JP6320016B2 - 対象物検出装置、対象物検出方法およびプログラム - Google Patents

対象物検出装置、対象物検出方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、レーザレーダに対する反射点からなるスキャンラインデータを用いて対象物を検出する対象物検出装置に関するものである。
近年、レーザレーダを利用して、車両周辺の歩行者を検出する装置が開発されている。このようなレーザレーダを用いた歩行者検出では、レーザレーダに対する物体からの多数の反射点を、何らかの手法によりグループ化して歩行者候補として構成した上で、各歩行者候補に含まれる反射点の3次元座標データを用いて、各歩行者候補が歩行者であるか否かを識別している。例えば、特許文献1には、反射点の3次元座標位置に基づいて各点を3次元空間に投影して、点間距離が所定値未満の点をグループ化する。そして、各グループを複数のブロックに分割した場合の分割面における、反射点群の分散を算出し、その特徴量に基づいて、各グループが歩行者であるか否かを判定する技術が記載されている。
また、特許文献2には、反射点の3次元位置に基づきクラスタリングし、クラスタリングされた点群ごとに、3次元の重心位置からの速度ベクトルを算出する。そして、速度ベクトルの方向に対する反射点群の移動方向の分散値等の分布情報に基づいて、クラスタリングされた点群が歩行者か否かを判定する技術が記載されている。
特開2012−221456号公報 特開2012−145444号公報
しかしながら、従来技術のように、歩行者候補が歩行者であるか否かを判定する際に、歩行者候補に含まれる反射点の3次元座標データを用いて反射点の分布情報等を算出するためには、大量の計算を行わなければならず、高速な歩行者検出処理の妨げとなっていた。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、少ない計算量で歩行者等の対象物を検出することができる、対象物検出装置を提供することを目的とする。
本発明の対象物検出装置は、水平面に対して異なる複数の角度でスキャニングを行うレーザレーダにより得られる反射点からなるスキャンラインデータを用いて対象物を検出する対象物検出装置であって、前記レーザレーダから、スキャニング角度の異なる複数のスキャンラインデータを取得するスキャンラインデータ取得部と、前記各スキャンラインデータを分割してセグメントを生成するセグメント生成部と、対象物からの反射点からなるセグメントである正解セグメントの特徴量と、当該正解セグメントが対応する高さによって定まるレイヤを示すレイヤインデックスとを関連付けた特徴量モデルを記憶した特徴量モデル記憶部と、前記特徴量モデル記憶部に記憶された前記特徴量モデルを参照して、前記セグメント生成部にて生成されたセグメントに、当該セグメントの特徴量に基づいて前記レイヤインデックスを付与するレイヤインデックス付与部と、前記セグメント生成部にて生成された1以上のセグメントを、前記セグメントに含まれる反射点のX座標データ及びY座標データに基づいて統合し、対象物候補を生成する対象物候補生成部と、複数の前記正解セグメントの高さデータの分布を、当該正解セグメントに関連付けられたレイヤインデックスと対応付けた高さ分布モデルとして記憶した高さ分布モデル記憶部と、前記セグメントに付与されたレイヤインデックス及び前記セグメントの高さデータに基づいて、前記対象物候補に含まれるセグメントの高さ分布と、前記高さ分布モデル記憶部に記憶された高さ分布モデルとの一致度を算出し、当該一致度に基づいて、前記対象物候補が対象物であるか否かを判定する判定部と、を備えた構成を有している。
この構成によれば、スキャンラインデータから正解セグメント(すなわち、検出対象物からの反射点で構成されるセグメント)に対応するセグメントを検出し、正解セグメントが対応する高さによって定まるレイヤを示すレイヤインデックスが付与される。また、各反射点に付与されている3次元データのうち、高さ方向のデータを除く、X座標データ及びY座標データに基づいて、XY平面上で距離が近いセグメントをグループ化して対象物候補を生成する。そして、対象物候補に含まれる複数のセグメントの高さ分布と、正解セグメント群のレイヤインデックス別の高さ分布モデルとのマッチングにより、対象物であるか否かの判定が行われる。このように、セグメントに対して付与したレイヤインデックスとセグメントの高さデータを用いて、対象物であるか否かの判定を行うことにより、対象物検出のための計算負荷を低減させ、高速な処理を実現することができる。また、特に、対象物が歩行者や人である場合、対象物に由来するセグメント群の高さデータの分布には、レイヤごとに特徴が現れるので、正解セグメント群の高さ分布モデルとの一致度に基づいて対象物であるか否かの判定を行うことで、計算負荷を低減させつつ、精度よく対象物の検出を行うことができる。
本発明の対象物検出装置において、複数の前記正解セグメントに対応するレイヤインデックスの出現頻度のモデルであるレイヤインデックス出現頻度モデルを記憶したレイヤインデックス出現頻度モデル記憶部をさらに備え、前記判定部は、前記対象物候補に含まれるセグメントに付与された前記レイヤインデックスの出現頻度と前記レイヤインデックス出現頻度モデル記憶部に記憶されたレイヤインデックスの出現頻度のモデルとの一致度及び前記高さ分布モデルとの一致度に基づいて、前記対象物候補が対象物であるか否かを判定してもよい。
この構成によれば、高さ分布モデルとの一致度に加えて、正解セグメント群のレイヤインデックスの出現頻度モデルとの一致度に基づいて、対象物候補が対象物であるか否かが判定される。歩行者等の対象物に由来するセグメント群は、セグメント群ごとに各レイヤインデックスの出現頻度に所定の傾向が現れる。また、このレイヤインデックスの出現頻度モデルとの一致度も、反射点の3次元座標データを用いずに、付与されたレイヤインデックスの出現頻度に基づいて算出することができる。したがって、計算負荷を抑制しつつ、さらに精度よく対象物検出を行うことができる。
本発明の対象物検出装置において、前記高さ分布モデルは、前記正解セグメントの高さデータを観測値、前記レイヤインデックスが示すレイヤをパラメータとする統計モデルであって、前記判定部は、前記対象物候補に含まれるセグメントの高さデータが、各セグメントに付与された前記レイヤインデックスが示す前記レイヤに出現する尤度の和を算出し、少なくとも1つの前記レイヤについての前記尤度の和に基づいて、前記高さ分布モデルとの一致度を算出してよい。
