JP6320492B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
前面に遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認可能にする窓部を有する前扉部と、を備えてなる遊技機であって、
前記前扉部には、前記窓部よりも前方に向けて膨出すると共に、上側に開口を有する膨出部が設けられ、
前記膨出部には、前記開口を塞ぐように待機する第1形態と、該第1形態よりも前記開口の上方に突出した第2形態とに変化し得る上昇可動部が設けられており、
さらに、前記膨出部には、少なくとも前記上昇可動部が前記第2形態にあるときに前記開口を介して前記遊技領域に異物が侵入することを防ぐ異物侵入防止部が設けられることを特徴とする。
遊技機1は、枠体2と、枠体2に交換(着脱)可能に取り付けられた遊技盤3と、枠体2の前面を覆う開閉可能な前面部4と、を備えている。
枠体2は、木製又は合成樹脂製であって四角く枠組みされており、遊技場の島設備に取り付けられる。
遊技盤3は、透明な合成樹脂製の遊技基板5と、該遊技基板5の後面側に取り付けられた盤支持枠6と、該盤支持枠6に支持される第1〜第4の可動装飾体100,200,300,400を備えている。
また、遊技盤3には図示しないが、入賞装置(入賞口)に入賞した遊技球を検出する入賞球センサ等の各検出信号や、遊技機1に設けられる各種のスイッチからの入力信号を受けて処理すると共に、当り外れを決める抽選、可変入賞装置の動作処理等の遊技の進行を司る遊技進行制御や、後述する可動装飾体(第1〜第4の可動装飾体100,200,300,400)の駆動等を司る演出制御等を行う一つあるいは複数の制御装置が設けられている。
前記遊技基板5は、前面側にレール部7が設けられており、該レール部7によって遊技球で遊技を行うための遊技領域8が形成されている。該遊技領域8は、縦軸より横軸が長いほぼ横長楕円形状になっており、そうすることで従来のほぼ円形の遊技領域に比べて上下方向の寸法を短くし、その分、演出用の領域が上方に広く確保できるようにしてある。
また、遊技領域8には、上半部のほぼ中央に前後方向に貫通する演出窓9が開設されており、さらにその演出窓9の上辺とレール部7との間に遊技領域8の右側に遊技球を導くための球誘導路10が形成されている。
なお、遊技領域8には、図示しないが、遊技球の落下方向に不規則な変化を与える障害釘と、同じく風車と、遊技球を受け入れる入賞口を具備する入賞装置と、入賞装置に入賞しなかった遊技球を回収するアウト球口等が設けられている。
前記盤支持枠6は、前記のように遊技基板5の後面側に取り付けられており、左右の側枠板11,11と、遊技基板5と平行な背面板12とからなる。左右の側枠板11,11は、さらに上側枠板11aと下側枠板11bの二部材に分かれており、上側枠板11aには遊技基板5の上を越えてさらに前方に大きく張り出す前方延出部11cが突設されている。この盤支持枠6の左右の前方延出部11c,11c間であって遊技領域8の外側上方に形成される上部空間S1と、左右の側枠板11,11と背面板12で区画される遊技基板5後方の縦空間S2とが、後述する第1〜第4の可動装飾体100,200,300,400の移動領域となる。
また、盤支持枠6の背面板12は、その後面側であって前記遊技基板5に対向する位置に液晶等の画像表示装置13が取り付けられている。この背面板12は、透明な合成樹脂製であり、したがって画像表示装置13で表示される画像は、遊技基板5の正面から見ることができる。
遊技盤3には、前記のように盤支持枠6に第1の可動装飾体100と、第2の可動装飾体200と、第3の可動装飾体300と、第4の可動装飾体400が設けられているが、その詳細については前面部4の説明の後に説明する。
前面部4は、枠体2の前面にほぼ整合する形状であって、枠体2に設けられているヒンジ金具14,14で扉状に開閉可能なように取り付けられており、前記遊技盤3の前面を覆う閉状態と、遊技盤3の前面を露出させる開状態とに変化し得る。
前面部4は、遊技盤3の遊技領域8に対応する位置に窓部15を有する。該窓部15は、ガラスや合成樹脂等の透明板16で覆われており、したがって窓部15を介して遊技盤3の遊技領域8と、それより後方の画像表示装置13に映る画像が見える。
また、前面部4には、前記窓部15と自己の周縁部、具体的には自己の上縁部との間に遊技者側の前方に向けて膨出し且つ上面に開口部17を有する透明(無色透明に限らず、透過性を有していれば着色が施されていてもよい。)な膨出部18(カバー部)が設けられている。該膨出部18の内部には、遊技者側に向けて張り出している盤支持枠6の前方延出部11cや、第1の可動装飾体100等が収まる空間が形成されている。
