JP6322762B1 - 炭化物の製造方法 - Google Patents

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【課題】性能の良い炭化物を効率的に製造する。【解決手段】焼成炉1内に熱源2と外匣鉢4を設け,この外匣鉢4内に固形燃材5と内匣鉢6を設け,内匣鉢6を固形燃材5に埋没した状態とし,この内匣鉢6内に炭化物の元となる植物7を収容する。その後,熱源2によって焼成炉1内を加熱する。これにより植物7を炭化させる。【選択図】図1

Description

本発明は,炭化物を製造する方法に関する。
従来から,植物の炭化物をパルプ繊維にラジウム鉱石粉末を定着させるためのバインダーとして用いる技術が知られている(特許文献1)。具体的に説明すると,特許文献1には,水,パルプ繊維,及び炭化物を混合してスラリー状の紙料を得た後,この紙料にラジウム鉱石粉末を添加して抄紙することが開示されおり,炭化物に存在する単一化された多価の炭素イオンの働きを介して,ラジウム鉱石粉末がパルプ繊維に高い歩留まりで定着すると報告されている。また,特許文献1には,炭化物の作成方法として,小豆等の植物を低酸素雰囲気下で炭化させることにより炭化物を得ることが開示されている。
特許6082834号公報
ところで,特許文献1は,シート状のラドンガス発生源の製造方法に主に開示したものであり,その製造過程で用いる炭化物にはあまり着目されていない。また,特許文献1には,炭化物を作成する方法として低酸素雰囲気下で植物を加熱して炭化させることが開示されているが,性能の良い炭化物を得るために低酸素雰囲気(或いはほぼ無酸素雰囲気)を効率的に形成する方法については述べられていない。
そこで,本発明は,性能の良い炭化物を効率的に製造する新規な方法を提供することを目的とする。
本発明は,炭化物の製造方法に関する。本発明の製造方法では,まず,焼成炉1内に熱源2と外匣鉢4を設け,外匣鉢4内に固形燃材5と内匣鉢6を設け,この内匣鉢6を固形燃材5に埋没した状態とし,内匣鉢6内に炭化物の元となる植物7を収容する。そして,熱源2によって焼成炉1内を加熱する。これにより,植物7を炭化させる。植物7は,小豆や大豆などの豆類であることが好ましい。また,内匣鉢6内にはさらに液体8が充填されており,植物7が液体8に浸漬していることが好ましい。さらに,加熱する工程において,焼成炉1内の最高温度を400〜500℃とし,当該最高温度を30分以上維持することが好ましい。
上記のように,焼成炉1内に,熱源2,外匣鉢4,固形燃材5,内匣鉢6,及び植物7を配置して,焼成炉1を所定温度で加熱することにより,植物7をほぼ無酸素雰囲気下で炭化させることができる。出願人は,このような炭化方法により,豆類などの植物性の有機材料をほぼ無酸素雰囲気下で炭化させ,その炭化物を例えば1〜10μmオーダーに微粒化した炭化物粉末について研究を重ねた。このようにして得られた炭化物粒子は,ラジウム鉱石粉末をパルプ繊維に対して従来技術よりも高い歩留まり率で定着させることのできる優位な特性を示すことが明らかになった。その基本的な炭化物粒子の特性は,炭化物の元となった植物のカルボン酸基やフェノール性水酸基を構成する酸素原子が,その炭素粒子の表面上に剥ぎ取られることなく多量に残存していることに由来すると考えられる。このような炭化物は,上記のバインダーの他に,除菌剤,日焼け止め,塗料用の定着剤などの様々な製品に応用できると期待される。
本発明によれば,性能の良い炭化物を効率的に製造することができる。
図1は,炭化物の製造に用いる焼成装置の構造を模式的に示した断面図である。 図2は,加熱方法の一例を示したグラフである。 図3は,炭化物微粒子についてBET解析を行った結果を示している。 図4は,炭化物微粒子についてX線光電子分光分析を行った結果を示している。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
