JP6323967B1 - 蒸気タービンシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸気タービンの出力を高い応答性で制御するとともに、経済効率にも優れた蒸気タービンシステムを提供すること。【解決手段】本発明の一実施形態にかかる蒸気タービンシステムは、蒸気タービンと、蒸気タービンから排出される排気を凝縮する空冷式熱交換器であって、蒸気タービンから排出された排気が流れる復水管、復水管に対して冷却空気を吹き付けるための冷却ファン、及び冷却空気に対して冷却水を噴霧する冷却水噴霧装置、を有する空冷式熱交換器と、冷却水噴霧装置から噴霧される冷却水の噴霧量を制御する冷却水コントローラとを備えている。そして、冷却水コントローラは、蒸気タービンの出力に応じて、冷却水の噴霧量を制御するように構成される。【選択図】図1

Description

本開示は蒸気タービンシステムに関し、詳しくは、蒸気タービンから排出される排気を凝縮する空冷式熱交換器を備える蒸気タービンシステムに関する。
蒸気タービンから排出される排気を凝縮するための復水器(熱交換器)として、排気が流れる復水管に冷却空気を吹き付けて排気を冷却する空冷式熱交換器がある。かかる冷却式熱交換器において、特に外気温が高温となる夏季における冷却性能を向上させるために、冷却空気中に冷却水を噴霧する技術が知られている。
冷却空気中に冷却水を噴霧することで、冷却水の気化熱によって冷却空気の温度を低下させることができる。これにより、外気温が高い場合においても高い真空度を維持し、タービン効率の低下を防ぐことができる。
従来、冷却水を噴霧するタイミングや冷却水の噴霧量についてはあまり詳細に検討されていなかった。したがって従来は、例えば、外気温が高い日中は一定量の冷却水を噴霧し続けるような管理が行われていた。
特許文献1には、復水器の真空度や冷却空気の温湿度に応じて、冷却水の噴霧量を制御することが開示されている。これにより、蒸気タービンの真空度が目標値より高い場合や冷却空気の相対湿度が高い場合に、冷却水を噴霧し続けることを回避することができ、常に適正な量の冷却水を噴霧することができるとされている。
特開2010−169285号公報
上述したように、冷却空気中に冷却水を噴霧すると、蒸気タービンから排出される排気の凝縮量が増加することで真空度が上昇し、これによりタービン出力も上昇する。つまり、冷却水の噴霧量を制御することで、蒸気タービンの出力を制御することができる。本発明者らは、この冷却水の噴霧量を制御することによる蒸気タービンの出力制御は、実用上、十分に応答性の高い制御であることを見出した。
しかしながら、上述した特許文献1などの従来技術では、冷却水の噴霧量とタービン出力とを結びつけた制御は行われていなかった。このため、蒸気タービンの出力が目標出力に達しているにも関わらず、必要以上に多量の冷却水を噴霧し続けるなど、経済効率が悪いものであった。
本発明の少なくとも一つの実施形態は、上述した従来技術の課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、蒸気タービンの出力を高い応答性で制御するとともに、経済効率にも優れた蒸気タービンシステムを提供することである。
(1)本発明の一実施形態にかかる蒸気タービンシステムは、
蒸気タービンと、
前記蒸気タービンから排出される排気を凝縮する空冷式熱交換器であって、
前記蒸気タービンから排出された排気が流れる復水管、
前記復水管に対して冷却空気を吹き付けるための冷却ファン、及び
前記冷却空気に対して冷却水を噴霧する冷却水噴霧装置、を有する空冷式熱交換器と、
前記冷却水噴霧装置から噴霧される前記冷却水の噴霧量を制御する冷却水コントローラと、を備え、
前記冷却水コントローラは、前記蒸気タービンの出力に応じて、前記冷却水の噴霧量を制御するように構成される。
上述したように、冷却水の噴霧量を制御することによる蒸気タービンの出力の制御は、実用上、十分に応答性の高い制御であることを本発明者らは見出した。
上記(1)に記載の実施形態にかかる蒸気タービンシステムによれば、冷却水の噴霧量を制御することで、蒸気タービンの出力を高い応答性で制御することができる。
また、冷却水の噴霧量を蒸気タービンの出力に応じて制御することで、例えば、蒸気タービンの出力が目標出力に達しているにも関わらず、必要以上に多量の冷却水を噴霧してしまうような事態を回避することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の蒸気タービンシステムにおいて、上記蒸気タービンにより駆動される発電機をさらに備える。そして、上記冷却水コントローラは、発電機の出力に応じて、冷却水の噴霧量を制御するように構成される。
上記(2)に記載の実施形態によれば、冷却水の噴霧量を制御することで、発電機の出力を高い応答性で制御することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)に記載の蒸気タービンシステムにおいて、上記冷却水コントローラは、冷却水の噴霧量と発電機の出力との関係式である第1関係式を取得する第1関係式取得部と、発電機の出力が所定出力になるように冷却水の噴霧量を制御した場合における冷却水の噴霧に要する費用、を算出する冷却水費用算出部と、を含む。そして、上記冷却水コントローラは、冷却水費用算出部で算出された費用を考慮して、冷却水の噴霧量を制御するように構成される。