この構成によれば、セグメントの高さデータとレイヤインデックスのみに基づいて、高さ分布モデルとの一致度を精度よく評価することができる。したがって、負荷の小さい計算によっても、精度よく対象物検出を行うことができる。
本発明の対象物検出装置において、前記判定部は、前記レイヤインデックス付与部にてレイヤインデックスを付与された第1のセグメントの高さデータ及び前記レイヤインデックス付与部にてレイヤインデックスを付与されなかった第2のセグメントの高さデータが少なくともいずれか1つの前記レイヤに出現する尤度の和を算出し、前記高さ分布モデルとの一致度は、前記第2のセグメントの高さデータの前記尤度の和が大きくなるほど、低くなってよい。
この構成によれば、レイヤインデックス付与部にて、対象物に由来するセグメントであると判断されなかったためにレイヤインデックスを付与されなかったセグメント(非対象物由来セグメント)の尤度の和も、高さ分布モデルとの一致度に反映される。そして、非対象物由来セグメントの尤度の和が大きくなるほど、一致度は小さくなり、対象物でないと判定されることになる。このように、非対象物由来のセグメントの存在を考慮して一致度を算出することで、より精度よく対象物検出を行うことができる。具体的には、例えば、対象物が歩行者であって、ある物体が、人体の一部と形状が似ているために、対象物由来のセグメントと判断されたセグメントの尤度の和が高くなった場合でも、非対象物由来のセグメントの尤度の和も反映した一致度が算出されるので、誤検出を防止することができる。
本発明の対象物検出装置において、前記レイヤインデックス出現頻度モデルとの一致度は、ヒストグラム距離であってよい。
この構成によれば、レイヤインデックスの出現頻度モデルとの一致度を客観的に、また、簡易な計算で精度よく評価することができる。したがって、負荷の小さい計算によっても、精度よく対象物検出を行うことができる。
本発明の対象物検出装置において、前記レーザレーダから前記対象物候補までの距離に応じて検出閾値を決定する検出閾値決定部をさらに備え、前記判定部は、前記高さ分布モデルとの一致度が、前記検出閾値決定部にて決定された検出閾値を超える場合に前記対象物候補が対象物であると判定してよい。
この構成によれば、レーザレーダから対象物候補までの距離に応じて、対象物であるか否かの判定に用いられる検出閾値が決定される。したがって、例えば、対象物候補がレーザレーダから離れた位置にある場合、検出閾値を小さく決定することで、対象物候補がレーザレーダから離れた位置にあっても、精度よく対象物検出を行うことができる。
本発明の対象物検出装置において、前記レーザレーダから前記対象物候補までの距離に応じて検出閾値を決定する検出閾値決定部をさらに備え、前記判定部は、前記高さ分布モデルとの一致度と前記レイヤインデックス出現頻度モデルとの一致度との積が、前記検出閾値決定部にて決定された検出閾値を超える場合に前記対象物候補が対象物であると判定してよい。
この構成によれば、レーザレーダから対象物候補までの距離に応じて、対象物であるか否かの判定に用いられる検出閾値が決定される。したがって、例えば、対象物候補がレーザレーダから離れた位置にある場合、検出閾値を小さく決定することで、対象物候補がレーザレーダから離れた位置にあっても、精度よく対象物検出を行うことができる。
本発明の対象物検出装置において、前記セグメント生成部にて生成されたセグメントのうち、前記レイヤインデックス付与部にて前記特徴量モデルと照合されるセグメントを抽出するセグメント抽出部をさらに備え、前記セグメント抽出部は、各セグメントを構成する反射点の数データ、各セグメントの高さデータ、各セグメントの長さデータ、各セグメントの前記レーザレーダからの距離データのうち、少なくとも1つ以上のデータに基づいて、セグメントを抽出してよい。
この構成によれば、各セグメントを構成する反射点の数データ、各セグメントの高さデータ、各セグメントの長さデータ、各セグメントの前記レーザレーダからの距離データのうちの少なくともいずれかに基づいて、レイヤインデックス付与部に出力されるセグメントが絞り込まれる。したがって、特徴量モデルとのマッチングに要する計算量を低減させ、対象物検出処理の高速化を図ることができる。
本発明の対象物検出装置において、前記セグメント抽出部は、前記セグメントに含まれる反射点のX座標データ及びY座標データに基づいて前記セグメントのクラスタリングを行い、所定数以上の前記セグメントが含まれるクラスタに属する前記セグメントを抽出してよい。
この構成によれば、所定数以上のセグメントが含まれるクラスタに属するセグメントのみが、レイヤインデックス付与部に出力される。したがって、特徴量モデルとのマッチングに要する計算量を低減させ、対象物検出処理の高速化を図ることができる。
本発明の対象物検出方法は、水平面に対して異なる複数の角度でスキャニングを行うレーザレーダにより得られる反射点からなるスキャンラインデータを用いて対象物を検出する方法であって、前記レーザレーダから、スキャニング角度の異なる複数のスキャンラインデータを取得するステップと、前記各スキャンラインデータを分割してセグメントを生成するステップと、対象物からの反射点からなるセグメントである正解セグメントの特徴量と、当該正解セグメントが対応する高さによって定まるレイヤを示すレイヤインデックスとが関連付けられた特徴量モデルを参照して、生成された前記セグメントに、当該セグメントの特徴量に基づいて前記レイヤインデックスを付与するステップと、1以上の前記セグメントを、前記セグメントに含まれる反射点のX座標データ及びY座標データに基づいて統合し、対象物候補を生成するステップと、複数の前記正解セグメントの高さデータの分布を、当該正解セグメントに関連付けられたレイヤインデックスと対応付けた高さ分布モデルを参照し、前記セグメントに付与されたレイヤインデックス及び前記セグメントの高さデータに基づいて、前記対象物候補に含まれるセグメントの高さ分布と前記高さ分布モデルとの一致度を算出し、当該一致度に基づいて、前記対象物候補が対象物であるか否かを判定するステップと、を備える。