その他、前面部4には、図1,図2に示したように、窓部15の下側に遊技者が操作するための入力操作部19が設けられ、また、その入力操作部19の下には遊技球を蓄える球皿20と、遊技領域8に発射される遊技球の打力を調整するための操作ハンドル21が設けられている。また、前面部4には、閉状態にロックする錠装置40が設けられており、専用の鍵で解錠して開き、前面部4を閉じると自動的に施錠されるようになっている。
前記第1の可動装飾体100は、図1、図13、図14に示したように、想像上の動物である「龍」の顔の上半部を、頭部101と、額部102と、眼部103に分けた三つの部品で構成されるものであって、盤支持枠6の前方延出部11cに支持される。
各部品のうち、頭部101と額部102は、図13、図14に示したように額部102に固着された軸支持部104の内向き固定ピン105を、頭部101の長孔型軸受106に挿通して連結されており、固定ピン105が長孔型軸受106内を自由移動する分を遊びとして回動自在に軸着されている。
また、額部102は、自己の前記軸支持部104に前記内向き固定ピン105と同軸で反対向きに突設した外向の額部摺動軸110を、盤支持枠6の前方延出部11cであって前記頭部摺動溝22の下に設けた前方から後方に向かって僅かに下傾する額部摺動溝23に嵌めて摺動自在に支持される。
さらに、眼部103は、後面側を水平横断して両側方に突出する眼部摺動軸111を、盤支持枠6の前方延出部11cに設けた略への字状の眼部摺動溝24に嵌めて摺動自在に支持される。
一方、それぞれの摺動軸109,110,111がそれぞれの摺動溝22,23,24の他端(眼部摺動溝24については一旦上昇して下った下端)に位置している状態では、連鎖機構のリンク関係により、図11、図12、図17に示したように頭部101と額部102と眼部103が前傾する斜めに連なった形態(第2形態)になる。かかる第2形態に変化した第1の可動装飾体100は、龍の顔の上半分を構成し、頭部101が膨出部18の前記開口部17から外側に突出するようになっている。
このように第1の可動装飾体100は、前面部4の膨出部18内に収容された状態(第1形態)と、膨出部18の開口部17から前面部4の外側に突出した状態(第2形態)とに変化し得る。
そして、第1の可動装飾体100が第1形態になって頭部101が倒伏している状態で、図18に示したように該頭部101が膨出部18の開口部17をほぼ塞ぐと共に、第1の可動装飾体100が第2形態になって頭部101が斜めに起立している状態で、図17に示したように前記摺動蓋112が開口部17の頭部101より後方の部分を塞ぐ。
さらに、第1の可動装飾体100が第2形態になって頭部101が斜めに起立している状態では、前記摺動蓋112が開口部17を塞ぐのに加え、後述する第3の可動装飾体300の表示プレート301が、膨出部18の内部における遊技領域8への侵入経路を阻害する位置に設けられるようになっている。すなわち、第1の可動装飾体100が第2形態になって頭部101が斜めに起立している状態では、前記摺動蓋112と、第3の可動装飾体300の表示プレート301とによって、二重で遊技領域8への異物侵入を防止する構造となっている。
このように実施形態では、第1の可動装飾体100の頭部101と摺動蓋112が各形態(第1形態、第2形態)にて膨出部18の開口部17を塞ぎ、膨出部18の開口を介して遊技領域8に異物が侵入することを困難にしている。また、第3の可動装飾体300の表示プレート301によって、第2形態時の遊技領域8への異物侵入をより困難にしている。よって、第1の可動装飾体100の頭部101、摺動蓋112、および、第3の可動装飾体300の表示プレート301は、膨出部18の開口を介して遊技領域8に異物が侵入することを防止する(抑制する)不正防止手段になっている。
第2の可動装飾体200は、前記龍の顔の下半部である鼻と口を構成するものであり、前記第1の可動装飾体100とは機構上の繋がりのない別部品であって、前記遊技基板5のほぼ上半部をカバーし得る大きさのバックパネル201と、該バックパネル201の前面ほぼ中央に上下摺動可能に設けられた昇降軸支部202と、該昇降軸支部202の前面下部に自己の下部を回動可能に軸着してほぼ垂直な起立姿勢と傾斜した前傾姿勢とに変化し得るように支持された鼻口部203と、からなる。
なお、図示を省略したが、第2の可動装飾体200には、バックパネル201に対して昇降軸支部202を昇降させる例えば前記制御装置で駆動制御されるスクリュー式の昇降手段が設けられている。さらに、第2の可動装飾体200には、図示を省略したが前記鼻口部203を前記制御装置で駆動制御して前傾・起立させるモーターやソレノイド等の回動駆動手段が設けられており、昇降軸支部202が上昇位置にあるとき鼻口部203を起立姿勢に回動保持し、一方、昇降軸支部202が下降位置にあるとき鼻口部203を前傾姿勢に回動して保持するようになっている。
