JP6320684B2 - 陽性対照の概念 - Google Patents

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Description

本発明は、増幅を用いる診断的核酸試験に関する対照概念に関する。
増幅により標的核酸を検出または定量化するための診断試験において、一般に異なる対照が用いられる。内部対照は、反応混合物に添加され、全ての単独の増幅反応の質に関して照査することおよび/またはその反応中の標的核酸を定量化することを可能にする対照核酸である。さらに、標的核酸を欠く陰性対照は、用いた試薬が標的核酸で汚染されていないことを保証するために運転される(run)。最後に、その系(機器および試薬等)の正しい機能を保証するために陽性対照も用いられる。一般に、それぞれのアッセイに関して、対応する陽性対照が提供される。例えば、HIVアッセイに関して、HIV核酸を含む陽性対照が提供される。HBVアッセイに関して、HBV核酸を含む陽性対照が提供される。単一のバイアル中でのHIV、HBVおよびHCVの同時の定性的および定量的検出のためのアッセイに関して、HIV、HBVおよびHCVの混合物を含む陽性対照が提供される。このように、その陽性対照は、それに関してそのアッセイが設計されている標的核酸を正確に含む。これはそれぞれのアッセイに関する陽性対照の別個の製造を必要とする。さらに、それぞれのアッセイに関する別個の対照バイアルが、標的核酸を検出または定量化するための方法が実施される機器システムに提供されなければならない。
一般的な記述
以下の工程を含む、別個のバイアル中で少なくとも2種類の異なる標的核酸を検出または定量化する方法を提供する:
a)前記の少なくとも2種類の標的核酸を増幅すること、ここで前記の第1標的核酸は第1バイアル中で前記の第2標的核酸を増幅せずに増幅され、前記の第2標的核酸は第2バイアル中で前記の第1標的核酸を増幅せずに増幅される;
b)工程a)と並行して、第3バイアル中で第1陽性対照核酸を増幅すること、ここで前記の第1陽性対照核酸は前記の第1標的核酸に関する陽性対照であり、そして第4バイアル中で第2陽性対照核酸を増幅すること、ここで前記の第2陽性対照核酸は前記の第2標的核酸に関する陽性対照であり;ここで前記の第1陽性対照核酸および前記の第2陽性対照核酸は、前記の第1陽性対照核酸および前記の第2陽性対照核酸の混合物を含む単一の陽性対照ストック溶液を含む陽性対照バイアルからその第3バイアルおよび第4バイアルに増幅の前に提供される。
さらに、本明細書で記述するようなラックを含むキットを提供し、ここでそのラックは少なくとも2個の陽性対照バイアルを含む。その少なくとも2個の陽性対照バイアルは、前記のラックの前記の開口部中に保持されている。前記の陽性対照バイアルのそれぞれは、少なくとも2種類の陽性対照核酸の混合物のストック溶液を含む。その少なくとも2種類の陽性対照核酸は、前記の分析器において実施される増幅反応における外部陽性対照としての使用のためのものである。そのキットはラベルを含み、ここで前記のラベルはキットの構成要素を用いて検出されるべき単一の標的核酸を示し、ここで前記の標的核酸はそのラックの陽性対照バイアル中の陽性対照核酸の1つである。そのキットはさらに、前記の標的核酸および対応する陽性対照核酸の増幅のための試薬を含むマスター混合物を含むマスター混合物バイアルを含む。そのキットは、そのラベル上に示されている前記の標的核酸と一致しないが前記の陽性対照バイアルのストック溶液中に存在する少なくとも1種類の陽性対照核酸に対応する標的核酸の増幅のための試薬を含むマスター混合物を含まない。
以下のものを含むキットも提供する:少なくとも2個の陽性対照バイアルを有するラック、ここで前記の陽性対照バイアルのそれぞれは少なくとも2種類の陽性対照核酸の混合物のストック溶液を含む;前記のストック溶液中に存在する対応する陽性対照核酸のための全ての標的核酸を示すラベル。そのラベルは、その陽性対照核酸のストック溶液を含むラックがその標的核酸の1種類を検出するための方法における使用のためのものであって、対応する陽性対照核酸が単一のバイアル中でそのストック溶液中に含まれているその他の標的核酸を検出するための方法における使用のためのものではないことも示す。
混合物の使用を提供し、ここで前記の混合物は別個の陽性対照反応において少なくとも第1陽性対照核酸および第2陽性対照核酸を含み、ここで前記の第1対照核酸は前記の第2陽性対照核酸の増幅の非存在下で増幅され、前記の第2陽性対照核酸は前記の第1対照核酸の増幅の非存在下で増幅される。
試料調製の作業の流れ 少なくとも2種類の標的分析物の検出および陽性対照の検出のためのバイアルを含む分析系。 少なくとも3種類の標的分析物の検出および陽性対照の検出のためのバイアルを含む分析系。 陽性対照に対応する少なくとも2種類の標的分析物の検出および陰性対照のためのバイアルを含む分析系。 図5はバイアルを有するサーモブロックを示す。 図6は装填(loading)ステーション、分離ステーション、増幅ステーションおよび陽性対照バイアルを有するラックを含む分析系を示す。 図7は陽性対照バイアルを有するラック、ラベルおよび増幅試薬を含む容器を有するキットを示す。
以下の工程を含む、別個のバイアル中で少なくとも2種類の異なる標的核酸を検出または定量化する方法を提供する:
a)前記の少なくとも2種類の標的核酸を増幅すること、ここで前記の第1標的核酸は第1バイアル中で前記の第2標的核酸を増幅せずに増幅され、前記の第2標的核酸は第2バイアル中で前記の第1標的核酸を増幅せずに増幅される;