図1は,炭化物の製造に用いる焼成装置の構造を模式的に示している。図1に示されるように,焼成装置は,焼成炉1の内部に複数の熱源2が配置されている。焼成炉1の外壁は,例えばレンガなどを積み上げることによって構築される。また,熱源2の例は,ガスバーナーである。ガスバーナーの火力は適宜調節することができ,これにより焼成炉1内の温度を制御できる。ガスバーナーは,焼成炉1内部に複数基設けるとよい。また,焼成炉1内には温度計3を設置することが好ましい。これにより,焼成炉1内の温度を適宜適温に調整することが可能となる。なお,焼成炉1は,陶芸用の灯油窯やガス窯を用いることが好ましいが,電気窯を用いることも可能である。電気窯を用いる場合,例えば熱源2は電熱線(ニクロム線など)となる。
焼成炉1内には,ガスバーナー等の熱源2とともに,外匣鉢4が配置されている。外匣鉢4は,セラミックなどの耐火性材料で形成された容器である。外匣鉢4は,完全な密閉系である必要はなく,多少の通気性を有しており,例えば外匣鉢4の上部にある粘土で封じた微細孔の隙間などから気体が流入/流出するものであってもよい。
外匣鉢4の内部には,固形燃材5とともに内匣鉢6が収容される。固形燃材5としては,籾殻,おが屑,椰子殻,蕎麦殻,木材チップ,木材パルプ若しくは木質ペレット,又はそれらの混合物など,細かい粉状又は粒状の可燃物を用いることができる。図1に示されるように,外匣鉢4内に固形燃材5が敷き詰められ,その中に内匣鉢6が埋没されている。内匣鉢6は,外匣鉢4と同様にセラミックなどの耐火性材料で形成された容器であり,外匣鉢4内に収容できるように外匣鉢4よりも小さいザイズのものが用いられる。内匣鉢6は,完全な密閉系である必要はなく,多少の通気性を有しており,例えば内匣鉢6の上部にある粘土で封じた微細孔の隙間などから気体が流入/流出するものであってもよい。また,内匣鉢6が固形燃材5内に埋没した状態とは,図1に示されるように,少なくとも,固形燃材5が内匣鉢6の上面よりも高く積み上げられるとともに,内匣鉢6の側壁と外匣鉢4の側壁の間の間隙が固形燃材5によって満たされている状態を意味する。このように,内匣鉢6は周囲全体が固形燃材5によって覆われた状態で,外匣鉢4内に収容される。
また,内匣鉢6内には,炭化物の原材料となる植物7が収容される。炭化物の原料となる植物7としては,小豆,大豆,ひよこ豆,いんげん豆,落花生等の豆類を用いることが好ましい。また,植物7は,豆類に限られず,例えば,籾殻,おが屑,椰子殻,蕎麦殻,木材チップ,木材パルプ,木質ペレット,綿花,セルロース系繊維,茶葉,サトウキビ,果実(みかん・バナナ等),藁,広葉樹,針葉樹,竹,生ゴミの有機廃棄物等を用いることもできる。また,内匣鉢6の内部には,水などの液体8を充填することが好ましい。この場合,内匣鉢6内では,植物7が液体8内に浸漬した状態となる。液体8としては,水(純水)の他に,アルコール類を用いることもできる。焼成炉1内が加熱されると,内匣鉢6内の液体8は蒸発(又は過熱)して,内匣鉢6の隙間や微細孔から外部へと流出し,最終的には内匣鉢6内には残留しないようになる。
熱源2を用いた加熱は,温度計3によって焼成炉1内の温度を確認しながら行う。図2は,加熱方法の一例を示したグラフである。図2は,焼成炉1内の温度と経過時間の関係を示している。図2に示されるように,焼成炉1内のガスバーナーを点火して,焼成炉1内の最高温度が400〜500℃(特に450℃)となるように加熱する。このとき,最高温度の到達時間が4〜6時間(特に5時間)となるように昇温する。昇温速度は,基本的にほぼ等速であることが好ましい。例えば,5時間で450℃まで昇温する場合に,昇温速度は90℃/時間とすればよい。焼成炉1内の温度が所定の最高温度に達した後,その最高温度を0.5〜1.5時間(特に1時間)維持する。ここまでの加熱処理は,全体で5〜8時間以内に収めることが好ましい。その後,ガスバーナーを消火して,焼成炉1内の温度が40℃以下となるまで自然冷却を行う。例えば,自然冷却は20〜30時間(特に24時間)行うとよい。このような加熱処理により,内匣鉢6内の植物7が炭化し,これを原料とした炭化物が得られる。例えば植物7として豆類を用いた場合,上記焼成後の内匣鉢6内において,炭化物は豆類の原形を留めた状態で炭化したものとなる。