上記(3)に記載の実施形態によれば、発電機の出力を所定出力に制御する際に、冷却水の噴霧に要する費用を考慮することで、経済効率が高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。したがって、例えば、冷却水の噴霧に要する費用が経済的なリミット内の範囲にある場合には、第1関係式に基づいて算出された噴霧量となるように制御し、冷却水の噴霧に要する費用が経済的なリミットを超える場合には、第1関係式に基づいて算出された噴霧量よりも少ない噴霧量(例えば予め定められたリミット噴霧量)となるように制御することが出来る。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)に記載の蒸気タービンシステムにおいて、上記冷却水コントローラは、発電機の出力が所定出力になった場合における発電機によって発電される電力によって得られる収益を算出する売電収益算出部、を含む。そして、上記冷却水コントローラは、冷却水費用算出部で算出された費用と、売電収益算出部で算出された収益との関係を考慮して、冷却水の噴霧量を制御するように構成される。
上記(4)に記載の実施形態によれば、発電機の出力を所定出力に制御する際に、冷却水の噴霧に要する費用と、発電された電力によって得られる収益との関係を考慮することで、経済効率が高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。したがって、例えば、売電によって得られる収益が、冷却水を噴霧する費用に足りない場合は、発電機の出力が目標出力に達しない場合であっても、冷却水をこれ以上噴霧しないような制御を行うこともできる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)又は(4)に記載の蒸気タービンシステムにおいて、上記蒸気タービンシステムは、蒸気タービンに供給される蒸気を生成するためのボイラと、ボイラに対して燃料を供給するための燃料供給装置と、をさらに備える。上記冷却水コントローラは、燃料の供給量と発電機の出力との関係式である第2関係式を取得する第2関係式取得部と、発電機の出力が所定出力になるように燃料の供給量を制御した場合における燃料の供給に要する費用を算出する燃料費用算出部と、を含む。そして、上記冷却水コントローラは、冷却水費用算出部で算出された費用と、燃料費用算出部で算出された費用との関係を考慮して、冷却水の噴霧量を制御するように構成される。
上記(5)に記載の実施形態によれば、発電機の出力を所定出力に制御する際に、冷却水の噴霧に要する費用と、燃料の供給に要する費用との関係を考慮することで、経済効率が高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。したがって、例えば、燃料費が高く、発電機の出力を所定出力まで上昇させる場合に、燃料の供給量を増やすのではなく、冷却水の噴霧量を増やした方が経済性に優れる場合には、冷却水に噴霧量を増やすような制御を行うことができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(3)から(5)のいずれか一つに記載の蒸気タービンシステムにおいて、上記第1関係式は、冷却水が噴霧される前の冷却空気の相対湿度を考慮して設定される。
冷却空気の相対湿度が低い場合の方が、冷却空気の相対湿度が高い場合と比べて、冷却空気に対して冷却水を噴霧することによって高い冷却効果が得られる。冷却空気が飽和状態(相対湿度が100%)にあると、冷却空気に対して冷却水を噴霧しても冷却効果は得られない。このように、冷却空気に対して冷却水を噴霧することによる冷却効果は、冷却空気の相対湿度に応じて大きく変化する。
したがって、上記(6)に記載の実施形態によれば、冷却水の噴霧量と発電機の出力との関係を精度よく把握できるため、より経済効率の高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(3)から(6)のいずれか一つに記載の蒸気タービンシステムにおいて、上記第1関係式は、冷却空気の流量を考慮して設定される。
本発明者らが検討したところによれば、冷却空気の相対湿度が十分に低く、噴霧した冷却水が計画通りに蒸発するような条件下であっても、冷却水の噴霧量が増加するにつれて、発電機の出力が計画通りに増加しない現象が生じることを見出した。これは、冷却空気に対して冷却水を過剰に噴霧すると、微粒化した水滴同士が衝突して液滴が大きくなり、重力の作用によって落下することや、蒸発しきる前に復水管をすり抜けてしまうためと考えられた。
したがって、上記(7)に記載の実施形態によれば、冷却水の噴霧量と発電機の出力との関係を精度よく把握できるため、より経済効率の高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)から(7)のいずれか一つに記載の蒸気タービンシステムにおいて、上記冷却水コントローラは、冷却水の噴霧量に応じて、冷却ファンの回転数を制御するように構成される。
冷却水の噴霧量に比して冷却空気の流量が過少の場合には、冷却水の液滴が重力によって落下してしまい、冷却空気の冷却に寄与しない冷却水の割合が増加する。また、冷却水が蒸発する前に復水管の間をすり抜けてしまい、冷却空気の冷却に寄与しない冷却水の割合が増加する。一方、冷却水の噴霧量に比して冷却空気の流量が過大の場合には、冷却空気の温度が所定の温度迄低下しないまま、復水管に供給され、期待した冷却効果が得られず、蒸気タービンの効率低下となる。
したがって、上記(8)に記載の実施形態によれば、冷却水の噴霧量に応じて冷却ファンの回転数を適正に制御することで、冷却水の噴霧量が変動する場合であっても常に高い冷却性能を発揮させることができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)から(8)のいずれか一つに記載の蒸気タービンシステムにおいて、上記冷却水コントローラは、蒸気タービンの出力に応じて、冷却ファンの回転数を制御するように構成される。