b)工程a)と並行して、第3バイアル中で第1陽性対照核酸を増幅すること、ここで前記の第1陽性対照核酸は前記の第1標的核酸に関する陽性対照であり、そして第4バイアル中で第2陽性対照核酸を増幅すること、ここで前記の第2陽性対照核酸は前記の第2標的核酸に関する陽性対照であり;ここで前記の第1陽性対照核酸および前記の第2陽性対照核酸は、増幅の前に前記の第1陽性対照核酸および前記の第2陽性対照核酸の混合物を含む単一の陽性対照ストック溶液を含む陽性対照バイアルからその第3バイアルおよびその第4バイアルに提供される。
この方法の利点は、少なくとも2種類の異なる標的核酸の混合物を含む単一の陽性対照ストック溶液を用いることにより、異なる標的核酸を検出または定量化するアッセイに関して個々の陽性対照を運転するために複数の陽性対照の単一の陽性対照ストック溶液のみが必要とされることである。これは、異なる試験キットのためにより大きな陽性対照のバッチを製造することができるため、製造に関して向上した効率および費用節約を提供する。それはまた、陽性対照の混合物を含む単一のバイアルを異なる標的核酸を検出または定量化するために用いることができるため、標的核酸を検出または定量化するための分析系を単純化する。
上記の方法において、前記の第1標的核酸を第1バイアル中で前記の第2標的核酸を増幅せずに増幅し、前記の第2標的核酸を第2バイアル中で前記の第1標的核酸を増幅せずに増幅して前記の少なくとも2種類の標的核酸を増幅することは、前記の第1標的核酸を特異的に増幅するためのプライマーのみを第1バイアルに添加することにより達成される。第2標的核酸またはあらゆるさらなる標的核酸を増幅するためのプライマーは第1バイアルには添加されず、従ってそれは第1バイアルには存在しない。第2標的核酸の増幅は、第2標的核酸を特異的に増幅するためのプライマーのみを第2バイアルに添加することにより達成される。第1標的核酸または第2標的核酸以外のあらゆるさらなる標的核酸を増幅するためのプライマーは第2バイアルには添加されず、従ってそれは第バイアルには存在しない。同様に、第1標的核酸に関する陽性対照を増幅するためのプライマーのみが第3バイアルに添加され、第2標的核酸に関する陽性対照を増幅するためのプライマーのみが第4バイアルに添加される。他の標的核酸を検出するためのプライマーは、これらのバイアルには存在しない。同じ原理が第3または第4標的核酸ならびにそれらのそれぞれの陽性対照反応に適用されることは理解される。従って、第3標的核酸が増幅される場合、それは第3標的核酸に関する特異的なプライマーの存在下で、かつ第1または第2またはあらゆる他の異なる標的核酸に特異的なプライマーの非存在下で増幅される。特定の態様において、ある特異的な標的核酸に関して用いられるプライマーは、対応する陽性対照に関して用いられるプライマーと同じものである。
その陽性対照は並行して増幅される。これは、それらが同じ熱的プロフィールを用いて増幅されることを意味する。1態様において、その第1、第2、第3および第4バイアルは1つのマルチウェルプレートの器(vessels)であり、そのマルチウェルプレートを置くサーモブロックはそのマルチウェルプレートの器の全てに同じ熱的プロフィールを適用する。陽性対照は、診断アッセイにおける標的核酸の検出または定量化の間の増幅試薬および条件の質を保証するために用いられる。
1つの特定の態様において、さらなる工程で、その標的核酸および陽性対照核酸を検出または定量化する。
用語“検出する”は、本明細書で用いられる際、試料中の標的核酸の存在または非存在を評価することを目的とする定性試験に関する。例として、検出はその標的核酸と結合する蛍光色素を測定することによることができる。
用語“定量化する”は、本明細書で用いられる際、試料中に存在する標的核酸の量または濃度の決定に関する。定量化は、既知の濃度の内部標準の増幅に基づいて実施される。
用語“増幅する”は、本明細書で用いられる際、一般に標的核酸からの複数の核酸分子の生成を指し、ここでプライマーがポリメラーゼによる伸長のための開始部位を提供するためにその標的核酸分子上の特定の部位にハイブリダイズする。増幅は当技術で一般的に知られているあらゆる方法により実施することができ、それは例えば以下の方法であるが、それらに限定されない:標準的なPCR、ロングPCR、ホットスタートPCR、qPCR、RT−PCRおよび等温増幅法。他の増幅反応には、とりわけ、リガーゼ連鎖反応、ポリメラーゼリガーゼ連鎖反応、ギャップ−LCR(Gap−LCR)、修復連鎖反応(Repair Chain Reaction)、3SR、NASBA、鎖置換増幅(Strand Displacement Amplification)(SDA)、転写媒介増幅(Transcription Mediated Amplification)(TMA)、およびQβ−増幅が含まれる。
用語“異なる標的核酸”は、本明細書で用いられる際、アッセイされる異なる標的に関する。標的核酸は、生物学的試料中に存在する可能性があり、そのアッセイにより標的とされる核酸である。核酸はRNAまたはDNA、二本鎖もしくは一本鎖核酸を含む。1態様において、その核酸はヒトまたは動物またはウイルスまたは微生物の核酸であってよい。従って、用語“異なる標的核酸”は、本明細書で用いられる際、アッセイされる異なる標的に関する。
2種類の標的核酸が別個のバイアル中で試験される場合、それは一方の標的核酸は一方のバイアル中で試験されるが他方のバイアル中では試験されず、第2標的核酸に関してもまた同じであることを意味する。
用語“バイアル”は、液体溶液を保持するための入れ物またはチューブまたは容器または器に関する。そのようなバイアルには、反応が起こるバイアルが含まれる。そのようなバイアルはまた、反応における使用のための溶液または混合物が、反応が起こる異なるバイアルに移される前に保管されるバイアルに関してもよい。一部の態様において、1個より多くのバイアルが一体的に形成されている。1態様において、反応が起こるバイアルはマルチウェルプレートの器である。別の態様において、バイアルは、貫通できるキャップを含んでいてよくラック中に保持されている個々のバイアルである。