上記工程により得られた炭化物は,例えばジェットミル粉砕や湿式粉砕などの粉砕法により粉砕すると良い。特に炭化物は,粒度分布のピークが10μm以下となる微粉末に粉砕されていることが好ましい。微粉末状の炭化物の平均粒子径は,例えば0.001〜0.1μm,又は0.01〜0.1μmであることが好ましい。なお,平均粒子径の測定方法は,レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製 SALD−2200)にて測定し,個数%により割合を算出する。
上記のように,本発明では,焼成炉1内に外匣鉢4と内匣鉢6とを配置し,炭化物の元となる植物7を二重の匣鉢内に収容している。これにより,植物7が収容された内匣鉢6内の保温性が高くなり,その内部に緩やかな温度上昇と温度降下をもたらすことができる。これにより植物7が緩やかに時間をかけて炭化することとなるため,炭化物の元となった植物のカルボン酸基やフェノール性水酸基を構成する酸素原子をその炭素粒子の表面上に残存させることができると考えられる。また,内匣鉢6内に液体8を充填しておくことにより,内匣鉢6の昇温速度をさらに緩やかにすることができるとともに,この液体8が蒸発(又は過熱)し内匣鉢6の微細孔等から流出することでその内匣鉢6内が安定した無酸素状態(酸欠状態)となると考えられる。このような無酸素状態は,窒素ガス置換による酸欠状態とは異なり,内匣鉢6には元々酸素が十分に存在していることから,この点からも炭化物の表面上に多量の酸素原子を残留させることに寄与すると考えられる。さらに,外匣鉢4内において内匣鉢6を籾殻等の固形燃材5に埋没した状態とすることで,内匣鉢6に空気がより流入しにくくなり,この点からも内匣鉢6を安定した無酸素状態とすることが可能となる。これにより,安定した無酸素状態で植物由来の炭化物を製造することができる。
以下,本発明の内容を実施例に基づいてより詳しく説明する。ただし,本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では,図1に示した構造の焼成装置を利用して炭化物を製造した。まず,灯油窯の焼成炉1内に,380mm角×高さ260mmの外匣鉢4を設置し,その内部に280mm角×高さ130mmの内匣鉢6を収容するとともに,その内匣鉢6を籾殻5内に埋没させた。また,内匣鉢6内に,小豆2kgと水1リットルを投入した。その後,ガスバーナー2を着火し,焼成炉1内の温度を監視しながら,炉内の温度が450℃に達するまで5時間昇温し,その後450℃で1時間保持して,ガスバーナー2を消火した。その後,24時間かけて自然冷却して焼成炉1内の温度を平温(25℃)まで降下させた。内匣鉢6内の小豆は,その原形を留めたまま完全に炭化しており,これにより小豆由来の炭化物が得られた。また,炭化物に対してジェットミル粉砕及び湿式粉砕を行って粒度分布のピークが10μm以下となり平均粒子径が0.071μmとなった微粒子を得た。
上記方法により得られた炭化物微粒子の表面特性(特に比表面積)を分析するために,BET解析を行った結果を図3に示す(東京都立産業技術研究センター委託)。この炭化物微粒子について,図3中に示したBET理論関係式を用い,割り出した傾きと切片の値からC(吸着分子の凝縮係数)とV(単分子層吸着量)の値を求めた。比表面積は,VよりN分子の占有面積とアボガドロ定数から計算した。なお,式中のPは気体分子(吸着質)が固体表面に吸着するときの圧力であり,Pは飽和蒸気圧である。
BET解析の結果,炭化物微粒子の比表面積は1.55m/gであった。通常の炭化物微粒子(活性炭等)は,有機材料の特徴であるカルボキシル基やフェノール性水酸基等を構成する酸素原子,水素原子が追い出されてその表面に無数の微小空洞が形成されて,大きな比表面積となることが知られており,その比表面積は一般的に400m/g程度であるとされている。これに対して,本発明により得られた炭化物微粒子は,上記のように比表面積が1.55m/gと極めて小さく,その表面に微小空洞が無数に形成された状態ではなく,むしろ表面が滑らかな状態であり,その比表面積が活性炭微粒子の1/200以下であることが判った。
