JP6323870B2 - 直径分布測定装置 - Google Patents
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Description
D法の原理は単繊維にレーザビームのような単色光束を入射したとき、スクリーン上に結ばれる回折像間の距離は単繊維の直径の関数であることを利用したものであり、測定方法を要約すれば、引張試験の規格試験片である単繊維を穴(長さ25[mm]±0.5[mm])のあいた台紙(紙、柔軟な金属又は樹脂からなる薄いシート)の穴の中心線上に置き軽く引き伸ばし固定し試験片と台紙が接する部分を試験片に沿って接着剤を線状に塗布して台紙に接着したものを用いる。試験片を取り付けた台紙を支持具に固定し、試験片がレーザの光束内に位置するように調節し、スクリーン上の中心に最も近い一対の回折像暗部間の距離を、長さ計を用いて測定する。回転ゴニオメータ等を用いて試験片を15°回転し、直径を測定し、この操作を15°ごとに165°まで繰り返し、直径の平均値を求める。
単繊維の直径d[μm]は式d=λD/lから求める。ここで、λ:レーザ光の波長[μm]、D:試験片とスクリーン間の距離[mm]、l:中心に最も近い1対の回折像暗部間の距離[mm]である。なお、単繊維の直径は試験片間にばらつきがあり、また同一試験片の長さ方向にもばらつきがあるので、直径は長さに沿って異なった箇所で3回測定することが望ましいことも規定されている。
また、D法では試験片の長さ方向に3箇所で測定を行うことが望ましいと規定されているものの、試験片の支持具は15°毎に回転可能ではあるが試験片の長さ方向へ沿っての移動が考慮されておらず試験片の長さ方向に沿ってもっと多数箇所で精密に測定することが困難であった。また、D法では、スクリーン上に結んだ回折像の中心に最も近い一対の回折像暗部間の距離を測定者が長さ計で直接測定するため、測定者による計測誤差が避けられなかった(図5参照)。
そこで、本発明の解決しようとする課題は、引張試験用の規格試験片だけでなく,ねじり振動試験に用いられる試験片(図2参照)にて、360°の全ての角度範囲で正確な直径測定ができ、長さ方向に沿っても多数箇所で直径測定が容易に実現でき、さらに、回折像の中心に最も近い一対の回折像暗部間の距離を計測誤差なく正確に測定できる測定装置および方法を提供することにある。細線の直径分布を測定するとことにより,細線がらせん状にねじれている場合の、その周期などを見積もることができる。
また、本発明は、試験片である細線の一端に固定する上端固定部材と、前記細線の他端に固定する下端固定部材と、レーザ光源と、配列光学センサーと、前記上端固定部材を支持固定する支持具を設けた回転ステージ及び前記下端固定部材を支持固定する支持具を設けた下回転ステージを備えた回転ステージ装置と、前記配列光学センサーの出力を処理する制御装置とからなる直径分布測定装置であって、前記回転ステージ装置は、前記回転ステージと下回転ステージを同期して鉛直な回転軸の回りに360°の角度範囲内に亘って回転位置決めする回転位置決め手段と、前記回転ステージと下回転ステージを同期して上下方向に亘って位置決めする上下方向位置決め手段とを有し、前記レーザ光源からのレーザ光束中に前記細線を配置し、レーザ回折像を前記配列光学センサー上に結ばせ、前記配列光学センサーの出力分布を前記制御装置で解析して中心に最も近い一対の回折像暗部間の距離lを求め、式d=λD/l、ただし、λ:レーザ光の波長、D:細線と配列光学センサー間の距離、から細線の直径dを算出して求めることを特徴とする。
また、本発明は、上記直径分布測定装置において、前記レーザ光源と、回転ステージ装置と、配列光学センサーは、レール上に整列して配置したことを特徴とする。
