JP6318096B2 - 希土類酸化物粒子及び特に画像化におけるその使用 - Google Patents

希土類酸化物粒子及び特に画像化におけるその使用 Download PDF

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Description

(発明の分野)
本願は、画像化のための、特に画像診断のための、及び任意に療法のためのマルチモード複合製品に、特に、磁気共鳴画像法(MRI)及び/又は、例えば、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、陽電子放出断層撮影法(PET)、断層撮影法(TDM)及び/又は超音波画像診断などの画像化技術において造影剤として使用でき、任意に同時に療法における使用のための複合製品に関する。これらの製品は、造影剤活性及び/又は常磁性活性を備えた部分並びに発光活性及び任意に酸化性物質検出活性を備えた部分を含むか、又はそれらからなる粒子に基づいている。
(従来技術)
MRI(磁気共鳴画像法)検査は、基本的に、様々な種類の軟組織を画像化するのに使用される。コントラストは、プロトン緩和時間T1(縦緩和)及びT2(横緩和)により決まる(Abragamの文献、1983年及びLevittの文献、2008年)。
一般的に健康な組織と病的な組織の間での臨床診断において、対象となる領域の間に固有のコントラストが非常に少ない場合、造影剤(CA)の投与が推奨される。CAは、自身が存在する組織内の水のプロトンの緩和時間を変更可能な化合物であり、そのため、優れた特異性、より良好な組織キャラクタリゼーション、画像及び機能情報におけるアーチファクトの低減の点で医療診断を改善することができる(Aimeらの文献、2005年)。主な効果によって、CAは2つの種類に分類できる:基本的に縦(スピン-格子)緩和時間に作用するT1 CA、又は陽性CA、及び横(スピン-スピン)緩和時間を短くするT2 CA、又は陰性CA(Bottrillらの文献、2006年)。
造影剤の性能は、濃度に対して規格化された緩和性(relaxivity)(ri)により特徴づけられる(Laufferの文献、1987):
Figure 0006318096
(式中、第一項は、ランジュバンの常磁性の定義を利用して、濃度[CA]での常磁性CA溶液中のプロトンの緩和時間の逆数に相当し、第二項は、純粋な反磁性溶媒中のプロトン緩和時間であり、且つiは1又は2であり得る)。
観察される緩和速度は下記により定義される:
Figure 0006318096
(式中、添え字pは、CAの純粋な常磁性寄与を意味する)。
該値は、単位mM-1s-1で表される(Aimeらの文献、1999年)。MRI磁場パルスシーケンスタイプに対して観測されるMRI信号は、1/T1の増加により増加し、1/T2の増加により減少するが、通常CAは2つの緩和時間に影響するので(Caravanらの文献、1999年)、優勢な効果が、最終的には、CAが陽性CAとして作用するのか、陰性CAとして作用するのかを決める。
緩和性比(κ)の値:
Figure 0006318096
を使用して、T1とT2のどちらの効果が優勢かを決めることができる。およそ1のκの低い値は陽性CAを示す一方で、1より著しく大きい比κの値は、該化合物が陰性CAとして作用することを意味する。
水のプロトンのプロトン常磁性緩和の改善は、金属イオンの電子の磁気モーメントとプロトンの核磁気モーメントの間のカップリングの時間的変動の結果である(Kowalewskiらの文献、1985年; Banciらの文献、1991年; Bertini及びLuchinatの文献、1996年)。少なくとも2つの寄与、内圏機構及び外圏機構が区別できる。内圏機構は、金属中心と直接配位した溶媒の分子に関係があり、外圏緩和は、第二配位圏にある水の分子又は錯体からさらに遠いものを意味する。
CAの実際の構造によって、水分子と水素結合相互作用が可能な場合には、追加の寄与が存在し得る。この寄与は定量化が困難なので、水素結合の強さによって内圏機構又は外圏機構として扱われることが多い(Caravanらの文献、1999年; Aimeらの文献、2005年)。
観察される緩和時間の逆数は、2つのプロセスの緩和時間の逆数の関数である(Caravanらの文献、1999年):
Figure 0006318096
(式中、指数IS及びOSは、それぞれ、内圏及び外圏を表す)。
現在、臨床的に認可されたT1造影剤は、有機多座リガンドによりキレート化された、7つの不対電子を有するイオンであるGd3+に基づき、例えば、FDA(米国食品医薬品局)により認可された「Magnevist」、「Prohance」、「Omniscan」、「OptiMark」、「Multihance」、「Eovist」、「Ablavar」、及び「Gadavist」、並びに欧州連合の少なくとも1か国において認可された「Multihance」、「Omniscan」、「Gadovist」、「Gadograf」、「Dotarem」、「Artirem」、「Primovist」、「Gadopentetat」、「Magnegita」、「Handvist」、及び「Magnetolux」の名前を有する。
これらのCAのいくつかの物理定数は、以下の表1に示されている(EOB-DTPAのデータ以外、データはCaravanらの文献、1999年のものであり、本明細書において、37℃に最も近い利用可能な温度でプロトン共鳴周波数20MHzを意味する。20MHz及び37℃のEOB-DTPAのデータはVander Elstらの文献(1997)のものである。r2値は、大部分は報告されていない;pKGdL:Gd-リガンド錯体(GdL)の解離定数の対数))。
Figure 0006318096
さらに、酸化鉄に基づいたナノ粒子がT2 CAとして使用されている。それらには、画像の解釈を困難にする信号消衰効果を示すという欠点があるが、その理由は、生じた暗い領域を常に疑いなくCAの存在に帰することができないからである。さらに、酸化鉄に基づく材料の高い磁化率は、磁化率アーチファクト又は「まぶしさのアーチファクト(dazzle artefacts)」として知られる磁場の歪みを近くの組織に導入し、それは暗い画像をつくり、薬剤の実際の位置の周囲のバックグラウンドに影響する(Bulte及びKraitchmanの文献、2004年)。
ナノテクノロジーの最近の進歩は、MRIにおけるT1コントラストを改善する性質を有するGd3+に基づくナノ粒子の開発をもたらした。ナノ粒子は、Gd3+イオンと水のプロトンの間の相互作用のための増大した利用可能な表面のため興味深いCAの候補である(Naらの文献、2009年)。ナノ粒子CAは、常磁性イオンのための結合構造を保持する無機コア構造から製造できる(Naらの文献、2009年)。これらの粒子の利用は、常磁性イオンの高い局所的濃度をもたらし、そのため高いコントラストをもたらす。しかし、Gd3+イオンの最大数は、表面上の結合部位により限定されている。他の欠点は、いくつかの工程-少なくともコア構造の製造、結合部位の表面への添加、及びGd3+イオンのそれらの結合部位へのキレート化を含む、それらの複雑な合成にある。
これらの欠点は、常磁性イオンがコアの構造の不可欠な部分を形成している無機常磁性ナノ粒子の使用により克服できる。この文脈において、合成は、コア形成工程に限定される。遷移金属又はランタニドを含む多くの化合物が良好な候補に見えるだろうが、研究の大部分は、Gd3+中の不対電子が多いこと及びGd錯体の性質に関する広範囲なデータのため、Gd3+に基づくナノ粒子を対象としてきた。
例えば、Hifumiら(2006年)は、構造物の全体で23nmの液体力学的径を有するデキストランに被覆された常磁性GdPO4(GdPO4/デキストラン)のナノ粒子を合成した。さらに、Parkら(2009年)は、D-グルクロン酸のコーティングを有するGd2O3(GOGA)のさらに小さいナノ粒子を合成した。陽性造影剤に匹敵する高い緩和性値が観察された。
さらに、造影剤としての粒子の使用が、相補的な特性を持つ他の画像化方法のための使用と組み合わせ可能であることが重要である。長い目で見れば、これは、情報を得るために必要な注射の数を制限しながら、得られる情報をかなり豊富にできるだろう。さらに、研究チームは、2つの異なる画像化モード、特に、MRI検出プローブ(Mastandunoらの文献;2011年)又はX線断層撮影装置(Aleらの文献;2010年)のいずれかに組み込まれた光学検出に対応する画像を同時に得ることができる装置を開発した。そのため、同時にこれらのプローブは、光学検出に基づくならば、酸化性物質検出を実施できる。
例えば、Bridotら(2007年)は、ポリシロキサンエンベロープ中に一体化された異なるコア直径を有するGd2O3(GadoSiPEG)のナノ粒子であって、磁気共鳴及び蛍光による二方式の画像化のための有機フルオロフォアも保持することができるナノ粒子の調製を開発した。
MRI造影剤として、蛍光マーカーとして、及び酸化性物質センサーとしての使用を組み合わせたGd0.6Eu0.4VO4の粒子が提案されてきた。(Schoeffelらの文献;2011年)。しかし、これらの粒子は、4%程度の低いルミネセンス量子収率(Q)を有する。
さらに、蛍光コア及び常磁性シェルを有するコア-シェルナノ粒子もZhouら(2011年)により提案された(Nanoscale, 2011, 3, 1977)。同様に、Singhら(2008年)(Journal of Applied Physics 104, 104307(2008))は、発光コア及びGdVO4シェルを有するコア-シェルナノ粒子を研究した。しかし、著者らは、それぞれ8%(Zhouら(2011年))及び7%(Singhら(2008年))で固定されたEu3+によるドーピングにとどめた。
さらに、EP 1473347は、発光シェル又は、発光コア及びシェルのいずれかを持つコア/シェルナノ粒子、及びそれらのFRET(「蛍光共鳴エネルギー移動」)への適用を開示している。
そのため、画像化のための、及び任意に療法のための複合マルチモード製品、特に、MRIにおいて、並びに/又は、例えば、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、陽電子放出断層撮影法(PET)、断層撮影法(TDM)、及び/若しくは超音波画像診断などの他の画像化技術において造影剤として使用でき、任意に同時に療法に使用するのに好適な複合製品が当分野において必要とされている。
(図面の説明)
図1は、Gd3+の濃度の関数としての、Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子存在下のプロトン緩和時間である。(A):T1;(B):T2 図2は、Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子のルミネセンス発光スペクトルである。ルミネセンスは、280nmで励起された。ピークの位置並びに対応する遷移が示されている。ダブルピークの場合、それぞれの成分に対して位置が与えられている。 図3は、Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子による過酸化水素の検出である。励起は466nmで実施した。(A)光還元;試料でのレーザー強度:1.6kW/cm2。露光時間100ms、毎秒1画像。データは、双指数関数減衰関数を使用して調整された:
Figure 0006318096
(B)100μMの過酸化水素を加えた後のルミネセンスの回復。試料でのレーザー強度:0.3kW/cm2。露光時間400ms、3秒ごとに1画像。データは、単一指数成長関数を使用して調整された:
Figure 0006318096
図4は、本発明による粒子の断面の概略図である。(A)XaLb(MpOq)/AeX'f(M'p'Oq')粒子;(B)Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子。 図5は、本発明による被覆された粒子の概略図(断面)である。(A)第三の部分により覆われたXaLb(MpOq)/AeX'f(M'p'Oq')粒子;(B)シリカ(SiO2)の層、APTESの層、並びに標的化分子(targeting molecule)(「標的化」)、治療分子、及びPEG
Figure 0006318096
により構成される層により覆われたY0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子。
(発明の説明)
本願は、特にMRI用の造影剤として、及び発光剤としての少なくとも両方(少なくとも二方式の薬剤)の使用に好適な粒子を提供する。この粒子は、発光活性を有する部分及び造影剤活性を有する部分を含むか、又はそれらからなる(少なくとも二部構成の粒子)。
以下の記載及び実施例から明らかになるように、本発明のナノ粒子は、このように好都合には常磁性且つ発光性であり得るが、特定の実施態様において、それらは、一方で、発光性部分を、他方で好ましくはルミネセンスの点で中性である常磁性部分を含み、又はそれらから構成される。特定の実施態様において、常磁性でありルミネセンスの点で中性であるのはシェルであり、すなわち、それは光による励起の後で光を発しないか、又は1%未満の量子収率で発する。
以下で明らかになる特定の実施態様において、本発明の粒子は、特にMRIにおける造影剤として、発光剤として、及び酸化性物質センサーとして使用できる(少なくとも三方式薬剤)。