本発明者らの知見によれば、冷却ファンの回転数を大きくすることで、蒸気タービンから排出される排気の凝縮量が増加することで真空度が上昇し、蒸気タービンの出力が上昇することが明らかになっている。
したがって、上記(9)に記載の実施形態にかかる蒸気タービンシステムによれば、蒸気タービンの出力に応じて、冷却水の噴霧量に加えて冷却ファンの回転数も制御することで、蒸気タービンの出力をさらに高い応答性で制御することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)から(9)のいずれか一つに記載の蒸気タービンシステムにおいて、上記冷却水コントローラは、冷却水が噴霧される前の冷却空気の温度に応じて、冷却ファンの回転数を制御するように構成される。
冷却空気の温度が高い場合の方が、冷却空気の温度が低い場合と比べて、冷却空気に対して冷却水を噴霧することによって高い冷却効果が得られる。このように、冷却空気に対して冷却水を噴霧することによる冷却効果は、冷却空気の温度に応じて変化する。
したがって、上記(10)に記載の実施形態によれば、冷却空気の温度に応じて冷却ファンの回転数を適正に制御することで、より高い冷却性能を発揮させることができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)に記載の蒸気タービンシステムにおいて、上記冷却水コントローラは、冷却水が噴霧される前の冷却空気の温度が第1規定温度を下回る場合には、冷却ファンの回転数を所定の一定回転数に制御するように構成される。
冷却ファンの出力が低過ぎると(冷却ファンの回転数が小さ過ぎると)、冷却ファンの送風量に比して消費電力が高くなるため、経済性が低下する。
したがって、上記(10)に記載の実施形態によれば、冷却空気の温度が第1規定温度を下回る場合には冷却ファンを所定の一定回転数に制御することで、より経済効率の高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)から(11)のいずれか一つに記載の蒸気タービンシステムにおいて、上記冷却水コントローラは、冷却水が噴霧される前の冷却空気の温度が第2規定温度を下回る場合には、冷却水の噴霧量が零になるように制御するように構成される。
冷却空気の温度が高い場合の方が、冷却空気の温度が低い場合と比べて、冷却空気に対して冷却水を噴霧することによって高い冷却効果が得られる。一方、冷却空気の温度が低過ぎると、冷却空気に対して冷却水を噴霧しても、十分な冷却効果が得られなくなる。
したがって、上記(12)に記載の実施形態によれば、冷却空気の温度が第2規定温度を下回る場合には冷却水の噴霧を停止することで、より経済効率の高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、発電機出力を高い応答性で制御するとともに、経済効率にも優れた蒸気タービンシステムを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる蒸気タービンシステムの全体構成を示した全体模式図である。 本発明の一実施形態にかかる蒸気タービンシステムにおいて、冷却空気に対して冷却水を噴霧した場合のタービン排気の圧力および温度の変化を示したグラフである。 本発明の一実施形態にかかる冷却水コントローラの内部機能を説明するためのブロック図である。 冷却水の噴霧量と発電機の出力との関係式である第1関係式を示したグラフである。 水使用量と料金との関係を示したグラフである。 燃料の供給量と発電機の出力との関係式である第2関係式を示したグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
また、以下の説明において、同じ構成には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の一実施形態にかかる蒸気タービンシステムの全体構成を示した全体模式図である。図1に示したように、本発明の一実施形態にかかる蒸気タービンシステム1は、蒸気タービン2と、空冷式熱交換器3と、冷却水コントローラ4と、発電機5とを備えている。
図示した実施形態では、蒸気タービン2には、後述するボイラ6で生成された蒸気が、蒸気導入管21を介して導入されるように構成されている。蒸気タービン2から排出される排気は、排気管22を介して空冷式熱交換器3へと供給される。また、排気管22には、排気管22を流れる排気の圧力を測定するための圧力計221が設けられている。
空冷式熱交換器3は、蒸気タービン2から排出される排気を凝縮するための装置である。かかる空冷式熱交換器3は、蒸気タービン2から排出された排気が流れる復水管31、復水管31に対して冷却空気を吹き付けるための冷却ファン32、及び、冷却空気に対して冷却水を噴霧する冷却水噴霧装置33を有している。
図示した実施形態では、空冷式熱交換器3は、排気管22および復水管31に接続され、排気管22から導入された排気を復水管31に分配する蒸気分配管34を有している。また、復水回収管36および復水管31に接続され、復水管31の内部において凝縮された凝縮水を集めて復水回収管36に供給する復水集合管35を有している。
また、図示した実施形態では、冷却水噴霧装置33は、冷却水が流れる冷却水供給管331と、冷却水供給管331に設けられた複数の冷却水ノズル332と、冷却水を圧送するための冷却水ポンプ333と、冷却水供給管に設けられた冷却水制御弁334と、を有している。冷却水制御弁334は、冷却水ポンプ333と冷却水ノズル332との間に設けられており、冷却水制御弁334の弁開度を制御することで、冷却水ノズル332から噴霧される冷却水の噴霧量が調整可能となっている。この冷却水制御弁334の弁開度は、後述する冷却水コントローラ4によって制御される。