また、本発明は細線の一端に上端固定部材を、下端におもりを固定し、前記上端固定部材を回転ステージの支持具に固定することにより、前記細線を鉛直方向に吊り下げ支持し、前記回転ステージを鉛直な回転軸の回りに360°の角度範囲内に亘って回転位置決めするとともに当該回転ステージを長さ方向に亘って上下方向位置決めして、各回転位置毎及び各上下方向位置毎に、レーザ光源からのレーザ光束中に前記細線を配置してレーザ回折像を前記配列光学センサー上に結ばせ、前記配列光学センサーの出力分布から中心に最も近い一対の回折像暗部間の距離lを求め、式d=λD/l、ただし、λ:レーザ光の波長、D:細線と配列光学センサー間の距離、から細線の直径dを算出して直径の角度分布及び長さ方向の分布を求めることを特徴とする直径分布測定方法。
また、本発明では、回転ステージを上下方向にも移動位置決めできるので、試験片である細線の長さ方向に沿って多数箇所での直径測定が行え、直径の長さ方向の分布も正確に求めることができる。また、らせん状にねじれている形状を推定することもできる。
また、本発明では、配列光学センサー上に回折像を結ばせ配列光学センサーが検出した明度の出力分布のピークの形状から回折像の中心に最も近い一対の回折像暗部間の距離を計算できるために測定者による計測誤差を減少できる。
また、本発明では、レール上にレーザ光源、回転ステージ装置、配列光学センサーを配置したので、レーザ光源、回転ステージに吊り下げ支持された細線、配列光学センサーを一直線状に整列させる位置調整が容易である。
また、本発明では、パソコンと連動させれば、測定の自動化も可能である。
レーザ光源からの光束の中に細線を位置させ、レーザ回折像を配列光学センサー上に結ばせ、制御装置により、配列光学センサーの出力分布から中心に最も近い一対の回折像暗部間の距離lを求め上記JISと同様に式d=λD/l(λはレーザの波長、Dは細線と配列光学センサー間の距離)から細線の直径dを算出して求めるようにし、一対の回折像暗部間の距離lの測定者による計測誤差を減少させたものである。レーザ光源、細線を支持するための支持具を有する回転ステージを備えた回転ステージ装置、配列光学センサーは、これらを一直線上に整列させるためにレール上に取り付け、レーザ光束の中に細線を配置させるための位置調整、レーザ回折像を配列光学センサー上に結ばせるための細線と配列光学センサー間の距離調整などが容易にできるようにしたものである。
なお、細線の他端におもりを取り付ける代わりに、他端に下端固定部材を取り付け、下端固定部材を下回転ステージの支持具に固定するようにし、下回転ステージは上回転ステージと同期して回転位置決め可能であり、かつ、下回転ステージは回転ステージと同期して上下方向に移動位置決め可能な構成を採用することもできる。
本実施例では、試験片の細線である試料繊維(炭素繊維の単繊維)の一端に上端固定部材として紙片(紙、柔軟な金属又は樹脂からなる薄いシート片)を固定し、他端におもりを固定した試験片を用い、上端固定部材である紙片を回転ステージに設けた支持具に固定すると、他端に固定したおもりにより試料繊維は垂直に一直線上に支持される。回転ステージは360°の角度範囲内の任意の位置に回転位置決め可能とし、さらに回転ステージは上下方向にも任意の位置に位置決め可能な構成とする。なお、図1に示した例では、説明を簡略化するために回転ステージの回転位置決め及び上下方向の位置決めはいずれも手動によるもので図示しているが、回転ステージの回転位置決め手段、上下方向位置決め手段を設けて自動で回転位置決め及び上下方向位置決めを行うようにしてもよい。
さらに、レーザ光を投射するレーザ発信管と配列光学センサーを具備しており、図1に図示した例では、レーザ発信管、回転ステージ装置、配列光学センサーをレール上に配置しているので、これらを一直線に整列させレーザ回折像を配列光学センサー上に結ばせるための調整が容易にできる。