以下で明らかになる特定の実施態様において、本発明の粒子は、さらにコーティングを備えている。
本発明の粒子は、以下の少なくとも2つの部分を含むか、又はそれらからなる:
式XaLb(MpOq)を有する部分(式中、
-Mは、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の元素であり;
-Lは、1種以上の発光性ランタニドイオン(複数可)に相当し;
-Xは、ルミネセンスの点で中性である1種以上のイオン(複数可)に相当し;且つ
-p、q、a、及びbの値は、XaLb(MpOq)の電気的中性が守られるような、比b/(b+a)により定義される発光性元素の分率が1%から75%であるようなものである);及び
式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分(式中、
-M'は、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の元素であり;
-Aは、1種以上の常磁性ランタニドイオンに相当し;
-X'は、存在する場合、常磁性の点で中性である1種以上のイオン(複数可)に相当し;且つ
-p'、q'、e、及び適切な場合、fの値は、AeX'f(M'p'Oq')の電気的中性が守られるような、比e/(e+f)により定義される常磁性元素の分率が80%から100%であるようなものである)。
特定の実施態様において、式XaLb(MpOq)を有する部分は発光性であり、式AeX'f(M'p'Oq')(又は以下で定義されるAe(M'p'Oq'))を有する部分は常磁性であり、ルミネセンスの点で中性である。
特定の実施態様において、本発明の粒子は、以下の少なくとも2つの部分を含むか、又はそれらからなる:
式XaLb(MpOq)を有する部分(式中、
-Mは、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の元素であり;
-Lは、1種以上の発光性ランタニドイオン(複数可)に相当し;
-Xは、ルミネセンスの点で中性である1種以上のイオン(複数可)に相当し;且つ
-p、q、a、及びbの値は、XaLb(MpOq)の電気的中性が守られるような、比b/(b+a)により定義される発光性元素の分率が1%から75%であるようなものである);及び
式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分(式中、
-M'は、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の元素であり;
-Aは、1種以上の常磁性ランタニドイオンに相当し;
-X'は、常磁性の点で中性である1種以上のイオン(複数可)に相当し;且つ
-p'、q'、e、及びfの値は、AeX'f(M'p'Oq')の電気的中性が守られるような、比e/(e+f)により定義される常磁性元素の分率が80%から100%であるようなものである)。
特定の実施態様において、本発明の粒子は、以下の少なくとも2つの部分を含むか、又はそれらからなる:
式XaLb(MpOq)を有する部分(式中、
-Mは、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の元素であり;
-Lは、1種以上の発光性ランタニドイオン(複数可)に相当し;
-Xは、ルミネセンスの点で中性である1種以上のイオン(複数可)に相当し;且つ
-p、q、a、及びbの値は、XaLb(MpOq)の電気的中性が守られるような、比b/(b+a)により定義される発光性元素の分率が1%から75%であるようなものである);及び
式Ae(M'p'Oq')を有する部分(式中、
-M'は、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の元素であり;
-Aは、1種以上の常磁性ランタニドイオンに相当し;且つ
-p'、q'、及びeの値は、Ae(M'p'Oq')の電気的中性が守られるようなものである)。
より詳細には、M、M'、L、X、p、q、a、b、A、X'、p'、q'、e、及びfは、以下の通り定義される:
M及びM'は、互いに独立に、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の(好ましくは1又は2種の)元素である。「互いに独立に」という用語は、Mの選択が、M'の選択に影響せず、逆もまた同様であることを意味する。特定の実施態様において、M及びM'は、互いに独立に、+V又は+VIの原子価を有する。特定の実施態様において、M及びM'は、それぞれ、互いに独立に、V、P、W、Mo、及びAsにより構成される群から選択されるイオンである。好ましくは、M及びM'は、互いに独立に、P又はVである。好ましくは、M及びM'はVである。一実施態様において、M及び/又はM'の一方及び/又は他方は、V、P、W、Mo、及びAsにより構成される群から互いに独立に選択される2種のイオンを表す。特に、Mは、VvP1-v(vは0から1である)を表し得る。特に、M'は、Vv'P1-v'(v'は0から1である)を表し得る。
Lは、1種以上の(好ましくは1又は2種の)発光性ランタニドイオン(複数可)である。「ランタニド」という用語(又はLn)は、元素の周期的な分類において、原子番号57から71の元素を定義する。一実施態様において、Lは、+IIから+IVの範囲の原子価、好ましくは+IIIの原子価を有する。一実施態様において、Lは、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、及びYbにより構成される群から選択されるイオンである。一実施態様において、LはEuであり、特にEu3+である。他の実施態様において、LはCeであり、特にCe3+である。他の実施態様において、LはTbであり、特にTb3+である。他の実施態様において、Lは、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、及びYbにより構成される群から選択される複数の(好ましくは2種の)イオンを表す。特定の実施態様において、Lは、イオンCe及びTb又はイオンEr及びYbを表す。
Xは、ルミネセンスの点で中性である1種以上の(好ましくは1又は2種の)イオン(複数可)に相当する。「ルミネセンスの点で中性」という表現は、イオン又は複数のイオンXが励起の後に光を発することができないか、又は1%未満の量子収率で光を発することを意味する。一実施態様において、Xは、+IIIの原子価を有する。一実施態様において、Xは、ランタニド及びBiにより構成される群から選択される。一実施態様において、Xは、La、Y、Gd、及びBiにより構成される群から選択される。一実施態様において、Xは、La、Y、及びBiにより構成される群から選択される。特定の実施態様において、Xは、元素イットリウム(Y)である。特定の実施態様において、XはLaである。特定の実施態様において、Xは、上記で定義の通りであり、さらにGdではない。
一実施態様において、XaLbがYaEubであるように、LはEuであり、XはYである。一実施態様において、XaLbがLaaCebであるように、LはCeであり、XはLaである。一実施態様において、XaLbがLaaTbbであるように、LはTbであり、XはLaである。一実施態様において、XaLbがLaa(Ce,Tb)bであるように、LはCe及びTbを表し、XはLaである。
p、q、a、及びbの値は、XaLb(MpOq)の電気的中性が守られるようなものである。
pは0又は1に等しく、好ましくは1に等しい。一実施態様において、qは2〜5の範囲であり、好ましくは4である。例としては、(MpOq)がPO4 3-又はVO4 3-であるように、MはP又はVであり、pは1に等しく、qは4に等しい。他の例において、Xa(MpOq)がY2O3であるように、pは0に等しく、XはYである。他の実施態様において、(MpOq)が(VvP1-v)O4であるように、MはイオンV及びPを表し、pは1に等しく、qは4に等しい。
比b/(b+a)により定義される発光性元素の分率は、1%〜75%、特に10%〜60%又は20%〜50%、特におよそ30%又はおよそ40%(±5%)である。一実施態様において、比b/(b+a)は、75%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、又は20%である。
特定の実施態様において、b/b+aは、10%超、好ましくは20%超、好ましくは25%超である。特定の実施態様において、b/(b+a)は、10%〜75%、又は20%〜75%、又は25%〜75%、又は25%〜45%である。
本発明によると、ルミネセンスの最適化が、通常の比率と比べてドーパント比の高い値で観察された。従来技術は、10%未満の低レベルのドーピングを推奨し、そのような低レベルを選択するが、その理由は、バルク材料及びナノ粒子において、特にそれらが高温で合成される場合、Eu3+イオンの間の「消光」効果が高レベルで現れ、それが量子収率を低下させるからである。ナノ粒子がUV(バナジン酸塩の吸収帯)中で励起される場合、Eu3+の発光の量子収率は、0.1%から10%のドーピング値で最適である。さらに、本発明の場合のように、元素L、例えばEu3+イオンが可視光において直接励起される場合、励起されたイオンの数は、ナノ粒子中で利用可能なEu3+イオンの数に比例する。そのため、集められるフォトンの数は、励起されたイオンの数に量子収率をかけたものに比例するが、高い特定のドーピング値で最適である。量子効率の低下無しにLに最大レベルを有することが有利である。低温合成では、高濃度でのみ消光効果が表れることが観察された。L=Euでは、b/b+aの最適値は、およそ20%〜40%の範囲である。Eu3+の場合、量子収率は、20%〜40%の範囲のドーピング値で最適である。本発明の想定される用途が生物医学的な用途であるため、可視光における励起は、細胞により有害であり組織により多く吸収されるUVにおける励起よりも好ましい。
一実施態様において、XaLbがX0.6Eu0.4であるように、LはEuであり、比b/(b+a)は40%である。一実施態様において、XaLbがY0.6Eu0.4であるように、LはEuであり、XはYであり、比b/(b+a)は40%である。a及びbは、a+b=1であるようなものである。
一実施態様において、XはYであり、LはEuであり、MはV又はPであり、比b/(b+a)は1%〜75%、好ましくは10%〜75%、さらにより好ましくは20%〜75%である。一実施態様において、XはYであり、LはEuであり、MはVであり、比b/(b+a)は1%〜75%、好ましくは10%〜75%、さらにより好ましくは20%〜75%である。一実施態様において、XaLb(MpOq)がY0.6Eu0.4(VO4)であるように、Xは、Yであり、LはEuであり、MはVであり、比b/(b+a)は40%である。
一実施態様において、LはEuであり、XはYであり、MはV及び/又はPであり、比b/(b+a)は1%〜75%、好ましくは10%〜75%、さらにより好ましくは20%〜75%である。一実施態様において、LはCeであり、XはLaであり、MはV及び/又はPであり、比b/(b+a)は1%〜75%、好ましくは10%〜75%、さらにより好ましくは20%〜75%である。一実施態様において、LはCe及びTbを表し、XはLaであり、MはV及び/又はPであり、比b/(b+a)は1%〜75%、好ましくは10%〜75%、さらにより好ましくは20%〜75%である。
Aは、ランタニド族の1種以上の(好ましくは1又は2種の)常磁性イオン(複数可)を表す。本明細書での「常磁性」という用語は、その通常の意味を有し、より詳細にはランジュバンの常磁性の定義に従う。一実施態様において、Aは、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Ho、Er、Tm、及びYbにより構成される群から選択される常磁性イオンである。特定の実施態様において、AはGdである。一実施態様において、LとAは異なる。他の実施態様において、Aは、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Ho、Er、Tm、及びYbにより構成される群から選択されるいくつかの常磁性イオン(好ましくは2種)を表す。一実施態様において、AはイオンGd及びEuを表す。一実施態様において、Aは、イオンの数及び/又は性質において、Lとは異なる。
本発明による特定の利点は、常磁性シェルが恐らくルミネセンスの点で中性なので、マトリックス中で発光性でないマトリックス中の主要元素の選択にある。そのため、例えば、Gd3+の形態で本発明に使用される常磁性元素の1つでは、GdVO4及びGdPO4のみならずGd2O3並びにGd3+の他の塩及び酸化物は、ナノ粒子又はコア-シェル系中のシェルの形態で、ルミネセンスの点で中性である。一実施態様において、シェルの元素はルミネセンスの点で中性である。
X'は、存在する場合、常磁性の点で中性である1種以上のイオン(複数可)(好ましくは1又は2種)に相当する。「常磁性の点で中性」という表現は、イオン又は複数のイオンX'が、基底状態で不対電子スピンを有さないことを意味する。本明細書でのイオン(複数可)X'の「常磁性の点での中性」はその通常の意味を有し、より詳細にはランジュバンの常磁性の定義に従う。一実施態様において、X'は+IIIの原子価を有する。一実施態様において、X'は、ランタニド及びBiにより構成される群から選択される。一実施態様において、X'は、La、Y、及びBiにより構成される群から選択される。特定の実施態様において、X'は元素イットリウム(Y)である。
