JP6320485B2 - キャスター - Google Patents
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Description
本発明は、荷重センサを内部に備えるキャスターに関する。
被験者の生体情報は、医療や介護の現場において患者や被介護者の身体状態を知るための重要な情報の一つである。例えば被験者の呼吸状態を把握して、睡眠時無呼吸症候群やいびきなどの症状の把握、及びこれらの症状の改善に役立てることができる。
特許文献1では、ベッド本体に取り付けられた荷重検出器によってベッド本体に加わる荷重の変化を検出し、ベッド本体の寝床面上における利用者の状態を検出する、荷重検出機能付きベッドが提案されている。そして、ベッド本体の四隅の脚部にベッド本体の移動を容易にするためのキャスター機構を設け、キャスター機構の内部にロードセルを介在させる構成が示唆されている。
しかし、特許文献1に示唆されているように、ベッド本体の四隅の脚部にキャスター機構を設け、キャスター機構の内部にロードセルを介在させた場合、ベッドを移動する際の振動によりロードセルに不具合が生じる可能性がある。
そこで本発明は、荷重センサを内部に備えるキャスターであって、移動の際に荷重センサを保護することが可能なキャスターを提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、
車輪と、
前記車輪を回転可能に支持する車輪支持体と、
前記車輪支持体の内部に支持され、起歪体と歪みゲージとを有する荷重センサーと、
前記車輪支持体の内部に、前記荷重センサーの前記起歪体に対して接離可能に設けられ、前記起歪体に加わる荷重により前記起歪体の変形量が所定値に達したときに前記起歪体に当接し、前記起歪体が所定量を超えて変形するのを抑制するストッパーとを備えるキャスターが提供される。
車輪と、
前記車輪を回転可能に支持する車輪支持体と、
前記車輪支持体の内部に支持され、起歪体と歪みゲージとを有する荷重センサーと、
前記車輪支持体の内部に、前記荷重センサーの前記起歪体に対して接離可能に設けられ、前記起歪体に加わる荷重により前記起歪体の変形量が所定値に達したときに前記起歪体に当接し、前記起歪体が所定量を超えて変形するのを抑制するストッパーとを備えるキャスターが提供される。
本発明の態様に従うキャスターは、さらに、前記起歪体に対して前記ストッパーを接離させるストッパー移動機構を備えてもよい。
本発明の態様に従うキャスターにおいて、前記車輪支持体は、前記荷重センサーが収納される第1部材と、前記ストッパーが設けられ且つ前記車輪を支持する第2部材とを備えてもよく、前記ストッパー移動機構は、第1部材と第2部材とを相対的に移動させることにより、前記ストッパーを前記荷重センサーに対して接離させてもよい。
本発明の態様に従うキャスターにおいて、前記車輪支持体がベッドの脚部に取り付けられてもよく、前記荷重は前記ベッドの荷重であってもよい。
本発明のキャスターにおける車輪支持体の内部には、車輪支持体の内部に支持されている荷重センサーに対して接離可能なストッパーが設けられている。このため、例えば本発明のキャスターが脚部に取り付られたベッドを移動する際に、車輪支持体の内部でストッパーを荷重センサーに接触させることにより、荷重センサーを保護することができる。
以下、図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係るキャスターついて説明する。
図1に示されるように、本発明の実施形態に係るキャスター10は、ベッド100の移動を容易にするために、ベッド100の脚部110に取り付けられる。
図2に示されるように、キャスター10は、車輪20と、車輪20を回転可能に支持する車輪支持体30とを備える。車輪支持体30は、車輪20を支持する車輪支持部材50と、その上に設けられたリング部材60と、さらにその上に設けられた筒状部材40とを備える。筒状部材40は本発明の「第1部材」に相当し、車輪支持部材50は本発明の「第2部材」に相当する。
筒状部材40は、ベッド100の脚部110をキャスター10に接続するための部材であり、その一方側の開放端40aにベッド100の脚部110の先端が挿入さている。筒状部材40は、不図示のボルト等によりベッド100の脚部110に固定される。筒状部材40の他方側の開放端40bは、リング部材60に接続されている。リング部材60は、筒状部材40と車輪支持部材50とを連結するための部材であり、その連結機構については後述する。車輪支持部材50は、車輪20の回転軸20aの両端を回転可能に支持するフォーク状のアーム部材51と、アーム部材51を支持するアーム支持部材52とを備える。アーム部材51の車輪20と反対側の端部は円筒状の形を有し、そこに同軸の回転軸53が設けられている。一方、アーム支持部材52には円筒状の軸受が設けられている。アーム部材51は、回転軸53がアーム支持部材52の軸受に挿入されることにより、回転軸53を中心として回転可能に支持されている。なお、アーム支持部材52に回転軸53を設け、アーム部材51に回転軸53が挿入される軸受を設けることにより、アーム部材51が回転可能に支持されてもよい。