用語“陽性対照核酸”は、本明細書で用いられる際、それぞれの標的核酸に関する陽性対照である対照核酸に関し、それは標的核酸と同じプライマーおよびプローブにより増幅された際に、その反応混合物および増幅条件がその標的核酸が存在する場合はその増幅および検出を可能にすることを示す検出可能なシグナルを結果としてもたらす。限定的でない例として、方法がHIVの定量化に向けられている場合、その陽性対照核酸はHIV配列を含み、それは例えば装甲(armored)粒子としてパッケージングされる。装甲粒子は当技術において既知であり、HIVのエンベロープを真似る。従って、その陽性対照核酸はその標的核酸に関する陽性対照の役目を果たす。その陽性対照は一般に別個のバイアル中でその標的核酸と並行して増幅される。
用語“陽性対照バイアル”は、本明細書で用いられる際、少なくとも第1および第2陽性対照核酸の混合物を含む単一の陽性対照ストック溶液を含むバイアルに関する。用語“単一の陽性対照ストック溶液”は、その第1および第2陽性対照核酸が2つの異なる個別の陽性対照ストック溶液中ではなく共通の陽性対照ストック溶液中に存在することを意味する。
従って、その第1陽性対照核酸および前記の第2陽性対照核酸は、単一の共通の陽性対照ストック溶液から、例えばピペッターを用いたピペット操作により第3バイアルおよび第4バイアルに提供される。従って、異なる標的核酸に関する異なる個別のアッセイの運転に関して1つの陽性対照ストック溶液のみを必要し、それはその系を単純化する。
1つの特定の態様において、その方法は加えてa)およびb)と並行して第5バイアル中で陰性対照を増幅することを含み、ここで前記の陰性対照は陰性対照バイアル中に含まれる第2の単一の陰性対照ストック溶液から提供される。
用語“陰性対照”は、本明細書で用いられる際、標的核酸が存在しない対照に関する。陰性対照の目的は、その方法を実施することができる分析器のあらゆる試薬または機器の部品が標的核酸で汚染されているかどうかを試験することである。
1態様において、その方法は自動化された分析器中で実施される。その方法が自動化された分析器中で実施される場合、その方法はその分析器に提供される異なる内容物を有する陽性対照バイアルの数を減らすことができるという利点を有する。従って、その分析器においてより少ないバイアルを装填、処理および同定すればよい。
生物学的試料は、本明細書で記述される方法において、その生物学的試料の分割量(aliquot)をバイアル中にピペットで移すことにより提供される。標的核酸は、細胞またはウイルス粒子から溶菌により放出させることができる。次いでその標的核酸を増幅の前に、例えば磁性粒子を用いる、カオトロピック化合物の存在下での固相分離により濃縮する(enriched)ことができる。あるいは、その標的核酸を他の物質から、その標的核酸に、またはポリAに特異的にハイブリダイズし、固相、例えばポリマー物質またはガラス粒子に結合しているオリゴヌクレオチドを用いる標的捕捉により分離することができる。そのような方法は当技術において周知である。分離の後、その固相を洗浄して増幅反応に関する阻害物質を除去することができ、その結合した核酸を溶離し、次いで増幅を行うことができる。その陽性対照および陰性対照は、試験すべき核酸と同じ溶菌および濃縮工程を受けさせることができる。
用語“生物学的試料”は、それに対して核酸を標的とする診断アッセイを行うことができる物質に関し、通常は生物学的源に由来する。一部の態様において、前記の生物学的試料はヒトに由来し、体液である。本発明の1態様において、その生物学的試料はヒトの血液、尿、痰、汗、拭き取り検体、ピペットで扱うことができる便、または髄液である。その生物学的試料は、標的核酸を抽出することができる組織であってもよい。
“標的核酸”は、当業者に既知であるようなヌクレオチドの重合体化合物である。“標的核酸”は、本明細書において、分析されるべき試料中の核酸、すなわち試料中のその存在、非存在および/または量が決定されるべき核酸という意味で用いられる。その標的核酸は、ゲノム配列、例えば特定の遺伝子の一部、DNAまたはRNAであってよい。他の態様において、その標的核酸はウイルスまたは微生物の核酸であってよい。特定の態様において、その標的核酸はHIV、HCVおよび/またはHBVであってよい。
用語“分割量”は、本明細書で用いられる際、試験のために用いられる液体の一部に関する。分割量は典型的にはピペットで液体の一部をバイアルに移すことにより生成され、次いでそこでさらなる処理を行う。液体の2個以上の分割量が必要である場合、例えばその液体のある量を吸引し、その量の一部を2個以上のウェルの中に放出することが可能である。あるいは、単一のバイアルに関して意図される液体の量のみを一度に分配する。
1つの特定の態様において、前記の陽性対照バイアルはラック中で提供され、前記の陰性対照バイアルはその陽性対照バイアルを含むラックとは異なる第2のラック中で提供される。
陽性対照バイアルはその分析器に、その分析器中に装填することにより提供される。従って、その陽性対照バイアルは、それらがその分析器中に装填される際にラック中に保持されている。別個のラック中の陽性対照バイアルおよび陰性対照バイアルを装填することは、陰性対照を陽性対照よりも高い頻度で運転することができるという利点を有する。これは、陽性または陰性対照バイアルを保持するラックの取り扱いのより高い効率をもたらす。従って、1態様において、前記の陽性対照バイアルを含むラック中に、陰性対照バイアルは存在しない。1態様において、前記の陰性対照バイアルを含むラック中に、陽性対照バイアルは存在しない。少なくとも1個の陽性対照バイアルを保持するラック中に陰性対照バイアルが存在しないことは、その陰性対照バイアルの汚染の危険性を低減する。