本発明のプログラムは、水平面に対して異なる複数の角度でスキャニングを行うレーザレーダにより得られる反射点からなるスキャンラインデータを用いて対象物を検出するためのプログラムであって、コンピュータに、前記レーザレーダから、スキャニング角度の異なる複数のスキャンラインデータを取得するステップと、前記各スキャンラインデータを分割してセグメントを生成するステップと、対象物からの反射点からなるセグメントである正解セグメントの特徴量と、当該正解セグメントが対応する高さによって定まるレイヤを示すレイヤインデックスとが関連付けられた特徴量モデルを参照して、生成された前記セグメントに、当該セグメントの特徴量に基づいて前記レイヤインデックスを付与するステップと、1以上の前記セグメントを、前記セグメントに含まれる反射点のX座標データ及びY座標データに基づいて統合し、対象物候補を生成するステップと、複数の前記正解セグメントの高さデータの分布を、当該正解セグメントに関連付けられたレイヤインデックスと対応付けた高さ分布モデルを参照し、前記セグメントに付与されたレイヤインデックス及び前記セグメントの高さデータに基づいて、前記対象物候補に含まれるセグメントの高さ分布と前記高さ分布モデルとの一致度を算出し、当該一致度に基づいて、前記対象物候補が対象物であるか否かを判定するステップと、を実行させる。
本発明によれば、セグメントのレイヤインデックスとセグメントの高さデータを用いて、対象物候補であるセグメント群について、対象物であるか否かの判定を行うので、対象物検出のための計算負荷を低減させることができる。
本発明の第1の実施の形態における対象物検出装置の構成を示すブロック図 1つのスキャンラインから生成されたセグメントの例を示す図 全スキャンラインから生成されたセグメント群の例を示す図 セグメントとレイヤインデックスとの対応関係の例を示す図 (a)高さ分布モデルの例を示す図 (b)レイヤインデックス出現頻度モデルの例を示す図 (a)歩行者候補に含まれるセグメントの例を示す図 (b)高さ分布モデルとの一致度スコアの概念について説明するための図 本発明の第1の実施の形態の対象物検出装置の動作フロー図 本発明の第2の実施の形態の対象物検出装置の構成を示すブロック図 レーザレーダからの距離とスキャンラインとの関係を説明するための図 本発明の第2の実施の形態の対象物検出装置の動作フロー図 本発明の第3の実施の形態の対象物検出装置の構成を示すブロック図 本発明の第3の実施の形態の対象物検出装置の動作フロー図 セグメント抽出処理により抽出されたセグメントの例を示す図
以下、本発明の実施の形態の対象物検出装置について、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態では、検出する対象物が歩行者である場合について説明する。
[第1の実施の形態]
(対象物検出装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態の対象物検出装置1の構成を示す図である。対象物検出装置1は、レーザレーダ10に接続されている。レーザレーダ10は、水平面に対して照射角度の異なる複数のレーザを、ヨー軸周りに360度回転させ、物体からの反射点で構成されるスキャンラインデータを対象物検出装置1に出力する。
対象物検出装置1は、スキャンラインデータ取得部101と、セグメント生成部102と、レイヤインデックス付与部103と、特徴量モデル記憶部104と、対象物候補生成部105と、判定部106と、高さ分布モデル記憶部107と、レイヤインデックス出現頻度モデル記憶部108と、判定結果出力部109とを有している。
スキャンラインデータ取得部101は、レーザレーダ10から出力されたスキャンラインデータを取得し、セグメント生成部102に出力する。上述のように、レーザレーダ10は、水平面に対して照射角度の異なる複数のレーザを回転させて反射点を得るので、スキャンラインデータ取得部101は、高さ方向にスキャニング角度の異なる複数のスキャンラインを取得する。セグメント生成部102は、1つのスキャンラインデータから複数のセグメントを生成する。セグメントとは、1つのスキャンラインデータを構成する反射点の集合であり、各セグメントは、1つの物体に対応するとみることができる。セグメント生成部102は、スキャンライン取得部101にて取得された全てのスキャンラインについて、セグメント生成を行う。なお、取得したスキャンラインデータには、X座標データ、Y座標データ、Z座標データの3次元座標データが付与されており、このうち、Z座標データは、水平面からの高さ方向に対応する座標データである。
図2は、スキャンラインデータ取得部101にて取得された1つのスキャンラインから生成されたセグメントの例を示す図である。レーザレーダによって取得されるのは、物体からの反射点であるが、このような反射点は、その物体の形状に沿って線状の密な反射点群を構成する。したがって、1つのスキャンラインにおいて、隣接する反射点間の距離が大きい場合、それらの2つの反射点は、別の物体からの反射点であるとみることができる。そこで、本実施の形態では、セグメント生成部102は、隣接する反射点間の距離が所定値を超えるか否かを基準としてクラスタリングを行い、セグメントを生成する。図2の例では、「SegA」ないし「SegE」で示される反射点群の各々が、1つのセグメントに対応する。図3は、セグメント生成部102により、レーザレーダから取得した全スキャンラインについて、生成されたセグメント群の例を示す図である。
図1に戻り、特徴量モデル記憶部103は、歩行者からの反射点からなるセグメントの形状に関する特徴量をレイヤに対応付けた特徴量モデルを記憶する。上述のように、物体からの反射点は、物体の形状に沿った反射点群を構成する。したがって、歩行者からの反射点で構成されるセグメントは、歩行者に特有の形状を有する。ただし、歩行者に由来するセグメントの形状は、人体パーツ(頭部、胴体、脚部等)によって大きく異なる。そこで、本実施の形態では、人体を路面からの高さで4つのレイヤに分けて、レイヤごとに、歩行者に対応するセグメント形状の特徴量をモデルとして記憶する。セグメント形状の特徴量とは、例えば、セグメントの2つの端点間の距離や、セグメント曲線の平均曲率等である。