発電機5は、蒸気タービン2により駆動される。具体的には、蒸気タービン2のタービンロータと、発電機5の発電機ロータとが同軸で連結されており、蒸気タービン2のタービンロータが回転することにより、発電機5の発電機ロータが回転する。これにより、発電機5によって電力が生成されるようになっている。すなわち、蒸気タービン2の出力(タービンの機械出力)と、発電機5の出力(電力量)とは比例関係にある。
冷却水コントローラ4は、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)やリードオンリメモリ(ROM)等の記憶装置、およびI/Oインターフェイスなどを有するマイクロコンピュータから構成されている。そして、上述した冷却水制御弁334の弁開度を制御することで、冷却水噴霧装置33から噴霧される冷却水の噴霧量を制御するように構成されている。また、図示した実施形態では、冷却水コントローラ4には、発電機5で生成された電力量、圧力計221で測定された排気の圧力、及び温湿度計37で測定された冷却水が噴霧される前の冷却空気の温度や湿度のデータが入力されるようになっている。
そして、本発明の一実施形態では、上述した冷却水コントローラ4は、発電機5の出力(発電量)に応じて、冷却水の噴霧量を制御するように構成されている。
図2は、本発明の一実施形態にかかる蒸気タービンシステムにおいて、冷却空気に対して冷却水を噴霧した場合のタービン排気の圧力および温度の変化を示したグラフである。この図2は、冷却水の噴霧量を制御することによる蒸気タービン2の出力の変動速度(応答性)を評価するために、図1に示した蒸気タービンシステム1と同様の構成を有する実際の発電プラントにおいて本発明者らが行った試験結果を示したものである。
図2の(a)〜(c)において、横軸は時刻を示している。図2の(a)において、左側の縦軸は蒸気タービン2に流入する蒸気の流量(タービン入口流量)を示している。図2の(b)において、左側の縦軸は蒸気タービン2に流入する蒸気の圧力(タービン入口蒸気圧力)を示し、右側の縦軸は蒸気タービン2から排出される排気の圧力(排気側圧力)を示している。図2の(c)において、左側の縦軸は蒸気タービン2に流入する蒸気の温度(タービン入口蒸気温度)を示し、右側の縦軸は蒸気タービン2から排出される排気の温度(排気側温度)を示している。
図2の(a)に示したように、本試験では11時〜12時と14時〜15時の2回に亘って冷却水を散水している。図2の(b)に示したように、冷却水の散水が開示されると、蒸気タービン2から排出される排気の圧力は直ちに低下をし始め、冷却水の散水開始から10分程経過すると圧力の低下が完了し、以後冷却水の散水を終了するまでの間、ほぼ一定の圧力で推移する。排気側温度も同様の傾向を示しており、図2の(c)に示したように、冷却水の散水が開示されると、蒸気タービン2から排出される排気の温度は直ちに低下をし始め、10分程経過すると温度の低下が完了し、以後冷却水の散水を終了するまでの間、ほぼ一定の温度で推移する。
蒸気タービン2から排出される圧力および温度が低下するということは、蒸気タービン2の真空度が高まることを意味しており、これはすなわち、蒸気タービン2の出力が上昇することを意味している。蒸気タービン2の出力が上昇すると、蒸気タービン2により駆動される発電機5の出力も直ちに上昇する。このように、本発明者らは、この冷却水の噴霧量を制御することによる蒸気タービン2の出力制御は、実用上、十分に応答性の高い制御であることを見出した。
したがって、上述した本発明の一実施形態にかかる蒸気タービンシステム1によれば、冷却水の噴霧量を制御することで、発電機5の出力を高い応答性で制御することができる。
また、冷却水の噴霧量を発電機5の出力に応じて制御することで、例えば、発電機5の出力が目標出力に達しているにも関わらず、必要以上に多量の冷却水を噴霧してしまうような事態を回避することができるようになっている。
図3は、本発明の一実施形態にかかる冷却水コントローラの内部機能を説明するためのブロック図である。
幾つかの実施形態では、図3に示したように、冷却水コントローラ4は、第1関係式取得部41と、冷却水費用算出部42と、売電収益算出部43とを含んでいる。
第1関係式取得部41は、冷却水の噴霧量と発電機5の出力との関係式である第1関係式を取得する第1関係式取得処理を実行する部分である。冷却水費用算出部42は、発電機5の出力が所定出力になるように冷却水の噴霧量を制御した場合における冷却水の噴霧に要する費用を算出する冷却水費用算出処理を実行する部分である。売電収益算出部43は、発電機5の出力が上述した所定出力になった場合における発電機5によって発電される電力によって得られる収益を算出する売電収益算出処理を実行する部分である。
これら第1関係式取得処理、冷却水費用算出処理、売電収益算出処理は、上述した記憶装置に記憶されているプログラムを中央演算装置によって実行することによって行われる。
図4は、冷却水の噴霧量と発電機の出力との関係式である第1関係式を示したグラフである。このようなグラフは、例えば冷却水コントローラ4の記憶装置の格納されており、上述した第1関係式取得処理において利用される。
図4に示したように、冷却水が蒸発する条件下においては、冷却水の噴霧量が多くなるほど蒸気タービン2の真空度が高まるため、発電機出力の増加率も大きくなる。そして、冷却水の噴霧量が所定量(図中のa点)以下の範囲では、冷却水の噴霧量と発電機出力の増加率とは1次の比例関係にある。一方、冷却水の噴霧量が所定量を超える範囲では、冷却水が蒸発する条件下であっても、冷却水の噴霧量に対する発電機出力の増加率が低下する。これは、冷却水の噴霧量が所定量を超えると、微粒化した水滴同士が衝突して液滴が大きくなり、重力によって落下したり、蒸発する前に復水管31の間をすり抜けたりする量が増えるためである。