1態様において、前記の陽性対照バイアルを含むラックは少なくとも2個の陽性対照バイアルを含み、ここで前記の少なくとも2個の陽性対照バイアルの全てが同一の陽性対照核酸の混合物を含む。用語“同一の”は、その陽性対照核酸が同じ陽性対照核酸を含むことに関するが、1つの陽性対照バイアルは同じラック中の別の陽性対照バイアルとは異なる濃度の陽性対照核酸を有していてよい。この態様の陽性対照バイアルのいずれも、同じラックのその他の陽性対照バイアル中に含まれていない陽性対照核酸は含まない。これにより、1つのラックは同じ陽性対照核酸を含む陽性対照バイアルのみを保持しているため、その自動化された系の複雑さが低減される。さらに、これは異なる陽性対照核酸の混合物を含むバイアル間の交差汚染の危険性も低減する。
1態様において、少なくとも3種類の異なる標的核酸が検出または定量化され、それは追加で工程a)において第3標的核酸を第6バイアル中で前記の第1または第2標的核酸を増幅せずに増幅すること、および工程b)において追加で第3陽性対照核酸を増幅することを含み、ここで前記の第3陽性対照核酸は前記の第3標的核酸に関する陽性対照であり、ここで前記の第3陽性対照核酸は第7バイアル中で増幅され、ここで前記の第1陽性対照核酸、前記の第2陽性対照核酸および前記の第3陽性対照核酸は第3バイアル、第4バイアルおよび第7バイアルに、前記の第1陽性対照核酸、前記の第2陽性対照核酸および前記の第3陽性対照核酸の混合物を含む単一の陽性対照ストック溶液を含む陽性対照バイアルから増幅の前に提供される。従って、この方法により、1つの対照の混合物を用いて、3種類の異なる標的核酸をそれぞれ個別に別個のバイアル中で検出または定量化する3つの異なるアッセイに関して陽性対照反応を実施することができる。
1つの特定の態様において、前記の第1ラック中に含まれる全ての陽性対照バイアルは、1×10E5〜1×10E8コピー/mlの、または1×10E2〜5×10E3コピー/mlの濃度の前記の陽性対照核酸を含む。その濃度は他の単位、例えばIU/mlで提供されてもよい。コピー/mlをIU/mlに変換するための係数はその特定の標的に依存し、1.0から16までの範囲であってよい。従って、そのラックはより高い濃度の陽性対照核酸またはより低い濃度の陽性対照核酸のどちらかを含む。これは、本明細書で明記したように、より高い濃度の陽性対照核酸を含むバイアルとより低い濃度の陽性対照核酸を含むバイアルの間のあらゆる交差汚染の危険性を低減する。上記で記述したより高い濃度の陽性対照核酸のみを有するバイアルは、定量アッセイのために用いられる。その陽性対照混合物は、その反応混合物中にその反応のストリンジェンシーに影響を及ぼす可能性のあるより多くの増幅されない核酸が存在するという事実にも関わらず、用いることができる。
上記で記述した方法において、その実施される試験は、1つのラックのバイアル中の陽性対照核酸の混合物の組成に合うアッセイの群に分類することができる。
本発明はまた、少なくとも1個の高濃度陽性対照バイアルおよび/または少なくとも1個の低濃度陽性対照バイアルを含むラックに関し、ここで前記の高濃度陽性対照バイアルは1×10E5〜1×10E8コピー/mlの濃度の少なくとも2種類の異なる陽性対照核酸の混合物を含み、前記の低濃度陽性対照バイアルは1×10E2〜5×10E3コピー/mlの濃度の同じ2種類の異なる陽性対照核酸の混合物を含む。このラックを用いて、高陽性対照核酸および/または低陽性対照核酸の混合物を、自動化された分析器に、異なるバイアル中で少なくとも2種類の異なるパラメーターの定量および/または定性アッセイを実施するために提供することができる。1態様において、1個のラックは等しい数の高陽性対照核酸および低陽性対照核酸を含む。用語“高陽性対照核酸”は、本明細書で記述したようなより高い濃度の陽性対照核酸に関し、“低陽性対照核酸”は、本明細書で記述したようなより低い濃度の陽性対照核酸に関する。
本発明はさらに、自動化された核酸分析器中に装填するのに適合したラックに関する。そのラックは、少なくとも2個のバイアルを受け入れるための少なくとも2個の開口部を含む。その少なくとも2個のバイアルは、前記のラックの前記の開口部中に保持される。前記のバイアルのそれぞれは、少なくとも2種類の陽性対照核酸の混合物のストック溶液を含む。その少なくとも2種類の陽性対照核酸は、前記の分析器中で実施される増幅反応中の外部陽性対照としての使用のためのものである。その利点は本明細書で記述した通りである。
本発明は、少なくとも2個の陽性対照バイアルを受け入れるための少なくとも2個の開口部を含むラックにも関する。その少なくとも2個の陽性対照バイアルは、前記のラックの前記の開口部中に保持される。前記の陽性対照バイアルのそれぞれは、少なくとも2種類の陽性対照核酸の混合物のストック溶液を含む。その少なくとも2種類の陽性対照核酸は、前記の分析器中で実施される増幅反応中の外部陽性対照としての使用のためのものである。1態様において、そのラックはそのラックの開口部中に保持された少なくとも2個の陽性対照バイアルを含み、ここで少なくとも1個の陽性対照バイアルは高濃度陽性対照バイアルであり、1個の陽性対照バイアルは低濃度陽性対照バイアルであり、ここで前記の高濃度陽性対照バイアルは1×10E5〜1×10E8コピー/mlの濃度の少なくとも2種類の異なる陽性対照核酸の混合物を含み、前記の低濃度陽性対照バイアルは1×10E2〜5×10E3コピー/mlの濃度の同じ2種類の異なる陽性対照核酸の混合物を含む。その利点は本明細書で記述した通りである。1態様において、そのラックは、陽性対照バイアルをそのラックの開口部中に受け入れた後閉じることができるカバーを含む。さらなる態様において、その陽性対照バイアルは蓋を含む。特定の態様において、その対照バイアルの蓋はホイルのようなもろい密封材を含む。