レイヤインデックス付与部104は、セグメント生成部102にて生成された各セグメントの形状に関する特徴量を抽出し、特徴量モデル記憶部104に記憶される特徴量モデルとのマッチングを行い、各セグメントにレイヤインデックスを付与する。レイヤインデックスとは、当該セグメントがどのレイヤに属するかを示すメタデータである。特徴量モデルとのマッチングは、例えば、SVM(Support Vector Machine)等の手法を用いて行うことが可能である。SVMによってパターンマッチングを行う場合には、各セグメントをレイヤ1から4に対応する4つのSVM識別器にかける。そして、マッチングスコアが最も高かった識別器に対応するレイヤを示すレイヤインデックスを、そのセグメントに付与する。また、全てのレイヤについて、所定閾値以下のスコアしか算出されなかったセグメントには、歩行者由来のセグメントでないことを示すメタデータがレイヤインデックスの代わりに付与される。
図4は、セグメント生成部102にて生成されたセグメントと、レイヤインデックス付与部104にて付与されたレイヤインデックスとの対応関係の例を示す図である。図4において、「Seg1」は、歩行者Pのレイヤ1に対応する部分からの反射点で構成されるセグメント、「Seg2」は、歩行者Pのレイヤ2に対応する部分からの反射点で構成されるセグメントである。また、「Seg3」は、物体Oからの反射点で構成されるセグメントである。レイヤインデックス付与部103におけるパターンマッチングにより、「Seg1」及び「Seg2」には、それぞれ、「レイヤ1」、「レイヤ2」のレイヤインデックスが付与される。これに対し、「Seg3」は、どの人体レイヤにも属しないと判断され、人体でないことを示すメタデータが付与される。
再び図1に戻り、対象物候補生成部105は、セグメント生成部102にて生成されたセグメントを構成する反射点のX座標及びY座標を用いたクラスタリングにより、複数のセグメントを統合して、1つの対象物候補を生成する。なお、本実施の形態においては、路面がほぼ平坦であり、レーザレーダは路面に対して水平に位置するものと仮定している。レイヤインデックス付与部104においては、1つのスキャンラインを構成するセグメントが歩行者に由来するか否かを個別に判断しており、セグメント相互の関係性は考慮されていない。言い換えれば、1つのスキャンラインごとに断片的な歩行者の検出を独立に行っているに過ぎない。したがって、精度よく歩行者の検出を行うためには、同一物体に由来すると考えられる、高さ方向に異なる複数のセグメントを全体として1つの検出対象として関連付け、それが歩行者であるか否かを判定することが必要である。そこで、対象物候補生成部105は、高さ方向に異なる複数のセグメントを統合して1つの対象物検出候補を生成する。本実施の形態では、対象物候補生成部105は、各セグメントの重心に当たる反射点のX座標及びY座標を用いて(つまり、Z座標を無視して)2次元クラスタリングを行い、同一クラスタに属する複数のセグメントを1つの対象物候補とする。
判定部106は、高さ分布モデル記憶部107に記憶される高さ分布モデルと、レイヤインデックス出現頻度モデル記憶部108に記憶されるレイヤインデックス出現頻度モデルを参照して、対象物候補生成部105にて生成された各対象物候補が対象物であるか否かを、検出スコアに基づいて判定する。検出スコアとは、これらのモデルとの一致度を示すスコアに基づいて算出される、対象物検出の基準となるスコアである。判定結果出力部109は、判定部106の判定結果を、図示しない表示装置等に出力する。
図5(a)は、高さ分布モデル記憶部107に記憶される高さ分布モデルの例を示す図である。高さ分布モデルとは、学習により生成される、対象物からの反射点で構成されるセグメント(正解セグメント)の高さデータの各レイヤにおける分布を示すモデル、すなわち、高さデータを観測値、レイヤインデックスが示すレイヤをパラメータとする統計モデルである。したがって、学習の際には、レイヤインデックス付与部104と同様の手法により、各正解セグメントにレイヤインデックスを対応付けることが必要となる。なお、同一セグメントを構成する反射点の高さデータは相互に異なり得るが、本実施の形態では、各セグメントを構成する反射点の高さデータの平均値を、当該セグメントの高さデータとする。
上述のように、高さ分布モデルとは、高さデータを観測値、レイヤインデックスが示すレイヤをパラメータとする統計モデルである。そこで、判定部106は、対象物候補を構成するセグメントが、高さ方向において、当該セグメントが対応づけられたレイヤとの関連で歩行者と見得る位置に出現しているかを判定するために、レイヤインデックス付与部104にて付与されたレイヤインデックスと、各セグメントの高さデータとを用いて、高さ分布モデルとの一致度スコアを算出する。そして、当該一致度スコアを対象物であるか否かの判定基準として用いる。なお、本実施の形態の高さ分布モデルにおいては、個体の身長差を吸収するため、各個体の身長が「1」に正規化されている。これに伴って、判定部106は、各検出候補のセグメント群の高さ方向の出現範囲が「1」となるようなスケーリングを行った上で、モデルとの一致度スコアを算出する。
図5(b)は、レイヤ出現頻度モデル記憶部108に記憶されるレイヤ出現頻度モデルの例を示す図である。レイヤ出現頻度モデルとは、歩行者由来のセグメントに付与されたレイヤインデックスの出現頻度を示すモデルであり、正解データの学習により得られる。図5(b)のヒストグラムに示されるように、歩行者からの反射点で構成されるセグメント群は、レイヤインデックスの出現比率にも特徴が現れる。そこで、判定部106は、対象物候補に含まれるセグメントが、歩行者として妥当なレイヤ比率で出現しているか否かを判定するために、対象物候補生成部105にて生成された各対象物候補について、レイヤインデックス付与部104にて付与されたレイヤインデックスの出現頻度と、レイヤインデックス出現頻度モデルとの一致度スコアを算出する。上述の検出スコアは、高さ分布モデルとの一致度スコアと、レイヤインデックス出現頻度モデルとの一致度スコアとに基づいて算出される。
(検出スコアの具体的な算出処理)
次に、判定部106による検出スコアの具体的な算出処理について、図面を参照しながら説明する。
判定部106は、高さ分布モデルとの一致度スコアSdistを算出するために、まず、以下の3つの数値を算出する。