レーザ発信管から投射されるレーザ光束内に試料繊維を位置せしめ、配列光学センサー上に回折像を結ばせると、試料繊維の直径d[μm]は、式d=λD/lを満たす、ただし、λ:レーザ光の波長[μm]、D:試料繊維と配列光学センサー間の距離[mm]、l:中心に最も近い一対の回折像暗部間の距離[mm]である。そこで、制御装置で、配列光学センサーの出力から出力分布を解析して中心に最も近い一対の回折像暗部間の距離lを求め、前記関係式から試料繊維の直径dを演算により求める。制御装置には、メモリー手段や表示手段を設けておき、測定結果の記憶や、配列光学センサーの出力分布の表示(図1参照)などを行う。
配列光学センサーはラインセンサーを水平に設置したものであってもよく、例えばCCDラインセンサーなどを用いればよい。
また、以上の説明では試験片の細線として、繊維試料(単繊維)で説明したが、レーザ光が透過しない不透明な細線であれば回折を用いて直径が測定できることは言うまでもない。
本発明の回転ステージは360°全ての角度範囲で回転位置決め可能であるから、回転ステージを所望の角度毎に位置決めしつつ360°の角度範囲に亘って繰り返せば、直径の角度方向の分布を精密に求めることができる。
Claims (4)
- レーザ光源と、配列光学センサーと、前記細線の一端に固定される上端固定部材を支持固定する支持具を設けた回転ステージ及び前記細線の他端に固定される下端固定部材を支持固定する支持具を設けた下回転ステージを備えた回転ステージ装置と、前記配列光学センサーの出力を処理する制御装置と、を含む直径分布測定装置であって、
前記回転ステージ装置は、前記回転ステージ及び下回転ステージを同期して鉛直な回転軸の回りに360°の角度範囲内に亘って回転位置決めする回転位置決め手段と、前記回転ステージ及び下回転ステージを同期して上下方向に亘って位置決めする上下方向位置決め手段と、を有し、鉛直方向に吊り下げ支持された前記細線を前記レーザ光源からのレーザ光束中に配置させ、レーザ回折像を前記配列光学センサー上に結ばせるようにし、
前記制御装置は、前記配列光学センサーの出力分布の中心に最も近い一対の回折像暗部間の距離lを求め、式d=λD/l、ただし、λ:レーザ光の波長、D:細線と配列光学センサー間の距離、から前記細線の直径dを演算し、前記細線の直径の角度分布及び長さ方向の分布を与え得ることを特徴とする直径分布測定装置。 - 前記配列光学センサーはラインセンサーを水平に設置したものであることを特徴とする請求項1記載の直径分布測定装置。
- 前記レーザ光源と、前記回転ステージ装置と、前記配列光学センサーは、レール上に整列して配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の直径分布測定装置。
- 請求項1乃至3のうちの1つに記載の直径分布測定装置を用いて細線の直径の角度分布及び長さ方向の分布を測定する方法であって、
前記細線の一端を上端固定部材に他端を下端固定部材に固定し、前記上端固定部材及び前記下端固定部材をそれぞれ回転ステージ及び下回転ステージの支持具に固定することにより、前記細線を鉛直方向に吊り下げ支持し、
前記回転ステージ及び前記下回転ステージを同期して鉛直な回転軸の回りに360°の角度範囲内に亘って回転位置決めするとともに、前記回転ステージ及び前記下回転ステージを同期して長さ方向に亘って上下方向位置決めして、各回転位置毎及び各上下方向位置毎に、レーザ光源からのレーザ光束中に前記細線を配置してレーザ回折像を前記配列光学センサー上に結ばせ、
前記配列光学センサーの出力分布から中心に最も近い一対の回折像暗部間の距離lを求め、式d=λD/l、ただし、λ:レーザ光の波長、D:細線と配列光学センサー間の距離、から前記細線の直径dを算出して、前記細線の直径の角度分布及び長さ方向の分布を求めることを特徴とする直径分布測定方法。
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JP2014153793A JP6323870B2 (ja) | 2014-07-29 | 2014-07-29 | 直径分布測定装置 |
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