本明細書で記述したようなラックを含むキットも開示し、ここでそのラックは少なくとも2個の陽性対照バイアルを含む。その少なくとも2個の陽性対照バイアルは前記のラック中に保持されている。前記の陽性対照バイアルのそれぞれは、少なくとも2種類の陽性対照核酸の混合物のストック溶液を含む。その少なくとも2種類の陽性対照核酸は、前記の分析器中で実施される増幅反応における外部陽性対照としての使用のためのものである。そのキットはラベルを含み、ここで前記のラベルはそのキットの構成要素を用いて検出されるべき単一の標的核酸を示し、ここで前記の標的核酸はそのラックの陽性対照バイアル中の陽性対照核酸の1種類である。そのキットはさらに、前記の標的核酸および対応する陽性対照核酸の増幅のための試薬を含むマスター混合物を含むマスター混合物バイアルを含む。そのキットは、そのラベル上に示されている前記の標的核酸と一致しないが前記の陽性対照バイアルのストック溶液中に存在する少なくとも1種類の陽性対照核酸に対応する標的核酸の増幅のための試薬を含むマスター混合物を含まない。1態様において、そのキットは、本明細書で記述したような高濃度の陽性対照核酸を有する陽性対照バイアルおよび低濃度の陽性対照核酸を有する陽性対照バイアルを含む。1態様において、そのラックは少なくとも2個の陽性対照バイアルを受け入れるための少なくとも2個の開口部を含む。
用語“増幅試薬”は、本明細書で用いられる際、核酸の増幅を可能にする化学的または生化学的構成要素に関する。そのような試薬には、核酸ポリメラーゼ、緩衝剤、モノヌクレオチド、例えばヌクレオシド三リン酸、例えばオリゴヌクレオチドプライマーのようなオリゴヌクレオチド、塩類およびそれらのそれぞれの溶液、検出プローブ、色素等が含まれてよいが、それらに限定されない。
1つの特定の態様において、そのマスター混合物は、その試薬により増幅される予定の標的核酸に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む。
“オリゴヌクレオチド”には“修飾オリゴヌクレオチド”(または“オリゴヌクレオチド類似体”)が含まれてよい。それらはオリゴマー化合物の亜集団である。この発明の文脈において、用語“オリゴヌクレオチド”は、それらの単量体単位としての複数のヌクレオチドから形成された構成要素を指す。そのホスフェート基は一般にそのオリゴヌクレオチドのヌクレオシド間主鎖を形成するものとして言及される。RNAおよびDNAの通常の結合または主鎖は、3’から5’へのホスホジエステル結合である。本発明に有用なオリゴヌクレオチドおよび修飾オリゴヌクレオチド(下記参照)は、主に当技術で記述されており当業者に既知であるように合成することができる。特定の配列のオリゴマー化合物を調製するための方法は当技術で既知であり、それには例えば適切な配列のクローニングおよび制限(restriction)ならびに直接的な化学合成が含まれる。化学合成法には、例えばNarang S. A. et al., Methods in Enzymology 68 (1979) 90-98により記述されたホスホトリエステル法、Brown E. L., et al., Methods in Enzymology 68 (1979) 109-151により開示されたホスホジエステル法、Beaucage et al., Tetrahedron Letters 22 (1981) 1859において開示されたホスホラミダイト法、Garegg et al., Chem. Scr. 25 (1985) 280-282において開示されたH−ホスホネート法、および米国特許第4,458,066号において開示された固体支持体法が含まれてよい。
本発明に従う方法において、そのオリゴヌクレオチドは化学的に修飾されていてよく、すなわちそのプライマーおよび/またはプローブは修飾ヌクレオチドまたは非ヌクレオチド化合物を含む。そのプローブまたはそのプライマーはその場合修飾オリゴヌクレオチドである。
別の態様において、キットは以下のものを含む:少なくとも2個の陽性対照バイアルを有するラック、ここで前記の陽性対照バイアルのそれぞれは少なくとも2種類の陽性対照核酸の混合物のストック溶液を含む;対応する陽性対照核酸が前記のストック溶液中に存在する全ての標的核酸を示すラベル。そのラベルは、その陽性対照核酸のストック溶液を含むラックがその標的核酸の1種類を検出するための方法における使用のためのものであって、対応する陽性対照核酸が単一のバイアル中でそのストック溶液中に含まれているその他の標的核酸を検出するための方法における使用のためのものではないことも示す。1態様において、そのキットは本明細書で記述したような高濃度の陽性対照核酸を有する陽性対照バイアルおよび低濃度の陽性対照核酸を有する陽性対照バイアルを含む。1態様において、そのラックは少なくとも2個の陽性対照バイアルを受け入れるための少なくとも2個の開口部を含む。
用語“ラベル”は、そのキットおよび/またはラックおよび/または陽性対照バイアルに取り付ける、または張り付けることができるあらゆるタイプのラベルに関する。そのラベルは、その上に情報が操作者が読むことができる様式で印刷されている面、およびキット、ラックおよび/または陽性対照バイアルへの張り付けのための接着剤を含む第2の面を含んでいてよい。
1つの特定の態様において、陰性対照溶液を含む陰性対照バイアルは前記のラックに存在しない。陰性対照バイアルが少なくとも1個の陽性対照バイアルを保持するラック中に存在しないことは、その陰性対照バイアルの汚染の危険性を低減する。