p'、q'、e、及び適切な場合、fの値は、AeX'f(M'p'Oq')の電気的中性が守られるようなものである。
p'は、0又は1に等しく、好ましくは1に等しい。一実施態様において、q'は、2〜5の範囲であり、好ましくは4である。例としては、(M'p'Oq')がPO4 3-又はVO4 3-であるように、M'はP又はVであり、p'は1に等しく、q'は4に等しい。他の実施態様において、(Mp'Oq')が(Vv'P1-v')O4であるように、M'はイオンV及びPを表し、p'は1に等しく、q'は4に等しい。
比e/(e+f)により定義される常磁性元素の分率は、80%〜100%、特に90%〜100%、又は95%〜100%である。一実施態様において、比e/(e+f)は、80%、90%、又は95%以上である。一実施態様において、比e/(e+f)は、80%、90%、又は95%以上であり、100%未満である。一実施態様において、MはV又はPであり、AはGdであり、比e/(e+f)は80%〜100%である。一実施態様において、MはVであり、AはGdであり、比e/(e+f)は80%〜100%である。e及びfは、e+f=1であるようなものである。
一実施態様において、AeX'f(M'p'Oq')がAe(M'p'Oq')であるように、比e/(e+f)は100%であり、すなわちfは0に等しく、p'、q'、及びeの値はAe(M'p'Oq')の電気的中性が守られるようなものである。一実施態様において、AeX'f(M'p'Oq')がGd(M'p'Oq')であるように、AはGdであり、比e/(e+f)は100%である。一実施態様において、AeX'f(M'p'Oq')がGd(VO4)であるように、MはVであり、AはGdであり、比e/(e+f)は100%である。
本発明の粒子は、以下の2つの部分を含むか、又は該2つの部分からなるとも定義され得る:
-式XaLb(MpOq)を有する部分(式中、M、L、X、p、q、a、及びbは、先に定義された通りであり、該部分XaLb(MpOq)が発光活性を有するように選択される);及び
-式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分(式中、M'、A、存在する場合のX'、p'、q'、e、及び適切な場合、fは、先に定義された通りであり、該部分AeX'f(M'p'Oq')が、特にMRIにおける造影剤活性及び/又は常磁性活性を有するように選択される)。
「発光活性を備えている」又は「発光剤として使用できる」という用語は、励起後に光を発することができる粒子(又は粒子を含む組成物)を意味する。粒子の発光活性はルミネセンス量子収率(Q)の計算により決定できるが、ルミネセンス量子収率は、発するフォトンの数と吸収されたフォトンの数の比に相当する(Qが高いほど、粒子はより発光性である)。粒子(その被覆していない形態)は、Qの値が10%以上、好ましくは少なくとも20%である場合に、効果的な発光剤であると考えられるだろう(実施例1.7を参照されたい)。
「造影剤活性を備えている」又は「造影剤として使用できる」という用語は、MRIに使用される場合に緩和時間T1及び/又はT2を減少させる粒子(又は粒子を含む組成物)を意味する。粒子の造影剤活性は、一方で緩和性r1及びr2を決定し、他方で緩和性比、r2/r1=κを決定することにより評価できる。r1及びr2の値は、粒子の濃度の関数として、それぞれ緩和速度1/T1及び1/T2の直線の勾配により定義される(実施例1.5及び1.6を参照されたい)。
好ましくは、本発明の粒子はT1造影剤として使用でき、すなわち圧倒的なT1効果を示す。この実施態様において、粒子は、r1及びr2の値が少なくともおよそ4mM-1s-1であり、r2/r1の比(κ)がおよそ1、好ましくは1から2の範囲、特に1から1.5である場合に効果的なT1造影剤であると考えられる。
この用途は、特にMRIにおける造影剤として、発光剤として、及び酸化性物質センサーとして使用できる(少なくとも三方式薬剤)本発明による粒子を、特に想定する。このため、本発明の粒子は、2つの部分、発光活性及び酸化性物質検出活性を備えた部分並びに造影剤活性を備えた他の部分を含むか、又はそれらからなる。
この実施態様において、粒子は、以下の2つの部分を含むか、又はそれらからなると定義される:
-式XaLb(MpOq)を有する部分(式中、MはVであり、LはEuであり、X、a、b、及びpは先に定義された通りであり、該部分XaEub(VpOq)が発光活性及び酸化性物質検出活性を有するように選択される);及び
-式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分(式中、M'、A、存在する場合のX'、p'、q'、e、及び適切な場合、fは先に定義された通りであり、該部分AeX'f(M'p'Oq')が特にMRIにおける造影剤活性を有するように選択される)。
そのため、本発明の粒子は、少なくとも2つの部分を含むか、又はそれらからなるが、1つの部は式XaEub(VpOq)を有し、1つの部は式AeX'f(M'p'Oq')を有する(式中、
-Xは、ルミネセンスの点で中性である1種以上の、好ましくは1又は2種のイオン(複数可)に相当し;
-p、q、a、及びbの値は、XaEub(VpOq)の電気的中性が守られるような、比b/(b+a)により定義される発光性元素の分率が1%〜75%であるように選択され;且つ
-M'は、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の元素であり;
-Aは、1種以上の、好ましくは1又は2種の常磁性ランタニドイオン(複数可)に相当し;
-X'は、存在する場合、常磁性の点で中性である1種以上のイオンに相当し;且つ
-p'、q'、e、及び適切な場合、fの値は、AeX'f(M'p'Oq')の電気的中性が守られるような、比e/(e+f)により定義される常磁性元素の分率が80%〜100%であるようなものである)。
「酸化性物質のセンサー剤としての」活性を備えた又は「酸化性物質の検出の活性」という用語は、酸化性物質(過酸化水素、H2O2、次亜塩素酸アニオンなど)の濃度を、細胞内又はインビボで定量的に検出できる粒子(又は粒子を含む組成物)を意味する。特定の実施態様において、酸化性物質の濃度の検出は動的であり、すなわち、時間の関数として濃度を検出することができる。他の実施態様において、本発明の粒子は過酸化水素のセンサー剤として使用される。
発光性イオンが酸化性物質により可逆的に酸化されることができ、ある波長帯におけるルミネセンスの強度に変化が生み出される場合、粒子は、酸化性物質、特に過酸化水素の効果的なセンサーであると考えられるだろう。一実施態様において、発光性イオンは、酸化性物質の検出に使用される前に、照射により光還元される(Casanovaらの文献;2009年)。この場合、光還元は、少なくとも10%、好ましくは20%以上、30%以上、40%以上、又は50%以上である、発光性イオンのルミネセンスの減少を引き起こす。他の実施態様において、発光性イオンは、それらが酸化を受けることができるように、既に原子価状態にある。生理学的及び病態生理学的濃度での酸化性物質の濃度により生じるルミネセンスの強度の変化は、検出可能となるためにはノイズ上で十分に高くなければならない(実施例1.8を参照されたい)。この場合、ルミネセンス回復信号とノイズの比は1より高く、好ましくは2より高く、又は好ましくは5より高い。ある特定の実施態様において、前記実施態様と組み合わせて、又はそれとは独立に、この回復を得るのに必要な特徴的な時間はおよそ1分、好ましくは5分未満、好ましくは1分未満、又は好ましくは30秒未満である。
本発明の粒子は、式XaLb(MpOq)/AeX'f(M'p'Oq')又は式XaLb(MpOq)/Ae(M'p'Oq')、特に式XaEub(VpOq)/AeX'f(M'p'Oq')又は式XaEub(VpOq)/Ae(M'p'Oq')を有する。特に、本発明の粒子は、式XaEub(VO4)/AeX'f(M'p'Oq')又は式XaEub(VO4)/Ae(M'p'Oq')を有する。
特定の実施態様において、本発明の粒子は、比b/(b+a)が1%〜75%、特に10%〜60%、又は20%〜50%、特におよそ30%又はおよそ40%(±5%)であるYaEub(VO4)/Gd(VO4)、YaEub(PO4)/Gd(VO4)、YaEub(VO4)/Gd(PO4)、及びYaEub(PO4)/Gd(PO4)により構成される群から選択される式を有する。一実施態様において、本発明の粒子は式Y0.6Eu0.4(VO4)/Gd(VO4)を有する。
一実施態様において、M、M'、L、X、A、及び、適切な場合、X'の少なくとも1つ(好ましくは1つのみ)は、放射性同位体の形態である。特定の実施態様において、Lは、放射性同位体の形態、例えば86Yである。一実施態様において、ナノ粒子の表面は、64Cu又は86Yなど、ポジトロンの放出に適切な放射性同位体の結合を可能にするために、有機キレート剤、例えばリガンドDOTAにより官能化されている。他の実施態様において、表面の官能化は、やはりポジトロンの放出に適切な、例えばイオン11C、13N、18Fを含む有機分子により実施される。
本願の状況において、「部分」という用語は、2つの部分の均質な混合物を除いて、他の部分との空間的な配置にかかわらず、先に示された式を持つ構造を意味する。そのため、粒子は複合物であると定義される。
そのため、一実施態様において、それぞれ本発明の粒子の発光性部分及び常磁性部分を構成する、式XaLb(MpOq)及びAeX'f(M'p'Oq')又は式XaLb(MpOq)及びAe(M'p'Oq')を持つ少なくとも2つの部分は並置され、すなわち、それらは、2つの部分が混合することがないか、又は全体の小さな比率のみ(各部分の10%未満)が混合物として存在するように互いに接触している。そのため、相のうち1つは、少なくとも部分的に他の相に分散し得る。
他の実施態様において、本発明の粒子の少なくとも1つの領域を構成する、式XaLb(MpOq)及びAeX'f(M'p'Oq')又は式XaLb(MpOq)及びAe(M'p'Oq')を持つ少なくとも2つの部分は勾配構造で配置されており、粒子の少なくとも1つの領域が1つの部分の100%により構成されており、もう1つの領域が他の部分の100%により構成されており、これら2つの領域の間で、勾配に従って、部分の1つの比率が低下する一方で、他の部分の比率が増加するように2つの部分が混合している。
他の実施態様において、本発明の粒子を構成する、式XaLb(MpOq)及びAeX'f(M'p'Oq')又は式XaLb(MpOq)及びAe(M'p'Oq')を持つ2つの部分は、一般的に球状又は回転楕円面状のいわゆるコア/シェル構造で配置されており、部分の1つが粒子の中心にあってコアを形成しており、シェルと称される他の部分により完全に囲まれている(図4A)。
このコア/シェル構造の一実施態様において、コアを形成する部分はシェルと混合されていない。このコア/シェル構造の他の実施態様において、コアとシェルの境界に、2つの部分のそれぞれの少量(該部分のそれぞれの10%未満)が互いに混合している中間領域がある。
特定の実施態様において、2つの部分が混合していようとなかろうと、式XaLb(MpOq)を有する部分(特に、式XaEub(VpOq)を有する部分)は粒子のコアを構成し、式AeX'f(M'p'Oq')又は式Ae(M'p'Oq')を有する部分は粒子のシェルを構成する。そのため、式Y0.6Eu0.4(VO4)/Gd(VO4)を有する粒子では、Y0.6Eu0.4(VO4)の部分は粒子の発光性コアを構成し、Gd(VO4)の部分は粒子の常磁性シェルを構成する(図4B)。YaEub(P,V)O4の部分及びGd(P,V)O4の部分を含むナノ粒子であって、b/b+aが10%超であり、最高75%になることがあるか、又は20%〜75%若しくは25%〜75%若しくは25%〜45%であるナノ粒子が特に好ましく、式YaEub(P,V)O4を有する部分が粒子のコアを構成し、式Gd(VO4)を有する部分がそのシェルを構成するこれらのナノ粒子YaEub(V,P)O4/Gd(V,P)O4がより特に好ましい。
他の好ましい実施態様は、xが10%〜75%であり、yが0.1%〜99%であるナノ粒子La1-xEuxPO4/GdPO4、ナノ粒子La1-xEuxPyV1-yO4/GdPO4、及びナノ粒子Y1-xEuxPyV1-yO4/GdVO4でもある。
特定の好都合な実施態様において、コアは常磁性の点で中性であり、且つ/又はシェルはルミネセンスの点で中性である。
本発明の粒子の特定の実施態様において、シェルの体積分率(%vol)、すなわち、ナノ粒子の全体積に対するシェルの体積は、5%〜95%の範囲、好ましくは25%〜75%の範囲、好ましくは50%〜60%の範囲である。特定の実施態様において、シェルの体積分率は60%を超えない。特定の実施態様において、シェルの体積分率は、ナノ粒子の全体積のおよそ58±5%である。
特定の実施態様において、コアの体積分率(粒子全体に対する)は、5%〜95%の範囲、好ましくは25%〜75%の範囲、好ましくは40%〜50%の範囲になり得る。特定の実施態様において、コアの体積分率は50%を超えない。
本願は、式XaLb(MpOq)/AeX'f(M'p'Oq')又は式XaLb(MpOq)/Ae(M'p'Oq')を有する粒子を含む組成物も提案する。特定の実施態様において、粒子は同じ組成を有し、すなわちX、L、M、存在する場合のX'、A、及びM'の性質並びにp、q、p'、q'、e、及びfの値は組成物の粒子の全てで同一であり、a及びbの値はおそらく変化する。他の実施態様において、該粒子は同じ組成及び同じ性質を有し、すなわちX、L、M、存在する場合のX'、A、及びM'の性質並びにp、q、p'、q'、a、b、e、及びfの値は組成物の粒子の全てで同一である。