図5は、水使用量と料金との関係を示したグラフである。このようなグラフは、例えば冷却水コントローラ4の記憶装置の格納されており、上述した冷却水費用算出処理の際に利用される。
図5に示したように、水道料金は、使用量に関わらず基本料金は一定であるが、従量料金は水使用量が増大するにつれて単価が増加する。また、水道料金とともに下水道料金も支払う必要があり、この下水道料金も使用量が増大するに連れて単価が増加する。したがって、図5に示すように、水使用量が増大すると、水使用量金は指数関数的に大きくなっていく。
また、図示しないが、冷却水コントローラ4の記憶装置には、発電した電力を売電する際の売電単価が格納されており、上述した売電収益算出処理において利用される。
そして、上述した冷却水コントローラ4は、冷却水費用算出部42で算出された費用と、売電収益算出部43で算出された収益との関係を考慮して、冷却水の噴霧量を制御するように構成されている。
一実施形態では、冷却水コントローラ4は、発電機5の出力を第1出力から第2出力(第1出力<第2出力)まで増加させるように冷却水の噴霧量を制御した場合における冷却水の噴霧に要する費用が、発電機5の出力が上述した第1出力から第2出力になった場合における発電機5によって発電される電力によって得られる収益を上回る場合には、発電機5の出力を第1出力から第2出力まで上昇させないような制御を行う。つまり、発電機5の目標出力を、第1出力から第2出力に変更せずに、第1出力のまま維持するような制御を行う。
また、一実施形態では、冷却水コントローラ4は、発電機5の出力を第1出力から第2出力(第1出力<第2出力)まで増加させるように冷却水の噴霧量を制御した場合における冷却水の噴霧に要する費用が、発電機5の出力が上述した第1出力から第2出力になった場合における発電機5によって発電される電力によって得られる収益を下回る場合には、冷却水の噴霧量を増加させることで、発電機5の出力を第1出力から第2出力まで上昇させるような制御を行う。
このような実施形態によれば、発電機5の出力を所定出力に制御する際に、冷却水の噴霧に要する費用と、発電された電力によって得られる収益との関係を考慮することで、経済効率が高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。
幾つかの実施形態では、図1に示すように、蒸気タービンシステム1は、蒸気タービン2に供給される蒸気を生成するためのボイラ6と、ボイラ6に対して燃料を供給するための燃料供給装置7とをさらに備える。
そして、上述した図3に示すように、冷却水コントローラ4は、第1関係式取得部41と、冷却水費用算出部42と、第2関係式取得部44、燃料費用算出部45とを含んでいる。また、図示した実施形態では、燃料供給装置7からボイラ6に供給される燃料の供給量は、冷却水コントローラ4に送信されるように構成されている。
第1関係式取得部41および冷却水費用算出部42は、上述した実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
第2関係式取得部44は、燃料の供給量と発電機5の出力との関係式である第2関係式を取得する第2関係式取得処理を実行する部分である。燃料費用算出部45は、発電機5の出力が所定出力になるように燃料の供給量を制御した場合における燃料の供給に要する費用を算出する燃料費用算出処理を実行する部分である。
これら第2関係式取得処理、燃料費用算出処理は、上述した記憶装置に記憶されているプログラムを中央演算装置によって実行することによって行われる。
図6は、燃料の供給量と発電機の出力との関係式である第2関係式を示したグラフである。このようなグラフは、例えば冷却水コントローラ4の記憶装置に格納されており、上述した第2関係式取得処理において利用される。
図6に示したように、ボイラ6への燃料の供給量が増加すると、ボイラ6で生成される蒸気量が増加するため、発電機5の出力も大きくなる。そして、ボイラ6への燃料の供給量と発電機5の出力とは1次の比例関係にある。
また、図示しないが、冷却水コントローラ4の記憶装置には、ボイラ6に供給される燃料の単価が格納されており、上述した燃料費用算出処理において利用される。
そして、上述した冷却水コントローラ4は、冷却水費用算出部42で算出された費用と、燃料費用算出部45で算出された費用との関係を考慮して、冷却水の噴霧量を制御するように構成されている。
一実施形態では、冷却水コントローラ4は、発電機5の出力を第1出力から第2出力(第1出力<第2出力)まで増加させるように冷却水の噴霧量を制御した場合における冷却水の噴霧に要する費用(冷却水費用)が、発電機5の出力が第1出力から第2出力になるように燃料の供給量を制御した場合における燃料の供給に要する費用(燃料供給費用)よりも小さい場合には、燃料の供給量は増加させずに、冷却水の噴霧量を増加させることで、発電機5の出力を第1出力から第2出力に上昇させるような制御を行う。
また、一実施形態では、冷却水コントローラ4は、発電機5の出力を第1出力から第2出力(第1出力<第2出力)まで増加させるように冷却水の噴霧量を制御した場合における冷却水の噴霧に要する費用(冷却水費用)が、発電機5の出力が第1出力から第2出力になるように燃料の供給量を制御した場合における燃料の供給に要する費用(燃料供給費用)よりも大きい場合には、冷却水の噴霧量は増加させずに、燃料の供給量を増加させることで、発電機5の出力を第1出力から第2出力に上昇させるような制御を行う。
このような実施形態によれば、発電機5の出力を所定出力に制御する際に、冷却水の噴霧に要する費用と、燃料の供給に要する費用との関係を考慮することで、経済効率が高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。