本明細書で記述したラックの1態様において、核酸が存在しない溶液を含む陰性対照バイアルはそのラックのどの開口部にも保持されていない。その利点は本明細書で記述した通りである。
別個のバイアル中で少なくとも2種類の異なる標的核酸を検出または定量化するための分析系も開示する。その分析系は、標的核酸の検出、陽性対照および陰性対照の検出のためのバイアルを含む。1態様において、そのバイアルは一体的に形成されている。増幅のためのバイアルの特定の態様は、マルチウェルプレートの器である。本明細書で記述した方法は、分析系において実施することができる。1つの特定の態様において、その分析系は本明細書で記述したような陽性対照バイアルを含むラックを含む。特定の態様において、その分析系はさらに本明細書で記述したような陰性対照バイアルを含むラックを含む。その分析系の構成要素の特定の態様は本明細書で記述されている。そのラックの特定の態様も本明細書で記述されている通りである。
1つの特定の態様において、その分析系は前記のラックをその分析系中に装填するための装填ステーション、および前記のラック中に保持されている陽性対照バイアル中の陽性対照核酸のストック溶液の分割量を前記の陽性対照バイアルから標的核酸の増幅のためのバイアルに移すためのピペット操作ステーションを含む。1つの特定の態様において、その分析系はさらに核酸を単離するためのステーションを含む。さらなる特定の態様において、その分析系は標的核酸を増幅および/または検出するためのステーションを含む。
装填ステーションは、その中に陽性対照バイアルを含むラックを手作業で、または自動的にのどちらかで装填することができ、それからそのラックを分析系内のピペット操作ステーションに移すことができるステーションに関する。
ピペット操作ステーションは、ピペット操作装置を含むステーションに関する。ピペット操作装置は、液体をバイアル、例えば陽性対照バイアルから吸引することができ、その液体を異なるバイアル中に分配することができる。
核酸を単離するためのステーションは、核酸を検出または定量化すべき生物学的試料中に含まれる他の物質から核酸を分離することができるステーションに関する。そのような核酸を単離するためのステーションに関する限定的でない例は、核酸を固体支持体、例えば磁性粒子に結合させ、磁場を適用することによりその生物学的試料中の他の物質から分離する磁気分離ステーションである。その結合した核酸を洗浄して増幅の阻害物質を除去することができる。その核酸は、増幅の前にその固体支持体から溶離してよく、またはその固体支持体の存在下で増幅してもよい。
核酸を増幅および/または検出するためのステーションは、1態様において、その中でその標的核酸が増幅される恒温器に関する。その恒温器は、等温増幅法が用いられる場合は一定の温度で保たれている恒温器、またはサーモサイクラーであってよい。1態様において、核酸を増幅するためのステーションには、その増幅された核酸を検出するためのステーションも含まれる。限定的でない例として、そのようなステーションは、検出モジュールに組み込まれたリアルタイムPCRサーモサイクラーまたは等温恒温器であってよい。さらなる態様において、その分析系は別個の検出ステーションを含み、その中でその増幅された核酸が検出される。
その分析系には、1つの特定の態様において、その標的核酸の存在または非存在を決定するのに適合したコンピューター制御装置も含まれる。特定の態様において、そのコンピューター制御装置はその標的核酸および内部標準の増幅の間または後に検出される蛍光シグナルに基づいてその標的核酸を定量化するのに適合している。さらに、そのコンピューター制御装置は前記の標的核酸に関する陽性対照核酸の検出に基づいてその標的核酸の増幅に関する増幅試薬および増幅条件の質を決定するのに適合している。
1態様において、そのラックは本明細書で記述した方法において用いられる。そのラックは本明細書で記述したような自動化された分析器において用いられてもよい。
本発明は、別個の陽性対照反応における少なくとも第1陽性対照核酸および第2陽性対照核酸の混合物の使用にも関し、ここで前記の第1対照核酸は前記の第2陽性対照核酸の増幅の非存在下で増幅され、前記の第2陽性対照核酸は前記の第1対照核酸の増幅の非存在下で増幅される。これにより、個々の標的に関する別個の陽性対照反応が単一の陽性対照ストック溶液に基づくことができる。
1態様において、その混合物は本明細書で記述した方法において用いられる。1つの特定の態様において、その混合物は高濃度混合物または低濃度混合物である。高および低濃度混合物の態様は上記で記述されている。1態様において、高濃度混合物および低濃度混合物は並行して用いられる。従って、並行した異なる標的核酸の定量アッセイおよび/または定性アッセイに関して単一の混合物を用いることができる。
試料調製
この実施例は、HIV、HBVおよびHCVの混合物を含む単一の陽性対照ストック溶液を用いて、第1、第2および第3標的核酸を別個のバイアル中で単離し、同時に増幅するためのプロセスを記述する。同じ陽性対照ストック溶液を、HIV、HBVまたはHCVを個別に定量化するためのそれぞれのアッセイを伴う3つの個別の運転において評価する。
簡潔には、示した態様において、試料調製およびリアルタイムPCRをHIV標的RNA、HCV標的RNAおよびHBV標的DNAを含む陽性対照ストック溶液に対して同一の条件下で同時に実施する。以下の陽性対照ストック溶液および陰性対照ストック溶液を分析した(HPC:高濃度陽性対照;LPC:低濃度陽性対照):
Figure 0006320684