他の実施態様において、組成物は、X、L、M、存在する場合のX'、A及び/若しくはM'の性質、並びに/又はa、b、p、q、p'、q'、e、及び/若しくはfの値が変動し得る、本発明の異なる粒子を含む。一実施態様において、本発明の粒子は、X及び存在する場合のX'の性質のみが異なり、任意にa及びbの値が異なる。他の特定の実施態様において、組成物に含まれる本発明の粒子は、Lの性質のみが異なり、任意にa及びbの値が異なる。他の実施態様において、本発明の粒子は、Xの性質のみが異なり、任意にa及びbの値が異なる。
本発明の粒子の部分は、金属酸化物(複数可)の1つ以上の結晶性領域(複数可)を含み得る。特定の実施態様において、粒子の部分の一方及び/又は他方の構造は単結晶でない。いくつかの結晶性ドメインが粒子内に存在する場合、これらのドメインは、好ましくは、同じ方向を持つ結晶である。しかし、本発明の粒子の組成物内で、特定の粒子は、おそらく非晶質構造ドメインを有し得る。そのため、本発明による粒子の組成物において、粒子の50%超、70%超、80%超、又は90%超、95%超、98%超、99%超、又は100%が結晶性構造を有する。さらに、非晶質構造を有するドメインが、おそらく本発明の粒子内に存在するだろう。特定の実施態様において、粒子の体積の50%超、70%超、80%超、90%超、95%超、98%超、99%超、又は100%が結晶性構造を有する。
本発明の粒子は、多孔性でも非多孔性でもよく、すなわち、粒子は、特に水を粒子内に浸透させる能力を有するか、又はそれぞれ有さない。特定の実施態様において、本発明の粒子は多孔性である。さらに、本発明による粒子の組成物の状況において、粒子の50%超、70%超、80%超、90%超、95%超、98%超、99%超、又は100%が多孔性である。さらに、本発明の粒子内で、各粒子の体積の一部分が多孔性であり得る。そのため、本発明による粒子において、粒子の体積の20%超、50%超、70%超、80%超、90%超、95%超、98%超、99%超、又は100%が多孔性である。
特定の実施態様において、本発明は、本明細書に定義される2つの部分XaLb(MpOq)及びAeX'f(M'p'Oq')により構成されるか、又は2つの部分XaLb(MpOq)及びAe(M'p'Oq')により構成される(被覆されていない形態の粒子を構成する)本発明の粒子であって、被覆された粒子を製造するために第三の部分をさらに備えた粒子も提案する。第三の部分は、被覆されていない粒子を囲む。特定の実施態様において、被覆された粒子は、シェルに囲まれたコアからなり、シェルはそれ自体この第三の部分に囲まれている(図5A)。
この第三の部分は、準備層、官能基を保持する層、及び生物活性のある分子により構成された層から選択される少なくとも1つの、好ましくは1、2、又は3つの層(複数可)を含むが、該層は以下に定義されるとおりである。
例えば、特定の実施態様において、この第三の部分は、本発明の被覆されていない粒子が準備層にのみ被覆されるように、準備層からなる。
他の実施態様において、この第三の部分は、本発明の被覆されていない粒子が準備層及び官能基を保持する層で覆われるように(官能化粒子)、準備層及び官能基を保持する層からなる。特定の実施態様において、準備層は官能基を保持する層に対して最も内側にあり、すなわち準備層は被覆されていない粒子に適用され、官能基を保持する層は準備層の上に適用される。
他の実施態様において、この第三の部分は、本発明の被覆されていない粒子が準備層及び生物活性のある分子により構成された層にのみ覆われるように、準備層及び生物活性のある分子により構成された層からなる。特定の実施態様において、準備層は生物活性のある分子により構成された層に対して最も内側にあり、すなわち、準備層は、被覆されていない粒子の上に適用され、生物活性のある分子により構成された層は準備層の上に適用される。
他の実施態様において、この第三の部分は、本発明の被覆されていない粒子が、準備層、官能基を保持する層、及び生物活性のある分子により構成された層により覆われるように、準備層、官能基を保持する層、及び生物活性のある分子により構成された層からなる。特定の実施態様において、準備層は、官能基を保持する層に対して最も内側にあり、官能基を保持する層自体は生物活性のある分子により構成された層に対して最も内側にあり、すなわち、準備層は被覆されていない粒子の上に適用され、官能基を保持する層は準備層の上に適用され、生物活性のある分子により構成された層は官能基を保持する層の上に適用される。
特定の実施態様において、この第三の部分は、それ自体の造影剤活性も、それ自体の発光活性も持たず、適切な場合、それ自体の酸化性物質検出活性も持たない。特定の実施態様において、この第三の部分は、造影剤活性を持たず、適切な場合、酸化性物質検出活性も持たないが、本発明の粒子に含まれている発光性イオン(L)とは別個の発光活性を有する。特定の実施態様において、この別個のルミネセンス活性は、コーティングの3層のうちの1つ、好ましくは準備層又は官能基を保持する層に含まれる分子(特に、フルオロフォア)により発揮される。この別個のルミネセンス活性は、粒子に含まれている発光性イオン(L)のルミネセンス活性とは、その色、その光物理学的性質、及び/又はpH若しくはCa2+などのイオンの濃度など環境因子に対するその感受性により区別される。
「生物活性のある分子」という用語は、所望の活性の関数として選択される、化学化合物、タンパク質、ポリペプチド、又はポリヌクレオチドなどの天然又は合成由来の任意の分子を意味する。
特定の実施態様において、生物活性のある分子又は複数の分子は、標的化分子、すなわち、臓器、体液(例えば血液)、細胞型(例えば、血小板、リンパ球、単球、腫瘍細胞など)又は細胞コンパートメントに向けた本発明の粒子の特異的な標的化を可能にする分子である。そのため、この特異的な標的化は、モノクローナル若しくはポリクローナル抗体、又は細胞受容体のタンパク質若しくはポリペプチドリガンドの助けにより達成され得る。引用できる非限定的な例は、下記の受容体/リガンドペアである:TGF/TGFR、EGF/EGFR、TNFα/TNFR、インターフェロン/インターフェロン受容体、インターロイキン/インターロイキン受容体、GMCSF/GMCSF受容体、MSCF/MSCF受容体、及びGCSF/GCSF受容体。引用できる他のリガンドは、毒素又は無毒化された毒素とそれらの細胞受容体である。抗体に関して、それらは、抗体/複数の抗体に対する抗原又は複数の抗原の関数として選択されるだろう。特定の実施態様において、単球、リンパ球、又は血小板上に位置する抗原を認識する抗体、例えばSanta Cruz Biotechnology社により販売されている抗体 (http://www.scbt.com/)を使用することが可能である。
他の実施態様において、生物活性のある分子又は複数の分子は蛍光分子であり、例えば、蛍光タンパク質との融合タンパク質の形態である。
他の実施態様において、生物活性のある分子又は複数の分子は、粒子が生物に見つからないようにし、そのため血中のその循環時間が増加可能であるような、ポリエチレングリコール(PEG)又はデキストランなどのステルス剤(stealth agents)である。
他の実施態様において、生物活性のある分子又は複数の分子は、治療活性のある分子、特に抗癌分子(化学療法薬)である。化学療法分子の例は、シスプラチン、メトトレキサート、ブレオマイシン、シクロフォスファミド、マイトマイシン、5-フルオロウラシル、ドキソルビシン/アドリアマイシン、及びドセタキセルである。本発明の粒子を、治療分子(薬物)の輸送のためのビヒクルとして使用することには、いくつかの利点がある:薬物をカプセル化している粒子は、一般的に、分子薬(molecular drug)よりも体内で長い循環時間を有し、かつ該粒子は、腫瘍細胞の薬物に対する多剤耐性効果をなくすことができるが、分子薬は膜ポンプによるポンピングにより細胞から容易に除去される(Kimらの文献、2009年)。
他の実施態様において、本発明による粒子は、その表面に、上述のものから選択される、少なくとも2種、好ましくは2又は3種の生物活性のある分子を保持する。特定の実施態様において、粒子は、先に定義された標的化分子及びステルス分子を保持する。他の実施態様において、粒子は、先に定義された標的化分子及び治療分子を保持し、任意に、先に定義されたステルス分子を保持する。そのため、この後者の実施態様による本発明の粒子を使用して、非病原性組織への治療分子の輸送に関連する望まれない二次作用を避けることができる。
実施態様にかかわらず、生物活性のある分子は、粒子の表面に、又は適切な場合準備層に、直接又は官能基を保持する層を介して、共有結合又は非共有結合により付着することができる。これらの生物活性のある分子の付着は、粒子、準備層、及び/又は官能基を保持する層の表面を、生物活性のある分子により、酸化、ハロゲン化、アルキル化、アシル化、付加、置換、又はアミド化する従来の技術を利用して実施される。
準備層は、共有結合又は吸着のいずれかにより、粒子に直接適用される。この準備層は、親水性でも疎水性でもよい。特定の実施態様において、この準備層は非晶質である。
一実施態様において、準備層は、粒子に非共有結合的に結合している、電荷が本発明の被覆されていない粒子の電荷と反対である分子により構成されている。そのような結合分子の例は、アニオン性、カチオン性、又は双極性イオンの洗剤、ペプチド、酸性又は塩基性のタンパク質、ポリアミン、ポリアミド、並びにポリスルホン酸又はポリカルボン酸である。これらの結合分子は、コインキュベーションにより粒子の表面に吸着され得る。
特定の実施態様において、準備層は、シリカ(SiO2)(シリカ粒子)により構成される。例としては、シリカの層は、ケイ素原子を含む適切な前駆体の本発明の粒子の周囲での縮合により形成され得る。この場合、シリカの層は、静電力により本発明の粒子に結合している。ある特定の実施態様において、シリカの層は、以下の式(式中、REは、本発明による粒子の状況におけるA及び/又はX'を表す)に従い、メタケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)から形成される。
Figure 0006318096
官能基を保持する層は、存在する場合、一方で準備層との、他方で生物活性のある分子を保持する層との結合を与える。それは、有機基、例えばアミン、チオール、又はカルボキシル官能基を保持する有機シランにより構成されている。本明細書に記載される準備層及び官能基を有する層を保持する粒子は、官能化粒子と称される。一実施態様において、官能基を保持する層は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)から形成されるが、これはアミン基を保持している。例としては、第一工程として、ヒドロキシル基を生成するために、APTESのエトキシ基の加水分解により、第二工程において、以下の反応スキーム(式中、「RE」は、本発明による粒子の状況におけるA及び/又はX'を表す)に従って共有結合を形成するために、これは準備層のヒドロキシル基と縮合でき、アミン基が本発明の粒子に加えられる。
Figure 0006318096
このように官能化される粒子は、当業者に公知の任意の手段、例えば、弱い化学結合、例えば、静電力、ファンデルワールス力、水素結合、疎水結合など、又は強い化学結合、例えば、イオン性、共有結合性、若しくは金属結合、又は例えば、一方で粒子の表面に存在する官能基に(例えばアミン官能基又はカルボン酸基)、他方で標的化分子の官能基(例えばアミン官能基又はスルフヒドリル官能基)に結合できる二重の官能基を保持するカップリング剤などのカップリング剤により、生物活性のある分子に結合され得る(生物活性のある分子により構成された層を形成する)。官能化された粒子及び生物活性のある分子又は複数の分子は、例えば、ビオチン-ストレプトアビジン相互作用(又は、リガンド-受容体相互作用若しくは抗体-抗原相互作用)などの強い親和性を持つ生物学的相互作用、及び複数の工程のカップリング、すなわち、ストレプトアビジン(又はビオチン)の官能化された粒子への最初のカップリング及びビオチン(又はストレプトアビジン)の生物活性のある分子又は複数の分子へのカップリング、次いで2つのカップリング生成物の相互作用を使用しても結合できる。例えば、カルボキシル基とカルボジイミド、アミンとN-ヒドロキシスクシンイミド若しくはイミドエステル、及びチオールとマレイミドの間のカップリング技術を引用することも可能である。
生物活性のある分子又は複数の分子を結合するために、官能化粒子がアミン基を保持する場合(例えば、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランによる処理の後)、(1)ビス(スルホスクシンイミジル)スベラート(BS3)、そのN-エステルヒドロキシスルホスクシンイミド(NHS)基により、種々の分子により保持されているアミン基との結合を形成するホモ二官能性結合剤、(2)1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、一級アミンとの自発反応のためにカルボキシル基を活性化させるカルボジイミド結合剤、及び(3)そのスルホ-NHSエステル基により、一級アミンを保持する分子を結合し、そのマレイミド基により、システイン残基と反応するスルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(Sulpho-SMCC)などの結合剤を使用することが可能である。