幾つかの実施形態では、上述した実施形態にかかる蒸気タービンシステム1において、上述した第1関係式は、冷却水が噴霧される前の冷却空気の相対湿度を考慮して設定される。
例えば、上述した図4に示したグラフを、冷却空気の相対湿度の大きさに応じて複数用意してもよい。
冷却空気の相対湿度が低い場合の方が、冷却空気の相対湿度が高い場合と比べて、冷却空気に対して冷却水を噴霧することによって高い冷却効果が得られる。冷却空気が飽和状態(相対湿度が100%)にあると、冷却空気に対して冷却水を噴霧しても冷却効果は得られない。このように、冷却空気に対して冷却水を噴霧することによる冷却効果は、冷却空気の相対湿度に応じて大きく変化する。
したがって、このような実施形態によれば、冷却水の噴霧量と発電機5の出力との関係を精度よく把握できるため、より経済効率の高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。
幾つかの実施形態では、上述した実施形態にかかる蒸気タービンシステム1において、上述した第1関係式は、冷却空気の流量を考慮して設定される。
例えば、冷却水の噴霧量と発電機5の出力との関係式である第1関係式を単純な一次関数として設定するのではなく、上述した図4に示したように、冷却水の噴霧量が所定量(図中のa点)以下の範囲と所定量を越える範囲とで異なる関数を有するように、第1関係式を設定してもよい。
このような実施形態によれば、冷却水の噴霧量と発電機5の出力との関係を精度よく把握できるため、より経済効率の高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。
幾つかの実施形態では、上述した冷却水コントローラ4は、冷却水の噴霧量に応じて、冷却ファン32の回転数を制御するように構成される。
図1に示した実施形態では、冷却ファン32は、ファンブレード321と、ファンブレード321を回転させるモータ322と、モータ322の回転数を制御可能なインバータ323とを有している。インバータ323は、冷却水コントローラ4から送信される回転数指令に基づいてモータ322の回転数を制御するように構成されている。つまり、冷却水コントローラ4は、冷却水の噴霧量に応じた回転数指令をインバータ323に送信することで、冷却ファン32の回転数を制御するように構成されている。
一実施形態では、冷却水コントローラ4は、冷却水の噴霧量が多いほど、冷却ファン32の回転数が大きくなるように、冷却ファン32の回転数を制御する。
一実施形態では、冷却水コントローラ4は、冷却水の噴霧量が所定量以下の範囲と、所定量を超える範囲とで、冷却ファン32の回転数が異なるように(後者の方がより回転数が大きくなるように)制御する。
冷却水の噴霧量に比して冷却空気の流量が過少の場合には、冷却水の液滴が重力によって落下してしまい、冷却空気の冷却に寄与しない冷却水の割合が増加する。また、冷却水が蒸発する前に復水管の間をすり抜けてしまい、冷却空気の冷却に寄与しない冷却水の割合が増加する。一方、冷却水の噴霧量に比して冷却空気の流量が過大の場合には、冷却空気温度が所定の温度迄低下しないまま、復水管31に供給され、期待した冷却効果が得られず、蒸気タービンの効率低下となる。したがって、このような実施形態によれば、冷却水の噴霧量に応じて冷却ファン32の回転数を適正に制御することで、冷却水の噴霧量が変動する場合であっても常に高い冷却性能を発揮させることができる。
幾つかの実施形態では、上述した冷却水コントローラ4は、発電機5の出力(発電量)に応じて、冷却ファン32の回転数を制御するように構成される。
一実施形態では、冷却水コントローラ4は、発電機5の出力を第1出力から第2出力(第1出力<第2出力)まで増加させる制御を行う場合には、冷却ファン32の回転数を大きくする制御を行う。
一実施形態では、冷却水コントローラ4は、発電機5の出力を第2出力から第1出力(第1出力<第2出力)まで減少させる制御を行う場合には、冷却ファン32の回転数を小さくする制御を行う。
本発明者らの知見によれば、冷却ファン32の回転数を大きくすることで、蒸気タービン1から排出される排気の凝縮量が増加することで真空度が上昇し、蒸気タービン1の出力が上昇することが明らかになっている。
したがって、このような実施形態によれば、発電機5の出力に応じて、冷却水の噴霧量に加えて冷却ファン32の回転数も制御することで、発電機5の出力をさらに高い応答性で制御することができる。
幾つかの実施形態では、上述した冷却水コントローラ4は、蒸気タービン2から排出される排気の圧力(圧力計221で測定された実排気圧力)と、目標排気圧力との偏差に応じて、冷却ファン32の回転数を制御(補正)するように構成される。
ここで目標排気圧力とは、発電機5の出力状態が目標出力にある場合における排気圧力を意味している。目標排気圧力は、例えば、発電機5の目標出力が3,000kWの場合は−70kPa(ゲージ圧)、発電機5の目標出力が4,000kWの場合は−80kPaといったように、発電機5の目標出力毎に予め設定されており、冷却水コントローラ4の記憶部に格納されている。
一実施形態では、圧力計221で測定された排気の圧力(Pm)が目標排気圧力(Pt)よりも小さい場合(Pm<Pt)には、冷却ファン32の回転数が、発電機5の目標出力に対応して設定された冷却ファン32の回転数よりも大きくなるような制御が行われる。また、目標排気圧力(Pt)と圧力計221で測定された排気の圧力(Pm)との偏差が大きいほど、冷却ファン32の回転数がより大きくなるような制御が行われる。