それぞれの試料(200ul)を手作業でピペットでディープウェルプレート中に移した。それぞれのウェルに50ulの内部定量標準を手作業で添加した。HIVおよびHCVアッセイに関して、定量対照の役目を果たすRNAを添加した(6×E4装甲粒子/試料)。定量的HBVアッセイに関して、定量標準の役目を果たすDNAを添加した(1×E4ラムダ粒子/試料)。標準核酸の配列は全ての場合で同一であった。HIV、HCVおよびHBVを検出するための適切な配列、ならびに標準に関する配列およびその標準を検出するための配列は、EP2426222において開示されている。同じ標準を定性的および定量的決定の両方に関して用いることができる。
試料調製を、図1で示したスキームに従う作業の流れに従って実施した。合計3つの個別の運転を実施した;HIVアッセイのための1つの運転、HBVアッセイのための1つの運転およびHCVアッセイのための1つの運転。全ての運転は、同じ陽性対照ストック溶液および同じ陰性対照ストック溶液を用いて実施された。
増幅および検出
それぞれの運転の最後の試料調製工程の後、その単離された核酸を含有する流体を増幅を実施するためにマイクロウェルプレートの対応するウェルに移し、その単離された核酸を増幅試薬を含有するそれぞれのマスター混合物R1およびR2と混合した。
Figure 0006320684
Figure 0006320684
Figure 0006320684
Figure 0006320684
増幅および検出のため、そのマイクロウェルプレートを自動化されたプレートシーラーを用いて密封し、そのプレートを分析的サイクラー(Analytical Cycler)に移した。
全てのアッセイに関して以下の熱サイクルプロフィールを用いた:
Figure 0006320684
その前PCRプログラムは、94℃における最初の変性およびRNA鋳型の逆転写のための55℃、60℃および65℃における保温を含む。3種類の温度における保温は、より低い温度においてわずかにミスマッチした標的配列(例えば生物の遺伝的変異体)も転写され、一方でより高い温度においてRNAの二次構造の形成が抑制され、そうしてより効率的な転写がもたらされるという好都合な作用を組み合わせている。
PCRサイクルは2つの測定に分けられ、ここで両方の測定は1工程構成(アニーリングおよび伸長を組み合わせる)を適用する。55℃における最初の5サイクルはわずかにミスマッチした標的配列を予め増幅することにより向上した包括性(inclusivity)を可能にし、一方で第2測定の45サイクルは58℃のアニーリング/伸長温度を用いることによる増大した特異性を提供する。
このプロフィールを上記で言及した全てのアッセイにおいて用いて、全てのアッセイおよび試料に関して増幅および検出を達成した。
以下の表4は、その定量標準と一緒でのHxV LPCおよびHxV HPCの試料調製および増幅の結果を示す。HxV LPCおよびHxV HPCが全ての場合においてうまく増幅され、その定量標準を用いてうまく定量化されたことを理解することができる。
Figure 0006320684
図2〜4は、本方法を実施するための分析系の典型的な態様を示す。図2は分析系(9)を示す。その分析系はさらに、標的1(T1)が決定されるバイアル(1)、標的2(T2)が決定されるバイアル(2)を含む。さらに、それは標的1(T1)に対応する陽性対照(p1)が決定されるバイアル3、および標的2(T2)に対応する陽性対照(p2)が決定されるバイアル4を含む。その陽性対照(p1)および(p2)は、(p1)および(p2)の混合物を含む陽性対照バイアル(p)からバイアル3および4に添加される。
図3は、3種類の標的(T1)、(T2)および(T3)が決定されることを除いて図2の分析系に類似した分析系(9)を示し、ここで第3標的(T3)はバイアル(6)中で決定され、三種類の陽性対照(p1)、(p2)、(p3)が(p)の混合物中にあり、バイアル(3)、(4)および(7)に分配される。
図4は、少なくとも2種類の標的(T1)および(T2)が決定される分析系(9)を示す。系(9)は、ラック(10)および(11)を含む。ラック(10)は少なくとも1個のバイアル(pH)および(pL)を有する開口部(12)を含む。バイアル(pH)は本明細書で開示したような高濃度の陽性対照を含み、バイアル(pL)は本明細書で開示したような低濃度の陽性対照を含む。ラック(11)は少なくとも1個の陰性対照を有するバイアル(n)を含む。陽性対照(p1)および(p2)は同じ陽性対照ストックバイアル(pH)からバイアル(3)および(4)に添加される。当然、低濃度の陽性対照が望まれるならば、それらは陽性対照ストックバイアル(pL)から添加されてもよい。バイアル(1)、(2)、(3)、(4)および(5)は一体的に形成された器、例えばマルチウェルプレートの一部であってよく、バイアル(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の内容物は同時に、および並行して処理され、反応する。
図5は、標的核酸(T1)、標的核酸(T2)、陽性対照(p1)、陽性対照(p2)および陰性対照(n)を含むバイアル(1)、(2)、(3)、(4)および(7)にサーモブロック(T)中で同じ熱的プロフィールを施す態様を示す。
図6は、分析器(29)を有する分析系(9)を示す。その分析器はラック(10)を装填するための装填ステーション(22)を有する。さらに、その分析器は、分離ステーション(21)およびピペット操作装置(25)を有するピペット操作ステーション(28)を有する領域(28a)を含む。さらに、輸送装置(26)およびバイアル(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、...が存在する。次いで、分析器はさらに増幅ステーション(T)を有する増幅領域(27)を含む。その系(9)はコンピューター制御装置(24)も含む。
図7は、陽性対照バイアル(pH、pL)を含むラック(10)、ラベル(31)および増幅試薬(M)を有する容器またはバイアルを有するキット(30)を示す。