例としては、本発明の官能化粒子は、その表面で、アミン官能基を有するタンパク質又はポリペプチドに、ビス(スルホスクシンイミジル)スベラート(BS3)を介して結合し得る。Casanovaらの文献(2007年)に詳述される該カップリング方法は、下記を含む:
i)任意に、本発明の粒子を、遠心分離によって、大きさにより選択すること;
ii)該粒子を、水性溶媒からジメチルスルホキシド(DMSO)溶媒に移すこと;
iii)該粒子と架橋剤BS3との間の最初のアシル化反応;
iv)該粒子をDMSOから水性溶媒に移すこと及び粒子/BS3複合体と、カップリングすべきタンパク質又はポリペプチドとの第二の反応;及び
v)タンパク質又はポリペプチドに結合した粒子からの、遊離のタンパク質又はポリペプチドの遠心分離による分離。
本発明の粒子とタンパク質又はポリペプチドの濃度の比は、粒子あたり結合すべきタンパク質又はポリペプチドの数の関数として選択される。単一の分子が粒子に固定されるべき場合、及び工程iv)の反応が100%に近い効率を有する場合、工程iv)の実施時に粒子と対象のタンパク質の1:1に近い濃度の比が得られる。工程iv)の実施前のBS3に結合した粒子及びタンパク質又はポリペプチドの濃度は、その吸収により決定できる。この工程iv)を実施した後、タンパク質又はポリペプチドと粒子の吸収は重なるため、タンパク質又はポリペプチドの濃度は、ブラッドフォード試験などの標準的な試験を利用して決定できる。
第二の例において、本発明の官能化粒子を、アミノ化されたPEGに結合し、特にそれらをステルス粒子にすることができる。上述の工程i)からv)は同様に繰り返されるが、工程iv)でカップリングされるべきタンパク質又はポリペプチドをPEGに替える。工程iv)において、10:1、20:1、又は40:1のPEG/粒子濃度の比が、粒子の表面を完全にPEGで覆うために利用される。粒子/タンパク質/PEGの濃度の好適な比を選択することにより、PEGとタンパク質又はポリペプチドの両方を粒子に結合することも可能である。そのため、上述の工程iv)において、第二の反応は、例えば、粒子の濃度C、タンパク質の濃度2C、及びPEGの10Cの間で起こるだろう。
本発明の実施態様にかかわらず、粒子は、その被覆されていない形態、被覆された形態、又は官能化された形態で、回転楕円面状の形状(球状粒子含む)又は任意の他の不規則な形状を有し得る。
本発明の粒子の寸法(球状粒子の直径及び粒子が回転楕円面状の形状である場合は最大の寸法と定義される)は、1〜500nmの範囲である。特に、その被覆されていない形態では、粒子の大きさは200nm未満、特に100未満、50未満、25未満、又は10nm未満である。粒子が被覆又は官能化されている一実施態様において、寸法は、被覆されていない粒子の寸法より大きく、200nm未満、特に100nm未満、50nm未満、又は25nm未満であろう。粒子はナノ粒子(NP)と定義され得る。
本発明の組成物の状況において、粒子寸法は均一(又は単分散)であり得るが、すなわち粒子の75%超、特に80%超、又は90%超が、前記組成物の全粒子の平均寸法から、最大で50nm、最大で40nm、最大で30nm、最大で20nm、又は最大で10nmだけ異なる寸法を有する。寸法が均一である組成物の他の実施態様において、粒子の75%超、特に80%超、又は90%超の粒度分布は、平均粒径の±40%、±30%、±20%、又は±10%のサイズの範囲にある。上記の2つの寸法の一方を満たさない寸法を有する組成物中の粒子は、多分散として知られる。
本願は、下記を含むか、又は下記からなる本発明による粒子の製造方法も提案する:
(1)元素X及びLを含む水溶液と元素Mのオキソ-ヒドロキソ塩を含む水溶液の間の共沈反応による、式XaLb(MpOq)を有する部分を合成すること;
(2)(1)で合成された式XaLb(MpOq)を有する部分の存在下で、元素X'及びAを含む水溶液又は元素Aを含む(X'がない場合)水溶液と、元素M'のオキソ-ヒドロキソ塩を含む水溶液との間の共沈反応により、(1)で合成された式XaLb(MpOq)を有する部分を、式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分又は式Ae(M'p'Oq')を有する部分により被覆すること;
(3)式XaLb(MpOq)/AeX'f(M'p'Oq')又は式XaLb(MpOq)/Ae(M'p'Oq')を有する粒子を回収すること。
特定の実施態様において、元素X及びLを含む水溶液は、塩化物、硝酸塩、又は酢酸塩の形態である。特定の実施態様において、元素X及びLを含む水溶液は、粒径を限定するために、クエン酸塩など、これらの元素のための錯化剤を含み得る。特定の実施態様において、上記と組み合わせて、又は上記とは独立に、元素Mのオキソヒドロキソ酸を含む水溶液は、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩の形態である。元素Mのオキソヒドロキソ酸を含む水溶液のpHは、沈殿反応が式XaLb(MpOq)を有する部分(又は式XaLb(MpOq)を有する粒子)の合成をもたらすように調整される。元素X、L、及びMの酸化状態は、最終粒子におけるこれら元素の酸化状態である。
特定の実施態様において、元素X'及びAを含む(又は元素Aを含む)水溶液は、塩化物、硝酸塩、又は酢酸塩の形態である。特定の実施態様において、元素A及びX'を含む(又は元素Aを含む)水溶液は、粒径を制限するために、クエン酸塩など、これらの元素のための錯化剤も含み得る。特定の実施態様において、上記と組み合わせて、又は上記とは独立に、元素M'のオキソヒドロキソ酸を含む水溶液は、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩の形態である。元素M'のオキソヒドロキソ酸を含む水溶液のpHは、沈殿反応により、式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分又は式Ae(M'p'Oq')を有する部分による、式XaLb(MpOq)を有する部分のコーティングを生み出すように調整される。元素A、X'、及びM'の酸化状態は、最終粒子におけるこれらの元素の酸化状態であろう。
工程(2)は、(1)で合成された式XaLb(MpOq)を有する部分の存在下で実施され、すなわち、工程(2)は、特に、工程(1)の最後で得られた式XaLb(MpOq)を有する部分の分散液中又は工程(1)の最後で得られた式XaLb(MpOq)を有する部分の分散液が精製されて、対イオンの塩が除かれた後に実施される。
一実施態様において、元素X'及びAを含む(又は元素Aを含む)水溶液及び元素M'を含む水溶液は、工程(1)の最後で得られた式XaLb(MpOq)を有する部分の分散液に連続的に加えられ、第二の溶液はゆっくりと滴加される。他の実施態様において、元素X'及びAを含む(又は元素Aを含む)水溶液及び元素M'を含む水溶液は、工程(1)の最後で得られた式XaLb(MpOq)を有する部分の分散液に同時に加えられ、2つの溶液のそれぞれはゆっくりと滴加される。工程(1)の最後で得られた式XaLb(MpOq)を有する部分の分散液への2つの溶液の添加の方式及びそれらの濃度は、式XaLb(MpOq)を有する部分の被覆が、式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分又は式Ae(M'p'Oq')を有する部分の別々な沈殿よりも優先的に起こるように制御されている。当業者ならば、上述の添加の方式を修正し、加えられる溶液の希釈度を変更できるだろう。
特定の実施態様において、式XaLb(MpOq)を有する部分を合成する共沈反応及び式XaLb(MpOq)を有する部分を、式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分又は式Ae(M'p'Oq')を有する部分により被覆する共沈反応は、連続的に、直接、中断せずに実施される。
特定の実施態様において、MとM'が同一である場合、元素X'及びAを含む(又は元素Aを含む)1種の水溶液のみが工程(2)に加えられるように、合成から直接得られた式XaLb(MpOq)を有する部分の分散液は、式XaLb(MpOq)を有する部分を、式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分又は式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分により被覆するのに充分な量のM(又はM')イオンを含み得る。
特定の実施態様において、工程(3)は、対イオン塩を除去するために粒子の精製を含むか、又は粒子の精製からなる。
特定の実施態様において、該方法は、粒子を、その大きさによって遠心分離により分類することからなる最終工程を含む。
本願は、上記の定義を有する粒子、特に、上述の方法により得られた式XaLb(MpOq)/AeX'f(M'p'Oq')又は式XaLb(MpOq)/Ae(M'p'Oq')を有する粒子も提案する。
本願は、本願に定義された粒子又は本願に定義された組成物、及び医薬として及び/又は生理的に許容し得るビヒクルを含む医薬組成物にも関する。「医薬組成物」という用語は、ヒトだけでなく動物にもおける、特に哺乳動物及び/又はペット(獣医学的使用)における、診断的な使用及び/又は治療的な使用が意図される組成物を意味する。「医薬として及び/又は生理的に許容し得るビヒクル」という用語は、生物(例えば、非ヒト哺乳動物、及び好ましくはヒト)と接触する医薬組成物を使用するのに好適で、そのため賦形剤のように好ましくは非毒性である作用物質を意味する。そのような生理学的に及び/又は医薬として許容し得るビヒクルの例には、水、食塩水、特に生理溶液、水と混和性の溶媒、糖類、結合剤、顔料、植物油又は鉱油、水に可溶性であるポリマー、界面活性剤、増粘剤又はゲル化剤、保存剤、及びアルカリ化剤又は酸性化剤がある。本発明の医薬組成物中に含まれてよい賦形剤には、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールなどの糖類、セルロースに基づく調製物、例えばトウモロコシ、コムギ、コメ、又はポテトスターチ、ゼラチン、ガム、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びポリビニルピロリドン(PVP)などの生理的に許容し得るポリマーがある。特定の実施態様において、賦形剤又はビヒクルは、注射溶液、特に静脈内に注射できる溶液としての、本発明による医薬組成物の製造に意図される。
特定の実施態様において、医薬組成物は、活性物質として、0.1〜1g/mLの範囲の本発明による粒子、特に0.1〜0.6g/mLの範囲又は0.2〜0.5g/mLの範囲の粒子を含む。
特定の実施態様において、好ましくは先の段落にある実施態様と組み合わせて、本発明による医薬組成物は、注射溶液として、特に静脈内に注射可能な(IV)溶液の形態で、及び特にプレフィルドボトル又はシリンジとして製剤化される。
本願は、画像化、特に医療用画像化、特に診断用画像化における、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物の使用も提案する。本発明の粒子、組成物、又は医薬組成物は、インビトロで、特に細胞培養物上で、若しくはあらかじめ体外に除かれてある臓器上で、又は好ましくはインビボで使用できる。インビボの使用には、動物、特に哺乳動物、特にペット(獣医学的な使用)又はヒト(患者)における使用がある。
そのため、本願は、特に実験動物(マウス、ラット、霊長類など)における、特に研究若しくは調査目的での、又は診断目的及び/又は治療目的の分子の開発のための画像化における本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物の使用を提案する。
本願は、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物の患者又は動物の、好ましくは哺乳動物の診断薬としての使用も(診断上の使用)提案する。特定の実施態様において、本発明の粒子、組成物、又は医薬組成物は、治療目的のそれらの使用を除外して、もっぱら診断目的に使用される。
一実施態様において、本願は、MRI、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、陽電子放出断層撮影法(PET)、断層撮影法(TDM)、及び超音波画像診断(例えば超音波スキャン)からなる群から選択される少なくとも1種(特に、1種又は2若しくは3種の技術の組み合わせ)の画像化技術の実施における、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物の特にインビボでの使用を提案する。表現「組み合わせ」又は「組み合わせて」は、画像化技術(複数可)が、特定の診断調査において、同じ調査期間の間に同じ対象(患者又は動物)に実施され、すなわち、画像化技術(複数可)から出た信号(特に画像)が、本発明の粒子、組成物、又は医薬組成物の単一の注射の後、又は本発明の同じ粒子、同じ組成物、又は同じ医薬組成物の最大で2回の注射(単一の信号取得が、調査している対象(患者又は動物、好ましくは哺乳動物)での粒子のクリアランス期間より長くかかる場合)の後で取得されることを意味する。画像化技術が、同じ調査期間、特に診断調査の間に展開されている限り、それぞれ実施される種々の画像化技術による信号の取得は、時間とともにわずかに引き延ばされることがある。本発明の粒子、組成物、又は医薬組成物を使用する種々の画像化技術の組み合わせは、これらの複数の技術によりそれぞれ取得される信号又は画像の同時局在(co-localization)を可能にする。