図3に示されるように、筒状部材40の内部には、荷重センサー70が収納されている。荷重センサー70は、起歪体71と起歪体71に貼り付けられた複数の歪みゲージ72とから構成される、いわゆる歪みゲージ式の荷重センサーである。起歪体71は、円柱状の小径部71aと、小径部71aよりも径が大きく且つ高さが低い円柱状の大径部71bとから構成されており、歪みゲージ72は、小径部71aの側面に貼り付けられている。起歪体71は、小径部71aの底面においてアーム支持部材52の上面52aと接触し、大径部71bの上面においてベッド100の脚部110の先端と接触している。つまり、筒状部材40の内部において、荷重センサー70の上下方向の位置は、ベッド100の脚部110の先端と、アーム支持部材52の上面52aとによって固定されている。そして、ベッド100からの荷重が起歪体71の大径部71bに加わると、起歪体71の小径部71aが変形するため、小径部71aに貼り付けられた歪みゲージ72によって荷重の大きさを測定することができる。
アーム支持部材52の上面52aには、起歪体71の小径部71aを取り囲む、筒状のストッパー80が設けられている。そして、起歪体71の大径部71bの下面とストッパー80の上端80aとの間には、小径部71aのある程度の変形を許容するための隙間が設けられている。大径部71bに加えられた荷重によって小径部71aが変形すると、大径部71bの下面とストッパー80の上端80aとの間隔が小さくなる。そして、大径部71bに加えられた荷重により小径部71aの変形量が所定値に達すると、大径部71bの下面がストッパー80の上端80aに突き当たるため、小径部71aはそれ以上変形することができなくなる。つまり、ストッパー80は、大径部71bに過剰な荷重が加わった場合に小径部71aが許容範囲を超えて変形するのを防ぐために設けられている。
アーム支持部材52の上面52a側の側面にはネジ山52bが形成されており、リング部材60の内周面のアーム支持部材52側にはネジ山52bと螺合する溝60aが形成されている。また、筒状部材40の他方側の開放端40bにはフランジ40cが形成されており、リング部材60の内周面の筒状部材40側には、内周面から内側に向かって突出する環状の係合部60bが形成されている。そして、アーム支持部材52のネジ山52bとリング部材60の溝60aとが噛み合うことにより、アーム支持部材52とリング部材60とが接続され、筒状部材40のフランジ40cとリング部材60の係合部60bとが係合することにより、筒状部材40とリング部材60とが接続されている。なお、筒状部材40のフランジ40cの下面とアーム支持部材52の上面52aとの間には、起歪体71の大径部71bの下面とストッパー80の上端80aとの間と同様に、小径部71aの変形を許容するための隙間が設けられている。
リング部材60を所定の方向に回転させると、アーム支持部材52のネジ山52bとリング部材60の溝60aとが相対移動し、アーム支持部材52の上面52aと筒状部材40のフランジ40cの下面とが互いに近づくように相対移動する。このとき、アーム支持部材52の上面52aからの押圧力により起歪体71の小径部71aが変形し、ストッパー80の上端80aと起歪体71の大径部71bの下面も、互いに近づくように相対移動する。そして、リング部材60を所定の方向にさらに回転させると、ストッパー80の上端80aと大径部71bの下面とが互いに近づくように相対移動し、ストッパー80の上端80aが大径部71bの下面に突き当たる。つまり、許容範囲の最大限まで小径部71aを変形させた状態で、起歪体71をストッパー80により固定することができる。
一方、ストッパー80の上端80aが大径部71bの下面に突き当たった状態から、リング部材60を所定の方向とは反対の方向に回転させると、アーム支持部材52の上面52aと筒状部材40のフランジ40cの下面とが互いに離れるように相対移動し、大径部71bの下面とストッパー80の上端80aも互いに離れるように相対移動する。これにより、小径部71aを、変形量が許容範囲の最大限まで達しない状態に回復させることができる。なお、筒状部材40のフランジ40c、アーム支持部材52のネジ山52b、並びにリング部材60の溝60a及び係合部60bが、本発明の「ストッパー移動機構」に相当する。