Claims (12)

  1. 別個のバイアル中で少なくとも2種類の異なる標的核酸を検出または定量化する方法であって、
    a)前記の少なくとも2種類の標的核酸を増幅すること、ここで前記の第1標的核酸は第1バイアル中で前記の第2標的核酸を増幅せずに増幅され、前記の第2標的核酸は第2バイアル中で前記の第1標的核酸を増幅せずに増幅される、
    b)工程a)と並行して、第3バイアル中で第1陽性対照核酸を増幅すること、ここで前記の第1陽性対照核酸は前記の第1標的核酸に関する陽性対照であり、そして第4バイアル中で第2陽性対照核酸を増幅すること、ここで前記の第2陽性対照核酸は前記の第2標的核酸に関する陽性対照であり、
    ここで前記の第1陽性対照核酸および前記の第2陽性対照核酸は、増幅の前に、前記の第1陽性対照核酸および前記の第2陽性対照核酸の混合物を含む単一の陽性対照ストック溶液を含む陽性対照バイアルから、前記第3バイアルおよび前記第4バイアルに提供される、
    を含んでな
    前記の陽性対照バイアルは自動化された分析器においてラック中で提供され、陰性対照バイアルは該陽性対照バイアルを含むラックとは異なる第2のラック中で提供され、前記の陽性対照バイアルを含むラック中に陰性対照バイアルは存在しない、陰性対照を前記の陽性対照よりも高い頻度で運転する、そして、前記方法は自動化された分析器において実施されることを特徴とする、前記方法。
  2. 加えてa)およびb)と並行して第5バイアル中で陰性対照を増幅することを含み、前記の陰性対照が陰性対照バイアル中に含まれる単一の陰性対照ストック溶液から提供される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記の陰性対照バイアルを含む前記ラック中に陽性対照バイアルが存在しない、請求項またはに記載の方法。
  4. 前記の陽性対照バイアルを含む前記のラックが少なくとも2個の陽性対照バイアルを含み、前記の少なくとも2個の陽性対照バイアルの全てが同一の陽性対照核酸の混合物を含む、請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法であって、少なくとも3種類の異なる標的核酸が検出または定量化され、追加で工程a)において第3標的核酸を第6バイアル中で前記の第1または第2標的核酸を増幅せずに増幅すること、および工程b)において追加で第3陽性対照核酸を増幅することを含み、ここで前記の第3陽性対照核酸は前記の第3標的核酸に関する陽性対照であり、ここで前記の第3陽性対照核酸は第7バイアル中で増幅され、ここで前記の第1陽性対照核酸、前記の第2陽性対照核酸および前記の第3陽性対照核酸は、増幅の前に、前記の第1陽性対照核酸、前記の第2陽性対照核酸および前記の第3陽性対照核酸の混合物を含む単一の陽性対照ストック溶液を含む陽性対照バイアルから、第3バイアル、第4バイアルおよび第7バイアルに提供される、前記方法。
  6. 前記の第1ラック中に含まれる全ての陽性対照バイアルが1×10E5〜1×10E8コピー/mlの、または1×10E2〜5×10E3コピー/mlの濃度の前記の陽性対照核酸を含む、請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 少なくとも2個の陽性対照バイアルを含むラック、ここで前記の陽性対照バイアルのそれぞれは少なくとも2種類の陽性対照核酸の混合物のストック溶液を含む、
    キットの構成要素を用いて検出されるべき単一の標的核酸を示すラベル、ここで前記の標的核酸は前記のストック溶液中の陽性対照核酸の1種類に対応する、ならびに
    前記の標的核酸および対応する陽性対照核酸の増幅のための試薬を含むマスター混合物を含むマスター混合物バイアル
    を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法を実施するために用いるキットであって、該キットが該ラベル上に示されている前記の標的核酸と一致しないが前記の陽性対照バイアルのストック溶液中に存在する少なくとも1種類の陽性対照核酸に対応する標的核酸の増幅のための試薬を含むマスター混合物を含まない、前記キット。
  8. 少なくとも2個の陽性対照バイアルを含むラック、ここで前記の陽性対照バイアルのそれぞれは少なくとも2種類の陽性対照核酸の混合物のストック溶液を含む、
    前記のストック溶液中に存在する対応する陽性対照核酸のための全ての標的核酸を示すラベル
    を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法を実施するために用いるキットであって、前記のラベルが該陽性対照核酸のストック溶液を含むラックが該標的核酸の1種類を検出するための方法における使用のためのものであって、対応する陽性対照核酸が単一のバイアル中で該ストック溶液中に含まれているその他の標的核酸を検出するための方法における使用のためのものではないことも示す、前記キット。
  9. 前記のラックが前記の少なくとも2個の陽性対照バイアルを受け入れるための少なくとも2個の開口部を含む、請求項に記載のキット。
  10. 加えて、陰性対照バイアルを含む第2のラックを含む、請求項のいずれか1項に記載のキット。
  11. 前記陽性対照バイアルはラック中に提供され、そして前記陰性対照バイアルは該陽性対照バイアルを含む該ラックとは異なる第2のラックに提供される、請求項10に記載のキット。
  12. 陽性対照バイアルを含む前記ラック中に陰性対照バイアルが存在しない、請求項11に記載のキット。
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