一実施形態では、圧力計221で測定された排気の圧力(Pm)が目標排気圧力(Pt)よりも大きい場合(Pm>Pt)には、冷却ファン32の回転数が、発電機5の目標出力に対応して設定された冷却ファン32の回転数よりも小さくなるような制御が行われる。また、圧力計221で測定された排気の圧力(Pm)と目標排気圧力(Pt)との偏差が大きいほど、冷却ファン32の回転数がより大きくなるような制御が行われる。
蒸気タービン2から排出される排気の圧力は、蒸気タービン2の出力や発電機5の出力に先んじて変化する。
したがって、このような実施形態によれば、蒸気タービン2から排出される排気の実排気圧力と、目標排気圧力との偏差に応じて冷却ファン32の回転数を制御(補正)することで、発電機5の出力をさらに高い応答性で、且つ高い精度で、制御することができる。
一実施形態では、実排気圧力(Pm)と目標排気圧力(Pt)との偏差の絶対値が所定値を超えた場合にのみ、冷却ファン32の回転数を変化させる制御を行うように構成してもよい。すなわち、実排気圧力(Pm)と目標排気圧力(Pt)との偏差に基づく制御に対して不感帯域を設けてもよい。これにより、ハンチングを抑制することができる。
幾つかの実施形態では、上述した冷却水コントローラ4は、冷却水が噴霧される前の冷却空気の温度に応じて、冷却ファン32の回転数を制御するように構成される。
一実施形態では、冷却水が噴霧される前の冷却空気の温度が高いほど、冷却ファン32の回転数が大きくなるように、冷却ファン32の回転数を制御する。
一実施形態では、冷却水コントローラ4は、冷却水が噴霧される前の冷却空気の温度が所定温度以下の場合と、所定温度を超える場合とで、冷却ファン32の回転数が異なるように(後者の方がより回転数が大きくなるように)制御する。
冷却空気の温度が高い場合の方が、冷却空気の温度が低い場合と比べて、冷却空気に対して冷却水を噴霧することによって高い冷却効果が得られる。このように、冷却空気に対して冷却水を噴霧することによる冷却効果は、冷却空気の温度に応じて変化する。
したがって、このような実施形態によれば、冷却空気の温度に応じて冷却ファン32の回転数を適正に制御することで、より高い冷却性能を発揮させることができる。
幾つかの実施形態では、上述した冷却水コントローラ4は、冷却水が噴霧される前の冷却空気の温度が第1規定温度を下回る場合には、冷却ファン32の回転数を所定の一定回転数に制御するように構成される。
冷却ファン32の出力が低過ぎると(冷却ファンの回転数が小さ過ぎると)、冷却ファン32の送風量に比して消費電力が高くなるため、経済性が低下する。
したがって、このような実施形態によれば、冷却空気の温度が第1規定温度を下回る場合には冷却ファン32を所定の一定回転数に制御することで、より経済効率の高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。
幾つかの実施形態では、上述した冷却水コントローラ4は、冷却水が噴霧される前の冷却空気の温度が第2規定温度を下回る場合には、冷却水の噴霧量が零になるように制御するように構成される。
一実施形態では、第2規定温度は、上述した第1規定温度と同じ温度か、上述した第1規定温度よりも低い温度である。
冷却空気の温度が高い場合の方が、冷却空気の温度が低い場合と比べて、冷却空気に対して冷却水を噴霧することによって高い冷却効果が得られる。一方、冷却空気の温度が低過ぎると、冷却空気に対して冷却水を噴霧しても、十分な冷却効果が得られなくなる。
したがって、このような実施形態によれば、冷却空気の温度が第2規定温度を下回る場合には冷却水の噴霧を停止することで、より経済効率の高い冷却水の噴霧量制御を行うことができる。
以上、本発明の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、冷却水コントローラ4は、発電機5の出力に応じて、冷却水の噴霧量を制御するように構成されていた。しかしながら、一実施形態では、冷却水コントローラ4は、発電機2の出力(電力量)ではなく、蒸気タービン2の出力(タービンの機械出力)に応じて、冷却水の噴霧量を制御するように構成されていてもよい。
1 蒸気タービンシステム
2 蒸気タービン
21 蒸気導入管
22 排気管
221 圧力計
3 空冷式熱交換器
31 復水管
32 冷却ファン
321 ファンブレード
322 モータ
323 インバータ
33 冷却水噴霧装置
331 冷却水供給管
332 冷却水ノズル
333 冷却水ポンプ
334 冷却水制御弁
34 蒸気分配管
35 復水集合管
36 復水回収管
37 温湿度計
4 冷却水コントローラ
41 第1関係式取得部
42 冷却水費用算出部
43 売電収益算出部
44 第2関係式取得部
45 燃料費用算出部
5 発電機
6 ボイラ
7 燃料供給装置

Claims (10)

  1. 蒸気タービンと、
    前記蒸気タービンから排出される排気を凝縮する空冷式熱交換器であって、
    前記蒸気タービンから排出された排気が流れる復水管、
    前記復水管に対して冷却空気を吹き付けるための冷却ファン、及び
    前記冷却空気に対して冷却水を噴霧する冷却水噴霧装置、を有する空冷式熱交換器と、
    前記冷却水噴霧装置から噴霧される前記冷却水の噴霧量を制御する冷却水コントローラと、
    前記蒸気タービンにより駆動される発電機と、を備え、
    前記冷却水コントローラは、前記蒸気タービンの出力に応じて、前記冷却水の噴霧量を制御するように構成されると共に、
    前記冷却水コントローラは、前記発電機の出力に応じて、前記冷却水の噴霧量を制御するように構成されており、
    前記冷却水コントローラは、
    前記冷却水の噴霧量と前記発電機の出力との関係式である第1関係式を取得する第1関係式取得部と、
    前記発電機の出力が所定出力になるように前記冷却水の噴霧量を制御した場合における前記冷却水の噴霧に要する費用、を算出する冷却水費用算出部と、
