憶デバイス(例えば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ)、光学ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能なPROM(EPROM)、電気的に消去可能なPROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、およびコンピュータによってアクセスされ得るおよび読み取られ得るソフトウェアおよび/または命令を記憶するための任意の他の好適な媒体を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、例として、搬送波、伝送回線、およびコンピュータによってアクセスされ得るおよび読み取られ得るソフトウェアおよび/または命令を伝送するための任意の他の好適な媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、処理システム内に存在し得るか、処理システムの外部に存在し得るか、または処理システムを含む複数のエンティティにわたって分散され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータプログラム製品内で具現化され得る。例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料内のコンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。当業者は、特定の用途、およびシステム全体に課せられる全体的な設計制約に応じて、本開示の全体にわたって提示されている説明された機能をどのように最良に実現するかを認識するだろう。
[0064] 開示された方法におけるステップの特定の順序または階層は、例示的なプロセスの説明であると理解されるべきである。設計好適性(design preference)に基づいて、この方法におけるステップの特定の順序または階層は並べ替えられ得るということが理解される。付随の方法の請求項は、サンプルの順序で様々なステップのエレメントを提示するものであり、本明細書で明確に記載されていない限り、提示された特定の順序または階層に限定されるように意図されたものではない。
[0065] 先の説明は、当業者に、本明細書に説明された様々な態様を実現することを可能にさせるために提供されている。これらの態様への様々な変更は当業者には容易に明らかになるであろうし、本明細書で定義される一般的な本質は他の態様に適用され得る。したがって、請求項は、本明細書に示される態様に限定されるように意図されたものではなく、請求項の文言と一致する最大範囲であると認められるべきであり、この場合、単数形でのエレメントへの言及は、そのように明確に述べられていない限りは「1つおよび1つのみ」を意味するのではなく、むしろ「1つ以上」を意味するように意図されている。そうでないことが明確に述べられていない限り、「いくつかの」という用語は、1つ以上のことを指している。項目のリストのうちの「少なくとも1つ」に言及するフレーズは、単一のメンバを含む、それらの項目のうちの任意の組み合わせに言及するものである。例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、ならびにa、bおよびcをカバーするように意図されている。当業者によって既知のあるいは後に知られることになる、本開示の全体を通して説明された様々な態様のエレメントに対する全ての構造上のおよび機能上の同等物は、参照によりここに明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されるように意図されている。さらに、ここで開示したものはいずれも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公に捧げられることを意図するものではない。請求項のエレメントはいずれも、エレメントが「〜のための手段」というフレーズを使用して明確に記載されない限り、または、方法の請求項の場合には、エレメントが「〜のためのステップ」というフレーズを使用して記載されない限り、35U.S.C.§112、第6段落の規定のもとで解釈されるべきではない。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] ワイヤレス通信のための方法であって、
隣接セルから信号を受信することと、
中心またはゼロシフトにおいて、ある測定領域に関して前記受信された信号の最小帯域幅を測定することと、
周波数オフセットに基づいて前記信号の前記測定領域をシフトさせることと、
前記信号の前記測定領域を、正の周波数オフセットから負の周波数オフセットへ代替的に回転させることと
を備える、方法。
[C2] 前記最小帯域幅を決定するための前記測定領域が、ナイキスト周波数(2N+1)に基づく、C1に記載の方法。
[C3] 前記測定領域が、+veおよび−ve周波数オフセットから代替的に回転させられる、C1に記載の方法。
[C4] 前記隣接セルの帯域幅全体にわたって前記隣接セル電力を推定すること
をさらに備える、C1に記載の方法。
[C5] ワイヤレス通信ネットワークにおけるワイヤレス通信の装置であって、
隣接セルから信号を受信するための手段と、
中心またはゼロシフトにおいて、ある測定領域に関して前記受信された信号の最小帯域幅を測定するための手段と、
周波数オフセットに基づいて前記信号の前記測定領域をシフトさせるための手段と、
前記信号の前記測定領域を、正の周波数オフセットから負の周波数オフセットへ代替的に回転させるための手段と
を備える、装置。
[C6] 前記最小帯域幅を決定するための前記測定領域が、ナイキスト周波数(2N+1)に基づく、C5に記載の装置。
[C7] 前記測定領域が、+veおよび−ve周波数オフセットから代替的に回転させられる、C5に記載の装置。
[C8] 前記隣接セルの帯域幅全体にわたって前記隣接セル電力を推定するための手段
をさらに備える、C5に記載の装置。
[C9] コンピュータプログラム製品であって、
隣接セルから信号を受信し、
中心またはゼロシフトにおいて、ある測定領域に関して前記受信された信号の最小帯域幅を測定し、
周波数オフセットに基づいて前記信号の前記測定領域をシフトさせ、
前記信号の前記測定領域を、正の周波数オフセットから負の周波数オフセットへ代替的に回転させる
ためのコードを備えるコンピュータ読み取り可能な媒体
を備える、コンピュータプログラム製品。
[C10] ワイヤレス通信ネットワークにおけるワイヤレス通信の装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリと、を備え、
ここにおいて、前記少なくとも1つのプロセッサは、
隣接セルから信号を受信し、
中心またはゼロシフトにおいて、ある測定領域に関して前記受信された信号の最小帯域幅を測定し、
周波数オフセットに基づいて前記信号の前記測定領域をシフトさせ、
前記信号の前記測定領域を、正の周波数オフセットから負の周波数オフセットへ代替的に回転させる
ように構成される、装置。
[C11] 前記最小帯域幅を決定するための前記測定領域が、ナイキスト周波数(2N+1)に基づく、C10に記載の装置。
[C12] 前記測定領域が、+veおよび−ve周波数オフセットから代替的に回転させられる、C10に記載の装置。
[C13] 前記プロセッサが、前記隣接セルの帯域幅全体にわたって前記隣接セル電力を推定する
ようにさらに構成される、C10に記載の装置。