一実施態様において、本願は、MRIにおける(又はMRIによる診断のための、若しくはMRI技術を利用する診断のための)本発明の粒子、組成物、又は医薬組成物の使用を提案する。
本願は、MRI、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、陽電子放出断層撮影法、断層撮影法、及び超音波画像診断からなる群から選択される少なくとも2種の画像化技術を利用する診断における、本発明の粒子、組成物、又は医薬組成物のマルチモード薬剤(特に、二方式又は三方式)としての使用を提案する。他の実施態様において、本願は、画像化における、特に、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、陽電子放出断層撮影法、断層撮影法、及び超音波画像診断からなる群から選択される少なくとも1種の、特に1種の画像化技術と組み合わせたMRIにおける、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物のマルチモード薬剤(特に、二方式又は三方式)としての使用を提案する。
「光学イメージング、酸化性物質の光学検出、陽電子放出断層撮影法、断層撮影法、及び超音波画像診断からなる群から選択される少なくとも1種の、特に1種の画像化技術と組み合わせたMRIにおける」という表現は、光学イメージングと組み合わせたMRIにおける、酸化性物質の光学検出と組み合わせたMRIにおける、陽電子放出断層撮影法と組み合わせたMRIにおける、断層撮影法と組み合わせたMRIにおける、又は超音波画像診断と組み合わせたMRIにおける(二方式画像化)、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物の使用を包含する。
一実施態様において、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物は、光学イメージングと組み合わせたMRIに使用される。好都合には、本発明による粒子(MRI造影剤の性質及び発光性の性質を有する)の使用は、コントラストを増大させることにより、且つ、取得のスピード及び低濃度での感度という点の光学技術の相補的な利点を、MRIによる組織の深部浸透と組み合わせることにより、迅速な光学イメージングを同時に可能にすることにより、走査時間を低減できる。
一実施態様において、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物は、酸化性物質の光学検出と組み合わせてMRIに使用される。好都合には、本発明による粒子(MRI造影剤の性質及び酸化性物質の検出の性質を有する)の使用は、単一の製品の注射により、組織がMRIにより画像化でき、例えば炎症部位に関連した酸化性物質の産生が検出できることを意味する。この実施態様において、粒子の発光性イオンは、酸化を受けることができるように、既に原子価状態になければならない。
一実施態様において、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物は、陽電子放出断層撮影法と組み合わせてMRIに使用される。11C、13N、15O、18F、64Cu、86Y、又は124Iなどのポジトロンの放出に適切な放射性同位体によるポジトロンの放出に続いて電子との反応及びγフォトンの放出があるが、その侵入深さは生物学的試料では無限であり、これは、PETが最高の感度を持つ画像化技術であり、放射性同位体の局所濃度の決定及び単一の異常な細胞の検出を可能にすることを意味する(Hahnらの文献、2011年)。このように、PETは、肉眼でわかる変化が見える前に癌の出現を検出するのに適切である。好都合には、本発明による粒子(MRI造影剤の性質を有し、放射性同位体を保持する)の使用は、PETの高感度性が、MRIにより調べられている動物又は患者の体内のPET信号の局在化と組み合わせ可能であることを意味する。
一実施態様において、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物は、断層撮影法と組み合わせてMRIに使用される。TDMにより発生するコントラストは、基本的に骨と体の他の部分の間のものである。そのため、TDMは、水を含む領域の間、すなわち異なる種類の組織間でコントラストが発生するMRIと相補的な情報を与えることができる。さらに、TDMは、MRIと同等な分解能で三次元画像を与えることができる(Frullano及びMeadeの文献、2007年)。常磁性ランタニドイオンAがGdである特定の場合には、ガドリニウム原子の高い電子密度により、本発明の粒子が、MRIと組み合わせたTDMの適切な造影剤になる。
一実施態様において、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物は、超音波画像診断と組み合わせてMRIに使用される。特定の実施態様において、且つこの組み合わせた使用の特定の場合において、本発明の粒子は、調査する患者への投与前に調製されるポリマー性微小球又はマイクロビーズの中に大量に含まれる(Hahnらの文献、2011年)。
「光学イメージング、酸化性物質の光学検出、陽電子放出断層撮影法、断層撮影法、及び超音波画像診断からなる群から選択される少なくとも1種の、特に1種の画像化技術と組み合わせたMRIにおける」という表現は、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、陽電子放出断層撮影法、断層撮影法、及び超音波画像診断から選択される2種の画像化技術(二方式画像化)と組み合わせたMRIにおける、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物の使用を包含する。特定の実施態様において、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物は、酸化性物質の光学検出及び光学イメージングと組み合わせたMRIに、酸化性物質の光学検出及び陽電子放出断層撮影法と組み合わせたMRIに、酸化性物質の光学検出及び断層撮影法と組み合わせたMRIに、又は酸化性物質の光学検出及び超音波画像診断と組み合わせたMRIに使用される。
本発明は、以下も提案する:
-診断用組成物の調製又は製造のための、すなわち、先に定義された画像化技術(複数可)の1種又はいくつか、特に2又は3種の組み合わせにおける使用に意図される粒子、組成物、又は医薬組成物の使用;及び
-画像化において、特に診断薬として、マルチモード診断薬として(特に二方式又は三方式)、又は先に定義された画像化技術(複数可)の1種又はいくつか、特に2又は3種の組み合わせを利用する診断法において使用するための粒子、組成物、又は医薬組成物。
本発明は、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物を利用して、動物、特に哺乳動物、又は患者において、MRI、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、PET、TDM、若しくは超音波画像診断により、又は先に定義されたこれら技術の少なくとも2種の(特に2又は3種)の組み合わせにより、信号、特に画像(複数可)を取得する方法であって、下記を含む方法も提案する:
a)粒子又は粒子を含む媒体の励起;及び
b)励起後の、前記粒子に関連する少なくとも1つの信号(特に画像)の取得。
本発明は、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物を利用して、動物、特に哺乳動物、又は患者において、MRI、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、PET、TDM、若しくは超音波画像診断により、又は先に定義されたこれら技術の少なくとも2種の(特に2又は3種)の組み合わせにより、信号、特に画像(複数可)を取得する方法であって、下記を含む方法も提案する:
a)本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物の、動物又は患者への、特に静脈内への投与;
b)粒子又は粒子を含む媒体の励起;及び
c)励起後の、前記粒子に関連する少なくとも1つの信号(特に画像)の取得。
「励起」という用語は、診断法に利用される画像化技術又は技法の関数として、磁場の印加(MRI)、X線のビームによる対象(動物又は患者)の走査(TDM)、特定の波長の光(光学イメージング)、及び/又は超音波(超音波画像診断)による走査を意味する。
「粒子を含む媒体」という用語は、本発明の粒子が投与された生物学的液体若しくは組織又は、本発明の粒子の投与の後に、本発明の粒子が局在化するか、若しくは濃縮する(特に標的化により)生物学的液体若しくは組織を意味する。
本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物の診断用途は数多く、MRI、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、TDM、PET、又は超音波画像診断技法の従来の用途に相当する。例としては、粒子、組成物、又は医薬組成物は、先に定義された画像化技術の実施に、多くの疾病、特定の非限定的な例が、脳、脊髄、大血管、動脈、胸腔内臓器(例えば心臓)、脊椎、消化管臓器及び骨盤内臓器、筋肉、関節及び隣接構造、腱、靭帯及び末梢神経及び腫瘍細胞に関連した疾病である多くの疾病の診断のために使用される。特に、粒子、組成物、又は医薬組成物は、非限定的に、利用される画像化技術又は画像化技術の組み合わせの関数として、冠動脈疾患、弁疾患、心筋症、先天性心疾患、心膜疾患、先天性心臓欠陥、腫瘍(骨、心臓、リンパ腫、肺結節、上部気道消化管、消化器癌の肝臓局在化、メラノーマ、乳癌、婦人科の癌)、炎症性神経性疾患、椎間板ヘルニア、椎間板体性病(discosomatic diseases)、脊椎及び脊髄の外傷性病変、感染性脊椎椎間板炎、動静脈欠陥、並びにアルツハイマー病及びパーキンソン病などの変性性脳疾患の診断に使用される。
本願は、画像化における、特に医療用画像化における、特に先に定義された診断法又は診断用画像化における、同時に薬物としての又は療法のための、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物の使用も提案する。「同時」又は「同時に」という用語は、画像化技術(複数可)からの信号(特に画像)の取得と対象(動物又は患者)の治療のための治療工程が、同じ対象において、同じ調査期間の間に、すなわち本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物の単一の注射の後に実施されることを意味する。
画像化における用途又は先に詳述された診断用途に加えて、本発明の粒子は、薬物として、又は療法のためにも使用でき、有効成分は、おそらくは、粒子自体又は粒子に結合している治療分子である。
一実施態様において、本発明の粒子は、その被覆されていない形態で、それ自体薬物の有効成分を少なくとも部分的に構成する。粒子の定義において、AがGdである場合、中性子捕捉療法(NCT)を実施できるが、これは、Gd、特にその157Gd同位体により所有される中性子の大きな吸収断面に依拠する。このように、中性子(n)が捕捉されると、157Gd核は、核反応を受ける:157Gd+n→158Gd*158Gd+γ+ze-、ここで、7.8MeVに達し得るエネルギーと共に、基本的に内部転換から誘導される41keV以下のエネルギーを持つオージェ型のいくつかの電子、特にz電子を伴って、高エネルギーγ線の迅速な放出が起こる(De Stasioらの文献、2001年)。オージェ電子は、およそ数十ナノメートルの短距離にわたって高度に電離性である。これらの電子は、腫瘍細胞中の二本鎖DNAの破壊を起こすことができ、壊死に至る。そのため、好都合には、AがGdである本発明の粒子により、MRIとNCTによる画像化を結びつけることが可能である(Gd2O3のコアを持つ粒子に関してBridotらの文献(2009年)参照)。NCTは、脳腫瘍、特に多形膠芽細胞腫の治療に適切である。ある特定の実施態様において、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物は、診断薬として、又はMRIにおける造影剤として、同時に脳腫瘍の治療に使用される。
他の実施態様において、本発明の粒子は、その被覆された形態で、薬物の有効成分を構成し、粒子は特に薬物輸送ビヒクルとして使用されている。この場合、治療分子(例えば抗癌分子)並びに任意に標的化分子及び/又はステルス剤を保持する本発明による粒子に言及すべきである。本発明の粒子を、同時に診断薬として、特にMRI造影剤として、及び治療分子を輸送するビヒクルとして使用すると、薬物の標的部位での進行及び/又は蓄積をMRIによりモニターでき、そのため用量及び投与間隔を最大の効果が得られるように調整できる利点がある。この使用は、上述の画像化技術、特にMRIを利用して診断できる疾病の治療に特に適切である。