ここで、pL(x)とは、高さ分布モデルにおいて、レイヤLに属するセグメントの高さデータ分布であり、高さデータの関数(確率密度関数)となる。そして、zL iとは、レイヤインデックスがレイヤLである、i番目のセグメントの高さデータを意味する。つまり、pL(zL i)は、レイヤインデックスLが付与されているi番目のセグメントの高さデータzL iが、レイヤLにおいて観測される尤度を表し、Lemp Lは、レイヤLに属する全セグメントの高さデータの、レイヤLにおける尤度の和を意味する。例えば、図6(a)に示す対象物候補C1において、レイヤインデックス1が付与されたセグメントが、「Seg1」、「Seg2」の2つであり、Seg1、Seg2の高さデータが、それぞれ、z1 1と、z1 2であったとする。この場合、図6(b)に示すように、各高さデータがレイヤ1において観測される尤度p1(z1 1)、p1(z1 2)は、それぞれ、a、bとなるから、Lemp 1は、a+bとなる。また、mは、レイヤ番号(本実施の形態では、m=1〜4)である。すなわち、Ldet Lは、1つの対象物候補に含まれる、レイヤインデックスが付与されている全セグメントの高さデータが、レイヤLにおいて観測される尤度の和である。例えば、図6(a)の例では、Seg1、Seg2に加えて、レイヤインデックス2が付与されたSeg3等も、pL(x)に当てはめて得られた尤度の和を算出する。
また、hjとは、レイヤインデックス付与部104にて、歩行者に由来しないことを示すメタデータが付与されたセグメントの高さデータである。すなわち、
は、歩行者に由来しないことを示すセグメントの全ての高さデータをレイヤLの分布に当てはめて得られた値の総和であり、Lall Lは、1つの対象物候補に含まれる全てのセグメントの高さデータの各々が、レイヤLに出現する尤度の和である。
次に、Lall L、Ldet L、Lemp Lとを用いて、次式により、Sall L、Sdet Lを求める。
そして、高さ分布モデルとの一致度スコアSdistを、Sall L、Sdet Lの差に基づいて、次式により算出する。
なお、kは、レイヤ数(本実施の形態では、k=4)である。
上述のように、Lemp Lは、ある対象物候補に属するセグメントのうち、歩行者に由来するセグメントと認識されたセグメントが、レイヤインデックスどおりのレイヤに出現する尤度の和を意味するから、基本的には、Lemp Lあるいは、その全レイヤについての総和が大きいほど、歩行者である蓋然性は高いと考えてよい。同様に、Ldet Lまたはその全レイヤについての総和が大きいほど、歩行者である蓋然性は高いと考えてよい。しかし、例えば、人の顔の形状の風船等が対象物候補であるような場合、レイヤ1についてのLemp 1が大きくなるために、全レイヤについてのLemp Lの総和は大きくなる。したがって、Lemp LやLdet L、ないしそれらの全レイヤの総和のみに基づいて一致度スコアSdistを算出すると、歩行者の一部のレイヤとよく似た形状特徴量を有する物体からの反射点で構成される検出候補が、誤って歩行者であると判定される可能性がある。
他方で、このような検出候補には、歩行者由来のセグメントと判断されず、レイヤインデックスが付与されなかったセグメントも相当数含まれている。ある対象物候補が歩行者であれば、レイヤインデックスが付与されていない高さデータhの数は少なく、その尤度の和も小さくなるから、対象物候補が歩行者である場合、Lall LとLdet Lの差は小さくなり、対象物候補が歩行者でない場合には、両者の差は大きくなる。したがって、Lall LとLdet Lの差や比を算出することで、より精度よく歩行者の検出を行うことができる。本実施の形態では、さらに、Lall L、Ldet L、Lemp Lから算出されたSall L、Sdet Lを用いて高さ分布モデルとの一致度スコアSdistを算出しているが、これは、Sall L、Sdet Lを0〜1の範囲内に収めるためである。対象物候補が歩行者である場合、Sall LとSdet Lとの差は小さくなり(Sdistは大きくなり)、歩行者でなければ、両者の差は大きくなり(Sdistは小さくなり)、同様に精度よく歩行者の検出を行うことができる。
さらに、判定部106は、レイヤ出現頻度モデルとの一致度スコアShistを次式により算出する。
ここで、Hlearnedは、レイヤ出現頻度モデルのヒストグラム、HCandidateは、対象物候補に属するセグメントうち、レイヤインデックスが付与されているセグメントのレイヤ出現回数ヒストグラムである。Shistは、これらの2つのヒストグラムの距離(類似度)であり、例えば、Bhattacharyya距離の算出手法によって、求めることができる。
判定部106は、以上のようにして算出されたSdistとShistの積を、最終的な検出スコアSとして、Sが所定の閾値Sthreshを超える場合に、当該対象物候補が「人」であると判定する。
(対象物検出装置の動作フロー)
次に、図7を参照して、本実施の形態の対象物検出装置1の動作フローについて説明する。まず、対象物検出装置1は、まず、レーザレーダからスキャンラインデータを取得し(ステップS11)、続いて、取得したスキャンラインデータを分割してセグメントを生成する(ステップS12)。次に、対象物検出装置1は、ステップS12にて生成されたセグメントの形状に関する特徴量を抽出し(ステップS13)、抽出された特徴量を、特徴量モデルとマッチングして、各セグメントにレイヤインデックスを付与する(ステップS14)。
続いて、対象物検出装置1は、セグメントの重心となる反射点のX座標データ、Y座標データに基づいたクラスタリングにより、複数のセグメントを統合して、対象物候補を生成する(ステップS15)。そして、各対象物候補について、高さ分布モデルとの一致度スコアSdistと、レイヤインデックス出現頻度モデルとの一致度スコアShistを算出して、SdistとShistの積である検出スコアSを算出し(ステップS16)、これを所定値である検出閾値Sthreshとの比較により、当該対象物候補が歩行者であるか否かを決定する(ステップS17)。