また,上記炭化物微粒子についてX線光電子分光分析(ワイドスキャン分析)を行った結果を図4に示す(東京都立産業技術研究センター委託)。分析条件は以下のとおりである。
・使用機器:アルバック・ファイ株式会社製 PHI Quantera II
・測定条件:X線条件:100μm25W
:検出角度:45°
:Pass energy:280eV
:積算回数:3回
:分析範囲:0~1100eV
:プリスパッタ:なし
X線光電子分光分析の結果,本発明により得られた炭化物微粒子の表面にはカルボン酸やフェノールから水素原子を取られた状態のカルボキシル基の−OO,あるいはフェノール性水酸基の−Oが多量に残存していることが判明した。このような反応基を構成する酸素原子の存在は,この炭化物微粒子の化学的活性を特徴づけるものになると考えられる。
続いて,上記の製造方法により得られた炭化物微粒子と純水を混合したもの(炭化物含有水)を,ラジウム鉱石粉末と楮繊維を定着させるためのバインダーとして用いる試験を行った。ここでは,和紙作成用の紙漉器を利用して,シート状のラドンガス発生源を製造した。まず,水150Lが入った水槽に,楮繊維90gを投入し,撹拌による十分な分散を行い,次いで上記方法で製造した炭化物含有水50ml(50g)(炭化物粉末濃度8.6ppm)を撹拌しながら加えた。その後,水槽にラジウム鉱石粉末40gを投入しよく撹拌して,ラジウム鉱石粉末と楮繊維を定着させた。ラジウム鉱石粉末が均一に撹拌された後,得られた原料を紙状に抄き上げて,プレスによって平坦にならし,その後乾燥させた。つまり,実施例1において,原料の比率は,180g(100%)=楮繊維90g(50%)+炭化物含有水50ml(28%)+ラジウム鉱石粉末40g(22%)であった。
実施例1の方法で得られたラドンガス発生源は,ハガキ大1.3gで,ラジウム線量が26302Bq/m/gを示すものであり,高い線量が得られることが判った。このため,上記炭化物含有水を利用すれば,高い歩留率(定着率)が得られることが確認された。
[比較例1]
比較例1では,実施例1とは異なる方法で得られた炭化物微粒子と純水を混合したもの(炭化物含有水)を,ラジウム鉱石粉末と楮繊維を定着させるためのバインダーとして用いる試験を行った。比較例1では,実施例1の炭化物の効果を確認すべく,実施例1とは異なる方法で低酸素状態を生成し,小豆を炭化させた。すなわち,まず,灯油窯の焼成炉内に,280mm角×高さ130mmの匣鉢(実施例1の内匣鉢6と同じもの)を配置し,その匣鉢内に小豆2kgを投入した。このとき,小豆の充填時に匣鉢から空気を吸引排気し,その代わりに窒素ガスを吹き込んで匣鉢の蓋を密閉した。その後,実施例1と同様の加熱条件で小豆を炭化させた。すなわち,ガスバーナーを着火し,焼成炉内の温度を監視しながら,炉内の温度が450℃に達するまで5時間昇温し,その後450℃で1時間保持して,ガスバーナーを消化した。その後,24時間かけて自然冷却して焼成炉内の温度を平温(25℃)まで降下させた。匣鉢内の小豆は,その原形を留めたまま完全に炭化しており,これにより小豆由来の炭化物が得られた。また,炭化物に対してジェットミル粉砕及び湿式粉砕を行って粒度分布のピークが10μm以下となり平均粒子径が0.071μmとなった微粒子を得た。そして,ここで得られた炭化物微粒子と純水を混合したもの(炭化物含有水)を,ラジウム鉱石粉末と楮繊維を定着させるためのバインダーとして用いる試験を行った。つまり,和紙作成用の紙漉器を利用して,シート状のラドンガス発生源を製造した。炭化物の製造条件が異なる以外は,ラドンガス発生源の製造条件は上記実施例1と同じである。
比較例1の方法で得られたラドンガス発生源は,ハガキ大1.3gで,ラジウム線量が14101Bq/m/gを示すものであり,十分な線量ではあるものの,実施例1と比べて劣ることが判った。
上記実施例1と比較例1を対比すると,実施例1の方法によって得られた炭化物微粒子は,比較例1のような窒素ガス置換によって低酸素状態を形成したものに比べて,ラジウム鉱石粉末を楮繊維に定着させるバインダーとしての性能が優れていることが確認された。
[炭化物微粒子の応用例]