上記実施形態に係るキャスター10は、車輪支持体30の内部に荷重センサー70を備えている。このため、キャスターの下に荷重センサーを別途設置する必要がない。また、上記実施形態に係るキャスター10が脚部110に取り付けられたベッド100を移動する際は、キャスター10に設けられたリング部材60を所定の方向に回転させることにより、ストッパー80を荷重センサー70に突き当て、起歪体71の変形を許容するために予め設けられた隙間を埋めた状態で荷重センサー70を保護することができる。
次に、本発明の実施形態の第1変形例を説明する。上記実施形態と重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図4に示されるように、第1変形例の車輪支持体130において、筒状部材40とアーム支持部材152とは、リング部材160によって接続されている。アーム支持部材152の上端部には凹部が形成されており、荷重センサー70は凹部の底面152aに支持されている。また、凹部の底面152aには、上記実施形態と同様のストッパー80が形成されている。上記実施形態と同様に、起歪体71の大径部71bの下面とストッパー80の上端80aとの間には、小径部71aのある程度の変形を許容するための隙間が設けられている。また、筒状部材40のフランジ40cの下面とアーム支持部材152の凹部の底面152aとの間には、起歪体71の大径部71bの下面とストッパー80の上端80aとの間と同様に、小径部71aの変形を許容するための隙間が設けられている。さらに、アーム支持部材152の凹部の内周面には、溝152bが形成されている。
アーム支持部材152の凹部の内周面と筒状部材40の外周面との間には、筒状のリング部材160が介在している。リング部材160の内径は筒状部材40の外径と略同じであり、リング部材160は筒状部材40の側面に沿って回転可能に構成されている。リング部材160の上端部にはフランジ160aが形成されており、リング部材160の外周面には、アーム支持部材152の溝152bと噛み合うネジ山160bが形成されている。
使用者がフランジ160aを介してリング部材160を所定の方向に回転させると、リング部材160のネジ山160bとアーム支持部材152の溝152bとが相対移動し、リング部材160がアーム支持部材152の凹部の底面152aに向かって移動する。そして、リング部材160を所定の方向にさらに回転させると、リング部材160がさらに移動し、リング部材160の先端部160cが筒状部材40のフランジ40cに突き当たる。
リング部材160の先端部160cが筒状部材40のフランジ40cに突き当たった状態から、リング部材160を所定の方向に回転させると、筒状部材40のフランジ40cの下面がアーム支持部材152の凹部の底面152aに近づくように移動する。このとき、筒状部材40に固定されたベッド100の脚部110からの押圧力により、荷重センサー70の起歪体71の小径部71aが変形し、ストッパー80の上端80aと起歪体71の大径部71bの下面も、互いに近づくように相対移動する。そして、リング部材160を所定の方向にさらに回転させると、ストッパー80の上端80aが大径部71bの下面に突き当たる。
一方、ストッパー80の上端80aが大径部71bの下面に突き当たった状態から、リング部材160を所定の方向とは反対の方向に回転させると、筒状部材40のフランジ40cの下面が、アーム支持部材152の凹部の底面152aから離れるように移動し、大径部71bの下面もストッパー80の上端80aから離れるように移動する。これにより、小径部71aを、変形量が許容範囲の最大限まで達しない状態に回復させることができる。なお、第1変形例においては、筒状部材40のフランジ40c、アーム支持部材152の溝152b、並びにリング部材160のネジ山160b及び先端部160cが、本発明の「ストッパー移動機構」に相当する。第1変形例に係るキャスター10においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の実施形態の第2変形例を説明する。上記実施形態と重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図5に示されるように、第2変形例の車輪支持体230において、筒状部材240とアーム支持部材252とは、筒状の接続部材260によって接続されている。第2変形例において、筒状部材240の下端部にはフランジは形成されていない。荷重センサー70はアーム支持部材252の上面252aに支持されている。また、アーム支持部材252の側面の上端側には、ネジ山252bが形成されている。