以上説明したように、第1の実施の形態の対象物検出装置1は、セグメントの形状に関する特徴量に基づいて、セグメントにレイヤインデックスを付与する。そして、高さデータを除くX座標データ及びY座標データに基づくクラスタリングにより生成された対象物候補について、各構成セグメントの高さデータと付与されたレイヤインデックスとに基づいて、検出スコアSが算出され、検出スコアSが所定の閾値Sthreshを超える場合に、当該対象物候補が歩行者であると判定する。すなわち、第1の実施の形態の対象物検出装置1は、セグメントを構成する反射点の3次元座標データをそのまま用いた複雑な計算を行うことなく、セグメントのレイヤインデックスとセグメントの高さデータを用いて、対象物候補であるセグメント群について、歩行者であるか否かの判定を行う。したがって、特に、特徴量モデルとのマッチング処理後の計算負荷を低減させることができ、高速な歩行者検出を行うことができる。
また、第1の実施の形態の対象物検出装置1は、検出スコアSを、高さデータを観測値、レイヤインデックスが示すレイヤをパラメータとする統計モデルである高さ分布モデル及びレイヤインデックス出現頻度モデルの2つのモデルとの一致度に基づき算出する。したがって、レイヤインデックスとセグメントの高さデータを用いた簡易な計算手法によりながらも、精度よく歩行者検出を行うことができる。
第1の実施の形態では、検出対象が歩行者である場合について説明したが、検出対象が広く「人」であってもよく、また、人間以外の物体であってもよい。
また、上記の実施の形態では、検出スコアSを、高さ分布モデルとの一致度スコアSdistと、レイヤインデックス出現頻度モデルとの一致度スコアShistを用いて算出したが、いずれか一方のみを用いて検出スコアを算出してもよい。さらに、高さ分布モデルとの一致度スコアSdistは、他の計算式により算出されてもよいし、Sall L、Sdet Lを算出せずに、検出スコア算出を簡略化してもよい。例えば、レイヤインデックスが付与されなかったセグメントは考慮せずに、Ldet Lを検出スコアとしてもよいし、また、Lemp Lないしその総和を検出スコアSとしてもよい。
なお、本実施の形態においては、路面が平坦であり、レーザレーダが路面に対して水平に、物体に対して略平行に位置することを前提として説明したが、レーザレーダが路面に対して水平でなくてもよく、この場合、各反射点の座標データをレーザレーダが路面に対して水平である場合と同じになるように射影変換してもよい。その上で、射影変換後のX座標データ及びY座標データを用いてセグメントを統合し、射影変換後の高さデータに基づいて高さ分布モデルとの一致度を算出してもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態の対象物検出装置について説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態の対象物検出装置2の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態の対象物検出装置2は、検出閾値決定部110を備える以外は、第1の実施の形態の対象物検出装置1の構成と同じである。第1の実施の形態では、判定部106が検出スコアSとの比較に用いる検出閾値Sthreshが所定値であったが、第2の実施の形態では、検出閾値決定部110は、対象物候補生成部104にて生成された各対象物候補の、レーザレーダからの距離dに応じて、検出閾値Sthreshを決定し、判定部106に出力する。本実施の形態において、対象物候補とレーザレーダとの距離は、対象物候補を構成する各セグメントの重心点等の代表点のX座標データ及びY座標データに基づいて算出される、原点と各セグメントの距離の、当該対象物候補における平均値である。判定部106は、検出閾値決定部にて決定された検出閾値Sthreshを用いて、各対象物候補が歩行者であるか否かを判定する。
図9は、レーザレーダからの距離と、スキャンラインとの関係を説明するための図である。上述のように、レーザレーダは、水平面に対して異なる複数の角度のレーザを照射して得られる反射点を取得するので、図9に示すように、レーザレーダからの距離dが大きくなるほど、スキャンラインの間の幅wが大きくなる。すなわち、ある物体のレーザレーダからの距離が大きくなるほど、取得されるその物体由来のセグメントの数も少なくなる。本実施の形態の対象物検出装置2は、第1の実施の形態の対象物検出装置1と同様に、セグメントの高さデータの尤度の和に基づいて高さ分布モデルとの一致度を算出するものであるから、レーザレーダからの距離が離れるほど、真の歩行者であっても、尤度の和に基づく検出スコアSが低くなる傾向がある。そこで、このような場合にも、精度よく歩行者検出を行うために、本実施の形態において、対象物検出装置2は、各対象物候補のレーザレーダからの距離に応じて検出閾値Sthreshを決定する、検出閾値決定部110を備えている。
検出閾値決定部109は、具体的には、次のとおりに検出閾値Sthreshを決定する。
d<dnearのとき、Sthresh=Supper
near≦d≦dfarのとき、Sthresh=s(d)
d>dfarのとき、Sthresh=Slower
ここで、dnear、dfar、Supper、Slowerは、それぞれ所定値であり、センサの性能等に応じて、任意に決定することができる。また、s(d)は、d=dnearでSupperに、d=dfarでSlowerに一致する関数であり、レーザレーダの使用環境等に応じて任意に決定することができるが、典型的には、線形関数である。
図10は、第2の実施の形態における対象物検出装置2の動作フロー図である。レーザレーダからスキャンラインデータを取得し(ステップS21)、これを分割してセグメントを生成する(ステップS22)。セグメントの特徴量抽出(ステップS23)した後、各セグメントにレイヤインデックスを付与し(ステップS24)、複数のセグメントを統合して、対象物候補を生成する(ステップS25)。ここまでは第1の実施の形態と同じである。
次に、本実施の形態の対象物検出装置2は、各セグメントのレーザレーダからの距離を算出し、検出閾値Sthreshを決定する(ステップS26)。そして、各対象物候補について、高さ分布モデルとの一致度スコアSdistと、レイヤ出現頻度モデルとの一致度スコアShistを算出して、SdistとShistの積である検出スコアSを算出し(ステップS27)、ステップS26にて決定された検出閾値Sthreshとの比較により、当該対象物候補が歩行者であるか否かを決定する(ステップS28)。