図3及び図4に示されるように,本発明の製造方法により得られた炭化物微粒子(或いは炭化物)は,その表面に微小空洞が無数に形成された状態ではなく,むしろ表面が滑らかな状態であり,また,その表面にカルボキシル基やフェノール性水酸基を構成する酸素原子が多量に残存していることが判った。このような化学的活性により,この炭化物微粒子には以下の様な応用例が考えられる。
炭化物微粒子は上記科学的活性を特徴としており,一見水溶性である(因に活性炭は水に溶けない)。すなわちコロイド状の水和の状態を容易に作ることができる。炭化物微粒子の表面は酸素のマイナスイオンにより覆われており,近傍の水の分子はダイポール化して,水素側が微粒子側に,酸素側が水側に向かって配向する。このような状態は強力なイオンの接近によって容易に破られ化学反応の邪魔にはならない水和の状態である。そこで,住宅の玄関扉の塗装にこの炭化物微粒子を含有した水(炭化物含有水)を用いたところ,油性のペンキを容易に溶解させることができた。また,塗装後の経年劣化もあまり目立たない状態にある。炭素の存在が電磁波の分散に有効であると推測される。つまり,この炭化物含有水は界面活性効果を有しており油性とのなじみがよいことが確認できた。
また,炭化物含有水を花瓶に切り花を飾る際に少量滴下すると,花の延命が可能となった。切り花に付着したり水中に存在したりする雑菌類を炭化物微粒子が拘束又は固定化するためであると推測される。
また,炭化物含有水を日焼け止めや化粧水として利用することもできる。炭化物微粒子が電磁波に対する反射効果を有していることは既に知られているが,炭化物含有水を肌に噴霧するだけでレジャーなどでの肌の防護に利用することができる。また,美肌効果を期待して化粧水の代わりに用いることも可能である。炭化物微粒子の水和性や水分子のダイポールとしての特徴が有効な働きをしているものと推測される。
さらに,ラジウムの水溶性を利用して和紙にラジウムイオンを定着させる試みが行われている。従来は硫酸アルミニウム(Al(SO)がセルロースのバインダーとして用いられていたが,ラジウム鉱石からラジウムが容易に水溶出することを利用し,ラジウムイオンRa++が炭化物微粒子面のマイナスイオンとセルロースの繋ぎ役を果たすカチオン化の働きをする。すなわち,炭化物微粒子表面を覆っているカルボキシル基やフェノール基にラジウムイオンが付着してゼータ電位の状態がカチオンによって生じることとなり,またラジウムイオンのもう一方のプラスの反応手がセルロースをとらえることになる。Alは3価でありRaは2価の陽イオンであるが,試行によると2価でも紙すきは可能である。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態及び実施例の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
1…焼成炉 2…熱源
3…温度計 4…外匣鉢
5…固形燃材 6…内匣鉢
7…植物 8…液体

Claims (3)

  1. 炭化物の製造方法であって,
    焼成炉(1)内に熱源(2)と外匣鉢(4)を設け,前記外匣鉢(4)内に固形燃材(5)と内匣鉢(6)を設け,前記内匣鉢(6)を前記固形燃材(5)に埋没した状態とし,前記内匣鉢(6)内に前記炭化物の元となる植物(7)を収容する工程と,
    前記熱源(2)によって前記焼成炉(1)内を加熱する工程と,を含み,
    前記加熱する工程では,
    前記焼成炉(1)内の最高温度が400〜500℃となり,当該最高温度の到達時間が4〜6時間となるように,前記熱源(2)を昇温し,
    前記焼成炉(1)内の温度が前記最高温度に達した後に当該最高温度を0.5〜1.5時間維持し,
    その後前記熱源(2)による加熱を停止して,前記焼成炉(1)内の温度が40℃以下となるまで自然冷却し,
    これにより前記植物(7)を炭化させる
    炭化物の製造方法。
  2. 前記植物(7)は豆類である
    請求項1に記載の炭化物の製造方法。
  3. 前記内匣鉢(6)内にさらに液体(8)が充填されている
    請求項1に記載の炭化物の製造方法。
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