鼻口摺動軸204は、図示を省略したが、例えば上側枠板11aの外側に、水平方向に移動させる例えば前記制御装置で駆動制御されるスクリュー式の水平移動手段と、該水平移動手段を鼻口摺動軸204ごと垂直方向に移動させる例えば前記制御装置で駆動制御されるスクリュー式の垂直移動手段を設けて、鼻口摺動溝25に沿って前後方向と上下方向に自由に移動させ得るようになっている。
第3の可動装飾体300は、盤支持枠6の前方延出部11c,11cに支持されており、該前方延出部11c,11cの高さより若干小さく且つ前方延出部11c,11cの左右の間隔より若干小さな幅の表示プレート301と、該表示プレート301の上下両側に突設されたプレート摺動軸302で形成されている。この表示プレート301の前面には、機種名を表す文字やキャラクターなどの図形が描かれており、第1の可動装飾体100が第1形態にあるときには、透明な膨出部18の前方から表示プレート301が視認可能となるように設けられている。
第3の可動装飾体300は、両側のプレート摺動軸302を盤支持枠6の前方延出部11cに形成したプレート摺動溝26に挿通して支持されている。該プレート摺動溝26は、第1の可動装飾体100との干渉を避けるため遊技基板5に近い低所を通るようになっており、したがって表示プレート301は、プレート摺動溝26に沿って前方延出部11cの前方から遊技基板5に近い低所を通って後方に移動し得る。
第4の可動装飾体400は、盤支持枠6の下側枠板11b,11bに前後移動及び昇降可能に支持されており、横長平板形状の棒主部401と、その棒主部401の前面の上下コーナー位置に回転中心が設定された開閉可能な表示ウイング402,402と、棒主部401の上下両側に突設された棒摺動軸403で形成されている。
この第4の可動装飾体400は、棒主部401の前面を表示ウイング402,402が覆う図3、図4の閉じ状態で麻雀ゲームのリーチ棒を連想させる形態を呈し、また、表示ウイング402,402が全開して該表示ウイング402,402の内面と棒主部401の前面が面一になった図9、図10の展開状態になったとき、その展開面を使って遊技内容に関連する文字や図形が大きく表示されるようになっている。
第4の可動装飾体400は、両側の棒摺動軸403を盤支持枠6の下側枠板11bに形成したほぼF字形の棒摺動溝28に挿通して支持されており、該棒摺動溝28に沿って前記遊技基板5の遊技領域8の下側後方に対応する図3、図4の低位置から、同じく遊技領域8の前記演出窓9の後方に対応する図11、図12の高位置の間で昇降し、且つ、その高位置で前後方向に移動し得る。
なお、棒主部401を棒摺動溝28に沿って移動させる駆動手段は、前記した第2の可動装飾体200と同じである。
この通常状態は、遊技領域8に打ち込まれる遊技球が遊技領域8に設けられる所定の入賞口(たとえば始動口)に入賞すると、該入賞に起因して大当りとするか否かの大当り抽選が行われる状態であり、該大当り抽選の結果を示唆する演出として、例えば画像表示装置13の画像や、第4の可動装飾体300の昇降等による演出が行われて遊技が進行する。
大当り状態になった場合には、前記制御装置で各駆動手段が演出制御されて、例えば、先ず図5、図6のように最も上昇した位置にある第2の可動装飾体200のバックパネル201を下降させ、次に図7、図8のようにバックパネル201から昇降軸支部202を下降させ、続いて図9、図10のように昇降軸支部202から鼻口部203を前傾させて停止させる。
これを防止するため実施形態では、第1の可動装飾体100を第2形態から第1形態に戻すためのスイッチ29(遊技者が操作可能な操作部)が遊技機1の前面に設けられている。そして、大当り状態になって第1の可動装飾体100が第1形態から第2形態に変わっているとき、データ表示体Yを確認したい遊技者が前記スイッチ29を入力すると、その入力検知に基づき第2形態にある第1の可動装飾体100を第1形態に戻すように第1の可動装飾体100を駆動制御する。これにより第1の可動装飾体100の頭部101が膨出部18内に下がって、隠れていたデータ表示体Yの確認が可能となる。
さらに、スイッチ29の入力検知に基づき第1の可動装飾体100を第1形態に戻した後、再度スイッチ29を入力すると、第1形態にある第1の可動装飾体100を第2形態に戻すように駆動制御する。これにより、第1の可動装飾体100を第1形態に戻した後にデータ表示体Yを確認した遊技者が、任意で第1の可動装飾体100を第2形態に戻すことができる。