アーム支持部材252の側面と筒状部材240の内周面との間には、筒状の接続部材260が介在している。接続部材260は、アーム支持部材252の外径よりも大きい外径を有する大径部260aと、大径部260aの上端と連続しており、上方に向かって径が小さくなるテーパ部260bと、テーパ部260bの上端と連続する小径部260cとから構成される。小径部260cの外径は筒状部材240の内径と略同じであり、接続部材260は筒状部材240の内周面に沿って摺動可能に構成されている。また、大径部260a、テーパ部260b、及び小径部260cの内径はアーム支持部材252の外径と略同じであり、接続部材260の内周面には、大径部252の下端から小径部260cの中央付近にかけて、アーム支持部材252のネジ山252bと噛み合う溝260dが形成されている。そして、小径部260cの上端と起歪体71の大径部71bの下面との間には、起歪体71の変形を許容するための隙間が設けられている。また、筒状部材240の下端とテーパ部260bの上端との間にも、小径部260cの上端と起歪体71の大径部71bの下面との間の隙間と同じ大きさの隙間が設けられている。
使用者が大径部260aを介して接続部材260を所定の方向に回転させると、アーム支持部材252のネジ山252bと接続部材260の溝260dとが相対移動し、接続部材260がアーム支持部材252の側面及び筒状部材240の内周面に沿って上方に移動する。そして、接続部材260を所定の方向にさらに回転させると、接続部材260がさらに上方に移動し、接続部材260のテーパ部260bの上端が、筒状部材240の下端に突き当たる。このとき、小径部260cの上端が起歪体71の大径部71bの下面に突き当たる。第2変形例において、接続部材260の小径部260cが、本発明の「ストッパー」に相当する。
一方、接続部材260の小径部260cの上端が大径部71bの下面に突き当たった状態から、接続部材260を所定の方向とは反対の方向に回転させると、テーパ部260bの上端が、筒状部材240の下端から離れるように移動するとともに、接続部材260の小径部260cの上端も大径部71bの下面から離れるように移動する。なお、第2変形例においては、アーム支持部材252のネジ山252b、及び接続部材260の溝260dが、本発明の「ストッパー移動機構」に相当する。第2変形例に係るキャスター10においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施形態、第1変形例、及び第2変形例において、互いに噛み合うネジ山と溝がそれぞれ別個の部材に形成されていたが、溝が形成されていた部材にネジ山を形成し、ネジ山が形成されていた部材に溝を形成してもよい。
また、上記実施形態、第1変形例、及び第2変形例において、荷重センサー70の起歪体71は、小径部71aと大径部71bとから構成される、T字形状の断面を有していたが、起歪体71の形状はこれに限られない。ベッド100からの荷重を検出することができ、且つ、ベッド100を移動する際に、起歪体71の変形を許容するために予め設けられている隙間をストッパーにより埋めることができる形状であれば、どのような形状であってもよい。
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
本発明のキャスターをベッドの脚部に取り付けることにより、キャスターに内蔵された荷重センサーによって検出された荷重に基づいて、ベッド上の被験者の生体情報を取得するのに役立てることができる。
10 キャスター、20 車輪、30 車輪支持体、40 筒状部材、50 車輪支持部材、51 アーム部材、52 アーム支持部材、60 リング部材、70 荷重センサー、71 起歪体、72 歪みゲージ、80 ストッパー
Claims (2)
- 車輪と、
前記車輪を回転可能に支持する車輪支持体と、
前記車輪支持体の内部に支持され、起歪体と歪みゲージとを有する荷重センサーと、
前記車輪支持体の内部に、前記荷重センサーの前記起歪体に対して接離可能に設けられ、前記起歪体に加わる荷重により前記起歪体の変形量が所定値に達したときに前記起歪体に当接し、前記起歪体が所定量を超えて変形するのを抑制するストッパーとを備え、
さらに、前記起歪体に対して前記ストッパーを接離させるストッパー移動機構を備え、
前記車輪支持体は、前記荷重センサーが収納される第1部材と、前記ストッパーが設けられ且つ前記車輪を支持する第2部材とを備え、
前記ストッパー移動機構は、第1部材と第2部材とを相対的に移動させることにより、前記ストッパーを前記荷重センサーに対して接離させるキャスター。 - 前記車輪支持体がベッドの脚部に取り付けられ、前記荷重は前記ベッドの荷重である請求項1に記載のキャスター。
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