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態の対象物検出装置2は、各対象物候補のレーザレーダからの距離に応じて、検出閾値Sthreshを決定し、この検出閾値Sthreshと検出スコアSとの比較により、対象物候補が「人」であるか否かを判定する。したがって、対象物候補がレーザレーダから離れた位置にあっても、精度よく歩行者検出を行うことができる。なお、第1の実施の形態と同様、検出対象は歩行者以外であってもよい。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態の対象物検出装置について説明する。図11は、本発明の第3の実施の形態の対象物検出装置3の構成を示すブロック図である。第3の実施の形態の対象物検出装置3は、セグメント抽出部111を備える以外は、第1の実施の形態の対象物検出装置1の構成と同じである。
セグメント抽出部111は、セグメント生成部102にて生成された各セグメントについて、セグメントを構成する反射点の数と、セグメントの高さデータと、レーザレーダとの距離と、セグメントの長さとに基づいて、セグメントを抽出する。より具体的には、セグメント抽出部111は、セグメントを構成する反射点の数が所定数以上のセグメントを抽出する。これは、反射点が少なすぎるセグメントは特徴量モデルとのマッチングが困難だからである。また、セグメント抽出部111は、所定の高さの範囲内にあり、所定の長さ以下のセグメントを抽出する。これは、高すぎる位置にあるセグメントや、長すぎるセグメントは、人間に由来しないと考えてよいためである。セグメント抽出部111は、さらに、レーザレーダ10からの距離が所定値以下のセグメントを抽出する。これは、レーザレーダからの距離が遠すぎると、検出精度が低下するためである。
セグメント抽出部111は、さらに、各セグメントを構成する反射点のX座標データ及びY座標データの平均値を当該セグメントの代表点に設定し、各セグメント代表点のXY平面でのクラスタリングを行う。セグメント抽出部111は、クラスタリングの結果、各クラスタに属するセグメント数が所定数以上のセグメントを抽出し、レイヤインデックス付与部103に出力する。これは、セグメントが人間に由来するものであれば、あるXY座標範囲に多数のセグメントが積み重なるように出現することから、XY平面でのクラスタリングの結果、セグメント数が少ないクラスタは、歩行者に由来しないと考えてよいためである。
図12は、第3の実施の形態の対象物検出装置3の動作フロー図である。本実施の形態においては、スキャンラインデータを取得し(ステップS31)、セグメントを生成した(ステップS32)後、セグメントの抽出が行われる(ステップS33)。その後の処理(ステップS34からステップS38まで)は、第1の実施の形態と同様である。
図13は、セグメント抽出部111により抽出されたセグメントの例を示す図である。抽出前のセグメントを示す図3と比較すれば、セグメント抽出部によりかなりの数のセグメントが除去され、レイヤインデックス付与部103にて特徴量モデルとのマッチングを行うべきセグメントが大きく絞りこまれたことが分かる。
以上説明したように、第3の実施の形態の対象物検出装置によれば、セグメントを構成する反射点の数と、セグメントの高さデータと、レーザレーダとの距離と、セグメントの長さとに基づいて、セグメントを抽出する。さらに、セグメントの代表点をXY平面でクラスタリングし、所定数以上のセグメントを有するクラスタに属するセグメントを、特徴量モデルとのマッチングを行うセグメントとして抽出する。したがって、特徴量モデルとのマッチングに要する計算量を低減させ、歩行者検出処理の高速化を図ることができる。
なお、第3の実施の形態において、セグメントの抽出処理には、反射点の数、セグメントの高さデータ、レーザレーダとの距離、セグメントの長さ、の4つのデータを全て用いなくてもよく、また、これら4つのデータ以外のデータを用いてもよい。また、セグメントの代表点を用いたクラスタリングを行わなくてもよく、他の手法により代表点を設定してもよい。さらに、第3の実施の形態の対象物検出装置は、第2の実施の形態の検出閾値決定部110を備えていてもよい。また、第1及び第2の実施の形態と同様に、歩行者以外を検出してもよい。
本発明は、少ない計算量で対象物を検出することができるという効果を有し、対象物検出装置等として有用である。
1〜3 対象物検出装置
101 スキャンラインデータ取得部
102 セグメント生成部
103 レイヤインデックス付与部
104 特徴量モデル記憶部
105 対象物候補生成部
106 判定部
107 高さ分布モデル記憶部
108 レイヤインデックス出現頻度モデル記憶部
109 判定結果出力部
110 検出閾値決定部
111 セグメント抽出部
10 レーザレーダ

Claims (11)

  1. 水平面に対して異なる複数の角度でスキャニングを行うレーザレーダにより得られる反射点からなるスキャンラインデータを用いて対象物を検出する対象物検出装置であって、
    前記レーザレーダから、スキャニング角度の異なる複数のスキャンラインデータを取得するスキャンラインデータ取得部と、
    前記各スキャンラインデータを分割してセグメントを生成するセグメント生成部と、
    対象物からの反射点からなるセグメントである正解セグメントの特徴量と、当該正解セグメントが対応する高さによって定まるレイヤを示すレイヤインデックスとを関連付けた特徴量モデルを記憶した特徴量モデル記憶部と、
    前記特徴量モデル記憶部に記憶された前記特徴量モデルを参照して、前記セグメント生成部にて生成されたセグメントに、当該セグメントの特徴量に基づいて前記レイヤインデックスを付与するレイヤインデックス付与部と、
    前記セグメント生成部にて生成された1以上のセグメントを、前記セグメントに含まれる反射点のX座標データ及びY座標データに基づいて統合し、対象物候補を生成する対象物候補生成部と、
    複数の前記正解セグメントの高さデータの分布を、当該正解セグメントに関連付けられたレイヤインデックスと対応付けた高さ分布モデルとして記憶した高さ分布モデル記憶部と、
    前記セグメントに付与されたレイヤインデックス及び前記セグメントの高さデータに基づいて、前記対象物候補に含まれるセグメントの高さ分布と、前記高さ分布モデル記憶部に記憶された高さ分布モデルとの一致度を算出し、当該一致度に基づいて、前記対象物候補が対象物であるか否かを判定する判定部と、