特定の実施態様において、本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物は、診断薬として、又はMRIにおける造影剤として、及び腫瘍の治療に使用される。
本発明は、下記も提案する:
-画像化における、特に診断薬としての、又はMRI造影剤としての、及び薬物としての同時の使用のための本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物;
-画像化における、特に診断薬としての、又はMRI造影剤としての、及び腫瘍の治療における薬物としての同時の使用のための本発明による粒子、組成物、又は医薬組成物;並びに
-画像化技術、特にMRIの実施、及び腫瘍の治療を同時に意図された医薬組成物の調製又は製造のための粒子、組成物、又は医薬組成物の使用。
本発明は、下記を含む、対象を治療する方法、特に腫瘍(複数可)を持つ対象を治療する方法も提案する:
-粒子、組成物、又は医薬組成物を対象に投与すること;
-粒子を励起すること;及び
-励起後に前記粒子に関連する少なくとも1つの信号(特に画像)を取得した後に、特に腫瘍における粒子の進行及び/又は蓄積をモニターすること。
診断用途が単独で利用されるか、同時の診断上及び治療上用途の状況で利用されるかにかかわらず、利用される用量は、MRI技法に通常推奨されるものであろう。一実施態様において、対象に投与される投与量は、0.01〜0.5mmol/kg、特に0.05〜0.3又は0.01〜0.2mmol/kg(常磁性イオン又は複数のイオンのmmolで)である。
「含んでいる(comprising)」という用語は、「含んでいる(including)」又は「含んでいる(containing)」と同義であるが、開放的な用語であり、明白に示されていない1種以上の追加の要素(複数可)若しくは成分(複数可)又は追加の方法工程(複数可)の存在を除外しないが、「からなる(consisting)」という用語は閉鎖的な用語であり、明白に開示されていない他の追加の要素若しくは成分又は追加の工程の存在を除外するものである。
本願の解釈を容易にするため、明細書を、種々の段落及び節に分けた。これらの区分が、ある段落又は節の大意を、他の段落又は節の大意から断ち切っていると思うべきではない。対照的に、本明細書は、その中に含む種々の段落、節、及び文の可能なあらゆる組み合わせを包含する。
以下の実施例は、純粋に説明のためにのみ与えられる。実施例は本発明を何ら限定するものではない。
(実施例)
(I.方法及び装置)
(1.1.試薬の調製)
オルトバナジン酸ナトリウムNa3VO4(純度99.9%、M=183.91g/mol、Alfa Aesar社製、シルティカイム、フランス)を、比抵抗が少なくとも18MΩcmである超純水に溶解させ、最終濃度を0.1Mにした。pHを12.5〜13.0に調整した。希土類硝酸塩を超純水に溶解させ、最終濃度を0.1Mにした。溶液を、Y(NO3)3・6H2O(純度99.8%、M=383.01g/mol、Sigma Aldrich社製、サンカンタンファラヴィエ、フランス)及びGd(NO3)3・6H2O(純度99.9%、M=451.36g/mol、Alfa Aesar社製)から調製し、調製したまま使用した。Euでドープした粒子の合成には、希土類硝酸塩溶液を、体積で混合して所望のEu濃度にし、全希土類濃度0.1Mの溶液を与えた。
(1.2.Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子の合成)
式Y0.6Eu0.4VO4を有するコア及び式GdVO4を有するシェルを含むコア/シェルタイプの粒子を合成した。直径がおよそ40nm(すなわち半径20nm)の粒子を得た。コアの体積(Vc)とシェルの体積(Vs)の体積比は、シェルの厚さに5nmの値を利用して計算した。シェルの体積は、Vs=VNP-Vc=4/3π(rNP-rc)3(式中、VNPは粒子の体積である)により与えられる。以下の体積比が得られた:
Vs/Vc=(rNP 3-rc 3)/rc 3=(rNP/rc)3-1=(20/15)3-1=1.37。
75mLの0.1Mランタニド溶液の全体積では、これは31.5mLのコア及び43.5mLのシェルのランタニド溶液に相当する。粒子の化学量論を考慮して、コア中のランタニド溶液は、それ自体60%(vol/vol)のY(NO3)3溶液と40%(vol/vol)のEu(NO3)3溶液の混合物であった。シェルには、Gd(NO3)3の純粋な溶液を使用した。
以下の方法を実施して、粒子を合成した。
75mLのバナジン酸ナトリウム0.1M溶液、pH 12.5〜13.0を、250mLの三角フラスコに入れ、室温で激しく撹拌した。硝酸ユウロピウム及び硝酸イットリウムを含む混合物を、流速1mL/分で蠕動ポンプを使用して加えた。コアを形成する溶液の添加の後、シェルを形成する硝酸ガドリニウムの溶液を直ちに同じ流速で加えた。これらの添加の全ての最後に、分散液を、撹拌しながらさらに30分間放置し、次いで以下のセクション1.3に記載する精製手順を行った。
(1.3.精製)
溶解している対イオンを除くために、得られた粒子の粗製分散液を、透析又は遠心分離により精製した。透析は、Spectra/Por再生セルロース透析膜(MWCO 12-14kDa、Spectrum Labs、ランチョドミンゲス、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)を使用して、粒子分散液の導電率が100μScm-1未満になるまで、超純水に対して実施した。より大きい体積には、遠心分離による精製を実施した。26323gで20分間分散液を遠心分離した。上清を除き、沈殿物を超純水に再分散させた。遠心分離-分散液に戻す(taking up into dispersion)工程を、分散液に戻された粒子の100μScm-1未満の導電率が観察されるまで、濃縮係数により3〜5回繰り返した。
(1.4.サイズ選択)
サイズの選択は2つの遠心分離工程を利用して実施した。最初に、分散液を500gで2分間遠心分離し、得られた上清を新たに1000gで2分間遠心分離して、凝集物及び非常に粗い粒子を除いた。上清は、小さいサイズ分布と高い収率の間の良好な歩み寄りを持つ粒子の分散液を含んでいた。動的光拡散(dynamic light diffusion)技術による特性化(数平均値)は、分布の幅16nmで液体力学的径55nmを与えた。
(1.5.緩和時間の測定)
得られた粒子に関連する緩和時間を、プロトン共鳴周波数ω/2π=20MHz及び温度37℃で運転しているBruker minispec NMS 120緩和計(Bruker社製、ラインシュテッテン、ドイツ)で測定した。角周波数ωと周波数νの間の混乱を避けるために、本明細書ではHzで与えられる周波数は全てω/2π=νに対応する。分光計は、製造業者の説明書に従って、公知の成分比を有する標準的な水/油混合物を使用して較正した。事前に希釈した溶液を、10×1mL試料を含む一系列を使用して直接10mm NMR(核磁気共鳴)管中でさらに希釈した。希釈液は全て超純水を使用してつくった。管を密封し、測定前に37℃の水浴中に少なくとも10分間置いた。緩和時間T1を、繰り返し時間TR=5秒で反復回復パルスシーケンスを使用して決定した。パルス間隔時間TIを、TIが0.6T1にほぼ等しいという条件が満たされるまで調整した。緩和時間T2を測定するに、繰り返し時間TR=8秒を使用して、CPMG(カー・パーセル・マイボーム・ギル)パルスシーケンスを利用した。一般に、試料の濃度に応じて0.5〜2msのエコー時間TEで100エコーを記録した。100エコーの間に磁気の完全な消滅を記録するために、TEを手作業で調整した。どちらの場合でも、装置のソフトウェアが磁化の測定される回復の調整を実施し、対応する緩和時間はそのエラーバーと共に直接表示した。
(1.6.緩和時間の分析)
粒子あたりの緩和性は、最初に粒子の体積を計算して決定した。そのために、ナノ粒子を、寸法が均質であり、DLS(動的光散乱)により決定される数平均直径に等しい直径を有する球体であると仮定した。シリケート粒子の場合、被覆していない(すなわち修飾していない)粒子の直径を利用した。粒子あたりのGdイオンの数を、GdVO4から得られた単位格子寸法a=b=7.204Å及びc=6.338Åを全試料に使用し、単位格子あたり4の式単位及びそれぞれの粒子の組成に対応する化学量論的因子を使用して評価した。次いで、Gdイオンあたりの緩和性に粒子あたりのGdイオンの数をかけて、粒子あたりの緩和性を得た。
(1.7.ルミネセンススペクトルの取得)
粒子の分散液を、ほとんど透明に見えるように事前希釈し、2mm QS 100クォーツセル(Hellma社製、ミュールハイム、ドイツ)に移した。発光スペクトルをHitachi F-4500蛍光分光光度計(Hitachi High-Tech社製、東京、日本)を利用して記録した。スペクトル幅2.5nmのスリットを、励起路及び発光路に使用し、240nm/分のスピードで走査を実施した。発光スペクトルを取得するために、GG-375ハイパスフィルター(Schott社製、マインツ、ドイツ)を検出路に配置した。ルミネセンスを280nmで励起し、発光を500〜700nmで記録した。吸光度が0.3を超える場合、量子収率の決定のために、吸光度測定用にさらに試料を希釈した。
(1.8.過酸化水素に対する応答)
過酸化水素に対する応答を測定するために、94mM(VO4 3-イオンの濃度)のY0.6Eu0.4(VO4)/Gd(VO4)粒子の100μlの懸濁液をクォーツスライドに加えることにより、粒子の密な層をスピンコートした。ルミネセンスを、それぞれ、光還元工程の間、励起強度1.6kW/cm2で、取得速度1画像/秒で10分間、回復の間、励起強度0.3kW/cm2で、取得速度1画像/3秒で10分間記録した。画像あたりのルミネセンスの強度を、均質な粒子の被覆率を有する円形の領域で評価した。ルミネセンス信号を、各取得サイクルの間最初に分析された画像に対して1の値に規格化した。光還元及び回復の値は、この最初の画像に対するパーセンテージの形態で与えられる。
(1.9.ナノ粒子)
上記実施例と同様に、xが10%〜75%でありかつyが0.1%〜99%であるLa1-xEuxPO4/GdPO4ナノ粒子、La1-xEuxPO4/GdPO4ナノ粒子、La1-xEuxPyV1-yO4/GdPO4ナノ粒子、及びY1-xEuxPyV1-yO4/GdVO4ナノ粒子を、上記の通りLa1-xEuxPO4、GdPO4、La1-xEuxPyV1-yO4、GdPyV1-yO4、Y1-xEuxPyV1-yO4、又はGdPyV1-yO4ナノ粒子の合成のプロトコルを適応させて調製できる(Buissette, V.らの論文(Journal of materials chemistry vol 16 issue 6 p.529-539)又はBuissette V.らの論文(Chemistry of Materials Vol 16 issue 19 p. 3767-3773)を参照されたい)。
(II.結果)
(2.1.緩和時間)
Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子に対してGd3+イオンの濃度の関数としての、20MHzでの緩和時間T1及びT2の調整により、緩和性r1=4.0mM-1s-1及びr2=4.7mM-1s-1が生じた(図1A及び1B)。
Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子の緩和性を、他の粒子と比較した(以下の表2参照)。
Figure 0006318096
Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子(コア/シェル組織)は、均質なGdVO4粒子及び均質なGd0.6Eu0.4VO4粒子よりも、プロトンの緩和を誘導するのに効果的である(r1 イオン及びr2 イオンが4以上)。これらの結果は、より磁気的に活性なGdイオンがY0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子中の表面に近く位置し、そのため、均質な粒子(GdVO4及びGd0.6Eu0.4VO4)中のGdイオンに比べて水のプロトンとより効果的に相互作用できるという事実に帰せられるが、均質な粒子ではGdイオンの一部が粒子内部に配置されている。これらの後者は、水と直接接触しない。
さらに、Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子で観察された緩和性比r2/r1は、Dotarem(商標)及び遊離のGd3+イオンで観察されたもの(すなわち約1.2)とほぼ同じ大きさであり、粒子はより高い比率で純粋で均質なGdVO4により構成されている。
(2.2.ルミネセンス)
Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4ナノ粒子(コア/シェル組織)の懸濁液のルミネセンススペクトルを図2に示す。このスペクトルは、5D07F1の遷移に関連する593nmのピーク、616nmの主要な強い二重ピーク(5D07F2)、650nmの非常に弱いピーク(5D07F3)、及び699nmの別な二重ピーク(5D07F1)を示す。このスペクトルは、文献(Huignardらの文献; 2000年)中のEuでドープしたYVO4で測定されたスペクトルに対応する。Eu3+イオンの5s及び5p層の外殻電子による4f電子の保護が、狭い発光線を生み出す。そのため、これらの結果により、Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子の二部構造(特に、コア/シェル組織)が、Y0.6Eu0.4VO4のルミネセンス発光スペクトルを乱さないことが確認される。