もちろんスイッチ29は、従業員が遊技中のトラブルに対処するために前面部4を開閉する際に使用してもよい。そうすることにより、第1の可動装飾体100を膨出部18の内側に収容した第1形態にして安全な状態で前面部4を開き、作業が終わって前面部4を閉じてから、第1の可動装飾体100を第2形態に戻して遊技を再開させることができる。
さらには、音声、ランプ、あるいは、表示装置を用いて、「スイッチ29の入力検知に基づき第1の可動装飾体100を駆動させることができる旨の説明」を行うようにしてもよい(説明手段)。そうした報知(事前説明)により、任意に第1の可動装飾体100を駆動させることができることを遊技者に認識させることができ、利便性を高められる。
そうすることにより、第1の可動装飾体100が膨出部18の開口よりも外側に移動した第2形態のまま前面部4を開閉することにより起こり得る問題、すなわち第1の可動装飾体100が隣接する台間球貸機や隣の遊技機に接触して損傷し得るリスクを未然に回避することができる。
また、実施形態では、大当り状態の開始に伴い第1の可動装飾体100を第1形態から第2形態に変化させるように演出制御するようにしたが、通常状態における遊技の進行過程で所定の駆動条件が成立した場合や、遊技が行われていない非遊技状態(デモ状態など)で所定の駆動条件が成立した場合に、第1の可動装飾体100を第1形態から第2形態に変化させるように演出制御するようにしてもよい。
また、実施形態では、一般的な遊技機に存在する枠体と前面部の間の本体部を設けていないが、もちろん従来と同様な本体部を設けてその本体部に遊技盤を着脱自在に装着するようにしてもよい。
また、実施形態では遊技基板5を透明な合成樹脂製としたが、不透明な素材で形成してもよい。
また、実施形態では膨出部18透過性を有する部材としたが、不透明な部材で形成してもよい。こうすることで、通常状態(第1形態)では外部から視認不能とされる可動装飾体が、第2形態に変わって突然に視認可能になることで、遊技者に一層の意外性や驚きを与えて遊技興趣を向上させることができる。
また、実施形態では、膨出部18を前面部4の上部に設けて開口部17を上に設けたが、開口部17を膨出部18の左右側面の両方あるいは一方に設け、この側面開口を介して可動装飾体を外方に突出移動させる構成としてもよい。また、膨出部18を上部と側部の双方、つまり、例えば前面部4の正面向かって右上角部に開口部17を設けるようにしてもよい。
さらには、これらの検知センサ(異物侵入検知手段)を複数個所に設けることとしてもよく、例えば、膨出部18の開口部17の入口内面(最上位)の左右位置(侵入注意位置)に第1の検知センサ(異物侵入検知手段)を設け、それより内部側の位置であって、前方延出部11cの下辺沿いの遊技領域8の手前付近(侵入限界位置)に第2の検知センサ(異物侵入検知手段)を設けるようにしてもよい。そして、検知箇所が侵入注意位置であるときは、該当遊技機のスピーカーと画像表示装置により「遊技機上部にある物を除去して下さい。」という小音量の注意アナウンスと注意画像を表示すると共に、遊技場内の監視カメラの照準を該当遊技機に合わせて従業員は注意を払う程度とし、一方、検知箇所が侵入限界位置に至ったときは、「すぐに従業員が参ります。そのままお待ち下さい。」という大音量の案内(警告)アナウンスと案内(警告)画像を表示すると共に従業員が該当遊技機に行って直接対応する。このように状況に応じてアナウンス内容、表示内容、従業員対応等の程度を変えることで、善意の遊技者に不快な感情を抱かせることなく、より安全性を高めることができる。
2 …枠体
3 …遊技盤
4 …前面部
8 …遊技領域
15 …窓部
18 …膨出部
100 …第1の可動装飾体
101 …頭部(不正防止手段)
112 …摺動蓋(不正防止手段)
301 …表示プレート(不正防止手段)
Claims (1)
- 前面に遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤の遊技領域を視認可能にする窓部を有する前扉部と、を備えてなる遊技機であって、
前記前扉部には、前記窓部よりも前方に向けて膨出すると共に、上側に開口を有する膨出部が設けられ、
前記膨出部には、前記開口を塞ぐように待機する第1形態と、該第1形態よりも前記開口の上方に突出した第2形態とに変化し得る上昇可動部が設けられており、
さらに、前記膨出部には、少なくとも前記上昇可動部が前記第2形態にあるときに前記開口を介して前記遊技領域に異物が侵入することを防ぐ異物侵入防止部が設けられる
ことを特徴とする遊技機。
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