    を備えた対象物検出装置。
  2. 複数の前記正解セグメントに対応するレイヤインデックスの出現頻度のモデルであるレイヤインデックス出現頻度モデルを記憶したレイヤインデックス出現頻度モデル記憶部をさらに備え、
    前記判定部は、前記対象物候補に含まれるセグメントに付与された前記レイヤインデックスの出現頻度と前記レイヤインデックス出現頻度モデル記憶部に記憶されたレイヤインデックスの出現頻度のモデルとの一致度及び前記高さ分布モデルとの一致度に基づいて、前記対象物候補が対象物であるか否かを判定する請求項1に記載の対象物検出装置。
  3. 前記高さ分布モデルは、前記正解セグメントの高さデータを観測値、前記レイヤインデックスが示すレイヤをパラメータとする統計モデルであって、
    前記判定部は、前記対象物候補に含まれるセグメントの高さデータが、各セグメントに付与された前記レイヤインデックスが示す前記レイヤに出現する尤度の和を算出し、少なくとも1つの前記レイヤについての前記尤度の和に基づいて、前記高さ分布モデルとの一致度を算出する請求項1または2に記載の対象物検出装置。
  4. 前記判定部は、前記レイヤインデックス付与部にてレイヤインデックスを付与された第1のセグメントの高さデータ及び前記レイヤインデックス付与部にてレイヤインデックスを付与されなかった第2のセグメントの高さデータが少なくともいずれか1つの前記レイヤに出現する尤度の和を算出し、
    前記高さ分布モデルとの一致度は、前記第2のセグメントの高さデータの前記尤度の和が大きくなるほど、低くなる請求項3に記載の対象物検出装置。
  5. 前記レイヤインデックス出現頻度モデルとの一致度は、ヒストグラム距離である請求項2に記載の対象物検出装置。
  6. 前記レーザレーダから前記対象物候補までの距離に応じて検出閾値を決定する検出閾値決定部をさらに備え、
    前記判定部は、前記高さ分布モデルとの一致度が、前記検出閾値決定部にて決定された検出閾値を超える場合に前記対象物候補が対象物であると判定する請求項1に記載の対象物検出装置。
  7. 前記レーザレーダから前記対象物候補までの距離に応じて検出閾値を決定する検出閾値決定部をさらに備え、
    前記判定部は、前記高さ分布モデルとの一致度及び前記レイヤインデックス出現頻度モデルとの一致度の積が、前記検出閾値決定部にて決定された検出閾値を超える場合に前記対象物候補が対象物であると判定する請求項2に記載の対象物検出装置。
  8. 前記セグメント生成部にて生成されたセグメントのうち、前記レイヤインデックス付与部にて前記特徴量モデルと照合されるセグメントを抽出するセグメント抽出部をさらに備え、
    前記セグメント抽出部は、各セグメントを構成する反射点の数データ、各セグメントの高さデータ、各セグメントの長さデータ、各セグメントの前記レーザレーダからの距離データのうち、少なくとも1つ以上のデータに基づいて、セグメントを抽出する請求項1に記載の対象物検出装置。
  9. 前記セグメント抽出部は、前記セグメントに含まれる反射点のX座標データ及びY座標データに基づいて前記セグメントのクラスタリングを行い、所定数以上の前記セグメントが含まれるクラスタに属する前記セグメントを抽出する請求項8に記載の対象物検出装置。
  10. 水平面に対して異なる複数の角度でスキャニングを行うレーザレーダにより得られる反射点からなるスキャンラインデータを用いて対象物を検出する方法であって、
    前記レーザレーダから、スキャニング角度の異なる複数のスキャンラインデータを取得するステップと、
    前記各スキャンラインデータを分割してセグメントを生成するステップと、
    対象物からの反射点からなるセグメントである正解セグメントの特徴量と、当該正解セグメントが対応する高さによって定まるレイヤを示すレイヤインデックスとが関連付けられた特徴量モデルを参照して、生成された前記セグメントに、当該セグメントの特徴量に基づいて前記レイヤインデックスを付与するステップと、
    1以上の前記セグメントを、前記セグメントに含まれる反射点のX座標データ及びY座標データに基づいて統合し、対象物候補を生成するステップと、
    複数の前記正解セグメントの高さデータの分布を、当該正解セグメントに関連付けられたレイヤインデックスと対応付けた高さ分布モデルを参照し、前記セグメントに付与されたレイヤインデックス及び前記セグメントの高さデータに基づいて、前記対象物候補に含まれるセグメントの高さ分布と前記高さ分布モデルとの一致度を算出し、当該一致度に基づいて、前記対象物候補が対象物であるか否かを判定するステップと、
    を備える対象物検出方法。
  11. 水平面に対して異なる複数の角度でスキャニングを行うレーザレーダにより得られる反射点からなるスキャンラインデータを用いて対象物を検出するためのプログラムであって、コンピュータに、
    前記レーザレーダから、スキャニング角度の異なる複数のスキャンラインデータを取得するステップと、
    前記各スキャンラインデータを分割してセグメントを生成するステップと、
    対象物からの反射点からなるセグメントである正解セグメントの特徴量と、当該正解セグメントが対応する高さによって定まるレイヤを示すレイヤインデックスとが関連付けられた特徴量モデルを参照して、生成された前記セグメントに、当該セグメントの特徴量に基づいて前記レイヤインデックスを付与するステップと、
    1以上の前記セグメントを、前記セグメントに含まれる反射点のX座標データ及びY座標データに基づいて統合し、対象物候補を生成するステップと、
    複数の前記正解セグメントの高さデータの分布を、当該正解セグメントに関連付けられたレイヤインデックスと対応付けた高さ分布モデルを参照し、前記セグメントに付与されたレイヤインデックス及び前記セグメントの高さデータに基づいて、前記対象物候補に含まれるセグメントの高さ分布と前記高さ分布モデルとの一致度を算出し、当該一致度に基づいて、前記対象物候補が対象物であるか否かを判定するステップと、
    を実行させるプログラム。
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