    前記発電機の出力が前記所定出力になった場合における前記発電機によって発電される電力によって得られる収益、を算出する売電収益算出部を含み、
    前記冷却水コントローラは、前記冷却水費用算出部で算出された費用と、前記売電収益算出部で算出された収益との関係を考慮して、前記冷却水の噴霧量を制御するように構成される蒸気タービンシステム。
  2. 前記蒸気タービンシステムは、
    前記蒸気タービンに供給される蒸気を生成するためのボイラと、
    前記ボイラに対して燃料を供給するための燃料供給装置と、をさらに備え、
    前記冷却水コントローラは、
    前記燃料の供給量と前記発電機の出力との関係式である第2関係式を取得する第2関係式取得部と、
    前記発電機の出力が前記所定出力になるように前記燃料の供給量を制御した場合における前記燃料の供給に要する費用、を算出する燃料費用算出部と、をさらに含み、
    前記冷却水コントローラは、前記冷却水費用算出部で算出された費用と、前記燃料費用算出部で算出された費用との関係を考慮して、前記冷却水の噴霧量を制御するように構成される請求項に記載の蒸気タービンシステム。
  3. 蒸気タービンと、
    前記蒸気タービンから排出される排気を凝縮する空冷式熱交換器であって、
    前記蒸気タービンから排出された排気が流れる復水管、
    前記復水管に対して冷却空気を吹き付けるための冷却ファン、及び
    前記冷却空気に対して冷却水を噴霧する冷却水噴霧装置、を有する空冷式熱交換器と、
    前記冷却水噴霧装置から噴霧される前記冷却水の噴霧量を制御する冷却水コントローラと、
    前記蒸気タービンにより駆動される発電機と、を備え、
    前記冷却水コントローラは、前記蒸気タービンの出力に応じて、前記冷却水の噴霧量を制御するように構成されると共に、
    前記冷却水コントローラは、前記発電機の出力に応じて、前記冷却水の噴霧量を制御するように構成されており、
    前記蒸気タービンシステムは、
    前記蒸気タービンに供給される蒸気を生成するためのボイラと、
    前記ボイラに対して燃料を供給するための燃料供給装置と、をさらに備え、
    前記冷却水コントローラは、
    前記冷却水の噴霧量と前記発電機の出力との関係式である第1関係式を取得する第1関係式取得部と、
    前記発電機の出力が所定出力になるように前記冷却水の噴霧量を制御した場合における前記冷却水の噴霧に要する費用、を算出する冷却水費用算出部と、
    前記燃料の供給量と前記発電機の出力との関係式である第2関係式を取得する第2関係式取得部と、
    前記発電機の出力が前記所定出力になるように前記燃料の供給量を制御した場合における前記燃料の供給に要する費用、を算出する燃料費用算出部と、を含み、
    前記冷却水コントローラは、前記冷却水費用算出部で算出された費用と、前記燃料費用算出部で算出された費用との関係を考慮して、前記冷却水の噴霧量を制御するように構成される蒸気タービンシステム。
  4. 前記第1関係式は、前記冷却水が噴霧される前の前記冷却空気の相対湿度を考慮して設定される請求項1から3の何れか1項に記載の蒸気タービンシステム。
  5. 前記第1関係式は、前記冷却空気の流量を考慮して設定される請求項1から4の何れか1項に記載の蒸気タービンシステム。
  6. 蒸気タービンと、
    前記蒸気タービンから排出される排気を凝縮する空冷式熱交換器であって、
    前記蒸気タービンから排出された排気が流れる復水管、
    前記復水管に対して冷却空気を吹き付けるための冷却ファン、及び
    前記冷却空気に対して冷却水を噴霧する冷却水噴霧装置、を有する空冷式熱交換器と、
    前記冷却水噴霧装置から噴霧される前記冷却水の噴霧量を制御する冷却水コントローラと、を備え、
    前記冷却水コントローラは、前記蒸気タービンの出力に応じて、前記冷却水の噴霧量を制御するように構成されると共に、
    前記冷却水コントローラは、前記冷却水の噴霧量に応じて、前記冷却ファンの回転数を制御するように構成される蒸気タービンシステム。
  7. 蒸気タービンと、
    前記蒸気タービンから排出される排気を凝縮する空冷式熱交換器であって、
    前記蒸気タービンから排出された排気が流れる復水管、
    前記復水管に対して冷却空気を吹き付けるための冷却ファン、及び
    前記冷却空気に対して冷却水を噴霧する冷却水噴霧装置、を有する空冷式熱交換器と、
    前記冷却水噴霧装置から噴霧される前記冷却水の噴霧量を制御する冷却水コントローラと、を備え、
    前記冷却水コントローラは、前記蒸気タービンの出力に応じて、前記冷却水の噴霧量を制御するように構成されると共に、
    前記冷却水コントローラは、前記蒸気タービンの出力に応じて、前記冷却ファンの回転数を制御するように構成される蒸気タービンシステム。
  8. 前記冷却水コントローラは、前記冷却水が噴霧される前の前記冷却空気の温度に応じて、前記冷却ファンの回転数を制御するように構成される請求項に記載の蒸気タービンシステム。
  9. 前記冷却水コントローラは、前記冷却水が噴霧される前の前記冷却空気の温度が第1規定温度を下回る場合には、前記冷却ファンの回転数を所定の一定回転数に制御するように構成される請求項に記載の蒸気タービンシステム。
  10. 前記冷却水コントローラは、前記冷却水が噴霧される前の前記冷却空気の温度が第2規定温度を下回る場合には、前記冷却水の噴霧量が零になるように制御するように構成される請求項1からの何れか1項に記載の蒸気タービンシステム。
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