(2.3.ルミネセンス量子収率)
量子収率の決定のための較正曲線を、ローダミン6G有機フルオロフォアから得た。調整における相対的誤差は2%であった。280nmでのナノ粒子の分散液の吸収は、粒子による入射光の拡散から生じるバックグラウンド上のピークとして得られた。280nmでの吸光度値、A280は、拡散からの寄与によりあまり正確ではなかった。そのため、量子収率の決定におけるおよそ5%の全誤差は、妥当なようである。
ユウロピウムイオンを含む数種の粒子の合成のルミネセンス量子収率(Q)を、このように決定した。結果を表3にまとめる。
Figure 0006318096
これらの種々の粒子のルミネセンス量子収率を比較すると、以下の結論を導くことができる:
(1)ユウロピウムでドープしたGdVO4のマトリックス(Gd0.6Eu0.4VO4)を持つ粒子のQ値は、ユウロピウムでドープしたYVO4のマトリックス(Y0.6Eu0.4VO4)を持つ粒子よりも低い。そのため、GdVO4マトリックスは、ユウロピウムイオンの発光に関してYVO4よりも効果が低いようである。
(2)2つの部分(発光性部分及び造影剤部分)を有するY0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子は、単に発光性部分により構成された粒子(Y0.6Eu0.4VO4)と同等の量子収率(Q)を示した。この最後の観察は、量子収率がユウロピウムイオンの直接環境により基本的に決まり、他の部分、特に造影剤活性を有する部分の存在によってはわずかしか影響を受けないことを示す。これは、コア/シェル形態に組織された本発明の粒子の状況ですら当てはまり、該粒子では、発光性部分がコアにあり、造影剤活性を有する部分により完全に覆われている。実際に、表3に示された結果を考慮すると、このシェルの存在も、その組成も、コアに位置する部分の量子収率(及び、そのため発光活性)を著しく(すなわち、誤差範囲を超えて)変える性質ではない。
(2.4.過酸化水素の検出)
Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子を、クォーツスライド上にスピンコートし、高いレーザー強度で励起した。対応する時間の関数としてのルミネセンス強度を図3Aに示す。ルミネセンス強度の観察される低下により、Eu3+イオンの光還元がY0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子で起こることが確認される。
双指数関数的減衰関数によるルミネセンスの低下の調整を利用した。減衰時間τ1=17秒及びτ2=116秒並びに光還元による強度の40%の低下(残存する強度I=60%)を得た。これらの値は、Y0.6Eu0.4VO4試料で先に得られたもの(Casanovaらの文献、2009年)と同等である。
100μMのH2O2を加えた後の光還元の後の初期の強度に比べたルミネセンスの回復は、15%であった。最大の回復には、およそ2分後に達し、指数回復定数(exponential recovery constant)τ*=119秒(図3B)であった。これらの結果は、これらの粒子が、100μMほどの低濃度のH2O2を検出できることを示す。
Y0.6Eu0.4VO4/GdVO4粒子は、そのコア/シェル組織を持ち、特にマルチモードの画像化のための強力な薬剤を構成する。それらは、発光性マーカーとしても、酸化性物質センサーとしても、MRIの造影剤としても使用できる。それらは、特に過酸化水素の高感度検出に必要な高いルミネセンス量子収率と、通常の造影剤で得られるより良好なMRIコントラストを兼ね備える。
(参考文献)
Figure 0006318096
Figure 0006318096

Claims (26)

  1. 画像化において使用するための組成物であって、下記の少なくとも2つの部分を含むか、又はそれらからなる発光性且つ常磁性の粒子を含み:
    式XaLb(MpOq)を有する部分
    (式中、
    -Mは、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の元素であり;
    -Lは、1種以上の、好ましくは1種の発光性ランタニドイオン(複数可)に相当し、Lは、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、及びYbにより構成される群から選択され;
    -Xは、ルミネセンスの点で中性である1種以上の、好ましくは1種のイオン(複数可)に相当し、Xは、La、Y、Gd及びBiにより構成される群から選択され;且つ
    -p、q、a、及びbの値は、XaLb(MpOq)の電気的中性が守られるような、比b/(b+a)により定義される発光性元素の分率が10%を超え75%以下であるようなものである);及び
    式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分
    (式中、
    -M'は、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の元素であり;
    -Aは、1種以上の、好ましくは1種の常磁性ランタニドイオン(複数可)に相当し、Aは、Gdであり;
    -X'は、常磁性の点で中性である1種以上の、好ましくは1種のイオン(複数可)に相当し、X'は、La、Y及びBiにより構成される群から選択され;且つ
    -p'、q'、e、及びfの値は、AeX'f(M'p'Oq')の電気的中性が守られるような、比e/(e+f)により定義される常磁性元素の分率が80%から100%であるようなものである);
    M及びM'は、互いに独立に、V、P、W、Mo、及びAsにより構成される群から選択され;
    式XaLb(MpOq)を有する部分及び式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分が、コア/シェル構造と称される構造に配置され、式XaLb(MpOq)を有する部分が、該粒子の該コアを構成し、かつ式AeX'f(M'p'Oq')を有する部分が該粒子の該シェルを構成し;
    元素Lが、可視光において直接励起される、前記組成物。
  2. 磁気共鳴画像法(MRI)、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、陽電子放出断層撮影法(PET)、断層撮影法(TDM)、及び超音波画像診断からなる群から選択される少なくとも1種の画像化技術において使用するための、請求項1記載の組成物。
  3. 前記粒子が、下記の少なくとも2つの部分を含むか、又はそれらからなり:
    式XaLb(MpOq)を有する部分
    (式中、
    -Mは、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の元素であり;
    -Lは、1種以上の、好ましくは1種の発光性ランタニドイオン(複数可)に相当し、Lは、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、及びYbにより構成される群から選択され;
    -Xは、ルミネセンスの点で中性である1種以上の、好ましくは1種のイオン(複数可)に相当し、Xは、La、Y、Gd及びBiにより構成される群から選択され;且つ
    -p、q、a、及びbの値は、XaLb(MpOq)の電気的中性が守られるような、比b/(b+a)により定義される発光性元素の分率が10%を超え75%以下であるようなものである);及び
    式Ae(M'p'Oq')を有する部分
    (式中、
    -M'は、酸素(O)と結合してアニオンを形成することができる少なくとも1種の元素であり;
    -Aは、1種以上の、好ましくは1種の常磁性ランタニドイオン(複数可)に相当し、Aは、Gdであり;且つ
    -p'、q'、及びeの値は、Ae(M'p'Oq')の電気的中性が守られるようなものである);
    M及びM'は、互いに独立に、V、P、W、Mo、及びAsにより構成される群から選択され;
    式XaLb(MpOq)を有する部分及び式Ae(M'p'Oq')を有する部分が、コア/シェル構造と称される構造に配置され、式XaLb(MpOq)を有する部分が、該粒子の該コアを構成し、かつ式Ae(M'p'Oq')を有する部分が該粒子の該シェルを構成する、請求項1又は2記載の組成物。
  4. M及びM'が、互いに独立に、P及び/又はVである、請求項1〜3のいずれか一項記載の組成物。
  5. M及びM'が、Vである、請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物。
  6. Lが、Euである、請求項1〜5のいずれか一項記載の組成物。
  7. Xが、Yである、請求項1〜のいずれか一項記載の組成物。
  8. 前記比b/(b+a)が、10%〜75%である、請求項1〜のいずれか一項記載の組成物。
  9. 前記比b/(b+a)が、25%〜45%である、請求項1〜のいずれか一項記載の組成物。
  10. X'が、存在する場合、Yである、請求項1〜のいずれか一項記載の組成物。
  11. 前記比e/(e+f)が、90%〜100%である、請求項1〜10のいずれか一項記載の組成物。
  12. p及びp'が、互いに独立に、0又は1に等しく、且つ/又はq及びq'は、互いに独立に、2〜5の範囲である、請求項1〜11のいずれか一項記載の組成物。
  13. 前記粒子が、式XaEub(VpOq)/AeX'f(M'p'Oq')又は式XaEub(VpOq)/Ae(M'p'Oq')を有するように、MがVであり、LがEuである、請求項1〜12のいずれか一項記載の組成物。
  14. 前記粒子が、式Y0.6Eu0.4(VO4)/Gd(VO4)のものであり、式Y0.6Eu0.4(VO4)を有する部分が、粒子の前記コアを構成し、式Gd(VO4)を有する部分が該粒子の前記シェルを構成する、請求項1〜13のいずれか一項記載の組成物。
  15. 記粒子が第三の部分により被覆されており、この第三の部分が、準備層、官能基を保持する層、及び生物活性のある分子により構成された層から選択される少なくとも1つの層を含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の組成物。
  16. 前記生物活性のある分子が、治療活性のある分子、及び/又は標的化分子、及び/又はステルス剤、及び/又は蛍光分子から選択される、請求項15記載の組成物。
  17. 前記粒子サイズが、1〜500nmの範囲である、請求項1〜16のいずれか一項記載の組成物。
  18. 前記シェルが常磁性であり、且つ/又はルミネセンスの点で中性である、請求項1〜17のいずれか一項記載の組成物。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項記載の組成物、及び医薬として且つ/又は生理的に許容し得るビヒクルを含む、医薬組成物。
  20. MRI、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、PET、TDM、又は超音波画像診断からなる群から選択される少なくとも1種の画像化技術における画像化に使用するための、及び薬物としての同時使用のための、請求項19記載の医薬組成物。
  21. 診断用画像化において使用するための、請求項20記載の医薬組成物。
  22. 請求項1〜18のいずれか一項記載の組成物、又は請求項1921のいずれか一項記載の医薬組成物を利用して、患者又は動物において、MRI、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、PET、TDM、又は超音波画像診断により、又はこれら技術の少なくとも2種、特に2又は3種の組み合わせにより、信号、特に画像(複数可)を取得する方法であって、
    a)該組成物に含まれる前記粒子の励起;及び
    b)励起後の、該粒子に関連する少なくとも1つの信号の取得
    を含む、前記方法。
  23. YaEub(P,V)O4部分及びGd(P,V)O4部分を含み、b/b+aが10を超える、ナノ粒子。
  24. 式YaEub(P,V)O4を有する部分が前記粒子のコアを構成し、式Gd(VO4)を有する部分が前記粒子のシェルを構成する、式YaEub(V,P)O4/Gd(V,P)O4を有する、請求項23記載のナノ粒子。
  25. 式Y 0.6 Eu 0.4 (VO 4 )を有する部分が前記粒子のコアを構成し、式Gd(VO 4 )を有する部分が前記粒子のシェルを構成する、式Y 0.6 Eu 0.4 (VO 4 )/Gd(VO 4 )を有する、請求項24記載のナノ粒子。
  26. 前記ナノ粒子のEu 3+ イオンが可視光において直接励起される、MRI、光学イメージング、酸化性物質の光学検出、PET、TDM、又は超音波画像診断からなる群から選択される少なくとも1種の画像化技術における画像化に使用するための、及び薬物としての同時使用のための、請求項23〜25のいずれか一項記載のナノ粒子。
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